以下、図面を参照して本発明の空気清浄装置及び空気清浄装置を備えた建物の実施の形態について説明する。
<本実施の形態の空気清浄装置の構成例>
図1は本実施の形態の空気清浄装置1の構成の一例を示す断面図、図2は本実施の形態の空気清浄装置1の分解斜視図、図3は本実施の形態の空気清浄装置1の平面図である。ここで、図1(a)は、図3のA−A断面図、図1(b)は図3のB−B断面図である。
本実施の形態の空気清浄装置1は、室内の空気と外気を取り込み、取り込んだ空気を室内に給気する循環ファン2と、室内の空気を取り込み、取り込んだ空気を屋外に排気する換気ファン3と、循環ファン2で取り込む外気及び室内の空気を清浄する空気清浄フィルタ4を備える。
循環ファン2は、シロッコファンと称される多翼ファンで、多翼の羽根車5と、羽根車5を回転駆動する循環ファンモータ6と、風路を形成する循環ファンケース7を備え、回転軸を縦向きとして本体ケース1aに取り付けられる。
循環ファンケース7は、羽根車5の軸方向に沿った上面を開口して形成された循環吸込口7aと、羽根車5の接線方向に沿って形成される風路と連通し、本体ケース1aの下面を開口して形成した循環吹出口7bを備える。
換気ファン3は、循環ファン2と同様にシロッコファンと称される多翼ファンで、多翼の羽根車9と、羽根車9を回転駆動する換気ファンモータ10と、風路を形成する換気ファンケース11を備え、回転軸を縦向きとして本体ケース1aに取り付けられる。
換気ファンケース11は、羽根車9の軸方向に沿った下面を開口して形成された換気吸込口11aと、羽根車9の接線方向に沿って形成される風路と連通し、本体ケース1aの側面を開口して形成した換気吹出口11bを備える。
循環ファン2と換気ファン3は、それぞれの羽根車がほぼ重なり合う位置関係で、循環ファン2を上側として上下に重ねて配置され、換気ファン3の換気吸込口11aは、本体ケース1aの下面を開口して形成される。
また、循環ファン2の循環ファンケース7の上面と、本体ケース1aの天井面との間に空間が形成され、循環ファン2の上部側方に、循環吸込口7aと連通した循環吸込開口部12が形成される。
循環ファン2はイオン発生器8を備える。イオン発生器8はイオン発生手段を構成し、イオンを発生する図示しない放電面が循環ファンケース7の内部に露出するように取り付けられ、循環ファンケース7によって形成される風路中にイオンが供給される。
イオン発生器8は、正イオンと負イオンの両方あるいは負イオンを発生する。正イオンと負イオンの発生の原理は、誘電体が介在するように対向させた一対の電極間に家庭用交流電源等から取った交流電圧を昇圧して印加することにより、コロナ放電を起こし、空気中の酸素ないしは水分が電離によりエネルギーを受けてイオン化し、H+(H2O)m(mは任意の自然数)と、O2 -(H2O)n(nは任意の自然数)が主体のイオンを放出するものである。
これらH+(H2O)m及びO2 -(H2O)nは、浮遊菌の表面に付着し、化学反応して活性種であるH2O2または・OHを生成する。H2O2または・OHは、極めて強力な活性を示すため、これらにより、空気中の浮遊細菌を取り囲んで不活化することができる。ここで、・OHは活性種の1種であり、ラジカルのOHを示している。
これにより、略同数の正イオンと負イオンを発生させる正負イオン発生モードを備えて、略同数の正イオンと負イオンを含む空気を吹き出すことで、空気中の浮遊細菌を不活化して、カビの発生を抑えることができる。
また、負イオンのみもしくは負イオンを正イオンより多く発生させるような負イオン発生モードを備えて、負イオンを含む空気を吹き出すと、精神を安定させ、呼吸器の機能を高める等のリラックス効果があると言われている。
本体ケース1aは、循環ファン2及び換気ファン3の側部にフィルタ取付部13が形成される。フィルタ取付部13は、循環吸込開口部12と連通すると共に、本体ケース1aの下面に形成した取付開口部14と連通した空間で構成され、空気清浄フィルタ4の着脱をガイドするガイド部材15を備える。
