JP5410885B2 - 熱接着性シート - Google Patents

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本発明は熱接着性シートに関する。より詳しくは、アイロン等の熱を利用して、従来の木製等の壁、天井、襖、障子、床材だけでなくアルミ、銅、ステンレス等の金属製の新建材の表面にも貼着することができる熱接着性シートに関する。
本発明の目的は、基材の一方の面に積層された接着剤層により、これまで貼着が不可能であったアルミ、銅、ステンレス等の金属製の障子枠、建具、壁面等に、熱量の少ない家庭用アイロン等でも、強固に貼着することができる熱接着性シートを提供することにある。
家庭用アイロン等の熱源による加熱加圧によって、壁、天井、襖、障子、床材などの被貼着体表面に簡単に貼着することができる熱接着性シートが知られており、この熱接着性シートはアイロン貼り可能な襖紙や障子紙などとして利用されている。
従来の熱接着性シートは、基材の一方の面に熱接着性樹脂が積層されたものであり、アイロン等の熱源を利用することで、熱接着性樹脂を加熱溶融・加圧することで、熱接着性シートを被貼着体表面に貼着することができるものであった。
このようなアイロン貼り可能な襖紙や障子紙として用いられる熱接着性シートに関する発明としては、特許文献1〜3に開示されているようなものが知られている。
特許文献1には、温湿度の変化によってその凹凸の大きさが変化する凹凸をクレープ加工又はエンボス加工によって設けたスチーム通過性の紙シート材の一面に、熱可塑性で感熱収縮性の感圧接着剤の層を設けてアイロンの使用による接着を可能とした熱接着紙シートが開示されている。
特許文献2には、紙シート材の一面に熱溶融接着性材料よりなる粒状体を添着した熱接着性シートが開示され、アイロンの使用により強固に貼着することが示されている。
特許文献3には、基材の表面に積層される熱接着性樹脂の溶融状態における流動性に着目することによって、MFR(メルトフローレート)が100〜220g/10minの熱接着性樹脂又は粘度が1000〜11000Pa・sの熱接着性樹脂を含む熱接着性シートが開示され、スチームアイロンだけでなくノンスチームアイロンでも貼着可能であることが示されている。しかし、上記開示された熱接着シートは、木製等の従来の建材には貼着することができるが、金属製やその他の新建材には貼着することができなかった。
特公平5−77800号公報 特開平10−37096号公報 特開2006−182810号公報
上記従来の熱接着性シートは、アイロンなどの熱を利用して木製等の襖や障子などの被貼着体表面に貼着することができるものであったが、アルミ、銅、ステンレス等の金属製の障子枠、建具、壁面等の新建材には貼着することができないという問題点があった。
また従来の熱接着性シートは、貼着時のシワやフクラミを防止するために、基材へのエンボス加工又はクレープ加工が必須であるが、基材へのエンボス加工又はクレープ加工は、熱接着性シートの装飾性としての意匠の幅を狭めること、及び製造工程の増加も問題となっていた。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、基材の裏面に積層される熱接着性樹脂の結晶化エネルギーが特定の値の場合には、熱接着性シートは、今まで不可能であったアルミ、銅、ステンレス等の金属製やその他の障子枠、建具、壁面等の新建材に美しく、しかも強固に貼着することができることを見出し、本発明の完成に至った。
請求項1に係る発明は、シート状の基材と、該シート状の基材の一方の面に積層された接着剤層とからなり、該シート状の基材は二層からなり、上層(表面層)はパルプと疎水性繊維の割合(重量)が100:0〜80:20であり、下層(接着剤層と接する層)はパルプと疎水性繊維の割合(重量)が95:5〜50:50であり、上層と下層は接着剤を介さずに積層され、該接着剤層は、結晶化エネルギーが35〜70mJ/mg、融点が72℃〜97℃の熱接着性樹脂を含むことを特徴とする熱接着性シートに関する。
請求項2に係る発明は、前記接着剤層が、MFR(メルトフローレート)が100〜220g/10minの熱接着性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の熱接着性シートに関する
請求項に係る発明は、前記シート状の基材と前記接着剤層の割合(重量)が、10:1〜10:4となるように積層することを特徴とする請求項1または2に記載の熱接着性シートに関する。
