JP5418740B1 - 配色変更装置、配色変更方法および配色変更プログラム - Google Patents

配色変更装置、配色変更方法および配色変更プログラム Download PDF

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Abstract

画面を構成する各情報がそれぞれの重要度に応じて、画面全体の中で常に目立つような配色になるように、状況に応じて即座に画面上の配色を変更することができる配色変更装置を提供する。配色変更装置1は、利用者による評価対象画面の指定を受け付ける入力部と、オブジェクトの識別情報、および配色情報を取得する配色情報取得部11と、誘目度算出処理を行う誘目度算出部12と、重要度情報を保持する重要度記憶部13と、オブジェクトに対応付けられた当該重要度情報の順位と当該誘目度の順位とが一致するかどうかを判定する配色妥当性判定部14と、一致しない場合は使用色のうち少なくとも1つを変更した配色情報を誘目度算出部12に出力し、一致した場合は直前の判定がされたオブジェクトを含む改善配色情報を出力する改善案作成部15と、画面描画部16と、出力部19とを備える。

Description

本発明は、画面の配色を画面全体のバランスが妥当になるように変更する配色変更装置に関し、特に人間の視覚の特性を考慮した配色変更装置に関する。
様々な情報が表示された画面において、画面上の情報のうち、ユーザにとって重要性の高い情報を目立つように表示すると、ユーザにとって使いやすい画面とすることができる。情報の目立ちやすさを左右する要素としては、大きさ、レイアウトなどに加え、色が挙げられる。一般的には、設計者やデザイナーは、画面を構成する各情報がそれぞれの重要度に応じて、画面全体の中で適切なレベルで目立つような配色になるように考慮して、画面の配色を決定している。
ところが、画面上に表示される情報の種類や数は状況によって変化する。例えば監視業務システムの画面であれば、異常発生時は平常時と比べて画面上に表示される警告や注意情報の数が多くなる。これにより警告や注意情報に割り当てられた色の画面上に占める面積の割合が増える。このように、画面上に表示される情報の種類や数が変化すると、画面全体の各色の目立ちやすさのバランスがくずれてしまうことがある。例えば、前述の監視業務システムの画面において、システムの設計者が、警告情報がユーザにとって重要性の高い情報であると考え、単体として目立つ色である赤を割り当てていたとする。しかし、例えば異常発生時に警告情報が数多く画面上に表示されると、画面上に占める赤の割合が大きくなり、画面全体で見たときの赤の目立ち方は落ちてしまう。
しかし、画面設計時に定めた配色は、製品の完成後は多くの場合において変えることができない。製品完成後でもユーザによるカスタマイズを許容する場合もあるが、ユーザが逐一変更操作を行う必要がある。また、配色や画面デザインの知識のないユーザによりカスタマイズが行われると、画面上の重要度に応じた適切な配色でなくなってしまう可能性がある。そのため、画面を構成する情報がユーザにとっての重要度に応じて常に適切に目立つように、画面上の状況の変化に応じて配色も即座に変更できることが望ましい。
非特許文献1に記載されている技術は、優先度の異なる複数の情報を画面に表示する際の、各情報の色や面積などの設定方法を評価する技術である。本技術は、画面上の各情報の視覚的注意の引きやすさと優先度とを考慮したうえで、画面全体としての表示の適切さを「表示達成度」という値として評価することができる。
非特許文献2に記載されている技術は、画面中に使用されている各色の目立ちやすさが、色の単体としての目立ちやすさである特徴誘目度と、他の色と比較したときの目立ちやすさである異質性誘目度とを考え合わせた誘目度評価モデルで算出可能であるとしている。本技術は、画面全体のバランスを考慮したうえでの色それぞれの目立ちやすさを算出することができる。
特許文献1に記載されている技術は、文書中の領域の面積や重要度に応じて、色やハッチングの濃さに差をつけ、領域の目立たせ方を制御する技術である。色の単体としての目立ちやすさを決定する要素である彩度や濃淡を、領域の面積や重要度に応じて変化させることで、簡便に色づけを行うことができる。
特開平09‐081761号公報
菊田裕次,井上創造,岩井原瑞穂,"重要度と誘目性を考慮した大量情報の提示手法及び表示達成度を用いた評価について",信学技報,DE2000-6(2000-05),pp41-48 田中昭二,井口征士,岩館祐一,中津良平"画像領域の物理的特徴に基づく誘目度評価モデル",電子情報通信学会論文誌,2000年5月,Vol.J83-A,No.5,pp576-588
非特許文献1に記載の技術では、画面全体での表示の適切さを「表示達成度」という値として評価する。しかし、画面上の個々の情報の表示の適切さは評価されない。そのため、表示達成度が十分な値でなかった場合に、どの情報の色を変更すれば評価値が改善されるのかが分からない、という課題がある。
非特許文献2に記載の技術では、画面中に使われている各色が画面全体の中でどの程度目立ちやすいかを評価することができる。しかし、各色がつけられた画面中の情報の意味や重要度は考慮しないため、各色の目立ち方が、画像中の情報の意味や重要度に則して適切か否か判定できない、という課題がある。
特許文献1に記載の技術では、色の単体としての目立ちやすさを考慮し、文書中の領域の重要度に応じた色づけを行う。そのため、個々の領域の単体としての目立ちやすさは調整されているが、文書全体で見たときのバランスが考慮されていないことから、各領域が狙った目立ちやすさを実現できない可能性がある、という課題がある。また、色づけを行った結果の評価は行わないため、本当に適切な配色になっているかが保障されていないという課題がある。
本発明の目的は、画面を構成する各情報がそれぞれの重要度に応じて、画面全体の中で常に目立つような配色になるように、状況に応じて即座に画面上の配色を変更することができる配色変更装置を提供することである。
