JP5414044B2 - スリーブホルダーおよびスリーブホルダーを用いた貫通孔の施工方法 - Google Patents

スリーブホルダーおよびスリーブホルダーを用いた貫通孔の施工方法 Download PDF

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Description

この発明は、建築工事などにおいて、コンクリート打設の際に梁や壁の型枠内に配管や配線のためのスリーブを固定するスリーブホルダーおよびスリーブホルダーを用いた貫通孔の施工方法に関するものである。
一般に、鉄筋コンクリートからなる建物の梁(基礎梁を含む)や壁には、水道、ガス、空気などの配管や電気配線を通すための貫通孔が形成される。この貫通孔は、通常、梁や壁の型枠内の所定位置に予め紙管や塩化ビニル管などのプラスチック管からなるスリーブを取り付けておき、そこにコンクリートを打設して形成される。この際、スリーブは、コンクリート打設時にコンクリートの重量や浮力によって移動しないように型枠内に確実に固定される必要がある。
このため、特許文献1,2に示されるように、型枠内の鉄筋に装着可能な断面C字状のクリップ部と、鉄筋およびクリップ部に対してスリーブを直交するほぼ水平方向に保持する略C字状のスリーブ保持部と、これらのクリップ部とスリーブ保持部とを所定の間隔をおいて連結するアーム部とを備えた樹脂製のスリーブホルダーが提案されている。これにより、スリーブホルダーのクリップ部を型枠内の鉄筋に装着するとともに、スリーブ保持部にスリーブを取り付けることにより、スリーブホルダーを利用してスリーブを型枠内に固定することができる。その後、型枠内にコンクリートを打設してスリーブおよびスリーブホルダーを埋設することにより、コンクリートの厚み方向に水平な貫通孔を形成することができる。
一方、鉄筋コンクリートからなる建物の梁や壁にスリーブをその軸線が水平面に対して傾斜した状態で配設しなければならない場合も存在する。例えば、図17に示すように、基礎を構築する際、床をコンクリートで覆うべた基礎K1が採用されるようになってきており、この結果、床がべた基礎K1の厚み分上昇し、排水配管を屋外側の地下に埋設された排水桝に導くためには、室内側から屋外側に向けて前下りに傾斜したスリーブSによる貫通孔を基礎梁Kの厚み方向に形成する必要がある。
この際、鉄筋に対してスリーブを直交する水平方向に保持する前述したスリーブホルダーを使用することはできず、軸心が水平面に対して設定角度傾斜した状態でスリーブを基礎梁の鉄筋などに針金を利用して固定するようにしている。
特許第3692019号公報 特許第4041866号公報
ところで、基礎梁などに形成される貫通孔は、鉄筋コンクリートの厚み方向中心における軸心の高さを基準として設定される。ここで、鉄筋に針金を利用してスリーブを取り付けた場合、コンクリートの厚み方向中心におけるスリーブの軸心の高さを正確に把握することはきわめて困難である。このため、設計通りにスリーブが配置されているかを確認することができず、また、スリーブと鉄筋との間にコンクリートの十分なかぶり厚みを確保することができないおそれがある。
また、スリーブの傾斜角度は、予め切断された開口端面の傾斜角度に依存することから、正確さが要求されるが、型枠の位置決め精度に誤差が発生する可能性が大きく、他端を現場で切断する必要がある。このため、スリーブの位置決め精度が低下するとともに、針金を利用してスリーブを鉄筋に取り付けることと相俟って現場作業が煩雑になるばかりでなく、針金を固定するために新たな鉄筋が必要になるなどの問題があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、鉄筋に対して設定された角度傾斜してスリーブを型枠内に簡単に取り付けることのできるスリーブホルダーを提供するとともに、型枠内にスリーブを簡単に取り付けて傾斜した貫通孔を効率よく形成することのできるスリーブホルダーを用いた貫通孔の施工方法を提供するものである。
