JP5387253B2 - トランス通信回路 - Google Patents

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Description

本発明は、トランス通信回路に係り、特に、IC上に設けられたトランスを用いてデジタル信号の通信を行うトランス通信回路に関する。
従来、IC上のトランスを用いて信号伝送を行うトランス通信回路が知られている(例えば、特許文献1参照)。このトランス通信回路においては、トランスの一次側に矩形波が入力されると、その二次側にその入力矩形波の微分波形が現われる。この微分波形は、矩形波の電圧立ち上がり及び電圧立ち下がりに合わせて+側の波形及び−側の波形が現われるものであると共に、入力される信号のハイ/ローに応じて+側の波形と−側の波形との順序が入れ替わるものである。
上記のトランス通信回路においては、二次側に現われる矩形波の微分波形が+側の波形であるのか或いは−側の波形であるのかが区別されると共に、+側の波形及び−側の波形の何れの波形が先に現われるのかが判定される。そして、その判定結果に基づいて伝送すべき入力信号のハイ/ローが判別されて、信号の伝送が行われる。
米国特許第6,720,816号明細書
しかしながら、トランスの二次側に発生する微分波形のパルス幅が非常に小さいと、そのパルスの検出が困難となり、その結果として、+側の波形及び−側の波形の何れの波形が先に現われるかの判定や入力信号のハイ/ローの判別が適切に行われなくなるおそれがある。
尚、二次側の波形パルスを安定的に検出するためには、そのパルス幅を広げるか、或いは、パルス検出を行うためのコンパレータを高速処理可能なものとすることが考えられる。しかし、パルス幅を広げるためには、一次側回路の時定数を大きくする必要があり、その結果として、インダクタンスを大きくかつ抵抗を小さくするためにトランスの規模を大きくせざるを得なくなってしまう。また、コンパレータを高速処理可能なものとすると、一般的にその消費電力が大きくなってしまう。従って、二次側に発生する波形パルスそのものを検出して入力信号伝送を行うことは適切でない。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、トランスを大型化することなく簡易な構成で適切にデジタル信号の伝送を行うことが可能なトランス通信回路を提供することを目的とする。
上記の目的は、IC上に設けられたトランスを用いてデジタル信号の通信を行うトランス通信回路であって、前記トランスの一次側へ電流の立ち上がりの変化率と立ち下がりの変化率とに差を設け、かつ、伝送すべきデジタル信号のレベルに応じて前記差を異ならせた信号を送信する送信手段と、前記トランスの二次側に発生するパルス波形を正側と負側とでそれぞれ独立して検波する検波手段と、前記検波手段により検波された正側の信号と負側の信号とを合成する合成手段と、前記合成手段により得られた信号に基づいてデジタル信号を復調する復調手段と、を備えるトランス通信回路により達成される。
この態様の発明において、トランスの一次側には、電流の立ち上がりの変化率と立ち下がりの変化率とに差を設けた信号が入力される。かかる信号がトランスの一次側に入力されると、その二次側に正側のパルスと負側のパルスとが現われるが、これらの正側のパルスと負側のパルスとの間にレベル差が生じる。本発明においては、トランス二次側のパルス波形の正側と負側とがそれぞれ独立して検波され、そして、それら検波後の信号が合成され、その合成された信号に基づいてデジタル信号が復調される。かかる構成によれば、二次側のパルス波形そのものを用いることなく、整流された検波信号を用いて元の入力デジタル信号の復調を行うことができるので、パルス幅を広げるために大型のトランスを用いることは不要であり、また、デジタル信号の復調を行ううえで高速対応の消費電力の大きいコンパレータを使用することは不要である。従って、本発明によれば、トランスを大型化することなく簡易な構成で適切にデジタル信号の伝送を行うことができる。
尚、上記したトランス通信回路において、前記検波手段における正側の信号が現われる正側端子と負側の信号が現われる負側端子との間に設けられた、両端子間の電位差を一定に維持させるための電圧安定化素子を備えることとすれば、二次側のパルス波形の電圧立ち上がり及び電圧立ち下がりを共に早くすることができ、デジタル信号の伝送遅延を解消させることができる。
この場合、前記電圧安定化素子は、キャパシタ、ツェナダイオード、又はダイオードであることとしてもよい。
また、前記電圧安定化素子は、前記正側端子と前記負側端子との間で直列接続された同じ容量を有する2つのキャパシタからなり、前記2つのキャパシタの接続点が前記合成手段の出力端子であることとしてもよい。かかる構成によれば、二次側の寄生容量により応答出力が遅延するのを防止することができる。
また、上記したトランス通信回路において、前記トランスは、一次側が互いに逆方向に配置されかつ二次側が互いに同方向に配置された2つのトランスからなることとしてもよい。かかる構成によれば、外部からトランスにノイズが印加される場合に2つのトランスでのノイズが相殺されるので、デジタル信号の伝送を行ううえで外部からのノイズ磁界の影響を回避することができる。
また、上記したトランス通信回路において、前記送信手段は、前記トランスの一次側へ電流の立ち上がり速度と立ち下がり速度とに差を設けた速度差信号を送信するものであって、伝送すべきデジタル信号のレベルに応じて、該デジタル信号のものよりも十分に高い周波数を有する伝送用キャリアが伝送される際の電流立ち上がりが電流立ち下がりよりも早い状態と、遅い状態と、を切り替える切替手段を有することとしてもよい。かかる構成によれば、伝送すべきデジタル信号のレベルに応じて、二次側の正側パルスのレベル及び負側パルスのレベルを切り替えることができるので、デジタル信号の復調を適切に行うことができる。
更に、上記したトランス通信回路において、前記送信手段は、前記トランスの一次側へ電流の立ち上がりレベルと立ち下がりレベルとに差を設けたレベル差信号を送信するものであって、伝送すべきデジタル信号のレベルに応じて、該デジタル信号のものよりも十分に高い周波数を有する伝送用キャリアが伝送される際の電流立ち上がりレベルが電流立ち下がりレベルよりも高い状態と、低い状態と、を切り替える切替手段を有することとしてもよい。かかる構成においても、伝送すべきデジタル信号のレベルに応じて、二次側の正側パルスのレベル及び負側パルスのレベルを切り替えることができるので、デジタル信号の復調を適切に行うことができる。
この場合、前記伝送用キャリアは、第1周波数を有する第1キャリアと、前記第1周波数の2倍である第2周波数を有しかつ電流立ち上がり又は電流立ち下がりが前記第1キャリアの電流立ち上がり及び電流立ち下がりと同期する第2キャリアと、からなることとしてもよい。
更に、前記伝送用キャリアは、互いに同一周波数を有すると共に、一方の立ち下がりが他方の立ち上がりに同期した第1及び第2キャリアからなることとしてもよい。
本発明によれば、トランスを大型化することなく簡易な構成で適切にデジタル信号の伝送を行うことができる。
本発明の第1実施例であるトランス通信回路の構成図である。 本実施例のトランス通信回路における各部の比較的短時間での電圧波形を表した図である。 本実施例のトランス通信回路における各部の比較的長時間での電圧波形を表した図である。 本発明の第2実施例であるトランス通信回路の要部構成図である。 本実施例のトランス通信回路における各部の比較的長時間での電圧波形を表した図である。 本発明の変形例であるトランス通信回路の要部構成図である。 本発明の第3実施例であるトランス通信回路の要部構成図である。 本発明の変形例であるトランス通信回路の要部構成図である。 本発明の第4実施例であるトランス通信回路の要部構成図である。 本発明の第5実施例であるトランス通信回路の要部構成図である。 本発明の変形例であるトランス通信回路の要部構成図である。 本発明の第6実施例であるトランス通信回路の要部構成図である。 本実施例のトランス通信回路における各部の比較的短時間での電圧波形を表した図である。 本発明の第7実施例であるトランス通信回路の要部構成図である。 本実施例のトランス通信回路における各部の比較的短時間での電圧波形を表した図である。
以下、図面を用いて、本発明に係るトランス通信回路の具体的な実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施例であるトランス通信回路20の構成図を示す。図1に示す如く、本実施例のトランス通信回路20は、シリコン基板などのIC上に設けられたトランス22を備えている。トランス22は、ICの絶縁体を挟んで配置された2個のコイルからなるマイクロトランスである。本実施例のトランス通信回路20は、IC上のトランス22を用いて高速にオン/オフするデジタル信号を伝送する回路である。
トランス22の一次側には、そのトランス22へ送信する送信信号を生成する送信回路24が設けられている。送信回路24は、2つのOR回路26,28と、2つのAND回路30,32と、を有している。OR回路26,28及びAND回路30,32の一方の入力端子にはそれぞれ、伝送用キャリアが入力されている。この伝送用キャリアは、伝送すべきデジタル信号の周波数よりも十分に高い周波数を有している。AND回路30及びOR回路28の他方の入力端子にはそれぞれ、伝送すべきデジタル信号が入力されている。また、OR回路26及びAND回路32の他方の入力端子にはそれぞれ、インバータ34を介して、伝送すべきデジタル信号の反転信号が入力されている。
OR回路26の出力端子にはトランジスタQ1のゲートが、また、AND回路30の出力端子にはトランジスタQ2のゲートが、それぞれ接続されている。トランジスタQ1は、ソースが+電源端子に接続されかつドレインが抵抗R1の一端に接続されたPチャネルFETである。また、トランジスタQ2は、ドレインが抵抗R1の他端に接続されかつソースが接地されたNチャネルFETである。
