以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態の簡易レジューム再生装置は、コンテンツの再生が中断又は停止された後に再生を再開する場合に、再生位置からコンテンツの再生を行う装置である。ここで、再生位置とは、前回中断又は停止した停止位置又はその近傍に相当する再生情報の保存位置(本実施の形態においては、単に停止位置と記述する場合もある)である。再生を開始するときに、この再生位置からの再生を行うことを上述したように「レジューム再生」と記載する。さらに、特に、従来から知られた技術を用いてHDMVモードのレジューム再生を行うことを「通常のレジューム再生」と記載する。
まず始めに、本実施の形態の簡易レジューム再生装置の実施行為のうち、使用行為についての形態を説明する。
図1は、本実施の形態の簡易レジューム再生装置の、使用行為についての形態の一例であるホームシアターシステムを示す図である。同図のホームシアターシステム100は、再生装置101と、リモコン102と、ディスプレイ103と、リムーバブルメディア104と、記録媒体105とを備える。再生装置101が、本実施の形態の簡易レジューム再生装置に相当する。なお、ディスプレイ103を本実施の形態の簡易レジューム再生装置の一部としてもよい。
再生装置101は、ホームシアターシステムに、映画作品を供給するという用途に供される。例えば、再生装置101は、リムーバブルメディア104、記録媒体105、又は、インターネットなどから映画などのコンテンツを取得する。そして、リモコン102などの指示に従って、ディスプレイ103に映像を表示し、スピーカ(図示せず)などから音声を出力する。なお、再生装置101は、リモコン102からの信号を受信する受信部、リムーバブルメディア104を挿入する挿入口、及び、記録媒体105を挿入する挿入口などを備える。
リモコン102は、様々なボタンなどを有し、ユーザからの指示を再生装置101及びディスプレイ103などに伝える。
ディスプレイ103は、再生装置101で処理された映像を表示する。また、スピーカ(図示せず)を備え、当該スピーカから再生装置101で処理された音声を出力する。なお、スピーカは、再生装置101が備えていてもよい。
リムーバブルメディア104は、例えば、SDメモリカード、メモリスティック、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、又は、マルチメディアカードなどである。
記録媒体105は、例えば、BD−ROM、BD−R(Blu−ray Disc Recordable)及びBD−RE(Blu−ray Disc Rewritable)などの光記録媒体である。記録媒体105は、映画などのコンテンツの映像及び音声データなどを記録する。なお、記録媒体105は、DVD−ROM又はCD−ROMなどであってもよい。
以上のように、本実施の形態の簡易レジューム再生装置は、ホームシアターシステムなどに利用される。
続いて、本実施の形態の簡易レジューム再生装置(再生装置101)が再生の対象としている記録媒体について説明する。本実施の形態の再生装置101が再生するのは、図1の例では、記録媒体105であるBD−ROMである。
図2は、BD−ROM(以降、「BD」と称する場合もある)の構成を示す図である。本実施の形態においては、映画等のAV(Audio Visual)コンテンツを再生するためのAVアプリケーションを主眼においてBD−ROMを説明するが、BD−ROMをCD−ROM及びDVD−ROMのようにコンピュータ用途の記録媒体として利用することも当然ながら可能である。
BD−ROMは、他の光ディスク、例えば、DVD及びCDなどと同様にその内周から外周に向けて螺旋状に記録領域を持ち、内周のリード・インと外周のリード・アウトとの間に論理データを記録できる論理アドレス空間を有している。また、リード・インの内側にはBCA(Burst Cutting Area)と呼ばれる、ドライブでしか読み出せない特別な領域がある。この領域はアプリケーションから読み出せないため、例えば著作権保護技術などに利用されることがよくある。
論理アドレス空間には、ファイルシステム情報(ボリューム)が先頭に記録され、続いて映像データなどのアプリケーションデータが記録されている。ファイルシステムとは、UDF(Universal Disc Format)又はISO9660などのことであり、通常のPCと同じように記録されている論理データをディレクトリ及びファイル構造を使って読み出しする事が可能になっており、255文字のファイル名及びディレクトリ名を読み出すことが可能である。
本実施の形態の場合、BDディスク上のディレクトリ及びファイル構造は、ルートディレクトリ(ROOT)直下にBDMVディレクトリが置かれている。BDMVディレクトリはBD−ROMで扱うAVコンテンツ及び管理情報などのデータが記録されているディレクトリである。
BDMVディレクトリの配下には、PLAYLISTディレクトリ、CLIPINFディレクトリ、STREAMディレクトリ、BDJOディレクトリ、JARディレクトリと呼ばれる5つのサブディレクトリが存在する。さらに、BDMVディレクトリには、index.bdmv201及びMovieObject.bdmv202の2種類のファイルが配置されている。
PLAYLISTディレクトリには、拡張子mplsが付与されたファイル(xxx.mpls[“xxx”は可変であり識別子が入る。拡張子“mpls”は固定])が存在する。CLIPINFディレクトリには、拡張子clpiが付与されたファイル(xxx.clpi[“xxx”は可変であり識別子が入る。拡張子“clpi”は固定])が存在する。STREAMディレクトリには、いわばデジタルストリーム本体となるファイルを格納しているディレクトリであり、拡張子m2tsが付与されたファイル(xxx.m2ts[“xxx”は可変であり識別子が入る。拡張子“m2ts”は固定])が存在する。JARディレクトリには、拡張子jarが付与されたファイル(xxx.jar[“xxx”は可変であり識別子が入る。拡張子“jar”は固定])が存在する。BDJOディレクトリには、拡張子bdjoが付与されたファイル(xxx.bdjo[“xxx”は可変であり識別子が入る。拡張子“bdjo”は固定])が存在する。
拡張子“mpls”が付与されたファイルは、プレイリスト(PlayList)情報を格納したファイルであり、ストリームの再生区間(「In Time/Out Time」)が記録されている。
拡張子“clpi”が付与されたファイルは、デジタルAVストリームのそれぞれに1対1に対応するクリップ(Clip)情報である。Clip情報は、管理情報であり、デジタルAVストリームの符号化形式、フレームレート、ビットレート及び解像度などの情報、並びに、GOP(Group of Pictures)の先頭位置を示すEP_mapを持っている。
拡張子“m2ts”が付与されたファイルは、MPEG−TS(Moving Picture Experts Group−Transport Stream)形式のデジタルAVストリームであり、1つ以上のビデオストリーム、1つ以上のオーディオストリーム、及び、1つ以上の副映像ストリームを多重化することで得られる。例えば、ビデオストリームは映画の動画部分を、オーディオストリームは映画の音声部分を、副映像ストリームは、映画の字幕をそれぞれ示している。
拡張子“jar”が付与されたファイルは、Java(登録商標)アーカイブファイルであり、Java(登録商標)仮想マシンを用いて動的なシナリオ制御を行うJava(登録商標)アプリケーションのプログラムが記述されている。BD−ROM上のコンテンツの再生単位を示す各タイトルの再生をJava(登録商標)アプリケーションから制御したい場合は、このファイルを必要とする。
拡張子“bdjo”が付与されたファイルは、BD−Jオブジェクトを格納したファイルである。BD−Jオブジェクトは、PlayList情報により示されるAVストリームと、アプリケーションとの関連付けにより、タイトルを定義する情報である。BD−Jオブジェクトは、アプリケーション管理テーブルと、そのタイトルにおいて再生可能なプレイリストの一覧を示す。アプリケーション管理テーブルは、アプリケーションの識別子(アプリケーションID)とそのアプリケーションに属するJava(登録商標)アーカイブファイルのIDとを羅列することで、このタイトルを生存区間とするアプリケーションを示すテーブルである。つまり、1つのアプリケーションは、1つ以上のJava(登録商標)アーカイブファイルで構成される。
index.bdmv201(ファイル名は“index.bdmv”で固定)は、BD−ROM全体に関する管理情報であり、映画作品のプロバイダを特定する識別子であるorganizationID(32bit)、及び、プロバイダが提供するBD−ROMのそれぞれに割り当てられた識別子であるdiscID(128bit)などの情報を持つ。再生装置101へのディスク挿入後に、index.bdmv201が最初に読み出されることで、再生装置101においてディスクが一意に認識される。
さらに、index.bdmv201にはBD−ROMにおいて再生可能となる複数のタイトル、個々のタイトルの種別、及び、タイトル定義情報などを示すテーブルが含まれる。index.bdmv201の内容を総称してモード管理テーブルと呼ぶ。タイトルの種別には、HDMVタイトル及びBD−Jタイトルなどが含まれる。HDMVタイトルとは、HDMVモード(後述)で動作するタイトルであり、BD−JタイトルとはBD−Jモード(後述)で動作するタイトルである。また、タイトル定義情報とは、タイトルの種類がHDMVタイトルである場合、MovieObject.bdmv202内に記述
されたコマンド群のうち、どのコマンドを実行するかを示す識別子である。タイトル定義情報は、タイトルの種別がBD−Jタイトルである場合、どのBD−Jオブジェクトを利用するかを示す識別子である。
MovieObject.bdmv202(ファイル名は“MovieObject.bdmv”で固定)は、HDMVモードでの各タイトル再生で、再生進行を動的に変化させるためのシナリオ(またはコマンドとも呼ぶ)が記述されたシナリオプログラム(またはコマンド群とも呼ぶ)が含まれる。
なお、これらのファイル及びディレクトリ構成は、その一例であり、他の構成であっても本発明は実施可能である。
以上のように、記録媒体105には、映像及び音声などを含むコンテンツと、当該コンテンツを再生するためのプログラムであるJava(登録商標)アプリケーションと、当該アプリケーションの実行を制御するための少なくとも1つの再生制御情報、すなわち、BD−Jタイトルとが記録されている。さらに、記録媒体105には、アプリケーションを実行することなくコンテンツを再生するための命令群であるコマンド群と、当該コマンド群を指示するための再生制御情報、すなわち、HDMVタイトルとが記録されている。
