JP5415566B2 - 固定状態の表面材及び展開可能な減速表面材及び/又は異形燃料タンクを備えた打ち上げビークル並びに関連のシステム及び方法 - Google Patents

固定状態の表面材及び展開可能な減速表面材及び/又は異形燃料タンクを備えた打ち上げビークル並びに関連のシステム及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、一般に、フレア(即ち、ラッパ状に広がった)表面材を含む固定状態の表面材及び展開可能な減速表面材を備えた打ち上げビークル並びに関連のシステム及び方法に関する。
〔関連出願の説明〕
本願は、共に2009年2月24日に出願された米国特許仮出願第61/155,115号及び同第61/155,132号の優先主張出願であり、これら両方の米国特許仮出願を参照により引用し、これらの記載内容を本明細書の一部とする。
ビークルは、長年にわたり、人的ペイロード及び非人的ペイロードを軌道中に打ち上げるために用いられている。かかるビークルは、最初の人々を宇宙空間や月に送り出し、そしてかかるビークルは、数え切れないほどの人工衛星を地球の軌道中に、そしてこれを越えて打ち上げている。かかるビークルは、無人宇宙探査機を推進し、最近においては、構造物、補給品又は食料・物資並びに職員を軌道に乗っている国際宇宙ステーションに送るために用いられる。
ビークル任務と関連した従来から続いている1つの課題は、システムの再利用性である。本発明の観点は、この課題に取り組みことを目的としている。
本発明の一観点によれば、航空宇宙システムであって、
第1の端部及び全体として第1の端部と反対側の第2の端部を備えた打ち上げビークルを有し、打ち上げビークルは、第1の端部と第2の端部との間に延びるビークル軸線に沿って細長く、
打ち上げビークルにより支持されている外方に向いた露出表面材を有し、露出表面材は、全体としてビークル軸線に垂直であって打ち上げビークルの第1の端部寄りに位置した第1の断面積部を有するよう位置決めされ又は位置決め可能な第1の領域を有し、露出表面材は、全体としてビークル軸線に垂直であって打ち上げビークルの第2の端部寄りに位置した第2の断面積部を有するよう位置決めされ又は位置決め可能な第2の領域を有し、第1の断面積は、第2の断面積よりも小さく、
打ち上げビークルにより支持された推進システムを有し、推進システムは、打ち上げビークルを打ち上げるよう打ち上げビークルの第1の端部寄りに位置決めされた少なくとも1つのノズルを有することを特徴とする航空宇宙システムが提供される。
本発明の別の観点によれば、航空宇宙システムであって、
第1の端部及び全体として第1の端部と反対側の第2の端部を備えた打ち上げビークルを有し、打ち上げビークルは、第1の端部と第2の端部との間に延びるビークル軸線に沿って細長く、
打ち上げビークルにより支持されている外方に向いた露出表面材を有し、露出表面材は、全体としてビークル軸線に垂直であって打ち上げビークルの第1の端部寄りに位置した第1の固定された断面積部を備えた第1の領域を有し、露出表面材は、全体としてビークル軸線に垂直であって打ち上げビークルの第2の端部寄りに位置した第2の固定された断面積部を備えた第2の領域を有し、第1の断面積は、第2の断面積よりも小さく
打ち上げビークルにより支持された推進システムを有し、推進システムは、打ち上げビークルを打ち上げるよう打ち上げビークルの第1の端部寄りに位置決めされた少なくとも1つのノズルを有することを特徴とする航空宇宙システムが提供される。
本発明の別の観点によれば、航空宇宙システムであって、
第1の端部及び全体として第1の端部と反対側の第2の端部を備えた打ち上げビークルを有し、打ち上げビークルは、第1の端部と第2の端部との間に延びるビークル軸線に沿って細長く、
打ち上げビークルにより支持されている外方に向いた露出表面材を有し、
打ち上げビークルにより支持された燃料タンクを有し、燃料タンクは、全体としてビークル軸線に垂直であって打ち上げビークルの第1の端部寄りに位置した第1の断面積部を備えた第1の領域及び全体としてビークル軸線に垂直であって打ち上げビークルの第2の端部寄りに位置した第2の断面積部を備える第2の領域を有し、第1の断面積は、第2の断面積よりも小さく、燃料タンクは、第1の断面積部と第2の断面積部との間でタンクの横方向中線に関して非対称であり、
打ち上げビークルにより支持されると共に燃料タンクに結合された推進システムを有し、推進システムは、打ち上げビークルを打ち上げるよう打ち上げビークルの第1の端部寄りに位置決めされた少なくとも1つのノズルを有することを特徴とする航空宇宙システムが提供される。
本発明の別の観点によれば、航空宇宙システムを作動させる方法であって、
打ち上げビークルのノズルからの水力を差し向けて打ち上げビークルを離陸させるステップを有し、打ち上げビークルは、上端部、下端部及び上端部と下端部との間に延びるビークル軸線を有し、上端部は、打ち上げ中、下端部よりも上に位置し、
打ち上げに続き、下端部が上端部の下に位置した状態で打ち上げビークルに指図して打ち上げビークルが下降して着陸するようにするステップと、
上端部が下端部の上に位置したままの状態で打ち上げビークルにより支持されている外方に向いた露出表面材を介して打ち上げビークルの下降を遅くするステップを有し、露出表面材は、全体としてビークル軸線に垂直であって打ち上げ中のビークルの下端部寄りに位置した第1の断面積部を備えた第1の領域を有し、露出表面材は、全体としてビークル軸線に垂直であってビークルの上端部寄りに位置した第2の固定された断面積部を備えた第2の領域を有し、第1の断面積は、第2の断面積よりも小さいことを特徴とする方法が提供される。
本発明の別の観点によれば、航空宇宙システムを作動させる方法であって、
打ち上げビークルの外方に向いた可動露出表面材を第1の位置に配置するステップを有し、
打ち上げビークルの下端部からの推力を差し向けて打ち上げビークルを離陸させるステップを有し、打ち上げビークルは、下端部の上方に位置決めされた上端部を有し、
打ち上げビークルの下端部が上端部の下に位置決めされた状態で可動面を第2の位置に配置することにより打ち上げビークルの下降を遅くするステップを有することを特徴とする方法が提供される。
