JP5383753B2 - 遊技機 - Google Patents

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本発明は、パチンコ遊技機およびコイン遊技機等の遊技機に関し、特に、所定条件が成立した後、遊技媒体が打込まれる遊技領域に設けられた特定領域に遊技媒体が進入したことに基づいて、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機に関する。
この種の遊技機として一般的に知られているものとしては、たとえば、パチンコ遊技機のように、権利発生状態となる等の所定条件が成立した後、遊技球等の遊技媒体が打込まれる遊技領域に設けられた特定領域に遊技媒体が進入したことに基づいて、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御するものがあった。
このような遊技機としては、所定条件の成立により権利発生状態となった後、遊技球が所定領域を通過したときに大当り遊技状態に制御するものであって、権利発生状態となったときに、遊技球を打込むべき領域を知らせる等、遊技者に適切な遊技進行のアドバイスを報知するものがあった(特許文献1)。また、従来の遊技機においては、停電等により遊技機への電源供給が断たれた電源断時において、主制御基板で遊技の進行に用いられる遊技制御の制御データを主制御基板においてバックアップ記憶し、その後の起動時において、主制御基板が、バックアップ記憶された制御データを用いて、電源断時の制御状態となるように遊技状態を復旧させる制御が行なわれる。
特開2004−195017号公報(段落番号0054〜0056、図4)
しかし、特許文献1に示されるような、遊技者に遊技進行のアドバイスを報知する従来の遊技機では、電源断時後に遊技機を起動するための電源投入時において、主制御基板において、バックアップ記憶された制御データを用いて遊技状態が復旧されるが、遊技進行のアドバイス報知等の演出を実行するサブ制御基板では、演出に関する制御データをバックアップしないものが多いので、遊技状態が復旧されたときに、遊技進行のアドバイス報知状態が復旧しないため、大当り遊技状態となっていない状態であれば、遊技機の状態が権利発生状態であるか否かが不明であり、その復旧された制御状態を管理者が正確に把握できなくなる等、運用上の不都合が生じるという問題があった。
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、電源断時にバックアップ記憶された制御データを用いて次回の電源投入時に遊技状態が復旧されたときに、その復旧された制御状態を正確に把握できるようにすることが可能となる遊技機を提供することである。
課題を解決するための手段の具体例およびその効果
(1) 所定条件(たとえば、変動表示における大当り表示結果の表示に基づく権利発生状態)が成立した後、遊技媒体(たとえば、遊技球)が打込まれる遊技領域(たとえば、遊技領域7)に設けられた特定領域(たとえば、特定ゲート33)に遊技媒体が進入したことに基づいて、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態(たとえば、大入賞口の開放制御状態)に制御する遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1)であって、
前記遊技領域は、遊技者の選択により遊技媒体を打込む領域が変更可能となる複数の領域(たとえば、左領域7a、右領域7b)を含み、
前記遊技領域における前記複数の領域のうちのいずれかに設けられ、遊技媒体が入賞可能な第1の状態(たとえば、開状態)と該第1の状態よりも遊技媒体が入賞しにくいまたは入賞しない第2の状態(たとえば、閉状態)とに変化可能であり、前記特定遊技状態に制御されたときに当該第1の状態に複数回(たとえば、15ラウンド)、制御される可変入賞装置(たとえば、特別可変入賞球装置20)を備え、
前記特定領域は、前記遊技領域における前記複数の領域のうちの前記可変入賞装置が設けられた領域に設けられ(たとえば、図1参照)、
遊技の進行を制御する遊技制御手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、
前記遊技機の電源断時に、前記遊技制御手段による制御状態を特定する制御データをバックアップ記憶するバックアップ記憶手段(たとえば、RAM55のバックアップRAM領域)と、
前記遊技機の電源投入時に、前記バックアップ記憶手段に記憶された制御データに基づいて、前記遊技制御手段の制御状態を復旧する制御状態復旧手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560、図7のS6〜S8、S41〜S47)と、
該制御状態復旧手段により前記遊技制御手段の制御状態が復旧されたときに、前記所定条件が成立している制御状態であるときは、前記所定条件が成立している旨を報知する(権利発生報知)条件成立報知手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560、図7のS44,S45)と
前記遊技領域における前記複数の領域のいずれに遊技媒体を打込むべきかを特定する打込領域特定信号(たとえば、左打ち信号または右打ち信号)を作成する信号作成手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560、図31のS271,S274,S275)とを備え
前記信号作成手段は、前記所定条件が成立したことに基づいて、前記特定領域に遊技媒体が進入する前のタイミングから、前記可変入賞装置が設けられた領域に遊技媒体を打込むことを特定する前記打込領域特定信号(たとえば、右打ち信号)を作成する(たとえば、図31のS271,S275。図32参照)
このような構成によれば、所定条件が成立した後、特定領域に遊技媒体が進入したことに基づいて特定遊技状態に制御される遊技機において、電源断時にバックアップ記憶された制御データに基づいて、電源投入時に遊技制御手段の制御状態が復旧されたときに、所定条件が成立している制御状態であるときは、所定条件が成立している旨が報知される。これにより、電源投入時に遊技状態が復旧されたときに、特定遊技状態への移行に関連する制御状態に関して、その復旧された制御状態を正確に把握できるようにすることができる。
(2) 前記(1)の遊技機において、前記所定条件を成立させるか否か(大当り表示結果とするか否か)を決定する事前決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図15のS60,S71)と、
前記特定遊技状態の終了後において、前記事前決定手段により前記前記所定条件を成立させると決定される確率を、前記通常遊技状態における低確率状態よりも高い高確率状態に制御する確率状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図19のS158)と、
該確率状態制御手段により、前記高確率状態に制御されているとき(たとえば、確変大当り後の高確高ベース状態)といないとき(通常大当り後の高確低ベース状態または低確低ベース状態)とで、共通の演出(図39の潜伏演出)を実行する共通演出手段(図38のS800)と、
前記制御状態復旧手段により前記遊技制御手段の制御状態が復旧されたときに、前記高確率状態であるときは、前記高確率状態である旨を報知する(高確率報知)高確率報知手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図7のS46,S47)とをさらに備えた。
このような構成によれば、電源断時にバックアップ記憶された制御データに基づいて、電源投入時に遊技制御手段の制御状態が復旧されたときに、高確率状態であるときは、高確率状態である旨が報知されるので、電源投入時に遊技状態が復旧されたときに、その復旧された制御状態をより一層正確に把握できるようにすることができる。
パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。 大当り種別の制御の特徴を表形式で説明する図である。 主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。 中継基板、演出制御基板、ランプドライバ基板および音声出力基板の回路構成例を示すブロック図である。 電源監視および電源バックアップのためのCPU56周りの一構成例を示すブロック図である。 遊技機の電源基板の一構成例を示すブロック図である。 主基板における遊技制御用マイクロコンピュータが実行するメイン処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 各乱数を示す説明図である。 大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。 遊技制御用マイクロコンピュータが送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。 特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。 始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。 遊技制御用マイクロコンピュータにおける保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。 特別図柄通常処理を示すフローチャートである。 特別図柄停止処理を示すフローチャートである。 大入賞口開放前処理を示すフローチャートである。 大入賞口開放中処理を示すフローチャートである。 大当り終了処理を示すフローチャートである。 権利発生状態中において遊技球が特定ゲートを通過してから大入賞口が開放されるときの制御状態をタイミングチャートである。 賞球処理の一例を示すフローチャートである。 賞球個数テーブルを示す図である。 賞球コマンド出力カウンタ加算処理を示すフローチャートである。 賞球コマンド出力カウンタ加算処理を示すフローチャートである。 賞球制御処理を示すフローチャートである。 賞球プロセスコードの値が2の場合に実行される賞球送信処理2を示すフローチャートである。 払出制御用マイクロコンピュータが実行するタイマ割込処理の例を示すフローチャートである。 情報出力処理を示すフローチャートである。 入賞信号出力処理を示すフローチャートである。 入賞タイマセット処理を示すフローチャートである。 試験端子処理を示すフローチャートである。 遊技状態と左打ち信号および右打ち信号との関係を示すタイミングチャートである。 普通図柄表示結果決定テーブルを示す説明図である。 普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御用マイクロコンピュータが用いる乱数を示す説明図である。 演出表示装置における演出図柄(飾り図柄)の停止図柄の一例を示す説明図である。 演出制御メイン処理を示すフローチャートである。 演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。 確変大当りの大当り遊技状態の終了後と、通常大当りの大当り遊技状態の終了後とにおいて共通に実行される潜伏演出の一例を示す演出表示装置の表示画面図である。 第2実施形態による省電力制御状態の一例を示す演出表示装置の周辺の拡大図である。 第3実施形態による打込領域報知制御の一例を示す演出表示装置の表示画面図である。 第4実施形態による潜伏演出が行なわれるときの演出表示装置の表示画像の一例を示す表示画面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、所定条件が成立した後、遊技媒体が打込まれる遊技領域に設けられた特定領域に遊技媒体が進入したことに基づいて、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
[第1実施形態]
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、大当り種別の制御の特徴を表形式で説明する図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技媒体としての遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球(遊技球)を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。遊技領域7には、遊技球を誘導するための多数の釘が植設されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9は、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示(可変表示、更新表示、または、巡回表示ともいう)を行なう変動表示装置に相当する。演出表示装置9では、表示画面上で演出図柄を表示する演出図柄表示領域が設けられており、当該演出図柄表示領域に、たとえば「左」,「中」,「右」の3つ(複数)の演出図柄を変動表示する表示領域としての図柄表示エリアがある。これら3つの演出図柄のそれぞれは、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄である。
演出表示装置9では、後述する第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示が行なわれる。演出図柄の変動表示は、スクロール表示およびその場切替え表示等の各種の変動態様で実行される。
演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。第1特別図柄は、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。第2特別図柄は、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。つまり、第1特別図柄と第2特別図柄とは、同時に変動表示されることなく、どちらか一方が変動表示される。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したこと(遊技球が進入したこと)である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
以下の説明においては、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことを第1始動入賞と呼ぶ場合があり、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことを第2始動入賞と呼ぶ場合がある。始動条件は成立しているが開始条件が成立していない変動表示に関するデータは、開始条件が成立するまで特別図柄の変動表示を行なう権利である保留記憶データとして保留して記憶される。具体的に、保留記憶データは、後述する遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55の所定領域に記憶される。第1始動入賞の保留記憶データは所定数(たとえば、4個)を上限として第1保留記憶データとして第1保留記憶バッファに記憶され、第2始動入賞の保留記憶データは所定数(たとえば、4個)を上限として第2保留記憶データとして第2保留記憶バッファに記憶される。
