JP5385093B2 - レンズの粗研削方法およびレンズ粗研削機 - Google Patents

レンズの粗研削方法およびレンズ粗研削機 Download PDF

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Description

本発明は、レンズ加工皿の球面形状の加工面に、レンズホルダーのレンズ保持面に吸着保持された被加工レンズの被加工面を押圧し、レンズ加工皿をその中心軸線回りに回転させながら揺動させることにより、被加工レンズを粗研削するレンズの粗研削方法およびレンズ粗研削機に関する。
レンズ加工皿を回転および揺動させながら被加工レンズを粗研削するレンズ粗研削機は、例えば本願出願人による特許文献1に開示されている。ここに開示のレンズ研削機では、ダイヤモンド工具皿を回転かつ球心揺動させながら被加工レンズを研削するものであり、被加工レンズをレンズホルダーに真空吸着して保持し、被加工レンズをダイヤモンド工具皿の回転方向と同一方向に同一速度で強制回転させ、被加工レンズの切削量に応じてレンズホルダーを支持するテーブルを連続的に送り出すことにより、被加工レンズを切削している。
特開2003−340702号公報
ここで、被加工レンズを、ダイヤモンド加工皿と同一方向に同一速度で強制回転させながら切削する場合には、ダイヤモンド加工皿が揺動している関係上、揺動振れ角の大きい側と小さい側では、被加工レンズとダイヤモンド加工皿の間に僅かではあるが周速の差が生ずる。特に揺動振れ角の大きい場合には、かかる周速差が大きくなり、ダイヤモンド加工皿の加工面の偏摩耗が進む傾向がある。
ダイヤモンド加工皿の偏摩耗を回避するためには、レンズホルダーをダイヤモンド加工具の回転に従って連れ回りするように、回転自在に支持すればよい。しかしながら、この場合には、回転および揺動を同時に行っているダイヤモンド加工皿に対してスパークインすることになる。すなわち、無回転状態の被加工レンズが回転および揺動しているダイヤモンド加工具に接触するので、スパークインすると、被加工レンズがダイヤモンド加工皿の回転によってレンズホルダー内で振動し、ピリやカケが発生し、あるいは、レンズホルダー内で芯ズレして片肉が発生するおそれがある。特に、揺動振れ角が大きい場合には、このような弊害が顕著に表れる。
また、このような弊害は、ペレット状態のダイヤモンドが加工面に貼り付けられているダイヤモンド加工皿において顕著に現れる。これは、図4に示すように、被加工レンズ109の加工面109aに、刻印109bが存在し、あるいは、滑らかでない表面部分109cが存在するために、スパークイン時の摩擦が非常に大きくなることが主な原因である。総型のダイヤモンド加工具を使用すれば、ピリ、カケは多少軽減されるものの、完全にはピリ、カケを防ぐことができない。また、総型のダイヤモンド工具は高価であるので、コスト高を招くという問題点がある。
一方、レンズホルダーに真空吸着された状態の被加工レンズを強制回転させずにレンズホルダーに従属回転させる場合には次のような問題点がある。被加工レンズをレンズホルダーに真空吸着させる機構としては、図5に示す機構が一般的に用いられている。図5(a)に示すように、被加工レンズ109をレンズホルダー107に真空吸着する場合には、ホルダースピンドル129の中心を貫通して延びている真空吸引穴129cの先端開口129dを、真空吸引パイプ130の開口端面にシールリング131を介して押し当てることにより、空気の漏れを防止している。
ホルダースピンドル129を真空吸引パイプ130に押し当てたまま、ホルダースピンドル120を回転させると、その回転に大きな負荷になる。この結果、ダイヤモンド加工皿108の回転に追従させて、ホルダースピンドル129のレンズホルダー107に保持されている被加工レンズ109をスムーズに従属回転させることができない。そのために、ホルダースピンドル129を追従回転させる場合には、図5(b)に示すように、ホルダースピンドル129と真空吸引パイプ130の押し当て状態を解除している。
