JP2006349979A - 騒音低減装置 - Google Patents

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慶三 大西
Hideo Matsuda
秀雄 松田
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方志 寺内
Takanori Arai
隆範 新井
Naoki Yamagata
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【課題】遮音壁が無くても騒音低減ができる騒音低減装置を提供することを目的とする。
【解決手段】低周波音や騒音を発生する機器10に対し、その周りを遮音壁で囲むことなく、複数の制御スピーカ21を柱状支持体内に一定間隔で直線的に配置した制御ポール20で囲むものである。各制御スピーカ21から、機器10から発生する低周波音と逆位相の周波数の音(破線)を機器10に対して反対側に発生させると、制御ポール20より外側において、機器10から発生する低周波の音(実線)とが相互に干渉し、騒音が低減するという効果を奏する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、騒音を低減する騒音低減装置に関する。特に、遮音壁を使わずに、低周波音や騒音を低減できるものである。
騒音源から放射される騒音の伝搬音波を検出マイクロフォンで検出し、この騒音の伝搬音波と逆位相の音波をスピーカから出力することによって、所定の位置に設置された他の検出マイクロフォンによって検知される騒音を低減するアクティブ・ノイズ・コントロール(ANC)が知られている。
このようなアクティブ・ノイズ・コントロールとしては、例えば図10に示すように、検出マイクロフォン1と制御スピーカ5とを防音塀Bより騒音源S側に配置し、上端エッジEの音を低減することにより、受音点Mの騒音を低減する能動制御型防音装置が特許文献1に開示されている。この装置は、検出マイクロフォン1で騒音源Sから防音塀Bに対する入射音波を検出し、その検出信号からDSP(ディジタル・シグナル・プロセッサー)3で入射音波の振幅と位相を瞬時に計算して逆位相の音波信号を生成し、この音波信号を上端エッジE近傍に設置された制御スピーカ5に送って、制御音波を騒音源Sに向けて放射し、上端エッジEでの騒音ポテンシャルを消去するシステムである。
そのほかに、シンプルで小型な装置にして、防音性能を向上させることを目的とした能動音響制御装置が特許文献2に開示されている。この能動音響制御装置では、防音壁の上端に能動音響制御部を備え、能動音響制御部の音波検出器、制御回路、増幅器及び音波発生器で決まる伝達特性Gが負の無限大あるいは負の無限大の近傍、または、−1あるいは−1の近傍になるように調整されている。
また、開放された空間における騒音源からの騒音を十分に低減することを目的とする消音装置が特許文献3に開示されている。この消音装置は、この騒音源からの伝搬音波を打ち消すための干渉音波を空間に出力するスピーカと、騒音の伝搬音波を検出して電気信号に変換する検出マイクロフォンと、スピーカから出力される干渉音波を生成するための駆動信号生成手段と検出マイクロフォンにて検出される干渉音波を補正する電気信号補正手段としての駆動信号生成部とを備えた消音ユニットを複数配置している。
特公平7−82347「能動制御型防音装置」 特許3388961号「能動音響制御装置」 特開2003−66969号「消音装置・消音方法」
上記従来の技術を道路騒音や工場からの騒音に適用するには、必ず遮音壁が必要になるため、以下の課題が残されている。
即ち、従来のシステムを道路騒音等に適用するには、防音塀Bに沿った方向(紙面直交方向)にシステムを並べて設置する必要があるが、上端エッジEのある部分の音を低減するための制御スピーカ5の制御音波(干渉音波)は、広い範囲に拡がるため、上端エッジEの他の部分において逆に制御音圧が増大して増音させてしまい、消音効果が低減する場合があった。また、防音塀Bから離れた位置に民家などがある場合、その民家の位置において騒音を低減する際、制御音波の比較的大きなエネルギーが必要となる。