JP5412976B2 - 固体電解質型燃料電池 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1に記載されている従来のSOFCにおいては、電力使用量の大小に応じて発電部の動作温度を高低二種類設定し、電力使用量が少ない時間帯においては、発電部の動作温度を低く設定することにより、発電部の動作温度を維持するための燃料ガス使用量を少なくし、コストを低下させると共にCO2排出量を少なくしている。
しかしながら、このような脱硫器では、燃料ガスの微量なレベルの硫黄まで脱硫することが難しいため、発電運転が長期的に行われる程、これらの脱硫しきれない微量な硫黄が徐々に燃料電池セルに付着して蓄積し、燃料電池セルの活性(発電能力)が発電運転当初に比べて著しく低下してしまうという問題がある。
このように構成された本発明においては、所定の条件に達すると、制御部が、燃料電池セル集合体に供給される水素の供給割合を増加させることにより、発電室の温度を950℃より高い温度に強制的に上昇させ、脱硫器により脱硫しきれずに燃料電池セル集合体に付着した硫黄を除去するクリーニングモード運転を実行するため、脱硫器で脱硫しきれずに燃料電池セル集合体に付着している硫黄を除去することができ、硫黄の付着による燃料電池セルの不活性化を防ぐことができる。
このように構成された本発明においては、制御部が、所定の発電運転時間が経過したとき、クリーニングモード運転を行うので、脱硫器で脱硫しきれずに燃料電池セル集合体に付着している硫黄を除去することができ、硫黄の付着による燃料電池セルの不活性化を防ぐことができる。クリーニングモード運転を実行するための所定の条件を所定の発電運転時間が経過することを条件としたので、むやみにクリーニングモード運転を実施する必要がなく、スムーズな定常の発電を維持することができると共に硫黄の付着による燃料電池セルの不具合にも対応することができる。
このように構成された本発明においては、制御部が、燃料電池セルの電圧が所定電圧に達したとき、クリーニングモード運転を行うので、脱硫器で脱硫しきれずに燃料電池セル集合体に付着している硫黄を除去することができ、硫黄の付着による燃料電池セルの不活性化を防ぐことができる。燃料電池セル自身の電圧を確認しながらクリーニング運転を行うため、何らかの不具合によって燃料電池セルに想定以上の硫黄が付着した場合にも適切なタイミングでクリーニングを行うことができる。
このように構成された本発明においては、制御部によりクリーニングモード運転が実行されると、燃料電池セル集合体に供給される水素の供給割合が、燃料電池モジュールによる定常的な発電運転が可能な水素供給割合の領域よりも高い水素供給割合まで上昇するため、燃料電池セル集合体に付着している硫黄の除去量がより多くなり、硫黄の付着による燃料電池セルの不活性化を効果的に防ぐことができる。
このように構成された本発明においては、燃料電池セル集合体に供給される水素の供給割合が上記燃料電池モジュールによる定常的な発電運転が可能な水素供給割合領域内の所定の水素供給割合未満である低負荷発電運転が行われている場合には、燃料電池セル集合体に供給される水素の供給割合を定常的な発電運転が可能な水素供給割合領域内の所定の水素供給割合以上まで上昇させてクリーニングモード運転を実行するため、クリーニングモード運転を実行中においても、定常的な発電運転を可能にすると共に、燃料電池セルに付着している硫黄を除去することができる。また、定常的な発電運転が可能な水素供給割合の領域内で燃料電池セル集合体に供給される水素の供給割合を上昇させてクリーニングモード運転を実行しているため、水素供給割合の上昇に伴う燃料電池セルへの負担も最小限に抑えることができる。
このように構成された本発明においては、実際に燃料電池セルに付着する硫黄の付着量は燃料電池モジュールによる運転の履歴によって異なるが、クリーニングモード運転を実行するための条件である所定の発電運転時間を燃料電池モジュールによる運転の履歴に基づいて変更するようにしているため、実際の硫黄付着量に応じたクリーニングモード運転同士の時間間隔を適切に設定することができる。また、水素供給割合や発電室温度の上昇による燃料電池セルへの負担も最小限に抑えることができる。
ことができる。
