JP5385985B2 - 注射装置 - Google Patents

Description

この発明は注射装置に関し、特にいくつかの自動機能を有する注射器に関する。

発明の背景
穿通、注射、投与量の設定、準備作業、および使用後の針のカバーなどに関連して、高度の機能性および自動機能を有することを目的とする多くの注射器が、市場に出回っている。同時に、機能に関して頑健性、反復性および信頼性に対する要望もあるが、連係する多くの構成部品を要する複雑な多機能を扱う際には、その要求を満たすことが困難となり得る場合もある。さらに、特に一度しか使用されない装置について、低い生産コストに対する要望がある場合、事態はより一層複雑となる。

特許文献には、注射装置に対する多くの解決策が存在しているが、それらの大半は、何らかの点で要望を満たさないため、市場に出ることがない。したがって、所望の機能を提供し、同時に機能的および／または経済的要望を満たす解決策が、引続き探求されている。

たとえば、穿通、それに注射、それに続く引抜きといった、連続で動作する多機能を有する多くの装置は、前のシーケンスの終わりに次のシーケンスを誘発させる。たとえば、針が十分な穿通深さに到達すると、注射シーケンスが誘発される。

或る共通の設計は、たとえば注射ストロークといった或る動作の動きに次の動きを誘発させることである。これを頑健な方法で容易にするには、公差を勘案する必要があり、絶対的な終点の先の部分に誘発点を設定する必要がある場合が多い。終点に到達すると、次の動作を誘発するために必要な手段の変位が起こらなくなる場合がある。一方、ストロークにおける早過ぎる時点で誘発点が設定されると、次の動きが誘発される場合があり、そのため、前の動作は、要求される時間またはシーケンス内に完了されない。いずれの場合も、意図された動作が失敗するかまたは全く起こらないというリスクがある。

これを解決する１つの試みが文献ＷＯ ０３／０９７１３３に開示されており、それでは、装置は、互いに対して可動の２つの部品に配置されたプランジャーロッドを有している。これらの部品の間には、部品が共に押された場合に空気を抜くための小さな抽気孔を有するピストン／シリンダ構成として、遅延機構が配置されており、それにより、注射シーケンス中のプランジャーロッドの動きの遅延が意図され、それは、針が引っ込む前に薬剤容器が空になることを確実にするはずである。しかしながら、穿通および注射は共に、プランジャーロッドに作用する共通のバネによって行なわれるため、遅延機構は穿通および注射シーケンス全体にわたって動作し、それにより、注射シーケンスの終わりに達するずっと前に遅延機能が終了するという顕著なリスクがある。さらに、注射動作の間、引込みバネは張力をかけられている。

文献ＧＢ ２ ４１４ ４０４は、高粘度減衰流体を含有する貯留部と、穿通および注射の双方を行なうための１つの強力な駆動バネと、穿通および注射中、針の引込みのために、このより強力なバネによって張力をかけられているより弱いバネと、注射の終了直前のプランジャーロッドの動きを遅延させるよう意図され、それによりプランジャーロッドが駆動バネから解除されて針が注射部位から引抜かれる遅延手段とを有する注射装置を記載している。遅延手段は２つの分離機構を含み、第１の分離は、貯留部内のストッパがその端に到達する直前に作動され、第２のものは、貯留部が空になる直前に作動される。しかしながら、分離は、貯留部を空にするのにかかる時間のため遅延され、それにより、容器が解除されて元の位置に戻される前に、容器の残りの含有物が放出されることが確実になる。しかしながら、注射の終了直前に遅延が作用し始めるため、ゴム化合物といった注射システムの弾性部材、またはプランジャーロッドによって圧縮された空気が、引込みが誘発される前に弛緩した状態へと膨らむのに十分な時間がない、という顕著なリスクがある。それにより、その機能性、精度および信頼性に関する問題が生じる。