しかし、ホルダースピンドル129と真空吸引パイプ130が離れた状態において、真空吸引を行うと、転がり軸受け132の部分を介して空気のリークが発生し、被加工レンズ109の吸引保持力が弱くなってしまうという弊害が発生する。すなわち、ホルダースピンドル129は中空シャフト126の中空部126aに同軸状態に保持され、転がり軸受け132によって回転自在の状態に保持されている。中空部126a内に配置されているホルダースピンドル129と真空吸引パイプ130を離すと、転がり軸受け131の部分の隙間および中空部126aを介して、外部から真空吸引経路内に空気が流れ込み、真空吸引力が弱まるおそれがある。被加工レンズ109がレンズホルダー107に対して確実に保持されていないと、粗研削の初期において被加工レンズ109に振動、あるいは芯ズレが発生しやすくなり、ピリ、カケ、あるいは片肉が発生する可能性が高くなるので好ましくない。
本発明の課題は、このような点に鑑みて、回転および揺動するレンズ加工皿に被加工レンズを押圧して当該被加工レンズの粗研削を行うレンズの粗研削方法において、スパークイン時のピリ、カケの発生を防止あるいは抑制できるようにすることにある。
また、本発明の課題は、かかるレンズの粗研削方法により粗研削を行うレンズ粗研削機を提案することにある。
上記の課題を解決するために、本発明のレンズの粗研削方法は次の工程を備えている。なお、括弧内の符号は後述の実施の形態における対応部位を示すものであり、理解を容易にすることを目的として付記したものであり、本発明を実施の形態に限定することを意図したものではない。
すなわち、本発明のレンズの粗研削方法は、
レンズホルダー(7)のレンズ保持面(7a)に被加工レンズ(9)を真空吸着するレンズ吸着工程(ST1)と、
前記レンズ保持面(7a)に吸着されている被加工レンズ(9)の被加工面(9a)を、ダイヤモンドペレットあるいは総型ダイヤモンドを用いたレンズ加工皿(8)の球面形状の加工面(8a)に押圧する押圧工程(ST3)と、
前記レンズ加工皿(8)をその中心軸線(4a)回りに回転させて、前記レンズホルダー(7)をその中心軸線(2a)回りに連れ回りさせながら、当該レンズホルダー(7)に真空吸着されている前記被加工レンズ(9)の前記被加工面(9a)に対して粗表面研削を施す第1粗研削工程(ST4、ST5)と、
前記レンズ加工皿(8)の回転を継続すると共に、当該レンズ加工皿(8)を前記加工面(8a)の球心(8b)を中心として所定の揺動振り角(θmax)で揺動させながら前記被加工面(9a)に対して所定量の粗研削を施す第2粗研削工程(ST6、ST7)とを有していることを特徴としている。
本発明の方法では、被加工レンズをレンズ加工皿に連れ回り(従属回転)させるようにしている。したがって、被加工レンズを強制回転させる場合のように、被加工レンズとレンズ加工皿との間において、レンズ加工皿の揺動振れ角の大きい側と小さい側において周速差が生じ、これに起因して被加工レンズの粗研削精度が低下するという弊害を回避できる。
また、第1粗研削時にはレンズ加工皿を揺動させずに回転のみを行わせるようにしているので、スパークイン時に被加工レンズに大きな振動が加わることがなく、被加工レンズはレンズホルダーによって安定した状態に保持されるので、ピリ、カケが発生せず、また、被加工レンズがレンズホルダー内で芯ズレして片肉が発生することもない。
ここで、スパークイン時においてレンズ加工皿から被加工レンズに作用するモーメントを小さくするためには、前記第1粗研削工程において、前記レンズホルダーの中心軸線に対して、前記レンズ加工皿の中心軸線のなす角度を、前記第2粗研削工程での前記揺動振り角よりも小さな角度に設定した状態で前記表面粗研削を行うようにすればよい。この角度が小さい程、作用するモーメントを小さくできる。