また、OR回路28の出力端子にはトランジスタQ3のゲートが、また、AND回路32の出力端子にはトランジスタQ4のゲートが、それぞれ接続されている。トランジスタQ3は、ソースが+電源端子に接続されかつドレインが抵抗R2の一端に接続されたPチャネルFETである。また、トランジスタQ4は、ドレインが抵抗R2の他端に接続されかつソースが接地されたNチャネルFETである。抵抗R1と抵抗R2とは、略同じ抵抗値(例えば20kΩ)を有している。
抵抗R1の他端とトランジスタQ2のドレインとの接続点、及び、抵抗R2の一端とトランジスタQ3のドレインとの接続点には、トランジスタQ5のゲート(a点)が接続されている。トランジスタQ5は、ドレインがトランス22の一次側端子の一方に接続されかつソースが接地されたNチャネルFETである。トランス22の一次側端子は、一方がダイオードD1のアノードに接続され、かつ、他方がダイオードD1のカソード及び+電源端子に接続されている。すなわち、トランス22の一次側端子間には、トランジスタQ5のドレインから+電源端子へ向かう方向を順方向とするダイオードD1が接続されている。
トランス22の二次側端子は、一方(e点)が接地されていると共に、他方(b点)がダイオードD2のアノード及びダイオードD3のカソードに接続されている。ダイオードD2のカソード(c点)には、キャパシタC1の一端が接続されていると共に、抵抗R3の一端が接続されている。ダイオードD3のアノード(d点)には、キャパシタC2の一端が接続されていると共に、抵抗R4の一端が接続されている。キャパシタC1とキャパシタC2とは、略同じ容量(例えば1pF)を有している。また、抵抗R3と抵抗R4とは、略同じ抵抗値(例えば1MΩ)を有している。キャパシタC1の他端及びキャパシタC2の他端は共に、接地されている。また、抵抗R3の他端及び抵抗R4の他端(f点)は共に、コンパレータ36の非反転入力端子に接続されている。コンパレータ36の反転入力端子は接地されている。コンパレータ36の出力は、トランス通信回路20の出力として扱われる。
次に、図2及び図3を参照して、本実施例のトランス通信回路20の動作について説明する。図2は、本実施例のトランス通信回路20における各部の比較的短時間での電圧波形を表した図を示す。また、図3は、本実施例のトランス通信回路20における各部の比較的長時間での電圧波形を表した図を示す。
本実施例において、トランス通信回路20の伝送すべきデジタル信号がオン(すなわちハイレベル)信号である時は、OR回路28の出力がハイレベルでありかつAND回路32の出力がローレベルであるので、トランジスタQ3,Q4は共にオフされると共に、OR回路26の出力及びAND回路30の出力が伝送用キャリアに応じたものとなるので、トランジスタQ1,Q2のゲートには伝送用キャリアが伝達される。
この際、伝送用キャリアがハイレベルであるときは、OR回路26の出力がハイレベルとなるので、トランジスタQ1がオフし、かつ、AND回路30の出力がハイレベルとなるので、トランジスタQ2がオンする。一方、伝送用キャリアがローレベルであるときは、OR回路26の出力がローレベルとなるので、トランジスタQ1がオンし、かつ、AND回路30の出力がローレベルとなるので、トランジスタQ2がオフする。すなわち、伝送すべきデジタル信号のオン時は、トランジスタQ1,Q2がインバータとして動作するので、トランジスタQ5のゲートに伝送用キャリアが反転して伝えられる。
尚、このように伝達すべきデジタル信号がオンである時にトランジスタQ5のゲートへ伝送用キャリアが反転して伝達される場合は、トランジスタQ2のドレインとトランジスタQ5のゲートとの間には抵抗が介在しない一方、トランジスタQ1のドレインとトランジスタQ5のゲートとの間に抵抗R1が介在するので、トランジスタQ5のゲート電圧の立ち下がりが速やかに(短時間で)行われる一方、そのゲート電圧の立ち上がりが時間をかけてゆっくり行われ、ゲート電圧の立ち上がりに要する時間がゲート電圧の立ち下がりに要する時間に比べて長くなり、ゲート電圧の立ち上がり速度が立ち下がり速度に比べて遅くなる。
一方、トランス通信回路20の伝達すべきデジタル信号がオフ(すなわちローレベル)信号である時は、OR回路26の出力がハイレベルでありかつAND回路30の出力がローレベルであるので、トランジスタQ1,Q2は共にオフされると共に、OR回路28の出力及びAND回路32の出力が伝送用キャリアに応じたものとなるので、トランジスタQ3,Q4のゲートには伝送用キャリアが伝達される。
この際、伝送用キャリアがハイレベルであるときは、OR回路28の出力がハイレベルとなるので、トランジスタQ3がオフし、かつ、AND回路32の出力がハイレベルとなるので、トランジスタQ4がオンする。一方、伝送用キャリアがローレベルであるときは、OR回路28の出力がローレベルとなるので、トランジスタQ3がオンし、かつ、AND回路32の出力がローレベルとなるので、トランジスタQ4がオフする。すなわち、伝送すべきデジタル信号のオフ時は、トランジスタQ3,Q4がインバータとして動作するので、トランジスタQ5のゲートに伝送用キャリアが反転して伝えられる。
尚、このように伝達すべきデジタル信号がオフである時にトランジスタQ5のゲートへ伝送用キャリアが反転して伝達される場合は、トランジスタQ3のドレインとトランジスタQ5のゲートとの間には抵抗が介在しない一方、トランジスタQ4のドレインとトランジスタQ5のゲートとの間に抵抗R2が介在するので、トランジスタQ5のゲート電圧の立ち上がりが速やかに(短時間で)行われる一方、そのゲート電圧の立ち下がりが時間をかけてゆっくり行われ、ゲート電圧の立ち下がりに要する時間がゲート電圧の立ち上がりに要する時間に比べて長くなり、ゲート電圧の立ち下がり速度が立ち上がり速度に比べて遅くなる。
この点、伝送すべきデジタル信号のオン時は、トランジスタQ5のオフからオンへの切り替えが、トランジスタQ1がオンしかつトランジスタQ2がオフし始めてから時間をかけて行われる一方、トランジスタQ5のオンからオフへの切り替えが、トランジスタQ1がオフしかつトランジスタQ2がオンし始めてから直ちに行われる。一方、伝送すべきデジタル信号のオフ時は、トランジスタQ5のオンからオフへの切り替えが、トランジスタQ3がオフしかつトランジスタQ4がオンし始めてから時間をかけて行われる一方、トランジスタQ5のオフからオンへの切り替えが、トランジスタQ3がオンしかつトランジスタQ4がオフし始めてから直ちに行われる。
このように、本実施例においては、伝送すべきデジタル信号のオン/オフに応じて、トランジスタQ5のゲート電圧の立ち上がり速度と立ち下がり速度とに差を設けることができる。具体的には、伝送すべきデジタル信号がオンである時はトランジスタQ5のゲート電圧の立ち上がり速度が立ち下がり速度よりも遅くなるように両速度に差を設けた信号(速度差信号)を生成し、また、伝送すべきデジタル信号がオフである時はトランジスタQ5のゲート電圧の立ち下がり速度が立ち上がり速度よりも遅くなるように両速度に差を設けた信号(速度差信号)を生成することができる(図2におけるa点電位参照)。このため、伝送すべきデジタル信号のオン/オフに応じて、トランス22の一次側に流れる電流の立ち上がり速度と立ち下がり速度とを互いに異ならせることができ、具体的には、伝送すべきデジタル信号がオンである時はその電流の立ち上がり速度が立ち下がり速度よりも遅くなるように両速度に差を設けた信号を生成し、また、伝送すべきデジタル信号がオフである時はその電流の立ち下がり速度が立ち上がり速度よりも遅くなるように両速度に差を設けた信号を生成することができる。
本実施例のトランス通信回路20において、上記の如く生成された信号がトランス22の一次側に入力されると、トランス22の二次側にその入力信号の状態に応じたパルス状の波形電圧が発生する。具体的には、トランス22の一次側に流れる電流が立ち上がった際にはトランス22の二次側(e点を基準にしてb点)に負側のパルス波形が発生し、一方、トランス22の一次側に流れる電流が立ち下がった際にはトランス22の二次側(e点を基準にしてb点)に正側のパルス波形が発生する。
そして、これら正側のパルス波形と負側のパルス波形とは、伝送すべきデジタル信号が同じ状況にあれば、ピークレベルについて非対称である。具体的には、伝送すべきデジタル信号がオフである時は、正側のピークレベルが比較的小さくかつ負側のピークレベルが比較的大きくなるので、負側波形が正側波形に比して優性になる一方、伝送すべきデジタル信号がオンである時は、正側のピークレベルが比較的大きくかつ負側のピークレベルが比較的小さくなるので、正側波形が負側波形に比して優性になる(図2におけるb点電位参照)。
トランス通信回路20において、トランス22の二次側端子(b点)に接続するダイオードD2、キャパシタC1、及び抵抗R3は、その二次側端子(b点)に生ずる正側波形を取り出す正側検波回路を構成すると共に、その二次側端子(b点)に接続するダイオードD3、キャパシタC2、及び抵抗R4は、その二次側端子(b点)に生ずる負側波形を取り出す負側検波回路を構成する。
上記の正側検波回路では、e点を基準にしてb点に生ずる波形が正側波形である場合にのみ、ダイオードD2が導通してキャパシタC1にその正側波形のピーク電圧が充電される。正側波形のピークレベルが比較的小さいときは、キャパシタC1の電圧があまり上昇しないので、c点電位は基準電圧近傍の値となるが、正側波形のピークレベルが比較的大きいときは、キャパシタC1の電圧が上昇するので、c点電位は基準電圧に比べて正側へ大きくなる。尚、その正側波形のピークレベルが小さくなると、キャパシタC1から抵抗R3を通して放電が行われることで、キャパシタC1の電圧が低下してc点電位が基準電圧へ向けて低下する。
