JP5386893B2 - 圧電発電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、圧電発電装置に関する。
近年、地球環境の維持改善のため、環境負荷の少ない発電装置の研究開発が活発に行われている。その中で、自然の力あるいは人為的な力や振動による機械エネルギーを電気エネルギーに変換することにより、通常無意識かつ無駄に消費されているエネルギーを電気エネルギーに変換して電源として利用する発電装置が提供されている。
機械エネルギーを電気エネルギーに変換する装置としては、圧電素子を用いる方法が提案されている。
この種の技術に関し、下記特許文献1には、圧縮荷重を与えて屈曲させた複数枚の圧電素子を円形に配置した圧電発電装置が記載されている。かかる装置では、外力の印加または除去によって圧電素子の屈曲方向を跳ね板バネのように上下に繰り返し反転させることで、圧電素子に圧電効果を生じさせている。
また、下記特許文献2には、支持体に対して圧電素子の一端を剛に固定(固着)し、他端を回動可能に支持した圧電発電装置が記載されている。かかる装置によれば、所定の外力が印加された場合の圧電素子の曲げ変形量が大きくなり、高い発電効果が得られるとされている。
特開2007−202293号公報 特開2006−32935号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の圧電発電装置では、外力の無印加時にも圧電素子に対して常に圧縮応力および曲げ応力が作用しているため、圧電素子を構成する圧電セラミック材料が短期間で劣化してしまうという問題がある。圧電発電装置において所定の発電効率を維持するためには、劣化した圧電セラミック材料を交換する必要があるため、環境負荷の少ない発電装置を提供するというこの種の発明の目的を達成することが困難となる。
一方、上記特許文献2に記載の圧電発電装置に関しては、外力の印加時に圧電素子に対して引張力が作用し、外力が印加されたときの揺動が抑制されるとともに、圧電素子のたわみ変形が妨げられる。このため、たとえ圧電素子の一方の端部(他端)を回動可能に支持したとしても、両端を固着した態様に比べて圧電素子の曲げ変形はほとんど促進されないという問題がある。かかる問題が生じる原因を、図15を用いて説明する。
図15は、一端110が支持部材120に固着された片持ち状態の圧電素子140を示す側面図である。圧電素子140の他端112が上下矢印のように揺動すると、圧電素子140は揺動の腹(実線で図示)において直線状となり、揺動の節(破線で図示)において上下に撓み変形する。このとき、揺動の節における撓んだ圧電素子140の他端112は、長手方向に変位する。具体的には、他端112は支持部材120の側に長さLだけ後退する。これは、圧電素子140が、撓み形状であるか直線状であるかを問わず、厚み方向の中心線が自然長を維持するためである。
これに対し、上記特許文献2の図3(a)のように、圧電素子の一端を第一の支持体に固着し、他端を第二の支持体にピン固定して、第二の支持体を第一の支持体に対して揺動させた場合には、ピン固定された他端は長手方向に後退することができない。第一および第二の支持体の間の水平距離は一定に保たれているためである。この結果、圧電素子には揺動により引張力が生じることとなる。すなわち、特許文献2の場合、圧電素子は全体に長手方向に伸長することによって、一端と他端との水平距離を一定に保ったまま上下に揺動する。
よって、かかる圧電発電装置の場合、支持体の揺動は、圧電素子の曲げ剛性に基づく復元力に加えて、これよりも一般に遙かに大きい引張剛性によって阻害されてしまう。このため、所定の外力の印加に対しても、支持体を揺動させて圧電素子を良好に曲げ変形させることができない。これは、圧電素子の他端が固着されているか、またはピン固定されているかによらず共通の問題である。
上記特許文献2の図3(b)の場合も同様である。圧電素子の幅方向に設けられた支持孔に対する圧電素子の他端の挿入方向は不明であるが、当該他端は支持孔に対して回動が許容されているのみであるため、支持孔の壁面には圧電素子の他端から過大な引張力が作用して支持体の揺動が阻害される。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、圧電素子の劣化を抑制しつつ、所定の外力が印加された場合の圧電素子の曲げ変形量を大きくして高い発電効果を得ることのできる圧電発電装置を提供するものである。
本発明の圧電発電装置は、外力の印加または除去によって往復揺動する揺動部材と、ベース部材と、長手方向の一方端が前記揺動部材に保持され他方端が前記ベース部材に保持された板状の圧電素子と、を備え、前記圧電素子の前記一方端および他方端が、前記ベース部材および前記揺動部材に対して、ともに回動が規制されており、前記圧電素子の前記一方端または他方端の少なくとも一方が前記揺動部材または前記ベース部材に対して、挿抜可能に嵌合しているとともに前記外力の無印加時に前記長手方向に遊びを有し、前記圧電素子が、金属板と、前記金属板の表面に接合された板状の圧電材料とを備え、前記金属板の前記一方端または他方端のいずれか一方が前記揺動部材または前記ベース部材に対して剛に固定された固定端であり、前記揺動部材の揺動により前記金属板が略S字状に撓み変形するとともに、前記圧電材料が、前記撓み変形した金属板の変曲点よりも前記固定端の側に偏在して設けられており、複数の前記圧電素子が幅方向に並んで設けられており、前記圧電素子から出力電流を取り出す導電部材が前記揺動部材または前記ベース部材に設けられており、前記導電部材が、前記幅方向に並ぶ複数の前記圧電素子を互いに直列または並列に電気的に接続するとともに、複数の前記圧電素子を前記揺動部材または前記ベース部材に対して剛に固定していることを特徴とする。
なお、上記発明において、外力の無印加時に圧電素子が揺動部材またはベース部材に対して長手方向に遊びを有するとは、外力の無印加時に圧電素子が長手方向の圧縮力により座屈変形している状態を除くことを意味するものである。したがって、本発明においては、圧電素子の長手方向の端部が柔軟材料を介して揺動部材またはベース部材に当接している状態や、圧電素子が長手方向の圧縮力を実質的に受けることなく端部が揺動部材またはベース部材に接触している状態などは、いずれも圧電素子の端部が長手方向に遊びを有する状態である。
なお、本発明の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。特に、圧電素子、揺動部材およびベース部材については複数の部材で構成することができる。
本発明の圧電発電装置によれば、外力の無印加時に圧電素子が長手方向に引張力および圧縮力を受けることなく保持されているため、圧電素子を構成する圧電材料に定常的な応力が負荷されることがなく、圧電材料の劣化を抑制することができる。
