JP5077261B2 - 放射線撮影装置および画像に表れる偽像の除去方法 - Google Patents

放射線撮影装置および画像に表れる偽像の除去方法 Download PDF

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Description

本発明は、画像に表れる欠損画素を除去を行う方法および放射線撮影装置に係り、特に、縞模様の偽像が現れている画像に重畳した欠損画素の除去方法、および除去を行う放射線撮影装置に関する。
医療機関には、被検体の放射線画像を取得する放射線撮影装置が備えられている。この様な放射線撮影装置は、放射線を照射する放射線源と、放射線を検出する検出器とを備えている。放射線源から発生した放射線は、被検体を透過して検出器で検出される。このとき、被検体の内部の構造体に当たって進行方向が変化する放射線が現れる。このような放射線が散乱放射線であり、散乱放射線が検出器に入射すると放射線画像のコントラストが悪化してしまう。
そこで、放射線撮影装置においては、この散乱放射線を検出器に入射させない目的で放射線グリッドを備えている。放射線グリッドは、検出器における放射線を検出する検出面を覆うように配置される。この放射線グリッドは、放射線を吸収する吸収箔を有している。吸収箔は、第1方向に伸びた短冊状であり、これが所定の間隔を置いて第2方向に配列されて放射線グリッドが構成されているのである。
検出器の検出面には、検出素子が2次元的に配列されている。この検出素子の各々が出力した放射線強度を示す検出データは、2次元的に並べられて放射線画像が生成される。検出素子に放射線が照射されると、検出素子は、その放射線の強度を表す検出信号を出力する。しかし、検出器に備えられた検出素子の全てが正常に動作するとは限らない。すなわち、検出素子のいくらかは、放射線の検出能力を失った不良検出素子となっている。この不良検出素子は、放射線の照射に係らず常に一定の検出信号を出力する。この不良検出素子は、放射線画像に輝点や暗点となって表れる。このような放射線画像に表れる正常でない画素は、欠損画素と呼ばれ、検出器の不良に由来するものである。
欠損画素は、放射線画像を視認する上で邪魔となる。そこで、従来の放射線撮影装置においては、この欠損画素を補完する構成を備えている。この欠損画素の補完方法は、以下のようなものである。図16に示すように、放射線画像に欠損画素aが存在しているものとする。まず、放射線画像の撮影に先立って、検出器における欠損画素aの位置を特定する。具体的には、被検体を搭載しない状態でカラ撮影を行い、カラ撮影画像P0を取得する。カラ撮影画像P0には、欠損画素aが現れている。欠損画像aの画素値が正常な画素の画素値と大きくかけ離れいるので、カラ撮影画像P0から欠損画素aを抽出することができる。こうして検出器における欠損画素aの分布を示した欠損画素マップを生成する。
放射線画像にもマップと同一位置に欠損画素が現れるので、マップを参照しながら放射線画像に表れた欠損画素の補完を行う。具体的には、欠損画素の画素値を、その近傍の画素の画素値に置き換える。この様な構成は、例えば特許文献1に開示されている。
特開2008−220657号公報
しかしながら、従来の構成には、次のような問題点がある。
すなわち、従来の構成は、放射線画像に表れるモアレの影響を受けて欠損画素の位置を十分に把握できないという問題点がある。放射線グリッドの有する吸収箔は、放射線を通過しないので吸収箔の影が検出器に投影されることになる。等間隔に並んだ検出素子が配列されている検出面に、これとは異なる間隔をおいて並んだ吸収箔の影が写りこむと、検出素子の配列と吸収箔の影の配列とが干渉して放射線画像にモアレが生じる。このモアレは、図17のように、筋状の暗部領域Dと明部領域Bとが交互に並んだ縞模様となっている。
欠損画素を特定する目的でカラ撮影を行うと、カラ撮影画像P0には、図17に示すようにモアレが表れる。図17における欠損画素a1〜a3の位置を特定しようとしても、暗部領域Dの存在により、欠損画素の画素値が正常な画素の画素値とが似通ってきてしまう。図17においては、暗部領域Dは、単一の暗さで表現されているが、実際のカラ撮影画像P0の暗部領域Dには、様々な画素値が分布することになる。暗部領域Dにおける正常画素の画素値と、欠損画素a1〜a3のそれとが近い値となった場合、両者を見分けることは、かなり難しい。
従来構成によれば、この様な不都合があるので、欠損画素を認定し損ねたり、誤認しててしまったりする。こうして、放射線画像には、欠損画素が補完されずに残ってしまう。
本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、放射線画像に表れる欠損画素の位置を正確に把握することにより、確実に放射線画像に表れる欠損画素を除去することができる方法、および放射線撮影装置を提供することにある。
本発明は、上述の課題を解決するために次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に係る発明は、放射線を照射する放射線源と、放射線を検出する検出素子が2次元的に配列された検出器と、検出器から出力された検出データを基に(A)第1方向に伸びた縞模様のパターンと欠損画素とが表れた参照画像、および(B)欠損画素と縞模様のパターンと被写体とを写りこんだ元画像を生成する画像生成手段と、参照画像に欠損画素を除去する画像処理を施して縞模様のパターンが写りこんだパターン画像を生成するパターン画像生成手段と、パターン画像を参照画像に重ね合わせることにより、参照画像に写りこんだ縞模様のパターンを除去して、欠損画素が写りこんだ欠損画素マップを生成する欠損画素マップ生成手段と、欠損画素マップを参照して元画像に表れた欠損画素を補完することにより補完画像を生成する補完画像生成手段と、補完画像に写りこんだ縞模様を除去するパターン除去手段とを備えることを特徴とするものである。
