JP5401426B2 - スパークプラグの製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、内燃機関の点火に用いられるスパークプラグ及びその製造方法に関し、特に内部に抵抗体を有するスパークプラグ及びその製造方法に関する。
自動車エンジン等の内燃機関の点火用に用いられるスパークプラグは、一般に、筒状の主体金具と、この主体金具の内孔に配置される筒状の絶縁体と、この絶縁体の先端側軸孔に配置される中心電極と、他端側軸孔に配置される端子金具と、主体金具の先端側に一端が接合され、他端が中心電極と対向して火花放電間隙を形成する接地電極とを備える。さらに、エンジンの動作に伴って発生する電波ノイズを防止することを目的として、軸孔内における中心電極と端子金具との間に抵抗体が設けられてなるスパークプラグも知られている。
ところで、近年の自動車等の内燃機関は、高出力化及び高効率化が求められ、自由なエンジン設計及びエンジン自体の小型化等のために、小型化したスパークプラグの開発が求められている。スパークプラグを小型化するためには、絶縁体の小径化が不可避である。しかし、絶縁体が小径化するにしたがって絶縁体の径方向の厚みが薄くなり、また細径による摩擦負荷が増大するため、従来のスパークプラグの設計では、端子金具を絶縁体の軸孔に圧入する際に、絶縁体が割れたり亀裂が入ったりすることによる不良品発生率が高くなり易かった。一方、不良品発生率を下げようとすると負荷寿命性能が低下することがあった。
小径化されたスパークプラグとして、例えば、特許文献1の請求項1には、「・・・前記導電性ガラスシール層の直径Dが3.3mm以下の範囲にあり、且つ前記導電性ガラスシール層と前記抵抗体との接合面は、曲面状に形成されていることを特徴とするスパークプラグ」が記載されている。この発明によると、「抵抗体と導電性ガラスシール層との密着性を強化して、耐振動性能及び抵抗体負荷寿命特性に優れ、且つ小径化されたスパークプラグを提供することができる」(段落番号0012欄参照。)と記載されている。
特開2009−245716号公報
この発明は、端子金具を絶縁体の軸孔に圧入する際の絶縁体の割れ及び亀裂の発生を防止し、負荷寿命性能に優れたスパークプラグを製造する方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、
(i)軸線方向に延びる軸孔を有する絶縁体と、
前記軸孔の一端側で保持される中心電極と、
前記軸孔の他端側で保持される端子金具と、
前記軸孔内で前記中心電極と前記端子金具とを電気的に接続する接続部と、
を備え、
前記端子金具は、前記軸孔から露出する露出部を有するスパークプラグの製造方法であって、
前記軸孔における前記中心電極が配置されている側を前記軸線方向の先端側としたとき、
前記軸孔の一端側に中心電極が配置される第一工程と、
前記接続部を形成する接続部形成用粉末が充填される第二工程と、
前記端子金具の先端部が前記接続部形成用粉末に接触するように前記軸孔内に配置される第三工程と、
前記接続部形成用粉末が加熱されるとともに前記端子金具により荷重を加えられる第四工程と、
を有し、
前記第三工程において、
前記端子金具の先端部の直径を先端部径(A)、前記端子金具の先端部が配置されている部位における前記軸孔の内径をシール径(B)、前記絶縁体の後端から前記露出部の先端までの前記軸線方向長さをプレス前露出寸法(H)とすると、
前記端子金具の先端部と前記軸孔との間の距離((B−A)/2)が0.02mm以上0.25mm以下であり、
前記端子金具の露出部より先端側の部位は、常温におけるビッカース硬さが100Hv以上430Hv以下であり、及び、
前記プレス前露出寸法(H)が10mm以上28mm以下であることを特徴とするスパークプラグの製造方法であり、
前記(1)の好ましい態様は、