また、圧電素子は一方端または他方端の少なくとも一方が揺動部材またはベース部材に対して挿抜可能であることから、往復揺動の節に位置する場合には当該端部が後退し、往復揺動の腹に位置する場合には前進する。これにより、揺動する圧電素子に引張力が生じることが防止されるため、所定の外力が印加された揺動部材の上下揺動が妨げられることがなく、圧電素子の曲げ変形量を大きくして高い発電効果を得ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
<第一実施形態>
図1(a)は、本実施形態にかかる圧電発電装置10の一例を示す平面模式図であり、同図(b)はそのB−B断面(縦断面)図である。なお、同図(a)では、加圧板60は図示を省略している。
はじめに、本実施形態の圧電発電装置10の概要について説明する。
圧電発電装置10は、外力の印加または除去によって往復揺動する揺動部材20と、ベース部材30と、長手方向の一方端40aが揺動部材20に保持され他方端40bがベース部材30に保持された板状の圧電素子40と、を備えている。
そして、圧電素子40の一方端40aまたは他方端40bの少なくとも一方は揺動部材20またはベース部材30に対して、挿抜可能に嵌合しているとともに外力の無印加時に長手方向に遊びを有している。
以下、本実施形態では、他方端40bがベース部材30に対して挿抜可能に保持されている態様を例示的に説明する。ただし、後述する第二実施形態のように、他方端40bをベース部材30に固着し、一方端40aを揺動部材20に対して挿抜可能としてもよい。
次に、圧電発電装置10について詳細に説明する。便宜上、図1(a)の上下方向を圧電発電装置10および圧電素子40の幅方向といい、同図の左右方向を長手方向という。幅方向と長手方向の寸法の大小は特に限られないが、本実施形態の圧電素子40は長手方向の寸法が幅方向の寸法よりも大きな短冊状である。これにより圧電素子40の揺動幅を大きくしている。
本実施形態の圧電発電装置10では、一方端40aおよび他方端40bが揺動部材20およびベース部材30にそれぞれ保持された複数の圧電素子40が、互いに面内方向に並んで設けられている。
具体的には、本実施形態の圧電素子40は、その幅方向に4個並んで設けられている。また、圧電素子40は、その長手方向に、揺動部材20を挟んで2組設けられている。すなわち、圧電発電装置10は8個の圧電素子40を備えている。
圧電素子40は、いずれも同一平面内に、すなわち単段に配置されている。
本実施形態では、8個の圧電素子40はそれぞれ平面視が長方形状をなしている。
圧電素子40は、金属板46と、金属板46の表面に接合された板状の圧電セラミック板48とを備え、金属板46の一方端または他方端のいずれか一方が揺動部材20またはベース部材30に対して剛に固定された固定端FEである。
本実施形態の圧電素子40は、金属板46の主面の一方または両方に圧電セラミック板48が接合された素子である。図1には、金属板46の上面にのみ圧電セラミック板48が接合された、いわゆる圧電ユニモルフ素子を例示している。圧電セラミック板48の上下両面には、図示しない金属皮膜が電極面として形成されている。
圧電素子40は、長手(長辺)方向の一方の端部(一方端40a)が揺動部材20に対して剛に固定保持(固着)され、引き抜き、押し込み、および回動がいずれも拘束されている。すなわち、本実施形態の一方端40aは固定端FEである。
また、圧電素子40の長手方向の他方の端部(他方端40b)は、ベース部材30の周辺近傍に底部300よりも肉厚に設けた台座部302と、固定板33とによって挟まれている。台座部302は、底部300の表面301より上方に起立している。
台座部302と固定板33との締め付け圧は調整ネジ35によって調整可能である。これにより、圧電素子40の他方端40bは、ベース部材30に対して圧電素子40の長手方向に挿抜可能に保持された摺動端SEとなる。また、圧電素子40の他方端40bは、調整ネジ35の所定の締め付け圧により、面直方向への回動が実質的に不可能に規制されている。
すなわち、圧電素子40の一方端40aおよび他方端40bは、ベース部材30および揺動部材20に対して、ともに回動が規制されている。
揺動部材20は、圧電素子40の一方端40aを保持しつつ、外力の印加または除去によって往復揺動する部材である。本実施形態の揺動部材20は、圧電発電装置10の幅方向、すなわち圧電素子40の並び方向に延在する平面視長方形状をなしている。
本実施形態の揺動部材20は、8個の圧電素子40の一方端40aをいずれも固着して保持している。そして、ベース部材30は、8個の圧電素子40の他方端40bをいずれも挿抜可能かつ摺動可能に保持している。
揺動部材20には、外部からの力を受けて揺動部材20にその力を伝えるための加圧板60が上部に連結して設けられている。
そして、加圧板60が外力により昇降すると、揺動部材20は圧電素子40を揺動させ、圧電セラミック板48に歪みを生じることにより発電する。
加圧板60は、揺動部材20に対してボルトなどの緊締具(図示せず)で着脱可能に接続されている。このため、圧電発電装置10は、加圧板60を外して、内部機構である揺動部材20や圧電素子40のメンテナンスをすることが可能である。
ベース部材30は、圧電素子40の他方端40bを保持する部材である。本実施形態のベース部材30は、平面視が長方形状、立面視が上方開口した略コ字状をなしている。
より具体的には、ベース部材30は、圧電素子40の対向する底部300と、圧電素子40の直下にて底部300よりも高く形成された台座部302と、台座部302の周囲に更に一段高く形成された加圧板ガイド部304とを有している。
本実施形態のベース部材30において、底部300、台座部302および加圧板ガイド部304は単一の部材で構成されても、複数の部材を組み合わせて構成されてもよい。
ベース部材30は、圧電発電装置10の幅方向の側面にピン穴38を有している。ピン穴38は、圧電発電装置10の幅方向に穿設されている。複数の圧電発電装置10をその幅方向に並べて互いのピン穴38を位置合わせすることにより、連結ピン(図示せず)で圧電発電装置10同士を着脱可能に結合することができる。
底部300は圧電発電装置10の基板である。台座部302は、固定板33とともに圧電素子40の他方端40bを挟持する。そして、加圧板ガイド部304は、その内壁面306が滑らかに形成され、加圧板60の往復揺動を案内するガイドとして機能する。
揺動部材20は、固定ピン34により、ベース部材30の底部300に対して、底部300の法線方向に揺動可能に取り付けられている。
揺動部材20は、固定ピン34に対して、その長さ方向に所定の長さだけ摺動可能である。
圧電発電装置10は、外力が印加される向き(図1(b)における下方)に対して逆向き(上方)に圧電素子40を付勢する付勢部材をさらに備えている。
本実施形態の圧電発電装置10は、付勢部材としてのコイルバネ36を備えている。
コイルバネ36は、揺動部材20とベース部材30の間に、固定ピン34が貫通するように配置されている。そして、コイルバネ36は揺動部材20とともに圧電素子40に対して上方に付勢力を付与している。
したがって、外力の無負荷時において圧電素子40は、コイルバネ36の付勢力によって上方に撓む。揺動部材20に保持された一方端40aが、他方端40bよりも上方に位置している。