[作用・効果]本発明には、参照画像から縞模様のパターンが写りこんだパターン画像を生成するパターン画像生成手段と、パターン画像を基に欠損画素が写りこんだ欠損画素マップを生成する欠損画素マップ生成手段とを備えている。参照画像には、縞模様のパターンと、欠損画素の両方が写りこんでいる。本発明によれば、参照画像から欠損画素をいったん除去することでパターン画像を生成する。参照画像からこのパターン画像を減算すれば、参照画像から縞模様のパターンが消去される。この様にすることで画像のどこに欠損画素が生じるか的確に知ることができる。
なお、本発明は、パターン画像が欠損画素マップよりも取得し易いことに着目してなされたものである。すなわち、欠損画素は、参照画像においてランダムに表れるのに対し、縞模様のパターンは、規則性を持って参照画像に表れる。そこで、本発明は、参照画像から直ちに欠損画素マップを取得するのではなく、参照画像からパターン画像を求めて、両画像を減算することで欠損画素マップを取得する構成となっているのである。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の放射線撮影装置において、検出器の放射線を検出する検出面を覆うように設けられるとともに、第1方向に伸びた細長状の吸収箔が第2方向に沿って配列されている放射線グリッドを更に備え、縞模様のパターンは、放射線グリッドに由来するモアレであることを特徴とするものである。
[作用・効果]上述の構成は、縞模様のパターンは放射線グリッドに由来するものであることを示したものである。放射線グリッドは、画像にモアレを生じる原因となるが、本構成によれば、放射線グリッドのモアレが写りこんだ画像に表れる偽像を除去することができる。
また、請求項3に係る発明は、請求項2に記載の放射線撮影装置において、放射線グリッドは、検出器の検出面に固着されていることを特徴とするものである。
[作用・効果]放射線グリッドと検出器とを固着させることで、装置構成が単純な放射線撮影装置が提供できるとともに、放射線グリッドを装着し忘れる恐れがなくなる。また、この様な構成となっている放射線撮影装置においては、参照画像にモアレが写りこんでしまう蓋然性が高い。本発明によれば、参照画像に表れる縞模様に関係なく確実に欠損画素マップを生成することができる構成となっている。
また、請求項4に係る発明は、請求項2または請求項3に記載の放射線撮影装置において、検出器には、検出素子が第1方向、および第2方向に沿って2次元的に配列されており、検出素子から出力される信号を増幅するアンプを備え、第1方向に配列された検出素子から出力される信号は、同一のアンプに入力されることを特徴とするものである。
[作用・効果]この構成によれば、参照画像に表れた縞模様のパターンをより確実にパターン画像に再現することができる。すなわち、第1方向に配列された検出素子は、同一のアンプに入力される。アンプ同士で増幅特性の比較を行うと、それらは、ある程度バラツイている。したがって、第2方向に沿って離間した検出素子から出力される検出信号の各々は、異なるアンプによって増幅されるので、増幅信号にバラツキが見られる。しかし、第1方向に沿って離間した検出素子から出力される検出信号の各々は、同一のアンプによって増幅されるので、増幅信号の強度は安定している。上述の構成によれば、増幅信号が安定している方向と、縞模様のパターンが伸びる方向とが一致しているので、パターン画像の縞模様は、縞模様の伸びる方向にアンプの増幅ムラがない画素が並んだものとなる。この様にすることで、パターン画像の縞模様より均一なものとなる。これを参照画像に重ね合わせれば、ランダムに表れる欠損画素は、欠損画素マップの中で際立つことになる。
また、請求項5に係る発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の放射線撮影装置において、欠損画素を除去する画像処理は、参照画像に表れる縞模様の延伸方向を列方向とするN行×1列の行列を用いたメディアンフィルタであることを特徴とするものである。
[作用・効果]この構成によれば、参照画像に表れた縞模様のパターンをより確実にパターン画像に再現することができる。参照画像における縞模様は、第1方向に沿って伸びているので、第1方向に沿って離間した検出素子は、同様な画素値となっている。したがって、参照画像において、第1方向にN個だけ1列に並んだ配列画素の画素値は、似通っているはずである。しかし、時として、これとかけ離れた画素値を有する画素が配列画素に含まれることがある。これが欠損画素である。