文献ＧＢ ２ ４１４ ４０４、またはＧＢ ２ ４２４ ８３８、もしくはＧＢ ２ ３９６ ２９８は、シリンジのストッパに作用することによって針穿通および注射の双方を行なうための１つの強力な駆動バネ手段と、針穿通および注射中、針の引込みのためにこのより強力なバネによって張力をかけられているより弱いバネと、高粘度減衰流体を含有する貯留部を有し、注射の終了直前のプランジャーロッドの動きを遅延させるよう意図され、それによりプランジャーロッドが駆動バネから解除されて針が注射部位から引抜かれる遅延手段とを含む注射装置を記載している。遅延手段は２つの分離機構を含み、第１の分離は、シリンジ内のストッパがその端に到達する直前に作動され、第２の分離は、貯留部が空になる直前に作動される。しかしながら、第２の分離は、貯留部を空にするのにかかる時間のため遅延され、それにより、容器が解除されて元の位置に戻される前に、容器の残りの含有物が放出されることが確実になる。しかしながら、注射の終了直前に遅延が作用し始めるため、ゴム化合物といった注射システムの弾性部材、またはプランジャーロッドによって圧縮された空気が、引込みが誘発される前に弛緩した状態へと膨らむのに十分な時間がない、という顕著なリスクがある。それにより、その機能性、精度および信頼性に関する問題が生じる。

このため、或る程度の自動的にかつ確実に行なわれる機能を有する注射装置の技術領域には、さらなる改良の余地がある。

発明の簡単な説明
この発明の目的は、機能性、精度および信頼性に関してそのような装置に求められた要望を満たし、注射といった特定の機能が、次の機能の開始前に十分に完了することを確実にする、注射器を提供することである。

この発明の主な局面によれば、それは独立特許請求項の特徴によって特徴付けられる。さらなる有利な特徴は、従属請求項の主題である。

この発明の主な局面によれば、それは、注射装置であって、細長いハウジング；針が取付けられる薬剤容器を有する容器キャリア；分離スリーブと、前記分離スリーブに、それにより前記容器キャリアに作用可能で、容器および針の摺動運動を引起す、予め負荷をかけられた穿通バネ手段と、前記穿通バネ手段を負荷のかかった状態に保持可能な穿通保持手段とを含む穿通手段；前記薬剤容器内のストッパに作用するよう構成されたプランジャーロッドと、前記容器内部の前記ストッパの変位のために前記プランジャーロッドに作用可能な、予め負荷をかけられた注射バネ手段と、前記注射バネ手段を負荷のかかった状態に保持可能な注射保持手段とを含む注射手段；前記分離スリーブに、それにより前記容器キャリアに作用するよう構成された、予め負荷をかけられた引込みバネと、前記引込みバネを負荷のかかった状態に保持可能な引抜き保持手段とを含む引抜き手段；前記穿通保持手段を切り離すために前記分離スリーブ上に配置された穿通誘発手段に作用可能な、穿通シーケンスを開始するための手段；前記分離スリーブ上に配置され、分離スリーブおよびプランジャーロッドが或る位置へ動くと注射シーケンスを開始するために前記注射保持手段を切り離すことが可能な注射誘発手段；および、前記分離スリーブ上に配置され、前記プランジャーロッドが或る位置へ動くと針の引抜きを開始するために前記引抜き保持手段を切り離すことが可能な引抜き誘発手段を含み、前記装置は、或る体積の高粘度液体を含有し、プランジャーロッドの外面およびキャップの内面によって一部規定されている区画を含む減衰手段をさらに含み、前記区画には、注射シーケンスが開始された場合にのみ液体が押し進められ得る通路が配置され、注射シーケンス全体にわたり、プランジャーロッドが容器内を動くにつれて、区画内の体積が減少するようになっており、それにより減衰剪断力が作り出される、注射装置によって特徴付けられている。

この発明の別の局面によれば、通路は、プランジャーロッドの内部で終わっている。
この発明のさらに別の局面によれば、通路は、前記プランジャーロッドと薬剤容器の内面との間に作り出された環状空間で終わっており、それにより、前記高粘度液体は減衰剪断力を作り出すことが可能である。

この発明のさらなる局面によれば、穿通シーケンスを開始するための手段は、作動ボタンと、穿通スリーブと、ロックアウトスリーブと、針シールドとを含み、前記ロックアウトスリーブは、前記針シールドが注射部位に押付けられて前記押しボタンが手動で操作された後に穿通シーケンスを開始するために、前記穿通スリーブが前記穿通誘発手段と連係できるようになるよう構成され、設計されている。

この発明に従った装置の利点は、１つには、注射シーケンス全体にわたるプランジャーロッドの動きの減衰が、次のステップ、すなわち針の引抜きが誘発される前に注射の完了が得られることを確実にすることである。これは、連係する部品に対する機能的要望および公差を大きくすることなく、薬剤容器を完全に空にすることに関して信頼性の向上を提供する。

