JP5402154B2 - 電動機 - Google Patents

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Description

本発明は、ロータに永久磁石を配置した電動機に関する。
電動機としての磁石埋込型モータ(IPMモータ)は、巻線が巻装されたステータと、ステータの内側に配置されたロータとから構成される。IPMモータのロータは、例えば、積層板により形成されたロータコアに磁石挿入孔を設け、その磁石挿入孔に永久磁石を挿入して固定されている。ロータコアと永久磁石は、これらの位置関係によりIPMモータにおける磁気特性が影響されるため、実用状態で永久磁石の変位などが生じないように確実に固定される必要性がある。
例えば、特開2005−269804号公報(特許文献1)には、磁石挿入孔に注入した接着剤を硬化させることにより永久磁石を固定する方法が開示されている。また、特開2006−074887号公報(特許文献2)には、磁石挿入孔に段差部を設けることにより永久磁石の位置を固定する方法が開示されている。その他、特開2000−175388号公報(特許文献3)には、磁石挿入孔に設けたバネ挿入用溝に固定用バネを挿入し、永久磁石を磁石挿入孔のロータにおける径方向外側の内面に付勢して固定する方法が開示されている。
特開2005−269804号公報 特開2006−074887号公報 特開2000−175388号公報
しかし、接着剤や段差部により永久磁石を固定する方法では、ロータコアと永久磁石に熱膨張率の差があるため、実用状態における発熱により固定部の剥離や変位が生じるおそれがあった。また、接着剤による固定方法では、組み付け時に接着剤を硬化させる工程が必要となり、製造作業が複雑になるおそれがある。
ここで、IPMモータの実用状態では、ロータの回転に伴い永久磁石からロータコアに遠心力が作用する。この時、磁石挿入孔のロータにおける径方向外側に位置するロータコアの外周縁部において、ロータにおける径方向厚みの薄い部分に応力が集中することが懸念される。しかし、固定用バネによる固定方法では、永久磁石を遠心力と同方向に付勢しているため、ロータコアの薄肉部にかかる荷重がさらに大きくなる。これにより、ロータコアの径方向厚みを十分に確保する必要があるため、ロータコアの大型化や漏れ磁束の増加による磁気特性の低下を招くおそれがあった。
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、ステータとロータを備える電動機において、組み付けの簡易化を図るとともに、ロータコアの小型化および磁気特性を向上させることが可能な電動機を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の特徴は、
ステータと、前記ステータに対して回転自在に設けられるロータと、を備える電動機であって、
前記ロータは、
前記ロータの周方向に所定ピッチで複数の磁石挿入孔が形成されたロータコアと、
複数の前記磁石挿入孔にそれぞれ挿入される磁石と、
それぞれの前記磁石の前記ロータにおける径方向内側の面を前記磁石挿入孔の前記ロータにおける径方向内側の内面に押圧するように、前記磁石を前記ロータコアに対して少なくとも前記ロータの径方向内方に付勢する第一の弾性部材と、
を有し、
前記ロータコアは、
前記磁石挿入孔の少なくとも前記ロータにおける径方向内側の内面を形成し、前記第一の弾性部材を支持する支持部が形成されたロータコア本体と、
前記磁石の前記ロータにおける径方向外側に位置し、前記磁石挿入孔の前記ロータにおける径方向外側の内面の一部を形成する厚肉部と、
前記ロータコア本体と前記厚肉部とを連結することにより前記ロータコア本体および前記厚肉部と共に前記磁石挿入孔を形成し、前記ロータの径方向厚みを前記厚肉部よりも薄肉に形成されたブリッジと、
を有し、
前記第一の弾性部材は、前記磁石の前記ロータにおける周方向端面と前記磁石挿入孔の前記ロータにおける周方向内面との間に配置され、前記磁石を前記ロータコアに対して前記ロータの径方向内方に付勢して当該磁石が前記厚肉部および前記ブリッジと空隙により隔てられる状態とすることである。
請求項2に係る発明の特徴は、請求項1において、
前記ロータは、前記磁石の前記ロータにおける周方向の両端に当該磁石を挟み込むように配置される一対の前記第一の弾性部材を有し、
