JP5421699B2 - 半導体素子分離方法および半導体素子分離装置 - Google Patents

半導体素子分離方法および半導体素子分離装置 Download PDF

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Description

この発明は、半導体基板に形成された半導体素子を分離する半導体素子の分離方法および半導体素子の分離装置に関するものである。
従来の半導体素子分離装置では、一対の分割片からなるウェハ受部を備え、このウェハ受部によって、スクライブ溝が形成されたウェハのスクライブ溝近傍を除く箇所を支持していた。そして、ウェハに劈開ツールを押し当てることによってスクライブ溝の近傍に発生する引張応力によりウェハを劈開してバーおよびチップを得ていた。(例えば、特許文献1参照)
特許第4210981号公報(第6〜8頁、図1)
このような半導体素子分離装置にあっては、所望のスクライブ溝以外でチップが分離されないようにするため、一対のウェハ受部間に存在するスクライブ溝は1本だけとする必要がある。従って、1個の半導体素子を形成するチップの寸法を縮小化していくと、ウェハ受部の間隔も狭くする必要がある。しかし、ウェハ受部の間隔を狭くすると、ウェハに劈開ツールを押し当てることによってスクライブ溝の近傍に発生する引張応力がウェハ受部からウェハが受ける反力によって小さくなってしまう。劈開ツールをウェハに押し当てる力を大きくしてスクライブ溝の近傍に発生する引張応力を増加させようとしても、ウェハ受部からウェハが受ける反力も大きくなるため、スクライブ溝の近傍に発生する引張応力を思うように増加させることができない。このため、ついには望ましくない部分でチップが分離してしまうという問題点があった。
この発明は、上述のような問題を解決するためになされたもので、チップの寸法を縮小化してもスクライブ溝に沿ってチップを分離することができる半導体素子分離方法および半導体素子分離装置を提供することを目的とする。
この発明に係る半導体素子分離方法は、半導体基板の一方の面に複数本のスクライブ溝を所定間隔で形成し、他方の面からブレイク刃を押し当てて、半導体基板から半導体素子を分離する半導体素子分離方法であって、半導体基板のスクライブ溝が形成された面を支持し一本のスクライブ溝を境にして両側に配置された一対の基板受部の初期間隔Aを、前記所定間隔の2倍未満に設定した後半導体基板の前記一本のスクライブ溝の背面にあたる箇所にブレイク刃を押し当てる際に、ブレイク刃の進行と同期して一対の基板受部のいずれか一方または両方を受部駆動部により移動させ、一対の基板受部の間隔を初期間隔Aよりも広い間隔Bとすることにより前記一本のスクライブ溝を広げる方向の力を半導体基板のスクライブ溝が形成された面に加えるものである。
また、この発明に係る半導体素子分離装置は、一方の面にスクライブ溝が形成された半導体基板の他方の面に押し当てられ半導体基板から半導体素子を分離するブレイク刃と、ブレイク刃の位置を検出する検出部と、半導体基板のスクライブ溝が形成された面を支持し一本のスクライブ溝を境にして両側に配置される一対の基板受部と、一対の基板受部のいずれか一方または両方を移動させ一対の基板受部の間隔を変化させる受部駆動部と、検出部からの信号に基づいて受部駆動部を制御する制御部とを備え、半導体基板の前記一本のスクライブ溝の背面にあたる箇所にブレイク刃を押し当てる際に、制御部は、ブレイク刃の進行と同期して一対の基板受部の間隔を連続的に広げるように受部駆動部を制御し、前記一本のスクライブ溝を広げる方向の力を半導体基板のスクライブ溝が形成された面に加えるものである。
この発明に係る半導体素子分離方法によれば、ブレイク刃の進行と同期して、スクライブ溝を広げる方向の力を半導体基板に加えることにより、半導体素子の寸法を縮小化してもスクライブ溝に沿って半導体素子を分離することができる。
また、この発明に係る半導体素子分離装置によれば、ブレイク刃の進行と同期して、一対の基板受部の間隔を広げる受部駆動部を備えたことにより、半導体素子の寸法を縮小化してもスクライブ溝に沿って半導体素子を分離することができる。
