JP5401967B2 - 電動車両の駆動輪ロック防止装置 - Google Patents
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Description
このハイブリッド車両は、エンジン回転を変速機に向かわせる軸に結合して、これらエンジンおよび変速機間にモータ/ジェネレータを具え、エンジンおよびモータ/ジェネレータ間を切り離し可能に結合する第1クラッチを有すると共に、モータ/ジェネレータおよび変速機出力軸間を切り離し可能に結合する第2クラッチを有した構成になるものである。
EVモードでのコースティング走行中におけるモータ/ジェネレータの回生制動時も、モータ/ジェネレータをトルク制御しつつ、該モータ/ジェネレータによる駆動車輪の回生制動を行うこととなり、以下に説明するような問題を生ずる。
しかし、駆動輪ロックの防止をモータ/ジェネレータのトルク制御に頼るのでは、駆動輪ロックの速やかな解消による駆動車輪の高応答な回転回復を望み得ないという問題を生ずる。
この着想を具体化して上記の問題を解消し得るようにした電動車両の駆動輪ロック防止装置を提案することを目的とする。
先ず、前提となる電動車両を説明するに、これは、
動力源として少なくともモータ/ジェネレータを具え、該モータ/ジェネレータをトルク制御しつつ、該モータ/ジェネレータからの動力により車輪を駆動して走行可能であると共に、前記モータ/ジェネレータおよび駆動車輪間にクラッチを介在され、該クラッチのトルク容量制御により、モータ/ジェネレータおよび駆動車輪間の伝達トルク容量を変更可能なものである。
前記駆動車輪を前記モータ/ジェネレータにより回生制動しながらの回生制動走行中、該駆動車輪が制動ロック傾向であるのを検知する駆動輪ロック検知手段と、
該手段により駆動車輪の制動ロック傾向が検知される間、前記モータ/ジェネレータを前記トルク制御に代えて、駆動車輪の回転速度が車体速相当値となるよう回転速度制御するモータ/ジェネレータ制御態様切り替え手段と、
前記駆動輪ロック検知手段により駆動車輪の制動ロック傾向が検知された時における前記モータ/ジェネレータのトルクを記憶する駆動輪ロック時モータ/ジェネレータトルク記憶手段と、
前記駆動輪ロック検知手段により駆動車輪の制動ロック傾向が検知されている間、および、該制動ロック傾向がなくなった後の所定期間中、前記モータ/ジェネレータのトルクを、前記駆動輪ロック時モータ/ジェネレータトルク記憶手段で記憶したトルク値に制限するモータ/ジェネレータトルク制限手段とを設けた構成に特徴づけられる。
かかる共通構成に対し、請求項1に記載した第1発明の駆動輪ロック防止装置は、前記駆動輪ロック検知手段により駆動車輪の制動ロック傾向が検知されている間、前記クラッチのトルク容量を車両の目標駆動力相当値に低下させるクラッチトルク容量低下手段を付加して具えるものである。
また請求項2に記載した第2発明の駆動輪ロック防止装置は、前記駆動車輪の制動ロックをブレーキ液圧制御により防止するアンチスキッド制御装置が、前記モータ/ジェネレータの回転速度制御による駆動車輪の回転回復中に作動した時、前記クラッチを完全解放させるよう構成したものである。
更に請求項3に記載した第3発明の駆動輪ロック防止装置は、前記モータ/ジェネレータの回転速度制御による駆動車輪の回転回復速度が設定速度以上である時、前記クラッチを完全解放させるよう構成したものである。
駆動輪制動ロック防止作用が、この駆動輪制動ロック現象を表す駆動車輪の回転速度をモニタしながらの直接的な制御となり、駆動輪ロックを速やかに解消し得て、駆動車輪を高応答に回転回復させることができ、前記の問題を解消することができる。
第1〜3発明によれば更に、駆動車輪がロックロック傾向である間、および、この駆動輪ロック傾向がなくなった後の所定期間中、モータ/ジェネレータトルクを駆動輪ロック傾向の検知時における記憶値に保つため、
モータ/ジェネレータトルクが駆動輪ロックの収束時に急変することがなく、かかる急変に起因して、駆動輪ロックの収束に伴うモータ/ジェネレータのトルク制御への復帰時に再度駆動輪ロックを生じ、制御のハンチングを生ずるという懸念を払拭することができる。