かかる上方撓み(初期撓み)が圧電素子40に生じた場合に、これを構成する圧電セラミック板48および金属板46に生じる応力は、いずれも許容応力以下である。
図2は、加圧板60および揺動部材20が上下方向に往復揺動する状態を示す圧電発電装置10の縦断面図である。同図(a)は、外力の無印加(除去)時を示し、同図(b)は外力の印加時を示している。
加圧板60に外力が印加されると、加圧板60は、揺動部材20に当接した状態で、加圧板ガイド部304の内壁面306に沿って押し下げられる。加圧板60の周縁部分が固定板33に当接するか、または、揺動部材20の下端がベース部材30の底部300に接した位置で、加圧板60の揺動は下限位置となる。
かかる下限位置において、一方端40aは他方端40bよりも下方に移動し、圧電素子40は下方に撓む。かかる下方撓み(加圧撓み)が圧電素子40に生じた場合に、これを構成する圧電セラミック板48および金属板46に生じる応力がいずれも許容応力以下となるよう、揺動部材20の揺動ストロークは調整されている。
具体的には、圧電発電装置10は、往復揺動する揺動部材20の揺動幅を圧電素子40の許容撓み量以下に規制するストッパー部22を備えている。ストッパー部22は、揺動部材20の下端より下方に延出して形成されている。
ここで、図2に示すように、本実施形態の圧電素子40において、金属板46は、揺動部材20の揺動により略S字状に撓み変形する。そして、圧電セラミック板48は、撓み変形した金属板46の変曲点PIよりも固定端FEの側に偏在して設けられている。
図2(a),(b)に示すように、金属板46の両端は揺動部材20およびベース部材30に回動が規制されてそれぞれ水平を保つため、長手方向の中間部には変曲点PIが形成されることとなる。そして、圧電セラミック板48を固定端FE(一方端40a)の側に偏在させ、摺動端SEの側(他方端40b)に非形成とすることにより、圧電素子40は全体に固定端FEの側において曲げ剛性が高くなる。このため、変曲点PIは、圧電素子40の長手方向のうち、中央よりも摺動端SEの側に形成される。
変曲点PIを挟んで、これよりも固定端FEの側と、摺動端SEの側では、金属板46の上面に生じる圧縮または引張の変形方向は逆転する。具体的には、図2(a)に示す初期撓み状態の場合、変曲点PIよりも摺動端SEの側では金属板46の上面に引張力が生じ、固定端FEの側では金属板46の上面に圧縮力が生じる。一方、図2(b)に示す加圧撓み状態の場合、変曲点PIよりも摺動端SEの側では金属板46の上面に圧縮力が生じ、固定端FEの側では金属板46の上面に引張力が生じる。
したがって、変曲点PIを跨いで圧電素子40の長手方向の両側に圧電セラミック板48が設けられていた場合、変曲点PIの両側において圧電セラミック板48は互いに逆向きの起電力を発生することとなる。よって、かかる圧電素子40を上下揺動させた場合は、発生した起電力が相殺される領域が生じる。
これに対し、本実施形態の圧電素子40では、変曲点PIよりも固定端FEの側に偏在して圧電セラミック板48を設けることにより、かかる起電力の相殺が生じることを抑制している。さらに、本実施形態の圧電素子40では、金属板46の変曲点PIよりも固定端FEの側にのみ、圧電セラミック板48が設けられている。これにより、圧電セラミック板48に生じる歪の向きを全体に共通化し、発生した起電力を損なうことなく取り出すことができる。
なお、金属板46の変曲点PIは、一方端40aの上下揺動位置に応じて、圧電素子40の長手方向を移動する場合がある。本実施形態の圧電素子40の場合、圧電セラミック板48の曲げ変形が極大となる初期撓み状態(図2(a))および加圧撓み状態(同図(b))におけるいずれの変曲点PIの位置よりも長手方向の固定端FE側にのみ、圧電セラミック板48が設けられている。
より好ましくは、圧電セラミック板48は、上下揺動する圧電素子40のいずれの揺動位置における変曲点PIよりも固定端FE側にのみ設けられるとよい。
(圧電素子の動作原理)
図3(a),(b)は、圧電発電装置10に使用される圧電素子40を長手方向に切った縦断面図を示す模式図である。同図(a)に示す圧電素子40は、金属板46の一方の主面(同図では上面)に圧電セラミック板48が接合された圧電ユニモルフ素子である。圧電セラミック板48の厚み寸法をt1、長さ寸法をL、そして紙面前後方向に相当する幅寸法をWとする。また、金属板46の厚み寸法はt2であり、その他の寸法は圧電セラミック板48と共通である。
同図(b)に示す圧電素子40は、金属板46の両方の主面に板状の圧電セラミック板48(48a,48b)が接合された、いわゆる圧電バイモルフ素子である。二枚の圧電セラミック板48a,48bの各上下面には、図示しない金属皮膜が電極面として形成されている。金属板46および圧電セラミック板48a,48bの寸法は、同図(a)と共通である。
本実施形態の圧電発電装置10には、圧電素子40として、圧電ユニモルフ素子と圧電バイモルフ素子のいずれも好適に用いることができる。
金属板46を構成する材料は特に限定されるものではなく、ステンレス鋼やリン青銅を例示することができる。
圧電セラミック板48を構成する圧電材料には、ペロブスカイト型結晶構造をなす強誘電体を用いることができる。一例として、チタン酸バリウム(BaTiO),チタン酸鉛(PbTiO),チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(ZR,Ti)O),チタン酸ジルコン酸ランタン鉛((Pb,La)(Zr,Ti)O)を挙げることができる。
圧電セラミック板48と金属板46とは、エポキシ接着剤などの熱硬化性接着剤により接着接合されている。これにより、圧電セラミック板48は、同図(a),(b)に白抜き矢印にて図示のように、厚み方向に分極されている。
図4は、圧電バイモルフ素子である圧電素子40の長辺の一方端40aに荷重Fを印加した状態を示す模式図である。圧電素子40の長辺の他方端40bは、台座であるベース部材30に対して剛に固定されている。
同図において、上側の圧電セラミック板48aは長辺方向に伸び変形しており、下側の圧電セラミック板48bは、長辺方向に縮み変形している。このとき、圧電セラミック板48a,48bの分極の向きは図3に示したように共通であるので、二つの圧電セラミック板48a,48bの表面の電極面には、金属板46を基準として同じ極性の電荷が発生する。
このとき、電極面に発生する電荷Q(クーロン)は、印加した荷重Fに比例する。一方、圧電バイモルフ素子である圧電素子40の静電容量Cは、下式(1)で与えられる。
Figure 0005386893
ここで、ε33 Tは、圧電セラミック板48a,48bの誘電率であり、L,Wおよびt1は、それぞれ圧電セラミック板48a,48bの長さ、幅および厚さである。
したがって、このときの発生電圧Vは、下式(2)で与えられる。Kは比例定数である。
Figure 0005386893
上式(1)および(2)では、圧電セラミック板48a,48bと金属板46の長さLと幅Wを同じとしたが、実際の圧電素子40においては、組み立てを容易にするために、圧電セラミック板48a,48bの長さと幅を、金属板46のそれらよりも小さくしてもよい。
