JP5404075B2 - 電動機の制御装置 - Google Patents

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本発明は、回転軸の周囲に同心円状に設けられた第1回転子及び第2回転子と、第1回転子及び第2回転子の周方向の相対変位角を変更する位相変更機構とを有する永久磁石界磁型の電動機を備える車両の牽引時に、当該電動機の相対変位角を変更する電動機の制御装置に関する。
特許文献1に記載の電動機は、回転軸の周囲に周方向に沿って配置された内周側永久磁石を有する内周側回転子と、内周側回転子と同軸上に配置され、内周側回転子の外側に周方向に沿って配置された外周側永久磁石を有する外周側回転子と、内周側回転子と外周側回転子の周方向の相対変位角を変更可能な回動機構とを備える。なお、回動機構は、非圧縮性流体である作動油(作動液)の油圧(流体圧)によって、内周側回転子と外周側回転子との間の相対的な位相を変更する。回動機構への油圧の制御はアクチュエータを含む油圧制御装置が行う。
回動機構は、油圧制御装置による油圧制御に応じて、電動機が界磁強め状態又は界磁弱め状態となるよう内周側回転子と外周側回転子の相対変位角を変更する。界磁強め状態では、内周側回転子及び外周側回転子の対向する各永久磁石の磁化方向は同じである。一方、界磁弱め状態では、内周側回転子及び外周側回転子の対向する各永久磁石の磁化方向は逆である。界磁強め状態の電動機は、最大トルク出力が可能である。
特開2008−167513号公報
上記説明した電動機は、内燃機関及び/又は電動機の駆動力によって走行するHEV(Hybrid Electrical Vehicle:ハイブリッド電気自動車)や電動機の駆動力によって走行するEV(Electric Vehicle:電気自動車)に、走行駆動源として搭載され得る。上記説明した電動機を走行駆動源として搭載した車両では、電動機の相対変位角を変更することによって出力トルクを調整可能である。
この電動機によって駆動される車輪が接地した状態で上記車両が他の車両によって牽引されるとき、電動機の内周側回転子及び外周側回転子は、固定子に対し車輪の回転に合わせて回転する。このとき、電動機には引き摺りトルクが発生する。したがって、このような電動機を備えた車両を牽引するためには、当該電動機に発生する引き摺りトルクを超える駆動力が牽引する側の車両に要求される。なお、引き摺りトルクは、電動機が界磁強め状態であれば大きく、界磁弱め状態であれば小さい。このため、当該電動機を備えた車両を牽引するときには、電動機が界磁弱め状態であることが望ましい。
また、車両が牽引されることにより、電動機の内周側回転子及び外周側回転子が固定子に対して回転すると、当該電動機は発電機として機能する。電動機で発生した電力は蓄電器に供給される。しかし、蓄電器がほぼ満充電に近い状態のときに電動機で発生した電力が蓄電器に供給され続けると、蓄電器が過充電状態となる場合がある。過充電状態は蓄電器の性能劣化を早める要因となるため好ましくない。したがって、車両の牽引時に電動機で発生する電力は小さい方が望ましい。車両の牽引時に電動機で発生する発電量は、電動機が界磁強め状態であれば大きく、界磁弱め状態であれば小さい。このため、当該電動機を備えた車両を牽引するときには、電動機が界磁弱め状態であることが望ましい。
本発明の目的は、2重回転子を有する電動機を走行駆動源として備える車両が牽引されるとき、当該電動機を界磁弱め状態に設定可能な電動機の制御装置を提供することである。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の発明の電動機の制御装置は、回転軸(例えば、実施の形態での回転軸12)の周囲に同心円状に設けられた第1回転子及び第2回転子(例えば、実施の形態での外周側回転子21及び内周側回転子22)と、前記第1回転子及び前記第2回転子の周方向の相対変位角(例えば、実施の形態でのロータ位相差)を変更する位相変更機構(例えば、実施の形態での回動機構30,30′)と、を有し、車両の駆動軸又は駆動輪に直接連結された永久磁石界磁型の電動機(例えば、実施の形態での電動機10)の制御装置であって、前記位相変更機構を駆動する位相変更機構駆動部(例えば、実施の形態での油圧制御部150及び蓄圧器155、並びに、アクチュエータ125)と、前記車両が被牽引状態か否かを判断する被牽引状態判断部(例えば、実施の形態での被牽引状態判断部129)と、前記被牽引状態判断部によって前記車両が被牽引状態であると判断されたとき、前記相対変位角を前記第1回転子及び前記第2回転子による合成磁束が最も弱められる角度とする指令を前記位相変更機構駆動部に行う位相指令部(例えば、実施の形態での指令値決定部121)と、を備えたことを特徴としている。
