次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行うパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機)
図1に示すように、実施例に係るパチンコ機10は、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤20(図2参照)が着脱可能に保持された本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組付けられている。また、遊技盤20の後側には、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置40(図1または図2参照)が着脱し得るよう配設されている。中枠12の前面側には、遊技盤20を透視保護するガラス板を備えた装飾枠としての前枠14が開閉可能に組付けられると共に、前枠14の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組付けられる。なお、実施例では、前枠14の下部位置に下球受け皿15の上側に位置して、パチンコ球を貯留する上球受け皿16が一体的に組付けられており、前枠14の開閉に合わせて上球受け皿16も一体的に開閉するよう構成される。なお、実施例のパチンコ機10では、図柄表示装置40として、液晶画面からなる表示部40aで各種演出表示を行う液晶タイプが採用されている。
(遊技盤)
前記中枠12に配設される遊技盤20は、図2に示すように、前面(盤面)にパチンコ球が流下可能な遊技領域20aが画成され、合板等の木製からなる平板状の板部材で構成される。遊技盤20の前面には、円弧状に形成した案内レール21が配設されると共に、該案内レール21の右方位置に、左端縁が右方に凹む円弧状に形成した盤面飾り部材22が配設される。そして、案内レール21および盤面飾り部材22により遊技領域20aが略円形状に画成され、中枠12に配設された図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球が遊技領域20a内に打ち出され、該遊技領域20a内をパチンコ球が流下して遊技が行われる。また、遊技盤20の遊技領域20a内には、多数の遊技釘が植設されており、該遊技釘との接触により遊技領域20aを流下するパチンコ球の流下方向が不規則に変化するよう構成してある。
前記遊技盤20には、図1または図2に示すように、後述する枠状装飾体28の下縁より下方位置に、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞装置24および特別入賞装置25やパチンコ球が通過可能なゲート26等が配設される。なお、図2の符号27は、遊技盤20に配設されて、常に入賞口を開放している普通入賞装置を示す。
(枠状装飾体)
前記遊技盤20の中央には、前後に貫通する大型の貫通口(図示せず)が形成されており、該貫通口に対して前後に開口する窓口28aを有する枠状装飾体(所謂センター役物)28が嵌め込まれるように着脱可能に配設される(図1または図2参照)。そして、後述する設置部材34の表示開口部34aから臨む図柄表示装置40の表示部40aは、枠状装飾体28における前後に開口する窓口28aを介して遊技盤20の前側に露出して、該図柄表示装置40の表示部40aで展開される図柄の変動を前側から視認し得るようになっている(図1または図2参照)。
前記枠状装飾体28には、図2に示す如く、上縁部から左右両縁部に亘り、遊技盤20の前面より前方に突出する円弧状の庇状部28bが設けられており、遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を外周部の庇状部28bで案内し得ると共に、該パチンコ球が枠状装飾体28の窓口28aを横切って流下するのを該庇状部28bで規制している。枠状装飾体28は、庇状部28bの左上部から窓口28aの内側に張り出すように配設され、光を透過可能な光飾部を備えた左部飾り部材32を備えている。枠状装飾体28は、左部飾り部材32によって窓口28aに臨む表示部40aの周辺を装飾するようになっている。
(設置部材)
前記遊技盤20の後面には、図柄表示装置40が着脱可能に配設されると共に、後述する可動演出装置100や複数の発光基板等の遊技部品が配設される合成樹脂材で形成された設置部材34が配設されている(図4または図5参照)。設置部材34は、前方に開口する矩形箱状に形成されており、開口端部に形成された取付部34bを遊技盤20の後面に突き当ててネジ止め固定される。設置部材34には、遊技盤20の後面に対向する設置板部35に、前後に貫通する大型の表示開口部34aが設けられている(図4または図5の点線参照)。設置部材34は、遊技盤20に取り付けた際に、該遊技盤20の貫通口の後側に表示開口部34aが重なると共に、設置板部35と遊技盤20との間に所要の空間が画成される。設置部材34の設置板部35には、表示開口部34aの左右の両側の夫々に図示しない発光基板によって発光演出される飾り発光カバー36,36が設けられ、この飾り発光カバー36,36によって表示部40aの左右の側縁が縁取られるようになっている。また、設置板部35には、図4および図5に示すように、表示開口部34aの上側から左右両側にかけて可動演出装置100が配設されている。更に、図5に示すように、設置部材34の設置板部35には、表示開口部34aの上側に上部発光装置(発光装置)200が設置されている。なお、設置板部35(上部発光装置200)と遊技盤20(遊技盤20に取り付けられた枠状装飾体28の左部飾り部材32)との間には、可動演出装置100の後述する可動体110を収容可能なスペースが設けられている。
(可動演出装置)
図4または5に示すように、前記可動演出装置100は、遊技盤20の前側に臨んで所定の動作をする可動体110と、この可動体110を変位可能に支持すると共に該可動体を移動させる駆動部140,170とを有している。可動演出装置100では、可動体110の両端部が駆動部140,170で夫々支持されるよう構成されており、一対の駆動部140,170が設置部材34の設置板部35において可動体110を挟むように設けられている。すなわち、実施例の可動演出装置100では、可動体110が一対の駆動部140,170によって両持ち支持されている。ここで、可動演出装置100は、図柄表示装置40の表示部40aが臨む表示開口部34aを挟んで設置板部35の左右の側部に一対の駆動部140,170が設置され、これらの駆動部140,170で可動体110の左右の端部が夫々支持されている。そして、可動体110は、駆動部140,170への各支持部位(以下、支持端部112a,122aという)が該駆動部140,170によって遊技盤20の遊技盤面に沿って移動されるようになっている。可動演出装置100は、待機状態において設置部材34の上部(上部発光装置200)の前側に可動体110が重なる待機位置で該可動体110を支持するようになっている(図2または図4参照)。また、可動演出装置100は、動作状態において待機位置から下降して表示部40aの前側に重なる動作位置に可動体110が作動され、可動体110が一対の駆動部140,170によって待機位置と動作位置との間で上下方向に往復移動するよう構成されている(図3または図5参照)。なお、可動体110は、動作時に左右の飾り発光カバー36,36の前側を移動するようになっている。
前記可動体110は、左右の支持端部112a,122aが駆動部140,170で夫々支持されて左右方向に長手が延在する大型の部材であり、該可動体110の前面を構成する意匠部111が、一対の駆動部140,170で挟まれる表示開口部34aの開口幅以上の大きさで形成されている(図4または図5参照)。実施例の可動体110は、意匠部111が航空機を正面側から見た形状に形成されており、胴体部分が表示部40aの右側に偏倚して設けられ、一方(左側)の主翼の略全体を備えているのに対し、他方(右側)の主翼が途中までとなっている。可動体110は、待機位置において、遊技盤20に設置された枠状装飾体28の窓口28a上部左側に内方に張り出すように設けられた左部飾り部材32の後側に位置し、左側の略半分が該左部飾り部材32で隠されている(図3参照)。一方、可動体110は、待機位置において、略右半分(胴体部分)が窓口28aの内側に臨み、遊技盤20の前側から視認可能になっている。可動体110は、左部飾り部材32の下側まで移動した動作位置において、窓口28aを介して意匠部111の略全体が遊技盤20の前側に臨む一方、意匠部111から側方に突出して対応の駆動部140,170に繋がる支持端部112a,122aが枠状装飾体28または遊技盤20で隠れるようになっている。このように、可動体110は、表示開口部34aを介して前側に臨む表示部40aの左右幅より大きく、動作位置において表示部40aの左右全域に跨って意匠部111が延在するよう構成されている。
前記可動体110は、第1可動部112と、この第1可動部112に対して姿勢変位可能に接続された第2可動部122と、第1可動部112および第2可動部122の姿勢変位を解除可能に規制するロック手段130とを備えている(図4または図8参照)。可動体110では、第1可動部112および第2可動部122が一対の駆動部140,170の離間方向である左右に並べて設けられ、実施例では右側に位置する第1可動部112と比べて左側に位置する第2可動部122が小さく形成されている(図4または図5参照)。各可動部112,122は、ベース部114,124と、このベース部114,124の前面に設けられた可動体発光基板116,126と、ベース部114,124および可動体発光基板116,126の前面を覆う意匠半体118,128とから基本的に構成されている(図11〜図14参照)。可動体110は、左右の可動部112,122の前面を構成する意匠半体118,128によって1つの意匠部111が構成され、可動部112,122の姿勢変位に伴う両意匠半体118,128の相対的な姿勢変位によって意匠部111の外形が変化するようになっている(図3または図5参照)。
前記第1可動部112および第2可動部122は、互いに対向する端部を突き合わせて接続されており、各可動部112,122には、他方の可動部122,122と反対側に支持端部112a,122aが設けられている(図8または図9参照)。可動体110は、第1可動部112および第2可動部122が対応の駆動部140,170によって互いに独立または一体に動作可能に構成され、第1可動部112および第2可動部122が揃って一体的に移動する一体動作と、第1可動部112および第2可動部122が相対的に姿勢を変えるように移動する別体動作とに切り換え可能になっている。なお、実施例の別体動作とは、一方の可動部112,122に対して他方の可動部122,112が姿勢変位することで、意匠部111の外形が変化する動作をいう(図16(c)参照)。実施例の可動体110では、第1可動部112の第1意匠半体118が胴体部分および主翼の根元部分を構成すると共に、第2可動部122の第2意匠半体128が左側の主翼の先端部を構成しており、第2意匠半体128が第1意匠半体118と左右に直線的に揃う第1姿勢(図3(a)または図4参照)と、第2意匠半体128が第1意匠半体118に対して折れ曲がった第2姿勢(図3(b)または図5参照)との間で姿勢変位するようになっている。なお、可動演出装置100は、両可動部112,122の第1姿勢で一体動作したり、両可動部112,122の第2姿勢を保ったまま一体動作することも可能である。
前記第1可動部112は、第1ベース部114および第1意匠半体118で外郭が構成され、第1ベース部114と第1意匠半体118との間に設置された第1可動体発光基板116の前面に設けられた第1可動体LED(発光体)116a(図12参照)によって、第1意匠半体118が発光演出されるようになっている。第1ベース部114は、左右方向に長手が延在すると共に厚み方向を前後に沿わせて配置した板状の樹脂部材であって、前方に突出する壁片が外周縁部に設けられている。すなわち、第1ベース部114は、浅いトレイ形状に形成されている。第1可動体発光基板116は、第1ベース部114の前面に突出形成された基板取付ボス114a(図14参照)にネジにより取り付けられ、第1ベース部114の前面および第1意匠半体118の後面から離した状態で設置される。第1可動体発光基板116の前面には、第1可動体LED116aが複数設けられ、第1可動体LED116aから前方へ光が照射されるようになっている。ここで、第1可動体発光基板116には、第1ベース部114の左右方向略中央部に設置されるロック手段130の後述するソレノイド(ロック駆動手段)134を避けるように切欠部116bが設けられ、該第1可動体発光基板116とソレノイド134とが干渉しないようになっている。