圧電発電装置10において発電効率を向上するためには、上式(2)で与えられる発生電圧Vとともに、発生エネルギーEを大きくすることが重要である。
図4に示すように、圧電バイモルフ素子である圧電素子40の長辺の他方端40bをベース部材30に固定し、その反対の端部である一方端40aに荷重Fを印加して先端がHAだけ撓み変形した場合に、圧電素子40に蓄えられた機械エネルギーEmは、下式(3)で与えられる。
Figure 0005386893
したがって、圧電バイモルフ素子の機械−電気変換効率をηとすると、圧電バイモルフ素子に発生する電気エネルギーEeは、下式(4)で与えられる。
Figure 0005386893
一般に、圧電バイモルフ素子の機械−電気変換効率ηは、圧電バイモルフ素子の形状と使用する圧電材料の特性によって定まる。これをほぼ一定の値と考えた場合、発電する電気エネルギーを大きくするためには、機械エネルギーEmを大きくする必要がある。
機械エネルギーEmを大きくするためには、上式(3)からわかるように、印加する荷重Fを大きくするか、または変形量HAを大きくする必要がある。
荷重Fを印加して圧電素子40を変形させる場合、変形量HAには限界がある。変形量HAは、圧電セラミック板48a,48bや金属板46の材料固有の許容応力以内の変形量に抑える必要がある。
言い換えれば、圧電発電装置10において、より大きな発生電力を得るためには、より大きな荷重Fに対して、圧電セラミック板48や金属板46の許容応力の範囲内で、できるだけ大きな変形量HAを得るように圧電素子40の設計を行うことが好適である。
そして、本実施形態の圧電発電装置10は、圧電素子40の一方端40aまたは他方端40bの少なくとも一方を、揺動部材20またはベース部材30に対して挿抜可能とすることにより、圧電セラミック板48および金属板46の許容応力の範囲内で大きな変形量HAを得るものである。
なお、以上の説明は圧電素子40が圧電バイモルフの場合について行ったが、これが圧電ユニモルフ素子の場合も同様である。圧電ユニモルフ素子の場合には、圧電セラミック板48と金属板46の厚さをほぼ同じにするのが発電効率の点で有利である。その場合、圧電ユニモルフ素子の半分の板厚を金属板46が占めるので、圧電素子40の発電効率は、全体が圧電セラミック板である場合の約半分になる。
また、圧電素子40が圧電バイモルフ素子である場合は、金属板46の厚さを圧電セラミック板48a,48bの厚さに対して十分薄くしても、圧電バイモルフ素子の機械的な強度を保つことができる。よって、かかる圧電素子40の発電効率は、全体が圧電セラミック板の場合に近くなり、すなわち圧電素子40が圧電ユニモルフ素子である場合の約2倍になる。
図5は、図2(b)に円Vで示す領域の拡大図であり、圧電素子40の他方端40bがベース部材30により摺動端SEとして保持されている状態を示す縦断面図である。
ベース部材30の台座部302は、上面に溝部308が彫り込み形成されている。溝部308には圧電素子40の他方端40bが嵌め込まれる。本実施形態の圧電素子40は、摺動端SEとなる他方端40bには圧電セラミック板48が設けられておらず、金属板46のみが溝部308に対して嵌め合いに取り付けられる。
すなわち、溝部308の深さ寸法は金属板46の板厚t2(図3(a)を参照)と同等であり、また幅寸法は金属板46の幅Wと同等である。
台座部302の上面310には、溝部308およびこれに嵌め込まれた他方端40bを覆うように、固定板33が載置される。固定板33と台座部302とは、上述のように調整ネジ35で緊締される。これにより、固定板33の下面と溝部308とでスリット溝37が形成される。スリット溝37は、圧電素子40の長手方向を奥行方向とし、図5にて白抜き矢印で示すように、圧電素子40の他方端40bが挿抜可能に摺動する。
これにより、圧電素子40が揺動部材20とともに上下に往復揺動すると、圧電素子40の他方端40bはスリット溝37の内部で長手方向に進退する。
また、他方端40bの先端は、スリット溝37の最奥部の立面309に対して常に非接触である。つまり、圧電素子40の他方端40bと立面309との間には、圧電素子40の揺動時に常に所定のクリアランスが存在する。
なお、圧電素子40が揺動の節に位置するときに、他方端40bと立面309との間隔はもっとも小さくなる。したがって、本実施形態においては、揺動の節において、他方端40bの端面と立面309とが抗力なく接触するか、または両者が非接触であるとよい。
さらに、圧電素子40の長手方向の加工寸法や、スリット溝37の溝深さ方向の加工寸法の公差を考慮すると、他方端40bの端面と立面309とは揺動の節におけるノミナル値として非接触とすることが好ましい。
このため、図15に示したように圧電素子40が上下揺動した場合において、圧電素子40が揺動の腹から節に移行すると、他方端40bはスリット溝37を引き抜き方向に摺動する。また、圧電素子40が揺動の節から腹に移行すると、他方端40bはスリット溝37を押し込み方向に摺動する。なお、スリット溝37の奥行寸法は、圧電素子40の往復揺動による他方端40bの後退長さL(図15を参照)よりも大きく形成されており、揺動の節においても他方端40bがスリット溝37から抜け落ちることはない。
すなわち、本実施形態の圧電発電装置10は、外力の無負荷時である初期撓み状態において、圧電素子40が長手方向の引張力および圧縮力を受けることがない。さらに、本実施形態の場合、圧電素子40は往復揺動中に他方端40bがスリット溝37に対して進退移動することにより、長手方向の応力負荷を常に回避および除去することができる。
かかる観点で、揺動する圧電素子40に対して立面309から有意な抗力が負荷されない限りにおいて、他方端40bの長手方向の端面と立面309との間に柔軟材料を設けてもよい。
図6(a),(b)は、図2(a),(b)における揺動部材20の近傍に関する拡大図である。すなわち、図6(a)は、揺動部材20がコイルバネ36により上側に押し上げられた初期撓み状態を示している。同図(b)は、外力が印加された加圧板60により揺動部材20が下側に押し下げられている加圧撓み状態を示している。
同図(a)で、揺動部材20はコイルバネ36により押し上げられて、固定ピン34の頭部341に当接している。固定ピン34の頭部341は、加圧板60および揺動部材20が上方側の所定の上限位置を超えて移動することを規制する規制手段として機能する。すなわち、初期撓み状態では、固定ピン34の頭部341が、揺動部材20を押下するストッパーとなり、コイルバネ36に押し上げられる揺動部材20を係止する。
また、同図(b)では、揺動部材20の下端のストッパー部22がベース部材30の底部300に当接して、加圧板60および揺動部材20が外力によりそれ以上押し下げられないよう構成されている。
ストッパー部22は、揺動部材20の下部より下方に突出し、コイルバネ36を収容するためのキャビティ部26を揺動部材20の下面側に形成している。