加えて第1発明では、前記駆動輪ロック検知手段により駆動車輪の制動ロック傾向が検知されている間、クラッチトルク容量低下手段が前記クラッチのトルク容量を車両の目標駆動力相当値に低下させるため、当該クラッチの解放による変速が要求された場合の変速応答を向上させることができる。
また第2発明では、アンチスキッド制御装置が、前記モータ/ジェネレータの回転速度制御による駆動車輪の回転回復中に作動した時、前記クラッチを完全解放させるため、アンチスキッド制御装置の作動時における駆動車輪のトルク変動に伴うショックを、クラッチ7の完全解放によって緩和させることができる。
更に第3発明では、前記モータ/ジェネレータの回転速度制御による駆動車輪の回転回復速度が設定速度以上である時、前記クラッチを完全解放させるため、低μ路から高μ路への移行時における駆動車輪のトルク変動に伴うショックをクラッチの完全解放によって緩和させることができる。
図1は、本発明の前記した駆動輪ロック防止装置を適用可能な電動車両としてのハイブリッド車両を示す。
このハイブリッド車両は、フロントエンジン・リヤホイールドライブ車(後輪駆動車)をベース車両とし、これをハイブリッド化したもので、1はエンジン、2は駆動車輪(後輪)である。
図1に示すハイブリッド車両のパワートレーンにおいては、通常の後輪駆動車と同様にエンジン1の車両前後方向後方に自動変速機3をタンデムに配置し、
エンジン1(クランクシャフト1a)からの回転を自動変速機3の入力軸3aへ伝達する軸4に結合してモータ/ジェネレータ5を設ける。
このモータ/ジェネレータ5およびエンジン1間、より詳しくは、軸4とエンジンクランクシャフト1aとの間に第1クラッチ6を介挿し、この第1クラッチ6によりエンジン1およびモータ/ジェネレータ5間を切り離し可能に結合する。
ここで第1クラッチ6は、伝達トルク容量を連続的もしくは段階的に変更可能なものとし、例えば、比例ソレノイドでクラッチ作動油流量およびクラッチ作動油圧を連続的もしくは段階的に制御して伝達トルク容量を変更可能な湿式多板クラッチで構成する。
第2クラッチ7も第1クラッチ6と同様、伝達トルク容量を連続的もしくは段階的に変更可能なものとし、例えば、比例ソレノイドでクラッチ作動油流量およびクラッチ作動油圧を連続的もしくは段階的に制御して伝達トルク容量を変更可能な湿式多板クラッチで構成する。
従って自動変速機3は、入力軸3aからの回転を選択変速段に応じたギヤ比で変速して出力軸3bに出力する。
この出力回転は、ディファレンシャルギヤ装置8により左右後輪2へ分配して伝達され、車両の走行に供される。
但し自動変速機3は、上記したような有段式のものに限られず、無段変速機であってもよいのは言うまでもない。
変速機出力軸3bからの回転はその後、ディファレンシャルギヤ装置8を経て後輪2に至り、車両をモータ/ジェネレータ5のみによって電気走行(EV走行)させることができる。
この状態では、エンジン1からの出力回転およびモータ/ジェネレータ5からの出力回転の双方が変速機入力軸3aに達することとなり、自動変速機3が当該入力軸3aへの回転を、選択中の変速段に応じ変速して、変速機出力軸3bより出力する。
変速機出力軸3bからの回転はその後、ディファレンシャルギヤ装置8を経て後輪2に至り、車両をエンジン1およびモータ/ジェネレータ5の双方によってハイブリッド走行(HEV走行)させることができる。
図2に示すように、第2クラッチ7を自動変速機3およびディファレンシャルギヤ装置8間に介在させても、同様に機能させることができる。
この代わりに第2クラッチ7として、図3に示すごとく自動変速機3内に既存する変速段選択用の変速摩擦要素を流用するようにしてもよい。
この場合、第2クラッチ7が前記したモード選択機能を果たすのに加えて、この機能を果たすよう締結される時に自動変速機を動力伝達状態にすることとなり、専用の第2クラッチが不要でコスト上大いに有利である。
