JP5385185B2 - インクジェットプリンタおよび画像記録方法 - Google Patents

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本発明は、複数種類のインクを吐出するインクジェットプリンタ、および、インクジェットプリンタにおいて実行される画像記録方法に関する。
従来より、ホワイトインクにて一様な画像(いわゆる、ベタ画像)の層と、ホワイト以外の色のカラーインクによる画像(以下、「カラーインク画像」という。)の層とを重ねて形成する多層印刷が行われている。例えば、透明な対象物上にホワイトを背景色としてカラーの画像を記録する場合には、対象物の記録面上にホワイトインクの層を先に形成し、その後、ホワイトインクの層上にカラーインク画像を記録する、いわゆる表刷り、または、記録面上にカラーインク画像を先に記録し、その後、カラーインク画像の層上にホワイトインクの層を形成する、いわゆる裏刷りが行われる。
特許文献1では、複数のヘッドを記録媒体に対して主走査方向に移動するとともに、記録媒体を主走査方向に垂直な副走査方向に間欠的に移動して画像を記録するインクジェットプリンタにおいて、カラーインクを吐出するヘッドの主走査方向の両側、または、副走査方向の両側にホワイトインクを吐出するヘッドを配置し、一方のヘッドからホワイトインクを吐出することにより、表刷りまたは裏刷りを行う手法が開示されている。
また、特許文献2のインクジェット記録装置では、副走査方向に複数のノズルが配列された画像記録用ノズルアレイと、副走査方向に複数のノズルが配列された補助記録用ノズルアレイとが主走査方向に並べられる。表刷りの際には、カラーインクを吐出する画像記録用ノズルアレイにおける副走査の後続側半分の領域がインク吐出領域として選択されるとともに、ホワイトインクを吐出する補助記録用ノズルアレイにおける先行側半分の領域がインク吐出領域として選択される。また、裏刷りの際には、画像記録用ノズルアレイにおける副走査の先行側半分の領域がインク吐出領域として選択されるとともに、補助記録用ノズルアレイにおける後続側半分の領域がインク吐出領域として選択される。特許文献2の装置では、特許文献1の装置のようにカラーインクを吐出するヘッドの主走査方向の両側、または、副走査方向の両側にホワイトインクを吐出するヘッドを配置する必要が無いため、ヘッドユニットの小型化が可能となる。なお、特許文献3では、特許文献2と同様の手法にて、3層の印刷を行う手法が開示されている。
特開2003−285427号公報 国際公開第2005/105452号パンフレット 米国特許出願公開第2006/158473号明細書
ところで、特許文献2および3の手法では、既述のように表刷りまたは裏刷りに合わせて、カラーインクを吐出するヘッドの副走査の後続側または先行側半分の領域がインク吐出領域として選択され、ホワイトインクを吐出するヘッドの先行側または後続側半分の領域がインク吐出領域として選択される。したがって、1回の主走査においてカラーインクが付与される記録面上の領域と、ホワイトインクが付与される記録面上の領域とが接してしまい、これらの領域間の境界近傍にてカラーインクとホワイトインクとの滲みが発生しやすくなる。このような滲みはバンディングムラ(単に、バンディングとも呼ばれる。)となり、記録される画像の品質が低下してしまう。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、インクジェットプリンタにより記録面上に記録される画像において、バンディングムラが生じることを抑制することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、インクジェットプリンタであって、副走査方向に配列されるとともに対象物の記録面に向けて第1の種類のインクを吐出する複数の吐出口を有する第1ヘッドと、前記副走査方向に配列されるとともに前記記録面に向けて第2の種類のインクを吐出する複数の吐出口を有する第2ヘッドとを、前記副走査方向に垂直かつ前記記録面に平行な主走査方向に並べて備えるヘッドユニットと、前記ヘッドユニットを前記主走査方向に前記対象物に対して相対的に移動する主走査を行うとともに、所定回数の前記主走査が完了する毎に、前記ヘッドユニットを前記副走査方向に前記ヘッドユニットの前記副走査方向の幅よりも短いステップ移動距離だけ前記対象物に対して相対的に移動する副走査を行う移動機構と、前記ヘッドユニットの前記主走査に並行して前記第1ヘッドおよび前記第2ヘッドからのインクの吐出を制御する制御部とを備え、前記ヘッドユニットにおいて、前記副走査方向に連続する第1動作範囲、休止範囲および第2動作範囲が順に設定され、前記第1動作範囲、前記休止範囲および前記第2動作範囲の前記副走査方向の幅が、それぞれ、前記副走査における前記ヘッドユニットの相対的な移動距離である前記ステップ移動距離の整数倍であり、前記制御部により、前記ヘッドユニットの前記主走査に並行して、前記第1ヘッドの前記複数の吐出口のうち、前記第1動作範囲に含まれる第1動作吐出口群に対してインクの吐出が制御され、前記休止範囲および前記第2動作範囲に含まれる休止吐出口群からのインクの吐出が休止され、前記第2ヘッドの前記複数の吐出口のうち、前記第1動作範囲および前記休止範囲に含まれる休止吐出口群からのインクの吐出が休止され、前記第2動作範囲に含まれる第2動作吐出口群に対してインクの吐出が制御される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットプリンタであって、前記ヘッドユニットの前記主走査方向への相対移動の往路および復路において前記第1動作吐出口群および前記第2動作吐出口群からのインクの吐出が制御され、前記移動機構が、前記ヘッドユニットの所定回数の相対往復移動が完了する毎に、前記副走査を行う。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のインクジェットプリンタであって、前記休止範囲の前記副走査方向の幅が、前記ステップ移動距離に等しい。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のインクジェットプリンタであって、前記ヘッドユニットにおいて、前記副走査方向に連続する前記第1動作範囲、前記休止範囲、前記第2動作範囲、もう1つの休止範囲および第3動作範囲が順に設定され、前記もう1つの休止範囲および前記第3動作範囲の前記副走査方向の幅が、それぞれ前記ステップ移動距離の整数倍であり、前記制御部により、前記ヘッドユニットの前記主走査に並行して、前記第1ヘッドの前記複数の吐出口のうち、前記もう1つの休止範囲に含まれる休止吐出口群からのインクの吐出が休止され、前記第3動作範囲に含まれる第3動作吐出口群に対してインクの吐出が制御され、前記第2ヘッドの前記複数の吐出口のうち、前記もう1つの休止範囲および前記第3動作範囲に含まれる休止吐出口群からのインクの吐出が休止される。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のインクジェットプリンタであって、前記第1ヘッドおよび前記第2ヘッドの一方がカラーインクを吐出し、他方がホワイトインクまたはクリアインクを吐出する。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のインクジェットプリンタであって、前記ヘッドユニットが、前記第1ヘッドおよび前記第2ヘッドから前記記録面上に吐出されたインクに放射線を照射する照射部を備え、前記第1の種類のインクおよび前記第2の種類のインクが放射線硬化性を有する。
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載のインクジェットプリンタであって、前記制御部により、前記第1動作範囲、前記休止範囲および前記第2動作範囲の前記副走査方向の幅が変更可能とされる。
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載のインクジェットプリンタであって、前記ヘッドユニットが、前記主走査方向に並ぶ複数のヘッドを備え、前記複数のヘッドのそれぞれが、前記副走査方向に配列されるとともに前記記録面に向けてインクを吐出する複数の吐出口を有し、前記ヘッドユニットにおいて、前記副走査方向の幅の範囲内に連続して動作範囲および休止範囲が交互に設定され、前記動作範囲の数がN個であり、各動作範囲の幅が前記ステップ移動距離の整数倍であり、各休止範囲の幅が前記ステップ移動距離に等しく、各動作範囲において、いずれか1つのヘッドの吐出口に対して吐出制御が行われることにより、前記記録面上にN層の画像が積層される。