また、上記の負側検波回路では、e点を基準にしてb点に生ずる波形が負側波形である場合にのみ、ダイオードD3が導通してキャパシタC2にその負側波形のピーク電圧が充電される。負側波形のピークレベルが比較的小さいときは、キャパシタC2の電圧があまり上昇しないので、d点電位は基準電圧近傍の値となるが、負側波形のピークレベルが比較的大きいときは、キャパシタC2の電圧が上昇するので、d点電位は基準電圧に比べて負側へ大きくなる。尚、その負側波形のピークレベルが小さくなると、キャパシタC2から抵抗R4を通して放電が行われることで、キャパシタC2の電圧が低下してd点電位が基準電圧へ向けて上昇する。
正側のパルス波形と負側のパルス波形とのうち何れの波形が優性であるかを判定するうえでは、両パルス波形のレベル高さを比較すればよく、具体的には、両パルス波形の電圧の絶対値の差を演算してその差が正値であるか負値であるかの判定を行うこととすればよい。その差が正値であれば、正側パルス波形のレベルが負側パルス波形のレベルに比して高く、正側パルス波形が優性になり、その差が負値であれば、負側パルス波形のレベルが正側パルス波形のレベルに比して高く、負側パルス波形が優性になる。
そこで、トランス通信回路20において、上記した正側検波回路及び負側検波回路は、トランス22の二次側とコンパレータ36との間で互いに直列に配置されており、両検波回路の出力は抵抗R3,R4を用いて合成されて加算されている。尚、両検波回路の出力は互いに正負逆方向の値である。このため、上記の如く両検波回路の出力加算は、両パルス波形の電圧の絶対値の差をとっていることと等価になる。従って、抵抗R3と抵抗R4との間すなわちコンパレータ36の非反転入力端子に、正側検波回路の出力である正側パルス波形と負側検波回路の出力である負側パルス波形とのレベル差に応じた信号が現れる。
コンパレータ36は、非反転入力端子に現われる信号の電圧レベルを、反転入力端子に現われる基準電圧(具体的には接地電圧=0ボルト)と比較して、伝送すべきデジタル信号を復調する。具体的には、上記比較の結果、信号の電圧レベルが基準電圧以上であるときはハイレベル信号を出力し、一方、信号の電圧レベルが基準電圧未満であるときはローレベル信号を出力する。
このように、本実施例においては、トランス22の二次側に、伝送すべきデジタル信号のオン/オフに応じてピークレベル(高さ)の大小が変化する正側のパルス波形と負側のパルス波形とをそれぞれ別個独立に発生させると共に、それらトランス22の二次側に発生する正側のパルス波形と負側のパルス波形とをそれぞれ別個独立に安定的に検波してそれら正負のパルスの各検波結果の比較結果に基づいてデジタル信号を復調することができる。従って、本実施例のトランス通信回路20によれば、入力側から出力側へデジタル信号の伝送を行うことが可能となっている。
尚、本実施例のトランス通信回路20において、デジタル信号の復調を行うコンパレータ36へ入力される入力信号は、トランス22の二次側端子に発生するような高速なパルス信号自体ではなく、キャパシタC1,C2で正負それぞれ別個独立に整流した電位レベルの和であるレベル信号である。このため、デジタル信号を復調するうえで、高速なパルスに応答する消費電力の大きいコンパレータを用いることは不要であり、低速対応の消費電力の小さいコンパレータを用いれば十分である。また、トランス22の小型化によってその二次側に発生するパルスの幅を短くしても、コンパレータ36には上記のレベル信号が入力されるので、デジタル信号の復調を適切に行うことが可能である。この点、パルス幅を広げるために時定数を大きく(すなわちインダクタンスを大きくかつ抵抗を小さく)した大型のトランスを用いることは不要である。
従って、本実施例のトランス通信回路20によれば、トランス22を大型化することなく簡易かつ低廉な構成で適切にデジタル信号の伝送を行うことが可能となっていると共に、デジタル信号の伝送を行ううえで消費電力が過大となるのを防止することが可能となっている。
尚、上記の第1実施例においては、送信回路24が特許請求の範囲に記載した「送信手段」に、ダイオードD2とキャパシタC1と抵抗R3とからなる正側検波回路、及び、ダイオードD3とキャパシタC2と抵抗R4とからなる負側検波回路が特許請求の範囲に記載した「検波手段」に、抵抗R3と抵抗R4とを直列接続した回路が特許請求の範囲に記載した「合成手段」に、コンパレータ36が特許請求の範囲に記載した「復調手段」に、OR回路26とAND回路30とトランジスタQ1,Q2とからなる回路、及び、OR回路28とAND回路32とトランジスタQ3,Q4とからなる回路が特許請求の範囲に記載した「切替手段」に、それぞれ相当している。
尚、上記の第1実施例においては、トランス22の二次側の一端を接地して基準点とし0ボルトを基準電圧としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、その基準点や基準電圧を回路構成に従って変更することが可能である。例えば、5ボルト単電源のコンパレータ36を用いる場合は、基準電圧を2.5ボルトとしてもよい。また、トランス22の二次側の一端に基準電圧を印加することなくすなわちその一端を接地固定することなく、c点、d点、又はf点に基準電圧を印加してトランス通信回路を動作させることも可能である。
上記した第1実施例では、トランス22の二次側に発生する正側のパルス波形がレベルの小さい状態からレベルの大きい状態へ移行したとき、すなわち、トランス22の二次側に発生する負側のパルス波形がレベルの大きい状態からレベルの小さい状態へ移行したときは、ダイオードD2を通したキャパシタC1の充電が行われるため、c点電位は速やかに上昇してそのc点電位の立ち上がり時間は比較的短くなるが、一方、d点電位はキャパシタC2の容量と抵抗R3,R4の抵抗値とからなる時定数に応じた時間をかけて基準電位へ向けて上昇するため、そのd点電位の(正側への)立ち上がり時間は比較的長くなる。また、トランス22の二次側に発生する正側のパルス波形がレベルの大きい状態からレベルの小さい状態へ移行したとき、すなわち、トランス22の二次側に発生する負側のパルス波形がレベルの小さい状態からレベルの大きい状態へ移行したときは、c点電位はキャパシタC1の容量と抵抗R3,R4の抵抗値とからなる時定数に応じた時間をかけて基準電位へ向けて低下するため、そのc点電位の立ち下がり時間は比較的長くなるが、一方、ダイオードD3を通したキャパシタC2の充電が行われるため、d点電位は速やかに低下してそのd点電位の(負側への)立ち下がり時間は比較的短くなる。このため、デジタル信号を入力側から出力側へ伝送する際、検波回路として正側波形(c点)と負側波形(d点)とを合成した波形(f点)が基準電圧(=0ボルト)を境界にして反転するまでの時間は比較的長くなり、そのデジタル信号の伝達は比較的遅くなってしまう。
かかる不都合を解決するうえでは、抵抗R3,R4の抵抗値を小さくしてRC回路の時定数を小さくすることが考えられるが、この手法では、デジタル信号の伝達の応答性は良好となる一方で、出力の振幅が小さくなる結果として信号の誤検出が生じ易くなると共に、消費電力の増大が招来してしまう。
そこで、本発明の第2実施例は、デジタル信号の誤検出を生じさせることなくまた消費電力の増大を招くことなく、デジタル信号の伝送遅延を解消させることを特徴としている。
図4は、本発明の第2実施例であるトランス通信回路100の要部構成図を示す。尚、図4において、上記図1に示すトランス通信回路20の構成と同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略する。また、図5は、本実施例のトランス通信回路100における各部の比較的長時間での電圧波形を表した図を示す。
本実施例のトランス通信回路100において、ダイオードD2のカソード(c点)には、キャパシタC1の一端及び抵抗R3の一端が接続されていると共に、キャパシタC3の一端が接続されている。また、ダイオードD3のアノード(d点)には、キャパシタC2の一端及び抵抗R4の一端が接続されていると共に、上記キャパシタC3の他端が接続されている。すなわち、ダイオードD2のカソードとダイオードD3のアノードとの間には、キャパシタC3が介在されている。キャパシタC3は、キャパシタC1,C2の容量に比べて十分に大きな容量を有している。
上記したトランス通信回路100の構成において、キャパシタC3の存在に起因して、c点とd点との間の電位差は、常時ほぼ一定に維持される。このため、トランス22の二次側に発生する正側のパルス波形がレベルの小さい状態からレベルの大きい状態へ移行したとき、すなわち、トランス22の二次側に発生する負側のパルス波形がレベルの大きい状態からレベルの小さい状態へ移行したとき、c点電位は正側へ速やかに上昇するが、この際は、キャパシタC3を通してd点電位が引き上げられるので、d点電位の正側への立ち上がり時間が上記第1実施例のトランス通信回路20のものと比較して短くなる。また、トランス22の二次側に発生する正側のパルス波形がレベルの大きい状態からレベルの小さい状態へ移行したとき、すなわち、トランス22の二次側に発生する負側のパルス波形がレベルの小さい状態からレベルの大きい状態へ移行したとき、d点電位は負側へ速やかに低下するが、この際は、キャパシタC3を通してc点電位が引き下げられるので、c点電位の立ち下がり時間が上記第1実施例のトランス通信回路20のものと比較して短くなる(図5参照)。
従って、本実施例のトランス通信回路100によれば、c点とd点との間にキャパシタC1,C2の容量に比べて十分に大きな容量を有するキャパシタC3が設けられているので、デジタル信号を入力側から出力側へ伝送する際、検波回路として正側波形(c点)と負側波形(d点)とを合成した波形(f点)が基準電圧(=0ボルト)を境界にして反転するまでの時間を短くすることができ、デジタル信号の伝達遅延を解消させることができる。この点、デジタル信号の伝達遅延を解消させるうえでRC回路の時定数を小さくすることは不要であるので、デジタル信号の誤検出を防止することができると共に、消費電力の増加を防止することができる。従って、本実施例によれば、デジタル信号の誤検出を生じさせることなくまた消費電力の増大を招くことなく、デジタル信号の伝送遅延を解消させることが可能となっている。