さらに、請求項2に記載の発明の電動機の制御装置では、前記位相変更機構駆動部は、前記位相変更機構を駆動する電動圧力調整部(例えば、実施の形態での油圧制御部150)と、当該電動圧力調整部よりも小さな消費電力で前記位相変更機構を駆動する蓄圧器(例えば、実施の形態での蓄圧器155)と、を含み、当該制御装置は、前記電動圧力調整部に電力を供給する蓄電器(例えば、実施の形態での蓄電器137)の残容量を導出する残容量導出部(例えば、実施の形態での指令値決定部121)と、前記蓄圧器の蓄圧力を検出する蓄圧力検出部(例えば、実施の形態での蓄圧力センサ)と、を備え、前記被牽引状態判断部によって前記車両が被牽引状態であると判断されたとき、前記位相指令部は、前記蓄電器の残容量が第1の所定値より大きく、かつ、前記蓄圧器の蓄圧力が所定値より大きい場合は、前記電動圧力調整部に前記指令を行い、前記蓄圧器の蓄圧力が前記所定値以下、かつ、前記蓄電器の残容量が前記第1の所定値よりも大きな値の第2の所定値より大きい場合は、前記蓄圧器に前記指令を行うことを特徴としている。
請求項1〜に記載の発明の電動機の制御装置によれば、電動機によって駆動される車輪が接地した状態での牽引時に電動機で発生する引き摺りトルクは最小限に抑えられる。その結果、牽引する側の車両の負荷を低減できる。また、電動機によって駆動される車輪が接地した状態での牽引時に電動機で発生する電力の発電量も最小限に抑えられる。その結果、蓄電器の性能劣化を早める過充電状態を避けることができる。
請求項2に記載の発明の電動機の制御装置によれば、蓄電器の残容量が低くても位相変更機構を駆動できる。
電動機の断面図であり、図2のA−A線矢視断面図に相当する図 図1に示す回転子ユニットを軸方向から見た図 図2に示す回転子ユニットの分解斜視図 図2に示す内周側回転子の分解斜視図 回転子ユニットの強め界磁位相の状態を説明するための要部拡大図 回転子ユニットの弱め界磁位相の状態を説明するための要部拡大図 図2に示すB−B線矢視断面図 誘起電圧定数Keに応じて変化する電動機の回転数及びトルクに応じた運転可能領域を示す図 プラネタリタイプの回動機構を備えた電動機の内部構成を示す図 本発明に係る一実施形態の電動機の制御装置を示すブロック図 電流制御部106の内部構成を示すブロック図 被牽引状態判断部129が行う処理を示すフローチャート (a)θ≦−α1及び(b)θ>−α1のときの車両の各傾斜状況を示す図 (a)θ≧+α2及び(b)θ<+α2のときの車両の各傾斜状況を示す図 車両が被牽引状態と判断した後に被牽引状態判断部129が行う処理を示すフローチャート 電動機10が界磁弱め状態となるよう指令値決定部121が指令値Ke_cを出力する際の処理を示すフローチャート 図10に示した電動機の制御装置が搭載され得る車両の内部構成例を示す図 図10に示した電動機の制御装置が搭載され得る車両の内部構成例を示す図
以下説明する実施形態で用いられる電動機は、例えばハイブリッド電気自動車(HEV)や電気自動車(EV)の車両の走行駆動源として使用される。当該電動機は、クラッチを介さずに車両の駆動軸又は駆動輪に直接連結されている。
本実施形態の電動機10は、図1〜図4に示すように、円環状の固定子11の内周側に回転子ユニット20が配置されるインナロータ型のブラシレスDCモータである。固定子11は複数相の固定子巻線11aを有し、回転子ユニット20は軸芯部に回転軸12を有している。この電動機10を車両の走行駆動源として用いる場合、電動機10の回転力は車輪の駆動軸(図示せず)に伝達される。この場合、電動機10を車両の減速時に発電機として機能させれば、発電電力を回生エネルギとして蓄電器に回収することができる。
回転子ユニット20は、円環状の外周側回転子21と、この外周側回転子21の内側に同軸上に配置される円環状の内周側回転子22と、を備え、外周側回転子21と内周側回転子22が設定角度の範囲で相対回動可能とされている。例えば、外周側回転子21と内周側回転子22の相対回転角度は、少なくとも電気角で180度の範囲で進角側又は遅角側に変更される。なお、以下の説明では、外周側回転子21と内周側回転子22の周方向の相対変位角を「ロータ位相差」という。
外周側回転子21と内周側回転子22は、回転子本体である円環状のヨーク23,24が、例えば、複数の電磁鋼板を回転軸12に沿う方向に積層してなる積層鋼板によって形成される。各ヨーク23,24には、軸方向に貫通するように形成される複数の磁石装着スロット23a,24aが周方向に所定間隔(本実施形態では22.5°)で配置される。
各磁石装着スロット23a,24aには、厚み方向に磁化された平板状の外周側永久磁石25Aと内周側永久磁石25Bがそれぞれ装着される。そして、本実施形態では、図5に示すように、外周側永久磁石25Aは、着磁方向(厚み方向)が周方向に向くように配置され、内周側永久磁石25Bは、着磁方向(厚み方向)が径方向に向くように配置される。従って、隣接する外周側永久磁石25A,25Aと内周側永久磁石25Bとが略コの字状に配置される。
また、外周側永久磁石25Aと内周側永久磁石25Bは同数(本実施形態では8極対)設けられており、図5に示すように、外周側回転子21上において周方向に隣接する外周側永久磁石25Aの磁極の向きは逆に設定され、内周側回転子22上において周方向に隣接する内周側永久磁石25Bの磁極の向きも逆に設定される。