上述の構成によれば、第1方向にN個、第2方向に1個の幅を有する短冊状の選択範囲Rを規定するN行×1列の行列を用いたメディアンフィルターによってパターン画像が生成される。メディアンフィルタは、中間値フィルタとも呼ばれ、行列が規定する短冊状の選択範囲Rにおいて、中間的な画素値を取得し、選択範囲Rの中央に位置する画素の画素値を中間的な画素値に置き換える。欠損画素は、参照画像において少数であり、その画素値も他の画素とかけ離れていることから、欠損画素の画素値は、メディアンフィルターによって中間的な画素値の認定を受けない。つまり、パターン画像を構成する画素値は、全て欠損画素以外の正常な画素に由来するのである。この様にして、参照画像に存していた欠損画素は、パターン画像から消去される。
また、請求項6に係る発明は、請求項5に記載の放射線撮影装置において、Nは、参照画像において行列の列が伸びる方向に欠損画素が連続している個数の2倍よりも大きいことを特徴とするものである。
[作用・効果]上述の構成によれば、フィルタ行列の行数は、欠損画素が連続している個数であるaの2倍である2aよりも大きい2a+1以上となっている。この様な構成となっていることで、たとえ、欠損画素が連続していることにより複数の欠損画素が選択範囲Rに存在したとしても、選択範囲Rの中で正常な画素は、過半数を占め続けることになる。したがって、欠損画素の画素値は、メディアンフィルターによって中間的な画素値の認定を受けない。これにより、欠損画素が写りこんでいないパターン画像を確実に取得することができるのである。
また、請求項7に係る発明は、請求項5または請求項6に記載の放射線撮影装置において、欠損画素を除去する画像処理は、同一のアンプに由来する画素値の中から中間値を取得することで行われることを特徴とするものである。
[作用・効果]上述の構成によれば、選択範囲Rに存している画素の画素値は、同一のアンプに由来している。したがって、選択範囲Rの画素の画素値は、より一層似通ったものとなるので、欠損画素と正常な画素との間の画素値の違いがより際立つことになる。
また、請求項8に係る発明は、欠損画素と縞模様のパターンと被写体とが写りこんだ元画像から偽像を除去する方法であって、縞模様のパターンと欠損画素とが表れた参照画像の欠損画素を除去する画像処理を施して縞模様のパターンが写りこんだパターン画像を生成するパターン画像生成ステップと、パターン画像を参照画像に重ね合わせることにより、参照画像に写りこんだ縞模様のパターンを除去して、欠損画素が写りこんだ欠損画素マップを生成する欠損画素マップ生成ステップと、欠損画素マップを参照して元画像に表れた欠損画素を補完することにより補完画像を生成する補完画像生成ステップと、補完画像に写りこんだ縞模様を除去するパターン除去ステップとを備えることを特徴とするものである。
[作用・効果]本発明によれば、縞模様のパターンが写りこんだパターン画像を生成するパターン画像生成ステップと、欠損画素が写りこんだ欠損画素マップを生成する欠損画素マップ生成ステップとを備えている。参照画像には、縞模様のパターンと、欠損画素の両方が写りこんでいる。本発明によれば、参照画像から欠損画素をいったん除去することでパターン画像を生成する。参照画像からこのパターン画像を減算すれば、参照画像から縞模様のパターンが消去される。この様にすることで画像のどこに欠損画素が生じるか的確に知ることができる。
また、請求項9に係る発明は、請求項8に記載の偽像の除去方法において、欠損画素を除去する画像処理は、参照画像に表れる縞模様の延伸方向を列方向とするN行×1列の行列を用いたメディアンフィルタであることを特徴とするものである。この構成の効果は上述の通りである。
また、請求項10に係る発明は、請求項9に記載の偽像の除去方法において、Nは、参照画像において列方向に欠損画素が連続している個数の2倍よりも大きいことを特徴とするものである。この構成の効果は上述の通りである。
本発明は、パターン画像が欠損画素マップよりも取得し易いことに着目してなされたものである。欠損画素は、参照画像においてランダムに表れるのに対し、縞模様のパターンは、規則性を持って参照画像に表れる。そこで、本発明は、取得しやすいパターン画像を参照画像から求めて、欠損画素マップを取得する構成となっている。つまり、本発明には、参照画像から縞模様のパターンが写りこんだパターン画像を生成するパターン画像生成手段と、パターン画像を基に欠損画素が写りこんだ欠損画素マップを生成する欠損画素マップ生成手段とを備えている。参照画像からこのパターン画像を減算すれば、参照画像から縞模様のパターンが消去される。この様にすることで画像のどこに欠損画素が生じるか的確に知ることができる。
実施例1に係るX線撮影装置の構成を説明する機能ブロック図である。 実施例1に係るFPDの構成を説明する模式図である。 実施例1に係るX線グリッドの構成を説明する模式図である。 実施例1に係るX線グリッドの構成を説明する斜視図である。 実施例1に係るX線撮影装置の各ステップについて説明するフローチャートである。 実施例1に係る参照画像を説明する模式図である。 実施例1に係るモアレ画像生成ステップを説明する模式図である。 実施例1に係るモアレ画像生成ステップを説明する模式図である。 実施例1に係るモアレ画像を説明する模式図である。 実施例1に係る欠損画素マップを説明する模式図である。 実施例1に係る元画像を説明する模式図である。 実施例1に係る補完画像を説明する模式図である。 実施例1に係る完成画像を説明する模式図である。 実施例1に係るモアレ画像生成ステップを説明する模式図である。 実施例1に係るモアレ画像生成ステップを説明する模式図である。 従来構成を説明する模式図である。 従来構成を説明する模式図である。
以下、本発明に係る放射線撮影装置の実施例ついて説明する。なお、実施例1におけるX線は、本発明の放射線の一例である。