前記第1意匠半体118は、後側に開放する凹状の樹脂部材であって、内側に第1ベース部114の外周に延在する壁片を嵌め合わせて、第1ベース部114の前面に突出形成された意匠半体取付ボス114b(図14参照))に対して、第1意匠半体118の後面に突出形成された意匠半体取付片(図示せず)を突き合わせてネジによって固定されている。第1意匠半体118は、第1可動部LED116aによって発光する輝光部118a,118bを備えている。実施例の第1意匠半体118には、該第1意匠半体118に直接形成された一体輝光部118aと、別体に形成された別体輝光部118bとが設けられている(図14参照)。一体輝光部118aは、他の部位と比べて薄肉に形成することで、他の部位より第1可動体LED116aの光が透過し易く構成されている。一体輝光部118aは、所定の線状の模様をなすように延在形成されたり、点状に形成されている(図4または図5参照)。これに対して、別体輝光部118bは、第1意匠半体118に開設された輝光部開口118c(図14参照)に嵌め合わせて該第1意匠半体118を構成するようになっている。別体輝光部118bは、薄肉に形成することで光を透過し易い部分とこれより厚く形成することで光を透過し難い部分とが左右方向に交互に並ぶように設けられている。なお、実施例の第1意匠半体118では、航空機の胴体下部とこの胴体部分を挟んで両翼の根元部分とに合わせて3箇所の別体輝光部118bが設けられている。また、実施例では、翼の根元部分に設けられる別体輝光部118bが、第1可動体発光基板116の前側に該第1可動体発光基板116を挟んで第1ベース部114にネジで取り付けられるのに対し、胴体部分に設けられる別体輝光部118bが該第1意匠半体118にネジで取り付けられている。
前記第2可動部122は、図4および図12に示すように、第2ベース部124および第2意匠半体128で外郭が構成され、第2ベース部124と第2意匠半体128との間に設置された第2可動体発光基板126の第2可動体LED(発光体)126a(図12参照)によって、第2意匠半体128が発光演出されるようになっている。第2ベース部124は、左右方向に長手が延在すると共に厚み方向を前後に沿わせて配置した板状の樹脂部材であって、前方に突出する壁片が外周縁部に設けられている。すなわち、第2ベース部124は、浅いトレイ形状に形成されている。第2可動体発光基板126は、第2ベース部124の前面に突出形成された基板取付ボス124a(図14参照)にネジにより取り付けられ、第2ベース部124の前面および第2意匠半体128の後面から離した状態で設置されている。第2可動体発光基板126の前面には、第2可動体LED126aが複数設けられ、第2可動体LED126aから前方へ光が照射されるようになっている。
前記第2意匠半体128は、後側に開放する凹状の樹脂部材であって、外縁部の内側に第2ベース部124の外周の壁片を嵌め合わせて、第2ベース部124の前面に突出形成された意匠半体取付ボス124b(図14参照)に対して、第2意匠半体128の後面に突出形成された意匠半体取付片(図示せず)を突き合わせてネジによって固定されている。また、第2意匠半体128は、第2可動部LEDによって発光する輝光部128aを備えている。第2意匠半体128の輝光部128aは、第1意匠半体118の一体輝光部118aと同様の構成であって、本体部分の一般部と比べて薄肉に形成することで、本体部分の一般部と比べて第2可動体LED126aの光が透過し易く構成されている。第2意匠半体128の輝光部128aは、該第2意匠半体128の形状に合わせて輪郭を縁取るように延在形成されたり、点状に形成されている。可動体110では、第1可動体発光基板116が第2可動体発光基板126より前側に配置されて、第1可動体発光基板116と第1ベース部114との間に、ロック手段130の後述する係止部131およびロックリンク136が配設されるスペースを確保してある(図13参照)。なお、第1ベース部114および第2ベース部124は、透明な樹脂部材で形成されており、ロック手段130がロック状態にあるかまたはロック解除状態にあるかを両ベース部114,124を介して後側から視認可能になっている。
前記可動体110では、第1可動部112および第2可動部122が回動可能に軸支され、前後方向を軸として該第1可動部112および第2可動部122が遊技盤20の盤面と平行に相対的に回動変位するようになっている(図3または図5参照)。より具体的には、図8に示すように、可動体110は、第1ベース部114の左端上部およびこの第1ベース部114の左端上部の前側に重なる第2ベース部124の右端上部を軸支する主軸部120を有している。主軸部120は、第1ベース部114の左端上部に設けられた第1軸支持孔114cに嵌合した軸棒120aを、第2ベース部の右端上部に前後に貫通形成された第2軸支持孔124cに挿通し(図8、図12または図14参照)、この第2軸支持孔124cから前側に突出した軸棒120aの前端を第1意匠半体118の左端上部に設けられた軸支持孔(図示せず)に嵌合して構成されている。
前記可動体110は、図8に示すように、主軸部120を中心とする第1可動部112と第2可動部122の姿勢変位を案内する補助接続部114d,124dを、第1可動部112および第2可動部122の隣り合う端部に備えている。補助接続部は、第1ベース部114の左端下部に前方に突設された接続軸114dと、第2ベース部124の右端下部に設けられ、主軸部120を中心とする円弧長孔形状の接続溝部124dとから構成され、第1ベース部114の前側に延在する接続溝部124dに接続軸114dが挿通されている(図8または図14参照)。接続軸114dは、接続溝部124dの短手寸法と外形が略同一に設定されて、接続溝部124dの長手方向に沿っての円弧軌跡の移動が許容される一方、主軸部120を中心とする円の半径方向への移動が規制されるようになっている。なお、接続軸114dの前端には、接続溝部124dの短手寸法より大きい接続規制片121が取り付けられ、接続規制片121と接続溝部124dの開口縁の係止によって接続軸114dの後方への移動が規制される。第1ベース部114は、左側部が上部と比べて下部が第2可動部122側に突出するように形成され、この突出した部分の先端に接続軸114dが設けられている。第2ベース部124は、右側部における上部および下部が第1可動部112側に夫々突出するように形成され、上部に突出する部分の先端に第2軸支持孔124cが設けられると共に、接続溝部124dが下部に突出する部分において略左右方向に長手が延在するように設けられている。接続溝部124dは、第2ベース部124の前面から壁が前方に立ち上がる筒状に形成されている。このように、可動体110は、主軸部120で両可動部112,122を軸支するだけでなく、補助接続部で両可動部112,122の姿勢変位軌跡が案内されるので、ガタツキなく円滑に姿勢変位させることができる。
前記第1意匠半体118は、左側部が第1ベース部114の左側部に合わせて形成されており、第1ベース部114の前側に重なる第2ベース部124における右側部の突出した部分を該第1意匠半体118で覆っている。第2意匠半体128は、右側部が第1意匠半体118の左側部に合わせて形成されており、両可動部112,122の第1姿勢で、両可動部112,122の隣り合う側縁が合致するようになっている(図4参照)。実施例では、下部が第2可動部122側に突出形成された第1意匠半体118の左側部に対して、第2意匠半体128の右側部上部が第1可動部112側に突出するよう形成されている。
前記第1可動部112は、第1意匠半体118の右側部から第1ベース部114の右側部が右側方へ突出するよう形成され、この突出部分が支持端部112aとして表示開口部34a(表示部40a)の右側に設けられた第1駆動部140に支持されている(図4,図5または図8参照)。第2可動部122は、第2意匠半体128の左側部から第2ベース部124の左側部が左側方へ突出するよう形成され、この突出部分が支持端部122aとして表示開口部34a(表示部40a)の左側に設けられた第2駆動部170に支持されている(図4,図5または図8参照)。このように、両可動部112,122の支持端部112a,122aは、前述の如く透明なベース部114,124で構成されている。
前記ロック手段130は、両可動部112,122の第1姿勢での一体動作に際して第1可動部112および第2可動部122の姿勢変位を規制するよう繋ぐ一方、両可動部112,122の別体動作に際して第1可動部112および第2可動部122の相対的な姿勢変位を許容するよう構成されている(図13または図16参照)。ロック手段130は、第1可動部112に変位可能に設けられた係止部131と、第2可動部122に設けられ、係止部131と係合する係止受部138と、係止部131を係止受部138から退避させるように動かすソレノイド(ロック駆動手段)134と、係止部131を係止受部138に係合する方向に向けて付勢する付勢手段135とを備えている(図8参照)。そして、ロック手段130は、係止受部138から係止部131が退避したロック解除状態で第1可動部112または第2可動部122の何れかを移動することで、係止受部138に押されて退避して該係止受部138を乗り越えた係止部131が、付勢手段135に付勢されて係止受部138に係合するよう構成されている。
前記係止部131は、板状の部材であって、長手方向の略中間部位が第1ベース部114に回動可能に支持されて、該第1ベース部114の前面と第1可動体発光基板116の後面との間の空間に収容されている。より具体的には、係止部131は、略上方を凹とする弓形に湾曲するように形成されている(図8参照)。係止部131は、長手方向の略中央部に前後に貫通形成された回動軸孔部131aに、第1ベース部114の前面左側に前方へ突出形成された係止部回動軸114eを嵌め合わせて軸支されている(図14参照)。係止部131には、回動軸孔部131aを挟んで第2可動部122側(左側)に位置する先端部に係止爪132が設けられ、回動軸孔部131aを挟んで第1可動部112の支持端部112a側(右側)の端部が、ソレノイド134に連結する後述するロックリンク136に接続されている(図8参照)。係止爪132は、略左右方向に長手が延在する本体部分の先端部から斜め下方向に延びるよう鉤状に形成されており、本体部分と延出部分とがなす内角が鋭角になるように構成されている(図13参照)。また、係止爪132は、該係止爪132の第2可動部122に臨む外面(以下、第1当接面132aという)が、本体部分から該延出部分の先端に向かうにつれて第2可動部122側から離れるように傾斜する平坦形状に形成されている(図8または図13参照)。
前記ソレノイド134は、第1可動部112の第1ベース部114の前面に設置されている(図8参照)。ソレノイド134は、プランジャ134aを第2可動部122側(左側)に向けた姿勢で、第1ベース部114における左右中央から僅かに右側に偏倚した部位に設置されている。ソレノイド134は、第1可動体発光基板116より前側に突出し、第1意匠半体118の翼部分と比べて前方に膨出した形状の胴体部分に収容されるようになっている。ソレノイド134には、プランジャ134aを第2可動部122側(左側)に向けて変位するように付勢する付勢手段135が設けられている(図8参照)。付勢手段135は、コイルばねであって、プランジャ134aを囲んでコイルを収容する本体カバーとプランジャ134aの先端に半径方向外側に延出するよう設けられた鍔部との間に介挿されている。そして、ソレノイド134は、通電するとプランジャ134aが付勢手段135の付勢に抗してコイル(本体側)に引き込まれて第2可動部122側から離れるように変位し(図13(b)参照)、非通電時に付勢手段135に付勢されてプランジャ134aが第2可動部122側に延びた状態(図13(a)参照)となっている。
前記ソレノイド134と係止部131とは、ロックリンク136を介して連結されている(図8参照)。ロックリンク136は、左右方向に長手が延在する板状部材であって、この長手方向に長手が延在するように前後に貫通形成されたリンク保持孔136aを備えている。ロックリンク136には、左右に離間してリンク保持孔136aが2箇所設けられ、第1ベース部114の前面に左右に離間して突出形成されたリンク保持軸114f,114fが、リンク保持孔136a,136aに夫々挿通保持されている(図14参照)。そして、ロックリンク136は、リンク保持孔136aに対応のリンク保持軸114fを挿通することで、第1ベース部114に対して左右方向(第2可動部122に対して接離する方向)に往復動可能に保持されている。なお、ロックリンク136は、リンク保持軸114fに保持されて、上下および前方への変位が規制されている。ロックリンク136は、第2可動部122側(左側)の端部に、前方に突出形成されたリンク接続軸136bを備え、このリンク接続軸136bを係止部131における第1可動部112の支持端部112a側(右側)に設けられたリンク接続溝131bに挿入することで、該係止部131と接続される(図8参照)。ここで、ロックリンク136は、第2可動部122側(左側)の端部が、係止部131の右側の端部後側に重なるように設置され、係止部131の長手に沿って長手辺が延在する長孔形状に形成されたリンク接続溝131bに対してリンク接続軸136bが後側から挿入される。ロック手段130では、プランジャ134aの往復動に伴うロックリンク136の直線的な往復変位が、リンク接続軸136bおよびリンク接続溝131bによって、係止部131の回動軸孔部131aを中心とする揺動変位に変換されるよう構成されている。
前記ロックリンク136は、第1可動部112の支持端部112a側(右側)の端部が、該右端部に設けられたリンク係合部136cを介してプランジャに接続されている。リンク係合部には、前方が開口するように設けられた左右方向に対向する一対の壁片と、右側(外側)の壁片に前縁からプランジャの軸を挿通可能な溝とにより所謂T溝が形成され、前方から挿入したプランジャの鍔部を左右の壁片で挟んで保持するようになっている。