そして、図5に示すように、隣接する外周側永久磁石25Aの対向N極(またはS極)間に、内周側永久磁石25Bの同極つまりN極(またはS極)が対峙するように、外周側回転子21と内周側回転子22のロータ位相差を調整したときに、外周側回転子21及び内周側回転子22の各磁束が強め合って、回転子ユニット20全体の界磁(合成磁束)が最も強められる「強め位相」の状態(界磁強め状態)となる。また、図6に示すように、隣接する外周側永久磁石25Aの対向N極(またはS極)間に、内周側永久磁石25Bの異極つまりS極(またはN極)が対峙するように、外周側回転子21と内周側回転子22のロータ位相差を調整したときに、外周側回転子21及び内周側回転子22の各磁束が弱め合って、回転子ユニット20全体の界磁(合成磁束)が最も弱められる「弱め位相」の状態(界磁弱め状態)となる。
また、回転子ユニット20は、外周側回転子21と内周側回転子22を相対回動させるための回動機構30を備える。この回動機構30は、外周側回転子21と内周側回転子22の相対変位角を任意に変更するための位相変更機構13を構成するものであり、非圧縮性の作動流体である作動油(作動液)の油圧(流体圧)によって駆動される。回動機構30への油圧の制御は、回動機構30に対して作動油を給排するアクチュエータを含む油圧制御装置(図示せず)が行う。
回動機構30は、図1〜図3に示すように、回転軸12の外周に一体回転可能にスプライン嵌合されるベーンロータ31と、ベーンロータ31の外周側に相対回動可能に配置される環状ハウジング32と、を備える。
ベーンロータ31は、図1に示すように、環状ハウジング32及び内周側回転子22の軸方向両端面を跨ぐ円板状の一対の第1ドライブプレート14A,14B、及び環状ハウジング32の軸方向両端部の開口を閉塞する円板状の一対の第2ドライブプレート15A,15Bを介して外周側回転子21に連結される。従って、外周側回転子21、第1ドライブプレート14A,14B、第2ドライブプレート15A,15B、ベーンロータ31、及び回転軸12が一体化されるので、外周側回転子21の駆動力が第1ドライブプレート14A,14B及びベーンロータ31を介して回転軸12に伝達される。
なお、図中の符号16は、第1ドライブプレート14A,14B、第2ドライブプレート15A,15B、及びベーンロータ31を一体的に連結するボルトで、符号26は、外周側回転子21と第1ドライブプレート14Aとの間に介装されるロストモーション用の皿バネで、符号27は、第1ドライブプレート14A,14B、第2ドライブプレート15A,15B、及びベーンロータ31の位置決めを行う位置決めピンである。
環状ハウジング32は、図1及び図4に示すように、その外周面に、内周側回転子22と、内周側回転子22を軸方向に挟むように配置され、磁石装着スロット24aから内周側永久磁石25Bが抜け出ることを防止する一対の端面板33,33と、環状ハウジング32の軸方向端部に形成される鍔部32aとの間に内周側回転子22及び一対の端面板33,33を挟み込むカラー34と、が一体的に嵌合固定される。従って、環状ハウジング32及び内周側回転子22が一体化される。
また、ベーンロータ31は、回転軸12にスプライン嵌合される円筒状のボス部35の外周に、径方向外側に突出する複数のベーン36が周方向等間隔で設けられる。環状ハウジング32は、内周面に周方向等間隔に複数の凹部37が設けられ、これら各凹部37にベーンロータ31の対応するベーン36が収容配置される。各凹部37は、ベーン36の先端部の回転軌道にほぼ合致する円弧面を有する底壁38と、隣接する凹部37同士を画成する仕切壁39と、によって構成され、ベーンロータ31と環状ハウジング32の相対回動時に、ベーン36が一方の仕切壁39と他方の仕切壁39の間を移動する。
また、各ベーン36の先端部には、底壁38と軸方向に沿うように摺接するシール40aと、シール40aを底壁38に向けて押圧するスプリング40bと、によって構成されるシール部材40が設けられており、このシール部材40は、ベーン36と底壁38との間を液密にシールする。また、各仕切壁39の先端部には、ボス部35の外周面と軸方向に沿うように摺接するシール41aと、シール41aをボス部35の外周面に向けて押圧するスプリング41bと、によって構成されるシール部材41が設けられており、このシール部材41は、仕切壁39とボス部35の外周面との間を液密にシールする。
第2ドライブプレート15A、15Bは、環状ハウジング32の軸方向端面に摺動自在に密接し、環状ハウジング32の各凹部37の側方をそれぞれ閉塞する。従って、環状ハウジング32の各凹部37は、ベーンロータ31のボス部35と両側の第2ドライブプレート15A,15Bと共にそれぞれ独立した空間を形成し、この空間は、作動油が導入される導入空間となっている。各導入空間内は、ベーンロータ31の対応する各ベーン36によってそれぞれ2室に隔成され、一方の室が進角側作動室42とされ、他方の室が遅角側作動室43とされている。
進角側作動室42は、内部に導入された作動油の圧力によって内周側回転子22を外周側回転子21に対して進角方向に相対回動させ、遅角側作動室43は、内部に導入された作動油の圧力によって内周側回転子22を外周側回転子21に対して遅角方向に相対回動させる。この場合、「進角」とは、内周側回転子22を外周側回転子21に対して図2中の矢印Rで示す電動機10の主回転方向に進めることを言い、「遅角」とは、内周側回転子22を外周側回転子21に対して電動機10の主回転方向Rと逆側に進めることを言うものとする。