ガイド部材15は、空気清浄フィルタ4を垂直方向に移動可能に支持し、空気清浄フィルタ4の脱落を防止する脱落防止爪部16を備える。脱落防止爪部16は可撓性を有し、着脱途中の空気清浄フィルタ4を保持すると共に、空気清浄フィルタ4の着脱に伴って弾性変形して退避できる構成である。
空気清浄フィルタ4は、HEPAフィルタ17と、HEPAフィルタ17が取り付けられる枠体18及び循環吸込グリル19が形成されたパネル部材20を備え、フィルタ取付部13に着脱自在に取り付けられる。
HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタ17は、シート状のフィルタ素材を蛇腹状に折り曲げられて構成され、表面積の拡大を図っている。そして、折り目を縦向きとして枠体18に取り付けられる。
パネル部材20は、枠体18によってHEPAフィルタ17が縦向きに取り付けられ、HEPAフィルタ17の取付位置の下方側部に循環吸込グリル19が形成される。また、パネル部材20は、着脱レバー21を備えると共に、枠体18に脱落防止突起22を備える。
着脱レバー21は、ユーザの操作でスライドできるように構成され、空気清浄フィルタ4をフィルタ取付部13に取り付ける際に、脱落防止のためのロック及び着脱のためのロックの解除を行う。
脱落防止突起22は、枠体18の一部を凸状にして形成され、空気清浄フィルタ4側の脱落防止突起22と、装置本体1a側の脱落防止爪部16によって、脱落防止部材が形成される。
空気清浄フィルタ4は、枠体18がフィルタ取付部13のガイド部材15にガイドされて、フィルタ取付部13に取り付けられる。そして、空気清浄フィルタ4の着脱の途中で、枠体18の脱落防止突起22がガイド部材15の脱落防止爪部16に係止され、空気清浄フィルタ4の脱落を防ぐ。また、枠体18の脱落防止突起22がガイド部材15の脱落防止爪部16に係止した状態から、空気清浄フィルタ4を引き抜く方向に力を入れると、脱落防止突起22が脱落防止爪部16を押し、脱落防止爪部16を弾性変形させて、空気清浄フィルタ4の着脱が可能となる。
空気清浄フィルタ4がフィルタ取付部13に取り付けられると、パネル部材20が取付開口部14を塞ぎ、パネル部材20の循環吸込グリル19からフィルタ取付部13に空気が取り入れられる。また、HEPAフィルタ17が、循環吸込開口部12と対向して循環ファン2及び換気ファン3の側部に縦置きされる。
本体ケース1aは、一の側面にフィルタ取付部13を介して循環ファン2と連通した吸気ダクト取付部23を備える。また、本体ケース1aは、他の側面に換気吹出口11bと連通した排気ダクト取付部24を備える。
吸気ダクト取付部23は外気吸込口を構成し、外気遮蔽ダンパ25を備える。外気遮蔽ダンパ25は、例えば後述するダンパモータに駆動されて開閉し、外気の取り入れの有無を切り換える。
また、排気ダクト取付部24は逆流防止ダンパ26を備える。逆流防止ダンパ26は、例えば後述するダンパモータに駆動されて開閉し、換気停止時の外気の逆流を阻止する。なお、逆流防止ダンパ26は、ダンパモータを用いずに、風圧により開閉するシャッタであっても良い。
本体ケース1aは、下面にフロントパネル27が取り付けられる。フロントパネル27はパネル部を構成し、換気ファン3の換気吸込口11aの下面を覆うカバー部28と、カバー部28の側面に形成され、換気吸込口11aと連通した換気吸込開口部29と、カバー部28に形成され、循環ファン2の循環吹出口7bと連通した循環吹出グリル30を備える。
換気吸込開口部29は、例えば循環吹出グリル30の風路の形成部位以外の3方向に形成され、図3に矢印RAで示す3方向から空気の吸い込みが行われる。
また、フロントパネル27は、フィルタ取付部13の取付開口部14と連通した開口部31を備え、本体ケース1aにフロントパネル27を取り付けた状態で、フィルタ取付部13に対して空気清浄フィルタ4の着脱ができるようになっている。
