以下に本発明の実施形態の例について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の概略機能構成例を示す。図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、原稿画像サイズ取得部11、媒体サイズ取得部12、配置可能画像数算出部13、余白サイズ算出部14、付加余白サイズ算出部15、画像形成部16、を備えている。また、図1には示していないが、操作部を備えていてもよい。尚、本実施形態では、画像形成装置として複写機などの機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではない。例えば、孔版印刷機等の製版原紙に画像を形成する画像形成装置にも適用することができる。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置1の操作部が含有する表示部に表示される印刷設定画面例を示す。また、図3は、本実施形態に係る画像形成装置1の操作部が含有する表示部に表示されるカスタムリピート設定画面例を示す。
尚、本実施形態では、原稿画像サイズ取得部11等を画像形成装置が備える例を挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、画像形成装置とネットワークを介して接続されたPC(Personal Computer)等の情報処理端末が上記原稿画像サイズ取得部11等を備えるようにし、情報処理端末側で画像形成を行い、形成した画像情報を画像形成装置に送信して出力させるようにしてもよい。また、図2及び図3に示す表示画面例をPC等の表示部に表示し、PCを介して印刷設定等を受け付けるようにすることができる。
原稿画像サイズ取得部11は、印刷要求された原稿画像のサイズを取得する。例えば、原稿画像サイズ取得部11は、図示しない画像読取部に原稿画像のサイズ情報を読取らせ、読取ったサイズ情報から原稿画像のサイズを取得することができる。媒体サイズ取得部12は、原稿画像を出力する用紙等の媒体のサイズを取得する。
配置可能画像数算出部13は、原稿画像のサイズ及び媒体のサイズ等に基づいて、例えば、用紙等の媒体搬送方向及びその垂直方向に配置可能な原稿画像の数を算出し、取得する。余白サイズ算出部14は、用紙などの媒体に原稿画像を縦横方向に繰り返し配置して画像形成を行った際の、つまり原稿多面連写印刷を行った際に発生する余白のサイズを算出し、取得する。付加余白サイズ算出部15は、繰り返し配置された各原稿画像に付加する余白のサイズを算出し、取得する。尚、本実施形態では、上記各部が数値算出を行う機能を有する例を挙げて説明するが、これに限定されるものではなく、上述したような数値算出を制御部等に行わせるようにしてもよい。
画像形成部16は、媒体に配置可能な原稿画像数、原稿画像のサイズ、余白サイズ及び付加余白サイズ等に基づいて、原稿画像の少なくとも1面に余白を付加した新たな原稿画像を繰り返し配置して画像形成を行う。操作部は、ユーザからの入力を受け付ける操作パネルやユーザに情報を表示する表示部等を備えている。尚、操作部は操作パネルと表示部の機能を兼ね備えたタッチパネルを備える構成としてもよい。また、上述したように取得した各情報を記憶する記憶部を備えるようにしてもよい。
ここで、原稿画像サイズ取得部11は、原稿画像サイズをユーザの入力に基づいて取得することもできる。尚、ユーザは、操作部を介して原稿画像サイズを選択又は入力することができる。例えば、操作部は、図2に示すような画面を表示部に表示し、ユーザからの入力を受け付けることができる。
以下に、ユーザから原稿画像サイズの選択入力を受け付けて印刷設定を行う場合の例を、図2を用いて説明する。本実施形態では印刷設定として、例えば、原稿サイズ、リピート印刷、印刷用紙のサイズ、給紙トレイ等が設定可能な例を示しているが、これに限定されるものではない。
まず、原稿画像サイズの設定について説明する。図2に示す「原稿サイズ」の入力枠には、A判系列やB判系列のいわゆる定型サイズや、定型サイズに合致しない、いわゆる不定形サイズであってよく使用される不定形サイズの何種類かが、mm単位の大きさと共に表示されるように予め設定しておくことができる。上記したようにユーザから原稿画像サイズの選択入力を受け付ける場合であって、原稿サイズがA判系列やB判系列のいわゆる定型サイズである場合には、「原稿サイズ」の入力枠の端にある下向き三角印(▽)を押下すると、各種定型サイズの表示がスクロールされるとともにそのmm単位の幅と長さが表示されるので、ユーザは該当する原稿画像サイズを選択すればよい。