本発明に係る配色変更装置は、利用者による評価対象画面の指定を受け付ける入力部と、前記評価対象画面に表示されているオブジェクトの識別情報、および当該オブジェクトに使用されている全ての使用色を含む配色情報を取得する配色情報取得部と、前記配色情報を用いて、前記使用色それぞれに対して、視覚的注意の引きやすさを示す誘目度を算出する誘目度算出処理を行う誘目度算出部と、前記オブジェクトそれぞれに対する相対的な重要度の高さを示す重要度情報を保持する重要度記憶部と、前記オブジェクトに対応付けられた前記重要度情報の順位を当該重要度情報の大きさに基づいて算出し、前記オブジェクトに対応付けられた前記誘目度の順位を当該誘目度の大きさに基づいて算出し、前記オブジェクトに対応付けられた当該重要度情報の順位と当該誘目度の順位とが一致するかどうかを判定し、判定結果を出力する配色妥当性判定部と、前記判定結果において、前記オブジェクトに対応付けられた前記重要度情報の順位と前記誘目度の順位とが一致しない場合は、当該オブジェクトに使用されている前記使用色のうち少なくとも1つを変更した前記配色情報を前記誘目度算出部に出力し、前記判定結果において、前記オブジェクトに対応付けられた前記重要度情報の順位と前記誘目度の順位とが一致した場合は、直前の前記判定がされた前記オブジェクトを含む改善配色情報を出力する改善案作成部と、前記改善配色情報を参照し、前記改善配色情報に従って改善された前記評価対象画面を描画する画面描画部と、前記画面描画部が描画した当該評価対象画面を表示する出力部とを備えたことを特徴とする。
本発明に係る配色判定方法は、利用者による評価対象画面の指定を受け付け、前記評価対象画面に表示されているオブジェクトの識別情報、および当該オブジェクトに使用されている全ての使用色を含む配色情報を取得し、前記配色情報を用いて、前記使用色それぞれに対して、視覚的注意の引きやすさを示す誘目度を算出する誘目度算出処理を行い、前記オブジェクトそれぞれに対する相対的な重要度の高さを示す重要度情報を保持し、前記オブジェクトに対応付けられた前記重要度情報の順位を当該重要度情報の大きさに基づいて算出し、前記オブジェクトに対応付けられた前記誘目度の順位を当該誘目度の大きさに基づいて算出し、前記オブジェクトに対応付けられた当該重要度情報の順位と当該誘目度の順位とが一致するかどうかを判定し、判定結果を出力し、前記判定結果において、前記オブジェクトに対応付けられた前記重要度情報の順位と前記誘目度の順位とが一致しない場合は、当該オブジェクトに使用されている前記使用色のうち少なくとも1つを変更した前記配色情報を用いて前記誘目度算出処理を行い、前記判定結果において、前記オブジェクトに対応付けられた前記重要度情報の順位と前記誘目度の順位とが一致した場合は、直前の前記判定がされた前記オブジェクトを含む改善配色情報を出力し、前記改善配色情報を参照し、前記改善配色情報に従って改善された前記評価対象画面を描画し、前記画面描画部が描画した当該評価対象画面を表示することを特徴とする。
本発明に係る配色判定プログラムは、コンピュータに、利用者による評価対象画面の指定を受け付ける入力処理と、前記評価対象画面に表示されているオブジェクトの識別情報、および当該オブジェクトに使用されている全ての使用色を含む配色情報を取得する配色情報取得処理と、前記配色情報を用いて、前記使用色それぞれに対して、視覚的注意の引きやすさを示す誘目度を算出する誘目度算出処理と、前記オブジェクトそれぞれに対する相対的な重要度の高さを示す重要度情報を保持する重要度記憶処理と、前記オブジェクトに対応付けられた前記重要度情報の順位を当該重要度情報の大きさに基づいて算出し、前記オブジェクトに対応付けられた前記誘目度の順位を当該誘目度の大きさに基づいて算出し、前記オブジェクトに対応付けられた当該重要度情報の順位と当該誘目度の順位とが一致するかどうかを判定し、判定結果を出力する配色妥当性判定処理と、前記判定結果において、前記オブジェクトに対応付けられた前記重要度情報の順位と前記誘目度の順位とが一致しない場合は、当該オブジェクトに使用されている前記使用色のうち少なくとも1つを変更した前記配色情報を用いて前記誘目度算出処理を実行させ、前記判定結果において、前記オブジェクトに対応付けられた前記重要度情報の順位と前記誘目度の順位とが一致した場合は、直前の前記判定がされた前記オブジェクトを含む改善配色情報を出力する改善案作成処理と、前記改善配色情報を参照し、前記改善配色情報に従って改善された前記評価対象画面を描画する画面描画処理と、前記画面描画部が描画した当該評価対象画面を表示する出力処理とを実行させることを特徴とする。
本発明によれば、画面を構成する各情報がそれぞれの重要度に応じて、画面全体の中で常に目立つような配色になるように、状況に応じて配色を即座に変更することを可能にする。
本発明による配色変更装置の実施形態の構成を示すブロック図である。 配色変更装置における、配色変更処理の動作例を示すフローチャートである。 時刻0時点での画面の例を示す説明図である。 時刻t時点での画面の例を示す説明図である。 配色情報取得部が出力する、色と面積を含むデータ構造の例を表す説明図である。 誘目度算出部が出力する、色の誘目度を含むデータ構造の例を表す説明図である。 配色妥当性判定部が作成する、各色の誘目度の順位を含むデータ構造の例を表す説明図である。 重要度記憶部が保持する、各色に対する重要度の高さを示す重要度情報を含むデータ構造の例を表す説明図である。 配色妥当性判定部が作成する、各色の重要度の順位を含むデータ構造の例を表す説明図である。 配色妥当性判定部が出力する、1回目の判定結果を含むデータ構造の例を表す説明図である。 改善案作成部が作成する1回目の改善案の色を含むデータ構造の例を表す説明図である。 配色妥当性判定部が出力する、2回目の判定結果を含むデータ構造の例を表す説明図である。 配色妥当性判定部が出力する、最後の判定結果を含むデータ構造の例を表す説明図である。 改善案作成部が作成する最終版の改善案を含むデータ構造の例を表す説明図である。 画面描画部が出力部に反映させる、最終版の改善案の配色が反映された時刻t+Δtにおける画面の例を表す説明図である。
次に、本発明による配色変更装置の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態の配色変更装置1の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の配色変更装置1は、配色情報取得部11と、誘目度算出部12と、重要度記憶部13と、配色妥当性判定部14と、改善案作成部15と、画面描画部16と、入力部18と、出力部19とを備える。
