JP5415774B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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この発明は空気入りラジアルタイヤ、なかでも、タクシー等に適用される乗用車用ラジアルタイヤに関するものであり、とくには、タイヤの摩耗末期においてなお、ショルダー陸部列等に十分な溝を残留させることができ、摩耗末期のすぐれたウエット性能および操縦安定性を確保するとともに、耐摩耗性を向上させる技術、なかでもトレッドパターンを提案するものである。
空気入りタイヤは通常、それの摩耗限界を知らせるためのスリップサインを周方向主溝内に有しているも、タイヤの使用地域、使用業者等によっては、ショルダー陸部列に設けられた溝の状態変化だけに着目し、ショルダー陸部列の溝が、目視によって感覚的に減少したと認識した場合には、周方向主溝内のスリップサインがトレッド踏面に露出するに先だって、いいかえれば、タイヤが本来の寿命を全とうする以前に、タイヤの交換、廃棄等を行うことがあり、石油資源等の無駄遣いが否めなかった。
たとえば香港では一般に、ショルダー陸部列の残留溝量によってタイヤの使用限界を見極めることとされているため、たとえば、新品時のトレッドパターンが、図3(a)に部分展開平面図で例示するように、トレッド踏面aに形成されて、周方向に直線状に延び、タイヤ赤道線に対して対称に位置する四本の周方向主溝b,cによって五列の陸部列d,e,fを区画するとともに、それらの周方向主溝b,cのうち、トレッド踏面aの最外側に位置する一対のショルダー主溝cと、それぞれのトレッド踏面側縁gとの間に位置する一対のショルダー陸部列fに、そのトレッド踏面側縁g側からショルダー主溝c側へ、ほぼトレッド幅方向に延びてそのショルダー陸部列f内で終了するラグ溝hを、また、ショルダー主溝cと、他の対のセンター主溝bとの間の一対の中間陸部列eに、両端がそれぞれの主溝b,cに開口する傾斜溝iを、そして、センター主溝b間のセンター陸部列dに、それぞれの主溝bから、タイヤ赤道線j側に向けて短かく形成されてその陸部列d内で終了する傾斜切欠溝kをそれぞれ設け、また、ショルダー陸部列f内に、ショルダー主溝cに近接して位置して、周方向に直線状に連続して延びる周方向サイプlおよび、この周方向サイプlから、トレッド踏面側縁g側へ、ラグ溝h間隔を二等分する形態で延在する幅方向サイプmを、中間陸部列e内に、ショルダー主溝cに近接して位置して、周方向に直線状に連続して延びる周方向サイプmおよび、この周方向サイプmとセンター主溝bとの間に、ほぼT字状もしくは倒立T字状に形成した二方向サイプnを、そして、センター陸部列dに、タイヤ赤道線j上に延在する周方向サイプoおよび、それぞれの傾斜切欠溝k間をほぼ二等分する位置で、その周方向サイプoを跨いで、切欠溝kと同方向に延びる傾斜サイプpをそれぞれ設けてなるものである場合、このようなタイヤのトレッド踏面が、たとえば75%摩耗することによって、図3(b)に例示するように、それぞれの陸部列d,e,f内のそれぞれのサイプl,m,n,o,pが、完全に摩滅することによって、とくに、ショルダー陸部列f内の溝成分が大きく減少したとの印象を受けるに到ったときには、外観の悪化とも相俟って、周方向主溝b,c内のスリップサインがトレッド踏面に露出する前の時点で、タイヤが交換され、廃棄されることがしばしばあった。
しかも、図3(a)に示すようなトレッドパターンを有するタイヤは、新品時ないしは、摩耗初期のタイヤ性能を念願において設計されたものであるため、全てのサイプの摩滅に伴うウエット性能の低下が否めず、また、それぞれの陸部列d,e,fに形成されるサイプが、陸部列内を周方向および、ほぼ幅方向に横切る延在形態にて形成されていることから、陸部列の剛性が全体的に低下することによる、操縦安定性の低下および耐摩耗性の低下が余儀なくされるという問題があり、さらには、トレッド踏面の75%摩耗状態等の摩耗末期には全てのサイプが摩滅してしまうため、陸部列相互間の剛性バランスが大きく崩れ、これがため、操縦安定性が損われまた、耐摩耗性が低下することになり、この耐摩耗性の低下によってショルダー陸部列fの摩耗がさらに進展することになるため、市場での廃棄が一層早まることになるという問題があった。