注射を行なう際の信頼性も向上する。なぜなら、穿通中も注射中も引抜きバネは全く影響を受けず、穿通シーケンスおよび注射シーケンスが完了し、それによりそれらのバネ手段が分離されるまで、引抜きバネはその負荷のかかった状態にあり、この後初めて引抜きが作動されるためである。これは、注射機構の力および動きのため引抜きバネが張力をかけられることに共に依拠している上述の装置とは対照的である。反対方向のバネ力と、連係する部品間での摩擦および公差の不整合とは、注射シーケンスの未完了、すなわち処方量よりも少ない投与量が注射されるということをもたらす場合がある。

高粘度液体が通路を通って押されることによって遅延が行なわれるため、信頼できかつ制御された機能が得られる。遅延機構は好ましくはプランジャーロッドの前端に配置され、それにより、通路はプランジャーロッドの内部で終わることが可能である。しかしながら、通路が注射装置の他の空間で、たとえばプランジャーロッドと管状の薬剤容器の内面との間の環状空間で終わってもよいことを理解されたい。このように、高粘度液体は、減衰剪断力を作り出す減衰器としても作用し得る。

グリース粘度と、プランジャーロッドの開口部の水力直径、サイズおよび形状とは、意図され所望される機能性を提供するために調整すべき主なパラメータであり、意図される機能とは、薬剤の送達といった所望の変位が完了する前にシステムの変位部材が誘発されないよう、ストローク端で時間遅延を実現することである。

この解決策は、安全で信頼できる一連のシーケンスを含むコスト効率のよい多機能装置を提供し、このため、装置が使用される度にユーザが適正な投与量の薬剤を受けることを確実にする。

この発明のこれらのおよび他の特徴ならびに利点は、以下の詳細な説明および図面から明らかとなるであろう。

図面の簡単な説明
以下の詳細な説明では、図面を参照する。

この発明を含む注射器の長手方向断面図である。 図１の注射器の分解図である。 図１の注射器の分解図である。 この発明の一実施例の断面の詳細図である。 図１の装置の機能ステップを示す図である。 図１の装置の別の機能ステップを示す図である。 図１の装置の別の機能ステップを示す図である。 図１の装置の別の機能ステップを示す図である。 図１の装置の別の機能ステップを示す図である。

発明の詳細な説明
図面に従った装置は、略管状の外側ハウジング１０を含む。図１の右手のハウジングの前端には、略管状の針シールド１２が、外側ハウジングに摺動可能に配置されている。伸長されていない位置にある場合、針シールドは、ハウジングの内面上の棚状突起（図示せず）と協働する外面上の突起１４によって所定の位置に保持される。装置の前方領域の針シールドの内部には、容器キャリア１６が配置されている。容器キャリアの内部には、薬剤を含有する容器１８が取付けられている。容器は、シリンジ、カートリッジ、アンプルなどを含むとして解釈されたい。容器の前端には、針２２を容器に取付けるための取付け手段２０が配置されている。容器の後端は、そのフランジ２４がホルダ２６にある状態で位置している。ホルダに隣接して、注射解除リング２８が配置されており、それは以下により詳細に説明される。プランジャー３０が、一端がストッパ３２に隣接した状態で容器内へと延びている。プランジャーの後端は、容器ホルダにスナップ嵌めされる分離スリーブ３４によって包囲されている。分離スリーブには図２の可撓性舌状部３６が配置されており、各舌状部には内側を向いた棚状突起が配置されている。初期状態では、これらの棚状突起は、プランジャー３０上の外周溝３７に位置付けられている。舌状部および棚状突起は、注射解除リング２８によってこの位置に保持される。プランジャーの内部には注射バネ３８が配置され、プランジャー３０の前壁と分離スリーブ３４の壁部分４２との間で圧縮されている。分離スリーブにはさらに、可撓性アーム上に配置された外側に延びる突起４４が配置されている。突起に当接しているのは引込み解除リング４６であり、それは以下に説明される。以下に穿通バネと呼ばれるバネ４８が、引込み解除リング４６と穿通スリーブ５０との間に配置されている。穿通スリーブの前端では、まっすぐな部分と傾斜した部分とを有し、スリーブの窪み５６へと延びている、外側を向いた突起５４によって、引込みバネ固定具５２が穿通スリーブ５０とスナップ嵌めされている。穿通スリーブの外側には、ロックアウトスリーブ５８が配置されている。ロックアウトスリーブ５８の後部には、穿通スリーブの可撓性アーム６２に隣接して窪み６０が配置されており、それらのアームには、外側に延びる突起６４と内側に延びる棚状突起６６とが配置されている。初期位置では、これらの棚状突起は、分離スリーブ３４上の外周溝６８の壁と接している。アーム６２の上部には、傾斜面７０がさらに配置されている。ハウジングの上端には、作動ボタン７２が摺動可能に配置され、内側に延びる部分７４を有しており、それらには、アーム６２の傾斜面７０と面する傾斜面が配置されている。さらに、図５ｂの引込み解除リング４６と分離スリーブ３４上に配置された環状の棚状突起７８との間には、穿通引込みバネ７６が配置されている。

