JP5410295B2 - カルボン酸およびプリン、ピリミジン、ヌクレオシドまたはヌクレオチドのフレーバー調節誘導体 - Google Patents

カルボン酸およびプリン、ピリミジン、ヌクレオシドまたはヌクレオチドのフレーバー調節誘導体 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、食料品、飲料、タバコ製品、医薬および口腔ケア用品のフレーバーを改善する分野に関する。より詳細には、本発明は、他のフレーバー付与物質の影響を改善し、補完するために用いることができる、フレーバー調節物質およびこれらを含む組成物を提供する。本発明はまた、前述のフレーバー調節物質、ならびにこれらの物質を含む食料品、飲料、タバコ製品、医薬および口腔ケア用品の使用を包含する。
発明の背景
食料品および飲料のフレーバーは、2つの部分からなる:芳香および味。一般に、鼻腔中の嗅上皮により知覚されるものは、「芳香」と呼ばれる一方、用語「味」は一般的に、口、特に舌を介して知覚される官能的影響を記載するために用いられる。消費の際に経験されるフレーバー感覚、特に味により、この摂取の前の食物の最終的な分析が得られる。視覚的および嗅覚的(におい)信号はすでに、最初の指標を付与しているが、口中への食物の摂取の後のみに、食物を摂取するか拒絶するかの最終的な決定がなされる。甘い味覚は、通常食物が安全(食欲をそそる)であり、食物の摂取に至るという信号である。塩およびうまみに対する「反応」は、実際にシグナルの強度に依存する。苦味および酸味は、通常不快な味覚感覚であり、拒否に至る。温度は、カプサイシン(トウガラシ)および特定の化学物質(例えば二酸化炭素)のような痛い感覚とまさに同様に食物を判定する他の基準である。
要するに、これは、味が極めて重要であり、極めて複雑なシステムであることを意味する。最近までは、大部分のフレーバー研究は、芳香を目的とした。特に最近の数年には、食料品の味への(有益な)寄与を有する分子に関する一連の刊行物が、出現してきた。
このような研究は、種々の味感覚に関係する相当なレセプターが既に特徴づけられたという事実によって、顕著に刺激されてきた(J. Chandrashekar et al., Nature 444, 288 (2006))。
味の他の興味深い観点は、これが芳香に影響を及ぼし得ることである。人工的に甘くした水を口中に含む人々が、無味の水を口中に含む人々よりも、ベンズアルデヒドのにおいに顕著に一層敏感であることが、報告された(P. Dalton et al, Nature Neurosci. 3, 431-432 (2000))。
短時間で、味覚反応に対する(調節)効果についての大きな一連の分子を選別することを可能にするいくつかの選別システムが、記載されている(WO 04/055048、GB 2396414、WO 01/77292およびUS 2004/0072254を参照)。
味調節に関するほとんどの研究は、現在まで、良好なフレーバーの製品において味を増強するのに向けられた。いくつかの、主に日本の刊行物には、うまみ分子、即ちグルタミン酸一ナトリウム(MSG)の代替物が記載されている(H Suzuki et al, J Agric Food Chem 50, 313-318 (2002); K Shima et al, J Agric Food Chem 46, 1465-1468 (1998); Y Ueda et al, Biosc Biotech Biochem 61, 1977 (1997))。
EP 1291342において、「一般的な味エンハンサー」が開示されており、これは、同様に甘味を増強するのに適すると報告された。
特許出願WO 97/04667およびWO 04/075633において、トリペプチド類ならびに乳酸およびコハク酸とのアミノ酸縮合物が共に、これら自体の味およびいくつかの増強特性を有すると記載されている。アルファケト酸類は、これらが加えられる食料品にコク(body)および口あたり(mouthfeel)を付与することが報告されている(US 6,287,620)。
クロロゲン酸は、甘味を増強し、苦味を低減すると主張されている(WO 02/100192)。
極めて少数の研究が、苦味サプレッサーを見出すために向けられた(A.N.Pronin et al, Chemical Senses 29, 583-593 (2004); EP 1401500; P.A. Breslin, Trends in Food Science & Technology 7, 390-399 (1996))。
甘味および飲料製品において、フレーバリングの味覚的側面の重要性のさらなる例が、報告された。これらの例には、味特質、例えば苦味、ヒリヒリ感および冷感(cooling)−清涼感(freshness)が含まれる。
苦味は数種の食品フレーバーの本質的な観点であり、この中にチョコレートの味がある。プリンアルカロイド類、例えばテオブロミンおよびカフェイン、ならびにアミノ酸およびペプチドは、長期間にわたり苦い物質として知られていた。英国特許第GB 1420909号には、「単独のこれらのタイプの物質のいずれよりも驚異的に一層自然であり、同時に苦い、および渋いフレーバーノートを生じる」フレーバープリンアルカロイドとアミノ酸またはフレーバーオリゴペプチドとの組み合わせを用いてココアの苦いフレーバーを再現することができることが、開示されている。
メントール、即ちペパーミント油の重要な構成成分は、このミントのにおいのためのみならず、これが冷感および清涼な味を付与するため、フレーバーが付与された製品に対して強力な影響を及ぼす。ミントフレーバーが付与された製品の次に、冷感のある味を付与するための他のタイプのフレーバーにおいてメントールを用いることが、提案された。例えば、米国特許出願US 2005/013846には、いかにしてメントールおよびこの誘導体を、水連続性の塗ることのできる酸性食品製品におけるフレーバリングとして用いて、清涼であり冷感のある味の印象を示すテーブルスプレッド(table spread)を得ることができるかについて、開示されている。
同様に、ケイ皮アルデヒドおよびオイゲノール、即ちシナモン油の構成成分が、そのにおいのためのみならず、暖かい、およびヒリヒリした味を付与するため、菓子類製品のためのフレーバリングフレーバー組成物において用いられる。ケイ皮アルデヒドの口における辛味は、Cliff MおよびHeymann H (Journal of Sensory Studies 7, 279-290 (1992))により燃える、およびヒリヒリすると表現された。同著者によると、オイゲノールは長期間継続する麻痺効果を示す。シナモン油は、味改善フレーバリングとして提案されている。国際特許出願WO 90/06689には、ミント様フレーバー配合物に加えられた、他のスパイスエキスの中でシナモン油を、チューインガムの長期間継続するフレーバーを改善するために用いることができることが、開示されている。
