JP5407018B2 - 肺腺癌患者の術後再発を予測するための方法及び組成物 - Google Patents

肺腺癌患者の術後再発を予測するための方法及び組成物 Download PDF

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Description

本発明は、肺腺癌患者の術後再発を予測するための方法及び組成物に関する。
肺癌は、先進諸国において癌関連死亡原因のトップである。肺癌は、小細胞癌と非小細胞癌に大別され、さらに非小細胞癌は主として腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌に分類される。肺非小細胞癌の中で肺腺癌は非小細胞癌の約半数を占め、我国では最も発生頻度が高いことが知られている。また、非小細胞癌患者の10年生存率は約10%と非常に低く、その患者の約25〜30%はステージIの患者で外科切除を受けただけであり、そのような患者のうち約35〜50%が5年以内に再発している。
近年、マイクロアレイや質量分析などの技術の進歩により、これらを利用したバイオインフォマティクス、プロテオミクスなどの新しい技術領域が開発されている。癌研究においても、癌の診断や治療を目的として、このような技術を利用した遺伝子発現の網羅的解析が盛んに行われている。
肺癌についても、肺癌患者における肺癌の分類、転移の予測及び再発の予測と、遺伝子発現パターンや臨床パラメーターとの相関性を追求する研究が行われている(非特許文献1)。
本発明者らもこれまでに、肺癌を中心に、遺伝子発現パターンの網羅的解析を行い、転移や予後の予測に関連する発現パターンを解析してきた(非特許文献2)。また、本発明者らは、最近、肺腺癌をTRU−a型、TRU−b型及び非TRU型に分類し、この分類に基づいて肺腺癌患者の術後予後を予測するための方法及び組成物を開示している(特許文献1)。
肺腺癌に関して、さらに別のグループが、肺腺癌を判別するための遺伝子セット、肺腺癌の胸膜浸潤を判別するための遺伝子セット、及び肺腺癌の再発を予測するための遺伝子セットを開示している(特許文献2〜4)。このうち、特許文献4には、肺腺癌の術後再発を予測するための方法及び45個の遺伝子のセットが記載されており、この遺伝子セットによる肺腺癌の判別率が50%以上であると記載している。また、非特許文献3には、54個の遺伝子セットによる肺腺癌の再発の予測を開示しており、ここにはまた、肺腺癌患者の予後を判定する従来の方法による再発の正確な予測の難しさが記載されている。
国際公開WO2007/043418 特開2007−6791 特開2007−6792 特開2007−135466 D.G.Beerら,Nature Medicine 2002,8(8):816−824 冨田秀太及び高橋隆,「発現プロファイル解析に基づく肺癌の診断・治療の新展開」実験医学2004,22(14):45−50,羊土社(日本) J.E.Larsenら,Clinical Cancer Research 2007,13:2946−2954
癌患者のなかには、腫瘍の外科切除後に転移、再発などによって予後が著しく悪く5年以内に死亡する患者もいれば、逆に、転移や再発のない、すなわち予後が良好である患者もいる。本発明者らは、我国の肺癌患者に比較的多い肺腺癌患者において、肺癌の予後予測において特に再発の予測を高い確度で可能とする方法がないことに注目してきた。肺癌の外科手術後の再発予測は様々な要因が関連するため、その予測が非常に困難である。もし肺腺癌患者の再発を極めて高い確度で予測可能であれば、現在手術後に後治療なしで経過観察の対象となっている患者群のなかに治療を必要とする一群を同定することが可能となり、その予後を改善できる可能性があると考えられる。
従来の肺腺癌の再発予測法では、leave−one−out cross−validationを利用して再発リスクを予測することができる遺伝子セットを同定している。このとき、もし判定不能という判定基準を用いるときには、判定不能症例がどの程度の割合で含まれるかによって見かけの判別率と真の判別率が極端に異なる場合がある。また、leave−one−out cross−validationでは、解析対象となるデータが極めて少ない場合において、繰り返し計算も少なく、予測モデルの精度を評価する有効な手法ではあるが、望むらくは、解析対象データを増やし、かつ、10−foldクロスバリデーション法とランダム分割を取り入れた繰り返し計算を行い、より精確なモデルの評価を行うことが好ましい。
さらにまた、マイクロアレイを利用した癌細胞の網羅的遺伝子発現プロファイリングと臨床アウトカムを関連付ける際には、サンプリングの仕方、プラットフォームの違い、統計解析の違いなどによって、再現性や信頼性に疑義が生じることがあると指摘されている(例えば、松井茂之,実験医学2007,25(17):72−78(増刊)羊土社(日本))。
本発明の目的は、肺腺癌患者において肺癌の外科切除後の肺腺癌の再発を予測する際に、肺腺癌の再発を極めて高い確度で予測するための方法及び組成物を提供することである。
本発明者らは、判定不能の判定手法と異なる、全ての症例に高再発リスクか低再発リスクのいずれかの判定を提示する手法であること、また、従来の再発予測遺伝子セットと異なる、82種類の遺伝子からなる新規の遺伝子セットを該判定のために使用することによって、評価モデルにおいて70%超の確度で再発の有無を予測することを可能にし、本発明を完成した。
本発明は、要約すると、以下の特徴を包含する。
本発明は、第1の態様において、肺腺癌患者において肺癌の外科切除後の肺腺癌の再発を予測するための方法であって、配列番号1〜82の各ヌクレオチド配列を含む遺伝子からなる群から選択される2〜82個の遺伝子の遺伝子セットの発現を該患者由来の生物学的サンプルにおいて測定することを含み、ここで、配列番号1〜5、8〜9、12、14〜15、17、19〜21、23〜28、30〜33、35〜59、61〜68、70〜82のいずれかのヌクレオチド配列を含む遺伝子の発現が術後無再発症例と比べて相対的に高い場合、或いは、配列番号6〜7、10〜11、13、16、18、22、29、34、60、69のいずれかのヌクレオチド配列を含む遺伝子の発現が術後無再発症例と比べて相対的に低い場合、肺腺癌の再発が高いと予測することを特徴とする、上記方法を提供する。
本発明の実施形態によれば、上記遺伝子セットの遺伝子数は5以上82以下である。
本発明の別の実施形態によれば、上記遺伝子セットの発現の測定は、上記遺伝子に対応する核酸又はタンパク質の存在もしくは量を測定することによって行なわれる。
本発明の別の実施形態によれば、上記遺伝子セットの発現の測定は、ハイブリダイゼーション法又は定量PCR法によって行なわれる。
本発明の実施形態によれば、上記ハイブリダイゼーション法は、マイクロアレイ法又はブロット法である。
本発明の実施形態によれば、上記ハイブリダイゼーション法は、上記遺伝子由来のRNA転写産物、cRNA、aRNA又はcDNAとハイブリダイズする核酸を用いて行なわれる。
本発明の別の実施形態によれば、上記遺伝子セットの発現の測定は、免疫学的方法によって行なわれる。
本発明の実施形態によれば、上記免疫学的方法は、上記遺伝子によってコードされるタンパク質又はその断片に対する抗体を用いて行なわれる。
本発明は、第2の態様において、肺腺癌患者において肺癌の外科切除後の肺腺癌の再発を予測するための組成物であって、該組成物が、配列番号1〜82のいずれかのヌクレオチド配列を含む2以上の異なる遺伝子の発現を測定することを可能にする複数の核酸を含み、該核酸が、
(1)配列番号1〜82に示されるヌクレオチド配列、それに相補的なヌクレオチド配列、或いはそれらのヌクレオチド配列中の連続する15塩基から全塩基数未満の部分配列を有する核酸、及び
(2)配列番号1〜82に示されるヌクレオチド配列又はそれに相補的なヌクレオチド配列を含む核酸とハイブリダイズする核酸、或いは該ハイブリダイズする核酸の連続する15塩基から全塩基数未満の部分配列を有する核酸、
からなる群から選択されることを特徴とする、上記組成物を提供する。
本発明の実施形態において、上記組成物は、キット、マイクロアレイ又はプライマーセットの形態である。
本発明の別の実施形態において、上記核酸は、5種類以上から82種類以下の遺伝子の発現の測定を可能にする。
本発明の別の実施形態において、上記組成物は、本発明の上記方法で使用するためのものである。
本発明は、第3の態様において、肺腺癌患者において肺癌の外科切除後の肺腺癌の再発を予測するための組成物であって、該組成物が、配列番号1〜82のいずれかのヌクレオチド配列を含む2以上の異なる遺伝子の発現産物を測定することを可能にする複数の抗体を含み、該抗体が、配列番号1〜82に示されるいずれかのヌクレオチド配列によってコードされるタンパク質又は該タンパク質のアミノ酸配列の連続する少なくとも8アミノ酸残基からなるポリペプチドと免疫学的に反応する抗体、及び該抗体の断片、からなる群から選択されることを特徴とする、上記組成物を提供する。
