JP5409439B2 - コウゾ抽出物を含む免疫機能強化用組成物 - Google Patents

コウゾ抽出物を含む免疫機能強化用組成物 Download PDF

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本発明は、コウゾ抽出物を含む免疫機能強化用組成物、コウゾ抽出物を含む免疫機能強
化用健康食品、及びコウゾ抽出物を含む免疫機能低下による疾患用治療剤に関するものである。
コウゾ(Broussonetia kazinoki)は、漢字語では楮木という。学名は、Broussonetia kazinoki SIEB.,クワ科(Moraceae)の落葉闊葉潅木で山辺の日だまりで見られるが、小
さな枝に短毛が密生するが生長するにつれてなくなり、樹皮は灰褐色であり、高さは約3m程度である。葉は、卵形または長楕円形で縁に鋭い鋸歯があり、虫食ったようにまちまちに破れた模様をしている。花は、赤紫色で5〜6月に雌雄異株形態で腋出して、実は核果で球形であり9月頃に成熟する。コウゾは、漢方で根皮を構皮麻、果実を楮実子といい若い枝及び葉とともに夏と秋期に採取する。(国家生物総知識情報システム、http://www.nature.go.kr/plant/plantGuide/)。
コウゾは、昔には苧布と呼ばれる一種の反物を織るのに使用され、製紙原料として使用される。コウゾを製紙原料として加工するには、まず、収獲された幹を1〜2mの長さに切って密閉された釜に入れて蒸気で蒸す。二時間程蒸すと、初めは土の臭いがした後、甘い味を帯びた香りが漂うが、この頃に取り出して皮をむく。それをそのまま乾かしたものを黒皮または粗皮と呼び、さらに加工して白皮を得ることができる。普通製紙原料に使用されるのは白皮であるが、白皮を製造する時に掻き出した黒い皮も下級紙の原料に使用される(造林技術(金容寛、英崙社、1962年)、特用林産物栽培と使用(尹国炳、英崙社、1963年)、特用水栽培学(イム・ギョンビン、ヒャン・ムンサ、1976年)、農産物商品便覧(農業協同組合中央会、1983年)、韓国樹木図鑑(林業試験場、1966年)、コウゾ栽培と使用(キム・ヨンリョン、山林、山林組合連合会、1973年))。
コウゾの薬理作用としては、▲きょ▼湿、利尿、活血、水腫、打撲傷、皮膚炎に効果があることが知られていて、化学成分としては、Kazinol A、Kazinol B、Kazinol D、Kazinol E、Kazinol F、Kazinol K、Kazinol H、Kazinol Q、Kazinol R、broussonetine W、broussonetine X、broussonetine M1、broussonetine U1、broussonetine J3、broussonetine J2、broussonetine R、broussonetine S、broussonetine T、broussonetine V、 broussonetine O、broussonetine P、broussonetine Q、broussonol A、broussonol B、broussonol C、broussonol D、and broussonol E、broussonetinine A、broussonetinine B、7,4’-dihydroxyflavan、oleanolic acid等を含んでいることが知られている。
免疫活性化を検証する代表的な方法として、大食細胞増殖効果(非特許文献1)と脾臓細胞の増殖効果を検証する方法を選択した。NOの生成促進効果は、大食細胞活性化の指標で、大食細胞で生成されるNOは、侵入した病原菌を無くして基本的な宿主防御体系を作動させる役割をする(非特許文献2)。特に、Th細胞の分化工程の中で、ThO状態からThlとTh2に分けられる時、Thlへの分化を助ける作用をすることが知られている。また、白血球の活性の中で、癌細胞、寄生虫またはバクテリアを殺害する細胞毒性活性は、NOを遊離させることによって現われることが報告されている(非特許文献3)。また、気管支炎において、NOがT細胞と内皮細胞間の免疫調節をして(非特許文献4)強力な血小板凝集抑制作用があることが知られている。
それで、本発明者等は、コウゾ抽出物が脾臓細胞及び大食細胞の増殖を促進して、NOの生成を誘発するので、前記コウゾ抽出物が、免疫活性化及び増強効果があることを確認して本発明を完成した。