本発明の別の観点によれば、航空宇宙システムを作動させる方法であって、
打ち上げビークルの燃料タンクからの燃料を打ち上げビークルのノズルに差し向けるステップを有し、
打ち上げビークルのノズルからの推力を差し向けて打ち上げビークルを離陸させるステップを有し、打ち上げビークルは、上端部、下端部及び上端部と下端部との間に延びるビークル軸線を有し、上端部は、打ち上げ中、下端部よりも上に位置し、
打ち上げに続き、下端部が上端部の下に位置した状態で打ち上げビークルに指図して打ち上げビークルが下降して着陸するようにするステップを有し、
燃料タンク内の燃料の質量中心を打ち上げ後、時間につれて増大する速度で動かすステップを有することを特徴とする方法が提供される。
本発明の実施形態による展開可能なフレア表面材を有する代表的なビークルを示す図である。 本発明の実施形態による展開可能なフレア表面材を有する代表的なビークルを示す図である。 本発明の実施形態による上昇中における代表的なビークルを示す図である。 本発明の実施形態による下降中における代表的なビークルを示す図である。 展開可能なフレア表面材を収納位置で示す代表的なビークルの一部分の拡大図である。 展開可能なフレア表面材を展開位置で示す代表的なビークルの一部分の拡大図である。 本発明の別の実施形態に従って構成された収納状態の展開可能な表面材を有するビークルの部分概略側面図である。 展開可能な表面材が展開された状態の図4Aに示されたビークルの部分概略側面図である。 展開可能な表面材が展開された状態の図4Bに示されたビークルの部分概略平面図である。 本発明の実施形態による並進表面材を有するビークルの部分概略側面図である。 本発明の実施形態による並進表面材を有するビークルの部分概略平面図である。 本発明の実施形態による2組の展開可能なフレア表面材を有するビークルの部分概略側面図である。 本発明の実施形態による2組の展開可能なフレア表面材を有するビークルの部分概略平面図である。 本発明の実施形態による上方且つ外方にテーパした形状を有するビークルの部分概略等角図である。 A〜Fは、本発明の別の実施形態による上方且つ外方にテーパした形状を有するビークルの部分の部分概略側面図である。 本発明の更に別の実施形態に従って構成された形状及び特徴部を有する燃料タンクの部分概略等角図である。 本発明の更に別の実施形態に従って構成された燃料タンクの部分切除側面図である。
本発明は、一般に、固定状態の表面材及び展開可能な減速表面材を備えた打ち上げビークル(例えば、ロケット)並びに関連のシステム及び方法に関する。周知であると共にロケット流れ表面材と関連している場合の多い構造体及びプロセスを説明する幾つかの詳細は、説明が煩雑になるのを避けるために以下の説明には記載されていない。さらに、以下の開示は、幾つかの実施形態に関するが、幾つかの他の実施形態は、この発明の詳細な説明の項で説明する形態、配置及び/又はコンポーネントとは異なる形態、配置及び/又はコンポーネントを有しても良い。具体的に説明すると、他の実施形態は、追加の要素を有すると共に/或いは図1A〜図10を参照して以下に説明する要素のうちの1つ又は2つ以上を欠いていても良い。
図1Aは、本発明の実施形態に従って構成されたビークル100の上側等角図である。図1Bは、図1Aに示されたビークル100の側面図である。図1A及び図1Bを参照すると、ビークル100は、ペイロードモジュール130を支持した推進モジュール110を有するロケット(例えば、軌道に乗るビークル又は軌道に乗らないビークル)であるのが良い。推進モジュール110は、ビークル100の第1の又は後側の端部105寄りに位置決めされた対応のエンジン排気ノズル111を備えた1つ又は2つ以上のエンジンを有するのが良い。ビークル100は、長手方向ビークル軸線Vに沿って細長いのが良く、このビークル100は、ビークル100の第1の端部105寄りに位置した第1の領域103及びビークル100の第2の又は前方の端部102寄りに位置決めされた第2の領域104を有する外方に向いた露出表面材101を備えている。ビークル100は、ビークル100が尾部下げ配向状態で着陸することができるよう第1の端部105寄りに位置決めされた着陸装置120を有するのが良い。ビークル100は、ビークル100の第2の端部102寄りに位置決めされた展開可能な又は違ったやり方で動くことができる減速表面材(例えば、フレア表面材)140を更に有するのが良い。展開可能な表面材140は、尾部下げ下降及び着陸中にビークル100の速度を安定化させると共に減少させるよう上昇中においては収納又は格納され、下降中においては展開されるのが良い。特定の実施形態では、展開可能な減速表面材140は、尾部下げ下降及び着陸中における安定性を高めると共に/或いはビークルの空気力学的揚力と抗力の比を向上させるようにビークル100の空気力学的圧力中心の位置を高くすることができる(例えば、ビークル100の重心の上方に)。ビークル100の後側端部105寄りに設けられたフィン150が上昇中に安定器及び/又は制御表面材として働くと共に下降中においても安定器及び/又は制御表面材として働くことができる。したがって、フィン150は、本願と同時に出願された同時係属中の米国特許出願(出願番号未付与、発明の名称:BIDIRECTIONAL CONTROL SURFACES FOR USE WITH HIGH SPEED VIHICLES, AND ASOCIATED SYSTEMS AND METHODS)に更に説明されているように、前方方向(例えば、上昇中)及び逆方向(例えば、下降中)に作動可能である。 特定の実施形態では、ペイロードモジュール130は、貨物及び/又は乗組員を運ぶよう構成されているのが良い。図1A及び図1Bに示す実施形態では、ペイロードモジュール130は、半球形の形をしているのが良く、他の実施形態では、ペイロードモジュール130は、他の形状のものであっても良い。
特定の実施形態では、ビークル100は、ビークル100の内部に設置された5つのエンジン(図1A及び図1Bでは見えない)を有し、各エンジンは、対応のエンジン排気部111を有する。エンジンは、ビークル100を上方に(例えば、ダウンレンジコンポーネントの有る無しにかかわらず、垂直方向)に推進するためにブースト段階中に用いられる。オプションとして、エンジンは、ブースト段階中、ビークル100を単独で又は他の制御システムと組み合わせ状態で舵取りするよう進路誘導する推力をもたらすことができる。
