JP5760247B2 - 癌患者の術後の予後又は転移可能性を予測するための組成物及び方法 - Google Patents
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Description
本発明は、要約すると、次のような特徴を有する。
(1)癌患者の術後の予後又は転移可能性をインビトロで予測する方法であって、該患者由来の生物学的検体中の、配列番号1〜45に示される塩基配列又はその変異配列を含む癌転移関連遺伝子マーカーの少なくとも1つの発現レベル又はその転写若しくは翻訳産物レベルを、該マーカーに対応するプローブを用いて測定し、術後の予後がより良い又は転移可能性がより低い患者群と術後の予後がより悪い又は転移可能性がより高い患者群との間の相対的な該レベルの差を指標にして、術後の予後又は転移可能性を判定することを含む、上記方法。
(2)前記癌転移関連遺伝子マーカーが、配列番号28〜45に示される塩基配列又はその変異配列からなるとき、前記患者は、術後の予後がより良い又は転移可能性がより低い患者として識別される、上記(1)に記載の方法。
(3)前記癌転移関連遺伝子マーカーが、配列番号1〜27に示される塩基配列又はその変異配列からなるとき、前記患者は、術後の予後がより悪い又は転移可能性がより高い患者として識別される、上記(1)に記載の方法。
(4)前記プローブが、配列番号1〜45に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド、それに相補的なポリヌクレオチド、それらの変異体、それらにストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド、或いは15以上の連続した塩基を含むそれらの断片からなる群から選択される、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)前記プローブが、配列番号1〜45に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド又はその変異体によってコードされるポリペプチドからなる群から選択されるポリペプチド又はその断片に対する抗体又はその断片である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(7)前記癌が固形癌である、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。
(8)前記固形癌が肺癌又は乳癌である、上記(7)に記載の方法。
(9)配列番号1〜45に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド、それに相補的なポリヌクレオチド、それらの変異体、それらにストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド、或いは15以上の連続した塩基を含むそれらの断片からなる群から選択される少なくとも1つのプローブを含む、癌患者の術後の予後又は転移可能性をインビトロで予測するための組成物。
(10)配列番号28〜45に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド、それに相補的なポリヌクレオチド、それらの変異体、それらにストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド、或いは15以上の連続した塩基を含むそれらの断片からなる群から選択される少なくとも1つのプローブを含む、癌患者の術後の予後又は転移可能性をインビトロで予測するための組成物。
(12)配列番号1〜45に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド又はその変異体によってコードされるポリペプチドからなる群から選択されるポリペプチド又はその断片に対する抗体又はその断片からなる群から選択される少なくとも1つのプローブを含む、癌患者の術後の予後又は転移可能性をインビトロで予測するための組成物。
(13)配列番号28〜45に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド又はその変異体によってコードされるポリペプチドからなる群から選択されるポリペプチド又はその断片に対する抗体又はその断片からなる群から選択される少なくとも1つのプローブを含む、癌患者の術後の予後又は転移可能性をインビトロで予測するための組成物。
(14)配列番号1〜27に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド又はその変異体によってコードされるポリペプチドからなる群から選択されるポリペプチド又はその断片に対する抗体又はその断片からなる群から選択される少なくとも1つのプローブを含む、癌患者の術後の予後又は転移可能性をインビトロで予測するための組成物。
(15)前記プローブがキットの形態で含まれる、上記(9)〜(14)のいずれかに記載の組成物。