また、表面粗研削を、被加工レンズ表面の刻印、粗面が無くなるまで行うことにより、ピリ、カケの発生を確実に防止できる。したがって、前記第1粗研削工程において、前記被加工面の粗研削量を監視し、当該粗研削量が、このような刻印、粗面が無くなる程度の設定表面研削量になった後に、第2粗研削工程に移行することが望ましい。
なお、前記第2粗研削工程では、前記被加工レンズの真空吸引を解除した状態で粗研削を行うことも可能である。
次に、本発明のレンズ粗研削機(1)は、
中空シャフト(26)と、
前記中空シャフト(26)の中空部(26a)に、回転可能に同軸状態で保持されているホルダースピンドル(29)と、
前記ホルダースピンドル(29)の端に同軸状態に取り付けたレンズホルダー(7)と、
前記レンズホルダー(7)のレンズ保持面(7a)に対峙する球面形状の加工面(8a)を備えているレンズ加工皿(8)と、
前記レンズ加工皿(8)を支持している加工皿スピンドル(41)と、
前記加工皿スピンドル(41)をその中心軸線(4a)回りに回転させる回転機構(42)と、
前記加工面(8a)の球心(8b)が前記ホルダースピンドル(29)の中心軸線(4a)上に位置する状態で、当該球心(8b)を中心として前記加工皿スピンドル(41)を揺動させる揺動機構(42)と、
前記中空シャフト(26)をその軸線方向に付勢して、前記レンズホルダー(7)に保持される被加工レンズ(9)の被加工面(9a)を前記レンズ加工皿(8)の前記加工面(8a)に押圧した状態を形成する付勢機構(27)と、
被加工レンズ(9)を前記レンズホルダー(7)の前記レンズ保持面(7a)に真空吸着させる真空吸引機構(7b、29c、26a、25、32、33)と、
各部の駆動制御を司るコントローラー(6)とを有し、
前記コントローラー(6)は、前記回転機構、前記揺動機構、前記付勢機構および前記真空吸引機構を駆動制御して、上記のレンズの粗研削方法により被加工レンズに対する粗研削を実行することを特徴としている。
ここで、前記レンズ加工皿による被加工レンズの粗研削量を測定する測定器を有し、前記コントローラーは、前記測定器による測定値に基づき、前記第1粗研削工程から前記第2粗研削工程に制御を切り替えることができる。
また、前記真空吸引機構が、前記レンズ保持面に一方の端が開口し、前記レンズホルダーおよび前記ホルダースピンドルの中心を貫通して延び、他方の端が前記中空シャフトの前記中空部に連通している真空吸引穴を備えている場合には、前記中空シャフトと前記ホルダースピンドルの間に、前記中空部に連通している所定長さの円環状の微小隙間と、グリース溜まりと、転がり軸受けとを、この順序に配列し、前記中空部が真空吸引されると、前記グリース溜まりのグリースが前記微小隙間に吸引され、当該グリースの粘性抵抗により前記微小隙間が封鎖されて、前記中空シャフトと前記ホルダースピンドルの間が気密状態に保持されるようにすることが望ましい。
このようにすれば、真空吸引路に外部から空気が侵入して被加工レンズの真空吸引力が低下することを防止できる。よって、粗研削中において、レンズホルダーによって被加工レンズを安定した状態に保持できる。
本発明においては、加工初期状態ではレンズ加工具の回転によって、当該レンズ加工具に従属回転する被加工レンズの表面粗研削を行い、しかる後に、レンズ加工具を回転および揺動させながら被加工レンズの粗研削を行うようにしている。したがって、スパークイン時に被加工レンズがレンズホルダー内で振動して、片肉、ピリ、カケが発生しやすいという従来の問題を解消でき、加工精度も安定化できる。
本発明を適用したレンズ粗研削機を示す概略構成図である。 図1のレンズ粗研削機の主要部分を示す部分拡大断面図である。 図1のレンズ粗研削機の粗研削動作を示すフローチャートである。 被加工レンズとレンズ加工皿の加工開始前の状態を示す説明図である。 加工中に被加工レンズの真空吸引を行わない従来のレンズ粗研削機の構造および動作を示す説明図である。
以下に、図面を参照して本発明を適用したレンズ粗研削機の実施の形態を説明する。
(全体構成)