請求項1に係る熱接着性シートは、シート状の基材と、該シート状の基材の一方の面に積層された接着剤層とからなり、該接着剤層は、結晶化エネルギーが 35〜70mJ/mgの熱接着性樹脂を含むことから、アルミ、銅、ステンレス等の金属製等の障子枠、建具、壁面等の貼着体表面に美しく、しかも強固に貼着 することができる。また、本発明に係る接着剤層により速やかに貼着できることからシワやフクラミが生じることを防止することができ、エンボス加工やクレー プ加工がなくとも美しく貼着することができる。さらに本発明では、熱接着性シートのエンボス加工やクレープ加工を省略することができ、製造工程を簡略化することができる。また、前記シート状の基材は二層からなり、上層(表面層)はパルプと疎水性繊維の割合(重量)が100:0〜80:20であり、下層(接着剤層と接する層)はパルプと疎水性繊維の割合(重量)が95:5〜50:50であり、上層と下層は接着剤を介さずに積層される。この割合で、上層、下層の基材に疎水性繊維を配合することにより寸法特性がよくなる効果がある。
請求項2に係る熱接着性シートは、前記接着剤層が、結晶化エネルギー35〜70mJ/mgであることに加えてMFR(メルトフローレート)100〜220g/10minの熱接着性樹脂からなることから、簡単に接着剤層を溶融させることができ、アルミ、銅、ステンレス等の金属製等の新建材である障子枠、建具、壁面等の表面に更により手軽に貼着することができる。しかも、この熱接着性シートは、被貼着体表面との接着力が強く、アイロン等を使用して接着剤を溶融させて被貼着体表面に貼着する際に強い押圧力を加える必要がない。
請求項に関る熱接着性シートは、前記シート状の基材と前記接着剤層が、10:1〜10:4の割合で積層することにより、熱接着する際に容易に貼着することができる。
本発明に係る熱接着性シートの概略を示す部分断面図である。 本発明に係る二層の基材が積層された熱接着性シートの部分断面図である。 本発明に係る熱接着性シートにおいて、基材の一方の面に接着剤層を積層する方法の概略工程を示した図である。
以下、本発明に係る熱接着性シートについて図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係る熱接着性シートの概略を示す部分断面図である。本発明の実施形態に係る熱接着性シート(1)は、シート状の基材(2)と、該シート状の基材(2)の一方の面に積層された接着剤層(3)とからなる。
シート状の基材(2)を構成する素材は特に限定されないが、こうぞ、みつまた、がん皮、麻などのじん皮繊維、木材パルプ、わらパルプ、竹パルプ、あしパルプ、コットンシリンダーパルプなどの天然素材、更に耐熱性のある合成樹脂製繊維などを挙げることができる。
基材(2)の透気度(JIS P 8117)は特に限定されないが、40秒以下であることが好ましく、25秒以下であることがより好ましい。基材(2)の透気度が40秒を超える場合、アイロン等の熱が接着剤層(3)に伝わり難くなり、接着剤層(3)を溶融させることが困難になる場合がある。
本発明では、基材(2)に疎水性の繊維を配合することができる。疎水性繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリクラール、アクリル、酢酸ビニル、又はこれらの誘導体などを例示することができる。
疎水性繊維を配合すると、温湿度の影響を受け、基材が伸縮するのを防ぐことができ、被貼着体表面により美しく貼着することができる。他方、疎水性繊維の配合量は、多すぎると紙の地合いが悪くなり、アイロンの滑りが悪くなる。更に、コストも上がることとなる。
図2は、本発明に係る二層の基材が積層された熱接着性シートの部分断面図である。
基材(2)は、上層(2a)と下層(2b)の積層体とすることができる。
熱接着性シートの表面となる上層(2a)は、パルプと疎水性繊維の割合が100:0〜80:20(重量)となるように配合し、接着剤層と接する下層(2b)は、パルプと疎水性繊維の割合が95:5〜50:50(重量)となるように配合することが好ましい。上層(2a)と下層(2b)は接着剤を介さずに積層される。異なる性質の二層が積層されることにより、熱接着シートとして好適な積層体となり、更に、隠蔽性も向上する。
本発明に係る熱接着性シートは、基材(2)の上層のパルプと疎水性繊維の割合(重量)を、100:0〜80:20とする理由は、疎水性樹脂の配合を20%以下とすることにより、アイロンの熱を効率よく伝え、アイロンの滑りをよくすることができ、紙の外観も向上することができるからである。上記効果は、パルプによる効果であり、一般にパルプの配合量は多い方が良く、疎水性繊維は少ない方が良い。