本実施の形態の再生装置101は、記録媒体105に記録される再生制御情報に従ってアプリケーションを実行することで、又は、再生制御情報から指示されるコマンド群に従ってコンテンツを再生することができる。
図3は、本実施の形態の再生制御のレイヤモデルを示す図である。
図3の第1層は、物理層であり、処理対象たるストリーム本体の供給制御である。この第1層に示すように、処理対象たるストリームは、BD−ROMだけではなく、HDD(ハードディスクドライブ:Hard Disc Drive)などの再生装置101に予め組み込まれた記録媒体であるローカルストレージ及びリムーバブルメディアなどの記録媒体、又は、ネットワークなどの通信媒体を供給源としている。これらローカルストレージ、リムーバブルメディア及びネットワークなどの供給源に対する制御(ディスクアクセス、カードアクセス及びネットワーク通信)が第1層の制御である。
第2層は、AVデータのレイヤである。第2層は、第1層で供給されたストリームを、どのような復号化方式を用いて復号するのかを規定している。
第3層(BD管理データ)は、ストリームの静的なシナリオを規定するレイヤである。静的なシナリオとは、ディスク制作者によって予め規定された再生経路情報、ストリーム管理情報であり、これらに基づく再生制御を規定している。
第4層(BD再生プログラム)は、ストリームにおける動的なシナリオを実現するレイヤである。動的なシナリオは、AVストリームの再生手順、及び、その再生に関する制御手順のうち少なくとも一方を実行するプログラムである。動的なシナリオによる再生制御は、装置に対するユーザの操作に応じて変化するものであり、プログラム的な性質をもつ。
ここでの動的な再生制御には、2つのモードがある。2つのモードのうち1つは、AV機器特有の再生環境で、BD−ROMに記録された動画データを再生するモード(HDMVモード)であり、もう1つはBD−ROMに記録された動画データの付加価値を高めるモード(BD−Jモード)である。図3において第4層には、HDMVモードとBD−Jモードとの2つのモードが記述されている。HDMVモードは、DVDライクな再生環境での再生モードであり、再生進行を動的に変化させるためのシナリオが記述されたシナリオプログラムが動作する。BD−Jモードは、Java(登録商標)仮想マシンを主体とした再生モードであり、Java(登録商標)アプリケーションから再生制御を行う。
図4は、2つのモードの動的な再生制御にて作成される映画作品を示す図である。図4(a)は、HDMVモードで動的な再生制御を定義することにより、作成される映画作品の一場面を示す図である。HDMVモードは、DVD再生装置が解釈可能なコマンドとよく似たコマンドで再生制御を記述することができるので、DVDと同じような再生制御、つまり、メニューに対する選択により再生が進行するような再生制御を定義することができる。
図4(b)は、BD−Jモードで動的な再生制御を定義することにより、作成される映画作品の一場面を示す図である。BD−Jモードは、Java(登録商標)仮想マシンが解釈可能なJava(登録商標)言語で制御手順を記述することができる。この再生制御がコンピュータグラフィックス(CG:Computer Graphics)の動作を制御するものなら、BD−Jモードにあっては、動画を表示した画面の横でCG(図中のフクロウの絵)が動きまわっているような再生制御を定義することができる。
続いて、本実施の形態の簡易レジューム再生装置の構成について説明する。
図5は、本実施の形態の簡易レジューム再生装置の構成を示すブロック図である。同図の簡易レジューム再生装置300は、記録媒体105に記録されたコンテンツの再生が中断された後にレジューム再生を行う再生装置である。簡易レジューム再生装置300は、再生部301と、再生情報格納部302と、不揮発性メモリ303と、再生情報取得部304と、データ生成部305と、判断部306とを備える。
再生部301は、記録媒体105に記録された少なくとも1つの再生制御情報(BD−Jタイトル)に従って制御されるJava(登録商標)アプリケーションを実行することでコンテンツを再生する。これにより、例えば、図4(b)に示すような映像をディスプレイ103に表示させることができる。
さらに、再生部301は、再生が中断された後に再生を再開する場合に、「簡易レジューム再生」を実行する。簡易レジューム再生とは、中断前に実行していたアプリケーションを実行することなく、再生情報取得部304が取得する再生位置からコンテンツを再生する処理である。データ生成部305により生成されたデータを参照することで、コンテンツを再生位置から再生する処理である。
本実施の形態では、特に、簡易レジューム再生とは、BD−Jモードで再生されていたコンテンツを、HDMVモードで再生する処理である。すなわち、生成したデータが含むHDMVタイトルから参照されるコンテンツを、生成したデータが含むコマンド群に従って再生位置から再生する処理である。
再生情報格納部302は、再生部301によるコンテンツの再生中又は再生中断時の再生単位及び再生位置を示す再生情報を不揮発性メモリ303に格納する。例えば、コンテンツの再生中に、再生情報格納部302は、所定のタイミングで再生情報を不揮発性メモリ303に格納する。
所定のタイミングとは、例えば、1秒毎などの定期間隔、再生状態が変化したタイミング、乱数などに基づいた不定期間隔、又は、それらを組み合わせたものでもよい。なお、本発明は、どのタイミングで行われたとしても実施可能である。
不揮発性メモリ303は、電源を切っても記録されたデータなどが消えないフラッシュメモリなどである。不揮発性メモリ303には、再生情報格納部302によって再生情報などが記録される。
再生情報取得部304は、再生情報を取得し、取得した再生情報を再生部301に出力する。例えば、再生情報取得部304は、再生が中断された後に再生を再開するときに、不揮発性メモリ303に記録された再生情報を取得する。
データ生成部305は、再生情報取得部304によって取得された再生情報に基づいて、当該再生情報が示す再生位置からの再生を可能にするためのデータを生成する。例えば、データ生成部305は、再生情報取得部304によって取得された再生情報がBD−Jタイトルであることを示す場合に、BD−Jタイトルとは異なる種類のタイトル(例えば、HDMVタイトル)を含むデータを生成する。このとき、HDMVモードでコンテンツを再生することができるように、生成されたデータが含むHDMVタイトルから参照されるコンテンツを再生位置から再生するためのコマンド群を含むデータも生成する。
なお、生成されるデータの詳細については後述する。また、データ生成部305は、レジューム再生を実行するとき、すなわち、再生が中断された後に再生を再開するときに、データを生成する。
判断部306は、簡易レジューム再生を行うか否かを判断する。判断結果は、再生部301、再生情報格納部302及び再生情報取得部304などの少なくとも1つに出力する。例えば、判断部306は、ユーザの指示に従って簡易レジューム再生を行うか否かを判断する。または、判断部306は、停止位置がコンテンツの開始位置に近い場合(例えば、開始後1分以内の場合など)は、簡易レジューム再生を行わないと判断してもよい。また、判断部306は、前回の停止がユーザの指示による停止である場合は、簡易レジューム再生を行わないと判断してもよい。
ここで、判断部306が判断結果を再生部301に出力したとする。判断部306が簡易レジューム再生を行うと判断した場合のみ、再生部301は、簡易レジューム再生を実行する。
判断部306が判断結果を再生情報格納部302に出力した場合は、判断部306が簡易レジューム再生を行うと判断した場合のみ、再生情報格納部302は、再生情報を不揮発性メモリ303に格納する。ここで、再生部301は、再生情報が不揮発性メモリ303に保持されていない場合は簡易レジューム再生を行うことができないので、通常の再生処理を行う。
判断部306が判断結果を再生情報取得部304に出力した場合は、判断部306が簡易レジューム再生を行うと判断した場合のみ、再生情報取得部304は、再生情報を不揮発性メモリ303から取得し、再生部301に出力する。ここで、再生部301は、再生情報が入力されない場合は簡易レジューム再生を行うことができないので、通常の再生処理を行う。
以上の構成により、簡易レジューム再生装置300は、再生情報に基づいてデータを生成し、生成したデータから参照されるコンテンツを中断時(又は、データ生成時)の再生位置から再生することで、レジューム再生を行うことができる。すなわち、従来の再生装置は、BD−Jモードで再生されていたコンテンツが中断された場合、BD−Jモードの複雑さからコンテンツを再生することができなかったのに対して、本実施の形態の簡易レジューム再生装置300は、再生するモードをHDMVモードに変更することでレジューム再生を実行することができる。
なお、簡易レジューム再生装置300は、判断部306を備えなくてもよい。
続いて、本実施の形態の簡易レジューム再生装置300に相当する再生装置101について説明する。
図6は、本実施の形態の再生装置の大まかな機能構成を示すブロック図である。同図の再生装置101は、BD−ROMドライブ401と、トラックバッファ402と、デマルチプレクサ403と、ビデオデコーダ404と、ビデオプレーン405と、オーディオデコーダ406と、イメージメモリ407と、イメージプレーン408と、イメージデコーダ409と、加算器410と、静的シナリオメモリ411と、動的シナリオメモリ412と、HDMVモジュール413と、BD−Jモジュール414と、UO(User Operation)検知モジュール415と、モード管理モジュール416と、ディスパッチャ417と、レンダリングエンジン418と、AV再生ライブラリ420と、ネットワークインターフェース421と、ローカルストレージ422と、仮想ファイルシステム423と、レジスタ424と、不揮発性メモリ425と、記憶部426とを備える。
BD−ROMドライブ401は、BD−ROM(記録媒体105の一例)のローディング/イジェクトを行い、BD−ROMに対するアクセスを実行する。なお、BD−ROMドライブ401は、BD−ROMだけでなく、読み書き可能なBD−REに対する読込み及び書き込みが可能でもよく、さらに、DVD又はCDなどの様々な種類の記録媒体を利用できるものであってもよい。
トラックバッファ402は、FIFO(First In First Out)メモリである。トラックバッファ402には、BD−ROMから読み出されたアクセスユニット(ACCESS UNIT)が先入れ先出し式に格納される。
デマルチプレクサ403は、BD−ROMドライブ401にローディングされているBD−ROM、ローカルストレージ422、又は、リムーバブルメディア104上に保存されているトランスポートストリームの多重分離を行う。そして、GOPを構成するビデオフレームとオーディオフレームとを得て、ビデオフレームをビデオデコーダ404に出力し、オーディオフレームをオーディオデコーダ406に出力する。副映像ストリームをイメージメモリ407に格納し、ナビゲーションボタン(Navigation Button)情報を動的シナリオメモリ412に格納する。デマルチプレクサ403による多重分離処理は、TSパケットをPES(Packetized Elementary Stream)パケットに変換するという変換処理を含む。
