JP5411152B2 - オーロラa選択的阻害作用を有する新規アミノピリジン誘導体 - Google Patents

オーロラa選択的阻害作用を有する新規アミノピリジン誘導体 Download PDF

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Description

本発明は医薬の分野で有用であり、さらに詳細には、オーロラA選択的阻害作用に基づいて腫瘍細胞の増殖を阻害し、抗腫瘍効果を発揮する、新規アミノピリジン誘導体、及びそれを含むオーロラA選択的阻害剤並びに抗がん剤に関する。
オーロラキナーゼは細胞分裂に関与するセリン/スレオニンキナーゼである。オーロラキナーゼには現在、A、B、Cの3種類のサブタイプが知られており、互いに、極めて高い類似性(ホモロジー)を有している。オーロラAは中心体の成熟および分配、また紡錘体の形成に関与する。一方、オーロラBは染色体の凝集、対合、紡錘体チェックポイントおよび細胞質分裂に関与していると考えられている [ネイチャー レビューズ モレキュラー セル バイオロジー(Nat. Rev. Mol. Cell Biol.)、第4号、842−854]。また、オーロラCはオーロラBと相互作用して同様に働くと考えられている [ジャーナル オブ バイオロジカル ケミストリー(J. Biol. Chem.)、Epub ahead (2004)]。これまでにオーロラAの高発現が多くの癌細胞で確認されていること、及び、正常細胞にオーロラAを高発現させるとげっ歯類の正常細胞株を形質転換することなどから、オーロラAががん遺伝子の一つとして、抗がん剤の好適なターゲットと認識されている[ザ エンボジャーナル(EMBO J.)、第17号、3052−3065ページ、(1998)]。
また、オーロラAの高発現したがん細胞が、パクリタキセルに対する耐性があるとの報告もある[キャンサー セル(Cancer Cell)、第3巻、51−62頁、(2003)]。一方、オーロラキナーゼ阻害剤については、サブタイプ間の高い類似性や蛋白構造解析などから、サブタイプ選択的な薬剤開発が困難と考えられており、これまでZM447439などのオーロラA、オーロラBを同時に阻害する薬剤に関する報告は知られているが[ジャーナル オブ セルラー バイオロジー(J. Cell Biol.)、第161号、267−280頁、(2003);ジャーナル オブ セルラー バイオロジー(J. Cell Biol.)、第161号、281−294頁、(2003); ネイチャー メディシン(Nat. Med.)、第10号、262−267頁、(2004)]、オーロラA選択的な薬剤に関する報告は知られていない。即ち、これらの報告ではオーロラA、オーロラBを同時に阻害する薬剤を単剤で投与した場合の抗がん効果のみが開示されているに過ぎない。しかも、オーロラA及びオーロラBを同時に阻害する薬剤ではオーロラキナーゼ阻害作用がパクリタキセルの作用を減弱させている様な結果も同時に報告されている[ジャーナル オブ セルラー バイオロジー(J. Cell Biol.)、第161号、281−294頁、(2003)]。
ここで、過去にオーロラキナーゼ阻害作用を有する化合物に関する特許出願はなされており(国際公開第02/057259号パンフレット、米国特許第6664247号明細書など)、また、アミノピリジン誘導体に関する特許出願もなされている(米国特許第6586424号明細書など)。こうした状況下で、本発明者らは、優れたオーロラA選択的阻害作用を有するアミノピリジン誘導体について特許出願をした(国際公開第2006/046734号パンフレット)。
優れたオーロラA選択的阻害作用を示し、また、それに基づく細胞増殖抑制作用を示すと共に、他の抗がん剤と併用することにより相乗作用を奏する、新規アミノピリジン誘導体を創製することが本発明の解決課題である。さらに、経口投与で優れたオーロラA選択的阻害作用示す新規アミノピリジン誘導体を創製することも本発明の解決課題である。
本発明者等は、上記課題を解決すべく、新規アミノピリジン誘導体を広く合成し、下記一般式[I]で表される化合物が、優れたオーロラA選択的阻害作用、及びそれに基づく細胞増殖抑制作用を示すと共に、他の抗がん剤と併用することにより相乗作用を奏することを見いだして本発明を完成した。これまで、パクリタキセルなどの既存の抗がん剤において、その副作用や薬剤耐性などから十分な量を使用できずに完治できなかった癌に対し、本発明に係る化合物を経口投与することにより、又は、本発明に係る化合物と他の抗がん剤の併用投与することにより、優れた抗がん効果(当該他の抗がん剤の作用の増強を含む)、及び副作用の軽減効果が期待される。
従って、本発明は一般式(I):
Figure 0005411152

[式中、
は、水素原子、F、CN、COORa1、CONRa2a2’、NRa3CORa3’、CONRa4ORa4’、NRa5CONRa5’Ra5”、NRa6COORa6’、SONRa7a7’、NRa8SOa8’、CORa9、SOa10、NO、ORa11、NRa12a12’、置換されていてもよい低級アルキル、又は置換されていてもよい複素環基であり;
(ここで、
a1、Ra3、Ra4、Ra5、Ra6、及びRa8は、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよい低級アルキルであり;
a2、Ra2’、Ra5’、Ra5”、Ra7、Ra7’、Ra12、及びRa12’は、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよい低級アルキルであるが、ただし、Ra2及びRa2’;Ra5’及びRa5”;Ra7及びRa7’;及びRa12及びRa12’は、それぞれ独立して、それらが結合する窒素原子と一緒になって、置換されていてもよい複素環基を形成してもよく;
a3’、Ra4’、Ra6’、Ra8’、Ra9、Ra10、及びRa11は、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよい低級アルキルである。);
は、CO、SO、又はCHRであり(ここで、Rは、CF、CN、CORx1、COORx2、CONRx3x3’、SOx4、又はSONRx5x5’であり;また、Rx1、Rx2及びRx4は、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよい低級アルキルであり;また、Rx3、Rx3’、Rx5、及びRx5’は、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよい低級アルキルであるが、ただし、Rx3及びRx3’、及びRx5及びRx5’は、それぞれ独立して、それらが結合する窒素原子と一緒になって、置換されていてもよい複素環基を形成してもよい。);
は置換されていてもよいフェニルであり;
は、CH、CX1a、又はNであり(ここで、X1aは置換されていてもよい低級アルキルである。);
は、CH、CX2a、又はNであり(ここで、
2aは低級アルキルであるか;又は、
2aは、<置換基群A>から選択される置換基、又は<置換基群A>から選択される1個以上の同一若しくは異なる置換基により置換されている低級アルキルであるか(ここで、<置換基群A>は、ハロゲン原子;シアノ;ヒドロキシ;低級アルキルアミノ;ジ低級アルキルアミノ;1個以上のヒドロキシ基により置換されていてもよい低級アルコキシ;低級アルキルチオ;低級アルキルスルホニル;及び置換されていてもよいフェニルである。);又は、
2aは、COORx10、CONRx20x30、NHCORx10、NHCONRx20x30、NHSONRx20x30、NRx40x50、又はCHNRx40x50であるか(ここで、
x10は、水素原子又は置換されていてもよい低級アルキルであり;
x20及びRx30は、同一又は異なってもよく、それぞれ水素原子、置換されていてもよい低級アルキル、又は置換されていてもよいシクロアルキルであるか;あるいはRx20及びRx30は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、N、O、及びSから選択される少なくとも1個の原子を有し、かつ、置換されていてもよい、5員若しくは6員の脂肪族複素環基を形成し;また、
x40及びRx50は、同一又は異なってもよく、水素原子、置換されていてもよい低級アルキル、又は置換されていてもよいシクロアルキルである。):又は、
2aは、N、O、及びSから選択される少なくとも1個の原子を有し、かつ、置換されていてもよい、5員ないし6員の脂肪族複素環基(ここで、脂肪族複素環基の同一の炭素原子に結合する2個の水素原子はオキソにより置換されていてもよく、また該脂肪族へテロ環状環を形成する隣接する2個の炭素原子は二重結合を形成してもよい。);又は該脂肪族複素環基で置換された低級アルキルであるか;又は、
2aは、N、O、及びSから選択される少なくとも1個の原子を有し、かつ、置換されていてもよい、5員ないし6員の芳香族複素環基;又は該芳香族複素環基で置換された低級アルキルである。);
は、CH、CX3a、又はNであり(ここで、X3aは置換されていてもよい低級アルキルであるが、ただし、X、X及びXに含まれる窒素の数は0又は1個である。);
Wは以下の基:
Figure 0005411152
(式中、
は、CH、N、NH、O、又はSであり;
は、CH、CW2a、N、NW2b、O、又はSであり(ここで、W2a及びW2bは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、シアノ、1ないし2個の炭素原子を有する低級アルキル、3ないし5個の炭素原子を有するシクロアルキル、又は1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよい1ないし2個の炭素原子を有する低級アルキルである。);
は、C又はNであり;そして、
、W、及びWの少なくとも1個は炭素原子であるが、ただし、W、W、及びWの2個が同時にO及びSであることはない。)
である]
で示される化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくはエステルに関する。
また、本発明は、がん治療において同時に、別々に、又は順次に投与するための組み合わせ製剤であって、2つの別個の製剤:
(i)薬学的に許容し得る担体又は希釈剤と一緒に、上記一般式[I]で示される化合物又はその薬学的に許容し得る塩若しくはエステルを含む製剤、並びに
(ii)薬学的に許容し得る担体又は希釈剤と一緒に、抗がん性アルキル化剤、抗がん性代謝拮抗剤、抗がん性抗生物質、植物由来抗がん剤、抗がん性白金配位化合物、抗がん性カンプトテシン誘導体、抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤、モノクローナル抗体、インターフェロン、生物学的応答調節剤、及びその他抗がん剤からなる群から選択される抗がん剤又はその薬学的に許容し得る塩若しくはエステルを含む製剤(ここで、
抗がん性アルキル化剤は、ナイトロジェン マスタード N−オキシド、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、ブスルファン、ミトブロニトール、カルボコン、チオテパ、ラニムスチン、ニムスチン、テモゾロミド又はカルムスチンであり、
抗がん性代謝拮抗剤は、メトトレキサート、6−メルカプトプリンリボシド、メルカプトプリン、5−フルオロウラシル、テガフール、ドキシフルリジン、カルモフール、シタラビン、シタラビンオクホスファート、エノシタビン、S−1、ゲムシタビン、フルダラビン又はペメトレクスド ジソディウムであり、
抗がん性抗生物質は、アクチノマイシンD、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ネオカルチノスタチン、ブレオマイシン、ペプロマイシン、マイトマイシンC、アクラルビシン、ピラルビシン、エピルビシン、ジノスタチンスチマラマー、イダルビシン、シロリムス、又はバルルビシンであり、
植物由来抗がん剤は、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、エトポシド、ソブゾキサン、ドセタキセル、パクリタキセル、又はビノレルビンであり、
抗がん性白金配位化合物は、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、又はオキザリプラチンであり、
抗がん性カンプトテシン誘導体は、イリノテカン、トポテカン、又はカンプトテシンであり、
抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤は、ゲフィチニブ、イマチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、ダザチニブ又はエルロチニブであり、
モノクローナル抗体は、セツキシマブ、リツキシマブ、ベバシズマブ、アレムツズマブ又はトラスツズマブであり、
インターフェロンは、インターフェロンα、インターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、インターフェロンβ、インターフェロンγ−1a、又はインターフェロンγ−n1であり、
生物学的応答調節剤は、クレスチン、レンチナン、シゾフィラン、ピシバニール、又はウベニメクスであり、そして、
その他抗がん剤は、ミトキサントロン、L−アスパラギナーゼ、プロカルバジン、ダカルバジン、ヒドロキシカルバミド、ペントスタチン、トレチノイン、アレファセプト、ダルベポエチン アルファ、アナストロゾール、エキセムスタン、ビカルタミド、リュープロレリン、フルタミド、フルベストラント、ペガプタニブ オクタソディウム、デニリューキン ジフティトクス、アルデスリューキン、チロトロピン アルファ、アルセニック トリオキシド、ボルテゾミブ、カペシタビン、又はゴセレリンである。):
からなる組み合わせ製剤、に関する。
さらに、本発明は、薬学的に許容し得る担体又は希釈剤と一緒に、上記一般式[I]で示される化合物又はその薬学的に許容し得る塩若しくはエステル、並びに抗がん性アルキル化剤、抗がん性代謝拮抗剤、抗がん性抗生物質、植物由来抗がん剤、抗がん性白金配位化合物、抗がん性カンプトテシン誘導体、抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤、モノクローナル抗体、生物学的応答調節剤、及びその他抗がん剤(ここで、各抗がん剤の定義は、上記と同義である。)からなる群から選択される抗がん剤又はその薬学的に許容し得る塩若しくはエステルを含むことを特徴とする医薬組成物、に関する。
また、本発明は、治療上有効量の上記一般式[I]で示される化合物又はその薬学的に許容し得る塩若しくはエステルを、抗がん性アルキル化剤、抗がん性代謝拮抗剤、抗がん性抗生物質、植物由来抗がん剤、抗がん性白金配位化合物、抗がん性カンプトテシン誘導体、抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤、モノクローナル抗体、インターフェロン、生物学的応答調節剤、及びその他抗がん剤(ここで、各抗がん剤の定義は、前記と同じである。)からなる群から選択される治療上有効量の抗がん剤又はその薬学的に許容し得る塩若しくはエステルと組み合わせて、同時に、別々に、又は順次に投与することを特徴とするがん治療方法、に関する。
さらに、本発明は、がん治療のための医薬を製造するための、オーロラA選択的阻害剤の使用、及び、がん治療のための医薬を製造するための、抗がん剤と組み合わせた、オーロラA選択的阻害剤の使用、に関し、また、哺乳類(特にヒト)におけるがんを治療する方法であって、当該哺乳類に治療上の有効量のオーロラA選択的阻害剤を投与することを特徴とする方法、及び、哺乳類(特にヒト)におけるがんを治療する方法であって、治療上の有効量の抗がん剤と組み合わせて、当該哺乳類に治療上の有効量のオーロラA選択的阻害剤を投与することを特徴とする方法、に関する。
また、本発明は、オーロラA選択的阻害剤を有効成分として含有するがん治療剤、及び、抗がん剤と一緒に、オーロラA選択的阻害剤を有効成分として含有するがん治療剤、に関する。
次に、本明細書に記載された記号及び用語について説明する。
上記式(I)中の「低級アルキル基」とは、炭素数1ないし6個の直鎖状又は分岐状のアルキル基をいい、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
上記式(I)中の「シクロアルキル基」とは、3員ないし8員の脂肪族環状基であり、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
上記式(I)中の「複素環基」とは、芳香族複素環基及び脂肪族複素環基をいう。ここで、「芳香族複素環基」とは、炭素原子以外に、窒素原子、酸素原子等の、少なくとも1個の原子を含む、芳香族複素環基をいい、例えば、5員ないし7員の単環式複素環基、及び、これに3員ないし8員の環が縮合した縮環式複素環基などであり、具体的には、チエニル基、ピロリル基、チアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、イソオキサゾリル基、イソキノリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、インドリル基、キノキサリニル基、キノリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基などが挙げられる。一方、「脂肪族複素環基」とは、炭素原子以外に、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含み、単環又は2環ないし3環からなる縮合環である、飽和若しくは不飽和脂肪族複素環基をいい、例えば、アゼチジル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリノ基、テトラヒドロフラニル基、イミダゾリジニル基、チオモルホリノ基、テトラヒドロキノリル基、テトラヒドロイソキノリル基等が挙げられる。
上記式(I)中の「5員環若しくは6員環の脂肪族複素環基」とは、炭素原子以外に、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含み、5員若しくは6員の脂肪族環状基をいい、例えば、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリノ基、テトラヒドロフラニル基、イミダゾリジニル基、チオモルホリノ基等が挙げられる。また、脂肪族複素環基において、同一炭素原子に結合する2個の水素原子が、オキソ基で置換されていてもよく、また、該脂肪族複素環基の環を構成する隣接する炭素原子が2重結合を形成してもよい。
上記式(I)中の「5員環若しくは6員環の芳香族複素環基」とは、炭素原子以外に、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む、5員若しくは6員の芳香族環状基をいい、例えばチエニル基、ピロリル基、フリル基、チアゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基等が挙げられる。
上記式(I)中の「ハロゲン原子」としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、中でも例えばフッ素原子、塩素原子、又は臭素原子が好ましい。
上記式(I)中の「低級アルキルアミノ基」とは、アミノ基に上記「低級アルキル基」がN−置換した基をいい、例えばN−メチルアミノ基、 N−エチルアミノ基、 N−プロピルアミノ基、 N−イソプロピルアミノ基、 N−ブチルアミノ基、 N−イソブチルアミノ基、 N−tert−ブチルアミノ基、 N−ペンチルアミノ基、 N−ヘキシルアミノ基等が挙げられる。
上記式(I)中の「ジ低級アルキルアミノ基」とは、アミノ基に上記「低級アルキル基」がN,N−ジ置換した基をいい、例えばN,N−ジメチルアミノ基、 N,N−ジエチルアミノ基、 N,N−ジプロピルアミノ基、 N,N−ジイソプロピルアミノ基、 N,N−ジブチルアミノ基、 N,N−ジイソブチルアミノ基、 N,N−ジ−tert−ブチルアミノ基、 N,N−ジペンチルアミノ基、 N,N−ジヘキシルアミノ基、N−エチル−N−メチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基等が挙げられる。
上記式(I)中の「低級アルキルスルホニル基」とは、スルホニル基に上記「低級アルキル基」が結合した基をいい、例えばメチルスルホニル基、 エチルスルホニル基、 ブチルスルホニル基等が挙げられる。
上記式(I)中の「低級アルキルスルホニルアミノ基」とは、アミノ基に上記「低級アルキルスルホニル基」が結合した基をいい、例えばメチルスルホニルアミノ基、 エチルスルホニルアミノ基、 ブチルスルホニルアミノ基等が挙げられる。
上記式(I)中の「低級アルコキシ基」とは、酸素原子に「低級アルキル基」が結合した基をいい、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基等が挙げられる。
上記式(I)中の「低級アルコキシカルボニル基」とは、カルボニル基に上記「低級アルコキシ基」が結合した基をいい、具体的には例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ネオペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、イソヘキシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
上記式(I)中の「低級アルコキシカルボニルアミノ基」とは、アミノ基に上記「低級アルコキシカルボニル基」が結合した基をいい、具体的には例えばメトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、プロポキシカルボニルアミノ基、イソプロポキシカルボニルアミノ基、ブトキシカルボニルアミノ基、イソブトキシカルボニルアミノ基、sec−ブトキシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボニルアミノ基、ペンチルオキシカルボニルアミノ基、ネオペンチルオキシカルボニルアミノ基、ヘキシルオキシカルボニルアミノ基、イソヘキシルオキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
上記式(I)中の「低級アルカノイル基」とは、カルボニル基に上記「低級アルキル基」が結合した基をいい、例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ペンタノイル基等が挙げられる。
上記式(I)中の「低級アルカノイルオキシ基」とは、酸素原子に上記「低級アルカノイル基」が結合した基をいい、例えばアセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、イソバレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基等が挙げられる。
上記式(I)中の「低級アルキルチオ基」とは、硫黄原子に上記「低級アルキル」が結合した基をいい、例えばメチルチオ基、 エチルチオ基、 ブチルチオ基等が挙げられる。
本明細書で用いる「オーロラA選択的阻害剤」とは、オーロラBに比べてオーロラAを選択的に阻害する化合物ないし薬剤である。「オーロラA選択的阻害剤」とは、好ましくは、オーロラBに比べてオーロラAを少なくとも10倍強く阻害する化合物ないし薬剤であり、さらに好ましくは、オーロラBに比べてオーロラAを少なくとも100倍強く阻害する化合物ないし薬剤である。
本明細書で用いる「その薬学的に許容し得る塩若しくはエステル」、及び「薬学的に許容できる担体又は希釈剤」の説明は後述する。
本明細書で用いる「がん治療」という用語は、がん患者に対して、抗がん剤を投与することにより、がん細胞の増殖を阻害することを意味する。好ましくは、かかる治療は、がん増殖を後退、即ち、測定可能ながんの大きさを減縮させることができる。さらに好ましくは、かかる治療は、がんを完全に消失させる。
本明細書で用いる「がん」という用語は、固形がん及び造血器がんである。ここで、固形がんは、例えば、脳腫瘍、頭頸部がん、食道がん、甲状腺がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、乳がん、胃がん、胆のう・胆管がん、肝がん、膵がん、結腸がん、直腸がん、卵巣がん、絨毛上皮がん、子宮体がん、子宮頸がん、腎盂・尿管がん、膀胱がん、前立腺がん、陰茎がん、睾丸がん、胎児性がん、ウイルス腫瘍、皮膚がん、悪性黒色腫、神経芽細胞腫、骨肉腫、ユーイング腫、軟部肉腫などである。一方、造血器がんとしては、例えば、急性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、真性多血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫などである。
本明細書で用いる「製剤」という用語は、経口製剤及び非経口製剤を含む。経口製剤としては、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤などであり、一方、非経口製剤としては、例えば、溶液若しくは懸濁液等の殺菌した液状の製剤、具体的には、注射剤、点滴剤などであり、好ましくは、静脈内注射剤又は静脈内点滴剤であり、さらに好ましくは静脈内点滴剤である。
本明細書で用いる「組み合わせ製剤」という用語は、治療において同時に、別々に、又は順次に投与するための2個以上の製剤からなるものをいい、それらが、いわゆるキット型の製剤又は医薬組成物になっていてもよい。上述したような、がん治療において用いる2つの別個の製剤からなる組み合わせ製剤に対して、さらに1個以上の製剤を組み合わせたものも、上記「組み合わせ製剤」に含まれる。
上述した2個の別個の製剤に対して、薬学的に許容し得る担体又は希釈剤と一緒に、抗がん性アルキル化剤、抗がん性代謝拮抗剤、抗がん性抗生物質、植物由来抗がん剤、抗がん性白金配位化合物、抗がん性カンプトテシン誘導体、抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤、モノクローナル抗体、インターフェロン、生物学的応答調節剤、及びその他抗がん剤(ここで、各抗がん剤の定義は、前記と同じである。)からなる群から選択される抗がん剤少なくとも1種以上又はその薬学的に許容し得る塩若しくはエステルを含む製剤1個以上を、さらに組み合わせることもできる。この場合、さらに加えられた1個以上の製剤は、上記2つの別個の製剤と、同時に、別個に、又は順次に投与されてもよい。例えば、3つの製剤からなる組み合わせ製剤としては、上記一般式(I)で表される化合物を含む製剤、5−フルオロウラシルを含む製剤、及びロイコボリンを含む製剤を包含する。
ここで、上記の組み合わせ製剤において、2個の別個の製剤のいずれか一方又は両方が、経口製剤であってもよく、また、一方が経口製剤であり、もう一方が非経口製剤(注射剤又は点滴剤)であってもよい。
本発明に係る「製剤」においては、通常、本発明に係る化合物の治療上の有効量を薬学的に許容し得る担体又は希釈剤と共に含んでいてもよい。この製剤化技術は、当該技術分野の当業者にとって技術常識であると考えられ、よく知られている。好ましくは、薬学的に許容し得る担体又は希釈剤と一緒に、当業者によく知られている多くの方法で経口製剤用、静脈内点滴用又は注射用に製剤化することができる。
本明細書で用いる「投与」という用語は、本発明に係る組み合わせ製剤を用いる場合、非経口投与及び/又は経口投与を意味し、好ましくは、経口投与である。即ち、組み合わせ製剤を投与する場合、両方とも非経口投与でもよく、一方が非経口投与でもう一方が経口投与でもよく、また、両方とも経口投与でもよい。好ましくは、組み合わせ製剤の両方が経口投与される。ここで、「非経口投与」は、例えば、静脈内投与、皮下投与、筋肉内投与などであり、好ましくは、静脈内投与である。また、3個以上の製剤が組み合わされて投与される場合でも、いずれも経口製剤であってもよい。
