JP5407144B2 - 疲労き裂進展抑制に優れる鋼材 - Google Patents
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1.質量%で、C:0.02〜0.25%、Si:0.01〜0.50%、Mn:0.5〜2.0%、P:0.1%以下、S:0.05%以下、Cr:0.14〜2.25%、Mo:0.45〜0.75%,更に、Nb:0.1%以下、V:0.1%以下、Ti:0.1%以下、B:0.005%以下の一種または二種以上を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、ミクロ組織が硬質相と軟質相から構成され、(1)式による組織分率パラメータ:VPと、(2)式による硬質相/軟質相の硬度差:ΔHvとの積が50以上であることを特徴とする疲労き裂進展抑制に優れる耐熱性鋼材。
但し、(1)式は0<VFH≦50の場合で、50<VFH<100の場合は、
VP=(100−VFH)/50を(1)式とする。ここで、VFH:硬質相
の面積分率[%]。
但し、HvH:硬質相の平均ビッカース硬度、HvS:軟質相の平均ビッカース硬度
2.更に、質量%で、Cu:0.01〜1.0%、Ni:0.01〜5.0%の一種または二種を含有する1に記載の疲労き裂進展抑制に優れる耐熱性鋼材。
1 成分組成(含有量%は質量%とする。)
C
Cは強度ならびに疲労特性を向上させるための硬質相の面積率を確保するため0.02%以上添加する。0.25%を超えて添加すると溶接性が阻害され、延性や曲げ加工性に劣る。好ましくは0.05%以上0.20%以下を添加する。
Siは脱酸と強度を確保するため0.01%以上添加する。0.50%を超えて添加すると溶接性、靭性が劣化する。好ましくは0.05%以上0.40%以下を添加する。
Mnは焼入れ性の増加により、強度、靭性を確保するため、0.5%以上添加する。2.0%を超えると溶接性が劣化する。好ましくは0.5%以上1.8%以下を添加する。
Pは耐候性の向上に寄与する。しかし、極度の添加は靭性劣化に繋がるため、上限を0.1%とする。好ましくは0.05%以下とする。
Sは靭性を劣化させるため、上限を0.05%とする。好ましくは0.03%以下とする。
Cuは固溶を通じて強度を上昇させるとともに耐候性を向上させるので、0.01%以上添加する。1.0%を超えると溶接性が損なわれ、鋼材製造時に疵が生じやすくなる。好ましくは、0.01%以上0.8%以下を添加する。
Niは低温靭性や耐候性を向上させるとともに、Cuを添加した場合の熱間脆性を改善するため、0.01%以上添加する。添加量が5.0%を超えると溶接性が損なわれ、鋼材コストも上昇する。好ましくは、0.01%以上4.0%以下とする。
Crは焼入れ性の増加や焼戻し軟化抵抗を通じて強度を上昇させ、また耐候性や耐熱性を向上させるので、0.01%以上添加する。添加する場合、3.0%を超えると溶接性と靭性が損なわれる。好ましくは、0.01%以上2.5%以下とする。
Moは焼入れ性の増加や焼戻し軟化抵抗を通じて強度を上昇させ、耐候性、耐熱性を向上させるので、0.01%以上添加する。添加量が1.0%を超えると溶接性と靭性が損なわれる。好ましくは、0.01%以上0.8%以下とする。
Nbは圧延・焼入れ時のオーステナイトの細粒化を図ると同時に、焼戻し時に析出し強度を上昇させるので、必要に応じて添加する。添加する場合、0.1%を超えると靭性が損なわれる。好ましくは0.05%以下とする。
Vは、圧延・焼入れ時のオーステナイトの細粒化を図るとともに、焼戻し時の析出を通じて強度上昇が図れるため、必要に応じて添加する。0.1%を超えて添加すると溶接性と靭性が損なわれる。好ましくは0.05%以下とする。
Tiは、強度を上昇させ、溶接部靭性を向上させるので、必要に応じて添加する。添加量が0.1%を超えると鋼材コストの上昇や靱性が劣化する。好ましくは0.05%以下とする。
Bは焼入れ性を高め、強度を上昇させるので、必要に応じて添加する。添加する場合、0.005%を超えると溶接性が低下する。好ましくは0.003%以下とする。
構成組織
鋼材のミクロ組織は、構成組織を硬質相と軟質相の複合組織とする。鋼材組織が硬質相単相あるいは軟質相単相の場合、疲労き裂進展を抑制することができない。
本発明では、組織分率パラメータ:VPと硬質相/軟質相の硬度差:ΔHvとの積を50以上とする。
VP=VFH/50・・・・・・・・・0<VFH≦50の場合
=(100−VFH)/50・・・50<VFH<100の場合
但し、VFH:硬質相の面積分率[%]
また、硬質相/軟質相の硬度差:ΔHvを次式で定義する。
ΔHv =HvH−HvS
但し、HvH:硬質相の平均ビッカース硬度
HvS:軟質相の平均ビッカース硬度
図3に、組織分率パラメータ:VPと硬質相/軟質相の硬度差:ΔHvとの積をとり、疲労き裂伝播速度を整理した結果を示す。試験データは前出の図1、図2のものを用いた。
本発明に係る鋼材は上記に記載の成分の鋼を、熱間圧延や熱処理で調整し、前組織として、フェライトと、パーライト、ベイナイト、マルテンサイトの1種もしくは2種以上からなる鋼材とした後、Ac1点以上Ac3点未満に加熱し、5℃/s以上でMs点以下まで冷却することにより得られる。
前組織はフェライトと硬質相からなる組織とし、その硬質相はパーライト、ベイナイト、マルテンサイトの1種もしくは2種以上とする。
前記前組織を有する鋼をAc1点以上Ac3点未満に加熱した後に5℃/s以上でMs点以下まで冷却する。
Claims (2)
- 質量%で、C:0.02〜0.25%、Si:0.01〜0.50%、Mn:0.5〜2.0%、P:0.1%以下、S:0.05%以下、Cr:0.14〜2.25%、Mo:0.45〜0.75%,更に、Nb:0.1%以下、V:0.1%以下、Ti:0.1%以下、B:0.005%以下の一種または二種以上を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、ミクロ組織が硬質相と軟質相から構成され、(1)式による組織分率パラメータ:VPと、(2)式による硬質相/軟質相の硬度差:ΔHvとの積が50以上であることを特徴とする疲労き裂進展抑制に優れる耐熱性鋼材。
VP=VFH/50 (1)
但し、(1)式は0<VFH≦50の場合で、50<VFH<100の場合は、
VP=(100−VFH)/50を(1)式とする。ここで、VFH:硬質相
の面積分率[%]。
ΔHv=HvH−HvS (2)
但し、HvH:硬質相の平均ビッカース硬度、HvS:軟質相の平均ビッカース硬度 - 更に、質量%で、Cu:0.01〜1.0%、Ni:0.01〜5.0%の一種または二種を含有する請求項1に記載の疲労き裂進展抑制に優れる耐熱性鋼材。
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