この発明によれば、それにはさらに図４の遅延機構が配置されている。それは、プランジャーロッド３０の前端に摺動可能に配置されたキャップまたはカバー１００を含む。キャップの内部とプランジャーロッドの前面とによって作り出された区画１０２には、グリース、油、ペーストなどの高粘度液体が充填されている。プランジャーロッドの前面にはさらに、区画とプランジャーロッドの内部との間に通路を形成する貫通穴１０４が配置されており、その機能は以下に説明される。

装置は、以下のように機能するよう意図されている。初期位置にある場合、針シールド１２はハウジング１０の内部に位置付けられており、突起１４が図１のハウジングの棚状突起に対して作用することによって所定の位置に保持される。装置は、容器キャップ７７を有する容器１８の前端を包囲する針シールドの前端に保護キャップ１０６が挿入された状態で運ぶことができる。保護キャップが取外され、それにより容器キャップも取外されて、針２２が容器に取付けられる。針シールド１２は次に、針シールドの突起１４が図５ａのハウジング１０の内面上の窪み８０に入るまで、手動で前方に押される。突起は、針シールドが伸長されると棚状突起を越えて摺動できるものの、窪みに入ると針シールドの押込みを防止するような構成を有している。

装置はここですぐに使える状態にある。ユーザは、注射部位に対して針シールド１２の端を配置し、押ボタン７２を押す。針シールド１２を押すことにより、針シールド１２は、針シールドの突起１４が窪み８０の上壁に当接するまで、内側に短い距離動かされる。この動きにより、ロックアウトスリーブ５８が同じ短い距離動かされる。なぜなら、伸長された位置にある針シールド１２の上端が、ロックアウトスリーブ５８の下端に接しているためである。

装置が注射部位から引抜かれると、ロックアウトスリーブおよび針シールドは、初期位置に戻るよう動かされる。ロックアウトスリーブの動きにより、その窪み６０は、穿通スリーブ５０のアーム６２の外側に延びる突起６４の外側に位置付けられ、それによりボタン７２を押し下げることが可能となり、それにより、内側に延びる部分の傾斜面がアーム６２の傾斜面７０に作用して、それらを径方向外側に動かす。これは、ロックアウトスリーブ５８が動かされなかった場合には不可能である。なぜなら、アームの突起はその場合、ロックアウトスリーブの内面に当接しているためである。

アームが径方向外側に動くと、アーム６２の内側を向いた棚状突起６６は動かされて、分離スリーブ３４の外周溝６８と接触しなくなり、分離スリーブ３４は次に、突起４４によって分離スリーブ３４に対して所定の位置に保持される引込み解除リング４６に作用する穿通バネ４８によって前方へ動かされる。こうして、分離スリーブ３４、分離スリーブの内部に配置されたプランジャー３０、分離スリーブに接続された容器キャリア１６、注射解除リング２８、および容器１８は前方に動かされ、図６の針の注射部位への穿通を引起す。

或る深さで、注射解除リング２８は、その可撓性アーム上の突起が針シールド１２上のスロットに係合することによって停止され、それは可撓性舌状部３６を開放する。なぜなら、可撓性舌状部は、分離スリーブ３４の連続運動によりリングを通過するためである。舌状部の開放により、それらは径方向外側に曲げられ、それにより、内側を向いた棚状突起が動かされて、プランジャー上の溝３７と接触しなくなる。引込み解除リング４６が引込みバネ固定具５２と接触すると、分離スリーブ３４の動き、ひいては穿通が停止される。

しかしながら、プランジャーはここで、注射バネ３８の力によって自由に動き、それにより、図７で、それはストッパ３２を押して注射が行なわれる。ストッパが容器のほぼ前端に到達すると、プランジャーロッドの力はキャップ１００の内部の区画１０２の高粘度液体に作用する。力はキャップ１００の変位をもたらし、それは次に、グリースまたは油が、図４のプランジャーロッドの先端によって設けられた通路１０４を通って流れるようにする。グリース粘度と、プランジャーロッドの開口部の水力直径、サイズおよび形状とは、意図され所望される機能性を提供するために調整すべき主なパラメータであり、意図される機能とは、たとえば薬剤の送達といった所望の変位が完了する前にシステムの変位部材が誘発されないよう、ストローク端で時間遅延を実現することである。