エンジンがブースト段階を完了した後、展開可能な表面材140を展開してビークル100の下降を遅くするのが良い。展開可能な表面材140は、ビークル100が下降しているとき(尾部下げ状態で)、ビークル抗力を増大させ、又、垂直着陸に先立ってエンジンが再始動する前にビークル100の終速度を減少させることによりビークル安定性を向上させることができる。特定の実施形態では、展開可能な表面材140は、飛行中、1回だけ用いられ、次に、ビークル100の着陸後においては地上作業班によって引っ込められる。フィン150は、下降及び着陸の際にビークル100を制御すると共に舵取りするために使用可能である。したがって、ビークル100を舵取りしてこれが打ち上げられた場所に直接戻すことができる。他の実施形態では、ビークル100は、他の場所に舵取り可能である。これら実施形態の何れにおいても、ビークル100が着陸場所に接近すると、エンジンを再始動させてビークル100を一段と遅くするのが良い。次に、着陸装置120を展開し、それにより最終の着陸を行なう。
図2Aは、矢印Aで示されたビークル100の上昇中におけるビークル100の実施形態の部分概略側面図である。上昇段階中、展開可能な表面材140(外面101の一部をなしている)は、収納され、かかる展開可能な表面材は、それに応じて、ビークル100の下に位置する表面106に当たって平べったい状態で且つ全体として外面101の残部と面一をなして位置決めされるのが良い。上昇段階中、着陸装置120(図1A及び図1B)は、収納される。
図2Bは、矢印Dで示されたビークル100の下降段階中におけるビークル100を示している。下降中、展開可能な表面材140は、例えば、表面材140を回動させることにより展開され、その結果、表面材140は、下に位置する表面106から外方に広がっている。上述したように、この形態は、ビークル100を遅くすることが期待され、この形態は又、ビークルを安定化させることができる。例えば、上述したように、表面材140を展開することにより、ビークル100に作用する圧力中心を上方に(例えば、ビークルの重心の上方に)ずらすことができ、その結果、ビークル100に加わる重力は、ビークル100に作用する空気力学的力により生じる場合のある摂動を安定化させる傾向がある。
表面材140を展開した場合の一作用効果は、第2の領域104のところのビークル100の断面積又は平面図フットプリントを第1の領域103の場合よりも増大させることにある。例えば、展開可能な表面材140が展開されたとき、第1の領域103内に位置した第1のステーション191のところで取られ(フィン150の断面積を含む)又は第2のステーション192のところで若しくは取られ又はこれら両方のところで取られたビークル100の断面積は、第2の領域104内に位置した第3のステーション193のところのビークル100の断面積よりも小さいであろう。断面積のこの変化は、展開可能な表面材140を次に収納し又は違ったやり方で動かすことができるので、一時的であるのが良い。図7〜図10を参照して後で説明する他の実施形態では、増大した断面積は、ビークルの外側幾何学的形状の固定部分であるのが良い。
図3Aは、例えばビークル100のブースト又は上昇段階中、展開可能な表面材140が収納された状態のビークル100の第2の領域104の部分概略側面図である。展開可能な表面材140は、多数の展開可能な花弁状部141又は他の適当な表面材若しくは表面要素から成るのが良い。収納形態では、花弁状部141は、閉じられてビークル100の下に位置する表面106に当てられる。したがって、花弁状部141は、円筒形外面101の形状に合致するよう筒体の部分で作られるのが良い。他の実施形態では、花弁状部141は、他の形状のものであっても良い。これら実施形態のいずれにおいても、外側花弁状部141aは、内側花弁状部141bと交互に位置すると共に中間の内側花弁状部とオーバーラップするのが良い。
図3Bは、ビークル100の第2の領域104の部分概略上側等角図であり、展開可能な表面材140を展開形態で示している。この形態では、花弁状部141は、例えば1つ又は2つ以上のアクチュエータ142によりビークル100の下に位置する表面106から外方に回動してある。特定の実施形態では、隣り合う花弁状部141は、収納時に互いにオーバーラップするのが良く、又、展開時に互いにオーバーラップし又は当接するのが良い。他の実施形態では、花弁状部141は、展開時に互いに間隔を置いて配置され又は少なくとも部分的に互いに間隔を置いて配置されるのが良い。展開可能な表面材140について選択された特定の構成は、展開可能な表面材140により提供されることが期待される制動レベル、ビークル100との一体化及び/又は他の要因で決まる場合がある。
特定の実施形態では、展開可能な表面材140は、各々が別個の空気圧、油圧、電気又は他のアクチュエータにより展開される16個の花弁状部141から成る。花弁状部141は、収納時に互いにオーバーラップするのが良く、第1の組をなす8個の花弁状部141は、外側に位置決めされ、第2の組をなす8個の花弁状部141は、内側に位置決めされると共に第1の組に属する花弁状部と交互に配置され、その結果、フレア140が完全に配備されたときには隣り合う花弁状部141相互間には隙間がそれほど存在しないようになっている。ビークル100は、花弁状部を開く指令が与えられる前に花弁状部141を収納位置に保持する保持ラッチ又は他の特徴部を有するのが良い。特定の実施形態では、ビークル100の第2の領域104は、追加の剛性を与えるためのアルミニウム製のリングフレームにより裏打ちされた複合サンドイッチパネルを有するのが良い。花弁状部141は、複合サンドイッチパネルで形成されても良い。他の実施形態では、これら構造体のうちのいずれも、他の組成のものであっても良い。