なお、本発明の実施において、上記一般式(I)で示される化合物は、他の抗がん剤と同時に投与してもよい。また、上記一般式(I)で示される化合物を投与してから連続して他の抗がん剤を投与してもよいし、他の抗がん剤を投与してから上記一般式(I)で示される化合物を連続して投与してもよい。さらに、上記一般式(I)で示される化合物を投与し、時間をおいて別々に他の抗がん剤を投与してもよいし、他の抗がん剤を投与し、時間を置いて別々に上記一般式(I)で示される化合物を投与してもよい。かかる投与順序及び投与間隔は、用いられる上記一般式(I)で示される化合物を含む製剤、及びそれと併用される抗がん剤を含む製剤、治療すべきがん細胞の種類、患者の状態などに応じて、当業者が適宜選択することができる。例えば、上記一般式(I)で示される化合物とパクリタキセル又はドセタキセルを投与するときは、好ましくは、まずパクリタキセル又はドセタキセルを投与してから、連続して又は時間をおいて上記一般式(I)で示される化合物を投与する。
また、本明細書で用いる「同時に」とは、ほぼ同じ時間に治療に使用することをいい、「別々に」とは、異なった時間に別々に治療に使用することをいい、例えば、1日目に1つの薬剤、2日目にもう1つの薬剤を治療に使用するような場合をいう。「順次に」とは、順番に従って使用することをいい、例えば、最初に1つの薬剤を使用し、次いで、決められた時間後に、他の薬剤を治療に使用するような場合をいう。
本明細書で用いる「抗がん性アルキル化剤」は、抗がん活性を有するアルキル化剤を意味し、ここで、「アルキル化剤」とは、一般に、有機化合物の水素原子をアルキル基で置換するアルキル化反応において、アルキル基を与えるものをいう。「抗がん性アルキル化剤」は、例えば、ナイトロジェン マスタード N−オキシド、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、ブスルファン、ミトブロニトール、カルボコン、チオテパ、ラニムスチン、ニムスチン、テモゾロミド又はカルムスチンなどである。
本明細書で用いる「抗がん性代謝拮抗物質」は、抗がん活性を有する代謝拮抗物質をいい、ここで、「代謝拮抗物質」とは、広義には、生体にとって重要な代謝物(ビタミン、補酵素、アミノ酸、糖類など)と構造上又は機能上類似しているために、正常な物質代謝を行わなくさせる物質や、電子伝達系を阻害することによって高エネルギー中間体をつくれなくさせる物質を包含する。「抗がん性代謝拮抗物質」は、例えば、メトトレキサート、6−メルカプトプリンリボシド、メルカプトプリン、5−フルオロウラシル、テガフール、ドキシフルリジン、カルモフール、シタラビン、シタラビンオクホスファート、エノシタビン、S−1、ゲムシタビン、フルダラビン又はペメトレクスド ジソディウムなどであり、好ましくは、5−フルオロウラシル、S−1、ゲムシタビンなどである。
本明細書で用いる「抗がん性抗生物質」は、抗がん活性を有する抗生物質をいい、ここで、「抗生物質」とは、微生物によってつくられるか、又は有機合成によりつくられ、微生物その他の生物細胞の発育その他の機能を阻害する物質を包含する。「抗がん性抗生物質」は、例えば、アクチノマイシンD、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ネオカルチノスタチン、ブレオマイシン、ペプロマイシン、マイトマイシンC、アクラルビシン、ピラルビシン、エピルビシン、ジノスタチンスチマラマー、イダルビシン、シロリムス又はバルルビシンなどである。
本明細書で用いる「植物由来抗がん剤」は、植物を起源として見いだされた抗がん活性を有する化合物であるか、或いは、その化合物を化学修飾を加えた化合物を包含する。「植物由来抗がん剤」は、例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、エトポシド、ソブゾキサン、ドセタキセル、パクリタキセル、ビノレルビンなどであり、好ましくは、ドセタキセル及びパクリタキセルである。
本明細書で用いる「抗がん性カンプトテシン誘導体」は、カンプトテシン自身を含み、構造的にカンプトテシンに関連するがん細胞増殖阻害性化合物を意味する。「抗がん性カンプトテシン誘導体」としては、特に限定されないが、カンプトテシン、10−ヒドロキシカンプトテシン、トポテカン、イリノテカン、9−アミノカンプトテシンなどが挙げられ、好ましくは、カンプトテシン、トポテカン、及びイリノテカンである。なお、イリノテカンは、生体内で代謝されてSN−38として抗がん作用を示す。カンプトテシン誘導体は、作用機構および活性はほぼカンプトテシンと同様と考えられる(新田 他、癌と化学療法、14,850−857(1987)など)。
本明細書で用いる「抗がん性白金配位化合物」は、抗がん活性を有する白金配位化合物をいい、ここで、「白金配位化合物」は、イオンの形態で白金を提供する白金配位化合物を意味する。好ましい白金化合物としては、シスプラチン;シス−ジアンミンジアコ白金(II)−イオン;クロロ(ジエチレントリアミン)−白金(II)クロリド;ジクロロ(エチレンジアミン)−白金(II);ジアンミン(1,1−シクロブタンジカルボキシラト)白金(II)(カルボプラチン);スピロプラチン;イプロプラチン;ジアンミン(2−エチルマロナト)−白金(II);エチレンジアミンマロナト白金(II);アクア(1,2−ジアミノジシクロヘキサン)スルファト白金(II);アクア(1,2−ジアミノジシクロヘキサン)マロナト白金(II);(1,2―ジアミノシクロヘキサン)マロナト白金(II);(4−カルボキシフタラト)(1,2−ジアミノシクロヘキサン)白金(II);(1,2−ジアミノシクロヘキサン)−(イソシトラト)白金(II);(1,2−ジアミノシクロヘキサン)オキサラト白金(II);オルマプラチン;テトラプラチン;カルボプラチン;ネダプラチン及びオキザリプラチンであり、好ましくは、カルボプラチン又はオキザリプラチンである。また、本明細書で挙げた他の抗がん性白金配位化合物は、公知であり、商業的に入手可能であり、及び/又は、慣用技術によって当業者が製造することができる。
本明細書で用いる「抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤」とは、抗がん活性を有するチロシンキナーゼ阻害剤をいい、ここで、「チロシンキナーゼ阻害剤」とは、ATPのγ−リン酸基をタンパク質の特定のチロシンのヒドロキシル基に転移する「チロシンキナーゼ」を阻害する化学物質をいう。「抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤」としては、ゲフィチニブ、イマチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、ダザチニブ、エルロチニブなどが挙げられる。
本明細書で用いる「モノクローナル抗体」は、単クローン性抗体ともいわれ、単一クローンの抗体産生細胞が産生する抗体をいい、例えば、セツキシマブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、アレムツズマブ、トラスツズマブなどが挙げられる。
本明細書で用いる「インターフェロン」とは、抗がん活性を有するインターフェロンをいい、一般に、ウイルス感染に際して、ほとんどすべての動物細胞が生産・分泌する分子量約2万の糖タンパク質であり、ウイルス増殖抑制のみならず、細胞(特に腫瘍細胞)の増殖抑制や、ナチュラルキラー活性の増強をはじめ多様な免疫エフェクター作用があり、サイトカインの1種と位置づけられる。「インターフェロン」としては、例えば、インターフェロンα、インターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、インターフェロンβ、インターフェロンγ−1a、インターフェロンγ−n1などが挙げられる。
本明細書で用いる「生物学的応答調節剤」とは、いわゆるバイオロジカル・レスポンス・モディファイヤー(biological response modifier; BRM)であり、一般に、生体のもつ防御機構や組織細胞の生存、増殖、または分化など生物学的反応を調節することによって、腫瘍や感染あるいはその他の疾病に対して、個体に利する方向にもっていくことを目的とする物質や薬剤の総称をいう。「生物学的応答調節剤」としては、例えば、クレスチン、レンチナン、シゾフィラン、ピシバニール、ウベニメクスなどが挙げられる。
本明細書で用いる「その他抗がん剤」とは、抗がん活性を有する上記のいずれにも属しない抗がん剤をいう。「その他抗がん剤」としては、ミトキサントロン、L−アスパラギナーゼ、プロカルバジン、ダカルバジン、ヒドロキシカルバミド、ペントスタチン、トレチノイン、アレファセプト、ダルベポエチン アルファ、アナストロゾール、エキセムスタン、ビカルタミド、リュープロレリン、フルタミド、フルベストラント、ペガプタニブ オクタソディウム、デニリューキン ジフティトクス、アルデスリューキン、チロトロピン アルファ、アルセニック トリオキシド、ボルテゾミブ、カペシタビン、ゴセレリン、などが挙げられる。
上記「抗がん性アルキル化剤」、「抗がん性代謝拮抗物質」、「抗がん性抗生物質」、「植物由来抗がん剤」、「抗がん性白金配位化合物」、「抗がん性カンプトテシン誘導体」、「抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤」、「モノクローナル抗体」、「インターフェロン」、「生物学的応答調節剤」、及び「その他抗がん剤」は、いずれも公知であり、商業的に入手可能であり、或いは、それ自体公知の方法ないし周知・慣用的な方法によって当業者が製造することができる。また、 ゲフィチニブの製造方法は、例えば、米国特許第5,770,599号明細書に;セツキシマブの製造方法は、例えば、国際公開WO96/40210号パンフレットに; ベバシズマブの製造方法は、例えば、国際公開WO94/10202号パンフレットに; オキザリプラチンの製造方法は、例えば、米国特許第5,420,319号明細書、同第5,959,133号明細書に; ゲムシタビンの製造方法は、例えば、米国特許第5,434,254号明細書、同第5,223,608号明細書に; カンプトテシンの製造方法は、米国特許第5,162,532号明細書、同第5,247,089号明細書、同第5,191,082号明細書、同第5,200,524号明細書、同第5,243,050号明細書、同第5,321,140号明細書に; イリノテカンの製造方法は、例えば、米国特許第4,604,463号明細書に; トポテカンの製造方法は、例えば、米国特許第5,734,056号明細書に; テモゾロミドの製造方法は、例えば、日本特許公報平4−5029号明細書に; リツキシマブの製造方法は、日本公表特許公報平2−503143号明細書に、それぞれ記載されている。
上記の抗がん性アルキル化剤については、例えば、ナイトロジェンマスタード N−オキシドは、ナイトロミン(商品名)として三菱ウェルファーマから; シクロホスファミドは、エンドキサン(商品名)として塩野義製薬から; イホスファミドは、イフォミド(商品名)として塩野義製薬から; メルファランは、アルケラン(商品名)としてグラクソスミスクラインから; ブスルファンは、マブリン(商品名)として武田薬品から; ミトブロニトールは、ミエブロール(商品名)として杏林製薬から; カルボコンは、エスキノン(商品名)として三共から; チオテパは、テスパミン(商品名)として住友製薬から; ラニムスチンは、シメリン(商品名)として三菱ウエルファーマから; 及びニムスチンは、ニダラン(商品名)として三共から; テモゾロミドは、テモダール(商品名)としてシェリングから; 及びカルムスチンは、グリアデル ウォファー(商品名)としてグリフォードから、それぞれ市販で入手することができる。
上記の抗がん性代謝拮抗剤については、例えば、メトトレキサートは、メトトレキセート(商品名)として武田薬品から; 6−メルカプトプリンリボシドは、チオイノシ(商品名)としてアベンティスから; メルカプトプリンは、ロイケリン(商品名)として武田薬品から; 5−フルオロウラシルは、5−FU(商品名)として協和発酵から; テガフールは、フトラフール(商品名)として大鵬薬品から; ドキシフルリジンは、フルツロン(商品名)として日本ロシュから; カルモフールは、ヤマフール(商品名)として山之内製薬から; シタラビンは、シロサイド(商品名)として日本新薬から; シタラビンオクホスファートは、ストラシド(商品名)として日本化薬から; エノシタビンは、サンラビン(商品名)として旭化成から; S−1は、TS−1(商品名)として大鵬薬品から; ゲムシタビンは、ゲザール(商品名)としてリリーから; フルダラビンは、フルダラ(商品名)として日本シェーリングから; 及びペメトレクスド ジソディウムは、アリムタ(商品名)としてイーライリリーから、それぞれ市販で入手することができる。
上記の抗がん性抗生物質としては、例えば、アクチノマイシンDは、コスメゲン(商品名)として万有製薬から; ドキソルビシンは、アドリアシン(商品名)として協和発酵から; ダウノルビシンは、ダウノマイシン(商品名)として明治製菓から; ネオカルチノスタチンは、ネオカルチノスタチン(商品名)として山之内製薬から; ブレオマイシンは、ブレオ(商品名)として日本化薬から; ペプロマイシンは、ペプロ(商品名)として日本化薬から; マイトマイシンCは、マイトマイシン(商品名)として協和発酵から; アクラルビシンは、アクラシノン(商品名)として山之内製薬から; ピラルビシンは、ピノルビン(商品名)として日本化薬から; エピルビシンは、ファルモルビシン(商品名)としてファルマシアから; ジノスタチンスチマラマーは、スマンクス(商品名)として山之内製薬から; イダルビシンは、イダマイシン(商品名)としてファルマシアから; シロリムスは、ラパムン(商品名)としてワイスから; 及びバルルビシンは、バルスター(商品名)としてアンスラ ファーマシューティカルからそれぞれ市販で入手することができる。
上記の植物由来抗がん剤としては、例えば、ビンクリスチンは、オンコビン(商品名)として塩野義製薬から; ビンブラスチンは、ビンブラスチン(商品名)として杏林製薬から; ビンデシンは、フィルデシン(商品名)として塩野義製薬から; エトポシドは、ラステット(商品名)として日本化薬から; ソブゾキサンは、ペラゾリン(商品名)として全薬工業から; ドセタキセルは、タキソテール(商品名)としてアベンテイスから; パクリタキセルは、タキソール(商品名)としてブリストルから; 及びビノレルビンは、ナベルビン(商品名)として協和発酵から、それぞれ市販で入手することができる。
上記の抗がん性白金配位化合物としては、例えば、シスプラチンは、ランダ(商品名)として日本化薬から; カルボプラチンはパラプラチン(商品名)としてブリストルから; ネダプラチンは、アクプラ(商品名)として塩野義製薬から;及びオキザリプラチンは、エロキサチン(商品名)としてサノフィから、それぞれ市販で入手することができる。
上記の抗がん性カンプトテシン誘導体としては、例えば、イリノテカンは、カンプト(商品名)としてヤクルトから; トポテカンは、ハイカムチン(商品名)としてグラクソスミスクラインから; 及びカンプトテシンは、米国アルドリッチケミカルなどから、それぞれ市販で入手することができる。
上記の抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤としては、例えば、ゲフィチニブは、イレッサ(商品名)としてアストラゼネカから; イマチニブは、グリベック(商品名)としてノバルティスから; ソラフェニブは、ネキサバー(商品名)としてバイエルから; スニチニブは、ステント(商品名)としてファイザーから;ダザチニブは、スプライセル(商品名)としてブリストル・マイヤーズ・スクイブから;及びエルロチニブは、タルセバ(商品名)としてオーエスアイ ファーマシューティカルから、それぞれ市販で入手することができる。
上記のモノクローナル抗体としては、例えば、セツキシマブは、エルビタックス(商品名)としてブリストルマイヤーズスクイブから; ベバシズマブは、アバスチン(商品名)としてジェネンテックから; リツキシマブは、リツキサン(商品名)としてバイオジェンから; アレムツズマブは、カンパス(商品名)としてベルレックスから; 及びトラスツズマブは、ハーセプチン(商品名)として中外製薬から、それぞれ市販で入手することができる。
上記のインターフェロンとしては、例えば、インターフェロンαは、スミフェロン(商品名)として住友製薬から; インターフェロンα−2aは、カンフェロン−A(商品名)として武田薬品から; インターフェロンα−2bは、イントロンA(商品名)としてシェリングプラウから; インターフェロンβは、IFNβ(商品名)として持田製薬から; インターフェロンγ−1aは、イムノマックス−γ(商品名)として塩野義製薬から; 及びインターフェロンγ−n1は、オガンマ(商品名)として大塚製薬から、それぞれ市販で入手することができる。
上記の生物学的応答調節剤としては、例えば、クレスチンは、クレスチン(商品名)として三共から; レンチナンは、レンチナン(商品名)としてアベンテイスから; シゾフィランは、ソニフィラン(商品名)として科研製薬から; ピシバニールは、ピシバニール(商品名)として中外製薬から; 及びウベニメクスは、ベスタチン(商品名)として日本化薬から、それぞれ市販で入手することができる。
上記のその他抗がん剤としては、例えば、ミトキサントロンは、ノバントロン(商品名)として日本ワイスレダリーから; L−アスパラギナーゼは、ロイナーゼ(商品名)として協和発酵から; プロカルバジンは、ナツラン(商品名)として日本ロシュから; ダカルバジンは、ダカルバジン(商品名)として協和発酵から; ヒドロキシカルバミドは、ハイドレア(商品名)としてブリストルから; ペントスタチンは、コフォリン(商品名)として化学及び血清療法研究所から; トレチノインは、ベサノイド(商品名)として日本ロシュから; アレファセプトは、アメビブ(商品名)としてバイオジェンから; ダルベポエチン アルファは、アラネスプ(商品名)としてアムジェンから; アナストロゾールは、アリミデックス(商品名)としてアストラゼネカから; エキセメスタンは、アロマシン(商品名)としてファイザーから; ビカルタミドは、カソデックス(商品名)としてアストラゼネカから; リュープロレリンは、リュープリン(商品名)として武田薬品から; フルタミドは、ユーレキシン(商品名)としてシェリングプラウから; フルベストラントは、ファスロデックス(商品名)としてアストラゼネカから; ペガプタニブ オクタソディウムは、マクゲン(商品名)としてギリードサイエンスから; デニリューキン ジフティトクスは、オンタック(商品名)としてリガンドから; アルデスリューキンは、プロリューキン(商品名)としてキロンから; チロトロピン アルファは、チロゲン(商品名)としてゲンザイムから; アルセニック トリオキシドは、トリセノックス(商品名)としてセル セラピューティクスから; ボルテゾミブは、ベルケイド(商品名)としてミレニウムから; カペシタビンは、ゼロダ(商品名)としてロシュから; 及びゴセレリンは、ゾラデックス(商品名)としてアストラゼネカから、それぞれ市販で入手することができる。
本明細書で用いる「抗がん剤」とは、上記「抗がん性アルキル化剤」、「抗がん性代謝拮抗物質」、「抗がん性抗生物質」、「植物由来抗がん剤」、「抗がん性白金配位化合物」、「抗がん性カンプトテシン誘導体」、「抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤」、「モノクローナル抗体」、「インターフェロン」、「生物学的応答調節剤」、及び「その他抗がん剤」から選ばれる抗がん剤をいう。
本明細書にて使用する場合、用語の「アミノピリジン誘導体」とは、限定されるものではないが、ピリジル基又はピリジン類似基を有し、そのいずれかがアミノ基で置換されている化合物である。それは上記一般式(I)の化合物により例示されるものであり、好ましくは下記(a)ないし(f)のいずか1種の化合物である:
(a)1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−オール(実施例2);
(b)5−(1−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン(実施例9);
(c)5−(1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン(実施例10);
(d)5−(4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−((2−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン(実施例14);
(e)5−(1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((4−フェニル−6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン(実施例17);又は
(f)5−(4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−(2,2,2−トリフルオロ−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン(実施例19);
である化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくはエステル。
上記一般式(I)で示される化合物の実施態様を、さらに詳細に説明する。
は、水素原子、F、CN、COORa1、CONRa2a2’、NRa3CORa3’、CONRa4ORa4’、NRa5CONRa5’Ra5”、NRa6COORa6’、SONRa7a7’、NRa8SOa8’、CORa9、SOa10、NO、ORa11、NRa12a12’、置換されていてもよい低級アルキル、又は置換されていてもよい複素環基であり、
ここで、
a1、Ra3、Ra4、Ra5、Ra6、及びRa8は、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよい低級アルキルであり;
a2、Ra2’、Ra5’、Ra5”、Ra7、Ra7’、Ra12、及びRa12’は、それぞれ独立して水素原子又は置換されていてもよい低級アルキルであるが、ただし、Ra2及びRa2’;Ra5’及びRa5”;Ra7及びRa7’;及びRa12及びRa12’は、それぞれ独立して、それらが結合する窒素原子と一緒になって、置換されていてもよい複素環基を形成してもよく;
a3’、Ra4’、Ra6’、Ra8’、Ra9、Ra10、及びRa11は、それぞれ独立して水素原子又は置換されていてもよい低級アルキルである。
好ましくは、Rは、水素原子、F、CN、COORa1、CONRa2a2’、NRa3CORa3’、CONRa4ORa4’、NRa5CONRa5’Ra5”、NRa6COORa6’、SONRa7a7’、NRa8SOa8’、CORa9、SOa10、NO、ORa11、又はNRa12a12’であり、
ここで、
a1、Ra3、Ra4、Ra5、Ra6、及びRa8は、それぞれ独立して水素原子又は低級アルキルであり;
a2、Ra2’、Ra5’、Ra5”、Ra7、Ra7’、Ra12、及びRa12’は、それぞれ独立して水素原子又は<置換基群L>から選択される1個以上の同一若しくは異なる置換基により置換されていてもよい低級アルキルであり、ここで、<置換基群L>は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、カルバモイル、アミノスルホニル、イミノ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、低級アルキルスルホニル、低級アルキルスルホニルアミノ、低級アルコキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルカノイル、低級アルカノイルオキシ、低級アルキルチオ、及びカルボキシルであるが、ただし、Ra2及びRa2’;Ra5’及びRa5”;Ra7及びRa7’;及びRa12及びRa12’は、それぞれ独立して、それらが結合する窒素原子と一緒になって、<置換基群L>から選択される1個以上の同一若しくは異なる置換基により置換されていてもよい、5員若しくは6員の芳香族若しくは脂肪族複素環基を形成してもよく、ここで、<置換基群L>は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、アミノ、及びヒドロキシメチルであり;
a3’、Ra4’、Ra6’、Ra8’、Ra9、Ra10、及びRa11は、それぞれ独立して、水素原子又は<置換基群L>から選択される1個以上の同一若しくは異なる置換基により置換されていてもよい低級アルキルであるか;又は、
は<置換基群M>から選択される1個以上の同一若しくは異なる置換基により置換されていてもよい低級アルキルであり、ここで、<置換基群M>は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、カルバモイル、アミノスルホニル、イミノ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、低級アルキルスルホニル、低級アルキルスルホニルアミノ、低級アルコキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルカノイル、低級アルカノイルオキシ、低級アルキルチオ、及びカルボキシルであるか;又は、
は以下から選択される複素環基であり、ここで、Y及びYは同一又は異なって、それぞれ水素原子又は置換されていてもよい低級アルキルである。
Figure 0005411152
より好ましくは、Rは、水素原子、OH、COORa1、CONRa2a2’、又はCONRa4ORa4’(ここで、Ra1、Ra2、Ra2’、Ra4、及びRa4’は同一又は異なって、それぞれ水素原子又は1ないし3個の炭素原子を有する低級アルキルである。)であるか;又はRは以下から選択される。
Figure 0005411152
<置換基群L>は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、カルバモイル、アミノスルホニル、イミノ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、低級アルキルスルホニル、低級アルキルスルホニルアミノ、低級アルコキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルカノイル、低級アルカノイルオキシ、低級アルキルチオ、及びカルボキシルであり;好ましくは、水素原子、ヒドロキシ、アミノ、カルバモイル、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、及び低級アルコキシである。
<置換基群L>は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、アミノ、及びヒドロキシメチルであり;好ましくは、ヒドロキシ及びヒドロキシメチルである。
<置換基群M>は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、カルバモイル、アミノスルホニル、イミノ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、低級アルキルスルホニル、低級アルキルスルホニルアミノ、低級アルコキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルカノイル、低級アルカノイルオキシ、低級アルキルチオ、及びカルボキシルであり;好ましくは、ヒドロキシ、カルバモイル、アミノスルホニル、低級アルキルスルホニルアミノ、及びカルボキシルである。
