〔第1実施形態〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。本実施形態における測距装置(光学式測距装置)10は、三角測距法を利用して測距対象物までの距離を示す測距値を測定する光学式測距装置である。
(測距装置10の構成)
測距装置10の構成について、図1(a)〜(b)を参照して説明する。図1(a)は、本発明の一実施形態に係る測距装置の構成を示す断面図であり、図1(b)は、図1(a)に示す測距装置の上面図である。
測距装置10は、発光素子11と、受光素子(測距値算出手段)12と、リードフレーム13と、発光レンズ(光照射手段)14と、受光レンズ(集光手段)15と、ケース(保持部材、側壁)16と、遮光壁(保持部材)17と、レンズ間距離制御部(距離制御手段)18と、発光モールド部(第1の透光性樹脂部)19と、受光モールド部(第2の透光性樹脂部)20と、遮光性樹脂部(遮光性樹脂部)21とを備えている。
発光素子11とは、光を出射する素子である。
発光レンズ14は、発光素子11から出射された光を集光して測距対象物に照射する、投光用のレンズである。受光レンズ15は、測距対象物からの反射光を集光する受光用のレンズである。発光レンズ14と受光レンズ15とは、発光レンズ14から照射される光の光路に対して垂直な同一の平面上に、遮光壁17を挟んで設けられ、かつ、同一の保持部材であるケース16及び遮光壁17によって保持されている。
ケース16と遮光壁17とは、遮光性樹脂により構成され、一体的に形成された筐体である。ケース16と遮光壁17とは、発光レンズ14及び受光レンズ15を保持する保持部材であるとともに、遮光性樹脂部21を係止するための部材である。
ケース16は、発光レンズ14及び受光レンズ15の周囲に設けられ、これらを保持するものである。ケース16は、発光レンズ14及び受光レンズ15の周囲から遮光性樹脂部21の周囲までを覆うように設けられており、測距装置10の側壁を構成する。
遮光壁17は、発光レンズ14と受光レンズ15との間に設けられ、ケース16とともにこれらを保持するものである。遮光壁17は、発光素子11から発光レンズ14までの光路と、受光レンズ15から受光素子12までの光路とを仕切るように設けられており、発光素子11から出射した光が、発光レンズ14またはケース16の内壁により反射して直接受光素子12に入射することを防止する。
ケース16及び遮光壁17を構成する遮光性樹脂としては、公知の遮光性の樹脂を用いることができ、例えばポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリブチレン・テレフタレート(PBT)、ポリフェニレン・サルファイド(PPS)等を用いることができる。なお、ケース16と遮光壁17とは、同じ材料により構成されていてもよいし、異なる材料により構成されていてもよい。
受光素子12は、光検出部(図示せず)と、温度センサ(温度検出手段)25と、信号処理回路(図示せず)とを備えている。
受光素子12は、光検出部により、受光素子12の基準点から、受光レンズ15によって反射光が集光されて形成された受光スポットの光重心位置(集光位置)までの距離を検出し、スポット検出値(検出値)として得る。また、温度センサ25により、測距装置10の温度を検出する。ここで、「測距装置10の温度(光学式測距装置の温度)」とは、測距装置10を構成する部材であって、測距装置10の周囲の温度と測距装置10の自己発熱とのいずれもが直接的に伝わる部材の温度をさす。なお、このような部材としては、発光素子11、受光素子12及びこれらの周囲にある部材などが挙げられる。温度センサ25については後述する。
また、受光素子12は、信号処理回路により、受光素子12の光検出部が検出したスポット検出値と、温度センサ25が検出した測距装置10の温度とに基づいて、三角測量の原理に基づいて測距対象物までの測距値を算出する。このとき、受光素子12は、測距対象物までの距離を測定しているときの温度センサ25によって検出された温度と、当該距離を測定していないときの温度センサ25によって検出された温度との変化に基づいて、スポット検出値を補正する。
「測距対象物までの距離を測定しているとき」とは、発光素子11及び発光レンズ14によって測距対象物に光を照射し、測距対象物からの反射光の受光スポットを受光素子12が検出しているときをさす。また、「測距対象物までの距離を測定していないとき」とは、発光素子11が光を出射しておらず、受光スポットが受光素子12上に集光されていないときをさす。
測距値の具体的な測定方法については、後述する。
受光素子303としては、半導体位置検出素子(PSD)または複数のフォトダイオード(PD)が配置されたリニアセンサ、イメージセンサなどを用いることができる。
発光モールド部19は、発光素子11を封止する透光性樹脂により構成されており、受光モールド部20は、受光素子12を封止する透光性樹脂により構成されている。これにより、発光素子11と受光素子12とは、それぞれ個別に透光性樹脂によって封止されている。透光性樹脂としては、公知の透光性の樹脂を用いることができ、例えばエポキシ樹脂等を用いることができる。なお、発光モールド部19と受光モールド部20とは、同一の透光性樹脂により構成されていてもよいし、それぞれ異なる透光性樹脂により構成されていてもよい。
発光モールド部19と受光モールド部20とは、遮光性樹脂部21によって覆われ、この遮光性樹脂部21によって互いに隔てられている。また、発光モールド部19と受光モールド部20とは、リードフレーム13の一部によって接続されている。