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題点を解決することを課題とするものであり、それの主たる目的は、トレッド踏面の、たとえば75%摩耗状態の如くの摩耗の末期に到ってなお、トレッド踏面の各陸部列、なかでもショルダー陸部列内の溝の状態変化をできるだけ小さくすることで、視覚的に多くの溝が残っているとの印象をもたらし、タイヤの交換、廃棄等の時期をできるだけ遅らせることができ、また、他の目的は、タイヤの新品時ないしは摩耗の初期においてはもちろん、摩耗の末期においてなお、すぐれたウエット性能および操縦安定性を確保し、また、耐摩耗性を有利に向上させることができる空気入りラジアルタイヤを提供するにある。
この発明の空気入りラジアルタイヤは、トレッド周方向に連続して延びる、直線状、ジグザグ状等の周方向主溝により、トレッド踏面に複数本の陸部列を区画してなるものであって、それらの周方向主溝のうち、トレッド踏面の最外側に位置するそれぞれのショルダー周溝と、それぞれのトレッド踏面側縁との間に区画される一対のショルダー陸部列内に、ショルダー周溝から、トレッド踏面側縁側へ延びてショルダー陸部列内で終了する一方のラグ溝と、トレッド踏面の側縁を経てショルダー周溝側へ延びてショルダー陸部列内で終了する他方のラグ溝とを、トレッド周方向に交互に配設してなるものである。
ここで、「トレッド踏面」とは、タイヤ適用リムに装着するとともに、規定の空気圧を充填した状態で、そのタイヤを、平板上に垂直姿勢で静止配置し、規定の質量に対応する負荷を加えたときの、タイヤの、その平板への接触面をいうものとする。
この場合、「適用リム」とは、タイヤのサイズに応じて下記の規格に規定されたリムを、「規定の空気圧」とは、下記の規格において、最大負荷能力に対応して規定される空気圧をいい、最大負荷能力とは、下記の規格で、タイヤに負荷することが許容される最大の質量をいう、また、「規定の質量」とは、上記の最大負荷能力をいう。
なお、ここでいう空気は、窒素ガス等の不活性ガスその他に置換することも可能である。
そして規格とは、タイヤが生産または使用される地域に有効な産業規格をいい、たとえば、アメリカ合衆国では“THE TIRE AND RIM ASSOCIATION INC.のYEAR BOOK”であり、欧州では、“The European Tyre and Rim Technical OrganisationのSTANDARDS MANUAL”であり、日本では日本自動車タイヤ協会の“JATMA YEAR BOOK”である。
ここで、一方のラグ溝の溝幅は、ショルダー主溝の溝幅の70〜100%の範囲とする。なおここで、十分な溝幅をもって形成されることが一般的である、他方のラグ溝の溝幅もまた、ショルダー主溝の溝幅の70〜100%の範囲の幅とすることができる。また、タイヤの新品時に、一方のラグ溝の各終端から、例えば他方のラグ溝間のほぼ中央部を通って、トレッド踏面側縁まで連続して延びる各一本のサイプを設け、このサイプの深さを、タイヤの50%摩耗状態、すなわち、トレッド踏面の50%摩耗状態で、元のサイプ長さの30〜70%が、一方のラグ溝終端から離隔して残留する深さとする。また好ましくは、一方のラグ溝の終端と、他方のラグ溝の終端とを、トレッド幅方向に間隔をおいて位置させる。
ところで、タイヤ赤道線上に位置するセンター陸部列およびショルダー陸部列のそれぞれには、トレッド幅方向の延在成分の大きい幅方向サイプ、すなわち、トレッド周方向の延在長さよりも、トレッド幅方向の延在長さが長いサイプを、そして、センター陸部列とショルダー陸部列との間の中間陸部列には、トレッド周方向の延在成分の大きい周方向サイプ、たとえば、トレッド周方向に延在させたものとすることもできるサイプを設けることが好ましい。
そしてこの場合より好ましくは、一対のセンター主溝のそれぞれから他方のセンター主溝に向けて形成した、センター陸部列内のそれぞれの幅方向サイプをともに、そのセンター陸部列内で終了させるとともに、中間陸部列に形成したそれぞれの横溝から、隣接する横溝に向けて延びるそれぞれの周方向サイプを、横溝にて区画される各ブロック内で終了させる。