は、CO、SO、又はCHRであり、ここで、Rは、CF、CN、CORx1、COORx2、CONRx3x3’、SOx4、又はSONRx5x5’であり;また、Rx1、Rx2、及びRx4はそれぞれ独立して水素原子又は置換されていてもよい低級アルキルであり;また、Rx3、Rx3’、Rx5、及びRx5’はそれぞれ独立して水素原子又は置換されていてもよい低級アルキルであるが、ただし、Rx3及びRx3’、及びRx5及びRx5’は、それぞれ独立して、それらが結合する窒素原子と一緒になって、置換されていてもよい複素環基を形成してもよい。
好ましくは、Rは、CO、SO、又はCHCFである。
は置換されていてもよいフェニルであり;好ましくは、Rは、その2位及び3位がF、Cl、CF、及びCNから選択される同一若しくは異なる2個の置換基により置換されているフェニルであるか、又はその2位若しくは3位がF、Cl、CF、及びCNから選択される1個の置換基により置換されているフェニルである。
は、CH、CX1a、又はNである(ここで、X1aは置換されていてもよい低級アルキルである)。
好ましくは、Xは、CH又はNであり;より好ましくは、CHである。
は、CH、CX2a、又はNであり、ここで、
2aは低級アルキルであるか;又は、
2aは、<置換基群A>から選択される置換基、又は<置換基群A>から選択される1個以上の同一若しくは異なる置換基により置換されている低級アルキルであるか、(ここで、<置換基群A>は、ハロゲン原子;シアノ;ヒドロキシ;低級アルキルアミノ;ジ低級アルキルアミノ;1個以上のヒドロキシ基により置換されていてもよい低級アルコキシ;低級アルキルチオ;及び低級アルキルスルホニル;置換されていてもよいフェニルである);又は、
2aは、COORx10、CONRx20x30、NHCORx10、NHCONRx20x30、NHSONRx20x30、NRx40x50、又はCHNRx40x50であり、
ここで、
x10は、水素原子又は置換されていてもよい低級アルキルであり;
x20及びRx30は、同一又は異なってもよく、それぞれ水素原子、置換されていてもよい低級アルキル、又は置換されていてもよいシクロアルキルであるか;あるいはRx20及びRx30は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、N、O、及びSから選択される少なくとも1個の原子を有し、かつ、置換されていてもよい、5員若しくは6員の脂肪族複素環基を形成し;及び、
x40及びRx50は、同一又は異なってもよく、それぞれ水素原子、置換されていてもよい低級アルキル、又は置換されていてもよいシクロアルキルである;又は
2aは、N、O、及びSから選択される少なくとも1個の原子を有し、かつ、置換されていてもよい、5員ないし6員の脂肪族複素環基(ここで、脂肪族複素環基の同一の炭素原子に結合する2個の水素原子はオキソにより置換されていてもよく、また該脂肪族へテロ環状環を形成する隣接する2個の炭素原子は二重結合を形成してもよい。);又は該脂肪族複素環基で置換された低級アルキルであるか;又は、
2aは、N、O、及びSから選択される少なくとも1個の原子を有し、かつ、置換されていてもよい、5員ないし6員の芳香族複素環基;又は該芳香族複素環基で置換された低級アルキルである。
好ましくは、Xは、CH、CX2a、又はNであり、ここで、X2aは低級アルキル、ハロゲン原子;置換されていてもよいフェニルであり;より好ましくは、XがCHである場合に、XはCH又はCX2aであるか(ここで、X2aは置換されていてもよいフェニルである);又はXがCHである場合に、XはNであるか;又はXがNである場合に、XはCN若しくはCX2aである(ここで、X2aは置換されていてもよいフェニルである)。
より好ましくは、Xは、CH又はCX2aであり、ここで、X2aは置換されていてもよい低級アルキル若しくはフェニルである。
は、CH、CX3a、又はNであり、ここで、X3aは置換されていてもよい低級アルキルである。
好ましくは、XはCHである。
但し、X、X、及びXのうち窒素であるものの数は0又は1個である;
及びX間の組合せに関しては、好ましくは、XがCHであり、XはCH又はCX2aであるか(ここで、X2aは置換されていてもよいフェニルである);又はXがCHであり、XがNであるか;又はXがNであり、XはCH又はCX2aである(ここで、X2aは低級アルキルである)。
及びX間の組合せに関しては、より好ましくは、X及びXは共にCHであるか;又はXがCHであり、XがCX2aである(ここで、X2aは置換されていてもよいフェニルである)。
<置換基群A>は、ハロゲン原子;シアノ;ヒドロキシ;低級アルキルアミノ;ジ低級アルキルアミノ;1個以上のヒドロキシ基により置換されていてもよい低級アルコキシ;低級アルキルチオ;低級アルキルスルホニル;及び置換されていてもよいフェニルであり、好ましくは、ハロゲン原子、ヒドロキシ、ジ低級アルキルアミノ、低級アルキルスルホニル;及び置換されていてもよいフェニルである。
Wは以下の基であり:
Figure 0005411152
ここで、
は、CH、N、NH、O、又はSであり;
は、CH、CW2a、N、NW2b、O又はSであり、ここで、W2a及びW2bは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、シアノ、1ないし2個の炭素原子を有する低級アルキル、3ないし5個の炭素原子を有するシクロアルキル、又は1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよい1ないし2個の炭素原子を有する低級アルキルであり;
は、C又はNであり;そして、
、W、及びWの少なくとも1個は炭素原子であるが;しかし、W、W、及びWの2個が同時にO及びSであることはない。
Wは好ましくは、以下から選択される。
Figure 0005411152
Wはより好ましくは、以下から選択される。
Figure 0005411152
ここで、W2aは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、又は1ないし3個のフッ素原子により置換されていてもよいメチルである。
Wは特に好ましくは、以下から選択される。
Figure 0005411152
Wはさらにより好ましくは、以下から選択される。
Figure 0005411152
上記一般式(I)で示される化合物の好適な実施態様はまた、以下のように表わすこともできる。
(1)XがCHである上記式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはエステル。
(2)上記(1)に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくはエステル[ここで、
が、水素原子、F、CN、COORa1、CONRa2a2’、NRa3CORa3’、CONRa4ORa4’、NRa5CONRa5’Ra5”、NRa6COORa6’、SONRa7a7’、NRa8SOa8’、CORa9、SOa10、NO、ORa11、又はNRa12a12
(ここで、
a1、Ra3、Ra4、Ra5、Ra6、及びRa8はそれぞれ独立して水素原子又は低級アルキルであり;
a2、Ra2’、Ra5’、Ra5”、Ra7、Ra7’、Ra12、及びRa12’はそれぞれ独立して水素原子又は<置換基群L>から選択される1個以上の同一若しくは異なる置換基により置換されていてもよい低級アルキルであり、ここで、<置換基群L>は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、カルバモイル、アミノスルホニル、イミノ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、低級アルキルスルホニル、低級アルキルスルホニルアミノ、低級アルコキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルカノイル、低級アルカノイルオキシ、低級アルキルチオ、及びカルボキシルであるが、ただし、Ra2及びRa2’;Ra5’及びRa5”;Ra7及びRa7’;及びRa12及びRa12’は、それぞれ独立して、それらが結合する窒素原子と一緒になって、<置換基群L>から選択される1個以上の同一若しくは異なる置換基により置換されていてもよい、5員若しくは6員の芳香族若しくは脂肪族複素環基を形成してもよく、ここで、<置換基群L>は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、アミノ、及びヒドロキシメチルであり;
a3’、Ra4’、Ra6’、Ra8’、Ra9、Ra10、及びRa11はそれぞれ独立して水素原子又は<置換基群L>から選択される1個以上の同一若しくは異なる置換基により置換されていてもよい低級アルキルである。)であるか;又は
が<置換基群M>から選択される1個以上の同一若しくは異なる置換基により置換されていてもよい低級アルキル(ここで、<置換基群M>は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、カルバモイル、アミノスルホニル、イミノ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、低級アルキルスルホニル、低級アルキルスルホニルアミノ、低級アルコキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルカノイル、低級アルカノイルオキシ、低級アルキルチオ、及びカルボキシルである。)であるか;又は、
が以下から選択される複素環基(ここで、Y及びYは同一又は異なって、それぞれ水素原子又は置換されていてもよい低級アルキルである。)である]
Figure 0005411152
(3)上記(2)に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくはエステル(ここで、Wは以下から選択される)。
Figure 0005411152
(4)上記(3)に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくはエステル(ここで、Rは、2位及び3位がF、Cl、CF、及びCNから選択される同一若しくは異なる2個の置換基により置換されているフェニルであるか、又は2位若しくは3位がF、Cl、CF、及びCNから選択される1個の置換基により置換されているフェニルである)。
(5)上記(4)に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくはエステル(ここで、<置換基群L>は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、アミノ、カルバモイル、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、及び低級アルコキシであり;また<置換基群M>は、ヒドロキシ、カルバモイル、アミノスルホニル、低級アルキルスルホニルアミノ、及びカルボキシルである)。
(6)上記(5)に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくはエステル[ここで、XはCHであり、XがCH又はCX2a(ここで、X2aは置換されていてもよいフェニルである)であるか;又は、
がCHであり、XはNであるか;又は、
がNであり、XはCH又はCX2a(ここで、X2aは低級アルキル又はハロゲン原子である)である]。
(7)上記(6)に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくはエステル[ここで、Rは、水素原子、OH、COORa1、CONRa2a2’、又はCONRa4ORa4’(ここで、Ra1、Ra2、Ra2’、Ra4、及びRa4’は同一又は異なって、それぞれ水素原子又は1ないし3個の炭素原子を有する低級アルキルである)であるか;又はRは以下から選択され;
Figure 0005411152
は、CO、SO、又はCHCFである]。
(8)上記(7)に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくはエステル[ここで、Wは以下から選択される:
Figure 0005411152
(ここで、W2aは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、又は1ないし3個のフッ素原子により置換されていてもよいメチルである)]。
(9)上記(8)に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくはエステル[式中、X及びXは共にCHであり;Wは以下のいずれか一つである]。
Figure 0005411152
(10)以下の化合物:
(a)1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−オール(実施例2);
(b)5−(1−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン(実施例9);
(c)5−(1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン(実施例10);
(d)5−(4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−((2−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン(実施例14);
(e)5−(1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((4−フェニル−6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン(実施例17);又は、
(f)5−(4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−(2,2,2−トリフルオロ−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン(実施例19);
又はその薬学的に許容される塩若しくはエステル。
さらに、本発明に係る2種の別個の製剤を含有してなる組み合わせ製剤においては、好ましくは、2種の別個の製剤のいずれか一方又は両方が経口製剤である。
本発明に係る2種の別個の製剤を含有してなる組み合わせ製剤は、好ましくは、該製剤の一方が薬学的に許容される担体又は賦形剤と共に、以下:
(a)1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−オール;
(b)5−(1−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン;
(c)5−(1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン;
(d)5−(4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−((2−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン;
(e)5−(1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((4−フェニル−6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン;又は
(f)5−(4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−(2,2,2−トリフルオロ−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン;
又はその薬学的に許容される塩若しくはエステルを含む製剤であり;及び、
他方の製剤はパクリタキセル又はドセタキセル、又はその薬学的に許容される塩若しくはエステルを、薬学的に許容される担体又は賦形剤と共に含有する製剤である。
さらに、本発明による2種の別個の製剤を薬学的に許容される担体又は賦形剤と共に含有してなる組み合わせ製剤は、抗がん性アルキル化剤、抗がん性代謝拮抗剤、抗がん性抗生剤、植物由来抗がん剤、抗がん性白金配位化合物、抗がん性カンプトテシン誘導体、抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤、モノクローナル抗体、インターフェロン、生物学的応答調節剤、及びその他の抗がん剤(ここで、各抗がん剤の定義は上記の定義と同義である)、又はその薬学的に許容される塩若しくはエステルからなる群より選択される抗がん剤を含有する少なくとも1種の製剤とさらに組合せをしてもよい。
また、本発明による医薬組成物は、好ましくは、薬学的に許容される担体又は賦形剤と共に、以下の化合物:
(a) 1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−オール;
(b) 5−(1−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン;
(c) 5−(1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン;
(d) 5−(4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−((2−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン;
(e) 5−(1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((4−フェニル−6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン;又は
(f) 5−(4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−(2,2,2−トリフルオロ−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン;
又はその薬学的に許容される塩若しくはエステル;及び、薬学的に許容される担体又は賦形剤と共に、パクリタキセル又はドセタキセル、又はその薬学的に許容される塩若しくはエステルを含有する。
一般式(I)の化合物の製造法についての説明
本発明による一般式(I):
Figure 0005411152
(式中、R、R、R、X、X、X、及びWは、本発明による上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)により示される化合物の中で、式(I−1):
Figure 0005411152
(式中、RはOHであり;R、R、X、X、X、及びWは、上記式(I)についての記号と同じ意味を有する)で示される化合物は、例えば、以下の方法により製造することができる。以下、本明細書にて使用する場合、「上記式(I)に関しての記号」という文言は、「本明細書の最初に記載した一般式(I)に関して記載した通りのそれぞれの記号」を意味する。
Figure 0005411152
(工程1)
本工程は、化合物(II)(ここで、LGはハロゲン原子など脱離基であり、X、X、及びXは、上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)及び化合物(III)(ここで、PGはtert−ブトキシカルボニル又はベンジルなどの保護基である)をアルキル化反応に付し、それによって化合物(IV)(ここで、LG及びPGは上記定義と同じ意味を有し、X、X、及びXは、上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を製造する方法である。
本工程にて使用する化合物(II)は、2−クロロ−6−メチルピリジン、2−ブロモ−6−メチルピリジンなどにより例示し得る。化合物(II)は市販品として入手し得るか、又は既知の方法により調製し得る。
本工程にて使用する化合物(III)は、4−オキソ−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル、1−ベンジル−4−ピペリドンなどにより例示し得る。化合物(III)は市販品として入手し得るか、又は既知の方法により調製し得る。
本工程にて使用するアルキル化反応では、当業者に周知の方法を使用する。アルキル化反応は、例えば、文献(Tetrahedron(1995),Vol.51,1337)記載の方法に従って実施することができる。本工程にて使用するアルキル化反応においては、具体的には、例えば化合物(IV)は、テトラヒドロフランなどの溶媒中、化合物(II)とブチルリチウム又はリチウムジイソプロピルアミドなどの塩基と反応させて化合物(II)のアニオンを生成させ、次いでこれに化合物(III)を、必要に応じて塩化セリウム(III)などの添加剤を加えることにより合成することができる。本反応において、化合物(III)は1ないし10モル、好ましくは、1ないし5モルの量で使用する;該塩基は1ないし10モル、好ましくは、1ないし5モルの量で使用する;また、該添加剤は、化合物(II)1モルに対して、1ないし100モル、好ましくは、1ないし10モルの量で使用する。反応温度は使用する原料化合物又は反応溶媒に応じて、当業者が適切に選択し得るが、一般的には−78℃ないし室温である。また、該反応は一般に1時間ないし48時間以内に完結するが、反応時間は適宜、延長又は短縮することができる。
得られる化合物(IV)は、既知の分離・精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、若しくはクロマトグラフィーなどによって単離及び精製に付すか、又は単離・精製せずに次工程に付してもよい。
(工程2)
本工程は、上記の工程1にて得られた化合物(IV)(ここで、LG及びPGは上記定義と同じ意味を有し、X、X、及びXは、上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)及び化合物(V)(ここで、PGは存在しなくてもよいか、又は存在する場合には、その保護基は4−メトキシベンジル、2,4−ジメトキシベンジル、ベンジル、メトキシメチル、(2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル、若しくはtert−ブチル、好ましくは、(2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル、メトキシメチル、若しくはtert−ブチルであり、Wは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)をアミノ化反応に付し、それによって化合物(VI)(ここで、PG及びPGは上記定義と同じ意味を有し、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を製造する方法である。
本工程にて使用する化合物(V)は、2−アミノチアゾール、1−(2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−アミン、1−tert−ブチル−3−メチル−1H−ピラゾール−5−アミン、1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−アミンなどにより例示し得る。化合物(V)は市販品として入手し得るか、又は既知の方法(例:Phosphorus,Sulfur and Silicon and the Related Elements(リン、硫黄とケイ素及び関連元素),Vol.177,No.11,pages 2651−2659(2002);及び Journal of Chemical Research,Synopses,Vol.6,page 198(1979))により調製し得る。
本工程にて使用するアミノ化反応では、当業者周知の方法を使用する。アミノ化反応は、例えば、文献(Organic Letter(2002),Vol.4,3484)記載の方法に従って実施し得る。本工程にて使用するアミノ化反応においては、合成は具体的には、例えば、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、クロロホルム又はトルエンなどの溶媒中、トリスジベンジリデンアセトンジパラジウム(0)又は酢酸パラジウムなどのパラジウム触媒;2,2’−ビスジフェニルホスフィノ−1,1’−ビナフチル又は4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテンなどのリガンド;及び炭酸セシウム又はナトリウムt−ブトキシドなどの塩基を使用して、化合物(IV)と化合物(V)とを反応させることにより実施し得る。本反応においては、1モルの化合物(IV)に対して、化合物(V)を0.5ないし3モル、好ましくは、1モル使用する;パラジウム触媒は、0.001ないし1モル、好ましくは、0.05ないし0.5モル使用する;リガンドは、0.002ないし2モル、好ましくは、0.1ないし1.0モル使用する;また、塩基は1ないし10モル、好ましくは、1ないし3モル使用する。反応温度は使用する原料化合物又は反応溶媒に応じて、当業者が適切に選択し得るが、一般的には50℃ないし反応に使用する溶媒の沸点である。また、該反応は一般に1時間ないし24時間で完結するが、反応時間は適宜、延長又は短縮することができる。
得られる化合物(VI)は、既知の分離・精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、若しくはクロマトグラフィーなどによって単離及び精製に付すか、又は単離・精製せずに次工程に付してもよい。
(工程3)
本工程は、上記工程2で得られた化合物(VI)(ここで、PG及びPGは上記定義と同じ意味を有し、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)の保護基PGを脱保護し、それによって化合物(VII)(ここで、PGは上記定義と同じ意味を有し、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を製造する方法である。
PGの脱保護反応のために、該方法は保護基のタイプ又は化合物の安定性によって変り得るが、文献[参照:T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley&Sons(1981)]に記載された方法、又はそれと等価の方法が実施可能である。例えば、PGがtert−ブトキシカルボニルである化合物(VI)は、トリフルオロ酢酸とクロロホルムの混合溶媒中で脱保護することができる。反応温度は使用する原料化合物又は反応溶媒に応じて、当業者が適切に選択し得るが、一般的には0℃ないし溶媒の沸点である。また、該反応は一般に1時間ないし24時間で完結するが、反応時間は適宜、延長又は短縮することができる。
得られる化合物(VII)は、既知の分離・精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、若しくはクロマトグラフィーなどによって単離及び精製に付すか、又は単離・精製せずに次工程に付してもよい。
(工程4)
本工程は上記工程3で得られた化合物(VII)(ここで、PGは上記定義と同じ意味を有し、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)及び化合物(VIII)(ここで、LGは塩化物又はヒドロキシなどの脱離基を表わし、R及びRは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を縮合反応に付し、それによって化合物(IX)(ここで、PGは上記定義と同じ意味を有し、R、R、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を製造する方法である。