基材(2)の下層のパルプと疎水性繊維の割合(重量)を95:5〜50:50とする理由は、疎水性繊維の割合が50%以下の場合、紙の寸法安定性を良くし、接着性及び熱伝導性を向上させることができるが、5%に満たない場合は、紙の寸法性安定性が悪くなり、50%を超えると紙の地合いが悪くなり、アイロンの滑りが悪くなることからこれらの効果が得られない。コストも上がるため、疎水性繊維の配合量は、上記割合とすることが好ましい。
接着剤を介さず積層する理由は、紙の通気性が損なわれずアイロンの熱が効率よく接着剤層に伝わる。従って、接着剤を介して積層する場合は、層状でなく、点状、筋状、網目状に塗工することが好ましい。
基材(2)の密度は特に限定されないが、0.3g/cm以上、好ましくは0.4〜0.9g/cmとされる。基材(2)の密度が0.3g/cm以下であると、溶融した接着剤が基材(2)の中に侵入し、0.9g/cmを超えると熱の伝わりが悪くなり、接着力の低下につながる。
本発明では、基材(2)に必要に応じて凹凸部を形成してもよい。
本発明に係る熱接着性シートは、接着剤層により速やかに貼着できることからシワやフクラミが生じることを防止することができ、凹凸部を形成しなくとも美しく貼着することができる。しかし、本発明に係る熱接着性シートは、被貼着体表面に凹凸が存在する場合、シワやフクラミが発生する原因となる場合がある。そこで本発明では、シワやフクラミを防止する目的で、基材(2)に温湿度の変化によって凹凸の大きさが変化する凹凸部を形成してもよい。
被貼着体表面に熱接着性シート(1)を貼着する際に、基材(2)に凹凸部を設けることによって、加熱された部分と加熱されなかった部分の境界部に存在する凹凸部が高さを縮小して熱が加えられなかった部分に収縮が広範囲に及ぶのを防ぐことができ、シワやフクラミが発生することを防止することができる。
基材(2)に凹凸部を形成する方法は特に限定されないが、クレープ加工又はエンボス加工を例示することができる。
クレープ加工による場合、クレープ率は特に限定されないが、5〜100%、好ましくは5〜50%とする。
またエンボス加工による場合、エンボスロールの版の深さを基材(2)の厚さの1/2から50倍程度とする。
上記基材(2)には、必要に応じて、ガラス繊維、マイクロガラス、ロックウール、鉱さい綿、アルミナ繊維、アルミナシリカ繊維、ムライト繊維、ホウ酸繊維、石英繊維、ケイ酸ガラス繊維、溶融ガラス繊維、チタン酸ガラス繊維、ジルコニアガラス繊維、硫酸カルシウム繊維、フォスフェートファイバー、ポロシリケート繊維、炭素繊維、活性炭素繊維などの無機繊維が含有されていても良い。
上記基材(2)には、水溶性尿素樹脂、メラミン樹脂、カチオン化澱粉、CMCポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、ポリイミン樹脂、水溶性アクリル樹脂、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の紙力増強剤を配合することができる。
尚、本発明においては、基材(2)にサイズ剤を配合することができるが、サイズ剤を大量に配合すると、基材(2)を構成する繊維同士が固着するために伝熱性が悪化する。このために、ノンスチームアイロンやコードレスアイロンなどの熱容量の小さいアイロンを使用した場合、接着剤層(3)を十分溶融させることができず、基材(2)を被貼着体表面に貼着することができない場合がある。またサイズ剤を大量に配合すると、基材(2)の伸縮が阻害されるために、接着剤層(3)を溶融させて被貼着体表面に貼着することができたとしても、貼着後に基材(2)表面にシワやフクラミが生じやすくなり、美しく貼着することができない場合がある。
従って、サイズ剤を配合する場合は、基材(2)全重量の15重量%以下となるように配合することが好ましく、サイズ剤を配合しないことがより好ましい。
基材(2)の厚さは特に限定されず、通常の襖紙や障子紙などと同等程度の厚さとされ、具体的には、50〜300μm、より好ましくは100〜250μm程度とされる。
さらに、本発明では、必要に応じて、基材(2)の表面(接着剤層(3)が設けられる面の反対側の面)に、織布、編布、不織布、合成樹脂、金属箔、皮革などを積層することができる。
基材(2)の一方の面には、接着剤層(3)が積層されている。接着剤層(3)は、結晶化エネルギーが35〜70mJ/mgの熱接着性樹脂を含有する。