なお左右駆動車輪(後輪)2はそれぞれ、ブレーキペダル17の踏み込みに応動するマスターシリンダ18からのブレーキ液圧によりホイールシリンダ2aを作動されて制動されるものとする。
上記の液圧制動による左右駆動車輪(後輪)2の制動ロック時は、このABSユニット19によりホイールシリンダ2aへの液圧上昇を制限して、左右駆動車輪(後輪)2の液圧制動ロック防止するものとする。
なお図示しなかったが左右前輪も、左右駆動車輪(後輪)2と同様なブレーキ液圧系、およびアンチスキッド制御装置を有すること勿論である。
図4の制御システムは、パワートレーンの動作点を統合制御する統合コントローラ20を具え、パワートレーンの動作点を、目標エンジントルクtTeと、目標モータ/ジェネレータトルクtTm(後述の駆動輪ロック防止中は目標モータ/ジェネレータ回転数tNm)と、第1クラッチ6の目標伝達トルク容量tTc1と、第2クラッチ7の目標伝達トルク容量tTc2とで規定する。
エンジン回転数Neを検出するエンジン回転センサ11からの信号と、
モータ/ジェネレータ回転数Nmを検出するモータ/ジェネレータ回転センサ12からの信号と、
変速機入力回転数Niを検出する入力回転センサ13からの信号と、
変速機出力回転数Noを検出する出力回転センサ14からの信号と、
エンジン1の要求負荷状態を表すアクセルペダル踏み込み量(アクセル開度APO)を検出するアクセル開度センサ15からの信号と、
モータ/ジェネレータ5用の電力を蓄電しておくバッテリ9の蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)を検出する蓄電状態センサ16からの信号と、
前記したABSユニット19(図3参照)の作動・非作動を表す信号とを入力する。
目標エンジントルクtTeはエンジンコントローラ21に供給され、目標モータ/ジェネレータトルクtTm(目標モータ/ジェネレータ回転数tNmでもよい)はモータ/ジェネレータコントローラ22に供給される。
モータ/ジェネレータコントローラ22はモータ/ジェネレータ5のトルクTm(後述の駆動輪ロック防止中は回転数Nm)が目標モータ/ジェネレータトルクtTm(後述の駆動輪ロック防止中は目標モータ/ジェネレータ回転数tNm)となるよう、バッテリ9およびインバータ10を介してモータ/ジェネレータ5を制御する。
統合コントローラ20は、目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1および目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2に対応したソレノイド電流を第1クラッチ6および第2クラッチ7の締結制御ソレノイド(図示せず)に供給し、第1クラッチ6の伝達トルク容量Tc1が目標伝達トルク容量tTc1に一致するよう、また、第2クラッチ7の伝達トルク容量Tc2が目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2に一致するよう、第1クラッチ6および第2クラッチ7を個々に締結力制御する。
運転モード選択部40では、図7に示すEV−HEV領域マップを用いて、アクセル開度APOおよび車速VSPから目標とする運転モードを決定する。
図7に示すEV−HEV領域マップから明らかなように、高負荷・高車速時はHEVモードを選択し、低負荷・低車速時はEVモードを選択する。
動作点指令部60では、アクセル開度APOと、目標駆動カtFoと、目標運転モードと、車速VSPと、目標充放電電力tPとから、これらを動作点到達目標として、時々刻々の過渡的な目標エンジントルクtTeと、目標モータ/ジェネレータトルクtTm(後述の駆動輪ロック防止中は目標モータ/ジェネレータ回転数tNm)と、第1クラッチ6の目標伝達トルク容量tTc1(これに対応した目標ソレノイド電流Is1)と、第2クラッチ7の目標伝達トルク容量tTc2と、目標変速段SHIFTとを演算する。
これら目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2および目標変速段SHIFTが達成されるよう自動変速機3内の対応するソレノイドバルブを駆動する。