また、各進角側作動室42と遅角側作動室43に対する作動油の給排は回転軸12を通して行われるようになっている。具体的には、進角側作動室42は、回転軸12に形成される通路孔44aと、回転軸12の外周面に形成され、通路孔44aと接続される環状溝44bと、ベーンロータ31のボス部35に略径方向に形成される複数の導通孔44cと、を介してアクチュエータを含む油圧制御装置に接続される。また、遅角側作動室43は、回転軸12に形成される通路孔45aと、回転軸12の外周面に形成され、通路孔45aと接続される環状溝45bと、ベーンロータ31のボス部35に略径方向に形成される複数の導通孔45cと、を介して油圧制御装置に接続される。
本実施形態では、外周側回転子21と第1ドライブプレート14A,14Bとの連結は、図1〜図3及び図5に示すように、外周側回転子21のヨーク23の外周側永久磁石25A間のうちの均等間隔(本実施形態では180°間隔、図2の12時及び6時方向)に位置する2箇所の外周側永久磁石25A間の周方向中央部にそれぞれ形成される長穴形状の第1貫通穴51と、この2箇所の第1貫通穴51にそれぞれ挿通され、その両端部が第1ドライブプレート14A,14Bの内側面に形成されるピン保持穴17に挿入又は圧入される円筒形状のトルク伝達ピン61と、によって行われる。
また、本実施形態では、第1貫通穴51は、径方向の幅B1がトルク伝達ピン61の直径Dより大きく、周方向の幅B2がトルク伝達ピン61の直径Dと略同一に設定される。このため、トルク伝達ピン61と第1貫通穴51とが周方向に接触するので、外周側回転子21の駆動力が第1ドライブプレート14A,14Bに伝達され、また、トルク伝達ピン61と第1貫通穴51との間に径方向のクリアランスが形成されるので、遠心力でヨーク23が変形したとしても、トルク伝達ピン61に変形荷重が作用することはない。
また、本実施形態では、外周側回転子21のヨーク23の外周側永久磁石25A間のうちの均等間隔(本実施形態では180°間隔、図2の3時及び9時方向)に位置する2箇所の外周側永久磁石25A間の周方向中央部に円形状の第2貫通穴52が形成され、この第2貫通穴52に円筒形状の剥離防止ピン62が圧入される。このため、ヨーク23を構成する積層鋼板が軸方向に一体的に固定されるので、ヨーク23の積層鋼板の剥離が防止されると共に、ヨーク23の一端側の上下左右方向の位置が規制されれば、外周側回転子21の軸心が確保される。さらに、トルク伝達ピン61及び剥離防止ピン62は、交互に周方向に均等(90°間隔で)に配置される。
また、本実施形態では、図2に示すように、剥離防止ピン62の内径は、剥離防止ピン62の内径側の面積と第1貫通穴51の面積が同等となるように設定される。このため、遠心力によりヨーク23に作用する応力が周方向に均等化される。
また、本実施形態では、図7に示すように、第1ドライブプレート14Aの内側面にヨーク23の内径と同一径を有する段部18が形成されており、この段部18にヨーク23が外嵌される。このため、第1ドライブプレート14Aの段部18により外周側回転子21の上下左右方向の位置が規制され、外周側回転子21が第1ドライブプレート14Aと同一軸心に配置されるので、外周側回転子21の軸心が確保されると共に、外周側回転子21が内周側回転子22と同軸上に配置される。
さらに、第1ドライブプレート14A,14Bの内側面には、剥離防止ピン62との間に所定のクリアランスを設ける凹部19が形成される。このため、第1ドライブプレート14A,14Bと剥離防止ピン62とは径方向・周方向ともに接触することはない。
また、本実施形態では、図1及び図5に示すように、外周側回転子21のヨーク23の外周側永久磁石25A間のうちのトルク伝達ピン61及び剥離防止ピン62が配置される以外の外周側永久磁石25A間の周方向中央部には、上記第1貫通穴51がそれぞれ形成される。このため、遠心力によりヨーク23に作用する応力が周方向に均等化される。
このように構成された電動機10では、界磁特性を変更する場合、油圧制御装置による作動油の給排により、進角側作動室42と遅角側作動室43の一方に作動油を供給すると共に他方から作動油を排出する。そして、こうして作動油の給排が制御されると、ベーンロータ31と環状ハウジング32が相対的に回動し、それにともなって外周側回転子21と内周側回転子22の相対位相が操作される。
外周側回転子21と内周側回転子22のロータ位相差が操作されると、図5に示す強め位相の状態(界磁強め状態)と、図6に示す弱め位相の状態(界磁弱め状態)の間で、固定子11に及ぼす磁界の強さが変化する。磁界の強さが変化すると、それに伴って誘起電圧定数が変化し、その結果、電動機10の特性が変更される。即ち、図8に示すように、強め界磁によって誘起電圧定数Keが大きくなると、電動機10として運転可能な許容回転速度は低下するものの、出力可能な最大トルクは増大し、逆に、弱め界磁によって誘起電圧定数Keが小さくなると、電動機10として出力可能な最大トルクは減少するものの、運転可能な許容回転速度は上昇する。
