JP5406894B2 - 緩衝器 - Google Patents

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Description

本発明は、緩衝器の改良に関する。
この種、シリンダ内からリザーバへ液体を排出する排出通路を持つ緩衝器としては、たとえば、ユニフロー型に設定されるものがあり、このような緩衝器では伸長行程時にシリンダ内である伸側室からリザーバへ液体を排出するとともに、リザーバから圧側室へ液体が供給されるようになっており、リザーバへ排出される液体の流れに減衰弁で抵抗を与えて、減衰力を発生するようにしている。
このようなシリンダ内からリザーバへ液体を排出する緩衝器では、特に、正立縦置きにして使用される場合、上述のように伸縮行程時に伸側室からリザーバへ液体が排出されるので、単純に伸側室をリザーバに接続するとリザーバに排出される液体がリザーバの上方に充填されている気体を巻き込んで、リザーバ内の液体中への気体の混入を促進してしまう。さらに、緩衝器が伸長行程にある場合、リザーバから圧側室へ液体の供給が上記排出と同時に行われるので、気体混じりの液体が圧側室へ供給されることになり、減衰力特性(ピストン速度に対する発生減衰力の性質)の立上がり不良や減衰力低下といった緩衝器に好ましくない事態を招くことになる。
そこで、このような事態を招くことが無いように、シリンダに嵌合するとともに伸側室とリザーバとを接続する通路が形成されるヘッド部材にリザーバの下方まで延びるパイプを取付けた緩衝器が知られており、このような緩衝器の場合、液体排出時における気体の巻き込みを防止することができる(たとえば、特許文献1参照)。
特開2002−349629号公報(図2)
この従来の緩衝器では、上述のように、気体の巻き込みを防止できる点で良いのであるが、鉄道車両の車軸と台車との間のように長期間にわたり頻繁に振動入力されるとともに縦置きで使用されるような箇所に用いる場合、以下のような危惧がある。
すなわち、上述の従来の緩衝器にあっては、リザーバ内の気体巻き込みを防止するため、ヘッド部材にパイプをぶら下げる格好で取付けるようにしているので、振動入力が繰り返されるとヘッド部材から脱落して、気体の巻き込みを阻止できなくなってしまう可能性がある。
これを回避するべく、パイプをヘッド部材に螺子結合するとともに、螺子結合部に嫌気性接着剤を塗布する方策もあるが、激しい振動が継続的に入力され続けるとやはり上記のように脱落してしまうことを完全に防止しきれないのではないかとの不安も残ることになる。
そこで、本発明は上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、シリンダからリザーバへの液体排出時にリザーバ内の気体巻き込みを確実に防止できる緩衝器を提供することである。
上記した目的を解決するため、本発明の一つの手段は、シリンダと、上記シリンダ内に摺動自在に挿入されるとともに上記シリンダ内を伸側室と圧側室とに区画するピストンと、上記シリンダの外周側に配置され上記シリンダとの間にリザーバを形成する外筒と、上記シリンダ内の液体を上記リザーバへ排出する排出通路とを備えた緩衝器において、上記リザーバ内に収容され上記シリンダ或いは上記外筒の一方に半径方向に位置決められて上記シリンダ或いは上記外筒の一方との間に気室を形成するとともに上記シリンダ或いは上記外筒の他方との間で排出通路の一部を形成する筒部材を設け、上記筒部材は、上記シリンダ或いは上記外筒の一方に圧入する筒状の嵌合部と、上記シリンダ或いは上記外筒の他方との間に上記排出通路の一部をなす環状通路を形成する筒部と、上記嵌合部と上記筒部とを接続する接続部とを備え、上記筒部材は上記シリンダの伸側室側端に連結されるヘッド部材と上記シリンダの圧側室側端に連結されるロアキャップとで挟持されるとともに、上記筒部に切欠あるいは孔を設けたことを特徴とするものである。