(17)培養癌細胞を用いて、配列番号1〜27のいずれかの塩基配列を含む癌転移関連遺伝子又はその転写産物の阻害又は抑制について、或いはヒト培養癌細胞の運動能及び/又は浸潤能の阻害又は抑制について、候補薬剤をスクリーニングすることを含む、癌転移抑制剤のスクリーニング方法。
(18)培養癌細胞を準備し、該細胞を候補薬剤の存在下で培養し、前記癌転移関連遺伝子又はその転写産物の発現の阻害又は抑制について、或いは培養癌細胞の運動能及び/又は浸潤能の阻害又は抑制について、候補薬剤をスクリーニングすることを含む、上記(17)に記載の方法。
本明細書中で使用する用語は、以下の意味を含む。
本明細書で使用する「術後予後」は、癌の手術後の患者の予後を、代表的には術後5年時点での生存率で判定することを意味する。予後は、癌の転移と深く関係しており、「予後が悪い」とは、癌の浸潤性、転移性又は進行度が高いことを意味し、一方、「予後が良い」とは、そのような浸潤性、転移性又は進行度が低いことを意味する。
以下において、本発明をさらに詳細に説明する。
1.癌転移関連遺伝子マーカー
本発明のヒト癌転移関連遺伝子マーカーは、次のようにして見出された。
公知の転移性肺癌細胞株NCI−H460(American Type Culture Collection)(親株)をマウスに皮下移植して肺転移を起こさせたのち、肺転移巣からの細胞の継代培養と、転移能に基づくマウスを用いたインビボ選択とによって、高転移癌細胞株LNM35を単離した(図1参照)。一方、NCI−H460細胞から限界希釈法又は脱メチル化剤での処理などによって、さらに低転移性の癌細胞株を得ることができる。LNM35株は、培養細胞又はマウス移植試験において、運動能、浸潤能、リンパ節転移及び肺転移のいずれにおいても、親株又は低転移癌細胞株と比べて非常に高値を示した(図2参照)。
本発明は、上記のとおり、癌患者の術後の予後又は転移可能性をインビトロで予測する方法を提供し、この方法は、該患者由来の生物学的検体中の、配列番号1〜45に示される塩基配列又はその変異配列を含む癌転移関連遺伝子マーカーの少なくとも1つの発現レベル又はその転写若しくは翻訳産物レベルを、該マーカーに対応するプローブを用いて測定し、正常又は非癌の対照検体に対する有意なレベル差を指標にして、術後の予後又は転移可能性を予測することを含む。
具体的には、本発明に関わるポリヌクレオチドプローブは、(i)配列番号1〜45に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド、(ii)(i)のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチド、(iii)(i)及び(ii)のポリヌクレオチドの変異体、(iv)(i)又は(ii)のポリヌクレオチド或いは(iii)の変異体にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド、並びに(v)前記ポリヌクレオチド又は変異体の15以上の連続した塩基を含む断片からなる群から選択される少なくとも1個、好ましくは少なくとも2個、さらに好ましくは3〜45個、例えば4〜45個、5〜45個のプローブを含む。
グループ1に属するマーカーを検査するためのプローブには、配列番号1〜27に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド、それに相補的なポリヌクレオチド、それらの変異体、それらにストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド、或いは15以上の連続した塩基を含むそれらの断片からなる群から選択されるプローブが含まれる。
本発明においては、抗体をプローブとして用いてもよい。抗体としては、次のものが挙げられる。
(i)配列番号1〜45に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド又はその変異体によってコードされるポリペプチドからなる群から選択されるポリペプチド又はその断片に対する抗体又はその断片、
(ii)配列番号1〜27に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド又はその変異体によってコードされるポリペプチドからなる群から選択されるポリペプチド又はその断片に対する抗体又はその断片、並びに、
(iii)配列番号28〜45に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド又はその変異体によってコードされるポリペプチドからなる群から選択されるポリペプチド又はその断片に対する抗体又はその断片。