ビデオデコーダ404は、デマルチプレクサ403から出力されたビデオフレームを復号して非圧縮形式のピクチャをビデオプレーン405に書き込む。
ビデオプレーン405は、非圧縮形式のピクチャを格納しておくためのメモリである。
オーディオデコーダ406は、デマルチプレクサ403から出力されたオーディオフレームを復号して、非圧縮形式のオーディオデータを出力する。
イメージメモリ407は、デマルチプレクサ403から読み出された副映像ストリーム、Navigation Button情報内のPNG(Portable Network Graphics)データ、又は、仮想ファイルシステム423を介してBD−ROM、リムーバブルメディア104若しくはローカルストレージ422から読み出された画像ファイルを格納しておくバッファである。
イメージプレーン408は、一画面分の領域をもったメモリであり、展開された副映像ストリーム、PNGデータ、又は、画像ファイルなどが配置される。
イメージデコーダ409は、イメージメモリ407に格納された副映像ストリーム、PNGデータ、又は、画像ファイルなどを展開してイメージプレーン408に書き込む。副映像ストリームのデコードにより、各種メニュー及び副映像が画面上に現れる。
加算器410は、ビデオプレーン405に格納された非圧縮形式のピクチャデータと、イメージプレーン408に展開されたイメージとを合成して出力する。例えば、図4(b)に示すように、動画を表示した画面の横でCG(図中のフクロウの絵)が動きまわっているような画面は、この加算器410が、イメージプレーン408内のイメージとビデオプレーン405内のピクチャとを合成することで出力される。
静的シナリオメモリ411は、カレントのプレイリスト(カレントPlayList)、又は、カレントのストリーム管理情報を格納しておくためのメモリである。カレントPlayList(カレントPLと略すこともある)とは、BD−ROM、ローカルストレージ422又はリムーバブルメディア104に記録されている複数のプレイリストのうち、現在処理対象になっているプレイリストである。カレントストリーム管理情報とは、BD−ROM、ローカルストレージ422又はリムーバブルメディア104に記録されている複数ストリーム管理情報のうち、現在処理対象になっているものをいう。
動的シナリオメモリ412は、カレント動的シナリオを格納しておき、HDMVモジュール413及びBD−Jモジュール414による処理に供されるメモリである。カレント動的シナリオとは、BD−ROM、ローカルストレージ422又はリムーバブルメディア104に記録されている複数シナリオのうち、現在実行対象になっているシナリオをいう。
HDMVモジュール413は、HDMVモードの実行主体となるDVD仮想プレーヤであり、動的シナリオメモリ412に読み出されたカレントのシナリオプログラムを実行する。
BD−Jモジュール414は、Java(登録商標)プラットフォームであり、Java(登録商標)仮想マシン、コンフィグレーション及びプロファイルからなる。BD−Jモジュール414は、動的シナリオメモリ412に読み出されたJava(登録商標)クラスファイルからカレントのJava(登録商標)オブジェクトを生成し、実行する。Java(登録商標)仮想マシンは、Java(登録商標)言語で記述されたJava(登録商標)オブジェクトを、再生装置におけるCPU(Central Prosessing Unit)のネィティブコードに変換して、CPUに実行させる。
UO検知モジュール415は、リモコン又は再生装置のフロントパネル(タッチパッドなどの操作パネル)に対してなされたユーザの操作を検出して、ユーザの操作を示す情報(以降、UOという)をモード管理モジュール416に出力する。
モード管理モジュール416は、BD−ROM、ローカルストレージ422又はリムーバブルメディア104から読み出されたモード管理テーブルを保持して、モード管理及び分岐制御を行う。モード管理モジュール416によるモード管理とは、動的シナリオをどのHDMVモジュール413、BD−Jモジュール414に実行させるかというモジュールの割り当て、割り当てたモジュールに対する再生指示、及び、割り当てたモジュールでの再生状態の監視である。再生状態を監視することにより、HDMVモジュール413又はBD−Jモジュール414でのタイトルの再生が終了した場合など、他のタイトルに移行する際には、次に再生すべきタイトルを選択し、選択したタイトルに適切なモジュールの割り当てを行い、割り当てたモジュールに対して再生指示を出すことで、再生が継続される。
また、モード管理モジュール416は、タイトル再生中にAV再生ライブラリ420からレジスタ424の内容を取得し、その内容の全部又は一部を、モード管理モジュール416が取得可能な他の情報とともに不揮発性メモリ425に格納してもよい。また、モード管理において、割り当てたモジュールに対して再生指示を出す際、不揮発性メモリ425から取得した内容を合わせて指示することにより、通常の初期状態とは異なった状態から再生を開始させてもよい。また、仮想ファイルシステム423に対し、データ作成指示を出してもよい。詳細は後述する。
ディスパッチャ417は、UOから、現在の再生装置におけるモードに適切なUOのみを選んで、そのモードを実行するモジュールに受け渡す。例えば、ディスパッチャ417は、HDMVモードの実行中に、上下左右及びアクティベートなどのUOを受け付けた場合、HDMVモードのモジュールにこれらのUOを出力する。
レンダリングエンジン418は、Java(登録商標)2D及びOPEN−GLなどの基盤ソフトウェアを備え、BD−Jモジュール414からの指示に従ってコンピュータグラフィックスの描画を行い、描画されたコンピュータグラフィックスをイメージプレーン408に出力する。
AV再生ライブラリ420は、HDMVモジュール413又はBD−Jモジュール414からの関数呼び出しに応じて、AV再生機能、プレイリスト再生機能を実行する。AV再生機能とは、DVDプレーヤ又はCDプレーヤから踏襲した機能群であり、再生開始、再生停止、一時停止、一時停止の解除、静止画機能の解除、再生速度を即値で指定した早送り、再生速度を即値で指定した巻戻し、音声切り替え、副映像切り替え及びアングル切り替えなどの処理を行う機能である。プレイリスト再生機能とは、このAV再生機能のうち、再生開始及び再生停止をプレイリスト情報に従って行う機能である。
また、AV再生ライブラリ420は、レジスタ424を備える。レジスタ424には、プレイリストの再生状態、及び、コンテンツが利用する任意の情報などを格納できる領域である。プレイリストの再生状態とは、プレイリストに記載されている各種AVデータ情報の中のどのAVデータを利用しているか、及び、プレイリストのどの位置(時刻)を再生しているか、などの状態を表すものである。プレイリストの再生状態が変化した際は、AV再生ライブラリ420が、レジスタ424に、プレイリストの再生状態などの内容を格納する。また、HDMVモジュール413又はBD−Jモジュール414が実行しているコンテンツからの指示により、コンテンツが指定した値を格納し、又は、格納された値をコンテンツに渡す。
ネットワークインターフェース421は、再生装置の外部と通信を行うためのインターフェースであり、インターネットでアクセス可能なサーバにアクセスし、又は、ローカルネットワークで接続されたサーバにアクセスする。例えば、ネットワークインターフェース421は、インターネット上に公開されたBD−ROM追加コンテンツのダウンロードに用いられ、又は、コンテンツが指定するインターネット上のサーバとの間でデータ通信を行うことでネットワーク機能を利用したコンテンツの再生を可能にする。BD−ROM追加コンテンツとは、オリジナルのBD−ROMにないコンテンツであり、例えば、追加の副音声、字幕、特典映像及びアプリケーションなどである。BD−Jモジュール414からネットワークインターフェース421を制御することができ、インターネット上に公開された追加コンテンツをローカルストレージ422又はリムーバブルメディア104にダウンロードすることができる。
ローカルストレージ422及びリムーバブルメディア104は、ダウンロードした追加コンテンツ及びアプリケーションなどが使うデータなどの保存に用いられる。追加コンテンツの保存領域は、BD−ROM毎に分かれており、またアプリケーションがデータの保持に使用できる領域は、アプリケーション毎に分かれている。また、ダウンロードした追加コンテンツをどのようにBD−ROM上のデータとマージされるかというマージ規則が記載されたマージ管理情報も、ローカルストレージ422又はリムーバブルメディア104に保存される。
仮想ファイルシステム423は、追加コンテンツと共にローカルストレージ422又はリムーバブルメディア104にダウンロードされたマージ管理情報を元に、ローカルストレージ422又はリムーバブルメディア104に格納された追加コンテンツとBD−ROM上のコンテンツとをマージさせた、仮想的なBD−ROM(仮想パッケージ)を構築する。HDMVモジュール413又はBD−Jモジュール414は、仮想パッケージとオリジナルBD−ROMとを区別なく参照することができる。仮想パッケージの再生中、再生装置101は、BD−ROM上のデータだけでなく、ローカルストレージ422、リムーバブルメディア104及び記憶部426のデータも用いて再生制御を行う。
不揮発性メモリ425は、読み書き可能な記録媒体であり、電源が供給されなくても、記録内容を保持できる媒体である。例えば、フラッシュメモリ及びFeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)などである。また、リムーバブルメディア104、ローカルストレージ422、又は、BD−ROMドライブ401で書き込み可能な記録媒体を、不揮発性メモリ425として利用してもよい。また、ネットワークインターフェース421を経由してアクセス可能な媒体を、再生装置101の電源供給状態に依存せず記録内容を保持できるのであれば、不揮発性メモリ425として利用してもよい。
記憶部426は、任意のデータを記憶可能な記録媒体である。仮想ファイルシステム423は、モード管理モジュール416からの指示により、記憶部426に特定のデータを格納することが可能である。
以上に示す構成要素が、再生装置101の、通常の再生処理、レジューム処理及び簡易レジューム処理に関わる構成要素である。なお、ここで示した機能構成は、BD−ROMの再生装置の一例を示したものであり、以降で述べる動作を実現可能であれば、他の機能構成であっても本発明は実施可能である。