請求項9に記載の発明は、インクジェットプリンタにおいて実行される画像記録方法であって、前記インクジェットプリンタが、副走査方向に配列されるとともに対象物の記録面に向けて第1の種類のインクを吐出する複数の吐出口を有する第1ヘッドと、前記副走査方向に配列されるとともに前記記録面に向けて第2の種類のインクを吐出する複数の吐出口を有する第2ヘッドとを、前記副走査方向に垂直かつ前記記録面に平行な主走査方向に並べて備えるヘッドユニットを備え、前記画像記録方法が、a)前記ヘッドユニットを前記主走査方向に前記対象物に対して相対的に移動する主走査を行うとともに、所定回数の前記主走査が完了する毎に、前記ヘッドユニットを前記副走査方向に前記ヘッドユニットの前記副走査方向の幅よりも短いステップ移動距離だけ前記対象物に対して相対的に移動する副走査を行う工程と、b)前記ヘッドユニットの前記主走査に並行して前記第1ヘッドおよび前記第2ヘッドからのインクの吐出を制御する工程と、c)前記a)工程の前に、前記ヘッドユニットにおいて、前記副走査方向に連続する第1動作範囲、休止範囲および第2動作範囲を順に設定する工程とを備え、前記第1動作範囲、前記休止範囲および前記第2動作範囲の前記副走査方向の幅が、それぞれ、前記副走査における前記ヘッドユニットの相対的な移動距離である前記ステップ移動距離の整数倍であり、前記b)工程において前記ヘッドユニットの前記主走査に並行して、前記第1ヘッドの前記複数の吐出口のうち、前記第1動作範囲に含まれる第1動作吐出口群に対してインクの吐出が制御され、前記休止範囲および前記第2動作範囲に含まれる休止吐出口群からのインクの吐出が休止され、前記第2ヘッドの前記複数の吐出口のうち、前記第1動作範囲および前記休止範囲に含まれる休止吐出口群からのインクの吐出が休止され、前記第2動作範囲に含まれる第2動作吐出口群に対してインクの吐出が制御される。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の画像記録方法であって、前記b)工程において、前記ヘッドユニットの前記主走査方向への相対移動の往路および復路において前記第1動作吐出口群および前記第2動作吐出口群からのインクの吐出が制御され、前記a)工程において、前記ヘッドユニットの所定回数の相対往復移動が完了する毎に、前記副走査が行われる。
請求項11に記載の発明は、請求項9または10に記載の画像記録方法であって、前記休止範囲の前記副走査方向の幅が、前記ステップ移動距離に等しい。
請求項12に記載の発明は、請求項9ないし11のいずれかに記載の画像記録方法であって、前記c)工程において、前記ヘッドユニットにて、前記副走査方向に連続する前記第1動作範囲、前記休止範囲、前記第2動作範囲、もう1つの休止範囲および第3動作範囲が順に設定され、前記もう1つの休止範囲および前記第3動作範囲の前記副走査方向の幅が、それぞれ前記ステップ移動距離の整数倍であり、前記b)工程において前記ヘッドユニットの前記主走査に並行して、前記第1ヘッドの前記複数の吐出口のうち、前記もう1つの休止範囲に含まれる休止吐出口群からのインクの吐出が休止され、前記第3動作範囲に含まれる第3動作吐出口群に対してインクの吐出が制御され、前記第2ヘッドの前記複数の吐出口のうち、前記もう1つの休止範囲および前記第3動作範囲に含まれる休止吐出口群からのインクの吐出が休止される。
請求項13に記載の発明は、請求項9ないし12のいずれかに記載の画像記録方法であって、前記第1ヘッドおよび前記第2ヘッドの一方がカラーインクを吐出し、他方がホワイトインクまたはクリアインクを吐出する。
請求項14に記載の発明は、請求項9ないし13のいずれかに記載の画像記録方法であって、前記ヘッドユニットが、前記第1ヘッドおよび前記第2ヘッドから前記記録面上に吐出されたインクに放射線を照射する照射部を備え、前記第1の種類のインクおよび前記第2の種類のインクが放射線硬化性を有する。
請求項15に記載の発明は、請求項9ないし14のいずれかに記載の画像記録方法であって、前記ヘッドユニットが、前記主走査方向に並ぶ複数のヘッドを備え、前記複数のヘッドのそれぞれが、前記副走査方向に配列されるとともに前記記録面に向けてインクを吐出する複数の吐出口を有し、前記c)工程において、前記ヘッドユニットにて、前記副走査方向の幅の範囲内に連続して動作範囲および休止範囲が交互に設定され、前記動作範囲の数がN個であり、各動作範囲の幅が前記ステップ移動距離の整数倍であり、各休止範囲の幅が前記ステップ移動距離に等しく、前記b)工程において、各動作範囲にて、いずれか1つのヘッドの吐出口に対して吐出制御が行われることにより、前記記録面上にN層の画像が積層される。
本発明によれば、記録面上に記録される画像においてバンディングムラが生じることを抑制することができる。
また、請求項2および10の発明では、双方向印刷に起因するバンディングムラが生じることを防止することができ、請求項4および12の発明では、対象物上において3層の画像を形成することができる。
インクジェットプリンタの外観を示す斜視図である。 ヘッドユニットを示す底面図である。 基材上に画像を記録する動作の流れを示す図である。 2層印刷を行う動作を説明するための図である。 ヘッドユニットを示す底面図である。 比較例のヘッドユニットを示す底面図である。 他の比較例の動作を説明するための図である。 3層印刷を行う動作を説明するための図である。 動作範囲および休止範囲を説明するための図である。 2層印刷を行う他の動作を説明するための図である。
図1は本発明の一の実施の形態に係るインクジェットプリンタ1の外観を示す斜視図である。インクジェットプリンタ1は、例えば、プラスチックにて形成される板状またはシート状の基材9上にインクジェット方式にてカラーの画像を記録する装置である。
インクジェットプリンタ1は本体11および制御部4を備え、本体11は基材9を図1中の(+Z)側の面上に保持するステージ21、および、基台20上に設けられるステージ移動機構22を備える。ステージ21の基材9とは反対側の面には、ステージ移動機構22が有するボールネジ機構のナットが固定され、ボールネジ機構に接続されたモータが回転することにより、ステージ21が図1中のY方向(以下、「副走査方向」とも呼ぶ。)に滑らかに移動する。基台20上には、基台20に対するステージ21の位置を検出する位置検出モジュール23がさらに設けられる。
ステージ21の上方には基材9の(+Z)側の主面(以下、「記録面」という。)に向けてインクの微小液滴を吐出するヘッドユニット3が配置され、ヘッドユニット3は、ボールネジ機構およびモータを有するヘッド移動機構24により副走査方向に垂直かつ基材9の記録面に平行な主走査方向(図1中のX方向)に移動可能に支持される。また、基台20には、ステージ21を跨ぐようにしてフレーム25が設けられ、ヘッド移動機構24はフレーム25に固定される。フレーム25上には紫外線を出射する光源39が設けられ、複数の光ファイバ(実際には、複数の光ファイバは束状となっており、図1では符号391を付して1本の太線にて示している。)を介して光源39からの光がヘッドユニット3の内部へと導入される。
図2はヘッドユニット3を示す底面図である。図2に示すように、ヘッドユニット3はそれぞれが互いに異なる色のインクを吐出する複数の(図2では、4個の)ヘッド31を備え、複数のヘッド31はX方向に配列されてヘッドユニット3の本体30に固定される。図2中の最も(−X)側のヘッド31はC(シアン)の色のインクを吐出し、Cのヘッド31の(+X)側のヘッド31はM(マゼンタ)の色のインクを吐出し、Mのヘッド31の(+X)側のヘッド31はK(ブラック)の色のインクを吐出し、Kのヘッド31の(+X)側のヘッド31はY(イエロー)の色のインクを吐出する。ヘッドユニット3は、ホワイトインクを吐出する1つのヘッド32をさらに備え、ヘッド32はYのヘッド31の(+X)側に配置される。このように、ヘッドユニット3では、複数のヘッド31,32が主走査方向に並んでいる。