(ii)前記第四工程前の前記端子金具の前記軸線方向の長さから前記露出部の前記軸線方向の長さを減じた長さをプレス前長さ(G1)、前記第四工程後の前記端子金具の前記軸線方向の長さから前記露出部の前記軸線方向の長さを減じた長さをプレス後長さ(G2)とすると、
前記プレス前長さと前記プレス後長さとの差(G1−G2)が0.3mm以上7.5mm以下であり、
(iii)前記シール径(B)が2.9mm以下であり、
(iv)前記端子金具の露出部より先端側の部位は、常温におけるビッカース硬さが150Hv以上350Hv以下であり、
(v)前記プレス前長さ(G1)が35mm以上60mm以下であり、
(vi)前記端子金具の先端部と前記軸孔との間の距離((B−A)/2)が0.02mm以上0.15mm以下であり、
(vii)前記端子金具の先端部が凹凸状の表面を備え、前記凹凸状の表面の前記軸線方向長さが3mm以上20mm以下であることを特徴とする。
この発明のスパークプラグの製造方法は、前記第三工程において、前記端子金具の先端部と前記軸孔との間の距離((B−A)/2)が0.02mm以上0.25mm以下であり、前記端子金具の露出部より先端側の部位は、常温におけるビッカース硬さが100Hv以上430Hv以下であり、及び、前記プレス前露出寸法(H)が10mm以上28mm以下であるので、端子金具を絶縁体の軸孔に圧入する際に端子金具が適度に曲ることにより余分なプレス圧が吸収され、絶縁体の割れ及び亀裂の発生を防止することができる。また、接続部形成用粉末に十分な圧力をかけつつ加熱することができるので、形成された接続部は緻密な焼結体となる。その結果、負荷寿命性能に優れたスパークプラグを製造することができる。
この発明のスパークプラグの製造方法が、さらに、前記プレス前長さと前記プレス後長さとの差(G1−G2)が0.3mm以上7.5mm以下、前記ビッカース硬さが150Hv以上350Hv以下、前記プレス前長さ(G1)が35mm以上60mm以下、及び前記端子金具の先端部と前記軸孔との間の距離((B−A)/2)が0.02mm以上0.15mm以下のいずれか1つ以上を満たすと、より一層絶縁体の割れ及び亀裂の発生を防ぐことができ、負荷寿命性能に優れたスパークプラグを製造することができる。
この発明のスパークプラグの製造方法により製造されるスパークプラグのシール径(B)が2.9mm以下であると、絶縁体の割れ及び亀裂の発生を防ぐこと及び負荷寿命性能の向上に対して、より一層効果が高い。
前記端子金具の先端部が凹凸状の表面を備え、前記凹凸状の表面の前記軸線方向長さが3mm以上20mm以下であると、端子金具と接続部との密着性が良好になり、その結果、端子金具と絶縁体とが強固に固定される。
図1は、この発明の製造方法により製造されたスパークプラグの一実施例であるスパークプラグの断面全体説明図である。 図2は、この発明に係るスパークプラグの製造方法における製造工程の一例を示す絶縁体等の断面説明図である。
この発明におけるスパークプラグの一実施例を図1に示す。図1はこの発明に係るスパークプラグの製造方法により製造されたスパークプラグの断面全体説明図である。なお、絶縁体の軸線をOとし、図1では紙面下方を、すなわち中心電極が保持されている側を軸線Oの先端方向、紙面上方を、すなわち端子金具が保持されている側を軸線Oの後端方向として、説明する。
このスパークプラグ1は、軸線O方向に延びる軸孔2を有する絶縁体3と、前記軸孔2の先端側で保持される中心電極4と、前記軸孔2の後端側で保持される端子金具5と、前記軸孔2内で前記中心電極4と前記端子金具5とを電気的に接続する接続部6と、前記絶縁体3を収容する主体金具7と、一端が前記主体金具7の先端面に接合されると共に他端が前記中心電極4と間隙を介して対向するように配置された接地電極8とを備える。
