JP5390076B2 - Pcrを用いた変異導入方法 - Google Patents

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本発明は分子生物学の分野、さらに特定的に言うと部位特異的変異導入方法および当該方法に使用するキットに関する。
部位特異的変異導入法には、古典的なKunkel法(例えば、非特許文献1)、ODA(oligonucleotide−directed Dual Amber)法(例えば、非特許文献2)、LA−PCR法と制限酵素部位を組み合わせた変異導入方法(例えば、非特許文献3)、LA−PCR法とODA法を組み合わせた変異導入方法(例えば、非特許文献4)、Inverse PCR法と相同組換を利用した変異導入方法(例えば、特許文献1)、鋳型プラスミドDNAのメチル化とInverse PCR法およびメチル化DNA特異的ヌクレアーゼを有する宿主を用いた変異導入方法(インビトロジェン社)、Inverse PCR法とリガーゼ並びにキナーゼを利用した変異導入方法(例えば、非特許文献5)とInverse 非PCR法とエンドヌクレアーゼを組み合わせた変異導入方法(例えば、特許文献3)等がある。
Kunkel,T.A.(1985)Pro.Natl.Acad.Sci USA 82,488. Hashimoto−Gotoh,T. et al.(1995)Gene 152,271. LA−PCR in vitro mutagenesis Kit(タカラバイオ社製、製品コード:RR016)取扱説明書 Mutan(登録商標)−Super Express Km(タカラバイオ社製、製品コード:RR022)取扱説明書 KOD−Plus−Mutagenesis Kit(東洋紡株式会社製、製品コード:SMK−101)取扱説明書 米国特許第5286632号公報 特開2005−348741号公報
これらの変異導入方法は、各種変異導入キットとして製品化されているがその方法の能力は、完成されたものではない。例えば、古典的なKunkel法やODA法では、複雑な操作が必要であり、かつ変異導入効率は高くない。また、PCR法を利用した変異導入方法においては、変異導入効率を上げるためにはPCR後、変異導入前の鋳型プラスミドDNAを除去する操作を行わなければならない。さらに、Inverse PCR産物をキナーゼとリガーゼで連結する方法においては上記に加えて変異導入用プライマーの合成不良による連結部分の不適切な変異導入が危惧される。また、Inverse 非PCR法とエンドヌクレアーゼを組み合わせた変異導入方法についても、変異導入前の鋳型プラスミドDNAを除去する操作が必要であり、長い塩基の挿入、置換および欠失の際には変異導入プライマーが十分に鋳型DNAにアニールしないことによる変異導入効率低下のおそれがある。
以上のように、操作が簡便で、変異導入効率に優れ、さらに目的以外の変異が入らない変異導入方法という観点からするとまだまだ不十分な方法であるのが現状である。
本発明の目的は、操作が簡便で、変異導入効率に優れ、さらに目的以外の変異の導入が極めて少ない変異導入方法を提供することにある。さらには、当該方法のために使用するキットを提供することにある。
本法は宿主を形質転換するには十分でない少量の鋳型プラスミドDNAより、PCR反応の過程で目的の変異を含む、形質転換可能なPCR産物を効率よく産生するプライマーおよびDNAポリメラーゼを使用した変異導入方法および当該方法に使用するキットを提供する。
本発明の第1の発明は、下記工程を包含することを特徴とする、部位特異的変異導入方法に関する。
(1)鋳型となる環状DNA、前記鋳型DNAにアニールし、5’末端側が互いに相補的な領域を有する少なくとも1組の変異導入用プライマー対、並びにDNAポリメラーゼからなる混合液を調製する工程、ここで、変異を導入する部位は前記のプライマー対の互いに相補的な領域に対となって存在し;
(2)工程(1)で調製した混合物をPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)に供し、5’突出末端を有するDNA断片を含むPCR産物として増幅する工程;
(3)工程(2)で得られたPCR産物を用いて、宿主を形質転換する工程。
本発明の第1の発明において、プライマー対が5’末端側の互いに相補的な領域の長さが9〜30塩基、変異導入部位から3’末端の長さが12〜30塩基であるプライマーからなる変異導入用プライマー対であってもよく、宿主が相同組換え能欠損株であってもよく、コンピテントセルであってもよい。
本発明の第2の発明は、本発明の第1の発明のためのキットであって、以下の構成品を含むキットに関する。
(1)鋳型となる環状DNA;
(2)(1)の鋳型DNAにアニールし、5’末端側が互いに相補的な領域を有する少なくとも1組のプライマー対、ここで、変異を導入する部位はプライマー対の互いに相補的な領域に対となって存在する;および
(3)DNAポリメラーゼ。
本発明の第2の発明において、プライマー対が5’末端側の互いに相補的な領域の長さが9〜30塩基、変異導入部位から3’末端の長さが12〜30塩基であるプライマーからなる変異導入用プライマー対であってもよい。
本発明により、操作が簡便で、変異導入効率に優れ、さらに目的以外の変異が入らない変異導入方法が提供される。当該方法は、プラスミドDNAの修飾を必要とせず、ベクター、宿主を選ばず、制限酵素切断部位の導入などを必要としないため、あらゆる目的に幅広く利用できる。PCR産物で宿主(例えば大腸菌)を形質転換するというきわめて簡便な操作で確実に変異導入体を取得できるためハイスループットの変異体取得に有用である。
本発明の方法は、標的となる核酸配列上の変異の導入が望まれる少なくとも1対の変異部位を含むように設計された変異導入用プライマー対と、校正活性に優れたα様DNAポリメラーゼを用いることを特徴とする。変異導入用プライマー対を構成する変異導入用プライマーは互いに部分的に相補的な領域(オーバーラップ領域)を有するように設計される。ここで導入される変異に相当する塩基配列である変異導入部位は、両方の変異導入プライマーの、前記の相補的な領域の中に配置されている。
また、本発明の変異導入方法は、置換のみならず、欠失、挿入変異のいずれにおいても好適に使用できる。
本明細書において「5’末端側が相補的なプライマー対」とは、それぞれのプライマーの5’末端を含む領域が、互いに相補的な配列を有するプライマー対を意味する。以下、その相補的な領域をオーバーラップ領域と呼ぶこともある。「5’末端側」および「3’末端側」とは、ヌクレオチドの中央より、それぞれ5’末端を含む領域の一部分、および3’末端を含む領域の一部分を示す。
本明細書において「環状DNA」とは、環状構造をとるDNAである。二本鎖の環状DNAとして、プラスミドDNA、コスミドDNAが例示される。二本鎖の環状DNAのうち、鎖の一部にニックを有するDNA、および鎖の一部が一本鎖になっているDNAも、環状構造をとることができれば二本鎖の環状DNAに含まれ、本明細書において「部分的環状二本鎖DNA」と称する場合がある。
本明細書において「直ちに、宿主を形質転換する」とは、PCR産物を直接、そのまま宿主と混合することを示し、エンドヌクレアーゼを初めとするDNAポリメラーゼ以外の酵素により処理する工程やPCR産物を精製する工程を要しないことを意味する。
(1)本発明の変異導入方法