本発明の実施形態において、上記組成物は、キットの形態である。
本発明の別の実施形態において、上記抗体プローブは、5種類以上から82種類以下の遺伝子の発現産物の測定を可能にする。
本発明の別の実施形態において、上記組成物は、本発明の上記方法で使用するためのものである。
本明細書中、「術後再発」は、肺腺癌の外科切除後に患者が肺腺癌を再発することを意味する。再発すると予測された患者は、高再発リスクであると判定され、低い生存率を有する。これに対して、無再発と予測された患者は、低再発リスクであると判定され、高い生存率を有する。
本明細書中、「患者」は、ヒトを含む哺乳動物を指し、好ましい哺乳動物はヒトである。
本明細書中、「核酸」は、DNA又はRNAのいずれかであり、例えば各遺伝子の転写産物(mRNA)、cRNA、aRNA、cDNAなどが含まれる。
本明細書中、「遺伝子」は、特定のタンパク質をコードし、エクソン、イントロン、5’−及び3’−非翻訳領域などによって構成され、その転写によって前駆体mRNAの形成を可能にし、さらにスプライシング事象を経てmRNAとなり、タンパク質へと翻訳される。
本明細書中、「タンパク質」は、特定の遺伝子によってコードされるタンパク質、その変異体又はその断片を包含する。このような変異体は、スプライシング、多型性などの天然事象に基づく変異体を含む。また、このような断片は、生体内でプロテアーゼ、ペプチダーゼなどの酵素作用によって自然発生的に生じたタンパク質断片である。
本明細書中、「ハイブリダイゼーション」は、核酸と核酸との塩基対合による二本鎖の形成反応である。ハイブリダイゼーションには、DNA−DNAハイブリダイゼーション、DNA−RNAハイブリダイゼーション、及びRNA−RNAハイブリダイゼーションが含まれる。ハイブリダイゼーションは、通常、固体支持体上に固定された核酸プローブを用いて行われる。固体支持体は、プラスチック又はポリマー、ガラスなどの材質で、テストプレート、試験管、試験片、チップなどの形状としうる。ハイブリダイゼーションでは、温度、イオン強度、界面活性剤の濃度、ホルムアミドの有無、核酸のGC含量などが、ハイブリッドの安定性やハイブリダイゼーション速度に影響を与える。一般に、温度が高い、又はイオン強度が高いほど、すなわち厳しい(ストリンジェントな)条件ほど、ハイブリッドの安定性は低下し、逆にハイブリダイゼーションの特異性が増大する。ハイブリダイゼーションについては、Ausbel FMら,Short Protocols in Molecular Biology(3版)A Compendium of Method s from Current Protocols in Molecular Biology,1995年,John Wiley & Sons,Inc.(米国)に記載されている。
本明細書中、「免疫学的」とは、抗原と抗体との複合体を形成することを意味する。このような複合体を形成する反応を、免疫学的反応と称し、この反応を利用して抗原又は抗体を検出又は定量する方法を、免疫学的方法と称する。免疫学的方法は、固相又は液相、均一又は不均一などの条件下で行うことができ、このとき抗原−抗体複合体の検出は、標識(例えば色素、蛍光性物質、放射性同位元素、酵素など)を利用する方法、凝集を利用する方法(例えばラテックス法など)、濁度を利用する方法、免疫沈降を利用する方法、二次抗体を利用する方法(例えばサンドイッチ法)などによって行うことができる。
本明細書は本願の優先権の基礎である日本国特許出願2007−339214号の明細書および/または図面に記載される内容を包含する。
図1は、訓練セットをランダムに10分割する10−fold cross−validationを100回繰り返すことを使用して再発関連シグネチャを同定するための訓練−有効性戦略の概略図を示す。
図2は、再発関連シグネチャを同定するための訓練手順の結果を示す。図2Aは、再発関連シグネチャを規定するための最適プローブ数の探索結果を示す。Kaplan−Meier生存曲線を用いて訓練群における生存率を評価した。全ステージ(図2B)及びステージI(図2C)における患者の再発関連曲線も示す。
図3は、訓練データセットにおけるEGFR変異(図3A)、K−ras変異(図3B)及びp53変異(図3C)の存在又は非存在におけるKaplan−Meier生存曲線を示す。
図4は、評価セットIおよび評価セットIIを用いたRRS−82シグネチャの有効性を示す。Kaplan−Meier生存曲線を、RRS−82に基いて予測したリスクに従って示した。図4Aは全ステージの無再発生存曲線を示し、図4Bは全ステージの全生存曲線、図4CはステージIの無再発生存曲線、また、4DステージIの全生存曲線を示す。また、ステージIのみのサンプルからなる評価セットIIを用いた無再発生存曲線を図4Eに、全生存曲線を図4Fに示した。さたに、評価セットI+IIにおける無再発生存曲線を図4G、全生存曲線を図4Hに示す。
図5は、RRS−82に基づくリスク群とTNMステージとの関係を示す。図5Aは、低リスクRRS−82シグネチャをもつ患者の無再発生存曲線、図5Bは、高リスクRRS−82シグネチャをもつ患者の無再発生存曲線をそれぞれ示す。
図6は、独立したデータセットの解析により、RRS−82シグネチャの有効性を示す。図6Aは、39個の肺腺癌からなるDuke大学のデータセットに、RRS−82シグネチャの構成成分を用いて行った教師無し階層的クラスタリング解析結果を示し、図6BはクラスターI及びIIのKaplan−Meier生存曲線を示す。また、図6CはMichigan大学のデータセットを用いて、予測モデルを構築する概念図を示す。図6Dは図6Cにより構築されたモデルを用いて、Memorial Sloan−Ketteringがんセンターの遺伝子発現データ104サンプルを解析したKaplan−Meier生存曲線を示す。
図7は、訓練データセットでのKaplan−Meier生存の評価を示す。図7Aは、全ステージの複数の患者でのRRS−82シグネチャによる全生存曲線を示し、また、図7Bは、ステージIの複数の患者でのRRS−82シグネチャによる全生存曲線を示す。
図8は、評価セットI中ステージII〜III症例での、RRS−82シグネチャによるKaplan−Meier生存の評価を示す。ステージII〜III患者のうち、無再発(図8A)及び全生存(図8B)は、高リスクシグネチャを有する患者と比べて低リスクRRS−82シグネチャを有する患者の場合に良好となる傾向があったが統計的に有意ではなかった。
図9は、評価セットIにおいて、RRS−82シグネチャとステージの関連性を、Kaplan−Meier生存曲線を用いて評価した。図9Aに示す低リスク群では、ステージI症例とステージII−III症例の比較において、統計的に有意ではないが、ステージI症例の全生存曲線が良好となる傾向がある。図9Bに示す高リスク群では、ステージI症例とステージII−III症例の比較において、全生存曲線はほぼ同一曲線となっている。
本発明は、上記のとおり、肺腺癌患者において肺癌の外科切除後の肺腺癌の再発を高い確度で予測するための方法を提供する。このような高い確度での予測を可能にしたのは、一部には、肺腺癌患者のうち術後再発症例及び術後無再発症例を専門医の見識と経験に基いて厳密に選択し、信頼性の高い統計学的手法を使用するなどの条件下で、肺腺癌患者での術後再発/無再発に関連して従来未公表の82個の遺伝子セットを見出したことに基づいている。
<遺伝子セットの決定>
本発明では、肺腺癌患者において肺癌の外科切除後の肺腺癌の再発を予測するための82個の異なる遺伝子からなるセットを見出したが、この遺伝子セットを決定した手順について以下に説明する。
背景技術に記載したように、肺腺癌の術後再発を予測するための遺伝子セットがいくつかのグループによって報告されているが、数万の遺伝子群から予測可能であると記載される遺伝子セットの各々は、互いに重複がないか、さもなくば重複が極めて低い。本発明者らが見出した82遺伝子セットについても、例えば特開2007−135466に記載された45遺伝子セットと重複する遺伝子はないし、また、J.E.Larsenら,Clinical Cancer Research 2007,13:2946−2954に記載された54遺伝子セットと重複する遺伝子はわずかに1個のみである。しかし、図2Aで証明されるように、単一の遺伝子を用いて再発予測を実施するときの正答率(すなわち、[正答数/(正答数+誤答数)]×100(%))は、著しく低下する。正答率を高めるためには、複数の、好ましくは5以上の、より好ましくは10以上の、さらに好ましくは30以上の、最も好ましくは82の遺伝子からなるセットを使用することが望ましい。たとえ82超の遺伝子を使用したとしても正答率はよくなるどころか逆に悪化する傾向を、図2Aは示している。
