JP5423881B2 - 四重極型質量分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、試料由来のイオンを質量電荷比(m/z)に応じて分離する質量分析器として四重極マスフィルタを用いた四重極型質量分析装置に関する。
一般に四重極型質量分析装置では、試料から生成された各種イオンを四重極マスフィルタに導入して特定の質量電荷比を有するイオンのみを選択的に通過させ、通過したイオンを検出器により検出してイオンの量に応じた強度信号を取得する。
四重極マスフィルタは、イオン光軸を取り囲むように互いに平行に配置された4本のロッド電極から成り、その4本のロッド電極にはそれぞれ直流電圧と高周波電圧(交流電圧)とを加算した電圧が印加される。四重極マスフィルタを通過し得るイオンの質量電荷比は、ロッド電極に印加される高周波電圧と直流電圧とに依存する。そこで、分析対象のイオンの質量電荷比に応じて高周波電圧及び直流電圧を適切に設定することで、その分析対象のイオンを選択的に通過させて検出することができる。また、ロッド電極に印加する高周波電圧及び直流電圧をそれぞれ所定範囲で変化させることにより、四重極マスフィルタを通過するイオンの質量電荷比を所定範囲で走査し、その際に検出器により得られる信号に基づいてマススペクトルを作成することができる(スキャン測定)。
四重極マスフィルタのロッド電極への印加電圧についてより詳しく述べると、一般に、4本のロッド電極のうち、イオン光軸を挟んで対向する2本のロッド電極同士が接続され、一方の電極の組には、U+V・cosΩtなる電圧が印加され、他方の電極の組には、−U−V・cosΩtなる電圧が印加される。この±Uが直流電圧、±V・cosΩtが高周波電圧である。各ロッド電極には共通の直流バイアス電圧が印加される場合もあるが、この電圧は通過し得るイオンの質量電荷比には無関係であるので、ここでは無視する。上述のように分析対象イオンの質量電荷比を走査する際には、通常、直流電圧の電圧値Uと高周波電圧の振幅値Vとの関係について、U/Vを一定に保ちつつUとVとをそれぞれ変化させる(例えば特許文献1参照)。なお、前述のように厳密にはUは直流電圧の電圧値、Vは高周波電圧の振幅値であるが、以下の説明では簡略化して、直流電圧U、高周波電圧Vと記すこととする。
四重極型質量分析装置において、SIM(選択イオンモニタリング)測定を実行する場合には、予め定められた複数の質量電荷比に対するイオン検出を順次実行するため、四重極マスフィルタにおいて選択する質量電荷比を大きく変化させる場合がある。例えば、分析対象イオンを或る低質量電荷比MLから高質量電荷比MHに切り替えるとき、直流電圧Uと高周波電圧Vの設定値は同時に大きく変更される。このとき実際にロッド電極に印加される電圧は理想的なステップ状には変化せず、或る程度の応答時間(立上り時間又は立下り時間や遅れ時間など)が生じることは避けられない。直流電圧Uと高周波電圧Vの応答時間が等しく同じような過渡特性を示せば何ら問題はないが、直流電圧と高周波電圧とは異なる回路で生成されるため、両者の応答時間は同一にはならない。このような場合、次のような問題が生じる。
図7は直流電圧Uと高周波電圧Vの応答時間の差異により生じる問題を説明するための模式図である。
直流電圧Uの応答時間t(U)が高周波電圧Vの応答時間t(V)よりも大きい場合、低質量電荷比MLと高質量電荷比MHとの切替え時における各電圧変化は図7(a)に示すようになる。この場合、図7(b)に示すように、低質量電荷比MLから高質量電荷比MHへの切替えの過渡状態において多量のイオンが四重極マスフィルタを通過してしまう。逆に、高周波電圧Vの応答時間t(V)が直流電圧Uの応答時間t(U)よりも大きい場合には、高質量電荷比MHと低質量電荷比MLとの切替え時における各電圧変化は図7(c)に示すようになり、図7(d)に示すように、高質量電荷比MHから低質量電荷比MLへの切替えの過渡状態において多量のイオンが四重極マスフィルタを通過してしまう。
