JP5405468B2 - 物体の揺れを制御する方法およびシステム - Google Patents

物体の揺れを制御する方法およびシステム Download PDF

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Description

本発明は、平坦な(planar)または他の台座に柔軟に取り付けられた物体における揺れを制御するシステムおよび方法に関する。
物体のマウントに際してよくある問題が、板または他の台座にマウントされた物体の運動を制御することである。このような問題の一例が、車両エンジンを搭載する場合である。別の例が、ミサイルのノーズコーンにミサイルペイロード(missile payload)を搭載する場合である。第2の例において、ペイロード構成部品は、通常、ミサイルのノーズコーン後方の板にマウントされる。どちらの状況でも、剛性物体が一端部においてのみマウントされ、他端部においては固定されない。
このようなマウントでは、一般に、剛性物体への振動の伝播を低減し、例えば、マウント板の平面に対して平行な成分を持つ横方向の力によって生じる揺れを低減するために弾性材料を利用する。
これまでのマウント装置を構成する際の1つの目標は、マウント装置とマウント対象の物体の間の界面に沿った位置において振動および揺れを最大限制御することであった。別の手法としては、試行錯誤により、マウントシステムの弾性中心を、マウント対象の物体の質量中心または重心と同じまたはほぼ同等の点に配置するものがあった。
以上を考慮すると、マウントシステムに関して改善が求められていることが理解されるはずである。
本発明の一態様によれば、柔軟なマウント(flexible mount)の弾性中心が、物体が取り付けられるべきマウントの台座から離れたところに置かれるように意図的に位置決めされる。
本発明の別の態様によれば、マウント対象の物体を受ける柔軟なマウントを構成する方法は、マウントの所望の最小揺れ位置を選択することと、マウントのアイソレータを、回転中心が最小揺れ位置になるように柔軟なマウントの弾性中心を位置決めするように構成することと、の各ステップを含み、構成することは、弾性中心および回転中心の位置をアイソレータの材料特性の関数として関係付ける式を使用することを含む。
また本発明の別の態様によれば、物体の揺れを制御する方法は、柔軟なマウントのアイソレータを、台座上のマウント対象の物体と物体を取り囲む構造との間の期待最小間隙で回転中心に対応する柔軟なマウントの台座から離れた距離にアイソレータの弾性中心を配置するように構成することと、この構成することは、数学的解析法を使用してアイソレータを構成し、物体を台座上にマウントすることとを含む。
さらに本発明の別の態様によれば、マウントシステムは、台座および台座に連結されたアイソレータを含む柔軟なマウントと、台座にマウントされた物体と、を含む。アイソレータは、アイソレータの材料特性および台座に対するアイソレータの向きの関数である台座に対する弾性中心を定義する。アイソレータの弾性中心は、物体の質量中心よりも台座から遠く離れたところにある。
上記および関連する目的を達成するために、本発明は、以下で詳細に説明され、特許請求の範囲で特に指示される各特徴を備える。以下の説明および添付の図面は、本発明のいくつかの例示的実施形態を詳細に示すものである。しかし、これらの実施形態は、本発明の原理が用いられ得る様々なやり方のうちのいくつかを示すものにすぎない。本発明の他の目的、利点および新規の特徴は、本発明の以下の詳細な説明を、図面と併せて考察すれば明らかになるであろう。
添付の図面は必ずしも縮尺通りであるとは限らない。
本発明の一実施形態に係るマウントシステムを示す概略図である。 本発明の一実施形態に係るマウントを構成する方法に関する図である。 一例示的実施形態について、マウントの弾性中心の位置を材料特性およびアイソレータの角度の関数として示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る、質量、柔軟な支持体、および座標系を示す動的システムの概略図である。 マウントシステムの一例として、ミサイルノーズを示す切断図である。
