JP5407691B2 - 均熱処理装置 - Google Patents

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Description

この発明は、均熱処理装置に関し、特に、たとえば半導体ウェハや液晶ガラス基板などの加熱処理対象物を均熱状態に加熱処理する熱処理プレートに関する。
加熱処理対象物を均熱状態に加熱処理する熱処理プレートに関する従来の技術は、たとえば、特許文献1または特許文献2に開示されている。
図21は、従来の熱処理プレートの一例の構成を示す斜視図である。図21に示す均熱処理プレートは、プレート1の内部に形成された複数個の貫通穴2aの両端を蓋7aおよび7bで閉塞して密閉容器7を形成し、この密閉容器7の内部を真空排気後に所定量の作動液を封入し、プレート1の底面に伝熱ブロック4を介してヒータ6を熱的に接触させた構成を有する。また、プレート1に形成された上記複数個の密閉容器7の間にヒータ6を埋込む方式の熱処理プレートも、特許文献1に記載されている。
図22は、従来の熱処理プレートの他の例の構成を示す平面図である。図23は、従来の熱処理プレートの他の例の構成を示す側面図である。図22および図23に示す熱処理プレートは、プレート1の内部に形成された複数個の穴の内部にパイプ3を配置して、パイプ容器の蛇行回路を形成し、蛇行回路の一端となる入り口41が上部に、回路の他端となる出口42が下部にそれぞれ接続されて蛇行回路との間で単一の連通回路を形成する蒸発器43を有する。この単一の連通回路の内部を真空排気後に所定量の作動液31を封入し、蒸発器43の内部に装着されたヒータ6で作動液31を加熱する。
特開平9−314561号公報 特開2007−294688号公報
図21に示す従来の均熱装置は、プレートの裏面に接触して取り付けられている伝熱ブロックにヒータが接触して取り付けられている構成であり、ヒータから伝熱ブロックを介したプレートへの熱伝導により、プレートが加熱される。この場合、ヒータや伝熱ブロックの接触状態の不均一や、ヒータ自体の発熱分布の不均一、およびプレート中央部とプレート端面部からの放熱の差などにより、プレート表面に温度ムラが発生する。この温度ムラを低減する目的で、内部に作動液が封入された密閉容器が、ヒータと並行して配置され、この作動液の蒸発および凝縮作用により、上記の温度ムラを均一化する作用を有する。
しかしながら、ヒータはプレートに接触しているため、ヒータからプレートへ直接に伝熱する影響が大きい。そのため、プレート表面に発生する温度分布を完全に解消するだけの均熱能力を、上記の密閉容器の機能に期待することはできない。したがって、この方式ではプレート表面を高精度の均一温度分布に保つことは困難であった。また、プレートに複数個の穴加工を行なう必要があるため、プレートの製作コストが高くなるという問題点もあった。また、プレートに穴加工をして、密閉容器を形成する必要があるため、プレートの厚みは密閉容器の直径以上の寸法を必要とするので、プレートの熱容量が大きくなり、熱応答性の高い装置を実現できないという問題点があった。
一方、図22および図23に示す従来の均熱処理装置は、前述のとおり、単一の連通回路を構成し、ヒータが収納される蒸発器を別置きにした構造である。そのため、ヒータの加熱により発生する作動液の蒸気を連通回路の各部に行き渡らせて、作動液の蒸気の凝縮作用によりプレートを均一に加熱することができ、プレートの温度分布を高精度に保つことが可能である。
しかしながら、この装置は、プレートの下方に蒸発器の設置スペースが別途必要であり、装置の全体高さが高くなり、装置が大形化するという問題点がある。また、プレートに設けた管路とは別に蒸発器を製作して、蒸発器と管路とを接続することが必要であるとともに、プレートに複数個の穴加工をおこなう必要があるので、製作コストが高くなるという問題点があった。また、図21に示す従来の均熱装置と同様に、プレートに穴加工をして管路を形成する必要があるので、プレートを薄型化できず、熱応答性の高い装置が得られないという問題点があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、コンパクト、低コストで高精度の均熱化を実現可能な、均熱処理装置を得ることを目的とする。