一対の前記第一の弾性部材は、前記磁石を前記ロータコアに対して前記ロータの径方向内方および周方向に付勢することである。
請求項3に係る発明の特徴は、請求項1または2において、
前記磁石の前記ロータにおける周方向端面は、凹状または凸状の係合部を有し、
前記第一の弾性部材は、V字状に形成され、前記V字状の頂点部が前記磁石の前記ロータにおける周方向端面側を向くように配置され、前記V字状の足部が前記磁石挿入孔の周方向内面側を向くように配置されるV字状ばねを有し、
前記V字状ばねの前記頂点部は、前記係合部に対して前記ロータの径方向内方および周方向に係合し、
前記V字状ばねの前記足部は、前記支持部において前記磁石挿入孔の前記ロータにおける径方向外側の内面の一部を形成する径方向座面と当接することである。

請求項4に係る発明の特徴は、請求項1〜3の何れか一項において、
前記ブリッジの径方向厚みは、前記支持部の径方向厚みよりも薄肉に形成されていることである。
請求項5に係る発明の特徴は、請求項1〜4の何れか一項において、
前記ロータは、前記ロータコアの軸方向両端に設けられたエンドプレートと前記ロータコアとの間に介在し、前記ロータコアに対する前記磁石の前記ロータにおける軸方向移動を規制する第二の弾性部材をさらに有することである。
請求項1に係る発明によると、ロータコアの磁石挿入孔に挿入された磁石は、第一の弾性部材により磁石挿入孔に押圧される構成となっている。これにより、ロータコアおよび磁石が発熱した場合に、両部材の熱膨張の差を吸収することができる。よって、従来の接着による両部材の接着部における剥離や変位などを防止することができる。さらに、接着剤が不要となるため、接着剤を硬化させる工程を省くことができ、接着剤による固定方法と比較して組み付けを簡易化することができる。
また、ロータコア本体は第一の弾性部材を支持する支持部が形成される構成となっている。これにより、ロータコアは、磁石から遠心力などの力を加えられる第一の弾性部材をロータコア本体の支持部で支持することができる。つまり、第一の弾性部材は、押圧された磁石から受ける反作用と、ロータの回転に伴い磁石から作用する遠心力をロータコア本体の支持部に伝達している。この時、第一の弾性部材は、ロータコアの厚肉部およびブリッジを介さずに、遠心力などの力を支持部に伝達しているため、厚肉部およびブリッジにはこれらの力が作用しない。よって、ロータコア本体と厚肉部とを連結し、薄肉に形成されたブリッジへの応力集中を防止することができる。従って、IPMモータの耐久性を向上させることができる。さらに、ブリッジのロータにおける径方向厚みを従来と比較して小さくすることができる。よって、磁石をロータコアの径方向のより外側に配置し、ステータと磁石を近接させることができる。また、ブリッジの薄肉化は、ブリッジにおける漏れ磁束を低減させることができる。従って、これらにより、磁気特性を向上させることができるので、IPMモータとしての性能を向上させることができる。
請求項2に係る発明によると、第一の弾性部材は、磁石をロータコアに対してロータの径方向内方および周方向に付勢する構成となっている。これにより、第一の弾性部材は、ロータコアおよび磁石の熱膨張の差を吸収するとともに、磁石を確実にロータコアに対して固定することができる。
請求項3に係る発明によると、第一の弾性部材は、V字状ばねを有する構成となっている。このV字状ばねの頂点部は、磁石の凹状または凸状の係合部に対してロータの径方向内方および周方向に係合する。さらに、V字状ばねの径方向外側の足部は、支持部の径方向座面と当接する構成となっている。V字状ばねは、全体形状としての外形がV字状に形成されたばね部材である。そして、このV字状ばねにより、比較的容易に磁石をロータの径方向内方および周方向に付勢することができる。よって、V字状ばねは、ロータコアおよび磁石の熱膨張の差を吸収するとともに、磁石を確実にロータコアに対して固定することができる。さらに、V字状ばねに作用する遠心力をブリッジのロータにおける周方向外側に位置する支持部に伝達することができる。従って、ブリッジへの応力集中を防止し、IPMモータの耐久性を向上させることができる。
請求項4に係る発明によると、ブリッジのロータにおける径方向厚みは、支持部のロータにおける径方向厚みよりも薄肉に形成される構成となっている。このように、ブリッジのさらなる薄肉化を図ることより、磁石によって磁極となるロータコアの厚肉部からブリッジを介して漏れる磁束を低減することができる。よって、磁気特性を向上させることができるので、IPMモータとしての性能を向上させることができる。