パチンコ遊技機1には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、遊技領域7の中央部に設けられ、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが大当り表示結果として停止表示される。前述した第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、および、演出表示装置9は、識別情報の変動表示を行ない表示結果を導出表示する変動表示装置であり、変動表示部として用いられる。
演出表示装置9では、変動表示を開始するときに、たとえば、左,中,右の演出図柄のすべてが変動表示を開始する。そして、変動表示している左,中,右の演出図柄が基本的に所定の順番(たとえば、左演出図柄、右演出図柄、中演出図柄の順番のような予め定められた順番)で停止し、変動表示の開始から予め定められた変動時間が経過したときに、左,中,右の全演出図柄が停止して表示結果が確定する。なお、左,中,右の演出図柄が停止する順番は、左,右,中の図柄の順番以外の順番であってもよい。また、左,中,右の演出図柄は、同時に停止してもよい。
遊技領域7は、遊技者の選択により遊技球を打込む領域が変更可能となる複数の領域を含む。本実施の形態の場合、遊技領域7は、遊技領域の左右方向の中央部を境界として左側の領域が左領域7aと呼ばれ、右側の領域が右領域7bと呼ばれる。なお、遊技領域7の領域分けは、遊技領域7の中央部を境界として左右に分けるもの以外に、たとえば、遊技領域7の中央から左または右に偏在した位置を境界として左右に分けるものであってもよい。たとえば、演出表示装置9等の装置が設けられる飾り部材(所謂センター飾り部材)は、遊技領域7の中央から左または右に偏在して設けられる場合があるが、そのような場合に、遊技領域7の中央から左または右に偏在した当該飾り部材の頂点を中心として左右に領域が分けられたものであってもよい。つまり、遊技領域7の領域分けは、遊技領域7において、ある位置を中心として遊技領域が複数に分けられているものであればどのような領域分けが行なわれてもよい。また、このように、左領域7aと右領域7bとの複数の領域を含む場合において、遊技球が左領域7aへ流れるように左領域7aを狙って遊技球を打込むことが「左打ち」と呼ばれ、遊技球が右領域7bへ流れるように右領域7bを狙って遊技球を打込むことが「右打ち」と呼ばれる。
パチンコ遊技機1においては、打球操作ハンドル5の操作量に応じて打球発射装置の発射強度を変更することで、右打ちまたは左打ちする等、遊技者の選択により遊技球を打込む領域を変更することができる。
演出表示装置9の下方には、遊技球が入賞(進入)可能な第1始動入賞口13が設けられている。第1始動入賞口13は、遊技領域7の左右方向の中央部に設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。本実施の形態の場合、第1始動入賞口13は、「左打ち」をしたときが「右打ち」をしたときよりも入賞しやすいように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されている。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13の右側方部における右領域7bには、遊技球が入賞(進入)可能な第2始動入賞口14(第2始動口)を有する可変入賞球装置(電動チューリップ)15が設けられている。可変入賞球装置15は、左右一対の可動片18を備え、可動片18の状態により、遊技球が入賞可能な第1の状態(開状態)と遊技球が入賞しない第2の状態(開状態)とに変化可能なものである。可動片18の上方には、上方からの遊技球の入賞を阻止するストッパ部材17が設けられており、閉状態のときには、遊技球が第2始動入賞口14に入賞しない構造とされている。可変入賞球装置15に設けられた第2始動入賞口14は、「右打ち」をしたときが「左打ち」をしたときよりも入賞しやすいように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されている。
第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15は、閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい(たとえば、ストッパ部材17を設けない構成例)。このように、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞しにくいまたは入賞しない状態であればよい。つまり、可変入賞球装置15は、遊技球が入賞可能な第1の状態(開状態)と該第1の状態よりも遊技球が入賞しにくいまたは入賞しない第2の状態(開状態)とに変化可能なものであればよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
また、遊技領域7には、遊技球の入賞に基づいて予め定められた所定数の賞球の払出を行なうための入賞口(普通入賞口)29,30も設けられている。入賞口29,30に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30aで検出される。
演出表示装置9の下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示する。
演出表示装置9の右側方の右領域7bにおいては、遊技球が進入して通過可能な普図ゲート32が設けられ、さらに、その右側方には、遊技球が進入して通過可能な特定ゲート33が設けられている。普図ゲート32においては、進入した遊技球を検出する普図ゲートスイッチ32aが設けられている。特定ゲート33においては、進入した遊技球を検出する特定ゲートスイッチ33aが設けられている。
本実施の形態の場合、普図ゲート32および特定ゲート33は、右領域7bに設けられており、「右打ち」をしたときに遊技球が進入可能であるが、「左打ち」をしたときには遊技球が進入不可能となるように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されている。なお、普図ゲート32および特定ゲート33は、「右打ち」をしたときが「左打ち」をしたときよりも遊技球が進入しやすいように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されてもよい。
遊技球が普図ゲート32を通過し普図ゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄「○」)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。
普通図柄表示器10の近傍には、普図ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。普図ゲート32への遊技球の通過があるごとに、すなわち普図ゲートスイッチ32aによって遊技球が検出されるごとに、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器を1減らす。普図保留記憶数の上限値は4つであり、普通図柄保留記憶表示器41においては、この4つを上限値として表示器を点灯する。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域としての合算保留記憶表示部18cが設けられている。このように、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられることにより、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とのそれぞれの表示領域が設けられるようにしてもよい。