上記現象を、図8に示すマチウ(Mathieu:マシューと呼ばれることもある)方程式の解の安定条件に基づく安定領域図を用いて説明する。
ロッド電極で囲まれる空間に形成される四重極電場においてイオンが安定的に存在し得る(つまり途中で発散せずに四重極マスフィルタを通過し得る)安定領域Sは、図8中に示すような略三角形状となる。質量電荷比がMLからMHに切り替えられるとき安定領域Sは図8(a)に示すように移動するとともに拡大する。応答時間t(U)t(V)がほぼ揃っている(電圧比U/Vが略一定に維持される)場合には、図8(a)中に点線で示すように電圧は変化する。ところが、直流電圧Uの変化が高周波電圧Vの変化よりも遅れる場合には、極端に書けば、四重極マスフィルタに導入されたイオンが感受する電場は図8(a)中に実線で示す矢印のように変化する。この場合、変化の経路の大部分が安定領域Sの内側となり、そのため、この過渡状態のときに四重極マスフィルタに導入されるイオンは発散せずに四重極マスフィルタを通り抜け易い。
逆に、質量電荷比がMHからMLに切り替えられるとき、安定領域Sは図8(b)に示すように移動するとともに縮小する。この場合、高周波電圧Vの変化が直流電圧Uの変化よりも遅れると、極端に書けば、四重極マスフィルタに導入されたイオンが感受する電場は図8(b)中に実線で示す矢印のように変化する。この場合、変化の経路の大部分が安定領域Sの内側となり、そのため、この過渡状態のときに四重極マスフィルタに導入されるイオンは発散せずに四重極マスフィルタを通り抜け易い。
上述のように四重極マスフィルタにおいて質量電荷比を切り替える過渡状態のときにイオンが過剰に通過してしまうと、過剰な量のイオンが検出器に入射して検出器の劣化を促進するおそれがある。また、前後二段の四重極マスフィルタの間にコリジョンセルを設けた三連四重極(タンデム)型質量分析装置では(例えば特許文献2参照)、前段の四重極マスフィルタを通過するイオン量が過剰になると、コリジョンセル内部に過剰な量のイオンが滞留し、クロストークが発生したりSN比や感度の低下などを招いたりするおそれがある。
特開2007−323838号公報 特開2005−259616号公報
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、四重極型質量分析装置において分析対象のイオンの質量電荷比を切り替えるべく四重極マスフィルタを構成するロッド電極に印加する電圧を変化させる際に、その変化の過渡的な状態において過剰な量のイオンが該フィルタを通過してしまって後段のイオン検出器等にダメージを与えたり、分析の精度や感度を低下させたりすることを防止することを主な目的としている。
上記課題を解決するために成された第1発明は、試料由来のイオンを質量電荷比に応じて選択的に通過させる4本の主ロッド電極の前段に同数のプリロッド電極を配置した四重極マスフィルタを具備する四重極型質量分析装置において、
a)測定対象の質量電荷比に応じて異なる電圧値の直流電圧を発生する直流電圧源、測定対象の質量電荷比に応じて異なる振幅を有する高周波電圧を発生する高周波電圧源、及び、その直流電圧と高周波電圧とを加算して前記主ロッド電極に印加する電圧加算部、を含み、測定対象の質量電荷比を切り替えるべく高周波電圧及び直流電圧が同時に変更される際に高周波電圧の振幅の応答時間が直流電圧の応答時間よりも短く設定され、且つ、該直流電圧の応答時間が、分析対象の最大の質量電荷比を持つイオンが前記主ロッド電極を通過するに要する時間よりも短く設定されてなる四重極駆動手段と、
b)測定対象の質量電荷比を切り替えるべく高周波電圧及び直流電圧が同時に変更される際に、その高周波電圧と直流電圧の応答時間の差異に起因してそれら電圧の変化時に前記主ロッド極を通過し得る低い質量電荷比を持つイオンを遮断するために、前記直流電圧の変化の過渡状態に対応した電圧を生成して前記プリロッド電極に印加する過渡時電圧印加手段と、