このように構成された本発明においては、燃料電池モジュールによる運転の履歴中に占める低負荷発電運転の割合が高い程、燃料電池セル集合体が高い水素供給割合または高温に曝される時間が短くなるため、燃料電池セルの硫黄の付着量も多くなるが、クリーニングモード運転の実行を終了した後に次のクリーニングモード運転を実行するまでの所定時間を短い時間に変更し、次のクリーニングモード運転の実行を早めることにより、実際の燃料電池セルの硫黄の付着量に応じた適切な運転を行うことができる。
このように構成された本発明においては、クリーニングモード運転が継続中であっても燃料電池モジュールの電圧が所定電圧に達すると、所定の継続時間内であっても、クリーニングモード運転を強制的に終了するようにしているので、燃料電池セルを無駄に高い水素供給割合または高温に曝すのを防ぐことができ、燃料電池セルの劣化を防ぐことができる。
このように構成された本発明においては、燃料電池モジュールの燃料電池セルの経年時間が経つにつれて燃料電池セルに硫黄が付着しやすくなることを考慮し、所定の発電運転時間を燃料電池モジュールによる発電運転が行われる経年時間が長い程、より短い時間に設定することにより、クリーニングモード運転の実行を早めることができ、実際の燃料電池セルの硫黄の付着量に応じた適切な運転を行うことができる。
このように構成された本発明においては、脱硫器が故障する等、燃料ガスの脱硫工程に不具合が生じた場合であっても、手動操作によりクリーニングモード運転を強制的に実行して対応することができるため、燃料電池セルに付着している硫黄を確実に除去することができる。
図1は、本発明の一実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)を示す全体構成図である。この図1に示すように、本発明の一実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)1は、燃料電池モジュール2と、補機ユニット4を備えている。
また、各燃料電池セルユニット16は、セラミックス材料で形成された有底筒状の部材であり、その内側から外側に向かって空気極、固体酸化物電解質、燃料極の多層構造を形成している。
さらに、燃料電池セルユニット16の内壁(空気極)に空気が接触すると共に、燃料電池セルユニット16の外壁(燃料極)に燃料ガスが接触すると、燃料電池セルユニット16内でO2-イオンが移動して電気化学反応が起こり、空気極と燃料極との間に電位差が生じることにより、発電が行われるようになっている。
また、燃焼室18内には、燃料電池セル集合体12の各燃料電池セルユニット16の空気極に発電用の空気を供給する発電用空気ヘッダ19が配置されている。
また、この改質器20の上方には、改質器20に供給する前の燃料ガス及び改質用空気を予熱する予熱器21が配置されている。
さらに、予熱器21の上方には、蒸発器22が配置され、この蒸発器22によって、改質器20における改質に必要な水が気化されて改質器20に供給されるようになっている。
また、発電室10の下方には、燃料ガス分散室23が配置され、改質器20で改質された燃料ガスは燃料ガス分散室23内で均一に分散され、燃料電池セル集合体12に供給されるようになっている。
また、補機ユニット4は、都市ガス等の燃料供給源30から供給された燃料ガスを遮断するガス遮断弁32と、燃料ガスから硫黄を除去するための脱硫器36と、燃料ガスの流量を調整する燃料流量調整ユニット38(モータで駆動される「燃料ポンプ」等)を備えている。
さらに、補機ユニット4は、空気供給源40から供給される酸化剤である空気を遮断する電磁弁42と、空気の流量を調整する改質用空気流量調整ユニット44及び発電用空気流量調整ユニット45(モータで駆動される「空気ブロア」等)とを備えている。また、発電用空気流量調整ユニット45によって所定の流量に調整された空気は、燃料電池モジュール2内の発電用空気ヘッダ19に供給されるようになっている。
さらに、補機ユニット4は、水素ボンベ等の水素供給源46から供給される水素を遮断する電磁弁47と、水素の流量を調整する水素流量調整ユニット48とを備え、水素流量調整ユニット48によって所定の流量に調整された水素は、改質器20で改質された燃料ガスが燃料ガス分散室23に供給される経路の途中又は燃料ガス分散室23に供給されるようになっている。
また、燃料電池モジュール2には、燃料ガスの供給量等を制御するための制御ボックス52が取り付けられている。