バニリルアルコール誘導体(例えばバニリルメチルまたはエチルエーテル)は、US 2002/0013235において、強い辛味および暖かい感覚を付与する効果を有すると、開示されている。同一の物質は、特開昭57−82308号公報において、メントールのリフレッシュ感覚付与効果を増大させるにあたり有効であると、記載されている。バニリルエチルエーテルは、特開2004−229562号公報において、ビールのための味改善剤として、より特定的に開示されている。バニリルn−プロピルエーテルなどの同一の群からの物質はまた、特開昭57−9729号公報において、塩味に有用な成分として、開示されている。
構造的に粉末唐辛子の辛い本質への類似物であるバニリルアミンの6種の異なるカルバミン酸アミド類は、これらの辛味の特性について試験された(Lange et al.; J. Am. Chem. Soc., vol. 51, no. 6, 1911-1914 (1929))。しかし、バニリル尿素、バニリルチオ尿素およびフェニルバニリルチオ尿素は、乾燥粉末として、およびアルコール性または水溶液として無味であることが、報告された。フェニルバニリルチオ尿素、p−トリルバニリルチオ尿素およびo−トリルバニリルチオ尿素は、辛味の特性を有するがカプサイシンより低い程度であることが、見出された。
バニリルアミンおよびバニリルアシルアミド類はまた、辛い分子であり、代用品として、または熱い、もしくは辛い味を生じさせるために食品および飲料において用いるための唐辛子を強化するために、用いることができることが報告されている(特許US 1,329,272)。
N−(3−アシルオキシ−2−ベンジルプロピル)−N−(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジル)チオ尿素誘導体は、効能があるバニロイド受容体アゴニストおよび鎮痛薬であると、開示されている(Lee et al.; Bioorganic and medicinal chemistry 9, 9-12 (2001))。WO 2005/006881によれば、これらのチオ尿素誘導体はまた、これらが塩味特徴を示すように、TRP V1レセプターのリガンドである。
α−ヒドロキシカルボン酸およびプリンまたはピリミジンの誘導体、例えばGMP、AMP、CMPおよびIMPは、WO 2005/096843に開示されている。前記国際特許出願において、これらの物質は、味付与物質の官能的影響を修正し、補完することができる。このように、この味改善物質は、有利には、フレーバー組成物、食料品、医薬、タバコ製品、医薬および口腔ケア用品において適用される。
これらが包含される食料品、飲料、タバコ製品、医薬および/または口腔ケア用品のフレーバー、特に味に対する好ましい寄与を有する新規な物質に対する必要性が、尚存在する。本発明の1つの目的は、他のフレーバー付与物質、特に極めて低い濃度で他のフレーバー付与物質の影響を改善する能力を有する物質の影響を補完し、改善することができる、新規な物質および組成物を提供することにある。
本発明者らは、驚異的なことに、式(I):
Figure 0005410295
で表される群から選択される物質ならびにこれらの食用の塩類およびこれらの食用のエステル類を、食料品、飲料、タバコ製品、医薬および口腔ケア用品のフレーバーを調節するために有利に用いることができることを、見出した。
本発明のフレーバー調節物質を用いて、多種多様な用途および製品において所望の味特質を付与することができる。加えて、本発明のフレーバー調節物質は、これらの同一の製品内に含まれる他のフレーバー付与物質の味および/または芳香の影響を調節し、これによりこれらの製品の全体的なフレーバー品質を改善することができる。
プリン類またはピリミジン類のα−ヒドロキシカルボン酸でのフレーバー調節誘導体を用いることを教示している、前述の従来技術の開示にもかかわらず、ここで、α−水酸基を含まないカルボン酸を有するプリン類またはピリミジン類の誘導体が、極めて効能があるフレーバー調節物質を構成することが、見出された。さらに、以下で説明し、例示するように、本発明は、前記従来技術のフレーバー調節物質と比較した際に、顕著に低い用量で所望の効果を達成することができるフレーバー調節物質を提供する。
したがって、本発明は、これらのフレーバー調節物質、および1種または2種以上のこれらの物質を含む組成物に関する。さらに、食料品、飲料、タバコ製品、医薬および口腔ケア用品から選択される製品のフレーバーを改善する方法、ならびに本発明のフレーバー調節物質を含む製品を、本発明により提供する。
発明の詳細な説明
本発明の1つの観点において、式(I)で表されるフレーバー調節物質ならびにこれらの食用の塩およびエステル類を提供する:
Figure 0005410295
式中、Xは、
・水素;
・分枝状または非分枝状の、脂肪族または環式C〜C12アルキルまたはC〜C12アルケニル(各々はオキソ、ヒドロキシル、アミン、チオール、低級チオアルキル、低級アルコキシル、グアニジンおよび飽和の、または不飽和の複素環式部分の群から選択される1つまたは2つ以上の置換基で任意に置換されている);
・式−Z−Pheで表される部分(式中、Zは、共有結合または、任意にオキソ、ヒドロキシル、アミンおよび低級アルコキシルの群から選択される1つまたは2つ以上の置換基で置換されている、分枝状もしくは非分枝状の飽和もしくは不飽和C〜Cアルキレンを表し、式中Pheは、ヒドロキシル、アミンおよび低級アルコキシルから選択された1つまたは2つ以上の置換基で任意に置換されたフェニルを表す);
・式-Y−CO−NHRにより表される部分(式中、Yは、オキソ、ヒドロキシル、アミン、チオール、低級チオアルキル、低級アルコキシルおよび低級カルボキシルの群から選択される1つまたは2つ以上の置換基で任意に置換されている、分枝状または非分枝状の飽和または不飽和C〜C12アルキレンを表す);
を表し、
ただし、Xは、α炭素原子が水酸基で置換されている部分を表さず;
またここで、Rは、(i)少なくとも2個の窒素原子を含む6員環複素環式環を含む部分(当該複素環式環は、さらにアミノ;ヒドロキシル;オキソ;アルキル;リボースおよびデオキシリボースならびにリボースおよびデオキシリボースのリン酸エステル類の群から選択される、1つまたは2つ以上の置換基で任意に置換されている);または(ii)5員環複素環式環および6員環複素環式環を含む二環式縮合環系を含む部分(各々の環が少なくとも2個の窒素原子を含み、各々の環は、さらにアミノ;ヒドロキシル;オキソ;アルキル;リボースおよびデオキシリボースならびにリボースおよびデオキシリボースのリン酸エステル類の群から選択される、1つまたは2つ以上の置換基で任意に置換されている)、を表す。