上述した構成を有する空気清浄装置1では、図1(a)に二点鎖線で示すように、循環吸込グリル19及び吸気ダクト取付部23から空気清浄フィルタ4を通り、循環吸込開口部12から循環吸込口7a及び循環ファンケース7を通って循環吹出グリル30へ連通した循環風路32が形成される。
なお、吸気ダクト取付部23において外気遮蔽ダンパ25を閉じることで、外気を取り込まず室内の空気の循環のみを行う循環風路を形成することも可能である。
また、空気清浄装置1では、図1(b)に二点鎖線で示すように、換気吸込開口部29から換気吸込口11a及び換気ファンケース11を通り、排気ダクト取付部24へ連通した換気風路33が形成される。
さて、フロントパネル27では、循環ファン2からの空気を吹き出す循環吹出グリル30がカバー部28の下面に形成されると共に、換気ファン3が空気を吸い込む換気吸込開口部29は、循環吹出グリル30より一段高いカバー部28の側面に形成される。そして、循環吹出グリル30と換気吸込開口部29は非連通で、かつ、同一面に形成していない。これにより、循環吹出グリル30から吹き出した空気が、直接換気吸込開口部29から吸い込まれる所謂ショートカット現象の発生を防ぐ。
<本実施の形態の空気清浄装置の制御機能例>
図4は本実施の形態の空気清浄装置1の制御系の一例を示す機能ブロック図であり、次に、本実施の形態の空気清浄装置1の制御系の構成について説明する。
空気清浄装置1は、CPU等で構成される制御部51を備え、制御部51に、リモートコントロール装置52と、図1等で説明した循環ファンモータ6と、換気ファンモータ10と、イオン発生器8等が接続される。また、制御部51は、図1に示す外気遮蔽ダンパ25を開閉駆動するダンパモータ25aと、逆流防止ダンパ26を開閉駆動するダンパモータ26aが接続される。
リモートコントロール装置52は操作手段を構成し、ユーザの操作を受ける操作部53と、環境検出手段として、埃を検出する埃センサ54と、臭いを検出する臭気センサ55を備え、空気清浄装置1が設置された部屋の埃及び臭気の有無等の環境の状態を、リモートコントロール装置52の設置場所で検出する。
制御部51は制御手段を構成し、リモートコントロール装置52の操作部53の操作に応じて実行する空気清浄装置1の運転モードとして、空気清浄と換気を連動させる自動運転モードと、空気清浄と換気を選択的に行う手動運転モードを備える。また、空気清浄とイオンの発生を連動させるイオン発生モードを備える。
制御部51は、自動運転モードでは、埃センサ54及び臭気センサ55等の出力に応じて循環ファンモータ6と換気ファンモータ10等を駆動して、風量の制御を行う。また、手動運転モードでは、ユーザの操作に応じて循環ファンモータ6と換気ファンモータ10等を駆動して、運転の有無の制御及び風量の制御を行う。
すなわち、制御部51は、選択された運転モードに従い、循環ファンモータ6を駆動して、循環ファン2の運転及び運転停止、運転時のファン風量の切り換え等の制御を行う。また、換気ファンモータ10を駆動して、換気ファン3の運転及び運転停止、運転時のファン風量の切り換え等の制御を行う。
更に、制御部51は、ダンパモータ25aを駆動して、外気の給気の有無を切り換える制御を行う。また、ダンパモータ26aを駆動して、換気ファン3の停止時の逆流防止制御を行う。
また、制御部51は、イオン発生器8を駆動して、イオンの発生の有無を切り換える制御を行う。
図5は空気清浄装置1の運転モードと各部の動作の組み合わせを示すテーブル例である。なお、空気清浄装置1の運転モードとして図5に記載のものは一例である。
制御部51は、循環ファン2のファン風量を、例えば、「弱」、「中」、「強」、「急速」の4段階に切り換える。なお、ファン風量は一例であり、例えば、「弱」の風量を、予め設定されている風量の中から選択できるようにしても良い。
また、制御部51は、換気ファン4のファン風量を、例えば、「弱換気(24時間換気)」と「強換気」の2段階に切り換える。
図5(a)は、自動運転モードの一例として、制御部51は、埃センサ54及び臭気センサ55の出力から、室内の空気の汚れの度合いを判断して、汚れの度合いに応じて循環ファン2及び換気ファン3のファン風量を制御する例を示す。