尚、結晶化エネルギーは、示差走査熱量計により測定することができる。示差走査熱量測定は、サンプルと基準物質の温度差から吸熱・発熱ピークを検出し、反応に係る熱量を求めることができる。例えば、示差走査熱量計の測定条件としては、約10mgのサンプルを−50℃から150℃まで10分間に10℃ずつ上昇させ、150℃で2分間維持し、さらに150℃から−50℃まで10分間に10℃ずつ下降させた時の結晶化エネルギーを測定する。
熱接着性樹脂の種類は、結晶化エネルギーが35〜70mJ/mgのものであれば特に限定されないが、具体的には、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−エチルアクリレートコポリマー、アイオノマー樹脂、ウレタン樹脂、またはこれらの誘導体であって、結晶化エネルギーが35〜70mJ/mgであれば好適に使用できる。
熱接着性樹脂の結晶化エネルギーは35〜70mJ/mg、好ましくは45〜65mJ/mgである。熱接着性樹脂の結晶化エネルギーが35〜70mJ/mgであると、熱接着性シート(1)は、被貼着体が熱伝導性の良いアルミ、銅、ステンレス等の金属製の新建材であっても被貼着体表面に強固に貼着することができる。
本発明に係る熱接着性樹脂は、被貼着体が熱伝導性の良い金属製等の新建材である場合、被貼着体に熱エネルギーを奪われることとなるが、結晶化エネルギーが大きいことから被貼着体表面に十分に濡れ広がることができ、貼着面に対して接着性樹脂が強固に貼着することができる。
熱接着性樹脂の結晶化エネルギーが35mJ/mg未満の場合、熱容量の小さな家庭用アイロン等を用いて、熱伝導性の良いアルミ、銅、ステンレス等の金属製の被貼着体に貼着すると、熱エネルギーが被貼着体に奪われ十分濡れ広がる前に固化してしまい、被貼着体に対して十分な接着力を得ることができない。
結晶化エネルギーが70mJ/mg以上の場合、結晶化エネルギーが大きくなると、一般的に溶融時のエネルギーも大きくなる傾向があるので、家庭用アイロンの熱容量では、熱接着性樹脂を十分に溶融させることができず、接着不良を起こす場合がある。更に、製造の際の押し出し成型時の加工性が悪くなり、基材の一方の面に接着層を形成することが困難となる場合もある。
熱接着性樹脂のMFRは100〜220g/10min、好ましくは150〜200g/10minである。熱接着性樹脂のMFRが100〜220g/10minであると、ノンスチームアイロンやコードレスアイロンなどの熱容量の小さい熱源を使用した場合であっても、被貼着体表面に熱接着性シート(1)を貼着することができる。また、接着剤層(3)を加熱溶融・加圧して熱接着性シート(1)を被貼着体表面に貼着する際に、強い押圧力を加えなくても、被貼着体表面に強固に貼着することができる。
熱接着性樹脂のMFRが100g/10min未満の場合、ノンスチームアイロンやコードレスアイロンなどの熱容量の小さな熱源から供給される熱によっては、十分に溶融せず、熱接着性シートを被貼着体表面に貼着することができる十分な接着力が得られない場合がある。
熱接着性樹脂のMFRが220g/10minを超える場合、熱容量の少ない熱源から供給される熱によって容易に溶融することができるようになるが、その反面、流動性が高くなるために、製造時に基材(2)の一方の面に接着剤層(3)を形成することが困難となり、生産性が低下する場合がある。
熱接着性樹脂の融点は特に限定されないが、60〜120℃であることが好ましく、70〜90℃であることがより好ましい。
熱接着性樹脂の融点が60℃未満の場合、熱接着性シート(1)がロール状に巻き取られた際に、経時で基材(2)と接着剤層(3)がブロッキングしたり、シュリンク包装時に基材(2)と接着剤層(3)がブロッキングしたりする場合がある。
熱接着性樹脂の融点が120℃を超える場合、一般家庭用アイロンの熱源による加熱・加圧では接着剤層(3)が十分に溶融せず、十分な接着力が得られない場合がある。
熱接着性樹脂には、粘度調整及びブロッキングを防止するためにワックス類を配合することができる。
ワックス類としては、カルナバロウ、キャンデリラロウ、モンタンロウ、鯨ロウ、ミツロウなどを例示することができる。
ワックス類を配合する場合、その配合量は特に限定されないが、熱接着性樹脂全量中、1〜50重量%、好ましくは5〜15重量%とされる。
ワックス類の配合量が5重量%未満の場合、ブロッキングを防止する効果に乏しい。
ワックス類の配合量が50重量%を超えても、それ以上の効果が得られないばかりか、接着性などに悪影響を与える場合がある。
図3は、本発明の実施形態に係る熱接着性シート(1)において、基材(2)の一方の面に接着剤層(3)を積層する方法の概略工程を示した図である。
基材(2)の一方の面に、接着剤層(3)を形成する方法は特に限定されず、例えば、図3に例示するような押出ラミネート加工が挙げられる。以下、押出ラミネート加工によって、基材(2)の一方の面に接着剤層(3)を形成する方法について説明する。