配色情報取得部11は、配色変更装置1の利用者(以下、利用者という)が入力部18を介して指定した評価対象画面上のアイコンやテキスト、描線、コンポーネントなどのオブジェクトを特定する情報と、各オブジェクトに使用されている色と、各オブジェクトの面積とを、配色情報として取得する。オブジェクトの特定方法は、例えば「オブジェクト1」「オブジェクト2」「オブジェクト3」などとする。色の表記方法は色が一意に決まるものであればよく、例えば「#FF0000」といった16進数を用いたRGB値であってもよい。また、面積を表す方法は、例えば「500px」といったピクセルによる表記であってもよい。さらに、配色情報取得部11は、取得した色の中で最も面積の大きいものを背景色として特定する。なお、背景色の特定は、入力部16を介して利用者が行ってもよい。また、評価対象画面は、利用者が指定する以外に、その画面が使用されるシステムの設計者により事前に指定されていてもよい。
誘目度算出部12は、配色情報取得部11または改善案作成部15が出力する配色情報と、どの色が背景にあたるかという情報とを用いて、背景以外の各オブジェクトに使用されている色の誘目度を計算する。誘目度とは、評価対象画面上の各色を見た人間の視覚的注意の引きやすさを表す値である。具体的には、誘目度とは、色単体としての視覚的注意の引きやすさと、同画面上で使用されている他の色と比較したときの視覚的注意の引きやすさを考え合わせた値であり、画面全体として見たときの各色の目立ちやすさを評価する値である。
次に、誘目度の計算方法を説明する。例えば、非特許文献2に記載されているように、各色をHLS表色系に変換した場合、対象色の色相Hに起因する目立ちやすさHe、および明度Lに起因する目立ちやすさRは、以下の式(1)〜(3)のようにそれぞれ算出される。そして、色単体としての視覚的注意の引きやすさを示す値として、Heと、Rと、対象色の彩度Sと足し合わせた合計値PCは、例えば、以下の式(4)のように算出される。
・色相Hに起因する目立ちやすさ
He=|1−(H/π)|・・・(1)
・明度Lに起因する目立ちやすさ
R=L+k|L−L L≧L・・・(2)
R=L−k|L−L L<L・・・(3)
なお、Lは背景色のHLS表色系における明度の値である。
また、k、m、nは定数であり、例えばk=0.65、m=0.4、n=0.2とする。
・色単体としての視覚的注意の引きやすさ
PC=He+R+S・・・(4)
同画面上で使用されている他の色と比較したときの視覚的注意の引きやすさは、非特許文献2に記載されているように、例えば各色をCIEL*a*b*表色系に変換し、各色の平均色からの色空間上の距離である色差dを用いた値HCとして、下記の式(5)のように算出される。ここで、平均色の値は、例えば、L*、a*、b*の各値にその値の色が使用されている面積を乗算し、乗算した値を全て加算し、さらに全体の面積で割ることで計算される。平均色の計算において、面積を考慮することでHCの値をより精度よく計算できる。
・同画面上で使用されている他の色と比較したときの視覚的注意の引きやすさ
HC=|(d−d)/std|・・・(5)
なお、dはdの平均値であり、stdはdの標準偏差である。
誘目度は、例えば色単体としての視覚的注意の引きやすさPCと、同画面上で使用されている他の色と比較したときの視覚的注意の引きやすさHCの値とを、そのまま足し合わせることで算出される。なお、PCの値とHCの値にそれぞれ既定の係数をかけてから足し合わせるなどの方法により算出してもよい。
重要度記憶部13は、画面上に表示されている、または表示される可能性のあるオブジェクトの重要度の高さの情報を保持している。重要度の高さの情報は、例えば「100点」「80点」「20点」といった点数で表現する。なお、重要度は、例えば各オブジェクトが表す情報の意味を考慮し、画面を閲覧するユーザにとっての情報の重要性という観点で設定されたものである。
配色妥当性判定部14は、重要度記憶部13が保持する各オブジェクトの重要度の値と、誘目度算出部12が出力する各オブジェクトの使用色の誘目度の値とを比較し配色妥当性を判定する。具体的には、配色妥当性判定部14は、例えば、各オブジェクトの重要度の順位と各オブジェクトの使用色の誘目度の順位とをそれぞれ算出し、同じオブジェクトの順位どうしを比較する。そして、配色妥当性判定部14は、各オブジェクトの重要度の順位と各オブジェクトの使用色の誘目度の順位とが一致すればそのオブジェクトの色は妥当な配色であると判定し、一致しなければそのオブジェクトの色は妥当な配色ではないと判定する。
また、全てのオブジェクトについて重要度の順位と使用色の誘目度の順位とが一致した場合には、配色妥当性判定部14は、それぞれのオブジェクトの、当該オブジェクト以外の他のオブジェクトの重要度と比べた場合の重要度の相対的な大きさと、それぞれのオブジェクトに使用されている色以外の他の使用色の誘目度と比べた場合の相対的な誘目度の大きさが同程度になっているかを加味した相対誘目度を用いた判定を行っても構わない。例えば、配色妥当性判定部14は、各オブジェクトについて、誘目度の値を重要度の値で割った値である誘目度比を算出する。そして、最も重要度の高いオブジェクトの誘目度比と、各オブジェクトの使用色の誘目度比を比較し、同程度であれば「可」、そうでなければ「否」と判定する。配色妥当性判定部14は、誘目度比が同程度であるかどうかは、例えば重要度の最も高いオブジェクトの誘目度比との差異が所定値以内に収まっているかにより判断する。また、配色妥当性判定部14は、相対誘目度を用いた判定であれば、誘目度比以外の値を用いた判定をしてもよい。
配色妥当性判定部14は、少なくとも各オブジェクトの配色妥当性の判定結果と、各オブジェクトの重要度の順位と、各オブジェクトに使用されている色の誘目度の順位とを出力する。また、配色妥当性判定部14は、各オブジェクトの重要度の値や、各オブジェクトに使用されている色の誘目度の値を合わせて出力してもよい。また、各オブジェクトの配色妥当性の判定結果から、当該画面全体での判定結果を出力してもよい。当該画面全体での判定結果は、例えば各オブジェクトの配色妥当性の判定結果がすべて「可」であれば、「可」とし、そうでなければ「否」とする。
改善案作成部15は、配色妥当性判定部14が出力した各オブジェクトの配色妥当性の判定結果を参照し、「否」判定のオブジェクトが1つ以上あれば、更に各オブジェクトの重要度の順位と各オブジェクトの使用色の誘目度の順位を参照し、「否」判定のオブジェクトの使用色に変更を加えた改善案の作成を行う。改善案作成部15は、色の変更には、例えば色相を保つことで大体の色味を保ち、彩度と明度を変更することで誘目度の調整を行う方法を用いる。なお、改善案作成部15は、色の変更において、彩度と明度、またはそのいずれか一方を、規定の値だけ変更してもよい。