図5(a)に示す自動運転モードでは、埃センサ54及び臭気センサ55の出力から、所定の検知レベルを超える埃及び臭気が検出されず、室内の空気が汚れていない通常の状態であると判断した場合は、循環ファン2のファン風量を「弱」とし、換気ファン3のファン風量を「弱換気」として運転を行う。
また、埃センサ54及び臭気センサ55の出力から、室内の空気の状態が通常より汚れており、汚れの度合いが弱いと判断した場合は、循環ファン2のファン風量を「中」とし、換気ファン3のファン風量を「弱換気」として運転を行う。
更に、埃センサ54及び臭気センサ55の出力から、室内の空気の状態が通常より汚れており、汚れの度合いが強いと判断した場合は、循環ファン2のファン風量を「強」とし、換気ファン3のファン風量を「強換気」として運転を行う。
手動運転モードでは、ユーザの選択に応じたファン風量が得られるように、循環ファン2及び換気ファン3の運転を行う。
図5(b),図5(c)は、自動運転モードの他の例として、埃センサ54及び臭気センサ55の出力に従って循環ファン2及び換気ファン3の風量を制御する例を示す。
埃センサ54は、空気中の埃の量に応じて出力が変化する。本例では、埃センサ54における埃の検知レベルを、「無」、「少」、「多」の3段階に設定する。臭気センサ55は、空気中の臭いの強弱に応じて出力が変化する。本例では、臭気センサ55における臭いの検知レベルを、「無」、「少」、「多」の3段階に設定する。
そして、制御部51は、埃の検知レベルに応じた埃センサ54の出力と、臭いの検知レベルに応じた臭気センサ55の出力との組み合わせに従い、循環ファン2及び換気ファン3の風量を制御する。
例えば、埃センサ54における埃の検知レベルが「無」で、臭気センサ55における臭いの検知レベルが「無」であると、循環ファン2の風量を、図5(b)に示すように「弱」とし、換気ファン3の風量を、図5(c)に示すように「弱換気」として運転を行う。
埃センサ54における埃の検知レベルが「無」で、臭気センサ55における臭いの検知レベルが「少」であると、循環ファン2の風量を、図5(b)に示すように「中」とし、換気ファン3の風量を、図5(c)に示すように「弱換気」として運転を行う。
埃センサ54における埃の検知レベルが「無」で、臭気センサ55における臭いの検知レベルが「多」であると、循環ファン2の風量を、図5(b)に示すように「強」とし、換気ファン3の風量を、図5(c)に示すように「強換気」として運転を行う。
また、埃センサ54における埃の検知レベルが「少」で、臭気センサ55における臭いの検知レベルが「無」であると、循環ファン2の風量を、図5(b)に示すように「中」とし、換気ファン3の風量を、図5(c)に示すように「弱換気」として運転を行う。
埃センサ54における埃の検知レベルが「少」で、臭気センサ55における臭いの検知レベルが「少」であると、循環ファン2の風量を、図5(b)に示すように「中」とし、換気ファン3の風量を、図5(c)に示すように「弱換気」として運転を行う。
埃センサ54における埃の検知レベルが「少」で、臭気センサ55における臭いの検知レベルが「多」であると、循環ファン2の風量を、図5(b)に示すように「強」とし、換気ファン3の風量を、図5(c)に示すように「強換気」として運転を行う。
更に、埃センサ54における埃の検知レベルが「多」で、臭気センサ55における臭いの検知レベルが「無」であると、循環ファン2の風量を、図5(b)に示すように「強」とし、換気ファン3の風量を、図5(c)に示すように「強換気」として運転を行う。
埃センサ54における埃の検知レベルが「多」で、臭気センサ55における臭いの検知レベルが「少」であると、循環ファン2の風量を、図5(b)に示すように「強」とし、換気ファン3の風量を、図5(c)に示すように「強換気」として運転を行う。
埃センサ54における埃の検知レベルが「多」で、臭気センサ55における臭いの検知レベルが「多」であると、循環ファン2の風量を、図5(b)に示すように「強」とし、換気ファン3の風量を、図5(c)に示すように「強換気」として運転を行う。