第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、および、合算保留記憶表示部18cで行なわれる保留記憶数等の保留記憶に関する表示は、保留記憶表示と呼ばれる。このように、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、および、合算保留記憶表示部18cでは、変動表示を行なう権利の数を視認可能な態様で各権利に対応する保留記憶表示が行なわれる。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行なう可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行なう可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
パチンコ遊技機1においては、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる変動表示の表示結果が大当り表示結果となったとき、そして、このような表示結果に対応して演出表示装置9による変動表示の表示結果が大当り表示結果となったときに、遊技者にとって有利な大入賞口の開放制御状態を実行する権利が発生した権利発生状態に制御される。そして、権利発生状態において、遊技球が特定ゲート33に進入して特定ゲートスイッチ33aにより検出されると、大入賞口の開放制御状態に制御される。
本実施の形態では、変動表示の表示結果が大当り表示結果となることに基づいて権利発生状態となり、権利発生状態において遊技球が特定ゲート33に進入すると特別可変入賞球装置20の大入賞口を開放する開放制御状態となる。遊技者にとって有利となる大当り遊技状態は、このような権利発生状態後の開放制御状態が該当する。したがって、変動表示の表示結果が大当り表示結果となったとき、および、当該大当り表示結果になったことに基づいて権利発生状態となったときに、大当り遊技状態(開放制御状態)に制御可能となる所定条件が成立することとなる。変動表示の表示結果を大当り表示結果とするか否かは、変動表示結果が表示される前に事前決定される。したがって、このような事前決定は、権利発生状態、すなわち、開放制御状態(大当り遊技状態)に制御可能な状態とするか否かの事前決定と定義することができる。また、権利発生状態は、遊技球が特定ゲート33に進入すること以外の条件で終了することはない。
なお、権利発生状態とする大当り表示結果を決定することが結果的に開放制御状態に制御することに関与するので、表示結果を決定することを、大当りとするか否かを決定する大当り判定と呼ぶ場合がある。また、本実施の形態では、大入賞口が開放される開放制御状態が遊技者にとって有利な状態であるので、開放制御状態のみを「大当り」と呼ぶが、権利発生状態も開放制御状態に制御されることが保証された遊技者にとって有利な状態であるので、権利発生状態と開放制御状態とを含めて「大当り」と呼んでもよい。したがって、本実施の形態において「大当り」と呼ぶときは、基本的に開放制御状態を示すが、たとえば後述する「大当り確率」のように権利発生状態となる大当り表示結果を決定する確率等のように、「大当り」という概念で示した方が意味が分かりやすくなるときには、権利発生状態および開放制御状態の両者を含む概念として、「大当り」と呼ぶ場合がある。
なお、特定ゲート33を設けずに、普図ゲート32を特定ゲート33を兼用できるようにしてもよい。このようにする場合に、普図ゲート32は、権利発生状態でないときには普通図柄表示器10の変動表示制御に用いられ、権利発生状態であるときには前述した特定ゲート33の代わりに用いられるようにすればよい。また、特定ゲート33を設けずに、その他の入賞口等の入賞領域を特定ゲート33として兼用できるようにしてもよい。このようにする場合に、対象となる入賞領域は、権利発生状態でないときには通常の入賞領域として用いられ、権利発生状態であるときには前述した特定ゲート33の代わりに用いられるようにすればよい。また、特定ゲート33は、遊技球が通過するものではなく、入賞口のように遊技球がパチンコ遊技機1の内部に受入れられ、賞球が払出されるものであってもよい。
本実施の形態では、前述したように、遊技領域7における複数の領域(左領域7a、右領域7b)のうちの特別可変入賞装置20が設けられた領域に、特定ゲート33が設けられている。そして、打球操作ハンドル5の操作量に応じて打球発射装置の発射強度を変更することで、右打ちまたは左打ちする等、遊技者の選択により遊技球を打込む領域が変更できるので、遊技者が大入賞口の開放制御状態を開始させる意思を持ったときに開放制御状態を開始させることができるようになり、遊技者の意に反した時期に開放制御状態が開始されてしまうことを防ぐことができる。
演出表示装置9における演出図柄の変動表示中には、リーチ状態が生じる場合がある。ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り図柄の組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り図柄の組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当り表示結果が発生しやすいように設定され、大当り表示結果となる信頼度が高いものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
また、図1に示すように、遊技領域7における右領域7bには、可変入賞球装置15の下方に、遊技球が入賞可能な特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、大入賞口と呼ばれる入賞口を開閉可能な開閉板を備え、遊技球が入賞可能な開状態(第1の状態)と、遊技球が入賞しない閉状態(第2の状態)とに変化可能な可変入賞装置である。これにより、特別可変入賞球装置20は、右領域7bに設けられており、「右打ち」をしたときに遊技球が進入可能であるが、「左打ち」をしたときには遊技球が進入不可能となるように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されている。なお、特別可変入賞球装置20は、右領域7bに設けられ、「右打ち」をしたときが「左打ち」をしたときよりも遊技球が進入しやすいように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されてもよい。また、特別可変入賞球装置20は、左領域7aに設けられ、「左打ち」をしたときに遊技球が進入可能であるが、「右打ち」をしたときには遊技球が進入不可能となるように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されてもよい。また、特別可変入賞球装置20は、左領域7aに設けられ、「左打ち」をしたときが「右打ち」をしたときよりも遊技球が進入しやすいように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されてもよい。また、特別可変入賞球装置20は、特別可変入賞球装置20は、閉状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。このように、特別可変入賞球装置20が閉状態になっている状態は、遊技球が特別可変入賞球装置20に入賞しにくいまたは入賞しない状態であればよい。つまり、特別可変入賞球装置20は、遊技球が入賞可能な第1の状態(開状態)と該第1の状態よりも遊技球が入賞しにくいまたは入賞しない第2の状態(開状態)とに変化可能なものであればよい。
特別可変入賞球装置20は、開放制御状態となったときに、ソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