を備えることを特徴としている。
また上記課題を解決するために成された第2発明は、試料由来のイオンを質量電荷比に応じて選択的に通過させる4本の主ロッド電極の後段に同数のポストロッド電極を配置した四重極マスフィルタを具備する四重極型質量分析装置において、
a)測定対象の質量電荷比に応じて異なる電圧値の直流電圧を発生する直流電圧源、測定対象の質量電荷比に応じて異なる振幅を有する高周波電圧を発生する高周波電圧源、及び、その直流電圧と高周波電圧とを加算して前記主ロッド電極に印加する電圧加算部、を含み、測定対象の質量電荷比を切り替えるべく高周波電圧及び直流電圧が同時に変更される際に高周波電圧の振幅の応答時間が直流電圧の応答時間よりも短く設定され、且つ、該直流電圧の応答時間が、分析対象の最大の質量電荷比を持つイオンが前記主ロッド電極を通過するに要する時間よりも短く設定されてなる四重極駆動手段と、
b)測定対象の質量電荷比を切り替えるべく高周波電圧及び直流電圧が同時に変更される際に、その高周波電圧と直流電圧の応答時間の差異に起因してそれら電圧の変化時に前記主ロッド極を通過し得る低い質量電荷比を持つイオンを遮断するために、前記直流電圧の変化の過渡状態に対応した電圧を生成して前記ポストロッド電極に印加する過渡時電圧印加手段と、
を備えることを特徴としている。
また上記課題を解決するために成された第3発明は、試料由来のイオンを質量電荷比に応じて選択的に通過させる4本の主ロッド電極の前段に同数のプリロッド電極を配置するとともに後段に同数のポストロッド電極を配置した四重極マスフィルタを具備する四重極型質量分析装置において、
a)測定対象の質量電荷比に応じて異なる電圧値の直流電圧を発生する直流電圧源、測定対象の質量電荷比に応じて異なる振幅を有する高周波電圧を発生する高周波電圧源、及び、その直流電圧と高周波電圧とを加算して前記主ロッド電極に印加する電圧加算部、を含み、測定対象の質量電荷比を切り替えるべく高周波電圧及び直流電圧が同時に変更される際に高周波電圧の振幅の応答時間が直流電圧の応答時間よりも短く設定され、且つ、該直流電圧の応答時間が、分析対象の最大の質量電荷比を持つイオンが前記主ロッド電極を通過するに要する時間よりも短く設定されてなる四重極駆動手段と、
b)測定対象の質量電荷比を切り替えるべく高周波電圧及び直流電圧が同時に変更される際に、その高周波電圧と直流電圧の応答時間の差異に起因してそれら電圧の変化時に前記主ロッド極を通過し得る低い質量電荷比を持つイオンを遮断するために、前記直流電圧の変化の過渡状態に対応した電圧を生成して前記プリロッド電極及び前記ポストロッド電極のそれぞれに印加する過渡時電圧印加手段と、
を備えることを特徴としている。
第1乃至第3発明の一態様として、過渡時電圧印加手段は、例えばCR微分回路などの微分回路とすることができる。微分回路では、直流電圧の時間的変化が大きなときには大きな電圧が出力され、その時間的変化が収束するに伴い出力は低下する。これにより、直流電圧と高周波電圧との応答時間の差異により過渡的に生じる電圧差に対応した電圧を生成することができる。特にCR微分回路は回路が簡単で廉価であるので、コスト増加を抑えることができる。
また上記のようにCR微分回路を用いる場合、その回路の時定数をτ(=RC)とすると低域遮断周波数fはf=1/(2πτ)である。質量電荷比切替え時の直流電圧の変化の周波数特性f(U)が上記低域遮断周波数fよりも低いと、直流電圧の電圧変化は微分回路を通過せず、低質量電荷比のイオンを遮断するための電圧をプリロッド電極やポストロッド電極に印加することができない。微分回路の時定数τと直流電圧の応答時間t(U)との関係がτ=t(U)/3であるとき、その直流電圧の変化の周波数特性f(U)=1/(2πτ)となる。そこで、直流電圧の電圧変化が微分回路を通過するようにするためには、微分回路の時定数τを直流電圧源による直流電圧の応答時間t(U)の3分の1よりも大きい値に設定しておくとよい。