同じく他に手段はシリンダと、上記シリンダの上端を閉塞するヘッド部材と、上記シリンダ内に摺動自在に挿入されるとともに上記シリンダ内を伸側室と圧側室とに区画するピストンと、上記シリンダの外周側に配置され上記シリンダとの間にリザーバを形成する外筒と、上記シリンダ内の液体を上記リザーバへ排出する排出通路とを備えた緩衝器において、上記ヘッド部材に上記排出通路の一部を形成する弁孔を設けると共に当該弁孔内に減衰バルブを設け、上記リザーバ内に収容され上記シリンダ或いは上記外筒の一方に半径方向に位置決められて上記シリンダ或いは上記外筒の一方との間に気室を形成するとともに上記シリンダ或いは上記外筒の他方との間で上記排出通路を形成する筒部材を設け、上記筒部材の下端を漏斗状に拡径又は縮径したことを特徴とするものである。
本発明の緩衝器によれば、筒部材で気室から隔離される排出通路を介してリザーバの下方へ排出されるので、当該作動油排出時に気室内の気体を巻き込む虞が全く無い。
また、緩衝器に振動が継続的かつ頻繁に入力されても、筒部材がシリンダ或いは外筒と協働して気室を形成しているため、万が一、筒部材がシリンダ或いは外筒に対して位置ずれを生じたとしても、気体巻き込みを阻止できる。
さらに、緩衝器に振動が継続的かつ頻繁に入力されても、筒部材はシリンダ或いは外筒の一方に半径方向に位置決めされているので、筒部材が脱落して何ら支持されずにリザーバ内で遊んでしまうような事態をも阻止できる。
さらに、請求項2の発明によれば、筒部の下端を漏斗状に拡径又は縮径し、
請求項5の発明によれば、筒部材の下端が漏斗状に拡径又は縮径されているので、速い速度で通過してきた作動油の速度を、徐々に減速させて乱流の発生を抑制するとともに急減圧による作動油中の気泡の発生(エアレーション)を抑制している。
したがって、シリンダ内からリザーバへの作動油の排出と、リザーバからシリンダへの作動油の供給が同時に行われる緩衝器の伸長行程時において、圧側室内に気泡含みの作動油が供給されてしまうことが防止される。
また、従来緩衝器のようにパイプを螺子締結して嫌気性接着剤で接着する必要が無いので、製造工程が簡略化される。さらに、排出通路がヘッド部材にて複数に分岐して伸側室に連通されるような場合、従来の緩衝器では排出通路数に見合った数のパイプを設けなくてはならないが、本発明の緩衝器にあっては、リザーバ内に一つの筒部材を収容することによって分岐する排出通路を単一の環状通路で収束させることが出来、加工コスト、加工工数の点で有利となる。
さらに、請求項5の発明によれば、排出通路の一部を形成する弁孔内に減衰バルブを設けているので、緩衝器の伸縮行程時に弁孔を通過する作動油の流れに抵抗を与えて緩衝器に減衰力を発揮させる。
一参考例における緩衝器の縦断面図である。 他の参考例における緩衝器の縦断面図である。 他の参考例における緩衝器の縦断面図である。 他の参考例における緩衝器の縦断面図である。 一実施の形態における緩衝器の一部拡大縦断面図である。 他の実施の形態における緩衝器の一部拡大縦断面図である。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1は、参考例における緩衝器の縦断面図である。図2は、他の参考例における緩衝器の一部拡大縦断面図である。図3は、別の参考例における緩衝器の一部拡大縦断面図である。図4は、更に別の参考例における緩衝器の一部拡大縦断面図である。図5は、請求項1の発明の実施の形態における緩衝器の一部拡大縦断面図である。図6は、他の実施の形態における緩衝器の一部拡大縦断面図である。
参考例における緩衝器Dは、図1に示すように、シリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されるとともにシリンダ1内を伸側室R1と圧側室R2とに区画するピストン2と、シリンダ1内に移動自在に挿入されるともに一端がピストン2に連結されるロッド3と、シリンダ1の外周側に配置されシリンダ1との間にリザーバRを形成する外筒4と、リザーバR内に収容され外筒4に半径方向に位置決められて外筒4との間に気室Gを形成するとともにシリンダ1との間で排出通路5を形成する筒部材6とを備えて構成され、この実施の形態の緩衝器Dの場合、ユニフロー型に設定されている。