他方、定型サイズではなく、いわゆる不定形サイズである場合には、図2に示す「原稿サイズ」の入力枠の端にある下向き三角印(▽)をさらに押下すると、「不定形サイズ」という項目が表示され、よく使われる不定形サイズが何種類かmm単位の大きさと共に表示されるので、ユーザは該当する原稿画像サイズを選択すればよい。尚、原稿画像としては、縦と横の長さが異なっているものが一般的であるが、まれに正方形の場合もある。本実施形態では、原稿画像が正方形である場合でも任意の一方を幅(短辺方向)、他方を長さ(長辺方向)と呼ぶことにする。
尚、「原稿サイズ」に予め登録された原稿画像サイズの何れにも該当しない場合は、具体的な幅・長さの記載のない「不定形サイズ」という項目を選択させることで、ユーザに原稿サイズを直接入力させるようにすればよい。図2の例では不定形サイズとして設定されている幅60mm、長さ145mmの原稿画像サイズが選択入力されたことを示している。
また、複写機で直接コピーする場合等は、原稿画像を原稿載置台に載せた時点で原稿画像サイズを読取るか、原稿画像読取りを済ませた時点で読取った原稿サイズを認識して、「原稿サイズ」の入力枠に自動的に入力させることができる。尚、PCを介して印刷要求を受け付けた場合等であって、PC上に印刷したい原稿画像が呼び出してある場合には、その原稿画像に定められているページ設定による原稿サイズを読取り、画面の「原稿サイズ」の枠内に表示されるように設定することもできる。尚、本実施形態では、「原稿サイズ」の入力枠に原稿画像サイズを選択入力させる例を挙げて説明したが、原稿サイズの設定方法はこれに限定されるものではなく、既存の設定方法を適宜用いることができる。
次に、リピート印刷の設定について説明する。ここで、多面連写印刷をリピート印刷と称するが、本実施形態では予め設定されたような一般的な面数を指定する多面連写印刷を「リピート」、印刷サイズを指定して自動的に面数を算出するような多面連写印刷を「カスタムリピート」とする。
例えば、ユーザは、図2に示すようなリピート印刷を行うか否かを選択するチェックボックスに、リピート印刷を行う旨のチェックを入力し、「リピート」の入力枠内にリピート方法を選択入力することでリピート印刷の設定を行うことができる。「リピート」の入力枠内には、2面リピート、4面リピート等の標準的なリピート方法に加え、適宜面数を決定するカスタムリピートを表示するように予め設定することができる。
尚、原稿画像サイズが定型サイズである場合には、例えば2面リピートを未入力時の自動表示として表示させるようにしてもよい。ユーザは、他のリピート方法に変更したい場合、例えば図3に示す「リピート」の入力枠の右端の三角印(▽)を押下して所望のリピート面数を選ぶことができる。他方、原稿サイズが不定形サイズに指定されている場合はカスタムリピートモードが使用される可能性が高いので、「カスタムリピート」を未入力時の自動表示として表示させるようにしてもよい。
「リピート」の入力枠内にカスタムリピートが選択入力されると、例えば図3に示すようなカスタムリピート設定画面が表示部に表示される。図3に示すように、カスタムリピート設定画面において、ユーザに実際の印刷サイズや縮小許容な割合である縮小許容割合等を入力させることができる。縮小許容割合は、実際の原稿画像サイズを100%として、どの程度まで縮小してもよいかを示すものである。カスタムリピート設定画面での設定後、図3に示す「OK」ボタンを押下することで、図2の印刷設定画面に戻る。尚、本実施形態では、カスタムリピート設定として実際の印刷サイズと縮小許容割合を設定する例を挙げて説明したが、これに限定されるものではない。
上述したような設定を行った後に、出力用の用紙等のサイズを設定する。例えば、図2に示す「印刷用紙サイズ」に予め登録された用紙サイズから選択することができる。また、印刷用紙サイズもすべて定型である必要はない。よく使われる不定形サイズを、ユーザが登録設定しておくことができるようにしておいてもよい。
媒体サイズ取得部12は、上記のようにユーザから選択入力された情報から、出力に用いられる記録媒体の実際のサイズ情報を取得することができる。しかし、媒体サイズの取得方法は、上記のものに限定されるものではなく、例えばPCを介して入力された情報に基づいて媒体サイズ情報を取得することもできる。
上述したような設定が行われ各種情報が入力されると、カスタムリピートの場合、指定された印刷用紙サイズに原稿画像が最大何面記録できるかを算出できるようになる。尚、詳細な算出動作の流れは後述のフローチャートで示す。