前記係止受部138は、第2可動部122における第1可動部112に隣り合う端部に設けられ、係止部131の係止爪132と対称的な形状で形成されている(図8参照)。係止受部138は、第2ベース部124の右端下部の突出部分先端に設けられ、第1可動部112の係止部131の下側に位置している。係止受部138は、略左右方向に長手が延在する突出部分の先端から斜め上方向に延びるよう鉤状に形成されており、突出部分と該係止受部138とがなす内角が鋭角になるように構成されている。また、係止受部138は、該係止受部138の第1可動部112に臨む外面(以下、第2当接面138aという)が、突出部分から該係止受部138の先端に向かうにつれて第1可動部112側から離れるように傾斜する平坦形状に形成されている。このように、ロック手段130では、係止部131の係止爪132が下方に屈曲する鉤状であるのに対して、係止受部138が上方に屈曲する鉤状に形成されている。
前記ロック手段130は、ソレノイド134の通電時(駆動時)に本体に引き込まれるプランジャ134aと共にロックリンク136が右方へ変位し、これにより右端部が右方に引っ張られた係止部131が係止部回動軸114eを中心に時計回りに揺動するよう構成される(図13参照)。この際、係止爪132は、係止受部138から離間するように上方へ変位する。ロック手段130は、ソレノイド134の非通電時(非駆動時)に付勢手段135に押されて伸びるプランジャ134aと共にロックリンク136が左方へ変位し、これにより右端部が左方へ押された係止部131が係止部回動軸114eを中心に反時計回りに揺動するよう構成される。この際、係止爪132は、係止受部138に近接するように下方へ変位する。第1ベース部114の左側上部には、係止部131の右端部の左側に位置して、該第1ベース部114の前面に立ち上がるロック規制壁114gが設けられている(図8または図14参照)。ロック規制壁114gは、付勢手段135に付勢されて左方へ変位するロックリンク136に押されて時計回りに回動する係止部131の右端部左側面に当接して、該係止部131を係止爪132が係止受部138に引っ掛かったロック状態で位置規制するようになっている(図8参照)。
前記ロック手段130は、両可動部112,122の第1姿勢で係止部131の係止爪132と係止受部138とが引っ掛かったロック状態にあり、両可動部112,122が主軸部120を中心として折れ曲がるように姿勢変位するのを規制するようになっている(図8または図13(a)参照)。ロック手段130は、ソレノイド134によりロックリンク136を介して係止部131を時計回りに回動することで、係止爪132が係止受部138から上方に退避してロック解除状態になり、両可動部112,122が主軸部120を中心として折れ曲がるように姿勢変位するのを許容するようになっている(図13(b)または図16(b),(c)参照)。ロック手段130は、両可動部112,122の第2姿勢から第1姿勢に戻す際に、係止受部138の第2当接面138aに当接した係止爪132の第1当接面132aが両者の傾斜に案内されて係止部131が右方に押されて、付勢手段135の付勢に抗して係止部131が時計回りに回動して、係止爪132が係止受部138の爪部分を乗り越えるようになっている。このように、ロック手段130は、両可動部112,122を第1姿勢から第2姿勢に変位する際にソレノイド134を駆動して係止部131を変位するが、両可動部112,122を第2姿勢から第1姿勢に変位する際に、ソレノイド134を駆動することなく、第1姿勢で係止爪132が係止受部138に引っ掛かるよう構成されている。
前記ロック手段130は、ロックリンク136の右端部に設けられたリンク係合部136cの後面に後方に突出するロック操作片136dを備えている(図13参照)。ロック操作片136dは、該ロック操作片136dに対応して第1ベース部114に開設されたロック操作開口114hに臨んでいる(図11参照)。ロック操作開口114hは、ロックリンク136のロック状態とロック解除状態との左右変位幅より大きく設定され、該ロック操作開口114hに挿入されたロック操作片136dの変位を許容するようになっている。ロック手段130は、ロック状態でロック操作開口114hを介して後側に露出しているロック操作片136dを、指先または工具で右方へ向けて操作することで、ソレノイド134によらず、係止部131の係止爪132を係止受部138から退避してロック解除状態にすることができる。可動演出装置100は、ソレノイド134が電気的に接続されていない状態であっても、ロック操作片136dの操作によりロック手段130のロック状態を解除して第1可動部112および第2可動部122を姿勢変位することができる。従って、可動演出装置100は、組み立て工程や検査工程等の製造の場面、パチンコ機を設置した後のメンテナンスの場面で、可動体110を取り扱い易い。
前記可動体110は、設置部材34において表示開口部34aを挟んで対向する部位に配設された一対の駆動部140,170によって、両端部が遊技盤20の盤面と平行移動可能に支持されている(図4,図5,図8〜図10参照)。また、可動体110は、第1可動部112が設置部材34における表示開口部34aの右側に設けられた第1駆動部140によって動作され、第2可動部122が設置部材34における表示開口部34aの左側に設けられた第2駆動部170によって動作されるようになっている(図15または図16参照)。可動演出装置100は、駆動部140,170によって、両可動部112,122を同期させて移動することで前記一体動作を行い、両可動部112,122を同期させずに相対的に移動することで前記別体動作を行うようになっている。各駆動部140,170は、表示開口部34a(表示部40a)の側縁辺に沿って離間配置された一対の回転体142,144,172,174と、一対の回転体142,144,172,174に巻き掛けられた無端のベルト146,176と、このベルト146,176に固定されて、可動体110の支持端部(端部)112a,122aを保持する保持部148,178と、回転体を回転駆動するモータ152,182とを夫々備えており、所謂ベルト駆動機構である(図15参照)。そして、各駆動部140,170は、ベルト146,176の回転により遊技盤20の盤面と平行に往復移動する保持部148,178によって、対応の可動部112,122の支持端部112a,122aを動かすようになっている(図16参照)。なお、実施例では、各駆動部140,170のモータ152,182として、正逆駆動可能なステッピングモータが用いられている。以下の説明では、第1駆動部140の構成部材に「第1」を付すと共に、第2駆動部170の構成部材に「第2」を付して区別する。
前記第1駆動部140は、一対の第1回転体142,144、第1ベルト146および第1保持部148が矩形箱状の第1ケース154に収容されると共に、該第1ケース154に第1モータ152が取り付けられて、ユニット化されている(図6または図15参照。第1ケース154は、前側に開口する略矩形トレイ状の後ケース部155と、後側に開口する略矩形トレイ状の前ケース部156とからなり、両ケース部155,156が互いの開口縁を突き合わせて組み付けられている。第1ケース154は、後ケース部155がその長手を上下に沿わせて設置部材34における設置板部35の右側部前面にネジ等により固定され、後ケース部155の前側に前ケース部156が取り付けられる。第1ケース154には、後ケース部155の下壁部に左右に離間して設けられた一対のケース組付孔(図示せず)に対して、前ケース部156の下壁部に左右に離間して下方へ突設されたケース組付片156a(図15参照)を挿入し、両ケース部155,156の上部をネジ止めすることで、後ケース部155と前ケース部156との間に収容スペースが画成された状態で組み付けられる(図6参照)。第1ケース154の左側面(表示開口部34a側)には、上下に大きく開口した第1ケース開口154aが設けられ、この第1ケース開口154aを介して第1保持部148の左縁部が左方へ延出するようになっている(図8または図9参照)。
前記第1モータ152は、第1ケース154における後ケース部155の上部後面に、第1出力軸152aを前方に臨ませた姿勢で取り付けられている(図6参照)。設置部材34には、第1モータ152の設置部位に対応して右側部上部に第1モータ開口(図示せず)が開設されており、第1モータ152が第1モータ開口を介して設置部材34の後側に突出している。第1モータ152の第1出力軸152aは、後ケース部155の前側に突出して、第1ケース154の内部の収容スペースに臨むようになっている。第1出力軸152aの前端には、一方の第1回転体(以下、第1駆動回転体142という)が固定されている(図6,図9または図15参照)。また、第1駆動回転体142の下方には、他方の第1回転体(以下、第1従動回転体144という)が第1ケース154に対して回転可能に設けられている。なお、両第1回転体142,144は、前後方向を軸として回転するように構成される。そして、対をなす第1回転体142,144は、上下に延在する表示部40a(表示開口部34a)の右側縁に沿って上下に離間するように配置されている。第1駆動回転体142は、外周面に凹凸を有する歯付きプーリであるのに対して、第1従動回転体144は、外周面が平坦な平プーリが採用され、両者の外径は同じに設定されている(図15参照)。第1回転体142,144には、外周面を軸方向に挟んで該外周面全周に亘って半径方向外側に突出する一対の突縁が設けられ、該回転体の外周面に巻き掛けた第1ベルト146が一対の突縁の間に保持されるようになっている(図6参照)。
前記第1駆動回転体142は、第1出力軸152aに固定される後駆動回転半体142aと、この後駆動回転半体142aの前側に取り付けられる前駆動回転半体142bとからなり、後駆動回転半体142aに対して前駆動回転半体142bが軸方向に分離可能になっている(図15参照)。後駆動回転半体142aは、第1駆動回転体142の第1ベルト146が巻き掛けられる外周面および該外周面の後縁から半径方向外側に延出する後側の突縁を有し、中央に前方に第1出力軸152aが挿入されている。前駆動回転半体142bは、前側の突縁を構成する円盤状の部材であって、中央が第1出力軸152aに接続されている。また、前ケース部156の後面には、第1駆動回転体142の前側に対応する位置に環状に突出形成された上軸保持壁片156bが設けられ(図15参照)、上軸保持壁片156bの内側に第1駆動回転体142の前側に突出した第1出力軸152aが収容され、該上軸保持壁片156bに嵌って第1駆動回転体142の前側が保持されるようになっている(図6参照)。
前記第1従動回転体144は、後従動回転半体144aと、この後従動回転半体144aの前側に取り付けられる前従動回転半体144bとからなり、後従動回転半体144aに対して前従動回転半体144bが軸方向に分離可能になっている(図15参照)。後従動回転半体144aは、第1従動回転体144の第1ベルト146が巻き掛けられる外周面および該外周面の後縁から半径方向外側に延出する後側の突縁によって略ハット形状に本体部分が形成され、この本体部分の中央両面に回転軸部144Aaが突設されている。前従動回転半体144bは、前側の突縁を構成する円盤状の部材であって、中央に後従動回転半体144aの前側の回転軸部144Aaが挿通接続されている。また、前ケース部156の後面には、第1従動回転体144の前側に対応する位置に環状に突出形成された下軸保持壁片156cが設けられ(図15参照)、下軸保持壁片156cの内側に前従動回転半体144bの前側に突出した回転軸部144Aaが収容され、該上軸保持壁片156bに沿って第1従動回転体144の前側が保持されるようになっている(図6参照)。
前記第1ベルト146は、第1駆動回転体142の外周面と第1従動回転体144の外周面との間に巻き掛けられている(図9参照)。第1ベルト146は、内側に凹凸を有する歯付き平ベルトであって、内側の凹凸が第1駆動回転体142の外周面に設けられた凹凸に噛み合うようになっている。第1ベルト146は、第1駆動回転体142と第1従動回転体144との間に一対の直線部が左右に平行な関係で延在し、該第1ベルト146によって前後方向に開口する環が構成されている。第1ベルト146は、表示部40a(表示開口部34a)の右側縁と平行に延在し、第1モータ152により回転する第1駆動回転体142に伴って走行するようになっている。
前記第1保持部148は、第1ベルト146における内側(表示開口部34a側:左側)の直線部に固定されて(図9参照)、第1ベルト146の走行につれて第1駆動回転体142と第1従動回転体144との間を遊技盤20の盤面と平行に往復移動するようになっている。第1保持部148は、一対の第1回転体142,144の離間方向に沿って延在する第1シャフト(シャフト)158に上下方向にスライド移動可能に支持されている(図6参照)。第1シャフト158は、金属の丸棒材であって、後ケース部155において第1出力軸152aの下側から下壁部に亘って上下に架け渡して設けられている(図10参照)。すなわち、第1保持部148は、第1シャフト158によって該第1シャフト158に沿う上下への往復移動以外の変位が規制される。また、第1駆動部140では、第1保持部148にかかる可動体110(第1可動部112)の荷重を第1シャフト158で受けるようになっている。