また、民家の位置での騒音を低減するために制御音波のエネルギーを大きくすると、隣接するシステムの消音領域に影響を及ぼし、制御音波の音圧を増加させてしまって増音が生じ、消音効果が低減する場合があった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、遮音壁が無くても騒音低減ができる騒音低減装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の請求項1に係る騒音低減装置は、騒音を発生する機器の周囲を、複数の制御スピーカを配置してなる制御ポールまたは制御ネットで取り囲み、前記機器から発生する騒音と逆位相の音波を前記制御スピーカから発生させることにより、前記騒音を低減することを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項2に係る騒音低減装置は、請求項1において、前記制御ポールまたは制御ネットには、前記機器から発生する騒音を捉える検知マイクを備えたことを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項3に係る騒音低減装置は、請求項1において、前記機器側に、前記機器から発生する騒音を捉える検知マイク又は前記機器が発生する振動を捉える振動センサを備えたことを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項4に係る騒音低減装置は、請求項2において、同一の前記制御ポールまたは制御ネット内における前記各制御スピーカは、それぞれ独立に制御されることを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項5に係る騒音低減装置は、請求項2又は4において、同一の前記制御ポールまたは制御ネット内における前記各制御スピーカ同士の干渉を抑えるための相互フィードバックキャンセラを設けたことを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項6に係る騒音低減装置は、請求項5において、複数の前記制御ポールまたは制御ネット間における前記各制御スピーカ同士の干渉を抑えるための相互フィードバックキャンセラを設けたことを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項7に係る騒音低減装置は、請求項1,2,3,4,5又は6において、前記制御スピーカは、前記機器において前記機器から発生する騒音を捉える検知マイク乃至前記機器が発生する振動を捉える振動センサ、又は、前記機器と反対側において騒音を低減すべき位置に配置された誤差センサとを組み合わせて消音ユニットを構成することを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項8に係る騒音低減装置は、請求項1,2,3,4,5,6又は7において、前記機器が、固定音源又は移動音源であり、前記固定音源については、その少なくとも二側面を前記消音ユニットで取り囲むこと、前記移動音源については、その少なくとも一側面を前記消音ユニットで取り囲むことを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項9に係る騒音低減装置は、請求項1,2,3,4,5,6,7又は8において、前記制御スピーカとして、直線的、平面的又は立体的に配置されたスピーカアレイを使用することを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項10に係る騒音低減装置は、請求項1,2,3,4,5,6,7又は8において、前記制御スピーカとして、鋭い指向性を有するパラメトリックスピーカを使用することを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項11に係る騒音低減装置は、請求項1,2,3,4,5,6,7又は8において、前記制御スピーカとして、一定間隔で孔又はスリットを配置した管体の両端に端部インピーダンス制御スピーカを取り付けた端部インピーダンス制御スピーカ付き指向性スピーカを使用することを特徴とする。
本発明の請求項1に係る騒音低減装置は、低周波音である騒音を発生する機器の周囲を、複数の制御スピーカを配置してなる制御ポールまたは制御ネットで取り囲み、前記機器から発生する騒音と逆位相の音波を前記制御スピーカから発生させるので、遮音壁を使わずに、低周波騒音の低減が可能となるという効果を奏する。
本発明の請求項2に係る騒音低減装置は、請求項1記載の発明と同様な効果を奏する他、前記制御ポールまたは制御ネットには、前記機器から発生する騒音を捉える検知マイクを備えたので、制御ポールまたは制御ネットを個々に独立に設置でき、システムの簡便化が計れる利点もある。
本発明の請求項3に係る騒音低減装置は、請求項1記載の発明と同様な効果を奏する他、前記機器側に、前記機器から発生する騒音を捉える検知マイク又は前記機器が発生する振動を捉える振動センサを備えたので、検知マイクが制御スピーカから離れるか、または検知マイクに代えて振動検知センサを用いるために、制御スピーカのハウリングが防げる利点もある。