開放制御状態(大当り遊技状態)においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる(Rという記号で示される場合がある)。従来のパチンコ遊技機では、権利発生状態において特定領域に遊技球が1個進入すると入賞口が1回開放するものであったので、権利発生状態が終了するまでに遊技球を複数回繰返して特定領域に遊技球を進入させる必要があり、遊技の進行させ方が煩雑なものであった。これに対し、本実施の形態のパチンコ遊技機1では、権利発生状態において特定ゲート33に遊技球が一度進入すると、予め定められた複数ラウンドのうちの第1ラウンドから最終ラウンドまでのすべてのラウンドが実行される大入賞口の開放制御が行なわれる。これにより、本実施の形態のパチンコ遊技機1では、遊技球遊技の進行させ方を、簡素なものとすることができ、遊技の進行状況に対応するとともに、遊技の進行させ方を容易にすることができる。また、本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当り表示結果とすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。なお、本実施の形態では、いずれの大当り種別であっても、ラウンド数の上限値が同じである例を説明するが、これに限らず、大当り種別により、ラウンド数の上限値が異なるようにしてもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示されるランプ(発光体)としての装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられたランプ(発光体)としての天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。
左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。また、左枠LED28bの近傍には、パチンコ遊技機1の電源投入時(起動時)において、バックアップデータに基づいて確変状態となっているときに点灯することで確変状態であることを報知する確変報知LED53が設けられている。当該確変報知LED53は、電源投入時以外のときは、消灯しており、電源投入時にのみ、状態に応じて点灯する。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
打球供給皿3の右側の所定位置には、押圧操作により遊技者が操作可能な操作ボタン130が設置されている。操作ボタン130には、操作を検出するための操作検出スイッチ131が設けられている。なお、操作ボタン130は、押圧操作するボタンに限らず、押下可能なジョグボタン、および、回動可能なジョグダイアルといった、その他の構成の操作手段により構成されてもよい。このような操作ボタン130は、たとえば、変動表示中の演出に応じて、操作する等、所定の演出が行なわれるときに操作が要求される。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態の終了後の変動時間、大当り遊技状態における開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。図2に示すように、本実施の形態では、通常大当りと、確変大当りとの複数種類の大当り遊技状態が設けられている。
具体的に、通常大当りおよび確変大当りのそれぞれの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に移行する大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。また、本願実施の形態では、通常大当りで大当り遊技状態に制御された後についても、時短状態に制御される。なお、通常大当りで大当り遊技状態に制御された後は、時短状態に制御されないようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して電チューサポート制御状態に制御される場合があるようにしてもよい。また、本願実施の形態では、通常大当りで大当り遊技状態に制御された後についても、電チューサポート制御状態に制御される。なお、通常大当りで大当り遊技状態に制御された後は、電チューサポート制御状態に制御されないようにしてもよい。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
さらに、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか複数を組合せた状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。また、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか1つの状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。このように、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうち、いずれか1つの状態、いずれか複数(すべての組合せを除く)を組合せた状態、または、すべてを組合せた状態に制御するものであれば、どのような制御を行なうようにしてもよい。
本実施の形態では、特別遊技状態として、確変状態に付随して、時短状態および電チューサポート制御状態に制御される。なお、特別遊技状態として、確変状態とは独立して時短状態および電チューサポート制御状態に制御される場合があるようにしてもよい。その他、特別遊技状態における時短状態と電チューサポート制御状態との関係としては、時短状態に付随して電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよく、時短状態に独立して電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、通常大当りの大当り遊技状態後の制御状態として、時短状態および電チューサポート制御状態に制御される。なお、通常大当りの大当り遊技状態後の制御状態として、時短状態とは独立して電チューサポート制御状態に制御される場合があるようにしてもよい。
この実施の形態の場合は、大当り遊技状態の終了後において、特別遊技状態として、確変状態に制御されたときに時短状態および電チューサポート制御状態に制御されるが、確変状態に制御されたときに時短状態および電チューサポート制御状態に制御されない場合があるようにしてもよい。また、大当り遊技状態の終了後において、確変状態に制御されず通常状態となるときは、変動表示回数により期間が制限されずに、次回の大当りが発生するまでの間、時短状態および電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよい。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「高確高ベース状態」、および、「低確高ベース状態」を用いる。なお、「高確低ベース状態」に制御可能となるようにしてもよい。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
以上に説明したように、本実施の形態において、確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りの場合は、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態が、変動表示回数とは関係なく、次回の大当りが発生するまでという条件が成立するまでの期間継続する。
また、以上に説明したように、本実施の形態において、通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(低確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。通常大当りの場合は、時短状態、および、電チューサポート制御状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