図1および図2を参照して説明すると、本実施の形態に係るレンズ粗研削機1は、上軸ユニット2、下軸ユニット4、および、これらを駆動制御するコントローラー6を有している。上軸ユニット2は下向きに取り付けたレンズホルダー7を備えており、下軸ユニット4は上向きに取り付けたレンズ加工皿8を備えている。
上軸ユニット2は昇降テーブル21を備えており、この昇降テーブル21は、上軸モーター22(サーボモーター)、ボールねじ23、ボールナット24を備えた直動機構によって昇降される。昇降テーブル21にはシャフト支持円筒25が垂直に固定されており、当該シャフト支持円筒25には中空シャフト26が垂直に保持され、その中心軸線の方向に移動可能となっている。中空シャフト26の上端部には、シャフト支持円筒25に垂直に取り付けられているエアーシリンダー27の伸縮ロッド27aの下端部が同軸状態に連結固定されている。当該エアーシリンダー27によって中空シャフト26は所定の押圧力で下方に付勢可能である。エアーシリンダー27には、エアーレギュレーター28を介して駆動エアーが供給される。
中空シャフト26の下側の部分はシャフト支持円筒25の下端から下方に突出しており、当該下側の部分の中空部26aには、ホルダースピンドル29が同軸状態に下側から挿入されている。ホルダースピンドル29は中空シャフト26の下端から下方に突出している頭部29aと、この上端から同軸状に中空部26a内を上方に延びている軸部分29bとを備えており、軸部分29bは、上下に離れた2箇所の部位において、転がり軸受け30を介して、回転自在の状態で中空シャフト26の円形内周面によって回転自在の状態で支持されている。
ホルダースピンドル29の下端の頭部29aには、下側から同軸状態でレンズホルダー7が下向きにねじ込み固定されている。レンズホルダー7は、下向きのレンズ保持面7aと、中心を上下方向に貫通して延びる真空吸引穴7bとを備えており、真空吸引穴7bの下側開口がレンズ保持面7aに露出している。真空吸引穴7bの上端開口はホルダースピンドル29の中心に開けた真空吸引穴29cの下端開口に同軸状態で連通している。
中空シャフト26の中空部26aの上端は真空吸引通路31および電磁弁32を介して、外部の真空発生源33に繋がっている。レンズホルダー7の下向きのレンズ保持面7aに被加工レンズ9を装着した状態で、真空発生源33によって真空引きを行うと、被加工レンズ9がレンズ保持面7aに真空吸引され、ここに保持された状態が形成される。
次に、下軸ユニット4は加工皿スピンドル41を備えており、この加工皿スピンドル41の上端部に、上向き状態でレンズ加工皿8が同軸状態に取り付けられている。レンズ加工皿8は、その上向きの加工面8aが凹状の球面形状をしている。このレンズ加工皿8はダイヤモンドペレットあるいは総型ダイヤモンドを用いたダイヤモンド加工皿である。
加工皿スピンドル41は加工皿駆動機構42によって回転運動および揺動運動する。すなわち、加工皿駆動機構42は、加工皿スピンドル41をその中心軸線41aを中心として回転駆動する回転機構を備えている。また、加工皿駆動機構42は、加工皿スピンドル41を、加工面8aの球心を中心として所定の振れ角で揺動させる球心揺動機構を備えている。加工面8aの球心位置が、上軸ユニット2のホルダースピンドル29の中心軸線上に位置するように、上軸ユニット2および下軸ユニット4が配置されている。
上軸ユニット2において、中空シャフト26には、その外周面から直交する方向に延びる測長プレート34が取り付けられている。シャフト支持円筒25の外周面には測長器35が取り付けられており、その測針35aが上側から垂直に測長プレート34に押し付けられている。レンズ加工皿8による被加工レンズ9の被加工面9aの粗研削量に増加に伴って、中空シャフト26はシャフト支持円筒25に対して相対的に下方に移動する。よって、測長器35によって粗研削量を測定することができる。