この発明の実施の形態1におけるレーザダイオードバーをレーザダイオードチップに分離する工程を示す図である。 この発明の実施の形態1における半導体素子分離装置を示す側面図であり、(a)はブレイク動作開始時の状態を示す図、(b)はブレイク動作中の状態を示す図である。 この発明の実施の形態1における半導体素子分離装置を示すブロック図である。 この発明の実施の形態3におけるレーザダイオードウェハをレーザダイオードバーに分離する工程を示す図である。 この発明の実施の形態3における半導体素子分離装置を示す側面図であり、(a)はブレイク動作中の状態を示す図、(b)はブレイク動作後の状態を示す図である。 この発明の実施の形態4における半導体素子分離装置のブレイク動作中の状態を示す側面図である。 この発明の実施の形態5における半導体素子分離装置のブレイク動作中の状態を示す側面図である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1におけるレーザダイオードバー(以下、LDバーと称する)1をレーザダイオードチップ(以下、LDチップと称する)2に分離する工程を示す図である。まず、工程全体の流れについて説明する。
図1(a)に示すLDバー1は、通常、長さ10〜30mm程度、厚さ100〜200μm程度であり、例えばIII−V族化合物半導体であるInPやGaAsなどを基板とする材料で形成されている。LDバー1の表面には、レーザ共振器などの機能部分や機能部分に電流を供給する電極などが、それぞれのLDチップ2ごとに形成されている。LDチップ2の幅は、従来500〜200μmであったが、LDチップ収率を上げるために150〜100μm以下に変更されつつある。
LDバー1には、図1(b)に示すように、LDチップ2間にそれぞれスクライブ溝3が形成される。スクライブ溝3は、先端にダイヤモンドを嵌め込んだ刃を備えたスクライブ装置を用いてLDバー1に罫書き傷を形成することによって形成される。このスクライブ溝3は、LDバー1からLDチップ2を分離するための分離線であり、LDバー1からLDチップ2が分離し易いようにLDバー1にマイクロクラックを形成する役目をする。尚、スクライブ溝3を形成する方法は、これに限ることはなく、レーザによってLDバー1の表面または内部に亀裂を形成する方法で形成してもよい。
続いて、LDバー1は、図1(c)に示すように半導体素子分離装置6aへ導入され、図1(d)に示すようにそれぞれのLDチップ2へと分離される。
次に、この発明の実施の形態1における半導体素子分離装置6aの構成を説明する。図2は、この発明の実施の形態1における半導体素子分離装置6aを示す側面図であり、(a)はブレイク動作開始時の状態を示す図、(b)はブレイク動作中の状態を示す図である。図3は、この発明の実施の形態1における半導体素子分離装置6aを示すブロック図である。
図2において、半導体素子分離装置6aは、所定の間隔をもって配置された一対の基板受部7上にLDバー1が設置され、このLDバー1にブレイク刃10を押し当てる構成となっている。ブレイク刃10はブレイク刃駆動部11により駆動され、往復運動が可能である。
図2および図3に示すように、ブレイク刃10にはブレイク刃10の位置を検出する検出部12が取り付けられており、この検出部12からの信号に基づいて制御部15が、受部駆動部16を制御して基板受部7の間隔を連続的に変化させることができる。
検出部12としては、ブレイク刃10の位置を直接検出するセンサを用いてもよいが、これに限ることはなく、ブレイク刃10がLDバー1に接触したときにブレイク刃10にかかる圧力を検出する圧力センサを用いてブレイク刃10の位置を検出してもよい。
受部駆動部16としてはサーボモータが用いられ、検出部12からの信号に基づいて制御部15によって制御される。これにより、ブレイク刃10の進行と同期して基板受部7の間隔を適切な間隔に変化させることができる。
尚、スクライブ溝3が形成されたLDバー1は脆いためハンドリングの際に割れるおそれがあり、また、LDバー1を基板受部7に設置する際に傷や汚れが付くおそれもある。これらを防ぐために、LDバー1を基板受部7上に設置する際には、LDバー1の基板受部7と対向する面およびブレイク刃10を押し当てる面を保護シート17および保護シート20によって覆っておく。保護シート17および保護シート20としては、例えば、厚さ100μm程度のポリ塩化ビニルから成る粘着性を持ったものが用いられる。