第1乃至第3発明に係る四重極型質量分析装置では、測定対象の質量電荷比が切り替えられる際に、四重極駆動手段から主ロッド電極に印加される高周波電圧及び直流電圧が共に質量電荷比に応じて切り替えられるが、それら電圧が変化する過渡的状態のときに過渡時電圧印加手段によりプリロッド電極とポストロッド電極とのいずれか一方又は両方に過渡状態に対応した電圧が印加される。この一時的な電圧の印加によって、プリロッド電極で囲まれる空間、ポストロッド電極で囲まれる空間のいずれか一方又は両方に、一時的に直流的な四重極電場が形成される。例えばプリロッド電極で囲まれる空間に形成されるこの四重極電場は、プリロッド電極に入射してきたイオンのうち特に低質量電荷比範囲のイオンを発散させるように作用するから、主ロッド電極に到達する前にそうしたイオンを消失させることができる。またポストロッド電極で囲まれる空間に形成される上記四重極電場は、ポストロッド電極に入射してきたイオンのうち特に低質量電荷比範囲のイオンを発散させるように作用するから、ポストロッド電極の後段に配置されたイオン検出器やコリジョンセルなどに到達する前にそうしたイオンを消失させることができる。
一方、主ロッド電極で囲まれる空間を通り抜けるのに要する時間が直流電圧の応答時間よりも長い、相対的に高い質量電荷比範囲のイオンは、主ロッド電極で囲まれる空間に形成される電場により排除される。したがって、質量電荷比の切替え(厳密には低質量電荷比から高質量電荷比への切替え)に伴う電圧変化の過渡状態時に四重極マスフィルタに入射して来たイオンのうち、低質量電荷比範囲のイオンと高質量電荷比範囲のイオンとをともに減らすことができ、四重極マスフィルタを通り抜けてしまうイオンを少なくすることができる。
通常の四重極型質量分析装置であれば、四重極マスフィルタの後段にイオン検出器が備えられているが、第1乃至第3発明に係る四重極型質量分析装置によれば、測定対象のイオンの質量電荷比を切り替える過渡的な状態においてイオン検出器に意図せずに多量のイオンが入射してしまうことを防止することができる。それによって、電子増倍管などのイオン検出器に与えるダメージを抑制することができる。また、三連四重極型質量分析装置では、前段の四重極マスフィルタの後段にコリジョンセルが設けられているが、第1乃至第3発明に係る四重極型質量分析装置によれば、測定対象であるプリカーサイオンの質量電荷比を切り替える過渡的な状態においてコリジョンセルに意図せずに多量のイオンが導入されてしまうことを防止することができる。それによって、コリジョンセル内にイオンが滞留することによるゴーストピークの発生を回避することができ、検出信号のSN比や感度の向上を図ることができる。
本発明の一実施例による四重極型質量分析装置の概略構成図。 質量電荷比と四重極マスフィルタをイオンが通過する時間との関係の一例を示す図。 本実施例の四重極型質量分析装置における質量電荷比切替え時の電圧変化の観測結果を示す図。 直流電圧の変化とイオン検出信号との観測結果を示す図。 本発明の他の実施例による四重極型質量分析装置の概略構成図。 本発明の他の実施例による四重極型質量分析装置の概略構成図。 直流電圧と高周波電圧との応答時間が相違する場合の問題点の説明図。 図7の問題をマチウ方程式の解の安定条件に基づく安定領域図で説明した図。
以下、本発明に係る四重極質量分析装置の一実施例を添付図面を参照して説明する。図1は本実施例による四重極型質量分析装置の概略構成図である。
イオン源1で試料から生成された各種イオンは、主電極部3及びプリ電極部4からなる四重極マスフィルタ2を経てイオン検出器5に到達する。主電極部3は、イオン光軸Aを中心とする所定半径の円筒に内接するように互いに平行に配置された4本の主ロッド電極31、32、33、34から成る。また、プリ電極部4は主電極部3と同様の配置で長さのみが短い4本のプリロッド電極41、42、43、44から成る。
