JP5400424B2 - 水素発生方法および水素発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アルミニウムと水との反応を利用した水素発生方法および水素発生装置に関し、特に燃料電池に水素を供給するための技術として有用である。
従来、水を供給して水素ガスを発生させる水素発生剤としては、鉄、アルミニウム等の金属を主成分とするものや、水素化マグネシウムや水素化カルシウム等の水素化金属化合物を主成分とするものが知られている(例えば、特許文献1参照)。なかでも、アルミニウム等の金属を用いる水素発生方法は、水素発生剤の原料コストが安価であるという利点がある。しかし、アルミニウムを用いる場合、室温では、粒子を小さくしないと反応性が低く、また、水との反応の際にアルミ表面に被膜が生成して、反応が進みにくくなるという問題があった。
そこで、特許文献2には、アルミ粉末とアルカリ水溶液を反応させて水素発生を行い、発生する水素を水素吸蔵合金に貯蔵しつつ、発電部に供給して発電を行う燃料電池が開示されている。また、アルカリ水溶液が、アルミナ被膜と反応してアルミネート化合物を生成する点、およびアルカリ水溶液として水酸化カルシウムを用いる点についても記載されている。
特開2003−314792号公報 特開2008−166248号公報
しかしながら、特許文献2に記載された水素発生方法では、アルカリ水溶液を使用するため、水とアルミの反応速度が最大になる状態(ピーク周辺部)に達するまでの時間が遅くなることが判明した。また、アルカリ成分を構成する金属の種類によっては、初期にpHが下がって反応の谷間ができる場合があることが判明した。このような反応の遅れや滞りは、燃料電池等へ水素ガスを供給する場合に、電力の低下を引き起こすため改善すべき問題であった。
そこで、本発明の目的は、安価なアルミニウムを使用して、水素発生速度が最大になる状態をより短時間に達成することができ、好ましくは、初期における反応の滞りを少なくすることができる水素発生方法および水素発生装置を提供することにある。
本発明者らは、アルミニウムと水との反応を利用した水素発生方法について鋭意研究したところ、アルカリ水溶液を使用した際に中間生成物として生じるテトラヒドロキソアルミン酸塩を最初から用いることで、水素発生速度が最大になる状態をより短時間に達成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の水素発生方法は、水とアルミニウムとを反応させる際に、テトラヒドロキソアルミン酸塩を添加することを特徴とする。ここで、テトラヒドロキソアルミン酸塩は、テトラヒドロクソアルミン酸塩とも称され、テトラヒドロキソアルミン酸イオンは、典型的には[Al(OH)の式で記載することができる。
本発明の水素発生方法によると、アルカリ水溶液を使用した際に中間生成物として生じるテトラヒドロキソアルミン酸塩を最初から添加することで、中間生成物が生成するまでの時間を短縮できるため、水素発生速度が最大になる状態をより短時間に達成することができる。
上記において、前記テトラヒドロキソアルミン酸塩が、テトラヒドロキソアルミン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩であることが好ましい。アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩の場合に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物(典型的なアルカリ物質)を用いる場合と比較して、水素発生速度が最大になる状態をより短時間に達成することができる。
また、前記テトラヒドロキソアルミン酸塩が、テトラヒドロキソアルミン酸のカルシウム塩であることが好ましい。典型的なアルカリ物質である水酸化カルシウムを用いる場合、反応の初期にpHが下がって反応速度の谷間ができる傾向があるところ、テトラヒドロキソアルミン酸のカルシウム塩を添加することで、特に初期における反応の滞りを少なくすることができる。
また、アルカリ性物質(テトラヒドロキソアルミン酸塩を除く)を更に含むことが好ましい。アルカリ性物質を更に含むことで、反応初期のピークを押さえて、反応速度をより一定にすることができ、あるいは、反応を継続させてトータルの反応率を高めることができる。
また、シート状のアルミニウムを使用することが好ましい。シート状のアルミニウムを用いることで、アルミニウムの取扱い性が高まるとともに、微粒子を使用する場合と比較してコスト的にも有利になる。