本発明の変異導入方法は、変異導入が望まれる核酸断片を含むプラスミドDNAを鋳型にして、それぞれの5’末端側が相補的なプライマー対と5’−3’エキソヌクレアーゼ活性および鋳型置換活性を有しないα様DNAポリメラーゼを用いることにより、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって上記プライマーの互いに相補的な部分(オーバーラップ領域)が5’突出となった二本鎖DNAを作製することを特徴とする。当該二本鎖DNAは、宿主の形質転換が可能な環状構造(部分的環状構造)をとることができる。
本発明の方法に用いる変異導入用プライマーは、その5’末端側に、オーバーラップ領域、すなわち変異導入用プライマー対を構成する他方の変異導入用プライマーとの間で互いに相補的な配列を有する。導入が望まれる変異は、当該オーバーラップ領域に含まれ、オーバーラップ領域の5’末端側、中央部分、3’末端側のいずれにあってもよい。置換あるいは挿入変異の場合、導入される変異に相当する塩基配列である変異導入部位は鋳型DNAと相補的な配列とならないが、変異導入部位以外のオーバーラップ領域が鋳型DNAに相補的であってもよく、オーバーラップ領域のすべてが変異導入部位であってもよい。欠失変異の場合、変異導入用プライマーが鋳型DNAの欠失させたい部分の外側の領域に相補的であればよい。すなわち、プライマーのオーバーラップ領域の変異導入部位より5’末端側に、鋳型DNAにアニールするための相補的な配列を有する。また、オーバーラップ領域の鎖長は、9〜30塩基、好ましくは、12〜21塩基、特に好ましくは15塩基である。
さらに、変異導入用プライマーは、オーバーラップ領域に接してその3’末端側に、鋳型DNAに相補的な配列を有する。この鋳型DNAに相補的な配列は、前記変異導入部位から3’末端側に12〜30塩基、特に好ましくは、15〜21塩基の領域があればよい。
本発明の方法において、上記変異導入用プライマーの設計は、置換、欠失、挿入変異のいずれの場合も同様にして行えばよく、普遍的にプライマーの設計が行える利点を有する。本発明の方法において、特に限定はされないが例えば、置換および挿入の場合は1〜30塩基の範囲、特に好ましくは、1〜21塩基の範囲で変異導入を効果的に行うことができる。特に欠失の場合は、欠失させる鎖長に制限はない。
本発明の変異導入用プライマーは、オリゴヌクレオチドプライマーである。当該オリゴヌクレオチドはDNAのみならず、その類似体も好適に使用できる。このような類似体は、塩基類似体及び/又はバックボーン類似体、例えばホスホロチオエート、ホスフォン酸塩などであってよい。例えばホスホロアミダイト法によるオリゴヌクレオチドの合成のための技術は、当業者にとっては周知のものである。例えば、Oligonucleotides and Analogues:A Practical Approach(オリゴヌクレオチドと類似体:実践的アプローチ)、ed. Eckstein,IRL Press,Oxford(1992)の中で記述されている。本発明の方法の中で使用されるオリゴヌクレオチドは、オリゴデオキシリボヌクレオチドが好適である。
本発明の方法に用いることができるDNAポリメラーゼは、PCR法に用いることができる酵素である。また、Taq DNAポリメラーゼのような5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を有さないDNAポリメラーゼが本発明に好ましい。さらに、鎖置換活性を有さないDNAポリメラーゼが本発明に好ましい。また、PCR法を利用した変異導入方法においては、使用するDNAポリメラーゼのFidelity(信頼性)に起因して変異導入断片に目的以外の変異が入る可能性があるため、校正活性に優れるDNAポリメラーゼ、即ちα様DNAポリメラーゼが本発明に特に好適である。
本発明の方法に用いるα様DNAポリメラーゼには、特に限定はないが例えば、Pfu DNAポリメラーゼ(ストラタジーン)、KOD DNAポリメラーゼ(東洋紡)、PrimeSTAR DNAポリメラーゼ(タカラバイオ)等が好適に使用できる。
本発明で使用するDNAポリメラーゼは、上記特性を有する限り、野生型でもよく、変異体あるいは融合体であっても良い。特に限定はないが例えば、Pfx50 DNA ポリメラーゼ(インビトロジェン社)、Phusion DNAポリメラーゼ(フィンザイム社)、iProof DNAポリメラーゼ(キアゲン)等が本発明に好適に使用できる。
また、本発明の方法においては、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性及び鎖置換活性を促進しない限りにおいて、PCRの際に補助因子を共存させてもよい。特に限定はされないが、DNAポリメラーゼ活性促進作用を有するタンパク質、あるいは酸性高分子物質、DNAに適度に親和性を有する物質等が本発明に使用できる。
前記の補助因子を含有するDNAポリメラーゼとして、特に限定はないが例えば、PfuTurbo DNAポリメラーゼ、PfuTurbo Cx DNAポリメラーゼ、PfuUltra DNAポリメラーゼ、PfuUltraII Fusion DNAポリメラーゼ(ストラタジーン)、Accuprime Pfx DNAポリメラーゼ(インビトロジェン)、PrimeSTAR Max DNA ポリメラーゼ(タカラバイオ)等が好適に使用できる。
本発明の方法について、想定されうる一態様を図1および以下に示す。しかしながら、本発明の方法は、下記態様に限定されるものではない。
本発明の方法において、第1と第2の変異導入用プライマーを用いる。第1と第2の変異導入用プライマーの組み合わせを「変異導入用プライマー対」と呼ぶ。当該プライマーは、お互いに相補的な配列をそれぞれの5’末端側に有している。例えば、第1と第2の変異導入用プライマーの当該相補的な部分が環状の鋳型DNAに十分にアニールしている場合、第1と第2の変異導入用プライマーからの伸長鎖は、環状鋳型DNAに沿って一回りして当該プライマーの自身の5’末端に到達して伸長停止する。その結果、第1の変異導入用プライマーから生じる伸長鎖は、3’末端に第2の変異導入用プライマーの鋳型DNAに相補的な配列を、また5’末端側には第2の変異導入用プライマーのオーバーラップ領域に相補的な配列を有している。
従って、第1の変異導入用プライマーからの伸長鎖の5’末端側と3’末端側にまたがって、第2の変異導入用プライマーがアニールし、前記伸長鎖を鋳型として伸長することにより部分的環状二本鎖DNAが生成する。また、第1と第2の変異導入用プライマーそれぞれの伸長鎖同士がアニールした分子は、両端に5’突出のある二本鎖DNAとなる。突出した配列はオーバーラップ領域となるので、互いに相補的であることから、前記二本鎖DNAの一部は分子内で突出部同士がアニールして環状構造になる。前記二本鎖DNAの一部は、突出部分の相補鎖が合成されて突出部のない二本鎖DNAとなるが、そのうちの第1変異導入用プライマーからの伸長鎖は、その5’末端側と3’末端側に第2変異導入用プライマーの5’末端側の塩基配列に相補的な同一配列(オーバーラップ領域の配列)を有している。当該伸長鎖の3’末端側に第2変異導入用プライマーがアニールして開始されるDNAの伸長は、鋳型となっている伸長鎖の5’末端側にアニールしている別の第2変異導入用プライマーの5’末端でストップする。同様の反応が第2変異導入用プライマーからの伸長鎖と第1変異導入用プライマーとの間で起こる結果、上記同様に分子内で二本鎖環状構造を形成するのに好適な突出末端を有する伸長産物が形成される。本発明では、オーバーラップ領域をプライマーのアニールに十分な鎖長に設定する結果、PCR中に以上のような反応が起こると考えられる。
