JP5406308B2 - 電子線を用いた試料観察方法及び電子顕微鏡 - Google Patents

電子線を用いた試料観察方法及び電子顕微鏡 Download PDF

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Description

本発明は、電子線を用いた試料形態を観察する顕微鏡技術にかかわり、特に試料の表面帯電を処理する技術に関する。
試料の拡大観察可能な顕微鏡として電子線を用いた電子顕微鏡があり、試料表面の詳細な観察や寸法計測に利用されている。電子源に印加された加速電圧によって加速された電子線を電子レンズで集束し、その集束電子線(1次電子)を試料上で走査する顕微鏡を走査型電子顕微鏡という。試料に照射するエネルギは電子源に印加された加速電圧と試料に印加する電圧の差で決定される。このときのエネルギを照射エネルギと呼び、試料に依存せずに決定されるエネルギである。一方、試料表面が帯電している場合、試料に入射するときのエネルギは照射エネルギと試料表面の帯電電圧の差で決定される。このときのエネルギを入射エネルギと呼び、試料の表面の帯電電位によって変化するエネルギである。走査型電子顕微鏡は、1次電子の照射によって試料から放出される2次電子を検出し、画像を構成する。検出される2次電子の信号量は、試料の電位分布によって変化し、電位分布を反映したコントラスト(電位コントラストとする)を形成する。当該電位コントラストを利用した観察事例として、電位コントラストにより構造物の導通、非導通部を判定するものがある。当該電位コントラストを利用した導通、非導通の判別手法は、走査型電子顕微鏡で半導体デバイスなどの電気特性を評価する手段として利用されている。電位コントラストの画質や安定性を向上させるためには、試料表面の帯電制御が重要であり、画質と安定性の向上には、試料の帯電電位を大きくし、その電位を安定に制御する必要がある。
試料表面の帯電を制御する方法として、電子線照射により試料表面に電荷を蓄積する方法がある。この電荷の蓄積は、試料から放出される2次電子の効率によって決定される。照射した電子数に対する2次電子の放出効率は2次電子数/1次電子数で定義され、2次電子放出効率δと呼ばれる。2次電子放出効率δが1以上であれば試料表面は正に帯電し、1以下であれば負に帯電する。図2に示すように2次電子放出効率δは1次電子の入射エネルギEによって変化し、δが1以下となる低い入射エネルギ領域(0<E<E1)と、δが1以上となる高い入射エネルギ領域(E1<E)を使い分けることで帯電の極性を制御することができる。
特に負帯電を制御する方法として、特許文献1に記載のように、1次電子の照射エネルギを制御する方法がある。特許文献1には、図2記載のE1以下である例えば20Vの低照射エネルギで照射した場合、2次電子の放出効率が少ないため、試料が負に帯電し、1次電子が反発されるのに十分な負電位まで試料表面が帯電すると帯電は平衡状態に達することが開示されている。つまり、E1以下の一定の低照射エネルギで照射した場合、試料が負に帯電が進行し、その負帯電の進行に伴って入射エネルギは減衰し、入射エネルギがほぼ0となる状態で(1次電子の照射エネルギ=試料の帯電電位)電子線が試料に照射されなくなるため、平衡状態となる。特許文献1に記載の方法は、1次電子の照射エネルギによって負帯電形成の電位を制御する。
一方、前記E1以下の入射エネルギである低照射エネルギで負帯電を処理する場合、試料の初期帯電によって、入射エネルギが変化するため、入射エネルギの特定が困難である。この課題を解決する方法が特許文献2に開示されている。例えば、試料の帯電限界が+100Vである場合、まず電子線の照射エネルギを試料の帯電限界値である+100Vで照射し、その後、目標電位まで段階的に照射エネルギを変化させる方法が開示されている。この方法では可能性がある初期帯電電位を包括するように数種類の照射エネルギで電子線照射を行うため、試料の初期帯電に影響されない帯電処理方法が開示されている。
特開2000−208579号公報 特開2006−86506号公報
前記2次電子の放出効率δが1以下の入射エネルギ(E<E1)を用いて帯電処理する従来技術では、前出のように照射エネルギによって帯電電位が決定される。しかし、帯電処理の目標電位がE1以上である場合、δが1以上となり、E1以上の負帯電処理ができないという課題がある。