上述したような各種設定を行った後に、「OK」ボタンを押下することで、印刷設定が決定され、印刷設定動作は終了となる。これまで本実施形態に係る画像形成装置における印刷設定について説明してきたが、特に上記内容に限定されるものではない。例えば、設定の順序は上述したような順序にする必要はなく、何れの設定から行ってもよい。
ここで、例えば、原稿画像のサイズが幅50mm、長さ140mmであり、記録用紙としてA4サイズ(幅210mm、長さ297mm)が設定された場合を例に挙げると、原稿画像全てを縦長に置いて配列した場合、A4サイズの幅に対し、原稿の幅は4面分入って10mmの余白が生ずる。また、A4サイズの長さに対し、原稿の長さは2面分入って17mmの余白分が生ずる。この配列では原稿画像が合計8枚分形成できる。以下、この面数を基礎配列面数と呼ぶ。この配置では、どちらの余白にも原稿画像をこれ以上配置することができない。
同様に、すべての原稿画像を横長に置いて配列した場合、A4サイズの幅に対し、原稿の長さは1面分入って70mmの余白分が生ずる。一方、A4サイズの長さに対し、原稿の幅は5面分入って47mmの余白分が生ずる。このままでは、この配列によって原稿画像が5面しか形成できない。すなわち、基礎配列面数は5となる。しかし、記録用紙の幅方向に70mmの余白分があるので、ここに原稿画像を縦長に配置した場合、記録用紙は長さ方向に原稿2面分以上の大きさがあるので、さらに2面追加できる。以下、この面数を余白配列面数と呼ぶ。従って上記のような場合、合計7面分の画像形成ができる。以下、合計面数を総配列面数と呼ぶ。
尚、以上は同一原稿を複数面形成する場合で説明したが、これに限定されるものではなく、同一サイズではあるが相異なる複数の原稿を同一記録用紙に形成する場合にも適用できる。また、単なるコピーではなく、孔版印刷機のように同一原稿を大量に複製する場合、上記で説明したリピート印刷が記録用紙の代わりに、孔版原紙に対して行われることになる。
(出力処理)
図4は、図2及び図3に示す印刷設定画面等から印刷設定を行った後に実行される出力動作例の流れを示す。以下、本実施形態に係る画像形成装置1における出力動作例の流れについて、図4に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、ユーザの操作等に基づいて印刷要求を受け付けると(ステップS401)、画像形成装置1の制御部等は、リピート印刷であるか否かを判断する(ステップS402)。要求された印刷がリピート印刷である場合(ステップS402/YES)、カスタムリピートであるか否かを判断する(ステップS403)。カスタムリピート設定が行われていると判断した場合(ステップS403/YES)、配置可能画像数算出部13は、原稿画像サイズや印刷用紙サイズ等の情報に基づいて、印刷に用いられる用紙に原稿画像を最大何面配列できるかを示す最大配列面数を算出する(ステップS404)。
上記ステップS404において算出した最大配列面数や原稿画像のレイアウトに基づいて、余白サイズ算出部14は、原稿画像一辺に対して付加する余白である付加余白のサイズを算出する(ステップS405)。そして、画像形成部16は、上記最大配列面数及び付加余白サイズに基づいて画像形成を行い(ステップS407)、用紙等の媒体に出力させる(ステップS408)。
他方、上記ステップS403において、カスタムリピート設定がなされていないと判断された場合(ステップS403/NO)には、指定された面数の情報を取得し(ステップS406)、指定された面数に従って画像形成を行い(ステップS407)、用紙等の媒体に出力する(ステップS408)。
また、上記ステップS402において、リピート印刷が要求されていないと判断された場合には、原稿画像に基づいて画像形成を行い(ステップS407)、用紙等の媒体に出力する(ステップS408)。
(配列面数算出処理)
図5は、本実施形態に係る画像形成装置1における配列面数算出動作例の流れを示す。以下に、設定された用紙等の媒体に原稿画像を何面配置することができるかを算出する配列面算出処理例について、つまり図4のステップS404に示す処理について、図5に示すフローチャートを用いて説明する。
印刷要求としてカスタムリピート印刷が設定されている場合、原稿画像サイズ取得部11は、原稿画像の印刷サイズを取得する(ステップS501)。本実施形態では、原稿画像の印刷サイズ短辺の長さを印刷サイズ短辺a、原稿画像の印刷サイズ長辺の長さを印刷サイズ長辺bとする。次に、媒体サイズ取得部12により、印刷用紙等の媒体サイズを取得する(ステップS502)。本実施形態では、印刷用紙等の媒体サイズ短辺の長さを用紙短辺A、印刷用紙等の媒体サイズ長辺の長さを用紙長辺Bとする。長さの単位は、全体の整合さえ取れていれば任意であるが、本実施形態では図2に示したようにmmを単位として用いることにする。続いて、上記縮小許容割合情報を取得する(ステップS503)。本実施形態では、縮小許容な割合を縮小許容割合z%とする。例えば、縮小を許容しない設定がなされている場合には、z=100となる。以上が、配列面数を算出するために必要な情報を取得する情報取得処理である。