本発明の請求項4に係る騒音低減装置は、請求項2記載の発明と同様な効果を奏する他、同一の前記制御ポールまたは制御ネット内における前記各制御スピーカは、それぞれ独立に制御されるので、各制御スピーカの制御回路が単自由度となりコストダウンができる利点もある。
本発明の請求項5に係る騒音低減装置は、請求項2又は4記載の発明と同様な効果を奏する他、同一の前記制御ポールまたは制御ネット内における前記各制御スピーカ同士の干渉を抑えるための相互フィードバックキャンセラを設けたので、前記機器から発生される低周波騒音以外の影響を受けず、各制御スピーカからの制御音圧が大きくでき、制御性能を向上できる利点もある。
本発明の請求項6に係る騒音低減装置は、請求項5記載の発明と同様な効果を奏する他、複数の前記制御ポールまたは制御ネット間における前記各制御スピーカ同士の干渉を抑えるための相互フィードバックキャンセラを設けたので、前記機器から発生される低周波騒音以外の影響を受けず、各制御スピーカからの制御音圧を更に大きくでき、制御性能を更に向上できる利点もある。
本発明の請求項7に係る騒音低減装置は、請求項1,2,3,4,5又は6記載の発明と同様な効果を奏する他、前記制御スピーカは、前記機器において前記機器から発生する騒音を捉える検知マイク乃至前記機器が発生する振動を捉える振動センサ、又は、前記機器と反対側において騒音を低減すべき位置に配置された誤差センサとを組み合わせて消音ユニットを構成したので、消音ユニット毎に検知マイク、振動センサ又は誤差センサに基づいて制御スピーカを制御できる利点がある。
本発明の請求項8に係る騒音低減装置は、請求項1,2,3,4,5,6又は7記載の発明と同様な効果を奏する他、前記機器が、固定音源又は移動音源であり、前記固定音源については、その少なくとも二側面を前記消音ユニットで取り囲むこと、前記移動音源については、その少なくとも一側面を前記消音ユニットで取り囲むので、固定音源に限らず、移動音源についても、遮音壁を設けずに低周波騒音を低減できる利点がある。
本発明の請求項9に係る騒音低減装置は、請求項1,2,3,4,5,6,7又は8記載の発明と同様な効果を奏する他、前記制御スピーカとして、直線的、平面的又は立体的に配置されたスピーカアレイを使用するので、制御音波の指向性を高め、増音領域を少なくすることができる利点がある。
本発明の請求項10に係る騒音低減装置は、請求項1,2,3,4,5,6,7又は8記載の発明と同様な効果を奏する他、前記制御スピーカとして、鋭い指向性を有するパラメトリックスピーカを使用するので、特に、制御音波の指向性を高め、増音領域を無くすか少なくすることができる利点がある。
本発明の請求項11に係る騒音低減装置は、請求項1,2,3,4,5,6,7又は8記載の発明と同様な効果を奏する他、前記制御スピーカとして、一定間隔で孔又はスリットを配置した管体の片端に端部インピーダンス制御スピーカを取り付けた端部インピーダンス制御スピーカ付き指向性スピーカを使用するので、多数のスピーカを並べるよりも低コストとなり、また管体の片端を吸音材などの材料にする場合よりも低周波音の吸音率が良いため装置そのものがコンパクトとなるという利点がある。
本発明を実施するための最良の形態を図1(a)(b)に示す。図1(a)(b)に示すように、低周波音や騒音を発生する機器10に対し、その周りを遮音壁で囲むことなく、複数の制御スピーカ21を柱状支持体内に一定間隔で直線的に配置した制御ポール20で囲むものである。各制御スピーカ20は、外側を向いて、つまり、機器10に対して反対側を向いて配置されている。各制御スピーカ21の間隔は、例えば、対象音の波長の4分の1以下のピッチとする。
従って、各制御スピーカー21から、機器10から発生する低周波音と逆位相の周波数の音を図中破線で示すように機器10に対して反対側に発生させると、制御ポール20より外側において、機器10から発生する図中実線で示す低周波の音とが相互に干渉し、騒音が低減するという効果を奏する。
ここで、各制御ポール20に検知マイク(図示省略)を備え、これら検知マイクで機器10から発生する低周波音を捉えて、各制御ポール20毎に逆位相の音を出力できるように、制御スピーカ21を制御するようにすれば、制御ポール20を個々に独立に設置でき、システムの簡便化が計れる利点もある。
また、機器10側に検知マイク又は振動検知センサ(これらを総称して、検知センサという)を備え、これら検知センサで機器10から発生する低周波音又は振動を捉えて、逆位相の音を出力できるように、制御スピーカ21を制御するようにすれば、検知マイクが制御スピーカ21から離れるか、または検知マイクに代えて振動検知センサを用いるために、制御スピーカ21のハウリングが防げる利点もある。
更に、同一の制御ポール20内の各制御スピーカ21をそれぞれ独立に制御することもでき、そうすると、各制御スピーカ21の制御回路が単自由度となりコストダウンができる利点もある。