主電極部3にあって、イオン光軸Aを挟んで対向する2本の主ロッド電極31、33及び32、34はそれぞれ電気的に接続され、制御部7による制御の下に、2本一組である各組の主ロッド電極31〜34に四重極電圧発生部6から所定の電圧が印加される。また、プリ電極部4にあっても同様に、イオン光軸Aを挟んで対向する2本のプリロッド電極41、43及び42、44はそれぞれ電気的に接続されている。主ロッド電極31、33とプリロッド電極41、43とは一次微分フィルタ回路65を介して接続され、主ロッド電極32、34とプリロッド電極42、44とは別の一次微分フィルタ回路66を介して接続されている。
四重極電圧発生部6は、互いに極性の異なる±Uなる2系統の直流電圧を発生する直流電圧源62、63と、互いに位相が180°異なる±V・cosΩtなる交流電圧を発生する高周波電圧源61、64とを含み、これら電圧をそれぞれ合成して+(U+V・cosΩt)及び−(U+V・cosΩt)なる2系統の駆動電圧を生成する。一次微分フィルタ回路65、66はいずれも抵抗RとコンデンサCとからなり、そのフィルタ時定数τはRC[s]である。この一次微分フィルタ回路65、66の低周波帯域のカットオフ周波数は1/(2πτ)である。
なお、図1では説明を簡単にするために、四重極電圧発生部6において直流電圧源62と直流電圧源63との間の結線を接地しているが、ここに接地電位(0V)ではなく、共通の直流バイアス電圧を与えるようにすることができる。この場合、一次微分フィルタ回路65、66中の抵抗Rの一端にも接地電位(0V)ではなく、共通の直流バイアス電圧を与えるようにするとよい。
また、煩雑になるため図1では記載を省略しているが、イオン源1と四重極マスフィルタ2との間には、イオンを収束させ、場合によっては加速・減速させるイオンレンズやイオンガイドなどのイオン輸送光学系が配設される。
本実施例の四重極型質量分析装置において、主電極部3で選択すべき(通過させるべき)イオンの質量電荷比を切り替えるときには駆動電圧±(U+V・cosΩt)が変更される。このとき直流電圧Uの応答時間t(U)と高周波電圧Vの応答時間t(V)が揃っていることが望ましいが、これを完全に揃えることは実際上困難である。一般に、直流電圧源62、63は直流アンプを含み、その出力段には電圧を安定化するための比較的容量の大きなコンデンサが接続され、また主ロッド電極31〜34自体も容量負荷となるため、これら容量負荷を充放電する必要があるために、直流電圧Uの応答時間t(U)は高周波電圧Vの応答時間t(V)よりも長くなる。その結果、図7(a)に示したように、低質量電荷比から高質量電荷比への切替え時に通過イオン量増大の問題が生じることになる。
そこで、上記状況において通過イオン量を減らすために、本実施例の四重極型質量分析装置では、四重極電圧発生部6と一次微分フィルタ回路65、66とが次のような特徴的な構成となっている。
(1)直流電圧源62、63は、四重極マスフィルタ2に導入されるイオンのうち質量電荷比が最大であるイオンが該フィルタ2を通り抜けるのに要する所要時間よりも直流電圧Uの応答時間t(U)が短いことが保証されるような応答特性を有する。
図2は、この例で用いられている四重極マスフィルタ2の主電極部3において、イオンの質量電荷比とイオンが通過する所要時間との関係を示す図である。例えば質量電荷比m/z1000であるイオンの通過所要時間は243.3[μs]、質量電荷比m/z2000であるイオンの通過所要時間は344.1[μs]である。原理的に、その通過所要時間が直流電圧U又は高周波電圧Vのいずれか応答時間が遅い方(ここでは直流電圧U)の応答時間よりも長いような高質量電荷比のイオンは、主電極部3を通過する間に発散してしまい通り抜けることはない。したがって、例えば直流電圧Uの応答時間t(U)を243.3[μs]にすれば、質量電荷比が1000以上であるイオンは電圧変化の過渡状態において排除される。直流電圧Uの応答時間t(U)を短くするほど、主電極部3において排除可能な質量電荷比の下限は下がる。