まず、基礎配列方向として、印刷用紙の長手方向と原稿の長手方向を一致させた場合の、最大の割付面数を調べる。ここでは、印刷用紙を縦位置に固定して考える。
印刷用紙短辺に原稿画像の短辺がいくつ取れるかを示す短辺連写数S1Aを算出する(ステップS504)。この値は端数を切り捨てて整数値で得る。この短辺連写数S1Aは、用紙短辺A÷印刷サイズ短辺aとして算出することができる。次に、印刷用紙長辺に原稿画像の長辺がいくつ取れるかを示す長辺連写数L1Aを算出する(ステップS505)。この値は端数を切り捨てて整数値で得る。この短辺連写数L1Aは、用紙長辺B÷印刷サイズ長辺bとして算出することができる。
次に、上記ステップS504〜ステップS505において算出した値に基づいて原稿画像を配列させた場合に生じる印刷用紙の余白に、縮小許容割合の範囲内で縮小した原稿画像を配列できるか否かを判断する(ステップS506)。上記ステップS506の処理は、用紙短辺A−短辺連写数S1A×印刷サイズ短辺a>印刷サイズ短辺a×縮小許容割合z/100であるか否かで判断することができる。A−S1A×a>a×z/100である場合(ステップS506/YES)、縮小許容割合の範囲内で縮小した原稿画像を配列できるので、縮小短辺連写数S1A_rは、1となる(ステップS507)。他方、A−S1A×a<a×z/100である場合(ステップS506/NO)、縮小許容割合の範囲内で縮小した原稿画像を配列できないので、縮小短辺連写数S1A_rは、0となる(ステップS508)。
上記ステップS504〜ステップS508において算出した値から、原稿画像と印刷用紙の長手方向を揃えた場合の基礎配列面数D1Aを算出する(ステップS509)。基礎配列面数D1Aは、(S1A+S1A_r)×長辺連写数L1Aとして得ることができる。以上の処理により、基礎配列面数D1Aを取得することができる。
次に、印刷用紙に上記の配列面数を割り付けた場合に発生する余白を調べる。余白は印刷用紙の長辺側と短辺側の両方に発生する可能性があるが、短辺側の余白はすでに原稿画像の印刷サイズ短辺aより短いことが明白なので算出する必要はない。印刷用紙の長辺側の余白は原稿長辺より短いことは明白であるが、原稿短辺よりは長い可能性があるので、その長さ、すなわち、長辺側余白サイズMargin1Lを算出する(S510)。長辺側余白サイズMargin1Lは、用紙長辺B−長辺連写数L1A×印刷サイズ長辺bとして得ることができる。
上記ステップS510で算出した長辺側余白サイズMargin1Lが印刷サイズ短辺aよりも長ければ、原稿画像を90℃回転させて配置することができる可能性があるので、印刷用紙短辺に原稿画像の長辺がいくつ取れるかを示す短辺連写数S1Bを算出する(ステップS511)。この値は端数を切り捨てて整数値で得る。短辺連写数S1Bは、用紙短辺A÷印刷サイズ長辺bとして算出することができる。さらに、上記ステップS510で算出した長辺側余白サイズMargin1Lに90℃回転させた原稿画像の短辺をいくつ取れるかを示す余白連写数L1Bを算出する(ステップS512)。この値は端数を切り捨てて整数値で得る。余白連写数L1Bは、長辺側余白サイズMargin1L÷印刷サイズ短辺aとして算出することができる。
上記ステップS510〜ステップS512において算出した値に基づいて原稿画像を配列させた場合に生じる印刷用紙のさらなる余白に、縮小許容割合の範囲内で縮小した原稿画像を配列できるか否かを判断する(ステップS513)。上記ステップS513の処理は、長辺側余白サイズMargin1L−余白連写数L1B×印刷サイズ短辺a>印刷サイズ短辺a×縮小許容割合z/100であるか否かで判断することができる。Margin1L−L1B×a>a×z/100である場合(ステップS513/YES)、縮小許容割合の範囲内で縮小した原稿画像を配列できるので、縮小余白連写数L1B_rは、1となる(ステップS514)。他方、Margin1L−L1B×a<a×z/100である場合(ステップS513/NO)、縮小許容割合の範囲内で縮小した原稿画像を配列できないので、縮小余白連写数L1B_rは、0となる(ステップS515)。
