JP5388890B2 - 平面進行波音場生成装置、この装置を用いた音響センサ試験装置及び指向性スピーカ - Google Patents

平面進行波音場生成装置、この装置を用いた音響センサ試験装置及び指向性スピーカ Download PDF

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Description

本発明は、反射がほとんどない平面進行波音場を生成する装置、この装置を用いた、マイクロホン、マイクロホンプローブなどの音響センサの試験装置及び指向性スピーカに関し、特に、1次元平面進行波音場の生成に好適な装置に関する。ここで、1次元平面進行波とは、音波の伝搬方向に垂直な方向での音圧ならびに位相の変化の程度が十分小さいと見なせるものをいう。
音響計測の分野において平面進行波音場を実現することは極めて重要なテーマである。例えば、音響センサであるマイクロホン単体や、音響インテンシティを測定するマイクロホンプローブを校正する場合に、一方向だけに進行する波だけが存在する音場、すなわち平面進行波音場、好ましくは1次元平面進行波音場に、それらのセンサを設置して、所定の特性が得られるかを試験する必要がある。
より具体的には、一般に、マイクロホン単体に正面から平面進行波が到来すると、波長に対してマイクロホンの直径が十分小さいときには音場を乱すことはないが、直径と波長が同等程度になってくるとマイクロホンの前面の音圧が上昇し、結果としてマイクロホンの出力も上昇する。この出力上昇が実際にどの程度かを確認するには、平面進行波の音場を作って調べる必要がある。また、マイクロホンは指向性を有しているので、マイクロホン軸に対して音波が到来する方向を変えて出力電圧の変化を調べる必要がある。
また、一般に用いられる音響インテンシティ測定用のマイクロホンプローブ(以下、音響インテンシティプローブという。)は、軸方向に間隔をおいて配置した2つのマイクロホンを使用し、音場の音響インテンシティプローブの軸方向の大きさを測定するものであるが、この場合も音響インテンシティの知られている音場にプローブをおいて所定のインテンシティが得られるかどうかを試験する必要がある。
反射のない平面進行波の音場の場合、音圧をP(Pa:パスカル)とすると、音響インテンシティプローブの軸方向の音響インテンシティI(W/m2)はI = (P 2/ρc)cosθで与えられる。ここで、ρは空気密度(kg/m3)、cは音速(m/s)、θは音波の進行方向とプローブの軸方向との角度(ラジアン)である。平面進行波音場、好ましくは1次元平面進行波が生成できれば、実際に前記値Iが得られるかどうかを試験することが可能となる。
従来知られている、もっとも一般的な平面進行波音場を実現する方法は反射の少ない無響室を作ることである(特許文献1)。この無響室内で、スピーカから音を発すれば、遠方においては平面波に近い音場が得られる。太陽光が地球に平面進行波として到着することと同じ原理である。
特開2008−2981号公報
しかしながら、無響室内に平面進行波音場を実現するには、使用最低周波数の音波の波長と同程度以上の大きさの、高機能の吸音材を設けた無響室が必要である。このような無響室は、占有面積が大きく、また高価にならざるをえないとともに、移動が困難なので、使い勝手が悪いという不都合がある。また、無響室内に1次元平面進行波音場を実現することは、実際上不可能といってよい。本発明はこのような不都合を音響管を用いて解決した平面進行波音場生成装置、好ましくは1次元平面進行波音場生成装置を提供するとともに、この平面進行波音場生成装置、好ましくは1次元平面進行波音場生成装置を用いた音響センサ試験装置及び指向性スピーカを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る平面進行波音場生成装置は、筒状の音響管と、音源信号を発生する信号源と、前記音響管の一端に設け、前記信号源から入力した音源信号に応じた音波を前記音響管内に放射する第1のスピーカと、前記音響管の他端に設け、前記信号源から入力した音源信号に応じた音波を前記音響管内に放射する第2のスピーカと、前記第1のスピーカから放射された音波が前記第2のスピーカに到達する時間だけ遅延させて、前記信号源からの音源信号を前記第2のスピーカに入力させる遅延回路と、前記遅延回路によって遅延された第2のスピーカに入力される音源信号の振幅と位相を、前記第1のスピーカで発生した空気の振動が前記第2のスピーカに到達する時に、反射しないように前記第2のスピーカの振動板を前記振動と同一方向に振動させるよう調整する振幅・位相調整回路を備えたものである。前記音響管は、好ましくは、前記音響管内の軸線に対して垂直な横方向の寸法を前記放射される音波の波長より小さく設定したものである。前記第1のスピーカから放射された音波が前記第2のスピーカに到達する時に、換言すると、前記第1のスピーカで発生した空気の振動が前記第2のスピーカに到達する時に、前記第2のスピーカの振動板は丁度同じ方向に振動するので反射は発生しない。
