JP5161072B2 - オーロラa選択的阻害作用を有する新規アミノピリジン誘導体 - Google Patents

オーロラa選択的阻害作用を有する新規アミノピリジン誘導体 Download PDF

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Description

本発明は医薬の分野で有用であり、さらに詳細には、オーロラA選択的阻害作用に基づいて腫瘍細胞の増殖を阻害し、抗腫瘍効果を発揮する、新規アミノピリジン誘導体、及びそれを含むオーロラA選択的阻害剤並びに抗がん剤に関する。
オーロラキナ−ゼは細胞分裂に関与するセリン/スレオニンキナーゼである。オーロラキナーゼには現在、A、B、Cの3種類のサブタイプが知られており、互いに、極めて高い類似性(ホモロジー)を有している。オーロラAは中心体の成熟および分配、また紡錘体の形成に関与する。一方、オーロラBは染色体の凝集、対合、紡錘体チェックポイントおよび細胞質分裂に関与していると考えられている[ネイチャーレビューズ モレキュラー セル バイオロジー(Nat.Rev.Mol.Cell Biol)、第4号、842−854]。また、オーロラCはオーロラBと相互作用して同様に働くと考えられている[ジャーナル オブ バイオロジカル ケミストリー(J.Biol.Chem.)、Epub ahead(2004)]。これまでにオーロラAの高発現が多くの癌細胞で確認されていること、及び、正常細胞にオーロラAを高発現させるとげっ歯類の正常細胞株を形質転換することなどから、オーロラAががん遺伝子の一つとして、抗がん剤の好適なターゲットと認識されている[ザ エンボジャーナル(EMBO J.)、第17号、3052−3065ページ、(1998)]。
また、オーロラAの高発現したがん細胞が、パクリタキセルに対する耐性があるとの報告もある[キャンサー セル(Cancer Cell)、第3巻、51−62頁、(2003)]。一方、オーロラキナーゼ阻害剤については、サブタイプ間の高い類似性や蛋白構造解析などから、サブタイプ選択的な薬剤開発が困難と考えられており、これまでZM447439などのオーロラA、オーロラBを同時に阻害する薬剤に関する報告は知られているが[ジャーナル オブ セルラー バイオロジー(J.Cell Biol.)、第161号、267−280頁、(2003);ジャーナル オブ セルラー バイオロジー(J.Cell Biol.)、第161号、281−294頁、(2003); ネイチャー メディシン(Nat.Med.)、第10号、262−267頁、(2004)]、オーロラA選択的な薬剤に関する報告は知られていない。即ち、これらの報告ではオーロラA、オーロラBを同時に阻害する薬剤を単剤で投与した場合の抗がん効果のみが開示されているに過ぎない。しかも、オーロラA及びオーロラBを同時に阻害する薬剤ではオーロラキナーゼ阻害作用がパクリタキセルの作用を減弱させている様な結果も同時に報告されている[ジャーナル オブセルラー バイオロジー(J.Cell Biol.)、第161号、281−294頁、(2003)]。
ここで、過去にオーロラキナーゼ阻害作用を有する化合物に関する特許出願はなされており(国際公開第02/057259号パンフレット、米国特許第6664247号明細書など)、また、アミノピリジン誘導体に関する特許出願もなされている(米国特許第6586424号明細書など)。しかしながら、優れたオーロラA選択的阻害作用を有するアミノピリジン誘導体については、今まで報告されていない。
優れたオーロラA選択的阻害作用を示し、また、それに基づく細胞増殖抑制作用を示すと共に、他の抗がん剤と併用することにより相乗作用を奏する、新規アミノピリジン誘導体を創製することが本発明の解決課題である。
本発明者等は、上記課題を解決すべく、新規アミノピリジン誘導体を広く合成し、下記一般式[I]で表される化合物が、優れたオーロラA選択阻害作用、及びそれに基づく細胞増殖抑制作用を示すと共に、他の抗がん剤と併用することにより相乗作用を奏することを見いだして本発明を完成した。これまで、パクリタキセルなどの既存の抗がん剤において、その副作用や薬剤耐性などから十分な量を使用できずに完治できなかった癌に対し、本発明に係る化合物を投与することにより、又は、本発明に係る化合物と他の抗がん剤の併用投与することにより、優れた抗がん効果(当該他の抗がん剤の作用の増強を含む)、及び副作用の軽減効果が期待される。
即ち、本発明は、
一般式[I]:
Figure 0005161072
[式中、
は、0又は1であり;
は、0又は1であり;
Rは、置換されてもよい、アリール基、ヘテロアリール基、又はシクロアルキル基であり;
は、水素原子又は置換されてもよい低級アルキル基であり;
a1、Ra1’、Ra2、Ra2’、Rb1、Rb1’、Rb2、及びRb2’に関して、(i)Ra1及びRa1’のいずれか一方、(ii)Ra2及びRa2’のいずれか一方、(iii)Rb1及びRb1’のいずれか一方、並びに、(iv)Rb2及びRb2’のいずれか一方、からなる4個の基の群から選ばれる2個の基が一緒になって、−(CH−(ここで、nは、1、2、又は3である。)を形成し、かつ、Ra1、Ra1’、Ra2、Ra2’、Rb1、Rb1’、Rb2、及びRb2’のうち、−(CH−の形成に関与しない基は、それぞれ独立して、水素原子又は置換されてもよい低級アルキル基であり;
は、CH、CX1a又はNであり(ここで、X1aは、置換されてもよい低級アルキル基である。);
は、CH、CX2a又はNであり(ここで、
2aは、低級アルキル基であるか;或いは、
2aは、<置換基群A>から選択される置換基、又は<置換基群A>から選択される同一若しくは異なる置換基で1個若しくは2個以上置換される低級アルキル基であるか(ここで、<置換基群A>は、ハロゲン原子; シアノ基; ヒドロキシ基; 低級アルキルアミノ基; ジ低級アルキルアミノ基; ヒドロキシ基で1個若しくは2個以上置換されてもよい低級アルコキシ基; 低級アルキルチオ基;及び低級アルキルスルホニル基、である。);或いは、
2aは、COOR又はCONRであるか(ここで、
は、水素原子又は置換されてもよい低級アルキル基であり;
及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、置換されてもよい低級アルキル基又はシクロアルキル基であるか、或いは、R及びRは、これらが結合する窒素原子と一緒になって、置換されてもよいN、O及びSから選択される少なくとも1個の原子を含む5員環若しくは6員環の脂肪族複素環基を形成してもよい。);或いは、
2aは、置換基を有してもよい、3員環ないし6員環のシクロアルキル基(ここで、該シクロアルキル基の同一炭素原子に結合する2個の水素原子は、オキソ基で置換されていてもよく、また、該シクロアルキル基の環を構成する隣接炭素原子が2重結合であってもよい。)、又は該シクロアルキル基で置換される低級アルキル基である。);
は、CH、CX3a又はNであり(ここで、X3aは、置換されてもよい低級アルキル基である。);
は、CH又はNであり;
、X、X及びXのうち、Nであるものの数は1個ないし2個であり;
、Y、及びYは、同一若しくは異なって、CH又はNであるが、但し、Yが、CHであり、Rが水素原子であるとき、当該2個の水素原子は、オキソ基で置換されてもよく;
Wは、次の基:
Figure 0005161072
であり、ここで、
は、CH、N、NH、O又はSであり;
は、CH、CW2a、N、NW2b、O又はSであり(ここで、W2a及びW2bは、同一若しくは異なって、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1個ないし2個の低級アルキル基、炭素数3個ないし5個のシクロアルキル基、又はハロゲン原子で1個若しくは2個以上置換されてもよい炭素数1個ないし2個の低級アルキル基である。);
は、C又はNであり;
、W、及びWのうち少なくとも1個は炭素原子であるが、W、W、及びWのうち2個が、同時にO及びSであることはない。
]で示される化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはエステル、に関する。
また、本発明の別の実施態様は、
一般式[I]:
Figure 0005161072
[式中、
は、0又は1であり;
は、0又は1であり;
Rは、置換されてもよい、アリール基、ヘテロアリール基、又はシクロアルキル基であり;
は、水素原子又は低級アルキル基であり;
は、CH、CX1a又はNであり(ここで、X1aは、置換されてもよい低級アルキル基である。);
は、CH、CX2a又はNであり(ここで、
2aは、低級アルキル基であるか;或いは、
2aは、<置換基群A>から選択される置換基、又は<置換基群A>から選択される同一若しくは異なる置換基で1個若しくは2個以上置換される低級アルキル基であるか(ここで、<置換基群A>は、ハロゲン原子; シアノ基; ヒドロキシ基; 低級アルキルアミノ基; ジ低級アルキルアミノ基; ヒドロキシ基で1個若しくは2個以上置換されてもよい低級アルコキシ基; 低級アルキルチオ基;及び低級アルキルスルホニル基、である。);或いは、
2aは、COOR又はCONRであるか(ここで、
は、水素原子又は置換されてもよい低級アルキル基であり;
及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、置換されてもよい低級アルキル基又はシクロアルキル基であるか、或いは、R及びRは、これらが結合する窒素原子と一緒になって、置換されてもよいN、O及びSから選択される少なくとも1個の原子を含む5員環若しくは6員環の脂肪族複素環基を形成してもよい。);或いは、
2aは、置換基を有してもよい、3員環ないし6員環のシクロアルキル基(ここで、該シクロアルキル基の同一炭素原子に結合する2個の水素原子は、オキソ基で置換されていてもよく、また、該シクロアルキル基の環を構成する隣接炭素原子が2重結合であってもよい。)、又は該シクロアルキル基で置換される低級アルキル基である。);
は、CH、CX3a又はNであり(ここで、X3aは、置換されてもよい低級アルキル基である。);
は、CH又はNであり;
、X、X及びXのうち、Nであるものの数は1個ないし2個であり;
、Y、及びYは、同一若しくは異なって、CH又はNであるが、但し、Yが、CHであり、Rが水素原子であるとき、当該2個の水素原子は、オキソ基で置換されてもよく;
Wは、次の基:
Figure 0005161072
であり、ここで、
は、CH、N、NH、O又はSであり;
は、CH、CW2a、N、NW2b、O又はSであり(ここで、W2a及びW2bは、同一若しくは異なって、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1個ないし2個の低級アルキル基、炭素数3個ないし5個のシクロアルキル基、又はハロゲン原子で1個若しくは2個以上置換されてもよい炭素数1個ないし2個の低級アルキル基である。);
は、C又はNであり;
、W、及びWのうち少なくとも1個は炭素原子であるが、W、W、及びWのうち2個が、同時にO及びSであることはない。
]で示される化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはエステル、に関する。
また、本発明は、がん治療において同時に、別々に、又は順次に投与するための組み合わせ製剤であって、2つの別個の製剤:
* 薬学的に許容し得る担体又は希釈剤と一緒に、上記一般式[I]で示される化合物又はその薬学的に許容し得る塩若しくはエステルを含む製剤、並びに
* 薬学的に許容し得る担体又は希釈剤と一緒に、抗がん性アルキル化剤、抗がん性代謝拮抗剤、抗がん性抗生物質、植物由来抗がん剤、抗がん性白金配位化合物、抗がん性カンプトテシン誘導体、抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤、モノクローナル抗体、インターフェロン、生物学的応答調節剤、及びその他抗がん剤からなる群から選択される抗がん剤又はその薬学的に許容し得る塩若しくはエステルを含む製剤(ここで、
抗がん性アルキル化剤は、ナイトロジェン マスタード N−オキシド、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、ブスルファン、ミトブロニトール、カルボコン、チオテパ、ラニムスチン、ニムスチン、テモゾロミド又はカルムスチンであり、
抗がん性代謝拮抗剤は、メトトレキサート、6−メルカプトプリンリボシド、メルカプトプリン、5−フルオロウラシル、テガフール、ドキシフルリジン、カルモフール、シタラビン、シタラビンオクホスファート、エノシタビン、S−1、ゲムシタビン、フルダラビン又はペメトレクスド ジソディウムであり、
抗がん性抗生物質は、アクチノマイシンD、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ネオカルチノスタチン、ブレオマイシン、ペプロマイシン、マイトマイシンC、アクラルビシン、ピラルビシン、エピルビシン、ジノスタチンスチマラマー、イダルビシン、シロリムス、又はバルルビシンであり、
植物由来抗がん剤は、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、エトポシド、ソブゾキサン、ドセタキセル、パクリタキセル、又はビノレルビンであり、
抗がん性白金配位化合物は、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、又はオキザリプラチンであり、
抗がん性カンプトテシン誘導体は、イリノテカン、トポテカン、又はカンプトテシンであり、
抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤は、ゲフィチニブ、イマチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、ダザチニブ、又はエルロチニブであり、
モノクローナル抗体は、セツキシマブ、リツキシマブ、ベバシズマブ、アレムツズマブ又はトラスツズマブであり、
インターフェロンは、インターフェロンα、インターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、インターフェロンβ、インターフェロンγ−1a、又はインターフェロンγ−n1であり、
生物学的応答調節剤は、クレスチン、レンチナン、シゾフィラン、ピシバニール、又はウベニメクスであり、そして、
その他抗がん剤は、ミトキサントロン、L−アスパラギナーゼ、プロカルバジン、ダカルバジン、ヒドロキシカルバミド、ペントスタチン、トレチノイン、アレファセプト、ダルベポエチン アルファ、アナストロゾール、エキセムスタン、ビカルタミド、リュープロレリン、フルタミド、フルベストラント、ペガプタニブ オクタソディウム、デニリューキン ジフティトクス、アルデスリューキン、チロトロピン アルファ、アルセニック トリオキシド、ボルテゾミブ、カペシタビン、又はゴセレリンである。):
からなる組み合わせ製剤、に関する。
さらに、本発明は、薬学的に許容し得る担体又は希釈剤と一緒に、上記一般式[I]で示される化合物又はその薬学的に許容し得る塩若しくはエステル、並びに抗がん性アルキル化剤、抗がん性代謝拮抗剤、抗がん性抗生物質、植物由来抗がん剤、抗がん性白金配位化合物、抗がん性カンプトテシン誘導体、抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤、モノクローナル抗体、生物学的応答調節剤、及びその他抗がん剤(ここで、各抗がん剤の定義は、上記と同義である。)からなる群から選択される抗がん剤又はその薬学的に許容し得る塩若しくはエステルを含むことを特徴とする医薬組成物、に関する。
また、本発明は、治療上有効量の上記一般式[I]で示される化合物又はその薬学的に許容し得る塩若しくはエステルを、抗がん性アルキル化剤、抗がん性代謝拮抗剤、抗がん性抗生物質、植物由来抗がん剤、抗がん性白金配位化合物、抗がん性カンプトテシン誘導体、抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤、モノクローナル抗体、インターフェロン、生物学的応答調節剤、及びその他抗がん剤(ここで、各抗がん剤の定義は、前記と同じである。)からなる群から選択される治療上有効量の抗がん剤又はその薬学的に許容し得る塩若しくはエステルと組み合わせて、同時に、別々に、又は順次に投与することを特徴とするがん治療方法、に関する。
さらに、本発明は、がん治療のための医薬を製造するための、オーロラA選択的阻害剤の使用、及び、がん治療のための医薬を製造するための、抗がん剤と組み合わせた、オーロラA選択的阻害剤の使用、に関し、また、哺乳類(特にヒト)におけるがんを治療する方法であって、当該哺乳類に治療上の有効量のオーロラA選択的阻害剤を投与することを特徴とする方法、及び、哺乳類(特にヒト)におけるがんを治療する方法であって、治療上の有効量の抗がん剤と組み合わせて、当該哺乳類に治療上の有効量のオーロラA選択的阻害剤を投与することを特徴とする方法、に関する。
また、本発明は、オーロラA選択的阻害剤を有効成分として含有するがん治療剤、及び、抗がん剤と一緒に、オーロラA選択的阻害剤を有効成分として含有するがん治療剤、に関する。
次に、本明細書に記載された記号及び用語について説明する。
上記式(I)及び式(I)中の「低級アルキル基」とは、炭素数1ないし6個の直鎖状又は分岐状のアルキル基をいい、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、中でも好ましくはメチル基である。
上記式(I)及び式(I)中の「アリール基」とは、炭素数6ないし14個の単環式、二環式、又は三環式の芳香族炭化水素基などをいい、具体的には、フェニル基、ナフチル基、インデニル基、アントラニル基などが挙げられ、中でも例えばフェニル基が好ましい。
上記式(I)及び式(I)中の「ヘテロアリール基」とは、炭素原子以外に、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む、芳香族複素環基をいい、例えば、5員ないし7員の単環式複素環基、及び、これに3員ないし8員の環が縮合した縮環式複素環基などであり、具体的には、チエニル基、ピロリル基、フリル基、チアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、イソオキサゾリル基、イソキノリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、インドリル基、キノキサリニル基、キノリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基などが挙げられる。
上記式(I)及び式(I)中の「5員環若しくは6員環の芳香族複素環基」とは、炭素原子以外に、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む、5員若しくは6員の芳香族環状基をいい、例えばチエニル基、ピロリル基、フリル基、チアゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基等が挙げられる。
上記式(I)及び式(I)中の「5員環若しくは6員環の脂肪族複素環基」とは、炭素原子以外に、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含み、5員若しくは6員の脂肪族環状基をいい、例えば、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリノ基、テトラヒドロフラニル基、イミダゾリジニル基、チオモルホリノ基等が挙げられる。また、脂肪族複素環基において、同一炭素原子に結合する2個の水素原子が、オキソ基で置換されていてもよく、また、該脂肪族複素環基の環を構成する隣接炭素原子が2重結合であってもよい。
上記式(I)及び式(I)中の「シクロアルキル基」とは、3員ないし8員の脂肪族環状基であり、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
上記式(I)及び式(I)中の「ハロゲン原子」としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、中でも例えばフッ素原子、塩素原子、又は臭素原子が好ましい。
上記式(I)及び式(I)中の「低級アルコキシ基」とは、酸素原子に「低級アルキル基」が結合した基をいい、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基等が挙げられる。
上記式(I)及び式(I)中の「低級アルキルチオ基」とは、硫黄原子に上記「低級アルキル」が結合した置換基をいい、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、ブチルチオ基等が挙げられる。
上記式(I)及び式(I)中の「低級アルキルスルホニル基」とは、スルホニル基に上記「低級アルキル」が結合した置換基をいい、例えばメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基等が挙げられる。
上記式(I)及び式(I)中の「低級アルキルアミノ基」とは、アミノ基に上記「低級アルキル基」がN−置換した置換基をいい、例えばN−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−イソプロピルアミノ基、N−ブチルアミノ基、N−イソブチルアミノ基、N−tert−ブチルアミノ基、N−ペンチルアミノ基、N−ヘキシルアミノ基等が挙げられる。
上記式(I)及び式(I)中の「ジ低級アルキルアミノ基」とは、アミノ基に上記「低級アルキル基」がN,N−ジ置換した置換基をいい、例えばN,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジプロピルアミノ基、N,N−ジイソプロピルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、N,N−ジイソブチルアミノ基、N,N−ジ−tert−ブチルアミノ基、N,N−ジペンチルアミノ基、N,N−ジヘキシルアミノ基、N−エチル−N−メチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基等が挙げられる。
上記式(I)及び式(I)中の「低級アルカノイル基」とは、カルボニル基に上記「低級アルキル基」が結合した基をいい、例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ペンタノイル基等が挙げられる。
上記式(I)及び式(I)中の「低級アルカノイルアミノ基」とは、アミノ基に上記「低級アルカノイル基」が結合した基をいい、例えばアセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ブチリルアミノ基、イソブチリルアミノ基、バレリルアミノ基、イソバレリルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ペンタノイルアミノ基等が挙げられる。
上記式(I)及び式(I)中の「低級アルキルカルバモイル基」とは、カルバモイル基に上記「低級アルキル基」がN−置換した置換基をいい、例えばN−メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−イソプロピルカルバモイル基、N−ブチルカルバモイル基、N−イソブチルカルバモイル基、N−tert−ブチルカルバモイル基、N−ペンチルカルバモイル基、N−ヘキシルカルバモイル基等が挙げられる。