遮光性樹脂部21は、遮光性樹脂により構成されており、発光モールド部19と受光モールド部20とを覆うように形成される。遮光性樹脂部21は、発光モールド部19と受光モールド部20とを互いに隔てることによって、光が発光素子11から受光素子12に直接入射することを防止する。遮光性樹脂部21を構成する遮光性樹脂としては、公知の遮光性の樹脂を用いることができ、例えばPPS等が挙げられる。また、遮光性樹脂部21には、窓22及び23が形成されている。
窓22及び23は、それぞれ発光素子11の上方と受光素子12の上方とにおける所定の位置に形成される。窓22及び23によって、発光素子11からの光を前方に出射させ、測距対象物からの反射光を受光素子12に入射させるための光路が確保される。
(発光モールド部19及び受光モールド部20の詳細な構成)
発光モールド部19及び受光モールド部20の詳細な構成について、図2(a)〜(b)を参照して説明する。図2(a)〜(b)は、図1(a)〜(b)に示す測距装置の発光モールド部及び受光モールド部の内部を詳細に示す図であり、図2(a)は上面図であり、図2(b)は側面から見た断面図である。
図2(a)に示すように、発光モールド部19内では、発光素子11がリードフレーム13上の所定の位置に実装されており、受光モールド部20内では、受光素子12がリードフレーム13上の所定の位置に実装されている。すなわち、発光素子11と受光素子12とは、同一平面にあるリードフレーム13上にそれぞれ実装されている。発光素子11及び受光素子12は、それぞれ金(Au)ワイヤー24によってリードフレーム13に電気的に接続されている。リードフレーム13の一部は、発光モールド部19内から受光モールド部20内に貫通し、両モールドを接続している。
リードフレーム13のうち、少なくとも発光モールド部19と受光モールド部20とを接続するリードフレーム13は、遮光性樹脂部21よりも熱膨張係数が小さいことが好ましい。リードフレーム13に用いる材料としては、遮光性樹脂部21よりも熱膨張係数が小さいものであればよく、例えば金属等を用いることができ、具体的にはセラミック、タングステン、モリブデン、42アロイ等が挙げられる。
遮光性樹脂部21は、測距装置10の周囲温度が変化した場合、及び発光素子11及び受光素子12が自己発熱した場合などに、図2(b)に矢印で示すように膨張しようとする。しかし、上述した構成であれば、発光モールド部19と受光モールド部20とはリードフレーム13により接続されているため、遮光性樹脂部21が膨張または収縮しようとした場合に、発光素子11と受光素子12との間の距離(以下、「受発光素子間距離」ともいう。)の変動が抑制される。したがって、受光素子12による、温度センサ25が検出した温度に基づく受光スポットの位置の補正を正確に行なうことが可能となり、より正確な測距値を得ることができる。
(レンズ間距離制御部18)
レンズ間距離制御部18は、発光レンズ14及び受光レンズ15を保持する保持部材であるケース16及び遮光壁17よりも熱膨張係数が小さい板状部材であり、ケース16の側壁の内部に、測距装置10を囲むように設けられている。すなわち、レンズ間距離制御部18は、発光レンズ14と受光レンズ15とを囲むように設けられている。
レンズ間距離制御部18の熱膨張係数は、例えば、レンズ間距離制御部18の熱膨張係数をαとし、発光レンズ14と受光レンズ15との間の距離をLとし、受光レンズ15と受光素子12との間の距離をdとすると、下記式(2)
α/(L×d) < 1・・・(2)
を満たすことが好ましい。
レンズ間距離制御部18を構成する材料としては、例えば金属等を用いることができ、具体的には、セラミック(熱膨張係数〜5.0×10−6[1/℃])、タングステン(熱膨張係数〜4.3×10−6[1/℃])、モリブデン(熱膨張係数〜4.0×10−6[1/℃])、42アロイ(熱膨張係数〜5.0×10−6[1/℃])などが挙げられる。なかでも、生産性及びコストの観点から、42アロイが好ましい。
このような構成により、レンズ間距離制御部18は、ケース16及び遮光壁17の膨張または収縮を物理的に抑制することにより、測距装置10の周囲温度の変化によって生じる「測距装置10の温度」の変化に対する発光レンズ14と受光レンズ15との間の距離(以下、「レンズ間距離」「受発光レンズ間距離」ともいう。)の変動量と、測距装置10の自己発熱によって生じる「測距装置10の温度」の変化に対するレンズ間距離の変動量とを近づけるように、レンズ間距離を制御する。したがって、レンズ間距離制御部18によって、測距装置10の周囲温度の変化によって生じる「測距装置10の温度」の変化に対するレンズ間距離の変動量と、測距装置10の自己発熱によって生じる「測距装置10の温度」の変化に対するレンズ間距離の変動量とを、略等しくすることができる。
なお、ケース16及び遮光壁17に使用される遮光性樹脂として例示されるポリカーボネート樹脂の熱膨張係数は約7.0×10−5[1/℃]であり、ABS樹脂は約7.4×10−5[1/℃]である。したがって、上述した構成により、レンズ間距離制御部18は、ケース16及び遮光壁17の膨張を効果的に抑制し、レンズ間距離の変動を、受光素子12がスポット検出値の変化量として検出できる検出限界より小さくすることができる。したがって、レンズ間距離を効果的に制御することができる。