上記説明した回動機構30は、ベーンタイプの位相変更機構であるが、以下説明するプラネタリタイプの位相変更機構であっても良い。図9は、プラネタリタイプの回動機構を備えた電動機の内部構成を示す図である。図9に示す回動機構30′は、内周側回転子22の内周側の中空部に配置されたシングルピニオン型の遊星歯車機構であり、外周側回転子21と同軸且つ一体に形成された第1リングギアR1、内周側回転子22と同軸且つ一体に形成された第2リングギアR2、第1リングギアR1と噛合する第1プラネタリギア71、第2リングギアR2に噛合する第2プラネタリギア72、第1プラネタリギア71及び第2プラネタリギア72と噛合するアイドルギアであるサンギアS、第1プラネタリギア71を回転自在に支持すると共に回転軸12に回転可能に軸支された第1プラネタリキャリアC1、及び第2プラネタリギア72を回転自在に支持すると共に固定子11に固定された第2プラネタリキャリアC2を備える。
第1リングギアR1及び第2リングギアR2は略同等のギア形状であり、第1プラネタリギア71及び第2プラネタリギア72も略同等のギア形状である。また、サンギアSの回転軸73は電動機10の回転軸12と同軸に配置されると共に、軸受け74により回転可能に軸支されている。このため、第1プラネタリギア71及び第2プラネタリギア72がサンギアSと噛合し、外周側回転子21と内周側回転子22が同期して回転する。さらに、第1プラネタリキャリアC1の回転軸75は、電動機10の回転軸12と同軸に配置されると共にアクチュエータに接続されており、第2プラネタリキャリアC2は固定子11に固定されている。
アクチュエータは、制御装置の位相差制御系から入力される制御信号に応じて、油圧により第1プラネタリキャリアC1を正転方向又は逆転方向に回転させ、或いは回転軸2回りの第1プラネタリキャリアC1の回転を規制する。アクチュエータによって第1プラネタリキャリアC1が回転すると、外周側回転子21と内周側回転子22間のロータ位相差が変化する。
<電動機10の制御装置>
図10は、本発明に係る一実施形態の電動機の制御装置を示すブロック図である。図10に示すように、本実施形態の電動機の制御装置は、レゾルバ101と、回転数算出部103と、電流指令算出部105と、電流制御部106と、上記説明したアクチュエータ125と、アクチュエータ125を駆動する油圧制御部150と、蓄圧器(アキュムレータ)155と、切替部157と、ロータ位相差検出部117と、Ke算出部119と、位相差制御系に含まれる指令値決定部121及びロータ位相差制御部123と、各種センサ127と、被牽引状態判断部129とを備える。なお、電動機10は車両の駆動軸(図示せず)又は駆動輪(図示せず)に直接連結されている。また、電流制御部106には蓄電器137が接続されている。
レゾルバ101は、電動機10の外周側回転子12の機械角度を検出し、検出した機械角度に応じた電気角度θmを出力する。レゾルバ101から出力された電気角度θmは、電流制御部106及び回転数算出部103に送られる。回転数算出部103は、レゾルバ101から入力された電気角度θmから、外周側回転子12の角速度ω及び外周側回転子12の単位時間当たりの回転数Nmを算出する。回転数算出部103によって算出された回転数Nmは、電流指令算出部105及び指令値決定部121に送られる。
電流指令算出部105は、トルク指令値Tと、回転数算出部103によって算出された電動機10の回転数Nmと、Ke算出部119によって算出された誘起電圧定数Keとに基づいて、d軸側の電機子(以下「d軸電機子」という。)に流す電流(以下「d軸電流」という。)の指令値Id_c及びq軸側の電機子(以下「q軸電機子」という。)に流す電流(以下「q軸電流」という。)の指令値Iq_cを決定する。d軸電流の指令値Id_c及びq軸電流の指令値Iq_cは電流制御部106に入力される。
図11は、電流制御部106の内部構成を示すブロック図である。図11に示すように、電流制御部106は、バンドパスフィルタ(BPF)107と、3相−dp変換部109と、電流FB制御部111と、rθ変換部113と、インバータ(INV)115と、界磁制御部141と、電力制御部143とを有する。蓄電器137は、電流制御部106のインバータ115に接続されている。
3相−dq変換部109は、電流センサ131,133により検出されBPF107により不要成分が除去された電流検出信号Iu,Iwと、レゾルバ101によって検出された外周側回転子21の電気角度θmとに基づいて3相−dq変換を行って、d軸電流の検出値Id_s及びq軸電流の検出値Iq_sを算出する。
電流FB制御部111は、d軸電流の指令値Id_cと検出値Id_sの偏差ΔId及びq軸電流の指令値Iq_cと検出値Iq_sの偏差ΔIqが減少するよう、d軸電機子の端子間電圧(以下「d軸電圧」という。)の指令値Vd_c及びq軸電機子の端子間電圧(以下「q軸電圧」という。)の指令値Vq_cを決定する。なお、偏差ΔIdは、界磁制御部141によって制御される。また、偏差ΔIqは、電力制御部143によって制御される。