本発明のスリーブホルダーは、鉄筋コンクリートからなる建物の梁や壁の厚み方向に傾斜した貫通孔を形成するためのスリーブを固定するスリーブホルダーであって、柔軟性を有する合成樹脂からなり、鉄筋に装着可能なクリップ部と、クリップ部の側方に連設されたアーム部と、このアーム部に連設され、スリーブを保持するスリーブ保持部とを備え、前記スリーブ保持部の軸心がクリップ部側から見てクリップ部の軸心に対して0°を超えて180°未満の設定された角度傾斜するとともに、クリップ部の上下一方の端面が基準面に設定され、この基準面において、クリップ部側より見てクリップ部の軸心およびスリーブ保持部の軸心が交わることことを特徴とするものである。
本発明によれば、柔軟性を有する合成樹脂によって形成されることにより、クリップ部を鉄筋の任意の位置に取り付けることができるとともに、スリーブをスリーブ保持部に簡単に取り付けることができる。この際、クリップ部の軸心に対してスリーブ保持部の軸心が設定された角度傾斜することにより、鉄筋に対してスリーブを設定された角度傾斜して取り付けることができる。また、クリップ部とスリーブ保持部とがアーム部を介して連設されているので、アーム部の長さ分鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚みを確保することができる。また、クリップ部の基準面とクリップ部の軸心との交点にスリーブ保持部の軸心が位置することから、クリップ部の基準面までの高さを測定することにより、クリップ部が装着された鉄筋の軸心上におけるスリーブ保持部に取り付けられたスリーブの軸心の高さを把握することができ、設定されたスリーブの位置決め精度を確保することができる。
この結果、鉄筋に対して設定された角度傾斜してスリーブを型枠内に簡単に取り付けることができる。
ここで、クリップ部の断面形状としては特に限定されず、略C字状、四角状、菱形状などであってもよい。
また、アーム部の断面形状としては特に限定されず、十字状、コ字状、半円状、T字状、V字状、L字状、O字状、Y字状、I字状、H字状、M字状、Z字状、U字状、S字状などであってもよく、任意の形状を選択し得る。
さらに、スリーブ保持部の形状としては特に限定されず、C字状、四角状、菱形状、半円状などであってもよい。
本発明において、前記スリーブ保持部がスリーブを嵌め込んで保持する開口を有する本体部で形成され、この本体部の外周面にアーム部の先端が連設されることが好ましい。これにより、スリーブ保持部をアーム部の断面形状およびクリップ部に対するスリーブ保持部の傾斜角度に関係なくアーム部に連設することができる。
ここで、スリーブ保持部の本体部の断面面形状としては、板状の他、U字状、O字状、方形状、三角形状、M字状などを採用することができる。この場合、必要であれば、本体部の、アーム部を連設する対応位置に平坦部を形成してアーム部の先端を連設すればよい。
本発明において、前記スリーブ保持部がスリーブを嵌め込んで保持する開口を有する板状の本体部と、本体部の外周面に形成された縦補強リブとから形成され、本体部の外周面に直接または外周面に形成されたボスにアーム部の先端が連設されることが好ましい。これにより、スリーブ保持部をアーム部の断面形状およびクリップ部に対するスリーブ保持部の傾斜角度に関係なくアーム部に連設することができる。
ここで、縦補強リブの断面形状としては特に限定されず、I字状、十字状、T字状、Y字状、Z字状、S字状、半円状などであってもよく、任意の形状を選択し得る。
本体部において、前記スリーブ保持部がスリーブを嵌め込んで保持する開口を有する板状の本体部と、本体部の外周面に形成された縦補強リブと、本体部の開口とほぼ直径方向に対向する外周面に縦補強リブと直交して形成された横補強リブとから形成され、これらの縦補強リブおよび横補強リブの各基端にアーム部の先端に設けられた接続部が連設されることが好ましい。これにより、スリーブ保持部の補強リブをアーム部の断面形状およびクリップ部に対するスリーブ保持部の傾斜角度に関係なくアーム部の接続部に容易に連設することができる。