ここで、受発光レンズを保持する部材であるケース16及び遮光壁17のうち、受発光レンズの近傍にある部分の温度は、主に、測距装置10の周囲からの熱によって測距装置10が全体的に加熱されることにより変動するとともに、当該部分とは空間によって隔てられている受発光素子の自己発熱が間接的に伝わることによって変動する。そのため、温度センサ25が検出する測距装置10の温度、すなわち測距装置10の周囲の熱と測距装置10の自己発熱との両方が直接的に伝わる部材(例えば受光素子12)の温度、とは異なる温度となる。
しかし、本実施形態であれば、レンズ間距離制御部18によって、測距装置10の周囲温度の変化によって生じる「測距装置10の温度」の変化に対するレンズ間距離の変動量と、測距装置10の自己発熱によって生じる「測距装置10の温度」の変化に対するレンズ間距離の変動量とを、近づけることができる。そのため、測距装置10の温度を検出する温度センサ25を1つのみ備えることによって、この測距装置10の温度の変化量に基づいて受発光素子間距離とレンズ間距離との変動を容易に予測し、スポット検出値をより正確に補正することができる。したがって、測距精度の低下を容易に防ぐことが可能となる。
(温度センサ25)
温度センサ25は、測距装置10の温度を検出するセンサであり、受光素子12に内蔵されている。
温度センサ25としては、公知のものを用いることができ、通常の半導体プロセスによって設置することができる。温度センサ25は、温度センサ25が搭載された単機能ICであってもよく、例えばnational semiconductor社、analog devices社、STマイクロエレクトロニクス社等から入手可能である。また、温度センサ25は、これらのような半導体温度センサと他の機能(ドライバ)とを同一チップに搭載したドライブIC等であってもよく、具体例としては、マキシム社のMAX8702/8703等が挙げられる。また、温度センサ25は、受光素子に内蔵されている測距IC等に搭載されてもよい。
上述した構成であれば、温度センサ25は、自己発熱の熱源となる受光素子12及び発光素子11の近傍に配置されるため、自己発熱を直接的に感知できる。また、温度センサ25は、測距装置10の周囲の温度をも直接的に感知できる。したがって、温度センサ25は、「測距装置10の温度」を検出できる。なお、温度センサ25は、受光素子12に内蔵されている必要はなく、「測距装置10の温度」を検出できるように構成されていれば、どこに設置されていてもよい。
以上の構成により、測距装置10は、温度センサ25を1つのみ備えており、従来と比較して簡単な構造であるため、安価にて製造することができる。また、測距装置10は、かかる構造によって、測距精度の低下を充分に防ぐことができ、測距対象物までの距離をより正確に測定することができる。
(測距値の測定方法)
次に、測距装置10の受光素子12が測距値を測定する方法について詳細に説明する。
図17は、本発明の一実施形態に係る測距装置が測距値を測定する方法を説明するための図である。
図17に示すように、基準温度においては、発光レンズ14はAに位置し、測距対象物はBに位置し、受光レンズ15はCに位置し、受光スポットはDに位置する。また、計算の簡単のために、受光素子12の基準点を、受光レンズ15の中心Cと同じx座標である点Eとする。測距対象物までの距離(測距値)(AB)をyとし、基準温度時の受発光レンズ間距離(AC)をLとし、受光レンズ15と受光素子12との間の距離(CE)をdとする。このとき、受発光レンズ間距離と受発光素子間の距離とはともにLとなる。受光素子12は、基準温度時には、スポット検出値として、基準点からDまでの距離、すなわち三角形CEDの底辺lの長さを示す値を得る。
なお、「基準温度」とは、測距対象物までの距離を測定していないときに温度センサ25によって検出される温度をさし、例えば常温などであってもよいし、測距装置10を使用開始する直前の測距装置10の温度であってもよい。
三角形ABCと三角形CEDとは相似の関係にあるので、測距値yは、以下の式(1)によって表される。
ところで、受発光レンズ間距離と、受発光素子間距離とは、「測距装置10の温度」が変化することによって変動する。ここでは、測距対象物までの距離を測定しているとき(以下、「測定時」ともいう。)に、「測距装置10の温度」が、測距装置10の周囲温度の変化によって基準温度よりも上昇するとともに、測距装置10の自己発熱によっても上昇した場合の測距値の測定方法について説明する。なお、このとき、基準温度時における位置に対して、受光レンズ15はCからC’の位置に移動し、受光素子12の基準点はEからE’に移動し、受光スポットはDからD’に移動する。
測距装置10の周囲温度の変化によって生じる「測距装置10の温度」の変化量をΔT1とし、測距装置10の自己発熱によって生じる「測距装置10の温度」の変化量をΔT2とすると、測定時に温度センサ25が検出する、「測距装置10の温度」の基準温度からの変化量ΔTは、ΔT=ΔT1+ΔT2と表される。
ここで、測距装置10の周囲温度の変化によって生じる「測距装置10の温度」の変化に対するレンズ間距離の変動量に関する変動係数をα1とし、測距装置10の自己発熱によって生じる「測距装置10の温度」の変化に対するレンズ間距離の変動量に関する変動係数をα2とし、測距装置10の周囲温度の変化によって生じる「測距装置10の温度」の変化に対する受発光素子間距離の変動量に関する変動係数をβ1とし、測距装置10の自己発熱によって生じる「測距装置10の温度」の変化に対する受発光素子間距離の変動量に関する変動係数をβ2とする。このとき、受発光レンズ間距離の変化量(CC’)は、L(α1ΔT1+α2ΔT2)と表される。したがって、基準温度時に対する、測定時のスポット検出値の変化量Δl(DD’)は、三角形BCC’とBDD’との相似関係から、下記式(3)