特定の実施形態では、個々の花弁状部141は、一つ一つが他と同一の量、同一の速度及び同一の方向(例えば、外方又は内方)に動くよう一斉に動かされる。他の実施形態では、展開可能な表面材141の個々の花弁状部141は、個々に動くことができると共に/或いは制御可能であるのが良い。かかる実施形態では、花弁状部141は、例えばビークル100を遅くすることに加えてビークル100を舵取りするために互いに対して互いに異なる速度で、互いに異なる量だけ及び/又は互いに異なる方向に運動可能である。花弁状部141の運動は、制御装置160により制御されるのが良い。一実施形態では、制御装置160は、ビークル100により支持された電気機械式装置である。他の実施形態では、制御装置160は、ビークル100により支持され又は地上に設置されていて、適当な命令の入ったコンピュータ可読媒体を有するディジタル又はコンピュータ利用装置160である。制御装置160は、種々のセンサのうちの任意のもの(例えば、加速度計、GPSセンサ、高度センサ、圧力センサ又は時間センサ(例えば、時計))からの入力信号を受け取るのが良く、かかる入力信号に基づいて、制御装置160は、花弁状部141を作動させる命令を出す。制御装置160は、他のビークル機能、例えば、エンジン、着陸装置及び制御面の作動も又制御するのが良い。
上述したように、花弁状部141は、展開時に互いにシール可能に係合する(密着する)のが良い。他の実施形態では、隣り合う花弁状部は、展開時に互いに間隔を置いて配置されても良く、それにより、軸方向に延びる隙間が生じる。さらに別の実施形態では、花弁状部141を通気型にしても良い。例えば、花弁状部141は、空気が花弁状部141を通過することができるようにする通気開口部143(図3Bでは破線で示されている)を有するのが良い。通気開口部143は、碁盤目状に又は他の適当なパターンをなして配置されるのが良い。この実施形態の別の観点では、個々の通気開口部143は、開口部143を通る空気の流れを制御するよう選択的に開閉可能である(例えば、作動パネル、絞り又は他の適当な装置により)。このように、展開可能な表面材140により生じる効力を制御することができる。この実施形態の別の観点では、ビークル100を舵取りするために使用できる抗力差を生じさせるために、1つの周方向場所のところに位置する通気開口部143は、開放可能であり、別の周方向場所のところの通気開口部は、閉鎖可能である。
図1A〜図3Bを参照して上述した実施形態では、展開可能な表面材は、ビークルの上方又は第2の端部寄りに位置決めされている。図4Aは、本発明の別の実施形態により下端部寄りに配置された展開可能な表面材を有するビークル400の部分概略側面図である。この実施形態の一観点では、ビークル400は、外方にフレア状になった形状の第1の又は下側領域403及び第1の領域403の上方に位置した第2の又は上方の領域404を備えている外面401を有する。展開可能な表面材440が第1の領域403のところに配置されている。展開可能な表面材440は、4つの展開可能なパネル441(これらのうちの3つが図4Aで見える)から成るのが良く、これらパネルは、収納位置で示されている。図4B及び図4Cは、それぞれ、展開可能な表面材440が展開位置にあるビークル400の側面図及び平面図である。この位置では、パネル441は、ビークル400の断面積を第1の領域403のところのフレア状外面401により見られる断面積を超えて増大させるようビークル400の下に位置する表面406から外方に遠ざかって回動してある。この構成は、下降時におけるフレア状本体の安定性を一段と高めることができる。
図5Aは、作動中、回動するのではなく並進する展開可能な表面材540を有するビークル500の部分概略側面図である。図5Bは、図5Aに示されたビークル500の部分概略平面図である。今、図5A及び図5Bを一緒に参照すると、展開可能な表面材540は、上昇中、ビークル500の第1の又は下方の領域503寄りに位置決めされた多数のフィン又は羽根要素541(図5A及び図5Bには4つ示されている)から成るのが良い。したがって、展開可能な表面材540は、ビークル重心の下の位置から見た場合のビークル540の安定性及びオプションとしての制御をもたらすことができる。尾部下げ状態の下降に先立って又はその間、フィン要素541は、矢印Uによって支持されたように上方に並進してビークルの第2の又は上側の領域504のところに配置されるようになる。この位置では、フィン要素541は、ビークル500の圧力中心を上方に、例えば、ビークルの重心よりも上に動かすよう作用することができる。フィン要素541は、揚力発生装置であるので、ビークルは、代表的には、純粋に垂直の傾斜度から傾いてフィンが十分な揚力を発生することができる迎え角をもたらす。ビークル500は、着陸に先立って完全垂直位置に戻ることができる。ビークル500は、フィン要素541の並進運動を案内する軌道、レール又は他の適当な案内構造体を有するのが良い。
図6A及び図6Bは、それぞれ、ビークル重心に対するビークルの圧力中心の存在場所を制御するよう一斉に動作する多数の展開可能な表面材を有するビークル600の部分概略側面図及び部分概略平面図である。具体的に説明すると、ビークル600は、ビークル600の第1の又は下方の領域603のところに位置決めされた第1の又は下側の展開可能な表面材640a及びビークル600の第2の又は上側の領域604のところに位置決めされた第2の又は上側の展開可能な表面材640bを有するのが良い。第1の展開可能な表面材640aは、第1のフレア要素641aを有するのが良く、第2の展開可能な表面材640bは、第2のフレア要素641bを有するのが良い。第1のフレア要素641aと第2のフレア要素641bの両方は、ビークル600に対して外方に展開することができ、次に、それぞれ、矢印P1及び矢印P2によって示されているように収納位置に戻ることができる。上昇中、第2のフレア要素641bをビークル600の外面に全体として平行に収納することができ、第1のフレア要素641aを外方に回動させて安定性及び/又は制御を提供する。特定の実施形態では、第1のフレア要素641aは、追加の安定性をもたらすことが必要とされない限り、上昇中、収納状態のままであるのが良い。かかる必要性は、1つ又は2つ以上のエンジンが上昇中に故障した場合に生じる場合がある。下降中、第1及び第2のフレア要素641a,641bの相対的向きを逆にしても良い。具体的に説明すると、第1のフレア要素641aをビークル600の外面に全体として平行に収納しても良く、他方、第2のフレア要素641bは、図1A〜図2Bを参照して上述した圧力運動中心と全体としてほぼ同じ圧力運動中心をもたらすよう展開される。
