JP5397976B2 - 常磁性金属含有ポリアミドアミンデンドロン脂質 - Google Patents

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Description

本発明は、常磁性金属含有ポリアミドアミンデンドロン脂質、該脂質を含むリポソーム、並びに該脂質又はリポソームを含む磁気共鳴イメージング(MRI)用の造影剤に関する。
磁気共鳴イメージング(MRI)は、水分子のプロトンの緩和時間の差をコントラストとする画像診断の一種である。MRI画像のコントラストを高める目的で、造影剤を使用することが知られている。MRI用造影剤としては、常磁性金属、例えば第1遷移金属イオン(例えば鉄イオン、マンガンイオンなど)、ランタノイドイオン(例えばガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)など)が用いられ得る。最も多く使用されるガドリニウム(Gd)キレート造影剤は、キレート周辺のプロトンの縦緩和時間(T1)短縮効果を示すことが知られている。
Gdキレート造影剤としては、Gdがジエチレントリアミン5酢酸(DTPA)にキレートされたガドペンテト酸(GdDTPA)が知られている(米国特許第4647447号;特許文献1)。このような化合物は、1分子当たり1つのGd原子を有するので、MRIのコントラストを高めるためには、多くの分子のキレート化合物が標的部位に集積することが必要である。
米国特許第4647447号明細書
本発明者らは、1分子が有する常磁性金属原子の数が、従来の常磁性金属含有化合物に比べて増加した化合物を作製すれば、このような化合物をMRIの造影剤として用いたときに、コントラストを高めることができるのではないかと考えた。そして、1分子中に多数の常磁性金属原子を有する化合物の基本構造として、多数の遊離アミノ基を末端に有するポリアミドアミンデンドロン脂質を用いれば、目的とする化合物を得ることができることを見出して、本発明を完成した。
よって、本発明は、ポリアミドアミンデンドロン脂質中の1以上の遊離アミノ基と、常磁性金属とがリンカーを介して結合してなる常磁性金属含有ポリアミドアミンデンドロン脂質を提供する。
また、本発明は、上記の常磁性金属含有ポリアミドアミンデンドロン脂質を含む常磁性金属含有リポソームも提供する。
さらに、本発明は、上記の常磁性金属含有ポリアミドアミンデンドロン脂質、又は上記の常磁性金属含有リポソームと、医薬的に許容される担体とを含むMRI用の造影剤も提供する。
本発明の常磁性金属含有ポリアミドアミンデンドロン脂質は、ポリアミドアミンの世代数に応じて複数の遊離のアミノ基を末端に有するポリアミドアミンデンドロン脂質を基本構造として用いるので、1分子のポリアミドアミンデンドロン脂質当たり、複数の常磁性金属結合部位を有する。よって、従来の常磁性金属キレート化合物よりも、1分子当たりより多くの常磁性金属が結合され得るので、体内に投与したときに、標的部位への常磁性金属の集積効率を高くでき、MRI用の造影剤として使用したときに標的部位のコントラストを高めることができる。
また、本発明の常磁性金属ポリアミドアミンデンドロン脂質を導入したリポソームは、体内に投与すると、含有する常磁性金属を監視できるので、リポソームの挙動を追跡することが容易である。よって、例えば本発明のリポソームに抗癌剤などを保持させて体内に投与し、リポソームの挙動を追跡して、最適な位置で抗癌剤を放出させることなどが可能になる。
本発明の常磁性金属含有ポリアミドアミンデンドロン脂質は、ポリアミドアミンデンドロン脂質中の1以上の遊離アミノ基と、常磁性金属とがリンカーを介して結合してなる。
本発明の常磁性金属含有ポリアミドアミンデンドロン脂質を構成する基本構造であるポリアミドアミンデンドロン脂質は、樹状(デンドロン)構造を有する化合物であり、以下の式に示される構造を有するものである。
DL−G1:R12NX(XH22
DL−G2:R12NX(X(XH222
DL−G3:R12NX(X(X(XH2222
DL−G4:R12NX(X(X(X(XH22222
DL−G5:R12NX(X(X(X(X(XH222222
DL−G6:R12NX(X(X(X(X(X(XH2222222
DL−G7:R12NX(X(X(X(X(X(X(XH22222222
DL−G8:R12NX(X(X(X(X(X(X(X(XH222222222
(式中、R1及びR2は同一又は異なって、C6〜C20アルキル基、C6〜C20アルコキシ基、アリール基又はアラルキル基を表し、Xは、−CH2CH2CONHCH2CH2N<を表す。)
よって、常磁性金属との結合に用いられる遊離アミノ基は、上記の各式の化合物に由来するアミノ基である。
上記の構造式において、「DL」は「デンドロン」の略称から命名したものである。また、末端に2つのアミノ基を有する構造のものを第1世代(G1)とし、以下、枝分かれの段階に応じて第2世代(G2)、第3世代(G3)・・・などと命名している。
上記のポリアミドアミンデンドロン脂質は、第8世代(DL−G8)のものよりも多い末端アミノ基を有するもの、すなわち第9世代、第10世代・・・のものであることも理論的に可能である。
本発明において、上記のポリアミドアミンデンドロン脂質は、DL−G2以上かつDL−G8までのものが好ましく、DL−G2又はDL−G3がより好ましい。
上記のポリアミドデンドロン脂質の式において、R1及びR2は、C6〜C20アルキル基であることが好ましい。該アルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数6〜20のアルキル基であり、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、5−メチルヘキシル、オクチル、ビス(2−エチルヘキシル)、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシルなどを含む。なかでも、直鎖状の炭素数12〜18のアルキル基がより好ましい。
上記のR1及びR2としてのC6〜C20アルコキシ基としては、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数6〜20のアルコキシ基が挙げられ、例えばヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ、トリデシルオキシ、テトラデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、オクタデシルオキシ、エイコシルオキシなどを含む。
上記のR1及びR2としてのアリール基は、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アントラニル、フェナントリルなどを含む。
上記のR1及びR2としてのアラルキル基は、ベンジル、フェネチルなどを含む。