用語「アルコキシル」および「チオアルキル」との関連で本明細書中で用いる用語「低級」は、関連する部分が6個以下の炭素原子、好ましくは4個以下の炭素原子、最も好ましくは3個以下の炭素原子の炭素鎖部分を含むことを意味する。
本発明者らは、前述のフレーバー調節物質が、特に他のフレーバー付与物質の存在下で、高度に好まれる味覚感覚を、これらが導入される製品に付与することができ、特に「冷感のある」、「辛い」、「辛味が強い」、「熱い」、「ヒリヒリした」、「刺激性の」、「燃える」、「暖かい」、「アルコール様の」、「連続性」、「複雑さ」、「拡大性の」、「塩味の」、「うまみ」および/または「長期間継続する」、極めて有用なフレーバー成分であることを、見出した。このために、本物質を用いて、食料品、飲料、タバコ製品、医薬および口腔ケア用品のフレーバー、特に味(「口あたり」を含む)を改善することができる。
本発明のフレーバー調節物質は、これ自体、高度に望ましい味特質を付与することができる。加えて、本発明のフレーバー調節物質は、前述の製品中に含まれる他のフレーバー付与物質の官能的影響を補完し、修正することができ、これには、「アルコール知覚」、「苦さ」、「熱い味感覚」、「冷えた味感覚」、「炭酸化効果」および/または「塩味影響」を補完し、調節することが含まれることが、見出された。いかなる理論に束縛されることを望まず、本発明の発見は、前述の効果がNaClおよび/またはMSGの存在下ではるかに一層低い濃度のフレーバー調節物質において達成されるという点で、塩化ナトリウムおよび/またはグルタミン酸一ナトリウムが存在することにより、前述の特性に大きい影響が及ぶことを示唆するものと見られる。
本文書を通じて、用語「フレーバー」を用いて、口、特に舌および鼻腔中の嗅上皮を介して知覚される官能的影響を記載する。本明細書中で用いる用語「官能的影響を補完し、調節する」は、本発明の組成物または物質が、同一の製品内に存在する他のフレーバー付与物質の味および/または芳香の影響を変化させる能力を表し、ただし味影響におけるこの変化は、前記組成物または物質自体のフレーバー寄与により生じず、代わりにこれは主に、一方で本発明のフレーバー調節組成物または物質および他方で他のフレーバー付与物質(1種または2種以上)の組み合わされた効果から生じる。本発明のフレーバー調節物質は、他のフレーバー付与物質の味および/または芳香を調節する能力と、これら自体の味寄与を併せ持つ。本発明のフレーバー調節物質の好ましい影響は、これらの2つの効果の組み合わせの結果であると考えられている。
本発明のフレーバー調節物質は特に揮発性ではないため、これらが他のフレーバー付与物質の芳香に影響を及ぼすにもかかわらず、これらは強力な芳香の影響を発生しない。本明細書中で、用語「芳香」は、嗅上皮によって知覚されるフレーバーの観点を表す。本発明のフレーバー調節物質の低い揮発性のため、これらの物質の有利な特性は、これらの物質が口内に位置する感覚受容器に対して有する影響と何らかの形で関連していると考えられる。
本発明の一態様において、Xは水素を表し、これにより部分X−CO−はギ酸の残基を表す。
本発明の他の同等に好ましい態様において、Xは、分枝状または非分枝状の、脂肪族または環式C〜C12アルキルまたはC〜C12アルケニルを表し、各々はオキソ、ヒドロキシル、アミン、チオール、低級チオアルキル、低級アルコキシル、グアニジンおよび飽和または不飽和複素環式部分の群から選択される1つまたは2つ以上の置換基で任意に置換されている。
特に満足な結果は、Xが、各々オキソ、ヒドロキシル、アミン、チオール、低級チオアルキル、低級アルコキシル、グアニジン、イミダゾール、インドールおよびピロリジンの群から選択される1つまたは2つ以上の置換基で任意に置換されている、分枝状または非分枝状C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルを表す、上記で定義したフレーバー調節物質を用いて、得られる。
尚一層好ましくは、Xは、分枝状または非分枝状C〜C、好ましくはC〜C、一層好ましくはC〜Cアルキルを表し;Xは、オキソ、ヒドロキシル、アミン、チオール、低級チオアルキル、低級アルコキシル、グアニジン、イミダゾール、インドールおよびピロリジンから選択される1つまたは2つ以上の置換基で任意に置換されている、分枝状または非分枝状C〜Cα−アミノアルキルを表し;Xは、オキソ置換基で置換されているC〜Cアルキルを表し;またはXは、オキソおよび低級カルボキシルの群から選択される置換基で任意に置換されている、飽和の、もしくは不飽和のC〜Cカルボキシル、またはC〜Cα−アミノカルボキシルを表す。
最も好ましくは、部分X−CO−は、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ピルビン酸、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、クエン酸、オキサル酢酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニン、アルギニン、アスパラギン、システイン、グルタミン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファンまたはバリンの残基を表す。
上記で定義した他の好ましい態様の物質を提供し、ここでXは、分枝状または非分枝状C〜C12アルキルまたはC〜C12アルケニル、好ましくはC〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルを表し、各々はオキソ、ヒドロキシル、アミン、チオール、低級チオアルキルおよび低級アルコキシルの群から選択される1つまたは2つ以上の置換基で任意に置換されている。尚一層好ましくは、Xは、分枝状または非分枝状C〜C、一層好ましくはC〜C、より一層好ましくはC〜Cアルキルを表し;Xは、オキソ置換基で置換されているC〜Cアルキルを表し;またはXは、オキソおよび低級カルボキシルの群から選択される置換基で任意に置換されている、飽和の、もしくは不飽和のC〜Cカルボキシル、またはC〜Cα−アミノカルボキシルを表す。最も好ましくは、部分X−CO−は、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ピルビン酸、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、クエン酸およびオキサル酢酸の残基を表す。