rθ変換部113は、d軸電圧の指令値Vd_c及びq軸電圧の指令値Vq_cを大きさV1と角度θの成分に変換する。インバータ115は、大きさV1と角度θの成分に基づいてPWM信号を生成して、蓄電器137からの直流電流をPWM制御により3相(U,V,W)の交流電圧に変換する。
ロータ位相差検出部117は、実際のロータ位相差θsを検出する。ロータ位相差検出部117によって検出されたロータ位相差θsは、Ke算出部119及び被牽引状態判断部129に送られる。上述したように、ロータ位相差に応じて界磁の磁束が変化すると、電動機10の誘起電圧定数Keも変化する。したがって、Ke算出部119は、ロータ位相差検出部117によって検出された実際のロータ位相差θsから誘起電圧定位数Keを算出する。
指令値決定部121は、トルク指令値Tと、回転数算出部103によって算出された電動機10の回転数Nmと、外部から入力された蓄電器137のバッテリ電圧Vdcとに基づいて、誘起電圧定数の指令値Ke_cを決定する。なお、指令値決定部121は、被牽引状態判断部129から車両が被牽引状態であることを示す信号が入力されたとき、誘起電圧定数Keが最も小さくなるよう指令値Ke_cを決定する。また、指令値決定部121には、蓄圧器155が有する蓄圧力Pを示す信号が入力される。なお、当該信号は、蓄圧器155の蓄圧力Pを検出する図示しない蓄圧力センサから出力される。
ロータ位相差制御部123は、指令値決定部121から出力された誘起電圧定数の指令値Ke_cとKe算出部119によって算出された誘起電圧定数Keの偏差ΔKeが減少するよう制御信号を出力し、油圧制御部150又は蓄圧器155を制御する。なお、アクチュエータ125によってロータ位相差が変わると界磁の磁束が変化するため、電動機10の誘起電圧定数Keも変化する。
油圧制御部150は、アクチュエータ125に供給する作動油の量を調整するオイルポンプ151と、オイルポンプ151を駆動するモータ153とを有する。モータ153には、ロータ位相差制御部123から出力される制御信号が送られる。モータ153は、蓄電器137からの電力供給によって駆動する。
蓄圧器155は、蓄電器137の残容量がモータ153の駆動のために十分でないとき、油圧制御部150の代わりにアクチュエータ125を駆動する。なお、蓄電器137によるアクチュエータ125の駆動に要する電力は、油圧制御部150によるアクチュエータ125の駆動に要する電力よりも小さい。切替部157は、指令値決定部121からの指示に応じて、アクチュエータ125の駆動を油圧制御部150及び蓄電器137のいずれか一方が行うよう設定する。
各種センサ127には、駆動輪の回転速度(NW)を検出する車輪速センサと、車両の傾斜角度(θ)を検出する傾斜センサと、トランスミッションのシフトポジション(SP)を検出するシフトポジションセンサとが含まれる。各センサで得られた情報(NW,θ,SP)は被牽引状態判断部129に送られる。
被牽引状態判断部129は、図12のフローチャートによって示される処理を行うことによって、車両が被牽引状態か否かを判断する。図12は、被牽引状態判断部129が行う処理を示すフローチャートである。図12に示すように、被牽引状態判断部129は、シフトポジションセンサから得られた情報(SP)がニュートラル(N)であるかを判断し(ステップS101)、当該情報がニュートラルの場合はステップS103に進み、ニュートラルでない場合はステップS121に進む。ステップS121では、被牽引状態判断部129は、車両が被牽引状態ではないと判断する。
ステップS103では、被牽引状態判断部129は、トルク指令値Tが0か否かを判断し、T=0の場合はステップS105に進み、T≠0の場合はステップS121に進む。ステップS105では、被牽引状態判断部129は、車輪速センサから得られた駆動輪の回転速度(NW)が0か否かを判断し、NW=0の場合はステップS107に進み、NW≠0の場合はステップS121に進む。
ステップS107では、被牽引状態判断部129は、駆動輪の回転速度(NW)が正値か否かを判断し、正値の場合はステップS109に進み、正値ではない場合はステップS111に進む。なお、車両が前向きに走行又は牽引されているときの駆動輪の回転速度(NW)は正値である。
ステップS109では、被牽引状態判断部129は、傾斜センサから得られた車両の傾斜角度(θ)と所定のしきい値(−α1)を比較し、図13(a)に示すようにθ≦−α1であればステップS113に進み、図13(b)に示すようにθ>−α1であればステップS115に進む。図13は、(a)θ≦−α1及び(b)θ>−α1のときの車両の各傾斜状況を示す図である。
一方、ステップS111では、被牽引状態判断部129は、傾斜センサから得られた車両の傾斜角度(θ)と所定のしきい値(+α2)を比較し、図14(a)に示すようにθ≧+α2であればステップS113に進み、図14(b)に示すようにθ<+α2であればステップS115に進む。図14は、(a)θ≧+α2及び(b)θ<+α2のときの車両の各傾斜状況を示す図である。