上述した実施形態のうちの幾つかにおいて、展開可能な表面材は、ビークル上昇とビークル下降との間で圧力中心の変化を制御する。図7〜図10を参照して以下に説明する他の実施形態では、ビークルの全体的形状は、一定状態のままであるのが良いが、従来型の円筒形又は上方且つ内方にテーパしたロケット形状と比較した場合、下降中の抗力を増大させるビークルの下端部とビークルの上端部との間の断面形状の変化を有するのが良い。したがって、ビークルの外面は、所望の断面形状の変化を達成するよう位置決めされる(例えば、固定される)のが良く又は位置決め可能である(例えば、動くことができる)。
図7は、第1の端部705と第2の端部702との間でビークル軸線Vに沿って細長い打ち上げビークル700の部分概略等角図である。ビークル700は、第2の端部702寄りに位置したペイロードモジュール730及び第1の端部705寄りに位置した1つ又は2つ以上の排気ノズル711を備えた推進モジュール710を有している。特定の実施形態では、ビークル700は、3つの排気ノズル711を有し、これらのうちの外側の2つは、固定されており、中央のノズルは、ビークル制御のために誘導可能である。他の実施形態では、ビークル700は、エンジン及び関連のあるノズルについて他の個数及び/又は他の配置状態を取ることができる。ビークル700は、上昇と下降の両方の間、追加のビークル制御をもたらすよう作動可能なフィン750を更に有するのが良い。ビークル700の外面701は、第1の端部705寄りの第1の領域703及び第2の端部702寄りの第2の領域704を有している。外面701により画定されたビークル700の断面積は、第1の領域703から第2の領域704までビークル軸線Vに沿って増大している。したがって、第1の領域703の第1のステーション791のところのビークル700の断面積は、第2の領域704に位置した第2のステーション792のところの対応の断面積よりも小さい。
推進モジュール710及びペイロードモジュール730の外面701の形状は、上昇と下降の両方について所要の抗力特性を生じさせるよう選択されるのが良い。具体的に説明すると、外面701の形状は、一般に、上昇中、特に遷音速でバフェットを減少させ又は最小限に抑える一方で、尾部下げ状態の下降中、ビークルを安定させる空気力学的力をもたらすよう選択される。
図7を参照して上述した構成の一特徴は、これにより、展開可能な減速面を不要にできるということにある。したがって、この構成は、ビークル全高を減少させることができると見込まれる。これとは逆に、図1A〜図6Bを参照して上述した展開可能な表面材について見込まれる利点としては、これらは展開可能な表面材がビークル700の外側成形線(OML)により生じる効力よりも大きな減速力をもたらすことができ、それにより、下降中、ビークルを減速させるようエンジンにより用いられる燃料の量が減少するということにある。この構成は、展開可能な表面材に起因して生じると見込まれる追加の重量を相殺することができ又は部分的に相殺することができる。減速表面材(例えば、展開可能な表面材又は固定されたフレア状表面材)の特定の選択は、ビークルが成し遂げようとしている任務及びビークルが運搬しようとするペイロードを含む種々の要因で決まる場合がある。これら2つの構成例は、相互に排他的である必要はない。したがって、他の実施形態では、展開可能な表面材を固定OML形状と組み合わせると、減速力とビークル重量の所望の組み合わせを得ることができる。
ビークルの固定外面は、単独で用いられるにせよ展開可能な減速表面材と組み合わせて用いられるにせよいずれにせよ、上昇中、ビークル抗力を甚だしくは増大させずにビークル下降中、抗力を増大させることが見込まれる種々の形状を有するのが良い。図8A〜図8Fは、かかるビークル形状の代表的な選択肢を示している。説明の目的上、ペイロードモジュール及びエンジン/ノズル構造体並びに他の外部ビークル特徴部(例えば、フィン)は、図8A〜図8Fには示されていない。作動中、ペイロードモジュールは、図8A〜図8Fに示されているように推進モジュールとは別個に下降しても良く又は図7に示されているように下降中、推進モジュールに取り付けられたままであっても良い。図8A〜図8Cは、それぞれ、対応のビークル軸線の長さにわたって非単調な仕方で変化するOML表面を備えた対応のビークル800a,800b,800cを示している。具体的に説明すると、これら形状は、ビークルの下端部寄りの全体として円筒形の部分及びビークルの上端部寄りの外方且つ上方にテーパした部分を含む。テーパは、直線状(例えば、円錐形)であっても良く、非直線状(例えば、凹状又は凸状)であっても良い。図8D、図8E及び図8Fに示されている他の実施形態では、対応のビークル800d,800e,800fは、それぞれ、ビークルの下端部から対応のペイロードカプセル(図示せず)との接合部まで連続的にテーパした外面を有する。ビークル軸線に対するこれら表面の特定の開き角度は、例えばビークルの任務の内容、下降中に大きな抗力をもたらすビークルペイロード及び上昇中における抗力の小さく且つ小刻みな増大で決まる仕方で選択されるのが良い。
上述の実施形態のいずれにおいても、燃料は、ビークルの外面内に位置決めされた(又はその一部をなす)タンクに入れて運ばれる。本発明の特定の実施形態に従って構成され、打ち上げビークルに適した液体推進剤タンクは、(a)タンク内のスロッシング流体の動的効果を減少させると共に(b)上方且つ外方にテーパしたビークルOML内に嵌まり込むようカスタマイズされた形状を有する。例えば、タンクの半径を調節してスロッシング流体の非安定化効果を減少させることによりタンクOMLを変化させるのが良い。この実施形態の別の特定の観点では、燃料タンクは、プラスチック製タンクライナ内に成形された内部スロッシングバッフルを有するのが良い。この構成は、バッフルをタンク内に機械的に締結する必要性をなくすことができる。他の実施形態では、バッフルをタンクの内部から形成しても良い。上述の実施形態の別の観点では、タンクの形状は、ビークル内における推進剤の質量中心の存在場所の突き止めを促進すると共に/或いは最適化するよう構成されているのが良く、それにより、もしそうでなければタンク内の液体推進剤が通常の作動中にスロッシングしたときに結果として生じる恐れのある非安定化効果が減少する。