また、大当りとしては、大当り遊技状態について、ラウンド数が同じであるが、1回の開放時間が長い開放パターンの大当りと、1回の開放時間が短い開放パターンの大当りとを設ける等、ラウンド数が同じであるが開放パターンが異なるものを複数設け、第1特別図柄の変動表示で大当りとなったときと、第2特別図柄の変動表示で大当りとなったときとで異なる選択割合で選択して実行されるようにしてもよい。
本実施の形態のパチンコ遊技機1は、打球操作ハンドル5の操作量を調整することにより発射強度を調整することにより、次のような態様で遊技者が遊技球を左領域7aまたは右領域7bへ打分けることにより、遊技者にとって有利な状態に制御されやすくなるように構成されている。
低確低ベース状態のような低ベース状態においては、時短状態に付随する高ベース状態よりと比べて可変入賞球装置15が開状態になりにくく、第1始動入賞口13の方が第2始動入賞口14よりも遊技球が進入しやすい。したがって、低確低ベース状態においてより多数の始動入賞を得たい場合に、遊技者は、第1始動入賞口13を狙って「左打ち」をすればよい。
また、高確高ベース状態および低確高ベース状態のような大当り遊技状態後の時短状態に付随する高ベース状態においては、電チューサポート制御等により、低ベース状態よりと比べて可変入賞球装置15が開状態になりやすく、第2始動入賞口144の方が第1始動入賞口13よりも遊技球が進入しやすい。したがって、大当り遊技状態後の高ベース状態においてより多数の始動入賞を得たい場合に、第2始動入賞口14が設けられた可変入賞球装置15を開状態にするために、普図ゲート32を狙って「右打ち」をすればよい。
また、特別図柄および演出図柄の変動表示結果が大当り表示結果となって権利発生状態となったときには、遊技球が特定ゲート33を通過すれば大入賞口の開放制御状態となる大当り遊技状態に制御される。したがって、権利発生状態において大入賞口の開放制御状態に移行させたい場合には、特定ゲート33を狙って「右打ち」をすればよい。
また、権利発生状態において遊技球が特定ゲート33を通過して大入賞口の開放制御状態となったときには、特別可変入賞球装置20の大入賞口を狙って「右打ち」をすればよい。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。払出制御基板37には、プログラムにしたがって入賞に応じた賞球を払出す制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。また、演出制御基板80には、プログラムにしたがって各種演出制御を行なう演出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切替え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。たとえば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行なうことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否かを決定することにより、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや各保留記憶数カウンタの値等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。本実施の形態の場合、このようにバックアップRAMに保存される遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御状態に応じたデータ(バックアップデータ)には、権利発生状態に制御されているときにセットされる権利発生フラグ、および、確変状態に制御されているときにセットされる確変フラグに関するデータが含まれている。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(たとえば、DC30VやDC5V等)の電圧値を監視して、電圧値が予め定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、特定ゲートスイッチ33a、普図ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29,30からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41、および、確変報知LED53の表示制御を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および、入賞口スイッチ29,30のいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに、賞球個数を示す払出制御コマンドとしての賞球個数コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数コマンドが示す賞球個数に応じて駆動信号を供給することで、球払出装置97を駆動する。球払出装置97には、賞球を払出す払出モータが備えられている。払出制御用マイクロコンピュータにより払出モータが回転駆動制御されることにより、払出制御用マイクロコンピュータにより指定された個数の賞球が球払出装置97から払出される。
また、遊技球を打撃して発射する打球発射装置は、タッチセンサ基板91上の回路によって制御される発射モータ94を含み、発射モータ94が回転することによって遊技球を遊技領域7に向けて発射する。遊技者が打球操作ハンドル5に触れていることはタッチセンサおよびタッチセンサ回路(遊技者が打球発射装置5に触れているか否かを検出するための検出回路等を含む回路)で検出され、タッチセンサ回路からの信号がオフ状態を示している場合には、発射モータ94の駆動を停止する。
タッチセンサ基板91には、間欠的に繰り返しパルス(ステッピングモータとしての発射モータ94の各相に供給されるパルス信号)を発生するパルス発生器と、単発パルスを発生する単発パルス発生器とが設けられている。タッチセンサ回路からの信号がオン状態を示している場合に、パルス発生器が発生するパルスが発射モータ94に供給される。さらに、打球操作ハンドル5に、または、打球操作ハンドル5の近傍に、発射停止スイッチが設けられ、発射停止スイッチが操作されているときにはパルス発生器のパルス出力が停止される。
なお、パルス発生器のパルス出力は、払出制御基板37からの発射制御信号がオフ状態になったときにも停止される。また、打球発射装置5には単発発射スイッチが設けられ、単発発射スイッチが操作されると、単発パルス発生器が発生する単発パルスが発射モータ94に供給される。
なお、この実施の形態では、タッチセンサ基板91にパルス発生器が設けられているが、発射モータ94に供給されるパルスの発生機能を払出制御基板37に持たせてもよい。その場合には、例えば、払出制御用マイクロコンピュータがパルスを発生し、発生されたパルスはタッチセンサ基板91で中継されて発射モータ94に供給される。また、発射停止スイッチの出力は払出制御用マイクロコンピュータに入力され、払出制御用マイクロコンピュータは、下皿満タンや補給球切れが生じたとき、および発射停止スイッチの出力がオフ状態になったときに、パルス出力を停止する。
また、打球発射装置は、遊技球を遊技領域7に打出す打球ハンマ、打球ハンマを付勢するためのコイルばね、コイルばねで付勢された打球ハンマを付勢された位置から解放させるためのカム機構を備え、カム機構が発射モータ94により駆動される。そして、打球発射装置5の回動によりコイルばねの固定位置を変化させてばねの付勢力を調整し、その結果として、打球ハンマの遊技球を打出す力(発射強度)が調整される。