前記主体金具7は、略円筒形状を有しており、絶縁体3を収容して保持するように形成されている。主体金具7における先端方向の外周面にはネジ部9が形成されており、このネジ部9を利用して図示しない内燃機関のシリンダヘッドにスパークプラグ1が装着される。主体金具7は、導電性の鉄鋼材料、例えば、低炭素鋼により形成されることができる。このネジ部9は小径化を図るためにM12以下とされるのが好ましい。
前記絶縁体3は、主体金具7の内周部に滑石(タルク)10又はパッキン11等を介して保持されている。絶縁体3の軸孔2は、軸線Oの先端側で中心電極4を保持する小径部12と、接続部6を収容し、小径部12の内径よりも内径が大きい中径部14とを有し、小径部12と中径部14との間に後端側に向かって拡径するテーパ状の段部13を有する。絶縁体3は、絶縁体3における先端方向の端部が主体金具7の先端面から突出した状態で、主体金具7に固定されている。絶縁体3は、機械的強度、熱的強度、電気的強度等を有する材料であることが望ましく、このような材料として、例えば、アルミナを主体とするセラミック焼結体が挙げられる。
前記中心電極4は、小径部12に収容され、中心電極4の後端に設けられた径大のフランジ部17が段部13に係止され、中心電極4の先端が絶縁体3の先端面から突出した状態で主体金具7に対して絶縁保持されている。中心電極4は、熱伝導性及び機械的強度等を有する材料で形成されることが望ましく、例えば、インコネル(商標名)等のNi基合金で形成される。中心電極4の軸心部は、Cu又はAgなどの熱伝導性に優れた金属材料により形成されてもよい。
前記接地電極8は、例えば、略角柱体に形成されてなり、一端が主体金具7の先端面に接合され、途中で略L字に曲げられて、その先端部が中心電極4の先端部と間隙を介して対向するように、その形状及び構造が設計されている。接地電極8は、中心電極4を形成する材料と同様の材料により形成される。
前記中心電極4と前記接地電極8とが対向する面には、白金合金又はイリジウム合金等により形成される貴金属チップ29,30が設けられていてもよく、前記中心電極4及び前記接地電極8のいずれか一方にのみ貴金属チップが設けられていてもよい。この態様のスパークプラグ1においては、前記中心電極4及び前記接地電極8の両方に貴金属チップ29,30が設けられており、各貴金属チップ29,30の間に火花放電間隙gが形成されている。
前記端子金具5は、中心電極4と接地電極8との間で火花放電を行なうための電圧を外部から中心電極4に印加するための端子である。端子金具5は、軸孔2の中径部14の内径よりも外径が大きく、軸孔2から露出して、絶縁体3の軸線O方向の後端側端面にその一部が当接する露出部18と露出部18の軸線O方向の先端側端面から先端方向に延在し、軸孔内に収容される略円柱状の鍔下部19とを有する。前記鍔下部19は、軸線Oの先端側に位置する先端部20と先端部20と露出部18との間に位置する胴部21とを有する。前記先端部20と胴部21とは中径部14に収容される。この態様においては、先端部20は凹凸状の表面を備え、先端部20の外周面にローレット加工が施されている。先端部20の表面が、例えばローレット加工により形成された凹凸構造を有すると、端子金具5と接続部6との密着性が良好になり、その結果、端子金具5と絶縁体3とが強固に固定される。なお、前記凹凸構造は胴部21と先端部20との両方に設けられていてもよいし、これらの外周面及び先端面の全面に設けられていても良いし、これらの一部にのみ設けられていても良い。
端子金具5は、例えば、低炭素鋼等で形成され、その表面にNi金属層がメッキ等で形成されている。
前記接続部6は、軸孔2内で中心電極4と端子金具5との間に配置され、中心電極4と端子金具5とを電気的に接続する。接続部6は、抵抗体22を有し、この抵抗体22により電波ノイズの発生を防止する。接続部6は、抵抗体22と中心電極4との間に第一シール層23を、抵抗体22と端子金具5との間に第二シール層24を有し、第一シール層23と第二シール層24とは、絶縁体3と中心電極4、また絶縁体3と端子金具5とを封着固定している。