この発明の一の局面に係る均熱処理装置は、加熱処理対象物を均熱状態に加熱する均熱処理装置であって、複数の並行する溝が片面に形成されたプレートと、外周面を有し、内部空間を真空排気して作動液が封入されたパイプ容器と、パイプ容器の外周面の一部を加熱する加熱手段とを備える。パイプ容器は、部分的に溝に嵌入され、溝に嵌入された部分の外周面がプレートに熱的に接触する。加熱手段は、溝外部にあるパイプ容器の外周面の一部に熱的に接触する。
上記均熱処理装置において、パイプ容器は、蛇行状、ループ状、または渦巻き状に形成されていてもよい。
上記均熱処理装置において、パイプ容器は、隣接する溝に嵌入され互いに並行に延在する並行部を有し、並行部の隣接する二箇所の外周面と、一箇所の加熱手段とを熱的に接触させてもよい。
上記均熱処理装置において、パイプ容器の内周面に沸騰伝熱促進面が形成されていてもよい。
この発明の他の局面に係る均熱処理装置は、加熱処理対象物を均熱状態に加熱する均熱処理装置であって、複数の並行する溝が片面に形成されたプレートと、溝に沿って延在し、溝を覆うように片面に接合されて、プレートとの間に管状空間を形成する容器部材と、容器部材の外周面に熱的に接触して外周面を加熱する加熱手段とを備える。管状空間を真空排気して作動液が封入されている。
上記均熱処理装置において、容器部材の内周面に沸騰伝熱促進面が形成されていてもよい。
この発明の均熱処理装置によれば、コンパクト、低コストで高精度の均熱化を実現することができる。
この発明の一実施の形態に係る均熱処理装置の平面図である。 図1中に示すII−II線に沿う均熱処理装置の断面図である。 図2中の領域III付近を拡大して示す断面図である。 図3中に示すIV−IV線に沿う均熱処理装置の断面図である。 実施の形態2の均熱処理装置の平面図である。 図5中に示すVI−VI線に沿う均熱処理装置の断面図である。 実施の形態3の均熱処理装置の平面図である。 図7中に示すVIII−VIII線に沿う均熱処理装置の断面図である。 実施の形態4の均熱処理装置の平面図である。 図9中に示すX−X線に沿う均熱処理装置の断面図である。 実施の形態5の均熱処理装置の平面図である。 図11中に示すXII−XII線に沿う均熱処理装置の断面図である。 実施の形態6の均熱処理装置の平面図である。 図13中に示すXIV−XIV線に沿う均熱処理装置の断面図である。 実施の形態7の均熱処理装置の平面図である。 図15中に示すXVI−XVI線に沿う均熱処理装置の断面図である。 図16に示す均熱処理装置の断面の他の例を示す断面図である。 実施の形態8の均熱処理装置の平面図である。 図18中に示すXIX−XIX線に沿う均熱処理装置の断面図である。 実施の形態9の均熱処理装置の平面図である。 従来の熱処理プレートの一例の構成を示す斜視図である。 従来の熱処理プレートの他の例の構成を示す平面図である。 従来の熱処理プレートの他の例の構成を示す側面図である。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
なお、以下に説明する実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、この発明にとって必ずしも必須のものではない。また、以下の実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、上記個数などは例示であり、この発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。
(実施の形態1)
図1は、この発明の一実施の形態に係る均熱処理装置の平面図である。図2は、図1中に示すII−II線に沿う均熱処理装置の断面図である。図3は、図2中の領域III付近を拡大して示す断面図である。図4は、図3中に示すIV−IV線に沿う均熱処理装置の断面図である。