(2)一次微分フィルタ回路65、66における抵抗R、コンデンサCの値は、その値によって決まる時定数τが直流電圧Uの応答時間t(U)の3分の1よりも大きくなるように定められている。
一次微分フィルタ回路65、66は低域遮断フィルタであり、そのカットオフ周波数fはf=1/(2πτ)である。時定数τが仮にt(U)/3であったとすると、直流電圧Uの変動の周波数特性はf(U)=1/(2πτ)となるので、τ<t(U)/3であるとf(U)<fとなり、質量電荷比切替えに伴う直流電圧Uの変動電圧は一次微分フィルタ回路65、66を通過せず、プリロッド電極41〜44には電圧が印加されなくなってしまう。そこで、質量電荷比切替えに伴う直流電圧Uの変動電圧が一次微分フィルタ回路65、66を通過する条件として上記のように定めた。
具体的には、本実施例の四重極型質量分析装置では、高周波電圧源61、64による高周波電圧Vの応答時間t(V)を100[μs]、直流電圧源62、63による直流電圧Uの応答時間t(U)を200[μs]、一次微分フィルタ回路65、66の時定数τを100[μs]に定めた。図3は、低質量電荷比(m/z10)から高質量電荷比(m/z1000)への切り替えの際の、高周波電圧V変化及び直流電圧U変化と、一次微分フィルタ回路65、66を通してプリロッド電極41〜44に印加される電圧の変化とを観測した結果である。なお、縦軸は電圧の相対値である。
高周波電圧V変化と直流電圧U変化との差Δが、この電圧変化の過渡状態において過剰な量のイオンが四重極マスフィルタ2を通り抜けてしまう原因である。図2から、上記応答時間t(U)、t(V)の条件では、質量電荷比が約750以上であるイオンを主電極部3において排除可能であることが分かる。換言すれば、質量電荷比が約750以下であるイオンは主電極部3において排除できないことになる。しかしながら、電圧変化の過渡状態においては、図3中に示すような電圧がプリロッド電極41〜44に印加され、これによりプリロッド電極41〜44で囲まれる空間に一時的に直流電場が形成される。この電場に入射して来たイオンの中で、軽いイオン、つまり質量電荷比の小さなイオンほど電場の影響を受けて軌道を曲げやすい。そのため、低質量電荷比のイオンはプリロッド電極41〜44を通過する過程で発散して排除される。
即ち、質量電荷比の切替えに伴う電圧変化の過渡状態において、相対的に質量電荷比が低いイオンはプリ電極部4で排除され、相対的に質量電荷比が高いイオンは主電極部3で排除される。これにより、この過渡状態において四重極マスフィルタ2を通り抜けてしまうイオンの量を激減させることができる。
図4は、実際の装置において質量電荷比の切替え時にイオン検出器5で得られる強度信号を測定した結果を示す図である。図4(b)は上記実施例の測定結果であり、このときのt(U)、t(V)、τは上記記載の値である、一方、図4(a)は従来構成の測定結果であり、このときのパラメータはt(U)=1.5[ms]、t(V)=100[μs]、τ=700[μs]である。ここでの測定対象イオンの質量電荷比範囲はおおよそm/z10〜2000であり、図2から、図4(a)におけるt(U)=1.5[ms]は上記(1)の条件を満たしていないことが分かる。その結果、従来構成による図4(a)では、電圧変動の過渡状態においてイオン強度が極端に増加している。これはイオン検出器にとって大きなダメージであると考えられる。これに対し、本実施例による図4(b)では、電圧変動の過渡状態においてイオン強度は非常に小さくなっている。これにより、本発明によるイオン抑制の効果が確認できる。