一方、第1と第2の変異導入用プライマーのそれぞれのオーバーラップ領域は、鋳型DNAに必ずしもアニールする必要はない。前記のような形態のプライマーを使用する場合、それぞれのプライマーの3’末端側の鋳型DNAにアニールする配列を、当該配列単独でプライマーとして機能しうる鎖長に設定してPCRを実施することにより、第1変異導入用プライマーからの伸長鎖は、その5’末端側と3’末端側にまたがって第2の変異導入用プライマーがアニールしうるDNA、第2変異導入用プライマーからの伸長鎖は、その5’末端側と3’末端側にまたがって第2の変異導入用プライマーがアニールしうるDNA、となる。これらの分子からは、上記同様PCRの過程で二本鎖環状構造を形成するための伸長鎖が形成される。
本発明の方法においては、PCR増幅産物が作製できれば、当該増幅断片により直接宿主を形質転換することにより目的の変異導入体を取得する事ができる。特に限定はされないが例えば、PCRの効率が低下しない範囲で、第1と第2の変異導入用プライマーのオーバーラップ領域を長くすることにより、当該プライマーのオーバーラップ領域は別のプライマーからの伸張鎖とアニーリングしやすくなる。また、当該プライマーのオーバーラップ領域以外の3’末端側の鋳型DNAに相補的な配列を短くすることにより、目的の変異導入体の形質転換体の取得率を向上させることができる。特に限定されないが、1塩基置換の目的の変異を導入する場合、第1と第2の変異導入用プライマーのそれぞれの5’末端側の相補的な塩基配列を、変異導入部位を中心に15塩基とし、その変異導入部位の3’末端側より18塩基の鋳型DNAに相補的な塩基を配したプライマー構造、すなわち、プライマーの5’末端から順に、プライマー対で相補的な7塩基、変異導入塩基、プライマー対で相補的な7塩基、鋳型DNAにのみ相補的な11塩基となるプライマーが概ね好適に使用できる。
本発明の方法では、宿主の相同的組換えを利用した方法(特許文献1)とは、宿主の形質転換が可能な部分的環状構造をとることができる、5’突出となった二本鎖DNAを積極的に生成させる点において相違する。
本発明の方法において作成される部分的環状DNAは、少量の鋳型プラスミドDNAからPCR法を用いて効率よく作製することができる。また、こうして得られる部分的環状DNAは自体は使用される変異導入プライマーに相補的な配列を一部欠いているため、PCRの各サイクルで鋳型として使用される頻度が低く、トータルの合成回数は実際のPCRサイクル数より少ないという特徴を有する。これによりDNAポリメラーゼによる合成エラーを減じることができる。
本発明の方法で得られた部分的環状DNAを含むPCR溶液は、宿主細胞の形質転換に直接使用することができる。宿主細胞の形質転換に先立ってDNAの連結反応を行なう必要もない。連結反応不要としたことにより、従来の部位特異的変異導入方法に比べて本発明の方法を実施するのに必要とされる時間と費用を削減することができる。本発明の方法において用いる宿主(細胞)は、原核細胞であっても真核細胞であってもよい。相同組換え能欠損株(例えば、recA)も宿主として効率よく形質転換体を取得することができる。
好ましくは、宿主細胞は原核細胞であり、より好ましくはE.coliのコンピテントセルである。コンピテント単細胞微生物を調製し、形質転換するための技術は、当業者にとっては周知のものであり、例えば、2001年、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー発行、T.マニアティス(T.Maniatis)ら編集、モレキュラー クローニング:ア ラボラトリー マニュアル第3版(Molecular Cloning:A Laboratory Manual 3rd ed.)、Harwood Protocols For Gene Analysis,Methods In Molecular Biology Vol.31,Humana Press,Totowa,NJ(1994)などに記載されている。また、本発明の方法では調製後に凍結保存されたコンピテントセル、例えば市販のコンピテントセルを形質転換することもできる。
本発明の方法を用いることにより、鋳型環状DNAとしてプラスミドpUC118(3.2kb)を使用して、大腸菌を形質転換可能な目的の変異を含む分子を得るのに要する時間は、PrimeSTAR Max DNAポリメラーゼを利用した場合、僅か1時間である。また、目的部位以外への変異の導入は僅か90000塩基に1個の割合である。
本発明の方法は、高い効率でDNAに変異を導入することができる。本発明の方法により目的の変異を有する細胞が得られる効率、すなわち変異導入効率は、全形質転換細胞に対して、80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上である。
(2)本発明の変異導入方法のためのキット
本発明のもう1つの形態は、本発明の部位特異的変異導入方法を実施するためのキットである。本発明のキットは、当該方法を実施する上で使用するための単数又は複数の酵素又はその他の試薬を含む。本発明のキットには、当該方法を実施するときに精度と正確さの両方を確保するよう、予め測定された量の試薬が含まれていてもよい。また、本発明のキットには、本発明の方法を実施方法が記載された指示書が含まれていてよい。本発明のキットは、最低限、以下のものを含む:α様DNAポリメラーゼ、対照鋳型核酸、対照用変異導入プライマー対。
本発明のキットには、個々のヌクレオチド三リン酸(dATP、dTTP、dCTP及びdGTPの等モル混合物を含む)、ヌクレオシド三リン酸(dNTP)混合物、第1及び第2の変異導入用プライマー、凍結コンピテントセル、PCR緩衝液などを含んでいてもよい。
本発明のキットに含まれる対照鋳型核酸ならびに対照用変異導入プライマー対は、それぞれ、本発明の方法により容易に検出可能な部位特異的変異導入を提供するように選択される、環状二本鎖DNA分子及び変異導入用プライマー対のことを指す。例えば、対照鋳型核酸を変異が導入された結果、その産物の活性が失われた遺伝子を含むものとした場合、対照用変異導入プライマーは、前記変異を復帰するような変異を導入するべく設計され得る。対照において、本発明のキットが所望の機能を果たすことは、変異が復帰した遺伝子から生成する遺伝子産物の活性発現により、確認することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
また、本明細書に記載の操作のうち、基本的な操作については、2001年、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー発行、T.マニアティス(T.Maniatis)ら編集、モレキュラー クローニング:ア ラボラトリー マニュアル第3版(Molecular Cloning:A Laboratory Manual 3rd ed.)に記載の方法によった。
実施例1
本発明の方法を用いた、プラスミドDNApUC118(全長:3.2kbp)への部位特異的な変異誘導効率について検討した。本実施例では、プラスミドDNApUC118と大腸菌JM109のLacZ表現系を利用し、このpUC118を鋳型に表現型が変化する変異導入をPCRにて行い、その産物で直接大腸菌を形質転換して、選択培地上で培養し生じたコロニーの表現型より変異導入効率を評価することにした。
(1)変異導入用プライマーの作製
pUC118の塩基配列(GenBank Acc.No.E14304)をもとに部分特異的変異を含むpUC−sub3Fプライマー(配列番号1)とpUC−sub3Rプライマー(配列番号2)、pUC−del3Fプライマー(配列番号3)とpUC−del3Rプライマー(配列番号4)およびpUC−ins6Fプライマー(配列番号5)とpUC−ins6Rプライマー(配列番号6)の3種類のプライマー対を合成した。