以下の説明では、ホワイト以外の色のインク(本実施の形態では、C、M、K、Yのインク)を、ホワイトインクと区別するために「カラーインク」と呼ぶ。また、カラーインクを吐出するヘッド31をカラー記録ヘッド31と総称し、ホワイトインクを吐出するヘッド32を、カラー記録ヘッド31と区別して付加ヘッド32と呼ぶ。
カラー記録ヘッド31および付加ヘッド32のそれぞれでは、複数の吐出口311,321がY方向に等しいピッチ(以下、「吐出口ピッチ」という。)にて配列され、各吐出口311,321から基材9の記録面に向けてインクが吐出される。各色のカラーインクおよびホワイトインクは紫外線硬化剤を含んでおり、紫外線硬化性を有している。図2では、各ヘッド31,32において15個の吐出口311,321を図示しているが、実際には、各ヘッド31,32は多数の吐出口311,321を有している。
また、ヘッドユニット3には、それぞれが光源39に接続される2つの光照射部38が設けられ、2つの光照射部38はX方向に関してカラー記録ヘッド31および付加ヘッド32を挟んで配置される。各光照射部38では、複数の光ファイバがY方向に沿って配列されており、基材9上においてY方向に伸びる線状の領域に各光照射部38により紫外線が照射される。したがって、ヘッドユニット3が(+X)方向に移動する際には、記録面上に吐出された直後のインクに対して(−X)側の光照射部38からの紫外線が照射され、ヘッドユニット3が(−X)方向に移動する際には、記録面上に吐出された直後のインクに対して(+X)側の光照射部38からの紫外線が照射される。これにより、記録面上に吐出されたインクは、短時間にて硬化する。
図3は、インクジェットプリンタ1が基材9上にカラーの画像を記録する動作の流れを示す図である。本動作例では、ホワイトインクにて一様な画像の層(以下、「ホワイトインクの層」という。)と、カラーインクによる画像(以下、「カラーインク画像」という。)の層とを重ねて形成する2層印刷が行われる。
まず、インクジェットプリンタ1では、図示省略の入力部を介して、操作者により印刷条件を指示する入力が行われ、当該入力が制御部4にて受け付けられる(ステップS11)。ここで、印刷条件とは、基材9上に記録する画像の層数や、後述のインターレース印刷における各ヘッドのパス回数等である。本動作例では、2層印刷および各層2回のパスを指示する入力が行われる。2層印刷の場合には、さらに、表刷りまたは裏刷りを指示する入力も行われ、ここでは、表刷りを指示する入力が行われたものとする。続いて、制御部4では、カラー記録ヘッド31の複数の吐出口311、および、付加ヘッド32の複数の吐出口321において、インクの吐出が能動化された動作吐出口群、および、インクの吐出を休止する休止吐出口群が印刷条件に従って決定される(ステップS12)。
具体的には、図2のヘッドユニット3において、副走査方向に関して、符号B1を付す矢印にて示す範囲(以下、「休止範囲」という。)、休止範囲B1に対して(+Y)側に隣接するとともに休止範囲B1の2倍の幅となる範囲(図2中にて符号A1を付す矢印にて示す範囲であり、以下、「第1動作範囲」という。)、並びに、休止範囲B1に対して(−Y)側に隣接するとともに休止範囲B1の2倍の幅となる範囲(図2中にて符号A2を付す矢印にて示す範囲であり、以下、「第2動作範囲」という。)が設定される。そして、第1動作範囲A1に含まれるカラー記録ヘッド31の吐出口311が第1動作吐出口群として決定され、第2動作範囲A2に含まれる付加ヘッド32の吐出口321が第2動作吐出口群として決定される。図2では、第1動作吐出口群を二点鎖線の矩形31Aにて囲み、第2動作吐出口群を二点鎖線の矩形32Aにて囲んでいる(後述の図5において同様)。また、休止範囲B1および第2動作範囲A2に含まれるカラー記録ヘッド31の吐出口311、および、休止範囲B1および第1動作範囲A1に含まれる付加ヘッド32の吐出口321が休止吐出口群とされる。
本動作例では、全ての吐出口311,321を含む副走査方向の範囲をヘッド有効範囲としており、ヘッド有効範囲は、各ヘッド31,32に含まれる吐出口311,321の個数に吐出口ピッチを乗じた幅となる。休止範囲B1の副走査方向の幅はヘッド有効範囲の幅のほぼ1/5であり、第1動作範囲A1および第2動作範囲A2のそれぞれの副走査方向の幅はヘッド有効範囲の幅のほぼ2/5である。したがって、ヘッド31,32のおよそ全ての吐出口311,321が、副走査方向に連続する第1動作範囲A1、休止範囲B1および第2動作範囲A2のいずれかに含まれる。なお、ヘッド31,32の端部近傍にて、第1動作範囲A1、休止範囲B1および第2動作範囲A2のいずれにも含まれない吐出口311,321が存在する場合には、当該吐出口311,321は休止吐出口群に含まれるものとする(以下同様)。
第1および第2動作吐出口群、並びに、休止吐出口群が決定されると、図1のヘッドユニット3が所定の記録開始位置に配置され、ヘッドユニット3の主走査方向への連続的な移動(すなわち、主走査)、および、副走査方向への間欠的な相対移動(すなわち、副走査)が開始される(ステップS13)。詳細には、基材9の(−X)側かつ(+Y)側の端部の上方に配置されたヘッドユニット3が、ヘッド移動機構24により(+X)方向に主走査を行い、基材9の(+X)側の端部上方に到達すると、主走査が停止される。続いて、ステージ移動機構22により基材9が(+Y)方向に休止範囲B1の幅と同じ距離(以下、「ステップ移動距離」という。)だけ移動し(すなわち、ヘッドユニット3が(−Y)方向に副走査し)、その後、ヘッドユニット3が(−X)方向に主走査を行う。ヘッドユニット3が基材9の(−X)側の端部上方に到達して主走査が停止されると、基材9が(+Y)方向にステップ移動距離だけ移動する。
このように、インクジェットプリンタ1では、ヘッドユニット3を主走査方向に基材9に対して相対的に移動する主走査が行われるとともに、1回の主走査が完了する毎に、ヘッドユニット3を副走査方向にヘッドユニット3の副走査方向の幅よりも短いステップ移動距離だけ基材9に対して相対的に移動する副走査が行われる。一方で、制御部4では、ヘッドユニット3の主走査に並行して、第1および第2動作吐出口群からのインクの吐出が描画データに従って制御される(ステップS14)。
図4は、インクジェットプリンタ1が2層印刷を行う動作を説明するための図である。図4の左側では、1つのカラー記録ヘッド31および付加ヘッド32の組合せをX方向に対応する図4中の横方向に近接させて図示しており、Y方向に対応する図4中の縦方向にステップ移動距離dずつずらして当該組合せの複数の配置α1〜α8を図示することにより、各主走査におけるカラー記録ヘッド31および付加ヘッド32の基材9に対する副走査方向の相対位置を示している。また、カラー記録ヘッド31にて第1動作吐出口群として設定される部分31A(カラー記録ヘッド31において第1動作範囲A1に含まれる部分であり、以下、単に「第1動作吐出口群31A」という。)、および、付加ヘッド32にて第2動作吐出口群として設定される部分32A(付加ヘッド32において第2動作範囲A2に含まれる部分であり、以下、単に「第2動作吐出口群32A」という。)に平行斜線を付している。図4の右側では、3回目以降の各主走査においてヘッドユニット3の休止範囲B1が通過する基材9の記録面上の領域(主走査方向に伸びる帯状の領域であり、以下、「スワス」という。)を、符号8,8a〜8hを付す矩形にて示している。
カラー記録ヘッド31および付加ヘッド32が図4中にて符号α1を付す配置となる最初の主走査では、付加ヘッド32の第2動作吐出口群32Aのうち(−Y)側の半分の吐出口321(図4では、細い破線にて第2動作吐出口群32Aを(+Y)側および(−Y)側の半分に区切っている。第1動作吐出口群31Aにおいて同様。)が最も(+Y)側のスワス8a上を通過して、スワス8aに対してホワイトインクの吐出が行われる。以下の説明では、特に言及しない吐出口311,321(最初の主走査では、付加ヘッド32の他の吐出口321、および、カラー記録ヘッド31の全ての吐出口311)からはインクが吐出されないものとする。