図1〜図4に示すように、実施の形態1の均熱処理装置は、矩形板状のプレート1を備える。プレート1の一方の片面である表面1aは、たとえば半導体ウェハや液晶ガラス基板などの加熱処理対象物を搭載可能なように、平坦に形成されている。プレート1の他方の片面である裏面1bには、複数の溝2が形成されている。図2に示すように、溝2は、断面形状半円状に加工されている。複数の溝2は、プレート1の一方方向である縦断面方向(図1中の左右方向、図2中の紙面に垂直な方向)に沿って延び、互いに並行するように形成されている。
溝2の内部には、直管状のパイプ容器3が嵌め込まれている。パイプ容器3は、溝2に沿って延在している。断面形状円形のパイプ容器3の一部分である上半円部が、半円状の溝2に嵌入され、パイプ容器3の一部である上半円部は、溝2の表面と面接触している。パイプ容器3の他の部分である下半円部は、溝2にはめ込まれておらず、外周面がプレート1の外部に露出している。プレート1の外部に位置しているパイプ容器3の下半円部に、伝熱ブロック4が取り付けられている。
プレート1の裏面に加工された半円状の溝2にパイプ容器3の上半円部がはめ込まれる構造で、プレート1と、溝2に嵌入された部分のパイプ容器3の外周面とが、熱的に接触している。また、プレート1の外部に位置しているパイプ容器3の下半円部の一部には、伝熱ブロック4の一方側が熱的に接触している。
伝熱ブロック4の他方側に加工された溝部に、加熱手段の一例としてのヒータ6が組み込まれている。ヒータ6は、たとえば電気ヒータであってもよい。伝熱ブロック4の上記溝部は、伝熱材料5によって封入されている。ヒータ6は、伝熱材料5によって、伝熱ブロック4の溝部内に保持されている。伝熱ブロック4は、パイプ容器3の下半円部と熱的に接触しており、伝熱ブロック4内に保持されたヒータ6によって、パイプ容器3の外周面の一部が加熱される
パイプ容器3の内部空間30は、真空排気され、所定量の作動液31が充填されている。
以上の構成を備える均熱処理装置の動作について、均熱処理装置内部の熱輸送原理を説明する横断面図である図3および縦断面図である図4を参照して、説明する。図3および図4の熱輸送原理図において、ヒータ6が通電されて発熱すると、その熱は伝熱材料5および伝熱ブロック4を介して、パイプ容器3の下半円部を加熱する。パイプ容器3の壁面の伝熱による熱流を、矢印21で示す。熱はさらに、パイプ容器3の管壁を伝って、プレート1の内部に伝熱されて、プレート1を加熱する。プレート1内部の伝熱による熱流を、矢印22で示す。
一方、ヒータ6によってパイプ容器3が加熱されることにより、パイプ容器3の内部に滞留する作動液31も加熱される。パイプ容器3の内部は真空減圧状態にあるので、作動液31が加熱されると、作動液31はすみやかに蒸気化し、蒸気泡32を発生する。蒸気泡32は作動液31中を上昇して、作動液31の液面から、蒸気33となって、パイプ容器3の内部の各部に移動する。
蒸気33は、パイプ容器3の内面各部で凝縮液化して、プレート1のパイプ容器3と熱的に接触している部分に凝縮潜熱を放出し、プレート1を均一温度で加熱する。蒸気33は、プレート1に放熱することで凝縮し、凝縮液34へと状態変化する。凝縮液34は、パイプ容器3の内部で下方へ移動し、もとの作動液31の位置へ還流する。本実施の形態の均熱処理装置では、以上述べたヒータ6からプレート1への熱輸送が繰り返し行なわれる。
以上のように、実施の形態1の均熱処理装置によれば、プレート1に接触していないパイプ容器3の下半円部に、加熱源となるヒータ6を熱的に接触させている。ヒータ6はプレート1に直接接触しておらず、パイプ容器3を介してヒータ6からプレート1へ伝熱される。そのため、ヒータ6の熱がプレート1に直接伝熱されることを抑制しながら、パイプ容器3内の作動液31を蒸発させ、この作動液31の蒸気33をパイプ容器3の各部に拡散させることができる。これにより、プレート1に接触しているパイプ容器3の上半円部で、作動液31の蒸気33を凝縮させて、プレート1を加熱することができるので、プレート1の均熱性を改善することができる。
ここで、直管状のパイプ容器3の中央部が埋設されたプレート中央部では、図4中に矢印23aに示すプレート1の外表面1aからの放熱がある。また、パイプ容器3の両端部が埋設されたプレート端部では、矢印23bに示すプレート1の表面1aからの放熱がある。プレート端部では、端部放熱23bの影響をうけて、温度が低下する現象が生じる可能性がある。また、ヒータ6とパイプ容器3との間で熱接触の不均一および、ヒータ6の発熱不均一などがあると、矢印21に示すパイプ容器3の管壁を経由する伝熱量の分布不均一により、プレート1の表面1aの温度ムラとなって現れる。