ここで、上記各部の駆動制御はコントローラー6によって行われる。コントローラー6には、測長器35による検出信号が入力され、当該コントローラー6からの指令に基づき、上軸モーター22が駆動制御され、エアーレギュレーター28を介してエアーシリンダー27が駆動制御され、電磁弁32を介して真空引き動作が制御される。また、コントローラー6によって加工皿駆動機構42が駆動制御される。
(真空吸引路のシール機構)
先に述べたように、ホルダースピンドル29の軸部分29bは上下に離れた位置において転がり軸受け30を介して中空シャフト26の円形内周面26bによって回転自在の状態に支持されている。軸部分29bと中空シャフト26の間において、上側の転がり軸受け30の上側には一定の間隔を開けて円環状の矩形断面のグリース溜まり36が装着されている。このグリース溜まり36にはグリースが保持されている。このグリース溜まり36の上側には所定長さの円筒状のカラー37が配置されている。カラー37は中空シャフト26の内周面に固定されており、その円形内周面37aと、これに対峙する軸部分29bの外周面との間には円環状の微小隙間、例えば、10ミクロン程度の微小隙間38が形成されている。
なお、本例では、カラー37の下端部の外周縁部分が下方に突出しており、この内側にグリース溜まり36が形成されている。また、カラー37の上端面は、軸部分29bの上端部に取り付けたストップリング39によって上方への抜けが防止されている。
(粗研削動作)
図3のフローチャートを主に参照して上記構成のレンズ粗研削機1による粗研削動作を説明する。まず、上軸ユニット2および下軸ユニット4が上下に離れている待機状態において、被加工レンズ9をレンズ移送具等を用いて上軸ユニット2のレンズホルダー7のレンズ保持面7aに装着して真空引きを行い、当該被加工レンズ9をレンズ保持面7aに吸着保持する(図3のステップST1)。
ここで、電磁弁32を開いて真空引きを開始すると、真空吸引経路である中空シャフト26の中空部26aの真空度が上がる。この結果、外気が転がり軸受け30の隙間を通り、グリース溜まり36、および、ホルダースピンドル29の軸部分29bとカラー37の間の微小隙間38を通って、中空部26aに侵入する。この空気の侵入時に、グリース溜まり36のグリースも一緒に微小隙間38に向けて流動する。グリースの粘性抵抗は大きいので、グリースが微小隙間38に流入すると当該微小隙間38が気密状態に封鎖された状態になる。この結果、外気の侵入が防止あるいは抑制され、中空部26a内の真空度を維持できる。よって、被加工レンズ9をレンズホルダー7のレンズ保持面7aに確実に保持される。
この後は、下軸ユニット4のレンズ加工皿8の揺動振れ角が予め定めた最小値θminとなるようにセットする。すなわち、図2に示すように、上軸ユニット2のレンズホルダー7の中心軸線2aに対して、下軸ユニット4のレンズ加工皿8の中心軸線4aのなす角度を、最小値θminとなるように設定する(図3のステップST2)。
次に、昇降テーブル21を降下させて被加工レンズ9の被加工面9aを下側のレンズ加工皿8の加工面8aに対峙させ、エアーシリンダー27を駆動して、一定の押圧力によって被加工レンズ9をレンズ加工皿8に押圧した状態を形成する(図3のステップST3)。図1、図2にはこの状態が示されている。
次に、加工皿駆動機構42によってレンズ加工皿8をその中心軸線4a回りに回転を開始する(図3のステップST4)。被加工レンズ9を保持しているレンズホルダー7は中空シャフト26によって回転自在の状態に保持されているので、レンズ加工皿8の回転に連れ回り(従属回転)しながら、表面粗研削が被加工レンズ9の被加工面9aに施される(第1粗研削動作)。
ここで、図4を参照して説明したように、加工初期の状態では、被加工レンズ9の被加工面9aには、刻印が存在し、また、表面が粗いので、レンズ加工皿8との間の摩擦抵抗が大きい。本例では、上記のように被加工レンズ9がレンズホルダー7に確実に吸引保持されている。また、レンズ加工皿8は揺動運動を行っておらず、回転運動のみを行っており、レンズホルダー7に保持されている被加工レンズ9に大きなモーメントが作用することがない。よって、レンズホルダー7によって保持されている被加工レンズ9が振動、芯ズレして、片肉、ピリ、カケなどが発生するという不具合を回避あるいは抑制できる。