そして、伸側室R1、圧側室R2およびリザーバRには液体たる作動油が充填され、リザーバRには、筒部材6によって形成される気室G内に気体も充填されている。
また、この緩衝器Dは、ユニフロー型に設定されているので、収縮行程時にはシリンダ1内にロッド3が侵入するため過剰となるロッド侵入体積分の作動油がシリンダ1内から排出通路5を介してリザーバRへ排出されるとともに、伸長行程時にはシリンダ1内からロッド3が退出するため伸側室R1内の作動油が排出通路5を介してリザーバRへ排出され、ピストン2の上方変位によってシリンダ1内で不足する作動油がリザーバRから圧側室R2へ供給されるようになっており、伸縮のどちらの行程においても、油の流れが常に圧側室R2から伸側室R1への一方通行となるように、圧側室R2から伸側室R1へ向かう液体の流れのみを許容する伸圧通路7と、リザーバRから圧側室R2へ向かう液体の流れのみを許容する供給通路8とを備えている。
以下、各部について詳細に説明すると、シリンダ1は筒状に形成され、その上端は、排出通路5の一部を形成するヘッド部材9によって閉塞されるとともに、下端は、供給通路8が設けられるバルブディスク10によって閉塞されて、内部には液体たる作動油が充填される。なお、本実施の形態においては、液体は作動油とされているが、これに限られるものではなく、これ以外の液体であってもよい。
そして、シリンダ1内は、摺動自在に挿入されるピストン2によって伸側室R1と圧側室R2とに区画されており、ピストン2はロッド3の下端に連結され、当該ロッド3は、ヘッド部材9に摺動自在に軸支されている。
また、シリンダ1の外方にはシリンダ1を覆いシリンダ1との間にリザーバRを形成する外筒4が設けられており、外筒4の上端内周に上記ヘッド部材9が嵌合されるとともに下端はロアキャップ11が接合され、外筒4内は密封状態とされている。
ピストン2は、伸側室R1と圧側室R2とを連通するポート7aを備えており、当該ポート7aは、ピストン2の上端に配置されるチェックバルブ7bによって開閉されるようになっている。このチェックバルブ7bは、符示しないバネによって附勢されており、圧側室R2から伸側室R1へ作動油が移動する場合には、作動油によって押されて上記バネが縮んでピストン2から後退してポート7aを開放するが、逆に、伸側室R1から圧側室R2へ作動油が移動しようとする流れに対してはポート7aを閉じたままとして当該流れを阻止する。すなわち、この実施の形態の場合、伸圧通路7は、上記ポート7aおよびチェックバルブ7bとで構成されている。なお、伸圧通路7はピストン2に設けられているが、ピストン2を迂回して圧側室R2から伸側室R1へ向かう流れを許容するようにしてもよい。
ヘッド部材9は、筒状であって、外周側に形成されるフランジ9aと、図1中上端内周の小さい内径を持つ小径部9bと、図1中下端内周の大きい内径を持つ大径部9cと、小径部9bと大径部9cとの間で小径部9bと大径部9cの間の内径を持つ中間部9dと、中間部9dから開口してフランジ9aの下端に通じ排出通路5の一部をなす弁孔9eと、小径部9bの上端に設けた溝9fと、下端から開口して大径部9cに連なる嵌合部9gとを備えて構成されている。
また、ヘッド部材9の中間部9dの内周には、ロッド3の外周に摺接してロッド3のヘッド部材9に対する図1中上下方向の移動をガイドする筒状のベアリング12が嵌め込まれて固定されるとともに、ロッド3の外周に摺接してロッド3の外周をシールするシール部材13が溝9f内に収容されて符示しないスナップリングで固定されている。
なお、大径部9cの内径は、ロッド3との間に充分に隙間が形成される径に設定され、作動油がこの隙間を介して伸側室R1から弁孔9eへ流入可能なようになっている。また、ベアリング12の軸方向長さはロッド3の移動を充分にガイドできるよう配慮されるとともに、弁孔9eの大径部9c側の開口位置は、弁孔9eをベアリング12で塞ぐことが無いように配慮されるのは当然である。