これにより図3の自動変速機3は、第2クラッチ7を目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2が達成されるよう締結制御されつつ、目標変速段SHIFTが選択された動力伝達状態になる。
上記の動作点指令部60は、図9の制御プログラムを実行して、本発明が狙いとする駆動輪ロックの防止を、図10につき以下に説明するごとくに遂行する。
そのため図9の制御プログラムは、駆動車輪2をモータ/ジェネレータ5により回生制動しながらの回生制動走行中に実行し、
先ずステップS11において、変速機出力回転数Noから求めた駆動輪(後輪)回転数ωdと、非駆動輪(従動輪)である前輪(図示せず)の回転数ωoとの差の絶対値|ωo−ωd|が駆動輪ロック判定値以上になったか否かにより、駆動車輪2が低μ路への突入などに起因して制動ロックを生じたか否かを判定する。
従ってステップS11は、本発明における駆動輪ロック検知手段に相当する。
ステップS11から制御をそのまま終了させることにより、モータ/ジェネレータ5を引き続きトルク制御し、前記したごとくモータ/ジェネレータ5をそのトルクTmが目標モータ/ジェネレータトルクtTmとなるよう制御する。
このステップS12では、目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2を、図10に示すごとく前記した目標駆動力tFoに対応した目標駆動力相当値に低下させると共に、
今まで前記したごとくトルク制御されていたモータ/ジェネレータ5を、駆動輪2の回転速度ωdが従動輪の回転速度ωo(車体速相当値)となるよう回転速度制御して、モータ/ジェネレータ5の制御態様をトルク制御から回転速度制御に切り替える。
従ってステップS12は、本発明におけるクラッチトルク容量低下手段およびモータ/ジェネレータ制御態様切り替え手段に相当する。
この駆動輪制動ロック防止作用が、駆動輪制動ロック現象を表す駆動輪2の回転速度ωdをモニタしながらの直接的な制御であるため、駆動輪ロックを速やかに解消し得て、
図10の瞬時t1以後における駆動輪回転数ωdの従動輪回転数ωoへの接近傾向から明らかなように、駆動輪2を高応答に回転回復させることができる。
ステップS13で駆動車輪2の制動ロックが収束したと判定する図10の駆動輪ロック収束判定瞬時t2よりも前では、制御をステップS11に戻して上記のループを継続させることにより、モータ/ジェネレータ5の上記した回転速度制御を引き続き実行する。
このステップS14においては、目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2を、図10の瞬時t2以降に示すごとく目標駆動力(tFo)相当値から、本来の制御値に上昇復帰させると共に、
上記のごとく回転速度制御されていたモータ/ジェネレータ5を、本来のトルク制御に復帰させ、モータ/ジェネレータ5をそのトルクTmが目標モータ/ジェネレータトルクtTmとなるよう制御する。
つまり、駆動車輪2をモータ/ジェネレータ5により回生制動しながらの回生制動走行中であるため、車速VSPの低下に伴って自動変速機3が低速段側へダウンシフトされることがある。
このダウンシフトは、第2クラッチ7として流用中の現変速段選択用摩擦要素の解放により生起されるが、当該摩擦要素の伝達トルク容量tTc2を目標駆動力(tFo)相当値に低下させておくため、この摩擦要素を解放させて行うダウンシフトを速やかに完遂させることができ、ダウンシフト応答を高めることができる。
かかるモータ/ジェネレータトルクTmの急変は、駆動輪ロック収束判定瞬時t2におけるトルク制御復帰時に、再度駆動輪ロックを生じ易く、制御のハンチングを生ずる虞がある。
更に、駆動輪ロック判定瞬時t1から駆動輪ロック収束判定瞬時t2までの駆動輪ロック傾向検知中、および、駆動輪ロック収束判定瞬時t2以後の所定期間中、モータ/ジェネレータトルクTmを駆動輪ロック判定瞬時t1における上記の記憶値に制限するモータ/ジェネレータトルク制限手段を設けることとする。