なお、手動運転モードでは、ユーザの選択に応じたファン風量が得られるように、例えば図5(a)に示す動作の組み合わせで循環ファン2及び換気ファン3の運転を行う。
図6はリモートコントロール装置52の一例を示す構成図である。リモートコントロール装置52は、自動運転モードを選択する自動運転モードボタン56と、自動運転モードが選択されたことを示すランプ56aを備える。
また、リモートコントロール装置52は、手動運転モードとして24時間換気運転モードを選択する24時間換気運転モードボタン57と、手動運転モードとして24時間換気運転モードが選択されたことを示すランプ57aを備える。
更に、リモートコントロール装置52は、手動運転モードとして換気運転モードを選択する換気運転モードボタン58と、手動運転モードとして換気運転モードが選択されたことを示すランプ58aを備える。
ここで、換気運転モードでは、ファン風量が選択できるように設定されており、選択したファン風量を識別できるように、選択できるファン風量に応じて複数個のランプ58aが備えられている。なお、本例では、ファン風量として、「弱」と「強」の2種類のランプ58aが備えられている。
また、リモートコントロール装置52は、手動運転モードとして空気清浄運転モードを選択する空気清浄運転モードボタン59と、手動運転モードとして空気清浄運転モードが選択されたことを示すランプ59aを備える。
ここで、空気清浄運転モードでは、ファン風量が選択できるように設定されており、選択したファン風量を識別できるように、選択できるファン風量に応じて複数個のランプ59aが備えられている。なお、本例では、ファン風量として、「弱」、「中」、「強」及び「急速」の4種類のランプ59aが備えられている。
更に、リモートコントロール装置52は、イオン運転モードを選択するイオン運転モードボタン60と、イオン運転モードが選択されたことを示すランプ60aを備える。
また、リモートコントロール装置52は、図4に示す埃センサ54の検出位置に空気を取り込む埃センサ空気入口61と、埃センサ54を通過した空気を排気する埃センサ空気出口62を備える。
更に、埃センサ54は光学式のセンサを利用しており、レンズを清掃できるようにするため、埃センサ掃除口63を備える。埃センサ掃除口63は、開閉可能な扉で構成され、埃センサ54の掃除時は、扉を開けて清掃ができるようになっている。
また、リモートコントロール装置52には、図4に示す臭気センサ55の検出口64を備える。
リモートコントロール装置52と空気清浄装置1は、本例では電気ケーブルにより有線で接続されるが、ケーブルとして、電話線に利用されるモジュラーケーブルを利用している。これにより、所望の長さのケーブルの入手が容易となり、施工を容易にしている。
<建物の構成例>
図7は空気清浄装置1が設置される本実施の形態の建物70の一例を示す構成図である。建物70は、居室71の天井72に空気清浄装置1が設置される。空気清浄装置1は、フロントパネル27が天井72に露出しており、清浄した空気SAを図1等に示す循環吹出グリル30から居室71に給気すると共に、換気吸込開口部29から居室71内の空気RAを吸気する。更に、循環吸込グリル19から、居室71内の空気RAを吸気する。
建物70は、外壁に吸気グリル73と排気グリル74が取り付けられる。空気清浄装置1は、図1に示す吸気ダクト取付部23が吸気ダクト75を介して吸気グリル73と接続され、外気OAを吸い込む。また、排気ダクト取付部24が排気ダクト76を介して排気グリル74と接続され、吸い込んだ室内の空気を排気EAとして排気する。
また、空気清浄装置1のリモートコントロール装置52は、空気清浄装置1が設置される居室71の壁面に取り付けられ、図4に示す埃センサ54と臭気センサ55によって、居室71内の空気の状態を検出する。
なお、建物70は、例えば、浴室77に24時間換気機能を備えた浴室乾燥換気装置78を備え、建物70の全体の換気は、浴室乾燥換気装置78で行うと共に、居室71の換気を空気清浄装置1で補助的に行う。