マウントを構成し、またはマウント対象の物体における揺れを制御する方法は、マウントのアイソレータを、マウントの台座に対して所望の高さでマウントの弾性中心および回転中心を置くように構成することを含む。アイソレータは、アイソレータの材料、およびアイソレータとマウントの台座との間の角度を選択することによって構成され得る。アイソレータのこの構成は、マウントの台座から所望の距離に、マウントシステムの弾性中心、したがって回転中心を、設定するために使用され得る。この所望の距離は、マウント対象の物体と、マウント対象の物体を取り囲むと期待される構造との間の期待最小間隙の位置にすることができる。言い換えると、回転中心の位置は、マウント対象の物体とマウント対象の物体を取り囲む構造との間の期待される最小ギャップに対応する台座からの距離であるとすることができる。さらに言い換えると、アイソレータは、回転中心がマウント対象の物体の所望の最小揺れの位置になるように構成され得る。弾性中心の位置は、また、マウント対象の物体の質量中心または重心よりも台座から遠く離れているとすることができる。アイソレータ材料特性、およびアイソレータと台座との間の角度の関数のような、弾性中心の位置に関する式は、弾性中心および回転中心の位置を解析的に予測するために使用されるとしてもよい。解析ツールを使用することにより、マウントは、より効果的で安くつくやり方で構成され得る。また、マウント対象の物体の揺れが最小限に抑えられるより適切な制御能力は、物体と物体を取り囲む構造の間に必要とされるギャップを低減するために使用されることができる。これにより、物体またはペイロードを受ける筐体内の空間をより適切に利用することが可能になる。ロケットや発射体ノーズコーンといった空間が限られる用途において、この方法は大いに有利である。
最初に図1を参照すると、装置10はマウントシステム12を含み、マウントシステム12はさらに、マウント対象の物体16を固定するための柔軟なマウント14を含む。柔軟なマウント14は台座18と、1つまたは複数のアイソレータ20とを含む。柔軟なマウント14は、物体16を基礎24に固定するのに使用される。マウント14は、物体16の主要な構造的アンカを提供する。すなわち、物体16は主に、台座18へのその連結によって支持されるが、装置10の別の部分にさらに副次的な機械的連結を有していてもよい。
装置10は、固定式または移動式装置でよく、基礎24は、装置10の一体部分とすることもできる。また、装置10は、ハウジングのような、物体16の一部または全部を取り囲む構造26を含む。ギャップ28は、物体16と構造26との間の空間として定義される。ギャップの高さ28は、台座18からギャップ28までの距離である。ギャップ28は、少なくとも、構造16の構成および物体16のサイズと形状に応じて、高さH(台座18から離れる距離)によって変化することが理解されるであろう。高さHのある値で、物体16と構造26の間に最小ギャップ30が生じる。
以上では、柔軟なマウント14を一般的に説明しているが、多種多様な構成が可能であることが理解されるであろう。台座18は、板(plate)とすることもでき、あるいは物体16を受け、固定するのに適する種類の様々な構造のいずれかとすることもできる。アイソレータ20は、複数のアイソレータ、例えば、円形の台座18に関する軸対称に間隔を置いて配置された3または4つのアイソレータなどとすることができる。物体16は、様々な適切な機械的連結のいずれかによって台座18に固定することができ、これの一例はボルトなどのねじ部品を使用するものである。
柔軟なマウント14の1つの機能は、物体16が横方向の力または加速(台座18と平行な成分を持つ力または加速)の影響下で揺れ動くときに、物体16が構造またはハウジング26に接触しないように物体16を固定することである。台座の横方向の加速による力は物体16に作用し、実際上、質量中心または重心40において作用する。アイソレータ20からの反力は弾性中心42に関して作用する。弾性中心における反作用は復元モーメントを生じさせる。横方向の変位と回転との組み合わせは、(台座18からさらに遠く離れた)弾性中心の上方に、正味横方向運動がゼロである点を作る。この点では回転だけが発生する。この回転だけが発生する点を回転中心と呼ぶ。回転中心45は、物体16に働く横方向の力に応じてゼロ理想揺れ変位を受ける台座18の上方のレベルである。回転中心45は、台座18に対して、物体16と構造またはハウジング26との最小ギャップ30とほぼ同じ高さHのところに位置決めするのが有利である。弾性中心42は、(質量中心40よりも台座18から遠く離れた)質量中心40の上方に位置決めされ得る。弾性中心42は、物体16内の高さに配置することができる。あるいは、弾性中心42は、物体16の上方(物体16の遠位端部44よりも台座18から遠く離れたところ)に配置されてもよい。また、回転中心45は弾性中心42の上方に置かれることになる。
