JP5392739B2 - 加圧流動焼却設備及び加圧流動焼却設備の立ち上げ運転方法 - Google Patents
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Description
他方、ガスタービンの排気を有効利用する方法として、本出願人は特許文献1として開示した。しかし、特許文献1には流動焼却設備の立ち上げ運転に関して開示はない。
また、流動焼却設備の立ち上げ運転の際の工夫として、本出願人は特許文献2を提案した。しかし、1年当たり1〜2回程度の立ち上げ運転に使用する始動用バーナーについての燃焼用空気をどこから持ち込むかの点について考慮がなされていない。一般的に始動用バーナーは常温から炉内温度を、原料(この場合、汚泥)を焼却できる温度にまで昇温するために使用し、専用に設けた専用ブロワから燃焼空気を供給するものである。
ところで、加圧流動炉は立ち上げ運転において、加圧流動炉内を常圧から安定運転に必要な圧力まで加圧する必要がある。このような加圧流動炉の圧力変化に対し、燃焼空気量を所定量確保できるよう、専用ブロワで燃焼空気を所定量供給するため、専用ブロワを炉内圧に適した運転をしなければならず、適切な運転のために、たとえば、専用ブロワの回転数を炉内圧に応じて、増減させるための制御設備等が必要とされている。さらに1年当たり1〜2回程度(多くとも数回)の立ち上げ運転だけのために、専用ブロワを用意することは、設備の高騰を招く。特に、加圧流動炉が所定の加圧状態の安定運転に達する時点まで専用ブロワによって低吐出圧力・低送風量から高吐出圧力・高送風量を確保するために専用ブロワの大型化を回避できないものであった。
<請求項1記載の発明>
被処理物を加圧下で流動燃焼させる加圧流動炉と、この燃焼により発生した排ガスによって駆動されるタービン及びこのタービンによって駆動され前記加圧流動炉内に供給する圧縮空気を生成するコンプレッサーを有する過給機と、前記加圧流動炉に供給する加圧空気を予熱する空気予熱器と、を備えた加圧流動焼却設備であって、
前記コンプレッサーの吸込み側に設けられた起動用ブロワからの空気を、前記コンプレッサーを通して前記加圧流動炉内に加圧空気を供給する経路と、この経路における前記コンプレッサーを通った後の前記空気予熱器の手前の経路から分岐して、前記空気予熱器を通らず前記加圧流動炉の始動用バーナーに直接連なる分岐経路とを有し、
前記加圧流動炉の立上げの際に、起動用ブロワからの空気全量を、前記コンプレッサーを通して加圧空気とし、前記経路を通して前記空気予熱器を介して前記加圧空気を前記加圧流動炉内に供給し、かつ、前記分岐経路を通して前記加圧空気を前記始動用バーナーの燃焼用空気として供給し、
立ち上がり運転時間経過に伴い、始動用バーナーの燃焼により加圧流動炉内の圧力が上昇するとコンプレッサー出口側の圧縮空気圧力が加圧流動炉内の流動部の圧力損失を超える圧力となって、加圧流動炉内の圧力上昇に伴いコンプレッサーの出口側風量が増加するように構成した、
ことを特徴とする加圧流動焼却設備。
先にも触れたように、1年当たり1〜2回程度(多くとも数回)の立ち上げ運転だけのために、始動用バーナーに燃焼用空気を送るための専用ブロワを用意することは、設備の高騰を招く。特に、加圧流動炉が所定の加圧状態の安定運転に達する時点まで専用ブロワによって、容量的に大きい加圧流動炉に対して燃焼用空気を送り込むことは、専用ブロワの大型化を回避できないものである。
後者の点についてさらに説明すると、立ち上げ当初の加圧流動炉の圧力は低圧であるが、時間の経過とともに炉内圧力は増加させる必要がある。このために、専用ブロワは、当初の低吐出圧力・低送風量から時間経過後の高吐出圧力・高送風量を確保するために容量を予めもっている必要があるために、専用ブロワの大型化を回避できないものである。
しかるに、本発明は、コンプレッサーの吸込み側に設けられた起動用ブロワからの空気を、コンプレッサーを通して加圧流動炉内に加圧空気を供給する経路と、この経路におけるコンプレッサーを通った後の経路から分岐して、加圧流動炉の始動用バーナーに連なる分岐経路とを有し、加圧流動炉の立上げの際に、分岐経路を通して加圧空気を始動用バーナーの燃焼用空気として供給するものである。
前記コンプレッサーの吸込み側に起動用ブロワを介して空気を供給する経路と、前記コンプレッサーと起動用ブロワとの間から分岐して前記コンプレッサー吸い込み側に外部空気を送り込む経路とを有し、
安定運転時には、前記コンプレッサーと起動用ブロワの間から分岐した外部空気を送り込む経路からコンプレッサーの吸引力で吸い込まれた外部空気を、コンプレッサーで加圧して、前記加圧流動炉内に加圧空気として供給し、且つ、前記分岐経路を介して前記加圧空気を前記始動用バーナーに供給するよう、