本明細書で用いる「オーロラA選択的阻害剤」とは、オーロラBに比べてオーロラAを選択的に阻害する化合物ないし薬剤である。「オーロラA選択的阻害剤」とは、好ましくは、オーロラBに比べてオーロラAを少なくとも10倍強く阻害する化合物ないし薬剤であり、さらに好ましくは、オーロラBに比べてオーロラAを少なくとも100倍強く阻害する化合物ないし薬剤である。
本明細書で用いる「その薬学的に許容し得る塩若しくはエステル」、及び「薬学的に許容できる担体又は希釈剤」の説明は後述する。
本明細書で用いる「がん治療」という用語は、がん患者に対して、抗がん剤を投与することにより、がん細胞の増殖を阻害することを意味する。好ましくは、かかる治療は、がん増殖を後退、即ち、測定可能ながんの大きさを減縮させることができる。さらに好ましくは、かかる治療は、がんを完全に消失させる。
本明細書で用いる「がん」という用語は、固形がん及び造血器がんである。ここで、固形がんは、例えば、脳腫瘍、頭頚部がん、食道がん、甲状腺がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、乳がん、胃がん、胆のう・胆管がん、肝がん、膵がん、結腸がん、直腸がん、卵巣がん、絨毛上皮がん、子宮体がん、子宮頸がん、腎孟・尿管がん、膀胱がん、前立腺がん、陰茎がん、睾丸がん、胎児性がん、ウイルス腫瘍、皮膚がん、悪性黒色腫、神経芽細胞腫、骨肉腫、ユーイング腫、軟部肉腫などである。一方、造血器がんとしては、例えば、急性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、真性多血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫などである。
本明細書で用いる「製剤」という用語は、経口製剤及び非経口製剤を含む。経口製剤としては、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤などであり、一方、非経口製剤としては、例えば、溶液若しくは懸濁液等の殺菌した液状の製剤、具体的には、注射剤、点滴剤などであり、好ましくは、静脈内注射剤又は静脈内点滴剤であり、さらに好ましくは静脈内点滴剤である。
本明細書で用いる「組み合わせ製剤」という用語は、治療において同時に、別々に、又は順次に投与するための2個以上の製剤からなるものをいい、それらが、いわゆるキット型の製剤又は医薬組成物になっていてもよい。上述したような、がん治療において用いる2つの別個の製剤からなる組み合わせ製剤に対して、さらに1個以上の製剤を組み合わせたものも、上記「組み合わせ製剤」に含まれる。
上述した2個の別個の製剤に対して、薬学的に許容し得る担体又は希釈剤と一緒に、抗がん性アルキル化剤、抗がん性代謝拮抗剤、抗がん性抗生物質、植物由来抗がん剤、抗がん性白金配位化合物、抗がん性カンプトテシン誘導体、抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤、モノクローナル抗体、インターフェロン、生物学的応答調節剤、及びその他抗がん剤(ここで、各抗がん剤の定義は、前記と同じである。)からなる群から選択される抗がん剤少なくとも1種以上又はその薬学的に許容し得る塩若しくはエステルを含む製剤1個以上を、さらに組み合わせることもできる。この場合、さらに加えられた1個以上の製剤は、上記2つの別個の製剤と、同時に、別個に、又は順次に投与されてもよい。例えば、3つの製剤からなる組み合わせ製剤としては、上記一般式(I)で表される化合物を含む製剤、5−フルオロウラシルを含む製剤、及びロイコボリンを含む製剤が挙げられる。
ここで、上記の組み合わせ製剤において、2個の別個の製剤のいずれか一方又は両方が、非経口製剤であってもよく、好ましくは、注射剤又は点滴剤であってもよく、さらに好ましくは、静脈内点滴剤であってもよい。
本発明に係る「製剤」においては、通常、本発明に係る化合物の治療上の有効量を薬学的に許容し得る担体又は希釈剤と共に含んでいてもよい。この製剤化技術は、当該技術分野の当業者にとって技術常識であると考えられ、よく知られている。好ましくは、薬学的に許容し得る担体又は希釈剤と一緒に、当業者によく知られている多くの方法で静脈内点滴用又は注射用に製剤化することができる。
本明細書で用いる「投与」という用語は、本発明に係る組み合わせ製剤を用いる場合、非経口投与及び/又は経口投与を意味し、好ましくは、非経口投与である。即ち、組み合わせ製剤を投与する場合、両方とも非経口投与でもよく、一方が非経口投与でもう一方が経口投与でもよく、また、両方とも経口投与でもよい。好ましくは、組み合わせ製剤の両方が非経口投与される。ここで、「非経口投与」は、例えば、静脈内投与、皮下投与、筋肉内投与などであり、好ましくは、静脈内投与である。また、3個以上の製剤が組み合わされて投与される場合でも、少なくとも1個の製剤は、非経口投与されてもよく、好ましくは、静脈内投与されてもよく、さらに好ましくは静脈内点滴又は静脈内注射されてもよい。
なお、本発明の実施において、上記一般式(I)で示される化合物は、他の抗がん剤と同時に投与してもよい。また、上記一般式(I)で示される化合物を投与してから連続して他の抗がん剤を投与してもよいし、他の抗がん剤を投与してから上記一般式(I)で示される化合物を連続して投与してもよい。さらに、上記一般式(I)で示される化合物を投与し、時間をおいて別々に他の抗がん剤を投与してもよいし、他の抗がん剤を投与し、時間を置いて別々に上記一般式(I)で示される化合物を投与してもよい。かかる投与順序及び投与間隔は、用いられる上記一般式(I)で示される化合物を含む製剤、及びそれと併用される抗がん剤を含む製剤、治療すべきがん細胞の種類、患者の状態などに応じて、当業者が適宜選択することができる。例えば、上記一般式(I)で示される化合物とパクリタキセル又はドセタキセルを投与するときは、好ましくは、まずパクリタキセル又はドセタキセルを投与してから、連続して又は時間をおいて上記一般式(I)で示される化合物を投与する。
また、本明細書で用いる「同時に」とは、ほぼ同じ時間に治療に使用することをいい、「別々に」とは、異なった時間に別々に治療に使用することをいい、例えば、1日目に1つの薬剤、2日目にもう1つの薬剤を治療に使用するような場合をいう。「順次に」とは、順番に従って使用することをいい、例えば、最初に1つの薬剤を使用し、次いで、決められた時間後に、他の薬剤を治療に使用するような場合をいう。
本明細書で用いる「抗がん性アルキル化剤」は、抗がん活性を有するアルキル化剤を意味し、ここで、「アルキル化剤」とは、一般に、有機化合物の水素原子をアルキル基で置換するアルキル化反応において、アルキル基を与えるものをいう。「抗がん性アルキル化剤」は、例えば、ナイトロジェン マスタード N−オキシド、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、ブスルファン、ミトブロニトール、カルボコン、チオテパ、ラニムスチン、ニムスチン、テモゾロミド又はカルムスチンなどである。
本明細書で用いる「抗がん性代謝拮抗物質」は、抗がん活性を有する代謝拮抗物質をいい、ここで、「代謝拮抗物質」とは、広義には、生体にとって重要な代謝物(ビタミン、補酵素、アミノ酸、糖類など)と構造上又は機能上類似しているために、正常な物質代謝を行わなくさせる物質や、電子伝達系を阻害することによって高エネルギー中間体をつくれなくさせる物質を包含する。「抗がん性代謝拮抗物質」は、例えば、メトトレキサート、6−メルカプトプリンリボシド、メルカプトプリン、5−フルオロウラシル、テガフール、ドキシフルリジン、カルモフール、シタラビン、シタラビンオクホスファート、エノシタビン、S−1、ゲムシタビン、フルダラビン又はペメトレクスド ジソディウムなどであり、好ましくは、5−フルオロウラシル、S−1、ゲムシタビンなどである。
本明細書で用いる「抗がん性抗生物質」は、抗がん活性を有する抗生物質をいい、ここで、「抗生物質」とは、微生物によってつくられか、又は有機合成によりつくられ、微生物その他の生物細胞の発育その他の機能を阻害する物質を包含する。「抗がん性抗生物質」は、例えば、アクチノマイシンD、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ネオカルチノスタチン、ブレオマイシン、ペプロマイシン、マイトマイシンC、アクラルビシン、ピラルビシン、エピルビシン、ジノスタチンスチマラマー、イダルビシン、シロリムス又はバルルビシンなどである。
本明細書で用いる「植物由来抗がん剤」は、植物を起源として見いだされた抗がん活性を有する化合物であるか、或いは、その化合物を化学修飾を加えた化合物を包含する。「植物由来抗がん剤」は、例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、エトポシド、ソブゾキサン、ドセタキセル、パクリタキセル、ビノレルビンなどであり、好ましくは、ドセタキセル及びパクリタキセルである。
本明細書で用いる「抗がん性カンプトテシン誘導体」は、カンプトテシン自身を含み、構造的にカンプトテシンに関連するがん細胞増殖阻害性化合物を意味する。「抗がん性カンプトテシン誘導体」としては、特に限定されないが、カンプトテシン、10−ヒドロキシカンプトテシン、トポテカン、イリノテカン、9−アミノカンプトテシンなどが挙げられ、好ましくは、カンプトテシン、トポテカン、及びイリノテカンである。なお、イリノテカンは、生体内で代謝されてSN−38として抗がん作用を示す。カンプトテシン誘導体は、作用機構および活性はほぼカンプトテシンと同様と考えられる(新田 他、癌と化学療法、14,850−857(1987)など)。
本明細書で用いる「抗がん性白金配位化合物」は、抗がん活性を有する白金配位化合物をいい、ここで、「白金配位化合物」は、イオンの形態で白金を提供する白金配位化合物を意味する。好ましい白金化合物としては、シスプラチン;シス−ジアンミンジアコ白金(II)−イオン;クロロ(ジエチレントリアミン)−白金(II)クロリド;ジクロロ(エチレンジアミン)−白金(II);ジアンミン(1,1−シクロブタンジカルボキシラト)白金(II)(カルボプラチン);スピロプラチン;イプロプラチン;ジアンミン(2−エチルマロナト)−白金(II);エチレンジアミンマロナト白金(II);アクア(1,2−ジアミノジシクロヘキサン)スルファト白金(II);アクア(1,2−ジアミノジシクロヘキサン)マロナト白金(II);(1,2−ジアミノシクロヘキサン)マロナト白金(II);(4−カルボキシフタラト)(1,2−ジアミノシクロヘキサン)白金(II);(1,2−ジアミノシクロヘキサン)−(イソシトラト)白金(II);(1,2−ジアミノシクロヘキサン)オキサラト白金(II);オルマプラチン;テトラプラチン;カルボプラチン;ネダプラチン及びオキザリプラチンであり、好ましくは、カルボプラチン又はオキザリプラチンである。また、本明細書で挙げた他の抗がん性白金配位化合物は、公知であり、商業的に入手可能であり、及び/又は、慣用技術によって当業者が製造することができる。
本明細書で用いる「抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤」とは、抗がん活性を有するチロシンキナーゼ阻害剤をいい、ここで、「チロシンキナーゼ阻害剤」とは、ATPのγ−リン酸基をタンパク質の特定のチロシンのヒドロキシル基に転移する「チロシンキナーゼ」を阻害する化学物質をいう。「抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤」としては、ゲフィチニブ、イマチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、ダザチニブ、エルロチニブなどが挙げられる。
本明細書で用いる「モノクローナル抗体」は、単クローン性抗体ともいわれ、単一クローンの抗体産生細胞が産生する抗体をいい、例えば、セツキシマブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、アレムツズマブ、トラスツズマブなどが挙げられる。
本明細書で用いる「インターフェロン」とは、抗がん活性を有するインターフェロンをいい、一般に、ウイルス感染に際して、ほとんどすべての動物細胞が生産・分泌する分子量約2万の糖タンパク質であり、ウイルス増殖抑制のみならず、細胞(特に腫瘍細胞)の増殖抑制や、ナチュラルキラー活性の増強をはじめ多様な免疫エフェクター作用があり、サイトカインの1種と位置づけられる。「インターフェロン」としては、例えば、インターフェロンα、インターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、インターフェロンβ、インターフェロンγ−1a、インターフェロンγ−n1などが挙げられる。
本明細書で用いる「生物学的応答調節剤」とは、いわゆるバイオロジカル・レスポンス・モディファイヤー(biological response modifier; BRM)であり、一般に、生体のもつ防御機構や組織細胞の生存、増殖、または分化など生物学的反応を調節することによって、腫瘍や感染あるいはその他の疾病に対して、個体に利する方向にもっていくことを目的とする物質や薬剤の総称をいう。「生物学的応答調節剤」としては、例えば、クレスチン、レンチナン、シゾフィラン、ピシバニール、ウベニメクスなどが挙げられる。
本明細書で用いる「その他抗がん剤」とは、抗がん活性を有する上記のいずれにも属しない抗がん剤をいう。「その他抗がん剤」としては、ミトキサントロン、L−アスパラギナーゼ、プロカルバジン、ダカルバジン、ヒドロキシカルバミド、ペントスタチン、トレチノイン、アレファセプト、ダルベポエチン アルファ、アナストロゾール、エキセムスタン、ビカルタミド、リュープロレリン、フルタミド、フルベストラント、ペガプタニブ オクタソディウム、デニリューキン ジフティトクス、アルデスリューキン、チロトロピン アルファ、アルセニック トリオキシド、ボルテゾミブ、カペシタビン、ゴセレリン、などが挙げられる。
上記「抗がん性アルキル化剤」、「抗がん性代謝拮抗物質」、「抗がん性抗生物質」、「植物由来抗がん剤」、「抗がん性白金配位化合物」、「抗がん性カンプトテシン誘導体」、「抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤」、「モノクローナル抗体」、「インターフェロン」、「生物学的応答調節剤」、及び「その他抗がん剤」は、いずれも公知であり、商業的に入手可能であり、或いは、それ自体公知の方法ないし周知・慣用的な方法によって当業者が製造することができる。また、ゲフィチニブの製造方法は、例えば、米国特許第5,770,599号明細書に;セツキシマブの製造方法は、例えば、国際公開WO96/40210号パンフレットに; ベバシズマブの製造方法は、例えば、国際公開WO94/10202号パンフレットに; オキザリプラチンの製造方法は、例えば、米国特許第5,420,319号明細書、同第5,959,133号明細書に; ゲムシタビンの製造方法は、例えば、米国特許第5,434,254号明細書、同第5,223,608号明細書に; カンプトテシンの製造方法は、米国特許第5,162,532号明細書、同第5,247,089号明細書、同第5,191,082号明細書、同第5,200,524号明細書、同第5,243,050号明細書、同第5,321,140号明細書に; イリノテカンの製造方法は、例えば、米国特許第4,604,463号明細書に; トポテカンの製造方法は、例えば、米国特許第5,734,056号明細書に; テモゾロミドの製造方法は、例えば、日本特許公報平4−5029号明細書に; リツキシマブの製造方法は、日本公表特許公報平2−503143号明細書に、それぞれ記載されている。
上記の抗がん性アルキル化剤については、例えば、ナイトロジェンマスタード N−オキシドは、ナイトロミン(商品名)として三菱ウェルファーマから; シクロホスファミドは、エンドキサン(商品名)として塩野義製薬から; イホスファミドは、イフォミド(商品名)として塩野義製薬から; メルファランは、アルケラン(商品名)としてグラクソスミスクラインから; ブスルファンは、マブリン(商品名)として武田薬品から; ミトブロニトールは、ミエブロール(商品名)として杏林製薬から; カルボコンは、エスキノン(商品名)として三共から; チオテパは、テスパミン(商品名)として住友製薬から; ラニムスチンは、シメリン(商品名)として三菱ウエルファーマから; 及びニムスチンは、ニダラン(商品名)として三共から; テモゾロミドは、テモダール(商品名)としてシェリングから; 及びカルムスチンは、グリアデル ウォファー(商品名)としてグリフォードから、それぞれ市販で入手することができる。
上記の抗がん性代謝拮抗剤については、例えば、メトトレキサートは、メトトレキセート(商品名)として武田薬品から; 6−メルカプトプリンリボシドは、チオイノシ(商品名)としてアベンティスから; メルカプトプリンは、ロイケリン(商品名)として武田薬品から; 5−フルオロウラシルは、5−FU(商品名)として協和発酵から; テガフールは、フトラフール(商品名)として大鵬薬品から; ドキシフルリジンは、フルツロン(商品名)として日本ロシュから; カルモフールは、ヤマフール(商品名)として山之内製薬から; シタラビンは、シロサイド(商品名)として日本新薬から; シタラビンオクホスファートは、ストラシド(商品名)として日本化薬から; エノシタビンは、サンラビン(商品名)として旭化成から; S−1は、TS−1(商品名)として大鵬薬品から; ゲムシタビンは、ゲザール(商品名)としてリリーから; フルダラビンは、フルダラ(商品名)として日本シェーリングから; 及びペメトレクスド ジソディウムは、アリムタ(商品名)としてイーライリリーから、それぞれ市販で入手することができる。
上記の抗がん性抗生物質としては、例えば、アクチノマイシンDは、コスメゲン(商品名)として万有製薬から; ドキソルビシンは、アドリアシン(商品名)として協和発酵から; ダウノルビシンは、ダウノマイシン(商品名)として明治製菓から;ネオカルチノスタチンは、ネオカルチノスタチン(商品名)として山之内製薬から;ブレオマイシンは、ブレオ(商品名)として日本化薬から; ペプロマイシンは、ペプロ(商品名)として日本化薬から; マイトマイシンCは、マイトマイシン(商品名)として協和発酵から; アクラルビシンは、アクラシノン(商品名)として山之内製薬から; ピラルビシンは、ピノルビン(商品名)として日本化薬から; エピルビシンは、ファルモルビシン(商品名)としてファルマシアから; ジノスタチンスチマラマーは、スマンクス(商品名)として山之内製薬から; イダルビシンは、イダマイシン(商品名)としてファルマシアから; 及びシロリムスは、ラパムン(商品名)としてワイスから; バルルビシンは、バルスター(商品名)としてアンスラファーマシューティカルからそれぞれ市販で入手することができる。
上記の植物由来抗がん剤としては、例えば、ビンクリスチンは、オンコビン(商品名)として塩野義製薬から; ビンブラスチンは、ビンブラスチン(商品名)として杏林製薬から; ビンデシンは、フィルデシン(商品名)として塩野義製薬から; エトポシドは、ラステット(商品名)として日本化薬から; ソブゾキサンは、ペラゾリン(商品名)として全薬工業から; ドセタキセルは、タキソテール(商品名)としてアベンテイスから; パクリタキセルは、タキソール(商品名)としてブリストルから; 及びビノレルビンは、ナベルビン(商品名)として協和発酵から、それぞれ市販で入手することができる。
上記の抗がん性白金配位化合物としては、例えば、シスプラチンは、ランダ(商品名)として日本化薬から; カルボプラチンはパラプラチン(商品名)としてブリストルから; ネダプラチンは、アクプラ(商品名)として塩野義製薬から;及びオキザリプラチンは、エロキサチン(商品名)としてサノフィから、それぞれ市販で入手することができる。
上記の抗がん性カンプトテシン誘導体としては、例えば、イリノテカンは、カンプト(商品名)としてヤクルトから; トポテカンは、ハイカムチン(商品名)としてグラクソスミスクラインから; 及びカンプトテシンは、米国アルドリッチケミカルなどから、それぞれ市販で入手することができる。
上記の抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤としては、例えば、ゲフィチニブは、イレッサ(商品名)としてアストラゼネカから; イマチニブは、グリベック(商品名)としてノバルティスから; ソラフェニブは、ネキサバー(商品名)としてバイエルから; スニチニブは、ステント(商品名)としてファイザーから;ダザチニブは、スプライセル(商品名)としてブリストル・マイヤーズ・スクイブから; 及びエルロチニブは、タルセバ(商品名)としてオーエスアイ ファーマシューティカルから、それぞれ市販で入手することができる。
上記のモノクローナル抗体としては、例えば、セツキシマブは、エルビタックス(商品名)としてブリストルマイヤーズスクイブから; ベバシズマブは、アバスチン(商品名)としてジェネンテックから; リツキシマブは、リツキサン(商品名)としてバイオジェンから; アレムツズマブは、カンパス(商品名)としてベルレックスから; 及びトラスツズマブは、ハーセプチン(商品名)として中外製薬から、それぞれ市販で入手することができる。
上記のインターフェロンとしては、例えば、インターフェロンαは、スミフェロン(商品名)として住友製薬から; インターフェロンα−2aは、カンフェロン−A(商品名)として武田薬品から; インターフェロンα−2bは、イントロンA(商品名)としてシェリングプラウから; インターフェロンβは、IFNβ(商品名)として持田製薬から; インターフェロンγ−1aは、イムノマックス−γ(商品名)として塩野義製薬から; 及びインターフェロンγ−n1は、オガンマ(商品名)として大塚製薬から、それぞれ市販で入手することができる。
上記の生物学的応答調節剤としては、例えば、クレスチンは、クレスチン(商品名)として三共から; レンチナンは、レンチナン(商品名)としてアベンテイスから;シゾフィランは、ソニフィラン(商品名)として科研製薬から; ピシバニールは、ピシバニール(商品名)として中外製薬から; 及びウベニメクスは、ベスタチン(商品名)として日本化薬から、それぞれ市販で入手することができる。
上記のその他抗がん剤としては、例えば、ミトキサントロンは、ノバントロン(商品名)として日本ワイスレダリーから; L−アスパラギナーゼは、ロイナーゼ(商品名)として協和発酵から; プロカルバジンは、ナツラン(商品名)として日本ロシュから; ダカルバジンは、ダカルバジン(商品名)として協和発酵から; ヒドロキシカルバミドは、ハイドレア(商品名)としてブリストルから; ペントスタチンは、コフォリン(商品名)として化学及び血清療法研究所から; 及びトレチノインは、ベサノイド(商品名)として日本ロシュから; アレファセプトは、アメビブ(商品名)としてバイオジェンから; ダルベポエチン アルファは、アラネスプ(商品名)としてアムジェンから; アナストロゾールは、アリミデックス(商品名)としてアストラゼネカから; エキセメスタンは、アロマシン(商品名)としてファイザーから; ビカルタミドは、カソデックス(商品名)としてアストラゼネカから;リュープロレリンは、リュープリン(商品名)として武田薬品から; フルタミドは、ユーレキシン(商品名)としてシェリングプラウから; フルベストラントは、ファスロデックス(商品名)としてアストラゼネカから; ペガプタニブ オクタソディウムは、マクゲン(商品名)としてギリードサイエンスから; デニリューキン ジフティトクスは、オンタック(商品名)としてリガンドから; アルデスリューキンは、プロリューキン(商品名)としてキロンから; チロトロピン アルファは、チロゲン(商品名)としてゲンザイムから; アルセニック トリオキシドは、トリセノックス(商品名)としてセル セラピューティクスから; ボルテゾミブは、ベルケイド(商品名)としてミレニウムから; カペシタビンは、ゼロダ(商品名)としてロシュから; 及びゴセレリンは、ゾラデックス(商品名)としてアストラゼネカから、それぞれ市販で入手することができる。