装置10は、揺れまたは振動制御を利用する多種多様な装置のいずれでもよいことが理解されるであろう。本明細書で論じる2つの具体例は、車両エンジンマウント(engine mount)とミサイル・ペイロード・マウントである。しかし、他にも非常に幅広い種類の可能な装置、構造、台座構成などがある。台座18およびアイソレータ20は、様々な材料のうちのいずれかで作られ得る。アイソレータ20は、柔軟な高分子材料など、様々な弾性材料のうちのいずれかで作られ得る。アイソレータ20は、エラストマを含む弾性要素とすることもできる。
図2を参照して、アイソレータ20の材料特性と、台座18に対するアイソレータ20の角度θとの関数のような、弾性中心42の位置を求める解析方法を説明する。次いで、回転中心45が、弾性中心における剛性行列を反転させ、ゼロ横方向運動の制約を課すことにより求められる。アイソレータ20の変位とアイソレータ20に加わる力との関係は、以下のように剛性行列Kとして表され得る。
Figure 0005405468
ここで、様々な要素Kは、トランスレーション(x)およびローテーション(r)における個々のアイソレータの応答の定数を表す。一般化された3次元のトランスレーションおよびローテーションでは、剛性行列[K]は6×6行列である。式(1)は、それぞれ3×3のサイズの4つの部分行列に分割された6×6行列を表す。右上および左下の各部分行列は、トランスレーションとローテーションの間の結合項を形成する。また、これらの部分行列は、[K]の対称性により相互の転置行列でもある。
力Fと変位δとの関係は次式で与えられる。
Figure 0005405468
ここで、下付き文字x、y、およびzは、x方向、y方向、およびz方向の変位および力を表し、下付き文字α、β、およびγは、x軸、y軸、およびz軸に関するモーメントおよび回転変位を表す。
実際問題として、要素剛性行列内の回転項は、正確さを犠牲にすることなく無視し得る。よって、アイソレータ20のうちの一つの要素剛性行列Kは次式のように表され得る。
Figure 0005405468
ここで、K1s、K1t、およびK1cは、それぞれ、せん断(shear)、接線、および圧縮におけるばね定数を表す。圧縮対せん断の剛比(stiffness ratio)をa=K/Kで表す。接線対せん断の剛比をb=K/Kで表す。
次いで、弾性中心を求める際に使用するために一連の変形が定義され得る。まず、弾性要素を距離{q,r,s}だけ{x,y,z}の各方向にトランスレートさせるトランスレーショナル変形Tは以下のとおりである。
Figure 0005405468
また、一連のローテーション変形(オイラー角)を利用して、y軸に関する回転θ、x軸に関する回転ψ、およびz軸に関する回転φも以下のように表され得る。
Figure 0005405468
Figure 0005405468
Figure 0005405468
=Rθ・Rψ・Rφ (8)
続いて、マウントに関して対称に間隔を置いて配置された4つの同一のアイソレータを持つ仮想システムについて説明する。このようなシステムのシステム剛性行列は、各要素の相似変形後にすべての弾性要素を合計することによって形成される。相似変形は次式で与えられる。
=T・R (9)
各弾性要素K、K、K、およびKの変形を以下のように行う。
=Q・K・Transpose(Q) (10)
=Q・K・Transpose(Q) (11)
=Q・K・Transpose(Q) (12)
=Q・K・Transpose(Q) (13)
システム剛性行列は、K=K+K+K+Kである。弾性中心条件は、K(4,2)=K(4,3)=K(5,5)=0で与えられる。6×6剛性行列の力およびたわみに対する関係を検査することにより、トランスレーショナル負荷とシステムの回転応答の間に結合が生じない場合、右上3×3部分行列と左下3×3部分行列が消えることがわかる。理想的な場合には、この目標を達成する座標変換が見つかるはずである。しかし、一般には、この要件を満たす変換を見つけることができない。できるのはせいぜい、これらの部分行列を対称にすることである。これは、座標変換だけでは、各部分行列の対角項(すなわち、(4,1)、(5,2)、および(6,3)の各要素)をゼロにすることができないことを見れば理解できる。アイソレーションシステムは、最初に、これらの項をゼロにして開始する。
対称性を考慮すると、この状況は、自由度3(x方向およびy方向のトランスレーション、ならびにz軸に関するローテーション)のシステムまで低減することができる。これは以下のような行列をもたらす。
Figure 0005405468
ここで、距離p(図2)は、剛性行列の結合項K(2,3)を消すように選択される必要がある。この条件は次式として表され得る。
0=−2p(b+Cos[θ]+aSin[θ])−(−1−a)qSin[2θ] (15)