ここで、縦補強リブの断面形状としては特に限定されず、I字状、十字状、T字状、Y字状、Z字状、S字状、半円状などであってもよく、任意の形状を選択し得る。
本発明において、前記クリップ部およびスリーブ保持部、もしくは、クリップ部またはスリーブ保持部に、結束部材の結束および結束の固定部が開口を挟んでそれぞれ設けられることが好ましい。これにより、クリップ部を鉄筋に装着した際に結束をその固定部に挿通してクリップ部を開口間隔が狭まるように締め付けることができ、鉄筋に対するクリップ部の保持力を高めることができる。また、スリーブ保持部にスリーブを取り付けた際に結束をその固定部に挿通してスリーブ保持部を開口間隔が狭まるように締め付けることができ、スリーブに対するスリーブ保持部の保持力を高めることができる。
ここで、結束部材としては、クリップ部とスリーブ保持部を締め付けることができるならば限定されず、また、その個数も1個に限らず複数個であってもよい。
本発明において、前記アーム部に対してスリーブ保持部が水平軸回りの回転角度位置を変えて着脱自在に連結されることが好ましい。これにより、クリップ部の軸心に対してスリーブ保持部の軸心が水平軸回りに任意の角度傾斜してアーム部にスリーブ保持部を連結することができることから、鉄筋に対してスリーブを任意の角度傾斜して取り付けることができる。
ここで、アーム部とスリーブ保持部とを水平軸回りの回転角度を変えて連結する手段としては、例えば、スプライン軸やセレーションなどの凸部を形成した軸部と凹部を形成したボス部、あるいは、雄ねじと雌ねじを利用したねじ結合を挙げることができる。
本発明のスリーブホルダーを用いた貫通孔の施工方法は、鉄筋コンクリートからなる建物の梁や壁の型枠内に配筋された鉄筋に請求項1乃至のいずれか一つに記載のスリーブホルダーのクリップ部を装着し、このスリーブホルダーのスリーブ保持部に予めスリーブの傾斜角度に対応して両端が切断されたスリーブを取り付けた後、スリーブの各開口端面に内面を当接させて型枠を固定し、型枠内にコンクリートを打設してスリーブおよびスリーブホルダーをコンクリート内に埋設してコンクリートの厚み方向に傾斜した貫通孔を形成することを特徴とするものである。
本発明によれば、鉄筋コンクリートからなる建物の梁や壁の厚み方向に傾斜した貫通孔を形成する際、スリーブを設定された傾斜角度に簡単に取り付けて貫通孔を効率よく形成することができる。
本発明のスリーブホルダによれば、鉄筋に対して設定された角度傾斜したスリーブを型枠内に簡単に取り付けることができる。
また、本発明のスリーブホルダーを用いた貫通孔の施工方法によれば、型枠内にスリーブを簡単に取り付けて傾斜した貫通孔を効率よく形成することができる。
本発明のスリーブホルダーの一実施形態をスリーブおよび鉄筋とともに示す斜視図である。 図1のスリーブホルダーの正面図である。 図1のスリーブホルダーの側面図である。 図1のスリーブホルダーの平面図である。 本発明のスリーブホルダーの変形例を示す斜視図である。 本発明のスリーブホルダーの他の変形例を分解して示す斜視図である。 本発明のスリーブホルダーのもう一つの変形例を示す正面図およびA部拡大断面図である。 本発明のスリーブホルダーのクリップ部の変形例を示す斜視図である。 本発明のスリーブホルダーのクリップ部の他の変形例を示す斜視図である。 本発明のスリーブホルダーのアーム部の変形例を一部省略して示す斜視図である。 本発明のスリーブホルダーのスリーブ保持部の変形例を示す正面図である。 本発明のスリーブホルダーのスリーブ保持部の他の変形例を示す正面図である。 本発明のスリーブホルダーのスリーブ保持部のもう一つの変形例を示す正面図である。 本発明のスリーブホルダーのスリーブ保持部とアーム部とを連設する態様を一部省略して示す斜視図である。 本発明のスリーブホルダーのスリーブ保持部における本体部の変形例を一部省略して示す斜視図である。 本発明のスリーブホルダーのスリーブ保持部における縦補強リブの変形例を一部省略して示す斜視図である。 傾斜したスリーブによる貫通孔を基礎梁に形成した基礎の断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1乃至図4には、本発明のスリーブホルダー1の一実施形態が示されている。