同じく前記目的を達成するために、本発明の請求項2に係る平面進行波音場生成装置は、前記請求項1の平面進行波音場生成装置において、前記遅延回路によって遅延された第2のスピーカに入力される音源信号の振幅と位相を、前記音源信号の周波数によって変化させ、前記第1のスピーカで発生した空気の振動が前記第2のスピーカに到達する時に、反射しないように前記第2のスピーカの振動板を前記振動と同一方向に振動させるよう調整す前記振幅・位相調整回路を備えたものである。2つのスピーカが完全に同じ特性を有していない場合や、スピーカの表面が平坦でないと、第1のスピーカから放射された音波が前記第2のスピーカに到達する時間が必ずしも一定とはならず、また、周波数により変化する可能性もあるが、第2のスピーカに加える音源信号を、遅延させるとともに、周波数により振幅と位相を変化させることにより、反射の発生防止はより完全なものとなる。
同じく前記目的を達成するために、本発明の請求項3に係る平面進行波音場生成装置は、筒状の音響管と、音源信号を発生する第1及び第2の二つの信号源と、前記音響管の一端に設け、前記第1の信号源から入力した音源信号に応じた音波を前記音響管内に放射する第1のスピーカと、前記音響管の他端に設け、前記第2の信号源から入力した音源信号に応じた音波を前記音響管内に放射する第2のスピーカを備え、前記第1の信号源から前記第1のスピーカに入力する音源信号が周期性を有する信号であり、この音源信号を位相調整したうえ第2の信号源から前記第2のスピーカに対する音源信号として出力するとともに、前記第2のスピーカに対する音源信号の位相を微調整して、前記第1のスピーカで発生した空気の振動が前記第2のスピーカに到達する時に、反射しないように前記第2のスピーカの振動板を前記振動と同一方向に振動させる位相微調整回路を設けたものである。前記音源信号が周期性を有する信号である場合は、第2のスピーカに加える音源信号を遅延させずに、位相を変化させることで、第1のスピーカから放射された音波の反射が防止される。
同じく前記目的を達成するために、本発明の請求項4に係る音響センサ試験装置は、前記請求項1〜3記載の平面進行波音場生成装置を用いたもので、前記音響管の周面に、前記音響管内に音響センサを挿脱可能に配置するための挿入部を設けたものである。マイクロホン単体や音響インテンシティプロ−ブなどの音響センサを、挿入部から音響管内に挿入してほぼ理想的な音場に配置することが可能となる。
同じく前記目的を達成するために、本発明の請求項5に係る指向性スピーカは、前記請求項1〜3記載の平面進行波音場生成装置を用いたもので、前記音響管の外周に多数の放音孔を設けたものである。多数の放音孔から出て前方へ進む音波は位相が一致して強め合い、側方へ出る音波は、距離差による位相差を生じて互いに弱め合うので、鋭い指向性がもたらされる。
本願の請求項1の発明によれば、第2のスピーカに加える音源信号の振幅と位相を調整することで、第1のスピーカから音響管内に放射された音波の反射が防止されて、ほぼ理想的な平面進行波音場を生成することができる。
本願の請求項2の発明によれば、第2のスピーカに加える音源信号の振幅と位相を調整することで、より理想的な平面進行波音場を生成することができる。
本願の請求項3の発明によれば、第1のスピーカに加える音源信号が周期性の信号の場合に、この音源信号の位相を調整して第2のスピーカに加える音源信号としたうえ、さらにこの音源信号の位相を微調整をすることで、理想的な平面進行波音場を生成することができる。
本願の請求項4の発明によれば、ほぼ理想的な平面進行波音場において、音響センサの試験を正確に行なうことができる。
本願の請求項5の発明によれば、簡潔な構成で、鋭い指向性を有するスピーカを得ることができる。
本発明を1次元平面進行波音場生成装置に適用した第1の実施形態を示す概略的な構成図。 同じく遅延時間による位相遅れ量を示すグラフ。 同じく複素平面上での位相の微調整方法を示すグラフ。 本発明を1次元平面進行波音場生成装置に適用した第2の実施形態を示す概略的な構成図。 同じく第1のスピーカの信号源に対する第2のスピーカの信号源の位相遅れ量を示すグラフ。 本発明の音響センサ試験装置の一実施形態を示す概略的な構成図。 本発明の指向性スピーカの一実施形態を示す概略的な構成図。