本明細書で用いる「抗がん剤」とは、上記「抗がん性アルキル化剤」、「抗がん性代謝拮抗物質」、「抗がん性抗生物質」、「植物由来抗がん剤」、「抗がん性白金配位化合物」、「抗がん性カンプトテシン誘導体」、「抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤」、「モノクローナル抗体」、「インターフェロン」、「生物学的応答調節剤」、及び「その他抗がん剤」から選ばれる抗がん剤をいう。
本明細書で用いる「アミノピリジン誘導体」とは、アミノ基を有するピリジン又はピリジン類縁体を含む化合物をいい、例えば、上記式(I)で示される化合物、好ましくは、上記式(I)で示される化合物であり、さらに好ましくは、以下で示される(a)ないし(e)の化合物をいう。即ち、
(a)2−(((1S,4S)−5−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−1H−ピラゾール−3−イルピリミジン−4−アミン(実施例6);
(b)2−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−アミン(実施例9);
(c)2−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−6−メチル−N−1H−ピラゾール−3−イルピリミジン−4−アミン(実施例1);
(d)2−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N,N−ジメチル−6−(1,3−チアゾール−2−イルアミノ)イソニコチン酸アミド(実施例21);又は、
(e)6−(((1S,4S)−5−(2,3−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−1H−ピラゾール−3−イルピラジン−2−アミン(実施例10)、である化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくはエステル、である。
上記式(I)で示される化合物の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
は、0又は1であり; 好ましくは、nは、0である。
は、0又は1であり; 好ましくは、nは、0である。
Rは、置換されてもよい、アリール基、ヘテロアリール基、又はシクロアルキル基である。
Rが、好ましくは、フェニル基又はN、O及びSから選択される少なくとも1個の原子を含む5員環若しくは6員環の芳香族複素環基であり(ここで、当該フェニル基又は芳香族複素環基は、下記:
1)低級アルキル基、
2)<置換基群A>から選択される置換基、及び
3)<置換基群A>から選択される置換基で置換される低級アルキル基から選択される同一若しくは異なる置換基で1個又は2個以上置換されてもよい。)であり;
<置換基群A>は、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、低級アルカノイル基、低級アルカノイルアミノ基、カルバモイル基、低級アルキルカルバモイル基、及び低級アルキルスルホニル基、である。ここで、Rが、5員環の芳香族複素環基であるとき、例えば、適宜置換されてもよい、ピロリル基、フリル基、チエニル基、チアゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基などが好ましい。
Rは、さらに好ましくは、その2位、3位が、ハロゲン原子、1個ないし3個のハロゲン原子で置換されてもよいメチル基、及びシアノ基から選択される同一若しくは異なる2個の置換基で置換されるフェニル基である。
Rは、とりわけ好ましくは、その2位、3位が同一若しくは異なるハロゲン原子で置換されるフェニル基であるか、又は、その2位、3位がそれぞれハロゲン原子、1個ないし3個のハロゲン原子で置換されるメチル基で置換されるフェニル基である。
は、水素原子又は置換されてもよい低級アルキル基であり、好ましくは、水素原子である。
a1、Ra1’、Ra2、Ra2’、Rb1、Rb1’、Rb2、及びRb2’に関して、(i)Ra1及びRa1’のいずれか一方、(ii)Ra2及びRa2’のいずれか一方、(iii)Rb1及びRb1’のいずれか一方、並びに、(iv)Rb2及びRb2’のいずれか一方、からなる4個の基の群から選ばれる2個の基が一緒になって、−(CH−(ここで、nは、1、2、又は3である。)を形成し、かつ、Ra1、Ra1’、Ra2、Ra2’、Rb1、Rb1’、Rb2、及びRb2’のうち、−(CH−の形成に関与しない基は、それぞれ独立して、水素原子又は置換されてもよい低級アルキル基である。
a1、Ra1’、Ra2、Ra2’、Rb1、Rb1’、Rb2、及びRb2’に関して、好ましくは、Ra1及びRa1’のいずれか一方と、Rb2及びb2’のいずれか一方が、一緒になって、−(CH−(ここで、nは、1、2、又は3である。)を形成し、かつ、Ra1、Ra1’、Ra2、Ra2’、Rb1、Rb1’、Rb2、及びRb2’のうち、−(CH−の形成に関与しない基は、それぞれ独立して、水素原子又は置換されてもよい低級アルキル基であるか; 或いは、
a2及びRa2’のいずれか一方と、Rb1及びRb1’のいずれか一方が、一緒になって、−(CH−(ここで、nは、1、2、又は3である。)を形成し、かつ、Ra1、Ra1’、Ra2、Ra2’、Rb1、Rb1’、Rb2、及びRb2’のうち、−(CH−の形成に関与しない基は、それぞれ独立して、水素原子又は置換されてもよい低級アルキル基である。
a1、Ra1’、Ra2、Ra2’、Rb1、Rb1’、Rb2、及びRb2’に関して、さらに好ましくは、Ra1及びRa1’のいずれか一方と、Rb2及びRb2’のいずれか一方が、一緒になって、−CH−を形成し、かつ、Ra1、Ra1’、Ra2、Ra2’、Rb1、Rb1’、Rb2、及びRb2’のうち、−CH−の形成に関与しない基は、それぞれ独立して、水素原子又は置換されてもよい低級アルキル基であるか; 或いは、
a2及びRa2’のいずれか一方と、Rb1及びRb1’のいずれか一方が、一緒になって、−CH−を形成し、かつ、Ra1、Ra1’、Ra2、Ra2’、Rb1、Rb1’、Rb2、及びRb2’のうち、−CH−の形成に関与しない基は、それぞれ独立して、水素原子又は置換されてもよい低級アルキル基である。
a1、Ra1’、Ra2、Ra2’、Rb1、Rb1’、Rb2、及びRb2’に関して、好ましい実施形態は、次のように表現される。
Figure 0005161072
なお、上記式(I)及び式(I)中のジアザビシクロ環は、とりえるすべての立体異性体を包含する。
は、CH、CX1a又はNであり、ここで、X1aは、置換されてもよい低級アルキル基である。Xは、好ましくは、CH又はNである。
は、CH、CX2a又はNであり、ここで、
2aは、低級アルキル基であるか;或いは、
2aは、<置換基群A>から選択される置換基、又は<置換基群A>から選択される同一若しくは異なる置換基で1個若しくは2個以上置換される低級アルキル基であるか(ここで、<置換基群A>は、ハロゲン原子; シアノ基; ヒドロキシ基; 低級アルキルアミノ基; ジ低級アルキルアミノ基; ヒドロキシ基で1個若しくは2個以上置換されてもよい低級アルコキシ基; 低級アルキルチオ基;及び低級アルキルスルホニル基、である。);或いは、
2aは、COOR又はCONRであるか(ここで、
は、水素原子又は置換されてもよい低級アルキル基であり;
及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、置換されてもよい低級アルキル基又はシクロアルキル基であるか、或いは、R及びRは、これらが結合する窒素原子と一緒になって、置換されてもよいN、O及びSから選択される少なくとも1個の原子を含む5員環若しくは6員環の脂肪族複素環基を形成してもよい。);或いは、
2aは、置換基を有してもよい、3員環ないし6員環のシクロアルキル基(ここで、該シクロアルキル基の同一炭素原子に結合する2個の水素原子は、オキソ基で置換されていてもよく、また、該シクロアルキル基の環を構成する隣接炭素原子が2重結合であってもよい。)、又は該シクロアルキル基で置換される低級アルキル基である。
は、好ましくは、CH、CX2a又はNであり、ここで、
2aが、低級アルキル基、ハロゲン原子、CONR(ここで、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又は置換されてもよい低級アルキル基である。)、又は置換基を有してもよい3員環ないし6員環のシクロアルキル基である。
は、CH、CX3a又はNであり、ここで、X3aは、置換されてもよい低級アルキル基であり、好ましくは、CHである。
は、CH又はNであり、好ましくはNである。
、X、X及びXのうち、Nであるものの数は1個ないし2個であり; 好ましくは、Xが、Nであり、かつ、XないしXのうちNであるものは、多くとも1個である。
、X、X及びXの組み合わせとして好ましいものは、XがNであり;及び
が、CHであり、Xが、CH又はCX2aであり、かつ、Xが、CHであるか、
が、Nであり、Xが、CH又はCX2aであり、かつ、Xが、CHであるか、或いは、
が、CHであり、Xが、Nであり、かつ、Xが、CHである。
、Y、及びYは、同一若しくは異なって、CH又はNであるが、但し、Yが、CHであり、Rが水素原子であるとき、当該2個の水素原子は、オキソ基で置換されてもよい。
は、好ましくは、CHである。
Wは、次の基:
Figure 0005161072
であり、ここで、
は、CH、N、NH、O又はSであり;
は、CH、CW2a、N、NW2b、O又はSであり(ここで、W2a及びW2bは、同一若しくは異なって、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1個ないし2個の低級アルキル基、炭素数3個ないし5個のシクロアルキル基、又はハロゲン原子で1個若しくは2個以上置換されてもよい炭素数1個ないし2個の低級アルキル基である。);
は、C又はNであり;
、W、及びWのうち少なくとも1個は炭素原子であるが、W、W、及びWのうち2個が、同時にO及びSであることはない。
Wは、好ましくは、次のいずれかから選択されるものである。
Figure 0005161072
Wは、さらに好ましくは、次のいずれかから選択され、
Figure 0005161072
ここで、W2aが、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、又はフッ素原子で1個ないし3個置換されてもよいメチル基である。
Wは、とりわけ好ましくは、次のいずれかから選択される。
Figure 0005161072
前述したとおり、上記式(I)で示される化合物の好ましい実施形態は、上記式(I)で示される化合物である。上記式(I)で示される化合物の好ましい実施形態は次のようにも表現できる。即ち、
(1) Wが、次のいずれかから選択されるものである、
Figure 0005161072
上記式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはエステル; 又は
(2) nが、0であり;
が、0であり; 及び
Rが、フェニル基又はN、O及びSから選択される少なくとも1個の原子を含む5員環若しくは6員環の芳香族複素環基(ここで、当該フェニル基又は芳香族複素環基は、下記:
1)低級アルキル基、
2)<置換基群A>から選択される置換基、及び
3)<置換基群A>から選択される置換基で置換される低級アルキル基
から選択される同一若しくは異なる置換基で1個又は2個以上置換されていてもよく、
<置換基群A>は、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、低級アルカノイル基、低級アルカノイルアミノ基、カルバモイル基、低級アルキルカルバモイル基、及び低級アルキルスルホニル基、である。)である、上記(1)記載の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはエステル; 又は
(3) Yが、CHであり; 及び、Rが、水素原子である、上記(2)記載の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはエステル; 又は
(4) Xが、Nであり、かつ、XないしXのうちNであるものは、多くとも1個であり; 及び、Rが、その2位、3位が、ハロゲン原子、1個ないし3個のハロゲン原子で置換されてもよいメチル基、及びシアノ基から選択される同一若しくは異なる2個の置換基で置換されるフェニル基である、上記(3)記載の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはエステル; 又は
(5) Wが、次のいずれかから選択され、
Figure 0005161072
2aが、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、又はフッ素原子で1個ないし3個置換されてもよいメチル基である、上記(4)記載の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはエステル; 又は
(6) Xが、CHであり、Xが、CH又はCX2aであり、かつ、Xが、CHであるか;
が、Nであり、Xが、CH又はCX2aであり、かつ、Xが、CHであるか;又は、
が、CHであり、Xが、Nであり、かつ、Xが、CHであり;
2aが、低級アルキル基、ハロゲン原子、CONR(ここで、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又は置換されてもよい低級アルキル基である。)、又は置換基を有してもよい3員環ないし6員環のシクロアルキル基である、上記(5)記載の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはエステル; 又は
(7) Rが、その2位、3位が同一若しくは異なるハロゲン原子で置換されるフェニル基であるか、又は、その2位、3位がそれぞれハロゲン原子、1個ないし3個のハロゲン原子で置換されるメチル基で置換されるフェニル基である、上記(6)記載の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはエステル; 又は
(8) (a)2−(((1S,4S)−5−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−1H−ピラゾール−3−イルピリミジン−4−アミン;
(b)2−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−アミン;
(c)2−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−6−メチル−N−1H−ピラゾール−3−イルピリミジン−4−アミン;
(d)2−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N,N−ジメチル−6−(1,3−チアゾール−2−イルアミノ)イソニコチン酸アミド;又は、
(e)6−(((1S,4S)−5−(2,3−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−1H−ピラゾール−3−イルピラジン−2−アミン、
である化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくはエステル、である。
また、本発明に係る2つの別個の製剤からなる組み合わせ製剤において、好ましくは、2つの別個の製剤のいずれか一方又は両方が、非経口製剤であり、さらに好ましくは、2つの別個の製剤のいずれか一方又は両方が、注射剤又は点滴剤である。
本発明に係る2つの別個の製剤からなる組み合わせ製剤は、好ましくは、一方の製剤が、薬学的に許容し得る担体又は希釈剤と一緒に、
(a)2−(((1S,4S)−5−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−1H−ピラゾール−3−イルピリミジン−4−アミン;
(b)2−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−アミン;
(c)2−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−6−メチル−N−1H−ピラゾール−3−イルピリミジン−4−アミン;
(d)2−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N,N−ジメチル−6−(1,3−チアゾール−2−イルアミノ)イソニコチン酸アミド;又は、
(e)6−(((1S,4S)−5−(2,3−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−1H−ピラゾール−3−イルピラジン−2−アミン、又はその薬学的に許容し得る塩若しくはエステルを含む製剤であり; 及び
もう一方の製剤が、薬学的に許容し得る担体又は希釈剤と一緒に、パクリタキセル若しくはドセタキセル又はその薬学的に許容し得る塩若しくはエステルを含む製剤である。
さらに、本発明に係る2つの別個の製剤からなる組み合わせ製剤に対して、薬学的に許容し得る担体又は希釈剤と一緒に、抗がん性アルキル化剤、抗がん性代謝拮抗剤、抗がん性抗生物質、植物由来抗がん剤、抗がん性白金配位化合物、抗がん性カンプトテシン誘導体、抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤、モノクローナル抗体、インターフェロン、生物学的応答調節剤、及びその他抗がん剤(ここで、各抗がん剤の定義は、上記の記載と同じである。)からなる群から選択される抗がん剤又はその薬学的に許容し得る塩若しくはエステルを含む製剤1個以上を、さらに組み合わせてもよい。
また、本発明に係る医薬組成物は、好ましくは、薬学的に許容し得る担体又は希釈剤と一緒に、
(a)2−(((1S,4S)−5−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−1H−ピラゾール−3−イルピリミジン−4−アミン;
(b)2−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−アミン;
(c)2−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−6−メチル−N−1H−ピラゾール−3−イルピリミジン−4−アミン;
(d)2−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N,N−ジメチル−6−(1,3−チアゾール−2−イルアミノ)イソニコチン酸アミド;又は、
(e)6−(((1S,4S)−5−(2,3−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−1H−ピラゾール−3−イルピラジン−2−アミン、
又はその薬学的に許容し得る塩若しくはエステル、並びにパクリタキセル若しくはドセタキセル又はその薬学的に許容し得る塩若しくはエステルを含む。
一般式(I)の化合物の製法の記載
本発明に係る一般式(I):
Figure 0005161072
(式中、n、n、R、R、R、R、X、X、X、X、Y、Y、Y、及びWは、前記と同義である。)で表される化合物のうち、YがCHである式(I−1):
Figure 0005161072
(式中の記号は、前記式(I)の記号と同義である。)は、例えば、以下の方法により製造することができる。以下、「前記式(I)の記号と同義」というときの「前記式(I)の記号」とは「本明細書で最初に記載された一般式(I)に記載された各記号」のことをいうものとする。
Figure 0005161072
(工程1)本工程は、化合物(II)(ここで、LGは、ハロゲンなどの脱離基を示し、X、X、X、X、及びRは、前記式(I)の記号と同義である。)に、tert−ブチルジメチルシリル基等の保護基PGを導入し、化合物(III)(ここで、LG及びPGは、前記と同義であり、X、X、X、X、及びRは、前記式(I)の記号と同義である。)を製造する方法である。
本工程において用いられる前記化合物(II)としては、例えば、(6−ブロモピリジン−2−イル)メタノール、1−(6−ブロモピリジン−2−イル)エタノール、(3−ヨードフェニル)メタノール等が挙げられる。前記化合物(II)は、市販で入手できるか、又は公知の方法に従い製造することができる。
保護基PGは、その種類により異なるが、文献記載の方法[プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis),T.W.グリーン(T.W.Greene)著、John Wiley & Sons社(1981)年参照]又はそれに準ずる方法に従って導入することができる。例えば、前記化合物(II)をN,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中、イミダゾール等の塩基存在下、塩化tert−ブチルジメチルシリル等を用いて合成することができる。保護反応に塩化tert−ブチルジメチルシリルを用いる場合には、塩化tert−ブチルジメチルシリルの量は、化合物(II)1モルに対して、塩化tert−ブチルジメチルシリル1〜10モル、好ましくは1〜3モルが用いられ、塩基1〜20モル、好ましくは1〜5モルが用いられる。この場合において、反応温度は、使用される原料化合物あるいは反応溶媒に応じて当業者が適宜選択することができるが、通常、0度から溶媒の沸点である。また、反応は、通常、1時間〜24時間で完結するが、反応時間は適宜増減することができる。
このようにして得られる前記化合物(III)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製するか又は単離精製することなく、次工程に付すことができる。
(工程2)本工程は、前記工程1で得られた化合物(III)(ここで、LG及びPGは、前記と同義であり、X、X、X、X、及びRは、前記式(I)の記号と同義である。)と化合物(IV)(ここで、PGは、存在しなくてもよく、或いは、存在する場合は、4−メトキシベンジル基、2,4−ジメトキシベンジル基、ベンジル基、メトキシメチル基、(2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル基、tert−ブチル基などであり、好ましくは、(2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル基、メトキシメチル基、tert−ブチル基等の保護基であり、また、Wは、前記式(I)の記号と同義である。)をアミノ化反応に付して、化合物(V)(式中、PG及びPGは、前記と同義であり、X、X、X、X、R、及びWは、前記式(I)の記号と同義である。)を製造する方法である。