色の変更が完了すると、改善案作成部15は、改善案における各オブジェクトの使用色と、その面積を示す新たな配色情報と、背景色を特定する情報とを誘目度算出部12へ出力する。そして、改善案作成部15は、作成した改善案の配色について、誘目度算出部12による誘目度算出と、配色妥当性判定部14による配色妥当性の判定とを再度行わせる。
配色妥当性判定部14が出力した各オブジェクトの配色妥当性の判定結果が、すべてのオブジェクトにおいて「可」だった場合、改善案作成部15は、色の変更を行わないまま最終版の改善案として、各オブジェクトの使用色を画面描画部16へ出力する。なお、評価対象画面の全てのオブジェクトの配色妥当性が、改善を行わずとも「可」であった場合は、改善案作成部15は、評価対象画面における各オブジェクトの使用色をそのまま出力することとなる。
画面描画部16は、改善案作成部15が出力した各オブジェクトの使用色の情報を、出力部19に表示されている画面に反映させる。
入力部18は、システム利用者の操作に応じて評価対象画面を指定する。入力部18は、例えばマウスやキーボード、タッチパネルなどの入力装置でもよい。
出力部19は、利用者が指定した評価対象画面または改善作成部15による改善を反映した評価対象画面を表示する。出力部19は、例えばディスプレイなどの表示装置でもよい。
図2は、本実施形態の配色変更装置1における、配色変更処理の動作例を示すフローチャートである。以下、配色変更装置1の動作を、図2を参照して説明する。始めに、利用者が、評価対象画面を、入力部18を介して指定する(ステップS201)。
配色情報取得部11は、指定された評価対象画面から、評価対象画面上のオブジェクトを特定する情報とそれらに使用されている全ての色と各色の面積とを配色情報として取得し、面積の一番大きい色を背景色として特定する(ステップS202)。次に、誘目度算出部12は、配色情報取得部11が出力した配色情報と背景色を特定する情報とを用いて、背景以外のオブジェクトに使用されている各色の誘目度を算出する(ステップS203)。
次に、配色妥当性判定部14は、背景色を除く各オブジェクトに使用されている色の誘目度の情報を用いて、背景色を除く各オブジェクトに使用されている色の誘目度の順位を算出する。また、配色妥当性判定部14は、重要度記憶部13が保持する、各オブジェクトに対して設定された重要度の情報である重要度情報を用い、各オブジェクトの重要度の順位を算出する(ステップS204)。
次に、配色妥当性判定部14は、変数iに1を代入する(ステップS205)。更に、配色妥当性判定部14は、i番目のオブジェクトであるオブジェクトiの重要度の順位と、オブジェクトiに使用されている色である色iの誘目度の順位とが一致しているかどうかの判定を行う(ステップS206)。ステップS206でYESだった場合、配色妥当性判定部14は、オブジェクトiを「可」と判定する(ステップS207)。ステップS206でNOだった場合、配色妥当性判定部14は、オブジェクトiを「否」と判定する(ステップS208)。オブジェクトiの判定が終わると、配色妥当性判定部14は、iが背景色を除く画面上のオブジェクトの数かどうか確認をすることで背景を除くすべてのオブジェクトの判定を終えたかどうかを確認する(ステップS209)。全てのオブジェクトの判定が終わっていなければ、iに1加算して判定の対象を次のオブジェクトに変更し(ステップS210)、再び判定を行う。全ての判定が終わっていれば、配色妥当性判定部14は、判定結果の出力を行う(ステップS211)。
次に、改善案作成部15は、配色妥当性判定部14が出力した判定結果を確認する(ステップS212)。1つ以上の色の判定結果が「否」だった場合、改善案作成部15は、色を変更した改善案の作成を行い、作成した改善案の使用色とその面積とを新しい配色情報として、背景色を特定する情報と共に誘目度算出部12に出力する(ステップS213)。配色妥当性判定部14が出力する判定結果がすべての色において「可」となるまで、改善案の作成と出力は繰り返し行われる(ステップS203〜ステップS213)。
ステップS212において、配色妥当性判定部14が出力した判定結果が全ての色において「可」だった場合、改善案作成部15は、色の変更を行わない。その場合、改善案作成部15は、直前に配色妥当性判定部14が判定対象とした配色を最終版の改善案の配色として、最終版の改善案における各オブジェクトの使用色の情報を画面描画部16へ出力する。画面描画部16は、改善案作成部15が出力した最終版の改善案における各オブジェクトの使用色を、そのとき出力部19に表示されている画面上に反映する(ステップS214)。ステップS214をもって配色変更処理は終了する。
次に、本実施形態の配色変更装置1の実施例を、図2〜図15を参照して説明する。なお、以下の説明に用いるRGB値は例であるため、図面における実際の色とは必ずしも一致しない。図3は、時刻0時点での画面の例を示す説明図である。図3に示す画面は、例えば鉄道の運行監視をしているユーザが見る画面であり、時刻0のとき表示されている電車の運行状況である運航図30が示されている。運航図30上には、電車32と、駅と線路33の2つの情報がそれぞれ異なる色で表示されている。使用されている色の種類は、これら2つの情報の色に背景色を足して3種類である。各色をRGB値で表現すると、電車32を表す色として#0000FFが使用され、駅と線路33を表す色として#FF6600が使用され、背景34を表す色として#FFFFFFが、それぞれ使用されている。
図4は、時刻t時点での画面の例を示す説明図である。図4には、図3に示す状況から時間が経過し、時刻tになったときの運行図40が示されている。時刻0のときからは状況が変化し、運航図40上には接近警告41、電車42、駅と線路43の3つの情報がそれぞれ異なる色で表示されている。使用されている色の種類は、これら3つの情報の色に背景色を足して4種類である。各色をRGB値で表現すると、接近警告41を表す色として#FF0000が使用され、電車42を表す色として#0000FFが使用され、駅と線路43を表す色として#FF6600が使用され、背景44を表す色として#FFFFFFが使用されている。画面上の状況が変化したことから、利用者が画面上の配色バランスに違和感を覚え、配色の改善を行うために本実施形態の配色変更装置1の適用を行ったとする。