このスリーブホルダー1は、クリップ部2と、クリップ部2の側方に連設されたアーム部3と、アーム部3の先端に連設されたスリーブ保持部4とから構成され、ポリプロピレンなどの適度の柔軟性を有する熱可塑性樹脂を射出成形して形成される。
クリップ部2は、円管の一部を開口した断面略C字状に形成され、その内径が嵌め込まれる鉄筋Rの外径よりも若干小さく設定されている。そして、クリップ部2は、その相対する開口端縁に鉄筋Rに容易に嵌め込むことができるように互いに外方に向けて折り返されたガイド部2aを有している。
アーム部3は、断面十字状の水平部31および垂直部32と、それらの先端に一体に連設された円盤状の接続部33とからなり、水平部31および垂直部32の基端がクリップ部2の開口とほぼ直径方向に対向する外周面に一体に連設されている。そして、アーム部3における垂直部32の基端側上下各端部には、針金などの結束具を差し込むための切欠部32aが形成されており、切欠部32aに結束具を差し込んでクリップ部2の周囲に巻き付けることにより、鉄筋Rに対するクリップ部2の保持力を高めることができる。
スリーブ保持部4は、短い円管の一部を開口した略C字状に形成され、その基端がアーム部3の接続部33に一体に連設されている。すなわち、スリーブ保持部4は、断面略C字状に形成されるとともに、相対する開口端縁にスリーブRに容易に嵌め込むことができるように互いに外方に向けて折り返されたガイド部41aが形成された本体部41と、本体部41の外周面にガイド部41aを除いて一体に形成された縦補強リブ42と、本体部41の開口とほぼ直径方向に対向する外周面に一体に連設された横補強リブ43とからなり、縦補強リブ42および横補強リブ43の各基端がアーム部3の接続部33に一体に連設されている。そして、スリーブ保持部4の本体部41の内径は、保持されるスリーブSの外径よりも若干小さく設定され、適度な柔軟性をもって拡径するようになっている。
ここで、スリーブ保持部4の軸心C4は、クリップ部2の軸心C2に対して設定角度(実施形態においては、45°)傾斜するように設定されている。具体的には、クリップ部2の一端面(図1乃至図3において上端面)が基準面に設定されており、クリップ部2の上端面を含む水平面P2と、スリーブ保持部4の本体部41の一方の端面を含む平面P4が互いに45°傾斜するように設定されており、それらの平面P2,P4が交わる辺上において、クリップ部2の軸心C2とスリーブ保持部4の軸心C4が位置するように設定されている。つまり、クリップ部2の軸心C2と、スリーブ保持部4の軸心C4とは、クリップ部2から見て、すなわち、図に示す側面図において、45°の角度をおいて交わり、その交点は、クリップ部2の基準面である上端面を含む水平面P2およびスリーブ保持部4の本体部41の一方の端面を含む平面P4とが交わる辺上に位置するようになっている。
なお、スリーブホルダー1の基準面としては、クリップ部2の外周面にエンボス加工などによって矢印などのマーキング2x(図2参照)が付されており、このマーキング2xによってそれが指し示す側が基準面であることを把握することができる。
したがって、クリップ部2の基準面とその軸心C2との交点上にスリーブ保持部4の軸心C4が位置することを把握することができ、鉄筋Rにスリーブホルダー1を取り付けた際、クリップ部2の基準面までの高さを測定することにより、その高さ上にスリーブ保持部4の軸心C4、すなわち、スリーブSの軸心が位置していることを把握することができる。これにより、図示しない型枠内の設定位置にスリーブSが設置されているか否かを把握して設定位置に調整することができ、スリーブSを鉄筋Rに対して位置決め精度を確保して取り付けることができる。