また、目標の帯電電位をE1以下に設定した場合においても、試料によっては、1次電子が反発される状態まで負帯電が進行しない場合がある。この現象は電子線と試料との相互作用が密接に関わりあっている。E1以下の入射エネルギの中であっても、比較的強い入射エネルギ(例えば50eV〜100eV程度)の電子線を試料内に照射した場合、電子線は電子正孔対を生成しながらエネルギを失って試料内部に電荷を蓄積する。さらに入射エネルギが小さくなった場合(例えば50eV以下)、電子線と試料との相互作用が弱くなるため、電子正孔対を生成しにくくなる。よって、入射した電子線のエネルギが失われにくくなるため、例えば50eV以下の低入射エネルギ領域では電子線が電荷を蓄積する深さである電子線侵入深さが深くなる現象が報告されている(M. P. Seah and W. A. Dench , Surf. Interface Anal., Vol. 1, No. 1, 1979)。特に薄膜試料などにおいて、薄膜の厚さ以上の侵入深さとなる低入射エネルギ電子線を照射しても、照射した電子線は試料ホルダを介してリーク電流として流れ出すため、試料に電荷を蓄積できず、帯電処理能力が低くなる。結果、1次電子が反発される状態まで負帯電が進行しないため、大きな帯電電位である高密度な電荷の蓄積が困難であるという課題がある。
本発明の目的は、上記課題を解決し、試料表面の帯電処理能力の向上と帯電制御の安定性を高め、電位コントラストの画質を向上させる電子線を用いた試料観察方法および電子顕微鏡を提供することにある。
本願発明の電子線を用いた試料観察方法は、低入射エネルギ領域で、電子線照射時の電荷蓄積効率が高い入射エネルギ帯を持つ電子線を試料に照射する工程を含むところに特徴がある。この方法は、試料との相互作用が少なく試料からの電荷流出が占める割合が大きくなる低入射エネルギ領域において、試料の表層部への電荷蓄積が顕著になる入射エネルギ帯が存在することを利用したものである。試料表層部は未結合手や構造欠陥などが多数存在し、電荷が蓄積されやすい。表層部への電荷蓄積が顕著になる入射エネルギ帯を判断し、さらに当該入射エネルギ帯を持つ電子線照射による帯電処理を実施するものである。この方法によると電子線照射時に生じる電荷の流出を抑えることが可能で、試料の帯電処理能力を向上することができる。
また、本願発明の電子線を用いた試料観察方法は、電子線照射時の電荷蓄積効率が高い入射エネルギ帯に含まれる入射エネルギで電子線を試料に照射する工程と、当該入射エネルギを維持したまま当該電子線の照射エネルギを帯電処理の目標電位まで変化させる工程を含むところにある。この方法では、電荷蓄積効率が高い入射エネルギ帯に含まれるように維持しながら、当該電子線の照射エネルギを帯電の目標電位(電圧)まで変化させることで、所望の電位に試料を帯電させる。この方法は、使用する入射エネルギ帯が帯電の目標電位に依存しないため、前記図2のE1に依存した帯電電位の限界がない。また、入射エネルギ帯に含まれるように維持したまま照射エネルギを変化するため、照射エネルギ電子線照射時の電荷蓄積効率が高く、高精度な帯電処理を実施することができる。この方法によれば、帯電処理能力が高い電子線を利用しつつ、帯電電位の制御が可能で、従来以上の高密度な電荷の蓄積ができる。
また、本願発明の電子線を用いた試料観察方法は、電子線照射時のリーク電流を監視しながら、当該電子線の照射エネルギを帯電処理の目標電位まで変化させる工程を含むところにある。この方法によれば、電子線の照射エネルギを変化させるときに、リーク電流を監視して、帯電蓄積効率が高い入射エネルギで試料に照射していることを監視できるため、再現性や安定性の高い帯電処理を実施することができる。
ここで、前記電子線の照射エネルギを目標電位(電圧)まで変化させるときの速度(=目標電位/変化にかかる時間)は、試料の静電容量と照射電流から算出した上限値以下に設定することを含む。特に試料ごとに帯電が形成される速度が違うため、当該電子線の入射エネルギを、電荷流出が生じない入射エネルギ帯に含まれるよう維持するには、試料ごとに照射エネルギの変化の速度を設定することが重要である。
また、本願発明の電子線を用いた試料観察方法は、さらに、前記電子線で前記試料を走査して帯電処理領域が大きい試料を帯電させる工程を含み、照射エネルギを変化させる速度に応じて、電子線で試料を走査する速度を設定することにある。当該電子線の照射領域以上の領域を帯電形成する場合、照射エネルギを変化させる速度が、電子線が同一領域を通過する速度以下に走査速度を設定する必要があるため、この方法によれば、電子線の照射域以上の領域を帯電処理することができる。
また、本願発明の電子線を用いた試料観察方法は、電子線照射時の電荷蓄積効率が高い入射エネルギ帯に含まれる第一の入射エネルギを持つ電子線を前記試料に照射する工程と、前記第一の入射エネルギを持つ電子線で、前記試料を走査する工程と、前記第一の入射エネルギを維持する電圧ピッチで、前記電子線の照射エネルギを変化させる工程と、前記変化された電子線の照射エネルギで、再度、電子線を前記試料に照射する工程と、第一の入射エネルギを持つ電子線で、再度、前記試料を走査する工程と、前記電子線の照射エネルギを変化させる工程、前記電子線を前記試料に照射する工程、および前記試料を走査する工程を繰り返すことにより、帯電処理の目標電位まで帯電処理領域が大きい試料を帯電させる工程とを含むものである。この方法によれば、帯電領域が大きい試料に、容易に高密度の電荷の帯電が可能となる。
ここで、本願発明においては、前記電子線の入射エネルギ帯および入射エネルギは0eVから10eVまでの入射エネルギ領域であることを含む。