抵抗体22は、ホウケイ酸ソーダガラス等のガラス粉末、ZrO等のセラミック粉末、カーボンブラック等の非金属導電性粉末、及び/又は、Zn、Sb、Sn、Ag、Ni等の金属粉末等を含有する抵抗体組成物を焼結して形成されることができる。この抵抗体22の抵抗値は、通常100Ω以上である。
第一シール層23及び第二シール層24は、ホウケイ酸ソーダガラス等のガラス粉末、Cu、Fe等の金属粉末を含むシール粉末を焼結して形成されたシール材により形成されることができる。第一シール層23及び第二シール層24の抵抗値は、通常100mΩ以下である。
なお、接続部6は、第一シール層23と第二シール層24とがなく、抵抗体22のみにより形成されていてもよく、また第一シール層23又は第二シール層24の一方と抵抗体22とにより形成されていてもよい。以下において、接続部6を構成する抵抗材及び/又はシール材を総称して接続部材、接続部6を形成する抵抗体組成物及び/又はシール粉末を総称して接続部形成用粉末ということもある。
前記スパークプラグ1は、例えば次のようにして製造される。スパークプラグ1の製造工程のうち絶縁体と中心電極と端子金具とを配設及び固定する工程を中心にして、以下に説明する(図2参照。)。
まず、公知の方法により中心電極4、接地電極8、主体金具7、端子金具5及び絶縁体3を所定の材料で所定の形状に作製し(準備工程)、主体金具7の先端面に、レーザ溶接等により接地電極8の一端部を接合する(接地電極接合工程)。
一方、絶縁体3の軸孔2内に中心電極4を挿入して、軸孔2の段部13に中心電極4のフランジ部17を係止し、小径部12に中心電極4を配置する(第一工程)。
次いで、第一シール層23を形成するシール粉末15、抵抗体22を形成する抵抗体組成物25、及び第二シール層24を形成するシール粉末16をこの順に前記軸孔2内の後端側から入れて、プレスピン26を軸孔2内に挿入して60N/mm以上の圧力で予備圧縮して、中径部14にシール粉末15,16と抵抗体組成物25とを充填する(第二工程)。予備圧縮は、シール粉末15,16と抵抗体組成物25とから構成される接続部形成用粉末27の嵩高さの変化量が0.2mm以下になるまで複数回行なう。
次いで、前記軸孔2内の後端側から端子金具5の鍔下部19を挿入して、先端部20がシール粉末16に接触するように端子金具5を配置する(第三工程)。
次いで、接続部形成用粉末27をシール粉末15,16に含まれるガラス粉末のガラス軟化点以上の温度、例えば800〜1000℃の温度で3〜30分にわたって加熱しつつ、端子金具5の露出部18の先端面が絶縁体3の後端面に当接するまで圧入して、接続部形成用粉末27に荷重を加える(第四工程)。
こうして接続部形成用粉末27を構成するシール粉末15,16及び抵抗体組成物25が焼結して第一シール層23、第二シール層24及び抵抗体22が形成される。また、フランジ部17と軸孔2との間隙及び先端部20と軸孔2との間隙に第一シール層23及び第二シール層24を構成するシール材がそれぞれ充填されて、軸孔2内に中心電極4と端子金具5とが封着固定される。
次いで、接地電極8が接合された主体金具7に、中心電極4及び端子金具5等が固定された絶縁体3を組み付ける(組立工程)。
最後に、接地電極8の先端部を中心電極4側に折り曲げて、接地電極8の一端が中心電極4の先端部と対向するようにして、スパークプラグ1が製造される。
この発明に係るスパークプラグの製造方法は、前記第三工程において、端子金具5の先端部20の直径を先端部径(A)(mm)、端子金具5の先端部20が配置されている部位における軸孔2の内径をシール径(B)(mm)、絶縁体3の後端から露出部18の先端までの軸線O方向長さをプレス前露出寸法(H)(mm)としたとき、次の(1)〜(3)を満たす。
(1)端子金具5の先端部20と軸孔2との間の距離((B−A)/2)が0.02mm以上0.25mm以下である。