後述の実施例に記載するように、本発明者らは、切除手術を受けた肺腺癌患者から87の肺腺癌サンプルを用意し、このうち60をランダムに訓練セットに割り当て、残りの27を評価セットとして用いた。訓練セットのサンプルについて、バックグラウンドの発現量を超えるプローブを選択し、このフィルタリング基準を満たしたプローブシグナルを用いて、教師付きクラス分類技術(重み付き投票アルゴリズム;Yanagisawaら,J.Natl.Cancer Inst.99:858−67,2007)によって、再発の高リスク又は低リスクを平均75%以上の高い確度で予測可能にする82遺伝子を再発関連シグネチャ(すなわち、再発するか又は再発するリスクが高い、あるいは、再発しないか又は再発するリスクが低い)として同定した。このとき、無再発シグネチャを同定するプローブシグナルの選択するために、10−foldクロスバリデーション法を用いた。この方法の概略は図1に示されている。
10−foldクロスバリデーション法は、例えば100サンプルを10サンプルずつに10分割し、この10分割から1分割を除いた残り9分割について特性(再発関連シグネチャ)の選択を行い、選択されたトップ1位から最大200位までの予測プローブからなる分類器を構築し、除いた1分割の分類を行う。次に、除いた1分割を元に戻した10分割の中から別の1分割を除いた残り9分割について同様にシグネチャの選択を行い、選択されたトップ1位から最大200位までの予測されたプローブからなる分類器を構築し、除いた別の1分割の分類を行う。同様の操作を合計10回行う。ここで、例えば100サンプルを10分割する割り当て方は無数に存在する事を考慮し、割り当て方による偏りを低減するために、無作為(ランダム)に100通りの方法で100サンプルを10分割した。このようにして、100通りの無作為分割毎に10−foldクロスバリデーション法を施行した計1000個の独立したセットに対して、最大200個の予測プローブからなる分類器を構築した。その結果、学習エラーが最小となる予測プローブ数82を見出し(図2A)、独立した1,000個のセット間で最も高頻度に共有されている82個のプローブを再発関連シグネチャとして同定し、このようにして最終分類器を構築する。
上記のように構築された分類器を使用して、テストサンプルの分類を行う。テストサンプルとして、ランダムに選択された肺腺癌患者から切除された肺腺癌の27評価サンプルが使用された。Kaplan−Meier生存曲線とCox比例ハザードモデル分析を用いて、評価サンプルから得られた再発関連シグネチャと、全生存(overall survival)及び無再発生存(relapse−free survival)との関係を分析する。その結果、本発明の82遺伝子セット(「RRS−82」という)は、再発・死亡の高リスク患者と、無再発・高生存の低リスク患者とを75%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上の高い確度で判別することができる。
RRS−82は、配列番号1〜82の各ヌクレオチド配列を含む82種の遺伝子からなるセットである、この遺伝子セットを表1に示す、
上記表中のNo.1からNo.82はそれぞれ、配列番号1から配列番号82に対応している。82種の遺伝子を、術後無再発症例との相対的発現差を基に、再発関連シグネチャ、すなわち再発(死亡)シグネチャ又は高再発リスクシグネチャ及び無再発シグネチャ又は低再発リスクシグネチャ、について分類すると、次の2つの群に分けることができた。
(1)配列番号1〜5、8〜9、12、14〜15、17、19〜21、23〜28、30〜33、35〜59、61〜68、70〜82の各ヌクレオチド配列を含む遺伝子の発現が術後無再発症例と比べて相対的に高い場合、肺腺癌の再発が高いと予測できる群(あるいは、相対的発現が低い場合、肺腺癌の再発が低いと予測できる群)、及び
(2)配列番号6〜7、10〜11、13、16、18、22、29、34、60、69の各ヌクレオチド配列を含む遺伝子の発現が術後無再発症例と比べて相対的に低い場合、肺腺癌の再発が高いと予測できる群(あるいは、相対的発現が高い場合、肺腺癌の再発が低いと予測される)。
すなわち、上記(1)群の遺伝子の場合、肺腺癌患者を、相対的発現が高いか低いかによって再発(死亡)患者又は高リスク患者、あるいは、無再発患者又は低再発リスク患者として予測・分類することができる。また、上記(2)群の遺伝子の場合、逆に、肺腺癌患者を、相対的発現が低いか高いかによって無再発患者又は低リスク患者、あるいは、再発(死亡)患者又は高リスク患者として予測・分類することができる。
本発明方法によって再発又は高リスクと判定されたならば、肺腺癌患者の術後再発を抑制するための治療計画を早期に立案することが可能になるし、一方、無再発又は低リスクと判定されたならば、無用の化学療法や放射線治療を避けるための判断材料ともなりうる。
上記遺伝子の相対的発現レベルを比較する際の対照は、術後無再発症例であり、上記の予測を可能にするならば、術後一定期間(例えば3年、好ましくは5年、より好ましくは10年)無再発と判定された患者由来のサンプル(肺腺癌組織又は細胞)である。
本発明におけるRRS−82と、EGFR、K−ras又はp53遺伝子変異との間に統計的に有意な関連は見出されていない(図3)。
本発明におけるRRS−82の判別能力を、評価セット(27肺腺癌サンプル)を用いて検証したときには、RRS−82の高リスクシグネチャを示した全ての患者が5年以内に肺腺癌を再発し、一方、低リスクシグネチャを示した患者の約70%が5年後に再発の兆候を示さなかった(図4)。この意味では、本発明の方法は、肺腺癌患者における術後再発の高リスク群を予測するうえで極めて有効であるといえる。
本発明の方法による再発・無再発予測は、腫瘍のステージに関わらず実施可能であり、興味深いことに早期のステージであっても実施可能である。
<肺腺癌の術後再発の予測法>
本発明は、その一の態様において、肺腺癌患者において肺癌の外科切除後の肺腺癌の再発を予測するための方法であって、配列番号1〜82の各ヌクレオチド配列を含む遺伝子からなる群から選択される2〜82個の遺伝子の遺伝子セットの発現を該患者由来の生物学的サンプルにおいて測定することを含み、ここで、配列番号1〜5、8〜9、12、14〜15、17、19〜21、23〜28、30〜33、35〜59、61〜68、70〜82のいずれかのヌクレオチド配列を含む遺伝子の発現が術後無再発症例と比べて相対的に高い場合、或いは、配列番号6〜7、10〜11、13、16、18、22、29、34、60、69のいずれかのヌクレオチド配列を含む遺伝子の発現が術後無再発症例と比べて相対的に低い場合、肺腺癌の再発が高いと予測することを特徴とする上記方法を提供する。
上記82種の遺伝子は、上記のとおり、配列番号1〜82によって示されるヌクレオチド配列を含むヒト遺伝子である。生物由来の遺伝子であるがゆえに、多型変異、スプライス変異、突然変異などの変異が生じることもあると考えられる。したがって、本発明の対象遺伝子は、配列番号1〜82によって示されるヌクレオチド配列だけでなく、これらの配列中に1もしくは数個のヌクレオチドの欠失、置換又は付加を含むことができるし、あるいは、これらの配列に対し少なくとも95%、好ましくは少なくとも97%、より好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは少なくとも99%の同一性を有しうる。
本明細書で使用する「同一性(%)」という用語は、ギャップを導入した或いはギャップを導入しない公知のBLAST又はFASTAアルゴリズムを用いて決定することができる(Karlin及びAltschul,1993,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,90:5873−5877;Karlin及びAltschul,1990,Proc.Natl.Acd.Sci.U.S.A.,87:2264−2268;Altschulら,1990,J.Mol.Biol.,215:403;Altschulら,1997,Nucleic Acids Res.,25:3389−3402)。一般に、全塩基数に対する一致した塩基数の百分率として同一性(%)を算出できる。
本明細書で使用する「数個」という用語は、2から10までの整数を指し、すなわち2、3、4、5、6、7、8、9又は10のいずれかであり、好ましくは2から5までの整数、より好ましくは2又は3である。
本発明では、遺伝子セットにおける遺伝子数が2〜全数(82)であり、この範囲の遺伝子数であれば、術後再発を予測することができる。しかしながら、予測確度(又は精度)をより高めるためには、遺伝子数を5〜82とすることが好ましく、さらに好ましい範囲は10〜82、もっと好ましい範囲は30〜82、例えば40〜82、50〜82、60〜82,70〜82であり、最も好ましい遺伝子数は82である。