本工程に使用する化合物(VIII)は、3−クロロ−2−フルオロ安息香酸により例示し得る。化合物(VIII)は市販品として入手し得るか、又は既知の方法により調製し得る。
本工程にて使用する縮合反応においては、化合物(VIII)のカルボン酸又はその反応性誘導体、及び化合物(VII)を縮合剤と共に使用する。反応性誘導体としての化合物(VIII)は、混合酸無水物、活性化エステル、活性化アミドなどにより例示し得る;それらは、例えば、文献(Science of Synthesis(2005),Vol.21,43)に記載された方法により入手し得る。具体的に、該縮合は、例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルムなどの溶媒中、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド、及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾールなどの縮合剤と共に、化合物(VII)及び化合物(VIII)を用いて実施することができる。この場合、化合物(VIII)は、1モルの化合物(VII)に対して、1ないし3モル、好ましくは、1モルの量で使用する;縮合剤は、1ないし10モル、好ましくは、1ないし3モルの量で使用する。反応温度は使用する原料化合物又は反応溶媒に応じて、当業者が適切に選択し得るが、一般的には室温ないし反応に使用する溶媒の沸点である。また、該反応は一般に1時間ないし24時間で完結するが、反応時間は適宜、延長又は短縮することができる。
得られる化合物(IX)は、既知の分離・精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、若しくはクロマトグラフィーなどによって単離及び精製に付すか、又は単離・精製せずに次工程に付してもよい。
化合物(IX)に関して脱保護の必要のない場合には、化合物(IX)それ自体が、工程5及びその後の工程を実施することなく、本発明による化合物となる。
(工程5)
本工程は、上記工程4で得られた化合物(IX)(ここで、PGは上記定義と同じ意味を有し、R、R、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)の保護基PGを脱保護し、それによって化合物(I−1)(ここで、R、R、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を製造する方法である。
PGの脱保護反応のために、該方法は保護基のタイプ又は化合物の安定性によって変り得るが、文献[参照:T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley&Sons(1981)]に記載された方法、又はそれと等価の方法が実施可能である。例えば、PGが(2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチルである化合物(IX)は、トリフルオロ酢酸と水の混合溶媒中で脱保護することができる。反応温度は使用する原料化合物又は反応溶媒に応じて、当業者が適切に選択し得るが、一般的には室温ないし溶媒の沸点である。また、該反応は一般に1時間ないし24時間で完結するが、反応時間は適宜、延長又は短縮することができる。
得られる化合物(I−1)は、既知の分離・精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、若しくはクロマトグラフィーなどによって単離及び精製に付す。
本発明による一般式(I)(ここで、R、R、R、X、X、X、及びWは、上記の定義と同じ意味を有する)により示される化合物の中で、式(I−2):
Figure 0005411152
(ここで、Rは水素原子であり;R、R、X、X、X、及びWは、上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)
で示される化合物は、例えば、以下の方法により製造することができる。
Figure 0005411152
(工程6)
本工程は、化合物(X)(ここで、LG及びPGはハロゲン原子などの脱離基であり、X、X、及びXは、上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)及び化合物(V)(ここで、PGは存在しなくてもよいか、又は存在する場合には、その保護基は4−メトキシベンジル、2,4−ジメトキシベンジル、ベンジル、メトキシメチル、(2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル若しくはtert−ブチル、好ましくは、(2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル、メトキシメチル若しくはtert−ブチルであり、Wは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)をアミノ化反応に付し、それによって化合物(XI)(ここで、PG及びLGは上記定義と同じ意味を有し、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を製造する方法である。
本工程に使用する化合物(X)は、2,4−ジクロロ−6−メチルピリミジンにより例示し得る。化合物(X)は市販品として入手し得るか、又は既知の方法により調製し得る。
本工程に使用する化合物(V)は、2−アミノチアゾール、1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−アミン、1−tert−ブチル−3−メチル−1H−ピラゾール−5−アミン、1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−アミンなどにより例示し得る。化合物(V)は市販品として入手し得るか、又は既知の方法(例:Phosphorus,Sulfur and Silicon and the Related Elements(リン、硫黄とケイ素及び関連元素),Vol.177,No.11,pages 2651−2659(2002);及びJournal of Chemical Research,Synopses,Vol.6,page 198(1979))により調製し得る。
本工程はまた、工程2で使用した方法と同じ方法により、又はその等価の方法により、又は当該方法と一般に使用される方法との組合せにより実施することもできる。
得られる化合物(XI)は、既知の分離・精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、若しくはクロマトグラフィーなどによって単離及び精製に付すか、又は単離・精製せずに次工程に付してもよい。
(工程7)
本工程は、上記工程6にて得られた化合物(XI)(ここで、PG及びLGは上記定義と同じ意味を有し、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を化合物(XII)(ここで、PGは、tert−ブトキシカルボニルなどの脱離基である)と反応させ、それによって化合物(XIII)(ここで、PG及びPGは上記定義と同じ意味を有し、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を製造する方法である。
本工程にて使用する化合物(XII)は、4−メチレンピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルにより例示し得る。化合物(XII)は市販品として入手し得るか、又は既知の方法により調製し得る。
本工程にて使用するカップリング反応では、当業者周知の方法を使用する。カップリング反応は、例えば、文献(Journal of Organic Chemistry(2001),Vol.66,2487)記載の方法に従い実施し得る。本工程にて使用するカップリング反応では、具体的には、例えば、化合物(XIII)は、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、又はN,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、化合物(XII)と、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナンなどのホウ素試薬とを反応させて、化合物(XII)のホウ素試薬を生成させ、次いで、このものに、(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロパラジウム(II)−ジクロロメタン錯体などのパラジウム触媒;炭酸カリウムなどの塩基;及び必要に応じてトリフェニルアルシンなどの添加剤を使用して、化合物(XI)を付加させることにより合成することができる。本反応において、化合物(XII)は、1モルの化合物(XI)に対して、1ないし10モルの量で、好ましくは、1ないし5モルの量で使用する;ホウ素試薬は、0.5ないし5モル、好ましくは、0.5ないし2.5モルの量で使用する;パラジウム触媒は、0.01ないし1モル、好ましくは、0.05ないし0.5モルの量で使用する;塩基は、1ないし10モル、好ましくは、1ないし5モルの量で使用する;また、添加剤は、0.01ないし1モル、好ましくは、0.05ないし0.5モルの量で使用する。反応温度は使用する原料化合物又は反応溶媒に応じて、当業者が適切に選択し得るが、一般的には室温ないし溶媒の沸点である。また、該反応は一般に1時間ないし48時間以内で完結するが、反応時間は適宜、延長又は短縮することができる。
得られる化合物(XIII)は、既知の分離・精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、若しくはクロマトグラフィーなどによって単離及び精製に付すか、又は単離・精製せずに次工程に付してもよい。
(工程8)
本工程は、上記工程7で得られた化合物(XIII)(ここで、PG及びPGは上記定義と同じ意味を有し、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)の保護基PGを脱保護し、それによって化合物(XIV)(ここで、PGは上記定義と同じ意味を有し、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を製造する方法である。
PGの脱保護反応のために、該方法は保護基のタイプ又は化合物の安定性によって変り得るが、文献[参照:T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley&Sons(1981)]に記載された方法、又はそれと等価の方法が実施可能である。例えば、PGがtert−ブトキシカルボニルである化合物(XIII)は、トリフルオロ酢酸とクロロホルムの混合溶媒中で脱保護することができる。
本工程はまた、工程3で使用した方法と同じ方法により、又はその等価の方法により、又は当該方法と一般に使用される方法との組合せにより実施することもできる。
得られる化合物(XIV)は、既知の分離・精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、若しくはクロマトグラフィーなどによって単離及び精製に付すか、又は単離・精製せずに次工程に付してもよい。
(工程9)
本工程は上記工程8で得られた化合物(XIV)(ここで、PGは上記定義と同じ意味を有し、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)及び化合物(VIII)(ここで、LGは塩化物又はヒドロキシなどの脱離基を表わし、R及びRは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を縮合反応に付し、それによって化合物(XV)(ここで、PGは上記定義と同じ意味を有し、R、R、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を製造する方法である。
本工程に使用する化合物(VIII)は、3−クロロ−2−フルオロ安息香酸により例示し得る。化合物(VIII)は市販品として入手し得るか、又は既知の方法により製造し得る。
本工程はまた、工程4で使用した方法と同じ方法により、又はその等価の方法により、又は当該方法と一般に使用される方法との組合せにより実施することもできる。
得られる化合物(XV)は、既知の分離・精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、若しくはクロマトグラフィーなどによって単離及び精製に付すか、又は単離・精製せずに次工程に付してもよい。
化合物(XV)に関して脱保護の必要のない場合には、化合物(XV)それ自体が、工程10及びその後の工程を実施することなく、本発明による化合物となる。
(工程10)
本工程は、上記工程9で得られた化合物(XV)(ここで、PGは上記定義と同じ意味を有し、R、R、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)の保護基PGを脱保護し、それによって化合物(I−2)(ここで、R、R、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を製造する方法である。
PGの脱保護反応のために、該方法は保護基のタイプ又は化合物の安定性によって変り得るが、文献[参照:T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley&Sons(1981)]に記載された方法、又はそれと等価の方法が実施可能である。例えば、PGが(2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチルである化合物(XV)は、トリフルオロ酢酸と水の混合溶媒中で脱保護することができる。
本工程はまた、工程5で使用した方法と同じ方法により、又はその等価の方法により、又は当該方法と一般に使用される方法との組合せにより実施することもできる。
得られる化合物(I−2)は、既知の分離・精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、若しくはクロマトグラフィーなどによって単離及び精製に付す。
本発明による一般式(I)(ここで、R、R、R、X、X、X、及びWは、上記の定義と同じ意味を有する)により示される化合物の中で、式(I−3):
Figure 0005411152
(ここで、RはCONRa2a2’であり;R、R、Ra2、Ra2’、X、X、X、及びWは、上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)
で示される化合物は、例えば、以下の方法により調製することができる。
Figure 0005411152
(工程11)
本工程は、化合物(XVI)(ここで、LGはハロゲン原子などの脱離基であり、X、X、及びXは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)のヒドロキシ基を、例えば、メチルスルホニルオキシ、クロロ、又はブロモなどの脱離基に変換し、それによって化合物(XVII)(ここで、LGは、例えば、メチルスルホニルオキシ又はハロゲン原子などの脱離基であり、LGは上記の定義と同じ意味を有し、X、X、及びXは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を製造する方法である。
本工程にて使用する化合物(XVI)は、(6−ブロモピリジン−2−イル)メタノールにより例示し得る。化合物(XVI)は市販品として入手し得るか、又は既知の方法により製造し得る。
本工程に使用する反応では、当業者周知の方法を使用する。本工程に使用する反応においては、具体的には、例えば、LGがメチルスルホニルオキシである化合物(XVII)は、クロロホルム、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジエチルエーテル又は酢酸エチルなどの溶媒中、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下、化合物(XVI)と塩化メタンスルホニルとを反応させることにより入手し得る。この場合、塩化メタンスルホニルは、1モルの化合物(XVI)に対して、1ないし10モル、好ましくは、1ないし3モルの量で使用する;塩基は、1ないし20モル、好ましくは、1ないし6モルの量で使用する。反応温度は使用する原料化合物又は反応溶媒に応じて、当業者が適切に選択し得るが、一般的には0℃ないし室温である。また、該反応は一般に10分ないし2時間で完結するが、反応時間は適宜、延長又は短縮することができる。
また、LGがブロモである化合物(XVII)は、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノンなどの溶媒中、LGがメチルスルホニルオキシである化合物(XVII)を、臭化リチウムと反応させることにより入手することができる。この場合、臭化リチウムは、LGがメチルスルホニルオキシである化合物(XVII)1モルに対して1ないし100モル、好ましくは、1ないし10モルの量で使用する。反応温度は使用する原料化合物又は反応溶媒に応じて、当業者が適切に選択し得るが、一般的には0℃ないし溶媒の沸騰温度である。また、該反応は一般に1時間ないし24時間で完結するが、反応時間は適宜、延長又は短縮することができる。
得られる化合物(XVII)は、既知の分離・精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、若しくはクロマトグラフィーなどによって単離及び精製に付すか、又は単離・精製せずに次工程に付してもよい。
(工程12)
本工程は、上記工程11で得られた化合物(XVII)(ここで、LG及びLGは上記の定義と同じ意味を有し、X、X、及びXは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)及び化合物(XVIII)(ここで、PGはtert−ブトキシカルボニルなどの保護基であり、PGはメチル、エチル、又はtert−ブチルなどの保護基である)をアルキル化反応に付し、それによって化合物(XIX)(ここで、LG、PG、及びPGは上記の定義と同じ意味を有し、X、X、及びXは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を製造する方法である。
本工程にて使用する化合物(XVIII)は、ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチル・4−エチルなどにより例示し得る。化合物(XVIII)は市販品として入手し得るか、又は既知の方法により調製し得る。
本工程に使用するアルキル化反応では、当業者周知の方法を使用する。本工程に使用するアルキル化反応においては、具体的には、例えば、化合物(XIX)は以下のように合成する:化合物(XVIII)を、テトラヒドロフランなどの溶媒中、リチウムジイソプロピルアミド又はリチウムヘキサメチルジシラジドなどの塩基と反応させて化合物(XVIII)のエノール体とし、次いでこれに化合物(XVII)を加え、必要に応じて、ヘキサメチルリン酸トリアミド又は1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどの添加剤を加え、それによって化合物(XIX)を製造する。本反応においては、化合物(XVIII)を化合物(XVII)1モルに対して、1ないし10モル、好ましくは、1ないし3モルの量で使用する;塩基は、1ないし10モル、好ましくは、1ないし3モルの量で使用する;また、添加剤は、1ないし100モル、好ましくは、1ないし10モルの量で使用する。反応温度は使用する原料化合物又は反応溶媒に応じて、当業者が適切に選択し得るが、一般的には−78℃ないし室温である。また、該反応は一般に1時間ないし48時間以内に完結するが、反応時間は適宜、延長又は短縮することができる。
得られる化合物(XIX)は、既知の分離・精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、若しくはクロマトグラフィーなどによって単離及び精製に付すか、又は単離・精製せずに次工程に付してもよい。
(工程13)
本工程は、上記の工程12にて得られた化合物(XIX)(ここで、LG、PG、及びPGは上記定義と同じ意味を有し、X、X、及びXは、上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)及び化合物(V)(ここで、PGは存在しなくてもよいか、又は存在する場合には、その保護基は4−メトキシベンジル、2,4−ジメトキシベンジル、ベンジル、メトキシメチル、(2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル若しくはtert−ブチル、好ましくは、(2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル、メトキシメチル、若しくはtert−ブチルであり、Wは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)をアミノ化反応に付し、それによって化合物(XX)(ここで、PG、PG、及びPGは上記定義と同じ意味を有し、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を製造する方法である。
本工程にて使用する化合物(V)は、2−アミノチアゾール、1−(2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−アミン、1−tert−ブチル−3−メチル−1H−ピラゾール−5−アミン、1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−アミンなどにより例示し得る。化合物(V)は市販品として入手し得るか、又は既知の方法(例:Phosphorus,Sulfur and Silicon and the Related Elements,Vol.177,No.11,pages 2651−2659(2002);及びJournal of Chemical Research,Synopses,Vol.6,page 198(1979))により調製し得る。
本工程はまた、工程2で使用した方法と同じ方法により、又はその等価の方法により、又は当該方法と一般に使用される方法との組合せにより実施することもできる。
得られる化合物(XX)は、既知の分離・精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、若しくはクロマトグラフィーなどによって単離及び精製に付すか、又は単離・精製せずに次工程に付してもよい。
(工程14)
本工程は、上記工程13で得られた化合物(XX)(ここで、PG、PG、及びPGは上記定義と同じ意味を有し、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)の保護基PGを脱保護し、それによって化合物(XXI)(ここで、PG及びPGは上記定義と同じ意味を有し、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を製造する方法である。
PGの脱保護反応のために、該方法は保護基のタイプ又は化合物の安定性によって変り得るが、文献[参照:T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley&Sons(1981)]に記載された方法、又はそれと等価の方法が実施可能である。例えば、PGがtert−ブトキシカルボニルである化合物(XX)は、トリフルオロ酢酸とクロロホルムの混合溶媒中で脱保護することができる。
本工程はまた、工程3で使用した方法と同じ方法により、又はその等価の方法により、又は当該方法と一般に使用される方法との組合せにより実施することもできる。
得られる化合物(XXI)は、既知の分離・精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、若しくはクロマトグラフィーなどによって単離及び精製に付すか、又は単離・精製せずに次工程に付してもよい。
(工程15)
本工程は上記工程14で得られた化合物(XXI)(ここで、PG及びPGは上記の定義と同じ意味を有し、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)及び化合物(VIII)(ここで、LGは塩化物又はヒドロキシなどの脱離基を表わし、R及びRは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を縮合反応に付し、それによって化合物(XXII)(ここで、PG及びPGは上記定義と同じ意味を有し、R、R、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を製造する方法である。
本工程にて使用する化合物(VIII)は、3−クロロ−2−フルオロ安息香酸又は2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)安息香酸により例示し得る。化合物(VIII)は市販品として入手し得るか、又は既知の方法により調製し得る。
本工程はまた、工程4で使用した方法と同じ方法により、又はその等価の方法により、又は当該方法と一般に使用される方法との組合せにより実施することもできる。
得られる化合物(XXII)は、既知の分離・精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、若しくはクロマトグラフィーなどによって単離及び精製に付すか、又は単離・精製せずに次工程に付してもよい。
(工程16)
本工程は、上記工程15で得られた化合物(XXII)(ここで、PG及びPGは上記定義と同じ意味を有し、R、R、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)の保護基PGを脱保護し、それによって化合物(XXIII)(ここで、PGは上記定義と同じ意味を有し、R、R、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を製造する方法である。
PGの脱保護反応のために、該方法は保護基のタイプ又は化合物の安定性によって変り得るが、文献[参照:T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley&Sons(1981)]に記載された方法、又はそれと等価の方法が実施可能である。
例えば、PGがtert−ブチルである化合物(XXII)はギ酸溶媒中で脱保護することができる。反応温度は使用する原料化合物又は反応溶媒に応じて、当業者が適切に選択し得るが、一般的には室温ないし溶媒の沸点である。また、該反応は一般に1時間ないし24時間で完結するが、反応時間は適宜、延長又は短縮することができる。
得られる化合物(XXIII)は、既知の分離・精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、若しくはクロマトグラフィーなどによって単離及び精製に付すか、又は単離・精製せずに次工程に付してもよい。
(工程17)
本工程は、上記工程16で得られた化合物(XXIII)(ここで、PGは上記定義と同じ意味を有し、R、R、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)の保護基PGを脱保護し、それによって化合物(XXIV)(ここで、R、R、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を製造する方法である。