浴室乾燥換気装置78は、フロントパネル79に空気の吸込口と吹出口を備える。また、浴室乾燥換気装置78は、浴室77と隣接する洗面脱衣所80の天井に取り付けられた吸込口81と吸気ダクト82を介して接続され、また、外壁に取り付けられた排気グリル83と排気ダクト84を介して接続される。
浴室乾燥換気装置78は、浴室77内の空気を吸い込み、送風として浴室77内に吹き出す循環送風機能及び温風として吹き出す循環暖房機能を備える。また、浴室77内の空気を吸い込み、屋外へ排気する換気機能を備える。
浴室乾燥換気装置78により換気を行うと、浴室77及び洗面脱衣所80から吸気が行われると共に、ドア85のアンダーカット部86等から、居室71の空気が吸気され、屋外に排気される。そして、浴室乾燥換気装置78は、建物70の全体において、24時間換気を行うための所定換気回数を満たす換気風量を備えている。
<空気清浄装置の設置例>
図8は空気清浄装置1の設置例を示す構成図である。空気清浄装置1は、建物の天井パネル87に形成された開口部87aに装置本体1aを入れ、フロントパネル27を天井パネル87から露出させた形態で、図示しない天吊金具等によって固定される。
さて、建物の天井裏には、梁88や野縁89が設けられ、空気清浄装置1の設置スペースは、梁88の間の空間となる。すなわち、空気清浄装置1の装置本体1aの幅をW1、梁88の間の寸法をW2とすると、W1<W2である必要がある。
また、上階がある構造では、空気清浄装置1の装置本体1aの高さH1、天井パネル87から上階の床材90までの寸法をH2とすると、H1<H2である必要がある。
本実施の形態の空気清浄装置1では、図1に示すように、循環ファン2と換気ファン3を上下に重ねて配置したので、循環ファン2と換気ファン3を横に並べて配置した場合と比較して、装置本体1aの幅W1を短く抑えることができる。また、空気清浄フィルタ4もHEPAフィルタ17を縦置きにしたことで、フィルタを横置きにした場合と比較して、装置本体1aの幅を短く抑えることができる。
これにより、図8に示すように、天井裏の梁88の間隔が狭くても、空気清浄装置1を設置することができる。具体的には、梁88の間隔は45cm程度であるのに対して、空気清浄装置1の装置本体1aの幅を40cm程度に収めることができた。
また、各ファンを回転軸を縦向きとすることで横に寝かせた形態で重ねているので、高さ方向の寸法も短く抑えることができ、具体的には、天井裏の高さは23cm程度であるのに対して、装置本体1aの高さを20cm程度に収めることができた。
<空気清浄装置の動作例>
次に、各図を参照して空気清浄装置1の動作について説明する。図6に示すリモートコントロール装置52で例えば自動運転モードボタン56が押されると、図4に示す制御部51は、自動運転モードが選択されたと判断して、リモートコントロール装置52のランプ56aを点灯させる。また、制御部51は、図5に示すテーブルに従って所定の風量が得られるように循環ファンモータ6等を駆動して空気清浄動作を実行すると共に、所定の風量が得られるように換気ファンモータ10等を駆動して換気動作を実行する。
空気清浄動作では、ダンパモータ25aによって外気遮断ダンパ25を開とする。空気清浄装置1は、循環ファンモータ6が回転することで循環ファン2が駆動されると、図7に示す吸気グリル73から吸気ダクト75を介して外気が吸い込まれる。また、循環吸込グリル19から室内の空気が吸い込まれる。
循環ファン2で吸い込まれた外気及び室内の空気は、空気清浄フィルタ4のHEPAフィルタ17を通過する。ここで、循環ファン2により吸い込まれる空気は、装置本体1aの上部に位置する循環ファン2の上部側方の循環吸込開口部12から吸い込まれる。また、循環吸込グリル19は、HEPAフィルタ17の側方下部に形成されている。
これにより、図1(a)に二点鎖線で示すように、HEPAフィルタ17を下方から上方へ斜めに横切るような空気の流れが発生し、HEPAフィルタ17の全面に空気を通すことができる。