と表される。
また、受発光素子間距離の変化量(EE’)は、L(β1ΔT1+β2ΔT2)と表される。したがって、受光素子12は、スポット検出値として、E’からD’までの距離(l’)を示す値を得る。l’は、下記式(4)
と表される。上記式(3)及び式(4)から、l’は、下記式(5)
と表される。式(5)のl’を式(1)のlに代入すると、下記式(6)
となる。
本実施形態では、レンズ間距離制御部18により、レンズ間距離の変動係数α1とα2とが略等しい。また、発光素子11及び受光素子12の周囲の遮光性樹脂部21は、測距装置10の周囲温度の変化及び自己発熱の影響を直接的に受けるため、受発光素子間距離の変動係数β1とβ2とは略等しい。したがって、α1=α2=α及びβ1=β2=βとすると、上記式(6)は、下記式(7)のように変形できる。
ここで、k=αl+(α−β)Lとすると、上記式(7)は、下記式(8)
と表すことができる。なお、上記式(8)中の「k」は、測距装置10の構造に固有の値であり、予め測定することによって求めることができる。
したがって、測距装置10は、スポット検出値lと、「測距装置10の温度」の変化量とに基づいて、上記式(8)により測距値を算出することができる。言い換えれば、測距装置10は、「測距装置10の温度」の変化量に基づいてスポット検出値lを補正値(l−kΔT)に補正した後に、この補正値をスポット検出値として用い、上記式(1)を用いて測距値を算出することができる。これにより、より正確に測距値を測定することができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の他の実施形態について、図3を参照して詳細に説明する。図3は、本発明の他の実施形態に係る測距装置の発光モールド部及び受光モールド部の内部を詳細に示す上面図である。
本実施形態の測距装置(光学式測距装置)30は、第1実施形態における測距装置10とは、発光素子11が実装される発光ヘッダー部31と、受光素子12が実装される受光ヘッダー部32とがつながって構成されているリードフレーム13を備えている点のみが異なっており、その他の構成は共通している。したがって、説明の便宜上、第1実施形態における構成要素と同様の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。ここでは、主に、第1実施形態との相違点について説明するものとする。
本実施形態では、発光ヘッダー部31と受光ヘッダー部32とがつながって構成されているリードフレーム13が、発光モールド部19と受光モールド部20とを互いに接続している。すなわち、発光素子11と受光素子12とは、共通のリードフレーム13上に実装されることにより設置されている。リードフレーム13は、上述したように、遮光性樹脂部21よりも熱膨張係数が小さい。したがって、測距装置30の周囲温度の変化、発光素子11及び受光素子12の自己発熱などによって、遮光性樹脂部21が膨張または収縮しようとした場合に、受発光素子間距離の変動は、リードフレーム13の熱膨張係数に従うこととなり、すなわちリードフレーム13によって抑制されるためほとんど変化しない。
発光ヘッダー部31及び受光ヘッダー部32を構成するリードフレーム13は、遮光性樹脂部21よりも熱膨張係数が小さいことが好ましい。このリードフレーム13に用いる材料としては、例えば金属等を用いることができ、具体的にはセラミック、タングステン、モリブデン、42アロイ等が挙げられる。
なお、第1実施形態では、発光モールド部19と受光モールド部20との間を結ぶリードフレーム13と透光性樹脂で形成された両モールド部との密着性が不十分な場合には、受発光素子間距離が遮光性樹脂部21等の熱膨張により変化する可能性がある。しかし、第2実施形態の構成であれば、発光素子11と受光素子12とがリードフレーム13により直接接続されているため、受発光素子間距離の変動をより効果的に抑えることができる。したがって、受光素子12により、温度センサ25が検出した温度に基づく受光スポットの位置の補正をより正確に行なうことが可能となり、より正確な測距値を得ることができる。
発光ヘッダー部31と受光ヘッダー部32とは、電気的にグランド(GND)として使用されることが好ましい。
なお、第1実施形態及び第2実施形態におけるリードフレーム構造は、以下の各実施形態と好適に組み合わせることができる。リードフレーム構造については、以下の実施形態においては説明を省略する。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の他の実施形態について、図4を参照して詳細に説明する。図4は、本発明の他の実施形態に係る測距装置の発光モールド部及び受光モールド部の内部を詳細に示す上面図である。なお、図4では、遮光性樹脂部21及びリードフレーム13等を省略している。
本実施形態では、説明の便宜上、第1実施形態及び第2実施形態にかかる構成要素と同様の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。本実施形態では、主に、第1実施形態及び第2実施形態との相違点について説明するものとする。