上記ステップS510〜ステップS515において算出した値から、原稿画像と印刷用紙の長手方向を揃えた場合の余白配列面数D1Bを算出する(ステップS516)。余白配列面数D1Bは、(L1B+L1B_r)×短辺連写数S1Bとして得ることができる。以上の処理により、余白配列面数D1Bを取得することができる。
上述したよう処理により取得した基礎配列面数D1Aに余白配列面数D1Bを加えることで、印刷用紙の長手方向と原稿の長手方向を一致させた場合の最大の割付面数である総配列面数D1を算出する(ステップS517)。
次に、基礎配列方向として、印刷用紙の長手方向に対して原稿画像の短手方向を配置させた場合の最大の割付面数を調べる。
印刷用紙短辺に原稿画像の長辺がいくつ取れるかを示す短辺連写数S2Aを算出する(ステップS518)。この値は端数を切り捨てて整数値で得る。この短辺連写数S2Aは、用紙短辺A÷印刷サイズ長辺bとして算出することができる。次に、印刷用紙長辺に原稿画像の短辺がいくつ取れるかを示す長辺連写数L2Aを算出する(ステップS519)。この値は端数を切り捨てて整数値で得る。この短辺連写数L2Aは、用紙長辺B÷印刷サイズ短辺aとして算出することができる。
次に、上記ステップS518〜ステップS519において算出した値に基づいて原稿画像を配列させた場合に生じる印刷用紙の余白に、縮小許容割合の範囲内で縮小した原稿画像を配列できるか否かを判断する(ステップS520)。上記ステップS520の処理は、用紙長辺B−長辺連写数L2A×印刷サイズ短辺a>印刷サイズ短辺a×縮小許容割合z/100であるか否かで判断することができる。B−L2A×a>a×z/100である場合(ステップS520/YES)、縮小許容割合の範囲内で縮小した原稿画像を配列できるので、縮小長辺連写数L2A_rは、1となる(ステップS521)。他方、B−L2A×a<a×z/100である場合(ステップS520/NO)、縮小許容割合の範囲内で縮小した原稿画像を配列できないので、縮小長辺連写数L2A_rは、0となる(ステップS522)。
上記ステップS518〜ステップS522において算出した値から、印刷用紙の長手方向に対して原稿画像の短手方向を配置させた場合の基礎配列面数D2Aを算出する(ステップS523)。基礎配列面数D2Aは、(L2A+L2A_r)×短辺連写数S2Aとして得ることができる。以上の処理により、基礎配列面数D2Aを取得することができる。
次に、印刷用紙に上記の配列面数を割り付けた場合に発生する余白を調べる。余白は印刷用紙の長辺側と短辺側の両方に発生する可能性があるが、長辺側の余白はすでに原稿画像の印刷サイズ短辺aより短いことが明白なので算出する必要はない。印刷用紙の短辺側の余白は原稿長辺より短いことは明白であるが、原稿短辺よりは長い可能性があるので、その長さ、すなわち、短辺側余白サイズMargin2Sを算出する(S524)。短辺側余白サイズMargin2Sは、用紙短辺A−短辺連写数S2A×印刷サイズ長辺bとして得ることができる。
上記ステップS524で算出した短辺側余白サイズMargin2Sが印刷サイズ短辺aよりも長ければ、原稿画像を90℃回転させて配置することができる可能性があるので、印刷用紙長辺に原稿画像の長辺がいくつ取れるかを示す長辺連写数L2Bを算出する(ステップS525)。この値は端数を切り捨てて整数値で得る。長辺連写数L2Bは、用紙長辺B÷印刷サイズ長辺bとして算出することができる。さらに、上記ステップSS524で算出した短辺側余白サイズMargin2Sに90℃回転させた原稿画像の短辺をいくつ取れるかを示す余白連写数S2Bを算出する(ステップS526)。この値は端数を切り捨てて整数値で得る。余白連写数S2Bは、短辺側余白サイズMargin2S÷印刷サイズ短辺aとして算出することができる。
上記ステップS524〜ステップS526において算出した値に基づいて原稿画像を配列させた場合に生じる印刷用紙のさらなる余白に、縮小許容割合の範囲内で縮小した原稿画像を配列できるか否かを判断する(ステップS527)。上記ステップS527の処理は、短辺側余白サイズMargin2S−余白連写数S2B×印刷サイズ短辺a>印刷サイズ短辺a×縮小許容割合z/100であるか否かで判断することができる。Margin2S−S2B×a>a×z/100である場合(ステップS527/YES)、縮小許容割合の範囲内で縮小した原稿画像を配列できるので、縮小余白連写数S2B_rは、1となる(ステップS528)。他方、Margin2S−S2B×a<a×z/100である場合(ステップS527/NO)、縮小許容割合の範囲内で縮小した原稿画像を配列できないので、縮小余白連写数S2B_rは、0となる(ステップS529)。