本発明の他の同等に好ましい態様において、Xは−Pheを表し、即ち、Zは共有結合を表す。−Pheが、ヒドロキシル、アミノおよびメトキシルから選択される1〜3個の置換基で置換されたフェニルを表す、上記で定義したフレーバー調節物質を用いて、特に満足な結果が得られる。最も好ましくは、部分X−CO−は、安息香酸、没食子酸、バニリン酸またはアントラニル酸の残基を表す。
本発明の尚他の同等に好ましい態様において、Zは、オキソ、ヒドロキシル、アミンおよび低級アルコキシルの群から選択される1つまたは2つ以上の置換基で任意に置換されている、飽和の、または不飽和のC〜Cアルキレンを表す。Zが不飽和C〜Cアルキレンを表し、−Pheが、ヒドロキシルおよびメトキシから選択される1〜3個の置換基で任意に置換されたフェニルを表すか、またはZが、1〜3個の水酸基で任意に置換されているC〜Cαアミノアルキレンを表す、上記で定義したフレーバー調節物質を用いて、特に満足な結果が得られる。最も好ましくは、部分X−CO−は、ケイ皮酸、コーヒー酸、フェルラ酸、フェニルアラニンまたはチロシンの残基を表す。
本発明の尚他の同等に好ましい態様において、Xは、式−Y−CO−NHRにより表される部分を表し、式中Yは、オキソ、ヒドロキシル、アミン、チオール、低級チオアルキル、低級アルコキシルおよび低級カルボキシルの群から選択される1つまたは2つ以上の置換基で任意に置換されている、分枝状または非分枝状の飽和または不飽和C〜C12アルキレンを表す。Xが式−Y−CO−NHRにより表される部分を表し、式中Yが、オキソ、ヒドロキシル、アミンおよび低級カルボキシルの群から選択される1つまたは2つ以上の置換基で任意に置換されている、飽和または不飽和C〜Cアルキレンを表す、上記で定義したフレーバー調節物質を用いて、特に満足な結果が得られる。前記態様において、フレーバー調節物質は好ましくは、式−NHRにより表される2つの部分を有するジまたはトリカルボン酸の誘導体であり、前記ジカルボン酸は、最も好ましくはシュウ酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、クエン酸、オキサル酢酸、アスパラギン酸またはグルタミン酸の群から選択される。
本発明の1つの態様において、部分Rが、ペントース単糖類単位、好ましくはリボースもしくはデオキシリボース、またはこれらのリン酸エステルで置換されているプリンまたはピリミジンラジカルを表し、したがって−NRH部分がヌクレオシドまたはヌクレオチドの残基を表すようにするのが、好ましい。
特に好ましい態様において、部分−NRHは、シトシン、グアニン、アデニン、グアノシン、アデノシン、シチジン、グアノシン5’−モノリン酸塩(GMP)、アデノシン5’−一リン酸塩(AMP)またはシチジン5’−一リン酸塩(CMP)の群から選択されるプリンラジカル、ピリミジンラジカル、ヌクレオチドまたはヌクレオシドの残基、最も好ましくはGMPの残基を表す。
尚一層好ましい態様において、本発明は、以下の群から選択されたフレーバー調節物質に関する。N−アセチルGMP、N−ホルミルGMP、N−プロパノイルGMP、N−ブタノイルGMP、N−ペンタノイルGMP、N−ヘキサノイルGMP、N−ヘプタノイルGMP、N−オクタノイルGMP、N−オキサリルGMP、N−スクシニルGMP、N−グルタリルGMP、N−フマリルGMP、N−マレイルGMP、N−アジピルGMP、N−シトリルGMP、N−ガロイルGMP、N−オキサルアセチル−GMP、N−フェルロイルGMP、N−ピルビルGMP、N−ベンゾイルGMP、N−バニロイルGMP、N−アントラノイルGMP、N−カフェオイルGMP、N−シナモイルGMP、N−アセチルAMP、N−ホルミルAMP、N−プロパノイルAMP、N−ブタノイルAMP、N−ペンタノイルAMP、N−ヘキサノイルAMP、N−ヘプタノイルAMP、N−オクタノイルAMP、N−オキサリルAMP、N−スクシニルAMP、N−グルタリルAMP、N−フマリルAMP、N−マレイルAMP、N−アジピルAMP、N−シトリルAMP、N−ガロイルAMP、N−オキサルアセチル−AMP、N−フェルロイルAMP、N−ピルビルAMP、N−ベンゾイルAMP、N−バニロイルAMP、N−アントラノイルAMP、N−カフェオイルAMP、N−シナモイルAMP、N−アセチルCMP、N−ホルミルCMP、N−プロパノイルCMP、N−ブタノイルCMP、N−ペンタノイルCMP、N−ヘキサノイルCMP、N−ヘプタノイルCMP、N−オクタノイルCMP、N−オキサリルCMP、N−スクシニルCMP、N−グルタリルCMP、N−フマリルCMP、N−マレイルCMP、N−アジピルCMP、N−シトリルCMP、N−ガロイルCMP、N−オキサルアセチル−CMP、N−フェルロイルCMP、N−ピルビルCMP、N−ベンゾイルCMP、N−バニロイルCMP、N−アントラノイルCMP、N−カフェオイルCMP、N−シナモイルCMP、これらの食用の塩類およびこれらの食用のエステル類。
尚一層好ましくは、本発明は、N−アセチルGMP、N−ホルミルGMP、N−プロパノイルGMP、N−ブタノイルGMP、N−ペンタノイルGMP、N−ヘキサノイルGMP、N−ヘプタノイルGMP、N−オクタノイルGMP、N−オキサリルGMP、N−スクシニルGMP、N−グルタリルGMP、N−フマリルGMP、N−マレイルGMP、N−アジピルGMP、N−シトリルGMP、N−ガロイルGMP、N−オキサルアセチル−GMP、N−フェルロイルGMP、N−ピルビルGMP、N−ベンゾイルGMP、N−バニロイルGMP、N−アントラノイルGMP、N−カフェオイルGMP、N−シナモイルGMP、これらの食用の塩類およびこれらの食用のエステル類の群から選択されたフレーバー調節物質に関する。最も好ましくは、本発明は、N−アセチルGMP、この食用の塩類およびこの食用のエステル類の群から選択されたフレーバー調節物質に関する。
本明細書中で用いる用語「これらの食用のエステル類」は、本発明のフレーバー調節物質の誘導体および、前記フレーバー調節物質中に存在する、それぞれ前記酸またはアルコールの水酸基またはカルボキシル基との反応によって生成した酸またはアルコールを表し、前記誘導体は、ヒトによる消費に適しており、即ち無毒性であり、一致で上記で説明したフレーバー調節特性を有する。
本明細書中で用いる用語「食用の塩」は、一般的にヒトによる消費に適すると考えられる塩、特に無毒性塩を表す。許容できる塩類には、対応する遊離酸の塩基付加塩および酸付加塩が含まれる。これらの塩類を、典型的には、本発明のフレーバー調節物質の遊離酸から、従来の手段により調製することができる。例示的な塩基付加塩には、金属塩類および有機塩類が含まれる。金属塩類には、アルカリ金属塩類、例えばナトリウムおよびカリウム塩類、アルカリ土類金属塩類、例えばカルシウムおよびマグネシウム塩類が含まれる。有機塩類には、第二級、第三級および第四級アミン類、例えばジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミンから製造される塩類、ならびにカチオン性アミノ酸類、例えばアルギニン、リジンおよびヒスチジンから製造される塩類が含まれる。好適な酸付加塩の例には、塩酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、酢酸塩、アスパラギン酸塩、アスコルビン酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩などが含まれる。
本発明の第2の観点は、少なくとも60pptの1種または2種以上の、式(I)で表される物質、これらの食用の塩類およびこれらの食用のエステル類の群から選択される本発明のフレーバー調節物質、ならびに少なくとも0.1重量%の1種または2種以上のフレーバリング物質を含むフレーバリング組成物に関する。本発明のフレーバー調節物質の特に好ましい例は、上記で定義した通りである。典型的に、本発明のフレーバー組成物は、10,000ppm未満の量で1種または2種以上のフレーバー調節物質を含む。
用語「含む」は、本文献中で用いる場合は常に、述べた特徴、整数、段階、構成要素の存在を示すが、1つまたは2つ以上の他の特徴、整数、段階、構成要素またはこれらの群の存在または追加を除外しないことを意図する。
本明細書中で用いる用語「フレーバー付与物質」は、典型的には1重量%より低い、一層好ましくは0.1重量%より低い濃度において、検出可能なフレーバー影響を付与することができるすべての食品階級の物質を包含することを意味する。フレーバリング物質の好適な例には、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、エステル類、エーテル類、酢酸塩類、ニトリル類、テルペン炭化水素類、窒素含有または硫黄含有複素環式化合物およびエッセンシャルオイルが含まれ、前記フレーバリング物質は、天然または合成起源であり得る。これらの多くは、S. Arctanderによる著書、Perfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, New Jersey, USA、もしくはこのより最近の版、または同様の性質の他の作品などの参考文献、ならびにフレーバー分野における多数の特許文献中に、列挙されている。加えられる調味料物質のタイプが組成物を加える製品のタイプに完全に依存することは、当業者に明らかである。
本明細書中で用いる表現「ppt」、「ppb」および「ppm」は、それぞれ、1兆分の1(1pptは1ng/kgに相当する);10億分の1(1ppbは1μg/kgに相当する);および100万分の1(1ppmは1mg/kgに相当する)で表される量を表す。これらの表現は、フレーバーおよびフレグランスの分野における普通の用語であり、当業者は本明細書中に示す意味を有すると理解する。
好ましくは、フレーバー組成物は、少なくとも120ppt、一層好ましくは少なくとも300ppt、尚一層好ましくは少なくとも1.2ppb、最も好ましくは少なくとも6ppbの、本発明のフレーバー調節物質を含む。他の好ましい態様において、組成物は、1,000ppm未満、好ましくは200ppm未満、一層好ましくは50ppm未満、最も好ましくは10ppm未満の、本発明のフレーバー調節物質を含む。
好ましい態様において、本発明のフレーバー組成物は、フレーバリング物質を、組成物の合計重量を基準として少なくとも0.5重量%、好ましくは少なくとも1重量%の量で含む。
典型的に、本発明のフレーバー組成物において、上記で定義した味調節物質およびフレーバリング物質を、1:50未満、好ましくは1:100未満、一層好ましくは1:1,000未満および最も好ましくは1:10,000未満の重量比で用いる。
本発明のフレーバー組成物を、液体、ペーストまたは粉末の形態で好適に調製することができる。特に好ましい態様において、フレーバー組成物は、自由流動性粉末である。典型的に、本発明の調味料組成物はさらに、フレーバーキャリア材料を含む。本明細書中で用いる、フレーバー「キャリア材料」の用語は、フレーバーの観点から実際的に中性であるバルク材を包含する。即ち、これは、フレーバリング成分の感覚刺激特性を顕著に変化させない。前記キャリアは、液体であっても固体であってもよい。液体キャリアの好適な例には、乳化系、即ち溶媒および界面活性剤の系、または香料もしくはフレーバーにおいて一般的に用いられる溶媒が含まれる。
フレーバーにおいて一般的に用いられる溶媒の好適な限定的な例で、化合物、例えばプロピレングリコール、トリアセチン、クエン酸トリエチル、ベンジルアルコール、エタノール、植物油またはテルペン類をあげることができる。固体キャリアの例には、吸収ゴム(absorbing gum)またはポリマー、またはカプセル封入材料が含まれる。このような材料の例は、例えば、壁形成および可塑化材料、例えば単糖類、二糖類または三糖類、天然または加工デンプン、親水コロイド、セルロース誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール類、タンパク質もしくはペクチン、または参考文献、例えばH. Scherz, Hydrokolloids: Stabilisatoren, Dickungs- und Gehermittel in Lebensmittel, Band 2 der Schriftenreihe Lebensmittelchemie, Lebensmittelqualitat, Behr's VerlagGmbH & Co., Hamburg, 1996中に引用される物質を含み得る。
本発明のフレーバー組成物の典型的な例には、良好なフレーバーのフレーバリング、乳製品のフレーバリング、酸味フレーバリング、甘味フレーバリングおよびミントフレーバリングが含まれ、良好なフレーバーのフレーバリングおよび乳製品のフレーバリングが特に好ましい。
本発明のフレーバー組成物は、有利には、少なくとも0.5重量%の加工されたフレーバー、特にシステイン誘導メイラード反応生成物を含む加工されたフレーバーを含む。
上記で定義した本発明のフレーバー組成物を、典型的には、1種または2種以上のフレーバリング物質を本発明のフレーバー調節物質またはこれらの食用の塩の少なくとも10ppb、好ましくは少なくとも50ppbを含む溶液と配合することによって、調製する。前記フレーバー調節物質を極度に低い濃度で含むフレーバー組成物の調製を、これらのフレーバー調節物質の溶液を1種または2種以上のフレーバリング物質と配合することにより、促進する。特に、この方法は、これがフレーバー調節物質の正確な与(dosing)を可能にするという利点を提供する。典型的に、フレーバー調節物質および/またはこれらの食用の塩類を含む溶液を、1:1未満、好ましくは1:5未満、最も好ましくは1:10未満の重量比で、フレーバー組成物の残りと配合する。溶液が、1種または2種以上のフレーバリング物質、特に高度に効能があるフレーバリング物質を好適に含んでもよいことを、注記する。溶液中で用いる溶媒は、フレーバー組成物における使用が認められたあらゆる食品階級(foodgrade)の溶媒であり得る。好適な溶媒の例には、エタノール、水、トリグリセリド油およびプロピレングリコールが含まれる。