また、同一の制御ポール20内の各々の制御スピーカ同士で干渉しないよう、後述するような相互フィードバックキャンセラを加えることもでき、そうすると、各制御スピーカ21からの制御音圧が大きくでき、制御性能を向上できる利点もある。
更に、同一の制御ポール20内の各々の制御スピーカ同士で、相互フィードバックキャンセラを加えるだけでなく、複数の制御ポール20間で干渉しないように、後述するように、相互フィードバックキャンセラを加えることもでき、そうすると、各制御スピーカ21からの制御音圧を更に大きくでき、制御性能を更に向上できる利点もある。
本発明の実施例1を図2(a)(b)に示す。本実施例は、騒音を発生する機器として、固定音源又は移動音源の両方を対象とするものである。
即ち、図2(a)は、図中Y方向に進行する車輌等の移動音源30に対して、その一側面(Y−Z面)に消音ユニット50(図中黒丸で示す)を一定間隔で縦横に網目状に配置したものである。これを制御ネットと称する。移動音源30の発生する騒音の周波数は、約250Hz〜2kHzである。
図2(b)は、変圧器等の固定音源40に対して、その二側面(X−Z面及びY−Z面)に消音ユニット50(図中黒丸で示す)を一定間隔で縦横に網目状に配置したものであり、固定音源40には振動センサ41が取り付けられている。
移動音源30に対しては、移動する方向に関して、消音ユニット50を配置することはできないが、移動音源30の上部に配置することはできる。固定音源40に対しては、図中に示す二側面以外の他の側面に消音ユニット30を配置することができる。
消音ユニット50は、検知マイク、振動センサ及び誤差センサとの組み合わせにより、以下の通り、三つの態様がある。
一つ目の態様は、図3(a)に示すように、制御スピーカ51と、その制御スピーカ51と音源30,40との間に配置される検知センサ(マイク)52とからなるものである。
二つ目の態様は、制御スピーカ51と、その制御スピーカ51と音源30,40との間に配置される検知センサ(マイク)52として振動センサ41を用いたものである。
三つ目の態様は、図3(b)に示すように、制御スピーカ51と、制御スピーカー51に対して音源30,40の反対側に配置される誤差センサ53とからなるものである。
[検知センサ]
検知センサ52は、制御スピーカ51よりも音源30,40に近くに配置され、音源30,40が発生する低周波音または騒音を捉えて、逆位相の音を制御スピーカ51から出力するようにフィードフォワード制御を行う。例えば、図4,図5に示すように、検知センサ52又は振動センサ41で捉えた低周波音または騒音に基づいて、駆動信号生成部54でその逆位相の音を生成して制御スピーカ51で出力するものである。このような制御は、図1に示す制御ポール20においても同様に行われる。
検知センサ52としては、無指向性マイク又は指向性マイクよりなる検知マイク、或いは、振動センサが用いられる。
[誤差センサ]
誤差センサ53は、制御スピーカ51よりも音源30,40から遠くに配置され、音源30,40が発生する低周波音を捉えて、逆位相の音を制御スピーカ51から出力して誤差センサ53の配置される位置において騒音が最小となるようにフィードバック制御を行う。例えば、道路や工場に隣接する民家などに配置される。
誤差センサ53としては、無指向性マイク又は指向性マイクが用いられる。
[制御スピーカ]
制御スピーカ51としては、一般の無指向性スピーカ又は指向性スピーカが用いられる他、以下のような特殊な指向性スピーカを使用することができる。
<直線的配置スピーカアレイ>
複数のスピーカユニットを横一列に配置し、これらのスピーカユニットを電気的に並列接続したものである。
各スピーカユニットに音声信号を入力すると、各スピーカから音波として外部に放射され、スピーカユニットの配列軸と垂直な方向においては、ある程度スピーカから離れていれば、各スピーカユニットからの距離はほぼ等しいと見なせるため、各スピーカユニットから到達した音波は全て同位相となり、互いに音波が強め合う。このためスピーカの中心軸上に対しては指向性が高くなる。
<指向性制御型スピーカアレイ>
図6に示す指向性制御型スピーカ・アレイ・システムは、複数のFIR(有限応答長デジタル・フィルタ)フィルタ70,71,…7n、複数の増幅器80,81,…8n、複数のスピーカ・ユニット90,91a…9na,91b…9nb及び検出マイクロホン52、駆動信号生成部60とから構成される。
複数のスピーカ・ユニット90,91a…9na,91b…9nbは、直線的、平面的又は立体的に配置される。FIRフィルタ70,71,…7nは、スピーカ・ユニット90,91a…9na,91b…9nbの特性に合わせて、システムの指向性を最も良く所望のものに近づけるようなフィルタ特性が持たされている。