この表面粗研削においては、コントローラー6は、測長器35の検出信号に基づき、表面粗研削量を監視している。この表面粗研削量が予め設定されている設定表面研削量に達するまで表面粗研削を行い(図3のステップST4、ST5)、その後は第2粗研削動作に移行する。
第2粗研削動作においては、レンズ加工皿8の回転運動を維持すると共に、レンズ加工皿8を加工面8aの球心8bを中心として最大振れ角θmaxで揺動運動させながら、被加工レンズ9の粗研削を行う(図3のステップST6)。また、エアーレギュレーター28の圧力を上げて、エアーシリンダー27による押圧力を増加させる。また、この第2粗研削においても、コントローラー6は、粗研削量を監視しており、粗研削量が予め設定されている切削完了値に達すると(定寸研削が完了すると)、レンズ加工皿8の回転および揺動を止め、研削動作を終了する(ステップST6、ST7、ST8)。
この後は、被加工レンズ9をレンズ加工皿8から上方に離し(図3のステップST9)、レンズ移送具などを被加工レンズ9の真下の受取位置に移動させた後に、真空引きを解除して、加工済みの被加工レンズ9をレンズホルダー7から開放してレンズ移送具などに引き渡す(図3のステップST10)。
なお、初期粗加工が終了した後に、真空引きを解除して、その後の粗研削動作を行うことも可能である。被加工レンズ9の状態などに応じてこのような加工状態を選択することができる。
また、本例では測長器によって切削量に基づき初期研削動作から本研削動作に切り替えるようにしているが、この代わりに、簡易的な切替制御方法として、タイマーを用いて切削時間に基づき切替制御を行うことも可能である。
(その他の実施の形態)
上記のレンズ粗研削機では、上軸ユニットの下端にレンズホルダーを取り付け、ここに凸の球面レンズを吸着保持して粗研削を行うようにしている。上軸ユニットと下軸ユニットを上下逆に配置することも可能である。また、上記の例は、凸の球面レンズの粗研削を行う例であるが、凹の球面レンズの粗研削を行う場合においても本発明を同様に適用可能なことは勿論である。
1 レンズ粗研削機
2 上軸ユニット
4 下軸ユニット
6 コントローラー
7 レンズホルダー
7a レンズ保持面
8 レンズ加工皿
8a 加工面
8b 球心
9 被加工レンズ
9a 被加工面
21 昇降テーブル
22 上軸モーター
23 ボールねじ
24 ボールナット
25 シャフト支持円筒
26 中空シャフト
26a 中空部
26b 内周面
27 エアーシリンダー
27a 伸縮ロッド
28 エアーレギュレーター
29 ホルダースピンドル
29a 頭部
29b 軸部分
29c 真空吸引穴
30 転がり軸受け
31 真空吸引路
32 電磁弁
33 真空発生源
34 測長プレート
35 測長器
35a 測針
36 グリース溜まり
37 カラー
37a 内周面
38 微小隙間
39 ストップリング
41 加工皿スピンドル
42 加工皿駆動機構

Claims (7)

  1. レンズホルダー(7)のレンズ保持面(7a)に被加工レンズ(9)を真空吸着するレンズ吸着工程(ST1)と、
    前記レンズ保持面(7a)に吸着されている被加工レンズ(9)の被加工面(9a)を、ダイヤモンドペレットあるいは総型ダイヤモンドを用いたレンズ加工皿(8)の球面形状の加工面(8a)に押圧する押圧工程(ST3)と、
    前記レンズ加工皿(8)をその中心軸線(4a)回りに回転させて、前記レンズホルダー(7)をその中心軸線(2a)回りに連れ回りさせながら、当該レンズホルダー(7)に真空吸着されている前記被加工レンズ(9)の前記被加工面(9a)に対して粗表面研削を施す第1粗研削工程(ST4、ST5)と、
    前記レンズ加工皿(8)の回転を継続すると共に、当該レンズ加工皿(8)を前記加工面(8a)の球心(8b)を中心として所定の揺動振り角(θmax)で揺動させながら前記被加工面(9a)に対して所定量の粗研削を施す第2粗研削工程(ST6、ST7)とを有していることを特徴とするレンズの粗研削方法。