PGの脱保護反応のために、該方法は保護基のタイプ又は化合物の安定性によって変り得るが、文献[参照:T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley&Sons(1981)]に記載された方法、又はそれと等価の方法が実施可能である。例えば、PGがエチルである化合物(XXIII)は、メタノール又はエタノールなどの溶媒中、水酸化ナトリウム水溶液などを用いて脱保護し得る。水酸化ナトリウムを脱保護反応に使用する場合、水酸化ナトリウムは化合物(XXIII)1モルに対して、1ないし100モル、好ましくは、1ないし10モルの量で使用する。
反応温度は使用する原料化合物又は反応溶媒に応じて、当業者が適切に選択し得るが、一般的には室温ないし溶媒の沸点である。また、該反応は一般に1時間ないし24時間で完結するが、反応時間は適宜、延長又は短縮することができる。
得られる化合物(XXIV)は、既知の分離・精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、若しくはクロマトグラフィーなどによって単離及び精製に付すか、又は単離・精製せずに次工程に付してもよい。
(工程18)
本工程は上記工程17で得られた化合物(XXIV)(ここで、R、R、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)及び化合物(XXV)(ここで、Ra2及びRa2’は上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を縮合反応に付し、それによって化合物(I−3)(ここで、R、R、Ra2、Ra2’、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を製造する方法である。
この反応において使用する化合物(XXV)は、塩化アンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミンなどにより例示し得る。化合物(XXV)は市販品として入手し得るか又は既知の方法により調製し得る。
本工程にて使用する縮合反応は、化合物(XXIV)のカルボン酸又はその反応性誘導体、及び化合物(XXV)を用いて実施し得る。化合物(XXIV)の「反応性誘導体」は、混合酸無水物、活性化エステル、活性化アミドなどである;それらは、文献(Science of Synthesis(2005),Vol.21,43)に記載された方法により入手し得る。具体的に、例えば、該縮合反応は、例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、ジクロロメタン、又はクロロホルムなどの溶媒中、化合物(XXIV)及び化合物(XXV)を、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド、及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾールなどの縮合剤と共に用いて実施することができる。この場合、化合物(XXV)は、1モルの化合物(XXIV)に対して、1ないし10モル、好ましくは、1ないし3モルの量で使用する;また、縮合剤は、1ないし10モル、好ましくは、1ないし3モルの量で使用する。反応温度は使用する原料化合物又は反応溶媒に応じて、当業者が適切に選択し得るが、一般的には室温ないし反応に使用する溶媒の沸点である。また、該反応は一般に1時間ないし24時間で完結するが、反応時間は適宜、延長又は短縮することができる。
得られる化合物(I−3)は、既知の分離・精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、若しくはクロマトグラフィーなどによって単離及び精製に付す。
また、RがCONRa4ORa4’(ここで、Ra4及びRa4’は上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)である場合には、関連の反応は上記工程18で使用した方法と同じ方法により、又はその等価の方法により、又は当該方法と一般に使用される方法との組合せにより実施することもできる。
本発明による一般式(I)(ここで、R、R、R、X、X、X、及びWは、上記の定義と同じ意味を有する)により示される化合物の中で、式(I−4):
Figure 0005411152
(ここで、Rは1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オンであり;R、R、X、X、X、及びWは、上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)
で示される化合物は、例えば、以下の方法により製造することができる。
Figure 0005411152
(工程19)
本工程は、上記工程13で得られた化合物(XX)(ここで、PG、PG、及びPGは上記定義と同じ意味を有し、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)の保護基PGを脱保護し、それによって化合物(XXVI)(ここで、PG及びPGは上記定義と同じ意味を有し、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を製造する方法である。
PGの脱保護反応のために、該方法は保護基のタイプ又は化合物の安定性によって変り得るが、文献[参照:T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley&Sons(1981)]に記載された方法、又はそれと等価の方法が実施可能である。例えば、PGがエチルである化合物(XX)は、メタノール又はエタノールなどの溶媒中、水酸化ナトリウム水溶液などを用いて脱保護し得る。
本工程はまた、工程17で使用した方法と同じ方法により、又はその等価の方法により、又は当該方法と一般に使用される方法との組合せにより実施することもできる。
得られる化合物(XXVI)は、既知の分離・精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、若しくはクロマトグラフィーなどによって単離及び精製に付すか、又は単離・精製せずに次工程に付してもよい。
(工程20)
本工程は上記工程19で得られた化合物(XXVI)(ここで、PG及びPGは上記定義と同じ意味を有し、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)及び化合物(XXVII)(ここで、PGは存在しなくてもよいか、又は存在する場合には、その保護基はtert−ブトキシカルボニル、エトキシカルボニル又はベンジルオキシカルボニルである)を縮合反応に付し、それによって化合物(XXVIII)(ここで、PG、PG及びPGは上記定義と同じ意味を有し、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を製造する方法である。
本工程にて使用する化合物(XXVII)は、tert−ブチルカルバゼート、エトキシカルボニルヒドラジン、ベンジルオキシカルボニルヒドラジン、又はヒドラジンにより例示し得る。化合物(XXVII)は市販品として入手し得るか、又は既知の方法により製造し得る。
本工程はまた、工程18で使用した方法と同じ方法により、又はその等価の方法により、又は当該方法と一般に使用される方法との組合せにより実施することもできる。
得られる化合物(XXVIII)は、既知の分離・精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、若しくはクロマトグラフィーなどによって単離及び精製に付すか、又は単離・精製せずに次工程に付してもよい。
(工程21)
本工程は、上記工程20で得られた化合物(XXVIII)(ここで、PG、PG、及びPGは上記定義と同じ意味を有し、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)の保護基PGを脱保護し、それによって化合物(XXIX)(ここで、PG及びPGは上記定義と同じ意味を有し、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を製造する方法である。
PGの脱保護反応のために、該方法は保護基のタイプ又は化合物の安定性によって変り得るが、文献[参照:T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley&Sons(1981)]に記載された方法、又はそれと等価の方法が実施可能である。例えば、PGがベンジルオキシカルボニルである化合物(XXVIII)は、水酸化パラジウム/炭素などを用いて、メタノール又はエタノールなどの溶媒中、水素化することにより脱保護することができる。脱保護反応に水酸化パラジウム/炭素を使用する場合、水酸化パラジウム/炭素は、1モルの化合物(XXVIII)に対して、0.1ないし10モル、好ましくは、0.1ないし5モルの量で使用する。反応温度は使用する原料化合物又は反応溶媒に応じて、当業者が適切に選択し得るが、一般的には室温ないし溶媒の沸点である。反応圧力は一般に1atmないし100atmである。また、該反応は一般に1時間ないし24時間で完結するが、反応時間は適宜、延長又は短縮することができる。
得られる化合物(XXIX)は、既知の分離・精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、若しくはクロマトグラフィーなどによって単離及び精製に付すか、又は単離・精製せずに次工程に付してもよい。
(工程22)
本工程は、上記工程21で得られた化合物(XXIX)(ここで、PG及びPGは上記定義と同じ意味を有し、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)のカルボヒドラジド基をその複素環基に変換し、それによって化合物(XXX)(ここで、PG及びPGは上記定義と同じ意味を有し、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を製造する方法である。
本工程にて使用する反応では当業者周知の方法を使用する。本反応は文献、例えば、Journal of Medicinal Chemistry(1993)Vol.36,Page 1090に記載された方法に従って実施し得る。本工程にて使用する反応において、具体的には、例えば、化合物(XXX)は化合物(XXIX)と1,1’−カルボニルジイミダゾールとを、必要に応じて、トリエチルアミン又はN,N−ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基を用い、例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン又はN−メチル−2−ピロリジノンなどの溶媒の存在下で反応させることにより合成することができる。この場合、1,1’−カルボニルジイミダゾールは、化合物(XXIX)1モルに対して、1ないし10モル、好ましくは、1ないし3モルの量で使用する;必要に応じて、塩基は1ないし10モル、好ましくは、1ないし3モルの量で使用する。反応温度は使用する原料化合物又は反応溶媒に応じて、当業者が適切に選択し得るが、一般的には室温ないし反応に使用する溶媒の沸点である。また、該反応は一般に1時間ないし24時間で完結するが、反応時間は適宜、延長又は短縮することができる。
得られる化合物(XXX)は、既知の分離・精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、若しくはクロマトグラフィーなどによって単離及び精製に付すか、又は単離・精製せずに次工程に付してもよい。
(工程23)
本工程は、上記工程22で得られた化合物(XXX)(ここで、PG及びPGは上記定義と同じ意味を有し、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)の保護基PGを脱保護し、それによって化合物(XXXI)(ここで、PGは上記定義と同じ意味を有し、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を製造する方法である。
PGの脱保護反応のために、該方法は保護基のタイプ又は化合物の安定性によって変り得るが、文献[参照:T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley&Sons(1981)]に記載された方法、又はそれと等価の方法が実施可能である。例えば、PGがtert−ブトキシカルボニルである化合物(XXX)は、トリフルオロ酢酸とクロロホルムの混合溶媒中で脱保護することができる。
本工程はまた、工程3で使用した方法と同じ方法により、又はその等価の方法により、又は当該方法と一般に使用される方法との組合せにより実施することもできる。
得られる化合物(XXXI)は、既知の分離・精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、若しくはクロマトグラフィーなどによって単離及び精製に付すか、又は単離・精製せずに次工程に付してもよい。
(工程24)
本工程は上記工程23で得られた化合物(XXXI)(ここで、PGは上記の定義と同じ意味を有し、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)及び化合物(VIII)(ここで、LGは塩化物又はヒドロキシなどの脱離基を表わし、R及びRは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を縮合反応に付し、それによって化合物(XXXII)(ここで、PGは上記定義と同じ意味を有し、R、R、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を製造する方法である。
本工程にて使用する化合物(VIII)は、3−クロロ−2−フルオロ安息香酸、2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)安息香酸、塩化2−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニル又は塩化2,3−ジクロロベンゼンスルホニルにより例示し得る。該化合物(VIII)は市販品として入手し得るか、又は既知の方法により製造し得る。
本工程はまた、工程4で使用した方法と同じ方法により、又はその等価の方法により、又は当該方法と一般に使用される方法との組合せにより実施することもできる。
得られる化合物(XXXII)は、既知の分離・精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、若しくはクロマトグラフィーなどによって単離及び精製に付すか、又は単離・精製せずに次工程に付してもよい。
化合物(XXXII)に関して脱保護の必要のない場合には、化合物(XV)それ自体が、工程25及びその後の工程を実施することなく、本発明による化合物となる。
(工程25)
本工程は、上記工程24で得られた化合物(XXXII)(ここで、PGは上記定義と同じ意味を有し、R、R、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)の保護基PGを脱保護し、それによって化合物(I−4)(ここで、R、R、X、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を製造する方法である。
PGの脱保護反応のために、該方法は保護基のタイプ又は化合物の安定性によって変り得るが、文献[参照:T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley&Sons(1981)]に記載された方法、又はそれと等価の方法が実施可能である。例えば、PGがtert−ブチルである化合物(XXXII)は、ギ酸の溶媒中で脱保護することができる。
本工程はまた、工程16で使用した方法と同じ方法により、又はその等価の方法により、又は当該方法と一般に使用される方法との組合せにより実施することもできる。
得られる化合物(I−4)は、既知の分離・精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、若しくはクロマトグラフィーなどによって単離及び精製に付す。
化合物(XX−1)(ここで、PG、PG、及びPGは上記定義と同じ意味を有し;XはCX2aであり;また、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)は、例えば、以下の方法により製造することができる:
Figure 0005411152
(工程26)
本工程は、化合物(XXXIII)(ここで、PGはベンジルなどの保護基であり;PG、PG、及びPGは上記定義と同じ意味を有し、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)の保護基PGを脱保護し、それによって化合物(XXXIV)(ここで、PG、PG、及びPGは上記定義と同じ意味を有し、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を製造する方法である。
化合物(XXXIII)は、(4−(ベンジルオキシ)−6−クロロピリジン−2−イル)メタノールなどを用い、工程11ないし13のステップと同じ方法で入手し得る。
PGの脱保護反応のために、該方法は保護基のタイプ又は化合物の安定性によって変り得るが、文献[参照:T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley&Sons(1981)]に記載された方法、又はそれと等価の方法が実施可能である。例えば、PGがベンジルオキシカルボニルである化合物(XXXIII)は、水酸化パラジウム/炭素などを用い、メタノール又はエタノールなどの溶媒中、水素化することにより脱保護することができる。
本工程はまた、工程21で使用した方法と同じ方法により、又はその等価の方法により、又は当該方法と一般に使用される方法との組合せにより実施することもできる。
得られる化合物(XXXIV)は、既知の分離・精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、若しくはクロマトグラフィーなどによって単離及び精製に付すか、又は単離・精製せずに次工程に付してもよい。
(工程27)
本工程は、前記工程26にて得られた化合物(XXXIV)(ここで、PG、PG、及びPGは上記定義と同じ意味を有し、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)のヒドロキシ基を、例えば、トリフルオロメチルスルホニルオキシなどの脱離基に変換し、それによって化合物(XXXV)(ここで、LGは脱離基であり、PG、PG、及びPGは上記定義と同じ意味を有し、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を製造する方法である。
本工程に使用する反応では、当業者周知の方法を使用する。本工程に使用する反応においては、具体的には、例えば、LGがトリフルオロメチルスルホニルオキシである化合物(XXXV)は、クロロホルム、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジエチルエーテル、又は酢酸エチルなどの溶媒中、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下、化合物(XXXIV)をトリフルオロメタンスルホン酸無水物と反応させることにより入手し得る。この場合、トリフルオロメタンスルホン酸無水物は、1モルの化合物(XXXIV)に対して、1ないし10モル、好ましくは、1ないし3モルの量で使用する;塩基は、1ないし20モル、好ましくは、1ないし6モルの量で使用する。反応温度は使用する原料化合物又は反応溶媒に応じて、当業者が適切に選択し得るが、一般的には0℃ないし室温である。また、該反応は一般に10分ないし2時間で完結するが、反応時間は適宜、延長又は短縮することができる。
得られる化合物(XXXV)は、既知の分離・精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、若しくはクロマトグラフィーなどによって単離及び精製に付すか、又は単離・精製せずに次工程に付してもよい。
(工程28)
本工程は、上記工程27にて得られた化合物(XXXV)(ここで、LG、PG、PG、及びPGは上記定義と同じ意味を有し、X、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)及びホウ酸をカップリング反応に付し、それによって化合物(XX−1)(ここで、PG、PG、及びPGは上記定義と同じ意味を有し、X、X2a、X、及びWは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を製造する方法である。
本工程に使用するカップリング反応では、当業者周知の方法を使用する。本工程に使用するカップリング反応においては、具体的には、例えば、合成は化合物(XXXV)とフェニルホウ酸などのホウ酸とを、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、又はトルエンなどの溶媒中、(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロパラジウム(II)などのパラジウム触媒、及び炭酸セシウム又はリン酸カリウムなどの塩基を用いて反応させることにより実施することができる。本反応においては、1モルの化合物(XXXV)に対して、フェニルホウ酸を0.5ないし3モル、好ましくは、1モル使用する;パラジウム触媒は、0.001ないし1モル、好ましくは、0.05ないし0.5モル使用する;また、塩基は1ないし10モル、好ましくは、1ないし3モル使用する。反応温度は使用する原料化合物又は反応溶媒に応じて、当業者が適切に選択し得るが、一般的には50℃ないし反応に使用する溶媒の沸点である。また、該反応は一般に1ないし24時間で完結するが、反応時間は適宜、延長又は短縮することができる。
得られる化合物(XX−1)は、既知の分離・精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、若しくはクロマトグラフィーなどによって単離及び精製に付すか、又は単離・精製せずに次工程に付してもよい。
化合物(XXXVIII)(ここで、PGは上記定義と同じ意味を有し、R及びRは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)は、例えば、以下の方法により製造することができる:
Figure 0005411152
(工程29)
本工程は、化合物(XXXVI)(ここで、PGはメチル、エチル又はtert−ブチルなどの保護基である)及び化合物(XXXVII)(ここで、R及びRは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を還元的縮合に付し、それによって化合物(XXXVIII)(ここで、PGは上記の定義と同じ意味を有し、R及びRは上記式(I)に関しての記号と同じ意味を有する)を製造する方法である。
本工程にて使用する化合物(XXXVI)は、イソニペコチン酸エチルなどにより例示し得る。化合物(XXXVI)は市販品として入手し得る。
本工程にて使用する化合物(XXXVII)は、2,2,2−トリフルオロ−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)エタノンなどにより例示し得る。化合物(XXXVII)は市販品として入手し得る。
本工程にて使用する還元的縮合では、当業者周知の方法を使用する。還元的縮合は、例えば、文献(Tetrahedron Letters(1990),Vol.31,5547)記載の方法に従って、実施し得る。本工程にて使用する還元的縮合では、具体的には、例えば、化合物(XXXVIII)は化合物(XXXVI)と化合物(XXXVII)とを、塩化メチレンなどの溶媒中、トリエチルアミンなどの塩基及び塩化チタン(IV)などのルイス酸と共に反応させて化合物(XXXVI)のシッフ塩基を生成させ、次いでこのものにメタノールなどの溶媒中、水素化シアノホウ素ナトリウムなどの還元剤を加えることにより合成することができる。本反応においては、1モルの化合物(XXXVI)に対して、化合物(XXXVII)は1ないし10モル、好ましくは1ないし3モルの量で使用する;塩基は1ないし10モル、好ましくは1ないし5モルの量で使用する;ルイス酸は0.5ないし5モル、好ましくは0.5ないし2.5モルの量で使用する;また、還元剤は1ないし100モル、好ましくは3ないし10モルの量で使用する。反応温度は使用する原料化合物又は反応溶媒に従って、当業者が適切に選択し得るが、一般的には室温ないし反応に使用する溶媒の沸点である。また、該反応は一般に1ないし48時間以内に完結するが、反応時間は適宜、延長又は短縮することができる。
得られる化合物(XXXVIII)は、既知の分離・精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、若しくはクロマトグラフィーなどによって単離及び精製に付すか、又は単離・精製せずに次工程に付してもよい。
次に、本発明に係る一般式(I)の化合物のオーロラA及びB阻害作用について以下説明する。
オーロラA阻害作用
(1)オーロラAタンパク質の精製
アミノ末端にヒスチジンタグを融合したヒトオーロラAのcDNAを発現ベクターに組み込み大腸菌BL21−CodonPlus(DE3)−RIL株で高発現させた。大腸菌を回収して可溶化した後、ヒスチジンタグ付加ヒトオーロラAタンパク質をニッケルキレートカラムに吸着させ、イミダゾールでカラムから溶出し、活性画分を脱塩カラムで脱塩し精製酵素とした。
(2)オーロラAの活性測定
オーロラAの活性測定において、基質はフルオレセインでラベルした合成ペプチド(5−FAM−(5−カルボキシフルオレセイン)−γ−aminobutyric acid−Ala−Leu−Arg−Arg−Ala−Ser−Leu−Gly−NH)(SEQ.ID.NO.:1)を(株)東レリサーチセンターより購入して用いた。
リン酸化反応はアップステート社(upstate)の方法[KinaseProfilerTM Assay Protocols]を参考にして行い、IMAP(登録商標)テクノロジー(モレキュラー・デバイス社(Molecular Devices))を用いて基質のリン酸化を検出した(Gaudet EA. et al, J. Biomol. Screen,8,164−175,(2003))。具体的には、リン酸化反応とその検出は下記のとおり行った。
リン酸化反応は384ウエルプレートを用いて行い、1ウエルあたりの反応液量は10μLとした。反応バッファーの組成は50mM Tris−塩酸バッファー(pH7.4)/15mM 酢酸マグネシウム/0.2mM エチレンジアミン−N、N,N’,N’−四酢酸(EDTA)で、そこに精製したオーロラAタンパク質と100nMのペプチド基質と20μMのアデノシン三リン酸(ATP)を添加して、30℃で120分間反応させた。その後、反応停止と検出のために、1x IMAP(登録商標)結合バッファーA(IMAP Progressive Binding Buffer A,5x stock,R7282)で400倍希釈したIMAP 結合試薬(Progressive Binding Reagent,R7284)を1ウエルあたり30μL添加した。遮光して室温で60分間静置した後、ハイエンドマイクロプレートリーダーを用いて、励起波長485nm測定波長520nmで蛍光偏光を測定した。
被検化合物の反応系への添加にあたっては、まず被検化合物のジメチルスルホキシド(DMSO)希釈系列を調製し、それを0.5μLずつウエルに添加して試験を行った。対照となるウエルには被検化合物のDMSO溶液の代わりにDMSOを0.5μLずつ加えた。
オーロラB阻害作用
(1)オーロラBの活性測定(方法A)