次に、この発明の実施の形態1における半導体素子分離装置6aの動作について説明する。図2(a)に示すように、まず、一方の面にスクライブ溝3が形成されたLDバー1が、スクライブ溝3が形成された面21が基板受部7と対向し、一対の基板受部7がスクライブ溝3を境にして両側にくるように設置される。このときの基板受部7の初期間隔をAとする。尚、LDバー1は上述のように保護シート17および保護シート20によって覆われている。このとき、LDバー1は、ブレイク刃10を押し当てたときに動かない程度に固定されていればよく、固定ジグ等を用いて固定してもよいが、保護シート17が粘着性を持つものである場合はその粘着性を利用してもよい。
次に、ブレイク刃駆動部11によりブレイク刃10を駆動し、LDバー1のスクライブ溝3が形成された面21と対向する面22でスクライブ溝3の背面にあたる箇所にブレイク刃10を押し当てる。
図2(a)に示すように、LDバー1に保護シート20を通してブレイク刃10を押し当てる力25が働くと、LDバー1には基板受部7から保護シート17を通して垂直反力26が働く。すると、LDバー1には三点曲げ様の力が掛かることとなり、スクライブ溝3の近傍に引張応力27が働く。
しかし、従来のように、このままブレイク刃10を進行させて行くと、LDバー1の撓りは大きくなるが、保護シート17と基板受部7との間の摩擦力により保護シート17と基板受部7とは滑りにくいため、LDバー1に水平反力30が働くこととなる。この水平反力30が生じることにより、スクライブ溝3の近傍に働く引張応力27が小さくなってしまうため、ついにはLDバー1が望ましくない部分で分離してしまうことがある。また、ブレイク刃10の進行により保護シート17が変形して、基板受部7の間にはみ出し、基板受部7の間を埋めるようになる。すると、ブレイク刃10を押し当てる力25を妨げる方向にシート抗力31が生じるため、ブレイク刃10を押し当てる力25をより大きくする必要がある。
これを防ぐために、この発明の実施の形態1においては、図2(b)に示すように、ブレイク刃10の進行と同期して、基板受部7の間隔を初期間隔Aから移動後間隔Bへと広げる。つまり、ブレイク刃10を進行させる際に検出部12によりブレイク刃10の位置を検出し、この検出部12からの信号に基づいて制御部15が受部駆動部16を制御して基板受部7の間隔を初期間隔Aから移動後間隔Bへと連続的に広げていく。
基板受部7の間隔を広げることにより、LDバー1には、基板受部7から保護シート17を介してスクライブ溝3を広げる方向に摩擦力32が働き、LDバー1に働く水平反力30を低減することができる。また、基板受部7の間隔を広げることにより保護シート17の基板受部7間へのはみ出しも緩和することができるため、シート抗力31を減らすこともできる。
次に、基板受部7の間隔の設定について説明する。基板受部7の初期間隔Aは、ブレイク刃10をLDバー1に押しつけた際に、所望のスクライブ溝3以外で分離されることがないように、LDチップ2の幅の2倍未満に設定しておくことが望ましい。例えば、LDチップ2の幅が150μmである場合は、基板受部7の初期間隔Aは300μm未満に設定しておくことが望ましい。
基板受部7の移動後間隔Bは、分離後のLDチップ2の端部が基板受部7の間に落下してしまわない程度の幅にしておくことが望ましい。
基板受部7の初期間隔Aから移動後間隔Bへの移動量は、LDバー1に働く水平反力30をうまく打ち消せるようLDバー1の厚さやLDチップ2の幅などに応じて設定する必要がある。例えば、LDバー1の厚さが100μm、LDチップ2の幅が150μmである場合、基板受部7の初期間隔Aを230μmに設定し、ブレイク刃10がLDバー1に接触してからLDチップ2が充分分離するまで、ブレイク刃10が1μm進行するに従って基板受部7の間隔を1.2μmずつ広げていくことが望ましい。
この発明の実施の形態1では、以上のような構成としたことにより、スクライブ溝3の近傍に働く引張応力27を減少させる原因であるLDバー1に働く水平反力30を低減することができるため、スクライブ溝3の近傍に充分な引張応力27が働くこととなる。これにより、LDチップ2が望ましくない箇所で分離してしまうことを防ぐことができる。また、保護シート17の基板受部7間へのはみ出しも緩和することができるため、ブレイク刃10を押し当てる力25を妨げるシート抗力31を減らすことができる。このため、ブレイク刃10を押し当てる力25をより小さくすることができる。
尚、この発明の実施の形態1では、LDバー1からLDチップ2を分離する場合について説明した。しかし、これに限ることはなく、フォトダイオードなどの半導体基板からチップに分離する工程全般に適用することができる。