2回目の主走査(図4中の配置α2参照)では、付加ヘッド32の第2動作吐出口群32Aのうち(+Y)側の半分の吐出口321がスワス8a上を通過し、(−Y)側の半分の吐出口321がスワス8aの(−Y)側に隣接するスワス8b上を通過し、スワス8a,8bに対してホワイトインクの吐出が行われる。このとき、1回目の主走査にて第2動作吐出口群32Aの(−Y)側の半分の吐出口321により形成される複数のドットにおいて、副走査方向に隣接する2つのドット間が、2回目の主走査にて(+Y)側の半分の吐出口321により形成されるいずれかのドットにて補間されるように(すなわち、インターレース印刷が行われるように)、2回目の主走査の直前の副走査における移動距離が、ステップ移動距離から僅かに変更されている(各副走査において同様)。このようにして、スワス8a上を第2動作吐出口群32Aが2回通過することにより(2回のパスにより)、スワス8a上にホワイトインクにて一様な画像の層(すなわち、ホワイトインクの層)が形成される。
副走査における移動距離のステップ移動距離からの変更量は極僅か(2回のパスの場合、例えば、吐出口ピッチの半分)であり、説明を簡素化するため、本実施の形態では、各副走査における移動距離がステップ移動距離に等しいものとして説明を行っている。なお、第1動作範囲A1、休止範囲B1および第2動作範囲A2の全体の幅が、ステップ移動距離のn倍(nは正の整数)である場合に、各ヘッド31,32に含まれる吐出口311,321の個数がnにて割り切れないとき等、他の場合にも必要に応じて副走査時の移動距離の微修正(例えば、ステップ移動距離の1/10以下の修正)が行われてよい。
3回目の主走査(図4中の配置α3参照)では、付加ヘッド32の第2動作吐出口群32Aのうち(+Y)側の半分の吐出口321がスワス8b上を通過し、(−Y)側の半分の吐出口321がスワス8bの(−Y)側に隣接するスワス8c上を通過し、スワス8b,8cに対してホワイトインクの吐出が行われる。また、ヘッドユニット3の休止範囲B1が、スワス8a上を通過する。4回目の主走査(図4中の配置α4参照)では、付加ヘッド32の第2動作吐出口群32Aによりスワス8cおよびスワス8cの(−Y)側のスワス8dに対してホワイトインクの吐出が行われ、ヘッドユニット3の休止範囲B1が、スワス8b上を通過する。また、カラー記録ヘッド31の第1動作吐出口群31Aのうち(−Y)側の半分の吐出口311が最も(+Y)側のスワス8a上を通過して、スワス8aに対してカラーインクの吐出が行われる。
5回目の主走査(図4中の配置α5参照)では、付加ヘッド32の第2動作吐出口群32Aによりスワス8dおよびスワス8dの(−Y)側のスワス8eに対してホワイトインクの吐出が行われ、ヘッドユニット3の休止範囲B1が、スワス8c上を通過する。また、カラー記録ヘッド31の第1動作吐出口群31Aのうち(+Y)側の半分の吐出口311が最も(+Y)側のスワス8a上を通過し、(−Y)側の半分の吐出口311がスワス8b上を通過し、スワス8a,8bに対してカラーインクの吐出が行われる。これにより、5回目の主走査の完了時において、第1動作吐出口群31Aの2回のパスにより、スワス8aのホワイトインクの層上に、カラーインクによるカラーインク画像の層が形成される。
6回目以降の各主走査(図4中の配置α6〜α8参照)では、5回目の主走査と同様に、付加ヘッド32の第2動作吐出口群32Aにより2つのスワス8に対してホワイトインクの吐出が行われ、ヘッドユニット3の休止範囲B1が当該2つのスワス8の(+Y)側に隣接する1つのスワス8の上方を通過し、カラー記録ヘッド31の第1動作吐出口群31Aにより当該スワス8の(+Y)側に隣接する2つのスワス8に対してカラーインクの吐出が行われる。したがって、各スワス8の上方を、連続する5回の主走査において第2動作吐出口群32Aの(−Y)側の半分、第2動作吐出口群32Aの(+Y)側の半分、ヘッドユニット3の休止範囲B1、第1動作吐出口群31Aの(−Y)側の半分、第1動作吐出口群31Aの(+Y)側の半分が順に通過する。すなわち、各スワス8では、副走査の先行側((−Y)側)に位置する第2動作吐出口群32Aの2回のパスによりホワイトインクの層が形成された後、1回の主走査を挟んで、副走査の後続側((+Y)側)に位置する第1動作吐出口群31Aの2回のパスにより、ホワイトインクの層上にカラーインク画像の層が形成される。
このようにして、基材9上の全てのスワス8に対して、ホワイトインクの層およびカラーインク画像の層が形成されると、ヘッドユニット3の主走査および副走査が停止され、インクジェットプリンタ1が2層印刷を行う動作が完了する(ステップS15)。これにより、表刷りされた印刷物が完成する。
透明な基材9が用いられ、図3のステップS11の処理にて、裏刷りを指示する入力が行われた場合には、ステップS12の処理において、図5に示すように第1動作範囲A1が休止範囲B1の(−Y)側に設定され、第2動作範囲A2が休止範囲B1の(+Y)側に設定される。各動作範囲A1,A2の幅は、休止範囲B1の幅の2倍である。そして、第1動作範囲A1に含まれるカラー記録ヘッド31の吐出口311が第1動作吐出口群31Aとされ、第2動作範囲A2に含まれる付加ヘッド32の吐出口321が第2動作吐出口群32Aとされる。また、休止範囲B1および第2動作範囲A2に含まれるカラー記録ヘッド31の吐出口311、および、休止範囲B1および第1動作範囲A1に含まれる付加ヘッド32の吐出口321が休止吐出口群とされる。
この場合、ステップS13,S14の処理において、ヘッドユニット3が基材9に対して(−Y)方向に相対移動する各主走査では、カラー記録ヘッド31の第1動作吐出口群31Aにより2つのスワスに対してカラーインクの吐出が行われ、ヘッドユニット3の休止範囲B1が当該2つのスワスの(+Y)側(副走査の後続側)に隣接する1つのスワスの上方を通過し、付加ヘッド32の第2動作吐出口群32Aにより当該スワスの(+Y)側に隣接する2つのスワスに対してホワイトインクの吐出が行われる。したがって、各スワスでは、カラーインクによるカラーインク画像の層がまず形成され、続いて、カラーインク画像の層上にホワイトインクの層が形成され、裏刷りされた印刷物が完成する。
図6は、比較例のヘッドユニット91を示す底面図である。図6の比較例のヘッドユニット91では、例えば、表刷りの場合に、カラーインクを吐出するヘッド92において(+Y)側の半分の領域(図6中にて平行斜線を付す領域)に含まれる吐出口が動作吐出口群として選択され、残りの吐出口が休止吐出口群とされる。また、ホワイトインクを吐出するヘッド93において(−Y)側の半分の領域(図6中にて平行斜線を付す領域)に含まれる吐出口が動作吐出口群として選択され、残りの吐出口が休止吐出口群とされる。比較例のヘッドユニット91における画像記録の動作では、1回の主走査においてカラーインクが付与される記録面上の領域と、ホワイトインクが付与される記録面上の領域とが接してしまい、これらの領域間の境界近傍にてカラーインクとホワイトインクとの滲みが発生しやすくなる。このような滲みはバンディングムラとなり、記録される画像の品質が低下してしまう。
これに対し、インクジェットプリンタ1では、図2および図5に示すヘッドユニット3において、副走査方向に連続する第1動作範囲A1、休止範囲B1および第2動作範囲A2が順に設定され、カラー記録ヘッド31の複数の吐出口311のうち、第1動作範囲A1に含まれる第1動作吐出口群31Aに対してインクの吐出が制御され、休止範囲B1および第2動作範囲A2に含まれる休止吐出口群からのインクの吐出が休止される。また、付加ヘッド32の複数の吐出口321のうち、第1動作範囲A1および休止範囲B1に含まれる休止吐出口群からのインクの吐出が休止され、第2動作範囲A2に含まれる第2動作吐出口群32Aに対してインクの吐出が制御される。これにより、1回の主走査においてカラーインクが付与される記録面上の領域と、ホワイトインクが付与される記録面上の領域とが接することが防止され、これらの領域間におけるカラーインクとホワイトインクとの滲みによるバンディングムラの発生を防止することができる。