押出器(10)には、結晶化エネルギーが35〜70mJ/mgの熱接着性樹脂を供給する。押出器(10)で溶融された溶融樹脂はTダイ(11)に供給されフィルム(a)を形成する。
基材(2)は繰り出しロール(12)からニップロール(13)に供給される。Tダイ(11)から押出されたフィルム(3)は、ニップロール(13)と冷却ロール(14)の間に供給される。基材(2)はフィルム(3)とともにニップロール(13)と冷却ロール(14)の間を通過させられることにより、基材(2)の一方の面にフィルム(3)が加圧接着される。次いで、冷却ロール(14)により冷却固化される。基材(2)の一方の面にフィルム(3)が加圧接着された熱接着性シート(1)は、巻き取りロール(15)に巻き取られる。
尚、熱接着性樹脂の結晶化エネルギー及びMFRによっては、溶融した溶融樹脂の流動性が高くなることで、ラミネート加工性が悪化する場合がある。
ラミネート加工性を向上させる方法としては、熱接着性樹脂に、上述したようにワックス類を配合する方法を例示することができる。熱接着性樹脂にワックス類を配合することによって、溶融樹脂の流動性を調整することができ、ラミネート加工性を向上させることができる。
また、冷却ロール(14)の表面に、非粘着コーティングを施す方法を例示することができる。冷却ロール(14)表面に施される非粘着コーティングとしては、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂でコーティングする方法や、セラミックスを溶射コーティングする方法を例示することができる。
さらには、加工温度を調節する方法や、ラインスピードを低下(約60m/分程度)させる方法などを例示することができる。
本発明に係る熱接着性シート(1)は、従来と同様の方法によって、即ち、アイロン等の熱源を使用することによって被貼着体の表面に貼着することができる。本発明に係る熱接着性シート(1)を貼着する被貼着体としては、従来の建材としての襖や障子などだけでなく、新建材であるアルミ、銅、ステンレス製の障子枠、建具、壁面等にも貼着することもできる。
以下、実施例を示すことにより本発明を詳細に説明する。尚、本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
[実施例]
押出ラミネート加工によって、基材の襖用紙(広明製紙(株)製 坪量90g 厚み190μm)の裏面に、熱接着性樹脂であるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂[ヤスハラケミカル(株)製:結晶化エネルギー35(mJ/mg)、MFR10g/10min(180℃粘度)、融点83℃]を接着剤層として積層することにより、実施例1の試料を調製した。
押出ラミネート加工によって、基材の襖用紙(広明製紙(株)製 坪量90g 厚み190μm)の裏面に、熱接着性樹脂であるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂[東ソー(株)製:結晶化エネルギー37(mJ/mg)、MFR46g/10min(180℃粘度)、融点83℃]を接着剤層として積層することにより、実施例2の試料を調製した。
押出ラミネート加工によって、基材の襖用紙(広明製紙(株)製 坪量90g 厚み190μm)の裏面に、熱接着性樹脂であるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂[ヤスハラケミカル(株)製:結晶化エネルギー38(mJ/mg)、MFR10g/10min(180℃粘度)、融点95℃]を接着剤層として積層することにより、実施例3の試料を調製した。
押出ラミネート加工によって、基材の襖用紙(広明製紙(株)製 坪量90g 厚み190μm)の裏面に、熱接着性樹脂であるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂[ヤスハラケミカル(株)製:結晶化エネルギー42(mJ/mg)、MFR41g/10min(180℃粘度)、融点83℃]を接着剤層として積層することにより、実施例4の試料を調製した。
押出ラミネート加工によって、基材の襖用紙(広明製紙(株)製 坪量90g 厚み190μm)の裏面に、熱接着性樹脂であるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂[ヤスハラケミカル(株)製:結晶化エネルギー45(mJ/mg)、MFR100g/10min(180℃粘度)、融点84℃]を接着剤層として積層することにより、実施例5の試料を調製した。
