JP5398614B2 - ハイブリッド建設機械の制御装置 - Google Patents
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Description
このように電磁開閉弁の切り換え遅れが発生すると、その遅れ分だけブームシリンダの戻り油が大量に油圧モータ側に流れてしまう。この大量の戻り油によって、油圧モータのトルクが電動・発電機の吸収トルク以上になることがあるが、このように油圧モータのトルクが電動・発電機の吸収トルク以上になると、電動・発電機は自衛動作をしてその発電機能を停止してしまう。
このために油圧モータは、その負荷が小さくなって高速回転をし、上記ブームシリンダのエネルギーを吸収できなくなるので、上記のようにブームシリンダは逸走し、所定の位置に停止できなくなる。
また、上記レギュレータは、油圧モータに導かれる上記アクチュエータからの圧力によって、電動・発電機の吸収トルク以上に油圧モータの出力トルクが作用しないように、油圧モータの傾転角を制御して当該油圧モータの1回転当たりの押し除け容積を小さくする構成にしている。
上記のように油圧モータのトルクが電動・発電機の吸収トルクの範囲内に保たれるので、油圧モータの入口圧、即ち、アクチュエータの制動圧を高くすることができ、アクチュエータの制動力が増大する。したがって、オペレータが当該アクチュエータを急停止させようとしたときにも、その制動距離に違和感を与えずに停止させることができ、オペレータは安心して操作することができるとともに、安全性も向上する。
上記第1回路系統には、その上流側から順に、旋回モータRMを制御する旋回モータ用の操作弁1、図示していないアームシリンダを制御するアーム1速用の操作弁2、ブームシリンダBCを制御するブーム2速用の操作弁3、図示していない予備用アタッチメントを制御する予備用の操作弁4および図示していない左走行用モータを制御する左走行モータ用の操作弁5を接続している。
上記中立流路6であって、左走行モータ用の操作弁5の下流側にはパイロット圧生成機構8を設けている。このパイロット圧生成機構8はそこを流れる流量が多ければ高いパイロット圧を生成し、その流量が少なければ低いパイロット圧を生成するものである。
ただし、操作弁1〜5の操作量によっては、ポンプ吐出量の一部がアクチュエータに導かれ、一部が中立流路6からタンクTに導かれることになるので、パイロット圧生成機構8は、中立流路6に流れる流量に応じたパイロット圧を生成する。言い換えると、パイロット圧生成機構8は、操作弁1〜5の操作量に応じたパイロット圧を生成することになる。
上記のようにしたパイロット流路9には第1圧力センサー11を接続するとともに、この第1圧力センサー11で検出した圧力信号をコントローラCに入力するようにしている。
上記中立流路16であって、アーム2速用の操作弁15の下流側にはパイロット圧生成機構18を設けているが、このパイロット圧生成機構18は、先に説明したパイロット圧生成機構8と全く同様に機能するものである。
上記のようにしたパイロット流路19には第2圧力センサー21を接続するとともに、この第2圧力センサー21で検出した圧力信号をコントローラCに入力するようにしている。
なお、上記バッテリーチャージャー23は、通常の家庭用の電源25に接続した場合にも、バッテリー24に電力を充電できるようにしている。つまり、このバッテリーチャージャー23は、当該装置とは別の独立系電源にも接続可能にしたものである。
旋回モータ用の操作弁1を上記とは逆に左側位置に切り換えると、今度は、通路27にポンプ吐出流体が供給され、通路26がタンクTに連通し、旋回モータRMは逆転することになる。
上記のようにしたブームシリンダBCのピストン側室31とブーム1速用の操作弁14とを結ぶ通路30には、コントローラCで開度が制御される比例電磁弁34を設けている。なお、この比例電磁弁34はそのノーマル状態で全開位置を保つようにしている。
上記可変容量型のサブポンプSPは、電動・発電機MGの駆動力で回転するが、この電動・発電機MGの駆動力によって、可変容量型の油圧モータMも同軸回転する構成にしている。そして、上記電動・発電機MGにはインバータIを接続するとともに、このインバータIをコントローラCに接続し、このコントローラCで電動・発電機MGの回転数等を制御できるようにしている。
ただし、上記油圧モータMの傾転角を制御するレギュレータ36は、後で説明するアクチュエータの圧力によっても油圧モータMの傾転角を制御するものである。
上記のように通路42に連通したレギュレータ36は、例えば通路42に導かれたブームシリンダBCの戻り圧が大きくなると、図2に示すように、その1回転当たりの押し除け容積Dを小さくする。したがって、この油圧モータMに作用するトルクTがT=(D・P)/2πとすると、圧力Pが上がったとき押し除け容積Dを小さくして、トルクTを電動機吸収トルク以下に保つものである。
第1回路系統の操作弁1〜5を中立位置に保っていれば、第1メインポンプMP1から吐出する流体の全量が中立流路6およびパイロット圧生成機構8を経由してタンクTに導かれる。このように第1メインポンプMP1の吐出全量がパイロット圧生成機構8を流れるときには、そこで生成されるパイロット圧が高くなるとともに、パイロット流路9にも相対的に高いパイロット圧が導かれる。そして、パイロット流路9に導かれた高いパイロット圧の作用で、レギュレータ10が動作し、第1メインポンプMP1の吐出量を最小に保つ。このときの高いパイロット圧の圧力信号は、第1圧力センサー11からコントローラCに入力される。
なお、コントローラCが、上記のように第1,2メインポンプMP1,MP2の吐出量が最小である旨の信号を受信したとき、コントローラCが電動・発電機MGの回転を停止してもよいし、その回転を継続させてもよい。