始めに、利用者が入力部18を介して運航図40を評価対象画面に指定する(ステップS201)。そして、配色情報取得部11は、運行図40に表示されている全てのオブジェクトと各オブジェクトに使用されている色とその面積とを配色情報として取得し、最も面積の大きい色を背景色として特定する(ステップS202)。
図5は、配色情報取得部11が出力する、色と面積を含むデータ構造の例を表す説明図である。データ項目51に示すオブジェクト名は、評価対象画面上に表示されているオブジェクトを特定する情報である。データ項目52に示す色(RGB)は、画面上の各色のRGB値である。データ項目53に示す面積(px)は、画面上の各色が使用されている面積のピクセル数である。データ項目54に示す属性は、各色が背景色か否かを特定するための情報である。本実施例では#FFFFFFが4900pxで最も面積が大きいため、背景色として特定されている。データ項目55に示す画面は、評価対象画面がどれかを特定する情報である。
次に、誘目度算出部12は、配色情報取得部11が出力した運行図40の配色情報と背景色を特定する情報を用いて、背景以外の各オブジェクトに使用されている各色の誘目度の計算を行う(ステップS203)。誘目度は、色単体としての視覚的注意の引きやすさである特徴誘目度と、同画面上で使用されている他の色と比較したときの視覚的注意の引きやすさである異質性誘目度を足し合わせることで算出される。特徴誘目度は、対象の色の色相、彩度、明度を用いて算出される。異質性誘目度は、背景色も含めた各色の色と面積の情報を使い、各色の平均色からの色空間上の距離である色差を用いて算出される。
図6は、誘目度算出部12が出力する、色の誘目度を含むデータ構造の例を表す説明図である。データ項目61には特徴誘目度が示され、データ項目62には異質性誘目度が示されている。データ項目63に示す誘目度は、各色の特徴誘目度と異質性誘目度を足し合わせた値である。なお、本実施例における特徴誘目度、異質性誘目度および誘目度は、必ずしも前述の式(1)〜(5)を用いて計算された値ではない。
本実施例では、特徴誘目度の値は、#FF0000が3.0、#0000FFが2.8、#FF6600が2.3と計算されている。また、異質性誘目度の値は、#FF0000が1.7、#0000FFが2.2、#FF6600が0.6と計算されている。この結果、誘目度は#FF0000が4.7、#0000FFが5.0、#FF6600が2.9となる。異質性誘目度を誘目度の一要素とすることで、色の単体としての目立ちやすさだけでなく、画面全体として見た時の色のバランスを考慮した各色の目立ちやすさを数値化することが可能となる。
誘目度算出部12が背景以外の各オブジェクトに使用されている各色の誘目度を出力すると、その誘目度に基づいて配色妥当性判定部14が誘目度の順位を算出する(ステップS204)。図7は、配色妥当性判定部14が作成する、各色の誘目度の順位を含むデータ構造の例を表す説明図である。図6に示したように、誘目度の値は、オブジェクト2の色である#0000FFが5.0で最も大きく、次いでオブジェクト1の色である#FF0000が4.7で2番目に大きく、オブジェクト3の色である#FF6600が2.9で最も小さい。そのため、データ項目71に示す誘目度の順位は、オブジェクト2の色である#0000FFが1、オブジェクト1の色である#FF0000が2、オブジェクト3の色である#FF6600が3となっている。
次に配色妥当性判定部14は、重要度記憶部13が保持する各オブジェクトに対して設定された重要度の情報である重要度情報を参照する。図8は、重要度記憶部13が保持する、各色に対する重要度の高さを示す重要度情報を含むデータ構造の例を表す説明図である。データ項目81に示す重要度は、各オブジェクトの、運行図を閲覧するユーザにとっての重要性を表し、重要性が高いほど値が大きい。データ項目82は、各オブジェクトが表す情報の意味を示す。本実施例では、運行図を見るユーザにとって最も重要性の高い情報は接近警告であり、次いで監視対象となる電車の重要性が高く、駅と線路の情報の重要性は最も低いものとして重要度が設定されている。そのため、接近警告を表すオブジェクト1の重要度が100で最も高く、次いで電車を表すオブジェクト2の重要度が80で2番目に高く、駅と線路を示すオブジェクト3の重要度は20で最も低くなっている。
配色妥当性判定部14は、図8に示したような重要度情報記憶部13が保持する重要度情報を参照して各オブジェクトの重要度の順位を算出する(ステップS204)。図9は、配色妥当性判定部14が作成する、各色の重要度の順位を含むデータ構造の例を表す説明図である。データ項目91に示す重要度の順位は、各オブジェクトの重要度の高さの順位であり、図8のデータ項目81に示された重要度情報に基づいて算出される。重要度記憶部13が保持する重要度情報では、オブジェクト1の重要度が100と最も高く、次いでオブジェクト2の重要度が80で2番目に高く、オブジェクト3の重要度が20と最も低い。そのため、データ項目91に示す重要度の順位はオブジェクト1が1、オブジェクト2が2、オブジェクト3が3となる。
次に、配色妥当性判定部14は、各オブジェクトの重要度の順位と、各オブジェクトに使用されている誘目度の順位とを同じオブジェクトどうしで比較し、一致する色には「可」、そうでない色には「否」との判定を行い、改善案作成部15に出力する(ステップS205〜ステップS211)。図10は、配色妥当性判定部14が出力する、1回目の判定結果を含むデータ構造の例を表す説明図である。データ項目101に示す判定結果は、配色妥当性判定部14が出力した、各オブジェクトの重要度の順位と誘目度の順位とを比較した結果である。
オブジェクト1は、誘目度の順位は2だが重要度の順位は1であり、両者の順位が一致しないため判定は「否」となっている。オブジェクト2は、誘目度の順位は1だが重要度の順位は2であり、両者の順位が一致しないため判定は「否」となっている。オブジェクト3は、誘目度の順位も重要度の順位も共に3であり、両者の順位が一致しているため、判定は「可」となっている。