なお、図5に示す再生部301は、図6のHDMVモジュール413、BD−Jモジュール414、モード管理モジュール416及びAV再生ライブラリ420、仮想ファイルシステム423などに相当する。再生情報格納部302は、モード管理モジュール416に相当する。不揮発性メモリ303は、不揮発性メモリ425に相当する。再生情報取得部304は、モード管理モジュール416に相当する。データ生成部305は、仮想ファイルシステム423に相当する。判断部306は、モード管理モジュール416に相当する。ただし、判断部306の機能は、図6には示されていない他の処理部によって実行されてもよい。他の処理部についても同様である。
続いて、本実施の形態の簡易レジューム再生装置が実行する再生情報の保持処理について述べる。再生情報の保持処理は、コンテンツの再生中又は再生中断時に実行される。
再生情報は、デジタルストリームの再生位置及びタイトル番号を含む。さらに、レジスタ424の内容を含めてもよい。レジスタ424の内容とは、例えば、ストリーム番号であり、デジタルストリーム内に含まれる複数の映像、音声及び字幕に対し、どの映像、音声及び字幕を再生しているかを示す情報である。他には、各映像、音声及び字幕を出力しているか否かを示す情報である。また、デジタルストリームの再生位置及びタイトル番号は、レジスタ424に保持されていてもよい。以降では、デジタルストリームの再生位置及びタイトル番号は、レジスタ424に保持されている場合について述べるが、レジスタ424に保持されていなくても、モード管理モジュール416が取得可能であればどのように保持されていても実施可能である。
図7は、本実施の形態の再生装置が実行する再生情報の保持処理の動作を示すフローチャートである。図7には、コンテンツの再生中に再生情報の保持処理が実行される場合について示されている。
まず、再生部301が、コンテンツを再生する(S101)。なお、コンテンツの再生は、通常の再生、レジューム再生、及び、簡易レジューム再生のいずれでもよい。
コンテンツの再生中に、再生情報格納部302は、所定のタイミングで再生情報を不揮発性メモリ303に格納する(S102)。より具体的には、モード管理モジュール416は、所定のタイミングにおいてレジスタ424から再生情報を取得し、その取得した再生情報を不揮発性メモリ425に保持させる。
そして、コンテンツの再生が中断されるまで、再生情報の格納処理を繰り返す(S103)。
また、不揮発性メモリ425に再生情報を保持する際、電源供給の遮断又は不測の異常などにより再生情報の一部が欠落してしまう問題を回避するために、不揮発性メモリ425内に、再生情報を保持する領域を複数用意し、常に1つ以上前に保持した再生情報を保持し続けることにより、再生情報が欠落する危険を軽減してもよい。なお、再生情報が欠落する問題を回避する方法は、他の公知の技術を用いてもよく、どのような回避方法をとるかは本発明の実施には影響しないため、詳細は省略する。
なお、上述のように簡易レジューム再生中においても、再生情報の保持処理を実施してもよい。その場合、再生情報の一部に、再生情報取得時の再生は簡易レジューム再生であったことを示す情報を追加してもよい。
なお、ユーザからの指示などに基づいてコンテンツの再生を中断する場合は、再生中断時に再生情報を不揮発性メモリに格納してもよい。
次に、不揮発性メモリに保持された再生情報を用いたレジューム再生について述べる。
図8は、本実施の形態の再生装置が実行するレジューム再生処理の動作を示すフローチャートである。
まず、判断部306は、簡易レジューム再生装置300(再生装置101)がレジューム再生を実行することができるか否かを判断する(S201)。ここでは、一例として、判断部306は、不揮発性メモリ303(不揮発性メモリ425)に再生情報が保持されているか否かを判断する。不揮発性メモリ425に再生情報が保持されている場合が、再生装置101がレジューム再生を実行することができる場合である。
再生装置101がレジューム再生を実行することができると判断された場合(S201でYes)、再生情報取得部304(モード管理モジュール416)は、不揮発性メモリ303(不揮発性メモリ425)から再生情報を取得する(S202)。具体的には、モード管理モジュール416は、電源投入又はディスク挿入などに応じて再生を開始する際、不揮発性メモリ425から再生情報を取得する。
続いて、再生情報取得部304(モード管理モジュール416)は、取得した再生情報を基にしてindex.bdmv201を確認する(S203)。具体的には、モード管理モジュール416は、取得した再生情報からタイトル番号を取得し、index.bdmv201の内容であるモード管理テーブルを参照することで、該当タイトルを再生すべきモードを確認する。なお、モード管理テーブルの取得方法については前述の通りである。また、モードを確認可能であれば、必ずしもモード管理テーブルを参照する必要はない。例えば、再生情報にモードに関する情報を含めてもよい。
再生情報取得部304がindex.bdmv201を確認した結果、タイトルがBD−Jタイトルである場合(S204でYes)、再生部301は、簡易レジューム再生を実行する(S205)。具体的には、モード管理モジュール416は、再生情報のうち、タイトル番号、及び、デジタルストリームに関する情報を仮想ファイルシステム423に伝える。ここで、デジタルストリームに関する情報とは、例えば、PlayListの識別子であり、再生すべきデジタルストリームを特定するための情報である。
図9は、本実施の形態の再生装置が実行する簡易レジューム再生の動作を示すフローチャートである。
データ生成部305(仮想ファイルシステム423)は、取得された再生情報を基にしてデータを生成する(S301)。具体的には、仮想ファイルシステム423は、モード管理モジュール416からタイトル番号、及び、デジタルストリームに関する情報を受け取る。そして、受け取った情報を元にデータを生成し、生成したデータを記憶部426に格納する。ここで生成されるデータとは、具体的には、図2で示したBDディスク上のファイル(index.bdmv201などのファイル)を置き換えるためのファイルであり、置き換える対象となるファイルと同一の構造に基づく内容となる。
次に、再生部301は、取得された再生情報と生成されたデータとを用いてレジューム再生を行う(S302)。具体的なレジューム再生については、各情報及びデータを図示しながら後述する。
再生情報取得部304がindex.bdmv201を確認した結果、タイトルがHDMVタイトルである場合(S204でNo)、再生部301は、従来のレジューム再生を実行する(S206)。具体的には、モード管理モジュール416は、再生情報とともに、HDMVモジュール413に対して再生指示を出す。HDMVモジュール413は、渡された再生情報のうち、レジスタ424に保持すべき内容を抽出し、抽出した内容をレジスタ424に格納した後、再生情報に基づき再生を開始する。
再生装置101がレジューム再生を実行することができないと判断された場合(S201でNo)、再生部301は、レジューム再生ではなく、通常の再生を行う。すなわち、停止位置からの再生ではなく、最初から、又は、ユーザによって指定された位置などからの再生を行う(S207)。
以上のようにして、本実施の形態の簡易レジューム再生装置は、再生中断時のモードがどのようなモードであっても、映像を再生可能なモード(例えば、HDMVモード)に変更し、再生位置から変更したモードで再生することができる。これにより、従来では不可能であった、再生中断時のモードがBD−Jモードである場合にも、HDMVモードに変更することでレジューム再生を実行することができる。
これにより、中断前は図4(b)に示すように、ディスプレイ103には、2つの映像(映画などの映像及び音声と、メニュー表示用の映像(フクロウ))が表示されていたのに対して、中断後の再生再開後は、図4(a)に示すように、ディスプレイ103には、1つの映像(映画などの映像及び音声)のみが表示される。
なお、具体的に映像及び音声を途中から再生させる方法、特にデジタルストリームのデコード方法やキャッシュ方法などについては、公知の技術であるため説明を省略するが、どのような方法を用いたとしても、本発明は実施可能である。
また、再生の再開時には再生情報を常に取得する必要は無く、任意の判断に応じて取得するかどうかを決定してもよい。取得しなかった場合や、不揮発性メモリ425から再生情報を取得できなかった場合などは、通常の再生処理を実施してもよいし、その他どのような処理を行ったとしても、本発明は実施可能である。
なお、任意の判断とは、例えば、前回の停止の原因が電源供給の遮断によるものである場合のみ再生情報を取得するということである。
また、モード管理モジュール416は、不揮発性メモリ425から再生情報を取得できた場合においても、再生情報に含まれている記録媒体の情報と、これから再生しようとしている記録媒体に含まれる情報が異なっている場合や、再生情報の一部が破損していた場合などにおいては、その再生情報を利用することなく、通常の再生を開始することも可能である。
続いて、以下では、上述した情報及びデータを示しながら、本実施の形態の簡易レジューム再生について、具体的に説明する。
図10は、図2で示したBDディスク上のファイルの1つであるindex.bdmv201の内容の一例を模式的に示す図である。同図に示すように、index.bdmv201には、タイトル共通情報211と、タイトル固有情報212とが含まれる。
タイトル共通情報211は、organizationIDが「00000000」で、discIDが「11111111」で、タイトルの総数が2つである場合の例を示している。
タイトル固有情報212は、各タイトルに関する情報が含まれている。タイトル固有情報212に含まれるタイトルが、再生制御情報である。ここでは、タイトル共通情報211により、コンテンツ内に、タイトル#1とタイトル#2との2つのタイトルが2つ存在する。タイトル固有情報212は、タイトル#1のタイトル種別がHDMVであり、タイトル#1のタイトル定義情報がMovieObject.bdmvの2番目に定義されていることを示している。さらに、タイトル固有情報212は、タイトル#2のタイトル種別がBD−Jであり、タイトル#2のタイトル定義情報がbdjoディレクトリに存在する00000.bdjoであることを示している。
図11は、モード管理モジュール416が取得した再生情報の内容の一例を模式的に示す図である。同図の再生情報501は、タイトル番号が「2」、PlayListの識別子が「00001」、再生位置が「12分34秒」、音声の識別子が「sound00001」、及び、字幕の識別子が「subtitle00001」であることを示している。この場合、タイトル番号「2」の「PlayList 00001」の再生中、「12分34秒」の地点の再生において、モード管理モジュール416が再生情報を不揮発性メモリ425に格納したことを意味する。さらに、このときの音声は「sound00001」であり、字幕は「subtitle00001」であることを意味する。
なお、タイトル番号が「2」であることと、図10で示したindex.bdmv201の内容とから、該当タイトルがBD−Jモードで再生するものであることが判断できる。