さらに、ヘッド部材9は、フランジ9aの外周が外筒4の内周に嵌合するようになっており、下端に設けた大径部9cより大径の嵌合部9g内に嵌合されるシリンダ1を外筒4に対して半径方向に位置決めている。
そして、上記弁孔9e内には、減衰バルブ14が設けられており、この減衰バルブ14は、緩衝器Dの伸縮行程時に、弁孔9eを通過する作動油の流れに抵抗を与えて緩衝器Dに減衰力を発揮させるものである。
つづいて、バルブディスク10は、シリンダ1より大径の本体10aと、シリンダ1の図1中下端に嵌合する筒状凸部10bと、本体10aの外周から開口して上端へ通じるポート10cとを備えて構成されている。そして、バルブディスク10は、外筒4の下端に固定されるロアキャップ11の凹部11aに本体10aを嵌合し、外筒4の図1中上端内周に螺合されるナット25でヘッド部材9を図1中下方へ締め付けることで、シリンダ1およびヘッド部材9とともに外筒4に固定されるようになっている。
そして、バルブディスク10の図1中上面には、チェックバルブ15が配置され、このチェックバルブ15によってポート10cが開閉されるようになっている。このチェックバルブ15は、符示しないバネによって附勢されており、リザーバRから圧側室R2へ作動油が移動する場合には、作動油によって押されて上記バネが縮んでバルブディスク10から後退してポート10cを開放するが、逆に、圧側室R2からリザーバRへ作動油が移動しようとする流れに対してはポート10cを閉じたままとして当該流れを阻止する。すなわち、この参考例の場合、供給通路8は、上記ポート10cおよびチェックバルブ15とで構成されている。
つづいて、この緩衝器Dにあっては、リザーバR内に筒部材6を収容している。この筒部材6は、外筒4の内周に嵌合する嵌合部6aと、シリンダ1の外周とのの間に排出通路5を形成する筒部6bと、嵌合部6aと筒部6bとを接続する接続部6cとを備えて構成され、嵌合部6aは、外筒4の内周に設けた段部4aによって図1中下方となる圧側室R2側への移動が規制されている。
この筒部材6の場合、嵌合部6aは筒状とされて外筒4の内周に嵌合できるようになっており、筒部6bはその内径がシリンダ外径より大径に設定されシリンダ1の外周に沿ってシリンダ1との間に一定の環状の隙間を形成するとともに下端が漏斗状に拡径されている。そして、筒部6bとシリンダ1との間の隙間によって排出通路5の一部をなす環状通路16が形成され、当該環状通路16で弁孔9eとリザーバRの図2中下方とを連通し、当該環状通路16と弁孔9eとで排出通路5が形成される。
また、接続部6cは、嵌合部6aの上端と筒部6bの上端とに連なり、この場合、筒部材6は、パイプ材をプレス加工して製造可能とされている。
そして、リザーバR内に筒部材6を収容して筒部材6を外筒4の内周に嵌合すると、筒部材6でリザーバR内に部屋が仕切られて、当該部屋で気体が充填される気室Gが形成されるとともに、筒部材6とヘッド部材9のフランジ9aとの間の空間A内に気体が入り込むことが無いようになっている。
また、筒部材6は外筒4に嵌合されるので、半径方向に位置決められ、筒部6bがシリンダ1と干渉してしまうことが防止され、排出通路5を安定的に形成することができるようになっている。
さらに、筒部6bの下端が拡径されているので、伸側室R1から排出されて筒部6bとシリンダ1との間を速い速度で通過してきた作動油の速度を、徐々に減速させて、供給通路8の吸込口があるリザーバRの下方において乱流の発生を抑制するとともに、急減圧による作動油中の気泡の発生(エアレーション)を抑制している。
したがって、シリンダ1内からリザーバRへの作動油の排出と、リザーバRからシリンダ1への作動油の供給が同時に行われる緩衝器Dの伸長行程時において、圧側室R2内に気泡含みの作動油が供給されてしまうことが防止されている。
つづいて、このように構成された緩衝器Dにあっては、伸長する場合、ピストン2がシリンダ1に対して図1中上方へ移動するので、伸側室R1の容積が減少するので減少容積見合いの作動油が押し出され、当該作動油は、弁孔9e内の減衰バルブ14を押し開いて当該弁孔9eおよび筒部材6の筒部6bとシリンダ1との間の環状通路16でなる排出通路5を介してリザーバRへ排出される。