加圧撓み状態において、コイルバネ36は固定ピン34の軸方向に圧縮され、キャビティ部26の内部に収容される。
図1(a)に示すように、本実施形態の圧電発電装置10は、複数本の固定ピン34が圧電発電装置10の幅方向に並んで設けられている。これにより、揺動部材20は固定ピン34の立設方向に対する回動が規制され、固定ピン34に沿って圧電発電装置10の上下方向に摺動する。
揺動部材20のうち、圧電発電装置10の長手方向の両側には、圧電素子40の一方端40aを固定端FEとして保持するための凹溝24が形成されている。本実施形態の揺動部材20は、8個の圧電素子40の一方端40aをそれぞれ保持するため、揺動部材20の上記両側に4個ずつの凹溝24が並んで設けられている。
圧電素子40は、固定端FEである一方端40aにおいては、金属板46の上面にその先端まで圧電セラミック板48が接合されている。すなわち、凹溝24には、圧電素子40の圧電セラミック板48および金属板46が固着される。
本実施形態の圧電発電装置10の場合、凹溝24の内面と金属板46とは電気的に絶縁されている。具体的には、凹溝24の内面のうち金属板46と当接する領域には絶縁膜28が被覆されている。
これにより、分極された圧電セラミック板48と金属板46とが揺動部材20を介して等電位となることはない。
本実施形態の揺動部材20は導電性の材料からなり、またすべての圧電素子40の圧電セラミック板48が電気的に接続されている。したがって、本実施形態の場合、揺動部材20を出力端子とすることで、複数の圧電セラミック板48同士を接続するリード線を設けることなく、発生した起電力を一括して導出することができる。
揺動部材20が上限位置から下限位置まで移動する最大ストロークは、上述のように圧電素子40の許容応力以下であることに加え、種々の観点から決定することができる。
例えば、圧電発電装置10を床や階段にセットし、その上を人が歩いた場合に、まず人の体重を加圧板60が受け、加圧板60と接触している揺動部材20が押し下げられることとなる。揺動部材20に設けられた凹溝24に一方端40aが嵌め込まれた複数枚の圧電素子40は、下側に同時に同じ距離だけ曲げられることになる。
図7(a)は、本実施形態にかかる多数の圧電発電装置10を敷き詰めて設置し、歩行者Pが加圧板60の上を歩行する状態を示す模式図である。同図(b)に関しては後述する。
歩行者Pが通る通路の床や階段には、圧電発電装置10と同じ厚さで、かつ等しい外形寸法にて設置穴を設け、各設置穴に圧電発電装置10が嵌め込まれている。これにより、通常の歩行に対して違和感を与えずに発電が可能な床発電システムを構築することができる。
さらに、この床発電システムに対して、低電力点灯が可能なLED等を光源とする照明装置を接続することによって、電源インフラが整っていないような歩行地帯においても、夜間の照明を確保することが可能となる。
本実施形態の場合、歩行者Pが歩く際の歩行容易性・快適性を考慮すると、圧電発電装置10の加圧板60の沈み込み量は10mm以下とすることが望ましい。さらに、実用上、一般的な圧電素子40の限界撓み量を考慮すれば、圧電素子40の長さLを50〜100mm程度とした場合、揺動部材20の最大ストロークは3〜7mmとすることが望ましい。
この場合、圧電素子40の摺動端SEである他方端40bは、揺動部材20が揺動の腹から節まで変位する際に、スリット溝37の内部を後退(引き抜き)方向に0.2〜0.5mm程度移動する。逆に、揺動部材20が揺動の節から腹まで変位する際に、スリット溝37の内部を前進(押し込み)方向に0.2〜0.5mm程度移動する。
かかる進退移動長さLは、圧電素子40の長さLに対して無視できるものではない。
したがって、上記特許文献2に記載の圧電発電装置のように圧電素子の他方端の進退を拘束して回動のみを自在とした場合、揺動部材の上下揺動は、後退しようとする圧電素子の他方端から受ける引張反力によって阻害されることとなる。換言すると、上記特許文献2の場合、圧電素子をその面内方向に伸張させながら上下揺動させなければならないため、所定の外力の印加によっても圧電素子にわずかな変形しか与えることができない。
これに対し、本実施形態の圧電発電装置10の場合、摺動端SEである他方端40bが、これを保持するベース部材30に対して挿抜可能であることから、揺動する揺動部材20に対して圧電素子40の引張反力が負荷されることがない。
圧電発電装置10が備える複数の圧電素子40には、それぞれほぼ同位相、かつほぼ同一の電圧が発生することになる。これらの複数個の圧電素子40を、必要に応じて並列あるいは直列に接続することにより、所望の電圧を得ることができる。
複数(N個)の圧電素子40を並列に接続した場合には、出力電圧は増えないが、発電機としての内部インピーダンスが1/Nに小さくなる。このため、発生した電力をコンデンサや電池に蓄える場合の充電時定数を小さくすることができる。
一方、複数個の圧電素子40を直列接続した場合には、それぞれの圧電素子40の出力電圧が足し合わされて高くなるが、発電機としての内部インピーダンスが圧電素子40の数に比例して大きくなる。このため、圧電発電装置10は負荷インピーダンスが高く、高い電圧が必要な場合に適したものとなる。
一般に、圧電発電装置10においては、印加する荷重の時間変化が小さいため、発電機としての内部インピーダンスは相当に高くなる。そのため、複数個の圧電素子40を並列に接続して内部インピーダンスを低減することが一般に好ましい。
(発生電力の取り出し)
図5,6において、揺動部材20およびベース部材30は金属材料で構成されている。
各圧電素子40の金属板46とベース部材30は、台座部302を介して電気的に接続されることになる。圧電セラミック板48は、ベース部材30に対して摺動する他方端40bには設けられておらず、両者は電気的に接続されていない。圧電セラミック板48を他方端40bに設けず金属板46を露出させることで、他方端40bの摺動性が低下せず、また圧電セラミック板48が摩耗することが防止されている。
一方、圧電素子40の圧電セラミック板48の電極は、すべて揺動部材20に対して電気的に接続されている。このため、本実施形態の圧電発電装置10は、すべての圧電素子40が並列に接続されていることになる。
なお、上述のように、金属板46と揺動部材20とは、絶縁膜28によって絶縁されている。
図8は、並列接続された圧電素子40を模式的に示す斜視図である。複数の圧電セラミック板48が並列接続された圧電素子40の表面側が一方の出力端子(T)となり、金属板46が並列接続された裏面側が他方の出力端子(T)となる。具体的には、圧電セラミック板48が並列接続された揺動部材20(同図では図示せず)が上記一方の出力端子(T)を構成し、金属板46が並列接続されたベース部材30が上記他方の出力端子(T)となる。
なお、上記態様に代えて、ベース部材30の底部300および台座部302を絶縁材料で作成し、固定板33を導電材料で作成してもよい。これにより、圧電素子40の他方端40bを摺動可能に挟持する固定板33を上記他方の出力端子(T)とすることができる。