置換変異導入用プライマーのpUC−sub3FプライマーとpUC−sub3Rプライマーは、いずれもその5’末端より15塩基が当該プライマー間で相補的であり、双方のプライマーの5’末端から7〜9番目の塩基が鋳型DNAと相補的でない。また、pUC−sub3FプライマーおよびpUC−sub3Rプライマーは全長27塩基中24塩基が鋳型DNAに相補的である。
欠失変異導入用プライマーのpUC−del3FプライマーとpUC−del3Rプライマーは、いずれもその5’末端より15塩基が当該プライマー間で相補的であり、pUC−del3Fプライマーは、その5’末端から7番目と8番目の塩基の間で鋳型DNAに相補的な3塩基が欠失している。さらにpUC−del3Rプライマーは、その5’末端から8番目と9番目の塩基の間で鋳型DNAに相補的な3塩基が欠失している。つまり全長25塩基のpUC−sub3Fプライマーと全長26塩基のpUC−sub3Rプライマーは3塩基対欠失した鋳型DNAに相補的である。
挿入変異導入用プライマーのpUC−ins6FプライマーとpUC−ins6Rプライマーは、いずれもその5’末端より15塩基が当該プライマー間で相補的であり、pUC−ins6Fプライマーの5’末端から4番目と5番目の塩基の間に鋳型DNAにない6塩基が挿入されている。一方、pUC−ins6Rプライマーの5’末端から5番目と6番目の塩基の間に鋳型DNAにない6塩基が挿入されている。pUC−ins6Fプライマーは全長28塩基中22塩基が鋳型DNAに相補的であり、pUC−ins6Rプライマーは全長29塩基中23塩基が鋳型DNAに相補的である。
(2)変異導入およびその効率
変異導入効率は、以下のようにして測定した。すなわちpUC118DNA 10pgを鋳型に、上記(1)で作製した各10pmolの変異導入用プライマーとPrimeSTAR(登録商標) Max Premix(2×)(タカラバイオ社製)25μlを用いて反応容量50μlのPCRを行なった。反応条件は98℃ 10秒、55℃ 15秒、72℃ 20秒を1サイクルとする30サイクル反応で行なった。反応終了後、増幅産物の2μlをそのままE.coli JM109コンピテントセル(タカラバイオ社製)100μlに添加し、0℃ 30分、42℃ 45秒の処理後、SOC培地1mlを加えて37℃で1時間振とう培養した。そのうち100μlを選択プレート(LB+Amp、IPTG,X−gal)上で培養し、白コロニー(変異体)と青コロニー(バックグラウンド)の数をカウントした。
その結果を表1に示す。
Figure 0005390076
表1に示したように本発明の変異導入方法で、pUC118DNA 10pgを鋳型にした場合、3種類の、置換、欠失あるいは挿入変異導入体がいずれも99%以上の驚くべき高い効率で多数取得できた。
(3)本発明の変異導入方法の正確性
上記変異導入体(挿入)白コロニーより117個を任意に選択し培養後、プラスミドDNAを取得しそれぞれの全塩基配列を決定し解析した。その結果、117クローンすべてにおいて目的の変異導入が確認された。さらに驚くべきことに、目的部位以外の変異は全塩基数370,656塩基中わずか4塩基のみであった。市販されているKOD−plus−Mutagenesisキットでは、80%を越える変異導入効率で、48,000塩基に1塩基であることと比較しても、本発明の方法の変異導入効率は驚くほど高いうえに、変異導入部位以外の正確性も非常に高いものであることを確認した。
(4)8.5kbの欠失変異体の作製
本発明の方法を用いて長鎖のDNA断片の変異導入ができるかどうかを確認した。まず、pUC118DNAのHinc IIサイトに8.5kbのDNA断片(GenBank Acc.No.NT 009237記載の塩基配列の核酸番号4034224〜4042731の範囲のDNA断片)を挿入したプラスミドDNAを作製し、このプラスミドDNAより8.5kbを欠失させるための変異導入用プライマー、pUC−del8KF(配列番号7)とpUC−del8KR(配列番号8)を合成した。pUC−del8KFプライマーとpUC−del8KRプライマーは、いずれもその5’末端より15塩基が当該プライマー間で相補的であり、pUC−del3Fプライマーの5’末端から7番目と8番目の塩基の間で鋳型DNAに相補的な8.5kbが欠失している。一方、pUC−del8Rプライマーは、その5’末端から8番目と9番目の塩基の間で鋳型DNAに相補的な8.5kbが欠失している。つまり、全長25塩基のpUC−sub3Fプライマーと全長26塩基のpUC−sub3Rプライマーは、8508塩基対欠失した鋳型DNAに相補的である。前記構成において、欠失変異が導入された形質転換体は、プラスミドDNAがpUC118に復帰し青コロニーを形成し、欠失変異が導入されない形質転換体は白コロニーを形成する。
次に、上記プラスミドDNA100pgを鋳型として上記プライマー各10pmolとPrimeSTAR Max Premix(2×)25μlを用いて反応容量50μlのPCRを行なった。反応条件は上記(2)記載の条件と同じで行った。反応終了後、増幅産物2μlをそのままE.coli JM109コンピテントセル100μlに添加し、0℃ 30分、42℃ 45秒の処理後、SOC培地1mlを加えて37℃で1時間振とう培養した。そのうち100μlを選択プレート(LB+Amp、IPTG、X−gal)上で培養し、青コロニーと白コロニー(バックグラウンド)の数をカウントした。さらに、得られた青コロニー10個よりそれぞれプラスミドを調製し、プラスミドDNAサイズおよび制限酵素のHinc IIサイトが回復していることを確認することにした。
その結果、プラスミドDNA100pgを鋳型とした場合、変異導入体(青コロニー)158個に対しバックグラウンド(白コロニー)は3個で、98%の確率で変異体を取得できた。
また、変異導入体(青コロニー)10個より取得したプラスミドDNAについて電気泳動によりそのサイズを確認した。その結果を図2に示す。図2において、レーン1は変異導入前、レーン2〜11は変異導入後のDNAを示す。レーンMはλ/HindIIIマーカーを示す。
図2に示したように、すべてのプラスミドDNAが8kbのDNA断片が欠失したサイズのプラスミドDNAであることを確認した。さらにHinc IIで1箇所切断され3.2bpのDNA断片が得られたことからも、正しく変異導入(欠失)できていることが確認できた。
すなわち、Inverse 非PCR法とエンドヌクレアーゼを組み合わせた変異導入方法(特許文献3)では変異導入用プライマーの5’末端側および3’末端側の配列双方が効率よく鋳型にアニールしないために不可能であった長鎖DNA断片の欠失も、本発明の変異導入方法において、簡便、高効率に取得できることが確認できた。
実施例2 プライマーの構造と変異体取得効率の検討
(1)変異導入用プライマーの合成
プライマー構造が変異体取得効率に及ぼす影響を明らかにするために以下の4対のプライマーを合成した。
pUC−insXhoIF+3(配列番号9)プライマーとpUC−insXhoIR+3(配列番号10)プライマーは、その5’末端より15塩基が当該プライマー間で相補的であり、pUC−insXhoIF+3プライマーは、その5’末端から4番目と5番目の塩基の間に鋳型DNAにない6塩基が挿入されている。一方、pUC−insXhoIR+3プライマーは、その5’末端から5番目と6番目の塩基の間に鋳型DNAにない6塩基が挿入されている。それぞれのプライマーは全長28塩基中22塩基が鋳型DNAに相補的である。さらに、pUC−insXhoF+3プライマーでは挿入変異部位から3’末端側18塩基が鋳型DNAに相補的であり、pUC−insXhoIR+3プライマーでは挿入変異部位から3’末端側17塩基が鋳型DNAに相補的である。