他方、ピストン2がシリンダ1に対して図1中上方へ移動によって容積が拡大される圧側室R2へは、供給通路8を介してリザーバRから拡大容積見合いの作動油が供給される。
この伸長行程時には、伸側室R1からリザーバRへ排出される作動油は、上述の通り、筒部材6で気室Gから隔離される排出通路5を介してリザーバRの下方へ排出されるので、当該作動油排出時に気室G内の気体を巻き込む虞が全く無い。
また、緩衝器Dに振動が継続的かつ頻繁に入力されても、筒部材6が外筒4と協働して気室Gを形成しているため、万が一、筒部材6が外筒4に対して図1中上下方向へ位置ずれを生じたとしても、気体巻き込みを阻止できる。
さらに、緩衝器Dに振動が継続的かつ頻繁に入力されても、半径方向に位置決めされているので、筒部材6が外筒4から脱落して何ら支持されずにリザーバR内で遊んでしまいシリンダ1に干渉して異音を発生してしまうような事態をも阻止できる。
また、さらには、筒部材6の嵌合部6aが外筒4の段部4aによって圧側室R2側への移動を規制しているので、筒部材6の下方への移動を確実に防止できるので、筒部材6がロアキャップ11と干渉して異音を発生してしまうことを確実に防止できる。なお、筒部材6が嵌合部6aと接続部6cと筒部6bとで構成されているので、リザーバRの上方に伸側室R1から排出されてきた作動油が噴出する空間Aを形成することができ、筒部材6の嵌合部6aが外筒4の段部4aによって圧側室R2側への移動を規制される一方、空間Aに発生する圧力で筒部材6が下方に押圧されるので筒部材6の図1中上下方向の移動を抑制することができる。
なお、段部4aを設けずに外筒4の内周に嵌合部6aを単に圧入する等して筒部材6を外筒4に固定する場合、筒部6bの図1中下端側の気室Gに対面しない部位に、筒部6bの内外を連通する切欠や孔を設けておけば、万が一、筒部材6が最下端にまで移動した場合にも、切欠や孔を介して作動油の流通が確保されるので、緩衝器Dに要求される減衰機能が損なわれることはない。
また、従来緩衝器のようにパイプを螺子締結して嫌気性接着剤で接着する必要が無いので、製造工程が簡略化される。さらに、弁孔9eが複数設けられるなど排出通路5がヘッド部材9にて複数に分岐して伸側室R1に連通されるような場合、従来の緩衝器では排出通路数に見合った数のパイプを設けなくてはならないが、参考例に係わる緩衝器Dにあっては、リザーバR内に一つの筒部材6を収容することによって分岐する排出通路5を単一の環状通路16で収束させることが出来、加工コスト、加工工数の点で有利となる。
なお、筒部材6で仕切られる気室Gからの気体漏れをより確実に防止したい場合には、接続部6cの外周から垂下される嵌合部6aの図1中下端を気室Gの下端より下方に配置されるように設定したり、嵌合部6aと外筒4との間にシールリングを介装したりすればよく、さらには、図2に示すように、弁孔9eの出口端を閉塞しないようにヘッド部材9と接続部6cとの間に圧縮される状態でシールリング17を介装することで気室Gからの気体漏れを防止しても良い。このように、ヘッド部材9と接続部6cとの間にシールリング17を介装する場合には、筒部材6を図2中下方へ押圧することになるので嵌合部6aが段部4aに押し付けられる格好となり筒部材6の上下方向への移動を同時に規制することもでき、筒部材6がリザーバR内で遊んでしまうことを確実に防止することもできる。
また、この参考例の場合、筒部材6は外筒4に嵌合されて固定されるようになっているが、反対に、図3に示すように、シリンダ1の外周に筒部材18を嵌合するようにしても良い。この筒部材18は、上述の筒部材6における嵌合部6aと筒部6bの配置を、接続部6cを挟んで入れ替えた構造となっており、接続部18cの内周側に嵌合部18aが設けられ、接続部18cの外周側に筒部18bが設けられている。
