JP5422759B2 - ガスタービン用高温部材 - Google Patents
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Description
しかしながら、このシェイプトフィルム冷却吹出し孔は、その中央部に冷却空気が多く流れてしまうとともに、その両端部に流れる空気量が少なく、ガスタービン用高温部材の表面に形成される圧縮空気膜の厚みがその幅方向において不均一になり、フィルム冷却にムラが生じてしまうといった問題点がある。
本発明によるガスタービン用高温部材は、複数のフィルム冷却孔から吹き出された冷却媒体により、表面に冷却媒体の膜を形成させて、高温ガスからの熱伝達が抑制されるガスタービン用高温部材であって、前記フィルム冷却孔の流入部における流路が一本設けられており、この流路の中心軸線と、前記フィルム冷却孔の流出部における流路の中心軸線とのなす角が鈍角となり、かつ、前記フィルム冷却孔の流出部における流路の中心軸線と前記表面とのなす角が鋭角となるとともに、前記流入部における流路の出口端と対向する、前記流出部における流路を形成する壁面に、前記出口端に向かって凸部が形成されている。
このようなガスタービン用高温部材によれば、流路の出口端(流出口)から流出部の一端部に流れ出た冷却空気は、流入部の出口端に向かって形成された凸部にぶつかった(衝突した)後、この凸部に隣接配置された二つの凹部に向かって流れていくこととなる。すなわち、流出部の中央部における流路抵抗が、流出部の両側部における流路抵抗よりも大きくなって、流出口の中央部における冷却空気の流量と、流出口の両端部における冷却空気の流量とを略同じにすることができるので、ガスタービン用高温部材の表面に形成される圧縮空気膜の厚みを、その幅方向において均一にすることができて、フィルム冷却のムラをなくすことができる。
また、壁面の凸部にぶつかって(衝突して)振り分けられた冷却空気は、その後、反対向き(下向き)に流れた後、凸部が形成された壁面と対向して配置された壁面に沿って進むこととなる。これにより、ガスタービン用高温部材の表面に沿うように冷却空気を流出口から吹き出させることができて、ガスタービン用高温部材の表面により近い位置に、より均一な圧縮空気膜を形成させることができる。
さらに、流路はガスタービン用高温部材の内壁面側から、流出部はガスタービン用高温部材の表面側から比較的容易に加工することができるので、製造コストを低減させることができる。
このようなガスタービン用高温部材によれば、ひさし部により、流出部の中央部における流路抵抗が、流出部の両側部における流路抵抗と略同じかあるいはそれよりも大きくなるように調整され、流出口の中央部における冷却空気の流量と、流出口の両端部における冷却空気の流量とを略同じにすることができるので、ガスタービン用高温部材の表面に形成される圧縮空気膜の厚みを、その幅方向において均一にすることができて、フィルム冷却のムラをなくすことができる。
このようなガスタービンによれば、タービン入口における作動高温ガスの温度を高めることができて、ガスタービンの熱効率を向上させることができる。
図1に示すように、本実施形態によるガスタービン用高温部材(以下、「タービンブレード」という)10は、その内部11,12,13に導入された冷却空気(冷却媒体)Cをタービンブレード10の表面10aに形成されたフィルム冷却孔14から吹き出させて、冷却空気Cでタービンブレード10の表面10aに圧縮空気膜を形成させ、それにより高温ガスFからタービンブレード10の表面10aへの熱伝達が抑制されるように構成されたものである。
流入部15は、一端がタービンブレード10の内壁面11a,12a,13aに開口する流入口15aとされ、かつ他端がタービンブレード10の板厚中間部(すなわち、内壁面11a,12a,13aとタービンブレード10の表面10aとの中間位置)において流出部16の一端に接続された、断面視円形の流路を有する丸孔である。また、流入口15aは、その平面視形状が図2(a)に示すような楕円形を呈するものである。
また、流出口16aの両隅部には、R(丸み)が取られている。
また、流出口16aの両隅部にR(丸み)が設けられているので、応力集中を防止することができるとともに、冷却空気Cの流れの円滑化を図ることができる。
本実施形態によるガスタービン用高温部材(以下、「タービンブレード」という)20は、フィルム冷却孔14の代わりにフィルム冷却孔24が設けられているという点で前述した第1参考実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した第1参考実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した第1参考実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
流入部15は、一端がタービンブレード20の内壁面11a,12a,13aに開口する流入口15aとされ、かつ他端がタービンブレード20の板厚中間部(すなわち、内壁面11a,12a,13aとタービンブレード20の表面10aとの中間位置)において流出部26の一端に接続された、断面視円形の流路を有する丸孔である。また、流入口15aは、その平面視形状が図3(a)に示すような楕円形を呈するものである。
また、流出口26aの両隅部には、R(丸み)が取られている。
また、流出口16aの両隅部にR(丸み)が設けられているので、応力集中を防止することができるとともに、冷却空気Cの流れの円滑化を図ることができる。