pUC−insXhoIC6,7F(配列番号11)プライマーとpUC−insXhoIC6R(配列番号12)プライマーは、その5’末端より6塩基が当該プライマー間で相補的であり、いずれのプライマーもその5’末端には鋳型DNAにない6塩基が挿入されている。それぞれのプライマーは全長25塩基中19塩基が鋳型DNAに相補的である。さらに、pUC−insXhoIC6,7FおよびpUC−insXhoIC6Rプライマーにおいて、挿入変異部位から3’末端側19塩基が鋳型DNAに相補的である。
pUC−insXhoIC6,7FプライマーとpUC−insXhoIC7,8R(配列番号13)プライマーは、その5’末端より7塩基が当該プライマー間で相補的である。また、pUC−insXhoIC6,7Fプライマーでは、その5’末端に鋳型DNAにない6塩基が挿入されている。一方、pUC−insXhoIC7,8Rプライマーでは、その5’末端から1番目と2番目の塩基の間に鋳型DNAにない6塩基が挿入されている。pUC−insXhoIC6,7Fプライマーは、全長25塩基中19塩基が鋳型DNAに相補的であり、pUC−insXhoIC7,8Rプライマーは、全長25塩基中18塩基が鋳型DNAに相補的である。さらに、pUC−insXhoIC6,7Fプライマーでは挿入変異部位から3’末端側19塩基が鋳型DNAに相補的であり、pUC−insXhoIC7,8Rプライマーでは挿入変異部位から3’末端側18塩基が鋳型DNAに相補的である。
pUC−insXhoIC8F(配列番号14)プライマーとpUC−insXhoIC7,8Rプライマーは、その5’末端より8塩基が当該プライマー間で相補的であり、いずれのプライマーもその5’末端から1番目と2番目の塩基の間に鋳型DNAにない6塩基が挿入されている。また、pUC−insXhoIC8Fプライマーは全長25塩基中17塩基が鋳型DNAに相補的であり、pUC−insXhoIC7,8Rプライマーは全長25塩基中18塩基が鋳型DNAに相補的である。さらに、pUC−insXhoIC8Fプライマーでは挿入変異部位から3’末端側17塩基が鋳型DNAに相補的であり、pUC−insXhoIC7,8Rプライマーでは挿入変異部位から3’末端側18塩基が鋳型DNAに相補的である。
(2)変異導入およびその効率
pUC118DNA 10pgを鋳型に、前記の各10pmolの変異導入用プライマー対とPrimeSTAR Max Premix(2×)25μlを用いて反応容量50μlのPCRを行なった。反応条件は、98℃ 10秒、55℃ 15秒、72℃ 20秒を1サイクルとする35サイクル反応で行なった。反応終了後、増幅産物2μlをそのままE.coli JM109コンピテントセル100μlに添加し、0℃ 30分、42℃ 45秒の処理後、SOC培地1mlを加えて37℃で1時間振とう培養した。そのうち100μlを選択プレート(LB+Amp、IPTG、X−gal)上で培養し、白コロニー(変異体)数をカウントした。
その結果、プライマーの3’末端側の鋳型DNAに相補的な配列が17−19塩基で、5’末端側の当該プライマー間で相補的な配列を6、7、8、15塩基と伸ばした場合、変異体取得数はそれぞれ1、2、20、135個と増加した。
実施例3 PCRに使用する酵素と変異体取得率との関係
(1)変異導入およびその効率
pUC118 10pgを鋳型にそれぞれ10pmolの前記変異導入用プライマーpUC−ins6F(配列番号5)とpUC−ins6Rプライマー(配列番号6)を用いて50μlの反応系でPCRを行った。PCRにはPrimeSTAR HS DNAポリメラーゼ(タカラバイオ社製)、KOD−plus−DNAポリメラーゼ(東洋紡社製)、Pyrobest DNAポリメラーゼ(タカラバイオ社製)、rTaq DNAポリメラーゼ(タカラバイオ社製)を使用し、反応組成は各製品添付の取り扱い説明書に従った。PCR条件は、PCR増幅産物量および増幅の特異性をそろえるために、以下のように設定した。
PrimeSTAR HS DNAポリメラーゼ;
98℃ 10秒、55℃ 15秒、72℃ 4分を1サイクルとする30サイクル反応
KOD−plus−DNAポリメラーゼ;
98℃ 10秒、55℃ 30秒、72℃ 4分を1サイクルとする30サイクル反応
Pyrobest DNAポリメラーゼ;
98℃ 10秒、68℃ 4分を1サイクルとする30サイクル反応
rTaq DNAポリメラーゼ;
98℃ 10秒、55℃ 30秒、72℃ 4分を1サイクルとする40サイクル反応
反応終了後、増幅産物2μlをそのままE.coli JM109コンピテントセル100μlに添加し、0℃ 30分、42℃ 45秒の処理後、SOC培地1mlを加えて37℃で1時間振とう培養した。そのうち100μlを選択プレート(LB+Amp、IPTG、X−gal)上で培養し、白コロニー(変異体)数をカウントした。
その結果、PrimeSTAR HS DNAポリメラーゼ、KOD−plus−DNAポリメラーゼ、Pyrobest DNAポリメラーゼおよびrTaq DNAポリメラーゼを使用した各PCR増幅量は同等であったが、目的の変異体数はそれぞれ602、478、474および75であった。このことから、PCRにα様(α−like)DNAポリメラーゼを使用することにより、PolI型のDNAポリメラーゼであるrTaqの6倍以上の変異体を取得することができた。
実施例4 プライマーの5’末端側領域の検討
プライマーの5’末端側領域の鋳型DNAへのアニーリングと形質転換効率について検討した。100pgのpUC118と100pgのpUC118DNAのHinc IIサイトに8.5kbのDNA断片を挿入したプラスミドDNAを鋳型に、前述のpUC−del8KF(配列番号7)とpUC−del8KRプライマー(配列番号8)各10pmolとPrimeSTAR Max Premix(2×)25μlを用いて反応容量50μlでPCRを行なった。反応条件は、98℃ 10秒、55℃ 15秒、72℃ 20秒を1サイクルとする30サイクル反応で行なった。反応終了後、増幅産物2μlをそのままE.coli JM109コンピテントセル100μlに添加し、0℃ 30分、42℃ 45秒の処理後、SOC培地1mlを加えて37℃で1時間振とう培養した。そのうち100μlを選択プレート(LB+Amp、IPTG、X−gal)上で培養し、青コロニー(変異体)数をカウントした。なお、本実施例においては、pUC118DNAのHinc IIサイトに8.5kbのDNA断片を挿入したプラスミドDNAは、当該8.5kbのDNA断片の欠失変異が起こるため、選択プレート上では白コロニーから青コロニーになる。
pUC118を鋳型にした場合とpUC118DNAのHinc IIサイトに8kbのDNA断片を挿入したプラスミドDNAを鋳型にした場合のPCR増幅産物は同一でありPCR増幅産物量は同等であった。にもかかわらず、それぞれから得られる形質転換体の数は153個と65個と差が生じた。このことは本発明の方法が相同的組換えによるものではないことを示している。
