JP5407019B2 - プラズマモニタリング方法 - Google Patents
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Description
状態1に示すように、ウェハ20をプラズマ12に曝すと、プラズマ12は電子eと正イオンhが僅かに分離した状態であり、電子eと正イオンhが共にウェハ20に帯電するように動く。しかし、この時、正イオンhより電子eの方が遥かに軽いため、電子eの方が速度が速く、ウェハ20上(ウェハ20の下にステージ13がある場合はステージ13にも)には大量の電子eが帯電する。そのため、状態2に示すように、その電子帯電によってウェハ20にはマイナスの電位が発生する。
ウェハ20上に大規模集積回路(以下「LSI」という。)等を形成するための加工では、例えば、プラズマエッチングにより複数のコンタクトホールが形成される。ところが、従来技術では、ウェハ20の表面の電位とコンタクトホール底の電位の両方をモニタすることができないため、電荷蓄積(チャージアップ)による電荷の偏りを測定することができない。アスペクト比(コンタクトホールの直径に対する深さの比)が高い場合、電子eはコンタクトホール底へ到達し難い(電子遮蔽効果)。そのため、コンタクトホール底は電子eの供給が不足し、コンタクトホールパターン表面に比較すると、コンタクトホール底はプラスにチャージアップする。これらはトランジスタの絶縁破壊、エッチング速度低下、エッチングが進行しない等の問題を引き起こす。先端の65nm世代以降のコンタクトホール径はΦ0.1μmであり、アスペクト比10位と大きいため、チャージアップは深刻な問題である。
NVM方式は、プラズマ12に対して露出しているウェハ20の表面上のアンテナ(導体)がウェハ20内に埋め込まれているNVMのゲート電極に接続されている。NVMはゲート電極に印加される電位の大きさによって、トランジスタの特性(トランジスタのソース電極・ドレイン電極間の電流の流れ易さ)が変化する。そのため、チャージアップがNVM方式チャージアップモニタウェハ上に起こると、アンテナに電荷が貯まり、アンテナの電位が変化する。このアンテナはNVMのゲート電極に繋がっているので、アンテナ電位の大きさによって、NVMの特性が変化する。つまり、チャージアップ量の大きさ(電位変化幅)をトランジスタの特性変化量から知ることができる。従って、NVM方式は一旦、モニタ対象であるセンサウェハをプラズマ12に曝し、NVMの特性を変化させた後、プラズマ12からセンサウェハを取り出して、NVMの特性がプラズマ12に曝す前と後とで、どの位変化(トランジスタの電流の流れ易さの変化量)したかを測定機で測定する。
ブランクウェハは、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜がシリコン基板上一面に単に形成されているだけである。この絶縁膜が形成されたウェハ20をプラズマ12に曝すと、絶縁膜表面がチャージアップされる。次に、このウェハ20をプラズマチャンバ11から取り出すと、絶縁膜上に蓄積された電荷が残っている(チャージアップの残留)。この残留電荷量を非接触タイプの電位測定機で測定し、チャージアップ度合いを計測する。そのため、この方式も、プラズマ12から一旦センサウェハを取り出した後での測定であり、実際にプラズマ12中でチャージアップが発生している時ではなく、リアルタイム測定はできない。又、シリコン基板上の無地の絶縁膜であるので、コンタクトホールのような実際のパターン(コンタクトホール等)中のチャージアップは測定できない。
プラズマ12によるウェハ20へのイオンの入射エネルギは、直接測定できないため、自己整合バイアスをモニタして間接的に指標としている。通常、この自己整合バイアスは、ステージ13下に設置された電圧計15で平均値を測定しているため、自己整合バイアスの面内分布を測定することができないという課題がある。次に、この課題を詳細に説明する。
図2は、本発明の実施例1を示すプラズマモニタリングシステムの概略の構成図である。
図3−1〜図3−4は、図1のセンサ50の製造方法例を示す概略の断面工程図である。図1のセンサ50は、例えば、以下のような工程(1)〜(9)により製造される。