本実施形態によるガスタービン用高温部材(以下、「タービンブレード」という)30は、フィルム冷却孔14の代わりにフィルム冷却孔34が設けられているという点で前述した第1参考実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した第1参考実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した第1参考実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
流入部15は、一端がタービンブレード30の内壁面11a,12a,13aに開口する流入口15aとされ、かつ他端がタービンブレード30の板厚中間部(すなわち、内壁面11a,12a,13aとタービンブレード30の表面10aとの中間位置)において流出部36の一端に接続された、断面視円形の流路を有する丸孔である。また、流入口15aは、その平面視形状が図3(a)に示すような楕円形を呈するものである。
また、流出口36aの両隅部には、R(丸み)が取られている。
また、流出口36aの両隅部にR(丸み)が設けられているので、応力集中を防止することができるとともに、冷却空気Cの流れの円滑化を図ることができる。
本実施形態によるガスタービン用高温部材(以下、「タービンブレード」という)40は、フィルム冷却孔14の代わりに、中央部において下流側にく字状に張り出すひさし部(邪魔板)47を有するフィルム冷却孔44が設けられているという点で前述した第1参考実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した第1参考実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した第1参考実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
本実施形態によるガスタービン用高温部材(以下、「タービンブレード」という)50は、フィルム冷却孔14の代わりに、中央部において下流側に台形状に張り出すひさし部(邪魔板)57を有するフィルム冷却孔54が設けられているという点で前述した第1参考実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した第1参考実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した第1参考実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
本実施形態によるガスタービン用高温部材(以下、「タービンブレード」という)60は、フィルム冷却孔14の代わりに、中央部の一部を塞ぐように下流側に三角形状に張り出すひさし部(邪魔板)67を有するフィルム冷却孔64が設けられているという点で前述した第1参考実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した第1参考実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した第1参考実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
本実施形態によるガスタービン用高温部材(以下、「タービンブレード」という)70は、フィルム冷却孔14の代わりに、中央部において下流側に山形状に張り出すひさし部(邪魔板)77を有するフィルム冷却孔74が設けられているという点で前述した第1参考実施形態のものと異なる。また、ひさし部(邪魔板)77の根元部分にR(丸み)を取ることにより当該部の応力集中を緩和することができる。その他の構成要素については前述した第1参考実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した第1参考実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
本実施形態によるガスタービン用高温部材(以下、「タービンブレード」という)80は、フィルム冷却孔24の代わりに、流路中央部における流路長さL1が、流路端部における流路長さL2よりも長くなるように(例えば、L1がL2の1.5倍となるように)構成されたフィルム冷却孔84が設けられているという点で前述した第2参考実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した第2参考実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した第2参考実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
本実施形態によるガスタービン用高温部材(以下、「タービンブレード」という)90は、流出部16,26,36の末広角(すなわち、流出部16,26,36の流路の一側面と他側面とのなす角)αが45°以上に設定されたフィルム冷却孔94が設けられているという点で前述した実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
また、流出部16,26,36の末広角αを45°以上とすることにより、フィルム冷却孔の数を減らすことができるので、フィルム冷却孔を加工する加工工数を減らすことができて、製造コストを低減させることができる。