FriedlR, Moeslinger T, Kopp B, and Spieckermann PG. Stimulation of nitric oxide synthesis by the aqueous extract of Panax ginsena root in Raw 264.7 cells. British Journal of pharmacology, 2001年, 第134巻, P.1663-1670 Farrell AJ, Blake DR. Nitric oxide. Annals of the Rheumatic Diseases. 1996年, 第55巻, P.7-20 Nathan C. Nitric oxide as a secretory product of mammalian cells. FASEB Journal. 1992年, 第6巻, P.3051-3064 Bingisser RM, Holt PG Immunomodulating mechanism in the lower respiratory tract; nitric oxide mediated intraction between alveolar macrophage, epithelial cell, and T-cell, SWISS Medical Weekly. 2001年, 第131巻, P.171-179
本発明の目的は、コウゾ抽出物を有効成分として含む免疫機能強化用組成物、免疫機能強化用健康食品、または免疫機能低下に起因した疾患の治療剤を提供することである。
前記目的を達成するために、本発明は、コウゾ抽出物を有効成分として含む免疫機能強化用組成物を提供する。
また、本発明は、コウゾ抽出物を有効成分として含む免疫機能強化用健康食品を提供する。
また、本発明は、前記免疫機能強化用組成物の製造方法を提供する。
また、本発明は、薬学的に有効な量のコウゾ抽出物を個体に投与する工程を含む、個体の免疫機能増進方法を提供する。
また、本発明は、コウゾ抽出物を有効成分として含む免疫機能低下に起因する疾患用治療剤を提供する。
同時に、本発明は、薬学的に有効な量のコウゾ抽出物を個体に投与する工程を含む、免疫機能低下によって起因した疾患の予防または治療方法を提供する。
本発明のコウゾ抽出物は、マウスの脾臓細胞及び大食細胞の成長を増加させて、NOの生成を増加させるので免疫機能の強化に効果的で、免疫機能強化用組成物、免疫機能強化用健康食品、または免疫機能低下に起因する疾患用治療剤の有効成分として有用に使用することができる。
図1は、マウス脾臓細胞での、本発明のコウゾ水抽出物処理による脾臓細胞の増殖効果を示すグラフである。 図2は、マウス大食細胞株での、本発明のコウゾ水抽出物処理による大食細胞株の増殖効果を示すグラフである。 図3は、マウス大食細胞株での、本発明のコウゾ水抽出物処理によるNO生成誘発効果を示すグラフである。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明は、コウゾ抽出物を有効成分として含む免疫機能強化用組成物を提供する。
前記コウゾは、栽培されたものまたは市販されているものなどを制限なしに使用することができる。前記コウゾは、葉、幹、根または木質部をすべて使用することができ、幹を使用することがさらに好ましいが、これに限定されない。
コウゾの抽出溶媒は、水、アルコールまたはこれらの混合物を使用するのが好ましく、水を使用するのがより好ましいが、これに限定されない。前記アルコールとしては、C〜Cの低級アルコールを使用することが好ましく、前記低級アルコールでは、エチルアルコールまたはメタノールを使用するのが好ましいが、これに限定されない。
コウゾ抽出物は、コウゾの幹と試料重量の約1/5〜1倍、好ましくは約1/3倍の水を抽出溶媒に使用することが好ましい。また、室温で1〜24時間、好ましくは4〜15時間、2〜3時間抽出することが最も好ましい。抽出方法では、熱水抽出、冷浸抽出、還流冷却抽出、超音波抽出及び蒸気抽出などが好ましく、蒸気抽出後に凍結乾燥を行なって本発明のコウゾ抽出物を得ることがさらに好ましい。
本発明者等は、前記のように抽出されたコウゾ水抽出物がマウスの脾臓細胞、大食細胞の成長に及ぼす影響を調査した。その結果、脾臓細胞の増殖を誘発して(図1及び表1参照)、大食細胞でも卓越した増殖効果を示し、陽性対象群と比較しても顕著に効果的であることを確認した(図2及び表2参照)。
以後、本発明者等は、コウゾ水抽出物がNO生成に及ぼす影響を調査した。その結果、NO生成も効果的に誘発して免疫増強に効果的であることを確認した(図3及び表3参照)。
ゆえに、本発明のコウゾ抽出物は、免疫機能強化用組成物に効率的に使用することができる。