前記第1保持部148は、第1ベルト146の後側に設けられる第1後保持半体149と、この第1後保持半体149の第1ベルト146を挟んだ前側に設けられる第1前保持半体150とを備えている(図14参照)。第1後保持半体149は、後ケース部155における左右の壁部の間に亘って延在する板状の本体部分149aと、この本体部分149aの後面に形成された円筒状の第1保持筒部149b(図15参照)と、本体部分149aの前面に突出形成され、上下方向に沿う板面の内側(表示開口部34a側:左面)に凹凸が形成されたベルト係合片149cとを備えている(図14参照)。第1後保持半体149は、第1保持筒部149bに第1シャフト158を挿通して取り付けられると共に本体部分149aの後面を後ケース部155の左右の壁部前端に突き当てて保持され(図6参照)、本体部分149aの左縁部が後ケース部155の左壁部より内側(表示開口部34a側:左面)に第1ケース開口154aを介して延出するよう構成されている(図9参照)。
前記第1前保持半体150は、図14に示すように板状の部材であって、第1後保持半体149における本体部分149a前側に第1ベルト146を収容する隙間をあけて取り付けられている。第1前保持半体150は、板面が上下方向に延在するベルト保持片(図示せず)が後面に突出形成されている。ベルト保持片は、ベルト係合片149cの左側に対向するように設けられ、ベルト係合片149cとの間に第1ベルト146を挟むようになっている。第1前保持半体150は、左縁部が第1ケース154の第1ケース開口154aを介して内側(表示開口部34a側:左面)に延出するよう構成されている。第1保持部148は、第1後保持半体149のベルト係合片149cが第1ベルト146のなす環の内側に位置すると共に凹凸が互いに噛み合い、第1ベルト146のなす環の外側に位置する平坦なベルト保持片が該第1ベルト146の外側に摺接するようになっている。そして、第1保持部148は、ベルト係合片149cとベルト保持片に挟持されたもとで、第1ベルト146の走行に伴って、第1駆動回転体142と第1従動回転体144との間を上下方向に往復移動するようになっている。
前記第1駆動部140は、第1ベルト146を張りを保つ第1テンショナー160を備えている(図6参照)。第1テンショナー160は、第1シャフト158にスライド変位可能に支持され、第1従動回転体144を回転可能に保持する回転体保持部162と、この回転体保持部162を第1駆動回転体142から離れる下方へ付勢する弾性部材164とから構成されている(図15参照)。回転体保持部162は、前後に対向して延在する一対の板片を備え、これらの板片に下方に開口する凹溝162aが夫々形成されている(図9参照)。回転体保持部162は、第1従動回転体144の後従動回転半体144aに設けられた後側の回転軸部144Aaを後側の板片の凹溝162aで回転可能に保持すると共に、前従動回転半体144bの前側に突出した回転軸部144Aaを前側の板片の凹溝162aで回転可能に保持するようになっている。弾性部材164は、第1シャフト158を囲うように設けられたコイルばねであって、第1ケース154の後ケース部155の下側に偏倚して設けられたコイル支持壁片155aと回転体保持部との間に介挿されている(図9参照)。回転体保持部162の下方変位は、後ケース部155の下壁部によって規制されるようになっている。なお、第1従動回転体144に対応する前ケース部156の下軸保持壁片156cは、該第1従動回転体144の上下方向の移動を許容するように上下に延在するよう形成されている。第1テンショナー160は、回転体保持部162で回転可能に保持した第1従動回転体144を第1駆動回転体142から離れる方向にテンションをかけることで、第1ベルト146の緊張状態を保つようになっている(図7の1点鎖線参照)。
前記第1保持部148には、第1ベルト146より表示開口部34a側に位置した左縁部に、第1可動部112の支持端部112aが回動可能に接続されている。実施例では、第1保持部148の第1後保持半体149の前面に突設された軸に支持端部112aに形成された軸孔を嵌め合わせることで(図14参照)、第1可動部112と第1駆動部140とが接続されている。第1可動部112の支持端部112aには、第1保持部148への接続部位の下側に突当案内部113が設けられている(図8または図9参照)。突当案内部113は、円柱状に形成されており、第1可動部112の支持端部112aに対して前後を軸として回転可能に支持されている。そして、突当案内部113は、後ケース部155の左壁部左面に当接することで、第1可動部112における第1保持部148との接続部位を中心とした下方変位(反時計回りの回動)を規制するよう構成される(図5参照)。第1可動部112は、第1保持部148との接続部位を中心とした上方変位(時計回りの回動)が下方変位と比べて大きく許容されるようになっている。
前記第1ケース154には、収容スペースの上部に位置して第1原位置検知手段166が前ケース部156に設置されている(図10参照)。実施例の第1原位置検知手段166は、対向配置された発光部と受光部を有するフォトセンサが用いられている。第1保持部148には、第1前保持半体150の上縁左側に上方に延出する第1検知片151が設けられている(図9または図14参照参照)。第1駆動部140は、可動体110(第1可動部112)が最上部に位置する待機位置において、第1保持部148が最上部に位置し、第1検知片151が第1原位置検知手段166の発光部と受光部との間に臨んで該第1原位置検知手段166で第1検知片151が検知される(図4または図9参照)。これにより、パチンコ機10において、第1可動部112が待機位置にあることが分かる。
前記第2駆動部170は、一対の第2回転体172,174、第2ベルト176および第2保持部178が、設置部材34における設置板部35の左側部とこの左側部の前側に設けられた第2ケース184との間に収容されると共に、第2モータ182が第2ケース184の外側に設けられている(図7参照)。第2ケース184は、後側に開口する略矩形トレイ状に形成され、設置部材34の左側部前側を覆うと共に設置部材34の前端と前面を揃えて該設置部材34に取り付けられている。第2ケース184の左側面(表示開口部34a側)には、設置部材34の左側部前面との間に上下に大きく開口した第2ケース開口(図示せず)が設けられ、この第2ケース開口を介して第2保持部178の右縁部が右方へ延出するようになっている。
前記第2モータ182は、設置部材34における左側部の上下方向中央より下側に偏倚した部位に設けられたモータ設置片35aに設置され、第2ケース184の下側に外れた位置に配置されている。モータ設置片35aは、設置部材34における設置板部35の左側部前面に前方に突出するよう形成され、上下方向に延在する板面における外側(左面)に第2モータ182が設置されている。第2モータ182は、モータ設置片35aに前方に開放するように凹設された出力軸溝に第2出力軸182aを挿通して、該モータ設置片35aの右側(表示開口部34a側)に第2出力軸182aの先端を臨ませた状態になっている。このように、第2モータ182は、第2出力軸182aが左右方向に延在している。第2出力軸182aの先端には、出力側歯車183Aが固定され、この出力側歯車183Aが、第2モータ182の上側に設置される第2回転体(以下、第2駆動回転体172という)の回転体軸173に固定された伝達側歯車183Bに噛み合い、第2モータ182の回転が出力側歯車183Aおよび伝達側歯車183Bを介して第2駆動回転体172に伝達されるようになっている(図8、図9または図15参照)。
前記第2駆動部170は、表示開口部34aの左縁部に沿う上下に離して配置された一対の第2回転体172,174を備えている(図7または図9参照)。前述のように、第2駆動回転体172は、設置部材34における左側部の上下方向中央より下側に偏倚した部位(表示開口部34aの左側縁下部)に位置して、第2モータ182の上側に隣り合わせて設置されている。一方、第2駆動回転体172の上側には、第2回転体(以下、第2従動回転体174という)が、表示開口部34aから上側に外れた部位に設けられている。このように、対をなす第2回転体172,174は、上下に延在する表示部40aの左側縁に沿って上下に離間するように配置されている。両第2回転体172,174は、左右方向を軸として回転するように構成される。第2駆動回転体172は、外周面に凹凸を有する歯付きプーリであるのに対して、第2従動回転体174は、外周面が平坦な平プーリが採用され、両者の外径は同じに設定されている。各第2回転体172,174には、外周面を軸方向に挟んで該外周面全周に亘って半径方向外側に突出する一対の突縁が設けられ、該第2回転体172,174の外周面に巻き掛けた第2ベルト176が一対の突縁の間に保持されるようになっている。
前記第2駆動回転体172は、右駆動回転半体172Aと、この右駆動回転半体172Aの左側に取り付けられる左駆動回転半体172Bとからなり、右駆動回転半体172Aに対して左駆動回転半体172Bが軸方向に分離可能になっている(図15参照)。右駆動回転半体172Aは、第2駆動回転体172において第2ベルト176を支持する巻き掛け面を構成する円盤部分およびこの円盤部分の右縁から半径方向外側に延出する右側の突縁によって略ハット形状に形成されており、右面中央に右方に突出形成された右支持ボス部172Aaを備えている。左駆動回転半体172Bは、左側の突縁を構成する円盤状の部材であって、左面中央に左方に突出形成された左支持ボス部172Baを備えている。第2駆動回転体172は、両支持ボス部172Aa,172Baの中央に回転体軸173を挿通固定することで、右駆動回転半体172Aおよび左駆動回転半体172Bが組み合わせられ、この回転体軸173の右端に前述した伝達用歯車183Bが固定されている。第2駆動回転体172は、設置部材34における設置板部35の左側部前面に左右に離間して対向するよう突出形成された下回転体保持片35b,35bを介して回転可能に支持されている(図7,図9または図10参照)。より具体的には、第2駆動回転体172は、各下回転体保持片35b,35bに前側に開放するように形成された回転体保持溝(図示せず)に対応する側の支持ボス部172Aa,172Baを夫々挿入し、下回転体保持片35b,35bの前端に突き合わせて取り付けられる第2ケース184によって回転体保持溝を塞ぐことで保持されるようになっている。
前記第2従動回転体174は、右従動回転半体184Aと、この右従動回転半体184Aの左側に取り付けられる左従動回転半体184Bとからなり、右従動回転半体184Aに対して左従動回転半体184Bが軸方向に分離可能になっている(図15参照)。右従動回転半体184Aは、第2従動回転体174において第2ベルト176を支持する巻き掛け面を構成する円盤部分およびこの円盤部分の右縁から半径方向外側に延出する右側の突縁によって略ハット形状に形成されており、左右の面中央に突出形成された一対の支持ボス部174Aa,174Abを備えている。左従動回転半体174Bは、左側の突縁を構成する円盤状の部材であって、中央に開設された支持ボス孔に右従動回転半体の左側の支持ボス部174Abを挿通して、右従動回転半体174Aに組み付けられる。なお、左従動回転半体174Bには、中央から半径方向外側に偏倚した部位に該中央を挟んで対称な関係で位置決め孔が設けられており、右従動回転半体174Aの左面に突設された位置決め突起が位置決め孔に嵌合して、左右の従動回転半体174A,174Bが回転しないよう取り付けられる。第2従動回転体174は、設置部材34における設置板部35の左側部前面に左右に離間して対向するよう突出形成された上回転体保持片35c,35cを介して回転可能に支持されている(図7,図9または図10参照)。左右の上回転体保持片35c,35cは、設置部材34の前面に棚状に突出形成された棚状の部位であり、上下に延在する片部の下端に互いに近接する横方向に延在する片部が連なる鉤状に構成されている。また、上回転体保持片35cは、前端にも上下の片部および横方向の片部に連ねて片部が設けられている。上回転体保持片35cは、上下の片部の内側(右側の上回転体保持片であれば左側、左側の上回転体保持片であれば右側)に設置部材34の前面に突設された内側の片部と、前側の片部との間の隙間に対応の支持ボス部174Aa,174Abを横方向の片部に載置すると共に(図7参照)、対向する上下に延在する片部の間に第2従動回転体174を挟んで位置規制するように構成される。
前記第2ベルト176は、第2駆動回転体172の外周面と第2従動回転体174の外周面との間に巻き掛けられている(図7または図9参照)。第2ベルト176は、内側に凹凸を有する歯付き平ベルトであって、内側の凹凸が第2駆動回転体172の外周面に設けられた凹凸に噛み合うようになっている。第2ベルト176は、第2駆動回転体172と第2従動回転体174との間に一対の直線部が前後に平行な関係で延在し、該第2ベルト176によって左右方向に開口する環が構成されている(図7参照)。第2ベルト176は、表示部40a(表示開口部34a)の左側縁と平行に延在し、第2モータ182により回転する第2駆動回転体172に伴って走行するようになっている。
前記第2保持部178は、第2ベルト176における後側の直線部に固定されて、第2ベルト176の走行につれて第2駆動回転体172と第2従動回転体174との間を遊技盤20の盤面と平行に往復移動するようになっている。また、第2保持部178は、一対の第2回転体172,174の離間方向に沿って延在する第2シャフト(シャフト)188に上下方向にスライド移動可能に支持されている(図7または図9参照)。第2シャフト188は、金属の丸棒材であって、設置部材34の上部から第2モータ182の上側までに亘って上下に架け渡して設けられている(図10参照)。すなわち、第2保持部178は、第2シャフト188によって該第2シャフト188に沿う上下への往復移動以外の変位が規制される。また、第2駆動部170は、第2保持部178にかかる可動体110(第2可動部122)の荷重を第2シャフト188で受けるようになっている。ここで、可動演出装置100では、左右の駆動部140,170においてベルト146,176の直線部およびシャフト158,188が平行な関係になっている(図9または図10参照)。