また、この発明の実施の形態1では、基板受部7の移動量は、LDバー1に働く水平反力30を打ち消すように設定した。しかし、基板受部7の間隔をより大きく広げることによって、基板受部7から保護シート17を介してLDバー1に働く摩擦力32をより大きくし、水平反力30を完全に打ち消した上にさらにスクライブ溝3の近傍に働く引張応力27を増大させるようにしてもよい。これにより、引張応力27が増大するため、ブレイク刃10を押し当てる力25をより小さくすることができる。
さらに、この発明の実施の形態1では、一対の基板受部7の両方を移動させて基板受部7の間隔を広げたが、片側の基板受部7のみを移動させてもよい。この場合、受部駆動部16が一方でよいため、構成をより簡易にすることができる。また、一対の基板受部7の両方を移動させる場合でも、両方を同じ移動量として対称に移動させる必要もない。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2におけるこの発明の実施の形態1との相違点は、図2においてLDバー1の基板受部7と対向する面およびブレイク刃10を押し当てる面を覆っている保護シート17および保護シート20のいずれか一方または両方を省略した点である。
まず、LDバー1の基板受部7と対向する面を覆う保護シート17を省略した場合について説明する。保護シート17を省略すると、LDバー1と基板受部7が直接接触することとなるが、やはり、LDバー1と基板受部7との間の摩擦力により水平反力30が生じてしまう。この発明の実施の形態1の場合と同様にブレイク刃10の進行と同期して基板受部7の間隔を広げると、基板受部7からLDバー1に摩擦力32が働き、水平反力30を低減することができる。
また、保護シート17を省略した場合は、シート抗力31は生じないため、シート抗力31によってブレイク刃10を押し当てる力25が妨げられることがなくなり、ブレイク刃10を押し当てる力25をより小さくすることができる。
LDバー1のブレイク刃10を押し当てる面を覆う保護シート20を省略した場合についても、保護シート20にブレイク刃10が接触した際に保護シート20からブレイク刃10が受ける抗力がなくなるので、ブレイク刃10を押し当てる力25をより小さくすることができる。
保護シート17および保護シート20の両方を省略した場合は、上述の効果が共に得られるため、ブレイク刃10を押し当てる力25をさらに小さくすることができる。
実施の形態3.
図4は、この発明の実施の形態3におけるレーザダイオードウェハ(以下、LDウェハと称する)35をLDバー1に分離する工程を示す図である。まず、工程全体の流れについて説明する。
図4(a)に示すLDウェハ35には、最終的にLDチップ2へと分離される素子が2次元アレイ状に形成されている。そして、図4(b)に示すようにLDウェハ35の端部に、LDバー1へと分離するためのスクライブ溝3がそれぞれ形成される。続いて、LDウェハ35は、図4(c)に示すように半導体素子分離装置6aへ導入され、スクライブ溝3付近のみを基板受部7で支持される。そして、スクライブ溝3付近のみにブレイク刃10を押し当て、スクライブ溝3部分に亀裂を発生させる。ここで、ブレイク刃10をさらに進行させることにより亀裂をLDバー1の長手方向に進行させ、図4(d)に示すようにそれぞれのLDバー1へと分離される。
次に、この発明の実施の形態3における半導体素子分離装置6aの動作を説明する。図5は、この発明の実施の形態3における半導体素子分離装置6aを示す側面図であり、(a)はブレイク動作中の状態を示す図、(b)はブレイク動作後の状態を示す図である。図5において、図2と同じ符号を付けたものは、同一または相当の構成を示しており、その説明を省略する。この発明の実施の形態1とは、LDウェハ35のスクライブ溝3付近のみを基板受部7で支持し、スクライブ溝3付近のみにブレイク刃10を押し当てる点、ブレイク刃10の進行距離および基板受部7の移動量がより大きい点が相違している。
図5(a)に示すように、LDウェハ35をスクライブ溝3付近のみを基板受部7により支持されるように配置し、ブレイク刃駆動部11によりブレイク刃10を駆動してLDウェハ35のスクライブ溝3付近のみにブレイク刃10を押し当てる。そして、ブレイク刃10を進行させ、これと同期して基板受部7の間隔を初期間隔Aから連続的に広げていく。