図7は、他の比較例の動作を説明するための図であり、図4に対応する図である。本比較例の動作では、上記動作例に比べて休止範囲B91の幅が小さく設定される。第1動作範囲A91および第2動作範囲A92のそれぞれの幅は休止範囲B91の幅の4倍であり、ステップ移動距離は休止範囲B91の幅の2倍である。さらに、カラーインクを吐出するヘッド95における第1動作範囲A91内の吐出口が第1動作吐出口群95Aとされ、ホワイトインクを吐出するヘッド94における第2動作範囲A92内の吐出口が第2動作吐出口群94Aとされ、ヘッド94,95における残りの吐出口が休止吐出口群とされる。このような条件にて2層印刷を行うと、符号8aを付すスワスを1番目として(−Y)方向に向かって奇数番目のスワス(スワス8a,8c,8e,8g)では、第2動作吐出口群94Aの2回のパスによりホワイトインクの層が形成された直後に、第1動作吐出口群95Aの2回のパスによりカラーインク画像の層が形成される。また、スワス8aから偶数番目のスワス(スワス8b,8d,8f,8h)では、第2動作吐出口群94Aの2回のパスによりホワイトインクの層が形成された後、1回の主走査を挟んで、第1動作吐出口群95Aの2回のパスによりカラーインク画像の層が形成される。
したがって、偶数番目のスワスでは、奇数番目のスワスと比較して、光照射部38から基材9上のホワイトインクに紫外線が直接照射される時間が長くなり(すなわち、紫外線の照射量が多くなり)、ホワイトインクの硬化が進むとともに、カラーインクが付与される際の基材9の表面温度も高くなる。その結果、基材9上におけるカラーインクの広がり具合等が、偶数番目のスワスと奇数番目のスワスとで相違し、テクスチャや色の僅かな差異によるバンディングムラが生じてしまう。
これに対し、インクジェットプリンタ1における図4の動作例では、第1動作範囲A1および第2動作範囲A2の副走査方向の幅がステップ移動距離dの2倍であり、休止範囲B1の幅がステップ移動距離dと等しい。これにより、全てのスワス8において、第2動作吐出口群32Aの2回のパスによりホワイトインクの層を形成した後、1回の主走査を挟んで、第1動作吐出口群31Aの2回のパスによりカラーインク画像の層を形成することが可能となる。その結果、ホワイトインクの層の形成後、カラーインク画像の層の形成が行われるまでの時間のスワス間での相違に起因するバンディングムラが生じることを防止することができる。よって、カラーインクとホワイトインクとの滲みによるバンディングムラの発生の防止と相まって、基材9の記録面上に記録される画像(2層の画像)においてバンディングムラが生じることを抑制(防止)することができる。
また、上記動作例では、2層印刷および各層2回のパスを示す印刷条件の入力に従って、第2動作吐出口群32Aの2回のパスによりホワイトインクの層が形成され、第1動作吐出口群31Aの2回のパスによりカラーインク画像の層が形成されるが、ホワイトインクの層およびカラーインク画像の層のそれぞれは、動作吐出口群の1回のパス、または、3回以上のパスにて形成されてよく、ヘッドユニット3における各動作範囲の幅は、ステップ移動距離の任意の整数倍とすることが可能である。インクジェットプリンタ1では、第1動作範囲A1および第2動作範囲A2の副走査方向の幅が、制御部4により個別に変更可能とされることにより、印刷条件に合わせて2層印刷を自在に行うことができる。後述するように、休止範囲B1の幅もステップ移動距離の任意の整数倍とされてよく、印刷条件に従って制御部4により変更可能となっている。
なお、インクジェットプリンタ1では、ヘッドユニット3を基材9から離れた所定位置に配置し、休止吐出口群を含む複数の吐出口からインクを吐出することにより(フラッシングを行うことにより)、吐出口近傍にてインクが硬化して吐出口が詰まることが防止される。
次に、インクジェットプリンタ1が基材9上にカラーの画像を記録する他の動作例について説明する。本動作例では、透明な基材9が用いられ、後述するように、カラーインク画像の層、ホワイトインクの層、カラーインク画像の層を記録面上に順に重ねて形成する3層印刷が行われる。なお、基材9上に最初に形成されるカラーインク画像の層は裏面(記録面とは反対側の主面)から視認されるものであり、ホワイトインクの層上に形成されるカラーインク画像は記録面側から視認されるものである。
まず、インクジェットプリンタ1では、図示省略の入力部を介して、操作者により印刷条件を指示する入力が行われ、当該入力が制御部4にて受け付けられる(図3:ステップS11)。ここでは、3層印刷および各層2回のパスを指示する入力が行われるものとする。制御部4では、カラー記録ヘッド31の複数の吐出口311、および、付加ヘッド32の複数の吐出口321(図2参照)において、インクの吐出が可能な動作吐出口群、および、インクの吐出を休止する休止吐出口群が印刷条件に従って決定される(ステップS12)。
図8は、インクジェットプリンタ1が3層印刷を行う動作を説明するための図であり、図4に対応する図である。3層印刷および各層2回のパスの場合には、ヘッドユニット3において、副走査方向に連続する第1動作範囲A1、休止範囲B1、第2動作範囲A2、もう1つの休止範囲B2、および、第3動作範囲A3が順に設定される。休止範囲B1および休止範囲B2のそれぞれの副走査方向の幅はヘッド有効範囲の幅のほぼ1/8であり、第1動作範囲A1、第2動作範囲A2および第3動作範囲A3のそれぞれの副走査方向の幅はヘッド有効範囲の幅のほぼ1/4である。そして、第1動作範囲A1に含まれるカラー記録ヘッド31の吐出口311が第1動作吐出口群31Aとされ、第2動作範囲A2に含まれる付加ヘッド32の吐出口321が第2動作吐出口群32Aとされ、第3動作範囲A3に含まれるカラー記録ヘッド31の吐出口311が第3動作吐出口群33Aとされる。また、休止範囲B1,B2および第2動作範囲A2に含まれるカラー記録ヘッド31の吐出口311、並びに、休止範囲B1,B2、第1動作範囲A1および第3動作範囲A3に含まれる付加ヘッド32の吐出口321が休止吐出口群とされる。
続いて、ヘッドユニット3の主走査および間欠的な副走査が開始される(ステップS13)。すなわち、ヘッドユニット3の主走査が繰り返されるとともに、各主走査が完了する毎に、休止範囲B1,B2の副走査方向の幅(ヘッド有効範囲の幅の1/8)に等しいステップ移動距離dだけヘッドユニット3が副走査を行う。
また、ヘッドユニット3の主走査に並行して、制御部4では、カラー記録ヘッド31および付加ヘッド32の第1ないし第3動作吐出口群31A,32A,33Aに対してインクの吐出が制御されるとともに、休止吐出口群からのインクの吐出が休止される(ステップS14)。具体的には、ヘッドユニット3の各主走査では、カラー記録ヘッド31の第1動作吐出口群31Aにより2つのスワス8に対してカラーインクの吐出が行われ、ヘッドユニット3の休止範囲B1が当該2つのスワス8の(+Y)側に隣接する1つのスワス8の上方を通過し、付加ヘッド32の第2動作吐出口群32Aにより当該スワス8の(+Y)側に隣接する2つのスワス8に対してホワイトインクの吐出が行われる。また、ヘッドユニット3の休止範囲B2が当該2つのスワス8の(+Y)側に隣接する1つのスワス8の上方を通過し、カラー記録ヘッド31の第3動作吐出口群33Aにより当該スワス8の(+Y)側に隣接する2つのスワス8に対してカラーインクの吐出が行われる。
各スワス8に着目すると、連続する8回の主走査において、第1動作吐出口群31Aの(−Y)側の半分、第1動作吐出口群31Aの(+Y)側の半分、ヘッドユニット3の休止範囲B1、第2動作吐出口群32Aの(−Y)側の半分、第2動作吐出口群32Aの(+Y)側の半分、ヘッドユニット3の休止範囲B2、第3動作吐出口群33Aの(−Y)側の半分、および、第3動作吐出口群33Aの(+Y)側の半分が順に通過する。したがって、ステップ移動距離dの幅の各スワス8では、第1動作吐出口群31Aの2回のパスによりカラーインクにてカラーインク画像の層が形成された後、1回の主走査を挟んで、第2動作吐出口群32Aの2回のパスにより、カラーインク画像の層上にホワイトインクの層が形成される。続いて、1回の主走査を行った後、第3動作吐出口群33Aの2回のパスにより、ホワイトインクの層上にカラーインクにてカラーインク画像の層が形成される。このようにして、各スワス8に対して、カラーインク画像の層、ホワイトインクの層およびカラーインク画像の層が順に形成される。
基材9上の全てのスワス8に対して、3層の画像が形成されると、ヘッドユニット3の主走査および副走査が停止され、インクジェットプリンタ1が3層印刷を行う動作が完了する(ステップS15)。