以降、図11で示した再生情報を元に、モード管理モジュール416が、仮想ファイルシステム423にタイトル番号(この場合は「2」)、及び、デジタルストリームに関する情報(この場合は「00001」)を伝えた場合について述べる。
図12は、BDディスク上のindex.bdmv201を置き換えるために仮想ファイルシステム423が生成したデータの一例である。同図の置換index.bdmv601は、index.bdmv201と同一の構造を持っているが、内容が異なる。すなわち、置換index.bdmv601には、index.bdmv201と同様に、タイトル共通情報611とタイトル固有情報612とが含まれる。
タイトル共通情報611は、タイトル共通情報211に相当するものである。ここでは、タイトル共通情報611及びタイトル共通情報211は同じ内容としているが、同じである必要は無く、異なっていてもよい。
タイトル固有情報612は、タイトル固有情報212に相当するものである。ここでは、コンテンツ内に、タイトル#1とタイトル#2との2つのタイトルが存在する。タイトル固有情報612は、タイトル#1のタイトル種別がHDMVであり、タイトル#1のタイトル定義情報がMovieObject.bdmvの2番目に定義されていることを示している。さらに、タイトル固有情報612は、タイトル#2のタイトル種別がHDMVであり、タイトル#2のタイトル定義情報がMovieObject.bdmvの1番目に定義されていることを示している。
ここで、置換index.bdmv601は、モード管理モジュール416から仮想ファイルシステム423へ渡された再生情報に基づいて生成されたデータである。このため、具体的には、タイトル番号として「2」が渡されたため、タイトル固有情報612のタイトル#2の情報が、index.bdmv201のタイトル固有情報212のタイトル#2の情報から変更されている。
図13は、BDディスク上のMovieObject.bdmv202を置き換えるために仮想ファイルシステム423が生成したデータの一例を示す図である。同図の置換MovieObject.bdmv701には、共通情報711と、コマンド群712とが存在する。
共通情報711には、コマンド群712に含まれるコマンド群の数が記述され、ここではコマンド群の数が1つであることを示している。
コマンド群712には、共通情報711で示された数のコマンド群が記述されている。ここでは、コマンド群#1には、そこに含まれるコマンドの総数を示すコマンド数と、そのコマンド数だけのコマンドが並べられている。ここでは、コマンド数が1であり、1つ目のコマンドが「PlayList 00001を再生」となっている。なお、本実施の形態においては、対象となるPlayListの再生が可能であれば、どのようなコマンドが、いくつ存在しても、実施可能である。
ここで、置換MovieObject.bdmv701は、MovieObject.bdmv202とは関係なく生成されるものである。置換MovieObject.bdmv701は、モード管理モジュール416から仮想ファイルシステム423へ渡された再生情報に基づいて生成される。具体的には、デジタルストリームに関する情報として「00001」が渡されたため、コマンド群#1の1つ目のコマンドで利用されるPlayListが、同じ「00001」となっている。
以降、図12及び図13で示すデータが生成された場合を、本実施の形態の代表例として、本実施の形態の簡易レジューム再生の、より具体的な動作について説明する。
仮想ファイルシステム423は、前述のデータ生成を行うと、その後に外部からの「index.bdmv」ファイル及び「MovieObject.bdmv」ファイルに対する読み込み要求に対し、BDディスク上のファイルではなく、それぞれに対応する、生成したデータをそのファイルの読み込み結果として返す。
モード管理モジュール416は、再生情報を仮想ファイルシステム423に伝え、仮想ファイルシステム423は、伝えられた再生情報に従いデータの生成を行った後、モード管理モジュール416は、再生情報に含まれていたタイトル番号に対応するタイトルの再生を試みる。
通常のモード管理と同様、仮想ファイルシステム423は、モード管理情報として、仮想ファイルシステム423が生成した置換index.bdmv601を読み込む。そして、読み込んだ置換index.bdmv601の内容に基づいてモード管理を行う。つまり、通常では図10で示すindex.bdmv201に基づいてモード管理を行うのに対して、生成された置換index.bdmv601に基づいてモード管理を行う。
先に挙げた例のように、再生情報に記述されているタイトル#2の再生を行う場合、BDディスク上のデータをそのまま利用した場合は、モード管理モジュール416は、BD−Jモードと判断するのに対して、図12のタイトル固有情報612に示したように、タイトル#2はHDMVモードに変更されているため、HDMVモードと判断する。そして、モード管理モジュール416は、HDMVモジュール413に対して、再生情報とともに、HDMVモジュール413に対して再生指示を出す。HDMVモジュール413は、渡された再生情報のうち、レジスタ424に保持すべき内容を抽出し、抽出した内容をレジスタ424に格納した後、再生情報に基づき再生を開始する。
HDMVモジュール413は、通常の再生と同じように、指示されたタイトル番号に対応するタイトル定義情報をindex.bdmvから取得し、タイトル定義情報として記述されているコマンド群の番号を元に、MovieObject.bdmvから、実行すべきコマンド群を取得し、そのコマンド群の先頭から順に実行する。ただし、ここでは、前述のとおり、仮想ファイルシステム423によってindex.bdmvの内容が置き換えられているため、この場合は、タイトル#2に対応するタイトル定義情報、つまりコマンド群の番号は1となる。また、MovieObject.bdmvも同様に仮想ファイルシステム423によって置き換えられているため、この場合、コマンド群#1の内容は、コマンド数が1であり、1つ目のコマンドが「PlayList 00001を再生」となる。よって、HDMVモジュール413は、「PlayList 00001を再生」を実行するため、「PlayList 00001」が再生される。また、通常の再生とは異なり、HDMVモジュール413は、モード管理モジュール416から渡された再生情報を元に再生を行うため、再生情報に含まれる再生位置(図11の場合は「12分34秒」の地点)から再生を開始する。
以上のように、本実施の形態の簡易レジューム再生装置によれば、BD−Jモードで映像及び音声などを再生していた際に、電源供給の遮断などにより再生が停止してしまった場合においても、HDMVモードとして、停止した再生位置又はその近傍地点から映像及び音声などの再生を再開することが可能となる。
なお、本実施の形態において、各情報及びデータの例として図10から図13を用いて説明したが、それらの内容が異なっていたとしても、再生情報に応じたindex.bdmv及びMovieObject.bdmvの置き換え、並びに、それらをHDMVモードでのレジューム再生と同様に再生することが可能であれば、本実施の形態は実施可能である。
(実施の形態2)
実施の形態1においては、BD−Jモードで再生していたコンテンツをHDMVモードで再生することでBD−Jタイトルのレジューム再生を実現していた。これに対して、本実施の形態においては、モードの変更は行わず、BD−Jタイトルに含まれる内容を変更することによってレジューム再生を実現する方法について述べる。
本実施の形態では、モード管理モジュール416が、該当タイトルを再生すべきモードがBD−Jモードであると判断し、かつ再生情報を用いた再生を行うと判断した場合以降の処理が、実施の形態1と異なる。なお、それ以外の処理については、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。また、実施の形態1と同一の構成要素については、同一番号を付し、説明を省略する。
モード管理モジュール416が、該当タイトルを再生すべきモードがBD−Jモードであると判断し、かつ再生情報を用いた再生を行うと判断した場合、モード管理モジュール416は、モード管理テーブルから、該当タイトルに対応するタイトル定義情報を取得する。例えば、実施の形態1と同様に、index.bdmv201が図10に示した内容であり、モード管理モジュール416が不揮発性メモリ425から取得した再生情報501が図11に示した内容である場合を代表例として、本実施の形態の簡易レジューム再生装置について説明する。
モード管理モジュール416は、再生情報に含まれるタイトル番号である「2」から、関連するタイトル定義情報が「00000」であることがわかる。これはモード管理テーブルを参照してもよいし、再生情報にあらかじめ含めておいてもよい。
次に、モード管理モジュール416は、仮想ファイルシステム423に対し、タイトル定義情報「00000」を伝えると、仮想ファイルシステム423は、そのタイトル定義情報を元に、データを生成し、記憶部426に格納する。
図14は、実施の形態2の仮想ファイルシステム423が生成したデータの一例を模式的に示す図である。具体的には、図14は、仮想ファイルシステム423から伝えられた「00000」を識別子として持つ、BDディスク上のBDJOディレクトリに存在する拡張子bdjoのファイル(つまり「00000.bdjo」)を置き換えるために、仮想ファイルシステム423が生成したデータの一例を示す。
00000.bdjo801は、共通情報811及びアプリケーション管理テーブル812から成る。
共通情報811には、対応するタイトルで利用するPlayListの識別情報一覧と、アプリケーション数と、キャッシュするJARの識別情報一覧とが含まれている。PlayListの識別情報一覧には、全てのPlayListを利用対象とすることを意味する「*」が指定可能であり、図14に示す例では、その「*」が指定されている。また、アプリケーション数が1であり、キャッシュするJARの識別子が「00000」であることを示している。
アプリケーション管理テーブル812には、共通情報811によって示されるアプリケーションの識別子であるアプリケーションIDと、当該アプリケーションに属するJARアーカイブファイルの識別子であるJARアーカイブIDとが含まれている。図14に示す例では、アプリケーションIDが「AAAAAAAA」であり、JARアーカイブIDが「0000」である。
さらに、仮想ファイルシステム423は、00000.bdjo801に記述されたキャッシュするJARの識別子(つまり「00000」)を持つJARファイル(つまり「00000.jar」)を置き換えるためのJARファイルを生成する。なお、BDディスク上に「00000.jar」ファイルが存在しない場合は、置き換えではなく追加することになる。