HEPAフィルタ17を通過して清浄された空気は、循環ファンケース7の循環吸込口7aから吸い込まれ、循環ファンケース7を通り、循環ファンケース7の循環吹出口7bを介してフロントパネル27の循環吹出グリル30から吹き出す。
これにより、空気清浄動作では、外気及び室内の空気を清浄して、室内に吹き出すことができる。なお、空気清浄動作では、外気遮蔽ダンパ25を閉じることで、外気の取り込みを行わず、室内の空気だけを循環させて空気清浄を行うことも可能である。
換気動作では、ダンパモータ26aによって逆流防止ダンパ26を開とする。空気清浄装置1は、換気ファンモータ10が回転することで換気ファン3が駆動されると、フロントパネル27の換気吸込開口部29から室内の空気が吸い込まれる。換気吸込開口部29から吸い込まれた空気は、換気ファンケース11の換気吸込口11aから吸い込まれ、換気ファンケース11を通り、換気ファンケース11の換気吹出口11bから排気ダクト取付部24に取り付けられた排気ダクト76を介して排気グリル74から屋外へ排気される。
これにより、換気動作では、室内の空気を屋外に排気することができる。
よって、自動運転モードでは、循環ファン2で外気及び室内の空気を取り込み、空気清浄フィルタ4で清浄して室内に給気すると共に、室内の空気を換気ファン3で吸い込んで屋外に排気することになり、空気清浄を行いながら室内の換気が行われる。
ここで、上述したように、フロントパネル27では、循環吹出グリル30と換気吸込開口部29は同一面に形成していない。これにより、循環吹出グリル30から吹き出した清浄された空気が、直接換気吸込開口部29から吸い込まれて排気されてしまう所謂ショートカット現象の発生を防ぎ、空気清浄の効率の低下を防ぐことができる。
また、縦置きにしたHEPAフィルタ17に対して、空気の取り入れ口は下方側部とすると共に、循環ファン2による空気の吸込口は上方側部とすることで、HEPAフィルタ17を下方から上方へ斜めに横切るような空気の流れを発生させることができる。これにより、HEPAフィルタ17の全面が有効に活用され、通気抵抗を減らすことができる。そして、通気抵抗を減らすことで、ファン風量を増加することなく、循環風量を確保することができ、清浄された空気の供給量を確保できる。また、ファン風量を増加させる必要がないので、静音化を図ることができる。
自動運転モードでは、埃センサ54及び臭気センサ55によって室内の空気の状態を検出して、例えば図5(a)のテーブルに従ってファン風量を制御する。例えば、埃センサ54及び臭気センサ55で検出した室内の空気の汚れが所定値以下で、室内の空気の状態が通常であると判断した場合は、制御部51は、循環ファン2のファン風量を「弱」とし、換気ファン3のファン風量を「弱換気」として運転を行う。室内の空気の汚れが所定値以下である場合は、ファン風量を低く抑えることで、ファンの回転数を落とし、静音運転を実現することができる。
また、埃センサ54及び臭気センサ55の出力から、室内の空気の状態が通常より汚れており、汚れの度合いが弱いと判断した場合は、制御部51は、循環ファン2のファン風量を「中」とし、換気ファン3のファン風量を「弱換気」として運転を行う。室内の空気が多少汚れている場合は、循環ファン2のファン風量を上げることで、空気清浄を促進し、汚れを短時間で除去することができる。
更に、埃センサ54及び臭気センサ55の出力から、室内の空気の状態が通常より汚れており、汚れの度合いが強いと判断した場合は、制御部51は、循環ファン2のファン風量を「強」とし、換気ファン3のファン風量を「強換気」として運転を行う。室内の空気の汚れの度合いが強い場合は、循環ファン2のファン風量を更に上げることで、空気清浄を一層促進する。また、換気ファン3のファン風量を上げることで、短時間で室内の空気の入れ換えを行う。これにより、室内の空気の汚れを短時間で除去することができる。