さらに、燃料電池モジュール2には、燃料電池モジュールにより発電された電力を外部に供給するための電力取出部(電力変換部)であるインバータ54が接続されている。
図2に示すように、固体電解質型燃料電池1は、制御部60を備え、この制御部60には、使用者が操作するための「ON」や「OFF」等の操作ボタンを備えた操作装置62、発電出力値(ワット数)等の種々のデータを表示するための表示装置64、及び、異常状態のとき等に警報(ワーニング)を発する報知装置66が接続されている。なお、この報知装置66は、遠隔地にある管理センタに接続され、この管理センタに異常状態を通知するようなものであっても良い。
先ず、可燃ガス検出センサ70は、ガス漏れを検知するためのもので、燃料電池モジュール2及び補機ユニット4に取り付けられている。
CO検出センサ72は、本来排気ガス通路(図示せず)等を経て外部に排出される排気ガス中のCOが、燃料電池モジュール2及び補機ユニット4を覆う外部ハウジング(図示せず)へ漏れたかどうかを検知するためのものである。
貯湯状態検出センサ74は、図示しない給湯器におけるお湯の温度や水量を検知するためのものである。
発電用空気流量検出センサ78は、発電室10に供給される発電用空気の流量を検出するためのものである。
改質用空気流量センサ80は、改質器20に供給される改質用空気の流量を検出するためのものである。
燃料流量センサ82は、改質器20に供給される燃料ガスの流量を検出するためのものである。
水位センサ86は、純水タンク26の水位を検出するためのものである。
圧力センサ88は、改質器20の外部の上流側の圧力を検出するためのものである。
排気温度センサ90は、温水製造装置50に流入する排気ガスの温度を検出するためのものである。
燃焼室温度センサ94は、燃焼室18の温度を検出するためのものである。
排気ガス室温度センサ96は、排気ガス室78の排気ガスの温度を検出するためのものである。
改質器温度センサ98は、改質器20の温度を検出するためのものであり、改質器20の入口温度と出口温度から改質器20の温度を算出する。
外気温度センサ100は、固体電解質型燃料電池(SOFC)が屋外に配置された場合、外気の温度を検出するためのものである。また、外気の湿度等を測定するセンサを設けるようにしても良い。
また、制御部60は、インバータ54に、制御信号を送り、電力供給量を制御するようになっている。
最初は、燃料電池モジュール2を温めるために、無負荷状態で、即ち、燃料電池モジュール2を含む回路を開いた状態で、運転を開始する。このとき、回路に電流が流れないので、燃料電池モジュール2は発電を行わない。
この直ぐ後、燃料流量調整ユニット38からも燃料ガスが供給され、予熱器21を経由して改質用空気が混合された燃料ガスが、改質器20及び燃料ガス分散室23を通過して発電室10内に供給され、燃料電池セルスタック14、燃料電池セルユニット16を通過して、燃焼室18に到達する。また、発電室10内においては、燃料ガス分散室23から導入された燃料ガスが各燃料電池セルユニット16の燃料極に接触することにより、発電用空気ヘッダ19から各燃料電池セルユニット16の空気極に供給された発電用空気と電気化学反応し、発電が行われる。
このとき、燃料流量調整ユニット38及び改質用空気流量調整ユニット44により、改質用空気が混合された燃料ガスが改質器20に供給されているので、改質器20において、式(1)に示す部分酸化改質反応POXが進行する。この部分酸化改質反応POXは、発熱反応であるので、起動性が良好となる。また、この昇温した燃料ガスが燃料ガス分散室23から燃料電池セルスタック14の下方に供給され、これにより、燃料電池セルスタック14が下方から加熱され、また、燃焼室18も燃料ガスと空気が燃焼して昇温されているので、燃料電池セルスタック14は、上方からも加熱され、この結果、燃料電池セルスタック14は、上下方向において、ほぼ均等に昇温可能となっている。この部分酸化改質反応POXが進行しても、燃焼室18では継続して燃料ガスと空気との燃焼反応が持続される。
CmHn+xH2O → aCO2+bCO+cH2 (3)
図4に示すように、燃料電池モジュール2の運転停止を行う場合には、先ず、燃料流量調整ユニット38及び水流量調整ユニット28を操作して、燃料ガス及び水蒸気の改質器20への供給量を減少させる。