仮想ファイルシステム423が生成するJARファイルは、内部に再生装置で実行可能なJava(登録商標)アプリケーションを含む。このJava(登録商標)アプリケーションは、レジューム再生を実現する機能を有する。具体的には、映像及び音声などを再生位置から再生を再開し、メニューを表示し、チャプタジャンプを行い、又は、音声及び字幕切り替えを制御することができる。生成するJARファイルに含まれるJava(登録商標)アプリケーションは、レジューム再生を目的とするため、起動の時間の短縮を考慮したつくりにすることが可能である。
なお、本Java(登録商標)アプリケーションは、再生を再開すべきPlayListの識別子及び再生停止位置を、どのような手段を用いて取得してもよい。例えば、それらの再生に関する情報をデータファイルとして動的に生成し、生成した情報をJARファイル内に格納し、又は、仮想ファイルシステム423を介してJava(登録商標)アプリケーションが利用可能な場所に生成した情報をおいてもよい。つまり、生成した情報は、BD−Jモジュール414から利用可能な場所であれば、どこにおかれてもよい。
また、Java(登録商標)アプリケーションを動的に生成する場合においては、Java(登録商標)アプリケーション内部に組み込んでもよい。また、データベースファイル(例えば00000.bdjo)内に情報を埋め込んでおいてもよい。
また、実施の形態1において、モード管理モジュール416からの指示によりHDMVモジュール413が映像及び音声を再生位置から再生を再開させたのと同様に、BD−Jモジュール414が映像及び音声を再生位置から再生を再開させてもよい。具体的には、BD−Jタイトルが、Java(登録商標)アプリケーション起動前の映像及び音声の自動再生機能を有している場合、自動再生対象として再生情報に含まれているPlayListの識別子を元にして、再生すべき映像及び音声を選択し、再生情報に含まれる再生位置の情報から、再生開始位置を決定してもよい。
また、JARファイルは、仮想ファイルシステム423が動的に生成してもよいし、あらかじめ用意しておいたJARファイルを利用してもよい。さらには、BDディスクの識別情報を元にして、ネットワークインターフェース421を介して再生装置外部から取得したJARファイルを利用してもよい。どのような手段でJARファイルを用意したとしても、本発明は実施可能である。
以上のように、本実施の形態の簡易レジューム再生装置では、図5のデータ生成部305は、記録媒体105に記録されていたアプリケーションとは異なるアプリケーションと、当該アプリケーションの実行を制御する再生制御情報とを含むデータを生成する。
そして、再生部301が、データ生成部305で生成されたデータに含まれる再生制御情報から制御されるアプリケーションを実行することで、再生位置からコンテンツを再生する。
これにより、従来は、BD−ROMなどに記録されていたJARファイルを利用していたためにレジューム再生を実現することができなかったのに対して、本実施の形態の簡易レジューム再生装置は、再生中断時の再生情報に基づいて、BD−Jモードでコンテンツを再生可能にするJARファイルなどを生成し、生成したファイルを利用することで、コンテンツを再生位置から再生することができる。
よって、本実施の形態の簡易レジューム再生装置によれば、BD−Jモードで映像及び音声などを再生していた際に、電源供給の遮断などにより再生が停止してしまった場合においても、BD−Jモードのまま、停止した再生位置又はその近傍地点から映像及び音声などの再生を再開する、つまり、レジューム再生を実行することができる。
なお、モード管理モジュール416は、仮想ファイルシステム423にタイトル定義情報「00000」を伝え、仮想ファイルシステム423は、伝えられたタイトル定義情報を元にしてデータを生成し、生成したデータを記憶部426に格納するとしたが、実施の形態1と同様に、index.bdmvにおけるタイトル定義情報を、予め決められた値(例えば「00000」)に固定してもよい。
これにより、モード管理モジュール416は、仮想ファイルシステム423に対し、タイトル定義情報「00000」を伝えることなく実現可能となる。この場合、実施の形態1と同様にindex.bdmvの置き換えのためにタイトル番号を伝える必要がある。
(実施の形態3)
実施の形態1では、モード管理モジュール416は、再生情報のうち、タイトル番号、及び、デジタルストリームに関する情報を仮想ファイルシステム423に伝えるとしたのに対して、再生情報に含まれるタイトル番号が大きい値であればあるほど、置き換えるindex.bdmvのサイズが大きくなってしまうため、データの生成及び生成したデータの読み込みに際して時間を要する場合がある。
なお、本実施の形態では、実施の形態1と同一の構成要素については、同一番号を付し、説明を省略する。
本実施の形態の簡易レジューム再生装置は、再生情報に含まれるタイトル番号を利用せず、デジタルストリームに関する情報のみを仮想ファイルシステム423に伝える。
仮想ファイルシステム423は、モード管理モジュール416からデジタルストリームに関する情報を受け取ると、その情報を元にデータを生成し、生成したデータを記憶部426に格納する。また、仮想ファイルシステム423は、BDディスク上のindex.bdmv201を置き換えるために、予め所定のデータを生成しておく。この生成しておいたデータは、例えば、不揮発性メモリ425に保持される。
図15は、BDディスク上のindex.bdmv201を置き換えるために仮想ファイルシステム423が予め用意しておいたデータの一例を示す図である。同図の置換index.bdmv901は、index.bdmv201と同一の構造を持っているが、内容が異なる。すなわち、置換index.bdmv901には、index.bdmv201と同様に、タイトル共通情報911とタイトル固有情報912とが含まれる。
タイトル共通情報911は、タイトル共通情報211に相当するものである。ここでは、タイトル共通情報911は、タイトル共通情報211と異なり、タイトル数が1になっている。これは、置換index.bdmv901においては、モード管理モジュール416から渡された再生情報に関係なく、タイトル数が1であることを示している。
タイトル固有情報912は、タイトル固有情報212に相当するものである。ここでは、コンテンツ内にタイトルが1つ存在し、タイトル#1のタイトル種別がHDMVであり、タイトル#1のタイトル定義情報がMovieObject.bdmvの1番目に定義されていることを示している。なお、ここではタイトル数が1であり、タイトル定義情報が1である例を示したが、本実施の形態においては、モード管理モジュール416から渡された再生情報に依存せず、内容が固定であれば実施可能である。
さらに、仮想ファイルシステム423は、実施の形態1と同様にMovieObject.bdmvも置き換えるために、置換MovieObject.bdmvを生成する。生成したMovieObject.bdmvは、実施の形態1と同様に図13で示したものであるため、ここでは説明を省略する。
モード管理モジュール416は、再生情報を仮想ファイルシステム423に伝え、仮想ファイルシステム423は、伝えられた再生情報に従いデータの生成を行った後、モード管理モジュール416は、再生情報に含まれていたタイトル番号を利用せず、予め決められたタイトル番号に応じたタイトルの再生を試みる。ここで、予め決められたタイトル番号は、仮想ファイルシステム423が予め用意しておいたデータに定められており、図15の例では、「1」である。
より具体的には、index.bdmv201を図15で示した置換index.bdmv901に置き換える場合は、仮に再生情報内にタイトル番号として「2」が含まれていたとしても、タイトル番号「1」の再生を試みる。モード管理モジュール416は、再生情報とともに、HDMVモジュール413に対してタイトル番号「1」の再生指示を出す。その後の処理は実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
以上のように、本実施の形態の簡易レジューム再生装置は、再生情報に示されたタイトル番号を利用せずに、予め定められたタイトル番号を利用してレジューム再生を実行する。すなわち、図5のデータ生成部305は、予めタイトルを特定するためのデータを生成し、不揮発性メモリ303に格納する。再生部301は、不揮発性メモリ303に記憶された当該データから特定されるタイトルを利用してレジューム再生を実行する。
これにより、実施の形態1に比べ、index.bdmvを動的に生成することなく、index.bdmvの内容を少なくできる。このため、生成したデータを保持するためのメモリ領域を削減することができ、また、データ生成に関わる処理量を削減することができるのでより高速なレジューム再生の開始が可能となる。
(実施の形態4)
実施の形態1、2及び3においては、BDディスク上に存在するコンテンツの本来の再生形態を変更することにより、簡易レジューム再生を実現していたが、再生形態を変更することにより、以下のような問題が生じる場合がある。本実施の形態においては、その問題を解決する方法について述べる。
問題の1つとして、簡易レジューム再生中の映像及び音声が終端に到達した場合に、次の処理が行うことができず、例えば、映像及び音声が停止してしまうなどの問題がある。
本来であれば、簡易レジューム再生を開始した映像及び音声が終端に到達し、再生を終了した場合、BDディスク上のデータとして、次に何の処理をすべきかという処理が既述されている。次に行う処理の意義を再生装置が解釈することが可能であれば、その意義に即した情報を、置き換え後のデータに含めておけばよい。しかし、処理の意義を理解することができない場合、通常であれば、再生装置は次に何の処理を行うべきかどうかを判断できない。
そこで、本実施の形態においては、映像及び音声の再生が終端に達した場合、モード管理モジュール416が次に行う処理を決定し、決定した処理を実行する場合について述べる。
図16は、本実施の形態の簡易レジューム再生装置の構成を示すブロック図である。同図の簡易レジューム再生装置1000は、再生部301の代わりに再生部1001を備え、新たに、再生完了判断部1002を備える点が、図5の簡易レジューム再生装置300と異なる。以下では、同一の構成要素については、同一番号を付し、説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
再生部1001は、再生部301と同様に、通常の再生、レジューム再生及び簡易レジューム再生などを行う。さらに、再生完了判断部1002から通知される判断結果に基づいて、次に行う処理を決定し、決定した処理を実行する。次に行う処理は、例えば、簡易レジューム再生された映像及び音声を通常の再生で先頭から再生する処理などである。再生部1001は、モード管理モジュール416、HDMVモジュール413、BD−Jモジュール414及びAV再生ライブラリ420などに相当する。