また、スリーブ保持部4の縦補強リブ42および横補強リブ43の各基端をアーム部3の接続部33に連設することから、アーム部3の水平部31および垂直部32とは無関係に補強リブ42,43を任意の角度傾斜させてアーム部3に一体に連設することができる。
次に、このように構成されたスリーブホルダー1を用いてスリーブSを型枠に取り付ける手順について説明する。
まず、梁や壁の配筋を組み上げ、型枠パネルをまだ建て込んでいない状態、または、相対する型枠パネルの片側のみを建て込んだ状態で、一の鉄筋Rにスリーブホルダー1のクリップ部2を装着するとともに、スリーブ保持部4にスリーブSを嵌め込んで、スリーブSの位置決めを行う。
すなわち、スリーブホルダー1の基準面におけるクリップ部2の軸心C2上にスリーブ保持部4に保持されたスリーブSの軸心が位置することから、スリーブホルダー1の基準面であるクリップ部2の上端面までの高さを測定し、コンクリートの厚み方向中間におけるスリーブSの軸心が設計通りに位置しているかを把握する。そして、必要ならば、スリーブホルダー1の取付位置を鉄筋に沿って上下方向に移動させ、基準面の高さを調整して設計位置に位置決めする。
なお、スリーブSの両端は、軸心に対して設定角度(この実施形態においては45°)傾斜して予め工場などにおいて切断されており、それらの傾斜した両端面間の間隔は、コンクリートの厚み(相対する型枠パネルの間隔)に設定されている。これにより、スリーブSの精度は確保されている。
次いで、保持されたスリーブSの傾斜した両開口端に相対する型枠パネルをそれぞれ当接させて、フォームタイなどの支保材により型枠を締め付け、固定する。そして、この型枠内にコンクリートを打設して、スリーブS及びスリーブホルダー1をコンクリート内に埋設固定する。コンクリートの硬化を待って脱型すれば、スリーブSによって傾斜した貫通孔が形成される。
このように、本発明のスリーブホルダー1を利用することにより、特に工具を使用する必要もなく、きわめて簡単に、かつ、設定された傾斜角度でスリーブSを取り付けて貫通孔を形成することができる。
ところで、図5には、本発明のスリーブホルダー1の一実施形態の変形例が示されている。
このスリーブホルダー1は、クリップ部2の相対向するガイド部aを挟んで結束部材5の結束体51およびその固定部52をそれぞれクリップ部2に一体に設けるとともに、スリーブ保持部4における本体部41の相対向するガイド部41aを挟んで結束部材5の結束体51およびその固定部52をそれぞれスリーブ保持部4に一体に設けて構成されている。これにより、例えば、対応する径よりも若干大きな径の鉄筋Rにクリップ部2を装着する際において結束体51を固定部52に挿入し、締め付けて固定すれば、鉄筋Rに対するクリップ部2の保持力を高めることができる。同様に、対応する径よりも若干大きな径のスリーブSをスリーブ保持部4に取り付ける際において結束体51を固定部52に挿入し、締め付けて固定すれば、スリーブSに対するスリーブ保持部4の保持力を高めることができる。
なお、結束部材5の種類は限定されず、例えば、長手方向に間隔をおいて多数の歯を形成した結束バンドと、結束バンドの歯と係合可能な係止爪を回動自在に設けた固定部からなる結束部材や、長手方向に間隔をおいて多数のこぶを設けた結束紐と、結束紐のこぶを弾性変形させて通過を許容し、戻りを阻止する爪を設けた固定部からなる結束部材などを挙げることができる。
また、クリップ部2あるいはスリーブ保持部4に設ける結束部材5の数としては、1個に限らず複数個設けることもできる。
さらに、図6には、本発明のスリーブホルダー1のもう一つの変形例が示されている。
このスリーブホルダー1は、アーム部3とスリーブ保持部4とが水平軸回りに任意の角度回転した位置で着脱自在に連結できるように構成したものである。