本発明の免疫機能強化用組成物は、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁液、エマルジョン、シロップ、エアゾールなどの経口型剤形、外用剤、坐剤または滅菌注射溶液の形態に剤形化して使用することができる。前記組成物に含むことができる担体、賦形剤及び希釈剤としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、澱粉、アカシアゴム、アルジネート、ゼラチン、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、セルロース、メチルセルロース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、タルク、ステアリン酸マグネシウム及びミネラルオイルを挙げることができる。製剤する場合には、普通に使用する充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を用いて調剤することができる。
経口投与のための固形製剤には、錠剤、丸薬、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれ、このような固形製剤は、前記抽出物に少なくとも一つ以上の賦形剤例えば、澱粉、炭酸カルシウム、スクロース、ラクトース、ゼラチンなどを混ぜて調剤することができる。また、単純な賦形剤以外に、ステアリン酸マグネシウム、タルクのような滑剤なども使用することができる。経口のための液状製剤では、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤などが該当し、よく使用される単純希釈剤の水、リキッドパラフィン以外にさまざまな賦形剤、例えば湿潤剤、甘味料、芳香剤、保存剤などを含むことができる。
非経口投与のための製剤には、滅菌された水溶液、液剤、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤及び坐剤、注射製剤が含まれる。非水性溶剤、懸濁剤では、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物性油、オレイン酸エチルなどの注射可能なエステルなどを使用することができる。坐剤の基剤では、ハードファット、マクロゴ−ル、ツイーン61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロゼラチンなどを使用することができる。
また、本発明は薬学的に有効な量のコウゾ抽出物を個体に投与する工程を含む個体の免疫機能増進方法を提供する。
前記個体は、人間、猿、犬、ヤギ、豚またはネズミなどすべての動物を意味する。
前記薬学的に有効な量は、医学的治療に適用可能な合理的な受恵または危険の割合で、疾患を治療するのに充分な量を意味し、これは薬物の活性、薬物に対する敏感度、投与時間、投与経路、排出割合、及びその他医学分野によく知られた要素によって決定することができる。
本発明のコウゾ抽出物は、マウスの脾臓細胞及び大食細胞の成長を促進して、NO生成を促進するので、免疫活性化及び増強効果があることが分かる。
本発明のコウゾ抽出物は、経口または非経口で投与することができ、それぞれ通常の方法によって、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁液、エマルジョン、シロップなどの経口型剤形、外用剤、坐剤及び滅菌注射溶液の形態に剤形化して使用することができる。
本発明のコウゾ抽出物は、同一または類似の機能を示す有効成分を1種以上、一緒に投与することができる。
本発明のコウゾ抽出物の投与量は、患者の体重、年齢、性別、健康状態、食餌、投与時間、投与方法、排泄率及び疾患の重症度によってその範囲が多様であり、一日投与量は、前記抽出物の量を基準に、0.0001〜100mg/kgで、好ましくは、0.001〜10mg/kgであり、一日に1〜6回に分けて投与することができる。
また、本発明はコウゾ抽出物を有効成分として含む免疫機能強化用健康食品を提供する。
コウゾ抽出物を添加することができる食品としては、例えば、各種食品類、乳製品、飲料、ガム、お茶、ビタミン剤、健康補助食品類などがあり、粉末、顆粒、錠剤、カプセルまたは飲料の形態で使用することができる。
また、免疫機能強化を目的として、食品または飲料に添加することができる。
ここで、食品または飲料中の前記抽出物の量は、全体食品重量の0.01〜15重量%で加えることができ、健康飲料組成物は、100mlを基準に0.02〜5g、好ましくは0.3〜1gの割合で加えることができる。