<全体構成の説明>
まず、実施例1に係るX線撮影装置1の構成について説明する。図1は、実施例1に係るX線撮影装置の構成を説明する機能ブロック図である。図1に示すように、実施例1に係るX線撮影装置1には、被検体Mを載置する天板2と、その天板2の上部に設けられ、パルス状のX線ビームを照射するX線管3と、天板2の下部に設けられ、被検体Mを透過したX線を検出するフラット・パネル・ディテクタ(FPD)4と、FPD4に入射する散乱X線を除去するX線グリッド5とが設けられている。また、実施例1の構成は、X線管3の管電圧、管電流やX線ビームの照射時間を制御するX線管制御部6を備えている。そのうえ、実施例1の構成は、FPD4から出力された検出信号を受信し、被検体の透視像が写りこんだX線透視画像を生成する画像生成部11と、モアレ画像を生成するモアレ画像生成部12と、欠損画素マップを生成する欠損画素マップ生成部13と、欠損画素マップを基に元画像の欠損画素を補完する補完画像生成部14と、生成された補完画像に写りこんでいる縞模様を除去するモアレ除去部15とを備えている。モアレ画像は、本発明のパターン画像に相当し、X線管は、本発明の放射線源に相当する。また、FPDは、本発明の検出器に相当し、X線グリッドは、本発明の放射線グリッドに相当する。また、画像生成部は、本発明の画像生成手段に相当し、モアレ画像生成部は、本発明のパターン画像生成手段に相当する。また、補完画像生成部は、本発明の補完画像生成手段に相当し、モアレ除去部は、本発明のパターン除去手段に相当する。
さらにまた、X線撮影装置1は、X線管制御部6,画像生成部11,モアレ画像生成部12,欠損画素マップ生成部13,補完画像生成部14,およびモアレ除去部15を統括的に制御する主制御部22を備えている。この主制御部22は、CPUによって構成され、種々のプログラムを実行することにより、各部を実現している。また、上述の各部は、それらを担当する演算装置に分割されて実行されてもよい。
X線撮影装置1は、被検体の透視像が写りこんだ透視画像を表示する表示部24と、術者の操作を入力させる操作卓23とを備えている。
次に、実施例1に係るFPD4の構成について説明する。図2に示すように、検出素子D11〜D36が2次元的に配列されている第1領域Dと、検出素子E11〜E36が2次元的に配列されている第2領域Eとを有している。第1領域Dについて、図2における横方向に配列された検出素子D11〜D16の各々は、制御電極G1に接続されており、検出素子の行毎に制御電極G1〜G3が設けられている。アンプアレイ26は、横方向に配列されており、アンプアレイ26を構成するアンプA1〜A6は、その縦方向に同一な位置となっている検出素子の出力電極の各々に接続されている。例えば、アンプA1は、検出素子D11,D21,D31が有する出力電極に接続されている。すなわち、縦方向に配列された出力電極の各々は、電荷読み出し電極Q1に接続されており、この電荷読み出し電極Q1は、アンプA1に電気的に接続されている。なお、縦方向は、本発明の第1方向に、横方向は、本発明の第2方向に相当する。ゲートドライブ25は、トランジスタを制御する制御素子が縦方向に一列に配置されて構成される。
なお、第2領域Eは、第1領域Dと同等の構成となっている。すなわち、第2領域Eについて、図2における横方向に配列された検出素子E11〜E16の各々は、制御電極H1に接続されており、検出素子の行毎に制御電極H1〜H3が設けられている。アンプアレイ26は、横方向に配列されており、アンプアレイ26を構成するアンプB1〜B6は、その縦方向に同一な位置となっている検出素子の出力電極の各々に接続されている。例えば、アンプB1は、検出素子E11,E21,E31が有する出力電極に接続されている。
X線がFPD4に照射されると、検出素子D11〜E36に電荷が蓄積する。これを読み出してX線透視画像を生成する動作について説明する。まず、ゲートドライブ25は、制御電極G1をオンし、検出素子D11〜D16に蓄積された電荷は、一括に電荷見出し電極Q1〜Q6を通過して、アンプA1〜A6の各々に入力される。このアンプの出力である増幅データは、画像生成部12に送出される。検出素子D11〜D16に関する読み出しが完了すると、ゲートドライブ25は、制御電極G2をオンし、これに接続された検出素子の電荷を読み出す。この様にゲートドライブ25は、時間をずらして制御電極G1〜G3を次々とオンしていき、検出素子の電荷を行毎に読み出す。画像生成部12は、入力された増幅データを2次元的に配列して、参照画像p1や元画像p0を生成するのである。この様な動作は、第2領域Eにおいても同様である。
この様に、実施例1の第1領域Dにおける縦方向に配列された検出素子が出力する出力信号は、同一のアンプに入力される構成となっている。
また、ゲートドライブ25は、2つの制御電極を同時にオンする。すなわち、第1領域Dにおける制御電極G1をオンするのと同時に、第2領域Eにおける制御電極H1をオンする。この様に、FPD4の上半分と下半分の領域に分割されており、各領域に写りこんだX線透視画像を同時に読み出すことにより、ゲートドライブ25が全ての制御電極G,Hをオンし終えるまでの時間を約半分に短縮する構成となっている。
なお、図2において、便宜上、FPD4には、検出素子が6×6のマトリックス状に配列されている。実際のFPD4においては、検出素子が例えば、1,024×1,024のマトリックス状に配列されている。