上記ステップS524〜ステップS529において算出した値から、原稿画像と印刷用紙の長手方向を揃えた場合の余白配列面数D2Bを算出する(ステップS530)。余白配列面数D2Bは、(S2B+S2B_r)×長辺連写数L2Bとして得ることができる。以上の処理により、余白配列面数D2Bを取得することができる。
上述したよう処理により取得した基礎配列面数D2Aに余白配列面数D2Bを加えることで、印刷用紙の長手方向と原稿の短手方向を対応させた場合の最大の割付面数である総配列面数D2を算出する(ステップS531)。
以上のような処理により取得した、基礎配列方向の異なる2つの割付による総配列面数D1とD2の何れの最大配列面数が大きいかを判断する(ステップS532)。総配列面数D1がD2よりも大きい場合(ステップS532/YES)には、総配列面数D1のレイアウトを選択する(ステップS533)。他方、総配列面数D1がD2よりも小さい場合(ステップS532/NO)には、総配列面数D2のレイアウトを選択する(ステップS534)。尚、図5のフローチャートでは示してないが、算出された最大配列面数をそのまま印刷に適用することをユーザが希望しない場合は、印刷に使う割付を変更する手段を設けてもよい。
(付加余白算出処理)
図6は、本実施形態に係る画像形成装置1における付加余白算出動作例の流れを示す。以下に、選択されたレイアウトで設定された用紙等の媒体に原稿画像を配置した場合の原稿画像一辺に付加する余白サイズを算出する付加余白算出処理例について、つまり図4のステップS406に示す処理について、図6に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、上述したしたような配列面数算出処理により算出された情報に基づいて選択されたレイアウトの情報を取得する(ステップS601)。選択レイアウト情報は、印刷用紙の長辺、短辺の長さや縮小許容割合のほか、上記図5のフローチャートで算出した短辺連写数S1A等の情報も含んでいる。次に、選択されたレイアウトが上記配列面数算出処理により算出された総配列面数D1のレイアウトであるか否かを判断する(ステップS602)。
選択されたレイアウトが上記配列面数算出処理により算出された総配列面数D1のレイアウトである場合(ステップS602/YES)、以下に示す式(1)に基づいて基礎配列面の印刷サイズの長辺側余白B1ALを算出する(ステップS603)。縮小短辺連写数S1A_rが1、すなわち縮小画像が配列されている場合には、印刷サイズの長辺側余白は0となる。
基礎配列面の印刷サイズの短辺側余白B1ASを、以下に示す式(2)に基づいて算出する(ステップS604)。余白配列面が存在すれば、余白を基礎配列面と余白配列面に余白を分割して付加することとなる。縮小余白連写数L1B_rが1、つまり縮小画像が配列されている場合には、印刷サイズの短辺側余白は0となる。
基礎配列面の縮小印刷サイズの短辺側余白B1AS_rを、以下に示す式(3)に基づいて算出する(ステップS605)。縮小印刷サイズの短辺側余白B1AS_rが上記ステップS604において算出した印刷サイズの短辺側余白B1ASと同じ数値になる場合は、縮小画像が存在しないことを意味する。
次に、上記ステップS601において取得した情報に基づいて、余白配列面数D1Bが0よりも大きいか否かを判断する(ステップS606)。つまり、余白連写面が存在するか否かを判断する。余白連写面が存在しない場合(ステップS606/NO)には、付加余白算出の動作を終了する。
上記ステップS606において余白連写面が存在すると判断された場合(ステップS606/YES)には、以下に示す式(4)に基づいて余白配列面の印刷サイズの短辺側余白B1BSを算出する(ステップS607)。続いて、余白配列面の印刷サイズの長辺側余白B1BLを、以下に示す式(5)に基づいて算出する(ステップS608)。さらに、余白配列面の縮小印刷サイズの短辺側余白B1BS_rを、以下に示す式(6)に基づいて算出する(ステップS609)。
上記ステップS603〜ステップS609に示した処理を行うことにより、総配列面数D1のレイアウトが選択された場合の、1辺に対して付加する余白サイズである付加余白を算出する。そして、算出した付加余白の情報に基づいて、画像形成を行い、記録用紙に出力する。
他方、上記ステップS602において、選択されたレイアウトが上記配列面数算出処理により算出された総配列面数D1のレイアウトではなく、総配列面数D2のレイアウトである場合(ステップS602/YES)、以下に示す式(7)に基づいて基礎配列面の印刷サイズの長辺側余白B2ALを算出する(ステップS610)。縮小短辺連写数L2A_rが1、すなわち縮小画像が配列されている場合には、印刷サイズの長辺側余白は0となる。