なお、本動作例では、埃センサ54と臭気センサ55の双方の出力から空気の状態を判断しているが、図5(b)及び図5(c)に示すように、埃センサ54と臭気センサ55のそれぞれで空気の状態を検出して、各センサの出力に応じてファン風量を制御しても良い。また、空気の状態を検出するセンサとして他のセンサを利用しても良い。
ここで、図5(b)及び図5(c)に示す各センサ出力とファン風量の組み合わせでも、埃及び臭いが共に少ない場合は、循環ファン2及び換気ファン3のファン風量を低く抑えることで、静音運転を実現することができる。
また、埃の増加に伴い循環ファン2のファン風量を上げることで、空気清浄を促進し、汚れ(埃等)を短時間で除去することができる。更に、臭いの増加に伴い換気ファン3のファン風量を上げることで、短時間で室内の空気の入れ換えを行う。これにより、室内の空気の臭いも短時間で除去することができる。
上述した自動運転モードで、図6に示すリモートコントロール装置52でイオン運転モードボタン60が押されると、図4に示す制御部51は、イオン運転モードが選択されたと判断して、リモートコントロール装置52のランプ60aを点灯させる。また、制御部51は、イオン発生器8を駆動して、略同数の正イオンと負イオンを発生させる。
イオン発生器8で正イオンと負イオンを発生させると、正イオンと負イオンの双方が循環ファンケース7内に放出される。これにより、自動運転モードとイオン運転モードを連動させることで、循環ファン2による空気の流れによって、循環吹出グリル30から正イオンと負イオンを含む清浄された空気が室内に供給される。
従って、自動運転モードとイオン運転モードを連動させることで、空気清浄に加えて、空気中の浮遊細菌を不活性化して、カビの発生等を抑えることができる。なお、本例では、イオン運転モードとして、イオン発生器8で正イオンと負イオンの双方を発生させることとしたが、負イオンを発生させる運転モードを選択できるようにしても良い。自動運転モードと負イオンを発生させるイオン運転モードを連動させることで、循環吹出グリル30から負イオンを含む清浄された空気を室内に供給することができる。
手動運転モードでは、ユーザによるリモートコントロール装置52の操作に従い、空気清浄動作あるいは換気動作を行う。また、手動運転モードでは、ユーザにより選択されたファン風量が得られるように、各ファンモータを駆動する。なお、換気動作のみを実行した場合は、室内の空気清浄は行われない。また、手動運転モード時には、イオン発生モードは空気清浄運転と連動させる。
次に、空気清浄フィルタの交換動作について説明する。空気清浄フィルタ4は、定期的な交換が必要であり、ユーザによる交換が可能となっている。空気清浄フィルタ4を交換する場合は、ユーザは、図2及び図3に示す着脱レバー21を操作して、空気清浄フィルタ4の装置本体1aに対するロックを解除する。
着脱レバー21のロックを解除すると、空気清浄フィルタ4は、下方へ引き抜くことができる。空気清浄フィルタ4を下方へ引くと、途中で枠体18の脱落防止突起22が装置本体1a側のガイド部材15の脱落防止爪部16に係止される。これにより、空気清浄フィルタ4から手を離した場合等の空気清浄フィルタ4の脱落を防ぐ。
また、枠体18の脱落防止突起22がガイド部材15の脱落防止爪部16に係止した状態から、空気清浄フィルタ4を引き抜く場合は、空気清浄フィルタ4を引き抜く方向に力を入れると、脱落防止突起22が脱落防止爪部16を押し、脱落防止爪部16を弾性変形させて退避させる。これにより、空気清浄フィルタ4の取り外しが可能となる。
空気清浄フィルタ4を取り付ける場合は、フロントパネル27の開口部31から所定の向きで空気清浄フィルタ4を押し上げて挿入する。挿入の途中で枠体18の脱落防止突起22がガイド部材15の脱落防止爪部16に突き当たるが、空気清浄フィルタ4を押し上げる方向に力を入れると、脱落防止突起22が脱落防止爪部16を押し、脱落防止爪部16を弾性変形させて退避させる。これにより、空気清浄フィルタ4の挿入が可能となる。そして、空気清浄フィルタ4を所定の位置まで押し上げ、着脱レバー21を操作してロックすることで、空気清浄フィルタ4は装置本体1aに取り付けられる。