また、本願発明においては、前記電荷蓄積効率が0.8以上であることを含む。
本願発明の電子顕微鏡は、電子線を放出する電子銃と、前記電子線を試料に照射する電子光学系と、前記試料を保持する試料ホルダと、前記試料から放出される電子を検出する検出器と、照射エネルギ制御が可能な第二の電子源と、照射エネルギの変化波形を生成する波形生成装置と、前記照射エネルギの変化波形に基づき、電子線照射時の電荷蓄積効率が高い入射エネルギ帯に含まれる入射エネルギを維持したまま、前記第二の電子源の電子線の照射エネルギを変化させる照射エネルギ制御装置と、を有するものである。
また、本願発明の電子顕微鏡は、照射エネルギを制御された電子線を放出する電子銃と、前記電子線を試料に照射する電子光学系と、前記試料を保持する試料ホルダと、前記試料から放出される電子を検出する検出器と、前記電子線の電荷の蓄積効率を測定する電荷蓄積効率測定装置と、照射エネルギの変化波形を生成する波形生成装置と、前記照射エネルギの変化波形に基づき、前記電荷の蓄積効率の測定結果に応じて、電子線照射時の電荷蓄積効率が高い入射エネルギ帯に含まれる入射エネルギを維持したまま、前記電子線の照射エネルギを変化させる照射エネルギ制御装置と、を有するものである。
また、本願発明の電子顕微鏡は、電子線を放出する電子銃と、前記電子線を試料に照射する電子光学系と、前記試料を保持する試料ホルダと、前記試料から放出される電子を検出する検出器と、照射エネルギ制御が可能な第二の電子源と、前記第二の電子源からの電子線の電荷の蓄積効率を測定する電荷蓄積効率測定装置と、照射エネルギの変化波形を生成する波形生成装置と、前記照射エネルギの変化波形に基づき、前記電荷の蓄積効率の測定結果に応じて、電子線照射時の電荷蓄積効率が高い入射エネルギ帯に含まれる入射エネルギを維持したまま、前記第二の電子源からの電子線の照射エネルギを変化させる照射エネルギ制御装置と、を有するものである。
また、本願発明の電子顕微鏡は、電子線を放出する電子銃と、前記電子線を試料に照射する電子光学系と、前記試料を保持する試料ホルダと、前記試料から放出される電子を検出する検出器と、初期照射エネルギから目標電圧までの段階的な照射エネルギが順次印加される複数に分割された電子源と、電子線照射時の電荷蓄積効率が高い入射エネルギ帯に含まれる入射エネルギを維持するような速度で、前記試料ホルダと前記電子源とを相対的に移動させる移動機構と、を有するものである。
本願発明によれば、電子線照射による試料の帯電を効率よく処理できるため、電位コントラストの画質を向上させ、電子顕微鏡観察時に画質のよい観察ができる。
本発明の電子顕微鏡の一例を示す構成図。 入射エネルギと2次電子放出効率との関係を示す図。 入射エネルギと電荷蓄積効率との関係を示す図。 実施例1の帯電処理制御のタイムチャートの一例を示す説明図。 実施例1の帯電処理制御のタイムチャートの他の一例を示す説明図。 実施例1の帯電処理を行った観察フローの一例を示す図。 実施例1における帯電処理の帯電形成能力の一例を示す説明図。 実施例2の帯電処理系の一例を示す構成図。 加速電圧の変化の傾きと帯電電位との関係を示す図。 実施例2の傾き閾値を設定するフローの一例を示す図。 実施例2の帯電処理条件の設定を行うGUIの一例を示す図。 実施例3の条件設定フローの一例を示す図。 実施例4の条件設定フローの一例を示す図。 実施例5の帯電処理用の電子源の一例を示す構成図。
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
本実施例では電子線照射時に試料から電荷が流出しない入射エネルギ帯の電子線を利用して、試料表面に電荷を蓄積する方法と装置について述べる。本実施例における電子顕微鏡として走査型電子顕微鏡を例に説明するが、本願発明は走査型電子顕微鏡に限定されるものではなく、試料を帯電させて観察する荷電粒子線利用したいずれの顕微鏡でも実施可能である。
本実施例における走査型電子顕微鏡の構成例を図1に示す。走査型電子顕微鏡1は電子光学系、ステージ機構系、制御系、試料帯電処理系、操作系により構成されている。電子光学系は電子銃2、コンデンサレンズ3、アライメントコイル4、偏向器5、対物レンズ6、検出器7により構成されている。ステージ機構系はXYZステージ8、試料ホルダ9、試料10、試料搬送部11、真空排気部12により構成されている。制御系は電子銃制御部13、コンデンサレンズコイル制御部14、アライメントコイル制御部15、偏向走査信号制御部16、対物レンズコイル制御部17、検出器制御部18、検出信号処理部19、ステージ制御部20、真空排気制御部21、帯電処理制御部22により構成されている。帯電処理制御部22には、照射エネルギを任意に変化させることが可能な電子源制御部23と照射エネルギの変化波形生成部24で構成されている。本願発明では、照射エネルギは電子源28に印加する加速電圧で制御するため電子源制御部23としたが、試料ホルダ9に印加する電圧の制御や、試料と電子線の照射方向によって決まる照射傾きの制御でもかまわない。