前記のようにして製造した実際のコンタクトホールパターンからなるセンサ50を複数(例えば、2つ)用意する。そして、図2に示すウェハ40の表面の異なる2箇所に、2つのセンサ50(=50−1,50−2)を貼着し、このセンサ付きウェハ40をプラズマ処理装置30におけるプラズマチャンバ31内のステージ33上に載置する。次に、例えば、プラズマチャンバ31内の圧力を120mTorr、封入ガスとしてCHF3、CF4、N2及びArの混合ガスを封入し、プラズマ処理装置30に1600WのRFバイアスを印加し、プラズマチャンバ31内にプラズマ32を発生させてウェハ40をプラズマ32に曝す。
図4は、図1の上部電極55の電位と下部電極53の電位の自己整合バイアス依存を示す実験データの図であり、横軸に自己整合バイアスVdc(V)、及び縦軸に上部電極55と下部電極53の電位(V)が採られている。
図5(A)、(B)は、本発明の実施例2を示すプラズマモニタリングシステムの概略の構成図であり、実施例1を示す図1及び図2中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
センサ50−1,・・・が配置された2種類のウェハ40−1,40−2を、同一条件のプラズマ32に曝す。即ち、先ず、1種類目のセンサ付きウェハ40−1をプラズマチャンバ31内に設置し、あるプラズマ条件に曝した後、そのセンサ付きウェハ40−1はプラズマチャンバ31から取り出し、次に、2種類目のセンサ付きウェハ40−2をプラズマチャンバ31内に入れて1回目と同じプラズマ条件に曝す。
本実施例2によれば、同一プラズマ条件の下で、ウェハ40−1,40−2上に配置されたセンサ50−1,・・・のコンタクトホール部分の総面積が異なるセンサ付きウェハ40−1,40−2に対して測定された電位差を比較することで、チャージアップのパターンレシオ依存(ウェハ当たりのコンタクトホール部分の総面積依存)を観察できる。
本発明は、上記実施例に限定されず、種々の利用形態や変形が可能である。その利用形態や変形例としては、例えば、次の(i)〜(iv)のようなものがある。
31 プラズマチャンバ
32 プラズマ
33 ステージ
35 電圧計
40,40−1,40−2 ウェハ
50,50−1〜50−5,50A センサ
51 シリコン基板
52,54 絶縁膜
53 下部電極
55 上部電極
56 コンタクトホール
60,61,66 電位計
64 中間電極
Claims (3)
- 基板と、前記基板とは絶縁された状態で前記基板上に形成された導電性の第1の電極と、前記第1の電極上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜に形成され、前記絶縁膜の表面から前記第1の電極に達する深さを有するコンタクトホールと、前記絶縁膜の表面に形成され、プラズマプロセス中はプラズマに面する導電性の第2の電極と、を有するセンサが、
所定の位置に配置されたウェハを用い、
前記プラズマプロセス中、前記ウェハに前記プラズマを照射し、前記第1及び第2の電極の電位、又は前記第1及び第2の電極間の電位差を測定して、モニタリングするプラズマモニタリング方法において、
前記ウェハ上に配置された前記センサにおける前記コンタクトホールの総口径面積が異なる複数種類の前記ウェハを用い、
前記異なるウェハにおいて測定された前記電位差を、前記異なるウェハ間で比較することにより、モニタリングすることを特徴とするプラズマモニタリング方法。 - 請求項1記載のプラズマモニタリング方法では、更に、
前記ウェハをプラズマチャンバ内に収容して前記プラズマプロセス中は前記ウェハに前記プラズマを照射してモニタリングすることを特徴とするプラズマモニタリング方法。 - 請求項1又は2記載のプラズマモニタリング方法では、更に、
前記センサは、前記第1及び第2の電極の他に、前記第1及び第2の電極間に絶縁されて配置された1つ又は複数の第3の電極を有し、
前記プラズマプロセス中、前記第1、第2及び第3の電極間の電位差を測定し、モニタリングすることを特徴とするプラズマモニタリング方法。
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