上記のポリアミドアミンデンドロン脂質は、公知の方法により製造できる。公知の方法としては、原料である第2級アミンR12NHに、アクリル酸エステルを反応させるマイケル付加反応と、ジアミノアルカンを用いるエステルアミド交換反応とにより第0世代のアミド化合物を得て、マイケル付加反応及びエステルアミド交換反応を繰り返す方法が挙げられる(Tomalia, D.ら、Polym. J. 17、117〜132 (1985);Frechet, J. M. J., Tomalia, D. A.編、(2001) Dendrimers and other dendritic polymers, J. Wiley & Sons, West Sussexを参照)。原料となる第2級アミンは、市販で入手可能である。
該ポリアミドアミンデンドロン脂質の製造方法の例を、以下のスキームに示す。
上記のポリアミドアミンデンドロン脂質は、複数の遊離アミノ基を有するが、本発明の常磁性金属含有ポリアミドアミンデンドロン脂質は、該複数の遊離アミノ基の少なくとも1つに常磁性金属が結合してなるものであり、好ましくは2以上、より好ましくは全ての遊離アミノ基に常磁性金属が結合してなる。
本発明の常磁性金属含有ポリアミドアミンデンドロン脂質に用いられる常磁性金属は、通常、磁気共鳴イメージング(MRI)の造影剤として用いられる金属が好ましく、第1遷移金属(例えば鉄、マンガン、銅など)、ランタノイド(例えばガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)など)が挙げられる。上記の常磁性金属含有ポリアミドアミンデンドロン脂質1分子中に複数の常磁性金属を含有させてもよいが、製造が簡便であるので、1種の常磁性金属を含有することが好ましい。
本発明において、常磁性金属は、好ましくはガドリニウム(Gd)である。
本発明の常磁性金属含有ポリアミドアミンデンドロン脂質は、上記のポリアミドアミンデンドロン脂質中の1以上の遊離アミノ基と、上記の常磁性金属とがリンカーを介して結合している。本明細書において、「リンカー」とは、上記の遊離アミノ基と常磁性金属とを連結可能な基であれば、特に限定されない。該リンカーとしては、下記のようなキレート化合物の残基、上記の遊離アミノ基と該キレート化合物とを連結可能な官能基、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
上記の常磁性金属は、キレート化合物として常磁性金属含有ポリアミドアミンデンドロン脂質に含有されることが好ましい。上記のように、該キレート化合物により、遊離アミノ基と常磁性金属との結合のためのリンカーが提供され得る。すなわち、該キレート化合物の常磁性金属以外の部分が、ポリアミドアミンデンドロン脂質の遊離アミノ基との結合のためのリンカーとして作用し得る。
上記の常磁性金属キレート化合物は、よって、上記の遊離アミノ基と結合可能な官能基を有するか、又は遊離アミノ基と結合可能な官能基を有する化合物と結合し得る官能基を有する化合物が好ましい。
上記の遊離アミノ基と結合可能な官能基としては、カルボキシ基、マレイミド基、イソシアナート基、イソチオシアナート基、アルデヒド基、カルボニル基などが挙げられる。
遊離アミノ基と結合可能な官能基を有する化合物と結合し得る官能基としては、カルボキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基、ホスホノ基、チオール基、アルデヒド基、カルボニル基などが挙げられる。
遊離アミノ基と結合可能な官能基を有する化合物としては、上記の遊離アミノ基と結合可能な官能基を有する化合物が挙げられ、例えばN-ヒドロキシスクシンイミド、クロロホルマートなどが挙げられる。
常磁性金属がGdである場合、Gdキレート化合物としては、従来公知のGdキレート化合物を用いることができ、Gd-DTPA (ガドリニウムジエチレントリアミンペンタ酢酸)、Gd-DOTA (1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-テトラ酢酸のガドリニウム錯体)、Gd(HP-DO3A) (ガドリニウム1,4,7-トリス(カルボキシメチル)-10-(2'-ヒドロキシプロピル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン)、GdDTPA-BMEA (ガドリニウムジエチレントリアミンペンタ酢酸 ビス(メトキシエチルアミド))、GdEOB-DTPA (ガドリニウムエトキシベンジルジエチレントリアミンペンタ酢酸)、Gd-DO3A-ブトロール([10-[2,3-ジヒドロキシ-1-(ヒドロキシメチル)プロピル]-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7-トリアセタト]ガドリニウム)、Gd-BOPTA (ガドリニウムベンジルオキシプロピオニックテトラアセテート ジメグルミン)などが挙げられる。
常磁性金属がテルビウムである場合、Tbキレート化合物としてはTb-DOTA (DOTAのTb錯体)などが挙げられる。
常磁性金属が鉄である場合、Feキレート化合物としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)のFe錯体、3-ヒドロキシ-2,2'-イミノジコハク酸4ナトリウム(HIDS)のFe錯体などが挙げられる。
常磁性金属がマンガンである場合、Mnキレート化合物としては、MnDPDP (マンガンジピリドキサルジホスフェート)、Mn(III)TSPP (マンガン(III)メソ-テトラ(4-スルホナートフェニル)ポルフィン クロリド)などが挙げられる。
常磁性金属が銅である場合、Cuキレート化合物としては、EDTAのCu錯体、HIDSのCu錯体などが挙げられる。
本発明の常磁性金属含有ポリアミドアミンデンドロン脂質は、上記のようにして製造したポリアミドアミンデンドロン脂質を、該脂質を溶解可能な溶媒中で、上記の常磁性金属含有キレート化合物と反応させるか、又は常磁性金属をキレート可能なキレート化剤と反応させ、次いで常磁性金属塩と反応させることにより製造できる。
上記の常磁性金属をキレート可能なキレート化剤としては、上記の常磁性金属のキレート化合物を生成し得る化合物が挙げられる。
上記の常磁性金属塩としては、常磁性金属の無機塩が好ましく、塩化ガドリニウム、塩化鉄、塩化マンガン、クエン酸鉄アンモニウムなどが挙げられる。
上記のポリアミドアミンデンドロン脂質を溶解可能な溶媒としては、非プロトン性極性溶媒が好ましい。非プロトン性極性溶媒は、クロロホルム、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)などを含む。
上記の常磁性金属含有キレート化合物及びキレート化剤は、用いるポリアミドアミンデンドロン脂質の末端アミノ基のモル量に対して1モル等量より多く用いることが好ましく、より好ましくは1モル等量より多く、2モル等量未満である。このような範囲の常磁性金属含有キレート化合物及びキレート化剤を用いることにより、ポリアミドアミンデンドロン脂質のほぼ全ての末端アミノ基に対して1つずつ常磁性金属を導入することができる。2モル等量以上の常磁性金属含有キレート化合物及びキレート化剤を用いてもよいが、経済的な観点から、2モル等量未満がより好ましい。