基礎配列面の印刷サイズの短辺側余白B2ASを、以下に示す式(8)に基づいて算出する(ステップS611)。余白配列面が存在すれば、余白を基礎配列面と余白配列面に余白を分割して付加することとなる。縮小余白連写数S2B_rが1、つまり縮小画像が配列されている場合には、印刷サイズの短辺側余白は0となる。
基礎配列面の縮小印刷サイズの短辺側余白B2AS_rを、以下に示す式(9)に基づいて算出する(ステップS612)。縮小印刷サイズの短辺側余白B2AS_rが上記ステップS604において算出した印刷サイズの短辺側余白B2ASと同じ数値になる場合は、縮小画像が存在しないことを意味する。
次に、上記ステップS601において取得した情報に基づいて、余白配列面数D2Bが0よりも大きいか否かを判断する(ステップS613)。つまり、余白連写面が存在するか否かを判断する。余白連写面が存在しない場合(ステップS613/NO)には、付加余白算出の動作を終了する。
上記ステップS613において余白連写面が存在すると判断された場合(ステップS613/YES)には、以下に示す式(10)に基づいて余白配列面の印刷サイズの短辺側余白B2BSを算出する(ステップS614)。続いて、余白配列面の印刷サイズの長辺側余白B2BLを、以下に示す式(11)に基づいて算出する(ステップS615)。さらに、余白配列面の縮小印刷サイズの短辺側余白B2BS_rを、以下に示す式(12)に基づいて算出する(ステップS616)。
上記ステップS610〜ステップS616に示した処理を行うことにより、総配列面数D2のレイアウトが選択された場合の、1辺に対して付加する余白サイズである付加余白を算出する。そして、算出した付加余白の情報に基づいて、画像形成を行い、記録用紙に出力する。
図7は、本実施形態に係る画像形成装置における原稿画像配列例を説明するための図である。次に、具体的な数値を例に挙げて、原稿画像の配列例について説明する。
図7に示す例では、印刷用紙の長さ(用紙長辺B)は130mm、幅(用紙短辺A)は55mmである。また、原稿画像の長さ(印刷サイズ長辺b)は30mm、幅(印刷サイズ短辺a)は20mmである。尚、上記数値はあくまで一例であり、これに限定されるものではない。
図7の(a)は、上記のような印刷用紙及び原稿画像を用いてリピート印刷動作を行う際の、レイアウトを示す。図7の(a)に示すような配列は、上述した図5のフローチャートに示す動作により算出することができる。具体的には、図7は印刷用紙の長手方向に対して原稿画像の短手方向を配置させた場合を示しており、基礎配列面数D2A=6であり、余白配列面数D2B=4であるので、総配列面数D2=10となる。
図7の(b)は、上記のような配列を選択し、さらに余白を付加した場合のレイアウトを示す。上述した図6のフローチャートに示す動作により、原稿画像に付加する余白サイズを算出し、さらに余白を付加することで、図7の(b)に示すようなレイアウトとすることができる。
具体的には、基礎配列面の印刷サイズの長辺側余白B2ALは、上記式(7)に基づいて5/6mmと算出することができる。基礎配列面の印刷サイズの短辺側余白B2ASは、上記式(8)に基づいて1.5mmと算出することができる。余白配列面の印刷サイズの短辺側余白B2BSは、上記式(10)に基づいて1.25mmと算出することができる。また、余白配列面の印刷サイズの長辺側余白B2BLは、上記式(11)に基づいて1mmと算出することができる。このように算出した余白に基づいて、基礎配列面の印刷サイズ長辺を33mm、短辺を21.67mmとし、余白配列面の印刷サイズ長辺を32.5mm、短辺を22mmとすることで、一定の余白を付加して原稿画像を配列することができる。
図7の(c)は、上記のように算出したサイズの余白を付加した基礎配列面を示す。図7の(c)に示すように、基礎配列面の長辺側には5/6mmの余白が付加され、短辺側には1.5mmの余白が付加されている。他方、図7の(d)は、上記のように算出したサイズの余白を付加した余白配列面を示す。図7の(d)に示すように、余白配列面の長辺側には1mmの余白が付加され、短辺側には1.25mmの余白が付加されている。
図8は、本実施形態に係る画像形成装置における原稿画像配列例を説明するための図である。次に、具体的な数値を例に挙げて、縮小許容割合の範囲内で縮小させた原稿画像を含む原稿画像の配列例について説明する。