図5は本実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)の第1例のクリーニングモード運転時の動作を示すタイムチャートであり、図6は図5の比較例を示すタイムチャートである。
ここで、特に、図5の縦軸である「水素供給割合」は、燃料ガス分散室23から燃料電池セル集合体12に供給される水素量とメタン量との比(H2/CH4)を意味している。特に、水素供給割合における水素量については、改質器20において燃料ガスから改質されて燃料ガス分散室23を経て燃料電池セル集合体12に供給される水素量に水素流量調整ユニット48から供給される水素量を加えた水素量を示している。また、水素供給割合におけるメタン量については、改質器20において燃料ガスから改質されて燃料ガス分散室23に供給されるメタン量を示している。
本実施形態の固体電解質型燃料電池(SOFC)1による第1例のクリーニングモード運転は、発電室温度(T)が850℃以上950℃以下となる温度領域に対応する水素供給割合の領域(以下「定常発電運転領域」)内にあり、且つ、セル電圧(V)が下限電圧値V0(=0.76V)よりも大きな値で定常的な発電運転が行われているときに所定の条件下で実行されるようになっている。
つぎに、時刻t0で発電運転を開始してから時刻t1でクリーニングモード運転を開始するまでの発電運転時間τ1(=5000時間)とセル電圧(V)の下限電圧値V0(=0.76V)については、クリーニングモード運転を開始するか否かを判断するための基準値として予め定められている。
例えば、図5に示すように、時刻t0から発電運転時間τ1が経過した時刻t1までに、セル電圧(V)が下限電圧値V0にならない場合には、時刻t1において、制御部60が水素供給手段である水素流量調整ユニット48に信号を送り、それまでの発電運転による発電量に関わらず、初回のクリーニングモード運転が開始される。
一方、時刻t0から発電運転時間τ1が経過した時刻t1までに電力状態検出センサ76で検知したセル電圧(V)が下限電圧値V0に達した場合には、その時点で時刻t0から発電運転時間τ1の経過を待たずに、それまでの発電運転による発電量に関わらず、強制的に初回のクリーニングモード運転が開始される。
このように、クリーニングモード運転において、燃料電池セル集合体12に供給される水素の供給割合を増加させることにより、燃料電池セル集合体12を高温化させた結果、各燃料電池セルユニット16に付着している硫黄が除去される。
また、図5に示すように、時刻t2で初回のクリーニングモードが終了した時点のセル電圧は、各燃料電池セルユニット16に付着している硫黄が除去されたため、時刻t1のセル電圧よりも上昇し、電圧が回復している。
さらに、時刻t2から時刻t3までは、燃料電池セル集合体12に供給される水素の供給割合が定常発電運転領域内にある定常発電運転が再び実行される。
なお、2回目のクリーニングモード運転を開始してから終了するまでの運転継続時間(t4−t3)についても、初回のクリーニングモード運転と同様に、2時間以上3時間以下の所定時間に予め設定されている。
なお、3回目のクリーニングモード運転を開始してから終了するまでの運転継続時間(t6−t5)についても、初回及び2回目のクリーニングモード運転と同様に、2時間以上3時間以下の所定時間に予め設定されている。
なお、3回目のクリーニングモード運転を開始してから終了するまでの運転継続時間(t8−t7)についても、初回及び2回目のクリーニングモード運転と同様に、2時間以上3時間以下の所定時間に予め設定されている。
図6に示すように、時刻t0から発電運転時間τ1が経過した時刻t1でクリーニングモード運転が実行されなかった場合には、時刻t1後もセル電圧(V)が低下し続ける。 さらに、時刻t9でセル電圧(V)が下限電圧値V0に達してもクリーニングモード運転が実行されなかった場合には、時刻t9後もセル電圧(V)が比較的大きな傾きで低下し続ける。
図7は本実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)の第2例のクリーニングモード運転時の動作を示すタイムチャートである。
例えば、図7に示すように、時刻t100から発電運転時間τ1が経過した時刻t101までに、セル電圧(V)が下限電圧値V0にならない場合には、時刻t101において、制御部60が水素流量調整ユニット48に信号を送り、それまでの発電運転による発電量に関わらず、初回のクリーニングモード運転が開始される。