前記第2保持部178は、第2ベルト176の後側に設けられる第2後保持半体179と、この第2後保持半体179の第2ベルト176を挟んだ前側に設けられる第2前保持半体180とを備えている(図14参照)。第2後保持半体179は、板状の本体部分179aの左側部後側に設けられた円筒状の第2保持筒部179bに第2シャフト188を挿通して該第2シャフト188に取り付けられ(図7参照)、この本体部分179aの前面に上下に延在形成されたベルト規制片179cが第2ベルト176の右縁に沿うようになっている。なお、第2シャフト188は、第2ベルト176の左側に配置されている(図9参照)。また、第2後保持半体179は、第2ベルト176を挟んで第2保持筒部179bと反対側の右側部後面が、表示開口部34aの開口縁を覆うように設けられた左側の飾り発光カバー36の前面に上下に延在するスライド支持片36aに当接するようになっている。第2前保持半体180は、第2後保持半体179の本体部分179aに整合する形状の板状部材であって、第2後保持半体179に対して第2ベルト176を収容する隙間をあけて取り付けられている。第2前保持半体180の後面には、第2ベルト176の後側の直線部内側の凹凸に噛み合う凹凸を柚有するベルト係合部(図示せず)が設けられ、第2保持部178は、第2前保持半体180のベルト係合部と第2後保持半体179の前面との間に第2ベルト176を挟むようになっている。そして、第2保持部178は、第2前保持半体180のベルト係合部と第2後保持半体179の前面に挟持した第2ベルト176の走行に伴って、第2駆動回転体172と第2従動回転体174との間を上下方向に往復移動するようになっている。
前記第2駆動部170は、第2ベルト176の張りを保つ第2テンショナー190を備えている(図7または図9参照)。第2テンショナー190は、第2ケース184の後面に第2駆動回転体172側に偏倚して設けられ、第2ベルト176における前側の直線部に当接するようになっている(図7参照)。第2テンショナー190は、第2ケース184の後面に上部が左右方向を軸として揺動可能に支持されたテンションアーム192と、このテンションアーム192と第2ケース184との間に介挿され、テンションアーム192を後方へ向けて付勢するテンションばね194と、テンションアーム192の左右の軸回りに回転可能に支持され、第2ベルト176に当接する円筒状のテンション当接部196とから構成されている(図15参照)。第2ケース184の後面には、テンションアームの左側に位置して、後側が閉じた規制溝を有する門型のテンション規制部185が設けられ、テンションアーム192の左側縁に左方に突出するアーム規制片192aがテンション規制部185の規制溝に挿入されている。そして、第2テンショナー190では、テンションばね194の付勢によるテンションアーム192の後方への揺動を、テンション規制部185における規制溝の閉塞端にアーム規制片192aが当接することで止めるようになっている。第2テンショナー190は、テンションばね194によって後方へ付勢されたテンションアーム192の先端に設けたテンション当接部196が第2ベルト176における前側の直線部に当接し、該直線部を後方へ押すように張りを与えるよう構成される。第2テンショナー190は、第2ベルト176の走行時にテンション当接部196が回転するので、第2ベルト176への負荷を最小限に抑えることができる。
前記第2保持部178には、第2ベルト176より表示開口部34a側に位置した右縁部に、第2可動部122の支持端部122aが回動可能に接続されている(図8または図9参照)。第2可動部122は、支持端部112aに設けた長孔形状の接続孔部122bに、第2保持部178における第2後保持半体179の右側部前面中央に突設された接続ボス部179dを係合することで、接続孔部122bの長手に沿うスライド移動および回動可能に支持される(図14参照)。ここで、接続孔部122bは、第2駆動部170との接続部位から第2可動部122の延出方向に沿って長手が延在するよう形成され、第2可動部122(可動体110)が接続孔部122bの長手方向に沿って動くことで、第1可動部112および第2可動部122の姿勢変位や可動体110の傾動動作(図3(b)参照)に伴う該可動体110の左右方向の変位を吸収するようになっている。
前記設置部材34における設置板部35の左側部前面には、第2ベルト176の左側に上下に離間して一対の第2原位置検知手段198,198が設置されている(図9または図10参照)。実施例の第2原位置検知手段198は、対向配置された発光部と受光部を有するフォトセンサが用いられている。第2保持部178には、第2後保持半体179の左側面に左方に延出する第2検知片181が設けられている。第2駆動部170は、可動体110(第2可動部122)が最上部に位置する待機位置において、第2保持部178が最上部に位置し、第2検知片181が上側の第2原位置検知手段198の発光部と受光部との間に臨んで該第2原位置検知手段198で第2検知片181が検知される(図16(a)参照)。第2駆動部170は、可動体110(第2可動部122)が最下部に位置する動作位置において、第2保持部178が最下部に位置し、第2検知片181が下側の第2原位置検知手段198の発光部と受光部との間に臨んで該第2原位置検知手段198で第2検知片181が検知される(図16(b)参照)。これにより、パチンコ機10において、第2可動部122が待機位置または動作位置における下限にあることが分かる。
前記可動演出装置100は、左右の駆動部140,170がベルト駆動機構を採用していることは共通するものの、以下のような構成の違いがある。第1駆動部140は、一対の第1回転体142,144が前後方向を軸として回転可能に設けられ、一対の第1回転体142,144に巻き掛けた第1ベルト146が前後に開口した環をなすよう構成されている(図9参照)。これに対して、第2駆動部170は、一対の第2回転体172,174が左右方向を軸として回転可能に設けられ、一対の第2回転体172,174に巻き掛けた第2ベルト176が左右に開口した環をなすよう構成されている(図7参照)。また、第1駆動部140および第2駆動部170は、設置部材34の上側に位置する回転体142,174の上下位置がおおよそ揃っているが、第1駆動部140の下側の第1従動回転体144と比べて第2駆動部170の下側の第2駆動回転体172が下方に配置されている。これに対応して、第1駆動部140と比べて第2駆動部170の第2シャフト188が長く設定されている。すなわち、第2駆動部170は、第1駆動部140の第1保持部148より第2保持部178の上下の変位範囲が大きく設定され、第2可動部122の支持端部122aを第1可動部112の支持端部112aと比べて下方まで動かすことができるようになっている(図16(b)参照)。
前記可動演出装置100は、第1駆動部140の第1ケース154が不透明な樹脂部材で構成されているのに対し、第2駆動部170の第2ケース184が透明な樹脂部材で構成されており、第2回転体172,174および第2ベルト176を第2ケース184を介して前側から視認可能になっている。また、第1駆動部140は、第1ケース154の右側面に第1ベルト146の延在位置に合わせて開口が設けられており、透明な設置部材34の右側面を介して第1ベルト146および該第1回転体142,144の第1ベルト146が巻き掛かった部位が横側から視認可能になっている。すなわち、可動演出装置100は、第1ケース154の前ケース部156および第2ケース184を取り外すことなく、回転体142,144,172,174にベルト146,176が適切に掛かっているか否か確認できる。
前記可動演出装置100は、可動体110の各可動部112,122が内蔵の可動体発光基板116,126の可動体LED116a,126aにより発光演出されると共に、左右の可動部112,122の姿勢変位を規制するロック手段130の係止部131がソレノイド134で変位されるよう構成されている(図12参照)。このように、可動体110には、電気機器としての可動体発光基板116,126およびソレノイド134が設けられており、これらの電気機器が配線によって設置部材34側に設けられた制御基板(図示せず)に電気的に接続されている。より具体的には、可動体110の電気部品は、第1駆動部140の第1ケース154の前面に設置された可動体中継基板168にフラットケーブルFCによって電気的に接続され、更に可動体中継基板168から設置部材34の後面下部に設けられた後面中継基板(図示せず)を介して前記制御基板に電気的に接続される。そして、フラットケーブルFCは、設置部材34側にある可動体中継基板168から、該可動体中継基板168が設置された第1駆動部140に支持される第1可動部112の支持端部112aを経由して可動体110に引き込まれる(図6,図8,図9または図17参照)。なお、フラットケーブルFCは、複数の導線を並べて樹脂皮膜で覆った帯状の部材であって、可撓性を有している。
前記可動体中継基板168は、第1駆動部140における第1ケース154(前ケース部156)の前面に取り付けられている(図6または図17参照)。可動体中継基板168は、第1ケース154の上下幅の半分よりやや大きく形成され、第1ケース154の前面における下部から上下の略中央部の領域に延在している(図8参照)。可動体中継基板168の前面には、フラットケーブルFCのコネクタが接続される第1中継ソケット168aが上部に設けられ、後面中継基板に繋がる配線のコネクタが接続される第2中継ソケット168bが下部に設けられている(図8参照)。第1中継ソケット168aは、開口を上側に向けた姿勢で設置され、第2中継ソケット168bは、開口を右方に向けた姿勢で設置されている。
前記第1ケース154の前ケース部156には、可動体中継基板168が設置される領域から外れた上側部分に、フラットケーブルFCが挿通されるケース配線開口156dが設けられている(図8参照)。ケース配線開口156dは、フラットケーブルFCの幅より左右の幅は大きく形成されると共に、可動体110(第1可動部112)の待機位置に対応する第1保持部148の変位上限位置より上方にまで開口するよう形成されている。ケース配線開口156dは、一対の第1回転体142,144に巻き掛けられた第1ベルト146で囲われる前後に開口する環の内側に重なるように設けられると共に、可動体中継基板168の第1中継ソケット168aも、第1ベルト146で囲われる環の内側に重なるように設けられ、ケース配線開口156dと第1中継ソケット168aとが上下方向に並んでいる(図8参照)。なお、ケース配線開口156dは、第1保持部148の変位下限位置より上方に設けられている。第1ケース154の前面には、ケース配線開口154dおよび可動体中継基板168の前側を覆う透明な中継基板カバー169が取り付けられ(図4または図5参照)、この中継基板カバー169の前面が設置部材34の側面前端と略揃うようになっている。中継基板カバー169には、可動体中継基板168の第1中継ソケット168aに対応する部位に開口が設けられている。
前記第1中継ソケット168aに接続したフラットケーブルFCは、可動体中継基板168と中継基板カバー169との間を上方(ケース配線開口156d側)に引き回され、ケース配線開口156dを介して第1ケース154の収容スペースに引き込まれる(図6または図17参照)。そして、フラットケーブルFCは、前記収容スペース内で上下に往復動する第1保持部148における第1ベルト146のなす環の内側部位に途中部分が一旦保持される(図9参照)。すなわち、フラットケーブルFCは、第1ベルト146のなす環の内側において、前後の関係にある第1中継ソケット168aと第1保持部148との間で湾曲するように引き回されている(図6または図17参照)。ここで、フラットケーブルFCは、第1保持部148の上方において湾曲する湾曲部から下方に引き回した部位が該第1保持部148の前面に保持されて、この保持部位において反転するように90°折り返されている(図8または図9参照)。このように、フラットケーブルFCは、環状になった第1ベルト146の前側の開口に重なるように設けられた可動体中継基板168に対して設置部材34側において接続されると共に、該可動体中継基板168の後側および可動体中継基板168から外れた位置の間を変位する第1保持部148により曲げた状態で保持される(図17参照)。
前記フラットケーブルFCにおいて第1中継ソケット168aと第1保持部148との間にできる湾曲部は、第1保持部148が上限位置にあると、第1中継ソケット168aの上方に連なってケース配線開口156dの前側に延在する部分が大きくなる一方、第1保持部148の上方に連なって収容スペースに延在する部分が小さくなっている(図17の実線参照)。また、フラットケーブルFCの湾曲部は、第1保持部148が下方に変位するにつれて、第1中継ソケット168aの上方に連なってケース配線開口156dの前側に延在する部分が小さくなる一方、第1保持部148の上方に連なって収容スペースに延在する部分が大きくなる(図17の1点鎖線参照)。このように、第1保持部148(可動体110)の往復動に伴ってフラットケーブルFCの湾曲部が上下方向に変位するが、第1保持部148(可動体110)の往復動に伴うフラットケーブルFCの湾曲部の曲伸変化を、第1ベルト146のなす環の内側で許容するよう構成されている。