図8の(a)に示すように、本実施形態では、印刷用紙の長さ(用紙長辺B)は297mm、幅(用紙短辺A)は210mmとする。また、原稿画像の長さ(印刷サイズ長辺b)は145mm、幅(印刷サイズ短辺a)は60mmとする。また、縮小許容割合を95%とする。尚、上記数値はあくまで一例であり、これに限定されるものではない。
図8の(b)は、上記のような印刷用紙及び原稿画像を用いてリピート印刷動作を行う場合であって、印刷用紙の長手方向と原稿画像の長手方向を一致させた場合のレイアウトを示す。他方、図8の(c)は、上記のような印刷用紙及び原稿画像を用いてリピート印刷動作を行う場合であって、印刷用紙の長手方向に対して原稿画像の短手方向を配置させた場合のレイアウトを示す。上記図8の(b)や図8の(c)のレイアウトは、上述した図5のフローチャートに示す動作により算出することができる。
具体的には、図8の(b)に示すように、印刷用紙の長手方向と原稿画像の長手方向を一致させた場合、縮小短辺連写数S1A_rは0となり、基礎配列面数D1Aは6となる。また、上記ステップS510〜ステップS516の処理から余白配列面数D1Bは0であると算出できる。つまり、印刷用紙の長手方向と原稿画像の長手方向を一致させて配列した場合の総配列面数D1は、6である。
他方、図8の(c)に示すように、印刷用紙の長手方向に対して原稿画像の短手方向を配置させた場合、縮小長辺連写数L2A_rは1となり、当倍で配列した原稿画像に加え縮小許容割合の範囲内で縮小させた原稿画像を配列するこができる。つまり、基礎配列面数D2Aは5となる。また、上記ステップS524〜ステップS530の処理から余白配列面数D2Bは2であり、縮小余白連写数S2B_rは0であると算出できる。つまり、印刷用紙の長手方向に対して原稿画像の短手方向を配置させた場合の総配列面数D2は、8である。
上述したように算出した各総配列面数に基づいて、総配列面数が最も多くなるレイアウトを判断すると、総配列面数が最も多くなるのは図8の(c)に示すレイアウトとなる。次に、図8の(c)に示すレイアウトに付加する余白サイズについて説明する。
上述した図6のフローチャートに示す動作により、原稿画像に付加する余白サイズを算出すると、基礎配列面の印刷サイズの長辺側余白B2ALは、上記式(7)に基づいて0mmと算出することができる。基礎配列面の印刷サイズの短辺側余白B2ASは、上記式(8)に基づいて約1.7683mmと算出することができる。また、基礎配列面の縮小印刷サイズの短辺側余白B2AS_rは、上記式(9)に基づいて約5.3933と算出することができる。このように算出した余白を付加した基礎配列面の一面を図8の(d)に示す。また、余白配列面の印刷サイズの短辺側余白B2BSは、上記式(10)に基づいて1.75mmと算出することができる。また、余白配列面の印刷サイズの長辺側余白B2BLは、上記式(11)に基づいて約0.7317mmと算出することができる。このように算出した余白を付加した余白配列面の一面を図8の(e)に示す。
本実施形態により、あらかじめ用紙に配置可能な原稿画像数を算出し、また原稿画像に付加する余白のサイズを算出し、原稿画像単位でその原稿画像の少なくとも1面に余白を設定することが可能となります。つまり、裁断の際に余白としてのゴミの発生を削除又は抑制することが可能となります。また、用紙等の媒体全面が原稿画像でタイリングされている状態で出力されるため、原稿画像毎に裁断する処理を容易にすることが可能となります。
尚、上述した実施形態では、原稿画像や媒体が長方形である場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、原稿画像が台形などである場合でも、台形の長さのうち最も長い箇所の長さを印刷サイズ長辺とし、台形の幅のうち最も長い箇所の長さを印刷サイズ短辺とすることで、本発明を適用することができる。同様に、円や楕円の原稿画像についても、本発明を適用することができる。
また、各図のフローチャートに示す処理を、CPUが実行するためのプログラムは本発明によるプログラムを構成する。このプログラムを記録するコンピュータ読取り可能な記録媒体としては、半導体記憶部や光学的及び/又は磁気的な記憶部等を用いることができる。このようなプログラム及び記録媒体を、前述した各実施形態とは異なる構成のシステム等で用い、該システムのCPUで上記プログラムを実行させることにより、本発明と実質的に同じ効果を得ることができる。
以上好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上述した画像形成装置、画像形成方法、プログラム及び記録媒体に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であるということは言うまでもない。