なおこれらの幅方向サイプおよび周方向サイプのいずれにおいても、タイヤ、ひいては、トレッド踏面の50%摩耗状態の下で、4〜5mm程度のサイプ部分が、一対のセンター主溝および、横溝から離隔して残留する配設深さとすることが好ましい。
この発明の空気入りラジアルタイヤでは、とくにショルダー陸部列内に、ショルダー主溝から延びてショルダー陸部列内で終了する一方のラグ溝と、トレッド踏面の側縁側から延びてショルダー陸部列内で終了する他方のラグ溝とのそれぞれを設け、トレッド踏面の75%以上の摩耗によってなお、それらの両ラグ溝を十分に残留させることにより、摩耗の末期に到ってなお、視覚的に溝の多くの部分が残っている印象をもたらして、タイヤの早すぎる交換、廃棄等を有効に防止することができる。
ここで、トレッド周方向に、千鳥状に交互に配置されるそれぞれのラグ溝のそれぞれの終端をトレッド幅方向に間隔をおいて位置させた場合は、ショルダー陸部列のすぐれた接地性を確保しつつ、陸部列剛性の低下を抑制して、高い耐摩耗性および、操縦安定性の発揮を担保とすることができる。
これとは逆に、交互の配置になる、一方のラグ溝の終端部分と他方のラグ溝の終端部分とをトレッド幅方向で相互にオーバラップさせて配置したときは、実質的に溝ボリュームが増加するにもかかわらず、視覚的には、溝のトータルボリュームが小さくなるかの印象を与えることになり、タイヤの早すぎる交換等を、ラグ溝終端がトレッド幅方向に間隔をおいて位置する場合ほどに効果的に防止することができず、また、ショルダー陸部列剛性が低くなりすぎることによる、操縦安定性の低下、耐摩耗性の低下等が否めなくなる。
そしてまた、一方のラグ溝の溝幅を、ショルダー主溝の溝幅の70%〜100%の範囲とした場合は、その一方のラグ溝の広い溝幅の故に、ラグ溝の残留をより強く印象付けることができる。
ところで、タイヤの新品時に、一方のラグ溝の各端部からトレッド踏面側縁まで連続して延びる各一本のサイプの深さを、タイヤの50%摩耗状態で、元のサイプ長さの30〜70%が残留する深さとしたときは、50%以上の摩耗によってなお、十分なサイプ長さを確保してすぐれたウエット性能の発揮を担保することができ、この一方で、タイヤの摩耗時の、見た目の外観変化(新品時からのパターン変化の印象)を十分小さく抑えて、タイヤの早まった交換等を有効に防止することができる。
しかもこの場合は、新品時のタイヤのサイプ本数を少なくして、深さを局部的に深くすることで対処できるので、新品時のタイヤのショルダー陸部列の剛性を十分に確保しつつ、ひいては、操縦安定性、耐摩耗性等の低下のおそれなしに、タイヤの摩耗時の外観変化を効果的に防止することができる。
このようなタイヤにおいて、タイヤ赤道線上に位置するセンター陸部列およびショルダー陸部列のそれぞれに、トレッド幅方向の延在成分の大きい幅方向サイプを、そして、中間陸部列に、トレッド周方向の延在成分の大きい周方向サイプをそれぞれ設けたときは、主溝による排水をより効率的に行ってウエット性能をより高めることができる他、新品タイヤにおける、それぞれの陸部列の剛性の、余剰の低下なしに、水膜切断、排水性の確保等に必要となる、各延在方向のサイプ十分に確保するとともに、それぞれの陸部列の剛性をほぼ等しくして、従来技術に比し、操縦安定性を高め、このことをもって、ショルダー陸部列の負担を低減して、そのショルダー陸部列の摩耗をより有利に抑制することができる。
なおこの場合、一対のセンター主溝のそれぞれから他方のセンター主溝に向けて形成した、センター陸部列内のそれぞれの幅方向サイプをともに、そのセンター陸部列内で終了させ、そして、中間陸部列に形成したそれぞれの横溝から、隣接する横溝に向けて延びるそれぞれの周方向サイプを、横溝にて区画される各ブロック内で終了させるときは、すぐれたウエット性能を発揮させつつ、新品タイヤであると否とを問わず、センター陸部列および中間陸部列の剛性の下がりすぎをより効果的に防止して、すぐれた耐偏摩耗性を発揮させることができる。
この発明の実施の形態を示すトレッドパターンの部分展開平面図である。 図1に示すタイヤの、75%摩耗状態でのトレッドパターンの部分展開平面図である。 従来タイヤを示すトレッドパターンの部分展開平面図である。