操作系は制御コンピュータ25、表示部26、データ記憶部27により構成されている。試料帯電処理系は、試料帯電を処理する電子源28、試料ホルダより流出する電流を計測する電流計29、照射電流を測定するファラデーカップ30により構成されている。本実施例では電子線による帯電処理を行うため、電子源28を用いているが、電子源28に限定されるものではなく、帯電処理可能な荷電粒子源を用いてもかまわない。また、試料帯電を高速処理するため、大きな照射面積で電子線照射が可能な電子源28を用いたが、試料帯電を処理する電子源28の変わりに電子光学系を構成している電子銃2を用いてもかまわない。また、本実施例では電子線照射時の蓄積電荷特性を電流計により計測する構成を用いたが、電流計以外に電子線照射時の蓄積電荷を計測する装置として、表面電位を測定する非接触の表面電位計やオージェ電子測定計、試料内部の空間電荷量と位置を測定する内部電荷測定計などを利用することができる。
本実施例の装置構成を用いてレジスト膜の帯電を処理する方法について説明する。図2に入射エネルギと2次電子放出効率δとの関係について示す。負の帯電処理を実施する場合、入射エネルギは図2記載のE1(本実施例で使用したレジスト膜ではE1=100eV)以下の入射エネルギ内で、電子線照射時の電荷流出が少ない入射エネルギ帯を特定する必要がある。本実施例では、電子線照射時の電荷流出が生じない入射エネルギ帯を特定するに当たって、電子線照射時の電荷蓄積効率ηで評価することとする。電荷蓄積効率ηは(1)式で表される。
電荷蓄積効率η=(照射電流−リーク電流)/照射電流 (1)
照射電流は、試料帯電を処理する電子源28から試料位置に到達する電子線の電流で、ファラデーカップ30に電子線を照射し、試料ホルダを介して電流計29で計測できる。リーク電流は電子線を試料10に照射した際に試料から流出する電荷の流れで、試料帯電を処理する電子源28からの電子線を試料10に照射し、試料ホルダを介して電流計29で計測できる。
図3にE1以下の低入射エネルギ領域での入射エネルギと電荷蓄積効率ηの関係について示した。入射エネルギ下限値El(=0eV)から入射エネルギ上限値Eh(=8eV)の間で電荷蓄積効率ηが1となっており、帯電蓄積の効率が高い入射エネルギ帯を特定できている。本実施例では、電荷蓄積効率ηが1となる領域を帯電蓄積の効率が高い入射エネルギ帯としたが、目標電位の精度に応じて電荷蓄積効率ηの許容範囲を設定することができる。本実施例では帯電蓄積の効率が高い入射エネルギ帯の中で、入射エネルギ5eVを採用した。
図4に照射エネルギを連続的に変化させる際のタイムチャート31を示す。図4には試料の帯電電位32の変化を合わせて記載した。本実施例では目標電位Vcを-50Vとし、前記タイムチャート31記載のように1秒で初期照射エネルギVi=-5VからVc=-50Vまで照射エネルギを変化させている。そのとき入射エネルギ5eVを維持したまま電荷が蓄積され、試料の帯電は-45Vまで帯電を形成できている。
また、照射エネルギをステップで変化させる際のタイムチャートを図5に示す。初期照射エネルギと変化の電圧ピッチVpは図3に示したElからEhの範囲内の電圧である必要がある。この電圧ピッチVpで目標電位Vcまで変化させると、ElからEhの範囲内のエネルギで試料に照射されるため、高い電荷蓄積効率で帯電処理できる。
次に前記帯電処理を利用した試料観察方法についてフローチャートに従って説明する。図6に当該フローチャートを示す。試料搬送部11により試料10が装置に搬送され、真空排気された後に、観察室に導入される(ステップ101)。観察モードの選択により電位コントラスト観察モードが選択された場合、XYZステージ8により試料帯電処理系に試料10が搬送される(ステップ102)。帯電処理を行う入射エネルギを設定するため、前記図3のように入射エネルギに対する電荷蓄積効率の特性を取得する(ステップ103)。本実施例では電荷蓄積効率が1となる入射エネルギの領域を用いたが、1に限定されるものではなく、帯電処理の必要精度をかんがみると、0.8以上の電荷蓄積効率であることが望ましい。当該特性から、使用する入射エネルギを設定し、電子源28の初期照射エネルギViを設定する(ステップ104)。次に帯電処理の目標電位Vcを設定し(ステップ105)、波形生成部24から照射エネルギ変化の信号を電子源制御部23に送信し、電子源28の照射エネルギを目標電位Vcに向かって変化させる(ステップ106)。このときリーク電流をモニタしつつ電子線照射中の電荷蓄積の効率を測定し、波形生成部24に搭載された演算部で電荷蓄積効率が1であることを監視しながら照射エネルギの変化の速度を調節する(ステップ107)。このとき前出のように、電荷蓄積効率が1に限定されるものではなく、帯電処理の必要精度をかんがみると、0.8以上の電荷蓄積効率で監視することが望ましい。