モータ/ジェネレータトルクTmが駆動輪ロック収束判定瞬時t2に急変することがなく、 かかる急変に起因して、駆動輪ロック収束判定瞬時t2におけるトルク制御復帰時に再度駆動輪ロックを生じ、制御のハンチングを生ずるというような上記の懸念を払拭することができる。
図11,12はそれぞれ、本発明の第2実施例になる駆動輪ロック防止装置を示す、図9に代わる制御プログラムのフローチャート、および、図10に代わる動作タイムチャートである。
ステップS11で駆動輪ロック判定により駆動輪ロックを検知するとき、つまり低μ路突入時の動作タイムチャートを示す図12の駆動輪ロック判定瞬時t1に至ると、
ステップS12において、目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2を前記第1実施例と同様な目的で、図12に示すごとく目標駆動力tFo相当値に低下させると共に、
モータ/ジェネレータ5をトルク制御から回転速度制御に切り替えて、駆動輪2の回転速度ωdが従動輪の回転速度ωo(車体速相当値)となるよう、つまりモータ/ジェネレータ5を、その回転数Nmが当該目的を実現する目標モータ/ジェネレータ回転数tNmとなるようフィードバック制御し、これにより、ロック傾向の駆動輪2を回転回復させることにより駆動輪ロックを防止する。
この駆動輪ロック収束判定がなされたとき、ステップS14で目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2を、ステップS12で設定した目標駆動力tFo相当値から本来の制御値に上昇復帰させると共に、モータ/ジェネレータ5を上記の回転速度制御から本来のトルク制御に復帰させる。
ステップS21で、アンチスキッド制御装置のABSユニット19が作動したか否かを、また、駆動輪回転回復速度が低μ路から高μ路への移行などにより設定速度以上になったか否かをチェックする。
これらを判定したステップS21が制御をステップS22に進め、このステップS22において、図12の瞬時t4(ABSユニット19の作動に応答するときは瞬時t3)におけるごとく、目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2を目標駆動力tFo相当値から0に低下させる。
第2クラッチ7がtTc2=0により完全解放されることになり、ABSユニット19の作動時や、低μ路から高μ路への移行時における駆動輪2のトルク変動に伴うショックを、第2クラッチ7の完全解放によって緩和させることができる。
また、かように第2クラッチ7を完全解放させることで、モータ/ジェネレータ5の回転イナーシャを切り離すこととなり、これによっても上記のショック緩和の作用効果を助長させることができる。
によって緩和さ
ステップS14で目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2を、ステップS22で設定した0から本来の制御値に上昇復帰させると共に、モータ/ジェネレータ5を上記の回転速度制御から本来のトルク制御に復帰させる。
なおステップS21でABSユニット19の作動判定がなされなかったり、駆動輪回転回復速度が設定速度以上になったとの判定がなされなければ、制御をステップS11に戻して、ステップS22での処理を行わずに、図9につき前述した実施例と同様なループを繰り返す。
図13,14はそれぞれ、本発明の第3実施例になるHEVモード回生制動走行時の駆動輪ロック防止装置を示す、図9に代わる制御プログラムのフローチャート、および、図10に代わる動作タイムチャートである。
また、図13のステップS11〜ステップS14はそれぞれ、図9におけるステップS11〜ステップS14と同様なもので、本実施例においては、ステップS12およびステップS13間にステップS31およびステップS32を追加し、ステップS13およびステップS14間にステップS33およびステップS34を追加する。