図9は、直列接続された圧電素子40を模式的に示す斜視図である。一の圧電素子40の圧電セラミック板48の電極面と、他の圧電素子40の金属板46とを電気的に接続することにより、複数の圧電素子40が直列に接続される。
各圧電素子40を直列に接続する場合、圧電セラミック板48同士および金属板46同士が同電位とならないよう、ベース部材30、固定板33および揺動部材20と圧電素子40とを絶縁する。かかる絶縁に際しては、ベース部材30、固定板33および揺動部材20を、強化プラスティックなど非導電性の材料で作成してもよく、または圧電素子40の一方端40aおよび他方端40bの表面に絶縁テープを貼るなどしてこれらの部材と絶縁してもよい。
そして、それぞれの圧電セラミック板48の上面に位置する電極面と、圧電セラミック板48の下面側に接着されている金属板46の下面にそれぞれリード線(図示せず)を設け、各圧電素子40を互いに電気接続するとよい。
上記本実施形態の圧電発電装置10の作用および効果について説明する。
本実施形態の圧電発電装置10は、圧電素子40の一方端40aまたは他方端40bの少なくとも一方が、揺動部材20またはベース部材30に対して挿抜可能に嵌合しているとともに、外力の無印加時に当該端部は長手方向に遊びを有している。このため、圧電素子40は、特に脆性が高く恒常的な応力負荷による劣化が顕著な圧電セラミック板48において、かかる劣化が抑制される。
また、本実施形態の圧電発電装置10において、圧電素子40は、揺動する両端を結ぶ長手方向に挿抜可能であるため、圧電素子40には曲げ荷重のみが負荷され、板状の圧電素子40の面内方向に圧縮および引張荷重が作用しない。
そして、圧電素子40の一方端40aまたは他方端40bの少なくとも一方が揺動部材20またはベース部材30に対して挿抜可能である。これにより、揺動する圧電素子40に対して揺動部材20およびベース部材30から引張反力が負荷されることがない。このため、揺動時の圧電素子40に過大な引張応力が生じることがなく、金属板46や圧電セラミック板48が破断することが防止される。また、本実施形態の圧電発電装置10は、所定の外力の印加によって圧電素子40を大きく撓み変形させて圧電セラミック板48に大きな曲げ撓みを生じることができるため、高い発電効率を得ることができる。
本実施形態の圧電素子40の一方端40aおよび他方端40bは、ベース部材30および揺動部材20に対して、ともに回動が規制されている。かかる構成により、固定端FEにおいては圧電セラミック板48に負荷される曲げ応力が高められ、摺動端SEにおいては圧電素子40の保持が脱離することが防止される。
本実施形態の圧電発電装置10では、一方端40aおよび他方端40bが揺動部材20およびベース部材30にそれぞれ保持された複数の圧電素子40が、互いに面内方向に並んで設けられている。また、本実施形態の場合、複数の圧電素子40は単段に配置されている。かかる構成により、圧電発電装置10が全体に薄型構造となるため、床や階段などにこれを好適に設置することができる。
圧電発電装置10は、外力が印加される向きに対して逆向きに圧電素子40を付勢する付勢部材としてのコイルバネ36を備えている。かかる構成により、外力の無負荷時に圧電素子40が揺動の節の位置にセットされる。このため、圧電素子40を揺動の腹の位置から上下揺動させる場合に比して、圧電セラミック板48に2倍の変形量を得ることができるため、圧電発電装置10において約2倍の電圧を発生させることができる。
圧電発電装置10は、往復揺動する揺動部材20の揺動幅を圧電素子40の許容撓み量以下に規制するストッパー部22を備えている。かかる構成により、所定以上に大きな外力が揺動部材20に印加された場合も、圧電素子40の変形量を限界撓み量以下とすることができ、圧電素子40の破損が防止される。
<第二実施形態>
図10は、本実施形態にかかる圧電発電装置10の一例を示す部分斜視図である。同図では圧電素子40の一方端40a側および揺動部材20は図示を省略している。
本実施形態の圧電発電装置10は、圧電素子40の他方端40bがベース部材30に固着保持され、一方端40aが揺動部材20に対して挿抜可能に保持されている。
なお、本実施形態の揺動部材20は絶縁材料からなり、圧電素子40からの発生電力はベース部材30から圧電発電装置10の外部に導出される。
本実施形態の圧電発電装置10には、複数の圧電素子40を着脱可能に押圧保持するとともに、圧電素子40がそれぞれ備える圧電セラミック板48を直列または並列に電気的に接続して、圧電セラミック板48から出力電流を取り出す導電部材50が揺動部材20またはベース部材30に設けられている。
本実施形態の場合、導電部材50は圧電発電装置10の幅方向に延在する直方体状をなし、ベース部材30の台座部302との間で複数の圧電素子40の圧電セラミック板48を押圧保持している。
複数の圧電素子40は、導電部材50により揺動部材20またはベース部材30に対して剛に固定されている。
導電部材50は金属材料からなり、複数の圧電セラミック板48の上面にそれぞれ形成された電極面と電気的に接続されている。
図10(a)は、圧電素子40が圧電ユニモルフ素子であって金属板46の上面にのみ圧電セラミック板48が接合された状態を示している。
同図の場合、台座部302は金属材料で作成されている。そして、複数の圧電素子40における金属板46の下面はいずれも台座部302と当接している。
したがって、同図に示す圧電発電装置10においては、導電部材50を一方の出力端子(T)とし、台座部302またはこれに電気接続された底部300を他方の出力端子(T)とすることができる。
同図(b)は、圧電素子40が圧電バイモルフ素子であって、金属板46の上下面に圧電セラミック板48a,48bがそれぞれ接合された状態を示している。
同図の場合、圧電セラミック板48aは導電部材50によって電極的に接続され、圧電セラミック板48bは台座部302によって電極的に接続されている。
そして、導電部材50と台座部302とは図示しない配線により接続されて一方の出力端子(T)を構成する。
圧電素子40の他方端40bにおいて、金属板46は圧電セラミック板48aまたは48bの少なくとも一方から露出している。そして、露出した当該金属板46の端部同士は、導電板52により互いに電極的に接続されている。
導電板52は、複数の圧電素子40における金属板46同士を接続するとともに、他方の出力端子(T)を構成する部材である。
導電部材50および導電板52は、絶縁性ボルトによって台座部302に締結されている。
本実施形態の圧電発電装置10のように、導電部材50や導電板52によって複数の圧電素子40を着脱可能に押圧して保持する方式とすることにより、圧電素子40をベース部材30に個別に半田付けする必要がない。このため、圧電素子40の取付時および交換時の作業性が良好となる。
なお、圧電素子40の他方端40bは、本実施形態のようにベース部材30に対して固定保持されていてもよく、または、ベース部材30に対して圧電素子40を長手方向に摺動可能として、挿抜可能に保持してもよい。
<第三実施形態>
図11は、本実施形態にかかる圧電発電装置10の一例を示す平面模式図である。ただし、揺動部材20の上面に接合された加圧板60は図示を省略している。