カルナバイオサイエンス社より購入したIMAP(登録商標)用アッセイ開発キット(オーロラB)を用いてリン酸化反応を行い、IMAPテクノロジーを用いて基質のリン酸化を検出した。用いたアッセイ開発キットは、アッセイバッファー、GSTタグ付加ヒトオーロラB(AurB)/ヒスチジンタグ付加ヒトインセンプ(INCENP)(アミノ酸配列803−918、AAU04398.1)複合体タンパク質、ATP/基質溶液から成る。これを用いて、キット付属のプロトコールを一部改変してリン酸化反応を行い、IMAPテクノロジーを用いて基質のリン酸化を検出した。具体的には、リン酸化反応とその検出は下記のとおり行った。
リン酸化反応は384ウエルプレートを用いて行い、1ウエルあたりの反応液量は10μLとした。反応バッファー(アッセイバッファー)の組成は20mM HEPESバッファー(pH7.4)/0.01%Tween−20/2mM ジチオスレイトール(DTT)で、そこにAurB/INCENP複合体タンパク質と100nMのペプチド基質と40μMのATPと1mMのマグネシウム塩を添加して、25℃で45分間反応させた。その後、反応停止と検出のために、1x IMAP(登録商標)結合バッファーA(IMAP Progressive Binding Buffer A,5x stock,R7282)で400倍希釈したIMAP 結合試薬(Progressive Binding Reagent,R7284)を1ウエルあたり30μL添加した。遮光して室温で60分間静置した後、ハイエンドマイクロプレートリーダーを用いて励起波長485nm測定波長520nmで蛍光偏光を測定した。
被検化合物の反応系への添加にあたっては、まず被検化合物のジメチルスルホキシド(DMSO)希釈系列を調製し、それを0.5μLずつウエルに添加して試験を行った。対照となるウエルには被検化合物のDMSO溶液の代わりにDMSOを0.5μLずつ加えた。
(2)オーロラBの活性測定(方法B)
(a) オーロラBの精製
アミノ末端にヒスチジンタグを融合したヒトオーロラBのcDNAを発現ベクターに組み込み大腸菌BL21−CodonPlus(DE3)−RIL株で高発現させた。大腸菌を回収して可溶化した後、ヒスチジンタグ付加オーロラBタンパク質をニッケルキレートカラムに吸着させ、イミダゾールでカラムから溶出し、活性画分を脱塩カラムで脱塩し精製酵素とした。
(b)オーロラBの活性測定
オーロラBの活性測定において、基質は合成ペプチドであるケンプチド(Kemptide; Leu−Arg−Arg−Ala−Ser−Leu−Gly)(SEQ.ID.NO.:2)をシグマ社より購入して用いた[Certificate of analysis(upstate)]。
反応はオーロラAの活性測定方法を一部改変して行った。反応液量は21.1μLで、反応バッファー(R2バッファー)の組成は50mMトリス−塩酸バッファー(pH7.4)/15mM酢酸マグネシウム/0.2mMエチレンジアミン−N、N,N’,N’−四酢酸(EDTA)で、そこに精製したオーロラBと100μMの基質ペプチドと100μMの非標識アデノシン三リン酸(ATP)および1μCiの[γ−33P]標識ATP(2500Ci/mmole以上)を添加して、30℃で20分間反応させた。その後、10μLの350mMリン酸バッファーを反応系に添加して反応を停止させた。基質ペプチドをP81ペーパーフィルタ−96ウエルプレートに吸着させた後、130mMリン酸バッファーで数回洗浄し、その放射活性を液体シンチレーションカウンターで測定した。[γ−33P]標識ATPはアマシャムバイオサイエンス社から購入した。
被検化合物の反応系への添加は、まず化合物のジメチルスルホキシド(DMSO)希釈系列を調製し、それを1.1μL加えることで行った。反応系へDMSOを1.1μL加えたものを対照とした。
上記の方法(オーロラB活性測定では方法Aを使用)でオーロラA阻害活性、オーロラB阻害活性を測定した結果を表1に示す。本発明に係る化合物は、優れたオーロラA選択的阻害活性作用を示した。なお、オーロラB活性測定で方法Bを使用しても同様の結果が得られる。
Figure 0005411152
次に、本発明に係る一般式(I)の化合物の細胞増殖抑制作用について以下説明する。
細胞を用いた薬剤効果判定方法
a)試薬
牛胎児血清(FCS)はモルゲート社から、DMEM培地はインビトロジェン社から入手した。WST−8は、キシダ化学株式会社から購入した。
b)細胞
ヒト子宮頸がん細胞(HeLa S3)は、アメリカン タイプ カルチャ コレクション(American Type Culture Collection; ATCC)より入手した。
c)効果判定法
細胞を10%FCS添加DMEM培地に懸濁し、1穴あたり750 個/100マイクロリットルの細胞懸濁液を96穴プラスチックプレートに分注した。37℃、5%CO−95%空気中で1晩培養した。薬剤をジメチルスルホキシドにて段階希釈しさらに10%FCS添加DMEM培地で希釈した後、細胞を播いておいたプレートに100マイクロリットルずつ分注した。さらに3日間、37℃、5%CO−95%空気中で培養した。培養後細胞の増殖はWST−8法(H. Tominaga,et al.,Anal.Commun.,36,47−50(1999))により測定した。ここで、WST−8法とは、各穴に20マイクロリットルのWST−8試薬溶液を加え、60分間37℃で培養を続けてから、プレートを攪拌後、生成されたフォルマザンの量を比色法にて測定し、薬剤の阻害率を求める方法である。化合物の50%増殖阻止濃度(IC50,μM)を求めた。
表2に示されるように、本発明に係る化合物は、ヒト由来の癌細胞(HeLa S3)に対し優れた細胞増殖抑制効果を示した。
Figure 0005411152
細胞を用いた薬剤併用効果判定方法
a)試薬
牛胎児血清(FCS)はモルゲート社から、DMEM培地はインビトロジェン社から、ドセタキセル(商品名タキソテール)は、シグマ社からそれぞれ入手した。WST−8は、キシダ化学株式会社から購入した。
b)細胞
ヒト子宮頸がん細胞(HeLa S3)は、アメリカン タイプ カルチャ コレクション(American Type Culture Collection; ATCC)より入手した。
c)効果判定法
細胞を10%FCS添加DMEM培地に懸濁し、1穴あたり750個/100マイクロリットルの細胞懸濁液を96穴プラスチックプレート2枚に分注した。37℃、5%CO−95%空気中で1晩培養した。薬剤をジメチルスルホキシドにて段階希釈しさらにDMSOまたは0.6nMドセタキセルを含む10%FCS添加DMEM培地で希釈した後、細胞を播いておいたプレート各1枚に100マイクロリットルずつ分注した、このときのドセタキセルの終濃度は0.3nMである。また、本発明に係る化合物の単独投与の場合の濃度は、0.003、0.01、0.03、0.1、0.3、1、3、及び10μMである。さらに3日間、37℃、5%CO−95%空気中で培養した。培養後細胞の増殖はWST−8法(H. Tominaga,et al.,Anal.Commun.,36,47−50(1999))により測定した。ここで、WST−8法とは、各穴に20マイクロリットルのWST−8試薬溶液を加え、60分間37℃で培養を続けてから、プレートを攪拌後、生成されたフォルマザンの量を比色法にて測定し、薬剤の阻害率を求める方法である。DMSO単独処理の際の値を0%としたときのドセタキセルおよび本発明に係る化合物の増殖阻害効果を求めた。
本発明に係る化合物は、表3に示されるように、ヒト由来の癌細胞(HeLa S3)に対し、優れた細胞増殖抑制効果を示すと共に、タキサン系抗がん剤(ドセタキセル)と相乗作用を示した。
Figure 0005411152
以上より、本発明に係る化合物は、優れたオーロラA選択的阻害活性に基づく細胞増殖抑制作用のみならず、他の抗がん剤との併用により相乗作用を示すので、抗がん剤として有用であると考えられる。即ち、本発明に係る新規アミノピリジン誘導体又はその薬学的に許容し得る塩若しくはエステルを含む医薬組成物及びオーロラA選択的阻害剤、或いは、本発明に係る化合物又はその薬学的に許容し得る塩若しくはエステルを含む抗がん剤は、がん患者の治療において有効と考えられる。
また、該医薬組成物及び該阻害剤並びに該抗がん剤は、薬学的に許容できる担体又は希釈剤を含んでいてもよい。ここで、「薬学的に許容できる担体又は希釈剤」は、賦形剤〔例えば、脂肪、蜜蝋、半固体及び液体のポリオール、天然若しくは硬化オイルなど〕; 水(例えば、蒸留水、特に、注射用蒸留水など)、生理学的食塩水、アルコール(例えば、エタノール)、グリセロール、ポリオール、ブドウ糖水溶液、マンニトール、植物オイルなど; 添加剤〔例えば、増量剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、湿潤剤、安定剤、乳化剤、分散剤、保存剤、甘味料、着色剤、調味料若しくは芳香剤、濃化剤、希釈剤、緩衝物質、溶媒若しくは可溶化剤、貯蔵効果を達成するための薬剤、浸透圧を変えるための塩、コーティング剤、又は抗酸化剤〕などを意味する。
また、本発明に係る化合物の治療効果が期待される好適な腫瘍としては、例えばヒトの固形がん等が挙げられる。ヒトの固形がんとしては、例えば、脳がん、頭頸部がん、食道がん、甲状腺がん、小細胞がん、非小細胞がん、乳がん、胃がん、胆のう・胆管がん、肝がん、膵がん、結腸がん、直腸がん、卵巣がん、絨毛上皮がん、子宮体がん、子宮頸がん、腎盂・尿管がん、膀胱がん、前立腺がん、陰茎がん、睾丸がん、胎児性がん、ウイルムスがん、皮膚がん、悪性黒色腫、神経芽細胞腫、骨肉腫、ユ−イング腫、軟部肉腫などが挙げられる。
次に、上述した「その薬学的に許容し得る塩もしくはエステル」について説明する。
本発明に係る化合物は、抗がん剤などとして使用される場合には、その薬学的に許容しうる塩としても使用することができる。薬学的に許容しうる塩の典型例としては、例えばナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、過塩素酸塩等の無機酸塩;例えば酢酸塩、プロピオン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、フマール酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩等の有機酸塩;例えばメタンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;例えばアスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等の酸性アミノ酸塩等を挙げることができる。前記式(I)の化合物の塩は、好ましくは、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、過塩素酸塩等の無機酸塩であり、さらに好ましくは、塩酸塩である。
本発明に係る化合物の薬学的に許容しうる塩の製造法は、有機合成化学分野で通常用いられる方法を適宜組み合わせて行うことができる。具体的には、本発明に係る化合物の遊離型の溶液をアルカリ溶液あるいは酸性溶液で中和滴定すること等が挙げられる。
本発明に係る化合物のエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステルなどを挙げることができる。これらのエステルは遊離カルボキシ基を常法に従ってエステル化して製造することができる。
本発明に係る組み合わせ製剤中の各製剤は、各種の形態を選択することができ、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤若しくは液剤等の経口製剤、或いは、例えば溶液若しくは懸濁液等の殺菌した液状の非経口製剤、坐剤、軟膏剤等が挙げられる。
固体の製剤は、そのまま錠剤、カプセル剤、顆粒剤又は粉末の形態として製造することもできるが、適当な担体(添加物)を使用して製造することもできる。そのような担体(添加物)としては、例えば乳糖若しくはブドウ糖等の糖類; 例えばトウモロコシ、小麦若しくは米等の澱粉類; 例えばステアリン酸等の脂肪酸; 例えばメタケイ酸アルミン酸マグネシウム若しくは無水リン酸カルシウム等の無機塩; 例えばポリビニルピロリドン若しくはポリアルキレングリコール等の合成高分子; 例えばステアリン酸カルシウム若しくはステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸塩; 例えばステアリルアルコール若しくはベンジルアルコール等のアルコール類; 例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース若しくはヒドロキシプロピルメチルセルロース等の合成セルロース誘導体; その他、ゼラチン、タルク、植物油、アラビアゴム等通常用いられる添加物が挙げられる。
これらの錠剤、カプセル剤、顆粒剤及び粉末等の固形製剤は一般的には、製剤全体の重量を基準として、例えば、上記式(I)で示される化合物0.1〜100重量%、好ましくは5〜98重量%の有効成分を含んでいてもよい。
液状製剤は、水、アルコール類又は例えば大豆油、ピーナツ油、ゴマ油等の植物由来の油等の液状製剤において通常用いられる適当な添加物を使用し、懸濁液、シロップ剤、注射剤、点滴剤(静脈内輸液)等の形態として製造される。
特に、非経口的に筋肉内注射、静脈内注射又は皮下注射の形で投与する場合の適当な溶剤又は希釈剤としては、例えば注射用蒸留水、塩酸リドカイン水溶液(筋肉内注射用)、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、静脈内注射用液体(例えばクエン酸及びクエン酸ナトリウム等の水溶液)若しくは電解質溶液(点滴静注及び静脈内注射用)等、又はこれらの混合溶液が挙げられる。
これらの注射剤は予め溶解したものの他、粉末のまま或いは適当な担体(添加物)を加えたものを用時溶解する形態もとり得る。これらの注射液は、製剤全体の重量を基準として、例えば、0.1〜10重量%の有効成分を含むことができる。
また、経口投与用の懸濁剤、シロップ剤等の液剤は、製剤全体の重量を基準として、例えば、0.1〜10重量%の有効成分を含むことができる。
本発明に係る組み合わせ製剤中のそれぞれの製剤はまた、常法或いは慣用技術に従っても、当業者が容易に製造することができる。例えば、上記一般式(I)で示される化合物と併用される他の抗がん剤を含む製剤は、それが経口製剤の場合、例えば、該抗がん剤適量と、乳糖適量を混合し、経口投与に適した硬ゼラチンカプセルに詰めることにより製造することができる。一方、該抗がん剤を含む製剤が注射剤の場合は、例えば、該抗がん剤適量を0.9%生理食塩水適量と混合し、この混合物を注射用バイアルに詰めることにより製造することができる。
また、本発明に係る上記一般式(I)で示される化合物と他の抗がん剤を含む合剤の場合にも、常法或いは慣用技術に従って、当業者が容易に製造することができる。
本発明に係る方法において、好ましい治療単位は、上記一般式(I)で示される化合物の投与形態、使用される上記一般式(I)で示される化合物の種類、使用される上記一般式(I)で示される化合物の剤型; 併用される他の抗がん剤の種類、投与形態、剤型など;及び治療されるがん細胞、患者の状態などによって変化してもよい。所定の条件において最適な治療は、慣用の治療決定単位を基にして、及び/又は、本明細書を考慮して、当業者が決定することができる。
本発明に係る方法において、上記一般式(I)で示される化合物の治療単位は、具体的に言うと、使用される化合物の種類、配合された組成物の種類、適用頻度及び治療すべき特定部位、病気の軽重、患者の年令、医師の診断、がんの種類等によって変えることができるが、一応の目安として、例えば、1日当たりの成人1人当りの投与量は、経口投与の場合、例えば、1ないし1000mgの範囲内とすることができる。また非経口投与、好ましくは静脈内投与、さらに好ましくは点滴静注の場合、例えば、1日当たり1ないし100mg/m(体表面積)の範囲内とすることができる。ここで、点滴静注の場合、例えば、1〜48時間連続して投与してもよい。なお、投与回数は、投与方法及び症状により異なるが、例えば、1日1回ないし5回である。また、隔日投与、隔々日投与などの間けつ投与等の投与方法でも用いることができる。非経口投与の場合の治療の休薬期間は、例えば、1〜6週間である。
また、上記一般式(I)で示される化合物と併用される他の抗がん剤の治療単位は、特に限定されないが、公知文献などにより当業者が必要に応じて決定することができる。例えば、以下に示す通りである。
5−フルオロウラシル(5−FU)の治療単位は、経口投与の場合、例えば、1日200〜300mgを1〜3回に連日投与し、注射剤の場合は、例えば、1日5〜15mg/kgを最初の5日間連日1日1回静注又は点滴静注し、以後、5〜7.5mg/kg を隔日に1日1回静注又は点滴静注する(投与量は、適宜増減してもよい)。
S−1(テガフール・ギメスタット・オスタットカリウム)の治療単位は、例えば、初回投与量(1回量)を体表面積に合わせて次の基準量とし、朝食後及び夕食後の1日2回、28日間連日経口投与し、その後14日間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。体表面積当たりの初回基準量(テガフール相当量)は、1.25m未満:40mg/回、1.25m2以上〜1.5m2未満:50mg/回、1.5m以上:60mg/回であり、患者の状態により適宜増減する。
ゲムシタビンの治療単位は、例えば、ゲムシタビンとして1回1g/mを30分かけて点滴静注し、週1回投与を3週連続し、4週目は休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。年齢、症状又は副作用の発現に応じて適宜減量する。
ドキソルビシン(例えば、塩酸ドキソルビシン)の治療単位は、静脈内注射の場合、例えば、1日1回10mg(0.2mg/kg)(力価)で4〜6日間連日静脈内ワンショット投与後、7〜10日間休薬し、これを1コースとし、2〜3コース繰り返す。ここで、総投与量は、500mg(力価)/m(体表面積)以下が好ましく、その範囲内で適宜増減してもよい。
エトポシドの治療単位は、静脈内注射の場合、例えば、1日60〜100mg/m(体表面積)で5日間連続投与し、3週間休薬する(投与量は、適宜増減してもよい)。これを1コースとして繰り返す。一方、経口投与の場合は、例えば、1日175〜200mgを5日間連続投与し、3週間休薬する(投与量は、適宜増減してもよい)。これを1コースとして繰り返す。
ドセタキセル(ドセタキセル水和物)の治療単位は、例えば、1日1回、ドセタキセルとして60mg/m(体表面積)を1時間以上かけて3〜4週間間隔で点滴静注する(投与量は、適宜増減することができる)。
パクリタキセルの治療単位は、例えば、1日1回210mg/m(体表面積)を3時間かけて点滴静注し、少なくとも3週間休薬する。これを1コースとして、繰り返す。投与量は適宜増減することができる。
シスプラチンの治療単位は、静脈内注射の場合、例えば、1日1回50〜70mg/m(体表面積)で投与し、3週間以上休薬する(投与量は、適宜増減してもよい)。これを1コースとして繰り返す。
カルボプラチンの治療単位は、例えば、1日1回300〜400mg/mを30分以上かけて点滴静注し、少なくとも4週間休薬する(投与量は適宜増減してもよい)。これを1コースとして繰り返す。
オキザリプラチンの治療単位は、1日1回85mg/mを静注し、2週間休薬し、これを1コースとして繰り返す。
イリノテカン(例えば、塩酸イリノテカン)の治療単位は、例えば、1日1回100mg/m、1週間間隔で3〜4回点滴静注し、少なくとも2週間休薬する。
トポテカンの治療単位は、例えば、1日1回1.5mg/mを5日間点滴静注し、少なくとも3週間休薬する。
シクロホスファミドの治療単位は、静脈内注射の場合、例えば、1日1回100mg連日静注し、患者が耐えられる場合は1日200mgに増量してもよく、総量で3000〜8000mg投与するが、適宜増減してもよい。また必要に応じて筋肉内、胸腔内、又は腫瘍内に注射又は注入してもよい。一方、経口投与の場合は、例えば、1日100〜200mgで投与する。
ゲフィチニブの治療単位は、例えば、1日1回250mgを経口投与する。
セツキシマブの治療単位は、例えば、第1日目に400mg/mを点滴静注し、その後250mg/mを毎週点滴静注する。
ベバシズマブの治療単位は、例えば、3mg/kgを毎週点滴静注する。
トラスツズマブの治療単位は、例えば、通常、成人に対して1日1回、トラスツズマブとして初回投与時には4mg/kg(体重)を、2回目以降は2mg/kgを90分以上かけて1週間間隔で点滴静注する。
エキセメスタンの治療単位は、例えば、通常、成人には1日1回25mgを食後に経口投与する。
リュープロレリン(例えば、酢酸リュープロレリン)の治療単位は、例えば、通常、成人には12週に1回として11.25mgを皮下に投与する。
イマチニブの治療単位は、例えば、通常、慢性骨髄性白血病の慢性期の成人には1日1回400mgを食後に経口投与する。
5−FUとロイコボリンを組み合わせた場合の治療単位は、例えば、第1日目から第5日目に5−FU 425mg/m、ロイコボリン 200mg/mを点滴静注し、これを4週間間隔で繰り返す。
ソラフェニブの治療単位は、例えば、食前少なくとも1時間前、或いは、食後少なくとも2時間後で、1日2回各200mg(1日あたり400mg)を経口投与する。
vスニチニブの治療単位は、例えば、1日1回50mgを4週間経口投与をし、2週間休薬する。
実施例および参考例の薄層クロマトグラフィーは、プレートとしてSilica gel60254(Merck)を、検出法としてUV検出器を用いた。カラム用シリカゲルとしては、Biotage FLASH カラム(SI、NH)を用いた。逆相分取液体クロマトグラフィーは、XBridge Prep C18(Waters)をカラムに用い、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液、0.1%トリフルオロ酢酸のアセトニトリル溶液を移動相に用いた。MSスペクトルは、Waters micromass ZQ2000(ESI、ESCi)を用いて測定した。NMRスペクトルは、JEOL JNM−AL400(400MHz)又はVarian MERCURY400(400MHz)型スペクトロメータを用いて測定し、全δ値をppmで示した。
略号の意味を以下に示す。
s:シングレット
d:ダブレット
dd:ダブル ダブレット
t:トリプレット
q:クァルテット
m:マルチプレット
br:ブロード
J:カップリング定数
Hz:ヘルツ
DMSO−d:重ジメチルスルホキシド
Boc:tert−ブトキシカルボニル基
SEM:(2−トリメチルシリル)エトキシ)メチル基
Bn:ベンジル基
Tf:(トリフルオロメチル)スルホニル基
1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((6−(1,3−チアゾール−2−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−オール・トリフルオロ酢酸塩の合成
Figure 0005411152
(1)4−((6−クロロピリジン−2−イル)メチル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルの合成
Figure 0005411152
テトラヒドロフラン12.5ml中2−クロロ−6−メチルピリジン0.22mlの溶液に、1.58Mのn−ブチルリチウム含有へキサン溶液1.4mlを0℃にて加え、その反応混合物を0℃で30分間攪拌した。−78℃に冷却した後、この溶液に、テトラヒドロフラン1ml中の4−オキソ−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル403.7mgの溶液を加え、この反応混合物を−40℃まで徐々に昇温させた。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、次いでクロロホルムで抽出した。得られたクロロホルム層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=20/1〜3/2)により精製して、標題化合物を淡黄色油として得た。
(2)4−ヒドロキシ−4−((6−(1,3−チアゾール−2−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルの合成
Figure 0005411152
4−((6−クロロピリジン−2−イル)メチル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル50.3mg、2−アミノチアゾール19.3mg、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン9.0mg、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)4.8mg、炭酸ナトリウム25.2mg、及びトルエン0.77mlからなる混合物を100℃で一夜、120℃で一夜攪拌した。この反応混合物に、炭酸セシウム156.6mg、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン94.4mg、及びビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)47.1mgを加え、その反応混合物を130℃で一夜攪拌した。反応混合物を室温まで冷却し、クロロホルムで希釈した。不溶物をセライトで濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(キーゼルゲル(Kieselgel)(登録商標)60F254、Art5744(メルク);クロロホルム/メタノール=10/1)により精製して、標題化合物を褐色油として得た。
(3)4−((6−(1,3−チアゾール−2−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−オールの合成
Figure 0005411152
クロロホルム1ml中の4−ヒドロキシ−4−((6−(1,3−チアゾール−2−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル5.9mgの溶液に、トリフルオロ酢酸0.5mlを0℃で加え、その反応混合物を0℃で2時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で塩基性とし、クロロホルムで抽出した。得られたクロロホルム層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧濃縮し、標題化合物を褐色油として得た。
(4)1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((6−(1,3−チアゾール−2−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−オール・トリフルオロ酢酸塩の合成
Figure 0005411152
ジメチルスルホキシド0.25ml中4−((6−(1,3−チアゾール−2−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−オール3.9mgの溶液に、3−クロロ−2−フルオロ安息香酸3.4mg、ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物6.1mg、及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩14.9mgを室温で加え、次いで、反応混合物を室温で30分間攪拌した。反応混合物を逆相分取液体クロマトグラフィーにより精製し、得られた分画を減圧濃縮して、標題化合物を白色固体として得た。
H−NMR(CDOD)δ:1.53−1.86(4H,m),3.07(2H,s),7.05−7.13(2H,m),7.18(1H,d,J=4.0Hz),7.22−7.35(2H,m),7.51(1H,d,J=4.0Hz),7.53−7.60(1H,m),7.86−7.92(1H,m).