本実施例では電子源28の照射エネルギを変化させる方式を用いたが、別な方式として試料に印加する電圧を制御する方式や、照射角度を制御する方式がある。また、照射エネルギの変化の電圧ピッチは、ElからEh内の入射エネルギ帯に含まれるピッチで照射エネルギを変化する必要があるが、Elが0eVの場合では、前記図4記載のように、照射エネルギの変化は連続的でかまわない。帯電処理が完了すると、電子光学系の条件が試料の観察条件に設定される(ステップ108)。このとき試料の帯電電位は電子銃制御部13にフィードバックされ、観察時の照射エネルギが調整されることが望ましい。観察時には、試料の表面帯電が変化しにくい条件に設定することが望ましく、電子線の走査方式や、加算処理なども有効である。電位コントラストを利用した試料の観察を実施し(ステップ109)、観察後、試料は試料搬送系11により電子顕微鏡より取り出される(ステップ110)。
本実施例では前記ステップ103、104のように電荷蓄積効率が高い入射エネルギを試料ごとに計測する手順を採用したが、試料の材料、膜厚、製法ごとに当該入射エネルギをデータベース化し、観察ごとにデータ記憶部27に保存しておいたデータベースから、制御コンピュータ25を通じて呼び出し、当該入射エネルギを設定することも可能である。さらに当該入射エネルギは0eVから10eV内である材料が多種であるため、初期照射エネルギを0Vに設定することにより、前記ステップ103、104を省略することができる。この入射エネルギが0eVから照射エネルギを変化させる際、試料の初期帯電が重要である。試料表面の初期電位を予め測定するか、試料を除電しておくことが望ましいが、もし不明な場合は、電子線が跳ね返される照射エネルギ領域から照射エネルギを変化させる方式も有効である。
当該フローチャートを用いてレジスト膜を帯電処理し、目標電位と、形成できた帯電電位を比較した結果を図7に示す。測定結果33は本実施例を用いて帯電処理した結果である。目標電位Vcに従った試料帯電が形成できており、制御よく帯電処理ができていることが分かる。一方測定結果34は、従来の帯電処理法である最初から照射エネルギを目標電位Vcに設定し、帯電処理をした結果で、測定結果33が0Vから−50Vまで制御できているのに対し、測定結果34は−20Vまでしか帯電が形成できない。このように本実施例を用いれば、試料を制御よく高密度に電荷を蓄積することができ、高画質な試料の観察が可能になる。
本実施例では試料の容量から照射エネルギの変化の速度を設定する方法と装置について述べる。図8には本実施例を実現する試料帯電処理系を示した。試料帯電処理系は、試料帯電を処理する電子源28、試料の誘電率と厚さが測定できるエリプソメータ35、帯電処理用電子線の照射電流と照射領域が測定可能なナイフエッジ式電流計36、表面電位計37により構成される。本実施例では照射エネルギの変化の速度を照射エネルギの変化傾きα(目標電位/変化にかかる時間)とする。照射エネルギの変化傾きαは(2)式の傾き閾値以下に設定する必要がある。
傾き閾値=照射電流/試料容量 (2)
試料容量は(3)式により求められる
試料容量=試料誘電率×照射領域/試料厚さ (3)
本実施例ではSi基板上に成膜したSiO2試料を例に照射エネルギの変化の傾きαの効果について説明する。図9には目標電位を−50Vに設定し、0Vから目標電位まで照射エネルギを変化させたときの、照射エネルギの変化傾きαと試料帯電電位の関係38について示した。試料帯電は表面電位計37で測定した。帯電電位は目標電位Vcで規格化した。また図中には(2)(3)式による傾き閾値39の位置を示した。傾き閾値39以下の変化の傾きαで帯電処理した場合、帯電電位/目標電位は0.8以上の高効率な帯電処理ができているのに対し、変化の傾きαが傾き閾値39以上である場合、目標電位半分以下しか帯電できていない。変化傾きαが傾き閾値39以上である場合、試料への照射電荷量が不十分なため、試料帯電電位が上昇できない。よって、照射エネルギの変化によって入射エネルギが高まるため、電荷蓄積効率が悪化し、高密度な電荷蓄積ができない。傾き閾値39以下の変化傾きαであれば、十分な照射電荷量があり、入射エネルギが電荷蓄積効率の高い入射エネルギ帯内に維持されるため、高密度な電荷蓄積が可能となる。
本実施例における傾き閾値の設定方法を示したフローチャートを図10に示す。前記図6のステップ102にある観察モードの選択を実施した後、試料容量を決定するためエリプソメータ33で試料の誘電率と試料厚さを測定する(ステップ111)。またナイフエッジ式電流計34で照射領域と照射電流を測定する(ステップ112)。前記(2)、(3)式から傾き閾値39を算出する(ステップ113)。当該傾き閾値39以下となる変化の傾きαを設定(ステップ114)、帯電処理の目標電位Vcの設定(ステップ115)と初期照射エネルギViを設定する(ステップ116)。本実施例ではSiO2の電荷が流出しない入射エネルギ帯が0eVから5eVであることから初期照射エネルギは0Vとした。前記図6のステップ106を行い、以下図6のフローチャートに従い帯電処理および観察を実施する。このとき傾き閾値39以下であれば、いかなる値でも変化の傾きαとして設定することができるが、帯電処理の速度に鑑み、変化の傾きαは傾き閾値39と同等な値に設定することが望ましい。傾き閾値39と同等な値に設定した場合、照射電流の時間変動とともに傾き閾値39が変化してしまうため、照射電流変動分を加味した照射エネルギの変化の傾きに設定するか、帯電処理中の照射電流変化を測定し、傾き閾値39の変化に合わせて照射エネルギの変化の傾きαを制御する方法を利用することが望ましい。本実施例のフローチャートによって設定した傾き閾値39はデータ記憶部27にデータベース化し、その都度呼び出して使用することも可能である。