また、上記のキレート化剤を用いた場合は、ポリアミドアミンデンドロン脂質の遊離アミノ基に結合したキレート化剤のモル数に対して、1モル等量より多い常磁性金属塩を用いることが好ましい。より好ましくは1モル等量より多く、2モル等量未満である。2モル等量以上の常磁性金属塩を用いてもよいが、経済的な観点から、2モル等量未満がより好ましい。
ポリアミドアミンデンドロン脂質の遊離アミノ基に結合したキレート化剤のモル数は、核磁気共鳴(NMR)により測定できる。
上記の反応は、−10〜40℃の温度において行うことが好ましく、より好ましくは0〜30℃の温度である。また、反応時間は、12〜72時間が好ましく、より好ましくは24〜48時間である。
本発明の常磁性金属含有ポリアミドアミンデンドロン脂質は、2種以上を混合してなるものであってもよい。例えば、世代数が異なる2種以上のポリアミドアミンデンドロン脂質の遊離アミノ基と常磁性金属とが結合してなるものの混合物、上記のR1及び/又はR2が異なる2種以上のポリアミドアミンデンドロン脂質の遊離アミノ基と常磁性金属とが結合してなるものの混合物、ポリアミドアミンデンドロン脂質の遊離アミノ基に2種以上の常磁性金属が結合してなるものの混合物などが挙げられる。
本発明は、上記の常磁性金属含有ポリアミドアミンデンドロン脂質を含む常磁性金属含有リポソームでもある。
上記の常磁性金属含有リポソームにおいて、常磁性金属含有ポリアミドアミンデンドロン脂質は、リポソーム内部の空間に含まれていてもよいし、リポソーム膜に保持されていてもよい。
本明細書において、物質が「リポソーム膜に保持される」とは、該物質がリポソーム膜に結合しているか、又はリポソーム膜を構成する脂質二重膜に該物質の一部分もしくは全体が埋め込まれていることを意味する。
固形腫瘍では腫瘍血管の新生が促進されるが、それに見合うリンパ回収系の増生が見られないので、著しい血管透過性の亢進が認められる。従って、正常血管では血管外に漏出しにくい高分子物質や微粒子担体も、腫瘍血管からは漏出しやすく、また、一旦漏出すればこれらの物質は腫瘍部位に停滞し、蓄積することが知られている。このようなEPR (Enhanced Permeability and Retention)効果と呼ばれる高分子物質の腫瘍組織における蓄積の作用を用いて、常磁性金属含有リポソームを腫瘍組織の周囲に集積させ、MRIなどによりその位置を特定して腫瘍組織の部位を検出することができる。
上記のリポソームは、リポソーム膜構成脂質で構成される脂質膜からなる閉鎖小包体であり、従来公知のリポソームを用いることができる。
本発明の常磁性金属含有リポソームの粒径は、0.05〜10μm程度であればよく、使用目的に応じて種々の粒径とすることができる。例えば、抗癌剤を常磁性金属含有リポソームに保持させて、癌細胞に送達するためのシステムとして用いる場合には、通常0.05〜0.2μm程度、特に0.05〜0.1μm程度の粒径であることが好ましい。
本発明の常磁性金属含有リポソームは、上記の粒径の範囲内であれば、一層の脂質二重膜からなる単層リポソーム、または複数の脂質二重膜からなる多重層リポソームのいずれであってもよい。
リポソーム膜構成脂質としては、リポソームの膜脂質として通常用いられる両親媒性の脂質を用いることができる。このような脂質としては、リン脂質及び糖脂質が挙げられる。リン脂質としては、例えばホスファチジン酸、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、カルジオリピン、スフィンゴミエリン、大豆ホスファチジルコリン、卵黄ホスファチジルコリンなどが挙げられる。これらのリン脂質の構成脂肪酸としては、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などが挙げられる。特に、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミンが好ましい。
糖脂質としては、ジガラクトシルジアシルグリセロール、ジガラクトシルジアシルグリセロール硫酸エステルなどのグリセロ脂質、ガラクトシルセラミド、ガラクトシルセラミド硫酸エステル、ラクトシルセラミド、ガングリオシドG7、ガングリオシドG6、ガングリオシドG4などのスフィンゴ糖脂質が挙げられる。
リポソーム膜構成脂質には、コレステロール、ラノステロール、エルゴステロールなどのステロールが含まれていてもよい。
リポソーム膜は、1種又は複数種の上記のリポソーム膜構成脂質から構成されることができる。
上記の常磁性金属含有リポソームは、ポリエチレングリコール(PEG)がリポソーム膜に保持されてなることができる。PEGを保持することにより、該リポソームの血中滞留性を向上し得る。
上記のPEGは、通常、リポソームに用いられるものを好適に用いることができる。このようなPEGの分子量は、120〜12000が好ましく、より好ましくは350〜12000、さらに好ましくは350〜5000である。このような範囲の分子量を有するPEGを用いると、リポソームの血中滞留時間を好ましい範囲にすることができる。
上記のPEGは、WO2006/118278に記載されるように、PEG−脂質の複合体としてリポソームを構成することとなるのが好ましい。好ましいPEG−脂質複合体としては、WO2006/118278に記載されるものが挙げられ、特にPEGとジステアロイルホスファチジルエタノールアミンとの複合体が好ましい。
上記のリポソームは、PEGの代わりに又はPEGとともに、温度の変化に応じてその疎水性が変化し得る感熱応答性部分及び疎水性部分を有する感温性高分子化合物を含み得る。
このような感温性高分子化合物としては、特開2003−212755号、WO2006/118278などに記載されるものを用いることができる。
上記の感温性高分子化合物としては、WO2006/118278に記載されるものを好ましく用いることができ、例えば以下の構造を有する、水和可能なヘテロ原子を1個以上含む感熱応答性ビニル系モノマーと、疎水性ビニル系モノマーとのブロック共重合体が好ましい。
(上記の各式中、R1は、水素原子または-C(H)(CH3)(OCH2CH(CH3)2)もしくは-C(H)(CH3)(OC2H4OC2H4OCH3)のような重合開始剤に由来する基であり、R2はCH3、C2H5、n-もしくはイソ-C3H7またはn-もしくはイソ-C4H9であり、R4は水素原子またはメトキシ基のような重合停止剤に由来する基であり、mおよびnは、高分子化合物の数平均分子量(Mn)が11,000〜50,000程度であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜1.3程度となるような値である。)
なお、上記の式(I)〜(III)の化合物は、式(I)〜(III)における側鎖としてのオクタデシルオキシ基がドデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基またはヘキサデシルオキシ基で置換された化合物が少量混合していてもよい。