請求項5に係る発明によると、ロータは、ロータコアとエンドプレートの間に第二の弾性部材を介装する構成となっている。この第二の弾性部材は、ロータコアに対して磁石がロータの軸方向に移動することを規制することができる。これにより、ロータコアと磁石をより確実に固定することができる。
第一実施形態:IPMモータ1の回転軸方向から見た部分平面図である。 図1の一部を示す拡大図である。 図1のA−A断面図である。 第一実施形態の変形態様:IPMモータ1の回転軸方向から見た平面図の一部を示す拡大図である。 第二実施形態:IPMモータ101の回転軸方向から見た部分平面図である。
以下、本発明の電動機を具体化した実施形態について図面を参照しつつ説明する。また、本発明における電動機は、永久磁石埋込型モータ(以下、「IPM(Interior Permanent Magnet)モータ」と称する)として説明する。
<第一実施形態>
第一実施形態のIPMモータ1について、図1〜図3を参照して説明する。図1は、第一実施形態のIPMモータ1の回転軸方向から見た部分平面図である。図2は、図1の一部を示す拡大図である。図3は、図1のA−A断面図である。
IPMモータ1は、ステータ2と、ロータ3とを備える。ステータ2は、周方向に所定ピッチで複数のティース11が形成されたステータコア10を有する。ステータコア10は、電磁鋼板を回転軸方向に積層して形成されている。ステータ2は、各ティース11に巻装された巻線(図示しない)に電流を流すことにより、ステータ2の内部に磁界を形成している。
ロータ3は、ロータコア20と、永久磁石30(本発明の「磁石」に相当する)と、V字状ばね40(本発明の「第一の弾性部材」に相当する)と、エンドプレート50を有する。ロータ3は、ステータ2の内側にエアギャップを介在させ、ステータ2に対して回転自在に設けられている。ロータ3は、ステータ2の巻線に電流が流されることにより磁極となったステータコア10のティース11から磁力を受けて、図示しない回転軸の軸心を中心に回転する。これにより、IPMモータ1は、所定のトルクを回転軸から出力する。
ロータコア20は、電磁鋼板を回転軸方向に積層して形成されている。ロータコア20は、磁石挿入孔21と、ロータコア本体22と、厚肉部23と、ブリッジ24を有する。磁石挿入孔21は、ロータコア20においてロータ3の周方向に所定ピッチで軸方向に複数貫設されている。ロータコア本体22は、磁石挿入孔21のロータ3における径方向内側の内周部および、隣り合う磁石挿入孔21間において前記内周部の外側からロータコア20の周面の一部を構成する周端部からなる。つまり、ロータコア本体22は、磁石挿入孔21のロータ3における径方向内側の内面である磁極内面21aを形成している。
このロータコア本体22には、後述するV字状ばね40の足部42aを支持する支持部22aが形成されている。支持部22aは、ロータコア20において、ブリッジ24よりもロータ3の周方向外側に位置している。支持部22aは、支持部22aの径方向座面22bにおいてV字状ばね40と当接し、ロータ3の回転に伴い永久磁石30からV字状ばね40に作用する遠心力を支持する。つまり、支持部22aは、磁石挿入孔21の磁極内面21aのうちV字状ばね40と当接している径方向座面22bを有し、径方向座面22bからロータコア20の外周面までを構成するロータコア本体22の一部位である。
厚肉部23は、ロータコア20において、磁石挿入孔21に挿入された永久磁石30のロータ3における径方向外側に位置し、磁石挿入孔21のロータ3における径方向外側の内面である磁極内面21bを形成する部位である。厚肉部23は、磁石挿入孔21に永久磁石30が挿入されることにより磁極となる。また、磁石挿入孔21の磁極内面21aは、永久磁石30を挿入された状態において、永久磁石30のロータ3における径方向内側の面である磁極面32aと当接している。一方、磁石挿入孔21の磁極内面21bは、本実施形態において、永久磁石30のロータ3における径方向外側の面である磁極面32bと僅かな空隙により隔てられている。また、磁石挿入孔21のロータ3における周方向内面21cは、永久磁石30のロータ3における周方向端面と対向し、磁極内面21aと磁極内面21bとを連結している。