再生完了判断部1002は、再生部1001が簡易レジューム再生を実行しているときに、再生されている映像及び音声などが終端に到達したか否かを判断する。判断結果は、再生部1001に通知される。再生完了判断部1002は、例えば、HDMVモジュール413及びBD−Jモジュール414などに相当する。
以下では、図6に示す構成要素を用いて、より詳細な処理について説明する。
簡易レジューム再生をHDMVモードで行う場合には、HDMVモジュール413が、映像及び音声の再生が終端に達した場合、その旨をモード管理モジュール416に通知する。簡易レジューム再生をBD−Jモードで行う場合には、BD−Jモジュール414が、映像及び音声の再生が終端に達した場合、その旨をモード管理モジュール416に通知する。なお、これは、通常のHDMVタイトル又はBD−Jタイトルの再生が終了した場合の処理と同様にすることも可能である。
モード管理モジュール416は、終端に達したことが通知されると、1つの実現方法としては、簡易レジューム再生を行っていた映像及び音声の先頭(つまり、簡易レジューム再生を行っていたPlayListにおける再生時刻0の位置)から再生を行う。これにより、再生が停止してしまうことを防ぐことが可能になる。
また、他の実現方法としては、BDディスクなどのBDメディアが挿入された状態に戻し、BDメディアが挿入されたときに再生される手順に従って再生を進めることも可能である。この場合、再生を進める前に、モード管理モジュール416は、仮想ファイルシステム423に対し指示を出し、仮想ファイルシステム423がBDメディア上のデータを置き換えて再生していたものを元に戻す必要がある。すなわち、仮想ファイルシステム423が生成したデータを利用するのではなく、BDメディア上のデータをそのまま利用することで、BDメディア上のデータを用いて再生を行うことが可能となる。
以上のように、本実施の形態の簡易レジューム再生装置によれば、簡易レジューム再生されている映像及び音声が終端に到達した場合であっても、次の処理を実行することができ、映像及び音声が停止されることを防ぐことができる。
(実施の形態5)
実施の形態1から4において述べた簡易レジューム再生装置及び簡易レジューム再生方法は、通常のBDメディアの再生とは異なる再生形態をとることを特徴としていた。これらにおいて、通常の再生とはメニュー表示、及び、終端到達時の動作などが異なっている。しかしながら、ユーザにとっては、映像及び音声は通常と変わらず再生されているように見えるため、通常の再生であるのか、本発明における簡易レジューム再生であるのかを区別することが困難である。そこで、本実施の形態においては、本発明の簡易レジューム再生を、ユーザの誤解及び混乱無く利用可能とするための表示方法について述べる。
図17は、本実施の形態の簡易レジューム再生装置の構成を示すブロック図である。同図の簡易レジューム再生装置1100は、再生部1101と、表示制御部1102と、ユーザ設定受付部1103とを備える。
再生部1101は、再生部301と同様に、通常の再生、レジューム再生及び簡易レジューム再生などを行う。さらに、ユーザ設定受付部1103で受け付けられたユーザの設定に基づいて、記録媒体105に記録されたコンテンツを再生する。具体的には、再生部1101は、受け付けられた指示に基づいて、通常の再生と簡易レジューム再生とを切り替える。例えば、再生部1101は、受け付けた指示が簡易レジューム再生処理を行うことを示す場合に、簡易レジューム再生を実行する。なお、再生部1101は、HDMVモジュール413、BD−Jモジュール414、モード管理モジュール416及びAV再生ライブラリ420などに相当する。
表示制御部1102は、ディスプレイ103が表示する内容を制御する。具体的には、ユーザからの設定を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)の表示、及び、再生している映像及び音声が簡易レジューム再生であるか否かを示す情報の表示などを制御する。例えば、ユーザ設定受付部1103で受け付けられた指示が実行可能な指示でないと判断された場合、当該指示が実行可能でないことを示す情報の表示などを制御する。なお、表示制御部1102は、外部のディスプレイ103ではなく、簡易レジューム再生装置1100が備えるディスプレイ(図示せず)に表示させるための制御を行ってもよい。なお、表示制御部1102は、モード管理モジュール416及び仮想ファイルシステム423などに相当する。
ユーザ設定受付部1103は、ユーザからの設定を受け付け、受け付けた設定を、再生部1101及び表示制御部1102に出力する。受け付けた設定は、例えば、簡易レジューム再生処理を行うか否かを示す指示である。または、すでに簡易レジューム再生を行なっている場合に、通常の再生処理を行うか、簡易レジューム再生処理を継続するかを示す指示である。
さらに、ユーザ設定受付部1103は、その他様々なユーザからの指示を受け付ける。このとき、ユーザ設定受付部1103は、受け付けた指示が実行可能な指示であるか否かを判断する。なお、ユーザ設定受付部1103は、UO検知モジュール415に相当する。
以下では、様々な状況に応じてディスプレイ103に表示されるGUI、記号及び印などについて説明する。
実施の形態1において、判断部306が、簡易レジューム再生を再開するか否かを判断する場合について述べたが、本実施の形態では、例えば、その判断に対し、さらに、ユーザの嗜好及び意向を判断材料として追加する。ユーザの嗜好及び意向とは、例えば、ユーザが簡易レジューム再生の実行を望むか否かである。
図18は、本実施の形態のディスプレイ103の表示の一例を示す図である。同図に示すディスプレイ103は、ユーザに対して、簡易レジューム再生を開始するか、それとも通常のBDメディアの再生を行うのかという選択を促すGUI1201を表示している。ユーザは、例えば、リモコン102を用いて、GUI1201上の選択ボタンなどを選択することによって、ユーザの嗜好をモード管理モジュール416(再生部1101)へ伝えることが可能となる。
これにより、ユーザは、簡易レジューム再生が開始されることを確認できるだけでなく、簡易レジューム再生を開始しないという選択も可能になる。
なお、簡易レジューム再生装置1100が、予めユーザが選択したい項目を認識している場合には、図18のような表示を行うことなく、ユーザの意向に合わせて再生を開始することも可能である。
さらに、簡易レジューム再生後も、前述のとおり、映像及び音声を視聴している限りにおいては、簡易レジューム再生と通常の再生とを区別することが困難である。このため、簡易レジューム再生中は、画面上に簡易レジューム再生中であることを表す記号などを表示する。
図19は、本実施の形態のディスプレイ103の表示の一例を示す図である。同図に示すディスプレイ103は、現在再生中の映像及び音声は簡易レジューム再生中であることを示す記号1301を、画面上に表示している。ここでは、画面右上に「簡易」という文字を表示しているが、ユーザが区別可能なものであればどのような記号及び印でもよい。また、映像の視聴を妨げないために公知の映像合成技術を用いてもよい。例えば、半透明にして映像を透過させてもよい。
また、簡易レジューム再生装置1100又はディスプレイ103が光源を搭載している場合には、その光源を点灯させるなど、ユーザに対して、通常の再生と異なっていることを伝えることが可能である。
さらに、実施の形態4に示したような終端到達時の処理についても同様に、ユーザに確認することで処理を分岐させることが可能である。
図20は、本実施の形態のディスプレイ103の表示の一例を示す図である。同図に示すディスプレイ103は、ユーザに対して、終端に到達したことを伝えるとともに、次の処理を選択させるためのGUI1401を表示している。ここでは、ユーザは、簡易レジューム再生の状態で映像及び音声の先頭から再生を開始するか、それとも通常のBDメディアの再生を行うのかという選択が可能となっている。ユーザの選択結果は、モード管理モジュール416(再生部1101)へ伝えられ、その結果に応じてモード管理モジュール416は次の動作を決定することが可能となる。
さらに、通常のBDメディアの再生においては可能であったリモコン102の操作が、簡易レジューム再生中は操作できない場合がある。例えば、リモコン102の操作内容をBDメディア上のJava(登録商標)アプリケーションが取得し、その操作内容に応じて何らかの処理(例えば、表示の変更、又は、音声の切り替えなど)を行う場合、そのJava(登録商標)アプリケーションが動作していなければ、該当する処理(想定される表示の変更、又は、音声の切り替えなど)が行われない。これにより、ユーザは操作に戸惑うことがある。この問題を解消するために、簡易レジューム再生中にリモコン102の所定の操作をした場合、操作に伴う動作が意図しない結果になったことを示すメッセージをユーザに伝えてもよい。
図21は、本実施の形態のディスプレイ103の表示の一例を示す図である。同図に示すディスプレイ103は、ユーザの操作が実行できなかったことを示すメッセージとして、画面右上に記号1501を表示している。
さらに、簡易レジューム再生中に、ユーザの意図により、通常のBDメディアの再生に戻ることも可能である。例えば、リモコン102を用いた所定の操作、又は、画面上でのメニュー選択などで実行される。また、何らかの再生異常により簡易レジューム再生を継続できなくなり、通常のBDメディアの再生に戻さなくてはならない場合もある。
このように、簡易レジューム再生から、通常のBDメディアの再生に戻る場合、ユーザにその旨を伝えるとともに、実際に通常のBDメディアの再生に戻るかどうかをユーザに選択させることも可能である。
図22は、本実施の形態のディスプレイ103の表示の一例を示す図である。同図に示すディスプレイ103は、ユーザに対して、通常のBDメディアの再生に戻る予定であることを提示し、了承するかどうかを選択させるためのGUI1601を表示している。リモコン102を用いたユーザの選択結果に応じて、モード管理モジュール416は、通常のBDメディアの再生に戻るか、簡易レジューム再生を継続するかを決定することが可能である。
また、簡易レジューム再生中において、ユーザによるジャンプ操作に伴う、再生位置の変更、又は、タイトル番号の変更などにおいて、特定の条件を満たすことによって、簡易レジューム再生を中止し、通常の再生に移行することも可能である。このときに通常の再生に移行するかどうかをユーザに確認してもよい。
特定の条件とは、具体的には、再生位置を変更する場合、変更後の再生位置に関する情報に対し、前述の通り、PlayListの長さ及びUOの利用可否情報などを用いた判断結果に基づくものである。
なお、ユーザに伝える手段として、主に表示について述べたが、表示に限らず、音又は振動など、ユーザにメッセージを伝えることが可能であれば、どのような手段であってもよい。
以上のように、本実施の形態の簡易レジューム再生装置は、様々な状況に応じたGUI又は記号などをディスプレイに表示させる。また、表示させたGUIなどを利用して、ユーザからの設定を受け付ける。