本工程において用いられる前記化合物(IV)としては、例えば、2−アミノチアゾール−5−カルボニトリル、2−アミノチアゾール、2−アミノ−5−メチルチアゾール、5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール、5−メチル−1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−アミン、1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−アミン、1−tert−ブチル−3−メチル−1H−ピラゾール−5−アミン等が挙げられる。前記化合物(IV)は、市販で入手できるか、又は公知の方法(例えば、ホスホラス サルファ アンド シリコン アンドザ リレイティド エレメンツ(Phosphorus,Sulfur and Silicon and the Related Elements)2002年、第177巻11号、2651−2659頁.及びジャーナル オブ ケミカル リサーチ、シナプシーズ(Journal of Chemical Research,Synopses)1979年、第6巻、198頁)に従い製造することができる。
本工程において用いられるアミノ化反応は、当業者に周知の方法が用いられる。本工程において用いられるアミノ化反応としては、具体的には、例えば、前記化合物(III)と前記化合物(IV)を1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、クロロホルム、トルエン等の溶媒中、トリスジベンジリデンアセトンジパラジウム(0)、酢酸パラジウム等のパラジウム触媒、2,2’−ビスジフェニルホスフィノ−1,1’−ビナフチル、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン等の配位子、及び、炭酸セシウム、ナトリウムt−ブトキシド等の塩基を用いて反応させることにより合成できる。当該反応では、化合物(III)1モルに対して、化合物(IV)0.5〜3モル、好ましくは1モルが用いられ、パラジウム触媒0.001〜1モル、好ましくは0.05〜0.5モルが用いられ、配位子0.002〜2モル、好ましくは0.1〜1.0モルが用いられ、塩基1〜10モル、好ましくは1〜3モルが用いられる。反応温度は、使用される原料化合物あるいは反応溶媒に応じて適宜選択されるが、通常、50度から反応に用いる溶媒の沸点である。また、反応は、通常、1〜24時間で完結するが、反応時間は適宜増減することができる。
このようにして得られる前記化合物(V)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製するか又は単離精製することなく、次工程に付すことができる。
(工程3)本工程は、前記工程2で得られた化合物(V)(ここで、PG及びPGは、前記と同義であり、X、X、X、X、R、及びWは、前記式(I)の記号と同義である。)の保護基PGを脱保護し、化合物(VI)(ここで、PGは、前記と同義であり、X、X、X、X、R、及びWは、前記式(I)の記号と同義である。)を製造する方法である。
本工程において用いられる保護基PGの除去は、その種類及び化合物の安定性により異なるが、文献記載の方法[プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis),T.W.グリーン(T.W.Greene)著、John Wiley & Sons社(1981)年参照]又はそれに準ずる方法に従って行うことができる。例えば、PGがtert−ブチルジメチルシリル基である前記化合物(V)をテトラヒドロフラン等の溶媒中、フッ化テトラブチルアンモニウム等を用いて脱保護することができる。脱保護反応に、フッ化テトラブチルアンモニウムを用いる場合には、化合物(V)1モルに対して、フッ化テトラブチルアンモニウム1〜10モル、好ましくは1〜3モルが用いられる。反応温度は、使用される原料化合物あるいは反応溶媒に応じて当業者が適宜選択することができるが、通常、0度から溶媒の沸点である。また、反応は、通常、1時間〜24時間で完結するが、反応時間は適宜増減することができる。
このようにして得られる前記化合物(VI)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製するか又は単離精製することなく、次工程に付すことができる。
(工程4)本工程は、前記工程3で得られた化合物(VI)(ここで、PGは、前記と同義であり、X、X、X、X、R、及びWは、前記式(I)の記号と同義である。)のヒドロキシ基をメチルスルホニルオキシ基、クロロ基等の脱離基に変換し、化合物(VII)(ここで、LGは、メチルスルホニルオキシ基又はハロゲン原子などの脱離基を示し、PGは、前記と同義であり、X、X、X、X、R、及びWは、前記式(I)の記号と同義である。)を製造する方法である。
本工程において用いられる反応は、当業者に周知の方法が用いられる。本工程において用いられる反応としては、具体的には、例えば、前記化合物(VI)をクロロホルム、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジエチルエ−テル、酢酸エチル等の溶媒中、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の塩基存在下、塩化メタンスルホニルと反応させることにより、LGがメチルスルホニルオキシ基である前記化合物(VII)を得ることができる。この場合において、化合物(VI)1モルに対して、塩化メタンスルホニル1〜10モル、好ましく1〜3モルが用いられ、塩基1〜20モル、好ましくは1〜6モルが用いられる。反応温度は、使用される原料化合物に応じて当業者が適宜選択することができるが、通常、0度から室温である。また、反応は、通常、10分〜2時間で完結するが、反応時間は適宜増減することができる。
このようにして得られる前記化合物(VII)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製するか又は単離精製することなく、次工程に付すことができる。
(工程5)本工程は、前記工程4で得られた化合物(VII)(ここで、LG及びPGは、前記と同義であり、X、X、X、X、R、及びWは、前記式(I)の記号と同義である。)と化合物(VIII)(ここで、n、n、R、R、R、Y、及びYは、前記式(I)の記号と同義である。)とのアミノ化反応により、化合物(IX)(ここで、PGは、前記と同義であり、X、X、X、X、R、及びW、並びにn、n、R、R、R、Y、及びYは、前記式(I)の記号と同義である。)を製造する方法である。
本工程において用いられる前記化合物(VIII)としては、例えば、2−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2−(3−(トリフルオロメチル)−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2−(2,3−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン等が挙げられる。前記化合物(VIII)の合成については、後述する。
本工程において用いられるアミノ化反応は、当業者に周知の方法が用いられる。本工程において用いられるアミノ化反応としては、具体的には、例えば、前記化合物(VII)と前記化合物(VIII)をテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、塩化メチレン、クロロホルム等の溶媒中、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、水酸化ナトリウム等を塩基として用い、合成することができる。この場合において、化合物(VII)1モルに対して、化合物(VIII)1〜10モル、好ましくは1〜3モルが用いられ、塩基1〜20モル、好ましくは1〜5モルが用いられる。反応温度は、使用される原料化合物あるいは反応溶媒に応じて当業者が適宜選択することができるが、通常、室温から溶媒の沸点である。また、反応は、通常、1時間〜24時間で完結するが、反応時間は適宜増減することができる。
このようにして得られる前記化合物(IX)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製するか又は単離精製することなく、次工程に付すことができる。
なお、前記化合物(IX)において、脱保護を必要としないならば、以後の工程6を行うことなく、前記化合物(IX)が本発明に係る化合物となる。
(工程6)本工程は、前記工程5で得られた化合物(IX)(ここで、PGは、前記と同義であり、X、X、X、X、R、及びW、並びにn、n、R、R、R、Y、及びYは、前記式(I)の記号と同義である。)の脱保護反応により、化合物(I−1)(ここで、X、X、X、X、R、及びW、並びにn、n、R、R、R、Y、及びYは、前記式(I)の記号と同義である。)を製造する方法である。
PGの脱保護反応は、その種類及び化合物の安定性により異なるが、文献記載の方法[プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis),T.W.グリーン(T.W.Greene)著、John Wiley & Sons社(1981)年参照]又はそれに準ずる方法に従って、例えば酸を用いる加溶媒分解により行うことができる。
例えば、具体的には、前記化合物(IX)(ここで、Wは、1H−ピラゾール−3−イル基であり、PGは、(2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル基、又は、tert−ブチル基であり、Wのピラゾールの1位、或いは2位にPGが置換し、X、X、X、X、及びR、並びにn、n、R、R、R、Y、及びYは、前記式(I)の記号と同義である。)は、トリフルオロ酢酸と水、或いはギ酸と水の混合溶媒を用いた加溶媒分解により脱保護反応し、対応する化合物(I−1)(ここで、Wは、前記と同義であり、X、X、X、X、及びR、並びにn、n、R、R、R、Y、及びYは、前記式(I)の記号と同義である。)を合成することができる。この場合において、反応温度は、使用される原料化合物あるいは反応溶媒に応じて当業者が適宜選択することができるが、通常、0度から溶媒の沸点である。また、反応は、通常、1時間〜24時間で完結するが、反応時間は適宜増減することができる。
このようにして得られる本発明に係る前記化合物(I−1)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製することができる。
前記化合物(VIII)(ここで、n、n、R、R、R、Y、及びYは、前記式(I)の記号と同義である。)のうち、化合物(VIII−1)(ここで、nが0であり、n、R、R、及びYは、前記式(I)の記号と同義である。)は、例えば、以下の方法によって製造することができる。
Figure 0005161072
(工程7)本工程は、化合物(X)(ここで、PGは、tert−ブチルオキシカルボニル基等の保護基である。)と化合物(XI)(ここで、n、R、R、及びYは、前記式(I)の記号と同義である。)とのアミド化反応により、化合物(XII)(ここで、PGは、前記と同義であり、n、R、R、及びYは、前記式(I)の記号と同義である。)を製造する方法である。
本工程において用いられる前記化合物(X)としては、例えば、2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル、2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸 ベンジルエステル、2−(トリフルオロアセチル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン等が挙げられる。前記化合物(X)は、市販で入手できるか、又は公知の方法(例えば、シンセシス(Synthesis)1990年、第10巻、925−930頁.或いは国際公開公報2006/002556パンフレット等)に従い製造することができる。
本工程において用いられる前記化合物(XI)としては、例えば、2,3−ジクロロ安息香酸、3−クロロ−2−フルオロ安息香酸、3−(トリフルオロメチル)−2−フルオロ安息香酸等が挙げられる。前記化合物(XI)は、市販で入手できるか、又は公知の方法に従い製造することができる。
本工程において用いられるアミド化反応は、前記化合物(XI)で表されるカルボン酸又はその反応性誘導体と、前記化合物(X)を用いて行うことができる。前記化合物(XI)の「反応性誘導体」としては、例えば混合酸無水物、活性エステル、活性アミド等を挙げることができ、これらは例えば国際公開WO98/05641号公報記載の方法によって得ることができる。具体的には、例えば、前記化合物(X)と前記化合物(XI)をテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、塩化メチレン、クロロホルム等の溶媒中、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド等の縮合剤、及び、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールを用い、縮合させて合成することができる。この場合において、化合物(X)1モルに対して、化合物(XI)1〜3モル、好ましくは1モルが用いられ、縮合剤1〜10モル、好ましくは1〜3モルが用いられる。反応温度は、使用される原料化合物あるいは反応溶媒に応じて適宜選択されるが、通常、室温から反応に用いる溶媒の沸点である。また、反応は、通常、1〜24時間で完結するが、反応時間は適宜増減することができる。
このようにして得られる前記化合物(XII)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製するか又は単離精製することなく、次工程に付すことができる。
(工程8)本工程は、前記工程7で得られた化合物(XII)(ここで、PGは、前記と同義であり、n、R、R、及びYは、前記式(I)の記号と同義である。)の保護基PGを脱保護し、(VIII−1)(ここで、n、R、R、及びYは、前記式(I)の記号と同義である。)で示される化合物を製造する方法である。
本工程において用いられる脱保護反応は、当業者に周知の方法が用いられる。本工程において前記化合物(XII)の保護基の除去は、その種類及び化合物の安定性により異なるが、文献記載の方法[プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis),T.W.グリーン(T.W.Greene)著、John Wiley & Sons社(1981)年参照]又はそれに準ずる方法に従って行うことができる。例えば、(XII)で示される化合物(ここで、PGは、tert−ブチルオキシカルボニル基である。)の脱保護反応は、酸を用いる加溶媒分解により行うことができる。
このようにして得られる前記化合物(VIII−1)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製するか又は単離精製することなく、次工程に付すことができる。
前記化合物(VI)(ここで、PGは、前記と同義であり、R、X、X、X、X、及びWは、前記式(I)の記号と同義である。)のうち、化合物(VI−1)(ここで、Rが水素原子であり、PGは、前記と同義であり、X、X、X、X、及びWは、前記式(I)の記号と同義である。)は、例えば、以下の方法によっても製造することができる。
Figure 0005161072
(工程9)本工程は、化合物(XIII)(ここで、LG及びLGは、ハロゲン原子などの脱離基を示し、X、X、X、及びXは、前記式(I)の記号と同義である。)と化合物(IV)(ここで、PGは、前記と同義であり、Wは、前記式(I)の記号と同義である。)とのアミノ化反応により、化合物(XIV)(ここで、PG及びLGは、前記と同義であり、X、X、X、X、及びWは、前記式(I)の記号と同義である。)を製造する方法である。
本工程において用いられる前記化合物(IV)としては、例えば、2−アミノチアゾール、5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール、5−メチル−1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−アミン、1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−アミン、1−tert−ブチル−3−メチル−1H−ピラゾール−5−アミン等が挙げられる。前記化合物(IV)は、市販で入手できるか、又は公知の方法(例えば、ホスホラス サルファ アンド シリコン アンドザ リレイティド エレメンツ(Phosphorus,Sulfur and Silicon and the Related Elements)2002年、第177巻11号、2651−2659頁.及びジャーナル オブ ケミカル リサーチ、シナプシーズ(Journal of Chemical Research,Synopses)1979年、第6巻、198頁)に従い製造することができる。
本工程において用いられる前記化合物(XIII)としては、例えば、2,6−ジクロロピリジン、2,4−ジクロロピリミジン、2,6−ジクロロピラジン等が挙げられる。化合物(XIII)は、市販で入手できるか、又は公知の方法に従い製造することができる。
本工程は、前記工程2と同様の方法、これに準じた方法又はこれらと常法とを組み合わせることにより行うことができる。
このようにして得られる前記化合物(XIV)(ここで、PG及びLGは、前記と同義であり、X、X、X、X、及びWは、前記式(I)の記号と同義である。)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製するか又は単離精製することなく、次工程に付すことができる。
(工程10)本工程は、前記工程9で得られた化合物(XIV)(ここで、PG及びLGは、前記と同義であり、X、X、X、X、及びWは、前記式(I)の記号と同義である。)のカルボニル化反応により、化合物(XV)(ここで、Rは、低級アルキル基であり、PGは、前記と同義であり、X、X、X、X、及びWは、前記式(I)の記号と同義である。)を製造する方法である。
本工程において用いられるカルボニル化反応は、当業者に周知の方法が用いられる。本工程において用いられるカルボニル化反応としては、具体的には、例えば、前記化合物(XIV)をN,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒にメタノール、エタノール等のアルコール類を加えた混合溶媒中で、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン等の配位子と酢酸パラジウム(II)等のパラジウム触媒と炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン等の塩基存在下、一酸化炭素と反応させることにより、前記化合物(XV)を合成することができる。この場合において、化合物(XIV)1モルに対して、パラジウム触媒0.01〜1モル、好ましくは0.05〜0.5モルが用いられ、配位子0.02〜1モル、好ましくは0.1〜1モルが用いられ、塩基1〜10モル、好ましくは1〜3モルが用いられる。反応温度は、使用される原料化合物あるいは反応溶媒に応じて当業者が適宜選択することができるが、通常、50度から反応に用いる溶媒の沸点である。また、反応は、通常、1〜24時間で完結するが、反応時間は適宜増減することができる。
このようにして得られる前記化合物(XV)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製するか又は単離精製することなく、次工程に付すことができる。
(工程11−1)本工程は、前記工程10で得られた化合物(XV)(ここで、R及びPGは、前記と同義であり、X、X、X、X、及びWは、前記式(I)の記号と同義である。)の加水分解反応により、化合物(XVI)(ここで、PGは、前記と同義であり、X、X、X、X、及びWは、前記式(I)の記号と同義である。)を製造する方法である。
本工程において用いられる加水分解反応は、当業者に周知の方法が用いられる。本工程において用いられる加水分解反応としては、具体的には、例えば、化合物(XV)を、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン等の溶媒中、水酸化ナトリウム水溶液等を塩基として用いて、前記化合物(XVI)を合成することができる。この場合において、化合物(XV)1モルに対して、塩基1〜1000モル、好ましくは1〜100モルが用いられる。反応温度は、使用される原料化合物あるいは反応溶媒に応じて当業者が適宜選択することができるが、通常、室温から溶媒の沸点である。また、反応は、通常、1時間〜24時間で完結するが、反応時間は適宜増減することができる。
このようにして得られる前記化合物(XVI)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製するか又は単離精製することなく、次工程に付すことができる。
(工程11−2)本工程は、前記工程11−1で得られた化合物(XVI)(ここで、PGは、前記と同義であり、X、X、X、X、及びWは、前記式(I)の記号と同義である。)の還元反応により、化合物(VI−1)(ここで、PGは、前記と同義であり、X、X、X、X、及びWは、前記式(I)の記号と同義である。)を製造する方法である。
本工程において用いられる還元反応は、当業者に周知の方法が用いられる。本工程において用いられる還元反応としては、具体的には、例えば、前記化合物(XVI)を、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン等の溶媒中、N,N’−カルボニルジイミダゾ−ルと室温で12〜24時間反応させた後、水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤と反応させることにより、前記化合物(VI−1)を合成することができる。この場合において、化合物(XVI)1モルに対して、N,N’−カルボニルジイミダゾ−ル1〜10モル、好ましくは1〜3モルが用いられ、還元剤1〜20モル、好ましくは1〜5モルが用いられる。反応温度は、使用される原料化合物あるいは反応溶媒に応じて当業者が適宜選択することができるが、通常、0度から室温である。また、反応は、通常、10分〜24時間で完結するが、反応時間は適宜増減することができる。
このようにして得られる前記化合物(VI−1)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製するか又は単離精製することなく、次工程に付すことができる。
(工程12)本工程は、前記工程10で得られた化合物(XV)(ここで、R及びPGは、前記と同義であり、X、X、X、X、及びWは、前記式(I)の記号と同義である。)の還元反応により、化合物(VI−1)(ここで、PGは、前記と同義であり、X、X、X、X、及びWは、前記式(I)の記号と同義である。)を製造する方法である。