ブリッジ24は、ロータコア本体22と厚肉部23とを連結することによりロータコア本体22および厚肉部23と共に磁石挿入孔21を形成する部位である。そして、このブリッジ24は、ロータ3の径方向厚みを厚肉部23よりも薄肉に形成されている。また、本実施形態において、ブリッジ24は、図2に示すように、ロータ3の径方向に薄肉化された薄肉部24aが形成されている。また、薄肉部24aのロータ3における径方向厚みw1は、ロータコア本体22の支持部22aからロータコア本体22の外周面である支持部22aのロータ3における径方向厚みw2よりも小さい。このブリッジ24の薄肉部24aは、漏れ磁束を低減させるフラックスバリアとして機能するものである。ここで、漏れ磁束とは、磁石挿入孔21に挿入された永久磁石30による磁束のうち、隣の磁石挿入孔21に挿入された永久磁石30による磁束の一部と短絡する磁束である。漏れ磁束は、ロータ3の回転駆動に寄与しないため、漏れ磁束を低減させることにより磁気特性の向上を図ることができる。本実施形態において、薄肉部24aは、ロータコア20の周方向外側に向かって先細に形成されている。薄肉部24aの形状は、ロータコア20の直径や永久磁石30磁束密度による磁気回路を考慮して適宜設定される。
上述したように、ロータコア20の外周周縁は、厚肉部23、ブリッジ24、およびロータコア本体22の周端部により構成される。厚肉部23は、図2に示すように、永久磁石30のロータ3における径方向外側に位置し、両側のブリッジ24に挟まれる範囲r1において、ロータコア20の外周面を形成している。ブリッジ24は、ロータコア本体22と厚肉部23とを連結している範囲r2において、ロータコア20の外周面を形成している。ロータコア本体22の周端部は、隣り合う磁石挿入孔21の間の範囲r3において、ロータコア20の外周面を形成している。
永久磁石30は、平板形状に形成され、厚み方向に磁化されている磁石である。永久磁石30は、ロータコア20の磁石挿入孔21に、隣の磁石挿入孔21に挿入される永久磁石30に対して極性が反転するように挿入される。また、永久磁石30におけるロータコア20の周方向端面、すなわち永久磁石30の幅方向の両端面には、後述するV字状ばね40と係合する凸状の係合部31が形成されている。係合部31の一部は、図2に示すように、V字状ばね40の頂点部41の外形を倣うように、円弧凹状に形成されている。永久磁石30がV字状ばね40と係合することにより、永久磁石30におけるロータコア20のロータ3における径方向内側の面、すなわち永久磁石30の厚み方向の磁極面32aは、磁石挿入孔21の磁極内面21aに押圧される。さらに、永久磁石30は、V字状ばね40により永久磁石30の幅方向の両端面側から挟み込まれている。
V字状ばね40は、断面形状をV字状に形成されたばね部材であり、円弧状の頂点部41と、V字の開口部を形成する2つの足部42a,42bと有する。また、V字状ばね40は、金属板をプレス加工などの曲げ加工により形成され、永久磁石30の長手方向(ロータ3の軸方向)の長さとほぼ同じ長さとなっている。また、V字状ばね40は、磁石挿入孔21の周方向内面21cと、永久磁石30の幅方向の両端面に形成された係合部31の間に配置される。この時、V字状ばね40は、V字状ばね40の頂点部41を永久磁石30のロータ3における周方向端面側、つまり永久磁石30の幅方向端面側に向けて配置される。また、V字状ばね40は、V字状ばね40の足部42a,42bを磁石挿入孔21の周方向内面21c側に向けて配置される。さらに、V字状ばね40の頂点部41は、永久磁石30の係合部31に対して、ロータ3の径方向内方および周方向に係合する。また、V字状ばね40の径方向外側の足部42aは、上述したように、ロータコア20の支持部22aの径方向座面22bに当接している。V字状ばね40の径方向内側の足部42bは、磁石挿入孔21の周方向内面21cに当接している。これにより、V字状ばね40は、永久磁石30をロータ3の径方向内方および周方向に付勢している。
エンドプレート50は、図3に示すように、ロータコア20の軸方向両端において、複数の磁石挿入孔21を塞ぐように取り付けられる板状部材である。また、エンドプレート50とロータコア20の間には、ゴム板51(本発明の「第二の弾性部材」に相当する)が介装されている。ゴム板51は、その弾性によりロータコア20の軸方向長さおよび永久磁石30の長手方向の長さの差を吸収し、ロータコア20に対する永久磁石30の軸方向移動を規制する。