打球発射装置としては、ステッピングモータによる発射モータ94やロータリソレノイドの軸に直接打球ハンマを固定して遊技球を打出す方式のものがある。そのように構成されている場合には、打球発射装置5の回動角度(位置)を可変抵抗器により検出し、検出結果に応じて駆動源としてのステッピングモータおよびロータリソレノイドの動作速度を上げることにより遊技球を打出す力(発射強度)が調整される。
前述のそれぞれの構成において、打球発射装置の発射強度を調整する操作が可能な発射強度操作手段は、回動可能な打球発射装置5に相当する。なお、打球発射装置による遊技球の発射を停止させる操作が可能な発射停止操作手段は、発射停止スイッチに相当する。
さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、パチンコ遊技機1の裏面側上部に設けられたターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路159も主基板31に搭載されている。
また、CPU56は、所定の試験信号を作成して外部に出力する。ここで、試験信号とは、パチンコ遊技機1の制御状態を遊技機外部に設けた試験装置で確認できるようにするための試験信号をいい、保安電子通信技術協会のような第三者機関による形式試験を行なうときに出力される。パチンコ遊技機1については、第三者機関による形式試験を受けることが義務付けられており、その試験の結果、所定の規格に適合する機種のみが製品として出荷することが許される。その試験内容は、たとえば、1分間に発射できる遊技球数、1回の入賞で払出される賞球数、電動役物の性能、変動表示装置の性能等、多岐にわたる。このように、パチンコ遊技機1については、量産を行なう前の段階で、試験が行なわれる。
CPU56において作成される試験信号には、入賞検出信号、大当り情報、確率変動情報、変動表示装置(第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、演出表示装置9)の作動状態を示す情報、普通電動役物14の作動状態を示す情報、普通図柄表示器10の作動状態を示す情報、発射玉の有無を示す情報、および、右打ち,左打ちのような打込むべき領域を示す情報等の複数種類の信号が含まれている。
主基板31においては、CPU56で作成された試験信号を外部に出力するための試験信号コネクタ310を搭載するための電気部品であるコネクタ搭載部311が設けられている。試験信号コネクタ310は、外部装置としての試験装置からのプローブを接続可能な信号ピンや試験装置からのケーブルを接続可能なコネクタで構成される。このような試験信号コネクタ310は、たとえば、試験用片側68ピンの2列コネクタ等のケーブルの接続態様に汎用性を持たせることが可能な構造のコネクタにより構成される。このような試験信号コネクタ310は、信号出力端子の各ピンに対応して、出力する試験信号が予め定められている。このため、遊技機の試験を行なう際には、前述のような複数種類の試験用信号を一括して外部出力させることができる。これにより、打玉の発射に関する適合性試験、および、賞球の払出しに関する適合性試験、可変入賞球装置15に関する適合性試験等からなる形式試験を容易に行なうことができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560からコネクタ搭載部311には、試験信号を伝送するための配線パターンが形成されている。試験信号コネクタ310は、前述のような試験に使用するパチンコ遊技機1においてのみ、コネクタ搭載部311に搭載され、試験信号を伝送するための配線パターンと電気的に接続される。これに対し、量産するパチンコ遊技機1においては、試験信号コネクタ310がコネクタ搭載部311に搭載されない。これにより、試験信号コネクタ310がコネクタ搭載部311に搭載された試験用のパチンコ遊技機1においてのみ、試験信号が試験信号コネクタ310を介してパチンコ遊技機1の外部に設けられた試験装置に出力されることとなる。
また、パチンコ遊技機1が遊技場に設置されたときにおいても、遊技場に設けられた複数台のパチンコ遊技機1等の各種遊技機を管理する機能を有するホール管理コンピュータに、前述のような試験信号に該当する信号を、情報出力回路159からターミナル基板160を介して、前述のホール管理コンピュータに出力するようにしてもよい。このようにすれば、ホール管理コンピュータにおいて、パチンコ遊技機1の試験信号に該当する信号に基づいて、遊技機の制御機能の動作状態を管理することができる。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9との表示制御を行なう。また、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータには、操作ボタン130の操作を検出するための操作検出スイッチ131の操作検出信号が入力される。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤6に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cの表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう。
また、遊技制御基板31には、図5を用いて後述するように、電源電圧を監視する電源監視手段が設けられている。
図4は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)を予め格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図4には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号ごとに設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図3に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
さらに、演出制御用CPU101は、操作検出スイッチ131から入力ドライバ106および入力ポート107を介して、操作検出信号の入力を受ける。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c等の枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
図5は、電源監視および電源バックアップのためのCPU56周りの一構成例を示すブロック図である。図5に示すように、第1の電源監視回路(電源監視手段、または、第1の電源監視手段)からの電圧低下信号が、CPU56のマスク不能割込端子(NMI端子)に接続されている。第1の電源監視回路は、遊技機が使用する各種直流電流のうちいずれかの電源の電圧を監視して電源電圧低下を検出する回路である。この実施の形態では、第1の電源監視回路は、VSLの電源電圧を監視して、その電圧値が所定値以下になるとローレベルの電圧低下信号を発生する。電源電圧VSLは、遊技機で使用される直流電圧のうちで最大のものであってこの例では、+30Vである。したがって、CPU56は、割込処理によって電源断、または、電源低下の発生を確認することができる。なお、この実施の形態では、第1の電源監視回路は、後述する電源基板に搭載されている。
図5には、システムリセット回路65も示されているが、この実施の形態では、システムリセット回路65は、第2の電源監視回路(第2の電源監視手段)も兼ねている。すなわち、リセットIC651は、電源投入時に、外付けのコンデンサと容量で決まる所定時間だけ出力をローレベルとし、所定時間が経過すると出力をハイレベルにする。すなわち、リセット信号をハイレベルに立上げてCPU56を動作可能状態にする。また、リセットIC651は、第1の電源監視回路が監視する電源電圧と等しい電源電圧である電源電圧VSLを監視して、電圧値が所定値(第1の電源監視回路が電圧低下信号を出力する電源電圧値よりも低い値)以下になるとローレベルの電圧低下信号を発生する。したがって、CPU56は、第1の電源監視回路からの電圧低下信号に応じて所定の電力供給停止時処理を行なった後、システムリセットされる。なお、この実施の形態では、リセット信号と第2の電源監視回路からの電圧低下信号とは同一の信号である。