尚、上記の第2実施例においては、キャパシタC3が特許請求の範囲に記載した「電圧安定化素子」に相当している。
ところで、上記の第2実施例は、c点とd点との間の電位差をほぼ一定に維持させる電圧安定化素子としてキャパシタC3を用いたトランス通信回路100の例であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、図6(A)に示す如くツェナダイオードD4を用いたトランス通信回路110を適用することとしてもよいし、また、図6(B)に示す如く直列接続された複数のダイオードD5を用いたトランス通信回路120を適用することとしてもよい。
ツェナダイオードD4では、両端にツェナ電圧以上の逆電圧がかかると急激に電流が流れて、両端間が略一定の電圧となる。従って、ツェナダイオードD4のアノードをd点(すなわちダイオードD3のアノード)に接続しかつツェナダイオードD4のカソードをc点(すなわちダイオードD2のカソード)に接続することとすれば、c点とd点との間の電位差をほぼ一定に維持させることができ、その結果として、上記の第2実施例と同様の効果を得ることができる。この場合には、ツェナダイオードD4が特許請求の範囲に記載した「電圧安定化素子」に相当する。
また、一つのダイオードD5では、両端に一定電圧(Siでは約0.6ボルト)以上の順方向電圧がかかると急激に電流が流れて、両端間が略一定の電圧となる。従って、複数のダイオードD5を直列接続したうえで、ダイオードD5のアノードをc点(すなわちダイオードD2のカソード)に接続しかつダイオードD5のカソードをd点(すなわちダイオードD3のアノード)に接続することとすれば、c点とd点との間の電位差をダイオードD5の一定の順方向電圧の直列数倍の電圧に維持させることができ、その結果として、上記の第2実施例と同様の効果を得ることができる。この場合には、ダイオードD5が特許請求の範囲に記載した「電圧安定化素子」に相当する。
尚、IC上のトランス22の結合度は小さいので、その二次側に電圧安定化素子が設けられていても、短絡電流は制限され、大きな電流は流れない。
上記した第1実施例や第2実施例では、コンパレータ36の非反転入力端子(f点)と接地端子(e点)との間に寄生容量が存在すると、その寄生容量と抵抗R3,R4とがローパスフィルタを構成するので、デジタル信号の伝達の応答性が悪化する事態が生じ得る。そこで、本発明の第3実施例は、周波数特性を改善してデジタル信号の伝達の応答性を良好とすることを特徴としている。
図7(A)は、本発明の第3実施例であるトランス通信回路130の要部構成図を示す。尚、図7(A)において、上記図1及び図4に示すトランス通信回路20,100の構成と同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略する。
図7(A)に示すトランス通信回路130において、抵抗R3には並列にキャパシタC3aが接続されていると共に、抵抗R4には並列にキャパシタC3bが接続されている。キャパシタC3aとキャパシタC3bとは、互いに同じ容量を有している。すなわち、c点とd点との間には、互いに容量の同じキャパシタC3a,C3bが直列接続されていると共に、それらキャパシタC3aとキャパシタC3bとの接続点はf点(すなわち、コンパレータ36の非反転入力端子)に接続されている。言い換えれば、上記した第2実施例のトランス通信回路100における電圧安定化素子としてのキャパシタC3が等分に分割されて抵抗R3,R4と並列に接続される。
かかるトランス通信回路130においては、上記した第2実施例のトランス通信回路100と同様に、トランス22の二次側におけるc点とd点との間の電位差が略一定に維持されるので、c点電位の立ち下がりがd点電位の負側への立ち下がりに追従して速やかに行われ、かつ、d点電位の正側への立ち上がりがc点電位の立ち上がりに追従して速やかに行われて、デジタル信号の伝達遅延を解消させることができる。また、e点とf点との間の寄生容量と抵抗R3,R4とからなるローパスフィルタが構成されなくなるので、トランス22の二次側における周波数特性が改善されて、デジタル信号の伝達の応答性を向上させて、この点でも、デジタル信号の伝達遅延を解消させることができる。
尚、上記の第3実施例においては、キャパシタC3a,C3bが特許請求の範囲に記載した「電圧安定化素子」に相当している。
ところで、上記の第3実施例は、c点とd点との間に、抵抗R3に並列接続させたキャパシタC3a及び抵抗R4に並列接続させたキャパシタC3bを直列接続させたトランス通信回路130の例であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、図7(B)に示す如くc点とd点との間に複数のツェナダイオードD4a,D4bを直列接続させたトランス通信回路140を適用することとしてもよいし、また、図7(C)に示す如くc点とd点との間に複数のダイオードD5a,D5bを直列接続させたトランス通信回路150を適用することとしてもよい。
図7(B)に示すトランス通信回路140において、c点とd点との間には、複数(偶数個であればよい。;本実施例では2個)のツェナダイオードD4a,D4bが直列接続されていると共に、それらツェナダイオードD4aとツェナダイオードD4bとの接続点はf点(すなわち、コンパレータ36の非反転入力端子)に接続されている。ツェナダイオードD4aとツェナダイオードD4bとは、互いに同じ性質のダイオードであり、f点を境界にして等分に分割されるように配置されている。ツェナダイオードD4aのカソードはc点に接続されており、ツェナダイオードD4bのアノードはd点に接続されており、更に、ツェナダイオードD4aのアノードとツェナダイオードD4bのカソードとはf点に接続されている。
かかるトランス通信回路140においては、上記したトランス通信回路110と同様に、トランス22の二次側におけるc点とd点との間の電位差を略一定に維持させることができるので、c点電位の立ち下がりがd点電位の負側への立ち下がりに追従して速やかに行われ、かつ、d点電位の正側への立ち上がりがc点電位の立ち上がりに追従して速やかに行われて、デジタル信号の伝達遅延を解消させることができる。また、e点とf点との間の寄生容量と抵抗R3,R4とからなるローパスフィルタが構成されなくなるので、トランス22の二次側における周波数特性が改善されて、デジタル信号の伝達の応答性を向上させて、この点でも、デジタル信号の伝達遅延を解消させることができる。この場合には、ツェナダイオードD4a,D4bが特許請求の範囲に記載した「電圧安定化素子」に相当する。
また、図7(C)に示すトランス通信回路150において、c点とd点との間には、複数(偶数個であればよい。;本実施例では4個)のダイオードD5a,D5bが直列接続されていると共に、それらダイオードD5aとダイオードD5bとの接続点はf点(すなわち、コンパレータ36の非反転入力端子)に接続されている。ダイオードD5aとダイオードD5bとはそれぞれ、互いに同じ性質の2つのダイオードであり、f点を境界にして等分に分割されるように配置されている。ダイオードD5aのアノードはc点に接続されており、ダイオードD5bのカソードはd点に接続されており、更に、ダイオードD5aのカソードとダイオードD5bのアノードとはf点に接続されている。
かかるトランス通信回路150においては、上記したトランス通信回路120と同様に、トランス22の二次側におけるc点とd点との間の電位差を略一定に維持させることができるので、c点電位の立ち下がりがd点電位の負側への立ち下がりに追従して速やかに行われ、かつ、d点電位の正側への立ち上がりがc点電位の立ち上がりに追従して速やかに行われて、デジタル信号の伝達遅延を解消させることができる。また、e点とf点との間の寄生容量と抵抗R3,R4とからなるローパスフィルタが構成されなくなるので、トランス22の二次側における周波数特性が改善されて、デジタル信号の伝達の応答性を向上させて、この点でも、デジタル信号の伝達遅延を解消させることができる。この場合には、ダイオードD5a,D5bが特許請求の範囲に記載した「電圧安定化素子」に相当する。
尚、図7(B)に示すトランス通信回路140及び図7(C)に示すトランス通信回路150においては、図1等に示す抵抗R3,R4を省略することができる。
また、図7(A)に示すトランス通信回路130においては、キャパシタC3a,C3bがキャパシタC1,C2に対して十分に大きな容量を有しているとすると、c点とd点とf点とは交流的には接続されていることとなる。このため、図8(A)に示す、トランス通信回路130のキャパシタC1,C2に代えてe点とf点との間にキャパシタC10を接続したトランス通信回路160においても、トランス通信回路130と同様の効果を得ることが可能である。また、同様に、図8(B)に示す、トランス通信回路140のキャパシタC1,C2に代えてe点とf点との間にキャパシタC10を接続したトランス通信回路170においても、トランス通信回路140と同様の効果を得ることが可能である。更に、同様に、図8(C)に示す、トランス通信回路150のキャパシタC1,C2に代えてe点とf点との間にキャパシタC10を接続したトランス通信回路180においても、トランス通信回路150と同様の効果を得ることが可能である。
上記した第1〜第3実施例では、IC上に一つのトランス22が設けられる。これに対して、本発明の第4実施例においては、IC上に2つのトランス202,204が設けられる。
図9(A)は、本発明の第4実施例であるトランス通信回路200の要部構成図を示す。尚、図9(A)において、上記図1及び図4に示すトランス通信回路20,100の構成と同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略する。