ここで、本実施形態において、上述した構成からなるIPMモータ1の作用効果について説明する。IPMモータ1の実用状態では、まず、ステータ2の巻線に電流を流すことにより、ステータ2の内部に磁界が形成される。そして、ロータ3は、ステータ2の磁界と、ロータ3に収容された複数の永久磁石30との間の磁気力によりトルクを発生し、ステータ2に対して一定方向に回転駆動する。この時、永久磁石30をロータ3の径方向内方に付勢しているV字状ばね40は、ロータ3の回転に伴い永久磁石30に加わる遠心力を支持している。従来のロータにおいて、ロータコアに収容された永久磁石に加わる遠心力は、磁石挿入孔のロータにおける径方向外側に位置する周縁の厚肉部で支持されていた。これに対して、本実施形態のV字状ばね40は、永久磁石30に加わる遠心力をロータコア本体22の支持部22aに伝達している。さらに、V字状ばね40は、永久磁石30をロータ3の径方向内方に付勢することにより永久磁石30から受ける反作用も同様に、ロータコア本体22の支持部22aに伝達している。
この時、ロータコア本体22の支持部22aは、ブリッジ24よりもロータコア20の周方向外側に形成されている。これにより、永久磁石30によりV字状ばね40に加わる遠心力および反作用は、磁石挿入孔21のロータ3における径方向外側に位置する厚肉部23およびブリッジ24に作用しない。よって、ロータ3における径方向厚みを厚肉部23よりも薄肉に形成されたブリッジ24への応力集中を防止することができる。従って、IPMモータ1の耐久性を向上させることができる。これにより、ブリッジ24のロータ3における径方向厚みを従来と比較してさらに薄肉化することができる。よって、永久磁石30をロータコア20の径方向のより外側に配置し、ステータ2と永久磁石30を近接させることができる。また、ブリッジ24の薄肉化は、ブリッジ24における漏れ磁束を低減させることができる。従って、これらにより、磁気特性を向上させることが可能となり、IPMモータ1の性能を向上させることができる。
また、V字状ばね40はロータ3の径方向および周方向に弾性を有している。これにより、ロータ3の回転駆動によりロータコア20および永久磁石30が発熱した場合に、両部材間に生じる熱膨張の差を吸収することができる。よって、熱変動が起きる実用状態において、永久磁石30を確実にロータコア20に対してより確実に固定することができる。さらに、従来の固定方法にあった接着剤が不要となるため、接着剤を硬化させる工程を省くことができ、従来と比較して組み付けを簡易化することができる。
上述したように、本発明によりロータコア20のブリッジ24への応力集中を防止できるので、ブリッジ24のロータ3における径方向の薄肉化が可能となる。そこで、ブリッジ24に薄肉部24aを形成し、ブリッジ24のさらなる薄肉化を図ることができる。薄肉部24aは、ロータコア20の直径や永久磁石30磁束密度による磁気回路を考慮し、適宜設計されるものである。本実施形態において、ロータコア20の径方向外側に向かって先細となるように形成されている。また、この薄肉部24aにおいて、ロータ3の径方向に最も薄肉となる径方向厚みw1は、支持部22aのロータ3における径方向厚みw2よりも小さくなるように形成するとよい。これにより、ブリッジ24は、薄肉部24aを漏れ磁束を低減させるフラックスバリアとして機能させることができる。よって、永久磁石30により磁極となるロータコア20の厚肉部23からブリッジ24を介して、隣の永久磁石30による磁束の一部と短絡する漏れる磁束を低減させることができる。従って、磁気特性を向上させ、IPMモータ1の性能を向上させることができる。
また、ロータ3は、ロータコア20とエンドプレート50の間に弾性部材であるゴム板51を介装している。本実施形態において、永久磁石30は、ロータコア20の軸方向長さよりも僅かに短く形成されている。これは、ロータコア20の軸方向両端にエンドプレート50が組み付け可能となるようにするためである。そして、ゴム板51は、その弾性によりロータコア20の軸方向長さおよび永久磁石30の長手方向の長さの差を吸収している。これにより、ロータコア20に対して永久磁石30がロータ3の軸方向に移動することを規制することができる。これにより、ロータコア20と永久磁石30をより確実に固定することができる。また、本実施形態では、永久磁石30は、ロータコア20の軸方向長さよりも僅かに短く形成するものとした。これに対して、永久磁石30は、ゴム板51を有する構成において、ロータコア20の軸方向長さよりも長く形成するものとしてもよい。このような場合でも同様の効果を奏する。