本実施形態の測距装置(光学式測距装置)40Aでは、発光素子11は、ワイヤボンディング部42と発光部41とにより構成されている。発光部41は、発光レンズ14の中心を通る面であって、発光レンズ14と受光レンズ15とを通る線に垂直な面M上に位置する。そして、ワイヤボンディング部42の中心、すなわち発光素子11全体の中心は、この面Mよりも受発光素子間の内側(測距装置40Aの中心側)に位置する。
発光素子11は発熱するため自己発熱の熱源となるが、上述した構成により、発光素子11の中心が測距装置40Aの中心側に位置することとなり、発光素子11をケース16から遠ざけることができる。そのため、発光素子11の発熱によるケース16の熱膨張を抑え、受発光レンズ間距離L及び受発光素子間距離の変動を抑制することができる。
受光素子12は、光検出部33を備えている。このような受光素子12としては、例えば光検出部33と信号処理回路とが一体化されたCMOSイメージセンサ、PSDまたは多分割PDが内蔵された回路内蔵受光素子等を用いることができる。受光素子12の中心は、受光レンズ15の中心を通る面であって、発光レンズ14と受光レンズ15とを通る線に垂直な面Nよりも受発光素子間の内側(測距装置40Aの中心側)に位置する。つまり、光検出部43は、受光素子12の中心よりも外側に配置されている。なお、受光素子12の中心を通り、発光素子11と受光素子12とを通る線に垂直な面Pを図4に示す。
受光素子12は、上述した発光素子11と同様に発熱するため自己発熱の熱源となるが、上述した構成により、受光素子12の中心が測距装置40Aの中心側に位置することとなり、受光素子12をケース16から遠ざけることができる。そのため、受光素子12の発熱によるケース16の熱膨張を抑え、受発光レンズ間距離L及び受発光素子間距離の変動を抑制することができる。
なお、本実施形態及び以下の各変形例における発光素子11及び受光素子12の位置関係は、以下の各実施形態と好適に組み合わせることができる。
(変形例3−1)
上述した第3実施形態の一変形例について、図5を参照して詳細に説明する。図5は、図4に示す測距装置の一変形例を示す上面図である。なお、図5では、遮光性樹脂部21及びリードフレーム13等を省略している。
本変形例の測距装置(光学式測距装置)40Bは、発光素子11のワイヤボンディング部42’の形状が、上述した測距装置40Aのワイヤボンディング部42とは異なっており、その他の構成は測距装置40Aと共通している。ワイヤボンディング部42’の中心は、面Mよりも受発光素子間の内側(測距装置40Bの中心側)に位置するように配置されている。
(変形例3−2)
次に、上述した第3実施形態の他の変形例について、図6を参照して詳細に説明する。図6は、図4に示す測距装置の他の変形例を示す上面図である。なお、図6では、遮光性樹脂部21及びリードフレーム13等を省略している。
本変形例の測距装置(光学式測距装置)40Cは、発光素子11のワイヤボンディング部42”の形状が、上述した測距装置40Aのワイヤボンディング部42とは異なっており、その他の構成は測距装置40Aと共通している。ワイヤボンディング部42”の中心は、面Mよりも受発光素子間の内側(測距装置40Cの中心側)に位置するように配置されている。
(変形例3−3)
次に、上述した第3実施形態の他の変形例について、図7を参照して詳細に説明する。図7は、図4に示す測距装置の他の変形例を示す上面図である。なお、図7では、遮光性樹脂部21及びリードフレーム13等を省略している。
本変形例の測距装置(光学式測距装置)40Dは、受光素子12’が、光検出部43が独立した素子44と、その出力信号を処理する信号処理IC(信号処理回路)45とにより構成されており、その他の構成は測距装置40Aと共通している。素子44としては、PSD、多分割PDなどを用いることができる。
信号処理IC45は、面Nよりも受発光素子間の内側(測距装置40Aの中心側)に位置する。これにより、受光素子12’全体の中心は、面Nよりも測距装置40Aの中心側に位置している。信号処理IC45は、発熱するため自己発熱の熱源となるが、上述した構成により測距装置40Aの中心側に位置するため、信号処理IC45をケース16から遠ざけることができるので、信号処理IC45の発熱によるケース16の熱膨張を抑え、受発光レンズ間距離L及び受発光素子間距離の変動を抑制することができる。
〔第4実施形態〕
次に、本発明の他の実施形態について、図8(a)〜(b)を参照して詳細に説明する。図8(a)は、本発明の他の実施形態に係る測距装置の構成を示す断面図であり、図8(b)は、図8(a)に示す測距装置の上面図である。
本実施形態の測距装置(光学式測距装置)50は、第1実施形態〜第3実施形態における測距装置とは、ケース16の内部にレンズ間距離制御部18を備えておらず、発光レンズ14と受光レンズ15とが成型されているレンズ間距離制御部(距離制御手段)51を備えている点が異なっており、その他の構成は共通している。したがって、説明の便宜上、第1実施形態〜第3実施形態における構成要素と同様の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。ここでは、主に、第1実施形態〜第3実施形態との相違点について説明するものとする。
レンズ間距離制御部51は、ケース16及び遮光壁17よりも熱膨張係数が小さい平板状部材であり、ケース16及び遮光壁17と一体的に形成されている。発光レンズ14と受光レンズ15とは、レンズ間距離制御部51に成型されている。すなわちレンズ間距離制御部51は、発光レンズ14と受光レンズ15との間及び周囲に形成されており、発光レンズ14と受光レンズ15とを接続している。レンズ間距離制御部51に用いる材料としては、レンズ間距離制御部18として例示したものと同様のものを用いることができる。レンズ間距離制御部51は、ケース16及び遮光壁17とともに、受発光素子を覆う遮光性樹脂部21を係止する。