しかしこの場合は、基板受部7の間隔が移動後間隔Bに達した時点ではスクライブ溝3部分に亀裂が生じたのみで、LDバー1の長手方向に渡って完全には亀裂が進行していない。このため、ここでブレイク刃10の進行を止めずに、続いてブレイク刃10をさらに進行させることにより、既に分離されている部分を押し開いて亀裂を進行させる。そして、これと同期して基板受部7の間隔もさらに最終間隔Cまで連続的に広げる必要がある。これにより、LDウェハ35に働く水平反力30を低減しつつ、LDウェハ35からLDバー1を完全に分離することができる。
例えば、LDバー1の長手方向の長さが10〜15mm、LDバー1の厚さが100μm、LDバー1の幅が200μmである場合を考えると、基板受部7の初期間隔Aは300μm程度に設定されるのが望ましい。そして、LDウェハ35のスクライブ溝3付近にブレイク刃10を押し当て、ブレイク刃10の進行と同期して基板受部7の間隔を広げていくが、上述のようにスクライブ溝3に亀裂が入った時点ではLDバー1は完全には分離されていない。このため、ブレイク刃10の進行を止めずにさらに70μm程度押し込んで亀裂をLDバー1の長手方向に進行させることによりLDバー1を完全に分離する。この間、基板受部7の間隔はブレイク刃10の進行と同期して初期間隔Aから最終間隔Cまで連続的に広げられるが、ブレイク刃10が1μm進行するに従って0.95μmずつ広げていくことが望ましい。
この発明の実施の形態3では、以上のようにしたことにより、引張応力27を減少させる原因であるLDウェハ35に働く水平反力30を低減することができるため、充分な引張応力27が働くこととなる。これにより、LDバー1が望ましくない箇所で分離してしまうことを防ぐことができる。また、保護シート17の基板受部7間へのはみ出しも緩和することができるため、ブレイク刃10を押し当てる力25を打ち消す原因であるシート抗力31を減らすことができる。このため、ブレイク刃10を押し当てる力25をより小さくすることができる。
実施の形態4.
図6は、この発明の実施の形態4における半導体素子分離装置6bのブレイク動作中の状態を示す側面図である。図6において、図2と同じ符号を付けたものは、同一または相当の構成を示しており、その説明を省略する。この発明の実施の形態1とは、一対の基板受部7を互いにばね36で接続し、検出部12、制御部15、受部駆動部16を省略した構成が相違している。
次に、このような構成の半導体素子分離装置6bの動作について説明する。図6に示すように、LDバー1が基板受部7に設置され、ブレイク刃10が押し当てられる。このときばね36は自然長である。
ブレイク刃10が進行していくと、ブレイク刃10を押し当てる力25に応じて、LDバー1にはスクライブ溝3の近傍に働く引張応力27を打ち消す方向に水平反力30が働き、基板受部7には基板受部7の間隔を広げる方向に水平反力40が働く。基板受部7に水平反力40が働くと、基板受部7の間隔が、水平反力40の大きさとばね36のばね定数に応じた間隔へと広がっていくこととなる。これにより、ブレイク刃10の進行と同期して基板受部7の間隔を広げることができる。
ばね36のばね定数は、基板受部7に働く水平反力40をあらかじめ測定しておいて、この水平反力40に応じて基板受部7の間隔が所望の移動後間隔Bに広がるように設定しておくことが望ましい。
尚、LDチップ2を分離しブレイク刃10を引き戻すと、ばね36の弾性力により基板受部7の間隔は初期間隔Aへ戻ろうとするが、このときばね36が振動するため初期間隔Aに戻って静止するまでに時間がかかってしまう。このため、ばね36が初期間隔Aより狭くなることを防ぐストッパーを設けておくことが望ましい。ストッパーを設けることにより、基板受部7が広がった状態から初期間隔Aに戻るときにストッパーによって止められ、ばね36が振動するのを防ぐことができる。
また、ストッパーを設けることにより、初期間隔Aよりもばね36が縮むのを防ぐことができるので、初期間隔Aのときにばね36が自然長より伸びていてもよい。
この発明の実施の形態4では、以上のような構成としたことにより、検出部12、制御部15、受部駆動部16を省略した簡易な構成で、LDバー1に働く水平反力30およびシート抗力31を低減し、LDバー1が望ましくない箇所で分離してしまうことを防ぐことができる。
尚、この発明の実施の形態4では、一対の基板受部7を互いにばね36により接続した。しかし、これに限ることはなく、例えばゴムなど他の弾性体を用いてもよい。
実施の形態5.