遺伝子の発現は、核酸か又はタンパク質の量又は存在について測定することができる。核酸の測定においては、各遺伝子の転写産物であるmRNA及びその誘導体核酸、例えばcDNA、cRNA及びaRNA(antisense amplified RNA)を測定対象とすることができる。一方、タンパク質の測定においては、各遺伝子によってコードされるタンパク質(発現産物又は遺伝子産物ともいう)、その断片又はその翻訳後修飾産物(例えば糖などによる修飾)を測定対象としうる。
以下に、上記の82遺伝子の発現を、核酸及びタンパク質レベルで測定するための手法について説明する。
テストサンプルは、肺腺癌患者の肺腺癌組織又細胞であり、これは手術によって切除された癌組織、あるいは、生検によって得られた組織又は細胞などである。
核酸による遺伝子発現の測定
本発明方法において、82種の遺伝子の発現を検出するために、以下の核酸をプローブ又はプライマーとして使用することができる。
(1)配列番号1〜82に示されるヌクレオチド配列、それに相補的なヌクレオチド配列、或いはそれらのヌクレオチド配列中の連続する15塩基から全塩基数未満の部分配列を有する核酸、及び
(2)配列番号1〜82に示されるヌクレオチド配列又はそれに相補的なヌクレオチド配列を含む核酸とハイブリダイズする核酸、或いは該ハイブリダイズする核酸の連続する15塩基から全塩基数未満の部分配列を有する核酸。
上記の部分配列からなる核酸断片のサイズは、15塩基から全塩基数未満であり、例えば17塩基以上、20塩基以上、30塩基以上、50塩基以上、70塩基以上、100塩基以上、150塩基以上、200塩基以上、300塩基以上、400塩基以上又は500塩基以上から全塩基数未満の範囲である。
上記核酸は、約100塩基以下のDNA分子であれば、ホスホアミダイト法などを利用する市販のDNA自動合成装置を用いて合成するか、或いは、約100塩基超のDNA分子であれば、cDNAクローニングやポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって作製することができる。また、cRNAやaRNAは、市販キット等を用いてcDNAから作製しうる。
cDNAクローニング及びPCR法では、肺腺癌組織から全RNAを取得し、オリゴdTセルロースカラム処理によってポリA(+)RNAを得たのち、逆転写−ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)法によってcDNAライブラリーを作製し、このライブラリーから、配列番号1〜82に示されたヌクレオチド配列に基づいて作製した15塩基以上の長さのプローブ又はプライマーを用いて目的の遺伝子に対応するcDNAを選抜/クローニング又はPCR増幅することができる。プローブは、cDNA配列に相補的な配列を有し、その長さは、好ましくは20塩基以上、より好ましくは30塩基以上、さらに好ましくは50塩基以上である。また、プライマーは、センスプライマー及びアンチセンスプライマーからなり、その長さは、好ましくは15〜50塩基、より好ましくは17〜30塩基、さらに好ましくは20〜25塩基である。
上記のようにして得られたDNAは、市販又は文献記載のベクターに挿入したのち、原核又は真核生物の宿主細胞に導入し、増幅することができるし、或いは、目的DNAが挿入されたベクターを鋳型にしてPCR増幅することができる。
ベクターは、プラスミド、ファージ、プラスミド、ウイルスなどのベクターであり、例えばpBluescript系、pUC系、pBR系などのプラスミドである。ベクターは、目的DNAの他に、プロモーター、複製開始点、リボソーム結合配列(又はシャイン−ダルガルノ配列)、ターミネーター、選択マーカー配列(例えば薬剤耐性遺伝子)、マルチクローニングサイトなどを含むことができる。宿主細胞に適したベクターが市販されているのでそれを使用するのが望ましい。
原核宿主細胞は、細菌細胞であり、一般に大腸菌、枯草菌、シュードモナス属細菌などを含む。また、真核宿主細胞は、酵母、真菌、担子菌、動物細胞(昆虫細胞、哺乳動物細胞など)、植物細胞などを含む。
ベクターを宿主細胞に導入する方法もまた公知であり、例えばエレクトロポレーション、リン酸カルシウム法、スフェロプラスト融合法、プロトプラスト融合法、マイクロインジェクション、遺伝子銃法、アグロバクテリウム法などが含まれる。
上記の技術の詳細は、例えばJ.Sambrookら,Molecular Cloning A Laboratory Manual,1989年,Cold Spring Harbor Laboratory Press(米国);F.M.Ausbelら,Short Protocols in Molecular Biology(3版)A Compendium of Methods from Current Protocols in Molecular Biology,1995年,John Wiley & Sons,Inc.(米国)などに記載されている。
本発明方法で使用可能な核酸には、上記(2)のとおり、配列番号1〜82に示されるヌクレオチド配列又はそれに相補的なヌクレオチド配列を含む核酸とハイブリダイズする核酸、或いは該ハイブリダイズする核酸の連続する15塩基から全塩基数未満の部分配列を有する核酸である。ハイブリダイゼーションは、ストリンジェントな条件下のハイブリダイゼーションが好ましく、この条件では、上記ヌクレオチド配列と90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは98以上、最も好ましくは99%以上の同一性を有する配列の核酸とハイブリダイゼーションを起こすことができる。
上記の核酸を用いて82遺伝子セットの発現の測定を行う。好ましい測定法は、ハイブリダイゼーション法又は定量PCR法(例えばリアルタイムPCR法など)を含む。
ハイブリダイゼーションは、固体支持体の表面上に付着又は結合した核酸プローブに対し、それに部分的又は完全に相補的な核酸を、塩基対合を介して結合させて二本鎖を形成する手法をいう。固体支持体は、例えばテストプレート、試験管、試験片、アレイなどを含み、その材質は、通常、ポリマー(又はプラスチック、樹脂)、ガラスなどである。本発明方法で使用されるハイブリダイゼーションは、DNA−DNAハイブリダイゼーション、DNA−RNAハイブリダイゼーション又はRNA−RNAハイブリダイゼーションのいずれであってもよく、その方法には、非限定的に、例えばマイクロアレイ法、ブロット法、例えばノザンブロット、サザンブロット、ノザンハイブリダイゼーション、サザンハイブリダイゼーション、in situハイブリダイゼーションなどが含まれる。
マイクロアレイ法では、配列番号1〜82のヌクレオチド配列を含む遺伝子又はそれに対応する核酸(mRNA、cDNA、cRNA又はaRNA)とハイブリダイズする15塩基以上の核酸プローブを支持体に結合したマイクロアレイ(又はDNAチップ)を作製し使用する。マイクロアレイの表面には、核酸プローブを共有結合するための反応性基を含むスペーサーやクロスリンカーを導入することができる。アレイ表面と核酸プローブとの結合は、例えば光や熱による化学反応を介して行うことができる。
上記のハイブリダイゼーションは、ストリンジェントな条件下でハイブリダイゼーションを行うときには、核酸プローブとテスト用核酸との間でより特異的な結合が可能になる。ストリンジェントな条件は、上に定義した条件を含むが、ハイブリダイゼーション法の種類に応じて適宜最適な条件を決定することが望ましい。一般に、ストリンジェンシー(stringency)は、温度、溶液のイオン強度、ホルムアミドの存在、核酸の相対GC含量、インキュベーション時間などによって大きく左右される。温度は、オリゴヌクレオチドの50%がその相補鎖と解離するときの温度(Tm)の前後の温度範囲から最適温度を決めることができる。ストリンジェントな条件での温度は、通常、42〜68℃の範囲内の温度である。高ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、例えば6×SSC、0.01M EDTA、1×デンハルト液、0.5%SDS中、68℃でのハイブリダイゼーション;1M NaCl、0.5%サルコシル、30%ホルムアミド中、60℃でのハイブリダイゼーション;0.1×SSC、0.1%SDS中、55℃での洗浄などである。ここで、1×SSCは150mM塩化ナトリウムと15mMクエン酸ナトリウム水溶液(pH7.2)である。
核酸プローブの固相化は、特に制限はないが、一般的な方法、例えばスポッター又はアレイヤーと呼ばれる高密度分注機を用いてDNAをスポットする方法、ノズルから液滴を噴射するインクジェット方式などの方法を用いて実施することができる。