また、上記の式(I)〜(III)の化合物において、式(I)〜(III)における側鎖としてのオクタデシルオキシ基がドデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基またはヘキサデシルオキシ基で置換された化合物も好ましい例として挙げることができる。
上記の好ましい高分子化合物は、適切な2種類のモノマーを、重合開始剤およびルイス塩基(例えば酢酸エチル、テトラヒドロフランなど)の存在下に、適切な溶媒(例えばトルエン、ヘキサンなど)中で重合することにより製造することができる。上記の重合開始剤としては、例えば1−メトキシエトキシエチルアセテート、1−(イソブチル)エチルアセテートなどが挙げられる。重合は、アンモニア性メタノール、アンモニアなどを加えることにより停止することができる。具体的には、例えばJournal of Polymer Science: Part A: Polymer Chemistry, Vol. 30, p.2407-2413 (1992);Journal of Polymer Science: Part A: Polymer Chemistry, Vol. 43, p.1155-1165 (2005); Journal of Polymer Science: Part A: Polymer Chemistry, Vol. 43, p.2712-2722 (2005)に記載される方法などにより製造することができる。
PEG及び感温性高分子化合物を含むリポソームとしては、WO2006/118278に記載されるものなどを用いることができる。
WO2006/118278に記載される温度感受性リポソームをリポソームとして用いると、常磁性金属含有リポソームの位置を追跡し、該常磁性金属含有リポソームが所望の部位に到達したときにその部位を所定の温度にすることにより、リポソーム膜構造を崩壊させてリポソームの内容物を放出させることができる。
よって、本発明の常磁性金属含有リポソームは、リポソームとして温度感受性リポソームを用い、リポソーム内容物として抗癌剤、遺伝子治療用の遺伝子などの薬物を含有させれば、所望の位置で薬物を放出させるドラッグデリバリーシステム(DDS)の有効な送達手段となり得る。
本発明の常磁性金属含有リポソームは、公知のリポソームの製造方法において、上記のようなリポソーム膜構成脂質と、上記の常磁性金属含有ポリアミドアミンデンドロン脂質を、リポソーム膜構成脂質:常磁性金属含有ポリアミドアミンデンドロン脂質のモル比が、1:0.01〜0.3、より好ましくは1:0.05〜0.2、さらに好ましくは1:0.1〜0.2の割合で接触させることにより製造することができる。
公知のリポソームの製造方法としては、エクストルーダー法、超音波法、フレンチプレス法などが挙げられる。これらの方法の詳細は、「リポソーム」(野島庄七、砂本順三、井上圭三編、南江堂)および「ライフサイエンスにおけるリポソーム」(寺田弘、吉村哲郎編、シュプリンガー・フェアラーク東京)に記載されている。
例えば、エクストルーダー法により本発明のリポソームを製造する方法について説明する。所定量のリポソーム膜構成脂質及び常磁性金属含有ポリアミドアミンデンドロン脂質と、所望により感温性高分子及び/又はPEG−脂質誘導体を、クロロホルムなどの適当な有機溶媒に溶解させた溶液をそれぞれ調製し、容器内に入れて混合する。次いで、エバポレーターを用いて溶媒を除去し、容器壁にこれらの成分からなる薄膜を形成させる。この膜は、さらに3〜12時間程度真空乾燥させることが好ましい。次いで、この容器内に緩衝液などの適当な溶液を投入し、超音波処理またはボルテックスミキサーなどを用いて強く攪拌することによりリポソームを形成させることができる。得られたリポソーム分散液をエクストルーダーに通し、そのフィルター孔径を適宜設定することにより、リポソームの粒径を調節することができる。
上記のようにして得られたリポソーム分散液から、担持されなかった物質を、ゲルろ過法、超遠心法、透析法などにより除去することができる。除去したい物質が電荷を有する場合には、イオン交換クロマトグラフィーを用いることもできる。
このようにして製造される本発明の常磁性金属含有リポソームにおいて、常磁性金属含有ポリアミドアミンデンドロン脂質は、リポソーム膜の外側表面に担持されるものであってもよいし、リポソーム膜の内側表面に担持されるものであってもよいし、リポソーム膜の外側表面および内側表面の両方に担持されるものであってもよい。
本発明の常磁性金属含有リポソームに含有させ得る上記の薬剤としては、特に限定されないが、例えば温熱療法と併用される抗癌剤、抗炎症剤などが挙げられる。抗癌剤としては、シスプラチン、カルボプラチン、テトラプラチン、イプロプラチンなどの金属錯体;アドリアマイシン(ADR)、マイトマイシン、アクチノマイシン、アンサマイトシン、ブレオマイシン、Ara-C、ダウノマイシンなどの制癌抗生物質;5-FU、メトトレキセート、TAC-788などの代謝拮抗剤;BCNU、CCNUなどのアルキル化剤;インターフェロン(α、β、γ)、各種インターロイキンなどのリンホカインなどが挙げられる。また、抗炎症剤としては、プレドニン、リンデロン、セレスタミンなどが挙げられる。
上記の常磁性金属含有リポソームは、上記の薬剤の代わりに疾患の治療のための遺伝子も含み得る。このような遺伝子としては、特に限定されないが、例えば、重症複合型免疫不全症の治療のためのアデノシンデアミナーゼ遺伝子、家族性高コレステロール血症の治療のためのLDL受容体遺伝子、癌治療のためのインターフェロン(IFN)−α、β又はγ遺伝子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)遺伝子、各種インターロイキン(IL)遺伝子、腫瘍壊死因子(TNF)−α遺伝子、リンホトキシン(LT)−β遺伝子、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)遺伝子、T細胞活性化共刺激因子遺伝子などが挙げられる。その他、アルツハイマー病、脊椎損傷、パーキンソン病、動脈硬化症、糖尿病、高血圧症などの治療のための遺伝子も挙げられる。
上記の薬剤の量は特に限定されず、薬剤の種類などにより適宜選択することができる。
上記の常磁性金属含有リポソームに薬剤を含有させる方法としては、薬剤の種類に応じて公知の方法を用いることができる。該方法としては限定されないが、例えば、常磁性金属含有リポソームを形成させた後に、薬剤を含む溶液に該常磁性金属含有リポソームを浸漬させて薬剤をリポソームの内部に取り込ませる方法、上記のリポソーム膜構成脂質と、常磁性金属含有ポリアミドアミンデンドロン脂質とを含む容器内に薬剤を含む溶液を投入した後に、リポソーム膜構造を形成させて薬剤を封入する方法などが挙げられる。
上記の常磁性金属含有ポリアミドアミンデンドロン脂質又は常磁性金属含有リポソームと、医薬的に許容される担体とを含むMRI用の造影剤も、本発明の一つである。
上記の医薬的に許容される担体としては、通常、MRI用の造影剤に用いられる担体であって、本発明の常磁性金属含有ポリアミドアミンデンドロン脂質又は常磁性金属含有リポソームを溶解し得る担体であればよく、生理食塩水、滅菌水、緩衝液などが挙げられる。