ベース部材30は、揺動部材20の周囲を囲んで設けられている。
本実施形態では、平面視にて一方端40aから他方端40bに向かって幅寸法が拡大するテーパー形状の圧電素子40が、揺動部材20の周囲に放射状に複数並んで設けられている。さらに、圧電素子40の他方端40bを保持するベース部材30の保持端縁32は、直線状をなしている。
同図に示すように、本実施形態の圧電発電装置10は、台形状の圧電素子40が環状に6個配置されて、全体として正六角形状をなしている。
本実施形態では、便宜上、圧電発電装置10の径方向を圧電素子40の長手方向とし、圧電発電装置10の周方向を圧電素子40の幅方向とする。
圧電素子40は、揺動部材20に保持された一方端40aを短辺とし、ベース部材30に保持された他方端40bを長辺とする等脚台形状をなしている。
圧電素子40の一方端40aは、揺動部材20に対して挿抜可能かつ摺動可能に保持されている。また、他方端40bは、ベース部材30に対して剛に固定されている。
また、圧電素子40において、圧電セラミック板48は他方端40bの側に偏在しており、揺動部材20に対して摺動する一方端40aの近傍には設けられていない。
ベース部材30の底部300からは、第一実施形態と同様に、台座部302が起立しており、台座部302と固定板33とで圧電素子40の他方端40bを挟持している。
圧電素子40を挟持する台座部302および固定板33の保持端縁32は直線状である。よって、揺動部材20とともに一方端40aが上下揺動した場合、圧電素子40の他方端40bの近傍は、保持端縁32に沿って折れ曲がるように変形する。すなわち、本実施形態の圧電素子40は、ベース部材30に剛結された他方端40bの近傍が鞍形の曲面形状に撓むことがない。
ここで、圧電素子40の固定端である他方端40bの近傍では、圧電セラミック板48に負荷される曲げ荷重が大きく発生するため、圧電セラミック板48による発電が支配的に行われる。
一方、上記特許文献2の図2(a)のように円形の圧電素子を、円弧状の保持端縁によって保持した場合、圧電素子は上下揺動することで鞍形の三次元曲面となって撓む。この場合、他方端40bの近傍には、圧電素子40の長手方向に延在する変曲点(変曲線)が発生し、圧電素子40の幅方向の両側における圧電セラミック板48からの起電力が相殺されることとなる。
これに対し、本実施形態のように圧電素子40の他方端40bの近傍を直線状に保持し、かかる保持端縁32に沿って圧電セラミック板48を曲げ変形させた場合は、圧電セラミック板48に変曲点が生じることがない。このため、本実施形態の圧電発電装置10では圧電セラミック板48からの起電力が相殺されることがなく、効率的な発電が可能である。
なお、圧電セラミック板48が設けられていない一方端40aに関しては、揺動部材20による保持端縁が直線状であっても曲線状であってもよい。ただし、かかる保持端縁を直線状とすることで、曲げ変形しながら上下揺動する一方端40aの近傍に関しても鞍形の曲面形状に撓むことがない。これにより、一方端40aは揺動部材20に対して良好に摺動することができる。
図7(b)は、本実施形態にかかる正六角形状の圧電発電装置10を多数敷き詰めて設置し、歩行者Pが加圧板60の上を歩行する状態を示す模式図である。
圧電発電装置10の外形を正六角形とすることにより、多数の圧電発電装置10を隙間なく敷き詰めることができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
例えば、上記各実施形態において、各圧電発電装置10には一式の揺動部材20のみが設けられている態様を例示的に説明したが、本発明はこれに限られない。
図12は、第一の変形例にかかる圧電発電装置10の縦断面図である。本変形例の圧電発電装置10は、一枚の加圧板60の下面が二つの揺動部材20a,20bで支持されている。
揺動部材20a,20bはそれぞれコイルバネ36a,36bによって、ベース部材30より上方に付勢されている。揺動部材20a,20bは、圧電発電装置10の長手方向(同図の左右方向)に並んで設けられており、それぞれの長手方向の両側に圧電素子40の一方端40aを固定的に保持している。
ベース部材30には、その周縁部および中央部が圧電発電装置10の幅方向(同図の紙面前後方向)に延在する肉厚の台座部302が底部300より起立して形成されている。そして、圧電素子40の他方端40bは、台座部302と、これに接合される固定板33とによって摺動可能に保持される。
このように、複数の圧電素子40を保持した揺動部材20を、ベース部材30および加圧板60に対してアレイ状に配置することにより、圧電発電装置10あたりに保持される圧電素子40の数が増大する。このため、所定の電力を得るに際して圧電発電装置10の設置式数を低減することができる。
また、上記各実施形態においては、加圧板60は外力によって揺動部材20を押し込みつつ、加圧板ガイド部304の内壁面306に沿って下方に摺動移動する態様を例示的に説明したが、本発明はこれに限られない。
図13は、第二の変形例にかかる圧電発電装置10の縦断面図である。本変形例の圧電発電装置10は、可撓性を有する加圧板60が外力の印加によって撓み変形をする。同図(a)は外力の無印加時(初期撓み状態)を示し、同図(b)は外力の印加時(加圧撓み状態)を示している。
本変形例の加圧板60は、その端部62が加圧板ガイド部304の内壁面306に対して昇降しない。そして、加圧板60の端部62と加圧板ガイド部304とは、揺動部材20の揺動位置によらず面一である。
揺動部材20はコイルバネ36によりベース部材30の上方に付勢されている。揺動部材20は加圧板60の中央部の下面に設けられている。
そして、外力の無印加時には、コイルバネ36の付勢力により加圧板60の中央は膨出して上に凸に撓んでいる。
一方、加圧板60を押下する付勢力が印加された場合、コイルバネ36は圧縮される。揺動部材20の下端のストッパー部22がベース部材30と当接することで加圧板60の押下は停止する。このとき、加圧板60は平坦となり、加圧板60の全体が加圧板ガイド部304に対して面一となる。
図14は、第三の変形例にかかる圧電発電装置10の縦断面図である。本変形例の圧電発電装置10もまた、可撓性を有する加圧板60が外力の印加によって撓み変形する。同図(a)は外力の無印加時(初期撓み状態)を示し、同図(b)は外力の印加時(加圧撓み状態)を示している。
本変形例の加圧板60は、初期撓み状態において平坦であり、加圧撓み状態において凹状に撓み変形する点で図13に示す変形例と相違している。
そして、本変形例の加圧板60もまた、その端部62が加圧板ガイド部304の内壁面306に対して昇降せず、加圧板60の端部62と加圧板ガイド部304とは揺動部材20の揺動位置によらず面一である。
図13,14に示す圧電発電装置10のように、加圧板60が可撓性を有することで、加圧板60の面央が揺動部材20とともに揺動可能となる。これにより、加圧板60の端部62と加圧板ガイド部304とが常に面一に保たれるため、加圧板60の上を歩行する歩行者P(図7を参照)の通行を阻害することがない。