その他の作用効果は、前述した実施形態のものと同じであるので、ここではその説明を省略する。
本実施形態によるガスタービン用高温部材(以下、「タービンブレード」という)100は、流出部16,26,36の中心軸線とタービンブレード100の表面10aとのなす角(例えば、20°)が、流入部15の中心軸線とタービンブレード100の表面10aとのなす角(例えば、30°)よりも小さくなるように設定されたフィルム冷却孔104が設けられているという点で前述した実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
また、前述した実施形態のものよりも、流出口16a,26a,36aから流出する冷却空気Cが、タービンブレード100の表面10aにより沿って流れるようになるので、さらに効果的なフィルム冷却を行うことができる。
本実施形態によるガスタービン用高温部材(以下、「タービンブレード」という)110は、前述した実施形態における流入部15が省略され、その代わりに流入部15のあった部分に流出部16,26,36を設けたフィルム冷却孔114が設けられているという点で前述した実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。また、流入口15aは、その平面視形状が図12(a)に示すような三角形を呈するようになる。
また、流出部16a,26a,36aとその形状を異にする流入部15を加工する必要がなくなるので、フィルム冷却孔を加工する加工工数を減らすことができて、製造コストを低減させることができる。
その他の作用効果は、前述した実施形態のものと同じであるので、ここではその説明を省略する。
本実施形態によるガスタービン用高温部材(以下、「タービンブレード」という)120は、前述した実施形態における流出部16,26,36の代わりに、流出部126を備えたフィルム冷却孔124が設けられているという点で前述した実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
その他の作用効果は、前述した実施形態のものと同じであるので、ここではその説明を省略する。
本実施形態によるガスタービン用高温部材(以下、「タービンブレード」という)130は、中央に位置する流出部136の孔径が最も小さく、外方に向かって流出部136の孔径が徐々に大きくなる流出部136を備えたフィルム冷却孔134が設けられているという点で前述した第12参考実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
その他の作用効果は、前述した第12参考実施形態のものと同じであるので、ここではその説明を省略する。
本実施形態によるガスタービン用高温部材(以下、「タービンブレード」という)140は、流出口146aが中央部で疎となり、両端部で密となる流出部146を備えたフィルム冷却孔144が設けられているという点で前述した第12参考実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
また、流入部15および流出部146がすべて丸孔により構成されているので、フィルム冷却孔を加工する加工工数を減らすことができて、製造コストを低減させることができる。
本実施形態によるガスタービン用高温部材(以下、「タービンブレード」という)150は、前述したフィルム冷却孔の代わりにフィルム冷却孔154が設けられているという点で前述した実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
流入部155は、一端がタービンブレード150の内壁面11a,12a,13aに開口する流入口15aとされ、かつ他端がタービンブレード150の板厚中間部(すなわち、内壁面11a,12a,13aとタービンブレード150の表面10aとの中間位置)において流出部156の一端に接続された、断面視円形の流路を有する丸孔である。また、流入口15aは、その平面視形状が図16(a)に示すような楕円形を呈するものである。
流出口156aは、その平面視形状が図16(a)に示すような平面視略等脚台形を呈するものであり、平行な二辺のうち、短い方の一辺が上流側(図16において左側)に位置するとともに、長い方の他辺が下流側に(図16において右側)に位置するように形成されている。また、これら平行な二辺を結ぶ別の二辺(側辺)は、上流側から下流側に向かって末広がりとなり、かつ、上流側から下流側にかけて滑らかに湾曲させられている。
一方、図16(b)に示すように、流出口156aの他辺につながる壁面156bの曲率は、流出口156aの一辺につながる壁面156cの曲率よりも大きく、壁面156bがタービンブレード150の表面10aに対して滑らかに接続されるようになっている。
また、流出口156aの他辺につながる壁面156bが、タービンブレード150の表面10aに対して滑らかに接続されているので、タービンブレード150の表面10aに沿うように冷却空気(冷却媒体)Cを流出口156aから吹き出させることができて、タービンブレード150の表面10aにより近い位置に、より均一な圧縮空気膜を形成させることができる。
さらに、流出口156aの側辺が、上流側から下流側に向かって末広がりとなり、かつ、上流側から下流側にかけて滑らかに湾曲させられているので、冷却空気(冷却媒体)Cをタービンブレード150の高さ(スパン)方向(図1において上下方向)に均一に拡げることができる。