具体的には、アーム部3の先端部にボス部34を設ける一方、スリーブ保持部4の基端部に軸部44を設けて構成されている。そして、ボス部34には、内周面に周方向に間隔をおいて歯状や山状の複数個の溝(凹部)341が形成され、また、軸部44には、外周面に周方向に間隔をおいてボス部34の歯状や山状の溝(凹部)341に嵌合可能な歯状や山状の複数個の溝(凸部)441が形成されており、これらのボス部34の溝341と軸部44の溝441とは水平軸回りの任意の回転角度で嵌合することができる。これにより、周方向に形成した隣接する溝部341(441)間のなす角度ずつボス部34に対する軸部44の回動角度を変えることができる。例えば、周方向に24個の溝部341,441を形成することにより、ボス部34、すなわち、アーム部3を介してクリップ部2に対して、軸部44、すなわち、スリーブ保持部4のなす角度を15°刻みで変更することができる。
なお、アーム部3のボス部34には一対の係止爪35が設けられるとともに、スリーブ保持部4には一対の係止爪35と係脱自在なフランジ45が設けられており、軸部44をボス部34に嵌合させた際、アーム部3の係止爪35をスリーブ保持部4のフランジ45に係止させて、アーム部3に対するスリーブ保持部4の抜け出しを防止することができる。
また、ボス部34の外周面には、基準位置からの回転角度が記されており、スリーブ保持部4のフランジ部45に記された基準点45xを任意の角度位置に合わせることにより、クリップ部2に対してスリーブ保持部4を基準点45xが位置する角度だけ傾斜させることができる。
この場合、ボス部をスリーブ保持部4に、軸部をアーム部3にそれぞれ設けてもよく、また、ボス部34および軸部44としては、詳細には図示しないが、外周面に周方向に多数の歯を形成した円盤と、円盤の歯と嵌合可能な複数個の爪を形成した円盤とを接合させ、水平軸回りに回転させて、歯に対する爪の係合位置を変えることで回転角度を変更するようにしてもよい。
また、ボス部34および軸部44に代えて、雄ねじと雌ねじとのねじ結合によってアーム部3に対してスリーブ保持部4を設定された傾斜角度に形成することもできる。例えば、図7に示すように、アーム部3に雌ねじ部36を設ける一方、スリーブ保持部4に雄ねじ部46を設けるとともに、雄ねじ部46にナット47をねじ込み、スリーブ保持部4の雄ねじ部46をアーム部3の雌ねじ部36にねじ込み、任意のねじ込み位置において、ナット47を雌ねじ部36に向けて締め付けることにより、ダブルナットの作用によってそのねじ込み位置にスリーブ保持部4を固定するようにしてもよい。
このような雄ねじと雌ねじによるねじ結合を利用した場合、角度を無段階に調整できる利点がある。
なお、図1および図5に示した実施形態においては、スリーブ保持部4をクリップ部2に対して45°傾斜したスリーブホルダー1を例示したが、45°に限るものではなく、0°を超え180°未満であれば任意の角度に設定し得る。例えば、5°〜175°の範囲内において、クリップ部2に対して5°刻み、あるいは、10°刻みの角度に傾斜したスリーブ保持部4を用意しておくこともできる。
ところで、前述した実施形態においては、断面円形の鉄筋Rに対応してクリップ部2を断面略C字状に形成する一方、アーム部3を断面十字状に形成し、断面円管状のスリーブSに対応してスリーブ保持部4を略C字状に形成した場合を例示したが、このような形状に限定するものではなく、任意の形状に形成することができる。
例えば、クリップ部2を断面四角状(図8参照)や断面菱形状(図9参照)に形成してもよく、また、アーム部3の断面形状を図10(a)〜(o)に示すように、コ字状、半円状、T字状、V字状、L字状、O字状、Y字状、I字状、H字状、M字状、Z字状、U字状、S字状、I字組み合わせ状、T字組み合わせ状などに形成してもよい。この場合のアーム部3の断面形状としては、これらの断面形状を回転させたり、反転させたものであってもよく、さらには、これらの断面形状を組み合わせたものであってもよい。
また、スリーブ保持部4を四角状(図11参照)、菱形状(図12参照)、半円状(図13参照)に形成してもよい。