そして、この筒部材18は、嵌合部18aをシリンダ1の外周に嵌合してシリンダ1に半径方向に位置決められて固定されており、シリンダ1の外周に設けた段部1aによって図3中下方側となる圧側室R2側への移動が規制されている。
また、筒部18bは、外筒4の内周との間に排出通路5の一部を成す環状通路19を形成しており、筒部18bの下端は外筒4から遠ざかるように縮径されて、環状通路19の流路面積が徐々に拡大されるようになっている。
このように、筒部材18は上述の筒部材6とは異なりシリンダ1側に固定されることになり、シリンダ1と協働して気室Gを形成しており、筒部18bの外周側に気室Gから隔絶された環状通路19を形成するようになっているが、このようにしても筒部材6と同様の作用効果を奏することができる。
図4は他の参考例に係わり、上記図1〜図3の参考例に代えて、筒部20bと接続部20cの構成は上記参考例の筒部材6と同様にする一方、筒部材20における嵌合部20aを接続部20cの外周から立ち上がるようにするようにしている。この場合、嵌合部20aの上端をヘッド部材9のフランジ9aの下端に当接させるとともに、嵌合部20aの接続部20cから立ち上がる部分を外筒4の段部4aに当接するようにしておけば、筒部材20は、ヘッド部材9と外筒4の段部4aとで挟持されて上下方向の移動が規制されるので、筒部材20がリザーバR内で遊んでしまうことを確実に防止することもできる。
図5、図6は本発明の実施の一例を示す。
これは、図5の実施の形態に示すように、嵌合部21aと接続部21cの構成は上記筒部材20と同様にする一方、筒部材21の軸方向長さとなる図5中上下方向長さをヘッド部材9とロアキャップ11とで挟持可能な長さに設定しておくものである。
すなわち、図5、図6の緩衝器の基本構造は、上記の参考例の緩衝器の基本構造と同じであり、また、リザーバR内に収容されシリンダ1或いは外筒4の一方に半径方向に位置決められてシリンダ1或いは外筒4の一方との間に気室Gを形成するとともにシリンダ1或いは外筒4の他方との間で排出通路の一部を形成する筒部材21を設けている。
そして、具体的な図5、図6の実施の形態では、筒部材21は、外筒4に圧入する嵌合部21aと、シリンダ1との間に排出通路の一部をなす環状通路22を形成すると共に下端を漏斗状に拡経した筒部21bと、嵌合部21aと筒部21bとを接続する接続部21cとを備え、筒部材21はシリンダ1の伸側室側端に連結されるヘッド部材9aとシリンダ1の圧側室側端に連結されるロアキャップ11とで挟持されている。
さらに、図5の実施の形態に示すように、筒部21bの気室Gの下端より下方側の任意の位置に切欠21dを設けているようにしてもよい。
この場合、嵌合部21aの上端はヘッド部材9のフランジ9aの下端に接し、筒部21bの下端はロアキャップ11に接して、筒部材21の持つ弾性による張力により、上下方向の移動が規制されるとともに、嵌合部21aが外筒4の内周に嵌合してリザーバR内で半径方向に位置決められている。なお、図6の他の実施の形態に示すように、筒部材21の上下方向の移動の規制に当たっては、筒部材21における下端とロアキャップ11との間、すなわち、筒部21bの下端とロアキャップ11との間に、スプリングワッシャ、バネ、ゴム等の弾性体23を介装して、筒部材21をヘッド部材9へ附勢するようにしても良い。
また、この筒部材21にあっては、切欠21dを介して気室G側と筒部21bとシリンダ1との間に形成した環状通路22との連通が確保されるので、リザーバRの機能は損なわれることが無い。無論、環状通路22と気室G側との連通に際しては、図6に示すように、切欠21dに代えて設けた孔21eを介して行うようにしても良い。
この筒部材21にあっても、外筒4と協働して気室Gを形成しており、筒部21bの内周側に気室Gから隔絶された環状通路22を形成するようになっているので、このようにしても筒部材6と同様の作用効果を奏することができるとともに、上下方向の移動が規制されるので、筒部材21がリザーバR内で遊んでしまうことを確実に防止することもできる。なお、筒部材21の嵌合部21aと筒部21bの配置を、接続部21cを挟んで内外を入れ替えて、筒部材21をシリンダ1に固定するようにしても良い。