<第一実施形態の変形態様>
第一実施形態の変形態様について、図4を参照して説明する。図4は、IPMモータ1の回転軸方向から見た平面図の一部を示す拡大図である。本実施形態では、永久磁石30の幅方向の両側面には、凸状の係合部31が形成されている。これに対して、図4に示すように、永久磁石30の幅方向の両側面に、凹状の係合部31’を形成してもよい。凹状の係合部31’は、V字状ばね40の頂点部41の外形に倣うように円弧凹状に形成されている。このような構成により、永久磁石30とV字状ばね40の当接面積が増加させることができるので、永久磁石30をロータコア20に対してより確実に固定することができる。
<第二実施形態>
第二実施形態のIPMモータ101について図5を参照して説明する。図5は、第二実施形態のIPMモータ101の回転軸方向から見た部分平面図である。
ここで、第二実施形態の構成は、主に、第一実施形態において第一の弾性部材としてV字状ばね40を適用していたのに対して、第一の弾性部材として硬質ゴム140を適用した点が相違する。なお、その他の構成については、第一実施形態と同一であるため、詳細な説明を省略する。以下、相違点のみについて説明する。
硬質ゴム140は、図4に示すように、断面形状を矩形に形成された高弾性を有するゴム部材である。硬質ゴム140は、V字状ばね40と同様に、永久磁石30の長手方向の長さとほぼ同じ長さとなっている。また、硬質ゴム140の一角は、永久磁石30の凸状の係合部31と当接して係合する。また、硬質ゴム140の一角の対角は、ロータコア本体22の支持部22aの径方向座面22bに当接している。この時、硬質ゴム140におけるロータコア20の周方向外側に位置する周面は、磁石挿入孔21の周方向内面21cと当接している。そして、この硬質ゴム140は、永久磁石30の幅方向の両端において、永久磁石30を挟み込むように配置される。これにより、硬質ゴム140は、永久磁石30をロータ3の径方向内方および周方向に付勢している。
このような構成とすることで、第一実施形態と同様に、硬質ゴム140は、ロータ3の回転に伴い永久磁石30に加わる遠心力を支持している。つまり、硬質ゴム140は、永久磁石30から受ける遠心力および反作用をロータコア20のブリッジ24よりもロータコア20の周方向外側に形成された支持部22aに伝達している。これにより、永久磁石30による遠心力および反作用は、磁石挿入孔21のロータ3における径方向外側に位置する厚肉部23およびブリッジ24に作用しない。よって、薄肉に形成されたブリッジ24への応力集中を防止することができる。従って、第一実施形態と同様の効果を奏するものである。その他に、本実施形態では、第一の弾性部材である硬質ゴム140に対して、ロータコア20および永久磁石30の当接面積が増大させることができる。これにより、永久磁石30をロータコア20に対して、より確実に固定することができる。
<その他>
第一、第二実施形態において、第一の弾性部材(V字状ばね40、硬質ゴム140)は、永久磁石30の幅方向の両側面から挟み込むように配置されるものとした。これに対して、第一の弾性部材は、永久磁石30の片側のみに配置する構成としてもよい。この場合、永久磁石30の一端面は、例えば、ロータコア20に形成された係止爪により係止される。そして、永久磁石30の他端面は、第一の弾性部材によりロータ3の径方向内方および周方向に付勢されてロータコア20に固定される。このような構成においても同様に、ロータ3の回転駆動によりロータコア20および永久磁石30が発熱した場合に、両部材の熱膨張の差を吸収することができる。よって、第一実施形態と同様の効果を奏するものである。その他に、このような構成により、部品点数を減らすことができるので、低コスト化および組み付けの簡易化を図ることができる。
また、第一、第二実施形態において、第一の弾性部材(V字状ばね40、硬質ゴム140)は、ロータコア20と別部材であるものとした。これに対して、第一の弾性部材は、磁石挿入孔21の内面において一体に形成される弾性の突起部としてもよい。この場合、例えば、ロータコア20を形成する電磁鋼板は、積層された時に上記突起部を形成するように設計される。このような構成とすることで、さらに部品点数を減らすことができる。また、ロータコア20と永久磁石30の熱膨張の差などの観点から、この突起部と永久磁石30の係合部31の隙間に、ゴム材などの弾性部材を介在させる構成としても良い。