上記実施例の四重極型質量分析装置は主電極部3の前段にプリ電極部4が配置された構成の四重極マスフィルタ2を備えるものであるが、一般に、四重極マスフィルタとして、主電極部の後段にポスト電極部が配置された構成やプリロッド電極部とポスト電極部との両方を具備する構成も知られている。こうした構成の四重極マスフィルタに対しても本発明を適用できることは明らかである。図5及び図6は本発明の別の実施例による四重極型質量分析装置の概略構成図であり、いずれも図1と同じ構成要素には同じ符号を付している。
図5に示した四重極型質量分析装置では、四重極マスフィルタ2にあって主電極部3の後段にポスト電極部8が配設されている。ポスト電極部8は図1におけるプリ電極部4と同様に、主電極部3と同様の配置で長さのみが短い4本のポストロッド電極81、82、83、84から成る。また、イオン光軸Aを挟んで対向する2本のポストロッド電極81、83及び82、84はそれぞれ電気的に接続されており、主ロッド電極31、33とポストロッド電極81、83とは一次微分フィルタ回路68を介して接続され、主ロッド電極32、34とポストロッド電極82、84とは別の一次微分フィルタ回路69を介して接続されている。これにより、ポスト電極部8は上記実施例におけるプリ電極部4と同様に、比較的質量電荷比が低いイオンを排除する機能を有し、イオン検出器5に過剰なイオンが到達することを防止する。
図6に示した四重極型質量分析装置では、四重極マスフィルタ2にあって主電極部3の前段にプリ電極部4が配設され、後段にはポスト電極部8が配設されている。プリ電極部4の構成やプリ電極部4と主電極部3とが一次微分フィルタ回路65、66を介して接続されている点は図1と同様である。また、ポスト電極部8の構成やポスト電極部8と主電極部3とが一次微分フィルタ回路68、69を介して接続されている点は図5と同様である。この実施例では、プリ電極部4及びポスト電極部8の両方がそれぞれ、比較的質量電荷比が低いイオンを排除する機能を有する。そのため、図1や図5の構成と比べて、低質量電荷比のイオンを排除する効果が高く、イオン検出器5に過剰なイオンが到達することをより確実に防止することができる。
なお、図5及び図6の構成においても、四重極電圧発生部6において直流電圧源62と直流電圧源63との間の結線を接地電位とするのではなく、共通の直流バイアス電圧を与えるようにすることができる。この場合、一次微分フィルタ回路65、66、68、69中の抵抗Rの一端にも共通の直流バイアス電圧を与えるようにすればよい。
また、上記実施例はいずれも本発明の一例であり、本発明の趣旨の範囲で適宜に変形、追加、修正を行っても本願請求の範囲に包含されることは明らかである。
例えば上記実施例は本発明を通常の四重極型質量分析装置に適用したものであるが、三連四重極型質量分析装置の前段の四重極マスフィルタとして上記実施例に記載の構成の四重極マスフィルタを採用することにより、その前段の四重極マスフィルタで選択する質量電荷比を切り替える際の過渡状態においてコリジョンセルに過剰な量のイオンが導入されることを防止することができる。
1…イオン源
2…四重極マスフィルタ
3…主電極部
31〜34…主ロッド電極
4…プリ電極部
41〜44…プリロッド電極
5…検出器
6…四重極電圧発生部
61、64…高周波電源
62、63…直流電源
65、66、68、69…一次微分フィルタ回路
7…制御部
8…ポスト電極部
81〜84…ポストロッド電極
A…イオン光軸
C…コンデンサ
R…抵抗

Claims (5)

  1. 試料由来のイオンを質量電荷比に応じて選択的に通過させる4本の主ロッド電極の前段に同数のプリロッド電極を配置した四重極マスフィルタを具備する四重極型質量分析装置において、
    a)測定対象の質量電荷比に応じて異なる電圧値の直流電圧を発生する直流電圧源、測定対象の質量電荷比に応じて異なる振幅を有する高周波電圧を発生する高周波電圧源、及び、その直流電圧と高周波電圧とを加算して前記主ロッド電極に印加する電圧加算部、を含み、測定対象の質量電荷比を切り替えるべく高周波電圧及び直流電圧が同時に変更される際に高周波電圧の振幅の応答時間が直流電圧の応答時間よりも短く設定され、且つ、該直流電圧の応答時間が、分析対象の最大の質量電荷比を持つイオンが前記主ロッド電極を通過するに要する時間よりも短く設定されてなる四重極駆動手段と、