従って、検出マイクロホン52で低周波音や騒音を検出すると、駆動信号生成部60でその逆位相の音信号生成され、FIRフィルタ70,71,…7n、複数の増幅器80,81,…8nを経て、複数のスピーカ・ユニット90,91a…9na,91b…9nbから出力されると、ある地点において騒音を効果的に低減できることになる。
また、複数のスピーカを平面的に配置した平面的配置スピーカアレイを用い、アレイの中心から焦点までの経路と各スピーカユニットから焦点までの経路との差に応じた遅延量を与えた信号により駆動するこにより、上記と同様な効果を得ることができる。
<相互フィードバックキャンセラ付きスピーカアレイ>
スピーカアレイには、相互フィードバックキャンセラを設けることも可能である。
例えば、図8に示すように、消音装置100は、2つの消音ユニット110a、消音ユニット110bから構成され、2つの消音ユニット110a、消音ユニット110bが並設されている場合には、消音ユニット110a, 110bを並設した場合、消音ユニット110aからばかりでなく、消音ユニット110bからも、騒音源120からの騒音の伝搬音波を低減させるための干渉音波が出力される。
そのため、消音ユニット110aの検出マイクロフォン111aと消音ユニット110bの検出マイクロフォン111bとで検出される騒音源120からの伝搬音波の大きさは、伝搬音波の距離に依存する減衰のために異なるものとなる。
そこで、騒音源120からの騒音の伝搬音波を打ち消すために、消音ユニット110aのスピーカ112aからはFという特性をもつ干渉音波が、消音ユニット110bのスピーカ112bからはF1という特性をもつ干渉音波が出力される。ここでは、消音ユニット110bが消音ユニット110aに対して干渉する場合を例に説明する。
騒音源120からの騒音の伝搬音波は、消音ユニット110bの検出マイクロフォン111bによって検出され、電気信号に変換される。そしてこの電気信号は、検出マイクロフォン111bから駆動信号生成部113bへと送られる。
そこで、消音ユニット110bの駆動信号生成部113bでは、検出された伝搬音波の電気信号に基づいて、W1という特性をもつ駆動信号が生成される。このW1という特性をもつ電気信号は、検出された伝搬音波を、定められた位置で低減させるように予め決められた値に基づいて生成される。
そしてこのW1という特性をもつ駆動信号は、駆動信号生成部113bからスピーカ112bへと送られる。スピーカ112bは、このようにして送られてきたW1という特性をもつ電気信号に基づいてF1という特性をもつ干渉音波を出力し、騒音源120からの騒音の干渉音波を減衰させて騒音を低減する。
同様に消音ユニット110aではWという特性を持つ電気信号が生成される。消音ユニット110bのスピーカ112bから出力されたF1という特性をもつ干渉音波は、並設された消音ユニット110aの検出マイクロフォン111aにて検知される。
ところが消音ユニット110aが、騒音源120からの騒音の伝搬音波と、並設された消音ユニット110bから出力されたF1という特性をもつ干渉音波とを同時に検出し、これら両方の音波を低減させるための干渉音波を出力するとハウリングが起こる。
そこで、消音ユニット110aの検出マイクロフォン111aにて、消音ユニット110bから出力されたF1という特性をもつ干渉音波が検出されたときに、このF1という特性をもつ干渉音波による影響を無くするためのフィードバックキャンセラ機構を設ける。消音ユニット110aが消音ユニット110bから出力されたF1という特性をもつ干渉音波の影響を受けないようにするためには、消音ユニット110aにF1という特性と逆特性であるF1´という特性をもつ電気信号を与えてやれば良い。
消音ユニット110aと消音ユニット110bとは、それぞれ独立した構成となっているが、このF1´という特性をもつ電気信号の受け渡しを行うために相互に接続されている。
そこで、消音ユニット110aの駆動信号生成部113aは、検出マイクロフォン111aにて検出されたこれらの音波による電気信号に対して、F1´という特性をもつ電気信号を用いてフィードバックを行い、この検出された電気信号の増減を行って補正する。
F1´という特性をもつ電気信号は、F1の特性を予め測定しておけば、このF1の特性をもつ干渉音波が消音ユニット110aに与える影響を考慮して任意に変化させることができる。このようにすれば、消音ユニット110aでは、並設された消音ユニット110bから出力された干渉音波の影響によるハウリングを起こすことなく、騒音源120からの騒音の伝搬音波だけを低減させるための干渉音波を発生させることができる。
<パラメトリックスピーカ>