(2)端子金具5の露出部18より先端側の部位すなわち鍔下部19は、常温におけるビッカース硬さが100Hv以上430Hv以下である。
(3)プレス前露出寸法(H)が10mm以上28mm以下である。
特に、前記(1)の((B−A)/2)が0.02mm以上0.15mm以下であるのが好ましく、前記(2)のビッカース硬さが150Hv以上350Hv以下であるのが好ましい。
前記第三工程において、前記(1)〜(3)を満たすと、第四工程において端子金具5により接続部形成用粉末27に荷重を加える際に、端子金具5の鍔下部19が曲り過ぎると絶縁体3の後端部付近が割れたり亀裂が入ったりし、曲らない状態で荷重をかけ過ぎると絶縁体3の段部13付近が割れたり亀裂が入ったりするところ、端子金具5の鍔下部19が適度に曲ることによりプレス圧が吸収されるので、このような絶縁体3の割れや亀裂の発生を防ぐことができる。また、接続部形成用粉末27に十分な圧力をかけつつ接続部形成用粉末27を加熱することができるので、形成された接続部6は緻密な焼結体となる。その結果、負荷寿命性能に優れたスパークプラグを製造することができる。
端子金具5の先端部20と軸孔20との間の距離((B−A)/2)が小さ過ぎると、端子金具を軸孔20に挿入し難くなり、さらには挿入できなくなってしまう。距離((B−A)/2)が大き過ぎると、端子金具5により接続部形成用粉末27に荷重をかける際に、均一に圧力を伝達することができず、形成された接続部6の一部が緻密な焼結体にならずに、負荷寿命性能が維持できないおそれがある。
鍔下部19の常温におけるビッカース硬さが小さいと、端子金具5が柔らか過ぎるために接続部形成用粉末27にかける荷重が不足して、形成された接続部6が緻密な焼結体にならずに、負荷寿命性能が維持できないおそれがある。また、端子金具5を軸孔2内に圧入する際に鍔下部19が曲り、絶縁体3の後端部付近に割れ又は亀裂が生じることがある。ビッカース硬さが大きいと、鍔下部19が曲り難く余分なプレス圧が吸収されずに絶縁体3の段部13付近に割れ又は亀裂が発生するおそれがある。
プレス前露出寸法(H)が短すぎると、端子金具5により接続部形成用粉末27にかける荷重が不足して、形成された接続部6が緻密な焼結体にならずに、負荷寿命性能が維持できないおそれがある。プレス前露出寸法(H)が長過ぎると、端子金具5により接続部形成用粉末27にかける荷重が大き過ぎたり、端子金具5が曲りすぎたりして、絶縁体3に割れ又は亀裂が発生するおそれがある。
前記第四工程前の端子金具5の軸線O方向の長さから露出部18の軸線O方向の長さを減じた長さ、すなわち第四工程前の鍔下部19の軸線O方向長さをプレス前長さ(G1)、前記第四工程後の端子金具5の前記軸線O方向の長さから露出部18の軸線O方向の長さを減じた軸線O方向長さ、すなわち第四工程後の鍔下部19の軸線O方向長さをプレス後長さ(G2)とすると、
(4)前記プレス前長さ(G1)と前記プレス後長さ(G2)との差(G1−G2)が0.3mm以上7.5mm以下であるのが好ましい。
前記第四工程の前後で鍔下部19が適度に曲ると良く、前記(4)を満たすと、より一層絶縁体3の割れや亀裂の発生を防止することができ、また、負荷寿命性能に優れたスパークプラグを製造することができる。
また、(5)前記プレス前長さ(G1)が35mm以上60mm以下であると好ましい。前記プレス前長さ(G1)が短すぎると鍔下部19が曲り難く、長過ぎると曲り易くなるところ、前記プレス前長さ(G1)が前記範囲内にあると、鍔下部19が適度に曲るので、より一層絶縁体3の割れや亀裂の発生を防止することができ、また、負荷寿命性能に優れたスパークプラグを製造することができる。
さらに、(6)端子金具5の先端部20が凹凸状の表面を備え、前記凹凸状の表面の軸線O方向長さである凹凸長さ(I)が3mm以上20mm以下であるのが好ましい。前記凹凸状の表面の凹凸長さ(I)が前記範囲内にあると、先端部20と第二シール層24との密着性が良好になるので、端子金具5と絶縁体3とが強固に固定される。