押出ラミネート加工によって、基材の襖用紙(広明製紙(株)製 坪量90g 厚み190μm)の裏面に、熱接着性樹脂であるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂[ヤスハラケミカル(株)製:結晶化エネルギー53(mJ/mg)、MFR164g/10min(180℃粘度)、融点75℃]を接着剤層として積層することにより、実施例6の試料を調製した。
押出ラミネート加工によって、基材の襖用紙(広明製紙(株)製 坪量90g 厚み190μm)の裏面に、熱接着性樹脂であるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂[ヤスハラケミカル(株)製:結晶化エネルギー59(mJ/mg)、MFR164g/10min(180℃粘度)、融点72℃]を接着剤層として積層することにより、実施例7の試料を調製した。
押出ラミネート加工によって、基材の襖用紙(広明製紙(株)製 坪量90g 厚み190μm)の裏面に、熱接着性樹脂であるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂[ヤスハラケミカル(株)製:結晶化エネルギー70(mJ/mg)、MFR22g/10min(180℃粘度)、融点97℃]を接着剤層として積層することにより、実施例8の試料を調製した。
[比較例]
押出ラミネート加工によって、基材の襖用紙(広明製紙(株)製 坪量90g 厚み190μm)の裏面に、熱接着性樹脂[東ソー(株)製:結晶化エネルギー31(mJ/mg)、MFR32g/10min(180℃粘度)、融点84℃]を接着剤層として積層することにより、比較例1の試料を調製した。
押出ラミネート加工によって、基材の襖用紙(広明製紙(株)製 坪量90g 厚み190μm)の裏面に、熱接着性樹脂[ヤスハラケミカル(株)製:結晶化エネルギー73(mJ/mg)、MFR166g/10min(180℃粘度)、融点98℃]を接着剤層として積層することにより、比較例2の試料を調製した。
[試験例:接着力の評価]
実施例と比較例の試験片(サイズ:25mm×150mm)を、ヒートシール機を用いて、ヒートシール温度:180℃、荷重:40g/cm、ヒートシール時間:2秒でラワンベニヤ、アルミ、銅、ステンレス、プリキの表面に貼着した。各試験片と各被貼着体との接着力を評価した。結果を表1に記載する。
Figure 0005410885
本件発明に係る実施例と従来品の比較例で用いた熱接着性シートの接着力を評価すると、実施例ではアルミ、銅、ステンレスといった金属に接着するが従来品である比較例の熱接着性シートは全く金属に貼着しなかった。これは、本実施例の熱接着性樹脂の結晶化エネルギーを35mJ/mg〜70mJ/mgの範囲となるように設定することにより、被貼着体表面に十分に濡れ広がることができ、金属に対しても接着性が向上したものと考えられる。
本発明に係る熱接着性シートは、新建材であるアルミ、銅、ステンレス製等の障子枠、建具、壁面等の被貼着体表面に、アイロン等の熱源を使用することにより貼着されることから、好適に利用することができる。
1 熱接着性シート
2 基材
2a 上層
2b 下層
3 接着剤層
10 押出器
11 Tダイ
12 繰り出しロール
13 ニップロール
14 冷却ロール
15 巻き取りロール

Claims (3)

  1. シート状の基材と、該シート状の基材の一方の面に積層された接着剤層とからなり、
    該シート状の基材は二層からなり、上層(表面層)はパルプと疎水性繊維の割合(重量)が100:0〜80:20であり、下層(接着剤層と接する層)はパルプと疎水性繊維の割合(重量)が95:5〜50:50であり、上層と下層は接着剤を介さずに積層され、
    該接着剤層は、結晶化エネルギーが35〜70mJ/mg、融点が72℃〜97℃の熱接着性樹脂を含むことを特徴とする熱接着性シート。
  2. 前記接着剤層は、MFR(メルトフローレート)が100〜220g/10minの熱接着性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の熱接着性シート。
  3. 前記シート状の基材と前記接着剤層の割合(重量)が、10:1〜10:4となるように積層することを特徴とする請求項1または2に記載の熱接着性シート。
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