なお、被牽引状態判断部129は、上記ステップS107〜S111の処理を行うことによって、車両の進行方向に対して路面が所定勾配率以上の下り坂か否かの判断を行っている。
ステップS113では、被牽引状態判断部129は、駆動輪の回転速度(NW)を微分して算出される回転角加速度NAと所定のしきい値(β)を比較し、NA>βであればステップS115に進み、NA≦βであればステップS117に進む。また、ステップS115では、被牽引状態判断部129は、車両が被牽引状態であると判断し、被牽引状態のフラグを立てる。ステップS117では、被牽引状態判断部129は、ステップS101〜S113で判断された状態の継続時間tを計測し、継続時間tとしきい値(t0)を比較する。t>t0であればステップS115に進み(被牽引状態であると判断)、t≦t0であればステップS121に進む(被牽引状態ではないと判断)。
被牽引状態判断部129は、ステップS115で車両が被牽引状態であると判断した後、図15のフローチャートによって示される処理を行う。図15は、車両が被牽引状態であると判断した後に被牽引状態判断部129が行う処理を示すフローチャートである。図15に示すように、被牽引状態判断部129は、被牽引状態のフラグの状態に基づいて、車両が被牽引状態であるか否かを判断し(ステップS201)、被牽引状態であればステップS203に進み、被牽引状態でなければ処理を終了する。
ステップS203では、被牽引状態判断部129は、シフトポジションセンサから得られた情報(SP)がニュートラル(N)であるかを判断し、当該情報がニュートラルの場合はステップS205に進み、ニュートラルでない場合はステップS207に進む。ステップS205では、被牽引状態判断部129は、トルク指令値Tが0か否かを判断し、T=0の場合はステップS209に進み、T≠0の場合はステップS207に進む。
ステップS207では、被牽引状態判断部129は、ステップS115で行った判断を取り消して、被牽引状態のフラグを降ろす。一方、ステップS209では、被牽引状態判断部129は、ステップS115で行った判断を維持し、被牽引状態のフラグを立てたままにする。
指令値決定部121は、上述したように、被牽引状態判断部129から車両が被牽引状態であることを示す信号が入力されると、誘起電圧定数Keが最も小さくなるよう指令値Ke_cを決定する。このとき指令値決定部121から出力される指令値Ke_cによって、電動機10は、外周側回転子21及び内周側回転子22による合成磁束が最も弱められた界磁弱め状態となる。
図16は、電動機10が界磁弱め状態となるよう指令値決定部121が指令値Ke_cを出力する際の処理を示すフローチャートである。図16に示すように、指令値決定部121は、ロータ位相差検出部117が検出した実際のロータ位相差θsに基づいて、電動機10が界磁弱め状態か否かを判断し(ステップS301)、界磁弱め状態であれば処理を終了し、界磁弱め状態でなければステップS303に進む。ステップS303では、指令値決定部121は、被牽引状態のフラグの状態に基づいて、車両が被牽引状態であるか否かを判断し、被牽引状態であればステップS305に進み、被牽引状態でなければ処理を終了する。
ステップS305では、指令値決定部121は、外部から入力された蓄電器137のバッテリ電圧Vdcから蓄電器137の残容量SOCを算出し、残容量SOCと第1しきい値(γ1)を比較する。なお、第1しきい値γ1は、蓄電器137からの電力供給によって蓄圧器155が正常に駆動可能な値である。SOC>γ1であればステップS307に進み、SOC≦γ1であれば処理を終了する。
ステップS307では、指令値決定部121は、外部から入力された信号が示す蓄圧器155の蓄圧力Pとしきい値(P0)を比較する。なお、しきい値P0は、蓄圧器155がアクチュエータ125を正常に駆動可能な値である。蓄圧力P>P0であればステップS309に進み、蓄圧力P≦P0であればステップS311に進む。ステップS309では、指令値決定部121は、アクチュエータ125の駆動を蓄圧器155が行うよう切替部157を設定する。
ステップS311では、指令値決定部121は、残容量SOCと第2しきい値(γ2)を比較する。なお、第2しきい値γ2は、第1しきい値γ1よりも大きな値であって(γ2>γ1)、蓄電器137からの電力供給によって油圧制御部150のモータ153がオイルポンプ151を正常に駆動可能な値である。SOC>γ2であればステップS313に進み、SOC≦γ2であれば処理を終了する。ステップS313では、指令値決定部121は、アクチュエータ125の駆動を油圧制御部150が行うよう切替部157を設定する。
ステップS309又はS313を行った後、指令値決定部121は、電動機10が界磁弱め状態となるよう指令値決定部121が指令値Ke_cを出力する(ステップS315)。すなわち、指令値決定部121は、電動機10の外周側回転子21及び内周側回転子22の合成磁束が最も弱められるロータ位相差となるよう、弱め界磁制御を行う。指令値決定部121は、ロータ位相差検出部117が検出した実際のロータ位相差θsに基づいて、電動機10が界磁弱め状態か否かを判断し(ステップS317)、界磁弱め状態であればステップS315に進み、界磁弱め状態でなければステップS315に戻る。ステップS319では、指令値決定部121は、指令値Ke_cの出力を停止する。