本実施例の条件設定を容易にするGUIを図11に示す。前記図6のステップ102にある観察モードの選択後、帯電処理実施GUI 201が制御コンピュータ23に表示される。ウィンドウ202では前記ステップ111、112を取得し、傾き閾値39を算出することができる。ウィンドウ203では前記ステップ114、115、116にあるように帯電処理のシーケンスを設定することができる。このとき設定した帯電処理シーケンスはウィンドウ204に表示される。またウィンドウ205では前記図9のように効果の確認が可能となる。ウィンドウ205内の破線206は傾き閾値39である。これら結果はウィンドウ207でデータ記憶部27に保存することが可能で、その保存したシーケンスは同種の試料の帯電処理をする際に呼び出して使用することができる。
本実施例では帯電処理領域が大きい試料を処理する方法と装置について述べる。装置構成は前記図1と同じ構成である。大きい試料の帯電処理を行う場合、帯電処理用の電子源で試料を走査する方式により電子線照射領域以上の帯電処理を行う。本実施例では走査を試料ホルダが取り付けられているXYZステージ8の移動により制御することとした。また走査は帯電処理用電子源の移動によっても制御することができる。本願発明では1回の照射エネルギの変化にかかる時間が、照射領域が移動する早さ以下でなければならない。つまりステージ速度の閾値Vlimは(4)式で決定される。
Vlim=帯電処理用電子源の照射領域/1回の照射エネルギ変化にかかる時間Tr (4)
また、1回の照射エネルギ変化にかかる時間Trは(5)式で決定される。
Tr=(目標電位Vc−初期照射エネルギ)/照射エネルギの変化の傾き (5)
本実施例における帯電処理方法を示したフローチャートを図12に示す。前記実施例図10のフローチャートに従い、照射エネルギの変化の傾きαの設定(ステップ114)、目標電位Vcの設定(ステップ115)、初期照射エネルギViの設定を実施する(ステップ116)。次に前記(4)(5)式からステージ移動の速度閾値Vlimを算出する(ステップ117)。算出された速度閾値Vlim以下となるようステージ速度を決定する(ステップ118)。このとき速度閾値Vlim以下であれば、どの速度においても、本実施例を実行することが可能であるが、帯電処理の速度に鑑み、速度閾値Vlimと同等のステージ速度に設定することが望ましい。その後設定したパラメータにより照射エネルギを変化させ(ステップ119)、設定したステージ速度で所望の帯電処理領域を走査する(ステップ120)。帯電処理終了後、前記図6記載のステップ108以降を実施し、試料の観察を行う。本実施例により、帯電処理領域が大きい試料の高密度な電荷蓄積を実現することができる。
本実施例によれば、照射エネルギの変化の傾きαとステージ速度を考慮することにより、帯電処理領域の大きな試料の高密度な電荷の蓄積ができる。
本実施例では帯電領域が大きい試料を処理する別な方法と装置について述べる。本実施例では帯電制御する際の照射エネルギを、電圧ピッチに基づいたステップで変化させる。また、処理領域は、照射エネルギステップごとにステージを移動させることとした。装置構成は前記図1と同じ構成である。この方式であれば、照射領域を形成しながら、照射エネルギを変化させる必要がないため、帯電処理制御部22の制御速度に依存せずに処理できる。
詳細を図13のフローチャートに基づき説明する。電位コントラストモードを選択すると帯電処理を実施するモードとなる(ステップ121)。まず、照射エネルギをステップで変化させる際の照射エネルギの変化電圧ピッチVpを設定する(ステップ122)。照射エネルギの変化の電圧ピッチVpは、図3に示したElからEh内の入射エネルギ帯に含まれる範囲である。そして、目標電位Vcと初期照射エネルギViを設定する(ステップ123,124)。ステージの移動速度は、1ステップの照射で帯電させる電圧に対し、十分な電荷が照射できる速度が望ましい(ステップ125)。さらに処理領域を設定した後(ステップ126)、帯電処理を実行する。帯電処理は、初期照射エネルギViで、まず処理領域全域の帯電処理を設定したステージ速度で行う(ステップ127、128)。全領域を処理した後、照射エネルギErが目標電圧Vcに到達していない場合、照射エネルギを電圧ピッチVpで上昇させる(ステップ129、130)。再度、処理領域全域を帯電処理し、この処理を目標電位Vcまで繰り返す。目標電位Vcまで照射エネルギErが上昇すれば、帯電処理は終了である(ステップ131)。