さらにまた、流入部155および流出部156はタービンブレード150の表面10a側から、および/またはタービンブレード150の内壁面11a,12a,13a側から比較的容易に加工することができるので、製造コストを低減させることができる。
本実施形態によるガスタービン用高温部材(以下、「タービンブレード」という)160は、第15参考実施形態のところで説明したフィルム冷却孔154の代わりにフィルム冷却孔164が設けられているという点で前述した第15参考実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した第15参考実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した第15参考実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
流入部155は、一端がタービンブレード160の内壁面11a,12a,13aに開口する流入口15aとされ、かつ他端がタービンブレード160の板厚中間部(すなわち、内壁面11a,12a,13aとタービンブレード160の表面10aとの中間位置)において流出部166の一端に接続された、断面視円形の流路を有する丸孔である。また、流入口15aは、その平面視形状が図17(a)に示すような楕円形を呈するものである。
流出口166aは、その平面視形状が図17(a)に示すような平面視略等脚台形を呈するものであり、平行な二辺のうち、短い方の一辺が上流側(図17において左側)に位置するとともに、長い方の他辺が下流側に(図17において右側)に位置するように形成されている。なお、本実施形態では、これら平行な二辺はそれぞれ、第15参考実施形態のところで説明した流出口156aの平行な二辺よりも長くなるように形成されている。すなわち、本実施形態における流出口166aは、第15参考実施形態のところで説明した流出口156aよりも末広がりとなるように(下流側に向かって大きく拡がるように)形成されている。
一方、図17(b)に示すように、流出口166aの他辺につながる壁面156bの曲率は、流出口166aの一辺につながる壁面156cの曲率よりも大きく、壁面156bがタービンブレード160の表面10aに対して滑らかに接続されるようになっている。
このリブ167は、上流側から下流側に向かって末広がりとなり、かつ、上流側から下流側にかけてその高さが漸次高くなる、平面視二等辺三角形、断面視略直角三角形の分流部167aと、その表面がタービンブレード160の表面10aと面位置になる(同一平面上に位置する)、平面視矩形、断面視略直角三角形の基底部167bとを備えている。
その他の作用効果は、前述した第15参考実施形態のものと同じであるので、ここではその説明を省略する。
本実施形態によるガスタービン用高温部材(以下、「タービンブレード」という)170は、前述したフィルム冷却孔の代わりにフィルム冷却孔174が設けられているという点で前述した実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
また、壁面176bにぶつかって(衝突して)反対向きに進むこととなった冷却空気Cは、その後、壁面176cに沿って進むようになるので、タービンブレード170の表面10aに沿うように冷却空気(冷却媒体)Cを流出口176aから吹き出させることができて、タービンブレード170の表面10aにより近い位置に、より均一な圧縮空気膜を形成させることができる。
さらに、流出口176aの側辺(一辺と他辺とを結ぶ別の二辺)が、上流側から下流側に向かって末広がりとなっているので、冷却空気Cをタービンブレード170の高さ(スパン)方向(図1において上下方向)に均一に拡げることができる。
さらにまた、流入部175はタービンブレード170の内壁面11a,12a,13a側から、流出部176はタービンブレード170の表面10a側から比較的容易に加工することができるので、製造コストを低減させることができる。
本実施形態によるガスタービン用高温部材(以下、「タービンブレード」という)180は、前述したフィルム冷却孔の代わりにフィルム冷却孔184が設けられているという点で前述した実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
流出口186aは、タービンブレード180の表面10aから下流側に張り出すひさし部(邪魔板)187により、その上流側の一部が塞がれたような格好になっている。
また、流出口186aの上流側(図19(a)および図19(b)において左側)に位置する波形の辺につながる壁面(天井面)186bは、長手方向軸線に沿う中央部(谷部)が流入部185の他端と対向するように配置されている。
また、壁面186bの谷部にぶつかって(衝突して)振り分けられた冷却空気Cは、その後、反対向き(下向き)に(流出口186aの下流側に位置する直線状の辺につながる壁面186cに向かって)流れた後、壁面176cに沿って進むこととなる。これにより、タービンブレード180の表面10aに沿うように冷却空気Cを流出口186aから吹き出させることができて、タービンブレード180の表面10aにより近い位置に、より均一な圧縮空気膜を形成させることができる。
さらに、流出口186aの側辺(波形の辺と直線状の辺とを結ぶ別の二辺)が、上流側から下流側に向かって末広がりとなっているので、冷却空気Cをタービンブレード180の高さ(スパン)方向(図1において上下方向)に均一に拡げることができる。