図9は、本発明の特定の実施形態に従って構成された燃料タンク960を備えたビークル900(例えば、ロケット)の一部分の部分概略側面図である。ビークル900は、図9に実線で示されているような全体として円筒形の形状のものであっても良く、或いは、図9に破線で示されているように上述した上方且つ外方にテーパした形状のうちの任意のものを有していても良い。この実施形態の特定の観点では、液体推進剤タンク960は、全体としてドーム状の外面を備えた大きな前方の又は上側の領域961及びこれまた全体としてドーム状の外面を備えているが前方領域961の直径よりも小さな直径を持つ小さな後方又は下側の領域963を有している。上側及び下側領域961,963は、長さにつれて直線的に変化する半径を持つ全体として円錐形の形をした中間領域962の互いに反対側に位置決めされるのが良い。したがって、タンク960は、全体として「セイヨウナシ」形の形状のものであるのが良く且つタンクの長手方向中央軸線966に関して対称であるのが良い。しかしながら、タンク960の形状は、横方向中央軸線967に関して非対称である。この形状は、ビークル900内部の有効高さ及び容積に基づき、推進剤の質量中心を上昇中におけるビークル900内の高い位置から下降中におけるビークル900内の低い位置に調節する要望により、ビークルOMLの形状(例えば、テーパ付き形状)により且つ/或いは種々の推進剤充填フラクションに関するスロッシング減衰要件を調節する要望によって選択されるのが良い。
上述したように、ビークル900は、上昇の際、矢印Aにより示されているように前方方向(例えば、先端部を前にして)移動するよう構成され、下降の際、矢印Dにより示されているように後方方向(例えば、尾部を先にして)運動することができる。少なくとも幾つかの実施形態では、上昇中、推進剤の質量中心をビークル900内の高い位置に維持することが望ましい。加うるに、燃料スロッシングは、上昇と関連した高い充填フラクションでの問題が少ない。したがって、前方領域961の半径は、ビークル900の幅又は直径に対して比較的大きいのが良い。推進剤の自由表面が前方領域961を下回って中間領域962中に入ると、推進剤の質量中心は、素心材が全体として一定の体積流量でタンク960から流れ出るので迅速に低下し、タンク半径は、長さと比例して減少する。これにより、下降中の安定性が得られる所望の場所まで質量中心がビークル900内の下の位置に移動する。したがって、質量中心は、上昇の後の段階中及び/又は下降中、迅速に低下することができる。
図9に示された実施形態の特定の観点では、燃料タンク960は、燃料がタンク960内でスロッシングする傾向を制限する特徴を有するのが良い。例えば、タンク960は、スロッシングを制御する(例えば、減少させる)ためにタンク960の内部領域内に内方に延びるバッフル964を有するのが良い。スロッシング周期数とスロッシング質量の両方は、タンク半径の非線形関数なので、タンク半径の減少の結果としてスロッシング質量の減少及びスロッシング周期数の増大が生じ、これらの両方により、ビークル制御安定性を維持するのに必要なスロッシング減衰度が減少する。推進剤の質量中心を低い充填フラクションに下降させることにより(スロッシングが、重要である場合)、推進剤の質量中心からビークルの質量中心までのモーメントのアーム長さは、短くなり、したがって、ビークル900に対するスロッシングの非安定化効果が減少する。タンク形状に起因して、推進剤の自由表面は、一定の流出量の間、非線形的に降下し、スロッシング振幅は、生じるのに幾分かの時間がかかる。特定の実施形態では、隣り合うスロッシングバッフル964相互間の間隔は、例えば上述の非線形性を考慮に入れるために前方領域961と後方領域963との間で様々であって良い。他の実施形態では、バッフルの間隔は、一定であるのが良い。後方領域963が極めて少量の推進剤を収容するので、バッフル964がこの領域で必要とされる可能性は低く、それにより、モールド設計及び製作を単純化することができる。
特定の実施形態では、タンク960は、成形プラスチックライナ及び/及びエポキシ上包み材料で作られるのが良い。ライナは、燃料と上包み材料の接触を阻止することができる。したがって、タンク960は、もしそうでなければ上包み材料と不適合の燃料(例えば、過酸化水素燃料)に使用可能である。他の実施形態では、タンク960は、他の燃料及び/又は他の成分を収容することができる。
上述の実施形態のいずれにおいても、伝統的な形式のバッフルをタンク960内に設置することが困難な場合がある。というのは、(少なくとも幾つかの実施形態においては)タンクライナが回転成形により一体品の状態に製作されているからである。したがって、一方式は、スロッシングバッフル964をライナの一部として成形することである。この作業に用いられるモールドは、バッフル964を形成し、モールドが開かれたときに外方に引き出されてタンク960を取り出すことができるようにする内方に延びるフランジを有するのが良い。この方式により、ライナの外側成形線に開口した中空キャビティ(例えば、隙間965)が生じる。これらキャビティ又は隙間965は、タンク内に突き出たバッフル964に幾分かの剛性を与えると共に黒煙/エポキシ上包み材料をフィラメント巻きする滑らかな外面を提供するよう低密度フォーム又は他の材料で満たされるのが良い。