図7は、この発明の実施の形態5における半導体素子分離装置6cのブレイク動作中の状態を示す側面図である。図7において、図2と同じ符号を付けたものは、同一または相当の構成を示しており、その説明を省略する。この発明の実施の形態1とは、一対の基板受部7が磁性体で形成され、この一対の基板受部7の間に磁石41を設置し、検出部12、制御部15、受部駆動部16を省略した構成が相違している。
次に、このような構成の半導体素子分離装置6cの動作について説明する。図7に示すように、LDバー1が基板受部7に設置され、ブレイク刃10が押し当てられる。ここで、基板受部7は例えば鉄などの磁性体で形成されているため、磁石41の磁力によって間隔を狭める方向に力を受けている。このため、基板受部7の間隔が初期間隔Aより狭くならないようにストッパーを設けておく必要がある。
ブレイク刃10が進行していくと、ブレイク刃10を押し当てる力25に応じて、基板受部7の間隔を広げる方向に水平反力40が働き、基板受部7の間隔が、水平反力40の大きさと、基板受部7と磁石41との間に働く磁力に応じた間隔へと広がっていくこととなる。これにより、ブレイク刃10の進行と同期して基板受部7の間隔を広げることができる。
磁石41は、永久磁石でも電磁石でもよいが、基板受部7に働く水平反力40をあらかじめ測定しておいて、この水平反力40に応じて基板受部7の間隔が所望の移動後間隔Bに広がるように基板受部7と磁石41との間に働く磁力の大きさを設定しておくことが望ましい。
この発明の実施の形態5では、以上のような構成としたことにより、検出部12、制御部15、受部駆動部16を省略した簡易な構成で、LDバー1に働く水平反力30およびシート抗力31を低減し、LDバー1が望ましくない箇所で分離してしまうことを防ぐことができる。
尚、この発明の実施の形態5では、基板受部7自体を磁性体で形成した。しかし、基板受部7自体は磁性体で形成せず、基板受部7の互いに対向する面42にそれぞれ磁性体からなる磁性体層を設けてもよい。また、基板受部7の互いに対向する面42に磁石41を互いに異なる磁極同士が対面するようにそれぞれ取り付けて、磁石41同士が引き合う力を用いてもよい。また、基板受部7のLDバー1の長手方向外側の面にそれぞれ磁石41を取り付けて、そのさらに外側に磁石41と同じ磁極が対面するように別の磁石をそれぞれ設け、磁石41とさらに外側に設けた別の磁石同士が反発する力を用いてもよい。
以上、この発明の実施の形態1〜5について説明した。これら、この発明の実施の形態1〜5で説明した構成は互いに組合せることができる。
1 レーザダイオードバー
2 レーザダイオードチップ
3 スクライブ溝
6a、6b、6c 半導体素子分離装置
7 基板受部
10 ブレイク刃
16 受部駆動部
21 レーザダイオードバーのスクライブ溝が形成された面
27 引張応力
32 基板受部からの摩擦力
35 レーザダイオードウェハ
36 ばね
40 基板受部に働く水平反力
41 磁石
42 基板受部の互いに対向する面

Claims (2)

  1. 半導体基板の一方の面に複数本のスクライブ溝を所定間隔で形成し、他方の面からブレイク刃を押し当てて、前記半導体基板から半導体素子を分離する半導体素子分離方法であって、
    前記半導体基板の前記スクライブ溝が形成された面を支持し一本の前記スクライブ溝を境にして両側に配置された一対の基板受部の初期間隔Aを、前記所定間隔の2倍未満に設定した後前記半導体基板の前記一本のスクライブ溝の背面にあたる箇所に前記ブレイク刃を押し当てる際に、前記ブレイク刃の進行と同期して前記一対の基板受部のいずれか一方または両方を受部駆動部により移動させ、前記一対の基板受部の間隔を前記初期間隔Aよりも広い間隔Bとすることにより前記一本のスクライブ溝を広げる方向の力を前記半導体基板の前記スクライブ溝が形成された面に加えることを特徴とする半導体素子分離方法。
  2. 一方の面にスクライブ溝が形成された半導体基板の他方の面に押し当てられ前記半導体基板から半導体素子を分離するブレイク刃と、
    前記ブレイク刃の位置を検出する検出部と、
    前記半導体基板の前記スクライブ溝が形成された面を支持し一本の前記スクライブ溝を境にして両側に配置される一対の基板受部と、
    前記一対の基板受部のいずれか一方または両方を移動させ前記一対の基板受部の間隔を変化させる受部駆動部と、
    前記検出部からの信号に基づいて前記受部駆動部を制御する制御部とを備え、
    前記半導体基板の前記一本のスクライブ溝の背面にあたる箇所に前記ブレイク刃を押し当てる際に、前記制御部は、前記ブレイク刃の進行と同期して前記一対の基板受部の間隔を連続的に広げるように前記受部駆動部を制御し、前記一本のスクライブ溝を広げる方向の力を前記半導体基板の前記スクライブ溝が形成された面に加えることを特徴とする半導体素子分離装置。
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