前記シール径(B)が2.9mm以下であると、絶縁体3の径方向の厚みが小さくなること、及び細径になることによる摩擦負荷が増大するので、より一層絶縁体破壊の防止及び負荷寿命性能の向上に効果的である。
シール径(B)、プレス後長さ(G2)の寸法は、スパークプラグを軸線Oに直交する方向からX線透過装置で撮影し、該当箇所を測定することにより得られ、前記先端部径(A)、プレス前露出寸法(H)、凹凸長さ(I)、プレス前長さ(G1)はノギスで該当箇所を測定することにより得ることができる。図2に示すように、先端部径(A)は、例えば、先端部20の先端から軸線Oの後端方向へ1mmの部位における先端部の外径を測定する。先端部20が凹凸状の表面を備えている場合には、凸部分の外径を測定して先端部径(A)とする。シール径(B)は、前記部位における中径部14の内径を測定する。プレス前露出寸法(H)は、端子金具5の先端部20が接続部形成用粉末27に接触するまで、なおかつプレスピンで押圧した以上の圧力が接続部形成用粉末27にかからないように軸孔2内に挿入し、絶縁体3の後端から露出部18の先端までの軸線O方向長さを測定する。凹凸長さ(I)は、先端部20の表面に設けられた凹凸構造の軸線方向長さのうち最も長い距離を測定する。プレス前長さ(G1)は、第四工程前、すなわち端子金具5により接続部形成用粉末に荷重をかける前に端子金具5の軸線方向長さと露出部18の軸線方向長さとを測定し、その差を算出する。プレス後長さ(G2)は、第四工程後、すなわち端子金具5により接続部形成用粉末に荷重をかけた後に、端子金具5の軸線方向長さと露出部18の軸線方向長さとを測定し、その差を算出する。なお、プレス前長さ(G1)及びプレス後長さ(G2)は、露出部18の先端から端子金具5の先端までの軸線方向長さを測定しても良い。
鍔下部19の常温におけるビッカース硬さは、鍔下部19の先端部20が凹凸状の表面を有する場合には、凹凸状の表面を有する箇所の最後端から後端側へ2mmの位置で軸線Oに直交する面で切断して得られた断面を研磨し、鍔下部19の先端部20が凹凸状の表面を有しない場合には、鍔下部19の先端から5mmの位置で軸線Oに直交する面で切断して得られた断面を研磨し、この研磨面における任意の10点についてJISZ2244に準拠して硬度を測定し、これらの平均値を算出することにより得ることができる。前記鍔下部19の常温におけるビッカース硬さは、端子金具を構成する材料の組成を変化させることにより調整することができる。
この発明に係るスパークプラグは、自動車用の内燃機関例えばガソリンエンジン等の点火栓として使用され、内燃機関の燃焼室を区画形成するヘッド(図示せず)に設けられたネジ穴に前記ネジ部9が螺合されて、所定の位置に固定される。この発明に係るスパークプラグは、如何なる内燃機関にも使用することができるが、小径化したスパークプラグにおいて特に効果が発揮されるから、スパークプラグの省スペース化が要求される内燃機関に好適に使用されることができる。
この発明に係るスパークプラグは、前記した実施例に限定されることはなく、本願発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。例えば、前記スパークプラグ1は、端子金具5の先端部20にローレット加工が施されているが、先端部20の表面はシール材との密着性が良好になる形状、例えば凹凸状であれば特に限定されず、ネジ切加工等により形成された形状であってもよい。また、鍔下部の外周面及び先端面全体が凹凸状であってもよいし、先端部の外周面及び先端面のみが凹凸状であってもよいし、鍔下部の表面の一部が凹凸状であってもよい。
<スパークプラグの作製>