図1は、この発明の実施形態を示す、トレッドパターンの部分展開平面図である。
なお、タイヤの内部補強構造は、一般的なラジアルタイヤのそれと同様のものとすることができるので図示は省略する。
図中1はトレッド踏面を、2,3はそれぞれ、タイヤ赤道線Eに対して対称に配設されて、図ではトレッド周方向に直線状に延びる二対四本の周方向主溝をそれぞれ示す。
ここでは、トレッド踏面1の最外側に位置する一対のショルダー主溝3と、トレッド踏面側縁4との間に、それぞれのショルダー陸部列5を、タイヤ赤道線Eに最も近接して位置する一対のセンター主溝2間にセンター陸部列6を、そして、各個のショルダー主溝3とセンター主溝2との間に、中間陸部列7をそれぞれ区画する。
またここでは、各個の中間陸部列7に、幾分の湾曲下で、わずかに右上がりに傾斜し、陸部列7を完全に横切って、隣接するそれぞれの主溝2,3に開口する横溝8を複数本設けることによって中間陸部列7をブロック列とするとともに、各ショルダー陸部列5内に、ショルダー主溝3から、トレッド踏面側縁4側へ延びて、その陸部列5内で終了する、たとえば、前記横溝8の延長線上に形成された一方のラグ溝9と、トレッド踏面1の側縁4を通ってショルダー周溝3側へ延在して、これもショルダー陸部列5内で終了する他方のラグ溝10とを設けて、これらのラグ溝9,10をトレッド周方向に交互に配置する。
ところで、トレッド周方向にて、千鳥状に交互に配置されるこれらのラグ溝9,10の、ショルダー陸部内での終端の相互は、トレッド幅方向に、たとえば、ショルダー陸部幅の30〜35%程度の間隔をおいて位置させることが、ショルダー陸部列5の、すぐれた接地性を確保しつつ、陸部列5に高い剛性を付与する上で好ましい。
またここでは、一方のラグ溝9の溝幅(溝中心線と直交する方向に測った幅)を、ショルダー主溝3の溝幅の70〜100%の範囲とすることが、ラグ溝9の視認性を高め、また、排水性能を高める上で好ましい。
そしてまた、この図に示すところでは、センター陸部列6に、各センター主溝2から、タイヤ赤道線E側に向けて左上がりの傾斜態様で短かく形成されてセンター陸部列6内で終了する傾斜切欠溝11を、トレッド周方向に交互に設け、それぞれのセンター主溝2から延在して、仮想傾斜直線上に整列する、これらの対をなすそれぞれの傾斜切欠溝11の終端の相互を、ここでもまた、トレッド幅方向に間隔をおいて位置させる。
なお、これらの傾斜切欠溝11の同様の溝幅は、センター主溝2のそれの40〜50%の範囲とすることで、センター陸部列6内での剛性分布を均一化してセンター陸部列6から剛性の低い部分を極力取り除いて、傾斜切欠溝11による排水性を確保しつつ、耐摩耗性をもたらすことができる。
さらに図示のトレッドパターンでは、ショルダー陸部列5に、一方のラグ溝9の終端から、トレッド踏面側縁4まで連続して延び、他方のラグ溝10間のほぼ中点位置を通る延在形態をとる、トレッド幅方向の延在成分の大きい各一本のショルダーサイプ12を設け、このショルダーサイプ12の深さを、好ましくは、タイヤ、より直接的にはトレッド踏面の50%摩耗状態で、元のサイプ長さの30〜70%が残留する深さ、より好適には、一方のラグ溝9およびトレッド踏面側縁4のいずれからも離隔して、それらの中間位置に残留する深さとする。
また、センター陸部列6には、それぞれの傾斜切欠溝11のほぼ中点を通って、それらとほぼ平行に延びるそれぞれのサイプ13を、それぞれのセンター主溝2から、タイヤ赤道線E側に向けて、左上がりの形態で形成し、仮想傾斜直線上で整列する、これらの対をなすそれぞれのサイプ13の各々を、傾斜切欠溝11より長く延在させるも、それらの全てを、赤道線Eの手前側位置にて陸部列6内で終了させる。
なお、それぞれのセンター主溝2から延在してセンター陸部列6内で終了するそれぞれのサイプ13は、センター陸部列6の剛性の余剰の低下なしに、ウエット性能、接地性等の向上に有効に機能することができる。
ここで、それぞれのサイプ13の深さは、タイヤの50%摩耗状態で、元のサイプ長さの40〜50%が残留する深さを有するものとすることが、摩耗の末期においてなお、センター陸部列6のすぐれた接地性、ウエット性能等を発揮させる上で好ましく、この場合、サイプ13を、それぞれのセンター主溝2から離隔した位置に残留させることが、耐摩耗性を向上させる上で特に好ましい。