一方、本発明の水素発生装置は、テトラヒドロキソアルミン酸塩を添加した状態で、水とアルミニウムとを反応させる水素発生部を備えることを特徴とする。本発明の水素発生装置によると、水素発生部において、アルカリ水溶液を使用した際に中間生成物として生じるテトラヒドロキソアルミン酸塩を最初から添加することで、中間生成物が生成するまでの時間を短縮できるため、水素発生速度が最大になる状態をより短時間に達成することができる。
実施例1等における水素発生流速と水素発生総量の経時変化を示すグラフ 実施例2等における水素発生流速と水素発生総量の経時変化を示すグラフ 実施例3等における水素発生流速と水素発生総量の経時変化を示すグラフ 実施例4等における水素発生流速と水素発生総量の経時変化を示すグラフ 実施例5等における水素発生流速の経時変化を示すグラフ 実施例6等における水素発生流速の経時変化を示すグラフ 実施例7等における水素発生流速の経時変化を示すグラフ 実施例8等における水素発生流速の経時変化を示すグラフ
本発明の水素発生方法は、水とアルミニウムとを反応させる際に、テトラヒドロキソアルミン酸塩を添加することを特徴とする。アルミニウムは単体の場合に限らず、合金、金属混合物等としても使用することができる。
使用するアルミニウムの形態は、粉末、粒状物、シート状物、塊状物など何れでも良いが、シート状物が特に好ましい。従来、アルミニウムは、微粒子化することで水との反応性を高める方法が採られてきたが、本発明では、シート状アルミニウムに対しても十分な水素発生反応が生じるため、シート状物が好ましく使用される。
シート状アルミニウムを用いる場合、その厚みは、反応性と取扱い性の観点から、5〜300μmが好ましく、20〜100μmがより好ましい。また、水溶液と十分な接触を図る観点から、1枚のシート全体が折り曲げずに水溶液に浸漬するように、個々の面積を小さく切断することが好ましい。更に、複数のシート状アルミニウムを積層する際に濾紙等の吸水シートを介在させるようにしてもよい。また、ハニカム状のアルミニウムやそれを圧縮したものを使用することも可能である。ハニカム状のアルミニウムやその圧縮物は、反応のための空間が確保されるため、好ましく使用することができる。
水とアルミニウムとの反応は、例えば次式で表される。ここで、記号「⇔」は平衡反応を示す(以下同じ)。
2Al+6HO ⇔ 2Al(OH)+3H
また、アルカリ条件下での水とアルミニウムとの反応は、例えば次式で表される。
2Al+6OH+6HO ⇔ 2Al(OH)+6OH+3H
このように、水の反応はアルカリ性物質が溶解した水溶液の状態で行われてもよい。
例えば、アルカリ性物質としてCa(OH)を添加して、水とアルミニウムとを反応させる場合、次式で表される反応が生じることが判明した。
Ca(OH)+2Al(OH) ⇔ Ca[Al(OH)
そして、このCa[Al(OH)等のテトラヒドロキソアルミン酸塩を、水とアルミニウムの反応系に添加することで、水素発生速度が最大になる状態をより短時間で達成することができる。テトラヒドロキソアルミン酸塩は、水溶液又は水に懸濁した状態で使用することができる。
テトラヒドロキソアルミン酸塩としては、テトラヒドロキソアルミン酸の金属塩やアンモニウム塩などが挙げられるが、テトラヒドロキソアルミン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩であることが好ましく、特に、テトラヒドロキソアルミン酸カルシウムであることが好ましい。
アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等が挙げられ、アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等が挙げられる。
テトラヒドロキソアルミン酸塩の添加量は、水素発生速度が最大になる状態をより短時間に達成する観点から、アルミニウム100重量部に対して、1〜200重量部が好ましく、10〜100重量部がより好ましい。また、アルカリ性物質を更に添加する場合、テトラヒドロキソアルミン酸塩の添加量は、アルミニウム100重量部に対して、1〜200重量部が好ましく、10〜100重量部がより好ましい。