改善案作成部15は、配色妥当性判定部14が出力した判定結果を用いて、全てのオブジェクトが「可」と判定されているかを確認する(ステップS212)。今回は、オブジェクト1およびオブジェクト2が「否」判定となっているため、改善案作成部15は配色の改善案の作成を行う(ステップS213)。具体的には、改善案作成部15は、「否」と判定をされたオブジェクトに使用されている色を変更する。改善案作成部15は、色の変更において、例えば、色相を保つことで大体の色味を保ち、彩度および明度を変更して誘目度を調整する。色の変更は、例えば、彩度および明度のいずれか一方を、規定の値だけ変更することで行われてもよい。
本実施例では、オブジェクト1およびオブジェクト2が「否」と判定されているため、改善案作成部15は、この2つのオブジェクトに使用されている色の彩度および明度を規定の値だけ変更することで、誘目度の順位と重要度の順位とが一致するように調整する。オブジェクト1に使用されている色である#FF0000は重要度の順位が1であるのに対して誘目度の順位が2であるため、誘目度が上がるように調整を行う。オブジェクト2に使用されている色である#0000FFは重要度の順位が2であるのに対して誘目度の順位が1であるため、誘目度が下がるように調整を行う。作成した改善案の配色情報は、配色妥当性の改善がなされたか否かチェックするために、誘目度算出部12に出力される。
図11は、改善案作成部15が作成する1回目の改善案の色を含むデータ構造の例を表す説明図である。本実施例では、オブジェクト1は、色の明度を5増加させて#FF0000から#FF1919に変更されている。オブジェクト2は、色の彩度を5低下させて、#0000FFから#0707F9に変更されている。なお、改善案の作成前に#FF6600が使用されていたオブジェクト3は、配色妥当性の判定結果が「可」であったため、変更が施されていない。
次に、改善案作成部15が出力した配色情報を用いて、誘目度算出部12は、改善案の各オブジェクトに使用されている背景色を除いた全ての色の誘目度の算出を行う(ステップS203)。そして、配色妥当性判定部14は、背景色を除く各オブジェクトに使用されている色の誘目度の順位と、各オブジェクトの重要度の順位を算出する(ステップS204)。そして、配色妥当性判定部14は、誘目度算出部12が出力した誘目度の順位と、重要度記憶部13が保持する重要度の順位とを同じオブジェクトどうしで比較し、改善案の使用色の妥当性判定を行い、出力する(ステップS204〜ステップS211)。
図12は、配色妥当性判定部14が出力する、2回目の判定結果を含むデータ構造の例を表す説明図である。改善案のオブジェクトに使用されている色のうち、オブジェクト1に使用されている色である#FF1919とオブジェクト2に使用されている色である#0707F9の判定結果が「否」となっている。そのため、改善案作成部15は、配色の改善案の作成を再度行い、更なる改善案の配色情報を誘目度算出部12に出力する(ステップS213)。そして、ステップS212の判定結果がYESになるまで、誘目度の算出、配色妥当性のチェック、および改善案作成が繰り返し行われる(ステップS203〜ステップS213)。
図13は、配色妥当性判定部14が出力する、最後の判定結果を含むデータ構造の例を表す説明図である。図13では、全てのオブジェクトにおいて、重要度の順位と誘目度の順位とが一致しているため、全てのオブジェクトの妥当性の判定結果が「可」となっている。改善案作成部15は、図13に示す配色妥当性の判定結果を参照し、全てのオブジェクトの妥当性の判定結果が「可」となっているため(ステップS212のYES)、色の変更による誘目度の調整が適切に行われた、と判断する。そのため、改善案作成部15は、色の変更を行わないまま、直前に配色妥当性判定部14が判定を行った改善案を最終版の改善案として、その各オブジェクトに使用されている色の情報を画面描画部16に出力する。
図14は、改善案作成部15が作成する最終版の改善案を含むデータ構造の例を表す説明図である。画面描画部16は、改善案作成部15が出力した最終版の改善案の使用色を用いて、そのとき出力部19に表示されている画面上に最終版の改善案の使用色を反映する(ステップS214)。図14に示すように、改善案作成部15が作成した最終版の改善案では、オブジェクト1の色が#FF3333に、オブジェクト2の色が#1F1FADに変更されている。そのため、画面描画部16は、表示されている画面上のオブジェクト1の色を#FF3333に、オブジェクト2の色を#1F1FADに変更することで、最終版の改善案を反映させる。
図15は、画面描画部16が出力部19に反映させる、最終版の改善案の配色が反映された時刻t+Δtにおける画面の例を表す説明図である。なお、Δtとは配色変更処理を開始してから終了するまでに経過した時間である。Δt間に電車が移動したことで画面の状況が変化しており、接近警告を表す情報が増加している。画面上には、接近警告151を表す色として#FF3333が、電車152を表す色として#1F1FADが、駅と線路153を表す色として#FF6600が、背景154を表す色として#FFFFFFが、それぞれ使用されている。
以上のように、本実施形態の配色変更装置1は、ユーザの要求に応じて、ユーザが見ている画面上の情報が重要度に応じて目立つような配色になるように、配色を変更した改善案を作成し画面上に反映する。これにより、画面を見ているユーザは、画面上の状況の変化により、画面上の情報の重要度に応じて適切な目立ち方をしなくなってしまった色に対し、即時に改善を施すことができる。
なお、本実施形態の配色変更装置1は、ユーザの要求に応じて画面の配色の変更を行うのではなく、規定の時間間隔を空けて自動で評価対象画面の指定を行い、画面の配色妥当性判定と改善案の配色の反映を行う、としてもよい。また、ユーザが画面に対して操作を行い、画面上の配色バランスに変更が生じたタイミングで、自動で画面の配色妥当性判定と改善案の配色の反映を行ってもよい。これらの場合、ユーザが意図して配色変更処理を開始させずとも、リアルタイムで配色の改善を行うことができる。また、ユーザが気付かないうちに画面全体の配色バランスが崩れていた場合にも、自動で配色妥当性の判定を行い、適切な配色への変更を行うことができる。
さらに、本実施形態の配色変更装置1は、対象のアプリケーションの画面に限らず、出力部19上に映し出されている映像全ての配色バランスを評価対象とし、改善案の作成と反映を行ってもよい。
また、上記の実施形態では、以下の(1)〜(6)に示すような配色変更装置も開示されている。