図1に示すスパークプラグを、前述した製造工程にしたがって作製した。第二工程において、絶縁体の軸孔内に入れたシール粉末は、ガラス粉末を50質量%、導通成分(金属粉末)を50質量%を混合した粉末であり、抵抗体組成物は、ガラス粉末を80質量%、セラミック粉末を15質量%、カーボンブラックを5質量%を混合した粉末であった。
軸孔内に入れたシール粉末と抵抗体組成物とをプレスピン(直径:シール径より0.3mm小さい。)にて100N/mmの圧力で予備圧縮した。予備圧縮は、シール粉末と抵抗体組成物との嵩高さの変化量が0.2mm以下になるまで複数回行なった。第四工程においては、抵抗体組成物とシール粉末とを構成する接続部形成用粉末を900℃で10分にわたって加熱しつつ露出部が絶縁体の後端部に接触するまで端子金具を軸孔内に圧入した。
スパークプラグは、先端部径(A)、シール径(B)、プレス前露出寸法(H)、凹凸長さ(I)、プレス前長さ(G1)、プレス後長さ(G2)を表1に示すように変化させて作製した。
なお、前記各種寸法は、前述したように、X線透過装置及びノギスを用いて該当箇所を測定した。
作製したスパークプラグにおける鍔下部のビッカース硬さは、前述したようにJIS Z 2244に準拠して測定した。
<評価方法>
(負荷寿命性能試験)
製造したスパークプラグを350℃の環境下に置き、20kVの放電電圧を印加して、1分間に3600回放電させ、この試験前後のスパークプラグの抵抗体の抵抗値(R、R)を測定した。上記試験を10回行い、初期抵抗値Rに対する試験後の抵抗値Rの平均値(R/R)が1.5倍以上になった時間を測定し、次の基準にしたがって評価した。評価結果を表2に示す。

1:150時間未満
2〜9:10時間毎に1点加算
10:230時間以上
(絶縁体の割れ発生率の評価)
スパークプラグを20本作製したときに、製造工程中に絶縁体の後端部付近又は段部付近に割れ又は亀裂が生じたスパークプラグの個数を調べ、その割合を算出した。評価結果を表2に示す。
(端子固着力試験)
端子金具の露出部を治具にて挟み、この治具をオートグラフで引張り、端子金具が絶縁体から引き抜けたときの強さを測定した。端子固着力は次の基準にしたがって評価した。評価結果を表2に示す。

1:1000N未満
2:1000N以上1300N未満
3:1300N以上1600N未満
以降300N毎に1点加算
9:3100N以上3500N未満
10:3500N以上、又は端子金具が破壊
なお、表2に示す絶縁体割れの評価、性能評価及び総合評価は、以下の基準に基づいて評価した。
<絶縁体割れの評価>
◎:後端部割れ率及び段部割れ率がいずれも5%以下である。
○:後端部割れ率及び段部割れ率のうち、一方が5%より大きく30%未満であり、他方が0%以上30%未満である。
×:後端部割れ率及び段部割れ率の少なくとも一方が30%以上である。
<性能評価>
1〜10:負荷寿命性能及び端子固着力の評価のうち小さい方の数値を性能評価値とした。
<総合評価>
1:絶縁体割れ評価が×、又は、性能評価が1のとき総合評価は1である。
2:絶縁体割れ評価が○以上、かつ、性能評価が2のとき総合評価は2である。
3:絶縁体割れ評価が○、又は、性能評価が3のとき総合評価は3である。
4〜9:絶縁体割れ評価が◎、かつ、性能評価が4〜9のとき、総合評価は4〜9である。
10:絶縁体割れ評価が◎及び性能評価が10のとき、総合評価は10である。
Figure 0005401426
Figure 0005401426
この発明の範囲に含まれるスパークプラグの製造方法によると、表2に示されるように、端子金具を軸孔内に圧入する際に絶縁体に割れ又は亀裂が生じる割合が低く、また製造されたスパークプラグは負荷寿命性能に優れていた。一方、この発明の範囲外のスパークプラグの製造方法によると、端子金具を軸孔内に圧入する際に絶縁体に割れ又は亀裂が生じる割合、或いは製造されたスパークプラグの負荷寿命性能の少なくとも一方が劣っていた。
1 スパークプラグ
2 軸孔
3 絶縁体
4 中心電極