本発明の第3の観点は、食料品、飲料、医薬、口腔ケア用品およびタバコ製品の群から、好ましくは食料品および飲料の群から選択された製品に関し、前記製品は、上記で定義したように、フレーバー調節量の1種または2種以上の式(I)で表される物質の群から選択された本発明のフレーバー調節物質、これらの食用の塩類およびこれらの食用のエステル類をフレーバー調節量で含む。
典型的に、本発明の製品は、少なくとも0.3pptの1種または2種以上の本発明のフレーバー調節物質を含む。一層好ましくは、本発明の製品は、少なくとも0.6ppt、一層好ましくは少なくとも1.5ppt、最も好ましくは少なくとも30pptの、式(I)で表されるフレーバー調節物質またはこれらの食用の塩類を1種もしくは2種以上含む。典型的に、前述の製品は、好ましくは、5ppmを超えない、好ましくは2.5ppmを超えない、一層好ましくは1ppmを超えない、尚一層好ましくは250ppbを超えない、最も好ましくは50ppbを超えない濃度のフレーバー調節物質を含む。本発明の物質が導入される正確な水準は、当業者に明らかであり、例において例示されるように、フレーバー調節物質(1種または2種以上)の性質および製品の性質に依存する。
本発明による食料品の好ましい例には、スープ、ソース、ストック、ブイヨン、軽食、チーズ製品、ドレッシング、調味料、マーガリン、ショートニング、パン、ペストリーおよび麺類が含まれる。
本発明による飲料の好ましい例には、乳飲物が含まれる。
本明細書中で用いる用語「タバコ製品」は、喫煙用途および禁煙用途のためのすべてのタイプのタバコ製品を表す。さらに、タバコ様製品が喫煙用途と禁煙用途との両方に有用であることを、注記する。タバコ代用品における本発明のフレーバー調節物質の使用はまた、本発明に包含される。
本発明の口腔ケア用品の好適な例には、歯磨き、マウスウォッシュ、デンタルフロス、アンチプラークおよび歯肉炎防止(anti-gingivitis)組成物が含まれる。
最も好ましくは、本発明において、製品は食料品および飲料の群から選択される。
本発明の尚他の好ましい態様において、食料品または飲料は、塩化ナトリウムおよび/またはグルタミン酸一ナトリウムを含む。上記で説明したように、NaClおよびMSGの存在により、本発明の物質のフレーバー調節効能が大幅に増大する。最も好ましくは、食料品または飲料は、少なくとも0.01重量%のNaClおよび/または0.001重量%のMSGを含む。
本発明の第4の観点は、食料品、飲料、医薬、口腔ケア用品およびタバコ製品の群から選択される製品のフレーバーを改善する方法に関し、前記方法は、上記で定義したように、フレーバー調節量の1種または2種以上の式(I)で表される物質、これらの食用の塩類およびこれらの食用のエステル類の群から選択された本発明のフレーバー調節物質の前記製品中に導入することを含む。
本発明のフレーバー調節物質、製品および量の特に好ましい例は、上記に記載した通りである。
本発明の第5の観点は、式(I)で表される物質、これらの食用の塩類およびこれらの食用のエステル類の群から選択される1種または2種以上のフレーバー調節物質の、食料品、飲料、医薬、口腔ケア用品およびタバコ製品の群から選択される製品のフレーバーを改善するための使用に関する。
本発明のフレーバー調節物質、製品および量の好ましい例は、前に記載した通りである。
上記で述べたように、本発明のフレーバー調節物質は、塩味の影響、うまみの影響、甘味の影響、複雑さおよび連続性を調節するのに、特に改善および/または補完するのに特に適する。したがって、本発明の好ましい態様は、塩味の影響、うまみの影響、甘味の影響、フレーバーの複雑さおよびフレーバーの連続性を改善および/または補完するための、上記で定義した使用に関する。複雑さおよび連続性は、それぞれ「ふくよかさおよび深み」ならびに「長期間継続し、拡大する」とも表されるフレーバー品質を示すためにフレーバリングの分野において一般的に用いられる用語である。
本発明の第6の観点は、式(I)で表されるフレーバー調節物質、この食用の塩類またはこの食用のエステル類の製造方法であって、前記方法が、式NHRで表され、式中Rが式(I)に関して前に定義したのと同一の意味を有する適切に保護されたアミンを、式(II):
Figure 0005410295
式中、Xは、式(I)に関して前に定義したのと同一の意味を有する、
で表されるカルボン酸塩の活性化された誘導体と、典型的にはこのような出発材料の組み合わせを加熱することにより反応させることを含む、前記方法に関する。
当業者により理解されているように、本明細書中で用いる適切に保護されているとは、カルボン酸で誘導体化されるべき第一アミンを除いた分子のすべての反応性基が当該分野において知られている保護基により保護されていることを意味する。活性化カルボン酸の用語は典型的に、カルボン酸の(混合)無水物、エステル類、酸塩化物または酸臭化物を包含し、これは当業者により認識されている通りである。式(I)で表されるカルボン酸およびヌクレオチドの誘導体を得るために、先ず対応するヌクレオシドの誘導体を調製し、第2の段階においてこのリン酸エステルを調製するのが典型的に好ましいことが見出され、これは添付する例に示す通りである。
フレーバー調節物質を調製する本発明の方法は、従来の反応を利用するプロセスを含む。好ましくは、前記反応を、0.1〜10時間の期間にわたり有機溶媒または有機溶媒の混合物、例えばDMF/ピリジン中で反応体を還流下で加熱することにより、行う。本発明の方法において、反応生成物は、典型的には沈殿物として得られ、溶媒を蒸発させ、任意に当業者に知られている手法のいずれか、例えばクロマトグラフィーおよび結晶化を用いてさらに精製することにより単離することができる。
本発明の方法の他の特に好ましい態様において、プリン、ピリミジン、ヌクレオチドおよび/またはヌクレオシドのカルボン酸塩との反応を、炭水化物源の存在下で行う。典型的に、この反応を、先ず(i)式NHRで表される1種または2種以上のアミン;(ii)1種または2種以上のカルボン酸塩;および炭水化物源の混合物を調製し、続いて前記混合物を加熱することにより、行う。好ましくは、炭水化物源を、少なくとも0.5重量%、一層好ましくは少なくとも1重量%の濃度で、混合物中に導入する。