本実施例によれば、帯電処理制御部22の性能によらない帯電処理が可能で、容易に高密度な電荷の蓄積が可能となる。
本実施例では照射エネルギの変化以外の帯電処理方法と装置について述べる。装置構成は前記図1と同じ構成であるが、帯電処理部の帯電電子源に照射面内で照射エネルギが変化する電子源を用いた。照射面内で照射エネルギが変化する電子源として、図14に一例を示した。帯電処理用の電子源28が、各々照射エネルギ制御が可能な電子源40で構成されているものである。初期照射エネルギが-5Vであることが多く、また目標電位Vcは-50V以内であることが多いことから、電子源40は10個程度で構成されていることが望ましい。その場合、分割された電子源40には、左側から順に-5V,-10V,-15V,・・・-45V,-50Vの入射エネルギが加えられる。そして、試料10に対して、電子源40を左側方向に、電荷蓄積効率が高い入射エネルギを維持しつつ、相対移動させることにより、試料を帯電させることができる。
別な構成として前記図12の電子源40が電源に変わって抵抗で構成されており、電流を流すことで照射エネルギの分布が制御できる。この場合、ひとつの電子源であっても、照射エネルギ印加部に抵抗体を介することで、前記同様に照射エネルギの分布が制御できる。本実施例の帯電処理用の電子源を用いれば、照射エネルギを変化させる工程が不要で、変化の傾きαで帯電処理速度が制限されないため、高速な処理ができる。
1 電子顕微鏡
2 電子銃
3 コンデンサレンズ
4 アライメントコイル
5 偏向器
6 対物レンズ
7 検出器
8 XYZステージ
9 試料ホルダ
10 試料
11 試料搬送部
12 真空排気系
13 電子銃制御部
14 コンデンサレンズ制御部
15 アライメントコイル制御部
16偏向制御部
17 対物レンズ制御部
18 検出器制御部
19 検出信号処理部
20 ステージ制御部
21 真空排気制御部
22 帯電処理制御部
23 電子源制御部
24 波形生成部
25 制御コンピュータ
26 表示部
27 データ記憶部
28 帯電処理用電子源
29 電流計
30 ファラデーカップ
31 照射エネルギのタイムチャート
32 試料帯電電位
33 本発明によって形成した帯電電位
34 従来の方法で形成した帯電電位
35 エリプソメータ
36 ナイフエッジ式照射電流計
37 表面電位計
38 傾き変化時の帯電電位
39 傾き閾値
40 電子源
201 帯電処理実施GUI
202,203,204,205,207 ウィンドウ
206 傾き閾値

Claims (13)

  1. 電子線を試料に入射して前記試料から放出される電子を検出する電子線を用いた試料観察方法において、
    電子線照射時の電荷蓄積効率が0.8〜1の範囲の入射エネルギ帯に含まれる第一の入射エネルギを持つ電子線を前記試料に照射する工程と、
    前記第一の入射エネルギを維持したまま、前記電子線の照射エネルギを帯電処理の目標電位まで変化させて試料を帯電させる工程と、
    前記試料を帯電させる工程の後に第二の入射エネルギを持つ電子線を前記試料に照射して電位コントラストを利用した試料の観察を実施する工程と、
    を有することを特徴とする電子線を用いた試料観察方法。
  2. 電子線を試料に入射して前記試料から放出される電子を検出する電子線を用いた試料観察方法において、
    電子線照射時の電荷蓄積効率が0.8〜1の範囲の入射エネルギ帯に含まれる第一の入射エネルギを持つ電子線を前記試料に照射する工程と、
    前記電子線照射中に前記試料から流れる電流を監視しながら、前記電子線の照射エネルギを帯電処理の目標電位まで変化させて試料を帯電させる工程と、
    前記試料を帯電させる工程の後に第二の入射エネルギを持つ電子線を前記試料に照射して電位コントラストを利用した試料の観察を実施する工程と、
    を有することを特徴とする電子線を用いた試料観察方法。
  3. 請求項または請求項記載の電子線を用いた試料観察方法であって、
    前記照射エネルギを変化させる速度を、試料の静電容量と照射電流から決まる閾値以下に設定することを特徴とする電子線を用いた試料観察方法。
  4. 請求項または請求項記載の電子線を用いた試料観察方法であって、
    さらに、前記電子線で前記試料を走査して帯電処理領域が大きい試料を帯電させる工程を含み、照射エネルギを変化させる速度に応じて、電子線で試料を走査する速度を設定することを特徴とする電子線を用いた試料観察方法。
  5. 電子線を試料に入射して前記試料から放出される電子を検出する電子線を用いた試料観察方法において、
    電子線照射時の電荷蓄積効率が0.8〜1の範囲の入射エネルギ帯に含まれる第一の入射エネルギを持つ電子線を前記試料に照射する工程と、