図9(A)に示すトランス通信回路200は、IC上に設けられた2個のトランス202,204を備えている。以下、適宜、トランス202を第1トランス202と、トランス204を第2トランス204と、それぞれ称す。トランス202,204は、互いに共通の構造を有しており、巻数の同じコイルを有している。トランス202,204は、一次側が互いに逆方向に配置され、かつ、二次側が互いに同じ方向に配置されたものとなっている。第1トランス202の二次側端子は、一方(e点)が接地されていると共に、他端がダイオードD10のアノードに接続されている。ダイオードD10のカソードには、キャパシタC1の一端及び抵抗R3の一端が接続されている。キャパシタC1の他端は接地されている。また、抵抗R3の他端は、コンパレータ36の非反転入力端子に接続されている。
また、第2トランス204の二次側端子は、一方がキャパシタC2の一端及び抵抗R4の一端が接続されていると共に、他端がダイオードD11のアノードに接続されている。キャパシタC2の他端は接地されている。抵抗R4の他端は、コンパレータ36の非反転入力端子に接続されている。また、ダイオードD11のカソードは接地されている。
上記したトランス通信回路200において、トランス202,204の一次側に信号が入力されると、トランス202,204の二次側にその入力信号の状態に応じたパルス状の波形が発生する。この際、トランス202,204の二次側にはそれぞれ、互いに逆向きの電圧が発生する。具体的には、トランス202,204の一次側に流れる電流が立ち上がった際には第2トランス204の二次側に負側のパルス波形が発生し、一方、トランス202,204の一次側に流れる電流が立ち下がった際には第1トランス202の二次側に正側のパルス波形が発生する。これら第1トランス202による正側のパルス波形と第2トランス204による負側のパルス波形とは、ピークレベルについて非対象である。具体的には、伝送すべきデジタル信号がオンである時は、正側のピークレベルが比較的大きくかつ負側のピークレベルが比較的小さくなるので、正側波形が負側波形に比して優性になる一方、伝送すべきデジタル信号がオフである時は、正側のピークレベルが比較的小さくかつ負側のピークレベルが比較的大きくなるので、負側波形が正側波形に比して優性になる。
上記の正側波形は、ダイオードD10、キャパシタC1、及び抵抗R3からなる正側検波回路により検波され、また、上記の負側波形は、ダイオードD11、キャパシタC2、及び抵抗R4からなる負側検波回路により検波される。そして、両検波回路の出力は、抵抗R3,R4を用いて合成された後に、コンパレータ36の非反転入力端子に入力される。
このように、本実施例においては、トランス202,204の二次側に、伝送すべきデジタル信号のオン/オフに応じてピークレベル(高さ)の大小が変化する正側のパルス波形と負側のパルス波形とをそれぞれ別個に発生させると共に、それらトランス202,204の二次側に発生する正側のパルス波形と負側のパルス波形とをそれぞれ別個独立に安定的に検波してそれら正負のパルスの各検波結果の比較結果に基づいてデジタル信号を復調することができる。従って、本実施例のトランス通信回路200においても、入力側から出力側へデジタル信号の伝送を行うことが可能となっている。
また、本実施例のトランス通信回路200においても、デジタル信号の復調を行うコンパレータ36へ入力される入力信号は、トランス202,204の二次側端子に発生するような高速なパルス信号自体ではなく、キャパシタC1,C2で正負それぞれ別個独立に整流した電位レベルの和であるレベル信号であるので、トランス202,204を大型化することなく簡易かつ低廉な構成で適切にデジタル信号の伝送を行うことが可能となっていると共に、デジタル信号の伝送を行ううえで消費電力が過大となるのを防止することが可能となっている。
更に、本実施例のトランス通信回路200においては、トランス202,204について二次側の空間的な配置が互いに同じであるので、外部からトランス202,204へノイズ磁界が印加された際に、トランス202,204の二次側に互いに同じノイズ電圧が発生する。この場合、c点及びd点には、絶対値が同じである正負逆向きのノイズ電圧が現われる。このため、c点電位とd点電位とを抵抗R3,R4により合成した波形(f点)は、上記のノイズ電圧がキャンセルされたものとなる。従って、本実施例のトランス通信回路200によれば、デジタル信号の伝送を行ううえで外部からのノイズ磁界をキャンセルすることができるので、デジタル信号の誤検出・誤伝送を防止することが可能となっている。
ところで、上記の第4実施例は、2個のトランス202,204を一次側で直列接続させたトランス通信回路200の例であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、図9(B)に示す如く2個のトランス212,214を一次側で並列接続させたトランス通信回路210を適用することとしてもよい。
図9(B)に示すトランス通信回路210は、IC上に設けられた2個のトランス212,214を備えている。トランス212,214は、互いに共通の構造を有しており、巻数の同じコイルを有している。トランス212,214は、一次側が互いに逆方向に配置され、かつ、二次側が互いに同じ方向に配置されたものとなっている。トランス212の二次側端子は、一方(e点)が接地されていると共に、他端がダイオードD10のアノードに接続されている。また、トランス214の二次側端子は、一方がキャパシタC2の一端及び抵抗R4の一端が接続されていると共に、他端がダイオードD11のアノードに接続されている。かかるトランス通信回路210においても、上記第4実施例のトランス通信回路200と同様の動作を行うので、同様の効果を得ることが可能である。
上記した第1〜第4実施例では、トランス通信回路の出力として、合成電圧と基準電圧とを比較して波形整形を行うコンパレータ36の出力を用いることとしている。これに対して、本発明の第5実施例においては、上記のコンパレータ36に代えてトランジスタQ10を用いる。
図10(A)は、本発明の第5実施例であるトランス通信回路220の要部構成図を示す。尚、図10(A)において、上記図1及び図4に示すトランス通信回路20,100の構成と同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略する。
図10(A)に示すトランス通信回路220において、抵抗R3の他端及び抵抗R4の他端(f点)は互いに接続されて、トランジスタQ10のゲートに接続されている。また、トランス22の二次側の一端、キャパシタC1の他端、及びキャパシタC2の他端(e点)は互いに接続されて、トランジスタQ10のソースに接続されている。トランジスタQ10は、ゲートすなわちf点に現われる信号の電圧レベルと、ソースすなわちe点に現われる信号の電圧レベルと、の差に応じた信号を出力する。
かかるトランス通信回路220においても、トランス22の二次側に発生する正側のパルス波形と負側のパルス波形とをそれぞれ別個に安定的に検波しつつ、それら正負のパルスの各検波結果の比較結果に基づいてトランジスタQ10を動作させてデジタル信号を復調することができるので、入力側から出力側へのデジタル信号の伝送を適切に行うことが可能となる。
尚、上記の第5実施例においては、トランジスタQ10が特許請求の範囲に記載した「復調手段」に相当している。
ところで、上記の第5実施例は、トランジスタQ10を絶縁されたスイッチとして用いていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、図10(B)に示す如く絶縁されたスイッチとして用いたトランジスタQ10,Q11からなるトランス通信回路230を適用することとしてもよい。更に、図10(A)や(B)に示すトランジスタQ10,Q11とは逆極性となるトランジスタを用いることとしてもよい。
また、上記の第5実施例は、出力を行うトランジスタQ10についてエンハンスメント型とデプレッション型との何れを用いることとしてもよいが、特にエンハンスメント型のものを用いる場合は、以下に示すトランス通信回路240〜270を適用することとしてもよい。エンハンスメント型のトランジスタは、ゲート−ソース間電圧が閾値以下であるときはオフ状態であるので、0ボルトを中心にして正側と負側との双方へ振れる信号を用いる必要はなく、片側(具体的には正側)のみにおいて振れる信号を用いることとすればよい。
従って、図11(A)に示す如く、ダイオードD2のカソード及びキャパシタC1の一端(c点)が抵抗R10の一端及びNチャネル型のトランジスタQ20のゲートに接続されると共に、ダイオードD3のアノード及びキャパシタC2の一端(d点)が抵抗R10の他端に接続され、かつ、トランス22の二次側の一端、キャパシタC1の他端、及びキャパシタC2の他端(e点)がNチャネル型のトランジスタQ20のソースに接続されるトランス通信回路240を適用することとしてもよい。
また、図11(B)に示す如く、ダイオードD2のカソード及びキャパシタC1の一端(c点)が抵抗R10の一端に接続されると共に、ダイオードD3のアノード及びキャパシタC2の一端(d点)が抵抗R10の他端及びNチャネル型のトランジスタQ21のソースに接続され、かつ、トランス22の二次側の一端、キャパシタC1の他端、及びキャパシタC2の他端(e点)がNチャネル型のトランジスタQ21のゲートに接続されるトランス通信回路250を適用することとしてもよい。
また、図11(C)に示す如く、ダイオードD2のカソード及びキャパシタC1の一端(c点)が抵抗R10の一端及びPチャネル型のトランジスタQ22のソースに接続されると共に、ダイオードD3のアノード及びキャパシタC2の一端(d点)が抵抗R10の他端に接続され、かつ、トランス22の二次側の一端、キャパシタC1の他端、及びキャパシタC2の他端(e点)がPチャネル型のトランジスタQ22のゲートに接続されるトランス通信回路260を適用することとしてもよい。