テトラヒドロキソアルミン酸塩は、市販のものを使用することも可能であるが、次のようにして製造することが可能である。即ち、水酸化カリウムのようにイオン化傾向の大きい金属の水酸化物の水溶液と、アルミニウムとを反応させて、テトラヒドロキソアルミン酸イオンとカリウムイオンを含む水溶液を得た後、この水溶液に、塩化カルシウムのような金属塩化物等を含む水溶液を添加して反応させ、必要に応じて析出した反応物を熟成させることで、テトラヒドロキソアルミン酸塩を製造することが可能である。また、金属水酸化物とアルミニウムとを反応させる方法、金属水酸化物と水酸化アルミニウムとを反応させる方法、イオン化傾向の大きい金属の水酸化物の水溶液と水酸化アルミニウムとを反応させた後、金属塩化物等を含む水溶液を添加して反応させる方法などで、製造することも可能である。
本発明では、水とアルミニウムとを反応させる際に、アルカリ性物質(テトラヒドロキソアルミン酸塩を除く)を更に含むようにしてもよい。その際、水溶液として使用する代わりに、飽和濃度を超えるアルカリ性物質を含む非溶解成分含有水溶液の状態で、アルミニウムとの反応を行ってもよい。
「非溶解成分含有水溶液」とは、溶解していないアルカリ性物質(即ち固形分)を含む、アルカリ性物質水溶液を指す。このような非溶解成分含有水溶液としては、トータルで飽和濃度を超えるアルカリ性物質とアルカリ性物質水溶液とを混合したもの、水に飽和濃度を超えるアルカリ性物質を混合して溶解させたもの、一旦アルカリ性物質が完全に溶解したアルカリ性物質水溶液から温度変化等により一部のアルカリ性物質が析出したもの、などが挙げられる。
アルカリ性物質としては、前記のようなアルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩などが挙げられるが、アルカリ性物質は2種以上併用することも可能である。アルカリ性物質としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物が好ましく、反応初期のピークを押さえて反応速度をより一定しつつ、反応を継続させてトータルの反応率を高める観点から、水酸化カリウム、水酸化カルシウムが好ましい。
アルカリ性物質を含有する非溶解成分含有水溶液を用いる場合、アルカリ性物質が沈降した状態、攪拌や微粒子化等によって懸濁した状態などで使用することができる。但し、均一な反応を行う上で、攪拌や微粒子化等によって懸濁した状態で使用することが好ましい。また、アルカリ性物質の非溶解成分を素早く溶解させる観点から、非溶解成分の粒子径は、小さい方が好ましく、平均粒子径が500μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。
アルカリ性物質を添加する場合、アルカリ性物質の総量は、アルミニウム100重量部に対して、1〜200重量部が好ましく、10〜100重量部がより好ましい。
水の量は、容積効率を高め、反応環境を安定化させる観点から、アルミニウム100重量部に対して、500〜5000重量部が好ましく、1000〜3000重量部がより好ましい。
アルミニウムと水とを反応させる方法としては、両者を接触させる状態とすればよく、例えば、テトラヒドロキソアルミン酸塩の水溶液又は水懸濁液にアルミニウムを入れる方法、アルミニウムとテトラヒドロキソアルミン酸塩とを入れた容器内に水を投入する方法、アルミニウムを入れた容器内にテトラヒドロキソアルミン酸塩の水溶液又は水懸濁液を添加する方法、など何れでもよい。
本発明では、室温で水素発生反応を進行させることができるが、反応速度を高めるために系を保温したり、加温することも可能である。
また、反応系には、更にテトラヒドロキソアルミン酸塩以外の塩類を含有させることが可能である。アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩などが挙げられる。塩類は2種以上併用することも可能である。
塩類を添加する場合の含有量は、水素発生反応を促進させる観点から、アルミニウム100重量部に対して、5〜1000重量部が好ましく、10〜150重量部がより好ましい。
次に、本願発明の水素発生装置について説明する。本発明の水素発生装置は、以上のような本発明の水素発生方法を実施する水素発生部を備えるものであり、テトラヒドロキソアルミン酸塩を添加した状態で、水とアルミニウムとを反応させる水素発生部を備えることを特徴とする。
水素発生部には、密閉型又は開放型の容器を用いることができ、必要に応じて、発生した水素ガスを導出する排出路や、材料や水溶液等を導入するための供給路又は添加装置、攪拌のための攪拌装置などが設けられる。また、保温や加温を行うための手段が適宜設けられる。