起動用ブロワを介して空気を供給する経路と、外部空気を送り込む経路とを切替える切替弁をそれぞれ設けた請求項1記載の加圧流動焼却設備。
安定運転時には、コンプレッサーの吸込み側に設けられた起動用ブロワを停止して、外部空気を利用するために、ランニングコストを低減することができる。
被処理物を加圧下で流動燃焼させる加圧流動炉と、この燃焼により発生した排ガスによって駆動されるタービン及びこのタービンによって駆動され前記加圧流動炉内に供給する圧縮空気を生成するコンプレッサーを有する過給機と、前記加圧流動炉に供給する加圧空気を予熱する空気予熱器と、を備えた加圧流動焼却設備における立ち上げ運転方法であって、
前記コンプレッサーの吸込み側に設けられた起動用ブロワからの空気全量を、前記コンプレッサーを通して加圧空気として、前記加圧流動炉内に前記空気予熱器を介して加圧空気を供給する経路を通して加圧空気を供給するとともに、前記加圧空気を供給する経路における前記コンプレッサーを通った後の前記空気予熱器の手前の経路から分岐して、前記空気予熱器を通らず前記加圧流動炉の始動用バーナーに直接連なる分岐経路を通して、前記加圧流動炉の始動用バーナーに前記加圧空気を燃焼用空気として供給し、
立ち上がり運転時間経過に伴い、始動用バーナーの燃焼により加圧流動炉内の圧力が上昇するとコンプレッサー出口側の圧縮空気圧力が加圧流動炉内の流動部の圧力損失を超える圧力となって、加圧流動炉内の圧力上昇に伴いコンプレッサーの出口側風量が増加するよう
前記始動用バーナーの燃焼と前記コンプレッサーとによって、前記加圧流動炉内圧力と、加圧流動炉内へ燃焼用空気として吹き込む加圧空気の圧力を連動させる
ことを特徴とする加圧流動焼却設備の立ち上げ運転方法。
請求項1記載のものと同様の作用効果を奏する。
前記コンプレッサーの吸込み側に起動用ブロワを介して空気を供給する経路と、前記コンプレッサーと起動用ブロワとの間から分岐して前記コンプレッサー吸い込み側に外部空気を送り込む経路とを有し、
安定運転時には、前記コンプレッサーと起動用ブロワの間から分岐した外部空気を送り込む経路からコンプレッサーの吸引力で吸い込まれた外部空気を、コンプレッサーで加圧して、前記加圧流動炉内に加圧空気として供給し、且つ、前記分岐経路を介して前記加圧空気を前記始動用バーナーに供給するよう、
起動用ブロワを介して空気を供給する経路を閉鎖して起動用ブロワを停止し、代わりに外部空気を送り込む経路を開放する請求項3記載の加圧流動焼却設備の立ち上げ運転方法。
請求項2記載のものと同様の作用効果を奏する。
本発明に係る加圧流動焼却装置は、被処理物Sを燃焼させる加圧流動炉10と、この燃焼により発生した排ガスGによって駆動されるタービン41及びこのタービン41によって駆動され、加圧流動炉10内に供給する加圧空気を生成するコンプレッサー42を有する過給機40を備えている。
加圧流動炉10には、バイオマス、都市ゴミや下水汚泥の脱水ケーキ等の被処理物Sが供給口から供給されると共に、始動時において下部の燃焼用バーナー12から燃焼のための燃料及び燃焼用空気が供給されるようになっている。加圧流動炉10の下部からは、後述するように、加圧空気が吹き込まれ、その流動化エネルギーによって被処理物Sが流動されながら、燃焼焼却されるようになっている。
その燃焼焼却排ガスは、流路71を通して空気予熱器20に送られ、その後に流路72を通してバグフィルタやセラミックフィルタなどの集塵機30を通り、流路73を通して過給機40に導かれる。
過給機40では、タービン41を駆動し、これに連結されたコンプレッサー42を駆動する。タービン41で膨張した排ガスは、流路74を通して白煙防止用予熱器50を通り、流路75を通して排煙処理塔60に導かれ、清浄化が図られた後に煙突62から大気に放出される。
また、この経路におけるコンプレッサー42を通った後の経路77から分岐して、加圧流動炉10の始動用バーナー12に連なる分岐経路80も形成されている。
空気予熱器20は、排ガスのもっている熱により、加圧流動炉10内に供給する加圧空気を予熱するためのものである。
白煙防止用予熱器50は、白煙防止ファン52から送り込まれる空気を予熱し、排煙処理塔60からの排ガスを煙突62において加熱し、白煙を大気に発生させないようにするものである。排煙処理塔60は排ガスの最終的な清浄化を図るものであり、湿式集塵方式などが採用される。
また、この経路におけるコンプレッサー42を通った後の経路77から分岐した分岐経路80を通して、加圧流動炉10の始動用バーナー12に送り、燃焼用空気として供給する。
したがって、始動用バーナーに供給する燃焼用空気についても、その供給圧力、風量が加圧流動炉10内の状況に応じて変動するため、複雑な制御機構を設けることなく、空気比の調整が可能となる。