本発明の健康機能性飲料組成物は、指示された割合で必須成分として前記コウゾ抽出物を含む以外に、他の成分には特別な制限がなく、通常の飲料のようにさまざまな甘味剤または天然炭水化物などを追加成分として含むことができる。上述した天然炭水化物の例としては、モノサッカライド、例えば、ブドウ糖、果糖など;ジサッカライド、例えばマルトース、スクロースなど;及びポリサッカライド、例えばデキストリン、シクロデキストリンなどのような一般的な糖、及びキシリトール、ソルビトール、エリトリトールなどの糖アルコールである。上述した以外の甘味剤として、天然甘味剤(タウマチン、ステビア抽出物(例えばレバウジオシドA、グリシルヒジン等))及び合成甘味剤(サッカリン、アスパルテームなど)を有利に使用することができる。前記天然炭水化物の割合は、本発明の組成物100g当たり一般的に1〜20g、好ましくは5〜12gである。
前記の他に本発明のコウゾ水抽出物は、さまざまな栄養剤、ビタミン、鉱物(電解質)、合成風味剤及び天然風味剤などの風味剤、着色剤及び充填剤(チーズ、チョコレートなど)、ペクチン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調節剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に使用される炭酸化剤などを含むことができる。その他に本発明のコウゾ抽出物は、天然果物ジュース及び果物ジュース飲料及び野菜飲料製造のための果肉を含むことができる。このような成分は、独立的にまたは組み合わせて使用することができる。このような添加剤の割合は、本発明のコウゾ抽出物100g当たり、1〜20gの範囲で選択することが一般的である。
また、本発明は、コウゾ抽出物を有効成分として含む免疫機能低下による疾患予防及び治療剤を提供する。
前記免疫機能低下に起因する疾患としては、風邪などの感染性疾患及び慢性疲労、癌などからなる群から選択されるいずれかひとつであることが好ましいが、これに限定されるのではなく、当業者に知られた免疫機能低下に起因する疾患はすべて本発明に含まれる。
本発明のコウゾ抽出物の好ましい投与量は、患者の状態及び体重、疾病の程度、薬物形態、投与経路及び期間によって異なるが、当業者によって適切に選択され得る。しかし、好ましい効果を得るため、本発明のコウゾ抽出物は、1日に0.0001〜500mg/kgで、0.001〜500mg/kgで投与することが好ましい。投与は、一日に一回投与することもでき、数回に分けて投与することもできる。前記投与量は、本発明の範囲を限定するものではない。
また、本発明は、薬学的に有効な量のコウゾ抽出物を個体に投与する工程を含む免疫機能低下による疾患予防方法を提供する。
また、本発明は、薬学的に有効な量のコウゾ抽出物を免疫機能低下による疾患にかかった個体に投与する工程を含む免疫機能低下による疾患治療方法を提供する。
前記免疫機能低下に起因する疾患としては、風邪などの感染性疾患及び炎症性疾患、アトピーなどのアレルギー疾患、慢性疲労、癌などからなる群から選択されるいずれかひとつであることが好ましいが、これに限定されるのではなく、当業者に知られた免疫機能低下に起因する疾患はすべて本発明に含まれる。
前記治療方法は、個体に本発明のコウゾ水抽出物を有効成分として投与する工程を含む。
前記方法において、本発明のコウゾ抽出物は、多様な経路で投与することができる。投与のすべての方式は、予想でき、例えば、経口、直腸または静脈、筋肉、皮下、硬膜または脳質内(intracerebroventricular)注射によって投与することができる。
以下、本発明を実施例、実験例及び製造例によって詳しく説明する。
但し、下記の実施例、実験例及び製造例は、本発明を具体的に例示するだけのものであって、本発明の内容が実施例、実験例及び製造例に限定されるのではない。
<実施例1>コウゾ水抽出物の製造
コウゾ蒸気抽出液は、チュンヤン ペーパー カンパニー リミテッド(天陽製紙(株))で韓紙製造工程中に生産されるものを収集して、全州生物素材研究所で凍結乾燥したものを使用した。切り取ったコウゾ幹を1〜1.5mの長さに切断して並べた後、約15〜20kg程度の小さな束に縛って直径2m、深さ1m程度の鉄製円筒に水を1/3程度満たした後、コウゾを縦に立てて約450〜600kg入れ、まわりを動かないようにしっかりと固定した。外部にビニールを被せて蒸気が抜けないようにして、蒸気を供給して2〜3時間加熱した。充分に蒸されたコウゾを除去して、円筒下方のコウゾ抽出液を回収して、減圧濃縮した後、凍結乾燥して実験に使用した。乾燥したコウゾ水抽出物の収率は、1.3%であった。