鋳型となる核酸がpUC118の場合には、プライマーの5’末端側の15塩基が鋳型DNAに連続して相補的であるのでそれぞれのプライマーからの伸長鎖は鋳型を一周して自己の5’末端でストップし、効率よく部分的環状二本鎖DNAを産生するためのプライマー伸長産物ができるのに対し、鋳型DNAがpUC118 DNAのHinc IIサイトに8.5kbのDNA断片を挿入したプラスミドDNAの場合、プライマーの5’末端側の15塩基に相補的な配列が8.5kbのインサートで7塩基と8塩基に分断されているために、プライマーの5’末端側の8塩基が鋳型にアニールしにくく、自己の5’末端でストップしたプライマー伸長産物ができにくい。このことにより部分的環状二本鎖DNAができる効率に差が生じ、形質転換体取得効率に差が生じたと考えられる。以上のことから、本発明の方法は、PCR過程で生じる部分的環状二本鎖構造が生成することにより、従来の相同的組み換え型の変異導入方法よりも変導導入効率を大幅に改善することができることを確認した。
実施例5 プライマーの構造と変異体取得効率の検討
(1)変異導入用プライマーの合成
プライマー構造の変異体取得効率に及ぼす影響を明らかにするために以下の3対のプライマーを合成した。
プライマー対1:pUC−sub3F−21−9(配列番号15)プライマーとpUC−sub3R−21−9(配列番号16)プライマーは、いずれもその5’末端より21塩基が当該プライマー間で相補的であり、双方のプライマーの5’末端から10〜12番目の塩基が鋳型DNAと相補的でない。また、pUC−sub3F−21−9プライマーおよびpUC−sub3R−21−9プライマーは全長30塩基中27塩基が鋳型DNAに相補的である。
プライマー対2:pUC−sub3F(配列番号1)プライマーとpUC−sub3R(配列番号2)プライマーは、いずれもその5’末端より15塩基が当該プライマー間で相補的であり、双方のプライマーの5’末端から7〜9番目の塩基が鋳型DNAと相補的でない。また、pUC−sub3FプライマーおよびpUC−sub3Rプライマーは全長27塩基中24塩基が鋳型DNAに相補的である。
プライマー対3:pUC−sub3F−9−12(配列番号17)プライマーとpUC−sub3R−9−12(配列番号18)プライマーは、いずれもその5’末端より9塩基が当該プライマー間で相補的であり、双方のプライマーの5’末端から4〜6番目の塩基が鋳型DNAと相補的でない。また、pUC−sub3F−9−12プライマーおよびpUC−sub3R−9−12プライマーは全長21塩基中18塩基が鋳型DNAに相補的である。
プライマー対1、プライマー対2およびプライマー対3の3塩基の変異配列とそれに続く3’末端側の鋳型DNAに相補的な18塩基は同一であり、それぞれのプライマー対の5’末端側の相補的な配列の長さが21塩基、15塩基、9塩基と異なる。
(2)変異導入およびその効率
pUC118DNA 100pgを鋳型に、前記の各10pmolの変異導入用プライマー対とPrimeSTAR Max Premix(2×)25μlを用いて、反応容量50μlのPCRを行なった。反応条件は、98℃ 10秒、55℃ 15秒、72℃ 15秒を1サイクルとする30サイクル反応で行なった。反応終了後、増幅産物2μlをそのままE.coli JM109コンピテントセル100μlに添加し、0℃ 30分、42℃ 45秒の処理後、SOC培地1mlを加えて37℃で1時間振とう培養した。そのうち100μlを選択プレート(LB+Amp、IPTG、X−gal)上で培養し、白コロニー(変異体)の数をカウントした。
その結果、プライマー対1、プライマー対2およびプライマー対3のPCRにおける増幅効率は同等で、白コロニー(変異体)数はそれぞれ282個、292個および7個であった。このことから、いずれの場合も部位特異的に変異導入が可能であることが確認できた。実施例1とのコロニー数の違いはコンピテントセルのロットによる形質転換効率の違いによる。
実施例6 プライマーの構造と変異体取得効率の検討
(1)変異導入用プライマーの合成
プライマー構造の変異体取得効率に及ぼす影響を明らかにするために以下の4対のプライマーを合成した。
プライマー対1:pUC−sub3F−21−15(配列番号19)プライマーとpUC−sub3R−21−15(配列番号20)プライマーは、いずれもその5’末端より21塩基が当該プライマー間で相補的であり、双方のプライマーの5’末端から10〜12番目の塩基が鋳型DNAと相補的でない。また、pUC−sub3F−21−15プライマーおよびpUC−sub3R−21−15プライマーは全長36塩基中33塩基が鋳型DNAに相補的である。
プライマー対2:pUC−sub3F−21−12(配列番号21)プライマーとpUC−sub3R−21−12(配列番号22)プライマーは、いずれもその5’末端より21塩基が当該プライマー間で相補的であり、双方のプライマーの5’末端から10〜12番目の塩基が鋳型DNAと相補的でない。また、pUC−sub3F−21−12プライマーおよびpUC−sub3R−21−12プライマーは全長33塩基中30塩基が鋳型DNAに相補的である。
プライマー対3:pUC−sub3F−21−9プライマーとpUC−sub3R−21−9プライマーは、いずれもその5’末端より21塩基が当該プライマー間で相補的であり、双方のプライマーの5’末端から10〜12番目の塩基が鋳型DNAと相補的でない。また、pUC−sub3F−21−9プライマーおよびpUC−sub3R−21−9プライマーは全長30塩基中27塩基が鋳型DNAに相補的である。
プライマー対4:pUC−sub3F−21−6(配列番号23)プライマーとpUC−sub3R−21−6(配列番号24)プライマーは、いずれもその5’末端より21塩基が当該プライマー間で相補的であり、双方のプライマーの5’末端から10〜12番目の塩基が鋳型DNAと相補的でない。また、pUC−sub3F−21−6プライマーおよびpUC−sub3R−21−6プライマーは全長27塩基中24塩基が鋳型DNAに相補的である。
プライマー対1、プライマー対2、プライマー対3およびプライマー対4のそれぞれのプライマー対の5’末端側の相補的な配列21塩基は共通で、3塩基の変異配列に続く3’末端側の鋳型DNAに相補的な配列の長さが24塩基、21塩基、18塩基、15塩基と異なる。
(2)変異導入およびその効率
pUC118DNA 100pgを鋳型に、前記の各10pmolの変異導入用プライマー対とPrimeSTAR Max Premix(2×)25μlを用いて、反応容量50μlのPCRを行なった。反応条件は、98℃ 10秒、55℃ 15秒、72℃ 20秒を1サイクルとする30サイクル反応で行なった。反応終了後、増幅産物2μlをそのままE.coli JM109コンピテントセル100μlに添加し、0℃ 30分、42℃ 45秒の処理後、SOC培地1mlを加えて37℃で1時間振とう培養した。そのうち100μlを選択プレート(LB+Amp、IPTG、X−gal)上で培養し、白コロニー(変異体)の数をカウントした。
その結果、プライマー対1、プライマー対2、プライマー対3およびプライマー対4のPCRにおける増幅効率は同等で、白コロニー(変異体)数はそれぞれ140個、210個、282個および209個であった。このことから、いずれの場合も部位特異的に変異導入が可能であることが確認できた。
実施例7 プライマーの構造と変異体取得効率の検討
(1)変異導入用プライマーの合成
プライマー構造の変異体取得効率に及ぼす影響を明らかにするために、以下の5対のプライマーを合成した。
プライマー対1:pUC−sub3F−15−18(配列番号25)プライマーとpUC−sub3R−15−18(配列番号26)プライマーは、いずれもその5’末端より15塩基が当該プライマー間で相補的であり、双方のプライマーの5’末端から7〜9番目の塩基が鋳型DNAと相補的でない。また、pUC−sub3F−15−18プライマーおよびpUC−sub3R−15−18プライマーは全長33塩基中30塩基が鋳型DNAに相補的である。