Mass:447,449(M+1)
1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−オール塩酸塩の合成
Figure 0005411152
(1)1−ベンジル−4−((6−ブロモピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−オールの合成
Figure 0005411152
テトラヒドロフラン20ml中ジイソプロピルアミン1.11mlの溶液に、2.66Mのn−ブチルリチウム含有へキサン溶液0.73mlを−78℃で加えた。反応混合物を0℃まで昇温し、次いで、−78℃に冷却した。反応混合物に、1.2mlの2−ブロモ−6−メチルピリジンを−70℃以下でゆっくりと加え、次いでこの反応混合物を−78℃で30分間攪拌した。反応混合物に塩化セリウム(III)1.95gを−78℃で加え、その反応混合物を−78℃で1時間攪拌した。反応混合物に0.98mlの1−ベンジル−4−ピペリドンを−70℃以下でゆっくり加え、その反応混合物を−78℃で1時間攪拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、次いで酢酸エチルを加えた。不溶物をセライトで濾去した。有機層を分離し、水と食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:クロロホルムないしクロロホルム/メタノール=6/1)により精製して、標題化合物を白色固体として得た。
(2)1−ベンジル−4−((6−((1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−オールの合成
Figure 0005411152
1−ベンジル−4−((6−ブロモピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−オール469mg、1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−アミン(WO2006/046734、132ページ、参考文献2)332mg、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン150mg、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)−クロロホルム錯体134mg、リン酸カリウム827mg、及び1,4−ジオキサン10mlからなる混合物を100℃で一夜攪拌し、次いで、室温に冷却した。反応混合物をクロロホルムで希釈した。不溶物をセライトにより濾去し、クロロホルムで洗浄し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:クロロホルムないしクロロホルム/メタノール=10/1)により精製して、標題化合物を淡黄色油として得た。
(3)4−((6−((1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−オールの合成
Figure 0005411152
テトラヒドロフラン4ml及びメタノール6ml中1−ベンジル−4−((6−((1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−オール249mgの溶液に、炭素上の20%水酸化パラジウム100mgを加え、反応混合物を水素雰囲気下、室温で4時間攪拌した。パラジウム触媒をセライトにより濾去してメタノールで洗浄し、濾液を減圧濃縮して標題化合物を淡黄色固体として得た。
(4)1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((6−((1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−オールの合成
Figure 0005411152
クロロホルム10ml中4−((6−((1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−オール204mgの溶液に、3−クロロ−2−フルオロ安息香酸132mg、ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物116mg、及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩194mgを室温で加え、この反応混合物を室温で一夜攪拌した。反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液に注ぎ入れ、クロロホルムで抽出した。得られたクロロホルム層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=10/1ないし酢酸エチル)により精製して、標題化合物を無色油として得た。
(5)1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−オール塩酸塩の合成
Figure 0005411152
1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((6−((1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−オール273mgをトリフルオロ酢酸3ml及び水0.3mlに溶かし、その反応混合物を室温で1.5時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で塩基性とし、酢酸エチルで抽出した。得られた酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:クロロホルムないしクロロホルム/メタノール=10/1)により精製した。得られた遊離体を酢酸エチル5mlに溶解した。この溶液に、1,4−ジオキサン中4M−塩化水素/1,4−0.5mlを室温で加え、tert−ブチルメチルエーテル5mlで希釈した。沈殿物を集め、tert−ブチルメチルエーテルで洗浄し、標題化合物を白色固体として得た。
H−NMR(CDOD)δ:1.51−1.84(4H,m),3.09(2H,s),3.25−3.76(3H,m),4.30−4.41(1H,m),6.13(1H,s),6.95−7.04(1H,m),7.16(1H,d,J=8.8Hz),7.20−7.42(2H,m),7.55−7.63(1H,m),7.74(1H,s),8.01(1H,t,J=8.2Hz).
Mass:430,432(M+1)
2−((1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)ピペリジン−4−イル)メチル)−6−メチル−N−1H−ピラゾール−3−イルピリミジン−4−アミン・トリフルオロ酢酸塩の合成
Figure 0005411152
(1)2−クロロ−6−メチル−N−(1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−アミンの合成
Figure 0005411152
2,4−ジクロロ−6−メチルピリミジン405.9mg、1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−アミン(WO2006/046734、132ページ、参考文献2)585.5mg、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン231.9mg、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)−クロロホルム錯体208.6mg、リン酸カリウム751.2mg、及び1,4−ジオキサン20mlからなる混合物を80℃で一夜攪拌し、次いで、室温に冷却した。反応混合物を酢酸エチルで希釈した。不溶物をセライトにより濾去し、酢酸エチルで洗浄した。濾液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液と食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=10/1ないし2/3)により精製し、標題化合物を得た。
(2)4−((4−メチル−6−((1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピリミジン−2−イル)メチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルの合成
Figure 0005411152
4−メチレンピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル116.2mgに、テトラヒドロフラン2ml中9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン71.3mgの溶液を室温で加えた。反応混合物を90℃で1.5時間攪拌し、室温に冷却し、N,N−ジメチルホルムアミド2mlと水0.2ml中の、2−クロロ−6−メチル−N−(1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−アミン106.8mg、(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロパラジウム(II)−ジクロロメタン錯体12.3mg、トリフェニルアルシン4.3mg、及び炭酸カリウム49.8mgからなる懸濁液に加えた。反応混合物を60℃で8時間攪拌した。この反応混合物に、(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロパラジウム(II)−ジクロロメタン錯体12.4mg、トリフェニルアルシン4.8mg、及び炭酸カリウム47.3mgを加え、この反応混合物を60℃で13時間、90℃で1.5時間、そして100℃で2.5時間攪拌した。この反応混合物に、(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロパラジウム(II)−ジクロロメタン錯体13.7mg、トリフェニルアルシン5.0mg、炭酸カリウム47.1mg、及び4−(9−ボラビシクロ[3.3.1]ノン−9−イルメチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(テトラヒドロフラン2.5ml中、4−メチレンピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル117.6mg及び9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン145.2mgから100℃、3時間で調製した)の溶液を加え、この反応混合物を100℃で4.5時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=8/1ないし酢酸エチル)により精製し、標題化合物を得た。
(3)6−メチル−2−(ピペリジン−4−イルメチル)−N−(1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−アミンの合成
Figure 0005411152
4−((4−メチル−6−((1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピリミジン−2−イル)メチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル21.2mgをギ酸1mlに室温で溶かし、その反応混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で塩基性とし、クロロホルムで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、標題化合物を得た。
(4)2−((1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)ピペリジン−4−イル)メチル)−6−メチル−N−(1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−アミンの合成
Figure 0005411152
クロロホルム2ml中6−メチル−2−(ピペリジン−4−イルメチル)−N−(1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−アミン29.8mgの溶液に、3−クロロ−2−フルオロ安息香酸39.1mg、トリエチルアミン0.093ml、ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物29.5mg、及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩43.8mgを室温で加え、反応混合物を室温で1.5時間攪拌した。反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液に注ぎ入れ、クロロホルムで抽出した。得られたクロロホルム層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=1/1ないし酢酸エチル)により精製し、標題化合物を得た。
(5)2−((1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)ピペリジン−4−イル)メチル)−6−メチル−N−1H−ピラゾール−3−イルピリミジン−4−アミン・トリフルオロ酢酸塩の合成
Figure 0005411152
2−((1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)ピペリジン−4−イル)メチル)−6−メチル−N−(1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−アミン24.9mgをトリフルオロ酢酸0.9ml及び水0.1mlに室温で溶かし、反応混合物を60℃で30分間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。反応混合物を逆相分取液体クロマトグラフィーにより精製し、得られた分画を減圧下で濃縮して、標題化合物を白色固体として得た。
H−NMR(CDOD)δ:1.25−1.49(2H,m),1.76−2.04(2H,m),2.30−2.43(1H,m),2.53(3H,s),2.80−2.99(3H,m),3.10−3.28(1H,m),3.50−3.61(1H,m),4.67−4.76(1H,m),5.43−7.80(6H,m).
Mass:429,431(M+1)
1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−カルボン酸エチルの合成
Figure 0005411152
(1)2−ブロモ−6−(ブロモメチル)ピリジンの合成
Figure 0005411152
N,N−ジメチルホルムアミド6ml中(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)メタノール498mgの溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン1.15ml、及びN,N−ジメチルホルムアミド2ml中のメタンスルホン酸無水物695mgの溶液を氷冷下で順次加え、反応混合物を室温で20分間攪拌した。次いで、この溶液に臭化リチウム693mgを加え、反応混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物に飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加えた後、その混合物を酢酸エチルで抽出した。得られた酢酸エチル溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=20/1〜3/2)により精製し、標題化合物を淡黄色固体として得た。
(2)4−((6−ブロモピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチル・4−エチルの合成
Figure 0005411152
テトラヒドロフラン15ml中ジイソプロピルアミン0.855mlの溶液に、2.66M−n−ブチルリチウム含有ヘキサン溶液2.26mlを0℃で加え、その反応混合物を0℃で30分間攪拌した。−78℃まで冷却した後、反応混合物にテトラヒドロフラン5ml中のピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチル・4−エチル1.54gの溶液を加え、得られた混合物を−78℃で30分間攪拌した。この反応混合物に、テトラヒドロフラン5ml中の2−ブロモ−6−(ブロモメチル)ピリジン1.00gの溶液を加え、反応混合物を−78℃で2時間攪拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた酢酸エチル溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=20/1〜2/1)により精製して、標題化合物を黄色油として得た。
(3)4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチル・4−エチルの合成
Figure 0005411152
4−((6−ブロモピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチル・4−エチル1.33g、1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−アミン(WO2007/126126、72ページ、参考文献1)650mg、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン360mg、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)−クロロホルム錯体322mg、リン酸カリウム1.98g、及び1,4−ジオキサン30mlからなる混合物を100℃で4時間攪拌し、次いで、室温に冷却した。不溶性物質をセライトにより濾去し、酢酸エチルで洗浄した。得られた酢酸エチル溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=20/1〜3/2)により精製し、標題化合物を淡褐色油として得た。
(4)4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−カルボン酸エチルの合成
Figure 0005411152
4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチル・4−エチル1.21gに、1,4−ジオキサン中4M−塩化水素/12ml及びエタノール3mlを室温で加えた。反応混合物を室温で30分間攪拌し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で塩基性として、酢酸エチルで抽出した。得られた酢酸エチル溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、標題化合物を淡褐色油として得た。
(5)4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)ピペリジン−4−カルボン酸エチルの合成
Figure 0005411152
クロロホルム10ml中4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−カルボン酸エチル230mgの溶液に、3−クロロ−2−フルオロ安息香酸156mg、ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物137mg、及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩229mgを室温で加え、次いで、反応混合物を室温で一夜攪拌した。反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。得られた酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:クロロホルムないしクロロホルム/メタノール=20/1)により精製し、標題化合物を淡黄色油として得た。
(6)1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−カルボン酸エチルの合成
Figure 0005411152
4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)ピペリジン−4−カルボン酸エチル207mgをギ酸3mlに室温で溶かし、その反応混合物を100℃で8時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で塩基性とし、酢酸エチルで抽出した。得られた酢酸エチル溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:クロロホルムないしクロロホルム/メタノール=10/1)により精製し、標題化合物を無色油として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.17(3H,t,J=7.0Hz),1.40−1.75(2H,m),2.17(1H,d,J=12.4Hz),2.31(1H,d,J=12.4Hz),2.90−3.30(4H,m),3.43(1H,d,J=13.6Hz),4.14(2H,q,J=7.0Hz),4.53(1H,d,J=13.6Hz),6.04(1H,s),6.54(1H,d,J=6.7Hz),6.83(1H,d,J=7.8Hz),7.10−7.31(3H,m),7.40−7.48(3H,m).
Mass:486,488(M+1)
1−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−カルボン酸エチルの合成
Figure 0005411152
(1)4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)ピペリジン−4−カルボン酸エチルの合成
Figure 0005411152
実施例4(5)のステップで使用した3−クロロ−2−フルオロ安息香酸の代わりに、2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)安息香酸を用い、実施例4(5)のステップと同じ方法で、標題化合物を淡黄色油として得た。
(2)1−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−カルボン酸エチルの合成
Figure 0005411152
実施例4(6)のステップで使用した4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)ピペリジン−4−カルボン酸エチルの代わりに、4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)ピペリジン−4−カルボン酸エチルを用い、実施例4(6)のステップと同じ方法で、標題化合物を淡黄色油として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.17(3H,t,J=7.0Hz),1.40−1.75(2H,m),2.19(1H,d,J=12.4Hz),2.31(1H,d,J=12.4Hz),2.90−3.30(4H,m),3.41(1H,d,J=13.6Hz),4.14(2H,q,J=7.0Hz),4.54(1H,d,J=13.6Hz),6.05(1H,s),6.54(1H,d,J=7.0Hz),6.82(1H,d,J=8.0Hz),7.02−7.25(1H,m),7.31(1H,t,J=7.8Hz),7.42−7.47(2H,m),7.57(1H,brs),7.65(1H,t,J=7.0Hz).
Mass:520(M+1)
1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−カルボキサミドの合成
Figure 0005411152
(1)1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−カルボン酸の合成
Figure 0005411152
メタノール4ml及びテトラヒドロフラン2ml中、実施例4にて得た1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−カルボン酸エチル160mgの溶液に、1M−水酸化ナトリウム水溶液1mlを室温で加えた。室温で1時間攪拌した後、5M−水酸化ナトリウム水溶液2mlを反応混合物に室温で加え、その反応混合物を60℃で3日間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、次いで、減圧下で濃縮した。得られた残渣を2M−塩酸で中和し、クロロホルムで抽出した。得られたクロロホルム溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、標題化合物を淡黄色固体として得た。
(2)1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−カルボキサミドの合成
Figure 0005411152
クロロホルム5ml中、1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−カルボン酸82.8mgの溶液に、塩化アンモニウム97mg、トリエチルアミン0.252ml、ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物83mg、及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩104mgを室温で加え、反応混合物を室温で一夜攪拌した。反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液中に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。得られた酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(キーゼルゲル(登録商標)60F254、Art5744(メルク);クロロホルム/メタノール=6/1)により精製し、標題化合物を淡黄色固体として得た。
H−NMR(CDOD)δ:1.55−1.76(2H,m),1.98−2.10(1H,m),2.15−2.26(1H,m),2.94−3.04(2H,m),3.20−3.50(3H,m),4.26−4.37(1H,m),6.01(1H,brs),6.62−6.78(2H,m),7.24−7.62(5H,m).
Mass:457,459(M+1)
1−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−カルボキサミドの合成
Figure 0005411152
(1)1−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−カルボン酸の合成
Figure 0005411152
実施例6(1)のステップで使用した1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−カルボン酸エチルの代わりに、実施例5で得られた1−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−カルボン酸エチルを用い、実施例6(1)のステップと同じ方法で、標題化合物を淡黄色固体として得た。
(2)1−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−カルボキサミドの合成
Figure 0005411152
実施例6(2)のステップで使用した1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−カルボン酸の代わりに、1−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−カルボン酸を用い、実施例6(2)のステップと同じ方法で、標題化合物を淡黄色固体として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.30−1.64(2H,m),1.99−2.13(2H,m),2.76−2.94(2H,m),3.15−3.40(3H,m),4.25−4.34(1H,m),5.97(1H,s),6.51(1H,d,J=6.6Hz),6.59(1H,brs),6.66(1H,d,J=8.0Hz),6.86(1H,brs),7.26−7.38(2H,m),7.42(1H,d,J=2.0Hz),7.54(1H,brs),7.65(1H,t,J=7.0Hz),8.07(1H,brs).
Mass:491(M+1)
1−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−N−メトキシ−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−カルボキサミドの合成
Figure 0005411152
実施例7(2)のステップで使用した塩化アンモニウムの代わりに、O−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を用い、実施例7(2)のステップと同じ方法で、標題化合物を淡黄色固体として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.35−1.70(2H,m),2.15−2.29(2H,m),2.90−3.01(2H,m),3.30−3.51(3H,m),3.63(3H,s),4.11−4.25(1H,m),6.08(1H,s),6.51−6.60(1H,m),6.84(1H,d,J=8.0Hz),7.30(1H,t,J=7.8Hz),7.41(1H,t,J=7.8Hz),7.47(1H,d,J=2.0Hz),7.51−7.79(3H,m).
Mass:521(M+1)
5−(1−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オンの合成
Figure 0005411152
(1)4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)ピペリジン−4−カルボン酸の合成
Figure 0005411152
エタノール5ml中実施例5(1)のステップで得られた4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)ピペリジン−4−カルボン酸エチル505mgの溶液に、5M−水酸化ナトリウム水溶液4mlを室温で加え、その反応混合物を60℃で3時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を2M−塩酸で酸性とした。沈殿物を集め、水洗して、標題化合物を淡黄色固体として得た。
(2)2−((4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)ピペリジン−4−イル)カルボニル)ヒドラジンカルボン酸tert−ブチルの合成
Figure 0005411152
クロロホルム5ml中4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)ピペリジン−4−カルボン酸150mgの溶液に、tert−ブチルカルバゼート43.3mg及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩63.0mgを室温で加え、続いて、その反応混合物を室温で6時間攪拌した。反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=10/1ないし酢酸エチル)により精製し、標題化合物を白色固体として得た。
(3)4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)ピペリジン−4−カルボヒドラジドの合成
Figure 0005411152
クロロホルム4ml中2−((4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)ピペリジン−4−イル)カルボニル)ヒドラジンカルボン酸tert−ブチル195mgの溶液に、トリフルオロ酢酸2mlを0℃で添加した。反応混合物は0℃で2時間、室温で2時間攪拌し、次いで減圧下で濃縮した。得られた残渣を飽和重炭酸ナトリウム水溶液にて塩基性とし、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:クロロホルムないしクロロホルム/メタノール=10/1)により精製し、標題化合物を無色油として得た。
(4)5−(4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オンの合成
Figure 0005411152
テトラヒドロフラン5ml中4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)ピペリジン−4−カルボヒドラジド68.5mgの溶液に、1,1’−カルボニルジイミダゾール23.7mgを室温で加えた。反応混合物を室温で一夜攪拌し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=20/1ないし酢酸エチル)により精製し、標題化合物を無色油として得た。
(5)5−(1−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−((6−((1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オンの合成
Figure 0005411152
5−(4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン71mgをギ酸1.5mlに室温で溶かし、反応混合物を90℃で一夜攪拌した。反応混物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を飽和重炭酸ナトリウム水溶液にて塩基性とし、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(キーゼルゲル(登録商標)60F254、Art5744(メルク);クロロホルム/メタノール=10/1)により精製し、標題化合物を淡黄色固体として得た。
H−NMR(CDOD)δ:1.60−2.30(4H,m),2.97−3.65(5H,m),4.05−4.50(1H,m),6.20−7.02(3H,m),7.42−7.82(5H,m).
Mass:532(M+1)
5−(1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン・トリフルオロ酢酸塩の合成
Figure 0005411152
(1)1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−カルボン酸の合成
Figure 0005411152
エタノール5ml中実施例4(3)のステップで得られた4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチル・4−エチル495mgの溶液に、5M−水酸化ナトリウム水溶液1mlを室温で加え、続いて、その反応混合物を60℃で一夜攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を5M−塩酸にて酸性とし、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し標題化合物を淡黄色油として得た。
(2)4−((2−((ベンジルオキシ)カルボニル)ヒドラジノ)カルボニル)−4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルの合成
Figure 0005411152
クロロホルム10ml中1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−カルボン酸535mgの溶液に、ベンジルカルバゼート214mg及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩291mgを室温で加え、その反応混合物を室温で2時間攪拌した。反応混合物を水中に注ぎ、クロロホルムで抽出した。クロロホルム溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサンないしヘキサン/酢酸エチル=10/1)により精製して、標題化合物を淡褐色固体として得た。
(3)4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−4−(ヒドラジノカルボニル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルの合成
Figure 0005411152
メタノール10ml中4−((2−((ベンジルオキシ)カルボニル)ヒドラジノ)カルボニル)−4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル535mgの溶液に、炭素上の20%水酸化パラジウム200mgを加え、続いて、その反応混合物を水素雰囲気下、室温で一夜攪拌した。パラジウム触媒をセライトで濾去し、メタノールで洗浄し、その濾液を減圧下で濃縮して、標題化合物を淡褐色固体として得た。
(4)4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−4−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルの合成
Figure 0005411152
テトラヒドロフラン10ml中4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−4−(ヒドラジノカルボニル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル378mgの懸濁液に、1,1’−カルボニルジイミダゾール130mgを室温で添加した。室温で3時間攪拌した後、1,1’−カルボニルジイミダゾール100mgを室温で添加し、続いて、室温で5日間攪拌した。反応混合物に飽和重炭酸ナトリウム水溶液10mlを加え、反応混合物を室温で30分間攪拌した。反応混合物を水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=20/1〜1/2)により精製し、標題化合物を淡黄色油として得た。
(5)5−(4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン・二塩酸塩の合成
Figure 0005411152
メタノール4ml中4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−4−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル250mgの溶液に、1,4−ジオキサン中4M−塩化水素4mlを室温で加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌し、減圧下で濃縮して、標題化合物を淡黄色固体として得た。
(6)5−(4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オンの合成
Figure 0005411152
ピリジン2ml中5−(4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン・二塩酸塩40mgの溶液に、3−クロロ−2−フルオロ安息香酸17.8mg及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩24.4mgを室温で加えた。反応混合物を室温で一夜攪拌し、次いで減圧下で濃縮した。反応混合物を酢酸エチルに溶かし、水洗した。得られた酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサンないし酢酸エチル)により精製し、標題化合物を淡黄色油として得た。
(7)5−(1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((6−((1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン・トリフルオロ酢酸塩の合成
Figure 0005411152
5−(4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン25.5mgをギ酸1mlに室温で溶かし、続いて、その反応混合物を90℃で一夜攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を逆相分取液体クロマトグラフィーにより精製し、得られた分画を減圧下で濃縮して、標題化合物を白色固体として得た。
H−NMR(CDOD)δ:1.84−2.01(2H,m),2.12−2.26(1H,m),2.30−2.38(1H,m),3.06−3.17(1H,m),3.20−3.39(3H,m),3.48−3.56(1H,m),4.53−4.60(1H,m),6.15(1H,d,J=2.4Hz),6.99(1H,d,J=7.0Hz),7.19(1H,d,J=9.0Hz),7.25−7.46(2H,m),7.61(1H,dd,J=9.0,7.4Hz),7.77(1H,d,J=2.4Hz),8.02(1H,dd,J=8.6,7.4Hz).
Mass:498,500(M+1)
5−(1−(2,3−ジフルオロベンゾイル)−4−((6−((1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン・トリフルオロ酢酸塩の合成
Figure 0005411152
実施例10(6)のステップで使用した3−クロロ−2−フルオロ安息香酸の代わりに、2,3−ジフルオロ安息香酸を用い、実施例10と同じ方法で、標題化合物を白色固体として得た。
H−NMR(CDOD)δ:1.82−2.01(2H,m),2.15−2.25(1H,m),2.31−2.38(1H,m),3.06−3.17(1H,m),3.20−3.40(3H,m),3.51−3.62(1H,m),4.53−4.62(1H,m),6.15(1H,d,J=2.4Hz),6.99(1H,d,J=7.0Hz),7.12−7.32(3H,m),7.40(1H,q,J=8.2Hz),7.77(1H,d,J=2.4Hz),8.03(1H,dd,J=9.0,7.4Hz).