そしてまた、中間陸部列7には、陸部列7の幅方向のほぼ中央部で、それぞれの横溝8から、隣接する横溝8に向けて、ほぼトレッド周方向に延びる、トレッド周方向の延在成分の大きい周方向サイプ14を設け、これらの周方向サイプ14をともに、それぞれの横溝8によって区画されるブロック内で終了させる。これによれば、中間陸部列7の剛性の下がりすぎを防止して、すぐれた耐摩耗性を発揮させる一方で、サイプに固有のウエット排水性能を有効に発揮させることもできる。
ところで、このようなサイプ14もまた、タイヤの50%摩耗状態で、元のサイプ長さの40〜50%が残留する深さを有するものとすることが、新品時と摩耗時との外観変化を小さくし、摩耗後の排水性を確保する上で好ましく、そしてこの場合もまた、各サイプ14を、横溝8から離隔した位置に残留させることが、同一ブロック内での剛性格差を小さくして、ブロック内での偏摩耗の発生を防ぐ上で好ましい。
以上のようなトレッドパターンとしたこの空気入りラジアルタイヤでは、とくには、センター陸部列6および中間陸部列7の、横力および前後方向の力に対する剛性を、図3(a)に示す、従来技術のそれより高くして、センター陸部列6、中間陸部列7およびショルダー陸部列5のそれぞれの剛性をより均等なものとすることができ、これにより、従来のトレッドパターンで問題となるレーンチェンジ時の操舵角の増大を抑制して、操縦安定性を向上させ、併せて、シェルダー陸部列5への負担を低減して、そのショルダー陸部列5の摩耗を抑制することもできる。
図2は、上述したようなトレッドパターンを有するタイヤ、直接的にはトレッド踏面が75%摩耗した状態を示す、トレッドパターン展開平面図であり、この発明に係る図1に示すタイヤでは、図2に示すような摩耗末期の状態に到ってなお、ショルダー陸部列5に、十分な溝幅を有するそれぞれのラグ溝9,10が明確に残存することから、視覚的に、溝の多くの部分が未だ残っているとの印象をもたらすことができ、これによって、タイヤの早すぎる交換、廃棄等を有効に防止することができる。
しかもここでは、ショルダー陸部列5内に、ショルダーサイプ12の、とくに深く形成した部分を、所要の個所、図では、他方のラグ溝10間部分に、所要の長さにわたって残留させて、新品タイヤに対する外観の変化をより少なくしていることから、上述たところを一層効果的なものとすることができる。
この一方で、ショルダーサイプ部分のこのような残留は、タイヤの摩耗末期においてなお、すぐれたウエット排水性能の発揮を可能とし、また、耐偏摩耗性能の発揮を担保することができる。
そしてまた図2に示すところでは、先に述べたサイプ13および周方向サイプ14のそれぞれについても、それらの、とくに深く形成した部分を、所要の個所に所要の長さにわたって残存させていることから、操縦安定性、耐摩耗性、ウエット性能等を、摩耗の末期においてなお十分に確保することができ、しかも、それぞれの陸部列5,6,7の剛性を、摩耗の末期においても十分均等なものとすることで、摩耗末期においても新品時と遜色のない操縦安定性を確保することができ、また前述したように、ショルダー陸部列5の負担を低減することもできる。
図1に示すトレッドパターンを有する、サイズが175/80 R14の実施例タイヤおよび、図3(a)に示すトレッドパターンを有する、同サイズの従来タイヤのそれぞれを、5.5Jのリムに組付けて210kPaの空気圧を充填して、トレッド踏面の摩耗量が10%に達するまでの初期摩耗速度および、その摩耗量が10%から70%に到るまでの後期摩耗速度のそれぞれを測定したところ表1に示す結果を得た。
Figure 0005415774
ここで摩耗速度は、(減少した溝深さ/それまでに走行した距離)で摩耗速度を算出し、初期の摩耗速度と後期摩耗速度のちがいについては、走行距離に対する溝深さの変化の度合いが変化する点を境界にして、走行開始からその点までを初期、それ以降を後期と定義した。(摩耗初期は約5000〜6000km走行時まである。)