更に、図11(D)に示す如く、ダイオードD2のカソード及びキャパシタC1の一端(c点)が抵抗R10の一端に接続されると共に、ダイオードD3のアノード及びキャパシタC2の一端(d点)が抵抗R10の他端及びPチャネル型のトランジスタQ23のゲートに接続され、かつ、トランス22の二次側の一端、キャパシタC1の他端、及びキャパシタC2の他端(e点)がPチャネル型のトランジスタQ23のソースに接続されるトランス通信回路270を適用することとしてもよい。
上記したトランス通信回路240〜270によれば、トランス22の二次側に片側(具体的には正側)のみにおいて振れる信号が生成されるので、デジタル信号の伝送を適切に行うことが可能となる。
上記した第1実施例では、トランス22の二次側に発生する正負のパルス波形の高さレベルの変更をトランジスタQ5のゲートにおけるなましにより実現することとしているが、抵抗R1,R2の抵抗値やICのバラツキなどの影響を受けて正負のパルス波形のレベル差が小さくなり、デジタル信号の伝送が適切に行われないおそれがある。また、トランジスタQ5のゲート(a点)は、伝送用キャリアに合わせてハイとローとが交互に現われるものとなるが、消費電力の低減のためにはハイの時間(通電時間)ができるだけ短い方が好ましい。しかし、ハイの時間が短くなると、ゲートにおけるなましのために十分なハイ時間が確保されなくなるので、デジタル信号の伝送が適切に行われなくなるおそれがある。これに対して、本発明の第6実施例においては、トランス22の二次側に発生する正負のパルス波形の高さレベルの差を、トランジスタQ5のゲートにおけるなましを用いることなく実現することとしている。
図12は、本発明の第6実施例であるトランス通信回路300の構成図を示す。尚、図12において、上記図1に示すトランス通信回路20の構成と同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略する。
本実施例のトランス通信回路300において、トランス22の一次側には、送信回路301として、2つのXOR302,304が設けられている。XOR302,304の一方の入力端子にはそれぞれ、伝送すべきデジタル信号が入力される。XOR302の他方の入力端子には伝送用キャリア1が入力されており、また、XOR304の他方の入力端子には伝送用キャリア2が入力されている。伝送用キャリア1,2は共に、伝送すべきデジタル信号の周波数よりも十分に高い周波数を有している。伝送用キャリア2の周波数は、伝送用キャリア1の周波数の2倍である。また、伝送用キャリア1の立ち上がり及び立ち下がりと伝送用キャリア2の立ち上がりとは、同期している。
XOR302の出力端子にはトランジスタQ31,Q32のゲートが、また、XOR304の出力端子にはトランジスタQ33,Q34のゲートが、それぞれ接続されている。トランジスタQ31は、ソースが+電源端子に接続されかつドレインがトランジスタQ32のドレインに接続されたPチャネルFETである。トランジスタQ32は、ドレインがトランジスタQ31のドレインに接続されかつソースが接地されたNチャネルFETである。トランジスタQ33は、ソースが+電源端子に接続されかつドレインがトランジスタQ34のドレインに接続されたPチャネルFETである。トランジスタQ34は、ドレインがトランジスタQ33のドレインに接続されかつソースが接地されたNチャネルFETである。
トランジスタQ31,Q32のドレインにはトランス22の一次側の一方(g点)が接続されており、また、トランジスタQ33,Q34のドレインにはトランス22の一次側の他方(h点)が接続されている。すなわち、トランス22の一次側は、一方がトランジスタQ31,Q32のドレインに接続され、かつ、他方がトランジスタQ33,Q34のドレインに接続されたものとなっている。
次に、図13を参照して、本実施例のトランス通信回路300の動作について説明する。図13は、本実施例のトランス通信回路300における各部の比較的短時間での電圧波形を表した図を示す。
本実施例において、トランス通信回路300の伝送すべきデジタル信号がオフ(すなわちローレベル)信号である状況において、伝送用キャリア1,2が共に立ち上がると(時刻t1)、XOR302,304の出力が共にハイレベルとなるので、トランジスタQ32,34がオンとなり、トランス22の一次側のg点電位及びh点電位は共にローレベル(接地電圧)となる。g点電位及びh点電位が共にローレベルであるときは、トランス22の一次側端子に電位差は無く、その二次側に電位差は現われない。
かかる状況から伝送用キャリア2が立ち下がると(時刻t2)、XOR304の出力がローレベルとなるので、トランジスタQ33がオンとなりかつトランジスタQ34がオフとなり、トランス22の一次側のg点電位はローレベルであまり変化しない一方で、h点電位がローレベルからハイレベル(電源電圧)へ移行する。この場合には、トランス22の一次側に電源電圧分の電圧変化がh点電位が高くなる方向へ与えられるので、その電圧変化に応じた電流変化が生じてトランス22の二次側に正側のパルス波形が現われる。尚、以下、h点側からg点側への方向を電流の立ち上がり方向とし、逆に、g点側からh点側への方向を電流の立ち下がり方向とする。
かかる状況から伝送用キャリア1が立ち下がりかつ伝送用キャリア2が立ち上がると(時刻t3)、XOR302の出力がローレベルとなりかつXOR304の出力がハイレベルとなるので、トランジスタQ31,Q34がオンとなりかつトランジスタQ32,Q33がオフとなり、トランスの一次側のg点電位がローレベルからハイレベルへ移行しかつh点電位がハイレベルからローレベルへ移行する。この場合には、トランス22の一次側に電源電圧の2倍分の電圧変化がg点電位が高くなりかつh点電位が低くなる方向へ与えられるので、その電圧変化に応じた電流変化が生じてトランス22の二次側に負側のパルス波形が現われる。この際(時刻t3)における電流変化率(電流の立ち下がりレベル)は、時刻t2における電流変化率(電流の立ち上がりレベル)の絶対値の2倍であり、負側のパルス波形のレベルは、時刻t2における正側のパルス波形のレベルの絶対値の2倍である。
かかる状況から伝送用キャリア2が立ち下がると(時刻t4)、XOR304の出力がローレベルとなるので、トランジスタQ33がオンとなりかつトランジスタQ34がオフとなり、トランス22の一次側のg点電位はハイレベルであまり変化しない一方で、h点電位がローレベルからハイレベルへ移行する。この場合には、トランス22の一次側に電源電圧分の電圧変化がh点電位が高くなる方向へ与えられるので、その電圧変化に応じた電流変化が生じてトランス22の二次側に正側のパルス波形が現われる。この際(時刻t4)における電流変化率(電流の立ち上がりレベル)は、時刻t2における電流変化率(電流の立ち上がりレベル)と同じであり、正側のパルス波形のレベルは、時刻t2における正側のパルス波形のレベルと同じある。
一方、トランス通信回路300の伝送すべきデジタル信号がオン(すなわちハイレベル)信号である状況において、伝送用キャリア1,2が共に立ち上がると(時刻t5)、XOR302,304の出力が共にローレベルとなるので、トランジスタQ31,33がオンとなり、トランス22の一次側のg点電位及びh点電位は共にハイレベル(電源電圧)となる。g点電位及びh点電位が共にハイレベルであるときは、トランス22の一次側端子に電位差は無く、その二次側に電位差は現われない。
かかる状況から伝送用キャリア2が立ち下がると(時刻t6)、XOR304の出力がハイレベルとなるので、トランジスタQ33がオフとなりかつトランジスタQ34がオンとなり、トランス22の一次側のg点電位はハイレベルであまり変化しない一方で、h点電位がハイレベルからローレベル(接地電圧)へ移行する。この場合には、トランス22の一次側に電源電圧分の電圧変化がh点電位が低くなる方向へ与えられるので、その電圧変化に応じた電流変化が生じてトランス22の二次側に負側のパルス波形が現われる。
かかる状況から伝送用キャリア1が立ち下がりかつ伝送用キャリア2が立ち上がると(時刻t7)、XOR302の出力がハイレベルとなりかつXOR304の出力がローレベルとなるので、トランジスタQ31,Q34がオフとなりかつトランジスタQ32,Q33がオンとなり、トランスの一次側のg点電位がハイレベルからローレベルへ移行しかつh点電位がローレベルからハイレベルへ移行する。この場合には、トランス22の一次側に電源電圧の2倍分の電圧変化がg点電位が低くなりかつh点電位が高くなる方向へ与えられるので、その電圧変化に応じた電流変化が生じてトランス22の二次側に正側のパルス波形が現われる。この際(時刻t7)における電流変化率(電流の立ち上がりレベル)は、時刻t6における電流変化率(電流の立ち下がりレベル)の絶対値の2倍であり、正側のパルス波形のレベルは、時刻t6における負側のパルス波形のレベルの絶対値の2倍である。
かかる状況から伝送用キャリア2が立ち下がると(時刻t8)、XOR304の出力がハイレベルとなるので、トランジスタQ33がオフとなりかつトランジスタQ34がオンとなり、トランス22の一次側のg点電位はローレベルであまり変化しない一方で、h点電位がハイレベルからローレベルへ移行する。この場合には、トランス22の一次側に電源電圧分の電圧変化がh点電位が低くなる方向へ与えられるので、その電圧変化に応じた電流変化が生じてトランス22の二次側に負側のパルス波形が現われる。この際(時刻t8)における電流変化率(電流の立ち下がりレベル)は、時刻t6における電流変化率(電流の立ち下がりレベル)と同じであり、負側のパルス波形のレベルは、時刻t6における負側のパルス波形のレベルと同じある。