以上に説明したように、インクジェットプリンタ1では、ヘッドユニット3において、副走査方向に連続する第1動作範囲A1、休止範囲B1、第2動作範囲A2、もう1つの休止範囲B2、および、第3動作範囲A3が順に設定される。そして、カラー記録ヘッド31において、第1および第3動作範囲A1,A3に含まれる吐出口311に対してインクの吐出が制御され、他の吐出口311からのインクの吐出が休止される。また、付加ヘッド32において、第2動作範囲A2に含まれる吐出口321に対してインクの吐出が制御され、他の吐出口321からのインクの吐出が休止される。これにより、基材9上において3層の画像を形成するとともに、視認される画像においてバンディングムラが生じることを抑制することができる。
以上の説明では、基材9上にカラーインク画像の層およびホワイトインクの層を形成する場合について述べたが、例えば、図9に示すように、カラー記録ヘッド31および付加ヘッド32と同様の構成であり、クリアインクを吐出するもう1つの付加ヘッド32aが、図9中のX方向に、これらのヘッド31,32に並べて設けられ(実際には、ヘッド31,32,32a間には隙間が設けられる。)、クリアインクにて一様な画像の層がさらに形成されてもよい。具体的には、ヘッドユニット3において、副走査方向(図9中のY方向)に連続する第1動作範囲A1、休止範囲B1、第2動作範囲A2、休止範囲B2、第3動作範囲A3、休止範囲B3、および、第4動作範囲A4が順に設定される。また、各休止範囲B1〜B3の副走査方向の幅はステップ移動距離dに等しくされ、第1ないし第4動作範囲A1〜A4のそれぞれの副走査方向の幅はステップ移動距離dの整数倍(図9では2倍)とされる。
そして、第1動作範囲A1に含まれるカラー記録ヘッド31の吐出口311が第1動作吐出口群31Aとされ、第2動作範囲A2に含まれる付加ヘッド32の吐出口321が第2動作吐出口群32Aとされる。また、第3動作範囲A3に含まれるカラー記録ヘッド31の吐出口311が第3動作吐出口群33Aとされ、第4動作範囲A4に含まれる付加ヘッド32aの吐出口が第4動作吐出口群34Aとされる。さらに、休止範囲B1〜B3、第2動作範囲A2および第4動作範囲A4に含まれるカラー記録ヘッド31の吐出口311、休止範囲B1〜B3、第1動作範囲A1、第3動作範囲A3および第4動作範囲A4に含まれる付加ヘッド32の吐出口321、並びに、休止範囲B1〜B3、第1動作範囲A1、第2動作範囲A2および第3動作範囲A3に含まれる付加ヘッド32aの吐出口が休止吐出口群とされる。
このように、第1ないし第4動作吐出口群31A,32A,33A,34A、並びに、休止吐出口群を設定し、ヘッドユニット3の主走査時に、第1ないし第4動作吐出口群31A,32A,33A,34Aに対してインクの吐出制御を行うことにより、透明な基材9上において、カラーインク画像の層、ホワイトインクの層、カラーインク画像の層およびクリアインクの層(すなわち、クリアインクにて一様な画像の層)が順に形成される。これにより、4層印刷が実現されるとともに、記録面上に記録される画像(4層の画像)においてバンディングムラが生じることを抑制することができる。なお、クリアインクは、オーバーコート剤と捉えることもできる。
また、上記4層印刷において、2層のカラーインク画像が異なるカラー記録ヘッド31にて形成されてもよく、この場合、ヘッドユニット3において2組のカラー記録ヘッド31(ただし、CMKYのヘッドの集合を1組のカラー記録ヘッド31と捉えている。)が、付加ヘッド32,32aと共に主走査方向に並べられ、第1動作吐出口群31Aが一方の組のカラー記録ヘッド31に割り当てられ、第3動作吐出口群33Aが他方の組のカラー記録ヘッド31に割り当てられる。上記と同様の手法にて、記録面上に5層以上の画像が積層されてもよい。さらに、既述のように、各動作範囲の幅は、ステップ移動距離、または、ステップ移動距離の3以上の整数倍とされてもよい。
以上のように、ヘッドユニット3が主走査方向に並ぶ複数のヘッドを備え、複数のヘッドのそれぞれが、副走査方向に配列されるとともに記録面に向けてインクを吐出する複数の吐出口を有する場合に、多層に記録される画像においてバンディングムラの発生を抑制するには、ヘッドユニット3において、副走査方向の幅の範囲(すなわち、ヘッド有効範囲)内に連続して動作範囲および休止範囲が交互に設定される。また、動作範囲の数がN個(ただし、Nは正の整数である。)、各動作範囲の幅がステップ移動距離の整数倍とされ、各休止範囲の幅がステップ移動距離に等しくされる。そして、ヘッドユニット3の主走査に並行して、各動作範囲において、いずれか1つのヘッドの吐出口(すなわち、当該動作範囲に含まれる動作吐出口群)に対して吐出制御が行われる。これにより、基材9の記録面上に、バンディングムラの発生が抑制されたN層の画像を積層することが可能となる。なお、各ヘッドにおいて、動作吐出口群以外の吐出口は休止吐出口群とされる。
この場合に、各動作範囲の幅が同じであり、各層の画像がM回(ただし、Mは正の整数である。)の主走査にて形成されるときには、ヘッドユニット3におけるヘッド有効範囲の幅をWとして、動作範囲の副走査方向の幅Vは数1にて表され、休止範囲の幅V(すなわち、ステップ移動距離)は数2にて表される。
(数1)
=(W・M)/((M+1)・N−1)
(数2)
=W/((M+1)・N−1)
ところで、図4の動作例において、符号8aを付すスワスを1番目として(−Y)方向に向かって奇数番目のスワス(スワス8a,8c,8e,8g)に着目すると、これらのスワスでは、付加ヘッド32の第2動作吐出口群32Aによる1回目の通過がヘッドユニット3の(+X)方向への主走査時に行われ、2回目の通過がヘッドユニット3の(−X)方向への主走査時に行われる。また、カラー記録ヘッド31の第1動作吐出口群31Aによる1回目の通過がヘッドユニット3の(−X)方向への主走査時に行われ、2回目の通過がヘッドユニット3の(+X)方向への主走査時に行われる。
次に、スワス8aから(−Y)方向に向かって偶数番目のスワス(スワス8b,8d,8f,8h)に着目すると、これらのスワスでは、付加ヘッド32の第2動作吐出口群32Aによる1回目の通過がヘッドユニット3の(−X)方向への主走査時に行われ、2回目の通過がヘッドユニット3の(+X)方向への主走査時に行われる。また、カラー記録ヘッド31の第1動作吐出口群31Aによる1回目の通過がヘッドユニット3の(+X)方向への主走査時に行われ、2回目の通過がヘッドユニット3の(−X)方向への主走査時に行われる。
したがって、スワス8の主走査方向の端部において、一の主走査にてインクが吐出された後、次の主走査にて同種のインクが吐出されるまでの時間が、奇数番目のスワスと偶数番目のスワスとの間にて相違し、テクスチャや色の差異による極僅かなバンディングムラ(双方向印刷に起因するバンディングムラ)が生じる可能性がある。
次に、双方向印刷に起因するバンディングムラの発生を抑制する、より好ましいインクジェットプリンタ1の動作例について説明する。図10は、インクジェットプリンタ1が2層印刷を行う動作を説明するための図であり、図4に対応する図である。図10では、各主走査時におけるヘッドユニット3の移動方向を符号β1〜β8を付す矢印にて示している。
本動作例では、主走査方向に関してヘッドユニット3の1回の往復移動が完了する毎に、ヘッドユニット3の副走査が行われる。したがって、付加ヘッド32の第2動作吐出口群32Aの(−Y)側の半分および(+Y)側の半分のそれぞれが各スワス8を2回パスし、1回目の通過がヘッドユニット3の(+X)方向への主走査時に行われ、2回目の通過がヘッドユニット3の(−X)方向への主走査時に行われる。このように、付加ヘッド32の4回のパス(2往復)によりホワイトインクの層が形成される。また、カラー記録ヘッド31の第1動作吐出口群31Aの(−Y)側の半分および(+Y)側の半分のそれぞれが各スワス8を2回パスし、1回目の通過がヘッドユニット3の(+X)方向への主走査時に行われ、2回目の通過がヘッドユニット3の(−X)方向への主走査時に行われる。したがって、カラー記録ヘッド31の4回のパスによりカラーインク画像の層が形成される。
以上のように、図10の動作例では、ヘッドユニット3の主走査方向への往復移動が完了する毎にヘッドユニット3の副走査が行われることにより、全てのスワス8の互いに対応する主走査方向の位置において、一の主走査にてインクが吐出された後、次の主走査にて同種のインクが吐出されるまでの時間を同じにすることができ、双方向印刷に起因するバンディングムラが生じることを防止することができる。なお、ヘッドユニット3の(+X)方向への主走査の完了後に、ヘッドユニット3が副走査方向に僅かに相対移動して、インターレース印刷等が行われてもよい。また、図8の動作例において、ヘッドユニット3の往復移動が完了する毎にヘッドユニット3の副走査が行われてもよい。