<実験例1>マウス脾臓細胞の細胞増殖効果調査
7週齢のオスのC57BL/6マウス(大韓バイオリンク、忠清北道陰城)を頚椎脱骨後、脾臓を摘出した。摘出した脾臓を、HBSS( Hank’s Balanced Salts Modified.Gbico BRL.)で洗浄して細胞を分離後、遠心分離してRBC細胞溶解バッファー(lysing buffer, Sigma)で赤血球を除去した後、10%FBS(GibcoBRL.)とペニシリン(Gibco BRL.)及びストレプトマイシン(Gibco BRL.)を含むRPMI1640(Hyclone)培地に浮遊させて、5%CO、37℃で培養した。前記実施例1で製造されたコウゾ水抽出物が、脾臓細胞増殖に及ぼす効果を検索するために、96ウェルプレートに分離培養した脾臓細胞を5×10細胞/ウェルで分注して、コウゾ水抽出物を1〜100μg/mlの濃度でPBSに溶解して添加した。細胞増殖効果に対する比較物質としてConA(Concanavalin A,Sigma Co.,米国)とLPS(lipopolysaccharide,Sigma Co.,米国)2μg/mlを使用した。48時間培養後、テトラゾリウム塩のCCK−8キット(Cell Counting Kit-8,Dojindo Laboratories,東京,日本)溶液を添加して、さらに4時間培養した後、ELISAリーダー(Ceres UV 900C,Bio-tech instrument,米国)を使用して、450nm で吸光度を測定した。対照群ウェルの吸光度に対する薬物添加ウェルの吸光度の比率を%で計算し、多くのウェルの平均値を用いた。計算は、下記の[数式1]を用いて算出した。
数式1
その結果、コウゾ水抽出物をネズミから分離した脾臓細胞に1〜100μg/mlで処理した時、脾臓細胞の増殖効果が濃度依存的に増加した(図1)。これは、陽性対象群に使用したLPSとConAを2μg/ml処理した場合、対照群は、203.4±5.1、224.9±17.7%を示し、コウゾ水抽出物も脾臓細胞の増殖を誘発して免疫増強に効果的であることを確認した。
<実験例2>マウス大食細胞株の細胞増殖及びNO生成効果の調査
<2−1>マウス大食細胞株の細胞増殖効果の調査
マウス大食細胞株であるRaw264.7細胞株を96ウェルプレートに5×10細胞/ウェルで分注して、水抽出物を1〜100μg/ml濃度で処理した。比較物質には、ConA(Sigma Co.,米国)とLPS(Sigma Co.,米国)2μg/mlを使用した。48時間培養後テトラゾルリウム塩のCCK−8キット(Cell Counting Kit−8,Dojindo Laboratories,東京,日本)溶液を添加して、さらに4時間培養した後、ELISAリーダー器(Ceres UV900C,Bio−tech instrument,米国)を使用して、450nmで吸光度を測定した。対照群ウェルの吸光度に対する薬物添加ウェルの吸光度の比を%で計算し、多くのウェルの平均値を使用した。計算は、下記の[数式2]を使用して算出した。
数式2
その結果、コウゾ水抽出物をマウス大食細胞株であるRAW264.7細胞株に1〜100μg/mlで処理した時、細胞増殖効果が陽性対象群に使用したLPSより高く現われたので、コウゾ水抽出物は、大食細胞の増殖を誘発して免疫増強に効果的であることを確認した(図2)。
<2−2>マウス大食細胞株のNO生成効果の調査
Raw264.7細胞を2.5×10細胞/ウェルで、48ウェルプレートに分注してCO培養器内で24時間培養した後、陽性対象群としてLPSを処理した。薬物処理群には、水抽出物を1〜100μg/mlで処理して、18時間培養後、上澄み液を分離してNO生成量を測定した。NO生成量は、Griess reagent(Promega,米国)を使用して反応させ、535nmで吸光度を測定した。
その結果、コウゾ水抽出物をマウス大食細胞株であるRAW264.7細胞株に1〜100μg/mlで処理した時、NO生成促進効果が優秀であることが示された。コウゾ水抽出物は、大食細胞の増殖を誘発するだけでなく、大食細胞でNOの生成も促進して免疫増強に効果的であることを確認した(図3)。
前記の結果は、本発明のコウゾ水抽出物が、マウス脾臓細胞の細胞増殖、大食細胞の増殖、大食細胞のNO生成促進に対して優れた効果を示したので、本発明のコウゾ水抽出物は、免疫活性化及び免疫機能強化に使用できることを提示する。
下記に、本発明組成物のための製造例を例示する。
<製造例1>製薬製剤の製造
<1−1>散剤の製造
本発明のコウゾ水抽出物 2g
乳糖 1g