肺腺癌患者から外科切除された肺腺癌組織テストサンプル由来のmRNAから誘導されたcDNA、cRNA、aRNAなどの核酸を、Cy染料(例えばCr3、Cy5)などの蛍光物質で標識し、マイクロアレイ上のプローブとハイブリダイズさせる。レーザースキャンによる読み取り装置を用いて蛍光強度を読み取り、コンピュータでデータ解析する。
ブロット法では、本発明の上記核酸プローブを放射性同位元素(例えば、32P及び35S)や蛍光物質(フルオレサミン、ローダミン、それらの誘導体、Cy染料など)などで標識したのち、ポリマーメンブレンに転写したテストサンプル中のmRNA、cDNA、cRNA、aRNAなどの核酸との間でハイブリダイゼーションを行う。シグナルを、放射線検出器又は蛍光検出器を用いて検出し、その強度を測定する。
定量リアルタイムPCR法では、肺腺癌組織テストサンプル中のmRNAから作製したcDNAを鋳型として標的の各遺伝子の領域が増幅できるように、プライマーをcDNAとアニーリングさせてPCRを行い、リアルタイムで増幅産物二本鎖DNAを検出する。増幅産物は1サイクル毎に指数関数的に増幅し、やがてプラトーに達する。段階希釈した標準サンプルを用いてリアルタイムPCRを行い、サイクル数を横軸に、PCR増幅量を縦軸にとり、サイクル数毎の増幅曲線を作成する。閾値を設定し、閾値と増幅曲線が交わる点Ct値(thresholdcycle)を算出する。Ct値は、PCR産物が一定量に達したときのサイクル数である。Ct値と初期鋳型DNA量の間に直線関係があるので、検量線を作成する。
増幅産物の検出は、インターカレーター法、蛍光標識プローブ法などの方法を用いて行うことができる。インターカレーター法は、例えばハイブリダイゼーションによって形成されたDNAの二本鎖の間に蛍光物質が結合する性質を利用して増幅産物量をモニターする方法である。蛍光標識プローブ法では、プローブを蛍光物質で標識し、増幅産物量を蛍光シグナルによってモニターする。この方法のなかには、5’末端に蛍光物質及び3’末端にクエンチャーを結合したプローブを使用する方法も知られている。
リアルタイムPCR装置が市販されているので、これを用いてリアルタイムPCR法を実施することができる。
PCRを実施する際の条件として、増幅サイズは80〜150bpの範囲とすること、プライマーサイズは17〜25塩基の範囲とすること、プライマー全体のGC含量は40〜60%の範囲とすること、プライマーの3’末端はG又はC、プライマー内部やプライマー間に3塩基以上相補する配列がないこと、上流プライマーと下流プライマーのTm値を2℃以内にそろえること、鋳型特異的プライマーを設計すること、などが知られている。
PCR条件は、例えば変性:92〜94℃で30〜60秒;アニーリング:50〜55℃で30〜60秒;伸長:68〜72℃で30〜60秒を1サイクルとして30〜40サイクルの反応を含む。逆転写酵素は、市販の酵素、例えばSuperScriptTM III(Invitrogen)、AMV Reverse Transcriptase、M−MLV Reverse Transcriptase(Promega)、SYBR Premix Ex Taq(タカラバイオ)などを使用することができる。
本発明において、再発と無再発との相対的発現レベル差は、1.1倍以上、好ましくは1.5倍以上、より好ましくは2.0倍以上である。
タンパク質による遺伝子発現の測定
本発明方法では、配列番号1〜82によって示されるヌクレオチド配列を含む遺伝子によってコードされるタンパク質又はその断片の量を測定することによって、遺伝子発現を測定することができる。この発現レベルの代替的測定法は、免疫学的方法である。
抗体を作製するためのタンパク質は、cDNAクローニング及び遺伝子組み換え技術を利用して作製することができる。
簡単に説明すると、例えば肺腺癌組織からcDNAライブラリーを作製し、配列番号1〜82の各ヌクレオチド配列に基いて合成したプライマーを用いるPCR法によってcDNAクローンを作製し、得られたcDNAクローンを発現ベクターに組み込み、該ベクターによって形質転換又はトランスフェクションされた原核又は真核宿主細胞を培養することによって該細胞又は培養上清から得ることができる。このとき、発現ベクターは市販又は文献記載のものを使用することができ、例えばプラスミド、コスミド、ファージなどである。ベクターは、目的タンパク質をコードするDNA、プロモーター、ポリアデニル化シグナル、リボソーム結合配列、複製開始点、ターミネーター、選択マーカーなどを含むことができる。ポリペプチドの分離・精製を容易にするために、標識(ポリ)ペプチド(例えばβ−ガラクトシダーゼ遺伝子など)、(His)6−10タグ、FLAGタグ(アミノ酸配列:DYKDDDDK(配列番号150))、GFP(緑色蛍光タンパク質)などのタンパク質又はオリゴペプチドと、目的タンパク質との融合タンパク質が形成されるように、それらに対応するDNA配列を含有させることもできる。
宿主細胞は、細菌などの原核細胞(例えば大腸菌、枯草菌、シュウドモナス属細菌など)、酵母(例えばサッカロマイセス属、シゾサッカロマイセス属、ピチア属など)、昆虫細胞(例えばSf細胞)、哺乳動物細胞(例えばCHO、COS、BHK、HEK293、NIH3T3など)などを含む。
上記のcDNAクローニング及び遺伝子組換え技術については、Sambrookら(上記)、Ausbelら(上記)などに記載されている。
このようにして得られた目的タンパク質は、ゲルろ過、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、等電点電気泳動、電気泳動、限外ろ過、塩析、透析などを単独で又は組み合わせて精製することができる。
本発明の遺伝子によってコードされるタンパク質は、配列番号83〜149に示されるアミノ酸配列を含む(この配列はそれぞれ、配列番号15〜21、23〜82のヌクレオチド配列によってコードされる。)。また、アミノ酸配列を記載していないタンパク質の配列は、GenBank(米国)、EMBL(欧州)などのデータベースにアクセスすることによって入手可能であるか、あるいは、それらに対応するヌクレオチド配列を利用するcDNAクローニング及びシークエンシングによって目的タンパク質のアミノ酸配列を決定することができる。
免疫学的方法では、上記の手法で得られたタンパク質又はその断片を抗原として用いてウサギ、マウス、ラット、ウマなどの哺乳動物を免疫し、それらの抗原に対する抗体を産生し、精製する。
抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、抗ペプチド抗体、それらの抗体断片などを含む。
ポリクローナル抗体は、前記動物を適量(通常、μgオーダー)の抗原で皮下に免疫し、さらに約2〜3週間後に追加免疫し、初回免疫から約3週間〜2か月後に採血し、抗血清から目的のポリクローナル抗体を含むIgG成分を硫安分画、イオン交換クロマトグラフィーを使用して分離することによって作製することができる。このとき抗原に対する抗体の特異性を高めるために、得られたIgGを、目的タンパク質をセルロース又はアガロースなどの担体に結合して作製されたカラムに結合させたのち、高塩濃度のバッファーで溶出し、透析や限外ろ過などの方法で脱塩して、特異的ポリクローナル抗体を得ることができる。抗体価は、通常の免疫測定法、例えば酵素免疫測定法(ELISA)、放射性免疫測定法(RIA)、蛍光抗体法などによって測定することができる。
モノクローナル抗体は、例えば以下の一般的方法によって作製することができる(例えば長宗秀明と寺田弘,単クローン抗体−調製とキャラクタリゼーション,1990,広川書店;佐渡義一(2001)「ラットモノクローナル抗体作製の省力化」生化学73:1163−1167など)。
標的タンパク質又はその断片を、ポリクローナル抗体の作製と同様にマウス又はラット(例えばBalb/cマウス)の皮下に投与し、1〜4週間間隔で、約2〜4回追加免疫を行う。抗体価がプラトーに達したとき、抗原を静脈内または腹腔内に注射し、最終免疫とする。2〜5日後、抗体産生細胞(例えば脾臓細胞又はリンパ節細胞)を採取する。次いで、抗体産生細胞を骨髄腫細胞株(好ましくは、ヒポキサンチン・グアニン・ホスホリボシル・トランスフェラーゼ(HGPRT)欠損細胞株)に融合させてハイブリドーマ細胞を生成し、HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)選択を行う。細胞融合は、血清を含まないDMEM、RPMI−1640培地などの動物細胞培養用培地中で、抗体産生細胞と骨髄腫細胞株とを適当な割合で混合し、ポリエチレングリコールなどの細胞融合促進剤の存在下で実施する。目的の抗体かどうかの確認は、上記の免疫測定法によって行うことができる。さらに、ハイブリドーマの増殖のために、マウスの腹腔内にハイブリドーマを投与し、ハイブリドーマを増殖させたのち、1〜2週間後に腹水を採取する。抗体の精製は、硫安分画、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、ゲルクロマトグラフィーなどの方法を適宜組み合わせて行うことができる。