上記の造影剤は、注射製剤のような非経口投与用の液体製剤の形態が好ましい。該液体製剤は、上記の担体で用時に再生させる乾燥製品として提供してもよい。
上記の造影剤は、膜安定剤(例えばコレステロールなど)、等張化剤(例えば塩化ナトリウム、グルコース、グリセリンなど)、抗酸化剤(例えばトコフェロール、アスコルビン酸、グルタチオンなど)、防腐剤(例えばクロルブタノール、パラベンなど)などのその他の医薬添加剤をさらに含み得る。
本発明の造影剤は、上記の常磁性金属含有リポソームを含む場合、上記のように、腫瘍部位に集積することが可能である。よって、該造影剤は、腫瘍部位を検出するために好適に用いることができる。
本発明の造影剤は、哺乳動物、特に好ましくはヒトである対象者に投与され得る。
上記の造影剤の対象者への投与量は、常磁性金属含有ポリアミドアミンデンドロン脂質の性質、投与経路、対象者の性別、体重などに応じて適宜決定し得る。
本発明を、以下の実施例により詳細に説明するが、これらの実施例は、本発明を限定することを意図しない。
以下の実施例では、次に示す供給元から入手した試薬を用いた。
ジ-n-オクタデシルアミン:Sigma-Aldrich。
アクリル酸メチル、エチレンジアミン:ナカライテスク。
シアン化ナトリウム:和光純薬工業。
トリエチルアミン(TEA):ナカライテスク。
1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-テトラ酢酸 モノ(N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル)(DOTA-NHS-エステル)・3CF3COOH・HPF6:神奈川科学技術アカデミーの横山昌幸博士より提供。
塩化ガドリニウム(III) (GdCl3):Sigma-Aldrich。
1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-テトラ酢酸(DOTA):Macrocyclics。
卵黄ホスファチジルコリン(EYPC):日本油脂。
コレステロール:SIGMA。
2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]エタンスルホン酸(HEPES):和光純薬工業(株)。
ホスホエタノールアミン-N-[メトキシ(ポリエチレングリコール)5000] 1,2,-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-(粉末)(PEG-PE):フナコシ(株)。
以下の実施例において、プロトン核磁気共鳴(1H-NMR)は、JEOL JNM-LA 400を用いて測定した。また、シリカゲルクロマトグラフィーは、シリカゲル60N(球状、中性)(関東化学)を用いて行った。
実施例1 常磁性金属含有ポリアミドアミンデンドロン脂質の合成
ジ-n-オクタデシルアミンを開始物質とし、アクリル酸メチルを用いたマイケル付加反応と、エチレンジアミンを用いたエステルアミド交換反応を繰り返すことにより、ポリアミドアミンデンドロン脂質を合成した。このポリアミドアミンデンドロン脂質に、キレート化剤として1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-テトラ酢酸(DOTA)を結合させ、常磁性金属としてガドリニウム(Gd)を結合させて、常磁性金属含有ポリアミドアミンデンドロン脂質を製造した。
(1-1)DL-G-0.5の合成
アクリル酸メチル(52 ml, 0.51 mol)にジ-n-オクタデシルアミン(2.65 g, 4.35 mmol)を溶解し、窒素雰囲気において80℃で27時間還流した。その後、未反応のアクリル酸メチルを減圧留去した。アクリル酸メチルが重合していたため、クロロホルムに溶解し、ジエチルエーテルに滴下して再沈殿にて重合体を除去した。上澄み液を減圧留去した。シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:石油エーテル/ジエチルエーテル=2/1, v/v)により精製した。(収量:2.59g,収率:83.8%)
1H NMR (CDCl3): δ0.89 (m, CH 3(CH2)15-), δ1.26 (s, CH3(CH 2)15-),δ1.41 (br, -CH 2CH2N-),δ2.36-2.46 (m, -CH 2COOCH3, -CH 2N-),δ2.77 (t, -CH 2CH2COOCH3), δ3.67 (s, -OCH 3).
(1-2)DL-G0の合成
(1-1)で製造した化合物(b):DL-G-0.5(2.5g, 4.07 mmol)を特級メタノール(58ml)に加熱溶解した。この溶液を、シアン化ナトリウム(57.5 mg, 1.17mmol)を含むエチレンジアミン(90 ml, 1.35mol)に滴下して加え、窒素雰囲気において55℃で9日間撹拌した。その後、未反応のエチレンジアミンとメタノールを減圧留去し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール/水=60/35/5, v/v/v)により精製した。(収量:2.59g,収率:79.3%)
1H NMR (CDCl3): δ0.88 (m, CH 3(CH2)15-),δ1.26 (s, CH3(CH 2)15-),δ1.48 (br, -CH 2CH2N-),δ2.46 (br, -CH 2CONH-),δ2.53 (br, -CH 2N-),δ2.79(br, -CH 2CH2CONH-),δ2.85 (t, -CH 2NH2), δ3.49 (q, -CH 2CH2NH2), δ8.66 (m, -CONH-).
(1-3)DL-G0.5の合成
(1-2)で製造した化合物(c):DL-G0(2.05 g, 3.23 mmol)を特級メタノール(18ml)に加熱溶解した。この溶液を、アクリル酸メチル(31ml, 0.35 mol)に滴下して加え、窒素雰囲気において35℃で50時間撹拌した。その後、未反応のアクリル酸メチルとメタノールを減圧留去し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:石油エーテル/ジエチルエーテル=1/1, v/v、その後クロロホルム/メタノール=9/1, v/v)により精製した。(収量:1.84g,収率:70.6%)
1H NMR (CDCl3): δ0.88 (m, CH 3(CH2)15-),δ1.25 (s, CH3(CH 2)15-),δ1.43 (br, -CH 2CH2N-),δ2.34 (t, -CH 2CONH-),δ2.40-2.45 (m, -CH 2COOCH3, -CH 2N-),δ2.53 (t, -CONHCH2CH 2-),δ2.71-2.79 (m, -CH 2CH2CONH-, -CH 2CH2COOCH3), δ3.29 (q, -CONHCH 2-),δ3.67 (s, -OCH3), δ7.78 (br, -CONH-).