パラメトリックスピーカは、強力な超音波が空気を伝搬する過程でひずみ成分が発生し、そのひずみ成分を利用することによって可聴帯域の音を得る原理(非線形性)を採用する超指向性スピーカである。
即ち、パラメトリックスピーカは、音源から異なる周波数f1およびf2をそれぞれ有する2つの超音波SW1およびSW2が特定の伝播媒質に向けて放射されたとすると、これら2つの超音波SW1とSW2とは互いに干渉し合うことにより周期的に振動が強弱に変化するいわゆるうなりが発生する。
この場合の合成された搬送波の周波数は(f1+f2)/2であり、うなりに相当する振幅変調波の周波数は(f1−f2)/2(ただし、f1>f2)で表わされる。そこで、この場合の成分波形が双方とも十分に大きい大振幅音波であると、2次波音源域に合成2次波形として次第にひずんで最後は(f1−f2)に相当する差音を発生して消滅する。
音波SW1およびSW2を1次波、差音を2次波とすると、1次波が減衰するまで2次波が仮想音源として機能し、非常に長い伝播距離の仮想音源が形成されるので、差音の周波数が可聴周波数であっても非常に鋭い指向性をもつことになる。
<端部インピーダンス制御スピーカ付き指向性スピーカ>
端部インピーダンス制御スピーカ付き指向性スピーカ200は、図9に示すように、一定間隔で孔(スリット)230を配置した管体210の両端に端部インピーダンス制御スピーカ220a,220bを取り付けたものである。
この端部インピーダンス制御スピーカ付き指向性スピーカ200は、特開平11−234784号に開示される超指向性スピーカを改良したものである。
即ち、特開平11−234784号に開示される超指向性スピーカが一定間隔で孔(スリット)を配置した管体の一端にスピーカを取り付け、他端には吸音材等が配置され、管体の長手方向にしか指向性が得られない。
これに対し、端部インピーダンス制御スピーカ付き指向性スピーカ200は、図中左側のA端を無反射端として制御すると、孔(スリット)230から漏れる音が干渉して、管体210の長手方向である図中X方向に高い指向性が得られ、また、図中左側のA端を反射端として制御すると、孔(スリット)230から漏れる音が干渉して、管体210の長手方向と直交する図中Y方向に高い指向性が得られ、更に、図中左側のA端を中間反射端として制御すると、孔(スリット)230から漏れる音が干渉して、無指向性ではなく中間の指向性が得られるという特徴がある。
その原理は、以下の通りである(「ダクト音響インピーダンスのアクティブコントロール」、西村正治、大西慶三、新井隆範著、日本音響学会公演論文集、平成8年9月)。
即ち、計測された反射音波と所望の反射音波との差を誤差信号としたFiltered-X-LMSアルゴリズムに基づいて、ダクト端の音響インピーダンスを任意にアクティブに制御するものである。
図7に示すように、制御マイクロホンとしてはペアマイクロホンを使用し、(1)〜(4)式により入射音波Pi(t)と反射音波Pr(t)を分離計測している。
Figure 2006349979
ここで、P(t),u(t)はそれぞれ制御点での音圧と粒子速度、P1(t),P2(t)と各制御マイクロホンの音圧、ρは密度、cは音速、Δrはペアマイクロホンの間隔である。制御スピーカは、音源から見て誤差マイクロホンより遠方側に配置し、反射音を制御する。制御点で目標とする音響インピーダンスをZ(f)とすると、その点での複素音圧反射率R(f)は(5)式で与えられる。ここで、Sはダクト面積である。音圧反射率を入射音から反射音への伝達関数であると考えると、制御点での目標とすべき反射音p'r(t)は計測された入射音Pi(t)と反射率のインパルスレスポンスr(t)のコンボリュウションで(6)(7)式のように表される。
よって、誤差信号e(t)を(8)式のように定義すると、図7に示すように、Filtered-X-LMSアルゴリズムによる適応制御が可能である。なお、r(t)は一般に遅れ系となり、FIRフィルタによって記述が可能である。
上記制御手法の妥当性を検証すべく、管体の一端に音源スピーカを配置し、他端に制御用スピーカを配置し、制御マイクロホンからの信号はDSPで(1)〜(8)式の演算を実施し、ANCに入力されている。なお、音源スピーカ、制御用スピーカは図9におけるスピーカ220b,220aと左右逆である。参照信号としては、簡単のため、音源スピーカの入力信号を用いた。
その結果を図11に示す。図11に示すように、無反射端を目標として制御をかけることにより(システムオン)、R(f)=0つまりe(t)=pr(t)としている。つまり、制御をかけることにより、吸音率(Absorption Coefficient)がほとんどゼロとなり目標どおりの制御が実現されていることがわかる。また、システムオフの場合はその逆の特性が得られることが判る。