プライマー対2:pUC−sub3F−15−15(配列番号27)プライマーとpUC−sub3R−15−15(配列番号28)プライマーは、いずれもその5’末端より15塩基が当該プライマー間で相補的であり、双方のプライマーの5’末端から7〜9番目の塩基が鋳型DNAと相補的でない。また、pUC−sub3F−15−15プライマーおよびpUC−sub3R−15−15プライマーは全長30塩基中27塩基が鋳型DNAに相補的である。
プライマー対3:pUC−sub3FプライマーとpUC−sub3Rは、いずれもその5’末端より15塩基が当該プライマー間で相補的であり、双方のプライマーの5’末端から7〜9番目の塩基が鋳型DNAと相補的でない。また、pUC−sub3FプライマーおよびpUC−sub3Rプライマーは全長27塩基中24塩基が鋳型DNAに相補的である。
プライマー対4:pUC−sub3F−15−9(配列番号29)プライマーとpUC−sub3R−15−9(配列番号30)プライマーは、いずれもその5’末端より15塩基が当該プライマー間で相補的であり、双方のプライマーの5’末端から7〜9番目の塩基が鋳型DNAと相補的でない。また、pUC−sub3F−15−9プライマーおよびpUC−sub3R−15−9プライマーは全長24塩基中21塩基が鋳型DNAに相補的である。
プライマー対5:pUC−sub3F−15−6(配列番号31)プライマーとpUC−sub3R−15−6(配列番号32)プライマーは、いずれもその5’末端より15塩基が当該プライマー間で相補的であり、双方のプライマーの5’末端から7〜9番目の塩基が鋳型DNAと相補的でない。また、pUC−sub3F−15−6プライマーおよびpUC−sub3R−15−6プライマーは全長21塩基中18塩基が鋳型DNAに相補的である。
プライマー対1、プライマー対2、プライマー対3、プライマー対4およびプライマー対5のそれぞれのプライマー対の5’末端側の相補的な配列15塩基は共通で、3塩基の変異配列に続く3’末端側の鋳型DNAに相補的な配列の長さが24塩基、21塩基、18塩基、15塩基、12塩基と異なる。
(2)変異導入およびその効率
pUC118DNA 100pgを鋳型に、前記の各10pmolの変異導入用プライマー対とPrimeSTAR Max Premix(2×)25μlを用いて、反応容量50μlのPCRを行なった。反応条件は、98℃ 10秒、55℃ 15秒、72℃ 20秒を1サイクルとする30サイクル反応で行なった。反応終了後、増幅産物2μlをそのままE.coli JM109コンピテントセル100μlに添加し、0℃ 30分、42℃ 45秒の処理後、SOC培地1mlを加えて37℃で1時間振とう培養した。そのうち100μlを選択プレート(LB+Amp、IPTG、X−gal)上で培養し、白コロニー(変異体)の数をカウントした。
その結果、プライマー対1、プライマー対2、プライマー対3、プライマー対4およびプライマー対5の白コロニー(変異体)数はそれぞれ126個、136個、292個、239個および173個であった。このことから、いずれの場合も部位特異的に変異導入が可能であることが確認できた。

実施例8 プライマーの構造と変異体取得効率の検討
(1)変異導入用プライマーの合成
プライマー構造の変異体取得効率に及ぼす影響を明らかにするために以下の7対のプライマーを合成した。
プライマー対1:pUC−FC9−18(配列番号33)プライマーとpUC−RC9−18(配列番号34)プライマーは、いずれもその5’末端より9塩基が当該プライマー間で相補的であり、双方のプライマーの5’末端から1〜9番目の塩基が鋳型DNAと相補的でない。また、pUC−FC9−18プライマーおよびpUC−RC9−18プライマーは全長27塩基中18塩基が鋳型DNAに相補的である。
プライマー対2:pUC−FC12−18(配列番号35)プライマーとpUC−RC12−18(配列番号36)プライマーは、いずれもその5’末端より12塩基が当該プライマー間で相補的であり、双方のプライマーの5’末端から1〜12番目の塩基が鋳型DNAと相補的でない。また、pUC−FC12−18プライマーおよびpUC−RC12−18プライマーは全長30塩基中18塩基が鋳型DNAに相補的である。
プライマー対3:pUC−FC15−18(配列番号37)プライマーとpUC−RC15−18(配列番号38)プライマーは、いずれもその5’末端より15塩基が当該プライマー間で相補的であり、双方のプライマーの5’末端から1〜15番目の塩基が鋳型DNAと相補的でない。また、pUC−FC15−18プライマーおよびpUC−RC15−18プライマーは全長33塩基中18塩基が鋳型DNAに相補的である。
プライマー対4:pUC−FC18−18(配列番号39)プライマーとpUC−RC18−18(配列番号40)プライマーは、いずれもその5’末端より18塩基が当該プライマー間で相補的であり、双方のプライマーの5’末端から1〜18番目の塩基が鋳型DNAと相補的でない。また、pUC−FC18−18プライマーおよびpUC−RC18−18プライマーは全長36塩基中18塩基が鋳型DNAに相補的である。
プライマー対5:pUC−FC21−18(配列番号41)プライマーとpUC−RC21−18(配列番号42)プライマーは、いずれもその5’末端より21塩基が当該プライマー間で相補的であり、双方のプライマーの5’末端から1〜21番目の塩基が鋳型DNAと相補的でない。また、pUC−FC21−18プライマーおよびpUC−RC21−18プライマーは全長39塩基中18塩基が鋳型DNAに相補的である。
プライマー対6:pUC−FC24−18(配列番号43)プライマーとpUC−RC24−18(配列番号44)プライマーは、いずれもその5’末端より24塩基が当該プライマー間で相補的であり、双方のプライマーの5’末端から1〜24番目の塩基が鋳型DNAと相補的でない。また、pUC−FC24−18プライマーおよびpUC−RC24−18プライマーは全長42塩基中18塩基が鋳型DNAに相補的である。
プライマー対7:pUC−FC27−18(配列番号45)プライマーとpUC−RC27−18(配列番号46)プライマーは、いずれもその5’末端より27塩基が当該プライマー間で相補的であり、双方のプライマーの5’末端から1〜27番目の塩基が鋳型DNAと相補的でない。また、pUC−FC27−18プライマーおよびpUC−RC27−18プライマーは全長45塩基中18塩基が鋳型DNAに相補的である。
プライマー対1、プライマー対2、プライマー対3、プライマー対4、プライマー対5、プライマー対6およびプライマー対7のそれぞれのプライマーの3’末端側の鋳型に相補的な配列18塩基は共通で、それぞれのプライマー対の5’末端側の相補的な配列の長さが9塩基、12塩基、15塩基、18塩基、21塩基、24塩基、27塩基と異なる。
(2)変異導入およびその効率
pUC118DNAのHinc IIサイトに4kbのDNA断片(GenBank Acc.No.AC104389 記載の塩基配列の核酸番号20359〜24408の範囲のDNA断片)を挿入したプラスミドDNA 100pgを鋳型に、前記の各10pmolの変異導入用プライマー対とPrimeSTAR Max Premix(2×)25μlを用いて、反応容量50μlのPCRを行なった。反応条件は、98℃ 10秒、55℃ 15秒、72℃ 20秒を1サイクルとする30サイクル反応で行なった。反応終了後、増幅産物2μlをそのままE.coli JM109コンピテントセル100μlに添加し、0℃ 30分、42℃ 45秒の処理後、SOC培地1mlを加えて37℃で1時間振とう培養した。そのうち100μlを選択プレート(LB+Amp、IPTG、X−gal)上で培養し、白コロニー(変異体)の数をカウントした。