(1-4)DL-G1の合成
(1-3)で製造した化合物(d):DL-G0.5(1.84 g, 2.28 mmol)を特級メタノール(61 ml)に溶解した。この溶液を、シアン化ナトリウム(23.9 mg, 48.8 mmol)を含むエチレンジアミン(85 ml, 1.27 mol)に滴下して加え、窒素雰囲気において50℃で65時間撹拌した。その後、未反応のエチレンジアミンとメタノールを減圧留去し、Sephadex LH-20カラム(溶離液:クロロホルム)によって精製した。(収量:1.86g,収率:94.3%)
1H NMR (CDCl3): δ0.88 (m, CH 3(CH2)15-),δ1.26 (s, CH3(CH 2)15-),δ1.43 (br, -CH 2CH2N-),δ2.33-2.44 (m, -CH 2CONHCH2CH2NH2, -CH 2N-),δ2.50 (t, -CONHCH2CH 2-),δ2.68 (t, -CH 2CH2CONH-),δ2.74 (t, -CH 2CH2CONHCH2CH2NH2), δ2.84 (t, -CH 2NH2), δ3.22-3.32 (m, -CONHCH 2-),δ7.30 and 8.64 (t, -CONH-).
(1-5)DL-G1.5の合成
(1-4)で製造した化合物(e):DL-G1(1.20g, 1.39 mmol)を特級メタノール(55 ml)に加熱溶解した。この溶液を、アクリル酸メチル(105 ml, 1.17 mol)に滴下して加え、窒素雰囲気において40℃で5日間撹拌した。その後、未反応のアクリル酸メチルとメタノールを減圧留去し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=95/5、その後クロロホルム/メタノール=8/2, v/v)により精製した。(収量:1.47g,収率:87.6%)
1H NMR (CDCl3): δ0.88 (m, CH 3(CH2)15-),δ1.25(s, CH3(CH 2)15-),δ1.44 (br, -CH 2CH2N-),δ2.36 (t, -CH 2CONH-),δ2.43 (t, -CH 2COOCH3, -CH 2N-),δ2.53-2.57 (m, -CONHCH2CH 2-),δ2.75 (t, -CH 2CH2CONH-, -CH 2CH2COOCH3), δ2.81 (t, -CH 2CH2CONH-),δ3.29 (m, -CONHCH 2-),δ3.68 (s, -OCH3), δ6.97 and 8.02 (br, -CONH-).
(1-6)DL-G2の合成
(1-5)で製造した化合物(f):DL-G1.5(1.47 g, 1.22 mmol)を特級メタノール(30 ml)に溶解した。この溶液を、シアン化ナトリウム(29.4 mg, 0.60 mmol)を含むエチレンジアミン(100 ml, 1.50 mol)に徐々に加え、窒素雰囲気において45℃で5日間撹拌した。その後、未反応のエチレンジアミンとメタノールを減圧留去し、Sephadex LH-20カラム(溶離液:メタノール)によって精製した。(収量:1.32g,収率:82.4%)
1H NMR (CDCl3): δ0.88 (m, CH 3(CH2)15-),δ1.26(s, CH3(CH 2)15-),δ1.42 (br, -CH 2CH2N-),δ2.32-2.42 (m, -CH 2CONHCH2CH2NH2, -CH 2CONH-, CH 2N-),δ2.52 (m, -CONHCH2CH 2-),δ2.73 (m, -CH 2CH2CONH-, -CH 2CH2CONHCH2CH2NH2), δ2.83 (t, -CH 2NH2), δ3.25-3.30 (m, -CONHCH 2-),δ7.59, 7.84 and 8.54 (br, -CONH-).
(1-7)DL-G2.5の合成
(1-6)で製造した化合物(g):DL-G2(0.817g, 0.618 mmol)を特級メタノール(52 ml)に加熱溶解した。この溶液を、アクリル酸メチル(57.0 ml, 0.632 mol)に滴下して加え、窒素雰囲気において40℃で90時間撹拌した。その後、未反応のアクリル酸メチルとメタノールを減圧留去し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=95/5、その後クロロホルム/メタノール=8/2, v/v)により精製した。(収量:1.06g,収率:85.1%)
1H NMR (CDCl3): δ0.88 (m, CH 3(CH2)15-),δ1.25 (s, CH3(CH 2)15-),δ1.42 (br, -CH 2CH2N-),δ2.37 (m, -CH 2CONH-),δ2.44 (m, -CH 2COOCH3, -CH 2N-),δ2.54 (m, -CONHCH2CH 2-),δ2.74-2.80 (m, -CH 2CH2CONH-, -CH 2CH2COOCH3), δ3.29 (m, -CONHCH 2-),δ3.67 (s, -OCH 3), δ7.06, 7.61, and 8.09 (br, -CONH-).
(1-8)DL-G3の合成
(1-7)で製造した化合物(h):DL-G2.5(1.06 g, 0.527 mmol)を特級メタノール(45 ml)に溶解した。この溶液を、シアン化ナトリウム(15.5 mg, 0.316 mmol)を含むエチレンジアミン(90.0 ml, 1.35 mol)に徐々に加え、窒素雰囲気において45℃で4日間撹拌した。その後、未反応のエチレンジアミンとメタノールを減圧留去し、Sephadex LH-20カラム(溶離液:メタノール)によって精製した。(収量:1.06g,収率:90.1%)
1H NMR (CDCl3): δ0.88 (m, CH 3(CH2)15-),δ1.26 (s, CH3(CH 2)15-),δ1.42 (br, -CH 2CH2N-),δ2.36 (m, -CH 2CONHCH2CH2NH2, -CH 2CONH-, -CH 2N-),δ2.54 (m, -CONHCH2CH 2-),δ2.74 (br, -CH 2CH2CONH-, -CH 2CH2CONHCH2CH2NH2), δ2.82 (t, -CH 2NH2), δ3.26-3.29 (m, -CONHCH 2-),δ7.75, 8.97, and 8.49 (br, -CONH-).