前記成分を混合した後、気密包に充填して散剤を製造した。
<1−2>錠剤の製造
本発明によるコウゾ水抽出物 100mg
とうもろこし澱粉 100mg
乳糖 100mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
前記成分を混合した後、通常の錠剤の製造方法にしたがって打錠して精製を製造した。
<1−3>カプセル剤の製造
本発明のコウゾ水抽出物 100mg
とうもろこし澱粉 100mg
乳糖 100mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
前記成分を混合した後、通常のカプセル剤の製造方法にしたがってゼラチンカプセルに充填してカプセル剤を製造した。
<1−4>注射液剤の製造
本発明によるコウゾ水抽出物 10μg/ml
薄い塩酸BP pH3.5になるまで
注射用塩化ナトリウムBP 最大1ml
適当な容積の注射用塩化ナトリウムBPの中に本発明によるコウゾ水抽出物の粉末を溶解させて、生成された溶液のpHを薄い塩酸BPを使用してpH3.5に調節して、注射用塩化ナトリウムBPを使用して容積を調節して充分に混合した。溶液を透明ガラス製の5mlタイプIアンプルの中に充填して、ガラスを溶解させて封入して、120℃で15分以上オートクレーブで殺菌して注射液剤を製造した。
<製造例2>食品の製造
本発明による本発明のコウゾ水抽出物を含む食品を下記のように製造した。
<2−1>小麦粉食品の製造
本発明のコウゾ水抽出物0.1〜10.0重量部を小麦粉に添加して、この混合物を使用して通常の方法でパン、ケーキ、クッキー、クラッカー及び麺類を製造して健康増進用食品を製造した。
<2−2>スープ及び肉汁(gravies)の製造
本発明のコウゾ水抽出物0.1〜1.0重量部をスープ及び肉汁に添加して、通常の方法で健康増進用肉加工製品、麺類のスープ及び肉汁を製造した。
<2−3>グラウンドビーフ(ground beef)の製造
本発明のコウゾ水抽出物10重量部をグラウンドビーフに添加して、通常の方法で健康増進用グラウンドビーフを製造した。
<2−4>乳製品の製造
本発明のコウゾ水抽出物0.1〜1.0重量部を牛乳に添加して、前記牛乳を用いて、通常の方法でバター及びアイスクリームのような多様な乳製品を製造した。
<2−5>禅食製造
玄米、麦、もち米、ハト麦を公知の方法でアルファ化させて乾燥させたものを焙煎した後、粉砕機で粒度60メッシュの粉末に製造した。
黒豆、黒ごま、えごまを公知の方法で蒸して乾燥させたものを焙煎した後、粉砕機で粒度60メッシュの粉末に製造した。
本発明のコウゾ水抽出物を真空濃縮器で減圧、濃縮して、噴霧、熱風乾燥器で乾燥して得た乾燥物を粉砕機で粒度60メッシュに粉砕して乾燥粉末を得た。
前記製造した穀物類、種実類及び本発明によるコウゾ水抽出物を次の割合で配合して、通常の方法で製造した。
穀物類(玄米30重量部、ハト麦15重量部、麦20重量部)、
種実類(えごま7重量部、黒豆8重量部、黒ごま7重量部)、
本発明のコウゾ水抽出物(1 重量部)、
霊芝(0.5重量部)、
地黄(0.5重量部)。
<製造例3>飲料の製造
本発明のコウゾ水抽出物を含む飲料を下記のように製造した。
<3−1>健康飲料の製造
液状果糖(0.5%)、オリゴ糖(2%)、砂糖(2%)、食塩(0.5%)、水(75%)のような副材料と本発明によるコウゾ水抽出物を均質に配合して瞬間殺菌をした後、これをガラスビン、ペットボトルなど小型容器に包装して健康飲料を製造した。
<3−2>野菜ジュースの製造
本発明のコウゾ水抽出物0.5gをトマトまたはニンジンなどの野菜のジュース1,000mlに加えて、通常の方法で健康増進用野菜ジュースを製造した。
<3−3>果物ジュースの製造
本発明のコウゾ水抽出物0.1gをリンゴまたはブドウなどの果物のジュース1,000mlに加えて、通常の方法で健康増進用果物ジュースを製造した。
上述のように、本発明は、コウゾ抽出物を含む免疫機能強化用組成物、コウゾ抽出物を含む免疫機能強化用健康食品、及びコウゾ抽出物を含む免疫機能低下による疾患用治療剤開発に有用に使用することができる。

Claims (2)

  1. コウゾ抽出物を有効成分として含む、炎症性疾患、アトピーなどのアレルギー疾患及び癌を除く、免疫機能強化用薬学的組成物。
  2. 前記コウゾが、韓紙製造工程中に生産され集められることを特徴とする、請求項1に記載の、炎症性疾患、アトピーなどのアレルギー疾患及び癌を除く、免疫機能強化用薬学的組成物。
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