さらにまた、流入部185はタービンブレード180の内壁面11a,12a,13a側から、流出部186はタービンブレード180の表面10a側から比較的容易に加工することができるので、製造コストを低減させることができる。
本実施形態によるガスタービン用高温部材(以下、「タービンブレード」という)190は、前述したフィルム冷却孔の代わりにフィルム冷却孔194が設けられているという点で前述した実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
流入部15は、その一端がタービンブレード190の内壁面11a,12a,13aに開口する流入口15aとされ、かつ、その他端がタービンブレード190の板厚中間部(すなわち、内壁面11a,12a,13aとタービンブレード190の表面10aとの中間位置)において流出部196の一端に接続された、断面視円形の流路を有する丸孔である。また、流入口15aは、その平面視形状が図20(a)に示すような楕円形を呈するものである。
流出口196aは、その平面視形状が図20(a)に示すような平面視等脚台形を呈するものであり、平行な二辺のうち、短い方の一辺が上流側(図20において左側)に位置するとともに、長い方の他辺が下流側に(図20において右側)に位置するように形成されている。また、これら平行な二辺を結ぶ別の二辺(側辺)は、上流側から下流側に向かって末広がりとなっている。
一方、図20(b)に示すように、流出口196aの他辺につながる壁面196bとタービンブレード190の表面10aとのなす角(例えば、20°)は、流出口196aの一辺につながる壁面196cとタービンブレード190の内壁面11a,12a,13aとのなす角(例えば、30°)よりも小さく、壁面196bがタービンブレード190の表面10aに対して滑らかに接続されるようになっている。
このリブ167は、上流側から下流側に向かって末広がりとなり、かつ、上流側から下流側にかけてその高さが漸次高くなる、平面視二等辺三角形、断面視略直角三角形の分流部167aと、その表面がタービンブレード160の表面10aと面位置になる(同一平面上に位置する)、平面視矩形、断面視略直角三角形の基底部167bとを備えている。
また、このリブ167は、流出口196aの短い方の一辺から分流部167aの先端(上流側の端)までの距離Aを、流入部15の直径(内径)Dで除した値が1.6〜2.3となる位置に設けられている。
10a 表面
14 フィルム冷却孔
15 流入部(流路)
16 流出部
20 タービンブレード(ガスタービン用高温部材)
24 フィルム冷却孔
26 流出部
30 タービンブレード(ガスタービン用高温部材)
34 フィルム冷却孔
36 流出部
40 タービンブレード(ガスタービン用高温部材)
44 フィルム冷却孔
50 タービンブレード(ガスタービン用高温部材)
54 フィルム冷却孔
60 タービンブレード(ガスタービン用高温部材)
64 フィルム冷却孔
70 タービンブレード(ガスタービン用高温部材)
74 フィルム冷却孔
80 タービンブレード(ガスタービン用高温部材)
84 フィルム冷却孔
90 タービンブレード(ガスタービン用高温部材)
94 フィルム冷却孔
100 タービンブレード(ガスタービン用高温部材)
104 フィルム冷却孔
110 タービンブレード(ガスタービン用高温部材)
114 フィルム冷却孔
120 タービンブレード(ガスタービン用高温部材)
124 フィルム冷却孔
126 流出部
130 タービンブレード(ガスタービン用高温部材)
134 フィルム冷却孔
136 流出部
140 タービンブレード(ガスタービン用高温部材)
144 フィルム冷却孔
146 流出部
150 タービンブレード(ガスタービン用高温部材)
154 フィルム冷却孔
155 流入部(流路)
156 流出部(流路)
160 タービンブレード(ガスタービン用高温部材)
164 フィルム冷却孔
166 流出部(流路)
170 タービンブレード(ガスタービン用高温部材)
174 フィルム冷却孔
175 流入部(流路)
176 流出部(流路)
180 タービンブレード(ガスタービン用高温部材)
184 フィルム冷却孔
185 流入部(流路)
186 流出部(流路)
186b 壁面
190 タービンブレード(ガスタービン用高温部材)
194 フィルム冷却孔
196 流出部(流路)
C 冷却空気(冷却媒体)
Claims (3)
- 複数のフィルム冷却孔から吹き出された冷却媒体により、表面に冷却媒体の膜を形成させて、高温ガスからの熱伝達が抑制されるガスタービン用高温部材であって、
前記フィルム冷却孔の流入部における流路が一本設けられており、この流路の中心軸線と、前記フィルム冷却孔の流出部における流路の中心軸線とのなす角が鈍角となり、かつ、前記フィルム冷却孔の流出部における流路の中心軸線と前記表面とのなす角が鋭角となるとともに、前記流入部における流路の出口端と対向する、前記流出部における流路を形成する壁面に、前記出口端に向かって凸部が形成されていることを特徴とするガスタービン用高温部材。 - 前記流出部における流路の出口端に、前記表面から下流側に張り出すひさし部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のガスタービン用高温部材。
- 請求項1または2に記載のガスタービン用高温部材を備えてなることを特徴とするガスタービン。
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