抗ペプチド抗体は、タンパク質の表面上のリニアーなペプチドに対する抗体であり、免疫学的特異性を高めることができる。そのようなペプチドは、例えばKyte−Doolittleらの親水性−疎水性領域の推定法、Eminiらによるタンパク質分子上の特定ペプチド部位の表面に位置する確率、ポリペプチド鎖の折れ曲がり程度、例えばChou−Fasmanらなどのαヘリックス、βシート、ターンを表示するタンパク質の二次構造予測、等を単独で又は組み合わせて使用して推定しうる。次いで、推定されたペプチドは、ペプチド合成機を用いて合成することができる。
上記の抗体類を、肺腺癌組織テストサンプル中の標的タンパク質又はその断片の検出のために使用することができる。多数の抗体をマイクロアレイ支持体上に結合した抗体マイクロアレイを作製することによって、或いは、多数の抗体をPVDF膜などのポリマー膜(フィルター)上にドットスポットするか、又はマルチウエルプレートなどの固相の表面に抗体を吸着させることによって、一度に多数の標的タンパク質を検出又は定量することが可能になる。また、慣用の免疫学的測定法、例えば酵素免疫測定法(ELISA、EIA)、蛍光抗体法、放射性免疫測定法(RIA)、発光免疫測定法、免疫比濁法、ラテックス凝集反応、ラテックス比濁法、赤血球凝集反応、粒子凝集反応またはウェスタンブロット法などによって、テストサンプル中の標的タンパク質又はその断片を検出又は定量することができる。
固相上で反応を行うときには、固相支持体として、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンなどのポリマーの膜、マルチウエルプレート、試験管、試験片(テストストリップ)、ラテックス、磁性体粒子などが含まれる。固定化は、物理的吸着か或いは化学的に行うことができる。化学的結合のためには、例えばマレイル化試薬、臭化シアンなどの試薬で固相を処理し、タンパク質のアミノ基などと反応する官能基を固相に導入することができる。
標識の例は、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼなどの酵素、フルオレセイン、ローダミン、それらの誘導体などの蛍光物質、ルシフェラーゼ系、ルミノール系などの発光物質、32P、125Iなどの放射性同位元素などが含まれる。標識化は、例えばグルタルアルデヒド法、マレイミド法、ピリジルジスルフィド法、クロラミンT法、ボルトンハンター法などを含む。
<術後再発予測用組成物>
本発明はまた、肺腺癌患者において肺癌の外科切除後の肺腺癌の再発を予測するための組成物であって、該組成物が、配列番号1〜82のいずれかのヌクレオチド配列を含む2以上から82種、好ましくは5以上から82種の異なる遺伝子の発現を測定することを可能にする複数の核酸を含み、該核酸が、
(1)配列番号1〜82に示されるヌクレオチド配列、それに相補的なヌクレオチド配列、或いはそれらのヌクレオチド配列中の連続する15塩基から全塩基数未満の部分配列を有する核酸、及び
(2)配列番号1〜82に示されるヌクレオチド配列又はそれに相補的なヌクレオチド配列を含む核酸とハイブリダイズする核酸、或いは該ハイブリダイズする核酸の連続する15塩基から全塩基数未満の部分配列を有する核酸、
からなる群から選択されることを特徴とする上記組成物を提供する。
本発明の組成物を構成する複数の核酸は、該組成物が、配列番号1〜82のいずれかのヌクレオチド配列を含む2以上から82種、好ましくは5以上から82種、より好ましくは10以上から82種、さらに好ましくは30以上から82種、さらにより好ましくは40以上から82種の異なる遺伝子の発現を測定することを可能にする限り、上記(1)及び(2)に記載した核酸のいずれの組み合わせであってもよい。
上記(1)の核酸は、
(a)配列番号1〜82に示されるヌクレオチド配列、
(b)上記(a)のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列、及び
(c)上記(a)のヌクレオチド配列又は上記(b)のヌクレオチド配列において連続する15塩基から全塩基数未満、好ましくは17塩基以上、20塩基以上、30塩基以上、50塩基以上、70塩基以上、100塩基以上、150塩基以上、200塩基以上、300塩基以上、400塩基以上又は500塩基以上から全塩基数未満の部分配列、
を有する核酸である。
上記(2)の核酸は、上記(1)の(a)又は(b)のヌクレオチド配列とハイブリダイズするヌクレオチド配列を有する核酸であるか、あるいは、その核酸のヌクレオチド配列において連続する15塩基から全塩基数未満、好ましくは17塩基以上、20塩基以上、30塩基以上、50塩基以上、70塩基以上、100塩基以上、150塩基以上、200塩基以上、300塩基以上、400塩基以上又は500塩基以上から全塩基数未満の部分配列、を有する核酸である。好ましくは、このような核酸は、上記(1)の(a)又は(b)のヌクレオチド配列と90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは98以上、最も好ましくは99%以上の同一性を有する配列の核酸、又はその15塩基から全塩基数未満の断片である。
好ましい核酸は、上記(1)の核酸、特に上記(1)(c)の核酸である。
本発明の組成物は、核酸構成成分を単に混合した形態の混合物だけでなく、キット、マイクロアレイ又はプライマーセットの形態であってもよい。むしろ、このような後者の形態が好ましい。ここで、キットの場合、上記核酸を個々に包装するかあるいは複数の核酸の混合形態で包装することができ、キットにはさらに、ハイブリダイゼーションのためのバッファ、検出用試薬(酵素類など)、使用説明書などを含ませることができる。マイクロアレイやプライマーセットについては、上記の説明のとおりである。
本発明の組成物は、上記記載のとおり、肺腺癌患者において肺癌の外科切除後の肺腺癌の再発を予測するための方法に使用できる。本発明の方法については、上記の説明のとおりである。
本発明はさらに、肺腺癌患者において肺癌の外科切除後の肺腺癌の再発を予測するための組成物であって、該組成物が、配列番号1〜82のいずれかのヌクレオチド配列を含む2以上から82種、好ましくは5以上から82以下、より好ましくは10以上、さらに好ましくは30以上、さらにより好ましくは40以上から82以下の異なる遺伝子の発現を測定することを可能にする複数の抗体を含み、該抗体が、配列番号1〜82に示されるヌクレオチド配列によってコードされるタンパク質又は該タンパク質のアミノ酸配列の連続する少なくとも8アミノ酸残基からなるポリペプチドと免疫学的に反応する抗体、及び該抗体の断片、からなる群から選択されることを特徴とする、上記組成物と提供する。
抗体の作製については、上記の説明のとおりである。
抗体は、上記の方法で作製されるようなポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、抗ペプチド抗体などであるが、それらに限定されないものとする。抗体の種類は、いずれのタイプ、クラス、サブクラスでもよく、例えばIgG、IgM、IgE、IgD、IgAなどを含む。また、抗体の断片は、Fab、(Fab’)、Fv、scFvなどを含む。
本発明の組成物は、抗体構成成分を単に混合した形態の混合物だけでなく、キット、抗体結合支持体又は抗体マイクロアレイの形態であってもよい。固相支持体として、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンなどのポリマーの膜、マルチウエルプレート、試験管、試験片(テストストリップ)、ラテックス、磁性体粒子などが含まれる。アレイの材質として、ポリマー、ガラスなどが含まれる。
本発明の抗体含有組成物は、上記記載のとおり、肺腺癌患者において肺癌の外科切除後の肺腺癌の再発を予測するための方法に使用できる。本発明の方法については、免疫学的方法であり、上記の説明のとおりである。
本発明を以下の実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はそれらの実施例によって制限されないものとする。
材料及び方法
患者
1995年12月〜1999年8月の間に治癒の可能性のある切除手術を受けた患者の87肺腺癌事例を、愛知県がんセンター及び名古屋大学の倫理委員会の承認と患者の同意書を得て愛知県がんセンター(名古屋市)にて取得した。どの事例も補助化学療法は受けなかった。最終フォローアップの時点で生存していた患者のフォローアップ期間の中央値は90ヶ月であった(範囲:64〜108ヶ月)。腫瘍検体はすべてOCT化合物(サクラ精機株式会社、日本国、東京)に埋め込み、−80℃で保存した。患者人数の3分の2(n=60)をランダムに訓練セットに割り当て、残りの3分の1(n=27)を評価セットIとした。また、同様に2002年2月から2004年12月の間で切除手術を受けた患者の肺腺癌サンプルのうちステージIと診断された30サンプルを評価セットIIとして用いた(表2)。