本発明の水素発生方法は、水素発生装置の装置構造を簡易化できるため、特に携帯機器用の燃料電池の水素供給装置に使用する場合に有効である。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。
製造例1
次のようにして、テトラヒドロキソアルミン酸のカルシウム塩を製造した。即ち、水酸化カリウムの水溶液(水酸化カリウム含有量5.2g)10gにアルミニウムのシート(厚み25μm)1gを少しづつ添加して反応させ、テトラヒドロキソアルミン酸イオンとカリウムイオンを含む水溶液を得た。この水溶液11gに、塩化カルシウムの水溶液(塩化カルシウム含有量2.06g)12.06gを添加して反応させ、析出した反応物を、その色が灰白色になるまで1〜6日間熟成した。この反応物を250mLの純水でろ過・洗浄した。ろ過終了した後、35mLのアセトンで洗浄し、生成物を乾燥させて、テトラヒドロキソアルミン酸カルシウムを得た。
製造例2
製造例1において、塩化カルシウムの代わりに塩化ストロンチウムを同じ当量で使用したこと以外は全く同様にして、テトラヒドロキソアルミン酸ストロンチウムを製造した。
製造例3
次のようにして、テトラヒドロキソアルミン酸のナトリウム塩を製造した。即ち、水酸化ナトリウムの水溶液(水酸化ナトリウム含有量3.2g)10gにアルミニウムのシート(厚み25μm)1gを少しずつ添加して反応させ、テトラヒドロキソアルミン酸イオンとナトリウムイオンを含む水溶液を得た。この水溶液を乾燥させて、テトラヒドロキソアルミン酸ナトリウム(4.2g)を得た。
製造例4
製造例3において、水酸化ナトリウムの水溶液の代わりに水酸化カリウムの水溶液(水酸化カリウム含有量5.2g)10gを使用したこと以外は全く同様にして、テトラヒドロキソアルミン酸カリウム(6.2g)を得た。
実施例1
アセトンにより脱脂・切断したアルミ箔(幅10mm、厚み25μm、)1gを50ccのスクリュー管に入れ、これに製造例1で得られたテトラヒドロキソアルミン酸カルシウム0.76gと純水10gとの混合液を添加し、アルミ箔の全体を浸漬させた状態で、水素発生反応を行った。その際の水素発生流速(発生速度)と水素発生量(総量)の経時的な変化を図1に示す。
比較例1
アセトンにより脱脂・切断したアルミ箔(幅10mm、厚み25μm、)1gを50ccのスクリュー管に入れ、これに水酸化カルシウム0.24gを純水10gに溶解した水溶液を添加し、アルミ箔の全体を浸漬させた状態で、水素発生反応を行った。その際の水素発生流速(発生速度)と水素発生量(総量)の経時的な変化を図1に示す。
図1に示す結果から、アルカリ土類金属の含有量が同じでありながら、テトラヒドロキソアルミン酸塩を添加した場合には、水素発生速度が最大になる状態をより短時間に達成することができ、しかも、初期における反応の滞りを少なくすることができることが判明した。
実施例2
実施例1において、テトラヒドロキソアルミン酸のカルシウム塩の代わりに、製造例2で得られたストロンチウム塩を0.92g用いたこと以外は、実施例1と全く同じ条件で、水素発生反応を行った。その際の水素発生流速(発生速度)と水素発生量(総量)の経時的な変化を図2に示す。
比較例2
比較例1において、水酸化カルシウムの代わりに水酸化ストロンチウムを0.8778g用いたこと以外は、比較例1と全く同じ条件で、水素発生反応を行った。その際の水素発生流速(発生速度)と水素発生量(総量)の経時的な変化を図2に示す。
図2に示す結果から、アルカリ土類金属の含有量が同じでありながら、テトラヒドロキソアルミン酸塩を添加した場合には、水素発生速度が最大になる状態をより短時間に達成することができることが判明した。
実施例3
実施例1において、アルミ箔の量を0.05gとし、テトラヒドロキソアルミン酸のカルシウム塩の代わりに製造例3で得られたナトリウム塩を4.2g(水溶液10g)用いたこと以外は、実施例1と全く同じ条件で、水素発生反応を行った。その際の水素発生流速(発生速度)と水素発生量(総量)の経時的な変化を図3に示す。
比較例3
比較例1において、アルミ箔の量を0.05gとし、水酸化カルシウムの代わりに水酸化ナトリウムを3.2g(水溶液10g)用いたこと以外は、比較例1と全く同じ条件で、水素発生反応を行った。その際の水素発生流速(発生速度)と水素発生量(総量)の経時的な変化を図3に示す。
図3に示す結果から、アルカリ金属の含有量が同じでありながら、テトラヒドロキソアルミン酸塩を添加した場合には、水素発生速度が最大になる状態をより短時間に達成することができることが判明した。
実施例4