標的ポリペプチド又はその断片を、ポリクローナル抗体の作製と同様にマウス又はラット(例えばBalb/cマウス)の皮下に投与し、1〜4週間間隔で、約2〜4回追加免疫を行う。抗体価が頭打ちになったとき、抗原を静脈内または腹腔内に注射し、最終免疫とする。2〜5日後、抗体産生細胞(例えば脾臓細胞又はリンパ節細胞)を採取する。次いで、抗体産生細胞を骨髄腫細胞株(好ましくはヒポキサンチン・グアニン・ホスホリボシル・トランスフェラーゼ(HGPRT)欠損細胞株)に融合させてハイブリドーマ細胞を生成し、HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミン)選択を行う。細胞融合は、血清を含まないDMEM、RPMI−1640培地などの動物細胞培養用培地中で、抗体産生細胞と骨髄腫細胞株とを約1:1〜 20:1の割合で混合し、ポリエチレングリコールなどの細胞融合促進剤の存在下で実施する。目的の抗体かどうかの確認は、上記の免疫測定法によって行うことができる。さらに、ハイブリドーマの増殖のために、マウスの腹腔内にハイブリドーマを約1,000万個投与し、ハイブリドーマを増殖させたのち、1〜2週間後に腹水を採取する。抗体の精製は、硫安分画、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、ゲルクロマトグラフィーなどの方法を適宜組み合わせて行うことができる。
本発明の方法は、癌患者の術後の予後又は転移可能性をインビトロで予測する方法であって、該患者由来の生物学的検体中の、配列番号1〜45に示される塩基配列又はその変異配列を含む癌転移関連遺伝子マーカーの少なくとも1つの発現レベル又はその転写若しくは翻訳産物レベルを、該マーカーに対応するプローブを用いて測定し、術後の予後がより良い又は転移可能性がより低い患者群と術後の予後がより悪い又は転移可能性がより高い患者群との間の相対的な該レベルの差を指標にして、術後の予後又は転移可能性を判定することを含む。
以下に、これらの2つの異なる方法について具体的に説明する。
本発明に関わる45個の遺伝子マーカーを検出するために、それらの各マーカーとハイブリダイズする上記ポリヌクレオチドを使用する。検出すべき遺伝子の数は、グループ毎に1又は2以上であり、好ましくは2以上、より好ましくは3から全数、例えば4から全数、5以上から全数である。検出すべき遺伝子の数が多いほど、予測の確度が向上する。
上記遺伝子の発現レベルの代替的測定法は、免疫学的方法である。
上記のように作製された抗体を、生物学的検体中の標的ポリペプチド又はその断片の検出のために使用することができる。
本発明はさらに、培養癌細胞を用いて、配列番号1〜27のいずれかの塩基配列を含む癌転移関連遺伝子又はその転写産物の阻害又は抑制について、或いは培養癌細胞の運動能及び/又は浸潤能の阻害又は抑制について、候補薬剤をスクリーニングすることを含む、癌転移抑制剤のスクリーニング方法を提供する。
NCI−H460細胞(American Type Culture Collectionから入手)(親株)1×107細胞/100μl(RPMI 1640細胞培地)を、SCIDマウス(静岡実験動物研究所より購入)に皮下移植した。移植して45日後に、癌細胞の肺転移を確認し、さらに肺転移巣からの癌細胞を別のマウスの皮下に移植し、肺転移巣からの癌細胞を、培養培地(10%ウシ血清添加RPMI 1640)中で初代培養を行った。この細胞を、別のマウスの皮下に移植し、同様に、肺転移巣からの癌細胞を培養した。さらに、2度のin vivo selection後の細胞をマウスの皮下に移植し、腋窩リンパ節からの癌細胞を培養培地(10%ウシ血清添加RPMI 1640)中で初代培養を行った。引き続いて96ウェルプレートを用いた限界希釈法により、クローニングを行い、高転移株のNCI−H460−LNM35を得た(図1)。
リンパ節及び肺への転移はそれぞれ、重量及び腫瘤の数によって判定した。
GeneFilter Human Microarrays Release IとRelease II(登録商標)マイクロアレイ(Invitrogen社製)を用いて、高転移性株LNM35株と親株N15株との間で遺伝子発現差を示す特定の遺伝子の検出について検討した。
LNM35とN15それぞれ2回、計4回の発現プロファイルに於いて、発現量(スキャンしたスポットの値)が0.1以下のスポットについては、検出限界のため、解析対象から除外した。
50の肺癌患者症例を、愛知県がんセンターの胸部外科(名古屋)で治癒的切除術を行い成功した患者のファイルから得た。すべての腫瘍標本をOCT化合物に包埋し、正規の検討部門からの必要な承認と患者からのインフォームドコンセントの書面を得たあとで−80℃に保存した。
腫瘍標本の凍結組織から、約7μm厚に約50切片を削りだした。10切片毎にギムザ染色し、病理医の指導のもと、腫瘍組織が大半を占める領域からRNeasyキット(Qiagen社、米国)を用いて全RNAを抽出した。オリゴ-dTプライマーとSuperScriptII逆転写酵素を用いて、100μCiの[33P]dCTP存在下で約5μgの全RNAを逆転写した。Invitrogen社製のcDNAマイクロアレイ(GeneFilter Human Microarrays Release IとRelease II)とハイブリダイズさせた後、マイクロアレイをイメージングプレート(富士フィルム社製)と2時間接触させ、BAS5000(富士フィルム社製)を用いてイメージングプレートをスキャンすることで、8,644個の遺伝子に相当する全11,168スポットの発現プロファイルを2回取得した。