インクジェットプリンタ1において画像記録に求められる処理時間によっては、図4の動作例において、例えば、ヘッドユニット3の(+X)方向への主走査時にのみ各動作吐出口群からのインクの吐出が制御され、ヘッドユニット3の副走査が行われる間に、各吐出口からのインクの吐出を休止しつつヘッドユニット3が基材9の(−X)側に戻されてもよい。この場合、ヘッドユニット3の(+X)方向への主走査時のみに各スワスに対するインクの吐出が行われるため、上記のような双方向印刷に起因するバンディングムラは生じない。
ヘッドユニット3の1回の往復移動が完了する毎に、ヘッドユニット3の副走査が行われる点を除き、上記数1および数2の場合と同様の条件にて、基材9の記録面上にN層(ただし、Nは正の整数である。)の画像を積層する場合には、各動作範囲の副走査方向の幅Vは数3にて表され、各休止範囲の幅Vは数4にて表される。ただし、ヘッドユニット3の副走査方向の幅(すなわち、ヘッド有効範囲の幅)をWとし、各層の画像がP回(ただし、Pは正の整数である。)の往復移動(2P回の主走査)にて形成されるものとしている。
(数3)
=(W・P)/((P+1)・N−1)
(数4)
=W/((P+1)・N−1)
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
図10の動作例では、ヘッドユニット3の1回の往復移動が完了する毎に、ヘッドユニット3の副走査が行われるが、基材9上にインクを厚く塗布する必要がある場合等には、ヘッドユニット3の複数回の往復移動(すなわち、4以上の偶数回の主走査)が完了する毎に、ヘッドユニット3の副走査が行われてもよい。インクジェットプリンタ1では、ヘッドユニット3の主走査方向への移動の往路および復路において各動作吐出口群からのインクの吐出が制御される場合に、ヘッドユニット3の所定回数の往復移動が完了する毎に、副走査を行うことにより、双方向印刷に起因するバンディングムラが生じることを防止することができる。
また、双方向印刷に起因するバンディングムラを考慮する必要がない場合には、ヘッドユニット3の主走査が奇数回行われる毎に、ヘッドユニット3の副走査が行われてもよい。すなわち、上記の場合には、ヘッドユニット3の副走査は、ヘッドユニット3の所定回数の主走査が完了する毎に行われてよい。
上記実施の形態では、休止範囲の副走査方向の幅がステップ移動距離と等しくされることにより、各ヘッドの吐出口が効率よく使用されるが、休止範囲の幅をステップ移動距離の整数倍とすることも可能である。また、各層の形成におけるヘッドのパス回数は、必ずしも全ての層で同じである必要はなく、例えば、ホワイトインクの層を厚くする必要がある場合には、図4の動作例において、第1動作範囲A1の幅がステップ移動距離dの2倍とされ、第2動作範囲A2の幅がステップ移動距離dの4倍とされてもよい。
上記実施の形態では、ヘッドユニット3においてヘッド有効範囲のほぼ全体が使用されることにより、画像の記録を効率よく行うことが可能となるが、ヘッド有効範囲よりも短い副走査方向の範囲が使用対象範囲とされ、当該使用対象範囲に基づいて多層印刷が行われてもよい。この場合に、上記数1ないし数4において、使用対象範囲の幅をWとして、動作範囲の幅および休止範囲の幅が決定されてもよい。
インクジェットプリンタ1の用途によっては、ブラックインクの層を含む複数層の画像が形成されてもよい。また、カラーインクおよびクリアインクのみによる多層印刷や、下地処理剤(例えば、基材9の記録面に対するカラーインク等の付着力を向上するための材料であり、同様にインクと捉えることができる。)を用いた多層印刷等が行われてもよい。インクジェットプリンタ1では、ヘッドユニット3において、第1の種類のインクを吐出する第1ヘッドと、第2の種類のインクを吐出する第2ヘッドとが主走査方向に並べて設けられ、1回の主走査において異なる種類のインクの吐出が並行して行われる場合であっても、それぞれがステップ移動距離の整数倍の幅である動作範囲および休止範囲を設定することにより、記録面上に記録される画像においてバンディングムラが生じることを抑制することが可能となる。
インクジェットプリンタ1にて用いられる光硬化性のインクは、紫外線以外の波長帯の光に対する硬化性を有するものであってもよい。また、電子線等、光以外の放射線の照射により硬化するインクが用いられてもよい。インクジェットプリンタ1では、各ヘッドから吐出されるインクが放射線硬化性を有するとともに、記録面上に吐出されたインクに放射線を照射する照射部がヘッドユニット3に設けられることにより、記録面上のインクの硬化を迅速に行うことが可能となる。
上記実施の形態では、ヘッドユニット3を主走査方向に移動するヘッド移動機構24、および、ステージ21を副走査方向に移動するステージ移動機構22により、ヘッドユニット3がステージ21に対して主走査方向および副走査方向に相対的に移動するが、インクジェットプリンタ1ではステージ21を主走査方向に移動する機構やヘッドユニット3を副走査方向に移動する機構が設けられてもよい。すなわち、ヘッドユニット3を基材9に対して相対的に主走査方向および副走査方向に移動する移動機構はいかなる構成にて実現されてもよい。
ヘッドユニット3の各ヘッドでは、副走査方向に関して、複数の吐出口がおよそ一定のピッチにて設けられるのであるならば、例えば、副走査方向に対して傾斜した水平線上に複数の吐出口が配列されてもよい。また、各ヘッドにおける複数の吐出口の配列は千鳥状であってもよい。
インクジェットプリンタ1は、印刷用紙等、基材9以外の対象物上に画像を記録してもよい。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせられてよい。
1 インクジェットプリンタ
3 ヘッドユニット
4 制御部
9 基材
22 ステージ移動機構
24 ヘッド移動機構
31 カラー記録ヘッド
32,32a 付加ヘッド
38 光照射部
311,321 吐出口
31A,32A,33A,34A 動作吐出口群
A1〜A4 動作範囲
B1〜B3 休止範囲
S12〜S15 ステップ

Claims (15)

  1. インクジェットプリンタであって、
    副走査方向に配列されるとともに対象物の記録面に向けて第1の種類のインクを吐出する複数の吐出口を有する第1ヘッドと、前記副走査方向に配列されるとともに前記記録面に向けて第2の種類のインクを吐出する複数の吐出口を有する第2ヘッドとを、前記副走査方向に垂直かつ前記記録面に平行な主走査方向に並べて備えるヘッドユニットと、
    前記ヘッドユニットを前記主走査方向に前記対象物に対して相対的に移動する主走査を行うとともに、所定回数の前記主走査が完了する毎に、前記ヘッドユニットを前記副走査方向に前記ヘッドユニットの前記副走査方向の幅よりも短いステップ移動距離だけ前記対象物に対して相対的に移動する副走査を行う移動機構と、
    前記ヘッドユニットの前記主走査に並行して前記第1ヘッドおよび前記第2ヘッドからのインクの吐出を制御する制御部と、
    を備え、
    前記ヘッドユニットにおいて、前記副走査方向に連続する第1動作範囲、休止範囲および第2動作範囲が順に設定され、前記第1動作範囲、前記休止範囲および前記第2動作範囲の前記副走査方向の幅が、それぞれ、前記副走査における前記ヘッドユニットの相対的な移動距離である前記ステップ移動距離の整数倍であり、
    前記制御部により、前記ヘッドユニットの前記主走査に並行して、
    前記第1ヘッドの前記複数の吐出口のうち、前記第1動作範囲に含まれる第1動作吐出口群に対してインクの吐出が制御され、前記休止範囲および前記第2動作範囲に含まれる休止吐出口群からのインクの吐出が休止され、
    前記第2ヘッドの前記複数の吐出口のうち、前記第1動作範囲および前記休止範囲に含まれる休止吐出口群からのインクの吐出が休止され、前記第2動作範囲に含まれる第2動作吐出口群に対してインクの吐出が制御されることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 請求項1に記載のインクジェットプリンタであって、
    前記ヘッドユニットの前記主走査方向への相対移動の往路および復路において前記第1動作吐出口群および前記第2動作吐出口群からのインクの吐出が制御され、