レンズ間距離制御部51の具体的な構成について、図12を参照して説明する。図12は、図8(a)〜(b)に示す測距装置の要部の構成を示す図である。
発光レンズ14と受光レンズ15とは、それぞれ透光性樹脂92a、92bによって形成されている。発光レンズ14と受光レンズ15とに用いる透光性樹脂92a、92bとしては、レンズを形成させるために一般的に用いる公知の透光性の樹脂を用いることができ、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ナイロン(登録商標)等が挙げられる。なお、発光レンズ14と受光レンズ15とは、同一の透光性樹脂により構成されていてもよいし、それぞれ異なる透光性樹脂により構成されていてもよい。
レンズ間距離制御部51は、図12に示すように、発光レンズ14を形成する透光性樹脂92aと受光レンズ15を形成する透光性樹脂92bとを、互いに分離させて隔てている。透光性樹脂92a、92bの熱膨張は、図12に矢印で示すように、発光レンズ14と受光レンズ15とのそれぞれの中心から外側に押し広げるように作用するが、上述した構成により、受発光レンズ間距離の変動にはほとんど影響を与えない。
レンズ間距離制御部51は、例えばケース16及び遮光壁17を構成する遮光性樹脂にインサート成型させることにより形成させてもよいし、射出成型させたケース16に係止することによって形成させてもよい。
ケース16及び遮光壁17のうち、受発光レンズの近傍にある部分の温度は、主に、測距装置50の周囲からの熱によって測距装置50が全体的に加熱されることにより変動するとともに、当該部分とは空間によって隔てられている受発光素子の自己発熱が間接的に伝わることによって変動する。そのため、温度センサ25が検出する「測距装置50の温度」、すなわち測距装置50の周囲の熱と測距装置50の自己発熱との両方が直接的に伝わる部材(ここでは受光素子12)の温度、とは異なる温度となる。
本実施形態では、レンズ間距離制御部51は、発光レンズ14と受光レンズ15とを接続するため、受発光レンズを保持する部材であるケース16及び遮光壁17の膨張または収縮による、レンズ間距離に対する影響を抑制するため、レンズ間距離の変動は、ほとんど生じない。そして、これにより、レンズ間距離制御部51は、測距装置50の周囲温度の変化によって生じる「測距装置50の温度」の変化に対するレンズ間距離の変動量と、測距装置50の自己発熱によって生じる「測距装置50の温度」の変化に対するレンズ間距離の変動量とを近づけるように、レンズ間距離を制御するものである。したがって、レンズ間距離制御部51によって、測距装置50の周囲温度の変化によって生じる「測距装置50の温度」の変化に対するレンズ間距離の変動量と、測距装置50の自己発熱によって生じる「測距装置50の温度」の変化に対するレンズ間距離の変動量とを、略等しくすることができる。
そのため、測距装置50の温度を検出する温度センサ25を1つのみ備えることによって、この測距装置50の温度の変化量に基づいて受発光素子間距離とレンズ間距離との変動を容易に、かつ正確に予測し、スポット検出値をより正確に補正することができる。したがって、測距精度の低下を容易に防ぐことが可能となる。
なお、レンズ間距離制御部51と、発光素子11及び受光素子12が搭載されるリードフレーム13とは、熱膨張係数が同一であることが好ましく、例えば、同一の材料により構成されていることが好ましい。これにより、測距装置50が周囲の熱により加熱された場合にも、自己発熱により加熱された場合にも、受発光素子間距離の変動量と受発光レンズ間距離の変動量とがほぼ同等となるため、測距装置50の温度の変化量に基づいて、スポット検出値をより正確に補正することができる。
(変形例4−1)
上述した第4実施形態の一変形例について、図13を参照して詳細に説明する。図13は、図12に示す測距装置の要部の一変形例を示す図である。
本変形例では、発光レンズ14を形成する透光性樹脂と受光レンズ15を形成する透光性樹脂とが繋がっており、1つの透光性樹脂部92を構成している。レンズ間距離制御部51は、発光レンズ14と受光レンズ15との間及び周囲に形成されており、これらを接続している。これにより、レンズ間距離がレンズ間距離制御部51によって制御されるため、スポット検出値を容易に、かつ正確に補正することができる。
なお、本変形例では、発光レンズ14と受光レンズ15との間にある透光性樹脂92の熱膨張は、図13に矢印で示すように受発光レンズを外側に押し広げるように作用する。したがって、第4実施形態の構成とすることによって、本変形例の構成よりも、受発光レンズ間距離の変動を効果的に抑えることができ、スポット検出値の補正をさらに正確に行なうことが可能となる。
〔第5実施形態〕
次に、本発明の他の実施形態について、図9(a)〜(b)を参照して詳細に説明する。図9(a)は、本発明の他の実施形態に係る測距装置の構成を示す断面図であり、図9(b)は、図9(a)に示す測距装置の上面図である。