はじめに、平面進行波の生成原理について説明する。
x軸方向のみ存在する1次元音波の伝播方程式は次式で表される。ここで、Pは音圧、kは波数(=2πf/c、f:周波数、c:音速)である。
Figure 0005388890
この一般解は次式で与えられる。
Figure 0005388890
ここで、A、Bは境界条件で決められる定数である。xに関する微分は
Figure 0005388890
で与えられる。
境界条件を一端の粒子速度をV、他端のそれをVexp(-jkL)とする。kLは音響管の2つのスピーカの距離Lを伝播するときに発生する位相遅れである。第1の条件から
Figure 0005388890
としてBが得られる。
Figure 0005388890
第2の条件
Figure 0005388890
にBを代入することにより
Figure 0005388890
が求められる。
数式5と数式7を数式2に代入することにより、音圧Pが求められる。
Figure 0005388890
この式は、至るところ一定の音圧(粒子速度V0)の平面進行波音場であること
を示している。すなわち、音圧振幅が一定で距離xの位置での位相はkxだけ遅れ
るという反射のない平面進行波の基本的性質を満たしている。
続いて、上述した原理に基づく、本発明の第1の実施形態について説明する。図1に示すように、1次元平面進行波音場生成装置100は、筒状の音響管1の各端に、第1のスピーカ2と第2のスピーカ3をそれぞれ取り付けている。第1のスピーカ2には、信号源4から発せられた音源信号が、増幅器5で増幅されて入力するよう構成している。また、第2のスピーカ3には、信号源4から発せられた音源信号が、遅延回路6で所定時間遅延され、次いで振幅・位相微調整回路7で音源信号の周波数により振幅及び位相が微調整され、さらに増幅器8で増幅されて入力するよう構成している。
音響管1は円筒でも角筒でもよい。1次元平面進行波の音場を生成するには、音響管1内の軸線に対して垂直な横方向の寸法、具体的には、円筒であれば内径、正方形の断面を有する角筒であれば内辺の長さ、を音響管1内に放射される音波の波長より小さく設定することが必要である。音響管1が、正方形の断面を有する場合の横方向の最低共振周波数は内辺の長さをDとすると、λ/2=c/2f=D(λ:波長、c:音速、f:周波数)において共振が生じる。ここで、f=2kHzとすると、D=0.086mとなる。1kHz程度までの帯域で使用する場合には内寸法を10cm程度以内に納めることが必要である。一方、音響管1の長さについては、内寸法の数倍以上の大きさであることが望ましい。1kHz以下の帯域で使用する場合は1m程度をとれば十分である。また、数kHz程度の帯域まで使用するためには、さらに小さな管を用意する必要がある。
また、各スピーカ2,3は同一構成で、特性が同一であることが望ましい。1次元平面進行波音場を生成するには、スピーカの振動板の形状は、可能な限り、横方向のモードが発生しにくいように、なるべく平面に近いほうがよい。そのためには平板スピーカやコーン型でもなるべく平坦に近い、浅い形状のものを選択することが望ましい。
2つのスピーカ2,3が完全に同じ特性を有するとは限らないことや、スピーカ2の表面が平坦でないことにより、第1のスピーカ2から放射された音波が、第2のスピーカ3に到達する時間がかならずしも一定とは限らず、周波数により変化する可能性がある。この到達時間に僅かな差があると、第2のスピーカ3による音波の放射と同期せず、反射が発生することになる。この反射を取り除くために、遅延回路6とともに、振幅・位相微調整回路7を設けて、理想的な1次元平面進行波音場を生成している。
各スピーカ2,3間の距離をL(m)とすると、遅延時間はtd = L/c (c:音速)となり、この遅延時間が遅延回路6で設定される。また、この時の位相の遅れは2πftd
= 2πf(L/c) = kL(f:周波数、k:波数)となる。図2はL=1m、c = 343 m/sとしたときの周波数に対する位相の遅れ量を示したものである。この位相の遅れ量が振幅・位相微調整回路7で微調整される。
次いで、1次元平面進行波音場が音響管1内に生成されているかどうかを確認する方法について説明するが、この方法は吸音率などを測るときに用いる一般的な方法である。
図1に示す2つのスピーカ2,3に微調整まえの音源信号を加える一方、音響管1の周壁に2箇所の孔を設け、そこにマイクロホン9,10をそれぞれ挿入して管内の音圧を測定する。このとき、マイクロホン9,10の先端が音響管1内に突出して音場を乱すことがないようにすることが重要である。