  2. 請求項1において、
    前記第1粗研削工程では、前記レンズホルダー(7)の中心軸線(2a)に対して、前記レンズ加工皿(8)の中心軸線(4a)のなす角度を、前記第2粗研削工程での前記揺動振り角(θmax)よりも小さな角度(θmin)に設定した状態で前記粗表面研削を行うことを特徴とするレンズの粗研削方法。
  3. 請求項2において、
    前記第1粗研削工程では前記被加工面(9a)の表面粗研削量を監視し(ST5)、
    当該表面粗研削量が予め定めた設定表面粗研削量になると前記第2粗研削工程(ST6)に移行することを特徴とするレンズの粗研削方法。
  4. 請求項3において、
    前記第2粗研削工程(ST6)では、前記被加工レンズ(9)の真空吸引を解除した状態で粗研削を行うことを特徴とするレンズの粗研削方法。
  5. 中空シャフト(26)と、
    前記中空シャフト(26)の中空部(26a)に、回転可能に同軸状態で保持されているホルダースピンドル(29)と、
    前記ホルダースピンドル(29)の端に同軸状態に取り付けたレンズホルダー(7)と、
    前記レンズホルダー(7)のレンズ保持面(7a)に対峙する球面形状の加工面(8a)を備えているレンズ加工皿(8)と、
    前記レンズ加工皿(8)を支持している加工皿スピンドル(41)と、
    前記加工皿スピンドル(41)をその中心軸線(4a)回りに回転させる回転機構(42)と、
    前記加工面(8a)の球心(8b)が前記ホルダースピンドル(29)の中心軸線(4a)上に位置する状態で、当該球心(8b)を中心として前記加工皿スピンドル(41)を揺動させる揺動機構(42)と、
    前記中空シャフト(26)をその軸線方向に付勢して、前記レンズホルダー(7)に保持される被加工レンズ(9)の被加工面(9a)を前記レンズ加工皿(8)の前記加工面(8a)に押圧した状態を形成する付勢機構(27)と、
    被加工レンズ(9)を前記レンズホルダー(7)の前記レンズ保持面(7a)に真空吸着させる真空吸引機構(7b、29c、26a、25、32、33)と、
    各部の駆動制御を司るコントローラー(6)とを有し、
    前記コントローラー(6)は、前記回転機構、前記揺動機構、前記付勢機構および前記真空吸引機構を駆動制御して、請求項1に記載のレンズの粗研削方法により被加工レンズに対する粗研削を実行することを特徴とするレンズ粗研削機(1)。
  6. 請求項5において、
    前記レンズ加工皿(8)による被加工レンズ(9)の粗研削量を測定する測定器(35、34)を有し、
    前記コントローラー(6)は、前記測定器による測定値に基づき、前記第1粗研削工程から前記第2粗研削工程に制御を切り替えることを特徴とするレンズ粗研削機(1)。
  7. 請求項5において、
    前記真空吸引機構は、前記レンズ保持面(7a)に一方の端が開口し、前記レンズホルダー(7)および前記ホルダースピンドル(29)の中心を貫通して延び、他方の端が前記中空シャフト(26)の前記中空部(26a)に連通している真空吸引穴(7b、29c)を備えており、
    前記中空シャフト(26)と前記ホルダースピンドル(29)の間には、前記中空部(26a)に連通している所定長さの円環状の微小隙間(38)と、グリース溜まり(36)と、転がり軸受け(30)とが、この順序に配列されており、
    前記中空部(26a)が真空吸引されると、前記グリース溜まり(36)のグリースが前記微小隙間(38)に吸引され、当該グリースの粘性抵抗により前記微小隙間(38)が封鎖されて、前記中空シャフト(26)と前記ホルダースピンドル(29)の間が気密状態に保持されることを特徴とするレンズ粗研削機(1)。
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