前記第1保持部148は、第1ベルト146における内側(表示開口部34a側:左側)の直線部に取り付けられており、この直線部を第1ベルト146のなす環の内外に跨ぐようになっている(図9参照)。また、第1保持部148に支持される第1可動部112は、該第1保持部148における第1ベルト146のなす環の外側に支持端部112aが接続されて、第1ベルト146における外側(表示開口部34aと反対側:右側)の直線部と反対側(左方)に延びるように設けられている。フラットケーブルFCは、第1保持部148前面の第1ベルト146で囲われる環の内側において第1可動部112側に90°折り返されて、第1保持部148の前面に沿わせて第1ベルト146の左側の直線部を跨いで第1ベルト146の環の外側および第1ケース154の外側へ引き出される。そして、フラットケーブルFCは、第1可動部112の支持端部112a前面を通って第1ベース部114と第1可動体発光基板116との間に引き回され、第1可動体発光基板116の後面右側部に開口を右側に向けた姿勢で設置された第1基板ソケット116c(図13参照)に接続されている。
前記第1保持部148では、第1前保持半体150の前面とこの第1前保持半体150の前面に取り付けられる板状の透明な配線保持カバー157によって、フラットケーブルFCが保持されている(図9または図14参照)。第1前保持半体150の左側部前面には、上下に離間して対向配置された一対の鉤状保持片150a,150aが設けられ、これらの鉤状保持片150a,150aで配線保持カバー157の左側部を挟むと共に、配線保持カバー157の右側下部を第1前保持半体150にネジ止め固定することで、第1ベルト146の左側の直線部を跨ぐ内外に亘って配線保持カバー157が固定されるようになっている。なお、第1保持部148は、フラットケーブルFCの折り返し部位を配線保持カバー157で保持するよう構成されている。
このように、前記可動演出装置100は、第1駆動部140において環状になった第1ベルト146の内側のスペースを利用して、可動体110の往復移動に伴うフラットケーブルFCの曲伸変化を許容する構成であるので、該フラットケーブルFCに可動体110の往復移動のために余裕部分である湾曲部を設けても、該湾曲部と第1駆動部140を構成する第1ベルト146や第1回転体142,144等の動く部材との干渉を適切に防止できる。また、可動演出装置100は、環状になった第1ベルトを内外に跨ぐ第1保持部148の前面を介してフラットケーブルFCを第1可動部112に渡しているので、第1ベルト146とフラットケーブルFCとの干渉をより適切に防止できる。しかも、フラットケーブルFCは、環状になった第1ベルト146の開口に重なるように設けられた可動体中継基板168に対して接続されると共に、該可動体中継基板168の後側および可動体中継基板168から外れた位置の間を変位する第1保持部148により曲げた状態で保持される構成であるので、可動体中継基板168の後側のスペースをフラットケーブルFCを湾曲部分を収容するスペースとして有効利用できる。
前記第1可動体発光基板の後面には、第1基板ソケットの上方に第2基板ソケット(図示せず)が設けられ、この第2基板ソケットに第2可動体発光基板126に繋がる配線Hが接続されている。この配線Hは、第1ベース部114の上縁部に沿って配設され、第1可動部112および第2可動部122が重なる主軸部120近傍を通って第1可動部112から第2可動部122に取り回される(図8参照)。配線Hは、第2可動体発光基板126の右側部前面に設けられた左部ソケット126b(図12参照)に接続されている。第1ベース部114の左側部前面には、係止部131の上側に延在する第1配線規制片114iが設けられると共に、この第1配線規制片114iの上側に離間して、第1意匠半体118をネジ止め固定する意匠半体取付ボス114bが設けられ、第1配線規制片114iと意匠半体取付ボス114bとの間に配線Hが配設されている。また、第1ベース部114の左側部前面には、第1配線規制片114iの左側に第2配線規制片114jが設けられ(図14参照)、第1配線規制片114iおよび第2配線規制片114jの上側を配線Hが通るようになっている。このように、第1配線規制片114iおよび第2配線規制片114jの上側を配線Hを通すことで、第1配線規制片114iおよび第2配線規制片114jの下側に設けた可動部分である係止部131に対する配線Hの噛み込みを防止できると共に、第1可動部112および第2可動部122が第2姿勢となった際に、配線Hが露出するのを防止できる。
前記第2ベース部124の右側部前面には、第3配線規制片124eが設けられると共に(図14参照)、この第3配線規制片124eの下側に離間して、第2意匠半体128をネジ止め固定する意匠半体取付ボス124bが設けられ、第3配線規制片124eと意匠半体取付ボス124bとの間に配線Hが配設されている(図8参照)。このように、可動体110では、第1可動部112と第2可動部122とが接続する上側に配線Hを通すと共に、この配線Hを下方変位しないように保持することで、第1可動部112および第2可動部122が第2姿勢となった際に、配線Hが露出するのを防止でき、また第1可動部112と第2可動部122との間に配線Hが噛み込むのを防止できる。
前記可動演出装置100における可動体110の動作について説明する。可動演出装置100は、待機位置において、第1駆動回転体142側の上部で停止された第1保持部148と、第2従動回転体174側の上部で停止された第2保持部178との高さが揃い、両保持部148,178で支持された可動体110が水平な姿勢で表示部40aの上側に保持されている(図4または図16(a)参照)。この際、可動体110は、両可動部112,122がロック手段130によって第1姿勢で保持されている。可動演出装置100は、両駆動部140,170を同期して動かすことで、可動体110の支持端部112a,122aが揃って下方変位または上方変位するので、可動体110を水平な第1姿勢を保ったまま上下に往復移動させることができる。また、可動演出装置100は、一方の駆動部140,170を停止した状態で他方の駆動部170,140を駆動したり、一方の駆動部140,170と比べて他方の駆動部170,140を早く動かす等、駆動部140,170によって両保持部148,178を不等速で変位することで、一方の駆動部140,170で支持される支持端部112a,122aと比べて他方の駆動部170,140で支持される支持端部122a,112aが下がるように、可動体110全体を傾けることができる(図16(b)参照)。更に、可動演出装置100は、一方の駆動部140,170を停止した状態で他方の駆動部170,140を正逆駆動することで、一方の支持端部112a,122aを支点として他方の支持端部122a,112aが上下動するように、可動体110を揺動することもできる。しかも、可動演出装置100は、両駆動部140,170の駆動方向を変えることで、可動体110の端部が反対側に動き、該駆動方向を周期的に変えることで、可動体110を波打つように揺動させることができる。このように、可動演出装置100は、各可動部112,122が対応の駆動部140,170で夫々駆動される構成であるので、第1可動部112と第2可動部122とが揃って移動する一体動作において、可動体110を単なる往復移動だけでなく傾動や揺動等の多種の動作バリエーションで動作させることができる。
前記可動体110は、ロック手段130のソレノイド134を駆動して係止爪132を係止受部138から退避させることでロックが解除され、第1可動部112および第2可動部122の主軸部120を支点とした相対的な姿勢変位可能になる。可動演出装置100は、ロック手段130のロック解除状態において、一方の駆動部140,170を停止した状態で他方の駆動部170,140を駆動することで、一方の駆動部140,170で支持される支持端部112a,122aの動きにつれて該支持端部に連なる一方の可動部112,122が例えば上方に変位するが、他方の駆動部170,140で支持される他方の可動部122,112が動かないので、一方の可動部112,122が他方の可動部122,112に対して上方へ折れ曲がるように別体動作させることができる(図16(c)参照)。このように、可動演出装置100は、第1可動部112と第2可動部122とが一体的に動く可動体110の一体動作だけでなく、第1可動部112と第2可動部122とが相対的に姿勢変位して該可動体110の外形が変化する別体動作を行うことが可能であるので、可動体110の動作のバリエーションを多様にすることができる。すなわち、可動演出装置100によれば、可動体110が全体的に動くだけでなく、外形が変わるように変形するので、該可動体110の動作による演出効果を向上でき、可動体110の動作に遊技者の注意をより惹き付けることができる。更に、可動演出装置100は、図柄表示装置40の表示部40aに重なるように可動体110を動作することができるので、可動体110の動作演出と表示部40aでの演出とを関連付けて複合した演出を行うことができる。
前記可動体110は、ロック手段130で両可動部112,122が係合されているので、一体動作に際して第1可動部112と第2可動部122との第1姿勢を適切に保持でき、両可動部112,122をガタツキなく、スムーズに一体動作させることができる。また、可動体110は、ロック手段130で両可動部112,122を係合して第1姿勢を保持することで、前述のように全体の傾動や揺動を適切に行うことができる。しかも、ロック手段130は、両可動部112,122を第2姿勢から第1姿勢に変位する際に、係止爪132の第1当接面132aが係止受部138の第2当接面138aに当接し、第2当接面138aに案内されて係止部131が係止受部138から退避するように回動する。そして、係止爪132は、係止受部138の鉤部分を乗り越えると、付勢手段135によって付勢された係止部131がロック状態になるように回動変位し、これにより係止爪132が係止受部138に係合する。このように、ロック手段130は、第1可動部112および第2可動部122の姿勢変位に応じて、ソレノイド134で係止部131を動作することなく係止爪132と係止受部138を係合して両可動部112,122を姿勢保持することができる。
前記可動演出装置100は、一対の回転体142,144,172,174に巻き掛けたベルト146,176の駆動によって移動する保持部148,178で可動体110が両持ち支持されているので、揺動するアームで可動体を支持する駆動機構と比べて、両駆動部140,170を同期して動かさなくても、片方の保持部148,178へ過剰な負荷がかかり難い。すなわち、前述したように、両駆動部140,170を同期または非同期で駆動することができるので、両駆動部140,170を同期して駆動することで、姿勢を保ったまま可動体110を移動したり、両駆動部140,170を同期しないで駆動することで可動体110を傾けたりすることができる。このように、可動演出装置100は、可動体110を動かす駆動部140,170への過負荷を防止しつつ、可動体110の動作バリエーションを多様にできる。また、可動演出装置100は、各駆動部140,170の保持部148,178がベルト146,176だけでなく、剛体であるシャフト158,188によっても支持されているので、可動体110を安定して移動させることができる。しかも、駆動部140,170は、保持部148,178にかかる荷重をシャフト158,188で受けているので、ベルト146,176の引っ張りやねじれ等を防止することができる。従って、ベルト146,176を円滑に走行させることができるので、可動体110をガタツキなく円滑に移動させることができる。
前記可動体110は、ソレノイド134を含むロック手段130や可動体発光基板116,126が設けられると共に、意匠部111が表示開口部34aの左右寸法より大きく設定されており、大型で重くなっている。可動体110は、表示開口部34aを挟んで配設された左右の駆動部140,170によって、左右の支持端部112a,122aが支持された両持ちであるので、安定性が高く、該可動体110を大型化したり、可動体110に電気部品を設けて重くなっても適切に動作させることができる。可動演出装置100は、可動体110の動作位置において、意匠部111を表示部40aの左右全体に亘って横切るように大型化することができるので、可動体110の動作に遊技者の注意をより惹き付けることができると共に、待機位置で静止した状態であっても目を惹く装飾とすることができる。
(上部発光装置)
前記上部発光装置(発光装置)200は、設置部材34における設置板部35の上部に設けられ(図5参照)、待機位置にある可動体110の後側に位置して隠れるように構成されている(図4参照)。上部発光装置200は、可動体110が動作位置に移動すると、枠状装飾体28の窓口28aを介して右側部が遊技盤20の前側に臨む一方、左側部が前側に重なる枠状装飾体28の左部飾り部材32によって覆われるようになっている(図5参照)。上部発光装置200は、表示開口部34aの上縁に亘って延在する比較的大型であるものの、可動体110と前後に重なる構成であるので、枠状装飾体28の窓口28aおよび遊技盤20の装着口を介して前側から見た際に奥側に位置している。