第1のスピーカ2から第2のスピーカ3に向けて伝わる進行波を
Figure 0005388890
反射波を
Figure 0005388890
とする。ここで、Aは進行波の振幅、Bは反射波の振幅である。また、θはx
= 0 における進行波と反射波の位相差である。
マイクロホン9および10の座標であるx1およびx2における音圧は次式で与えられる。
Figure 0005388890
x1とx2における音圧間の測定で得られた伝達関数をHとすると
Figure 0005388890
となる。
これを書き換えると
Figure 0005388890
が得られる。
もし、最初から理想的な伝達関数すなわち大きさが1で位相遅れがk(x2-x1)である、
Figure 0005388890
が実現されているとすると、
Figure 0005388890
となり、反射波が存在しない音場が実現されていることになる。
一般には、数式14が最初から満たされることはほとんどありえない。その場合には、Hが数式14を満たすように振幅と位相を微調整すればよい。すなわち、図3の複素平面上でHが目標点である ○ で示す (coskΔx, jsinkΔx) に近づくようにする。例えば、微調整前の伝達関数が △ で示すHにあるとする。次に、振幅だけをBからΔBだけ増加させる。そのときの伝達関数が
□ で示すHに移動したとすれば、○に一番近づく変化量を求めることができる。その後に、振幅は固定して位相のみを変化させて同様のことを行う。これを複数回繰り返せば目標値に十分近づけることができる。
また、微調整後の伝達関数が完全に数式14を満たすとは限らない。その値をH'とすれば、それを数式13に代入して反射率rが求められる。
Figure 0005388890
第2のスピーカ3による実効的吸音率αは
Figure 0005388890
として求めることができる。反射率をr < 0.05以下となるように実現されたとすれば吸音率α > 0.9975 となり、ほぼ完全な1次元平面進行波音場が実現できることになる。
次に、本発明の第2の実施形態を図4に基づいて説明する。本実施形態の1次元平面進行波音場生成装置200は、第1のスピーカ12に対する音源信号が音響センサの試験に使う周期性を持った複合正弦波などの周期信号である場合に適用して好適なもので、この場合は音源信号を時間的に遅らせることなく、位相調整したものを第2のスピーカ13に対する音源信号とし、第1の実施形態と同様に位相調整することで、反射波の発生を防止できる。すなわち、図4に示すように、本実施形態の回路構成は、上述した第1の実施形態の回路構成から遅延回路を除外し、各別の信号源を設けたもので、11は音響管、12は第1のスピーカ、13は第2のスピーカ、14は第1の信号源、16は第2の信号源、17は振幅・位相微調整回路、15,18は増幅器、19,20は音場調整用のマイクロホン、21は第1の信号源14の音源信号を位相調整して第2の信号源16に入力する音源信号調整手段である。
第1の信号源14から発せられる音源信号は、周期性を持った復号正弦波であるインパルス信号、チャープ信号、擬似ランダム信号などである。この音源信号は、増幅器15で増幅されて第1のスピーカ12に入力する一方、音源信号調整手段21たるソフトウェアで位相調整され、第2のスピーカ13に対する音源信号とすべく第2の信号源16に入力する。すなわち、音源信号調整手段21は、第1の信号源14からの音源信号をフーリエ変換し、得られたスペクトルの振幅は変えずに、図5に示す位相特性を付加し、さらにこれをフーリエ逆変換して、第2の信号源16の音源信号とするものである。
そして、この第2の信号源16から発せられた音源信号は、振幅・位相微調整回路17によって、第1の実施形態と同様に、位相が微調整され、次いで増幅器18で増幅されて第2のスピーカ13に入力する。なお、図5は図2の位相特性を±πの範囲に入るように書き直した特性である。この位相関係を満たすことで周期的な信号の場合の実質的動作は、図1の回路構成の場合と全く同じになる。なお、マイクロホン19,20の使用方法は、上述した第1の実施形態の場合と同様であるから、その説明は省略する。
図6は、本発明の第2の実施形態による1次元平面進行波音場生成装置200を用いた音響センサ試験装置300の一実施形態を示すものである。この音響センサ試験装置300は、音響管11の外周に、挿入口23を設けるとともに、この挿入口23を閉塞する脱着自在な開閉蓋22を設けて、挿入部を形成したものである。前記開閉蓋22には、音響センサ24の信号線を緊密に挿通する孔を設けている。前記挿入口23から、音響インテンシティプロ−ブなどの音響センサ24を、前記音響管11内に挿脱可能に配置することができる。