(1-9)DL-G3-DOTAの合成
1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-テトラ酢酸 モノ(N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル)(DOTA-NHS-エステル)・3CF3COOH・HPF6(100.0mg, 465.3μmol)をDMSO70.0mlに攪拌して分散し、トリエチルアミン(TEA)を加えた。この混合溶液に(1-8)で製造したDL-G3(44.8μmol)のDMSO(7.0ml)溶液を滴下した。窒素雰囲気下、室温で3日後攪拌し、ニンヒドリン陰性を確認し、反応を停止した。Spectra/Por (登録商標) Dialysis Membrane (MWCO:1000Da)を用いて透析し、凍結乾燥した。(収量:170.7mg)
1H NMR (D2O, NaOD): δ0.91 (m, CH 3(CH2)15-),δ1.31 (s, CH3(CH 2)15-),δ1.45 (br, -CH 2CH2N-),δ2.43, 2.63, 2.82, 2.99, 3.06, 3.22, and 3.36(br)
化合物(j)について、1分子当たりに結合したDOTAの数を、1H-NMRにより算出した。δ 2.43〜3.36の積分値は、DL-G3-DOTAでは288、DL-G3では124、DOTAでは24であり、(288−124)/(24)=6.8となった。よって、DL-G3の1分子あたりに6.8個のDOTAが結合したことが分かった。
なお、上記の化学式(j)は、簡略化のために、ポリアミドアミンデンドロン脂質(化合物(i))の末端の1つにのみキレート化剤(DOTA)が結合した形態を示す。
(1-10)DL-G3-DOTA-Gdの製造
(1-9)で製造した化合物(j):DL-G3-DOTA(72.4mg, 14.9μmol)の水溶液10mlを、GdCl3 (314 mg, 1.19 mmol)の水溶液15mlに滴下した。混合溶液にNaOHを加えてpH 7.3に調節し、Ar雰囲気で一晩攪拌し、50℃で150分間超音波照射した。その後、Spectra/Por (登録商標) Dialysis Membrane (MWCO:1000Da)を用いて透析し、凍結乾燥した(収量:62.3mg)。
得られた白色固体の水溶液を、卓上型高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析装置SPS7800(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株))を用いて分析波長335.047nmの強度を測定して、Gdイオンの定量を行った。その結果、生成物の1分子当たり6.9モルのGdが導入されたことがわかった。
生成物であるGd含有ポリアミドアミンデンドロン脂質(k)を、以下、G3-(Gd-DOTA)ともいう。なお、上記の化学式(k)は、簡略化のために、ポリアミドアミンデンドロン脂質の末端の1つのみにGdが導入された形態を示す。
実施例2 常磁性金属含有リポソームの製造
常磁性金属含有ポリアミドアミンデンドロン脂質として実施例1で製造した化合物(k)を用い、感温性高分子化合物とポリエチレングリコール(PEG)とをリポソーム膜に保持するリポソームを、次のようにして製造した。
(2-1)感温性高分子化合物の製造
感温性高分子化合物として、ポリ(2-(2-エトキシ)エトキシエチルビニルエーテル)オクタデシルビニルエーテル(EOEOVE-ODVE)ブロック共重合体を次のようにして合成した。この高分子化合物は、上記の式(I)において、R1 = -H; R2 = -C2H5; R4 = -OCH3の化合物である。
溶媒としてトルエン(6.2 ml)、添加塩基として酢酸エチル(10 mmol)、モノマーとして(2-エトキシ)エトキシエチルビニルエーテル(EOEOVE)(4 mmol)、重合開始剤として1-メトキシエトキシエチルアセテート(0.04 mmol)を用いた。これらをシュレンク管に分取して0℃に冷却後、同様に冷却したエチルアルミニウムセスキクロライド溶液(0.2 mmol)を添加することで重合を開始した。さらに、ブロック共重合体を合成するため、EOEOVEモノマーの重合終了時に、トルエンで希釈したオクタデシルビニルエーテル(ODVE)(0.2 mmol)を逐次添加した。ODVEモノマーの重合終了時にアンモニア性メタノールを重合系中に添加することによって重合反応を停止した。
次いで、ジクロロメタンで希釈したブロック共重合体溶液を希塩酸で洗浄して重合開始剤の残渣を除去することにより、ブロック共重合体を精製した。その後、系を中性に戻し、溶媒、未反応モノマー種残渣などを除去するためにエバポレートした。完全に未反応モノマーを除去するために、減圧乾燥機で8時間乾燥した(80℃、0.1 mmHg)。得られたブロック共重合体(高分子化合物)の分子量分布(Mw/Mn)およびMnはGPCで、組成比はNMRにより求めた。これにより、Mn=13000、Mw/Mn=1.24のブロック共重合体が得られた。得られた共重合体のEOEOVE/ODVEの共重合比率は、ほぼ87/5であった。
(2-2)常磁性金属含有リポソームの製造
卵黄ホスファチジルコリン(EYPC)のクロロホルム溶液、コレステロールのクロロホルム溶液、(2-1)で製造したEOEOVE-ODVE (Mn=13000)のクロロホルム溶液、PEG-PEのクロロホルム溶液を混合した後、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去し真空乾燥した。そして、実施例1で得られたG3-(Gd-DOTA)の水溶液を加えて均一に分散し、再び溶媒除去して薄膜を形成させた。各成分のモル比は、EYPC / コレステロール / EOEOVE-ODVE / PEG-PE / G3-(Gd-DOTA)=42 / 42 / 4 / 2 / 10であった。その後、HEPESバッファー(HBS)(20mM HEPES, 150mM NaCl (pH 7.4))を加え、超音波照射した後、凍結融解を繰り返すことによってリポソームを調製し、エクストルーダーを用いて孔径100nmのポリカーボネート膜に通してリポソームの粒径を揃えた。さらに、この分散液をSeamless Cellulose Tubing (分画分子量12000〜14000,UC8-32-25)を用いてHBSで透析した。
得られた常磁性金属含有リポソームを、以下、Gd含有リポソームという。
透析後のGd含有リポソーム分散液のリン脂質濃度を、リン脂質C−テストワコー(和光純薬(株))を用いて測定した。Gd含有リポソーム分散液及び標準溶液をそれぞれ発光溶液とよく混合し、37℃で5分間加温した。波長600nmでGd含有リポソーム分散液の吸光度を、日本分光(株)製V-520型紫外・可視分光光度計を用いて測定し、得られた吸光度よりGd含有リポソーム分散液の脂質濃度を決定した。また、コレステロールの濃度はリン脂質の濃度から計算して決定した。
また、同じGd含有リポソーム分散液のGd濃度を、(1-10)に記載するようにして、ICPにより測定した。
これらの比率から、Gd含有リポソーム当たり7.9±0.8モル%のG3-(Gd-DOTA)が含有されていることがわかった。
比較例1 リポソームの製造