前記上部発光装置200は、前方(所定方向)へ光を照射する発光体としての加飾LED204,206が前面に設けられた加飾発光基板(発光基板)202と、この加飾LED204,206の前側(加飾LED204,206の光照射方向前側)に設けられ、加飾発光基板202を覆う加飾カバー部材(カバー部材)210とから基本的に構成されている(図18または図19参照)。加飾発光基板202は、設置部材34における設置板部35の上部に設置され、表示開口部34aの上縁の略全域に亘って延在している(図18参照)。加飾発光基板202の前面には、複数の加飾LED204,206が設けられている。複数の加飾LEDは、加飾カバー部材210に設けられる後述する光透過部に対応する特別加飾LED206と、それ以外の一般加飾LED204とに分けられ、実施例では、特別加飾LED206がフルカラーLEDであるのに対して、一般加飾LED204が単色発光LEDが用いられている。ここで、加飾発光基板202の左側部に設けられて左部飾り部材32の後側に位置する加飾LED204,206は、表示開口部34a側(下側)に偏倚して配置され、右側部に設けられる加飾LED204,206は、上下の領域を用いて配置されている。また、一般加飾LED204は、加飾発光基板202の左右の領域に設けられているが、特別加飾LED206は、加飾発光基板202の右側部に配置されている(図18参照)。
前記加飾カバー部材210は、該加飾カバー部材210の外郭を構成する枠体部212と、この枠体部212に設けられ、加飾LED204,206によって発光演出される透光部220と、枠体部212に設けられ、加飾LED206によって発光演出される光透過部232,242,252とを備えている(図19参照)。加飾カバー部材210は、上部発光装置200の前面を構成し、表示開口部34aの上縁の略全域に亘って延在している(図5参照)。枠体部212は、加飾発光基板202の前側に離れて延在する前面部213と、この前面部213の下縁から後方へ延出する下面部214と、前面部213の上縁から前方に延出する上面部215とからなり、これらの面部が一体的に連なる板状部材である。枠体部212は、光を反射可能なメッキ等の鏡面処理が外面全体に施されており、加飾LED204,206や周りの光を反射し得るよう構成される。枠体部212は、設置板部35の上部に加飾発光基板202を挟んで取り付けられ、下面部214が加飾発光基板202の下縁に整合して、表示開口部34aから前側に臨む表示部40aの上縁を規定するようになっている。また、加飾カバー部材210は、上面部215が設置部材34における上側の壁の内側に沿って延在し、該壁の前端と上面部215の前端とがおおよそ揃うよう構成されている(図20〜図22参照)。
前記枠体部212には、前後方向に貫通する枠体開口216,217が前面部213に複数設けられている(図19参照)。枠体開口としては、透光部220によって塞がれる一般枠体開口216と、光透過部232,242,252によって塞がれる特別枠体開口217とに分けられる。一般枠体開口216は、三角や四角等の多角形を基本とする開口形状に形成されている。一方、特別枠体開口217は、前面部213の右側に設けられて、その開口形状が円形に開設されている。特別枠体開口217は、左右方向に並べて3箇所設けられて、左側から右側に向かうにつれて開口寸法が小さくなるように形成されている。以下の説明では、特別枠体開口のうち、左側に位置する最も大きいものを左特別枠体開口217aといい、真ん中に位置する中程度のものを中特別枠体開口217bといい、右側に位置する最も小さいものを右特別枠体開口217cという。このように、枠体部212の前面部213は、目の粗い網目状になっており、鏡面処理が施された前面部213によって枠体開口216,217が縁取られている。前面部213の後面には、3つの特別枠体開口217a,217b,217cを囲って後方に突出する囲繞片218が設けられている。囲繞片218は、3つの特別枠体開口217a,217b,217cの開口縁を繋ぐように連ねて1つの環状に形成されている(図19参照)。囲繞片218は、前面部213からの延出寸法が下面部214より短く設定されて、加飾発光基板202の前面から離間するようになっている(図20〜図22参照)。
前記透光部220は、後方に開口する略トレイ形状に形成された有色透明な部材であり、枠体部212における前面部213の後面に突き当てて該枠体部212に取り付けられている(図21または図22参照)。透光部220は、下縁に延在する下延片221が枠体部212における下面部214上面に載置されて、下延片221および下面部214の後端がおおよそ揃うようになっている。透光部220は、上縁に延在する上延片222が下延片221よりも前面部分からの突出寸法が短く設定され、加飾カバー部材210を設置部材34に取り付けた際に、該上延片222の後端が加飾発光基板202の前面に当接するよう構成される。透光部220には、前面部分に枠体部212の囲繞片218の外形に合わせて貫通形成された透光開口224が設けられ(図19参照)、この透光開口224に囲繞片218が嵌合するようになっている。透光部220は、前面部分が一般枠体開口216を塞ぎ、加飾カバー部材210では、枠体部212の一般枠体開口216を介して透光部220の前面部分が前側に臨むように構成されている。透光部220の前面部分には、一般枠体開口216に対応する部位に光拡散処理が施され、実施例では一般枠体開口216に対応する部位後面に微細な突起を設けてある。
前記上部発光装置200では、左特別枠体開口217aの半径方向外側に偏倚した部分に対応した部位に、円形の左特別枠体開口217aの中心を中心として円形配列された複数の第1周縁加飾LED206aと、左特別枠体開口217aの中心に対応する部位に配置された第1中央加飾LED206bとから、左特別枠体開口217aに臨む特別加飾LEDのグループが構成される(図18参照)。実施例では、1つの第1周縁加飾LED206aを第1中央加飾LED206bの上側に配置して、5つの第1周縁加飾LED206aが五角形の頂点に位置するように設置されている。また、上部発光装置200では、円形の中特別枠体開口217bの半径方向外側に偏倚した部分に対応した部位に配置された第2周縁加飾LED206cと、中特別枠体開口217bの中心に対応する部位に配置された第2中央加飾LED206dとから、中特別枠体開口217bに臨む特別加飾LEDのグループが構成される。実施例では、第2周縁加飾LED206cは、第2中央加飾LED206dの上側に1つだけ配置されている。更に、上部発光装置200では、円形の右特別枠体開口217cの中心に対応する部位に配置された第3中央加飾LED206eのみが、右特別枠体開口217cに臨む特別加飾LEDのグループとなっている。
実施例では、3つの光透過部232,242,252を連ねて1つの光透過部材230として構成されている(図19,図23または図24参照)。ここで、以下の説明では、光透過部のうち、左側に位置する最も大きいものを左光透過部232といい、真ん中に位置する中程度のものを中光透過部242といい、右側に位置する最も小さいものを右光透過部252という。3つの光透過部232,242,252は、円形を基本するレンズ体であって、左側から右側に向かうにつれて小さくなり、隣り合う光透過部232,242,252の間を下縁を揃えて並べた状態で板部分231で繋いで一体化されている。3つの光透過部232,242,252からなる光透過部材230は、透明の樹脂部材であって、特別枠体開口217に対応する光透過部232,242,252が夫々臨むと共に、外周縁が囲繞片218の内側に嵌合するようになっている。光透過部材230は、枠体部212に対して後側から取り付けられ、左特別枠体開口217aに左光透過部232が臨んで該左特別枠体開口217aを塞ぎ、中特別枠体開口217bに中光透過部242が臨んで該中特別枠体開口217bを塞ぎ、右特別枠体開口217cに右光透過部252が臨んで該右特別枠体開口217cを塞ぐよう構成される(図5参照)。なお、光透過部材230の隣り合う光透過部232,242,252を繋ぐ板部分231は、枠体部212で隠れるようになっている。
前記左光透過部232は、第1周縁加飾LED206aの光照射方向真正面を含んだ帯状領域を覆うように設けられ、前面が該左光透過部232の外周縁から内側に向かうにつれて光照射方向後側に傾斜するよう形成された第1左レンズ部(第1レンズ部)234と、この第1左レンズ部234の内側の帯状領域を覆うように該第1左レンズ部234の内側に連ねて設けられ、前面が光照射方向前側に突出する凸状に形成された第2左レンズ部236とを備えている(図20,図23または図24参照)。実施例の左光透過部232は、第1左レンズ部234および第2左レンズ部236に加えて、第1中央加飾LED206bの光照射方向前側を覆うように第2左レンズ部236の内側に連ねて設けられ、前面が光照射方向前側に突出する凸状に形成された第3左レンズ部238を備えている。すなわち、左光透過部232は、円形の第3左レンズ部238の外周を帯状に延在する第1および第2左レンズ部234,236で2重に囲うように構成され、各左レンズ部234,236,238が前側に膨らむ凸レンズ状に形成されている。また、左光透過部232には、第1周縁加飾LED206aおよび第1中央加飾LED206bの光照射方向真正面から外れた位置に、隣り合う左レンズ部234,236,238に挟まれて光照射方向前側に開放する谷状の境界部240が形成されている(図20または図24参照)。左光透過部232は、左特別枠体開口217aを介して前側に臨む外形が円形であり、該左光透過部232の外周部に環状に延在する第1左レンズ部234に対応して、複数の第1周縁加飾LED206aが円形配列されている。
前記第1左レンズ部234は、外周縁が第2左レンズ部236における光照射方向前側への突端より光照射方向前側に位置するよう形成されると共に、後面が前面に倣って延在して全体として前記第2左レンズ部236側が膨らむように湾曲形成されている(図20参照)。第1左レンズ部234は、半径方向内側から外側に向かうにつれて前方へ傾斜し、その厚みが第2左レンズ部236との接続側と比べて突端側が僅かに厚くなっている(図24参照)。第1左レンズ部234は、第1周縁加飾LED206aの前側に離間して延在し、外周縁が左特別枠体開口217aの内側に整合するようになっている。
前記第2左レンズ部236は、第1左レンズ部234の内周縁から突端にかけて該第1左レンズ部234側に膨らむように湾曲する湾曲面236aと、前記突端から光照射方向に沿って延在する平担面236bとから前面が構成されると共に、光照射方向後側に向けて開口する凹部237が後面に設けられている(図20または図24参照)。すなわち、左光透過部232では、第1左レンズ部234の湾曲面と第2左レンズ部236の湾曲面236aとが、鋭角形状に形成された境界部240を挟んで向かい合っている。第2左レンズ部236の凹部237は、閉塞端が円弧状になるように形成されており、該閉塞端が第1左レンズ部234と第2左レンズ部236との境界部240の閉塞端と上下方向に揃うように形成されている。また、左光透過部232は、第1左レンズ部234と第2左レンズ部236とが連なる部位の後面が略平坦に形成されている。ここで、左光透過部232では、第2左レンズ部236における第1左レンズ部234との連設部位から突端までの前後寸法が、第1左レンズ部234における第2左レンズ部236との連設部位から外周縁までの前後寸法に対して約半分に設定されている。また、上部発光装置200は、第1周縁加飾LED206aの光軸が第1左レンズ部234における第2左レンズ部236との連設部位から外周縁までの前後寸法の略半分位置を通るように構成されている。
前記第3左レンズ部238は、前側に膨らむ円形凸レンズ形状であり、後面が前面の膨らみに倣って凹むように形成されている(図20または図24参照)。第3左レンズ部238の前側への突端は、第2左レンズ部236の突端と揃えて形成されている。左光透過部232では、第2左レンズ部236の平坦面236bと第3左レンズ部238の湾曲面とが、鋭角形状に形成された境界部240を挟んで向かい合っている。また、左光透過部232は、第2左レンズ部236と第3左レンズ部238とが連なる部位の後面が円弧状に丸みを帯びた形状に形成されている。ここで、左光透過部232では、第3左レンズ部238後面の凹みの閉塞端が第2左レンズ部236後面の凹部237における閉塞端より後側に位置するよう形成されている。
前記中光透過部242は、第2周縁加飾LED206cの光照射方向真正面を含んだ帯状領域を覆うように設けられ、前面が該中光透過部242の外周縁から内側に向かうにつれて光照射方向後側に傾斜するよう形成された第1中レンズ部244と、この第1中レンズ部244の内側の帯状領域を覆うように該第1中レンズ部244の内側に連ねて設けられ、前面が光照射方向前側に突出する凸状に形成された第2中レンズ部246とを備えている(図21または図23参照)。実施例の中光透過部242は、第1中レンズ部244および第2中レンズ部246に加えて、第2中央加飾LED206dの光照射方向前側を覆うように第2中レンズ部246の内側に連ねて設けられ、前面が光照射方向前側に突出する凸状に形成された第3中レンズ部248を備えている。すなわち、中光透過部242は、円形の第3中レンズ部248の外周を帯状に延在する第1および第2中レンズ部244,246で囲うように構成され、各中レンズ部244,246,248が前側に膨らむ凸レンズ状に形成されている。中光透過部242は、中特別枠体開口217bを介して前側に臨む外形が円形であり、該中光透過部242の外周部に環状に延在する第1中レンズ部244に対応して、1つの第2周縁加飾LED206cが配置されている(図23参照)。ここで、中光透過部242は、複数の中レンズ部244,246,248がなす凹凸が左光透過部232の左レンズ部234,236,238がなす凹凸よりも小さくなるように形成されている。