上述した実施形態において、永久磁石30の係合部31,31’、ロータコア20の支持部22a、および第一の弾性部材40,140は、ロータ3の軸方向幅の全幅に亘って形成される必要はない。例えば、ロータコア20の両端部近傍において、所定幅でのみ永久磁石30に第一の弾性部材40,140が当接して支持するものとしてもよい。このような構成においても同様に、適正な所定幅や第一の弾性部材40,140の弾性係数を設定することにより同様の効果を奏するものである。
1,101:IPMモータ(電動機)、 2:ステータ、 3:ロータ
10:ステータコア、 11:ティース
20:ロータコア、 21:磁石挿入孔、 21a,21b:磁極内面
21c:周方向内面、 22:ロータコア本体、 22a:支持部、
22b:径方向座面、 23:厚肉部
24:ブリッジ、 24a:薄肉部
30:永久磁石、 31,31’:係合部、 32a,32b:磁極面
40:V字状ばね(第一の弾性部材)、 41:頂点部、 42a,42b:足部
50:エンドプレート、 51:ゴム板(第二の弾性部材)
140:硬質ゴム(第一の弾性部材)

Claims (5)

  1. ステータと、前記ステータに対して回転自在に設けられるロータと、を備える電動機であって、
    前記ロータは、
    前記ロータの周方向に所定ピッチで複数の磁石挿入孔が形成されたロータコアと、
    複数の前記磁石挿入孔にそれぞれ挿入される磁石と、
    それぞれの前記磁石の前記ロータにおける径方向内側の面を前記磁石挿入孔の前記ロータにおける径方向内側の内面に押圧するように、前記磁石を前記ロータコアに対して少なくとも前記ロータの径方向内方に付勢する第一の弾性部材と、
    を有し、
    前記ロータコアは、
    前記磁石挿入孔の少なくとも前記ロータにおける径方向内側の内面を形成し、前記第一の弾性部材を支持する支持部が形成されたロータコア本体と、
    前記磁石の前記ロータにおける径方向外側に位置し、前記磁石挿入孔の前記ロータにおける径方向外側の内面の一部を形成する厚肉部と、
    前記ロータコア本体と前記厚肉部とを連結することにより前記ロータコア本体および前記厚肉部と共に前記磁石挿入孔を形成し、前記ロータの径方向厚みを前記厚肉部よりも薄肉に形成されたブリッジと、
    を有し、
    前記第一の弾性部材は、前記磁石の前記ロータにおける周方向端面と前記磁石挿入孔の前記ロータにおける周方向内面との間に配置され、前記磁石を前記ロータコアに対して前記ロータの径方向内方に付勢して当該磁石が前記厚肉部および前記ブリッジと空隙により隔てられる状態とすることを特徴とする電動機。
  2. 請求項1において、
    前記ロータは、前記磁石の前記ロータにおける周方向の両端に当該磁石を挟み込むように配置される一対の前記第一の弾性部材を有し、
    一対の前記第一の弾性部材は、前記磁石を前記ロータコアに対して前記ロータの径方向内方および周方向に付勢することを特徴とする電動機。
  3. 請求項1または2において、
    前記磁石の前記ロータにおける周方向端面は、凹状または凸状の係合部を有し、
    前記第一の弾性部材は、V字状に形成され、前記V字状の頂点部が前記磁石の前記ロータにおける周方向端面側を向くように配置され、前記V字状の足部が前記磁石挿入孔の前記ロータにおける周方向内面側を向くように配置されるV字状ばねを有し、
    前記V字状ばねの前記頂点部は、前記係合部に対して前記ロータの径方向内方および周方向に係合し、
    前記V字状ばねの前記足部は、前記支持部において前記磁石挿入孔の前記ロータにおける径方向外側の内面の一部を形成する径方向座面と当接することを特徴とする電動機。
  4. 請求項1〜3の何れか一項において、
    前記ブリッジの前記ロータにおける径方向厚みは、前記支持部の前記ロータにおける径方向厚みよりも薄肉に形成されていることを特徴とする電動機。
  5. 請求項1〜4の何れか一項において、
    前記ロータは、前記ロータコアの軸方向両端に設けられたエンドプレートと前記ロータコアとの間に介在し、前記ロータコアに対する前記磁石の前記ロータにおける軸方向移動を規制する第二の弾性部材をさらに有することを特徴とする電動機。
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