RNAの単離
腫瘍検体の凍結組織を病理学者(Y.Y.)の指導の下で、ギムザ染色した10枚毎の切片を用いてグロス顕微解剖に供した。トータルRNAをRNeasyキット(Qiagen、カリフォルニア州バレンシア)を用いて抽出し、DNaseIで処理した。RNA量はNanoDrop(R)ND−1000UV−Vis分光光度計(NanoDrop Technologies、デラウェア州ウィルミントン)を用いて測定し、RNAの性質はAgilent2100バイオアナライザーを用いて観察しRNA完全数値(RIN)として示した(Agilent Technologies、カリフォルニア州パロアルト)。全ての主要な肺癌の組織型を示す20の肺細胞株を用いて、共通標準RNAを大量に用意した。
EGFR、p53及びK−rasの発現プロファイル及び突然変異状態の取得
500ngのトータルRNAから、モロニーマウス白血病ウイルス逆転写酵素(Agilent Technologies、カリフォルニア州パロアルト)及びT7プロモーターを含むポリdTプライマーを用いて、二本鎖cDNAを合成した。Low RNA Fluorescent Linear Amplificationキット(Agilent Technologies)を用いてcRNAを生成し、Cy3又はCy5により標識した。Cy5−サンプルcRNAとCy3−共通標準cRNAを41,000個の異なるプローブを有するWhole Human Genome oligo DNAマイクロアレイキット(G4112F、Agilent Technologies)にハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーション及び洗浄の後、AgilentDNAマイクロアレイスキャナー(G2505B、Agilent Technologies)を用いてスライドをスキャンした。発現データは、Agilent Feature Extractionソフトウェア9.5.1(Agilent Technologies)を用いて取得した。EGFR、p53及びK−rasの突然変異状態は同じ患者のセットに関して既に報告されている(Takeuchiら、JCO、2006)。Dukeデータセットは、受託番号GSE3593でGene Expression Omnibus(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/geo/)よりダウンロードし、生存期間(月)、状況、細胞型などの臨床情報に関してはDuke Institute for Genome Sciences and Policy(http://www.genome.duke.edu/)からダウンロードした。45の腺癌サンプルのうち、臨床情報に関する注釈付きの39腺癌サンプルを本分析に用いた。
統計的方法
まず、少なくとも90%のサンプルでバックグラウンドを超える発現量のプローブを選択した。このフィルタリング基準を通過したシグナルを用いて再発関連シグネチャを同定するために、教師付きクラス分類の確立された技術である、重み付き投票アルゴリズム(各加重値はSN比として計算され、既に詳細に説明した方法(Yanagisawaら、J.Natl.Cancer Inst.99:858−67,2007)を用いた。簡単に言うと、訓練データセットに特異的な過学習をすることなく、一般的に使用可能な分類器を取得するために、本発明者らは、無再発シグネチャを同定するためのプローブシグナルを選択する際に、100のランダム相互作用を行う10−foldクロスバリデーション方法を用いた(AM Molinaroら,Bioinformatics 21:3301−7,2005)。そこで、分類器構築の全工程を、一定数の予測される遺伝子を有する分類器ごとに1000回繰り返す。Kaplan−Meier生存曲線及びCox比例ハザードモデル分析(Stataバージョン7.0)を用いて、27名の患者の評価用セット中の得られた再発関連シグネチャと全生存及び無再発生存との関係を分析した。死亡と再発のハザード比をそれぞれ示す。多変数Coxモデルに提示されたP値は同様の比試験で取得した。全ての統計的検定を両側検定とした。Clusterプログラム(MB Eisenら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:14863−8,1998)を用いて、遺伝子と症例との間の平均連関階層的クラスタリングを行った。このとき、表示は、Treeviewプログラムを使用した(MB Eisenら,上記)。
結果
再発関連シグネチャの同定
本発明者らは、訓練セット/評価セットI間の情報漏洩なく外科的治療を受けた肺腺癌患者の再発と死亡に関する遺伝子発現シグネチャを構築し検証した(図1)。まず、87事例の発現プロファイルデータを60の訓練セットと27の評価セットIに分類した。次に、60の訓練セットのうち、再発により、外科的切除後5年以内に死亡した21人の患者が腫瘍中に一般的な高リスクシグネチャを有しているのに対し、全フォローアップ期間中再発の兆候を示すことなく5年以上生存した28人の患者は前述のシグネチャを腫瘍中に有さなかったと仮定した。訓練セット中残る11名の患者は、腫瘍の悪性度が不明確なことから、再発関連シグネチャを同定する工程から除外された。除外された患者のうち、5名はフォローアップ期間中なんらかの再発の兆候を示しつつ5年以上生存し、5名は5年以上生存した後に癌により死亡し、1名は再発の証拠はないが死亡した。
全ゲノムマイクロアレイ(Agilent社製;Whole Human Genome(4×44K)Oligo Microarray Kit;型番G4112F)上の41,000個のプローブのうち、23,828個のプローブが情報伝達的プローブを選択する最初のフィルタリング基準を通過しSN計測基準に基づいて分類され、再発により死亡した患者と手術により治癒した患者を識別する最良の再発関連シグネチャを同定するのに用いられた。増加する数の予測プローブを適用した各モデルに関する学習エラーは、10−foldクロスバリデーションにより計算し、計算は新しくランダムに分けられたデータセットを用いて100回繰り返した。最大200個の予測プローブからなる1,000個の独立したセットは、再発関連シグネチャを用いた分類器を構築するために選択された。その結果、82個の予測プローブの使用により最小学習エラーが発生することがわかり(図2A)、各82個の予測プローブからなる独立した1,000個のセット間で最も高頻度に共有されている82個のプローブが再発関連シグネチャとして同定された(以下「RRS−82」と称する。上記表1参照)。RRS−82シグネチャは、全ステージ又はステージIを考慮した際に極めて予後が不良な患者群を識別することができるように思われる(無再発生存に関しては図2B及び2C、全生存に関しては図7を参照)。
RRS−82と様々な遺伝的変化の関係と比較
肺癌は、遺伝的変化を有する患者の臨床的性質に影響を与えるかもしれない様々な遺伝的変化を隠匿することが知られている。そこで、本発明者らはRRS−82とEGFR、K−ras又はp53遺伝子変異の存在との関連を分析した。しかしながら、それらの間に統計的に有意な関連は発見されなかった。更に、その遺伝的変化の予後的有意性も同じ患者のサンプルセットを用いて分析し、それによりRRS−82を用いる予後予測分類器を構築した、EGFR変異の存在と術後予後間の関連は観察されなかった(図3A)。K−ras変異(図3B)又はp53変異(図3C)を有する患者と有さない患者間に、全生存に関する統計的有意差はなかった。
評価セットを用いたRRS−82の検証
RRS−82のロバスト性を評価するために、肺腺癌27サンプルの独立した評価セットIを用いてRRS−82の識別能力を分析した。評価セットIを用いて得られた結果は、RRS−82が再発及び死亡の高リスク患者と低リスク患者を識別できることを示した。無再発生存は2群間で有意に異なり、高リスク群の8名の患者の無再発生存期間中央値が292日間なのに対し、低リスク群の18名の患者では108ヶ月間であった(P<0.0003、図4A)。高リスク群及び低リスク群中の無再発患者の割合は2年の時点でそれぞれ38%、78%だった。注目すべきは、RRS−82の高リスクシグネチャを示す8名の患者全てが5年以内のフォローアップ期間中に再発を経験したのに対して、RRS−82の低リスクシグネチャを示す患者の67%が術後5年後に再発の兆候を示していなかった。高リスク群の患者のうち、外科的切除後の全生存率は、低リスク群患者の生存率に比して有意に低かった(P=0.026、図4B)。多変量Cox比例ハザードモデルにおいて、RRS−82は無再発生存(P=0.03)及び全体的生存(P=0.03)の両方を予測する独立した有意な予後的因子であることが判った。また、評価セットIとIIを加えたときの多変量Cox比例ハザードモデルにおいても、RRS−82は無再発生存(P<0.001)及び全体的生存(P=0.005)の両方を予測する独立した有意な予後的因子であることが判った(表3)。