一方、時刻t100から発電運転時間τ1が経過した時刻t101までに電力状態検出センサ76で検知したセル電圧(V)が下限電圧値V0に達した場合には、その時点で時刻t100から発電運転時間τ1の経過を待たずに強制的に初回のクリーニングモード運転が開始され、所定時間(2〜3時間)運転後、時刻t102で初回のクリーニングモード運転を終了し、低負荷発電運転が再び実行される。
また、n回目(n≧2)のクリーニングモード運転においても、前回のクリーニングモード運転が終了した時刻から次のクリーニングモード運転が開始される時刻までの発電運転時間τnが5000時間に到達するか、又は、この発電運転時間τnが5000時間に到達する前にセル電圧が下限電圧値V0に達した時点で、それまでの発電運転による発電量に関わらず、クリーニングモード運転が行われる。
図8は本実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)の第3例のクリーニングモード運転時の動作を示すタイムチャートである。
また、時刻t200で発電運転を開始してから時刻t201で初回のクリーニングモード運転が開始されるまでの発電運転時間τ1と、n回目(n≧2)のクリーニングモード運転が実行される場合に前回のクリーニングモード運転が終了した時刻から発電運転が再開し、次のクリーニングモード運転が開始される時刻までの発電運転時間τnについては、発電運転の状態に応じて変更されるようになっている。
図8は本実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)の第4例のクリーニングモード運転時の動作を示すタイムチャートである。
つぎに、時刻t301から時刻t302までについては、時刻t300〜t301までの低負荷発電運転よりも水素供給割合及び発電室温度が高い所定領域(T1<T≦T2)で、定常発電運転が実行され、時刻t302で初回のクリーニングモード運転が実行される。
ここで、時刻t300で低負荷発電運転を開始してから初回のクリーニングモード運転を実行するまでの発電運転時間τ1については、運転前に5000時間として予め定められているが、時刻t300〜t301まで低負荷発電運転が実行されるため、初回のクリーニングモード運転を早めるために、予め定められた所定時間(5000時間)をより短い時間(4000時間)に変更している。
時刻t304で2回目のクリーニングモード運転が実行されるが、時刻t303〜304では低負荷発電運転のみが実行されるため、2回目のクリーニングモード運転の開始を早めるために、初回のクリーニングモード運転が終了してから2回目のクリーニングモード運転を開始するまでの発電運転時間τ2を予め定められた所定時間(5000時間)をより短い時間(3000時間)に変更している。
ここで、時刻t305〜306では、時刻t300〜t302及び時刻t303〜t304よりも水素供給割合及び発電室温度が高い状態で定常発電運転が実行されるため、2回目のクリーニングモード運転が終了してから3回目のクリーニングモード運転を開始するまでの発電運転時間τ3が初回及び2回目のクリーニングモード運転を実行するまでの時間τ1,τ2よりも長くなっている。
図8は本実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)の第5例のクリーニングモード運転時の動作を示すタイムチャートである。
一方、このn回目のクリーニングモード運転が継続時間中の時刻t(n+1)でセル電圧が所定電圧(V1)まで上昇している場合には、制御部60が電力状態検出センサ76からその信号を受信し、燃料電池セル集合体12に付着する硫黄が除去されてセル電圧が回復しているものと判断し、予め定められたクリーニングモードの運転の所定継続時間(2〜3時間)にかかわらず、n回目のクリーニングモード運転を強制的に終了するようになっている。
2 燃料電池モジュール
4 補機ユニット
8 密封空間
10 発電室
12 燃料電池セル集合体
14 燃料電池セルスタック
16 燃料電池セルユニット(固体電解質型燃料電池セル)
18 燃焼室
19 発電用空気ヘッダ
20 改質器
21 予熱器
22 蒸発器
23 燃料ガス分散室
24 水供給源
26 純水タンク
28 水流量調整ユニット
30 燃料供給源
36 脱硫器