rank-invariant手法をもちいて取得した発現プロファイルを補正した後、2回の平均値から発現値を求めた。
LNM35とN15の比較から抽出した45遺伝子の類似性をもとに、愛知県がんセンターで肺癌の手術を受けた50症例の肺癌患者のデータをクラスター解析した(図3A)。
LNM35とN15の比較から抽出した45遺伝子による予後指標の検討を行った(図6)。
術後予後が良い又は悪い癌を分類するために、シグナル−ノイズ関数(signal−to−noise metrics、Golubら、Science,Vol.286,pp531 to537,1999)を用いた。癌症例群を、術後予後が良い癌の場合class1、術後予後が悪い癌の場合class2とそれぞれ規定した場合、シグナル−ノイズ統計値である重みSは次式によって計算される。
S=(μclass1−μclass2/σclass1+σclass2)
Vx=S(Gx−bx)
bX=(μ1+μ2)/2
(ここで、μ1及びμ2は、それぞれclass1、class2の各平均値の平均を示す。)によって示され、2つの群の中心(すなわち、重心)を示す。
Claims (6)
- 肺癌患者又は乳癌患者の術後の予後又は転移可能性をインビトロで予測する方法であって、該患者由来の生物学的検体中の、配列番号1〜27、29〜34、36、37、39〜43に示される塩基配列を含む肺癌と乳癌の両方に共通する40種の癌転移関連遺伝子マーカーの発現レベルを、該40種のマーカーのそれぞれに対応するプローブを用いて測定し、術後の予後がより良い又は転移可能性がより低い患者群Aと術後の予後がより悪い又は転移可能性がより高い患者群Bとの間の各マーカーについての相対的な該発現レベルの差を指標にして、術後の予後又は転移可能性を予測することを含み、ただし、
(1)前記癌転移関連遺伝子マーカーが、該遺伝子の発現パターンに基づいてクラスタリング解析により決定された配列番号29〜34、36、37、及び39〜43に示される塩基配列又はその塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基配列からなる第1群の13種のマーカーであり、かつ、前記生物学的検体中で該第1群のマーカーの発現レベルが、各マーカーについて相対的に高いとき、前記患者は、術後の予後がより良い又は転移可能性がより低い患者として識別される、及び、
(2)前記癌転移関連遺伝子マーカーが、該遺伝子の発現パターンに基づいてクラスタリング解析により決定された配列番号1〜27に示される塩基配列又はその塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基配列からなる第2群の27種のマーカーであり、かつ、前記生物学的検体中で該第2群のマーカーの発現レベルが、各マーカーについて相対的に高いとき、前記患者は、術後の予後がより悪い又は転移可能性がより高い患者として識別される、
ことを特徴とし、並びに、
(1')前記第1群の13種のマーカーのそれぞれに対応するプローブが、(a1)配列番号29〜34、36、37、及び39〜43に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド、(b1)前記(a1)のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチド、(c1)前記(a1)又は(b1)のポリヌクレオチドの塩基配列において1若しくは数個の塩基の欠失、置換又は付加を有する塩基配列からなるポリヌクレオチド、(d1)前記(a1)又は(b1)のポリヌクレオチドの塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基配列からなるポリヌクレオチド、並びに(e1)20塩基以上から全塩基数未満の連続した塩基からなる、前記(a1)又は(b1)のポリヌクレオチドの断片、からなる群から選択される、及び、
(2')前記第2群の27種のマーカーのそれぞれに対応するプローブが、(a2)配列番号1〜27に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド、(b2)前記(a2)のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチド、(c2)前記(a2)又は(b2)のポリヌクレオチドの塩基配列において1若しくは数個の塩基の欠失、置換又は付加を有する塩基配列からなるポリヌクレオチド、(d2)前記(a2)又は(b2)のポリヌクレオチドの塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基配列からなるポリヌクレオチド、並びに(e2)20塩基以上から全塩基数未満の連続した塩基からなる、前記(a2)又は(b2)のポリヌクレオチドの断片、からなる群から選択される、
ことを特徴とする、上記方法。 - 以下の(1')及び(2')のプローブ:
(1')請求項1(1)に定義される第1群の13種のマーカーのそれぞれに対応するプローブであって、(a1)配列番号29〜34、36、37、及び39〜43に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド、(b1)前記(a1)のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチド、(c1)前記(a1)又は(b1)のポリヌクレオチドの塩基配列において1若しくは数個の塩基の欠失、置換又は付加を有する塩基配列からなるポリヌクレオチド、(d1)前記(a1)又は(b1)のポリヌクレオチドの塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基配列からなるポリヌクレオチド、並びに(e1)20塩基以上から全塩基数未満の連続した塩基からなる、前記(a1)又は(b1)のポリヌクレオチドの断片、からなる群から選択されるプローブ、並びに、
(2')請求項1(2)に定義される第2群の27種のマーカーのそれぞれに対応するプローブであって、(a2)配列番号1〜27に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド、(b2)前記(a2)のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチド、(c2)前記(a2)又は(b2)のポリヌクレオチドの塩基配列において1若しくは数個の塩基の欠失、置換又は付加を有する塩基配列からなるポリヌクレオチド、(d2)前記(a2)又は(b2)のポリヌクレオチドの塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基配列からなるポリヌクレオチド、並びに(e2)20塩基以上から全塩基数未満の連続した塩基からなる、前記(a2)又は(b2)のポリヌクレオチドの断片、からなる群から選択されるプローブ、
を有効成分として含む、請求項1に記載の方法で使用するための、かつ、肺癌患者又は乳癌患者の術後の予後又は転移可能性をインビトロで予測するための組成物。 - 請求項1(1)に定義される第1群の13種のマーカーのそれぞれに対応するプローブであって、(a1)配列番号29〜34、36、37、及び39〜43に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド、(b1)前記(a1)のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチド、(c1)前記(a1)又は(b1)のポリヌクレオチドの塩基配列において1若しくは数個の塩基の欠失、置換又は付加を有する塩基配列からなるポリヌクレオチド、(d1)前記(a1)又は(b1)のポリヌクレオチドの塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基配列からなるポリヌクレオチド、並びに(e1)20塩基以上から全塩基数未満の連続した塩基からなる、前記(a1)又は(b1)のポリヌクレオチドの断片、からなる群から選択されるプローブを有効成分として含む、請求項1に記載の方法で使用するための、かつ、肺癌患者又は乳癌患者の術後の予後又は転移可能性をインビトロで予測するための組成物。
- 請求項1(2)に定義される第2群の27種のマーカーのそれぞれに対応するプローブであって、(a2)配列番号1〜27に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド、(b2)前記(a2)のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチド、(c2)前記(a2)又は(b2)のポリヌクレオチドの塩基配列において1若しくは数個の塩基の欠失、置換又は付加を有する塩基配列からなるポリヌクレオチド、(d2)前記(a2)又は(b2)のポリヌクレオチドの塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基配列からなるポリヌクレオチド、並びに(e2)20塩基以上から全塩基数未満の連続した塩基からなる、前記(a2)又は(b2)のポリヌクレオチドの断片、からなる群から選択されるプローブを有効成分として含む、請求項1に記載の方法で使用するための、かつ、肺癌患者又は乳癌患者の術後の予後又は転移可能性をインビトロで予測するための組成物。
- 請求項2〜4のいずれか1項に定義されるプローブを有効成分として含む、請求項1に記載の方法で使用するための、かつ、肺癌患者又は乳癌患者の術後の予後又は転移可能性をインビトロで予測するためのキット。
- 請求項2〜4のいずれか1項に定義されるプローブを有効成分として含む、請求項1に記載の方法で使用するための、かつ、肺癌患者又は乳癌患者の術後の予後又は転移可能性をインビトロで予測するためのマイクロアレイ。
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