(1)利用者による評価対象画面の指定を受け付ける入力部(例えば、入力部18)と、評価対象画面に表示されているオブジェクトの識別情報、および当該オブジェクトに使用されている全ての使用色を含む配色情報を取得する配色情報取得部(例えば、配色情報取得部11)と、配色情報を用いて、使用色それぞれに対して、視覚的注意の引きやすさを示す誘目度を算出する誘目度算出処理を行う誘目度算出部(例えば、誘目度算出部12)と、オブジェクトそれぞれに対する相対的な重要度の高さを示す重要度情報を保持する重要度記憶部(例えば、重要度記憶部13)と、オブジェクトに対応付けられた重要度情報の順位を当該重要度情報の大きさに基づいて算出し、オブジェクトに対応付けられた誘目度の順位を当該誘目度の大きさに基づいて算出し、オブジェクトに対応付けられた当該重要度情報の順位と当該誘目度の順位とが一致するかどうかを判定し、判定結果を出力する配色妥当性判定部(例えば、配色妥当性判定部14)と、判定結果において、オブジェクトに対応付けられた重要度情報の順位と誘目度の順位とが一致しない場合は、当該オブジェクトに使用されている使用色のうち少なくとも1つを変更した配色情報を誘目度算出部(例えば、誘目度算出部12)に出力し、判定結果において、オブジェクトに対応付けられた重要度情報の順位と誘目度の順位とが一致した場合は、直前の判定がされたオブジェクトを含む改善配色情報を出力する改善案作成部(例えば、改善案作成部15)と、改善配色情報を参照し、改善配色情報に従って改善された評価対象画面を描画する画面描画部(例えば、画面描画部16)と、画面描画部が描画した当該評価対象画面を表示する出力部(例えば、出力部19)とを備えた配色変更装置1。
(2)配色変更装置は、配色情報が、評価対象画面に表示されるオブジェクトの面積を含み、誘目度算出部は、配色情報を用いて、使用色それぞれに対して、評価対象画面上で使用されている他の色と比較したときの視覚的注意の引きやすさである異質性誘目度を算出し、当該異質性誘目度を含む誘目度を算出する誘目度算出処理を行うように構成されていてもよい。このような配色変更装置によれば、面積を用いて異質性誘目度を算出するため、精度よく異質性誘目度を算出することができる。また、異質性誘目度を含む誘目度を算出するので、他の色と比較したときの視覚的注意の引きやすさを考慮した誘目度を算出することができる。
(3)配色変更装置は、配色情報が、評価対象画面に表示されるオブジェクトの面積を含み、配色情報取得部が、評価対象画面上のオブジェクトに使用されている全ての使用色の中で最も面積の大きいオブジェクトに使用されている使用色を背景色として特定し、誘目度算出部が、背景色を特定する情報を用いて、オブジェクトに使用されている使用色それぞれに対して、視覚的注意の引きやすさである誘目度を算出するように構成されていてもよい。このような配色変更装置によれば、背景色を考慮して誘目度を算出するので、より精度良く誘目度を算出することができる。
(4)配色変更装置は、配色妥当性判定部が、重要度情報の順位と誘目度の順位とが評価対象画面上で使用されている全てのオブジェクトにおいて一致した場合、誘目度の値と重要度の値とを用いて、使用色それぞれに対して、他の使用色の重要度と比べた場合の重要度の相対的な大きさと、他の使用色の誘目度と比べた場合の相対的な誘目度の大きさとの差異を判断するための指標である相対誘目度を算出し、差異が所定値以内かどうかを判定するように構成されていてもよい。このような配色変更装置によれば、各色の目立ちやすさが、重要度の順位と一致しているかどうかだけでなく、重要度の大きさの程度ともある程度一致しているかどうかを判定することができる。
(5)配色変更装置は、改善案作成部が、判定結果において、重要度情報の順位と誘目度の順位とが一致しないオブジェクトがある場合は、当該オブジェクトの使用色のうち少なくとも1つの彩度または明度を調整し、色相を変更しない配色を示す改善案を作成するように構成されていてもよい。このような配色変更装置によれば、色相を保つことで、色味を保ったまま誘目度の調整を行うことが可能となるため、警告情報には赤系の色を用いる等、色味に意味を持たせているような場合でも適用が可能となる。
(6)配色情報取得部は、所定の時間が経過した場合、または利用者の操作により評価対象画面に変化が発生した場合、配色情報の取得を行うように構成されていてもよい。このような配色変更装置によれば、ユーザが意図して配色変更処理を開始させずとも、リアルタイムで配色の改善を行うことができる。また、ユーザが気付かないうちに画面全体の配色バランスが崩れていた場合にも、自動で配色妥当性の判定を行い、適切な配色への変更を行うことができる。
この出願は、2012年2月29日に出願された日本出願特願2012−43639を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
産業上の利用の可能性
本発明は、監視業務に使われる画面の配色の変更に適用することができる。
11 配色情報取得部
12 誘目度算出部
13 重要度記憶部
14 配色妥当性判定部
15 改善案作成部
16 画面描画部
18 入力部
19 出力部

Claims (9)

  1. 利用者による評価対象画面の指定を受け付ける入力部と、
    前記評価対象画面に表示されているオブジェクトの識別情報、および当該オブジェクトに使用されている全ての使用色を含む配色情報を取得する配色情報取得部と、
    前記配色情報を用いて、前記使用色それぞれに対して、視覚的注意の引きやすさを示す誘目度を算出する誘目度算出処理を行う誘目度算出部と、
    前記オブジェクトそれぞれに対する相対的な重要度の高さを示す重要度情報を保持する重要度記憶部と、
    前記オブジェクトに対応付けられた前記重要度情報の順位を当該重要度情報の大きさに基づいて算出し、前記オブジェクトに対応付けられた前記誘目度の順位を当該誘目度の大きさに基づいて算出し、前記オブジェクトに対応付けられた当該重要度情報の順位と当該誘目度の順位とが一致するかどうかを判定し、判定結果を出力する配色妥当性判定部と、
    前記判定結果において、前記オブジェクトに対応付けられた前記重要度情報の順位と前記誘目度の順位とが一致しない場合は、当該オブジェクトに使用されている前記使用色のうち少なくとも1つを変更した前記配色情報を前記誘目度算出部に出力し、前記判定結果において、前記オブジェクトに対応付けられた前記重要度情報の順位と前記誘目度の順位とが一致した場合は、直前の前記判定がされた前記オブジェクトを含む改善配色情報を出力する改善案作成部と、