本実施形態の測距装置(光学式測距装置)60は、第4実施形態における測距装置50とは、ケース16の内側に、発光モールド部19及び受光モールド部20を覆う遮光性樹脂部21と同じ遮光性樹脂によって側壁62a及び遮光壁62bが形成されている点、及び発光レンズ14と受光レンズ15とが成型されているレンズ間距離制御部(距離制御手段)61が、位置決めピン63によって位置決めされている点が異なっており、その他の構成は共通している。したがって、説明の便宜上、第4実施形態にかかる構成要素と同様の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。ここでは、主に、第4実施形態との相違点について説明するものとする。
レンズ間距離制御部61には、位置決めピン63に対応する孔(位置決め構造)64が形成されることによって、遮光壁62bと位置決めされるための位置決め構造が形成されている。レンズ間距離制御部61は、この点以外については、上述したレンズ間距離制御部51と同様に構成されている。
側壁62aと遮光壁62bとは、ケース16とともに、発光レンズ14と受光レンズ15とを保持する保持部材の一部を構成する。側壁62aは、発光レンズ14と受光レンズ15との周囲に設けられ、遮光壁62bは、発光レンズ14と受光レンズ15との間に設けられている。側壁62aと遮光壁62bとは、発光モールド部19及び受光モールド部20を覆う遮光性樹脂部21と一体的に形成されている。すなわち、側壁62aと、遮光壁62bと、遮光性樹脂部21とは、同じ遮光性樹脂によって構成されている。
遮光壁62bの天面には、位置決めピン63となる突起が形成されている。そして、側壁62a及び遮光壁62bの上方から、レンズ間距離制御部61が形成されているケース16が被せられ、位置決めピン63と孔64とが係止されることによって、位置決めされる。
なお、位置決めピン63は、上述した構成に限らず、例えば側壁62aの天面に形成されていてもよいし、側壁62aと遮光壁62bとの両方の天面に形成されていてもよい。
本実施形態であれば、簡単に測距装置60の各部品を製造することができる。また、位置決めピン63及び孔64によって、発光モールド部19及び受光モールド部20を覆う遮光性樹脂部21と一体的に形成されている遮光壁62bと、レンズ間距離制御部61とを、正確に位置決めすることができる。そのため、受光レンズ15によって、被測距対象物からの反射光を受光素子12上に精度よく集光させることができる。
〔第6実施形態〕
次に、本発明の他の実施形態について、図10(a)〜(b)を参照して詳細に説明する。図10(a)は、本発明の他の実施形態に係る測距装置の構成を示す断面図であり、図10(b)は、図10(a)に示す測距装置の上面図である。
本実施形態の測距装置(光学式測距装置)70は、第5実施形態における測距装置60とは、発光レンズ14と受光レンズ15とが成型されているレンズ間距離制御部(距離制御手段)71には、ケース16との間に隙間(位置決め構造)74が形成されており、この隙間74と、側壁72aの天面に形成された切り欠き構造とが係止されることによって位置決めされている点が異なっており、その他の構成は共通している。したがって、説明の便宜上、第5実施形態にかかる構成要素と同様の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。
側壁72a及び遮光壁72bは、側壁72aの天面に切り欠き構造が形成され、遮光壁72bの天面には位置決めピンが形成されていない点以外については、上述した側壁62a及び遮光壁62bと同様に構成されている。
レンズ間距離制御部71には、その周囲とケース16との間に隙間74が形成されることによって、側壁72aの天面の切り欠き構造と位置決めされるための位置決め構造が形成されている。レンズ間距離制御部71は、この点以外については、上述したレンズ間距離制御部61と同様に構成されている。
この構成であれば、簡単に測距装置70の各部品を製造することができる。また、隙間74と側壁72aの天面とを係止することによって、発光モールド部19及び受光モールド部20を覆う遮光性樹脂部21と一体的に形成されている側壁72aと、レンズ間距離制御部71とを、正確に位置決めすることができる。そのため、受光レンズ15によって、被測距対象物からの反射光を受光素子12上に精度よく集光させることができる。
〔第7実施形態〕
次に、本発明の他の実施形態について、図11(a)〜(b)を参照して詳細に説明する。図11(a)は、本発明の他の実施形態に係る測距装置の構成を示す断面図であり、図11(b)は、図11(a)に示す測距装置の上面図である。
本実施形態の測距装置(光学式測距装置)80は、第5実施形態における測距装置60とは、ケース16がなく、側壁82a及び遮光壁82bのみが測距装置80の筐体を構成している点、ならびに、発光レンズ14と受光レンズ15とが成型されているレンズ間距離制御部(距離制御手段)81が、側壁82a及び遮光壁82bの天面にそれぞれ形成されている位置決めピン83によって位置決めされている点、が異なっており、その他の構成は共通している。したがって、説明の便宜上、第5実施形態にかかる構成要素と同様の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。
側壁82a及び遮光壁82bは、それぞれの天面に位置決めピン83となる突起が形成されている点以外については、上述した側壁62a及び遮光壁62bと同様に構成されている。なお、側壁62a及び遮光壁62bは、発光レンズ14と受光レンズ15とを保持する保持部材を構成する。