5 端子金具
6 接続部
7 主体金具
8 接地電極
9 ネジ部
10 タルク
11 パッキン
12 小径部
13 段部
14 中径部
15,16 シール粉末
17 フランジ部
18 露出部
19 鍔下部
20 先端部
21 胴部
22 抵抗体
23 第一シール層
24 第二シール層
25 抵抗体組成物
26 プレスピン
27 接続部形成用粉末
29,30 貴金属チップ

Claims (7)

  1. 軸線方向に延びる軸孔を有する絶縁体と、
    前記軸孔の一端側で保持される中心電極と、
    前記軸孔の他端側で保持される端子金具と、
    前記軸孔内で前記中心電極と前記端子金具とを電気的に接続する接続部と、
    を備え、
    前記端子金具は、前記軸孔から露出する露出部を有するスパークプラグの製造方法であって、
    前記軸孔における前記中心電極が配置されている側を前記軸線方向の先端側としたとき、
    前記軸孔の一端側に中心電極が配置される第一工程と、
    前記接続部を形成する接続部形成用粉末が充填される第二工程と、
    前記端子金具の先端部が前記接続部形成用粉末に接触するように前記軸孔内に配置される第三工程と、
    前記接続部形成用粉末が加熱されるとともに前記端子金具により荷重を加えられる第四工程と、
    を有し、
    前記第三工程において、
    前記端子金具の先端部の直径を先端部径(A)、前記端子金具の先端部が配置されている部位における前記軸孔の内径をシール径(B)、前記絶縁体の後端から前記露出部の先端までの前記軸線方向長さをプレス前露出寸法(H)とすると、
    前記端子金具の先端部と前記軸孔との間の距離((B−A)/2)が0.02mm以上0.25mm以下であり、
    前記端子金具の露出部より先端側の部位は、常温におけるビッカース硬さが100Hv以上430Hv以下であり、及び、
    前記プレス前露出寸法(H)が10mm以上28mm以下であることを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  2. 前記第四工程前の前記端子金具の前記軸線方向の長さから前記露出部の前記軸線方向の長さを減じた長さをプレス前長さ(G1)、前記第四工程後の前記端子金具の前記軸線方向の長さから前記露出部の前記軸線方向の長さを減じた長さをプレス後長さ(G2)とすると、
    前記プレス前長さと前記プレス後長さとの差(G1−G2)が0.3mm以上7.5mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグの製造方法。
  3. 前記シール径(B)が2.9mm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスパークプラグの製造方法。
  4. 前記端子金具の露出部より先端側の部位は、常温におけるビッカース硬さが150Hv以上350Hv以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法。
  5. 前記プレス前長さ(G1)が35mm以上60mm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法。
  6. 前記端子金具の先端部と前記軸孔との間の距離((B−A)/2)が0.02mm以上0.15mm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法。
  7. 前記端子金具の先端部が凹凸状の表面を備え、前記凹凸状の表面の前記軸線方向長さが3mm以上20mm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法。
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