分離スリーブ３４に対するプランジャーの動きにより、プランジャーの上端が分離スリーブの突起４４を通過するようになり、それにより、図８で突起は内側に潰れることができる。

潰れることにより、引込み解除リング４６は突起４４を通過し、引込みバネ７６によって下側に押されるようになる。これにより、図９で、容器１８を有する容器キャリア１６は、注射ストロークのほぼ終わりに分離スリーブ３４を介してハウジング内に引張られるようになり、このため針２２が引込められるようになる。ここで注射が完了し、針はハウジングの内部で保護される。

この発明は勿論、注射が誘発される前に穿通が十分に完了されることを確実にするために、穿通機構の動きを遅延させるよう構成された遅延機構といった、注射装置の他の機能を遅延させるために使用可能である。

上に説明し、図面に示した実施例は、この発明の非限定的な一例としてのみ見なされるべきであること、およびそれが特許請求項の範囲内で修正され得ることを理解されたい。

Claims (4)

1. 注射装置であって、
   細長いハウジング（１０）、
   針（２２）が取付けられる薬剤容器（１８）を有する容器キャリア（１６）、
   分離スリーブ（３４）と、前記分離スリーブに、それにより前記容器キャリアに作用可能で、容器および針の摺動運動を引起す、予め負荷をかけられた穿通バネ手段（４８）と、前記穿通バネ手段を負荷のかかった状態に保持可能な穿通保持手段（６０、６２、６８）とを含む穿通手段、
   前記薬剤容器内のストッパに作用するよう構成されたプランジャーロッド（３０）と、前記容器内部の前記ストッパ（１８）の変位のために前記プランジャーロッド（３０）に作用可能な、予め負荷をかけられた注射バネ手段（３８）と、前記注射バネ手段を負荷のかかった状態に保持可能な注射保持手段（２８、３６、３７）とを含む注射手段、
   前記分離スリーブに、それにより前記容器キャリアに作用するよう構成された、予め負荷をかけられた引込みバネ（７６）と、前記引込みバネを負荷のかかった状態に保持可能な引抜き保持手段（４４、４６）とを含む引抜き手段、
   前記穿通保持手段を切り離すために前記分離スリーブ上に配置された穿通誘発手段（６８）に作用可能な、穿通シーケンスを開始するための手段（１２、７２、５０、５８）、
   前記分離スリーブ上に配置され、分離スリーブおよびプランジャーロッドが或る位置へ動くと注射シーケンスを開始するために前記注射保持手段を切り離すことが可能な注射誘発手段（３６）、および
   前記分離スリーブ上に配置され、前記プランジャーロッド（３０）が或る位置へ動くと針の引抜きを開始するために前記引抜き保持手段を切り離すことが可能な引抜き誘発手段（４４）を含み、
   前記装置は、或る体積の高粘度液体を含有し、プランジャーロッドの外面およびキャップ（１００）の内面によって一部規定されている区画（１０２）を含む減衰手段をさらに含み、前記区画には、注射シーケンスが開始された場合にのみ液体が押し進められ得る通路（１０４）が配置され、注射シーケンス全体にわたり、プランジャーロッドが容器内を動くにつれて、区画内の体積が減少するようになっており、それにより減衰剪断力が作り出されることを特徴とする、注射装置。
2. 前記通路は、プランジャーロッドの内部で終わっている、請求項１に記載の注射装置。
3. 前記通路は、前記プランジャーロッド（３０）と薬剤容器の内面との間に作り出された環状空間で終わっており、それにより、前記高粘度液体は減衰剪断力を作り出すことが可能である、請求項１に記載の注射装置。
4. 穿通シーケンスを開始するための手段は、作動ボタン（７２）と、穿通スリーブ（５０）と、ロックアウトスリーブ（５８）と、針シールドとを含み、前記ロックアウトスリーブは、前記針シールドが注射部位に押付けられて前記作動ボタン（７２）が手動で操作された後に穿通シーケンスを開始するために、前記穿通スリーブが前記穿通誘発手段（６８）と連係できるようになるよう構成され、設計されている、請求項１から３のいずれかに記載の注射装置。