本発明の方法の特に好ましい態様において、プロセスフレーバー調製物、好ましくはメイラードフレーバー調製物を、(i)炭水化物源;(ii)窒素源(上記窒素源は、0.5〜100重量%、好ましくは1〜50重量%、最も好ましくは2〜25重量%のプリン類、ピリミジン類、ヌクレオチド類および/またはヌクレオシド類の1種または2種以上を含む)および(iii)1種または2種以上の上記式(II)で表されるカルボン酸塩類の混合物を加熱することにより製造する。
窒素源と炭水化物源との組み合わせは、好ましくは、加熱する前の混合物の少なくとも1重量%に相当する。一層好ましくは、前記混合物は、当該混合物の少なくとも5重量%および最も好ましくは少なくとも15重量%に相当する。前記方法により得られるメイラードフレーバー調製物は、典型的に、1種または2種以上の本発明のフレーバー調節物質を含む。このように、前述の方法により、好ましくは、式(I)で表される1種または2種以上の物質またはこれらの塩類の有効量を含むメイラードフレーバー調製物が得られる。
本明細書中で用いる用語「メイラードフレーバー調製物」は、窒素源、好ましくはアミノ窒素および炭水化物源、好ましくは還元糖を含む成分の混合物を加熱することにより得られるフレーバー調製物を表す。本明細書中で同義に用いる用語「プロセスフレーバー」または「反応フレーバー」は、タンパク質窒素源および炭水化物源を、好ましくは180℃を超えない温度にて一緒に熱加工することにより得られる組成物または生成物を表す。本方法において、炭水化物源、窒素源および液相の組み合わせを、60〜180℃、尚一層好ましくは100〜140℃の温度に加熱するのが、特に好ましい。好ましい態様において、加熱を、0.1〜8時間、好ましくは0.5〜7時間の期間にわたり行う。
特に好ましい態様において、カルボン酸塩類は、連続液相として混合物中に存在する。液体連続相に関して本明細書中で用いる用語「液体」は、特に用いる加熱条件の下で、連続相が流体または流動挙動を示すという事実を表す。さらに、液体の用語は、エマルジョンおよび懸濁液を包含することを、理解すべきである。
本発明の好ましい態様において、方法を、少なくとも40重量%、一層好ましくは少なくとも45重量%、最も好ましくは少なくとも50重量%のカルボン酸塩を含む連続液相において行う。この連続液相は、有利には、水を、カルボン酸塩を液化するのに十分な量で、例えば少なくとも2重量%、尚一層好ましくは少なくとも5重量%の量で、含む。連続液相の合計重量を基準として、水の量が70重量%を超えないことが好ましく、好ましくは、これは60重量%を超えず、一層好ましくは、これは45重量%を超えない。
好ましくは、前記連続液相は、カルボン酸、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、クエン酸、ピルビン酸、オキサル酢酸、ケイ皮酸、コーヒー酸、安息香酸、没食子酸、バニリン酸、アントラニル酸、フェルラ酸またはこれらの塩を含む。特に好ましい態様において、カルボン酸成分は酢酸である。
炭水化物源は、プロセスフレーバーおよびメイラードフレーバー調製物の分野において従来用いられているすべてのタイプであり得る。好ましくは、炭水化物源は、還元糖を含む。非限定的な例には、リボース、キシロース、グルコース、フルクトース、ラムノース、ラクトース、マルトースおよびスクロースが含まれる。
本発明の「窒素源」は、前記の式NH−Rで表される物質の他に、さらにタンパク質窒素源、自己消化酵母、ペプチド類、アミノ酸類および/またはこれらの塩類、脱炭酸されたアミノ酸類、これらの塩類ならびにこれらの混合物を含んでいてもよい。本発明の特に好ましい態様において、窒素源は、酵母抽出物、特に、1〜25重量%、好ましくは2〜20重量%の範囲内の量でGMPを含む酵母抽出物を含む。このような酵母抽出物の好適な例には、Aromild(これは、約10重量%のGMPを含む)、Umamex I(これは約15重量%のGMPを含む)、Umamex II(これは約4.4重量%のGMPを含む)および/またはYEP 99(これは約2.5重量%のGMPを含む)が挙げられる。Aromildは、Kohjinにより販売されている商業的に入手できる酵母抽出物である。Umamex IおよびIIならびにYEP 99は、Kerry Biosciencesから商業的に入手できる。本方法の好ましい態様において、窒素源および炭水化物源を、1:20〜20:1の範囲内の重量比で用いる。他の好ましい態様において、炭水化物源および窒素源の組み合わせに対するこれらのカルボン酸塩類および/または塩類の用いる重量比は、1:1〜20:1の範囲内、一層好ましくは2:1〜10:1の範囲内である。
ここで、本発明を、以下の例においてさらに例示するが、これは、上記の、および/または特許請求の範囲において定めた本発明の範囲を限定することを意図しない。

例1:N−アセチル−グアノシンの調製
11.3gのグアノシンをDMF/ピリジン/無水酢酸(各々50ml)に溶解した溶液を、還流(116℃)下で3時間加熱した。すべての液体を、蒸留(100℃/30mbar)により除去し、残留物を、80mlの塩化メチレンに溶解した。塩化メチレン溶液を、1Mの塩酸溶液で2回、および飽和重炭酸ナトリウム溶液で2回洗浄した。溶媒を蒸発させ、残留物を、50mlのTHF、40mlのメタノールおよび35mlの水の混合物中に取り込んだ。この溶液を、1.6gの水酸化ナトリウムを4mlの水に溶解した溶液で処理した。混合物を、室温で20分間放置した。5mlの酢酸を加え、溶液を、約80mlに濃縮した。いくらかのイソプロパノールを加え、溶液を、−20℃に冷却した。N−アセチル−グアノシンを濾過し、50℃/10mbarにて真空オーブン中で乾燥して、4gの明るい茶色の粉末を得た。H NMR分光法を用いて、生成物がN−アセチル−グアノシンであることが例証された。
例2:N−アセチル−GMPの調製
1.8gの塩化ホスホリルを、7mlのリン酸トリメチルと混合し、窒素雰囲気下で−10℃に冷却した。温度を−10℃より低温に保持しながら、この溶液に、1.6gのアセチルグアノシン(例1)を、攪拌下で、少量で加えた。混合物を、温度を−5℃より低温に保持しながら、混合物を3時間撹拌した。反応混合物を、溶液を300mlの氷/水中に注入し、その後pHを33%水酸化ナトリウムで2に調整することにより、反応停止した。溶液を、30gの活性炭を含むカラム(直径=3cm)上に浸透させ、水で洗浄して、塩類を除去し、100mlのエタノール、100mlの水および4mlの28%アンモニアからなるエタノール/水/28%NHOH(50/48/2)混合物で溶離した。溶離液を蒸発乾固させた。半固体残留物を、エタノール/メチルtert.ブチルエーテル中に取り込み、固体を濾過し、60℃/10mbarにて真空オーブン中で乾燥して、0.8gのN−アセチル−GMPを得た。H NMR分光法を用いて、生成物がN−アセチル−GMPであることが確認された。