ところで、上記実施の形態では、パイプ容器3は円形断面を有しているので、作動液31が気化した蒸気33の蒸気圧に耐えるためのパイプ容器3の管壁の厚みを薄くすることが可能である。パイプ容器3の管壁厚みを最小にすることで、この管壁を伝わる熱流21を極力低減することができる。したがって、この熱流21を抑制しながら、作動液31の沸騰・凝縮作用により、パイプ容器3の各部を一様温度に加熱することで、プレート1の表面温度を均一に保つように動作させることができる。これにより、プレート1の表面1aにおける放熱の影響による両端部の温度低下を改善するとともに、ヒータ6の接触状態ならびにヒータ6自体の発熱ムラの影響を解消することができる。
また、上記のプレート1には、パイプ容器3の上半円部分を収納するように半円状の溝2を加工すればよい。そのため、図21〜図23の従来技術に示す穴加工方式に比べて、プレート1の加工が容易となる。加えて、パイプ容器3の全体がプレート1に埋設されないために、プレート1の材料の厚みを半分程度に低減できる。したがって、均熱処理装置の小型化および低コスト化が可能になるとともに、プレート1の熱容量を低減することができるので、熱応答性の高い均熱処理装置を得ることができる。
ここで、「熱的に接触」とは、プレート1とパイプ容器3との間、パイプ容器3と伝熱ブロック4との間、および、伝熱ブロック4とヒータ6との間において、熱が直接的に伝達される、熱伝達効率が十分に高い状態とされていることをいう。これらの部材が相互に当接して、直接機械的に接触している場合に限られない。たとえば、パイプ容器3がプレート1の半円状の溝2あるいは伝熱ブロック4とロウ付け、溶接などで一体化されている場合、また、熱伝導性の高い物質を中間に介在させて間接的に接触している場合をも、熱的に接触している状態に含むものとする。この定義は以下の実施の形態についても同じである。
(実施の形態2)
図5は、実施の形態2の均熱処理装置の平面図である。図6は、図5中に示すVI−VI線に沿う均熱処理装置の断面図である。上記実施の形態1では、独立した直管状のパイプ容器3を並行して複数本配置し、それぞれのパイプ容器3の下半円部に伝熱ブロック4およびヒータ6を配置した例について示したが、図5に示すように、各直管の端部をU字状管3a,3b,3cなどで接続することで蛇行管形状を形成して、連通された蛇行状のパイプ容器3を形成するようにしてもよい。
実施の形態1では、各パイプ容器3での均熱性は確保されるが、パイプ容器3の並び方向、すなわちプレート1の横断面方向(図5中の上下方向、図6中の左右方向)についての均熱性を十分に発揮させることはできない。これに対し、実施の形態2の構成にすると、蛇行管状のパイプ容器3の内部全体が連通されることで、連通されたパイプ容器3の内部が均一圧力になる。そのため、発生した作動液31の蒸気33は、連通されたパイプ容器3の各部において、一様温度で凝縮する。したがって、プレート1の横断面方向の均熱性を大幅に改善することができる。
(実施の形態3)
図7は、実施の形態3の均熱処理装置の平面図である。図8は、図7中に示すVIII−VIII線に沿う均熱処理装置の断面図である。上記実施の形態2では、パイプ容器3の直管部分の下半円部にヒータ6をそれぞれ設けた例について示したが、実施の形態2で説明したように、各直管を接続して連通された蛇行管状のパイプ容器3を形成することで、パイプ容器3の全体で均熱効果が発揮される。そのため、ヒータ6をパイプ容器3の全体にわたって配置することは必ずしも必要ではない。
つまり、パイプ容器3の断面寸法が、プレート1からの放熱負荷に見合う熱輸送能力を有するように形成されていれば、ヒータ6の取り付け部は、連通されたパイプ容器3の一部分としてもよい。図7はこの実施例を示す。図7では、プレート1の裏面に配置された蛇行管を形成するパイプ容器3の、横断面方向の中央部の下半円部のみに、ヒータ6が設置されている。これにより、上記実施の形態2の場合に比べて、ヒータ6の本数を大幅に低減(図7の例では半減)できるという効果がある。したがって、ヒータ6の本数低減と、ヒータ6の温度制御の簡素化とにより、さらに低コスト化を図ることができる。