本工程において用いられる還元反応は、当業者に周知の方法が用いられる。本反応において用いられる還元反応としては、具体的には、例えば、前記化合物(XV)をテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の溶媒中で、水素化ホウ素リチウム、水素化リチウムアルミニウム等の還元剤と反応させることにより、前記化合物(VI−1)を合成することができる。この場合において、化合物(XV)1モルに対して、還元剤1〜20モル、好ましくは1〜5モルが用いられる。反応温度は、使用される原料化合物あるいは反応溶媒に応じて当業者が適宜選択することができるが、通常、0度から反応に用いる溶媒の沸点である。また、反応は、通常10分〜24時間で完結するが、反応時間は適宜増減することができる。
このようにして得られる前記化合物(VI−1)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製するか又は単離精製することなく、次工程に付すことができる。
前記化合物(XV)(ここで、Rは、低級アルキル基であり、PGは、前記と同義であり、X、X、X、X、及びWは、前記式(I)の記号と同義である。)は、例えば、以下の方法によっても製造することができる。
Figure 0005161072
(工程13)本工程は、化合物(XVII)(ここで、Rは、低級アルキル基であり、LGは、ハロゲン原子などの脱離基を示し、X、X、X、及びXは、前記式(I)の記号と同義である。)と化合物(IV)(ここで、PGは、前記と同義であり、Wは、前記式(I)の記号と同義である。)とのアミノ化反応により、化合物(XV)(ここで、Rは、低級アルキル基であり、PGは、前記と同義であり、X、X、X、X、及びWは、前記式(I)の記号と同義である。)を製造する方法である。
本工程において用いられる前記化合物(IV)としては、例えば、2−アミノチアゾール、5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール、5−メチル−1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−アミン、1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−アミン、1−tert−ブチル−3−メチル−1H−ピラゾール−5−アミン等が挙げられる。前記化合物(IV)は、市販で入手できるか、又は公知の方法(例えば、ホスホラス サルファ アンド シリコン アンドザ リレイティド エレメンツ(Phosphorus,Sulfur and Silicon and the Related Elements)2002年、第177巻11号、2651−2659頁.及びジャーナル オブ ケミカル リサーチ、シナプシーズ(Journal of Chemical Research,Synopses)1979年、第6巻、198頁)に従い製造することができる。
本工程において用いられる前記化合物(XVII)としては、例えば、6−クロロ−2−ピリジンカルボン酸メチルエステル、6−クロロ−4−メトキシ−2−ピリジンカルボン酸メチルエステル等が挙げられる。化合物(XVII)は、市販で入手できるか、又は公知の方法に従い製造することができる。
本工程は、前記工程2と同様の方法、これに準じた方法又はこれらと常法とを組み合わせることにより行うことができる。
このようにして得られる前記化合物(XV)(ここで、Rは、低級アルキル基であり、PGは、前記と同義であり、X、X、X、X、及びWは、前記式(I)の記号と同義である。)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製するか又は単離精製することなく、次工程に付すことができる。
上記化合物への保護基の導入は、必要に応じて上述の合成中間体のいずれかの段階で行うことができる。得られた保護体は、上述の対応する工程と同様の反応を行うことができ、さらに、それらの化合物は、前記工程6と同様の方法あるいは、これに準じた方法又はこれらと常法とを組み合わせることにより、導入された保護基を脱保護することができる。
以下に、前記化合物(IV)及び前記化合物(XV)における保護基の導入の例について説明する。なお、当業者は、市販で入手できる公知化合物から、適宜、公知の方法、及び/又は、下記の例示する方法若しくはこれに準ずる方法を用いることで、上述の合成中間体への保護基の導入を行うことができる。
Figure 0005161072
(工程14)本工程は、化合物(IV)(ここで、−W−PGは、5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル基、5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イル基、1H−ピラゾール−3−イル基等である。)への保護基の導入により、化合物(XVIII−1)又は化合物(XVIII−2)(ここで、PGは、メトキシメチル基、(2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル基等の保護基であり、Rは、水素原子、メチル基、シクロプロピル基などの置換基である。)を製造する方法である。
本工程において用いられる保護反応は、例えば、前記化合物(IV)を、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム等の溶媒中、水素化ナトリウム等の塩基と、クロロメチルメチルエーテル、クロロメチル 2−(トリメチルシリル)エチルエーテル等を用いて行い、対応する前記化合物(XVIII−1)又は前記化合物(XVIII−2)を合成することができる。この場合において、化合物(IV)1モルに対して、塩基1〜20モル、好ましくは1〜5モルが用いられ、保護試薬1〜10モル、好ましくは1〜3モルが用いられる。反応温度は、使用される原料化合物あるいは反応溶媒に応じて当業者が適宜選択することができるが、通常、0度から室温である。また、反応は、通常、10分〜24時間で完結するが、反応時間は適宜増減することができる。
このようにして得られる前記化合物(XVIII−1)又は前記化合物(XVIII−2)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製するか又は単離精製することなく、次工程に付すことができる。
Figure 0005161072
(工程15)本工程は、化合物(XV)(ここで、R及びPGは、前記と同義であり、X、X、X、X、及びWは、前記式(I)の記号と同義である。)へ、メトキシメチル基、(2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル基等の保護基PGの導入により、化合物(XIX−1)又は化合物(XIX−2)(ここで、R及びPGは、前記と同義であり、X、X、X、及びXは、前記式(I)の記号と同義である。)を製造する方法である。
本工程において用いられる保護反応は、例えば、化合物(XV)を、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム等の溶媒中、水素化ナトリウム、ジイソプロピルエチルアミン等の塩基と、クロロメチルメチルエーテル、クロロメチル 2−(トリメチルシリル)エチルエーテル等を用いて行うことができる。この場合において、化合物(XV)1モルに対して、塩基1〜20モル、好ましくは1〜5モルが用いられ、保護試薬1〜10モル、好ましくは1〜3モルが用いられる。反応温度は、使用される原料化合物あるいは反応溶媒に応じて当業者が適宜選択することができるが、通常、0度から室温である。また、反応は、通常、10分〜24時間で完結するが、反応時間は適宜増減することができる。
このようにして得られる前記化合物(XIX−1)又は前記化合物(XIX−2)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製するか又は単離精製することなく、次工程に付すことができる。
また、X1a、X2a又はX3aの導入あるいは変換は、適宜保護基を有していてもよい上述の合成中間体のいずれかの段階で行うことができる。以下に、式(I)で示される化合物(ここで、XはCHであり、XはCX2aであり、XはCHであり、XはNであり、n、n、R、R、R、R、Y、Y、Y及びWは、前記式(I)の記号と同義である。);前記化合物(XV)(ここで、R、PG、X、X、X、X、及びWは、前記と同義である。);並びに前記化合物(V)(ここで、PG、PG、X、X、X、X、R、及びWは、前記と同義である。)における、X2aの置換基の導入あるいは変換の例について説明する。ここで、以下の工程(16−1)ないし(16−3)の説明でいう式(I)の化合物;工程(17)の説明でいう式(XV)の化合物;並びに工程(18−1)及び工程(18−2)の説明でいう式(V)の化合物は、保護基を導入することが可能な置換位置に、適宜保護基を有していてもよい。なお、当業者は、市販で入手できる公知化合物から、適宜、公知の方法、及び/又は、下記の例示する方法若しくはこれに準ずる方法を用いることで、X1a、X2a又はX3aの置換基の導入あるいは変換を行うことができる。
Figure 0005161072
工程16は、化合物(I)から化合物(XX)を合成する方法であり、以下、(工程16−1)ないし(工程16−3)において例示する。
(工程16−1)本工程は、化合物(I)(ここで、XはCHであり、XはCX2aであり、X2aは臭素原子であり、XはCHであり、XはNであり、n、n、R、R、R、R、Y、Y、Y及びWは、前記式(I)の記号と同義である。)からカルボニル化反応により、化合物(XX)(ここで、XはCHであり、XはCX2aであり、X2aは、アルコキシカルボニル基であり、XはCHであり、XはNであり、n、n、R、R、R、R、Y、Y、Y及びWは、前記式(I)の記号と同義である。)を製造する方法である。
本工程は、前記工程10と同様の方法、これに準じた方法又はこれらと常法とを組み合わせることにより行うことができる。
このようにして得られる前記化合物(XX)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製することができる。
(工程16−2)本工程は、化合物(I)(ここで、XはCHであり、XはCX2aであり、X2aは、アルコキシカルボニル基であり、XはCHであり、XはNであり、n、n、R、R、R、R、Y、Y、Y及びWは、前記式(I)の記号と同義である。)から加水分解反応により、化合物(XX)(ここで、XはCHであり、XはCX2aであり、X2aは、カルボキシ基であり、XはCHであり、XはNであり、n、n、R、R、R、R、Y、Y、Y及びWは、前記式(I)の記号と同義である。)を製造する方法である。
本工程は、前記工程11と同様の方法、これに準じた方法又はこれらと常法とを組み合わせることにより行うことができる。
このようにして得られる前記化合物(XX)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製することができる。
(工程16−3)本工程は、化合物(I)(ここで、XはCHであり、XはCX2aであり、X2aは、カルボキシ基であり、XはCHであり、XはNであり、n、n、R、R、R、R、Y、Y、Y及びWは、前記式(I)の記号と同義である。)からアミド化反応により、化合物(XX)(ここで、X2aは、カルバモイル基であり、n、n、R、R、R、R、Y、Y、Y及びWは、前記式(I)の記号と同義である。)を製造する方法である。
本工程は、前記工程7と同様の方法、これに準じた方法又はこれらと常法とを組み合わせることにより行うことができる。本工程にて用いられるアミンとしては、ジメチルアミン、メチルアミン、ピロリジン及び2−ヒドロキシエチルアミン等が挙げられる。
このようにして得られる前記化合物(XX)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製することができる。
Figure 0005161072
(工程17)本工程は、化合物(XV)(ここで、Rは、低級アルキル基であり、PGは、前記と同義であり、XはCHであり、XはCX2aであり、X2aはベンジルオキシ基であり、XはCHであり、XはNであり、Wは、前記式(I)の記号と同義である。)のヒドロキシの保護基であるベンジル基を除去して、化合物(XXI)(ここで、R、PG及びWは、前記と同義である。)を製造する方法である。
本工程における保護基の除去は、文献記載の方法(例えばプロテクティブグループスイン オーガニック シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)、T.W.Green著、第2版、JohnWiley&Sons社、1991年、等)、それに準じた方法又はこれらと常法とを組み合わせることにより行うことができ、例えば、水酸化パラジウム−炭素触媒を用いる接触水素添加等を用いることができる。
ベンジル基の除去に水酸化パラジウム−炭素触媒を用いる場合には、触媒の量は、通常0.01及至1000当量、好ましくは0.1及至10当量である。
本反応に用いられる反応溶媒は、反応に支障のないものであれば、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール等が挙げられる。
このようにして得られる前記化合物(XXI)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製することができる。
Figure 0005161072
工程18は、化合物(V)から化合物(XXII)を合成する方法であり、以下、(工程18−1)及び(工程18−2)において例示する。
(工程18−1)本工程は、化合物(V)(式中、R、W、PG及びPGは、前記と同義であり、XはCHであり、XはCX2aであり、X2aはヒドロキシ基であり、XはCHであり、XはNである。)から、化合物(XXII)(式中、R、W、PG及びPGは、前記と同義であり、X2aはトリフルオロメチルスルホニルオキシ基である。)を製造する方法である。
本工程において用いられる反応は、当業者に周知の方法が用いられる。本工程において用いられる反応としては、具体的には、例えば、前記化合物(V)をクロロホルム、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジエチルエ−テル、酢酸エチル等の溶媒中、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の塩基存在下、無水トリフルオロメタンスルホン酸と反応させることにより、化合物(XXII)(式中、R、W、PG及びPGは、前記と同義であり、X2aはトリフルオロメチルスルホニルオキシ基である。)を得ることができる。この場合において、化合物(V)1モルに対して、無水トリフルオロメタンスルホン酸1〜10モル、好ましくは1〜3モルが用いられ、塩基1〜20モル、好ましくは1〜6モルが用いられる。反応温度は、使用される原料化合物に応じて当業者が適宜選択することができるが、通常、0度から室温である。また、反応は、通常、10分〜2時間で完結するが、反応時間は適宜増減することができる。
このようにして得られる前記化合物(XXII)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製するか又は単離精製することなく、次工程に付すことができる。
(工程18−2)本工程は、化合物(V)(式中、R、W、PG及びPGは、前記と同義であり、XはCHであり、XはCX2aであり、X2aはトリフルオロメチルスルホニルオキシ基であり、XはCHであり、XはNである。)から、カルボニル化反応により、化合物(XXII)(式中、R、W、PG及びPGは、前記と同義であり、X2aは、アルコキシカルボニル基である。)を製造する方法である。
本工程は、前記工程10と同様の方法、これに準じた方法又はこれらと常法とを組み合わせることにより行うことができる。
このようにして得られる前記化合物(XXII)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製することができる。
一般式(I)の化合物の製法の記載
一般式(I)の化合物は、工程7で用いられる化合物(X)としては、例えば、tert−ブチル 3,6−ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン−6−カルボキシレート、3−ベンジル−3,6−ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン、tert−ブチル 3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート、tert−ブチル 3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボキシレート、3−ベンジル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナンなどを用いることにより、一般式(I)の化合物の製法に準じ、合成することができる。これらの化合物(X)は、市販で入手できるか、又は公知の方法(例えば、バイオオルガニック&メディシナル・ケミストリ(Bioorganic & Medicinal Chemistry)2006年、第14巻3号、676−691頁、国際公開第2005/108402号パンフレット、ジャーナル・メディシナル・ケミストリ(Journal of Medicinal Chemistry)1998年、第41巻5号、674−681頁、ファルマコ(Farmaco)2000年、55巻8号、553−562頁などに従い製造することができる。
次に、本発明に係る一般式(I)の化合物のオーロラA及びB阻害作用について以下説明する。
オーロラA阻害作用
(1)オーロラAの精製
アミノ末端にヒスチジンタグを融合したオーロラAのcDNAを発現ベクターに組み込み大腸菌BL21−CodonPlus(DE3)−RIL株で高発現させた。大腸菌を回収して可溶化した後、ヒスチジンタグ付加オーロラAタンパク質をニッケルキレートカラムに吸着させ、イミダゾールでカラムから溶出し、活性画分を脱塩カラムで脱塩し精製酵素とした。
(2)オーロラAの活性測定
オーロラAの活性測定において、基質は合成ペプチドであるケンプチド(Kemptide: Leu−Arg−Arg−Ala−Ser−Leu−Gly)(SEQ.ID.NO.:1)をシグマ社(SIGMA)より購入して用いた[Certificate of analysis(upstate)]。
反応はアップステート社(upstate)の方法[KinaseProfilerTM Assay Protocols]を一部改変して行った。反応液量は21.1μLで、反応バッファー(R2バッファー)の組成は50mMトリス−塩酸バッファー(pH7.4)/15mM酢酸マグネシウム/0.2mMエチレンジアミン−N、N,N’,N’−四酢酸(EDTA)で、そこに精製したオーロラAと100μMの基質ペプチドと20μMの非標識アデノシン三リン酸(ATP)および0.5μCiの[γ−33P]標識ATP(2500Ci/mmole以上)を添加して、30℃で20分間反応させた。その後、10μLの350mMリン酸バッファーを反応系に添加して反応を停止させた。基質ペプチドをP81ペーパーフィルタ−96ウエルプレートに吸着させた後、130mMリン酸バッファーで数回洗浄し、その放射活性を液体シンチレーションカウンターで測定した。[γ−33P]標識ATPはアマシャムバイオサイエンス社から購入した。
被検化合物の反応系への添加は、まず化合物のジメチルスルホキシド(DMSO)希釈系列を調製し、それを1.1μL加えることで行った。反応系へDMSOを1.1μL加えたものを対照とした。
オーロラB阻害作用
(1)オーロラBの精製
アミノ末端にヒスチジンタグを融合したオーロラBのcDNAを発現ベクターに組み込み大腸菌BL21−CodonPlus(DE3)−RIL株で高発現させた。大腸菌を回収して可溶化した後、ヒスチジンタグ付加オーロラBタンパク質をニッケルキレートカラムに吸着させ、イミダゾールでカラムから溶出し、活性画分を脱塩カラムで脱塩し精製酵素とした。
(2)オーロラBの活性測定
オーロラBの活性測定において、基質は合成ペプチドであるケンプチド(Kemptide; Leu−Arg−Arg−Ala−Ser−Leu−Gly)(SEQ.ID.NO.:1)をシグマ社より購入して用いた[Certificate of analysis(upstate)]。
反応はオーロラAの活性測定方法を一部改変して行った。反応液量は21.1μLで、反応バッファー(R2バッファー)の組成は50mMトリス−塩酸バッファー(pH7.4)/15mM酢酸マグネシウム/0.2mMエチレンジアミン−N、N,N’,N’−四酢酸(EDTA)で、そこに精製したオーロラBと100μMの基質ペプチドと100μMの非標識アデノシン三リン酸(ATP)および1μCiの[γ−33P]標識ATP(2500Ci/mmole以上)を添加して、30℃で20分間反応させた。その後、10μLの350mMリン酸バッファーを反応系に添加して反応を停止させた。基質ペプチドをP81ペーパーフィルタ−96ウエルプレートに吸着させた後、130mMリン酸バッファーで数回洗浄し、その放射活性を液体シンチレーションカウンターで測定した。[γ−33P]標識ATPはアマシャムバイオサイエンス社から購入した。
被検化合物の反応系への添加は、まず化合物のジメチルスルホキシド(DMSO)希釈系列を調製し、それを1.1μL加えることで行った。反応系へDMSOを1.1μL加えたものを対照とした。
本発明に係る化合物は、表1に示されるように優れたオーロラA選択的阻害活性作用を示す。
Figure 0005161072
次に、本発明に係る一般式(I)の化合物の細胞増殖抑制作用について以下説明する。
細胞を用いた薬剤効果判定方法
a)試薬
牛胎児血清(FCS)はモルゲート社から、DMEM培地はインビトロジェン社から入手した。WST−8は、キシダ化学株式会社から購入した。
b)細胞
ヒト子宮頸がん細胞(HeLa S3)は、アメリカン タイプ カルチャ コレクション(American Type Culture Collection;ATCC)より入手した。
c)効果判定法
細胞を10%FCS添加DMEM培地に懸濁し、1穴あたり750個/100マイクロリットルの細胞懸濁液を96穴プラスチックプレートに分注した。37℃、5%CO−95%空気中で1晩培養した。薬剤をジメチルスルホキシドにて段階希釈しさらに10%FCS添加DMEM培地で希釈した後、あらかじめ細胞を播いておいたプレートに100マイクロリットルずつ分注した。さらに3日間、37℃、5%CO−95%空気中で培養した。培養後細胞の増殖はWST−8法(H.Tominaga,et al.,Anal.Commun.,36,47−50(1999))により測定した。ここで、WST−8法とは、各穴に20マイクロリットルのWST−8試薬溶液を加え、45分間37℃で培養を続けてから、プレートを攪拌後、生成されたフォルマザンの量を比色法にて測定し、薬剤の阻害率を求める方法である。化合物の50%増殖阻止濃度(EC50,μM)を求めた。
本発明に係る化合物は、表2に示されるようにヒト由来の癌細胞(HeLa S3)に対し優れた細胞増殖抑制効果を示す。
Figure 0005161072
細胞を用いた薬剤併用効果判定方法
a)試薬
牛胎児血清(FCS)はモルゲート社から、DMEM培地はインビトロジェン社から、パクリタキセル(商品名タキソール)は、シグマ社からそれぞれ入手した。WST−8は、キシダ化学株式会社から購入した。
b)細胞
ヒト子宮頸がん細胞(HeLa S3)は、アメリカン タイプ カルチャ コレクション(American Type Culture Collection;ATCC)より入手した。