卵黄フォスファチジルコリン(EYPC)のクロロホルム溶液と、コレステロールのクロロホルム溶液と、EOEOVE-ODVE (Mn=13000)のクロロホルム溶液と、PEG-PEのクロロホルム溶液を混合した後、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去し薄膜を形成させた。各成分のモル比は、EYPC / コレステロール / EOEOVE-ODVE / PEG-PE = 42 / 42 / 4 / 2であった。その後、HEPESバッファー(HBS)(20mM HEPES, 150mM NaCl (pH 7.4))を加え、超音波照射した後、凍結融解を繰り返すことによってリポソームを調製し、エクストルーダーを用いて孔径100nmのポリカーボネート膜に通してリポソームの粒径を揃えた。
比較例2 Gd-DOTAの調製
DOTA (40.5mg, 1.00×10-4mol)とGdCl3 (26.4mg, 1.00×10-4mol)を蒸留水に溶解させた後、エバポレーターで濃縮し、HBS(pH=7.4) 100mlを加えて、Gd-DOTAのHBS溶液(1mM)を調製した。
実験例1 縦緩和時間(T1)の測定
比較例2のGd-DOTA、実施例1で得られたG3-(Gd-DOTA)、及び実施例2で得られたGd含有リポソームを、種々のGdイオン濃度(0.004〜1.14mM)となるようにHBSで希釈した。これらの溶液を、7T実験用水平型MRI(磁石:Kobelco社製、コンソール:Bruker社製、300 MHz)にて、ボリューム送受信コイル(Bruker社製)単独、又は表面受信コイル(Rapid Biomedical社製)と併用し、echo time(TE) 9.6 ms、repetition time (TR) 250 ms、FOV 51.2*51.2mm、Matrix size 256*256、slicethickness 2.0mmにて縦緩和時間(T1)を測定した。
また、Gd(III)を含まない比較例1のリポソームを、脂質濃度がGd含有リポソームの溶液のものと同じになるようにして、HBSで希釈し、上記と同様にしてT1を測定した。
Gd含有リポソーム(1)、Gdを含まないリポソーム(2)、及びHBSバッファー(3)の縦緩和時間を測定した結果を、図1に示す。
この結果から、Gd含有リポソームは、高いT1短縮効果を示すことがわかる。
また、Gd-DOTA、G3-(Gd-DOTA)、Gd含有リポソームのT1測定値の逆数を、種々のGd(III)濃度に対してプロットした結果を、図2に示す。Gd-DOTA(■)、G3-(Gd-DOTA)(◆)、及びGd含有リポソーム(▲)のいずれのプロットも、直線関係を示している。
緩和度(R1)は、縦緩和時間(T1)の短縮効果を示すもので、MRI造影効果を表すパラメーターである。R1は、次式:
(1/T1) = (1/T10) + R1・[Gd(III)]
(式中、T10は、造影剤を含まない水の縦緩和時間である)
で示される。よって、図2に示す直線の傾きから、R1を求めた結果を、表1に示す。
本発明のGd含有ポリアミドアミンデンドロン脂質G3-(Gd-DOTA)は、従来の医療診断(MRI)で用いられている造影剤であるGd-DOTAの1.3倍の緩和度を示した。PAMAMデンドロン部位にGdキレートが複数集積することによる局所濃度の上昇、また低分子のGd-DOTAに比べより大きな水和層を形成したことが、緩和度の増加の原因と考えられる。
また、本発明のGd含有リポソームは、G3-(Gd-DOTA)よりやや低い緩和度を示した。この要因としては、リポソームの脂質二重膜の内側の内水層へG3-(Gd-DOTA)のヘッド部分が向いておりそのことが何らかの影響を及ぼしたか、又はリポソーム表面では、G3-(Gd-DOTA)に比べて、含有されるG3-(Gd-DOTA)の水和の状態が変化したのではないかと考えられる。
実験例2 マウスインビボでのMRI
10〜12週齢のメスのマウス(BALB/c slc:nu/nu)に、尾静脈注射により、実施例2のGd含有リポソーム分散液300μl (Gd 1.10μmol)を投与した。7T実験用水平型MRI(磁石:Kobelco社製、コンソール:Bruker社製、300 MHz)にて、ボリューム送受信コイル(Bruker社製)単独、又は表面受信コイル(Rapid Biomedical社製)と併用した。測定条件は、次のとおりであった:echo time (TE) 9.6 ms、repetition time (TR) 250 ms、FOV 51.2*51.2mm、Matrix size 256*256、slicethickness 2.0mm。
マウスの腎臓部を3分毎に撮像したMRI画像を、図3に示す。投与3分後に、投与前(-9min)と比較すると、すでに明白なコントラストが現れており、Gd含有リポソームの存在が確認できた。また15分後には、3分後に比べてコントラストが増加しており、さらに36分後では強度の低下が見られた。これらの結果から、本発明の常磁性金属含有リポソームを投与することにより、インビボでその挙動を観察できることがわかる。
Gd含有リポソーム(1)、Gdを含まないリポソーム(2)、及びHBS(3)の縦緩和時間(T1)を示すグラフである。 Gd-DOTA(■)、G3-(Gd-DOTA)(◆)、及びGd含有リポソーム(▲)のT1測定値の逆数を、種々のGd(III)濃度に対してプロットしたグラフである。 Gd含有リポソームを投与したマウスの腎臓部を3分毎に撮像したMRI画像である。

Claims (8)

  1. ポリアミドアミンデンドロン脂質中の1以上の遊離アミノ基と常磁性金属とがリンカーを介して結合してなる常磁性金属含有ポリアミドアミンデンドロン脂質をリポソーム膜に保持する常磁性金属含有リポソーム
  2. 常磁性金属が、ガドリニウムである請求項1に記載の常磁性金属含有リポソーム
  3. 前記遊離アミノ基との結合に用いられる常磁性金属がキレート化合物として用いられる請求項1又は2に記載の常磁性金属含有リポソーム
  4. 前記遊離アミノ基が、下記式由来のアミノ基である請求項1〜3のいずれか1項に記載の常磁性金属含有リポソーム
    DL−G2:R12NX(X(XH222
    DL−G3:R12NX(X(X(XH2222
    DL−G4:R12NX(X(X(X(XH22222
    DL−G5:R12NX(X(X(X(X(XH222222
    DL−G6:R12NX(X(X(X(X(X(XH2222222
    DL−G7:R12NX(X(X(X(X(X(X(XH22222222又は
    DL−G8:R12NX(X(X(X(X(X(X(X(XH222222222
    (式中、R1及びR2は同一又は異なって、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又はアラルキル基を表し、Xは、−CH2CH2CONHCH2CH2N<を表す)。
  5. リポソーム膜が、ホスファチジルコリン及びホスファチジルセリンから選択される脂質で構成される請求項1〜4のいずれか1項に記載の常磁性金属含有リポソーム。
  6. リポソームが、ポリエチレングリコール部分と感熱応答性部分と疎水性部分とを有する高分子化合物がリポソーム膜に担持されてなる温度感受性リポソームである請求項1〜5のいずれか1項に記載の常磁性金属含有リポソーム。
  7. 求項1〜6のいずれか1項に記載の常磁性金属含有リポソームと、医薬的に許容される担体とを含むことを特徴とする薬剤送達システム
  8. 腫瘍部位に送達するための請求項7に記載の薬剤送達システム
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