これにより、簡易レジューム再生装置とユーザとの間で指示のやり取りを簡単に行なうことができる。また、再生中の映像及び音声が通常の再生であるのか簡易レジューム再生であるのかなどを表示させることで、ユーザに再生状況を伝えることができるので、例えば、ユーザの操作を受け付けない場合などを知らせることができる。
(実施の形態6)
実施の形態1から5においては、Java(登録商標)アプリケーションの実行状態の再構築が困難であるという課題を解決するために、モードの変更、及び、実行されるJava(登録商標)アプリケーションを置き換えによってレジューム再生を実現していた。これに対して、本実施の形態においては、該当タイトルがBD−JモードとしてBDメディアに記録されているが、該当タイトルから参照されるJava(登録商標)アプリケーションが存在しない、又は、実行されていない場合について述べる。
本実施の形態の簡易レジューム再生装置では、Java(登録商標)アプリケーションが実行されていないため、実行状態の再構築が不要となる。よって、映像及び音声の再生位置の復元さえ行うことが可能であれば、BD−Jモードで再生されるタイトルであってもレジューム再生を実現可能となる。
本実施の形態では、モード管理モジュール416が、不揮発性メモリ425から再生情報を取得し、該当タイトルを再生すべきモードがBD−Jモードであると判断し、かつ再生情報を用いた再生を行うと判断するまでの処理は、実施の形態1から5と同様であるため、説明を省略する。なお、実施の形態1などと同一の構成要素については、同一番号を付し、説明を省略する。
モード管理モジュール416は、該当タイトルに対し、BDメディア上のタイトル定義情報や、存在するデータの内容を参照することにより、該当タイトルの再生においてJava(登録商標)アプリケーションの実行が不要であることを判断する。このとき、実施の形態1から5とは異なり、仮想ファイルシステム423に対しデータの置き換え指示を出すことなく、BD−Jモジュール414に対し、再生情報とともに、該当タイトルの再生指示を出す。BD−Jモジュール414は、再生情報とともに、該当タイトルの再生指示を受けると、再生情報に含まれるPlayListの識別子及び再生位置に従い、映像及び音声の再生を行う。
本実施の形態により、該当タイトルがBD−Jモードで動作するものであったとしても、必ずしもBDメディア上のデータを置き換えずとも、Java(登録商標)アプリケーションを含まない、又は、Java(登録商標)アプリケーションが実行されていないタイトルにおいては、BD−Jモードにおいてレジューム再生が可能となる。
なお、モード管理モジュール416は、再生情報を不揮発性メモリ425に退避する際、再生情報の一部として、Java(登録商標)アプリケーションが動作していたかどうかを示す情報を含めることが可能である。これにより、不揮発性メモリ425から再生情報を読み込んだ後、BDメディアに記録されたタイトルに関する情報を利用することなく、本実施の形態に記載の動作を実施することが可能である。
なお、発明において、簡単のためBDメディア上のデータと記したが、これは、公知の再生方法によって再生する場合に利用されるデータを総称したものであり、必ずしもBDメディア上に実際に存在するデータのみを表しているわけではなく、仮想的にBDメディア上に存在しているものとして再生装置が扱うことが可能であれば、本発明は実施可能である。
以上、本発明の簡易レジューム再生装置及び簡易レジューム再生方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を当該実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
例えば、本発明は、上述したように、簡易レジューム再生装置及び簡易レジューム再生方法として実現できるだけではなく、本実施の形態の簡易レジューム再生方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現してもよい。また、当該プログラムを記録するコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体として実現してもよい。さらに、当該プログラムを示す情報、データ又は信号として実現してもよい。そして、これらプログラム、情報、データ及び信号は、インターネットなどの通信ネットワークを介して配信されてもよい。
また、本発明は、簡易レジューム再生装置を構成する構成要素の一部又は全部を、1個のシステムLSIから構成してもよい。システムLSI(Large Scale Integration)は、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM及びRAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。
なお、本発明の簡易レジューム再生装置は、例えば、図23に示すような車載用デジタルテレビ1701などに利用される。
また、仮想ファイルシステム423が生成するデータは、その内容が仮想ファイルシステム423によって保障されるため、改ざん検証及びデータエラー検証などの検証作業を省略することが可能である。
なお、モード管理モジュール416は、タイトル再生中にAV再生ライブラリ420からレジスタ424の内容を取得し、その内容の全部又は一部を、モード管理モジュール416が取得可能な他の情報とともに不揮発性メモリ425に格納するとしたが、取得可能な他の情報として、静的シナリオメモリ411の内容を再生情報に含めてもよい。これにより、レジューム開始条件の1つの要素として利用することが可能である。
例えば、静的シナリオメモリ411の内容のうち、再生しているPlayListの長さ(つまり、映像及び音声が再生される時間の長さ)を利用することも可能である。前述したレジューム再生を実行するかどうかの条件に対し、例えば、「PlayListの長さが10分以上の場合のみ」という条件を追加する。具体的な長さはいくつにしても本発明は実施可能であり、さらには、固定である必要は無く、BDメディア上に存在するデータの種類、又は、ユーザの嗜好などに応じて変化させることも可能である。
また、静的シナリオメモリ411の内容のうち、UOの利用可否情報を使うことも同様に可能である。例えば「UOのうち『早送り』を禁止していないもののみ」という条件を追加する。UOの利用可否情報を利用することにより、カレントPlayListの種類を類推することが可能となるため、レジューム再生を行うべきかどうかの判断が可能となる。
また、index.bdmv201に含まれる情報を用いて、同様にレジューム再生を行うべきかどうかの判断が可能である。各実施の形態においては、例として、HDMVモードとBD−Jモードとの2つのモードについて述べたが、各モードに関する情報が付加されている場合や、その他のモードが追加されている場合などにおいて、そのモードの種別に応じてレジューム再生を行うべきかどうかの判断を行ってもよい。
また、本判断は、モード管理モジュール416が再生情報を不揮発性メモリ425に格納する前に行ってもよく、モード管理モジュール416が再生情報を不揮発性メモリ425から取得後に行ってもよい。
また、取得可能な他の情報として、レジスタ424の変化結果を再生情報に含めておき、レジューム再生の開始条件の1つの要素として利用することも可能である。具体的には、レジスタ424の一部又は全部の変化を監視し、「監視対象が変化しなかった場合のみ」という条件を追加することができる。これによって、レジューム再生の対象としては不向きなコンテンツを、レジスタ424の利用状況によって判断したり、逆に、レジューム再生を希望しないコンテンツは、監視対象となるレジスタを利用することでレジューム再生を防いだりすることも可能となる。
また、取得可能な他の情報として、BD−Jモジュール414からモード管理モジュール416に対しレジューム再生を禁止するメッセージが伝えられたかどうかを再生情報に含めておき、レジューム開始条件の1つの要素として利用することも可能である。これにより、例えば、BDメディア上のJava(登録商標)アプリケーションを実行している際、そのJava(登録商標)アプリケーションが特定の命令を実行した場合はレジューム再生を禁止することが可能となる。特定の命令とは、例えば、ネットワークに関連する命令や、セキュリティ上重要な命令及び仮想ファイルシステムの制御命令などである。なお、どの命令をレジューム再生の禁止条件としたとしても、本発明は実施可能である。
なお、電源供給の遮断などによる再生の停止前に、予め、次回再生開始後に再生情報を利用しないことがモード管理モジュール416において判断可能な場合は、モード管理モジュール416は、再生情報を不揮発性メモリ425に格納しなくてもよい。
また、すでに不揮発性メモリ425に再生情報が退避されている場合には、その再生情報を不揮発性メモリ425から削除する処理を行ってもよい。次回再生開始後に再生情報を利用しないことを明示的に再生情報に含めた上で不揮発性メモリ425に格納してもよい。
なお、レジューム再生中においても、モード管理モジュール416は、既述のように、あるタイミングにおいてレジスタ424から再生情報を取得し、その取得した再生情報を不揮発性メモリ425に保持させてもよい。逆に、レジューム再生中は再生情報を不揮発性メモリ425に保持させないことも可能である。
なお、モード管理モジュール416が不揮発性メモリ425から再生情報を所得し、その再生情報の内容に基づいて仮想ファイルシステム423に対しデータの置き換えを指示する場合について述べたが、モード管理モジュール416がレジスタ424から再生情報を取得した後、その取得した再生情報を不揮発性メモリ425に保持させる際に、予め仮想ファイルシステム423に対してデータの置き換えを指示してもよい。
また、仮想ファイルシステム423に対してデータの生成のみを指示し、簡易レジューム再生を行うと判断した場合のみ、仮想ファイルシステム423に対し、先に仮想ファイルシステム423が生成したデータを利用するように指示を出してもよい。なお、仮想ファイルシステム423が生成したデータは、不揮発性メモリ425に保持させることも可能である。
また、データ生成部305は、レジューム再生時にデータを生成するのではなく、再生情報を取得するごとにデータを生成し、生成したデータを不揮発性メモリ303に格納してもよい。つまり、このとき、再生情報取得部304は、再生部301から再生情報を取得し、データ生成部305に伝える。データ生成部305は、伝えられた再生情報に基づいて、各実施の形態で述べたレジューム再生を可能とするためのデータを生成し、不揮発性メモリ303に格納する。そして、再生部301は、レジューム再生を行なうときに、不揮発性メモリ303に記憶されたデータを参照することで、コンテンツを再生する。
これにより、レジューム再生を行なうときには、データを生成しなくてよいので、データ生成にかかる時間を削減することができ、より早くレジューム再生を行なうことができる。