例3:
6種の水溶液を調製した:
A.0.5%の塩および0.05%のMSG
B.溶液Aに溶解した1ppmのGMP
C.溶液Aに溶解した0.3%のラクトイル−GMPを含む0.2ppmのプロセスフレーバー
D.溶液Aに溶解した0.6ppbのラクトイル−GMP
E.溶液Aに溶解した1ppbのアセチル−GMP
F.溶液Aに溶解した30ppbのアセチル−GMP
溶液を、プロの官能パネルにより味見した。
溶液Aは、「塩味の」と表現された。
溶液Bは、「甘い」、「長時間継続するうまみ」と表現された。
溶液Cは、「甘い」、「長時間継続するうまみ」、「Bより強力」と表現された。
溶液Dは、「甘い」、「長時間継続するうまみ」、「より唾液を誘発する」、「Cより強力」と表現された。
溶液Eは、「唾液を誘発する」、「塩味の」、「Dより強力」と表現された。
溶液Fは、「唾液を誘発する」、「塩味の」、「Eより強力」と表現された。
例4:
3種の水溶液を調製した:
A.0.5%の塩および0.05%のMSG
B.溶液Aに溶解した0.6ppbのラクトイル−GMP
C.溶液Aに溶解した0.1pptのアセチル−GMP
D.溶液Aに溶解した10pptのアセチル−GMP
溶液を、プロの官能パネルにより味見した。
溶液Aは、「塩味の」と表現された。
溶液Bは、「甘い」、「長時間継続するうまみ」、「より唾液を誘発する」と表現された。
溶液Cは、「甘い」、「うまみ」と表現された。パネルの40%が、これを検出可能であると見出した。
溶液Dは、「甘い」、「うまみ」と表現された。パネルの100%が、これを検出可能であると見出した。
溶液BおよびDの味の強度は、同程度である。
例5:
4種の異なるトマトスープ粉末組成物を、表1に示す成分を乾燥混合することにより調製した。
Figure 0005410295
10グラムの各々の組成物を、100mlの温水と混合して、トマトスープを得た。異なるスープを、官能パネルによって味見し、評価した。例2において調製したアセチル−GMPを含む生成物Cは、生成物B(50%の塩減少)よりも明らかに好ましかった。ラクトイル−GMPを含む生成物Dは、生成物B(50%の塩減少)よりも明らかに好ましかった。生成物CおよびDの減少した塩含量にもかかわらず、生成物の知覚された塩味は、生成物Aのものと同程度であった。さらに、生成物CおよびDの味は、「より多大な味」、「より多大な影響」、「より多大なコクミ(kokumi)」、「長期間継続する」および「唾液を誘発する」を有すると表現された。
例6:
3種のヨーグルトを、表2におけるレシピに従って調製した。
Figure 0005410295
すべての製品を、官能パネルにより味見し、評価した。製品BおよびCは、製品Aよりも明らかに好ましかった。製品Aは、甘く、フルーツ様であり、ベリー様であり、味気なく、わずかに苦いと表現された一方、製品BおよびCは、甘く、より充満した、より自然のブドウ様であり、フルーツ様であり、より均衡のあるフレーバーであると表現された。製品BおよびCの強度は、同程度であった。
例7:プロセスフレーバーの調製
容器中で、90gの酢酸、10gの水、2.5gのブドウ糖および5gの塩を、攪拌することにより組み合わせ、混合する。この混合物に、22.5gのGMP二ナトリウム塩を加える。混合物を、100℃にて4時間攪拌し、加熱する。混合物を室温に冷却し、25gの水を加え、合計155gの生成物を得る。120gの水を、37.2gのこの生成物に加える。50%のNaOH溶液を用いてこの混合物のpHを6に調整する。88.8gのマルトデキストリンを、この混合物に溶解し、得られた溶液を、噴霧乾燥し、最終的な粉末生成物を得る。
例8:プロセスフレーバーの評価
3種の水溶液を調製した:
A.0.5%の塩および0.05%のMSG
B.0.2ppmの溶液Aに溶解した例7において調製した生成物
C.1pptの溶液Aに溶解した例2において調製した生成物
溶液を、プロの官能パネルによって味見した。溶液Aは「塩味の」と表現された。溶液Bは、「甘い」、「うまみ」と表現された。溶液Cは、「甘い」、「うまみ」と表現された。溶液BおよびCの官能的影響は、同程度であった。溶液Bの強度は、溶液Cよりわずかに弱かった。
例9:N−スクシニルGMPプロセスフレーバーの調製
容器中に、50gのコハク酸、50gの水、2.5gのブドウ糖および5gの塩を、攪拌することにより混ぜ合わせ、混合する。この混合物に、22.5gのGMP二ナトリウムを加える。混合物を、100℃にて4時間攪拌し、加熱する。混合物を室温に冷却し、25gの水を加え、合計155gの生成物を得る。120gの水を、37.2gのこの生成物に加える。50%のNaOH溶液を用いてこの混合物のpHを6に調整する。88.8gのマルトデキストリンを、この混合物に溶解し、得られた溶液を、噴霧乾燥し、最終的な粉末生成物を得る。
例10:N−スクシニルGMPプロセスフレーバーの評価
3種の水溶液を調製した:
A.0.5%の塩および0.05%のMSG
B.10ppmの溶液Aに溶解した例9において調製した生成物
C.50ppmの溶液Aに溶解した例9において調製した生成物
溶液を、プロの官能パネルによって味見した。溶液Aは、「塩味の」および「うまみ」と表現された。溶液Bは、「唾液を誘発する」、「うまみ」、「塩味の」、「長期間継続する」および「ブイヨン様の」と表現された。溶液Bにおける塩味およびうまみの知覚は、溶液Aにおける知覚よりも強力であった。溶液Cは、溶液Bよりも強力であるが、尚心地よいと記載され、特に塩味はより鋭く、より強力であると知覚された。

Claims (4)

  1. N−アセチルGMP、N−スクシニルGMP、これらの食用の塩類およびこれらの食用のエステル類の群から選択された、フレーバー調節物質。
  2. 請求項において定義された、1種または2種以上のフレーバー調節物質をフレーバー調節量で含む、食料品、飲料、医薬、口腔ケア用品およびタバコ製品の群から選択される製品。
  3. 食料品、飲料、医薬、口腔ケア用品およびタバコ製品の群から選択される製品のフレーバーを改善する方法であって、請求項において定義された1種または2種以上のフレーバー調節物質をフレーバー調節量で前記製品中に導入することを含む、前記方法。
  4. (i)リボース;(ii)窒素源(前記窒素源は、0.5〜100重量%のグアニンを含む);および(iii)1種または2種以上の酢酸およびコハク酸および/またはこれらの塩類の混合物を加熱することを含む、プロセスフレーバー調製物の製造方法。
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