式(15)の解は、a、b、q、およびθの関数として、弾性中心pの位置を提供する。弾性中心は、剛性行列が対角になる点である。類似の処理を任意の要素数に使用することができる。システムは対称でなくてもよいが、計算は簡略化される。
残りの計算のために剛性行列を弾性中心に変形することが好都合である。式(15)から、弾性中心距離pは以下のように表すことができる。
Figure 0005405468
この式を使用すると、剛性行列は以下のように表され得る。
Figure 0005405468
この行列は対角であるため、剛性行列の逆である柔性行列[A]は、式(17)の対角要素の逆にすぎない。この静的平衡解は、
{変位ベクトル}=[A]{力ベクトル} (18)
が成り立つ状況である。
図2に戻って、横方向の力Fが位置sにおいて加えられる。横方向の変位yおよびz軸に関する物体の回転αは、どちらも位置sにおいて、
=(Ayy+Saa)F (19)
α=−sAaa (20)
になる。
変位yは正(+Y)の方向のものである。しかし、(台座18からより遠く離れた)力アプリケーションの点の上方で回転αによって生じる変位は、負(−Y)の方向のものである。位置sの上方のある位置rにおいて、以下のように、2つの成分は釣り合い、正味変位はゼロである。
0=ra+y (21)
他の各式に代入すると、これにより、横方向の力Fによるゼロ横方向変位の位置rが以下のように求められる。
r=(Ayy+saa)/(sAaa) (22)
図3の角の関数のように、アイソレータ圧縮対せん断剛性の比のいくつかの値について、アイソレータの横方向の位置に対する弾性中心の高さの比の結果が示される。接線対せん断剛性の比は、図3のプロットすべてについて同じ(b=1)である。圧縮対せん断剛性の比が増大するにつれて、図3から2つの傾向が明らかになる。まず第1に、弾性中心は、各アイソレータの位置からますます離れた高さに位置決めされ得る。加えて、弾性中心の最大高さを達成するのに必要な各アイソレータの角度は、aが増大するにつれて減少する。比aの値がより大きいほど、弾性中心は、各アイソレータ間の距離をはるかに上回る高さに位置決めされ得る。
上記で導き出したこと、および図3に示す結果は例にすぎない。弾性中心の位置を求めるためにより複雑なシステム、非対称なシステムでさえもが解析され得ることが理解されるであろう。この解析では、アイソレータの材料および位置が、弾性中心を所望の位置に配置するように選択され得る。前述のように、弾性中心の位置は、物体16の質量中心または重心の上方(図1)とすることができ、概ね、物体16と物体16を取り囲む構造またはハウジング26との間で最も狭いギャップ30の高さ(図1)とすることができ、かつ/または物体16の十分に上方の位置とすることができる。
上記で導き出したことは、台座が調和的に運動する状況に拡大して適用することができる。ランダムな、または過渡的運動環境には伝達関数を使用することができ、このため、この考察はあらゆる動的環境をカバーする。図4を参照すると、問題は、剛性Kを有するアイソレータを使用して、質量Mを持つ物体が台座Bにマウントされたこのような動的システムの回転中心を求めることである。XおよびY座標が物体の質量中心に関して定義され、V座標が台座に関して定義される。ここで、台座の運動を、次式で表される調和的なものとする。
Figure 0005405468
ここで、
Figure 0005405468
は複素定数である。相対座標Zは以下のように定義される。
Z≡Y−V (24)
相対座標は、台座に取り付けられている構造の妨げにならないように相対運動の回転中心を求めるのに使用される。
システムの運動の式は、
Figure 0005405468
であり、式の解は以下の形となるものと想定される。
Figure 0005405468
運動の式(式(25))を、弾性中心における柔性行列、[A]=[K]−1、重心から弾性中心までの距離Sについて書き換えると好都合である。この結果生じる式は以下のとおりである。
Figure 0005405468
ここで、lcgは重心に関する物体の慣性のモーメントである。式(27)の右辺の行列項は、
Figure 0005405468
であり、式(27)の左辺の行列項は、
Figure 0005405468
である。
前述したのと類似の手順を、回転中心の位置R(ω)が台座における振動の振動数ωの関数である静的事例において使用すると、次式のようになる。
Figure 0005405468
この静的事例では、ω=0であり、結果は、上記式(22)に示したのと同じであることに留意されたい。上記の式は、普通、システムの固有振動数で評価されるはずであるが、振幅は環境に依存し、個々別々に評価されなければならない。