    前記第一の入射エネルギを持つ電子線で、前記試料を走査する工程と、
    前記第一の入射エネルギを維持する電圧ピッチで、前記電子線の照射エネルギを変化させる工程と、
    前記変化された電子線の照射エネルギで、再度、電子線を前記試料に照射する工程と、
    第一の入射エネルギを持つ電子線で、再度、前記試料を走査する工程と、
    前記電子線の照射エネルギを変化させる工程、電子線を前記試料に照射する工程、および前記試料を走査する工程を繰り返すことにより、帯電処理の目標電位まで帯電処理領域が大きい試料を帯電させる工程と、
    前記試料を帯電させる工程の後に第二の入射エネルギを持つ電子線を前記試料に照射して電位コントラストを利用した試料の観察を実施する工程と、
    を有することを特徴とする電子線を用いた試料観察方法。
  6. 請求項1、請求項2、請求項のいずれか一つに記載の電子線を用いた試料観察方法であって、
    第一の入射エネルギ帯もしくは第一の入射エネルギが0から10eVまでであることを特徴とする電子線を用いた試料観察方法。
  7. 電子線を放出する電子銃と、
    前記電子線を試料に照射する電子光学系と、
    前記試料を保持する試料ホルダと、
    前記試料から放出される電子を検出する検出器と、
    照射エネルギ制御が可能な第二の電子源と、
    連続的にまたはステップで変化する波形である照射エネルギの変化波形を生成する波形生成装置と、
    前記照射エネルギの変化波形に基づき、電子線照射時の電荷蓄積効率が0.8〜1の範囲の入射エネルギ帯に含まれる入射エネルギを維持したまま、前記第二の電子源の電子線の照射エネルギを変化させる照射エネルギ制御装置と、
    を有することを特徴とする電子顕微鏡。
  8. 照射エネルギを制御された電子線を放出する電子銃と、
    前記電子線を試料に照射する電子光学系と、
    前記試料を保持する試料ホルダと、
    前記試料から放出される電子を検出する検出器と、
    照射電流およびリーク電流を計測し、計測した照射電流およびリーク電流から前記電子線の電荷の蓄積効率を求める電荷蓄積効率測定装置と、
    連続的にまたはステップで変化する波形である照射エネルギの変化波形を生成する波形生成装置と、
    前記照射エネルギの変化波形に基づき、前記電荷の蓄積効率の測定結果に応じて、電子線照射時の電荷蓄積効率が0.8〜1の範囲の入射エネルギ帯に含まれる入射エネルギを維持したまま、前記電子線の照射エネルギを変化させる照射エネルギ制御装置と、
    を有することを特徴とする電子顕微鏡。
  9. 電子線を放出する電子銃と、
    前記電子線を試料に照射する電子光学系と、
    前記試料を保持する試料ホルダと、
    前記試料から放出される電子を検出する検出器と、
    照射エネルギ制御が可能な第二の電子源と、
    前記第二の電子源からの電子線の電荷の蓄積効率を測定する電荷蓄積効率測定装置と、
    連続的にまたはステップで変化する波形である照射エネルギの変化波形を生成する波形生成装置と、
    前記照射エネルギの変化波形に基づき、前記電荷の蓄積効率の測定結果に応じて、電子線照射時の電荷蓄積効率が0.8〜1の範囲の入射エネルギ帯に含まれる入射エネルギを維持したまま、前記第二の電子源からの電子線の照射エネルギを変化させる照射エネルギ制御装置と、
    を有することを特徴とする電子顕微鏡。
  10. 請求項乃至請求項のいずれか一つに記載の電子顕微鏡において、
    前記照射エネルギ制御装置が、電子線の前記電子源に印加する電圧と前記試料に印加する電圧とを制御するものであることを特徴とする電子顕微鏡。
  11. 請求項乃至請求項のいずれか一つに記載の電子顕微鏡において、
    さらに、試料ホルダを移動させる移動機構を備え、該移動機構は、照射エネルギ制御装置の変化波形に基づき試料ホルダを移動させる速度を設定する速度制御装置と、設定された速度に基づき試料ホルダを移動させるステージ装置を備えることを特徴とする電子顕微鏡
  12. 請求項または請求項に記載の電子顕微鏡において、
    前記電荷蓄積効率測定装置が、照射電流を測定する照射電流計と電子線照射時の帯電電位を測定する表面電位計を備えることを特徴とする電子顕微鏡。
  13. 電子線を放出する電子銃と、
    前記電子線を試料に照射する電子光学系と、
    前記試料を保持する試料ホルダと、
    前記試料から放出される電子を検出する検出器と、
    初期照射エネルギから目標電圧までの段階的な照射エネルギが順次印加される複数に分割された電子源と、
    電子線照射時の電荷蓄積効率が0.8〜1の範囲の入射エネルギ帯に含まれる入射エネルギを維持するような速度で、前記試料ホルダと前記電子源とを相対的に移動させる移動機構と、
    を有することを特徴とする電子顕微鏡。
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