ステップS12において、目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2を前記第1実施例と同様な目的で、図14に示すごとく目標駆動力tFo相当値に低下させると共に、
モータ/ジェネレータ5をトルク制御から回転速度制御に切り替えて、駆動輪2の回転速度ωdが従動輪の回転速度ωo(車体速相当値)となるよう、つまりモータ/ジェネレータ5を、その回転数Nmが当該目的を実現する目標モータ/ジェネレータ回転数tNmとなるようフィードバック制御し、これにより、ロック傾向の駆動輪2を回転回復させることにより駆動輪ロックを防止する。
更にステップS32において、当該切り離し後もHEVモード故にエンジン1が自立運転するよう、図14に示すごとくエンジン自立運転要求を出力する。
ステップS33において、目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1を図14に示すごとく、所定の時系列変化で本来の制御値へ上昇復帰させて、第1クラッチ6を締結させることにより、エンジン1を再度車輪駆動系に結合し、
この結合で上記のエンジン自立運転要求は不要であるから、次のステップS34において、エンジン自立運転要求を消失させる。
同図に示すごとく第1クラッチ6を完全解放させると共にエンジン1を自立運転させるため、
HEVモード回生制動走行中の駆動輪ロックをモータ/ジェネレータ5の回転速度制御により防止すると雖も、エンジン1が排気対策上不都合な条件で強制運転されることがなく、エンジン1の排気が問題になるのを防止することができると共に、駆動輪ロック時のエンジン停止を回避することができる。
2 駆動車輪(後輪)
2a ホイールシリンダ
3 自動変速機
4 伝動軸
5 モータ/ジェネレータ
6 第1クラッチ
7 第2クラッチ
8 ディファレンシャルギヤ装置
9 バッテリ
10 インバータ
11 エンジン回転センサ
12 モータ/ジェネレータ回転センサ
13 変速機入力回転センサ
14 変速機出力回転センサ
15 アクセル開度センサ
16 バッテリ蓄電状態センサ
17 ブレーキペダル
18 マスターシリンダ
19 ABSユニット(アンチスキッド制御装置)
20 統合コントローラ
21 エンジンコントローラ
22 モータ/ジェネレータコントローラ
30 目標駆動力演算部
40 運転モード選択部
50 目標充放電量演算部
60 動作点指令部
70 変速制御部
Claims (5)
- 動力源として少なくともモータ/ジェネレータを具え、該モータ/ジェネレータをトルク制御しつつ、該モータ/ジェネレータからの動力により車輪を駆動して走行可能であると共に、前記モータ/ジェネレータおよび駆動車輪間にクラッチを介在され、該クラッチのトルク容量制御により、モータ/ジェネレータおよび駆動車輪間の伝達トルク容量を変更可能な電動車両において、
前記駆動車輪を前記モータ/ジェネレータにより回生制動しながらの回生制動走行中、該駆動車輪が制動ロック傾向であるのを検知する駆動輪ロック検知手段と、
該手段により駆動車輪の制動ロック傾向が検知される間、前記モータ/ジェネレータを前記トルク制御に代えて、駆動車輪の回転速度が車体速相当値となるよう回転速度制御するモータ/ジェネレータ制御態様切り替え手段と、
前記駆動輪ロック検知手段により駆動車輪の制動ロック傾向が検知された時における前記モータ/ジェネレータのトルクを記憶する駆動輪ロック時モータ/ジェネレータトルク記憶手段と、
前記駆動輪ロック検知手段により駆動車輪の制動ロック傾向が検知されている間、および、該制動ロック傾向がなくなった後の所定期間中、前記モータ/ジェネレータのトルクを、前記駆動輪ロック時モータ/ジェネレータトルク記憶手段で記憶したトルク値に制限するモータ/ジェネレータトルク制限手段と、
前記駆動輪ロック検知手段により駆動車輪の制動ロック傾向が検知されている間、前記クラッチのトルク容量を車両の目標駆動力相当値に低下させるクラッチトルク容量低下手段とを具備してなることを特徴とする電動車両の駆動輪ロック防止装置。 - 動力源として少なくともモータ/ジェネレータを具え、該モータ/ジェネレータをトルク制御しつつ、該モータ/ジェネレータからの動力により車輪を駆動して走行可能であると共に、前記モータ/ジェネレータおよび駆動車輪間にクラッチを介在され、該クラッチのトルク容量制御により、モータ/ジェネレータおよび駆動車輪間の伝達トルク容量を変更可能な電動車両において、