c)効果判定法
細胞を10%FCS添加DMEM培地に懸濁し、1穴あたり750個/100マイクロリットルの細胞懸濁液を96穴プラスチックプレート2枚に分注した。37℃、5%CO−95%空気中で1晩培養した。薬剤をジメチルスルホキシドにて段階希釈しさらにDMSOまたは2nMパクリタキセルを含む10%FCS添加DMEM培地で希釈した後、あらかじめ細胞を播いておいたプレート各1枚に100マイクロリットルずつ分注した、このときのパクリタキセルの終濃度は1nMである。また、本発明に係る化合物の単独投与の場合の濃度は、0.03、0.1、0.3、1及び3μMである。さらに3日間、37℃、5%CO−95%空気中で培養した。培養後細胞の増殖はWST−8法(H.Tominaga,et al.,Anal.Commun.,36,47−50(1999))により測定した。ここで、WST−8法とは、各穴に20マイクロリットルのWST−8試薬溶液を加え、45分間37℃で培養を続けてから、プレートを攪拌後、生成されたフォルマザンの量を比色法にて測定し、薬剤の阻害率を求める方法である。DMSO単独処理の際の値を0%としたときのパクリタキセルおよび本発明に係る化合物の増殖阻害効果を求めた。
本発明に係る化合物は、表3に示されるように、ヒト由来の癌細胞(HeLa S3)に対し、優れた細胞増殖抑制効果を示すと共に、パクリタキセルと相乗作用を示す。
Figure 0005161072
以上より、本発明に係る化合物は、優れたオーロラA選択的阻害活性に基づく細胞増殖抑制作用のみならず、他の抗がん剤との併用により相乗作用を示すので、抗がん剤として有用であると考えられる。即ち、本発明に係る新規アミノピリジン誘導体又はその薬学的に許容し得る塩若しくはエステルを含む医薬組成物及びオーロラA選択的阻害剤、或いは、本発明に係る化合物又はその薬学的に許容し得る塩若しくはエステルを含む抗がん剤は、がん患者の治療において有効と考えられる。
また、該医薬組成物及び該阻害剤並びに該抗がん剤は、薬学的に許容できる担体又は希釈剤を含んでいてもよい。ここで、「薬学的に許容できる担体又は希釈剤」は、賦形剤〔例えば、脂肪、蜜蝋、半固体及び液体のポリオール、天然若しくは硬化オイルなど〕; 水(例えば、蒸留水、特に、注射用蒸留水など)、生理学的食塩水、アルコール(例えば、エタノール)、グリセロール、ポリオール、ブドウ糖水溶液、マンニトール、植物オイルなど;添加剤〔例えば、増量剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、湿潤剤、安定剤、乳化剤、分散剤、保存剤、甘味料、着色剤、調味料若しくは芳香剤、濃化剤、希釈剤、緩衝物質、溶媒若しくは可溶化剤、貯蔵効果を達成するための薬剤、浸透圧を変えるための塩、コーティング剤、又は抗酸化剤〕などを意味する。
また、本発明に係る化合物の治療効果が期待される好適な腫瘍としては、例えばヒトの固形がん等が挙げられる。ヒトの固形がんとしては、例えば、脳がん、頭頸部がん、食道がん、甲状腺がん、小細胞がん、非小細胞がん、乳がん、胃がん、胆のう・胆管がん、肝がん、膵がん、結腸がん、直腸がん、卵巣がん、絨毛上皮がん、子宮体がん、子宮頸がん、腎盂・尿管がん、膀胱がん、前立腺がん、陰茎がん、睾丸がん、胎児性がん、ウイルムスがん、皮膚がん、悪性黒色腫、神経芽細胞腫、骨肉腫、ユ−イング腫、軟部肉腫などが挙げられる。
次に、上述した「その薬学的に許容し得る塩もしくはエステル」について説明する。
本発明に係る化合物は、抗がん剤などとして使用される場合には、その薬学的に許容しうる塩としても使用することができる。薬学的に許容しうる塩の典型例としては、例えばナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、過塩素酸塩等の無機酸塩;例えば酢酸塩、プロピオン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、フマール酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩等の有機酸塩;例えばメタンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;例えばアスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等の酸性アミノ酸塩等を挙げることができる。前記式(I)の化合物の塩は、好ましくは、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、過塩素酸塩等の無機酸塩である。
本発明に係る化合物の薬学的に許容しうる塩の製造法は、有機合成化学分野で通常用いられる方法を適宜組み合わせて行うことができる。具体的には、本発明に係る化合物の遊離型の溶液をアルカリ溶液あるいは酸性溶液で中和滴定すること等が挙げられる。
本発明に係る化合物のエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステルなどを挙げることができる。これらのエステルは遊離カルボキシ基を常法に従ってエステル化して製造することができる。
本発明に係る組み合わせ製剤中の各製剤は、各種の形態を選択することができ、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤若しくは液剤等の経口製剤、或いは、例えば溶液若しくは懸濁液等の殺菌した液状の非経口製剤、坐剤、軟膏剤等が挙げられる。
固体の製剤は、そのまま錠剤、カプセル剤、顆粒剤又は粉末の形態として製造することもできるが、適当な担体(添加物)を使用して製造することもできる。そのような担体(添加物)としては、例えば乳糖若しくはブドウ糖等の糖類; 例えばトウモロコシ、小麦若しくは米等の澱粉類; 例えばステアリン酸等の脂肪酸; 例えばメタケイ酸アルミン酸マグネシウム若しくは無水リン酸カルシウム等の無機塩; 例えばポリビニルピロリドン若しくはポリアルキレングリコール等の合成高分子; 例えばステアリン酸カルシウム若しくはステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸塩; 例えばステアリルアルコール若しくはベンジルアルコール等のアルコール類; 例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース若しくはヒドロキシプロピルメチルセルロース等の合成セルロース誘導体; その他、ゼラチン、タルク、植物油、アラビアゴム等通常用いられる添加物が挙げられる。
これらの錠剤、カプセル剤、顆粒剤及び粉末等の固形製剤は一般的には、製剤全体の重量を基準として、例えば、上記式(I)で示される化合物0.1〜100重量%、好ましくは5〜98重量%の有効成分を含んでいてもよい。
液状製剤は、水、アルコール類又は例えば大豆油、ピーナツ油、ゴマ油等の植物由来の油等の液状製剤において通常用いられる適当な添加物を使用し、懸濁液、シロップ剤、注射剤、点滴剤(静脈内輸液)等の形態として製造される。
特に、非経口的に筋肉内注射、静脈内注射又は皮下注射の形で投与する場合の適当な溶剤又は希釈剤としては、例えば注射用蒸留水、塩酸リドカイン水溶液(筋肉内注射用)、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、静脈内注射用液体(例えばクエン酸及びクエン酸ナトリウム等の水溶液)若しくは電解質溶液(点滴静注及び静脈内注射用)等、又はこれらの混合溶液が挙げられる。
これらの注射剤は予め溶解したものの他、粉末のまま或いは適当な担体(添加物)を加えたものを用時溶解する形態もとり得る。これらの注射液は、製剤全体の重量を基準として、例えば、0.1〜10重量%の有効成分を含むことができる。
また、経口投与用の懸濁剤、シロップ剤等の液剤は、製剤全体の重量を基準として、例えば、0.1〜10重量%の有効成分を含むことができる。
本発明に係る組み合わせ製剤中のそれぞれの製剤はまた、常法或いは慣用技術に従っても、当業者が容易に製造することができる。例えば、上記一般式(I)で示される化合物と併用される他の抗がん剤を含む製剤は、それが経口製剤の場合、例えば、該抗がん剤適量と、乳糖適量を混合し、経口投与に適した硬ゼラチンカプセルに詰めることにより製造することができる。一方、該抗がん剤を含む製剤が注射剤の場合は、例えば、該抗がん剤適量を0.9%生理食塩水適量と混合し、この混合物を注射用バイアルに詰めることにより製造することができる。
また、本発明に係る上記一般式(I)で示される化合物と他の抗がん剤を含む合剤の場合にも、常法或いは慣用技術に従って、当業者が容易に製造することができる。
本発明に係る方法において、好ましい治療単位は、上記一般式(I)で示される化合物の投与形態、使用される上記一般式(I)で示される化合物の種類、使用される上記一般式(I)で示される化合物の剤型; 併用される他の抗がん剤の種類、投与形態、剤型など;及び治療されるがん細胞、患者の状態などによって変化してもよい。所定の条件において最適な治療は、慣用の治療決定単位を基にして、及び/又は、本明細書を考慮して、当業者が決定することができる。
本発明に係る方法において、上記一般式(I)で示される化合物の治療単位は、具体的に言うと、使用される化合物の種類、配合された組成物の種類、適用頻度及び治療すべき特定部位、病気の軽重、患者の年令、医師の診断、がんの種類等によって変えることができるが、一応の目安として、例えば、1日当たりの成人1人当りの投与量は、経口投与の場合、例えば、1ないし1000mgの範囲内とすることができる。また非経口投与、好ましくは静脈内投与、さらに好ましくは点滴静注の場合、例えば、1日当たり1ないし100mg/m(体表面積)の範囲内とすることができる。ここで、点滴静注の場合、例えば、1〜48時間連続して投与してもよい。なお、投与回数は、投与方法及び症状により異なるが、例えば、1日1回ないし5回である。また、隔日投与、隔々日投与などの間けつ投与等の投与方法でも用いることができる。非経口投与の場合の治療の休薬期間は、例えば、1〜6週間である。
また、上記一般式(I)で示される化合物と併用される他の抗がん剤の治療単位は、特に限定されないが、公知文献などにより当業者が必要に応じて決定することができる。例えば、以下に示す通りである。
5−フルオロウラシル(5−FU)の治療単位は、経口投与の場合、例えば、1日200〜300mgを1〜3回に連日投与し、注射剤の場合は、例えば、1日5〜15mg/kgを最初の5日間連日1日1回静注又は点滴静注し、以後、5〜7.5mg/kgを隔日に1日1回静注又は点滴静注する(投与量は、適宜増減してもよい)。
S−1(テガフール・ギメスタット・オスタットカリウム)の治療単位は、例えば、初回投与量(1回量)を体表面積に合わせて次の基準量とし、朝食後及び夕食後の1日2回、28日間連日経口投与し、その後14日間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。体表面積当たりの初回基準量(テガフール相当量)は、1.25m2未満:40mg/回、1.25m2以上〜1.5m2未満:50mg/回、1.5m2以上:60mg/回であり、患者の状態により適宜増減する。
ゲムシタビンの治療単位は、例えば、ゲムシタビンとして1回1g/m2を30分かけて点滴静注し、週1回投与を3週連続し、4週目は休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。年齢、症状又は副作用の発現に応じて適宜減量する。
ドキソルビシン(例えば、塩酸ドキソルビシン)の治療単位は、静脈内注射の場合、例えば、1日1回10mg(0.2mg/kg)(力価)で4〜6日間連日静脈内ワンショット投与後、7〜10日間休薬し、これを1コースとし、2〜3コース繰り返す。ここで、総投与量は、500mg(力価)/m2(体表面積)以下が好ましく、その範囲内で適宜増減してもよい。
エトポシドの治療単位は、静脈内注射の場合、例えば、1日60〜100mg/m2(体表面積)で5日間連続投与し、3週間休薬する(投与量は、適宜増減してもよい)。これを1コースとして繰り返す。一方、経口投与の場合は、例えば、1日175〜200mgを5日間連続投与し、3週間休薬する(投与量は、適宜増減してもよい)。これを1コースとして繰り返す。
ドセタキセル(ドセタキセル水和物)の治療単位は、例えば、1日1回、ドセタキセルとして60mg/m2(体表面積)を1時間以上かけて3〜4週間間隔で点滴静注する(投与量は、適宜増減することができる)。
パクリタキセルの治療単位は、例えば、1日1回210mg/m2(体表面積)を3時間かけて点滴静注し、少なくとも3週間休薬する。これを1コースとして、繰り返す。投与量は適宜増減することができる。
シスプラチンの治療単位は、静脈内注射の場合、例えば、1日1回50〜70mg/m2(体表面積)で投与し、3週間以上休薬する(投与量は、適宜増減してもよい)。これを1コースとして繰り返す。
カルボプラチンの治療単位は、例えば、1日1回300〜400mg/m2を30分以上かけて点滴静注し、少なくとも4週間休薬する(投与量は適宜増減してもよい)。これを1コースとして繰り返す。
オキザリプラチンの治療単位は、1日1回85mg/m2を静注し、2週間休薬し、これを1コースとして繰り返す。
イリノテカン(例えば、塩酸イリノテカン)の治療単位は、例えば、1日1回100mg/m2、1週間間隔で3〜4回点滴静注し、少なくとも2週間休薬する。
トポテカンの治療単位は、例えば、1日1回1.5mg/m2を5日間点滴静注し、少なくとも3週間休薬する。
シクロホスファミドの治療単位は、静脈内注射の場合、例えば、1日1回100mg連日静注し、患者が耐えられる場合は1日200mgに増量してもよく、総量で3000〜8000mg投与するが、適宜増減してもよい。また必要に応じて筋肉内、胸腔内、又は腫瘍内に注射又は注入してもよい。一方、経口投与の場合は、例えば、1日100〜200mgで投与する。
ゲフィチニブの治療単位は、例えば、1日1回250mgを経口投与する。
セツキシマブの治療単位は、例えば、第1日目に400mg/m2を点滴静注し、その後250mg/m2を毎週点滴静注する。
ベバシズマブの治療単位は、例えば、3mg/kgを毎週点滴静注する。
トラスツズマブの治療単位は、例えば、通常、成人に対して1日1回、トラスツズマブとして初回投与時には4mg/kg(体重)を、2回目以降は2mg/kgを90分以上かけて1週間間隔で点滴静注する。
エキセメスタンの治療単位は、例えば、通常、成人には1日1回25mgを食後に経口投与する。
リュープロレリン(例えば、酢酸リュープロレリン)の治療単位は、例えば、通常、成人には12週に1回として11.25mgを皮下に投与する。
イマチニブの治療単位は、例えば、通常、慢性骨髄性白血病の慢性期の成人には1日1回400mgを食後に経口投与する。
5−FUとロイコボリンを組み合わせた場合の治療単位は、例えば、第1日目から第5日目に5−FU 425mg/m2、ロイコボリン 200mg/m2を点滴静注し、これを4週間間隔で繰り返す。
ソラフェニブの治療単位は、例えば、食前少なくとも1時間前、或いは、食後少なくとも2時間後、1日2回各200mg(1日あたり400mg)を経口投与する。
スニチニブの治療単位は、例えば、1日1回50mgを4週間経口投与をし、2週間休薬する。
実施例および参考例の薄層クロマトグラフィーは、プレートとしてSilicagel60254(Merck)を、検出法としてUV検出器を用いた。カラム用シリカゲルとしては、WakogelTMC−300又はC−200(和光純薬)又はNH(FUJI SILYSIA CHEMICAL)を用いた。逆相分取液体クロマトグラフィーは、CombiPrep Pro C18(YMC)をカラムに用い、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液、0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を移動相に用いた。MSスペクトルは、JMS−SX102A(日本電子(JEOL))又はQUATTROII(マイクロマス)を用いて測定した。NMRスペクトルは、Gemini−200(200MHz;Varian)、Gemini−300(300MHz;Varian)、VXR−300(300MHz;Varian)、Mercury400(400MHz;Varian)、またはInova400(400MHz;Varian)型スペクトロメータを用いて測定し、全δ値をppmで示した。
NMR測定における略号の意味を以下に示す。
s:シングレット
d:ダブレット
dd:ダブル ダブレット
t:トリプレット
dt:ダブル トリプレット
q:クァルテット
qui:クインテット
m:マルチプレット
br:ブロード
J:カップリング定数
Hz:ヘルツ
DMSO−d:重ジメチルスルホキシド
TBS:tert−ブチルジメチルシリル基
Ms:メタンスルホニル基
SEM:2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基
MOM:メトキシメチル基
THP:テトラヒドロピラン−2−イル基
Boc:tert−ブトキシカルボニル基
実施例1
2−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−6−メチル−N−1H−ピラゾール−3−イルピリミジン−4−アミンの合成
(1)N−(1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−クロロ−6−メチルピリミジン−4−アミンの合成
Figure 0005161072
2,4−ジクロロ−6−メチルピリミジン9.70g、参考例1で得られた1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−アミン4.50g、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン1.79g、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)−クロロホルム錯体1.60g、リン酸カリウム13.27g、1,4−ジオキサン100mlの混合物を100度にて12時間撹拌し、室温に戻した後、酢酸エチルにて希釈した。不溶物をセライトにて濾別した後、得られた酢酸エチル溶液を水、飽和食塩水にて洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=9/1〜1/1)にて精製し、表題化合物を得た。
(2)4−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)−6−メチルピリミジン−2−カルボン酸メチルエステルの合成
Figure 0005161072
N−(1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−クロロ−6−メチルピリミジン−4−アミン1.93g、酢酸パラジウム328mg、1,1’−ビスジフェニルホスフィノフェロセン804mg、炭酸水素ナトリウム920mg、メタノール20ml、N,N−ジメチルホルムアミド20mlの混合物を、一酸化炭素加圧下(3気圧)、100度にて16時間撹拌し、室温に戻した後、酢酸エチルにて希釈した。不溶物をセライトにて濾別した後、得られた酢酸エチル溶液を水、飽和食塩水にて洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=7/1〜0/1)にて精製し、表題化合物を得た。
(3)(4−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)−6−メチルピリミジン−2−イル)メタノールの合成
Figure 0005161072
4−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)−6−メチルピリミジン−2−カルボン酸メチルエステル1.3g、メタノール13mlの混合物に、水素化ほう酸ナトリウム341mgを加え、室温にて24時間撹拌した。反応混合物に水を加えた後、酢酸エチルにて抽出し、得られた酢酸エチル溶液を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、濾過し、濾液を濃縮し、表題化合物を得た。
(4)N−(1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−6−メチルピリミジン−4−アミンの合成
Figure 0005161072
(4−((1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)−6−メチルピリミジン−2−イル)メタノール56mg、N,N−ジイソプロピルエチルアミン112μl、クロロホルム1.5mlの混合物に室温にて塩化メタンスルホニル22μlを加え、4時間撹拌した。参考例2に準じた方法で得られた(1S,4S)−2−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン60mgを加え、60度にて16時間撹拌した。得られた反応混合物を重曹水、飽和食塩水にて洗浄し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、濾過後、濾液を減圧濃縮し表題化合物を得た。
(5)2−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−6−メチル−N−1H−ピラゾール−3−イルピリミジン−4−アミンの合成
Figure 0005161072
N−(1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−6−メチルピリミジン−4−アミン101mgをぎ酸1mlに溶解し、100度にて3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮後、酢酸エチルで希釈した後、飽和重曹水、水及び飽和食塩水で洗浄した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣を逆相分取液体クロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得た。
表題化合物の塩酸塩のスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(CDOD)δ:7.76−7.55(m,2H),7.54−7.45(m,1H),7.34(t,J=7.6Hz,1H,),7.14−6.82(br,1H),6.39−6.22(m,1H),5.09−4.40(m,4H),4.05−3.48(m,4H),2.50−2.46(3H,m),2.45−2.22(m,2H)
mass:442 (M+1)
以下、実施例2〜9を上記実施例1と同様の方法で合成した。
実施例2
2−(((1S,4S)−5−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−6−メチル−N−1H−ピラゾール−3−イルピリミジン−4−アミンの合成
H−NMR(CDCl)δ:8.45−8.00(br,1H),7.72−7.61(m,2H),7.51(dd,J=7.3,2.4Hz,1H),7.32(t,J=8.0Hz,1H),6.87(s,1H),6.28and6.21(eachd,J=2.4Hz,total1H),4.94−2.80(m,8H),2.41−2.36(m,3H),2.15−2.04(m,1H),1.90−1.80(m,1H).