X線グリッド5は、FPD4の有するX線検出面を覆うように設けられている。図3は、実施例1に係るX線グリッドの構成について説明する平面図である。図3に示すように、実施例1に係るX線グリッド5は、所定の第1方向(A方向:縦方向)に延伸した短冊状の吸収箔5aを備えている。この吸収箔5aは、第1方向に直交する第2方向(S方向:横方向)に配列しており、X線グリッド5全体で見れば、ブラインド状に配列される。そして、その配列ピッチは、例えば、500μmとなっている。なお、この吸収箔5aは、X線を吸収するモリブデン合金からなっている。なお、FPD4が天板2の直下にあるとき、第1方向は、被検体Mの体側方向Sに沿っており、第2方向は、被検体Mの体軸方向Aに沿っている。なお、X線グリッド5は、本発明の放射線グリッドに相当する。
X線グリッド5が間接X線を除去する様子を示す。直接X線dは、図4に示すように、直角に近い角度でX線検出手段の検出面に入射する。一方、間接X線sは、直接X線dから分岐して生じたものであり、その進行方向が変更されている。間接X線sは、FPD4に入射しようとする。このままでは、間接X線sが元画像p0に写りこんでしまうことになる。ところが、このような進行方向が変更された間接X線sは、S方向に伸びた吸収箔5aに入射して、そこで吸収される。したがって、実施例1に係るX線撮影装置1において、間接X線sは、進行方向に係らず、短冊状画像に写りこむことがない。
X線グリッド5は、FPD4の検出面に固着して設けられており、FPD4とX線グリッド5との相対位置は、常に一定となった構成となっている。
<動作説明>
この様な構成となっているX線撮影装置1の動作について説明する。図5は、実施例1に係るX線撮影装置の各ステップについて説明するフローチャートである。X線撮影装置1の動作は、図5に示すように、参照画像p1を取得する参照画像取得ステップS1と、参照画像p1の欠損画素を除去する画像処理を施してモアレ画像p2を生成するモアレ画像生成ステップS2と、モアレ画像p2を参照画像に重ね合わせる欠損画素マップ生成ステップS3と、被検体の透視像が写りこんだ元画像p0を取得する元画像取得ステップS4と、後述の欠損画素マップp3を参照して元画像p0に表れた欠損画素を補完する補完画像生成ステップS5と、後述の補完画像p4に写りこんだ縞模様を除去するモアレ除去ステップS6とを備えている。以降、各ステップを図面を参照して順に説明する。
<参照画像取得ステップS1>
まず、天板2に被検体を載置しない状態でX線をFPD4に向けて照射し、モアレと、欠損画素が写りこんだ参照画像p1を取得する。この参照画像p1の生成は、画像生成部11(図1参照)が行う。取得された参照画像p1には、図6に示すように、モアレの縞模様と、黒い四角で表す欠損画素とが写りこんでいる。モアレの縞模様は、縦方向に伸びるとともに、横方向に配列しており、縦方向は、本発明の第1方向に相当し、横方向は、本発明の第2方向に相当する。
<モアレ画像生成ステップS2>
次に、本発明において最も特徴的な過程であるモアレ画像生成ステップS2について説明する。実施例1の構成によれば、欠損画素の位置を表した欠損画素マップp3を取得する前に、まずモアレのみが写りこんだモアレ画像p2を取得する。この様子を、図7,図8を用いて説明する。まず、図7は、参照画像p1を拡大したものである。図中のaは、欠損画素であり、斜線部は、モアレの暗部領域である。
モアレ画像生成部12は、メディアンフィルタ(中間値フィルタ)を参照画像p1に施す。メディアンフィルタとは、フィルタ行列を利用した画像処理のことであり、詳細は、後述のものとする。モアレ画像生成部12は、参照画像p1を構成する画素の各々に対して同様の処理を繰返すことでモアレ画像p2を生成する。画素の各々に対する処理とは、フィルタ行列が規定する選択範囲Rを参照して、処理対象の画素の画素値を変更するというものである。
なお、モアレ画像生成部12は、参照画像p1を複製してから上述の処理を行う。参照画像p1のうちの1つは、画素値読み出し専用であり、もう1つは画素値変更専用である。
図7では、メディアンフィルタにより欠損画素a1について画素値の置換が行われている時点を示している。フィルタ行列は、1列×7行であり、フィルタ行列が規定する選択範囲Rは、処理対象の欠損画素a1を中心として、上方向、下方向に3個ずつの画素を含んでいる。具体的には、選択範囲Rは、フィルタ行列の列が伸びる方向に対応する参照画像p1における縦方向に連接した画素b6,b3,b1,a1,b2,b5,b4の7画素を含んでいる。この7画素は、全て画素値読み出し専用の参照画像p1に属していることになる。
次に、モアレ画像生成部12は、図8に示すように、7画素の画素値を読み出して、画素値の順に順番付けを行う。画素b1〜b6の画素値は、比較的似通った値であり、図8に示すように、各々の順番は、連番となっている。一方、画素a1は、順番の最上位または最下位となる(図8においては順番付けの最下位となっている)。画素a1の画素値は、画素b1〜b6の画素値とかけ離れているからである。モアレ画像生成部12は、並べ替え後、順番が4位だった(7画素のうち画素値が中間的だった)画素b4の画素値を読み出して、画素値変更専用の参照画像p1の画素値を画素b4のものに変更する。