    b)測定対象の質量電荷比を切り替えるべく高周波電圧及び直流電圧が同時に変更される際に、その高周波電圧と直流電圧の応答時間の差異に起因してそれら電圧の変化時に前記主ロッド極を通過し得る低い質量電荷比を持つイオンを遮断するために、前記直流電圧の変化の過渡状態に対応した電圧を生成して前記プリロッド電極に印加する過渡時電圧印加手段と、
    を備えることを特徴とする四重極型質量分析装置。
  2. 試料由来のイオンを質量電荷比に応じて選択的に通過させる4本の主ロッド電極の後段に同数のポストロッド電極を配置した四重極マスフィルタを具備する四重極型質量分析装置において、
    a)測定対象の質量電荷比に応じて異なる電圧値の直流電圧を発生する直流電圧源、測定対象の質量電荷比に応じて異なる振幅を有する高周波電圧を発生する高周波電圧源、及び、その直流電圧と高周波電圧とを加算して前記主ロッド電極に印加する電圧加算部、を含み、測定対象の質量電荷比を切り替えるべく高周波電圧及び直流電圧が同時に変更される際に高周波電圧の振幅の応答時間が直流電圧の応答時間よりも短く設定され、且つ、該直流電圧の応答時間が、分析対象の最大の質量電荷比を持つイオンが前記主ロッド電極を通過するに要する時間よりも短く設定されてなる四重極駆動手段と、
    b)測定対象の質量電荷比を切り替えるべく高周波電圧及び直流電圧が同時に変更される際に、その高周波電圧と直流電圧の応答時間の差異に起因してそれら電圧の変化時に前記主ロッド極を通過し得る低い質量電荷比を持つイオンを遮断するために、前記直流電圧の変化の過渡状態に対応した電圧を生成して前記ポストロッド電極に印加する過渡時電圧印加手段と、
    を備えることを特徴とする四重極型質量分析装置。
  3. 試料由来のイオンを質量電荷比に応じて選択的に通過させる4本の主ロッド電極の前段に同数のプリロッド電極を配置するとともに後段に同数のポストロッド電極を配置した四重極マスフィルタを具備する四重極型質量分析装置において、
    a)測定対象の質量電荷比に応じて異なる電圧値の直流電圧を発生する直流電圧源、測定対象の質量電荷比に応じて異なる振幅を有する高周波電圧を発生する高周波電圧源、及び、その直流電圧と高周波電圧とを加算して前記主ロッド電極に印加する電圧加算部、を含み、測定対象の質量電荷比を切り替えるべく高周波電圧及び直流電圧が同時に変更される際に高周波電圧の振幅の応答時間が直流電圧の応答時間よりも短く設定され、且つ、該直流電圧の応答時間が、分析対象の最大の質量電荷比を持つイオンが前記主ロッド電極を通過するに要する時間よりも短く設定されてなる四重極駆動手段と、
    b)測定対象の質量電荷比を切り替えるべく高周波電圧及び直流電圧が同時に変更される際に、その高周波電圧と直流電圧の応答時間の差異に起因してそれら電圧の変化時に前記主ロッド極を通過し得る低い質量電荷比を持つイオンを遮断するために、前記直流電圧の変化の過渡状態に対応した電圧を生成して前記プリロッド電極及び前記ポストロッド電極にそれぞれ印加する過渡時電圧印加手段と、
    を備えることを特徴とする四重極型質量分析装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の四重極型質量分析装置であって、
    前記過渡時電圧印加手段は微分回路であることを特徴とする四重極型質量分析装置。
  5. 請求項4に記載の四重極型質量分析装置であって、
    前記微分回路の時定数は、前記直流電圧源による直流電圧の応答時間の3分の1よりも大きい値に設定されてなることを特徴とする四重極型質量分析装置。
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