その結果、プライマー対1、プライマー対2、プライマー対3、プライマー対4、プライマー対5、プライマー対6およびプライマー対7の白コロニー(変異体)数はそれぞれ16個、180個、264個、237個、194個、248個および252個であった。このことから、いずれの場合も部位特異的に変異導入が可能であることが確認できた。
本発明により、操作が簡便で、変異導入効率に優れ、さらに目的以外の変異が入らない変異導入方法が提供される。さらには、当該方法のためのキットが提供される。
本発明の部位特異的変異導入方法を示す図である。 本発明の方法により得られたDNAを示す図である。
SEQ ID NO:1: Synthetic primer pUC-sub3F
SEQ ID NO:2: Synthetic primer pUC-sub3R
SEQ ID NO:3: Synthetic primer pUC-del3F
SEQ ID NO:4: Synthetic primer pUC-del3R
SEQ ID NO:5: Synthetic primer pUC-ins6F
SEQ ID NO:6: Synthetic primer pUC-ins6R
SEQ ID NO:7: Synthetic primer pUC-del8KF
SEQ ID NO:8: Synthetic primer pUC-del8KR
SEQ ID NO:9: Synthetic primer pUC-insXhoIF+3
SEQ ID NO:10: Synthetic primer pUC-insXhoIR+3
SEQ ID NO:11: Synthetic primer pUC-insXhoIC6,7F
SEQ ID NO:12: Synthetic primer pUC-insXhoIC6R
SEQ ID NO:13: Synthetic primer pUC-insXhoIC7,8R
SEQ ID NO:14: Synthetic primer pUC-insXhoIC8F
SEQ ID NO:15: Synthetic primer pUC-sub3F-21-9
SEQ ID NO:16: Synthetic primer pUC-sub3R-21-9
SEQ ID NO:17: Synthetic primer pUC-sub3F-9-12
SEQ ID NO:18: Synthetic primer pUC-sub3R-9-12
SEQ ID NO:19: Synthetic primer pUC-sub3F-21-15
SEQ ID NO:20: Synthetic primer pUC-sub3R-21-15
SEQ ID NO:21: Synthetic primer pUC-sub3F-21-12
SEQ ID NO:22: Synthetic primer pUC-sub3R-21-12
SEQ ID NO:23: Synthetic primer pUC-sub3F-21-6
SEQ ID NO:24: Synthetic primer pUC-sub3R-21-6
SEQ ID NO:25: Synthetic primer pUC-sub3F-15-18
SEQ ID NO:26: Synthetic primer pUC-sub3R-15-18
SEQ ID NO:27: Synthetic primer pUC-sub3F-15-15
SEQ ID NO:28: Synthetic primer pUC-sub3R-15-15
SEQ ID NO:29: Synthetic primer pUC-sub3F-15-9
SEQ ID NO:30: Synthetic primer pUC-sub3R-15-9
SEQ ID NO:31: Synthetic primer pUC-sub3F-15-6
SEQ ID NO:32: Synthetic primer pUC-sub3R-15-6
SEQ ID NO:33: Synthetic primer pUC-FC9-18
SEQ ID NO:34: Synthetic primer pUC-RC9-18
SEQ ID NO:35: Synthetic primer pUC-FC12-18
SEQ ID NO:36: Synthetic primer pUC-RC12-18
SEQ ID NO:37: Synthetic primer pUC-FC15-18
SEQ ID NO:38: Synthetic primer pUC-RC15-18
SEQ ID NO:39: Synthetic primer pUC-FC18-18
SEQ ID NO:40: Synthetic primer pUC-RC18-18
SEQ ID NO:41: Synthetic primer pUC-FC21-18
SEQ ID NO:42: Synthetic primer pUC-RC21-18
SEQ ID NO:43: Synthetic primer pUC-FC24-18
SEQ ID NO:44: Synthetic primer pUC-RC24-18
SEQ ID NO:45: Synthetic primer pUC-FC27-18
SEQ ID NO:46: Synthetic primer pUC-RC27-18

Claims (3)

  1. 下記工程を包含することを特徴とする、部位特異的変異導入方法;
    (1)鋳型となる環状DNA、前記鋳型DNAにアニールし、5’末端側が互いに相補的な領域を有する少なくとも1組の変異導入用プライマー対、並びに5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を有さないDNAポリメラーゼからなる混合液を調製する工程、ここで、変異を導入する部位は前記のプライマー対の互いに相補的な領域に対となって存在し、かつ、プライマー対が5’末端側の互いに相補的な領域の長さが12〜21塩基、変異導入部位から3’末端の鋳型DNAに相補的な配列の長さが15〜21塩基であるプライマーからなる変異導入用プライマー対であり;
    (2)工程(1)で調製した混合物をPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)に供し、5’突出末端を有するDNA断片を含むPCR産物として増幅する工程;
    (3)工程(2)で得られたPCR産物を直接宿主と混合して、宿主を形質転換する工程。
  2. 宿主が相同組換え能欠損株である、請求項1記載の方法。
  3. 請求項1記載の部位特異的変異導入方法のためのキットであって、以下の構成品を含むキット;
    (1)鋳型となる環状DNA;
    (2)(1)の鋳型DNAにアニールし、5’末端側が互いに相補的な領域を有する少なくとも1組のプライマー対、ここで、変異を導入する部位はプライマー対の互いに相補的な領域に対となって存在し、かつ、プライマー対が5’末端側の互いに相補的な領域の長さが12〜21塩基、変異導入部位から3’末端の鋳型DNAに相補的な配列の長さが15〜21塩基であるプライマーからなる変異導入用プライマー対である;および
    (3)5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を有さないDNAポリメラーゼ。
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