なお、上記実施例では、プレート1の裏面に配置された蛇行管を形成するパイプ容器3の、中央部の下半円部にヒータ6を2本設置する例について説明した。ヒータ6は、プレート1の横方向断面の最外部に配置されるパイプ容器3の下半円部に設置されてもよい。このようにすると、プレート1の最外部の端面からの放熱を補償することができるので、プレート1全体の温度分布を改善することができる。
また、上記実施例では、プレート1の裏面に配置された蛇行管を形成するパイプ容器3の下部に、ヒータ6を2本設置する例について説明した。プレート1全体としての温度分布が大きく損なわれず、プレート1の放熱負荷に見合うようにパイプ容器3の断面積が確保されていれば、ヒータ6の本数は最小数の一本であっても構わない。また、ヒータ6の配置長さは、必ずしもプレート1の長手方向の端面近くまで延伸させる必要はなく、プレート1に要求される均熱性に応じて、ヒータ6の配置長さを適宜設計検討すればよい。
(実施の形態4)
図9は、実施の形態4の均熱処理装置の平面図である。図10は、図9中に示すX−X線に沿う均熱処理装置の断面図である。上記の実施の形態3では、プレート1の裏面に蛇行管を形成するパイプ容器3を配置し、中央部のパイプ容器3の下半円部にヒータ6を2本設置する例について説明した。図9に示すように、パイプ容器3は、プレート1中央部の隣接する溝2に嵌入され、互いに並行に延在する並行部8,9を有し、この並行部8,9の隣り合う二箇所の外周面13a,13bに熱的に接触する伝熱ブロック4を設け、この伝熱ブロック4に単一のヒータ6を熱的に接触させて、プレート1を加熱してもよい。
このようにすると、パイプ容器3の並び方向すなわちプレート1の横断面方向についての温度分布は、実施の形態3の図7で説明した二本のヒータを用いた場合と同様に、プレート1の中央部から、ヒータ6の無い両外側に向かう対称形となる。したがって、一本のヒータ6でプレート1全体の温度制御を行うことが可能となるので、一層均熱処理装置の低コスト化が図れる。
なお、この実施例において、プレートからの放熱負荷がプレート全体で4Q(単位:W(ワット))であるとすると、図9に記載のように、最外部のパイプ容器の加熱量Q(W)に必要な作動液の蒸気が、パイプ容器3の接合部であるU字状管3aまたは3cの内部を通過してそれぞれ搬送される。そこで、この熱輸送Q(W)を行なうために作動液の蒸気および還流する凝縮液の通過に必要とされる断面積をもつ形状の、パイプ容器3が選定される。
(実施の形態5)
図11は、実施の形態5の均熱処理装置の平面図である。図12は、図11中に示すXII−XII線に沿う均熱処理装置の断面図である。上記の実施の形態3および4では、蛇行管形状のパイプ容器3の下半円部にヒータ6を配置する構造の例について説明した。図11に示すように、ループ管系状の一対のパイプ容器3を設け、プレート1中央部の隣り合うそれぞれのループ管であるパイプ容器3に熱的に接触する伝熱ブロック4を設け、この伝熱ブロック4に単一のヒータ6を熱的に接触させて、プレート1を加熱してもよい。
このようにすると、プレート1からの放熱負荷が全体として4Q(W:ワット)であるとして、図11に記載のように、パイプ容器3の接合部であるU字状管3a,3bまたは3c,3dの内部を通過して、最外部のパイプ容器の加熱量Q(W)に必要な作動液の蒸気がそれぞれ搬送される。
このとき、パイプ容器3がループ管で形成されていることより、ループ状のパイプ容器3の最外部の加熱に必要な熱量の半分Q/2(W)に相当する作動液31の蒸気33が上記U字状管3a,3bまたは3c,3dのそれぞれを通過する。そのため、実施の形態4の場合に比べて、各U字状管における熱輸送量が半分となり、作動液の蒸気および還流する凝縮液の通過に必要とされるU字状管3a,3b,3cおよび3dの断面積を小さくすることができ、パイプ容器の小形化が図れる。これにより、実施の形態4に比べて、さらに小形で低コストの均熱処理装置を得ることができる。