実施例1において、アルミ箔の量を0.05gとし、テトラヒドロキソアルミン酸のカルシウム塩の代わりに製造例4で得られたカリウム塩を6.2g(水溶液11g)用いたこと以外は、実施例1と全く同じ条件で、水素発生反応を行った。その際の水素発生流速(発生速度)と水素発生量(総量)の経時的な変化を図4に示す。
比較例4
比較例1において、アルミ箔の量を0.05gとし、水酸化カルシウムの代わりに水酸化カリウムを5.2g(水溶液10g)用いたこと以外は、比較例1と全く同じ条件で、水素発生反応を行った。その際の水素発生流速(発生速度)と水素発生量(総量)の経時的な変化を図4に示す。
図4に示す結果から、アルカリ金属の含有量が同じでありながら、テトラヒドロキソアルミン酸塩を添加した場合には、水素発生速度が最大になる状態をより短時間に達成することができることが判明した。
実施例5−1
ハニカム状のアルミ(昭和飛行機工業社製、厚み10mm)をアセトンにより脱脂した後、このアルミ2.1gを48×65×H16mmの樹脂製の箱型容器に入れ、これに製造例1で得られたテトラヒドロキソアルミン酸カルシウム0.12gと純水35gとの混合液を添加し、アルミ全体を浸漬させた状態で、水素発生反応を行った。その際の水素発生流速(発生速度)の経時的な変化を図5に示す。
実施例5−2
実施例5−1において、更に水酸化カルシウム0.01gを添加したこと以外は、実施例5−1と全く同じ条件で、水素発生反応を行った。その際の水素発生流速(発生速度)の経時的な変化を図5に示す。
実施例5−3
実施例5−1において、更に水酸化カリウム0.01gを添加したこと以外は、実施例5−1と全く同じ条件で、水素発生反応を行った。その際の水素発生流速(発生速度)の経時的な変化を図5に示す。
図5に示す結果から、アルカリ性物質を更に添加することにより、水素発生速度が安定すると共に、トータルの反応率を向上させることができることが判明した。
実施例6−1
実施例5−1において、更に水酸化ストロンチウム0.01gを添加したこと以外は、実施例5−1と全く同じ条件で、水素発生反応を行った。その際の水素発生流速(発生速度)の経時的な変化を、図5の結果と併せて図6に示す。図6に示す結果から、アルカリ性物質を更に添加することにより、水素発生速度が安定すると共に、トータルの反応率を向上させることができることが判明した。
実施例7
実施例5−1において、テトラヒドロキソアルミン酸カルシウムの添加量を0.35gとし、水酸化カリウムの添加量を0.035gとしたこと以外は、実施例5−1と全く同じ条件で、水素発生反応を行った。その際の水素発生流速(発生速度)の経時的な変化を、実施例5−1の結果と併せて図7に示す。図7に示す結果から、テトラヒドロキソアルミン酸塩とアルカリ性物質の濃度を高めることにより、水素発生速度の立ち上がりを早くして、かつこれを安定させられることが判明した。
実施例8
ハニカム状のアルミ(昭和飛行機工業社製、厚み3mm)をアセトンにより脱脂した後、このアルミ0.7gを45×67×H7mmの樹脂製の箱型容器に入れ、これに製造例1で得られたテトラヒドロキソアルミン酸カルシウム0.35gと、水酸化カリウム0.035gと、水酸化カルシウム0.1gと純水11gとの混合液を添加し、アルミ全体を浸漬させた状態で、水素発生反応を行った。その際の水素発生流速(発生速度)の経時的な変化を図8に示す。図8に示す結果から、テトラヒドロキソアルミン酸塩に2種のアルカリ性物質を添加することにより、水素発生速度のプロファイルをコントロールすることが容易になることが判明した。

Claims (4)

  1. カルシウムよりイオン化傾向の大きい金属の水酸化物の水溶液と、アルミニウムとを反応させて、テトラヒドロキソアルミン酸イオンと金属イオンを含む水溶液を得た後、この水溶液に塩化カルシウムを反応させて析出した反応物を乾燥してテトラヒドロキソアルミン酸カルシウムを製造し、
    水とアルミニウムとを反応させる際に、乾燥した前記テトラヒドロキソアルミン酸カルシウムを添加する水素発生方法。
  2. 水とアルミニウムとを反応させる際に、アルカリ性物質(テトラヒドロキソアルミン酸塩を除く)を更に含むものである請求項1に記載の水素発生方法。
  3. 水とアルミニウムとを反応させる際に、2種以上のアルカリ性物質(テトラヒドロキソアルミン酸塩を除く)を含むものである請求項2に記載の水素発生方法。
  4. 水とアルミニウムとを反応させる際に、シート状のアルミニウムを使用する請求項1〜3いずれかに記載の水素発生方法。
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