このように、7画素のうち画素値が中間的だった画素は、画素a1の画素値が最上位、最下位のいずれになろうとも欠損画素ではないのであるから、画素値を変換することで、画素値変更専用の参照画像p1から欠損画素の画素値が排除されていく。
モアレ画像生成部12は、この様な処理を参照画像p1の全域について行って、画素値の変更が終了した画素値変更専用の参照画像p1がモアレ画像p2となる。このように、参照画像p1に存していた欠損画素の画素値は、モアレ画像p2に受継されず、モアレ画像p2には、欠損画素を含んでいない図9に示すようなものとなる。なお、モアレ画像p2には、モアレを確実に写しこんでいる。モアレの縞模様の延伸方向とフィルタ行列の列の延伸方向とを一致させているからである(図7参照)。モアレの明部に存する処理対象画素は、同じ明部に存する7画素のいずれかの画素値に代えられる。一方、モアレの暗部に存する処理対象画素は、同じ暗部に存する7画素のいずれかの画素値に代えられる。こうして、モアレ画像生成部12は、参照画像p1から欠損画素をモアレによる画素値の揺らぎに影響されずに確実に消去する。
ちなみに、欠損画素a1は、アンプAmに接続された検出素子に由来するものであるとすると、上述の7画素は、全て同一のアンプAmで増幅されている。したがって、図7における選択範囲Rには、アンプAm以外のアンプ(例えば、アンプB)に由来する画素は、1つも含まれていない。同様に、処理対象の画素がアンプBnに由来するものである場合、選択範囲Rに属する画素は、全てアンプBnに由来する。選択範囲Rが例えば、アンプAnに関係する領域にはみ出してしまう場合(この様な事象は、参照画像p1を上下に分断する帯状の中間領域で起こる。)、モアレ画像生成部12は、選択範囲Rを縦方向に移動して、はみ出した部分を選択範囲Rから除外する。この様に、同一アンプに由来するという縛りを加えて選択範囲Rを決定することで、アンプの増幅ムラの影響をモアレ画像p2に出現させないことができる。このように、参照画像p1に表れたモアレの縞模様は、モアレ画像p2に忠実に再現されるのである。
<欠損画素マップ生成ステップS3>
欠損画素マップ生成部13は、参照画像p1からモアレ画像p2を減算して欠損画素マップp3を生成する。参照画像p1には、モアレと欠損画素とが写りこんでおり、モアレ画像p2には、モアレの縞模様のみが写りこんでいる。したがって参照画像p1からモアレ画像p2を減算すれば、図10に示すような、欠損画素のみが写りこんだ欠損画素マップp3が生成されるのである。欠損画素マップp3は、参照画像p1における欠損画素の出現位置を表している。以上を以って、被検体MにX線を照射する直前までの動作が終了する。
<元画像取得ステップS4>
次に、被検体Mを天板2に載置し、術者は、X線撮影装置1に対しX線撮影の照射の実行を指示する。このとき画像生成部11が出力する元画像p0には、図11に示すように被検体の透視像と、モアレの縞模様と、欠損画素とが写りこんでいる。以降、元画像p0に写りこんだ偽像(モアレの縞模様と、欠損画素)を除去する過程が開始される。
<補完画像生成ステップS5>
まず、補完画像生成部14は、欠損画素マップp3を参照して元画像p0に写りこんだ欠損画素を補完して除去する。欠損画素マップp3は、元画像p0に表れる欠損画素の分布を示しているので、欠損画素マップp3に現れている欠損画素と同一位置の元画像p0の画素は、確実に欠損画素となっている。補完画像生成部14は、欠損画素マップp3に現れる欠損画素と同一位置となっている元画像p0の画素(元画像欠損画素とよぶ)を特定し、元画像欠損画素に隣接する隣接画素の画素値を読み取って、元画像欠損画素の画素値をこれに置き換える。このとき、隣接画素は、元画像p0に存している。なお、元画像p0には、モアレの縞模様が写りこんでいるのであるから、モアレの縞模様を乱さずして画素値の置き換えを行うには、隣接画素は、元画像欠損画素に縦方向に隣接していることが望ましい。
補完画像生成部14は、元画像p0上の欠損画素を全て補完して、図12に示すような元画像p0から欠損画素が除去された補完画像p4を生成する。
<モアレ除去ステップS6>
モアレ除去部15は、補完画像p4に表れているモアレの縞模様を除去する。具体的には、モアレ除去部15は、モアレ画像p2,または補完画像p4を周波数解析して、モアレの周波数を取得し、補完画像p4におけるモアレの周波数成分を除去する。こうして、補完画像p4はモアレが除去され、図13に示すような、被検体Mの透視像のみが写りこんだ完成画像p5が生成される。この完成画像p5が表示部24に表示され、実施例1に係るX線撮影装置1における動作は、終了となる。
次に、フィルタ行列の行数について説明する。フィルタ行列の行数は、選択範囲Rの長さを規定するものであり、言い換えれば、画素値の置換に際し、参照する画素の個数を示している。このフィルタ行列の行数は、縦方向(列が伸びる方向)に欠損画素が連続している個数の2倍よりも大きい。例えば、実施例1に係るFPD4に欠損画素が4個以上縦方向に連続した場合、FPD4が経年劣化したものとされ、新しいものに交換されることになっている。したがって、FPD4には欠損画素が縦方向に3連続している可能性があるが、4連続している可能性はない。