また、上記各実施形態において、加圧板60に外力が印加される向きに対して逆向きに圧電素子40を付勢する付勢部材としてコイルバネ36を例示しているが、本発明はこれに限られない。付勢部材としては、板バネなど、他の弾性部材を使用することができる。
このとき、付勢部材は、外力の無印加状態において、揺動部材20を上限位置に保持できるものであり、さらに、10kg程度の幼児一人が歩行した場合に圧電素子40を撓ませられる程度の弾性率を有するものを選定するとよい。
なお、本発明の圧電発電装置10においては、付勢部材を設けるか否かは任意である。すなわち、圧電素子40の金属板46は所定の弾性力を有するため、印加されていた外力が除去された場合には、圧電素子40自身の復元力により圧電発電装置10は初期状態に戻ることができる。
なお、本発明の圧電発電装置10においては、揺動部材20を揺動させて圧電素子40に曲げ応力を生じさせるものであるかぎり、外力の発生源は特に限られない。上記各実施形態では歩行者の自重を例示したが、このほか、例えば走行する車両の重量や開閉する扉の回転力などの人為的な動力のほか、風力、波力もしくは潮汐力などの自然エネルギーを用いてもよい。
上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)外力の印加または除去によって往復揺動する揺動部材と、ベース部材と、長手方向の一方端が前記揺動部材に保持され他方端が前記ベース部材に保持された板状の圧電素子と、を備え、前記圧電素子の前記一方端または他方端の少なくとも一方が前記揺動部材または前記ベース部材に対して、挿抜可能に嵌合しているとともに前記外力の無印加時に前記長手方向に遊びを有することを特徴とする圧電発電装置。
(2)前記圧電素子の前記一方端および他方端が、前記ベース部材および前記揺動部材に対して、ともに回動が規制されている上記記載の圧電発電装置。
(3)前記圧電素子が、金属板と、前記金属板の表面に接合された板状の圧電材料とを備え、前記金属板の前記一方端または他方端のいずれか一方が前記揺動部材または前記ベース部材に対して剛に固定された固定端である上記記載の圧電発電装置であって、前記揺動部材の揺動により前記金属板が略S字状に撓み変形するとともに、前記圧電材料が、前記撓み変形した金属板の変曲点よりも前記固定端の側に偏在して設けられていることを特徴とする圧電発電装置。
(4)一方端および他方端が前記揺動部材および前記ベース部材にそれぞれ保持された複数の前記圧電素子が、互いに面内方向に並んで設けられている上記記載の圧電発電装置。
(5)前記ベース部材が前記揺動部材の周囲を囲んで設けられ、平面視にて前記一方端から他方端に向かって幅寸法が拡大するテーパー形状の前記圧電素子が、前記揺動部材の周囲に放射状に複数並んで設けられているとともに、前記圧電素子の前記他方端を保持する前記ベース部材の保持端縁が直線状をなしていることを特徴とする上記記載の圧電発電装置。
(6)複数の前記圧電素子を着脱可能に押圧保持するとともに、前記圧電素子がそれぞれ備える前記圧電材料を直列または並列に電気的に接続して、前記圧電材料から出力電流を取り出す導電部材が前記揺動部材または前記ベース部材に設けられている上記記載の圧電発電装置。
(7)複数の前記圧電素子が、前記導電部材により前記揺動部材または前記ベース部材に対して剛に固定されている上記記載の圧電発電装置。
(8)前記外力が印加される向きに対して逆向きに前記圧電素子を付勢する付勢部材をさらに備える上記記載の圧電発電装置。
(9)往復揺動する前記揺動部材の揺動幅を前記圧電素子の許容撓み量以下に規制するストッパー部を備える上記記載の圧電発電装置。
(a)は第一実施形態にかかる圧電発電装置の一例を示す平面模式図であり、(b)はそのB−B断面(縦断面)図である。 加圧板および揺動部材が上下方向に往復揺動する状態を示す圧電発電装置の縦断面図であり、(a)は外力の無印加時を示し、(b)は外力の印加時を示す。 圧電発電装置に使用される圧電素子を長手方向に切った縦断面図を示す模式図である。 圧電バイモルフ素子である圧電素子の長辺の一方端に荷重を印加した状態を示す模式図である。 図2(b)に円Vで示す領域の拡大図である。 図2(a),(b)における揺動部材の近傍に関する拡大図である。 本実施形態にかかる多数の圧電発電装置を敷き詰めて設置し、歩行者が加圧板の上を歩行する状態を示す模式図である。 並列接続された圧電素子を模式的に示す斜視図である。 直列接続された圧電素子を模式的に示す斜視図である。 第二実施形態にかかる圧電発電装置の一例を示す部分斜視図である。 第三実施形態にかかる圧電発電装置の一例を示す平面模式図である。 第一の変形例にかかる圧電発電装置の縦断面図である。 第二の変形例にかかる圧電発電装置の縦断面図である。 第三の変形例にかかる圧電発電装置の縦断面図である。 一端が支持部材に固着された片持ち状態の圧電素子を示す側面図である。
符号の説明
10 圧電発電装置
20,20a,20b 揺動部材
22 ストッパー部
28 絶縁膜
30 ベース部材
32 保持端縁
33 固定板
34 固定ピン
35 調整ネジ
36,36a,36b コイルバネ,
37 スリット溝
40 圧電素子
40a 一方端
40b 他方端
46 金属板
48,48a,48b 圧電セラミック板,
50 導電部材
52 導電板
60 加圧板
300 底部
302 台座部
304 加圧板ガイド部
308 溝部
FE 固定端
SE 摺動端
F 荷重
PI 変曲点

Claims (1)

  1. 外力の印加または除去によって往復揺動する揺動部材と、ベース部材と、長手方向の一方端が前記揺動部材に保持され他方端が前記ベース部材に保持された板状の圧電素子と、を備え、
    前記圧電素子の前記一方端および他方端が、前記ベース部材および前記揺動部材に対して、ともに回動が規制されており、
    前記圧電素子の前記一方端または他方端の少なくとも一方が前記揺動部材または前記ベース部材に対して、挿抜可能に嵌合しているとともに前記外力の無印加時に前記長手方向に遊びを有し、
    前記圧電素子が、金属板と、前記金属板の表面に接合された板状の圧電材料とを備え、前記金属板の前記一方端または他方端のいずれか一方が前記揺動部材または前記ベース部材に対して剛に固定された固定端であり、
    前記揺動部材の揺動により前記金属板が略S字状に撓み変形するとともに、
    前記圧電材料が、前記撓み変形した金属板の変曲点よりも前記固定端の側に偏在して設けられており、
    複数の前記圧電素子が幅方向に並んで設けられており、
    前記圧電素子から出力電流を取り出す導電部材が前記揺動部材または前記ベース部材に設けられており、
    前記導電部材が、前記幅方向に並ぶ複数の前記圧電素子を互いに直列または並列に電気的に接続するとともに、複数の前記圧電素子を前記揺動部材または前記ベース部材に対して剛に固定していることを特徴とする圧電発電装置。
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