音響インテンシティプローブなどの音響センサ24は、音響管11内において、音波の進行方向に対して向きや傾斜角度を変化させることが可能であり、ほぼ理想的な音場における特性評価が可能となる。なお、試験対象となる音響センサ24は、音響インテンシティプローブのほか、例えば、マイクロホン単体でもよい。
図7は、本発明の第1の実施形態による1次元平面進行波音場生成装置100を用いた指向性スピーカ400の一実施形態を示すものである。この指向性スピーカ400は、音響管1の外周に多数の微細な放音孔31を設けたものである。放音孔31の配置は特に限定するものではないが、軸方向に多数並べて複数列を平行に配置したり、多重の螺旋状に配置したり、隣り合う列と位置をずらして千鳥状に配置したりすることが考えられる。このように構成した場合、多数の放音孔31から出て前方へ進む音波は位相が一致して強め合い、側方へ出る音波は、距離差による位相差を生じて互いに弱め合うので、鋭い指向性をもったスピーカ400となる。音響管の一端にスピーカを、他端に吸音材を用いた従来の指向性スピーカでは、30cm程度の吸音層の厚みをとっても、広い帯域で反射率を0.2以下、吸音率では0.96以上、にすることは困難であったが、本実施形態によれば、これが可能である。
なお、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、例えば、第2の実施形態では、音源信号の振幅調整は不要なので、振幅・位相微調整回路17に換えて、位相のみを調整する位相微調整回路を用いてもよい。
1,11 音響管
2,12 第1のスピーカ
3,13 第2のスピーカ
4,14,16 信号源
5,8,15,18 増幅器
6 遅延回路
7,17 振幅・位相微調整回路
21 音源信号調整手段
22 開閉蓋
23 挿入口
24 音響センサ
31 放音孔
100,200 1次元平面進行波音場生成装置
300 音響センサ試験装置
400 指向性スピーカ

Claims (5)

  1. 筒状の音響管と、音源信号を発生する信号源と、前記音響管の一端に設け、前記信号源から入力した音源信号に応じた音波を前記音響管内に放射する第1のスピーカと、前記音響管の他端に設け、前記信号源から入力した音源信号に応じた音波を前記音響管内に放射する第2のスピーカと、前記第1のスピーカから放射された音波が前記第2のスピーカに到達する時間だけ遅延させて、前記信号源からの音源信号を前記第2のスピーカに入力させる遅延回路と、前記遅延回路によって遅延された第2のスピーカに入力される音源信号の振幅と位相を、前記第1のスピーカで発生した空気の振動が前記第2のスピーカに到達する時に、反射しないように前記第2のスピーカの振動板を前記振動と同一方向に振動させるよう調整する振幅・位相調整回路を備えたことを特徴とする平面進行波音場生成装置。
  2. 前記振幅・位相調整回路は、前記遅延回路によって遅延された第2のスピーカに入力される音源信号の振幅と位相を、前記音源信号の周波数によって変化させて調整することを特徴とする前記請求項1記載の平面進行波音場生成装置。
  3. 筒状の音響管と、音源信号を発生する第1及び第2の二つの信号源と、前記音響管の一端に設け、前記第1の信号源から入力した音源信号に応じた音波を前記音響管内に放射する第1のスピーカと、前記音響管の他端に設け、前記第2の信号源から入力した音源信号に応じた音波を前記音響管内に放射する第2のスピーカを備え、前記第1の信号源から前記第1のスピーカに入力する音源信号が周期性を有する信号であり、この音源信号を位相調整して前記第2の信号源に入力し、前記第2の信号源から前記第2のスピーカに対する音源信号として出力するとともに、この第2のスピーカに対する音源信号の位相を微調整して、前記第1のスピーカで発生した空気の振動が前記第2のスピーカに到達する時に、反射しないように前記第2のスピーカの振動板を前記振動と同一方向に振動させる位相微調整回路を設けたことを特徴とする面進行波音場生成装置。
  4. 前記音響管の周面に、前記音響管内に音響センサを挿脱可能に配置するための挿入部を設けたことを特徴とする前記請求項1〜3のいずれか1項記載の平面進行波音場生成装置を用いた音響センサ試験装置。
  5. 前記音響管の周面に多数の放音孔を設けたことを特徴とする前記請求項1〜3のいずれか1項記載の平面進行波音場生成装置を用いた指向性スピーカ。
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