フィルタ行列の行数は、欠損画素の最大連続数である3の2倍である6よりも大きい7行となっている。この様な構成となっていることで、欠損画素が写りこんでいないモアレ画像p2を確実に取得することができるのである。図14に示すように、参照画像p1における欠損画素a1は、縦方向に3連続した欠損画素の塊に属しているものとし、モアレ画像生成部12は、現在、欠損画素a1の画素値の置換を実行しようとしているものとする。選択領域Rの7個の画素のうち、3個が欠損画素であるとともに、これよりも個数が多い4個が正常な画素となっている。フィルタ行列の行数が6よりも大きい7行となっているからである。4個の正常の画素は、画素値が似通っており、3個の欠損画素の画素値は、これら正常な画素の画素値とはかけ離れている。
7個の画素を画素値の順に順番づけると、図15のように、画素値が似通った4個の正常の画素b1〜b4の順位が連番となる。3個の欠損画素の順番は、上位側、または下位側となり、7個の画素のうちの中間値である4位を占めることができない。中間値は、正常な画素のうちの1つであるb4が選ばれる。
なお、説明の便宜上、フィルタ行列の行数は、7としたが、実際は、これよりも多い。例えば、行数を20程度にすることもできる。
以上のように、実施例1に係るX線撮影装置1は、参照画像p1からモアレの縞模様が写りこんだモアレ画像p2を生成するモアレ画像生成部12と、モアレ画像p2を基に欠損画素が写りこんだ欠損画素マップp3を生成する欠損画素マップ生成部13とを備えている。参照画像p1には、モアレの縞模様と、欠損画素の両方が写りこんでいる。実施例1によれば、参照画像p1から欠損画素をいったん除去することでモアレ画像p2を生成する。参照画像p1からこのモアレ画像p2を減算すれば、参照画像p1からモアレの縞模様が消去される。この様にすることで画像のどこに欠損画素が生じるか的確に知ることができる。
なお、実施例1は、モアレ画像p2が欠損画素マップp3よりも取得し易いことに着目してなされたものである。すなわち、欠損画素は、参照画像p1においてランダムに表れるのに対し、モアレの縞模様は、規則性を持って参照画像p1に表れる。そこで、実施例1は、参照画像p1から直ちに欠損画素マップp3を取得するのではなく、参照画像p1からモアレ画像p2を求めて、両画像を減算することで欠損画素マップp3を取得する構成となっているのである。
また、実施例1の構成によれば、参照画像p1に表れたモアレの縞模様をより確実にモアレ画像p2に再現することができる。すなわち、縦方向に配列された検出素子は、同一のアンプに入力される。アンプ同士で増幅特性の比較を行うと、それらは、ある程度バラツイている。したがって、横方向に沿って離間した検出素子から出力される検出信号の各々は、異なるアンプによって増幅されるので、増幅信号にバラツキが見られる。しかし、縦方向に沿って離間した検出素子から出力される検出信号の各々は、同一のアンプによって増幅されるので、増幅信号の強度は安定している。実施例1の構成によれば、増幅信号が安定している方向と、モアレの縞模様が伸びる方向とが一致しているので、モアレ画像p2の縞模様は、縞模様の伸びる方向にアンプの増幅ムラがない画素が並んだものとなる。この様にすることで、モアレ画像p2の縞模様より均一なものとなる。これを参照画像p1に重ね合わせれば、ランダムに表れる欠損画素は、欠損画素マップp3の中で際立つことになる。
また、実施例1の構成によれば、参照画像p1に表れたモアレの縞模様をより確実にモアレ画像p2に再現することができる。参照画像p1における縞模様は、縦方向に沿って伸びているので、縦方向に沿って離間した検出素子は、同様な画素値となっている。したがって、参照画像p1において、縦方向にN個だけ1列に並んだ配列画素の画素値は、似通っているはずである。しかし、時として、これとかけ離れた画素値を有する画素が配列画素に含まれることがある。これが欠損画素である。
実施例1の構成によれば、縦方向にN個、横方向に1個の幅を有する短冊状の選択範囲Rを規定するN行×1列の行列を用いたメディアンフィルターによってモアレ画像p2が生成される。メディアンフィルタは、行列が規定する短冊状の選択範囲Rにおいて、中間的な画素値を取得し、選択範囲Rの中央に位置する画素の画素値を中間的な画素値に置き換える。欠損画素は、参照画像p1において少数であり、その画素値も他の画素とかけ離れていることから、欠損画素の画素値は、メディアンフィルターによって中間的な画素値の認定を受けない。つまり、モアレ画像p2を構成する画素値は、全て欠損画素以外の正常な画素に由来するのである。この様にして、参照画像p1に存していた欠損画素は、モアレ画像p2から消去される。
また、実施例1の構成によれば、フィルタ行列の行数は、欠損画素が連続している個数である3の2倍である6よりも大きい7以上となっている。この様な構成となっていることで、たとえ、欠損画素が連続していることにより複数の欠損画素が選択範囲Rに存在したとしても、選択範囲Rの中で正常な画素は、過半数を占め続けることになる。したがって、欠損画素の画素値は、メディアンフィルターによって中間的な画素値の認定を確実に受けない。これにより、欠損画素が写りこんでいないモアレ画像p2を確実に取得することができるのである。
そして、実施例1の構成によれば、選択範囲Rに存している画素の画素値は、同一のアンプに由来している。したがって、選択範囲Rの画素の画素値は、より一層似通ったものとなるので、欠損画素と正常な画素との間の画素値の違いがより際立つことになる。
また、X線グリッド5とFPD4とを固着させることで、装置構成が単純なX線撮影装置1が提供できるとともに、X線グリッド5を装着し忘れる恐れがなくなる。また、この様な構成となっているX線撮影装置1においては、参照画像p1にモアレが写りこんでしまう蓋然性が高い。実施例1によれば、参照画像p1に表れる縞模様に関係なく確実に欠損画素マップp3を生成することができる構成となっている。