前記駆動車輪を前記モータ/ジェネレータにより回生制動しながらの回生制動走行中、該駆動車輪が制動ロック傾向であるのを検知する駆動輪ロック検知手段と、
該手段により駆動車輪の制動ロック傾向が検知される間、前記モータ/ジェネレータを前記トルク制御に代えて、駆動車輪の回転速度が車体速相当値となるよう回転速度制御するモータ/ジェネレータ制御態様切り替え手段と、
前記駆動輪ロック検知手段により駆動車輪の制動ロック傾向が検知された時における前記モータ/ジェネレータのトルクを記憶する駆動輪ロック時モータ/ジェネレータトルク記憶手段と、
前記駆動輪ロック検知手段により駆動車輪の制動ロック傾向が検知されている間、および、該制動ロック傾向がなくなった後の所定期間中、前記モータ/ジェネレータのトルクを、前記駆動輪ロック時モータ/ジェネレータトルク記憶手段で記憶したトルク値に制限するモータ/ジェネレータトルク制限手段とを具備し、
前記駆動車輪の制動ロックをブレーキ液圧制御により防止するアンチスキッド制御装置が、前記モータ/ジェネレータの回転速度制御による駆動車輪の回転回復中に作動した時、前記クラッチを完全解放させるよう構成したことを特徴とする電動車両の駆動輪ロック防止装置。 - 動力源として少なくともモータ/ジェネレータを具え、該モータ/ジェネレータをトルク制御しつつ、該モータ/ジェネレータからの動力により車輪を駆動して走行可能であると共に、前記モータ/ジェネレータおよび駆動車輪間にクラッチを介在され、該クラッチのトルク容量制御により、モータ/ジェネレータおよび駆動車輪間の伝達トルク容量を変更可能な電動車両において、
前記駆動車輪を前記モータ/ジェネレータにより回生制動しながらの回生制動走行中、該駆動車輪が制動ロック傾向であるのを検知する駆動輪ロック検知手段と、
該手段により駆動車輪の制動ロック傾向が検知される間、前記モータ/ジェネレータを前記トルク制御に代えて、駆動車輪の回転速度が車体速相当値となるよう回転速度制御するモータ/ジェネレータ制御態様切り替え手段と、
前記駆動輪ロック検知手段により駆動車輪の制動ロック傾向が検知された時における前記モータ/ジェネレータのトルクを記憶する駆動輪ロック時モータ/ジェネレータトルク記憶手段と、
前記駆動輪ロック検知手段により駆動車輪の制動ロック傾向が検知されている間、および、該制動ロック傾向がなくなった後の所定期間中、前記モータ/ジェネレータのトルクを、前記駆動輪ロック時モータ/ジェネレータトルク記憶手段で記憶したトルク値に制限するモータ/ジェネレータトルク制限手段とを具備し、
前記モータ/ジェネレータの回転速度制御による駆動車輪の回転回復速度が、設定速度以上である時、前記クラッチを完全解放させるよう構成したことを特徴とする電動車両の駆動輪ロック防止装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動車両の駆動輪ロック防止装置において、
前記所定期間は、前記駆動輪ロック検知手段により駆動車輪の制動ロック傾向が検知されなくなった時から、前記回生制動走行が終了するまでの期間であることを特徴とする電動車両の駆動輪ロック防止装置。 - 電動車両が、前記モータ/ジェネレータおよび駆動車輪間に自動変速機を介在され、該自動変速機の現変速段を実現する変速摩擦要素のトルク容量制御により、モータ/ジェネレータおよび駆動車輪間の伝達トルク容量を変更可能な、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電動車両の駆動輪ロック防止装置において、
前記変速摩擦要素を前記クラッチとして流用するよう構成したことを特徴とする電動車両の駆動輪ロック防止装置。
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