前記第1中レンズ部244は、外周縁が第2中レンズ部246における光照射方向前側への突端より光照射方向前側に位置するよう形成されると共に、後面が前面に倣って延在して全体として前記第2中レンズ部246側が膨らむように湾曲形成されている(図21参照)。第1中レンズ部244は、第2周縁加飾LED206cの前側に離間して延在し、外周縁が中特別枠体開口217bの内側に整合するようになっている。第2中レンズ部246は、第1中レンズ部244の内周縁から突端にかけて該第1中レンズ部244側に膨らむように湾曲する湾曲面246aと、前記突端から光照射方向に沿って延在する平担面246bとから前面が構成されると共に、光照射方向後側に向けて開口する凹部247が後面に設けられている。すなわち、中光透過部242では、第1中レンズ部244の湾曲面と第2中レンズ部246の湾曲面246aとが、鋭角形状に形成された境界部250を挟んで向かい合っている。第2中レンズ部246の凹部247は、閉塞端が円弧状になるように形成されている。また、中光透過部242は、第1中レンズ部244と第2中レンズ部246とが連なる部位の後面が略平坦に形成されている。第3中レンズ部248は、前側に膨らむ円形凸レンズ形状であり、後面が前面の膨らみに倣って凹むように形成されている。第3中レンズ部248の前側への突端は、第2中レンズ部246の突端と揃えて形成されている。中光透過部242では、第2中レンズ部246の平坦面246bと第3中レンズ部248の湾曲面とが、鋭角形状に形成された境界部250を挟んで向かい合っている。また、中光透過部242は、第2中レンズ部246と第3中レンズ部248とが連なる部位の後面が円弧状に丸みを帯びた形状に形成されている。ここで、中光透過部242では、第3中レンズ部248後面の凹みの閉塞端が第2中レンズ部246後面の凹部247における閉塞端より後側に位置するよう形成されている。
前記右光透過部252は、前面が該右光透過部252の外周縁から内側に向かうにつれて光照射方向後側に傾斜するよう形成された第1右レンズ部254と、この第1右レンズ部254の内側の帯状領域を覆うように該第1右レンズ部254の内側に連ねて設けられ、前面が光照射方向前側に突出する凸状に形成された第2右レンズ部256とを備えている(図22または図23参照)。実施例の右光透過部252は、第1右レンズ部254および第2右レンズ部256に加えて、第3中央加飾LED206eの光照射方向前側を覆うように第2右レンズ部256の内側に連ねて設けられ、前面が光照射方向前側に突出する凸状に形成された第3右レンズ部258を備えている。すなわち、右光透過部252は、円形の第3右レンズ部258の外周を帯状に延在する第1および第2右レンズ部254,256で2重に囲うように構成され、各右レンズ部254,256,258が前側に膨らむ凸レンズ状に形成されている。右光透過部252は、右特別枠体開口217cを介して前側に臨む外形が円形である。ここで、右光透過部252は、複数の右レンズ部254,256,258がなす凹凸が中光透過部242の中レンズ部244,246,248がなす凹凸よりも小さくなるように形成されている。
前記第1右レンズ部254は、外周縁が第2右レンズ部256における光照射方向前側への突端より光照射方向前側に位置するよう形成されると共に、前面が前記第2右レンズ部256側が膨らむように湾曲形成されている(図22参照)。第2右レンズ部256は、第1右レンズ部254の内周縁から突端にかけて該第1右レンズ部254側に膨らむように湾曲する湾曲面256aと、前記突端から光照射方向に沿って延在する平担面256bとから前面が構成されると共に、光照射方向後側に向けて開口する凹部257が後面に設けられている。すなわち、右光透過部252では、第1右レンズ部254の湾曲面と第2右レンズ部256の湾曲面256aとが、鋭角形状に形成された境界部260を挟んで向かい合っている。第3右レンズ部258は、前側に膨らむ円形凸レンズ形状であり、後面が平坦に形成されている。第3右レンズ部258の前側への突端は、第2右レンズ部256の突端と揃えて形成されている。右光透過部252では、第2右レンズ部256の平坦面256bと第3右レンズ部258の湾曲面とが、鋭角形状に形成された境界部260を挟んで向かい合っている。
前記パチンコ機10は、設置部材34における設置板部35の左右の側部に設けた駆動部140,170に支持されて可動体110が設置板部35から前方に離して左右に延在するように設けられている。パチンコ機10では、待機位置において設置板部35の上部の前側に位置する可動体110と該上部前面とのスペースに上部発光装置200が設けられている。また、上部発光装置200は、光透過部232,242,252が枠状装飾体28の窓口28aの内側に配置されている(図5参照)。そして、上部発光装置200は、待機位置にある可動体で光透過部232,242,252が隠され、可動体110が動作位置に移動することで、枠状装飾体28の窓口28aを介して光透過部232,242,252が前側に現れるようになっている。
前記上部発光装置200は、一般加飾LED204から光を照射することで、一般枠体開口216を介して前側に臨む透光部220を全体的に発光させることができる。上部発光装置200は、特別加飾LEDから光を照射することで、光透過部232,242,252を介して前記透光部220の発光態様と異なった発光態様で発光演出することができる。上部発光装置200は、左光透過部232において、第1左レンズ部234に対応して設けられた第1周縁加飾LED206aから光を照射することで、第1左レンズ部234による光の拡散によって該第1左レンズ部234に隣り合う第2左レンズ部236を発光させることができる。しかも、隣り合う左レンズ部234,236の境界部240で第1周縁加飾LED206aから照射された光が強調されるので、左光透過部232の内外方向で光を強弱することができ、少ない第1周縁加飾LED206aで奥行き感のある良好な発光演出を行うことができる。また、第1左レンズ部234は、外周縁が第2左レンズ部236における光照射方向前側への突端より光照射方向前側に位置するよう形成されると共に、後面が前面に倣って延在して全体として第2左レンズ部236側が膨らむように湾曲形成されている。このように構成することで、第1左レンズ部234は、該第1左レンズ部234に対応して設けられた第1周縁加飾LED206aの光を効率よく左光透過部232の内側に導くことができる。
前記左光透過部232では、第2左レンズ部236が、第1左レンズ部234の内周縁から突端にかけて該第1左レンズ部234側に膨らむように湾曲する湾曲面236aと、突端から光照射方向に沿って延在する平担面236bとから前面が構成されており、内外方向で相対する面の形状が異なっている。すなわち、第2左レンズ部236では、湾曲面236aと平坦面236bとで光の拡散態様を異ならせることができ、境界部240での発光態様に変化を付けることができる。また、第2左レンズ部236は、第1周縁加飾LED206aの光照射方向後側に向けて開口する凹部237が設けられており、第1周縁加飾LED206aからの光の入射面を多く形成することができ、光をより複雑に拡散せて少ない第1周縁加飾LED206aで左光透過部232を複雑に発光演出することができる。上部発光装置200は、円形の左光透過部232の外周に環状に延在する第1左レンズ部234に対して複数の第1周縁加飾LED206aが円形配列されているので、各第1周縁加飾LED206aから照射した光が該左光透過部232の内外方向に放射状に並び、左光透過部232をより適切に発光演出できる。
前記上部発光装置200は、左光透過部232において第2左レンズ部236の内側に第3左レンズ部238が設けられており、該第3左レンズ部238と第2左レンズ部236とがなす凹凸によっても光の入射面が複雑になり、第2左レンズ部236に隣り合う第3左レンズ部238も第1周縁加飾LED206aによって発光させることができる。しかも、隣り合う左レンズ部236,238の境界部240で第1周縁加飾LED206aから照射された光が強調されるので、左光透過部232の内外方向で光を強弱することができ、少ない第1周縁加飾LED206aで奥行き感のある一層良好な発光演出を行うことができる。しかも、上部発光装置200は、左光透過部232の第3左レンズ部238に対応して第1中央加飾LED206bを有しているので、第1中央加飾LED206bから照射した光が、第3左レンズ部238で拡散されて、第1左レンズ部234および第2左レンズ部236で拡散された第1周縁加飾LED206aの光と相まって、左光透過部232をより複雑で特異な発光態様にすることができる。
なお、左光透過部232を例に挙げて説明したが、中光透過部242についても、第1〜第3中レンズ部244,246,248のなす凹凸によって、第2周縁加飾LED206cおよび第2中央加飾LED206dによって左光透過部232と同様の発光演出を行うことができる。右光透過部252についても、第1〜第3右レンズ部254,256,258のなす凹凸によって、第3中央加飾LED206eによって左光透過部232における第1中央加飾LED206bによる発光と同様の発光演出を行うことができる。また、上部発光装置200は、光透過部材230を鏡面加工が施された囲繞片218で囲っているので、特別加飾LED206から照射した光を囲繞片218で反射させることで、該光を拡散させることができ、レンズ部234,236,238,244,246,248,254,256,258間の凹凸により生じる複雑な発光態様を更に強調することができる。
前記上部発光装置200は、可動体110が前側に位置する都合上、遊技盤20における枠状装飾体28の窓口28aの奥側に位置するように設置部材34の設置板部35に設けられるが、窓口28aの内側に臨む光透過部232,242,252の発光演出効果が高いので、遊技者の注意を惹き付けることができる。
(変更例)
なお、遊技機の構成としては、実施例のものに限らず、種々の変更が可能である。
(1)可動演出装置の可動体は、上下に往復移動する構成に限定されず、左右方向に往復移動する構成であってもよい。可動体の待機位置は、表示開口部の上側に限定されず、表示開口部の左右の側部や下側であってもよい。
(2)ロック手段は、第1可動部に係止部およびロック駆動手段を設けたが、第2可動部に係止部およびロック駆動手段を設け、第1可動部に係止受部を設けてもよい。またロック駆動手段としては、モータであってもよい。
(3)係止部は、ロックリンクを介することなくロック駆動手段に直接連結してもよい。
(4)付勢手段は、コイルばねにより係止部を付勢する構成を例に挙げたが、付勢力を与える手段としては、コイルばねに限定されず、トーションばねや板ばね等のその他のばねやゴム等の弾性体であってもよい。
(5)駆動部のベルトとしては、平ベルトに限定されず、Vベルト等も採用可能である。
(6)実施例では光透過部にレンズ部が3重に設けられる構成を挙げたが、レンズ部が少なくとも2つ並んで設けられればよく、レンズ部を4つ以上組み合わせてもよい。
(7)第1周縁加飾LEDは、円形配列したが矩形配列であってもよい。また、単数であってもよい。
(8)光拡散処理としては、例えば光透過性を有する部材の表面に凹凸を形成するような表面加工や、光反射性を有する微粒子を含有する光拡散インクを種々の濃度分布で光透過性を有する部材の表面に印刷または塗布等する加工や、部材を構成する樹脂自体に光反射性を有する微粒子を分散させる例えばラメ加工や、透過する光の屈折率を変える加工等を指し、1つの加工だけであっても、複数の加工を組み合わせてもよい。なお、表面加工の具体例としては、溝加工、ダイヤモンドカット加工、シボ加工、ブラスト加工などが挙げられ、光の屈折率を変える加工としては、部材の表面に該部材と屈折率が異なる微細な凹凸を設けたシートレンズの如きものが挙げられる。
(9)発光体としてLEDを例に挙げたが、これに限定されず、電球や有機ELその他の光を照射し得るものであれば採用できる。
(10)実施例では、原位置検知手段として光センサを例に挙げたが、これに限定されず、マイクロスイッチ等の機械式や磁気センサあるいはその他の検知手段を採用し得る。
(11)実施例では、ロック駆動手段として、ソレノイドを採用したが、モータや流体圧シリンダ等のアクチュエータを用いてもよい。
(12)実施例では、遊技盤の裏側に設置部材を設けるよう構成したが、該設置部材を本体枠としての中枠に設置する構成も採用できる。
(13)実施例では、遊技盤を木材板形成したが、これに限られるものではなく、遊技盤を合成樹脂材から透明または不透明に形成するようにしてもよい。
(14)実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機、スロットマシン機等の各種遊技機を採用し得る。
(15)実施例では、可動部の夫々に対応して駆動部を設けたが、一方の可動部のみに駆動部を設ける構成であってもよい。この場合、駆動部に直接接続されない他方の可動部は、バネ等の付勢手段、磁石や重力等を用いて支持すればよい。