このようにトランス通信回路300においては、トランス22の一次側に印加する電圧を制御してその一次側に流れる電流の変化率を変えることにより、トランス22の二次側にその入力信号の状態に応じたパルス状の波形電圧が発生する。具体的には、トランス22の一次側にh点側からg点側へ電流が流れて立ち上がった際にはトランス22の二次側(e点を基準にしてb点)に正側のパルス波形が発生し、一方、トランス22の一次側にg点側からh点側へ電流が流れて立ち下がった際にはトランス22の二次側(e点を基準にしてb点)に負側のパルス波形が発生する。
そして、これら正側のパルス波形と負側のパルス波形とは、伝送すべきデジタル信号が同じ状況にあれば、ピークレベルについて非対称である。具体的には、伝送すべきデジタル信号がオフである時は、正側のピークレベルが比較的小さくかつ負側のピークレベルが比較的大きくなるので、負側波形が正側波形に比して優性になる。一方、伝送すべきデジタル信号がオンである時は、正側のピークレベルが比較的大きくかつ負側のピークレベルが比較的小さくなるので、正側波形が負側波形に比して優性になる(図13におけるb点電位参照)。
トランス通信回路300において、上記の如くトランス22の二次側に発生したパルス波形は、第1実施例のトランス通信回路20と同様に、正側検波回路及び負側検波回路を用いて正負それぞれ独立して検波された後に合成されて出力される。
このように、本実施例においても、トランス22の二次側に、伝送すべきデジタル信号のオン/オフに応じてピークレベル(高さ)の大小が変化する正側のパルス波形と負側のパルス波形とをそれぞれ別個独立に発生させると共に、それらトランス22の二次側に発生する正側のパルス波形と負側のパルス波形とをそれぞれ別個独立に安定的に検波してそれら正負のパルスの各検波結果の比較結果に基づいてデジタル信号を復調することができる。従って、本実施例のトランス通信回路300によれば、入力側から出力側へデジタル信号の伝送を行うことが可能となっている。
尚、本実施例のトランス通信回路300においても、デジタル信号の復調を行うコンパレータ36へ入力される入力信号は、トランス22の二次側端子に発生するような高速なパルス信号自体ではなく、キャパシタC1,C2で正負それぞれ別個独立に整流した電位レベルの和であるレベル信号である。このため、デジタル信号を復調するうえで、高速なパルスに応答する消費電力の大きいコンパレータを用いることは不要であり、低速対応の消費電力の小さいコンパレータを用いれば十分である。また、トランス22の小型化によってその二次側に発生するパルスの幅を短くしても、コンパレータ36には上記のレベル信号が入力されるので、デジタル信号の復調を適切に行うことが可能である。この点、パルス幅を広げるために時定数を大きく(すなわちインダクタンスを大きくかつ抵抗を小さく)した大型のトランスを用いることは不要である。従って、本実施例のトランス通信回路300によれば、トランス22を大型化することなく簡易かつ低廉な構成で適切にデジタル信号の伝送を行うことが可能となっていると共に、デジタル信号の伝送を行ううえで消費電力が過大となるのを防止することが可能となっている。
また、本実施例のトランス通信回路300においては、トランス22の二次側に発生する正負のパルス波形の高さレベルの変更を、トランス22の一次側への電流変化率を変えることにより実現することとしている。このため、かかる変更を実現するうえで、抵抗R1,R2の抵抗値やICのバラツキの影響を解消することが可能であるので、トランス22の二次側の正負のパルス波形を適切に検波することができ、デジタル信号の誤伝送を防止することができる。更に、上記の変更を実現するのに、第1実施例のようなトランジスタQ5のゲートにおけるなましを用いていないので、トランス22の一次側に印加される電圧波形はすべて急峻なものとなる。このため、トランス22の一次側になましのための十分に長いハイ時間(通電時間)を確保することは不要であって、その通電時間をできるだけ短くすることが可能であるので、消費電力の低減を図ることができる。
尚、上記の第6実施例においては、送信回路301が特許請求の範囲に記載した「送信手段」に、XOR302とトランジスタQ31,Q32とからなる回路、及び、XOR304とトランジスタQ33,Q34とからなる回路が特許請求の範囲に記載した「切替手段」に、それぞれ相当している。
ところで、上記の第6実施例においては、伝送用キャリア2の立ち上がりを伝送用キャリア1の立ち上がり及び立ち下がりと同期させることとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、伝送用キャリア2の立ち下がりを伝送用キャリア1の立ち上がり及び立ち下がりと同期させることとしてもよい。
図14は、本発明の第7実施例であるトランス通信回路310の構成図を示す。尚、図14において、上記図1及び図12に示すトランス通信回路20,300の構成と同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略する。
本実施例のトランス通信回路310において、トランス22の一次側には、送信回路311として、2つのスイッチS1,S2が設けられている。スイッチS1には、伝送用キャリア1,2が選択的に入力されていると共に、トランジスタQ31,Q32が接続されている。また、スイッチS2には、伝送用キャリア2,1が選択的に入力されていると共に、トランジスタQ33,Q34が接続されている。
スイッチS1,S2には、伝送すべきデジタル信号が供給されている。スイッチS1,S2は、その供給されているデジタル信号の状態に応じて、入力させるべき伝送用キャリアとして伝送用キャリア1,2の何れか一方を選択する。具体的には、スイッチS1は、供給されているデジタル信号がオフ(すなわちローレベル)信号である時は伝送用キャリア2を選択し、一方、そのデジタル信号がオン(すなわちハイレベル)信号である時は伝送用キャリア1を選択する。また、スイッチS2は、供給されているデジタル信号がオフ(すなわちローレベル)信号である時は伝送用キャリア1を選択し、一方、そのデジタル信号がオン(すなわちハイレベル)信号である時は伝送用キャリア2を選択する。すなわち、スイッチS1,S2は、互いに異なる伝送用キャリア1,2を選択する。
伝送用キャリア1,2は共に、伝送すべきデジタル信号の周波数よりも十分に高い周波数を有している。伝送用キャリア1の周波数と伝送用キャリア2の周波数とは同じである。また、伝送用キャリア2は伝送用キャリア1に対してオン時間だけ遅延しており、伝送用キャリア1の立ち下がりは伝送用キャリア2の立ち上がりに同期している。
次に、図15を参照して、本実施例のトランス通信回路310の動作について説明する。図15は、本実施例のトランス通信回路310における各部の比較的短時間での電圧波形を表した図を示す。
本実施例において、トランス通信回路300の伝送すべきデジタル信号がオフ(すなわちローレベル)信号である状況において、伝送用キャリア1,2が共にローレベルであるときは、トランジスタQ31,Q33がオンであり、トランス22の一次側のg点電位及びh点電位は共にハイレベル(電源電圧)である。この場合は、トランス22の一次側端子に電位差は無く、その二次側に電位差は現われない。
かかる状況から伝送用キャリア1が立ち上がると(時刻t11)、トランジスタQ33がオフとなりかつトランジスタQ34がオンとなり、トランス22の一次側のg点電位はハイレベルであまり変化しない一方で、h点電位がハイレベルからローレベル(接地電圧)へ移行する。この場合には、トランス22の一次側に電源電圧分の電圧変化がh点電位が低くなる方向へ与えられるので、その電圧変化に応じた電流変化が生じてトランス22の二次側に負側のパルス波形が現われる。
かかる状況から伝送用キャリア1が立ち下がりかつ伝送用キャリア2が立ち上がると(時刻t12)、トランジスタQ31,Q34がオフとなりかつトランジスタQ32,Q33がオンとなり、トランスの一次側のg点電位がハイレベルからローレベルへ移行しかつh点電位がローレベルからハイレベルへ移行する。この場合には、トランス22の一次側に電源電圧の2倍分の電圧変化がg点電位が低くなりかつh点電位が高くなる方向へ与えられるので、その電圧変化に応じた電流変化が生じてトランス22の二次側に正側のパルス波形が現われる。この際(時刻t12)における電流変化率(電流の立ち上がりレベル)は、時刻t11における電流変化率(電流の立ち下がりレベル)の絶対値の2倍であり、正側のパルス波形のレベルは、時刻t12における負側のパルス波形のレベルの絶対値の2倍である。
かかる状況から伝送用キャリア2が立ち下がると(時刻t13)、トランジスタQ31がオンとなりかつトランジスタQ32がオフとなり、トランス22の一次側のh点電位はハイレベルであまり変化しない一方で、g点電位がローレベルからハイレベルへ移行する。この場合には、トランス22の一次側に電源電圧分の電圧変化がg点電位が高くなる方向へ与えられるので、その電圧変化に応じた電流変化が生じてトランス22の二次側に負側のパルス波形が現われる。この際(時刻t13)における電流変化率(電流の立ち下がりレベル)は、時刻t11における電流変化率(電流の立ち下がりレベル)と同じであり、負側のパルス波形のレベルは、時刻t11における負側のパルス波形のレベルと同じある。
一方、トランス通信回路300の伝送すべきデジタル信号がオン(すなわちハイレベル)信号である状況において、伝送用キャリア1,2が共にローレベルであるときは、トランジスタQ31,Q33がオンであり、トランス22の一次側のg点電位及びh点電位は共にハイレベル(電源電圧)である。この場合は、トランス22の一次側端子に電位差は無く、その二次側に電位差は現われない。
かかる状況から伝送用キャリア1が立ち上がると(時刻t14)、トランジスタQ31がオフとなりかつトランジスタQ32がオンとなり、トランス22の一次側のh点電位はハイレベルであまり変化しない一方で、g点電位がハイレベルからローレベル(接地電圧)へ移行する。この場合には、トランス22の一次側に電源電圧分の電圧変化がg点電位が低くなる方向へ与えられるので、その電圧変化に応じた電流変化が生じてトランス22の二次側に正側のパルス波形が現われる。