減衰は、以下のように、剛性を複素数で表すことによって簡単に加えることができる。
Figure 0005405468
ここで、ηおよびξは周知の材料および粘性減衰係数である。
図5に、前述のように構成されているミサイル上段部分(ノーズコーンおよび内容物)100を示す。ミサイル上段部分100は、内部ペイロードエンベロープ(payload envelope)104を定義する湾曲したノーズコーン102を持つ。マウント108は、取付け板110およびアイソレータ112を含み、エンベロープ104内でペイロード116を固定するのに使用される。マウント108は、ペイロード116の主要な構造的アンカを提供する。図4に示すペイロード116は一連の2次的資材であるが、ペイロード116は、ミサイル弾頭100のための別の多種多様な積荷のいずれでもよいことが理解されるであろう。ペイロード116の2次的資材は、マウント板110に取り付けられた単一の物体とみなされ得る。
アイソレータ112は前述のように、板110からある距離だけ離れたところに柔軟なマウント108の弾性中心120を配置し、ペイロード116と湾曲したノーズコーン102との間の最小ギャップ122に対応する距離のところまたはこの近くに回転中心128を配置するように構成されている。これは、ペイロード116の重心または質量中心126よりも、板110から遠く離れている。この構成は、有利には、最小ギャップ122の領域における横方向の揺れ運動を最小化し、理想的にはゼロにする。板110に近いほど、必然的に、ペイロード116と湾曲したノーズコーン102の間により大きい間隙が生じ、より多くの横方向運動が許容される。ペイロード116は、ある意味、弾性中心120に関して回転する倒立振り子として働く。弾性中心120を、回転中心が最小ギャップ122と同じレベルになるように配置すると、ノーズ・コーン・エンベロープ104の容積をより大きく利用することが可能になる。より高密度のパッケージングが可能になり得るのは、弾性中心120の位置を制御することにより、ペイロード116の様々な領域の周りにより大きなギャップを設ける必要が最小限に抑えられるからである。加えて、試行錯誤実験法の代わりに解析を使用して、マウント108の設計構成も能率化され得る。
本明細書で示すマウントシステムおよび方法は、ペイロードが、物体を配置するためのエンベロープの幅広い端部に取り付けられており、最小ギャップが、取付け位置から離れた遠位端部または遠位端部の近くに位置する場合に特に有用となり得る。しかし、これらの取付けシステムおよび方法は、はるかに幅広い適用範囲のものであることが理解されるであろう。
以上、本発明を1つまたは複数の特定の好ましい実施形態に関して図示し、説明したが、本明細書および添付の図面を読み、理解すれば、当分野の技術者は、当然ながら、同等の変更形態および改変形態を思い付くはずである。特に前述の各要素(構成部品、組部品、装置、構成物など)によって行われる様々な機能に関して、このような要素を記述するのに使用される(「手段」への言及を含む)用語は、特に指示しない限り、たとえ本明細書で示す本発明の1つまたは複数の例示的実施形態における機能を実施する開示の構造と構造的に等価でなかったとしても、前述の要素の指定された機能を実施する(すなわち、機能的に等価である)任意の要素に該当するものである。加えて、以上では、本発明の個々の特徴が、いくつかの例示的実施形態のうちの1つまたは複数だけに関して説明されている場合もあるが、このような特徴は、任意の所与の、または特定の用途に望ましく、有利になるように、これら以外の実施形態の1つまたは複数の他の特徴と組み合わされてもよい。

Claims (16)

  1. マウントの台座(18、110)に機械的に連結されることによりマウントされる物体(16、116)を受ける柔軟なマウント(14、108)を構成する方法であって、
    前記マウントの所望の最小揺れ位置を選択することと、
    前記マウントのアイソレータ(20、112)を、前記マウントの回転中心(45、128)が前記最小揺れ位置になるように前記柔軟なマウントの弾性中心(42、120)を位置決めするように構成することと、
    を備え、前記アイソレータは、前記台座に連結され、基礎(24)に前記マウントを固定するために使用され、前記アイソレータを構成することは、前記弾性中心および前記回転中心の位置を前記アイソレータの材料特性の関数として関連付ける式を使用することを含む、方法。
  2. 前記式は、前記弾性中心および前記回転中心の前記位置を、前記アイソレータの傾斜角の関数としても関連付け、