以上説明したように、本実施形態では、駆動軸又は駆動輪に電動機10が直接連結された車両が被牽引状態のとき、電動機10が界磁弱め状態となるよう弱め界磁制御が行われる。このため、電動機10によって駆動される車輪が接地した状態での牽引時に電動機10で発生する引き摺りトルクは最小限に抑えられる。その結果、牽引する側の車両の負荷を低減できる。また、本実施形態による電動機10の制御によれば、電動機10によって駆動される車輪が接地した状態での牽引時に電動機10で発生する電力の発電量も最小限に抑えられる。その結果、蓄電器137の性能劣化を早める過充電状態を避けることができる。
また、本実施形態では、蓄電器137の残容量が油圧制御部150のモータ153の駆動のために十分でないときは、モータ153よりも消費電力が小さい蓄圧器155によってアクチュエータ125が駆動される。したがって、本実施形態の電動機10の制御装置は、蓄電器137の残容量が低くても弱め界磁制御を実行できる。
また、本実施形態では、車両が被牽引状態であるか否かを判断する際、図12中のステップS107〜S111に示したように、被牽引状態判断部129は、駆動輪の回転速度の符号及び車両の傾斜角度に基づいて、車両の進行方向に対して路面が所定勾配率以上の下り坂か否かの判断を行う。したがって、本実施形態の電動機10の制御装置は、車両が被牽引状態であるかを確実に判断することができる。
なお、上記説明した電動機10は、上述したように、ハイブリッド電気自動車(HEV)や電気自動車(EV)の車両の走行駆動源として使用され、クラッチを介さずに当該車両の駆動軸又は駆動輪に直接連結されている。図17及び図18は、本実施形態の電動機10の制御装置が搭載され得る車両の内部構成例を示す図である。
10 電動機
11 固定子
12 回転軸
13 位相変更機構
14A 第1ドライブプレート
14B 第1ドライブプレート
20 回転子ユニット
21 外周側回転子
22 内周側回転子
23 ヨーク
24 ヨーク
25A 外周側永久磁石
25B 内周側永久磁石
30,30′ 回動機構
31 ベーンロータ
32 環状ハウジング
51 第1貫通穴
52 第2貫通穴
53 第3貫通穴
61 トルク伝達ピン
62 剥離防止ピン
B1 第1貫通穴の径方向の幅
B2 第1貫通穴の周方向の幅
B3 第3貫通穴の周方向の幅
D トルク伝達ピンの直径
R1 第1リングギア
R2 第2リングギア
71 第1プラネタリギア
72 第2プラネタリギア
73,75 回転軸
74 軸受け
S サンギア
C1 第1プラネタリキャリア
C2 第2プラネタリキャリア
101 レゾルバ
103 回転数算出部
105 電流指令算出部
106 電流制御部
107 バンドパスフィルタ(BPF)
109 3相−dp変換部
111 電流FB制御部
113 rθ変換部
115 インバータ(INV)
117 ロータ位相差検出部
119 Ke算出部
121 指令値決定部
123 ロータ位相差制御部
127 各種センサ
129 被牽引状態判断部
125 アクチュエータ
137 蓄電器
141 界磁制御部
143 電力制御部
150 油圧制御部
151 オイルポンプ
153 モータ
155 蓄圧器(アキュムレータ)
157 切替部

Claims (2)

  1. 回転軸の周囲に同心円状に設けられた第1回転子及び第2回転子と、前記第1回転子及び前記第2回転子の周方向の相対変位角を変更する位相変更機構と、を有し、車両の駆動軸又は駆動輪に直接連結された永久磁石界磁型の電動機の制御装置であって、
    前記位相変更機構を駆動する位相変更機構駆動部と、
    前記車両が被牽引状態か否かを判断する被牽引状態判断部と、
    前記被牽引状態判断部によって前記車両が被牽引状態であると判断されたとき、前記相対変位角を前記第1回転子及び前記第2回転子による合成磁束が最も弱められる角度とする指令を前記位相変更機構駆動部に行う位相指令部と、
    を備えたことを特徴とする電動機の制御装置。
  2. 請求項1に記載の電動機の制御装置であって、
    前記位相変更機構駆動部は、前記位相変更機構を駆動する電動圧力調整部と、当該電動圧力調整部よりも小さな消費電力で前記位相変更機構を駆動する蓄圧器と、を含み、
    当該制御装置は、前記電動圧力調整部に電力を供給する蓄電器の残容量を導出する残容量導出部と、前記蓄圧器の蓄圧力を検出する蓄圧力検出部と、を備え、
    前記被牽引状態判断部によって前記車両が被牽引状態であると判断されたとき、前記位相指令部は、前記蓄電器の残容量が第1の所定値より大きく、かつ、前記蓄圧器の蓄圧力が所定値より大きい場合は、前記電動圧力調整部に前記指令を行い、前記蓄圧器の蓄圧力が前記所定値以下、かつ、前記蓄電器の残容量が前記第1の所定値よりも大きな値の第2の所定値より大きい場合は、前記蓄圧器に前記指令を行うことを特徴とする電動機の制御装置。
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