ステージI患者におけるRRS−82の有用性
本発明者らは、早期またはより進行した疾病を持つ腺癌事例のサブグループのRRS−82の識別力を、評価セットI中ステージIの16サンプルを用いて更に評価した。RRS−82に基づいて高リスクと予測されたステージI患者は全員5年以内に再発を経験し、フォローアップ期間中に死亡した(無再発生存については図4C(P=0.0008)、全生存については図4D(P=0.043)に示す。両件とも対数順位検定による)。また、すべてステージIからなる評価セットIIの30サンプルを用いても、統計的有意であることが確認された(図4E、4F)。さらに、評価セットIのステージIの16サンプルと評価セットIIの30サンプルを合わせた46サンプルの解析においても、RRS−82の識別力は統計的有意であることが確認された(図4G、4H)。
ステージII〜III患者のうち、無再発及び全生存は、高リスクシグネチャを有する患者と比べて低リスクRRS−82シグネチャを有する患者の場合に良好となる傾向があったが統計的に有意ではなかった(図8A及び8B)。
本発明者らは、別の側面からもRRS−82とTNM診断(T:原発腫瘍の拡がり;N:所属リンパ節転移の有無と拡がり;M:遠隔転移の有無)(例えば肺癌・食道癌・乳癌・取扱い規約(抜粋)金原出版)の関係を調査した。低リスク群の患者のうち、無再発生存のKaplan−Meier曲線(図5A)及び全生存のKaplan−Meier曲線(図9A)が共に、病理学的な疾病のステージと適度な関係を示す傾向があった(無再発生存に関してはP=0.15、全生存に関してはP=0.18)。一方、高リスク群の患者では、無再発生存(図5B)及び全生存曲線(図9B)が共に、病理学的な疾病のステージとは無関係であった(無再発生存に関してはP=0.71、全生存に関してはP=0.87)。
本発明の上記テストの結果、訓練セットと評価セットIそれぞれにおける高リスクRRS−82シグネチャと判定した症例の86%、100%に再発が認められた。これは、Dukeら(DG Beer,Nat.Med.8:816−24,2002)が報告したACOSOG及びCALGB有効性評価データセットのそれぞれの69%、79%で再発を高リスクmetageneシグネチャが予測した結果に比べると、格段に判定の確度(又は精度)が向上していることが分かる。
独立したデータセットを用いたRRS−82の一般適用性の確認
肺腺癌の生存可能性を予測する際のRRS−82のロバスト性は、39サンプルの肺腺癌に関する他の完全に異なるデータセットとDuke大学の遺伝子発現データセットを用いて更に検証した。Agilentプラットフォーム上のRRS−82中46個の遺伝子のみが比較的新しいバージョンのAffymetrixプラットフォームのDuke大学データセットプローブに対応するので(表4)、RRS−82を用いた分類器を直接適用することは不可能であった。そこで、教師無しの階層クラスタリングにより46個の対応する遺伝子の発現プロファイルに基づき分析した。29サンプルの腺癌が、有意に異なる術後生存可能性を示す(P=0.028、図6B)明らかに2つの違うサブセットにクラスター分類された(図6A)。また、Michigan大学の遺伝子発現データセットを用いてRRS−82と重複する31遺伝子を抽出し、予測モデルの構築を行った(図6C)。そのモデルを用いて、Memorial Sloan−Ketteringがんセンターの遺伝子発現データ104サンプルを解析したところ、このモデルにより判別された高リスク群と低リスク群には、無再発生存に関して統計学的に有意な違いを認めた。(P=0.0003)(図6D)。これらの結果により、RRS−82に含まれる遺伝子は、再発リスク評価に関連する汎用性(一般適用性)を有する事が示された。
本発明の方法により、肺腺癌患者の術後再発の可能性を極めて高い確度で予測することができる。この方法は、ステージIの患者の場合であっても高い確度の予測を可能にする。これによって、再発のリスクが高い患者に対して生存率を改善するための治療計画を、術後早い段階で、立てることができるようになる。
本発明により、肺腺癌患者において腺癌の術後再発を予測することが可能となるため、術後の患者に適した治療計画を立てることができる。このように、本発明は、肺腺癌の治療のために医療産業に寄与することが可能である。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。
[配列表]

Claims (16)

  1. 肺腺癌患者において肺癌の外科切除後の肺腺癌の再発を予測するための方法であって、配列番号1〜82の各ヌクレオチド配列を含む遺伝子からなる群から選択される10〜82の遺伝子の遺伝子セットの発現を該患者由来の生物学的サンプルにおいて測定することを含み、ここで、配列番号1〜5、8〜9、12、14〜15、17、19〜21、23〜28、30〜33、35〜59、61〜68、70〜82のいずれかのヌクレオチド配列を含む遺伝子の発現が術後無再発症例と比べて相対的に高い場合、或いは、配列番号6〜7、10〜11、13、16、18、22、29、34、60、69のいずれかのヌクレオチド配列を含む遺伝子の発現が術後無再発症例と比べて相対的に低い場合、肺腺癌の再発が高いと予測することを特徴とする、前記方法。
  2. 前記遺伝子セットの遺伝子数が30〜82である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記遺伝子セットの発現の測定を、前記遺伝子に対応する核酸又はタンパク質の存在もしくは量を測定することによって行う、請求項1に記載の方法。
  4. 前記遺伝子セットの発現の測定を、ハイブリダイゼーション法又は定量PCR法によって行う、請求項1に記載の方法。
  5. 前記ハイブリダイゼーション法が、マイクロアレイ法又はブロット法である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記ハイブリダイゼーション法を、前記遺伝子由来のRNA転写産物、cRNA、aRNA又はcDNAとハイブリダイズする核酸を用いて行う、請求項4又は5に記載の方法。
  7. 前記遺伝子セットの発現の測定を、免疫学的方法によって行う、請求項1に記載の方法。
  8. 前記免疫学的方法を、前記遺伝子によってコードされるタンパク質又はその断片に対する抗体を用いて行う、請求項7に記載の方法。
  9. 肺腺癌患者において肺癌の外科切除後の肺腺癌の再発を予測するための組成物であって、該組成物が、配列番号1〜82のいずれかのヌクレオチド配列を含む10以上の異なる遺伝子の発現を測定することを可能にする複数の核酸を含み、該核酸が、
    (1)配列番号1〜82に示されるヌクレオチド配列、それに相補的なヌクレオチド配列、或いはそれらのヌクレオチド配列中の連続する15塩基から全塩基数未満の部分配列を有する核酸、及び
    (2)配列番号1〜82に示されるヌクレオチド配列又はそれに相補的なヌクレオチド配列を含む核酸とハイブリダイズする核酸、或いは該ハイブリダイズする核酸の連続する15塩基から全塩基数未満の部分配列を有する核酸、
    からなる群から選択されることを特徴とする、前記組成物。
  10. 前記組成物がキット、マイクロアレイ又はプライマーセットの形態である、請求項9に記載の組成物。
  11. 前記核酸が30種類以上から82種類以下の遺伝子の発現の測定を可能にする、請求項9に記載の組成物。
  12. 請求項1に記載の方法で使用するためのものである、請求項9に記載の組成物。
  13. 肺腺癌患者において肺癌の外科切除後の肺腺癌の再発を予測するための組成物であって、該組成物が、配列番号1〜82のいずれかのヌクレオチド配列を含む10以上の異なる遺伝子の発現産物を測定することを可能にする複数の抗体を含み、該抗体が、配列番号1〜82に示されるいずれかのヌクレオチド配列によってコードされるタンパク質又は該タンパク質のアミノ酸配列の連続する少なくとも8アミノ酸残基からなるポリペプチドと免疫学的に反応する抗体、及び該抗体の断片、からなる群から選択されることを特徴とする、前記組成物。
  14. 前記組成物がキットの形態である、請求項13に記載の組成物。
  15. 前記抗体が30種類以上から82種類以下の遺伝子の発現産物の測定を可能にする、請求項13に記載の組成物。
  16. 請求項1に記載の方法で使用するためのものである、請求項13に記載の組成物。
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