Mass:482(M+1)
5−(1−(フェニルスルホニル)−4−((6−((1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン・トリフルオロ酢酸塩の合成
Figure 0005411152
(1)5−(4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−(フェニルスルホニル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オンの合成
Figure 0005411152
クロロホルム4ml中実施例10(5)のステップにて得られた5−(4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン・二塩酸塩40mgの溶液に、トリエチルアミン0.059ml及び塩化ベンゼンスルホニル0.013mlを室温で加えた。反応混合物を室温で一夜攪拌し、続いて、減圧下で濃縮した。得られた残渣のメタノール3ml中の溶液に、炭酸カリウム117mgを室温で加えた。この反応混合物を室温で1時間攪拌し、水中に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。得られた酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(キーゼルゲル(登録商標)60F254、Art5744(メルク);ヘキサン/酢酸エチル=1/2)により精製し、標題化合物を淡黄色油として得た。
(2)5−(1−(フェニルスルホニル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン・トリフルオロ酢酸塩の合成
Figure 0005411152
実施例10(7)のステップで使用した5−(4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オンの代わりに、5−(4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−(フェニルスルホニル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オンを用い、実施例10(7)のステップと同じ方法で、標題化合物を白色固体として得た。
H−NMR(CDOD)δ:1.94−2.03(2H,m),2.24−2.32(2H,m),2.39−2.49(2H,m),3.23(2H,s),3.70−3.77(2H,m),6.14(1H,d,J=2.4Hz),6.92(1H,d,J=7.4Hz),7.15(1H,d,J=9.0Hz),7.53−7.68(3H,m),7.71−7.78(3H,m),7.99(1H,dd,J=9.0,7.4Hz).
Mass:482(M+1)
5−(1−((2,3−ジクロロフェニル)スルホニル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン・トリフルオロ酢酸塩の合成
Figure 0005411152
実施例12(1)のステップで使用した塩化ベンゼンスルホニルの代わりに、塩化2,3−ジクロロベンゼンスルホニルを用い、実施例12と同じ方法で、標題化合物を白色固体として得た。
H−NMR(CDOD)δ:1.88−2.00(2H,m),2.23−2.32(2H,m),2.96−3.06(2H,m),3.28(2H,s),3.78−3.85(2H,m),6.15(1H,d,J=2.4Hz),6.97(1H,d,J=7.0Hz),7.17(1H,d,J=9.0Hz),7.46(1H,t,J=8.0Hz),7.76(1H,d,J=2.4Hz),7.80(1H,dd,J=8.2,1.2Hz),7.97−8.05(2H,m).
Mass:550,552(M+1)
5−(4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−((2−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン・トリフルオロ酢酸塩の合成
Figure 0005411152
実施例12(1)のステップで使用した塩化ベンゼンスルホニルの代わりに、塩化2−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニルを用い、実施例12と同じ方法で、標題化合物を白色固体として得た。
H−NMR(CDOD)δ:1.90−2.02(2H,m),2.25−2.33(2H,m),2.87−2.97(2H,m),3.28(2H,s),3.76−3.85(2H,m),6.15(1H,d,J=2.8Hz),6.97(1H,d,J=7.4Hz),7.17(1H,d,J=8.6Hz),7.74−7.84(3H,m),7.92−8.11(3H,m).
Mass:550(M+1)
5−(1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((6−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オンの合成
Figure 0005411152
(1)4−((6−((1−tert−ブチル−3−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチル・4−エチルの合成
Figure 0005411152
実施例4(3)のステップで使用した1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−アミンの代わりに、1−tert−ブチル−3−メチル−1H−ピラゾール−5−アミンを用い、実施例4(3)のステップと同じ方法で、標題化合物を淡褐色油として得た。
(2)5−(4−((6−((1−tert−ブチル−3−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン・二塩酸塩の合成
Figure 0005411152
実施例10(1)のステップで使用した4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチル・4−エチルの代わりに、4−((6−((1−tert−ブチル−3−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチル・4−エチルを用い、実施例10(1)ないし10(5)のステップと同じ方法で、標題化合物を淡黄色固体として得た。
(3)5−(4−((6−((1−tert−ブチル−3−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オンの合成
Figure 0005411152
実施例10(6)のステップで使用した5−(4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン・二塩酸塩の代わりに、5−(4−((6−((1−tert−ブチル−3−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン・二塩酸塩を用い、実施例10(6)のステップと同じ方法で、標題化合物を淡黄色油として得た。
(4)5−(1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((6−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オンの合成
Figure 0005411152
実施例9(5)のステップで使用した5−(4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オンの代わりに、5−(4−((6−((1−tert−ブチル−3−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オンを用い、実施例9(5)のステップと同じ方法で、標題化合物を淡黄色固体として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.40−2.35(7H,m),2.74−3.54(5H,m),4.01−4.55(1H,m),5.14−6.03(1H,m),6.45−7.50(7H,m).
Mass:510,512(M+1)
5−(1−(2,3−ジフルオロベンゾイル)−4−((6−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オンの合成
Figure 0005411152
実施例15(3)のステップで使用した3−クロロ−2−フルオロ安息香酸の代わりに、2,3−ジフルオロ安息香酸を用い、実施例15と同じ方法で、標題化合物を淡黄色固体として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.40−2.35(7H,m),2.72−3.55(5H,m),4.01−4.55(1H,m),5.20−6.03(1H,m),6.46−7.53(7H,m).
Mass:496(M+1)
5−(1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((4−フェニル−6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オンの合成
Figure 0005411152
(1)(4−(ベンジルオキシ)−6−クロロピリジン−2−イル)メタノールの合成
Figure 0005411152
テトラヒドロフラン3ml中4−(ベンジルオキシ)−6−クロロピリジン−2−カルボン酸メチル(WO2006/046734;123ページ、実施例116(5))500mgの溶液に、水素化アルミニウムリチウム78mgを室温で加え、続いて、反応混合物を室温で2時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液、水及び食塩水で洗浄した。酢酸エチル溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、標題化合物を淡黄色固体として得た。
(2)4−((4−(ベンジルオキシ)−6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチル・4−エチルの合成
Figure 0005411152
実施例4(1)のステップで使用した(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)メタノールの代わりに、(4−(ベンジルオキシ)−6−クロロピリジン−2−イル)メタノールを用い、実施例4(1)ないし4(3)のステップと同じ方法で、標題化合物を淡褐色油として得た。
(3)4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)−4−ヒドロキシピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチル・4−エチルの合成
Figure 0005411152
テトラヒドロフラン10ml及びメタノール10ml中4−((4−(ベンジルオキシ)−6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチル・4−エチル1gの溶液に、炭素上の20%水酸化パラジウム300mgを加え、続いて、その反応混合物を水素雰囲気下で室温で2時間攪拌した。パラジウム触媒をセライトにより濾去し、メタノールで洗浄し、濾液を減圧下で濃縮して、標題化合物を淡褐色固体として得た。
(4)4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)−4−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチル・4−エチルの合成
Figure 0005411152
クロロホルム10ml中4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)−4−ヒドロキシピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチル・4−エチル848mgの溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン1.18ml及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物0.57mlを0℃で加え、続いて、反応混合物を0℃で30分間攪拌した。反応混合物を水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル溶液を水と食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:クロロホルムないしクロロホルム/メタノール=9/1)により精製し、標題化合物を淡黄色固体として得た。
(5)4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)−4−フェニルピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチル・4−エチルの合成
Figure 0005411152
4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)−4−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチル・4−エチル300mg、フェニルホウ酸87mg、(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロパラジウム(II)69.3mg、リン酸カリウム201mg、1,4−ジオキサン3ml、及び水0.3mlからなる混合物を100℃で一夜攪拌し、次いで室温に冷却した。反応混合物を酢酸エチルで希釈した。不溶物をセライトで濾去し、酢酸エチルで洗浄した。濾液を水と食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:クロロホルムないしクロロホルム/メタノール=9/1)により精製し、標題化合物を淡黄色固体として得た。
(6)5−(1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((4−フェニル−6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オンの合成
Figure 0005411152
実施例4(4)のステップで使用した4−((6−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチル・4−エチルの代わりに、5−(1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((4−フェニル−6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オンを用い、実施例4(4)、(5)、及び実施例9(1)ないし9(5)のステップと同じ方法で、標題化合物を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:1.72−2.20(4H,m),2.97−3.48(6H,m),4.23−4.29(1H,m),6.35(1H,brs),6.68(1H,s),7.25−7.69(10H,m),9.20(1H,brs),12.04(1H,brs).
Mass:574,576(M+1)
1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((4−メチル−6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリミジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−カルボキサミド・トリフルオロ酢酸塩の合成
Figure 0005411152
実施例4(1)のステップで使用した(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)メタノールの代わりに、(4−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)−6−メチルピリミジン−2−イル)メタノール(WO2007/126126;54ページ、実施例1(3))を用い、実施例4(1)ないし(3)、(6)、及び実施例6のステップと同じ方法で、標題化合物を白色固体として得た。
H−NMR(CDOD)δ:1.90−2.39(4H,m),2.48(3H,s),2.97−3.20(3H,m),3.41−3.55(2H,m),4.14−4.31(1H,m),5.95−6.20(2H,m),6.62−6.88(1H,m),7.22−7.39(2H,m),7.53−7.75(3H,m).
Mass:472,474(M+1)
5−(4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−(2,2,2−トリフルオロ−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン・トリフルオロ酢酸塩の合成
Figure 0005411152
(1)1−(2,2,2−トリフルオロ−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)エチル)ピペリジン−4−カルボン酸エチルの合成
Figure 0005411152
ジクロロメタン12ml中2,2,2−トリフルオロ−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)エタノン0.355mlの溶液に、イソニペコチン酸エチル0.32ml、トリエチルアミン0.58ml、及び1M−塩化チタン(IV)含有トルエン溶液1.05mlを室温で加え、続いて、その反応混合物を室温で一夜攪拌した。この反応混合物に、メタノール5ml中の水素化シアノホウ素ナトリウム392mgの溶液を室温で加え、次いで反応混合物を室温で6時間攪拌した。酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウム水溶液を反応混合物に加えた。不溶物をセライトにより濾去した。酢酸エチル層を分取し、食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサンないしヘキサン/酢酸エチル=4/1)により精製し、標題化合物を黄色油として得た。
(2)5−(4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−(2,2,2−トリフルオロ−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン・トリフルオロ酢酸塩の合成
Figure 0005411152
実施例4(2)のステップで使用したピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチル・4−エチルの代わりに、1−(2,2,2−トリフルオロ−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)エチル)ピペリジン−4−カルボン酸エチルを用い、実施例4(2)、(3)、及び実施例9(1)ないし9(5)のステップと同じ方法で、標題化合物を白色固体として得た。
H−NMR(CDOD)δ:1.89−2.00(2H,m),2.13−2.30(3H,m),2.52(1H,brt,J=11.2Hz),2.92(1H,brd,J=12.4Hz),2.99(1H,brd,J=12.4Hz),3.22(2H,brs),4.48(1H,q,J=8.8Hz),6.13(1H,d,J=2.4Hz),6.94(1H,d,J=7.2Hz),7.16(1H,d,J=8.8Hz),7.56−7.63(1H,m),7.66−7.71(3H,m),7.75(1H,d,J=2.4Hz),8.00(1H,dd,J=8.8,7.2Hz).
Mass:568(M+1)
本発明化合物は、優れたオーロラA選択的阻害作用に基づく細胞増殖阻害作用、並びに他の抗がん剤との相乗作用を有することを特徴とし、従って、医薬分野での有用な抗がん剤として期待される。

Claims (19)

  1. 一般式(I):
    Figure 0005411152
    [式中、
    は、OH、又は置換されていてもよい複素環基であり;
    は、CO、SO、又はCHRであり(ここで、Rは、CF、CN、CORx1、COORx2、CONRx3x3’、SOx4、又はSONRx5x5’であり;また、Rx1、Rx2及びRx4は、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよい低級アルキルであり;また、Rx3、Rx3’、Rx5、及びRx5’は、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよい低級アルキルであるが、ただし、Rx3及びRx3’、及びRx5及びRx5’は、それぞれ独立して、それらが結合する窒素原子と一緒になって、置換されていてもよい複素環基を形成してもよい。);
    は置換されていてもよいフェニルであり;
    は、CH、CX1a、又はNであり(ここで、X1aは置換されていてもよい低級アルキルである。);
    は、CH、CX2a、又はNであり(ここで、
    2aは低級アルキルであるか;又は、
    2aは、<置換基群A>から選択される置換基、又は<置換基群A>から選択される1個以上の同一若しくは異なる置換基により置換されている低級アルキルであるか(ここで、<置換基群A>は、ハロゲン原子;シアノ;ヒドロキシ;低級アルキルアミノ;ジ低級アルキルアミノ;1個以上のヒドロキシ基により置換されていてもよい低級アルコキシ;低級アルキルチオ;低級アルキルスルホニル;及び置換されていてもよいフェニルである。);又は、
    2aは、COORx10、CONRx20x30、NHCORx10、NHCONRx20x30、NHSONRx20x30、NRx40x50、又はCHNRx40x50であるか(ここで、
    x10は、水素原子又は置換されていてもよい低級アルキルであり;
    x20及びRx30は、同一又は異なってもよく、それぞれ水素原子、置換されていてもよい低級アルキル、又は置換されていてもよいシクロアルキルであるか;あるいはRx20及びRx30は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、N、O、及びSから選択される少なくとも1個の原子を有し、かつ、置換されていてもよい、5員若しくは6員の脂肪族複素環基を形成し;また、
    x40及びRx50は、同一又は異なってもよく、水素原子、置換されていてもよい低級アルキル、又は置換されていてもよいシクロアルキルである。):又は、
    2aは、N、O、及びSから選択される少なくとも1個の原子を有し、かつ、置換されていてもよい、5員ないし6員の脂肪族複素環基(ここで、脂肪族複素環基の同一の炭素原子に結合する2個の水素原子はオキソにより置換されていてもよく、また該脂肪族へテロ環状環を形成する隣接する2個の炭素原子は二重結合を形成してもよい。);又は該脂肪族複素環基で置換された低級アルキルであるか;又は、
    2aは、N、O、及びSから選択される少なくとも1個の原子を有し、かつ、置換されていてもよい、5員ないし6員の芳香族複素環基;又は該芳香族複素環基で置換された低級アルキルである。);
    は、CH、CX3a、又はNであり(ここで、X3aは置換されていてもよい低級アルキルであるが、ただし、X、X及びXに含まれる窒素の数は0又は1個である。);
    Wは以下の基:
    Figure 0005411152
    (式中、
    は、CH、N、NH、O、又はSであり;
    は、CH、CW2a、N、NW2b、O、又はSであり(ここで、W2a及びW2bは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、シアノ、1ないし2個の炭素原子を有する低級アルキル、3ないし5個の炭素原子を有するシクロアルキル、又は1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよい1ないし2個の炭素原子を有する低級アルキルである。);
    は、C又はNであり;そして、
    、W、及びWの少なくとも1個は炭素原子であるが、W、W、及びWの2個が同時にO及びSであることはない。)
    である]
    で示される化合物、又はその薬学的に許容される塩
  2. がCHである、請求項1記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩
  3. が、OH、又は、
    が以下から選択される複素環基(ここで、Y及びYは同一又は異なって、それぞれ水素原子又は置換されていてもよい低級アルキルである。)である、
    Figure 0005411152
    請求項2記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩
  4. Wが以下から選択される請求項3記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩
    Figure 0005411152
    (式中、W 2a 及びW 2b は、請求項1に同じである)
  5. が、2位及び3位がF、Cl、CF、及びCNから選択される同一若しくは異なる2個の置換基により置換されているフェニルであるか、又は2位若しくは3位がF、Cl、CF、及びCNから選択される1個の置換基により置換されているフェニルである、請求項4記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩
  6. がCHであり、XがCH又はCX2a(ここで、X2aは置換されていてもよいフェニルである)であるか;又は、
    がCHであり、XがNであるか;又は、
    がNであり、XがCH又はCX2a(ここで、X2aは低級アルキルである)である、請求項5記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩
  7. が、OH、であるか;又はが以下の:
    Figure 0005411152
    であり;Rが、CO、SO、又はCHCFである、請求項6記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩
  8. Wが以下:
    Figure 0005411152
    (式中、W2aは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、又は1ないし3個のフッ素原子により置換されていてもよいメチルである)から選択される、請求項7記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩
  9. 及びXが共にCHであり;Wが以下:
    Figure 0005411152
    のいずれか一つである、請求項8記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩
  10. (a)1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−オール;
    (b)5−(1−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン;
    (c)5−(1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン;
    (d)5−(4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−((2−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン;
    (e)5−(1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((4−フェニル−6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン;又は
    (f)5−(4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−(2,2,2−トリフルオロ−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン;
    である化合物、又はその薬学的に許容される塩
  11. 有効成分として請求項1に記載の化合物少なくとも1種を、薬学的に許容される担体又は賦形剤と共に含有してなる医薬組成物。
  12. 有効成分として請求項1に記載の化合物少なくとも1種を、薬学的に許容される担体又は賦形剤と共に含有してなるオーロラA選択的阻害剤。
  13. 有効成分として請求項1に記載の化合物少なくとも1種を、薬学的に許容される担体又は賦形剤と共に含有してなる抗がん剤。
  14. 癌の治療において、同時に、別々に、又は順次に投与するための組み合わせ製剤であって、2つの別個の製剤:
    (i)薬学的に許容される担体又は賦形剤と一緒に、請求項1記載の化合物を含有してなる製剤;及び
    (ii)薬学的に許容される担体又は賦形剤と一緒に、抗がん性アルキル化剤、抗がん性代謝拮抗剤、抗がん性抗生物質、植物由来抗がん剤、抗がん性白金配位化合物、抗がん性カンプトテシン誘導体、抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤、モノクローナル抗体、インターフェロン、生物学的応答調節剤、及び他の抗がん性剤からなる群より選択される1種の抗がん剤、又はその薬学的に許容される塩を含有してなる製剤;(ここで、
    抗がん性アルキル化剤は、ナイトロジェンマスタードN−オキシド、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、ブスルファン、ミトブロニトール、カルボコン、チオテパ、ラニムスチン、ニムスチン、テモゾロミド、及びカルムスチンであり;
    抗がん性代謝拮抗剤は、メトトレキサート、6−メルカプトプリン・リボシド、メルカプトプリン、5−フルオロウラシル、テガフール、ドキシフルリジン、カルモフール、シタラビン、シタラビン・オクホスファート、エノシタビン、S−1、ゲムシタビン、フルダラビン、及びペメトレキセド・ジソディウムであり;
    抗がん性抗生物質は、アクチノマイシンD、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ネオカルチノスタチン、ブレオマイシン、ペプロマイシン、マイトマイシンC、アクラルビシン、ピラルビシン、エピルビシン、ジノスタチン・スチマラマー、イダルビシン、シロリムス、及びバルルビシンであり;
    植物由来抗がん剤は、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、エトポシド、ソブゾキサン、ドセタキセル、パクリタキセル、及びビノレルビンであり;
    抗がん性白金配位化合物は、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、及びオキサリプラチンであり;
    抗がん性カンプトテシン誘導体は、イリノテカン、トポテカン、及びカンプトテシンであり;
    抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤は、ゲフィチニブ、イマチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、ダサチニブ、及びエルロチニブであり;
    モノクローナル抗体は、セツキシマブ、リツキシマブ、ベバシズマブ、アレムツズマブ、及びトラスツズマブであり;
    インターフェロンは、インターフェロンα、インターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、インターフェロンβ、インターフェロンγ−1a、及びインターフェロンγ−n1であり;
    生物学的応答調節剤は、クレスチン、レンチナン、シゾフィラン、ピシバニール、又はウベニメクスであり;そして
    他の抗がん性剤は、ミトキサントロン、L−アスパラギナーゼ、プロカルバジン、ダカルバジン、ヒドロキシカルバミド、ペントスタチン、トレチノイン、アレファセプト、ダルベポエチンアルファ、アナストロゾール、エキセムスタン、ビカルタミド、リュープロレリン、フルタミド、フルベストラント、ペガプタニブ・オクタソディウム、デニリューキン・ジフティトクス、アルデスリューキン、チロトロピンアルファ、アルセニック トリオキシド、ボルテゾミブ、カペシタビン、及びゴセレリンである。):
    からなる組み合わせ製剤。
  15. 2つの別個の製剤の一方又は両方が、経口用製剤である、請求項14に記載の組み合わせ製剤。
  16. 薬学的に許容される担体又は賦形剤と一緒に、抗がん性アルキル化剤、抗がん性代謝拮抗剤、抗がん性抗生物質、植物由来抗がん剤、抗がん性白金配位化合物、抗がん性カンプトテシン誘導体、抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤、モノクローナル抗体、インターフェロン、生物学的応答調節剤、及び他の抗がん性剤(ここで、各抗がん剤の定義は請求項14における定義と同じである)からなる群より選択される抗がん剤又はその薬学的に許容される塩を含有してなる少なくとも1種の製剤をさらに組合わせた、請求項14に記載の組み合わせ製剤。
  17. 当該組み合わせ製剤において、
    (i)一方が、薬学的に許容される担体又は賦形剤と一緒に、
    (a)1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−オール;
    (b)5−(1−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン;
    (c)5−(1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン;
    (d)5−(4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−((2−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン;
    (e)5−(1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((4−フェニル−6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン;又は
    (f)5−(4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−(2,2,2−トリフルオロ−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン;
    又はその薬学的に許容される塩を含有してなる製剤であり;
    (ii)他方が、薬学的に許容される担体又は賦形剤と一緒に、パクリタキセル又はドセタキセルを含有してなる製剤である;
    請求項14に記載の組み合わせ製剤。
  18. 薬学的に許容される担体又は賦形剤と一緒に、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩;及び抗がん性アルキル化剤、抗がん性代謝拮抗剤、抗がん性抗生物質、植物由来抗がん剤、抗がん性白金配位化合物、抗がん性カンプトテシン誘導体、抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤、モノクローナル抗体、生物学的応答調節剤、及び他の抗がん性剤(ただし、各抗がん剤の定義は請求項14における定義と同じである)からなる群より選択される抗がん剤又はその薬学的に許容される塩を含有してなる医薬組成物。
  19. 請求項1に記載の化合物が、以下:
    (a)1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−オール;
    (b)5−(1−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン;
    (c)5−(1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン;
    (d)5−(4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−((2−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン;
    (e)5−(1−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−4−((4−フェニル−6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン;又は
    (f)5−(4−((6−(1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリジン−2−イル)メチル)−1−(2,2,2−トリフルオロ−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン;
    又はその薬学的に許容される塩であり;そして抗がん剤がパクリタキセル又はドセタキセルである請求項18に記載の医薬組成物。
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