以上で、本発明の参考例と実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
1 シリンダ
1a シリンダにおける段部
2 ピストン
3 ロッド
4 外筒
4a 外筒における段部
5 排出通路
6,18,20,21 筒部材
6a,18a,20a,21a 嵌合部
6b,18b,20b,21b 筒部
6c,18c,20c,21c 接続部
7 伸圧通路
7a ポート
7b,15 チェックバルブ
8 供給通路
9 ヘッド部材
9a フランジ
9b 小径部
9c 大径部
9d 中間部
9e 弁孔
9f 溝
9g 嵌合部
10 バルブディスク
10a バルブディスクにおける本体
10b バルブディスクにおける筒状凸部
10c バルブディスクにおけるポート
11 ロアキャップ
11a ロアキャップにおける凹部
12 ベアリング
13 シール部材
14 減衰バルブ
25 ナット
16、19、22 環状通路
17 シールリング
21d 切欠
21e 孔
23 弾性体
A 空間
D 緩衝器
G 気室
R リザーバ
R1 伸側室
R2 圧側室

Claims (6)

  1. シリンダと、上記シリンダ内に摺動自在に挿入されるとともに上記シリンダ内を伸側室と圧側室とに区画するピストンと、上記シリンダの外周側に配置され上記シリンダとの間にリザーバを形成する外筒と、上記シリンダ内の液体を上記リザーバへ排出する排出通路とを備えた緩衝器において、上記リザーバ内に収容され上記シリンダ或いは上記外筒の一方に半径方向に位置決められて上記シリンダ或いは上記外筒の一方との間に気室を形成するとともに上記シリンダ或いは上記外筒の他方との間で上記排出通路の一部を形成する筒部材を設け、上記筒部材は、上記シリンダ或いは上記外筒の一方に圧入する筒状の嵌合部と、上記シリンダ或いは上記外筒の他方との間に上記排出通路の一部をなす環状通路を形成する筒部と、上記嵌合部と上記筒部とを接続する接続部とを備え、上記筒部材は上記シリンダの伸側室側端に連結されるヘッド部材と上記シリンダの圧側室側端に連結されるロアキャップとで挟持されるとともに、上記筒部に切欠あるいは孔を設けたことを特徴とする緩衝器。
  2. 上記筒部の下端を漏斗状に拡径又は縮径している請求項1に記載の緩衝器。
  3. 上記筒部材と上記ロアキャップとの間に弾性体を介装したことを特徴とする請求項1又は2に記載の緩衝器。
  4. 上記筒部の上記気室に対面しない部位に上記切欠あるいは孔を設けたことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の緩衝器。
  5. シリンダと、上記シリンダの上端を閉塞するヘッド部材と、上記シリンダ内に摺動自在に挿入されるとともに上記シリンダ内を伸側室と圧側室とに区画するピストンと、上記シリンダの外周側に配置され上記シリンダとの間にリザーバを形成する外筒と、上記シリンダ内の液体を上記リザーバへ排出する排出通路とを備えた緩衝器において、上記ヘッド部材に上記排出通路の一部を形成する弁孔を設けると共に当該弁孔内に減衰バルブを設け、上記リザーバ内に収容され上記シリンダ或いは上記外筒の一方に半径方向に位置決められて上記シリンダ或いは上記外筒の一方との間に気室を形成するとともに上記シリンダ或いは上記外筒の他方との間で上記排出通路を形成する筒部材を設け、上記筒部材の下端を漏斗状に拡径又は縮径したことを特徴とする緩衝器。
  6. 圧側室から上記伸側室へ向かう液体の流れのみを許容する伸圧通路と、上記リザーバから圧側室へ向かう液体の流れのみを許容する供給通路とを備え、上記排出通路は上記伸側室から上記リザーバへ向かう液体の流れのみを許容することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記載の緩衝器。
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