(実施の形態6)
図13は、実施の形態6の均熱処理装置の平面図である。図14は、図13中に示すXIV−XIV線に沿う均熱処理装置の断面図である。上記の実施の形態1〜5においては、パイプ容器3の内面が平滑の例について示した。図14に示すように、パイプ容器3の内面で、少なくともヒータ6により加熱され、作動液31が滞留する部分に、沸騰特性を改善するための沸騰伝熱促進面としての、高性能沸騰面39を設けてもよい。この高性能沸騰面39は、金属メッシュ、焼結金属などの多孔質面、細溝を加工したグルーブ面などを用いて構成することができる。
このようにすると、図3を参照して説明した作動液31の沸騰による蒸気化が促進され、ヒータ6からパイプ容器3の管壁を経由してプレート1に直接伝熱される伝熱量を相対的に低減することができる。したがって、ヒータ6の発熱ムラ、伝熱ブロック4およびヒータ6の接触ムラに基づくプレート1の表面温度アンバランスを低減でき、さらに高精度の温度分布を発揮する均熱処理装置を得ることができる。
(実施の形態7)
図15は、実施の形態7の均熱処理装置の平面図である。図16は、図15中に示すXVI−XVI線に沿う均熱処理装置の断面図である。上記の実施の形態1〜6においては、パイプ容器3をプレート1の裏面1bに形成された半円状の溝2に設置した例について説明した。実施の形態7の均熱処理装置では、図15および図16に示すように、プレート1の片面である裏面1bに、複数の断面形状半円状の溝2が、互いに並行するように形成されている。
この溝2に合わせて、断面形状半円状の容器部材35が、プレート1の裏面1bにロウ付け、溶接などの方法で接合されている。容器部材35は、溝2に沿って延在し、溝2を覆うように裏面1bに接合されている。プレート1と容器部材35との間には、円形断面の管状空間37が形成されている。管状空間37は密閉された空間であり、その内部は真空排気されて、所定量の作動液31が充填されている。作動液31は、管状空間37の内部に封入されている。
断面形状半円状の容器部材35の外周面38に、伝熱ブロック4が取り付けられている。実施の形態1と同様に、伝熱ブロック4内に保持されたヒータ6によって、容器部材35の外周面38が加熱される。ヒータ6は、容器部材35の外周面38に、熱的に接触している。
このようにすると、パイプ容器3とプレート1との間の接合による熱抵抗を無くすことが可能となる。つまり、管状空間37内に滞留する作動液31が気化した蒸気は、プレート1の裏面1bに形成された溝2へ移動し、溝2の内面において凝縮液化して、プレート1へ直接凝縮潜熱を放出する。実施の形態1〜6と異なり、ヒータ6からプレート1への熱伝達経路にパイプ容器3を介在させていない構成のため、ヒータ6からプレート1への熱伝達効率を大幅に改善することができる。したがって、一層高精度の温度分布を有する均熱処理装置を得ることができる。
図17は、図16に示す均熱処理装置の断面の他の例を示す断面図である。図17に示すように、半円状の容器部材35を伝熱ブロック4と一体化した構造としてもよい。このようにすると、ヒータ6と伝熱ブロック4との間の接合による熱抵抗を無くすことができるので、ヒータ6からプレート1への熱伝達効率をさらに改善することができ、より効率の高い均熱処理装置を得ることができる。
なお、この実施の形態7において、容器部材35の肉厚は、ヒータ6からプレート1への熱伝導による直接伝熱を大きくしないようにするため、厚みを最小にすることが必要である。そのため、薄肉であっても内部の作動液31の蒸気圧に耐えるように、容器部材35を半円形の形状にしておくのが好ましいが、強度を確保できるのであれば、その形状は半円状に限定されるものではない。
実施の形態1〜7の一連の説明において、パイプ容器3が4本の直管を有する場合について図示して説明しているが、パイプ容器3は数量を限定されるものではなく、上記実施の形態に示した本数は一例を示すにすぎない。また、加熱手段としてヒータ6を使用した例について記載しているが、加熱手段はこの他に温水、ガス炎、誘導加熱などでもよく、電気ヒータに限定されるものではない。これは以下の実施の形態の説明においても同様である。