本発明は、遮音壁を使わずに、低周波音や騒音を低減する騒音低減装置であり、移動音源に対する道路騒音に適用されるだけでなく、工場の変圧器等の固定音源に対しても広く適用できるものである。
本発明の最適の実施態様を示す説明図である。 移動音源又は固定音源に対する実施例を示す説明図である。 消音ユニットを示す説明図である。 消音ユニットを示すブロック図である。 消音ユニットを示すブロック図である。 直線的スピーカアレイを示すブロック図である。 ダクト音響インピーダンスのアクティブコントロールを示す回路図である。 フィードバックキャンセラ機構を設けたスピーカアレイのブロック図である。 端部インピーダンス制御スピーカ付き指向性スピーカの構造図である。 従来例を示す説明図である。 ダクト音響インピーダンスのアクティブコントロールの試験結果を示すグラフである。
符号の説明
10 変圧器等、低周波音(騒音)を発生する機器
20 制御ポール
21 制御スピーカ
30 車輌等の移動音源
40 変圧器等の固定音源
41 振動センサ
50 消音ユニット(制御ネット)
51 制御スピーカ
52 検知センサ(マイク)
53 誤差センサ
54,60 駆動信号生成部
70,71,…7n FIRフィルタ
80,81,…8n 増幅器
90,91a…9na,91b…9nb スピーカ・ユニット
100 消音装置
110a,110b 消音ユニット
111a,111b 検出マイクロフォン
112a,112b スピーカ
113a,113b駆動信号生成部
120 騒音源
200 端部インピーダンス制御スピーカ付き指向性スピーカ
210 管体
220a,220b 端部インピーダンス制御スピーカ
230 孔(スリット)

Claims (11)

  1. 騒音を発生する機器の周囲を、複数の制御スピーカを配置してなる制御ポールまたは制御ネットで取り囲み、前記機器から発生する騒音と逆位相の音波を前記制御スピーカから発生させることにより、前記騒音を低減することを特徴とする騒音低減装置。
  2. 前記制御ポールまたは制御ネットには、前記機器から発生する騒音を捉える検知マイクを備えたことを特徴とする請求項1記載の騒音低減装置。
  3. 前記機器側に、前記機器から発生する騒音を捉える検知マイク又は前記機器が発生する振動を捉える振動センサを備えたことを特徴とする請求項1記載の騒音低減装置。
  4. 同一の前記制御ポールまたは制御ネット内における前記各制御スピーカは、それぞれ独立に制御されることを特徴とする請求項2記載の騒音低減装置。
  5. 同一の前記制御ポールまたは制御ネット内における前記各制御スピーカ同士の干渉を抑えるための相互フィードバックキャンセラを設けたことを特徴とする請求項2又は4記載の騒音低減装置。
  6. 複数の前記制御ポールまたは制御ネット間における前記各制御スピーカ同士の干渉を抑えるための相互フィードバックキャンセラを設けたことを特徴とする請求項5記載の騒音低減装置。
  7. 前記制御スピーカは、前記機器において前記機器から発生する騒音を捉える検知マイク乃至前記機器が発生する振動を捉える振動センサ、又は、前記機器と反対側において騒音を低減すべき位置に配置された誤差センサとを組み合わせて消音ユニットを構成することを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6記載の騒音低減装置。
  8. 前記機器が、固定音源又は移動音源であり、前記固定音源については、その少なくとも二側面を前記消音ユニットで取り囲むこと、前記移動音源については、その少なくとも一側面を前記消音ユニットで取り囲むことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6又は7記載の騒音低減装置。
  9. 前記制御スピーカとして、直線的、平面的又は立体的に配置されたスピーカアレイを使用することを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7又は8記載の騒音低減装置。
  10. 前記制御スピーカとして、鋭い指向性を有するパラメトリックスピーカを使用することを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7又は8記載の騒音低減装置。
  11. 前記制御スピーカとして、一定間隔で孔又はスリットを配置した管体の両端に端部インピーダンス制御スピーカを取り付けた端部インピーダンス制御スピーカ付き指向性スピーカを使用することを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7又は8記載の騒音低減装置。
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