レンズ間距離制御部81には、位置決めピン83に対応する孔(位置決め構造)84が形成されることによって、側壁82a及び遮光壁82bと位置決めされるための位置決め構造が形成されている。レンズ間距離制御部81は、位置決めピン83によって側壁82a及び遮光壁82bに位置決めされることによって、保持部材である側壁82a及び遮光壁82bと一体的に受発光レンズを保持している。レンズ間距離制御部81は、これらの点以外については、レンズ間距離制御部61と同様に構成されている。
レンズ間距離制御部81は、位置決めピン83を孔84に挿入させて側壁82a及び遮光壁82bにはめ込んだ後、位置決めピン83を熱かしめによってつぶすことにより、側壁82a及び遮光壁82bと結合させることができる。
本実施形態であれば、側壁82a及び遮光壁82bが筐体を構成しているため、他のケースなどの部材を設ける必要がなく、低コストにて製造することができる。
〔第8実施形態〕
次に、本発明の他の実施形態について、図14を参照して詳細に説明する。図14は、本発明の他の実施形態に係る測距装置の要部の構成を示す図である。
本実施形態の測距装置(光学式測距装置)90は、第4実施形態における測距装置50とは、遮光壁97が、発光レンズ14を形成する透光性樹脂92a、及び受光レンズ15を形成する透光性樹脂92bと、それぞれ隔てられて構成されている点が異なっており、その他の構成は共通している。したがって、説明の便宜上、第4実施形態における構成要素と同様の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。ここでは、主に、第4実施形態との相違点について説明するものとする。
遮光壁97は、レンズ間距離制御部51によって、透光性樹脂92a及び透光性樹脂92bのそれぞれと、一定の間隔をおいて隔てられるとともに接続されており、レンズ間距離制御部51を介して発光レンズ14と受光レンズ15とを保持する。遮光壁97としては、上述した遮光壁17と同様の材料により構成されることができる。「一定の間隔」とは、遮光壁97、透光性樹脂92a及び透光性樹脂92bが熱膨張した場合に、互いに接触しない間隔であればよい。
上述した構成により、遮光壁97の熱膨張、及び透光性樹脂92a、92bの熱膨張によって、遮光壁97と透光性樹脂92a、92bとが接触して押し合うことを防止できるため、受発光レンズ間距離の変動にほとんど影響を与えない。そのため、受発光レンズ間距離の変動を抑えることができる。
〔第9実施形態〕
次に、本発明の他の実施形態について、図15を参照して詳細に説明する。図15は、本発明の他の実施形態に係る測距装置の要部の構成を示す図である。
本実施形態の測距装置(光学式測距装置)100は、第4実施形態における測距装置50とは、発光レンズ14を形成する透光性樹脂92aと、受光レンズ15を形成する透光性樹脂92bとが、それぞれ側壁102と隔てられて構成されている点が異なっており、その他の構成は共通している。したがって、説明の便宜上、第4実施形態における構成要素と同様の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。ここでは、主に、第4実施形態との相違点について説明するものとする。
側壁102は、レンズ間距離制御部51によって、透光性樹脂92a及び透光性樹脂92bのそれぞれと、一定の間隔をおいて隔てられるとともに接続されており、レンズ間距離制御部51を介して発光レンズ14と受光レンズ15とを保持する。側壁102としては、上述したケース16と同様の材料により構成されることができる。「一定の間隔」とは、側壁102、透光性樹脂92a及び透光性樹脂92bが熱膨張した場合に、互いに接触しない間隔であればよい。
上述した構成により、側壁102の熱膨張、及び透光性樹脂92a、92bの熱膨張によって、側壁102と透光性樹脂92a、92bとが接触して押し合うことを防止できるため、受発光レンズ間距離の変動を抑えることができる。
〔第10実施形態〕
次に、本発明の他の実施形態について、図16(a)〜(b)を参照して詳細に説明する。図16(a)は、本発明の他の実施形態に係る測距装置の構成を示す断面図であり、図16(b)は、図16(a)に示す測距装置の上面図である。
本実施形態の測距装置(光学式測距装置)110は、第4実施形態における測距装置50とは、発光レンズ14と受光レンズ15との間のみにレンズ間距離制御部(距離制御手段)111を備えている点が異なっており、その他の構成は共通している。したがって、説明の便宜上、第4実施形態における構成要素と同様の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。ここでは、主に、第4実施形態との相違点について説明するものとする。
レンズ間距離制御部111は、発光レンズ14と受光レンズ15との間のみに設けられている点以外については、上述したレンズ間距離制御部51と同様に構成されている。すなわち、レンズ間距離制御部111は、発光レンズ14と受光レンズ15との間に形成されている、受発光レンズの保持部材であるケース16及び遮光壁17よりも熱膨張係数が小さい平板状部材である。そして、発光レンズ14と受光レンズ15とを接続しており、ケース16及び遮光壁17の膨張または収縮による、レンズ間距離に対する影響を抑制することにより、レンズ間距離を制御する。
本実施形態においては、発光レンズ14と受光レンズ15との周囲にはレンズ間距離制御部111が設けられていないため、レンズ間距離制御部111に使用するための材料を削減することができる。したがって、測距装置110を安価に製造することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。