表1に示すところによれば、実施例タイヤでは、初期摩耗速度は従来タイヤに比べ大きくなる一方、後期摩耗速度については、従来タイヤは、走行距離が増加するにつれて摩耗速度も増加していく形になるのに対し、実施例タイヤでは、初期摩耗時からの摩耗進展はおさえられ、摩耗速度が小さくなることが解かる。
1 トレッド踏面
2 センター主溝
3 ショルダー主溝
4 トレッド踏面側縁
5 ショルダー陸部列
6 センター陸部列
7 中間陸部列
8 横溝
9 一方のラグ溝
10 他方のラグ溝
11 傾斜切欠溝
12 ショルダーサイプ
13 サイプ
14 周方向サイプ

Claims (6)

  1. トレッド周方向に連続して延びる周方向主溝により、トレッド踏面に複数本の陸部列を区画してなる空気入りラジアルタイヤであって、
    それらの周方向主溝のうち、トレッド踏面の最外側に位置する一対のショルダー主溝と、それぞれのトレッド踏面側縁との間に区画される一対のショルダー陸部列内に、ショルダー主溝から、トレッド踏面側縁側へ延びてショルダー陸部列内で終了する一方のラグ溝と、トレッド踏面の側縁から、ショルダー周溝側へ延びてショルダー陸部列内で終了する他方のラグ溝とを、トレッド周方向に交互に配設し、
    一方のラグ溝の溝幅を、ショルダー主溝の溝幅の70〜100%の範囲としてなり、
    タイヤの新品時に、一方のラグ溝の各終端から、トレッド踏面側縁まで連続して延びる各一本のサイプを設け、このサイプの深さを、タイヤの50%摩耗状態で、元のサイプ長さの30〜70%が残留する深さとしてなる空気入りラジアルタイヤ。
  2. 一方のラグ溝の終端と、他方のラグ溝の終端とを、相互にオーバーラップさせずにトレッド幅方向に間隔をおいて位置させてなる請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  3. タイヤ赤道線上に位置するセンター陸部列およびショルダー陸部列のそれぞれに、トレッド幅方向の延在成分の大きい幅方向サイプを、センター陸部列とショルダー陸部列との間の中間陸部列に、トレッド周方向の延在成分の大きい周方向サイプをそれぞれ設けてなる請求項1又は2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  4. トレッド周方向に連続して延びる周方向主溝により、トレッド踏面に複数本の陸部列を区画してなる空気入りラジアルタイヤであって、
    それらの周方向主溝のうち、トレッド踏面の最外側に位置する一対のショルダー主溝と、それぞれのトレッド踏面側縁との間に区画される一対のショルダー陸部列内に、ショルダー主溝から、トレッド踏面側縁側へ延びてショルダー陸部列内で終了する一方のラグ溝と、トレッド踏面の側縁から、ショルダー周溝側へ延びてショルダー陸部列内で終了する他方のラグ溝とを、トレッド周方向に交互に配設し、
    一方のラグ溝の溝幅を、ショルダー主溝の溝幅の70〜100%の範囲としてなり、
    タイヤ赤道線上に位置するセンター陸部列およびショルダー陸部列のそれぞれに、トレッド幅方向の延在成分の大きい幅方向サイプを、センター陸部列とショルダー陸部列との間の中間陸部列に、トレッド周方向の延在成分の大きい周方向サイプをそれぞれ設け、
    一対のセンター主溝のそれぞれから他方のセンター主溝に向けて形成した、センター陸部列内のそれぞれの幅方向サイプをともに、そのセンター陸部列内で終了させるとともに、中間陸部列に形成したそれぞれの横溝から、隣接する横溝に向けて延びるそれぞれの周方向サイプを、横溝にて区画される各ブロック内で終了させてなる空気入りラジアルタイヤ。
  5. 一方のラグ溝の終端と、他方のラグ溝の終端とを、相互にオーバーラップさせずにトレッド幅方向に間隔をおいて位置させてなる請求項4に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  6. タイヤの新品時に、一方のラグ溝の各終端から、トレッド踏面側縁まで連続して延びる各一本のサイプを設け、このサイプの深さを、タイヤの50%摩耗状態で、元のサイプ長さの30〜70%が残留する深さとしてなる請求項4又は5に記載の空気入りラジアルタイヤ。
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