(実施の形態8)
図18は、実施の形態8の均熱処理装置の平面図である。図19は、図18中に示すXIX−XIX線に沿う均熱処理装置の断面図である。上記の実施の形態1〜7では、プレート1が角形状の例を示したが、図18に示すように、プレート1は円板状であってもよい。
図18および図19では、プレート1の裏面に同心状に配置された半円状の溝2を加工し、この半円状の溝2のそれぞれに対応する位置に半円状の容器部材36を同心円状に配置して接合して、同心状の管状空間37を複数構成する例を示している。この場合の熱輸送および均熱動作については、いずれも実施の形態1で詳細に説明したものと同様であるので、記述を省略するが、この均熱処理装置の構造は角形プレートに限らず、丸形プレートにも適用が可能である。
(実施の形態9)
図20は、実施の形態9の均熱処理装置の平面図である。上記の実施の形態8では、プレート1の裏面に同心状に配置した複数の管状空間37を構成するようにした例について説明した。図20に示すように、プレート1の裏面に半円状の溝2を渦巻き状に加工し、この半円状の溝2に対応する位置に、渦巻き状に形成された断面形状半円状の容器部材36を配置して接合するようにしてもよい。
このようにすると、ヒータ6を渦巻き状に一部品化することができ、管状空間37の回路が全て連通されるので、上記実施の形態2と同様の原理により、管状空間37の全体で均熱性が発揮される。したがって、低コストで温度分布精度が大幅に向上する、丸形プレート形状の均熱処理装置を得ることができる。なお、実施の形態1〜6で説明したパイプ容器3を、実施の形態8および9に示すように、同心状または渦巻き状に形成してもよいことは勿論である。
以上のようにこの発明の実施の形態について説明を行なったが、各実施の形態の構成を適宜組合せてもよい。また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、半導体ウェハや液晶ガラス基板などの加熱処理対象物を均熱状態に加熱する均熱処理装置に、特に有利に適用され得る。
1 プレート、1a 表面、1b 裏面、2 溝、3 パイプ容器、3a,3b,3c U字状管、4 伝熱ブロック、5 伝熱材料、6 ヒータ、8,9 並行部、13,13a,13b 外周面、30 内部空間、31 作動液、32 蒸気泡、33 蒸気、34 凝縮液、35,36 容器部材、37 管状空間、38 外周面、39 高性能沸騰面。

Claims (6)

  1. 加熱処理対象物を均熱状態に加熱する均熱処理装置であって、
    複数の並行する溝が片面に形成されたプレートと、
    外周面を有し、内部空間を真空排気して作動液が封入されたパイプ容器と、
    前記パイプ容器の前記外周面の一部を加熱する加熱手段とを備え、
    前記パイプ容器は、部分的に前記溝に嵌入され、前記溝に嵌入された部分の前記外周面が前記プレートに熱的に接触し、
    前記加熱手段は、前記溝外部にある前記パイプ容器の前記外周面の一部に熱的に接触する、均熱処理装置。
  2. 前記パイプ容器は、蛇行状、ループ状、または渦巻き状に形成されている、請求項1に記載の均熱処理装置。
  3. 前記パイプ容器は、隣接する前記溝に嵌入され互いに並行に延在する並行部を有し、
    前記並行部の隣接する二箇所の外周面と、一箇所の加熱手段とを熱的に接触させた、請求項2に記載の均熱処理装置。
  4. 前記パイプ容器の内周面に沸騰伝熱促進面が形成された、請求項1から請求項3のいずれかに記載の均熱処理装置。
  5. 加熱処理対象物を均熱状態に加熱する均熱処理装置であって、
    複数の並行する溝が片面に形成されたプレートと、
    前記溝に沿って延在し、前記溝を覆うように前記片面に接合されて、前記プレートとの間に管状空間を形成する容器部材と、
    前記容器部材の外周面に熱的に接触して前記外周面を加熱する加熱手段とを備え、
    前記管状空間を真空排気して作動液が封入された、均熱処理装置。
  6. 前記容器部材の内周面に沸騰伝熱促進面が形成された、請求項5に記載の均熱処理装置。
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