mass:476 (M+1)
実施例3
2−(((1S,4S)−5−(2,3−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−6−メチル−N−1H−ピラゾール−3−イルピリミジン−4−アミンの合成
mass:458(M+1)
実施例4
2−(((1S,4S)−5−(3−ブロモ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−6−メチル−N−1H−ピラゾール−3−イルピリミジン−4−アミンの合成
mass:486,488(M+1)
実施例5
2−(((1R,4R)−5−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−6−メチル−N−1H−ピラゾール−3−イルピリミジン−4−アミンの合成
mass:476(M+1)
実施例6
2−(((1S,4S)−5−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−1H−ピラゾール−3−イルピリミジン−4−アミンの合成
H−NMR(CDCl)δ:8.31(dd,J=10.7,5.9Hz,1H),8.40−7.95(br,1H),7.80−7.60(m,2H),7.52(d,J=5.4Hz,1H),7.35−7.28(m,1H),7.00(s,1H),6.24(d,J=13.7Hz,1H),4.94−1.95(m,8H),1.90−1.51(m,2H).
mass:462(M+1)
実施例7
2−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−6−メチル−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−アミンの合成
H−NMR(CDCl)δ:7.62−7.40(m,2H),7.40−7.22(m,1H),7.15(t,J=7.8Hz,1H),7.02−6.88(m,1H),5.99and5.92(each s,total1H),4.93−3.73(m,5H),3.62−3.50(m,1H),3.29−2.80(m,2H),2.45−2.28(m,6H),2.20−1.90(m,1H),1.85(d,J=10.7Hz,1H).
mass:456(M+1)
実施例8
2−(((1S,4S)−5−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−6−メチル−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−アミンの合成
H−NMR(CDCl)δ:7.80−7.50(m,3H),7.32(t,J=7.8Hz,1H),6.98−6.88(br,1H),5.98and5.92(each s,total1H),4.94−3.74(m,5H),3.62−3.50(m,1H),3.31−2.76(m,2H),2.43−2.28(m,6H),2.17−2.04(m,1H),1.85(d,J=9.3Hz,1H).
mass:490(M+1)
実施例9
2−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−アミンの合成
H−NMR(CDCl)δ:8.30(t,J=7.1Hz,1H),8.10−7.50(br,1H),7.48−7.43(m,1H),7.32(t,J=6.8Hz,1H),7.15(t,J=7.8Hz,1H),7.02(s,1H),6.10and5.95(each s,total1H),4.92−2.72(m,8H),2.38−2.25(m,3H),2.18−2.07(m,1H),1.88−1.70(m,1H).
mass:442 (M+1)
実施例10
6−(((1S,4S)−5−(2,3−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−1H−ピラゾール−3−イルピラジン−2−アミンのトリフルオロ酢酸塩の合成
(1)6−クロロ−N−(1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピラジン−2−アミンの合成
Figure 0005161072
2,6−ジクロロピラジン1.78g、参考例3で得られた1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−アミン2.84g、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン690mg、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)−クロロホルム錯体620mg、リン酸カリウム5.07g、1,4−ジオキサン25mlの混合物を100度にて2時間撹拌し、室温に戻した後、酢酸エチルにて希釈した。不溶物をセライトにて濾別した後、得られた酢酸エチル溶液を水、飽和食塩水にて洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=10/1〜1/1)にて精製し、表題化合物を得た。
(2)6−((1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピラジン−2−カルボン酸メチルエステルの合成
Figure 0005161072
6−クロロ−N−(1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピラジン−2−アミン2.41g、酢酸パラジウム320mg、1,1’−ビスジフェニルホスフィノフェロセン790mg、炭酸水素ナトリウム890mg、メタノール10ml、N,N−ジメチルホルムアミド10mlの混合物を、一酸化炭素加圧下(3気圧)、100度にて15時間撹拌し、室温に戻した後、酢酸エチルにて希釈した。不溶物をセライトにて濾別した後、得られた酢酸エチル溶液を水、飽和食塩水にて洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=10/1〜1/1)にて精製し、表題化合物を得た。
(3)6−((1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピラジン−2−カルボン酸の合成
Figure 0005161072
6−((1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル52mg、テトラヒドロフラン0.5ml、メタノール1mlの混合物に水酸化ナトリウム水溶液(1.0M、0.5ml)を加え、室温にて15時間撹拌した。得られた反応液を酢酸エチルにて希釈した後、塩化アンモニウム水溶液、飽和食塩水にて洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、濾過し、濾液を濃縮し、表題化合物を得た。
(4)(6−((1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピラジン−2−イル)メタノールの合成
Figure 0005161072
6−((1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピラジン−2−カルボン酸28mg、N,N−ジメチルホルムアミド1mlの混合物に、N,N’−カルボニルジイミダゾール84mgを加え、室温にて15時間撹拌した後、水素化ほう酸ナトリウム20mgの水溶液200μlを加え、撹拌した。反応混合物に水を加えた後、酢酸エチルにて抽出し、得られた酢酸エチル溶液を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム〜クロロホルム/メタノール=10/1)にて精製し、表題化合物を得た。
(5)6−(((1S,4S)−5−(2,3−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−(1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピラジン−2−アミンの合成
Figure 0005161072
(6−((1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピラジン−2−イル)メタノール16mg、N,N−ジイソプロピルエチルアミン42μl、クロロホルム1mlの混合物に室温にて塩化メタンスルホニル11μlを加え、3時間撹拌した。反応混合物にN,N−ジイソプロピルエチルアミン42μlを加えた後、参考例2で得られた(1S,4S)−2−(2,3−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタンの塩酸塩62mgを加え、50度にて16時間撹拌した。得られた反応混合物を重曹水、飽和食塩水にて洗浄し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、濾過後、濾液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム〜クロロホルム/メタノール=20/1)で精製し、表題化合物を得た。
(6)6−(((1S,4S)−5−(2,3−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−1H−ピラゾール−3−イルピラジン−2−アミンの合成
Figure 0005161072
6−(((1S,4S)−5−(2,3−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−(1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピラジン−2−アミン19mgをトリフルオロ酢酸1mlと水0.1mlに溶解し、室温で15時間撹拌した。反応液を減圧濃縮後、酢酸エチルで希釈した後、飽和重曹水、水及び飽和食塩水で洗浄した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム〜クロロホルム/メタノール=5/1)で精製し、表題化合物を得た。
表題化合物のスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(CDCl)δ:8.52−8.47(m,1H),8.14(s,1H),7.76−7.69(m,1H),7.57−7.49(m,4H),6.35−6.27(m,1H),5.38−3.13(m,8H),2.38−1.70(m,2H),
mass:444(M+1)
以下、実施例11〜20を上記実施例10と同様の方法で合成した。
実施例11
6−(((1R,4R)−5−(2,3−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−1H−ピラゾール−3−イルピラジン−2−アミンの合成
mass:444(M+1)
実施例12
6−(((1R,4R)−5−(2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−1H−ピラゾール−3−イルピラジン−2−アミンの合成
mass:478(M+1)
実施例13
6−(((1R,4R)−5−(3−ブロモ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−1H−ピラゾール−3−イルピラジン−2−アミンの合成
mass:472,474(M+1)
実施例14
6−(((1R,4R)−5−(2−シアノ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−1H−ピラゾール−3−イルピラジン−2−アミンの合成
mass:469(M+1)
実施例15
6−(((1S,4S)−5−(3−ブロモ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピラジン−2−アミンの合成
mass:486,488(M+1)
実施例16
6−(((1S,4S)−5−(2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピラジン−2−アミンの合成
mass:492(M+1)
実施例17
6−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−シアノベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピラジン−2−アミンの合成
mass:449(M+1)
実施例18
6−(((1S,4S)−5−(2−シアノ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピラジン−2−アミンの合成
mass:483(M+1)
実施例19
6−(((1R,4R)−5−(3−ブロモ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピラジン−2−アミンの合成
mass:486,488(M+1)
実施例20
6−(((1R,4R)−5−(2,3−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピラジン−2−アミンの合成
mass:458(M+1)
実施例21
2−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N,N−ジメチル−6−(1,3−チアゾール−2−イルアミノ)イソニコチン酸アミドの合成
(1)4−ブロモピリジン−2,6−ジカルボン酸ジメチルエステルの合成
Figure 0005161072
テトラヘドロン レターズ(Tetrahedron Letters)2001年、第42巻29号、4849頁の方法によって合成した4−ブロモピリジン−2,6−ジカルボン酸7.38g、塩酸−メタノール試薬10ml、メタノール100mlの混合物を室温にて15時間撹拌した後、減圧濃縮した。残渣に酢酸エチルを加え、飽和食塩水−飽和重曹水(1:1)の混合液にて3回洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。濾過後、減圧濃縮し、表題化合物を得た。
(2)4−ブロモ−6−(メトキシカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸の合成
Figure 0005161072
4−ブロモピリジン−2,6−ジカルボン酸ジメチルエステル6.09g、水酸化カリウム1.08g、メタノール200ml、塩化メチレン20mlの混合物を室温にて3時間撹拌し、ジエチルエーテル200mlを加えた。生じた白色固体を濾取後、エーテルにて洗浄した。得られた白色固体を水に溶解した後、塩酸(2M)12mlを加え、クロロホルムにて抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。濾過後、減圧濃縮し、表題化合物を得た。
(3)4−ブロモ−6−tert−ブトキシカルボニルアミノピリジン−2−カルボン酸メチルエステルの合成
Figure 0005161072
4−ブロモ−6−(メトキシカルボニル)ピリジン−2−カルボン酸4.62g、トリエチルアミン2.97ml、t−ブタノール25ml、1,4−ジオキサン70mlの混合物に室温にてジフェニルホスホリルアジド4.59mlを加えた。反応混合物を3時間加熱還流した後、室温に戻し、水を加え、酢酸エチルにて抽出した。得られた酢酸エチル溶液を水、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、濾過後、減圧濃縮し、表題化合物を得た。
(4)6−アミノ−4−ブロモピリジン−2−カルボン酸メチルエステルの合成
Figure 0005161072
4−ブロモ−6−t−ブトキシカルボニルアミノ−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル7.23gをクロロホルム30mlに溶解した後、トリフルオロ酢酸15mlを加え、室温にて1時間撹拌した。濃縮後、残渣を酢酸エチルに溶解し、飽和重曹水、飽和食塩水にて洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、濾過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム〜クロロホルム/メタノール=20/1)によって精製し、表題化合物を得た。
(5)6−(3−ベンゾイルチオウレイド)−4−ブロモピリジン−2−カルボン酸メチルエステル
Figure 0005161072
6−アミノ−4−ブロモピリジン−2−カルボン酸メチルエステル2.74gをテトラヒドロフラン15mlに溶解し、イソチオシアン酸ベンゾイル1.63mlを加え、室温にて13時間撹拌した。反応混合物にヘキサン40mlを加え、生じた固体を濾取し、ヘキサンにて洗浄した。得られた固体を減圧乾燥し、表題化合物を得た。
(6)4−ブロモ−6−(1,3−チアゾール−2−イルアミノ)ピリジン−2−カルボン酸メチルエステルの合成
Figure 0005161072
6−(3−ベンゾイルチオウレイド)−4−ブロモピリジン−2−カルボン酸メチルエステル2.37g、テトラヒドロフラン20ml、メタノール40mlの混合物に水酸化カリウム673mgを加えた。反応混合物を室温にて1.5時間撹拌した後、塩酸−メタノール溶液を加えて酸性とし、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を1,4−ジオキサン60mlに溶解し、40%クロロアセトアルデヒド水溶液3.53mlを加えた。反応混合物を1時間加熱還流した後、室温にて塩酸−メタノール溶液40ml、メタノール60mlを加え、終夜撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣をメタノール−ジエチルエーテルにて再結晶し、表題化合物を得た。
(7)4−ブロモ−6−((メトキシメチル)(1,3−チアゾール−2−イル)アミノ)ピリジン−2−カルボン酸メチルエステルおよび4−ブロモ−6−(((2Z)−3−(メトキシメチル)−(1,3−チアゾール−2(3H)−イリデン)アミノ)ピリジン−2−カルボン酸メチルエステルの合成
Figure 0005161072
4−ブロモ−6−(1,3−チアゾール−2−イルアミノ)ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル34.3g、及び、ジメチルホルムアミド440mlの混合液に、氷浴下にて水素化ナトリウム(60%、油性)5.29gを加え30分撹拌した。反応混合物にクロロメチルメチルエーテル9.9mlを加え、同温にて4時間撹拌した。反応混合物に水素化ナトリウム(60%、油性)4.52gおよびクロロメチルメチルエーテル8.3mlを加えさらに3時間撹拌した。、反応混合物を室温に戻し、飽和重曹水を加えた。生じた沈殿を濾別し、水で洗浄した。濾液および洗液を、酢酸エチルで抽出し、有機層を水および飽和食塩水にて洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濾過し、減圧濃縮した。得られた残渣と濾取した沈殿をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=9/1〜3/1)によって精製し、表題化合物を黄色固体として得た。
(8)(4−ブロモ−6−((メトキシメチル)(1,3−チアゾール−2−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メタノールの合成の合成
Figure 0005161072
4−ブロモ−6−((メトキシメチル)(1,3−チアゾール−2−イル)アミノ)ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル20.4gをテトラヒドロフラン290mlに溶解し、水素化ホウ素リチウムのテトラヒドロフラン溶液(2mol/l)29mlを加え、50度にて2時間撹拌した。氷浴下にて反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、得られた溶液を減圧濃縮した。残渣をクロロホルムで抽出し、得られた溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液にて洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、濾過し、濾液を減圧濃縮し、表題化合物を得た。
(9)4−ブロモ−6−(((tert−ブチル(ジメチル)シリル)オキシ)メチル)−N−(メトキシメチル)−N−1,3−チアゾール−2−イルピリジン−2−アミンの合成
Figure 0005161072
(4−ブロモ−6−((メトキシメチル)(1,3−チアゾール−2−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)メタノール18.5gをN,N−ジメチルホルムアミド110mlに溶解し、イミダゾール9.64gを加えた。氷冷下tert−ブチルジメチルシリルクロリド10.2gを加えた後、室温で3時間撹拌した。水を加えた後、反応液を酢酸エチルで抽出した。有機層を水と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、濾過し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=9/1〜4/1)によって精製し、表題化合物を無色固体として得た。
(10)2−(((tert−ブチル(ジメチル)シリル)オキシ)メチル)−6−((メトキシメチル)(1,3−チアゾール−2−イル)アミノ)イソニコチン酸メチルエステルの合成
Figure 0005161072
4−ブロモ−6−(((tert−ブチル(ジメチル)シリル)オキシ)メチル)−N−(メトキシメチル)−N−1,3−チアゾール−2−イルピリジン−2−アミンを用い、実施例1−(2)と同様の方法により、表題化合物を得た。
(11)2−(ヒドロキシメチル)−6−((メトキシメチル)(1,3−チアゾール−2−イル)アミノ)イソニコチン酸メチルエステルの合成
Figure 0005161072
2−(((tert−ブチル(ジメチル)シリル)オキシ)メチル)−6−((メトキシメチル)(1,3−チアゾール−2−イル)アミノ)イソニコチン酸メチルエステル201mg、クロロホルム3.2mlおよびメタノール3.2mlの混合物に氷浴下にてトリフルオロ酢酸3.2mlを加えた。室温にて2時間撹拌した後、反応混合物を濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解し、得られた溶液を重曹水および飽和食塩水にて洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、濾過し、減圧濃縮し、表題化合物を得た。
(12)2−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−6−((メトキシメチル)(1,3−チアゾール−2−イル)アミノ)イソニコチン酸メチルエステルの合成
Figure 0005161072
2−(ヒドロキシメチル)−6−((メトキシメチル)(1,3−チアゾール−2−イル)アミノ)イソニコチン酸メチルエステルを用い、実施例1−(5)と同様の方法により、表題化合物を得た。
(13)2−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−6−((メトキシメチル)(1,3−チアゾール−2−イル)アミノ)イソニコチン酸の合成
Figure 0005161072
2−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−6−((メトキシメチル)(1,3−チアゾール−2−イル)アミノ)イソニコチン酸メチルエステルを用い、実施例10−(3)と同様の方法により、表題化合物を得た。
(14)2−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−6−(1,3−チアゾール−2−イルアミノ)イソニコチン酸の合成
Figure 0005161072
2−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−6−((メトキシメチル)(1,3−チアゾール−2−イル)アミノ)イソニコチン酸33mgをトリフルオロ酢酸0.9mlと水0.1mlに溶解し、75度で2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、表題化合物を得た。