かかる状況から伝送用キャリア1が立ち下がりかつ伝送用キャリア2が立ち上がると(時刻t15)、トランジスタQ32,Q33がオフとなりかつトランジスタQ31,Q34がオンとなり、トランスの一次側のg点電位がローレベルからハイレベルへ移行しかつh点電位がハイレベルからローレベルへ移行する。この場合には、トランス22の一次側に電源電圧の2倍分の電圧変化がg点電位が高くなりかつh点電位が低くなる方向へ与えられるので、その電圧変化に応じた電流変化が生じてトランス22の二次側に負側のパルス波形が現われる。この際(時刻t15)における電流変化率(電流の立ち下がりレベル)は、時刻t14における電流変化率(電流の立ち上がりレベル)の絶対値の2倍であり、負側のパルス波形のレベルは、時刻t14における正側のパルス波形のレベルの絶対値の2倍である。
かかる状況から伝送用キャリア2が立ち下がると(時刻t16)、トランジスタQ33がオンとなりかつトランジスタQ34がオフとなり、トランス22の一次側のg点電位はハイレベルであまり変化しない一方で、h点電位がローレベルからハイレベルへ移行する。この場合には、トランス22の一次側に電源電圧分の電圧変化がh点電位が高くなる方向へ与えられるので、その電圧変化に応じた電流変化が生じてトランス22の二次側に正側のパルス波形が現われる。この際(時刻t16)における電流変化率(電流の立ち上がりレベル)は、時刻t14における電流変化率(電流の立ち上がりレベル)と同じであり、正側のパルス波形のレベルは、時刻t14における正側のパルス波形のレベルと同じある。
このようにトランス通信回路310においても、トランス22の一次側に印加する電圧を制御してその一次側に流れる電流の変化率を変えることにより、トランス22の二次側にその入力信号の状態に応じたパルス状の波形電圧が発生する。具体的には、トランス22の一次側にh点側からg点側へ電流が流れて立ち上がった際にはトランス22の二次側(e点を基準にしてb点)に正側のパルス波形が発生し、一方、トランス22の一次側にg点側からh点側へ電流が流れて立ち下がった際にはトランス22の二次側(e点を基準にしてb点)に負側のパルス波形が発生する。
そして、これら正側のパルス波形と負側のパルス波形とは、伝送すべきデジタル信号が同じ状況にあれば、ピークレベルについて非対称である。具体的には、伝送すべきデジタル信号がオフである時は、正側のピークレベルが比較的大きくかつ負側のピークレベルが比較的小さくなるので、正側波形が負側波形に比して優性になる。一方、伝送すべきデジタル信号がオンである時は、正側のピークレベルが比較的小さくかつ負側のピークレベルが比較的大きくなるので、負側波形が正側波形に比して優性になる(図15におけるb点電位参照)。
トランス通信回路310において、上記の如くトランス22の二次側に発生したパルス波形は、第1実施例のトランス通信回路20と同様に、正側検波回路及び負側検波回路を用いて正負それぞれ独立して検波された後に合成されて出力される。
このように、本実施例においても、トランス22の二次側に、伝送すべきデジタル信号のオン/オフに応じてピークレベル(高さ)の大小が変化する正側のパルス波形と負側のパルス波形とをそれぞれ別個独立に発生させると共に、それらトランス22の二次側に発生する正側のパルス波形と負側のパルス波形とをそれぞれ別個独立に安定的に検波してそれら正負のパルスの各検波結果の比較結果に基づいてデジタル信号を復調することができる。従って、本実施例のトランス通信回路310によれば、入力側から出力側へデジタル信号の伝送を行うことが可能となっている。
尚、本実施例のトランス通信回路310においても、デジタル信号の復調を行うコンパレータ36へ入力される入力信号は、トランス22の二次側端子に発生するような高速なパルス信号自体ではなく、キャパシタC1,C2で正負それぞれ別個独立に整流した電位レベルの和であるレベル信号である。このため、デジタル信号を復調するうえで、高速なパルスに応答する消費電力の大きいコンパレータを用いることは不要であり、低速対応の消費電力の小さいコンパレータを用いれば十分である。また、トランス22の小型化によってその二次側に発生するパルスの幅を短くしても、コンパレータ36には上記のレベル信号が入力されるので、デジタル信号の復調を適切に行うことが可能である。この点、パルス幅を広げるために時定数を大きく(すなわちインダクタンスを大きくかつ抵抗を小さく)した大型のトランスを用いることは不要である。従って、本実施例のトランス通信回路310によれば、トランス22を大型化することなく簡易かつ低廉な構成で適切にデジタル信号の伝送を行うことが可能となっていると共に、デジタル信号の伝送を行ううえで消費電力が過大となるのを防止することが可能となっている。
また、本実施例のトランス通信回路310においては、トランス22の二次側に発生する正負のパルス波形の高さレベルの変更を、トランス22の一次側への電流変化率を変えることにより実現することとしている。このため、かかる変更を実現するうえで、抵抗R1,R2の抵抗値やICのバラツキの影響を解消することが可能であるので、トランス22の二次側の正負のパルス波形を適切に検波することができ、デジタル信号の誤伝送を防止することができる。更に、上記の変更を実現するのに、第1実施例のようなトランジスタQ5のゲートにおけるなましを用いていないので、トランス22の一次側に印加される電圧波形はすべて急峻なものとなる。このため、トランス22の一次側になましのための十分に長いハイ時間(通電時間)を確保することは不要であって、その通電時間をできるだけ短くすることが可能であるので、消費電力の低減を図ることができる。
尚、上記の第7実施例においては、送信回路311が特許請求の範囲に記載した「送信手段」に、スイッチS1とトランジスタQ31,Q32とからなる回路、及び、スイッチS2とトランジスタQ33,Q34とからなる回路が特許請求の範囲に記載した「切替手段」に、それぞれ相当している。
20,100,110,120,130,140,150,160,170,180,200,210,220,230,240,250,260,270,300,310 トランス通信回路
22,202,204,212,214 トランス
24 送信回路
36 コンパレータ
Q トランジスタ
R 抵抗
D ダイオード
C キャパシタ

Claims (9)

  1. IC上に設けられたトランスを用いてデジタル信号の通信を行うトランス通信回路であって、
    前記トランスの一次側へ電流の立ち上がりの変化率と立ち下がりの変化率とに差を設け、かつ、伝送すべきデジタル信号のレベルに応じて前記差を異ならせた信号を送信する送信手段と、
    前記トランスの二次側に発生するパルス波形を正側と負側とでそれぞれ独立して検波する検波手段と、
    前記検波手段により検波された正側の信号と負側の信号とを合成する合成手段と、
    前記合成手段により得られた信号に基づいてデジタル信号を復調する復調手段と、
    を備えることを特徴とするトランス通信回路。
  2. 前記検波手段における正側の信号が現われる正側端子と負側の信号が現われる負側端子との間に設けられた、両端子間の電位差を一定に維持させるための電圧安定化素子を備えることを特徴とする請求項1記載のトランス通信回路。
  3. 前記電圧安定化素子は、キャパシタ、ツェナダイオード、又はダイオードであることを特徴とする請求項2記載のトランス通信回路。
  4. 前記電圧安定化素子は、前記正側端子と前記負側端子との間で直列接続された同じ容量を有する2つのキャパシタからなり、
    前記2つのキャパシタの接続点が前記合成手段の出力端子であることを特徴とする請求項2又は3記載のトランス通信回路。
  5. 前記トランスは、一次側が互いに逆方向に配置されかつ二次側が互いに同方向に配置された2つのトランスからなることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項記載のトランス通信回路。
  6. 前記送信手段は、前記トランスの一次側へ電流の立ち上がり速度と立ち下がり速度とに差を設けた速度差信号を送信するものであって、伝送すべきデジタル信号のレベルに応じて、該デジタル信号のものよりも十分に高い周波数を有する伝送用キャリアが伝送される際の電流立ち上がりが電流立ち下がりよりも早い状態と、遅い状態と、を切り替える切替手段を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項記載のトランス通信回路。
  7. 前記送信手段は、前記トランスの一次側へ電流の立ち上がりレベルと立ち下がりレベルとに差を設けたレベル差信号を送信するものであって、伝送すべきデジタル信号のレベルに応じて、該デジタル信号のものよりも十分に高い周波数を有する伝送用キャリアが伝送される際の電流立ち上がりレベルが電流立ち下がりレベルよりも高い状態と、低い状態と、を切り替える切替手段を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項記載のトランス通信回路。
  8. 前記伝送用キャリアは、第1周波数を有する第1キャリアと、前記第1周波数の2倍である第2周波数を有しかつ電流立ち上がり又は電流立ち下がりが前記第1キャリアの電流立ち上がり及び電流立ち下がりと同期する第2キャリアと、からなることを特徴とする請求項7記載のトランス通信回路。
  9. 前記伝送用キャリアは、互いに同一周波数を有すると共に、一方の立ち下がりが他方の立ち上がりに同期した第1及び第2キャリアからなることを特徴とする請求項7記載のトランス通信回路。
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