したがって、図1に符号43Aとして仮定的に図示した始動用バーナーに燃焼用空気を送るための専用ブロワを使用しないものとなり、もって、設備コストやランニングコストを低減させることができる。
加圧流動炉10の運転条件に限定はないが、0.1〜0.3MPa程度の加圧にし、ダイオキシン発生防止の観点から800〜850℃程度の温度条件にすることが望ましい。
Claims (4)
- 被処理物を加圧下で流動燃焼させる加圧流動炉と、この燃焼により発生した排ガスによって駆動されるタービン及びこのタービンによって駆動され前記加圧流動炉内に供給する圧縮空気を生成するコンプレッサーを有する過給機と、前記加圧流動炉に供給する加圧空気を予熱する空気予熱器と、を備えた加圧流動焼却設備であって、
前記コンプレッサーの吸込み側に設けられた起動用ブロワからの空気を、前記コンプレッサーを通して前記加圧流動炉内に加圧空気を供給する経路と、この経路における前記コンプレッサーを通った後の前記空気予熱器の手前の経路から分岐して、前記空気予熱器を通らず前記加圧流動炉の始動用バーナーに直接連なる分岐経路とを有し、
前記加圧流動炉の立上げの際に、起動用ブロワからの空気全量を、前記コンプレッサーを通して加圧空気とし、前記経路を通して前記空気予熱器を介して前記加圧空気を前記加圧流動炉内に供給し、かつ、前記分岐経路を通して前記加圧空気を前記始動用バーナーの燃焼用空気として供給し、
立ち上がり運転時間経過に伴い、始動用バーナーの燃焼により加圧流動炉内の圧力が上昇するとコンプレッサー出口側の圧縮空気圧力が加圧流動炉内の流動部の圧力損失を超える圧力となって、加圧流動炉内の圧力上昇に伴いコンプレッサーの出口側風量が増加するように構成した、
ことを特徴とする加圧流動焼却設備。 - 前記コンプレッサーの吸込み側に起動用ブロワを介して空気を供給する経路と、前記コンプレッサーと起動用ブロワとの間から分岐して前記コンプレッサー吸い込み側に外部空気を送り込む経路とを有し、
安定運転時には、前記コンプレッサーと起動用ブロワの間から分岐した外部空気を送り込む経路からコンプレッサーの吸引力で吸い込まれた外部空気を、コンプレッサーで加圧して、前記加圧流動炉内に加圧空気として供給し、且つ、前記分岐経路を介して前記加圧空気を前記始動用バーナーに供給するよう、
起動用ブロワを介して空気を供給する経路と、外部空気を送り込む経路とを切替える切替弁をそれぞれ設けた請求項1記載の加圧流動焼却設備。 - 被処理物を加圧下で流動燃焼させる加圧流動炉と、この燃焼により発生した排ガスによって駆動されるタービン及びこのタービンによって駆動され前記加圧流動炉内に供給する圧縮空気を生成するコンプレッサーを有する過給機と、前記加圧流動炉に供給する加圧空気を予熱する空気予熱器と、を備えた加圧流動焼却設備における立ち上げ運転方法であって、
前記コンプレッサーの吸込み側に設けられた起動用ブロワからの空気全量を、前記コンプレッサーを通して加圧空気として、前記加圧流動炉内に前記空気予熱器を介して加圧空気を供給する経路を通して加圧空気を供給するとともに、前記加圧空気を供給する経路における前記コンプレッサーを通った後の前記空気予熱器の手前の経路から分岐して、前記空気予熱器を通らず前記加圧流動炉の始動用バーナーに直接連なる分岐経路を通して、前記加圧流動炉の始動用バーナーに前記加圧空気を燃焼用空気として供給し、
立ち上がり運転時間経過に伴い、始動用バーナーの燃焼により加圧流動炉内の圧力が上昇するとコンプレッサー出口側の圧縮空気圧力が加圧流動炉内の流動部の圧力損失を超える圧力となって、加圧流動炉内の圧力上昇に伴いコンプレッサーの出口側風量が増加するよう
前記始動用バーナーの燃焼と前記コンプレッサーとによって、前記加圧流動炉内圧力と、加圧流動炉内へ燃焼用空気として吹き込む加圧空気の圧力を連動させる
ことを特徴とする加圧流動焼却設備の立ち上げ運転方法。 - 前記コンプレッサーの吸込み側に起動用ブロワを介して空気を供給する経路と、前記コンプレッサーと起動用ブロワとの間から分岐して前記コンプレッサー吸い込み側に外部空気を送り込む経路とを有し、
安定運転時には、前記コンプレッサーと起動用ブロワの間から分岐した外部空気を送り込む経路からコンプレッサーの吸引力で吸い込まれた外部空気を、コンプレッサーで加圧して、前記加圧流動炉内に加圧空気として供給し、且つ、前記分岐経路を介して前記加圧空気を前記始動用バーナーに供給するよう、
起動用ブロワを介して空気を供給する経路を閉鎖して起動用ブロワを停止し、代わりに外部空気を送り込む経路を開放する請求項3記載の加圧流動焼却設備の立ち上げ運転方法。
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