    前記改善配色情報を参照し、前記改善配色情報に従って改善された前記評価対象画面を描画する画面描画部と、
    前記画面描画部が描画した当該評価対象画面を表示する出力部とを備えた
    ことを特徴とする配色変更装置。
  2. 配色情報は、評価対象画面に表示されるオブジェクトの面積を含み、
    誘目度算出部は、
    前記配色情報を用いて、使用色それぞれに対して、前記評価対象画面上で使用されている他の色と比較したときの視覚的注意の引きやすさである異質性誘目度を算出し、当該異質性誘目度を含む誘目度を算出する誘目度算出処理を行う
    請求項1記載の配色判定装置。
  3. 配色情報は、評価対象画面に表示されるオブジェクトの面積を含み、
    配色情報取得部は、
    評価対象画面上のオブジェクトに使用されている全ての使用色の中で最も面積の大きい前記オブジェクトに使用されている使用色を背景色として特定し、
    前記誘目度算出部は、
    前記背景色を特定する情報を用いて、前記オブジェクトに使用されている使用色それぞれに対して、視覚的注意の引きやすさである誘目度を算出する
    請求項1記載の配色変更装置。
  4. 配色情報取得部は、
    評価対象画面上のオブジェクトに使用されている全ての使用色の中で最も面積の大きい前記オブジェクトに使用されている使用色を背景色として特定し、
    前記誘目度算出部は、
    前記背景色を特定する情報を用いて、前記オブジェクトに使用されている使用色それぞれに対して、視覚的注意の引きやすさである誘目度を算出する
    請求項2記載の配色変更装置。
  5. 配色妥当性判定部は、
    重要度情報の順位と誘目度の順位とが評価対象画面上で使用されている全てのオブジェクトにおいて一致した場合、前記誘目度の値と前記重要度の値とを用いて、前記使用色それぞれに対して、他の前記使用色の重要度と比べた場合の前記重要度の相対的な大きさと、他の前記使用色の前記誘目度と比べた場合の相対的な誘目度の大きさとの差異を判断するための指標である相対誘目度を算出し、前記差異が所定値以内かどうかを判定する
    請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の配色判定装置。
  6. 前記改善案作成部は、
    前記判定結果において、前記重要度情報の順位と前記誘目度の順位とが一致しない前記オブジェクトがある場合は、当該オブジェクトの使用色のうち少なくとも1つの彩度または明度を調整し、色相を変更しない配色を示す改善案を作成する
    請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の配色変更装置。
  7. 配色情報取得部は、
    所定の時間が経過した場合、または利用者の操作により評価対象画面に変化が発生した場合、配色情報の取得を行う
    請求項1から請求項6のうちのいずれか1項に記載の配色変更装置。
  8. 利用者による評価対象画面の指定を受け付け、
    前記評価対象画面に表示されているオブジェクトの識別情報、および当該オブジェクトに使用されている全ての使用色を含む配色情報を取得し、
    前記配色情報を用いて、前記使用色それぞれに対して、視覚的注意の引きやすさを示す誘目度を算出する誘目度算出処理を行い、
    前記オブジェクトそれぞれに対する相対的な重要度の高さを示す重要度情報を保持し、
    前記オブジェクトに対応付けられた前記重要度情報の順位を当該重要度情報の大きさに基づいて算出し、前記オブジェクトに対応付けられた前記誘目度の順位を当該誘目度の大きさに基づいて算出し、前記オブジェクトに対応付けられた当該重要度情報の順位と当該誘目度の順位とが一致するかどうかを判定し、判定結果を出力し、
    前記判定結果において、前記オブジェクトに対応付けられた前記重要度情報の順位と前記誘目度の順位とが一致しない場合は、当該オブジェクトに使用されている前記使用色のうち少なくとも1つを変更した前記配色情報を用いて前記誘目度算出処理を行い、前記判定結果において、前記オブジェクトに対応付けられた前記重要度情報の順位と前記誘目度の順位とが一致した場合は、直前の前記判定がされた前記オブジェクトを含む改善配色情報を出力し、
    前記改善配色情報を参照し、前記改善配色情報に従って改善された前記評価対象画面を描画し、
    前記画面描画部が描画した当該評価対象画面を表示する
    ことを特徴とする配色変更方法。
  9. コンピュータに、
    利用者による評価対象画面の指定を受け付ける入力処理と、
    前記評価対象画面に表示されているオブジェクトの識別情報、および当該オブジェクトに使用されている全ての使用色を含む配色情報を取得する配色情報取得処理と、
    前記配色情報を用いて、前記使用色それぞれに対して、視覚的注意の引きやすさを示す誘目度を算出する誘目度算出処理と、
    前記オブジェクトそれぞれに対する相対的な重要度の高さを示す重要度情報を保持する重要度記憶処理と、
    前記オブジェクトに対応付けられた前記重要度情報の順位を当該重要度情報の大きさに基づいて算出し、前記オブジェクトに対応付けられた前記誘目度の順位を当該誘目度の大きさに基づいて算出し、前記オブジェクトに対応付けられた当該重要度情報の順位と当該誘目度の順位とが一致するかどうかを判定し、判定結果を出力する配色妥当性判定処理と、
    前記判定結果において、前記オブジェクトに対応付けられた前記重要度情報の順位と前記誘目度の順位とが一致しない場合は、当該オブジェクトに使用されている前記使用色のうち少なくとも1つを変更した前記配色情報を用いて前記誘目度算出処理を実行させ、前記判定結果において、前記オブジェクトに対応付けられた前記重要度情報の順位と前記誘目度の順位とが一致した場合は、直前の前記判定がされた前記オブジェクトを含む改善配色情報を出力する改善案作成処理と、
    前記改善配色情報を参照し、前記改善配色情報に従って改善された前記評価対象画面を描画する画面描画処理と、
    前記画面描画部が描画した当該評価対象画面を表示する出力処理と
    を実行させるための配色変更プログラム。
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