図10は、ビークル900内に位置決めされていて、本発明の別の実施形態に従って配列されると共に構成されたバッフル964を備えた燃料タンク960の部分概略部分切除図である。この実施形態の一観点では、燃料タンク960は、予備成形されており(例えば、回転成形により)、バッフル964は、後で追加される。タンク960は、タンク960の内部への接近を可能にする1つ又は2つ以上のマンホールカバー970(頂部マンホール970a及び底部マンホールカバー970bとして示されている)を有するのが良い。カバー970は又、特定の実施形態では、適当な燃料入口及び/又は出口ポートを支持するのが良い。支持リング971(上側支持リング971a及び下側支持リング971bとして示されている)がタンク960の内部に位置決めされ、これら支持リングは、マンホールカバー970の近くに又はこれに直接取り付けられるのが良い。バッフル964は、上側支持リング971aと下側支持リング971bとの間に連結されると共にこれらによって支持されている。したがって、バッフル964は、支持リング971a,971b相互間に延びる軸方向バッフル要素972及び隣り合う軸方向バッフル要素972に連結されると共にこれら相互間に延びる横方向バッフル要素973を有するのが良い。軸方向バッフル要素972は、扁平なパネル形の形状のものであるのが良く、「グレープフルーツ」形のバッフルを形成するのが良い。特定の実施形態では、軸方向バッフル要素972は、上側支持リング971a及び下側支持リング971bにのみ連結されるのが良い。横方向バッフル要素973も又、扁平なパネル形の形をしているのが良く、これら横方向バッフル要素は、タンク960の内壁965内に位置決めされたリングを形成するよう配置されるのが良い。横方向バッフル要素973は、軸方向バッフル要素972のみ連結されるのが良い。したがって、バッフル要素972,973は、タンク960の内壁965に接触することなく、スロッシングを減少させ又は阻止することができる。軸方向バッフル要素972及び/又は横方向バッフル要素973には孔が設けられるのが良く、これらバッフル要素は、薄手の軽量材料(例えば、適当な金属)でつくられるのが良い。
特定の実施形態では、バッフル964は、上側マンホールカバー970aを開放し、オペレータをタンク960の内容積部内に下降させることによりタンク内に位置決めされるのが良い。オペレータは、バッフル960の要素(例えば、軸方向バッフル要素972及び横方向バッフル要素973)を受け取ってこれら要素を互いに且つ支持リング971a,971bに取り付けるのが良い。特定の実施形態では、軸方向バッフル要素972は、当初、多数のコンポーネント、例えば、下側コンポーネント972a、中間コンポーネント972b及び上側コンポーネント972cから成るのが良い。これらコンポーネント972a〜972cを別々にタンク960内に下降させてタンク内においてオペレータにより現場で組み立てられるのが良い。オペレータとタンク960の内壁965の接触を阻止するため、オペレータは、タンクの外部に設けられたガントリ又は他の構造体から吊り下げられたブランコ又は他の適当なプラットホームにより支持されるのが良い。タンク960への接近ポートのサイズに応じて、コンポーネント972a〜972cのうちの或る特定のものは、タンク960内への下降に先立ってあらかじめ取り付けられるのが良い。例えば、特定の実施形態では、下側コンポーネント972aと上側コンポーネント972bを互いに取り付けるのが良い。接近ポートが十分に大きい場合、軸方向バッフル要素972全体を一ユニットとしてタンク960内に下降させることができる。横方向バッフル要素973は、当初、セグメント化されても良く、例えば、個々のセグメントは、隣り合う軸方向バッフル要素973相互間で連結される。
上述の内容から理解されるように、本発明の特定の実施形態は、説明の目的のために本明細書において説明されたが、本発明は、他の実施形態をも含むことができる。例えば、展開可能な表面材140は、図示すると共に上述した形状及び/又は配置とは異なる形状及び/又は配置の花弁状部141を有しても良い。別の例では、燃料タンクの別の特徴を打ち上げビークルと一体化しても良い。例えば、打ち上げビークルの外面の少なくとも一部は、燃料タンクの外面により形成されても良い。特定の実施形態と関連して説明した本発明の或る幾つかの観点は、他の実施形態において組み合わされても良く省かれても良い。例えば、図9及び図10を参照して上述したテーパ付き燃料タンクは、開示したテーパ付き外側ビークル表面のうちの任意のものと組み合わせ可能であると共に/或いはテーパ付き外面は、上述の展開可能な減速表面材のうちの任意のものと組み合わせ可能である。さらに、或る特定の実施形態と関連した利点をこれら実施形態の関連で説明したが、他の実施形態も又、かかる利点を奏することができ、また、本発明の範囲に含まれる実施形態が全て、かかる利点を必然的に奏する必要はない。したがって、本発明は、本明細書において明示しておらず又は説明していない他の実施形態を含むことができる。

Claims (27)

  1. 航空宇宙システムであって、
    第1の端部及び全体として前記第1の端部と反対側の第2の端部を備えた垂直離着陸する打ち上げビークルを有し、前記打ち上げビークルは、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延びるビークル軸線に沿って細長く、
    前記打ち上げビークルにより支持された推進システムを有し、前記推進システムは、前記打ち上げビークルを打ち上げるよう前記打ち上げビークルの前記第1の端部寄りに位置決めされた少なくとも1つのノズルを有し、
    前記打ち上げビークルにより支持されている展開可能且つ収納可能な外方に向いた表面材を有し、前記展開可能な表面材は、収納位置と展開位置との間で前記打ち上げビークルに対して動くことができ、前記展開可能な表面材は、収納時に、全体として前記ビークル軸線に垂直な第1のビークル断面積部及び展開時に全体として前記ビークル軸線に垂直な第2のビークル断面積部を生じさせるよう構成され、前記第2の断面積部は、前記ビークルの前記第1の端部よりも前記ビークルの前記第2の端部に近く、前記第2の断面積部の断面積は、前記第1の断面積部の断面積よりも大きく且つ前記第1の端部と前記第2の断面積部の間に位置した全体として前記ビークル軸線に垂直な全ての断面積より大きく、
    前記打ち上げビークルにより支持されていて、実行された場合に、ビークル上昇中、前記展開可能な表面材を収納し、ビークル下降中、前記展開可能な表面材を展開するような指示がプログラミングされた制御装置を有する、航空宇宙システム。
  2. ビークル上昇とビークル下降との間の変化を表す信号をもたらすよう前記制御装置に作動的に結合されたセンサを更に有する、請求項1記載の航空宇宙システム。