    前記移動機構が、前記ヘッドユニットの所定回数の相対往復移動が完了する毎に、前記副走査を行うことを特徴とするインクジェットプリンタ。
  3. 請求項1または2に記載のインクジェットプリンタであって、
    前記休止範囲の前記副走査方向の幅が、前記ステップ移動距離に等しいことを特徴とするインクジェットプリンタ。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のインクジェットプリンタであって、
    前記ヘッドユニットにおいて、前記副走査方向に連続する前記第1動作範囲、前記休止範囲、前記第2動作範囲、もう1つの休止範囲および第3動作範囲が順に設定され、前記もう1つの休止範囲および前記第3動作範囲の前記副走査方向の幅が、それぞれ前記ステップ移動距離の整数倍であり、
    前記制御部により、前記ヘッドユニットの前記主走査に並行して、
    前記第1ヘッドの前記複数の吐出口のうち、前記もう1つの休止範囲に含まれる休止吐出口群からのインクの吐出が休止され、前記第3動作範囲に含まれる第3動作吐出口群に対してインクの吐出が制御され、
    前記第2ヘッドの前記複数の吐出口のうち、前記もう1つの休止範囲および前記第3動作範囲に含まれる休止吐出口群からのインクの吐出が休止されることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のインクジェットプリンタであって、
    前記第1ヘッドおよび前記第2ヘッドの一方がカラーインクを吐出し、他方がホワイトインクまたはクリアインクを吐出することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載のインクジェットプリンタであって、
    前記ヘッドユニットが、前記第1ヘッドおよび前記第2ヘッドから前記記録面上に吐出されたインクに放射線を照射する照射部を備え、
    前記第1の種類のインクおよび前記第2の種類のインクが放射線硬化性を有することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載のインクジェットプリンタであって、
    前記制御部により、前記第1動作範囲、前記休止範囲および前記第2動作範囲の前記副走査方向の幅が変更可能とされることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載のインクジェットプリンタであって、
    前記ヘッドユニットが、前記主走査方向に並ぶ複数のヘッドを備え、前記複数のヘッドのそれぞれが、前記副走査方向に配列されるとともに前記記録面に向けてインクを吐出する複数の吐出口を有し、
    前記ヘッドユニットにおいて、前記副走査方向の幅の範囲内に連続して動作範囲および休止範囲が交互に設定され、前記動作範囲の数がN個であり、各動作範囲の幅が前記ステップ移動距離の整数倍であり、各休止範囲の幅が前記ステップ移動距離に等しく、
    各動作範囲において、いずれか1つのヘッドの吐出口に対して吐出制御が行われることにより、前記記録面上にN層の画像が積層されることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  9. インクジェットプリンタにおいて実行される画像記録方法であって、
    前記インクジェットプリンタが、
    副走査方向に配列されるとともに対象物の記録面に向けて第1の種類のインクを吐出する複数の吐出口を有する第1ヘッドと、前記副走査方向に配列されるとともに前記記録面に向けて第2の種類のインクを吐出する複数の吐出口を有する第2ヘッドとを、前記副走査方向に垂直かつ前記記録面に平行な主走査方向に並べて備えるヘッドユニットを備え、
    前記画像記録方法が、
    a)前記ヘッドユニットを前記主走査方向に前記対象物に対して相対的に移動する主走査を行うとともに、所定回数の前記主走査が完了する毎に、前記ヘッドユニットを前記副走査方向に前記ヘッドユニットの前記副走査方向の幅よりも短いステップ移動距離だけ前記対象物に対して相対的に移動する副走査を行う工程と、
    b)前記ヘッドユニットの前記主走査に並行して前記第1ヘッドおよび前記第2ヘッドからのインクの吐出を制御する工程と、
    c)前記a)工程の前に、前記ヘッドユニットにおいて、前記副走査方向に連続する第1動作範囲、休止範囲および第2動作範囲を順に設定する工程と、
    を備え、
    前記第1動作範囲、前記休止範囲および前記第2動作範囲の前記副走査方向の幅が、それぞれ、前記副走査における前記ヘッドユニットの相対的な移動距離である前記ステップ移動距離の整数倍であり、
    前記b)工程において前記ヘッドユニットの前記主走査に並行して、
    前記第1ヘッドの前記複数の吐出口のうち、前記第1動作範囲に含まれる第1動作吐出口群に対してインクの吐出が制御され、前記休止範囲および前記第2動作範囲に含まれる休止吐出口群からのインクの吐出が休止され、
    前記第2ヘッドの前記複数の吐出口のうち、前記第1動作範囲および前記休止範囲に含まれる休止吐出口群からのインクの吐出が休止され、前記第2動作範囲に含まれる第2動作吐出口群に対してインクの吐出が制御されることを特徴とする画像記録方法。
  10. 請求項9に記載の画像記録方法であって、
    前記b)工程において、前記ヘッドユニットの前記主走査方向への相対移動の往路および復路において前記第1動作吐出口群および前記第2動作吐出口群からのインクの吐出が制御され、
    前記a)工程において、前記ヘッドユニットの所定回数の相対往復移動が完了する毎に、前記副走査が行われることを特徴とする画像記録方法。
  11. 請求項9または10に記載の画像記録方法であって、
    前記休止範囲の前記副走査方向の幅が、前記ステップ移動距離に等しいことを特徴とする画像記録方法。
  12. 請求項9ないし11のいずれかに記載の画像記録方法であって、
    前記c)工程において、前記ヘッドユニットにて、前記副走査方向に連続する前記第1動作範囲、前記休止範囲、前記第2動作範囲、もう1つの休止範囲および第3動作範囲が順に設定され、
    前記もう1つの休止範囲および前記第3動作範囲の前記副走査方向の幅が、それぞれ前記ステップ移動距離の整数倍であり、
    前記b)工程において前記ヘッドユニットの前記主走査に並行して、
    前記第1ヘッドの前記複数の吐出口のうち、前記もう1つの休止範囲に含まれる休止吐出口群からのインクの吐出が休止され、前記第3動作範囲に含まれる第3動作吐出口群に対してインクの吐出が制御され、
    前記第2ヘッドの前記複数の吐出口のうち、前記もう1つの休止範囲および前記第3動作範囲に含まれる休止吐出口群からのインクの吐出が休止されることを特徴とする画像記録方法。
  13. 請求項9ないし12のいずれかに記載の画像記録方法であって、
    前記第1ヘッドおよび前記第2ヘッドの一方がカラーインクを吐出し、他方がホワイトインクまたはクリアインクを吐出することを特徴とする画像記録方法。
  14. 請求項9ないし13のいずれかに記載の画像記録方法であって、
    前記ヘッドユニットが、前記第1ヘッドおよび前記第2ヘッドから前記記録面上に吐出されたインクに放射線を照射する照射部を備え、
    前記第1の種類のインクおよび前記第2の種類のインクが放射線硬化性を有することを特徴とする画像記録方法。
  15. 請求項9ないし14のいずれかに記載の画像記録方法であって、
    前記ヘッドユニットが、前記主走査方向に並ぶ複数のヘッドを備え、前記複数のヘッドのそれぞれが、前記副走査方向に配列されるとともに前記記録面に向けてインクを吐出する複数の吐出口を有し、
    前記c)工程において、前記ヘッドユニットにて、前記副走査方向の幅の範囲内に連続して動作範囲および休止範囲が交互に設定され、
    前記動作範囲の数がN個であり、各動作範囲の幅が前記ステップ移動距離の整数倍であり、各休止範囲の幅が前記ステップ移動距離に等しく、
    前記b)工程において、各動作範囲にて、いずれか1つのヘッドの吐出口に対して吐出制御が行われることにより、前記記録面上にN層の画像が積層されることを特徴とする画像記録方法。
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