この発明は、上述の実施例の構成に限られず、下記のように変形実施が可能である。
(1)上述した実施例は、医用の装置であったが、本発明は、工業用や、原子力用の装置に適用することもできる。
(2)上述した実施例のいうX線は、本発明における放射線の一例である。したがって、本発明は、X線以外の放射線にも適応できる。
(3)上述した実施例においては、画像に写りこむ縞模様のパターンは、グリッドに由来するモアレであったが、本発明はこれに限られない。本発明は、これ以外の縞模様が画像に写りこんでしまう場合に適応できる。
p0 元画像
p1 参照画像
p2 モアレ画像(パターン画像)
p3 欠損画素マップ
p4 補完画像
3 X線管(放射線源)
4 FPD(検出器)
5 X線グリッド(放射線グリッド)
11 画像生成部(画像生成手段)
12 モアレ画像生成部(パターン画像生成手段)
13 欠損画素マップ生成部(欠損画素マップ生成手段)
14 補完画像生成部(補完画像生成手段)
15 モアレ除去部(パターン除去手段)
26 アンプアレイ

Claims (10)

  1. 放射線を照射する放射線源と、
    放射線を検出する検出素子が2次元的に配列された検出器と、
    前記検出器から出力された検出データを基に(A)第1方向に伸びた縞模様のパターンと欠損画素とが表れた参照画像、および(B)前記欠損画素と前記縞模様のパターンと被写体とを写りこんだ元画像を生成する画像生成手段と、
    前記参照画像に欠損画素を除去する画像処理を施して縞模様のパターンが写りこんだパターン画像を生成するパターン画像生成手段と、
    前記パターン画像を前記参照画像に重ね合わせることにより、前記参照画像に写りこんだ縞模様のパターンを除去して、前記欠損画素が写りこんだ欠損画素マップを生成する欠損画素マップ生成手段と、
    前記欠損画素マップを参照して前記元画像に表れた欠損画素を補完することにより補完画像を生成する補完画像生成手段と、
    前記補完画像に写りこんだ縞模様を除去するパターン除去手段とを備えることを特徴とする放射線撮影装置。
  2. 請求項1に記載の放射線撮影装置において、
    前記検出器の放射線を検出する検出面を覆うように設けられるとともに、前記第1方向に伸びた細長状の吸収箔が第2方向に沿って配列されている放射線グリッドを更に備え、
    前記縞模様のパターンは、前記放射線グリッドに由来することを特徴とする放射線撮影装置。
  3. 請求項2に記載の放射線撮影装置において、
    前記放射線グリッドは、前記検出器の検出面に固着されていることを特徴とする放射線撮影装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の放射線撮影装置において、
    前記検出器には、前記検出素子が前記第1方向、および前記第2方向に沿って2次元的に配列されており、前記検出素子から出力される信号を増幅するアンプを備え、
    前記第1方向に配列された検出素子から出力される信号は、同一のアンプに入力されることを特徴とする放射線撮影装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の放射線撮影装置において、
    前記欠損画素を除去する画像処理は、前記参照画像に表れる縞模様の延伸方向を列方向とするN行×1列の行列を用いたメディアンフィルタであることを特徴とする放射線撮影装置。
  6. 請求項5に記載の放射線撮影装置において、
    前記Nは、前記参照画像において前記行列の列が伸びる方向に欠損画素が連続している個数の2倍よりも大きいことを特徴とする放射線撮影装置。
  7. 請求項5または請求項6に記載の放射線撮影装置において、
    前記欠損画素を除去する画像処理は、同一のアンプに由来する画素値の中から中間値を取得することで行われることを特徴とする放射線撮影装置。
  8. 欠損画素と縞模様のパターンと被写体とが写りこんだ元画像から偽像を除去する方法であって、
    縞模様のパターンと欠損画素とが表れた参照画像の欠損画素を除去する画像処理を施して縞模様のパターンが写りこんだパターン画像を生成するパターン画像生成ステップと、
    前記パターン画像を参照画像に重ね合わせることにより、参照画像に写りこんだ縞模様のパターンを除去して、欠損画素が写りこんだ欠損画素マップを生成する欠損画素マップ生成ステップと、
    欠損画素マップを参照して元画像に表れた欠損画素を補完することにより補完画像を生成する補完画像生成ステップと、
    前記補完画像に写りこんだ縞模様を除去するパターン除去ステップとを備えることを特徴とする偽像の除去方法。
  9. 請求項8に記載の偽像の除去方法において、
    前記欠損画素を除去する画像処理は、前記参照画像に表れる縞模様の延伸方向を列方向とするN行×1列の行列を用いたメディアンフィルタであることを特徴とする偽像の除去方法。
  10. 請求項9に記載の偽像の除去方法において、
    前記Nは、前記参照画像において前記列方向に欠損画素が連続している個数の2倍よりも大きいことを特徴とする偽像の除去方法。
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