38 燃料流量調整ユニット(燃料ガス供給手段)
40 空気供給源
44 改質用空気流量調整ユニット
45 発電用空気流量調整ユニット(発電用空気供給手段)
46 水素供給源
47 電磁弁
48 水素流量調整ユニット(水素供給手段)
50 温水製造装置
52 制御ボックス
54 インバータ
60 制御部
62 操作装置
64 表示装置
66 警報装置
76 電力状態検出センサ
92 発電室温度センサ
100 外気温度センサ
Claims (10)
- 燃料ガスと空気を反応させて発電する固体電解質型燃料電池であって、
燃料電池モジュール内の発電室に配置され、複数の固体電解質型の燃料電池セルを備えた燃料電池セル集合体と、
燃料ガスに含まれる硫黄を除去する脱硫器と、
燃料ガスを改質して上記燃料電池セル集合体に供給する改質器と、
この改質器に燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、
上記燃料電池セル集合体に発電用空気を供給する発電用空気供給手段と、
上記燃料電池セル集合体に供給される水素の供給割合を調整する水素供給割合調整手段と、
所定の条件に達したとき、上記燃料電池セル集合体に供給される水素の供給割合を増加させることにより、上記発電室の温度を950℃より高い温度に強制的に上昇させ、上記脱硫器により脱硫しきれずに上記燃料電池セル集合体に付着した硫黄を除去するクリーニングモード運転を実行する制御部と、
を有することを特徴とする固体電解質型燃料電池。 - 上記制御部が上記クリーニングモード運転を実行するための所定の条件は、所定の発電運転時間が経過したときである請求項1記載の固体電解質型燃料電池。
- 上記制御部が上記クリーニングモード運転を実行するための所定の条件は、上記燃料電池セルの電圧が所定電圧に達したときである請求項1記載の固体電解質型燃料電池。
- 上記水素供給割合調整手段は、上記燃料電池セル集合体に水素を供給する水素供給手段であり、上記制御部は、上記燃料電池セル集合体に供給される水素の供給割合を上記燃料電池モジュールによる定常的な発電運転が可能な水素供給割合の領域よりも高い水素供給割合まで増加させるように上記水素供給手段を制御し、上記クリーニングモード運転を実行する請求項1乃至3の何れか1項に記載の固体電解質型燃料電池。
- 上記制御部は、上記燃料電池セル集合体に供給される水素の供給割合が上記燃料電池モジュールによる定常的な発電運転が可能な水素供給割合の領域内の所定水素供給割合未満である低負荷発電運転が行われている場合には、上記燃料電池セル集合体に供給される水素の供給割合を上記定常的な発電運転が可能な水素供給割合領域内の所定の水素供給割合以上まで上昇させて上記クリーニングモード運転を実行する請求項1乃至3の何れか1項に記載の固体電解質型燃料電池。
- 上記制御部は、クリーニングモード運転を実行するための上記所定の発電運転時間を、上記燃料電池モジュールによる運転の履歴に基づいて変更する請求項2に記載の固体電解質型燃料電池。
- 上記制御部は、クリーニングモード運転を実行するための上記所定の発電運転時間を、燃料電池セル集合体に供給される水素の供給割合が上記燃料電池モジュールによる定常的な発電運転が可能な水素供給割合の領域内の所定の水素供給割合未満であるときに行われる低負荷発電運転の上記燃料電池モジュールによる運転の履歴中に占める割合が高い程、より短い時間に変更する請求項2記載の固体電解質型燃料電池。
- 上記制御部は、上記クリーニングモード運転を所定の継続時間実行すると共に、このクリーニングモード運転実行中に上記燃料電池セルの電圧が所定電圧に達すると、上記所定の継続時間内であっても、上記クリーニングモード運転を強制的に終了する請求項1乃至7の何れか1項に記載の固体電解質型燃料電池。
- 上記制御部は、クリーニングモード運転を実行するための条件である上記所定の発電運転時間を、上記燃料電池モジュールによる発電運転が行われる経年時間が長い程、より短い時間に設定する請求項2乃至8の何れか1項に記載の固体電解質型燃料電池。
- 上記制御部が上記クリーニングモード運転を実行するための所定の条件は、手動操作であり、上記制御部は、この手動操作より上記クリーニングモード運転を強制的に実行する請求項1に記載の固体電解質型燃料電池。
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