    前記アイソレータを前記構成することは、前記マウントの台座に対する前記アイソレータの傾きを構成することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記式は、前記弾性中心および前記回転中心の前記位置を、前記アイソレータの材料の剛比の関数としても関連付ける、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記マウントの前記所望の最小揺れ位置を前記選択することは、前記マウント対象の物体の質量中心(40、126)から前記マウントまでよりも前記マウントから遠く離れた位置を選択することを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記マウントの前記所望の最小揺れ位置を前記選択することは、前記マウント対象の物体の遠位端部(44)から前記マウントまでよりも前記マウントから遠く離れた位置を選択することを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  6. 物体(16、116)の揺れを制御する方法であって、
    柔軟なマウント(14、108)のアイソレータ(20、112)を、台座(18、110)上のマウント対象の前記物体と前記物体を取り囲む構造との間の期待最小間隙で前記マウントの回転中心(45、128)に対応する前記柔軟なマウントの前記台座から離れている距離で、前記アイソレータの弾性中心(42、120)を配置するように構成することであり、前記アイソレータは、前記台座に連結され、基礎(24)に前記マウントを固定するために使用され、この前記構成することは数学的解析法を使用して前記アイソレータを構成することと、
    前記物体を前記台座に機械的に連結することによって、前記物体を前記台座上に取り付けることと、
    を備える、方法。
  7. 前記数学的解析法は、前記弾性中心および前記回転中心の位置を数学的に求めることを含み、
    前記数学的に求めることは、前記弾性中心および前記回転中心の前記位置を前記アイソレータの傾斜角の関数として求めることを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記数学的解析法は、前記弾性中心および前記回転中心の位置を数学的に求めることを含み、
    前記数学的に求めることは、前記弾性中心および前記回転中心の前記位置を前記アイソレータの材料の剛比の関数として求めることを含む、請求項6に記載の方法。
  9. 前記構成することは、前記物体が前記マウントにマウントされる場合に、前記弾性中心を、前記物体の質量中心(40、126)よりも前記マウントから遠く離れたところに配置することを含む、請求項6から8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記構成することは、前記物体が前記マウントにマウントされる場合に、前記回転中心を、前記物体の遠位端部(44)よりも前記マウントから遠く離れたところに配置することを含む、請求項6から9のいずれか1項に記載の方法。
  11. マウントシステム(12)において、
    平坦な台座(18、110)と、
    前記平坦な台座に連結されたアイソレータ(20、112)と
    を含む柔軟なマウント(14、108)と、
    前記平坦な台座に機械的に連結された物体(16、116)と
    を具備し、
    前記アイソレータは、前記アイソレータの材料特性および前記平坦な台座に対する前記アイソレータの向きの関数である前記平坦な台座に対する弾性中心を定義し、
    前記アイソレータの前記弾性中心は、前記物体の質量中心よりも前記平坦な台座から遠く離れている、マウントシステム。
  12. 前記アイソレータは前記平坦な台座に対して傾いている、請求項11に記載のマウントシステム。
  13. 前記柔軟なマウントの回転中心が、前記弾性中心よりも前記平坦な台座から遠く離れている、請求項11または12に記載のマウントシステム。
  14. 前記平坦な台座は板である、請求項11から13のいずれか1項に記載のマウントシステム。
  15. 前記アイソレータは、前記板に接続されている、請求項14に記載のマウントシステム。
  16. 前記アイソレータは、前記平坦な台座と前記システムがマウントされるための基礎(24)との間にある、請求項11から15のいずれか1項に記載のマウントシステム。
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