また、上記のように第1メインポンプMP1あるいは第2メインポンプMP2の吐出量を増大するときには、コントローラCは、電動・発電機MGを常に回転した状態に保つ。つまり、第1,2メインポンプMP1,MP2の吐出量が最小のときに電動・発電機MGを停止した場合には、コントローラCは、パイロット圧が低くなったことを検知して、電動・発電機MGを再起動させる。
上記のようにこの実施形態によれば、2つの第1,2圧力センサー11,21の圧力信号だけで、コントローラCが、サブポンプSPの傾転角および第1,2比例電磁絞り弁40,41の開度を制御できるので、圧力センサーの数を少なくできる。
また、旋回モータRMが旋回している最中に旋回モータ用の操作弁1を中立位置に切り換えると、前記したように通路26,27間で閉回路が構成されるとともに、ブレーキ弁28あるいは29が当該閉回路のブレーキ圧を維持して、慣性エネルギーを熱エネルギーに変換する。
このときコントローラCは、圧力センサー47からの圧力信号に応じて、油圧モータMの傾転角を制御するが、それは次のとおりである。
そこで、上記通路26あるいは27の圧力を、上記旋回圧あるいはブレーキ圧に保つために、コントローラCは油圧モータMの傾転角を制御しながら、この旋回モータRMの負荷を制御するようにしている。つまり、コントローラCは、圧力センサー47で検出される圧力が上記旋回モータRMの旋回圧あるいはブレーキ圧とほぼ等しくなるように、油圧モータMの傾転角を制御する。
また、上記油圧モータMの回転力でサブポンプSPの回転力をアシストすることもできる。
ブームシリンダBCを作動させるために、ブーム1速用の操作弁14およびそれに連動する操作弁3を切り換えると、センサー14aによって、上記操作弁14の操作方向とその操作量が検出されるとともに、その操作信号がコントローラCに入力される。
上記のように比例電磁弁34を閉じて電磁開閉弁50を開位置に切り換えれば、ブームシリンダBCの戻り流体の全量が油圧モータMに供給される。しかし、油圧モータMで消費する流量が、オペレータが求めた下降速度を維持するために必要な流量よりも少なければ、ブームシリンダBCはオペレータが求めた下降速度を維持できない。このようなときには、コントローラCは、上記操作弁14の操作量、油圧モータMの傾転角や電動・発電機MGの回転数などをもとにして、油圧モータMが消費する流量以上の流量をタンクTに戻すように比例電磁弁34の開度を制御し、オペレータが求めるブームシリンダBCの下降速度を維持する。
一方、電動・発電機MGに対して電力を供給せず、上記油圧モータMの回転力だけで、サブポンプSPを回転させることもできる。
このように電磁開閉弁50に切り換え遅れが生じると、ブームシリンダBCの戻り油の多くが接続通路42に流れ込むが、この戻り油の圧力はレギュレータ36に作用するので、油圧モータMの1回転当たりの押し除け容積を小さくし、そのトルクを電動・発電機MGの吸収トルク以内に抑えることができる。
なお、油圧モータMがその押し除け容積を下げるまでに多少の時間がかかるが、このときには接続通路42の圧力が多少上昇する。しかし、この場合には、リリーフ弁52が同時にリリーフ機能を発揮できるように設定しているので、電磁開閉弁50の切り換え遅れによって、油圧モータMのトルクが、発電機の吸収トルク以上にはならない。
しかも、リリーフ弁52は絞り53によって実質的に圧力オーバーライドが悪くなっているので、ブームシリンダBCに対してはショックなしに制動力を大きくさせることができる。
上記のように旋回モータRMを旋回させながら、ブームシリンダBCを下降させるときには、旋回モータRMからの流体と、ブームシリンダBCからの戻り流体とが、接続用通路42で合流して油圧モータMに供給される。
このとき、接続用通路42の圧力が上昇すれば、それにともなって合流通路43側の圧力も上昇するが、その圧力が旋回モータRMの旋回圧あるいはブレーキ圧よりも高くなったとしても、チェック弁44,45があるので、旋回モータRMには影響を及ぼさない。
また、前記したように接続用通路42側の圧力が旋回圧あるいはブレーキ圧よりも低くなれば、コントローラCは、圧力センサー47からの圧力信号に基づいて電磁切換弁46を閉じる。
いずれにしても、油圧モータMの出力で、サブポンプSPの出力をアシストできるとともに、サブポンプSPから吐出された流量を、第1,2比例電磁絞り弁40,41で按分して、第1,2回路系統に供給することができる。
MP2 第2メインポンプ
BC ブームシリンダ
3 ブーム2速用の操作弁
14 ブーム1速用の操作弁
M 油圧モータ
36 レギュレータ
MG 電動・発電機
52 リリーフ弁
53 絞り
Claims (1)
- 操作弁を介してメインポンプと接続したアクチュエータと、このアクチュエータの戻り油の一部を回生して回転する可変容量型の油圧モータと、この油圧モータの傾転角を制御するレギュレータと、油圧モータの駆動力で回転する電動・発電機とを備えるとともに、上記レギュレータは、油圧モータに導かれる上記アクチュエータからの圧力によって、油圧モータ出力トルクが電動・発電機の吸収トルク以上にならないように、油圧モータの傾転角を制御して当該油圧モータの1回転当たりの押し除け容積を小さくする構成にしたハイブリッド建設機械の制御装置であって、上記アクチュエータの圧力を上記油圧モータへ導く通路から分岐して上記レギュレータに接続される通路と、この通路から分岐した通路に接続したリリーフ弁とを備えるとともに、このリリーフ弁の上流側に絞りを設けたことを特徴とするハイブリッド建設機械の制御装置。
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