  3. 前記展開可能な表面材は、多数の展開可能なパネルを含み、隣り合うパネルは、互いに異なる周方向の場所を有する、請求項1記載の航空宇宙システム。
  4. 前記隣り合うパネルは、互いにオーバーラップしている、請求項3記載の航空宇宙システム。
  5. 前記展開可能な表面材は、前記打ち上げビークルに対して回動可能に動くことができる、請求項1記載の航空宇宙システム。
  6. 前記展開可能な表面材は、全体として空気力学的にシールされている、請求項1記載の航空宇宙システム。
  7. 前記展開可能表面は、空気が前記展開可能な表面材を流通することができるよう位置決めされた空気通路を有する、請求項1記載の航空宇宙システム。
  8. 前記展開可能な表面材は、羽根を含む、請求項1記載の航空宇宙システム。
  9. 前記展開可能な表面材は、フレアを含む、請求項1記載の航空宇宙システム。
  10. 前記展開可能な表面材は、多数の要素を含み、前記制御装置には、個々の要素を別の個々の要素とは別個独立に動かす命令がプログラムされている、請求項1記載の航空宇宙システム。
  11. 前記展開可能な表面材は、第2の展開可能な表面材であり、前記打ち上げビークルは、前記打ち上げビークルの前記第1の端部寄りに位置決めされた第1の展開可能な表面材を含み、前記制御装置には前記第1及び前記第2の展開可能な表面材の運動を別個独立に制御する命令がプログラムされている、請求項1記載の航空宇宙システム。
  12. 前記互いにオーバーラップしている隣り合うパネルは、多数の外側パネル及び多数の内側パネルを含み、個々の内側パネルは、隣接する外側パネルの間且つ半径方向内方に位置している請求項4記載の航空宇宙システム。
  13. 航空宇宙システムであって、
    第1の端部及び全体として前記第1の端部と反対側の第2の端部を備えた垂直離着陸する打ち上げビークルを有し、前記打ち上げビークルは、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延びるビークル軸線に沿って細長く、
    前記打ち上げビークルにより支持されている外方に向いた少なくとも1つの露出表面材を有し、前記露出表面材は、前記打ち上げビークルの前記第1の端部寄りに前記ビークル軸線に沿った単位長さ当たりの第1の露出表面面積を生じさせるよう位置決めされ又は位置決め可能な第1の領域を有し、前記露出表面材は、前記打ち上げビークルの前記第2の端部寄りに前記ビークル軸線に沿った単位長さ当たりの第2の露出表面面積を生じさせるよう位置決めされ又は位置決め可能な第2の領域を有し、前記単位長さ当たりの第2の露出表面面積は、前記単位長さ当たりの第1の露出表面面積より大きく且つ前記第1の端部と前記単位長さ当たりの第2の露出表面面積との間に位置した単位長さ当たりのいずれの露出表面面積よりも大きく、
    前記第2の領域は、収納位置と展開位置との間で前記ビークル軸線に対して動くことができ、前記露出表面材の前記第2の領域は、前記展開位置にあるとき、前記単位長さ当たりの第2の露出表面面積を生じさせるよう構成され、前記第2の領域は、ビークル飛行の上昇段階の間、収納位置にあり、ビークル飛行の下降段階の間、展開位置にあり、
    前記打ち上げビークルにより支持された推進システムを有し、前記推進システムは、前記打ち上げビークルを打ち上げるよう前記打ち上げビークルの前記第1の端部寄りに位置決めされた少なくとも1つのノズルを有する、航空宇宙システム。
  14. 前記単位長さ当たりの第1の露出表面面積は、前記第1の端部寄りの前記露出表面材の単位長さ当たりの最大露出表面面積であり、前記単位長さ当たりの第2の露出表面面積は、前記第2の端部寄りの前記露出表面材の単位長さ当たりの最大露出表面面積である請求項13記載の航空宇宙システム。
  15. ビークル上昇とビークル下降との間の変化を表す信号をもたらすよう前記制御装置に作動的に結合されたセンサを更に有する、請求項13記載の航空宇宙システム。
  16. 前記第2の領域は、多数の展開可能なパネルを含み、隣り合うパネルは、互いに異なる周方向の場所を有する、請求項13記載の航空宇宙システム。
  17. 前記隣り合うパネルは、互いにオーバーラップしている、請求項16記載の航空宇宙システム。
  18. 前記互いにオーバーラップしている隣り合うパネルは、多数の外側パネル及び多数の内側パネルを含み、個々の内側パネルは、隣接する外側パネルの間且つ半径方向内方に位置している請求項17記載の航空宇宙システム。
  19. 前記第2の領域は、前記打ち上げビークルに対して回動可能に動くことができる、請求項13記載の航空宇宙システム。
  20. 前記第2の領域は、全体として空気力学的にシールされている、請求項13記載の航空宇宙システム。
  21. 前記第2の領域は、空気が前記展開可能な表面材を流通することができるよう位置決めされた空気通路を有する、請求項13記載の航空宇宙システム。
  22. 前記第2の領域は、羽根を含む、請求項13記載の航空宇宙システム。
  23. 前記第2の領域は、フレアを含む、請求項13記載の航空宇宙システム。
  24. 前記展開可能な表面材は、多数の要素を含み、前記制御装置には、個々の要素を別の個々の要素とは別個独立に動かす命令がプログラムされている、請求項13記載の航空宇宙システム。
  25. 前記第2の領域は、第2の展開可能な表面材を含み、前記打ち上げビークルは、前記打ち上げビークルの前記第1の端部寄りに位置決めされた第1の展開可能な表面材を含み、前記制御装置には前記第1及び前記第2の展開可能な表面材の運動を別個独立に制御する命令がプログラムされている、請求項13記載の航空宇宙システム。
  26. 前記制御装置は、実行された場合に、下降中、前記展開可能な表面材の位置を変更する指示がプログラミングされている、請求項1記載の航空宇宙システム。
  27. 前記転回可能な表面材は、複数の展開可能なパネルを含み、隣接するパネルは、異なる周方向位置を有し、前記制御装置は、実行された場合に、それぞれのパネルを、異なる量、異なる速度、及び/又は異なる方向に動かす指示がプログラミングされている、請求項1記載の航空宇宙システム。
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