さらに、アーム部3としては、接続部33を必ずしも設ける必要はなく、直接スリーブ保持部4に連設するようにしてもよい。例えば、スリーブ保持部4の、アーム部3を連設する対応位置に円形や方形のボス44を形成して(図14(a)、(b)参照)、あるいは、アーム部3を連設する対応位置の本体部41に肉厚部411を形成して(図14(c)参照)アーム部3の先端を連設すればよい。また、図14(d)に示すように、アーム部3を連設する対応位置の縦補強リブ42および横補強リブ43を除去し、本体部41の外周面に直接アーム部3の先端を連設してもよい。
また、スリーブ保持部4の本体部41の断面形状も、板状以外に、図15(a)〜(e)に示すように、半円状、M字状、三角形状、円状、四角状、U字状などに形成して補強リブを省略することもできる他、縦補強リブ42としても、断面I字状以外に、図16(a)〜(c)に示すように、T字状、Y字状、Z字状、半円状などを採用することもできる。
1 スリーブホルダー
2 クリップ部
3 アーム部
33 接続部
4 スリーブ保持部
41 本体部
42,43 補強リブ
44 ボス
Cr 鉄筋の軸心
Cs スリーブの軸心
R 鉄筋
S スリーブ

Claims (7)

  1. 鉄筋コンクリートからなる建物の梁や壁の厚み方向に傾斜した貫通孔を形成するためのスリーブを固定するスリーブホルダーであって、柔軟性を有する合成樹脂からなり、鉄筋に装着可能なクリップ部と、クリップ部の側方に連設されたアーム部と、このアーム部に連設され、スリーブを保持するスリーブ保持部とを備え、前記スリーブ保持部の軸心がクリップ部側から見てクリップ部の軸心に対して0°を超えて180°未満の設定された角度傾斜するとともに、クリップ部の上下一方の端面が基準面に設定され、この基準面において、クリップ部側より見てクリップ部の軸心およびスリーブ保持部の軸心が交わることことを特徴とするスリーブホルダー。
  2. 請求項1に記載のスリーブホルダーにおいて、前記スリーブ保持部がスリーブを嵌め込んで保持する開口を有する本体部で形成され、この本体部の外周面にアーム部の先端が連設されることを特徴とするスリーブホルダー。
  3. 請求項1に記載のスリーブホルダーにおいて、前記スリーブ保持部がスリーブを嵌め込んで保持する開口を有する板状の本体部と、本体部の外周面に形成された縦補強リブとから形成され、本体部の外周面に直接または外周面に形成されたボスにアーム部の先端が連設されることを特徴とするスリーブホルダー。
  4. 請求項1に記載のスリーブホルダーにおいて、前記スリーブ保持部がスリーブを嵌め込んで保持する開口を有する板状の本体部と、本体部の外周面に形成された縦補強リブと、本体部の開口とほぼ直径方向に対向する外周面に縦補強リブと直交して形成された横補強リブとから形成され、これらの縦補強リブおよび横補強リブの各基端にアーム部の先端に設けられた接続部が連設されることを特徴とするスリーブホルダー。
  5. 請求項1乃至のいずれか一つに記載のスリーブホルダーにおいて、前記クリップ部およびスリーブ保持部、もしくは、クリップ部またはスリーブ保持部に、結束部材の結束および結束の固定部が開口を挟んでそれぞれ設けられることを特徴とするスリーブホルダー。
  6. 請求項1乃至のいずれか一つに記載のスリーブホルダーにおいて、前記アーム部に対してスリーブ保持部が水平軸回りの回転角度位置を変えて着脱自在に連結されることを特徴とするスリーブホルダー。
  7. 鉄筋コンクリートからなる建物の梁や壁の型枠内に配筋された鉄筋に請求項1乃至のいずれか一つに記載のスリーブホルダーのクリップ部を装着し、このスリーブホルダーのスリーブ保持部に予めスリーブの傾斜角度に対応して両端が切断されたスリーブを取り付けた後、スリーブの各開口端面に内面を当接させて型枠を固定し、型枠内にコンクリートを打設してスリーブおよびスリーブホルダーをコンクリート内に埋設してコンクリートの厚み方向に傾斜した貫通孔を形成することを特徴とするスリーブホルダーを用いた貫通孔の施工方法。
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