(15)2−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N,N−ジメチル−6−(1,3−チアゾール−2−イルアミノ)イソニコチンアミドの合成
Figure 0005161072
2−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−6−(1,3−チアゾール−2−イルアミノ)イソニコチン酸62mg、ジメチルアミン塩酸塩24mg、N,N−ジイソプロピルエチルアミン0.096ml、ジメチルスルホキシド0.55mlおよびクロロホルム1.1mlの混合物に、ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物28mgと1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩32mgを順次加えた。室温で24時間撹拌した後、反応混合物をクロロホルムで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、濾過し、濾液を濃縮した。 残渣を逆相分取液体クロマトグラフィーにて精製し、表題化合物を淡黄色固体として得た。
表題化合物のスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(CDCl)δ:7.51−7.43(m,2H),7.37−7.30(m,1H),7.21−7.15(m,1H),7.03 and 7.01(each s,total 1H),6.90−6.82(m,1H),6.80 and 6.79(each s,total 1H),4.93−3.19(m,6H),3.16−2.60(m,8H),2.07−1.95(m,1H),1.83(brd,J=9.6Hz,1H)
mass:515,517(M+1)
以下、実施例22−24を上記実施例21と同様の方法で合成した。
実施例22
2−(((1S,4S)−5−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N,N−ジメチル−6−(1,3−チアゾール−2−イルアミノ)イソニコチンアミドのトリフルオロ酢酸塩の合成
H−NMR(CDOD)δ:7.93−7.84(m,1H),7.80(brt,J=6.8Hz,1H),7.55−7.46(m,2H),7.28−7.20(m,2H),7.18−7.09(m,1H),5.16and4.85(each s,total1H),4.78−4.48(m,3H),4.06−3.66,(m,4H),3.13 and 3.11(each s,total3H),3.01 and 2.99(each s,total 3H),2.58−2.32(m,2H)
mass:549(M+1)
実施例23
2−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−シアノベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N,N−ジメチル−6−(1,3−チアゾール−2−イルアミノ)イソニコチンアミドのトリフルオロ酢酸塩の合成
H−NMR(CDOD)δ:7.84−7.72(m,2H),7.65−7.54(m,1H),7.46−7.38(m,1H),7.22(s,1H),7.12(s,1H),7.10−7.01(m,1H),5.20−4.51(m,4H),4.05−3.61,(m,4H),3.12 and 3.11(each s,total 3H),3.01 and 3.00(each s,total 3H),2.53−2.36(m,2H)
mass:522,524(M+1)
実施例24
2−(((1S,4S)−5−(2−シアノ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N,N−ジメチル−6−(1,3−チアゾール−2−イルアミノ)イソニコチンアミドの合成
H−NMR(CDCl)δ:7.89−7.76(m,2H),7.71(brt,J=7.6Hz,1H),7.49−7.43(m,1H),7.03(d,J=7.6Hz,1H),6.89−6.78(m,2H),5.03−3.76(m,3H),3.62(dd,J=12.0,2.0Hz,1H),3.51−2.74(m,10H),2.11−1.85(m,2H)
mass:556(M+1)
〔参考例〕
参考例1
1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−アミンの合成
Figure 0005161072
エタノール600mlにtert−ブチルヒドラジン塩酸塩59.94g、酢酸ナトリウム79.3g、2−クロロアクリロニトリル50mlを加え、80度にて12時間撹拌した。溶媒を留去したあと水を加え、炭酸水素ナトリウムで中和し、酢酸エチルにて抽出した。得られた有機層を飽和食塩水にて洗浄し、次いで、硫酸マグネシウムにて乾燥した。有機層を濾過後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2/1〜1/2)にて精製し、表題化合物を得た。
参考例2
(1S,4S)−2−(2,3−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタンの塩酸塩の合成
(1)(1S,4S)−5−(2,3−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルの合成
Figure 0005161072
(1S,4S)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル3.0g、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩3.2g、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール2.6g、2,3−ジクロロ安息香酸2.9g、クロロホルム60mlの混合物を室温にて17時間撹拌した。クロロホルムで希釈し、不溶物をセライトにて濾別した後、濾液を水、飽和食塩水にて洗浄した。得られた有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥し、濾過後、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=9/1〜1/1)にて精製し、表題化合物を得た。
(2)(1S,4S)−2−(2,3−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタンの塩酸塩の合成
Figure 0005161072
(1S,4S)−5−(2,3−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル5.5g、メタノール10mlの混合物に塩酸−1,4−ジオキサン溶液(4M、20ml)を加え、室温にて1.5時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣をジエチルエーテルに懸濁させた後、濾取し、表題化合物を得た。
参考例3
1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−アミンの合成
Figure 0005161072
1H−ピラゾール−3−アミン10gのN,N−ジメチルホルムアミド溶液100mlに、氷冷下、水素化ナトリウム(60%、油性)9.6gを加えた。反応混合物を30分間撹拌した後、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル クロライド21.3mlを加えた。得られた混合物を室温にて1時間撹拌した後、塩化アンモニウム水を加え、クロロホルムにて抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水にて洗浄した後、硫酸マグネシウムにて乾燥した。有機層を濾過後、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=4/1〜1/2)にて精製し、表題化合物を得た。
参考例4
5−メチル−1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−アミンの合成
Figure 0005161072
参考例3の方法に準じ、5−メチル−1H−ピラゾール−3−アミンから、表題化合物を得た。
参考例5
3−クロロ−2−シアノ安息香酸の合成
Figure 0005161072
米国特許第4900739号の実施例4の方法に準じて合成した3−クロロ−2−シアノ安息香酸メチルエステル430mg、メタノール22mlおよび水酸化ナトリウム水溶液(1mol/l)2.5mlの混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物に塩酸(5mol/l)を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。有機層を濾過後、減圧濃縮し、表題化合物を得た。
参考例6
2−シアノ−3−(トリフルオロメチル)安息香酸の合成
Figure 0005161072
参考例5の方法に準じ、3−(トリフルオロメチル)−2−シアノ安息香酸メチルエステル248mgから、表題化合物を得た。
本発明の化合物は、優れたオーロラA選択的阻害作用に基づく細胞増殖阻害作用及び他の抗がん剤との相乗作用を有することから医薬の分野において有用な抗腫瘍剤として期待される。
[配列表]
Figure 0005161072

Claims (19)

  1. 式:
    Figure 0005161072
    [式中、
    Rは、置換されてもよい、アリール基、ヘテロアリール基、又はシクロアルキル基であり;
    eは、水素原子又は低級アルキル基であり;
    は、CH、CX1a又はNであり(ここで、X1aは、置換されてもよい低級アルキル基である。);
    は、CH、CX2a又はNであり(ここで、
    2aは、低級アルキル基であるか;或いは、
    2aは、<置換基群A>から選択される置換基、又は<置換基群A>から選択される同一若しくは異なる置換基で1個若しくは2個以上置換される低級アルキル基であるか(ここで、<置換基群A>は、ハロゲン原子; シアノ基; ヒドロキシ基; 低級アルキルアミノ基; ジ低級アルキルアミノ基; ヒドロキシ基で1個若しくは2個以上置換されてもよい低級アルコキシ基; 低級アルキルチオ基; 及び低級アルキルスルホニル基、である。);或いは、
    2aは、COOR又はCONRであるか(ここで、
    は、水素原子又は置換されてもよい低級アルキル基であり;
    及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、置換されてもよい低級アルキル基又はシクロアルキル基であるか、或いは、R及びRは、これらが結合する窒素原子と一緒になって、置換されてもよいN、O及びSから選択される少なくとも1個の原子を含む5員環若しくは6員環の脂肪族複素環基を形成してもよい。);或いは、
    2aは、置換基を有してもよい、3員環ないし6員環のシクロアルキル基(ここで、該シクロアルキル基の同一炭素原子に結合する2個の水素原子は、オキソ基で置換されていてもよく、また、該シクロアルキル基の環を構成する隣接炭素原子が2重結合であってもよい。)、又は該シクロアルキル基で置換される低級アルキル基である。);
    は、CH、CX3a又はNであり(ここで、X3aは、置換されてもよい低級アルキル基である。);
    は、CH又はNであり;
    、X、X及びXのうち、Nであるものの数は1個ないし2個であり;
    1 は、CH又はNであるが、但し、Y1が、CHであり、Reが水素原子であるとき、当該2個の水素原子は、オキソ基で置換されてもよく;
    Wは、次の基:
    Figure 0005161072
    であり、ここで、
    は、CH、N、NH、O又はSであり;
    は、CH、CW2a、N、NW2b、O又はSであり(ここで、W2a及びW2bは、同一若しくは異なって、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1個ないし2個の低級アルキル基、炭素数3個ないし5個のシクロアルキル基、又はハロゲン原子で1個若しくは2個以上置換されてもよい炭素数1個ないし2個の低級アルキル基である。);
    は、C又はNであり;
    、W、及びWのうち少なくとも1個は炭素原子であるが、W、W、及びWのうち2個が、同時にO及びSであることはない]で示される化合物又はその薬学的に許容される塩。
  2. Wが、次のいずれかから選択されるものである、
    Figure 0005161072
    [式中、W 2a 及びW 2b は、請求項1に同じである]、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  3. Rが、フェニル基又はN、O及びSから選択される少なくとも1個の原子を含む5員環若しくは6員環の芳香族複素環基(ここで、当該フェニル基又は芳香族複素環基は、下記:
    1)低級アルキル基、
    2)<置換基群A>から選択される置換基、及び
    3)<置換基群A>から選択される置換基で置換される低級アルキル基
    から選択される同一若しくは異なる置換基で1個又は2個以上置換されていてもよく、
    <置換基群A>は、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、低級アルカノイル基、低級アルカノイルアミノ基、カルバモイル基、低級アルキルカルバモイル基、及び低級アルキルスルホニル基、である。)である、請求項2記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  4. が、CHであり;及び、Rが、水素原子である、請求項3記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  5. が、Nであり、かつ、XないしXのうちNであるものは、多くとも1個であり; 及び、Rが、その2位、3位が、ハロゲン原子、1個ないし3個のハロゲン原子で置換されてもよいメチル基、及びシアノ基から選択される同一若しくは異なる2個の置換基で置換されるフェニル基である、請求項4記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  6. Wが、次のいずれかから選択され、
    Figure 0005161072
    2aが、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、又はフッ素原子で1個ないし3個置換されてもよいメチル基である、請求項5記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  7. が、CHであり、Xが、CH又はCX2aであり、かつ、Xが、CHであるか;
    が、Nであり、Xが、CH又はCX2aであり、かつ、Xが、CHであるか;
    又は、
    が、CHであり、Xが、Nであり、かつ、Xが、CHであり;
    2aが、低級アルキル基、ハロゲン原子、CONR(ここで、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又は置換されてもよい低級アルキル基である。)、又は置換基を有してもよい3員環ないし6員環のシクロアルキル基である、請求項6記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  8. Rが、その2位、3位が同一若しくは異なるハロゲン原子で置換されるフェニル基であるか、又は、その2位、3位がそれぞれハロゲン原子、1個ないし3個のハロゲン原子で置換されるメチル基で置換されるフェニル基である、請求項7記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  9. (a)2−(((1S,4S)−5−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−1H−ピラゾール−3−イルピリミジン−4−アミン;
    (b)2−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−アミン;
    (c)2−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−6−メチル−N−1H−ピラゾール−3−イルピリミジン−4−アミン;
    (d)2−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N,N−ジメチル−6−(1,3−チアゾール−2−イルアミノ)イソニコチン酸アミド;又は、
    (e)6−(((1S,4S)−5−(2,3−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−1H−ピラゾール−3−イルピラジン−2−アミン、である化合物又はその薬学的に許容される塩。
  10. 薬学的に許容できる担体又は希釈剤と一緒に、請求項1記載の化合物1種以上を有効成分として含むことを特徴とする、医薬組成物。
  11. 薬学的に許容できる担体又は希釈剤と一緒に、請求項1記載の化合物1種以上を有効成分として含むことを特徴とする、オーロラA選択的阻害剤。
  12. 薬学的に許容できる担体又は希釈剤と一緒に、請求項1記載の化合物1種以上を有効成分として含むことを特徴とする、抗がん剤。
  13. がん治療において同時に、別々に、又は順次に投与するための組み合わせ製剤であって、2つの別個の製剤:
    * 薬学的に許容し得る担体又は希釈剤と一緒に、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩を含む製剤、並びに
    * 薬学的に許容し得る担体又は希釈剤と一緒に、抗がん性アルキル化剤、抗がん性代謝拮抗剤、抗がん性抗生物質、植物由来抗がん剤、抗がん性白金配位化合物、抗がん性カンプトテシン誘導体、抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤、モノクローナル抗体、インターフェロン、生物学的応答調節剤、及びその他抗がん剤からなる群から選択される抗がん剤又はその薬学的に許容し得る塩若しくはエステルを含む製剤(ここで、
    抗がん性アルキル化剤は、ナイトロジェン マスタード N−オキシド、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、ブスルファン、ミトブロニトール、カルボコン、チオテパ、ラニムスチン、ニムスチン、テモゾロミド又はカルムスチンであり、
    抗がん性代謝拮抗剤は、メトトレキサート、6−メルカプトプリンリボシド、メルカプトプリン、5−フルオロウラシル、テガフール、ドキシフルリジン、カルモフール、シタラビン、シタラビンオクホスファート、エノシタビン、S−1、ゲムシタビン、フルダラビン又はペメトレクスド ジソディウムであり、
    抗がん性抗生物質は、アクチノマイシンD、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ネオカルチノスタチン、ブレオマイシン、ペプロマイシン、マイトマイシンC、アクラルビシン、ピラルビシン、エピルビシン、ジノスタチンスチマラマー、イダルビシン、シロリムス、又はバルルビシンであり、
    植物由来抗がん剤は、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、エトポシド、ソブゾキサン、ドセタキセル、パクリタキセル、又はビノレルビンであり、
    抗がん性白金配位化合物は、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、又はオキザリプラチンであり、
    抗がん性カンプトテシン誘導体は、イリノテカン、トポテカン、又はカンプトテシンであり、
    抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤は、ゲフィチニブ、イマチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、ダザチニブ、又はエルロチニブであり、
    モノクローナル抗体は、セツキシマブ、リツキシマブ、ベバシズマブ、アレムツズマブ又はトラスツズマブであり、
    インターフェロンは、インターフェロンα、インターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、インターフェロンβ、インターフェロンγ−1a、又はインターフェロンγ−n1であり、
    生物学的応答調節剤は、クレスチン、レンチナン、シゾフィラン、ピシバニール、又はウベニメクスであり、そして、
    その他抗がん剤は、ミトキサントロン、L−アスパラギナーゼ、プロカルバジン、ダカルバジン、ヒドロキシカルバミド、ペントスタチン、トレチノイン、アレファセプト、ダルベポエチン アルファ、アナストロゾール、エキセムスタン、ビカルタミド、リュープロレリン、フルタミド、フルベストラント、ペガプタニブ オクタソディウム、デニリューキン ジフティトクス、アルデスリューキン、チロトロピン アルファ、アルセニック トリオキシド、ボルテゾミブ、カペシタビン、又はゴセレリンである。):
    からなる組み合わせ製剤。
  14. 2つの別個の製剤のいずれか一方又は両方が、非経口製剤である、請求項13記載の製剤。
  15. 2つの別個の製剤のいずれか一方又は両方が、注射剤又は点滴剤である、請求項14記載の製剤。
  16. 薬学的に許容し得る担体又は希釈剤と一緒に、抗がん性アルキル化剤、抗がん性代謝拮抗剤、抗がん性抗生物質、植物由来抗がん剤、抗がん性白金配位化合物、抗がん性カンプトテシン誘導体、抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤、モノクローナル抗体、インターフェロン、生物学的応答調節剤、及びその他抗がん剤(ここで、各抗がん剤の定義は、請求項13の記載と同じである。)からなる群から選択される抗がん剤又はその薬学的に許容し得る塩を含む製剤1個以上を、さらに組み合わせた、請求項15記載の製剤。
  17. 組み合わせ製剤のうち、一方の製剤が、薬学的に許容し得る担体又は希釈剤と一緒に、
    (a)2−(((1S,4S)−5−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−1H−ピラゾール−3−イルピリミジン−4−アミン;
    (b)2−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−アミン;
    (c)2−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−6−メチル−N−1H−ピラゾール−3−イルピリミジン−4−アミン;
    (d)2−(((1S,4S)−5−(3−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N,N−ジメチル−6−(1,3−チアゾール−2−イルアミノ)イソニコチン酸アミド;又は、
    (e)6−(((1S,4S)−5−(2、3−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル)−N−1H−ピラゾール−3−イルピラジン−2−アミン、又は、その薬学的に許容し得る塩を含む製剤であり、もう一方の製剤が、薬学的に許容し得る担体又は希釈剤と一緒にパクリタキセル又はドセタキセルを含む製剤である、請求項13記載の製剤。
  18. 薬学的に許容される担体又は希釈剤と一緒に、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩、並びに抗がん性アルキル化剤、抗がん性代謝拮抗剤、抗がん性抗生物質、植物由来抗がん剤、抗がん性白金配位化合物、抗がん性カンプトテシン誘導体、抗がん性チロシンキナーゼ阻害剤、モノクローナル抗体、生物学的応答調節剤、及びその他抗がん剤(ここで、各抗がん剤の定義は、請求項13の記載と同じである。)からなる群から選択される抗がん剤又はその薬学的に許容し得る塩を含むことを特徴とする医薬組成物。
  19. 請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩、及びパクリタキセル又はドセタキセルを含む、請求項18記載の医薬組成物。
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