図5に示すように、リセットIC651からのリセット信号は、NAND回路947(論理積回路)に入力されるとともに、反転回路(NOT回路)944を介してカウンタIC941のクリア端子に入力される。カウンタIC941は、クリア端子への入力がローレベルになると、発振器943からのクロック信号をカウントする。そして、カウンタIC941のQ5出力がNOT回路945,946を介してNAND回路947に入力される。また、カウンタIC941のQ6出力は、フリップフロップ(FF)942のクロック端子に入力される。フリップフロップ942のD入力はハイレベルに固定され、Q出力は論理和回路(OR回路)949に入力される。OR回路949の他方の入力には、NAND回路947の出力がNOT回路948を介して導入される。そして、OR回路949の出力がCPU56のリセット端子に接続されている。このような構成によれば、電源投入時に、CPU56のリセット端子に2回のリセット信号(ローレベル信号)が与えられるので、CPU56は、確実に動作を開始する。
そして、たとえば、第1の電源監視回路の検出電圧(電圧低下信号を出力することになる電圧)を+22Vとし、第2の電源監視回路の検出電圧を+9Vとする。そのように構成した場合には、第1の電源監視回路と第2の電源監視回路とは、同一の電源の電圧VSLを監視するので、第1の電源監視回路が電圧低下信号を出力するタイミングと第2の電圧監視回路が電圧低下信号を出力するタイミングとの差を所望の所定時間に確実に設定することができる。所望の所定時間とは、第1の電源監視回路から発せられた電圧低下信号に応じて電力供給停止時処理を開始してから電力供給停止時処理が確実に完了するまでの期間である。
この例では、第1の電源監視手段が検出信号を出力することになる第1検出条件は+30V電源電圧が+22Vにまで低下したことであり、第2の電源監視手段が検出信号を出力することになる第2検出条件は+30V電源電圧が+9Vにまで低下したことにである。ただし、ここで用いられている電圧値は一例であって、他の値を用いてもよい。
ただし、監視範囲が狭まるが、第1の電圧監視回路および第2の電圧監視回路の監視電圧として+5V電源電圧を用いることも可能である。その場合にも、第1の電圧監視回路の検出電圧は、第2の電圧監視回路の検出電圧よりも高く設定される。
CPU56等の駆動電源である+5V電源から電力が供給されていない間、RAMの少なくとも一部は、電源基板から供給されるバックアップ電源によってバックアップされ、遊技機に対する電源が遮断しても内容は保存される。そして、+5V電源が復旧すると、システムリセット回路65からリセット信号が発せられるので、CPU56は、通常の動作状態に復帰する。そのとき、必要なバックアップ記憶情報が保存されているため、停電等からの復旧時に停電が発生した時点の遊技状態に復帰することができる。
なお、図5では、電源投入時にCPU56のリセット端子に2回のリセット信号(ローレベル信号)が与えられる構成が示されたが、リセット信号の立上がりタイミングが1回しかなくても確実にリセット解除されるCPUを使用する場合には、符号941〜949で示された回路素子は不要である。その場合、リセットIC651の出力がそのままCPU56のリセット端子に接続される。
図6は、遊技機の電源基板910の一構成例を示すブロック図である。電源基板910は、主基板31、表示制御基板80、音声出力基板70、ランプドライバ基板35および払出制御基板37等の電気部品基板と独立して設置され、遊技機内の各電気部品基板および機構部品が使用する電圧を生成する。この例では、AC24V、DC+30V(VSL)、DC+21V、DC+12V(VDD)およびDC+5V(Vcc)を生成する。また、バックアップ電源となるコンデンサ916は、DC+5V(VBB)すなわち各基板上のIC等を駆動する電源のラインから充電される。
トランス911は、交流電源からの交流電圧を24Vに変換する。AC24V電圧は、コネクタ915に出力される。また、整流回路912は、AC24Vから+30Vの直流電圧を生成し、DC−DCコンバータ913およびコネクタ915に出力する。DC−DCコンバータ913は、+21V、+12Vおよび+5Vを生成してコネクタ915に出力する。コネクタ915はたとえば中継基板に接続されて中継基板から各電気部品基板および機構部品に必要な電圧の電力が供給される。なお、トランス911の入力側には、遊技機に対する電源供給を停止したり開始したりするための電源スイッチが設置されている。
DC−DCコンバータ913からの+5Vラインは分岐してバックアップ+5Vラインを形成する。バックアップ+5Vラインとグランドレベルとの間には大容量のコンデンサ916が接続されている。コンデンサ916は、遊技機に対する電力供給が遮断されたときの電気部品基板のバックアップRAM(電源バックアップされているRAMすなわち記憶内容保持状態となり得る記憶手段)に対して記憶状態を保持できるように電力を供給するバックアップ電源となる。また、+5Vラインとバックアップ+5Vラインとの間に、逆流防止用のダイオード917が挿入される。
なお、バックアップ電源として、+5V電源から充電可能な電池を用いてもよい。電池を用いる場合には、+5V電源から電力供給されない状態が所定時間継続すると容量がなくなるような充電池が用いられる。
また、電源基板910には、上述した第1の電源監視回路を構成する電源監視用IC902が搭載されている。電源監視用IC902は、電源電圧VSLを導入し、電源電圧VSLを監視することによって電源断の発生を検出する。具体的には、電源電圧VSLが所定値(この例では+22V)以下になると、電源断または電圧低下が生ずるとして電圧低下信号を出力する。なお、監視対象の電源電圧は、各電気部品基板に搭載されている回路素子の電源電圧(この例では+5V)よりも高い電圧であることが好ましい。この例では、交流から直流に変換された直後の電圧VSL(+30V)が用いられている。電源監視用IC902からの電圧低下信号は、主基板31や払出制御基板37等の各種制御基板に供給される。
電源監視用IC902が電源断または電圧低下を検知するための所定値は、通常時の電圧より低いが、各電気部品制御基板上のCPUがしばらくの間動作し得る程度の電圧である。また、電源監視用IC902が、CPU等の回路素子を駆動するための電圧(この例では+5V)よりも高く、また、交流から直流に変換された直後の電圧を監視するように構成されているので、CPUが必要とする電圧に対して監視範囲を広げることができる。したがってより精密な監視を行なうことができる。さらに、監視電圧としてVSL(+30V)を用いる場合には、遊技機の各種スイッチに供給される電圧が+12Vであることから、電源断時のスイッチオン誤検出の防止も期待できる。すなわち、+30V電源の電圧を監視すると、+30V作成の以降に作られる+12Vが落ち始める以前の段階でそれの低下を検出できる。よって、+12V電源の電圧が低下するとスイッチ出力がオン状態を呈するようになるが、+12Vより速く低下する+30V電源電圧を監視して電源断を認識すれば、スイッチ出力がオン状態を呈する前に電源復旧待ちの状態に入ってスイッチ出力を検出しない状態となることができる。
また、電源監視用IC902は、電気部品部品基板とは別個の電源基板910に搭載されているので、第1の電源監視回路から複数の電気部品制御基板に電圧低下信号を供給することができる。電圧低下信号を必要とする電気部品制御基板がいくつあっても、第1の電源監視手段は1つ設けられればよいので、各電気部品基板における各種制御基板等の各電気部品制御手段が後述する復帰制御を行なっても、遊技機のコストはさほど向上しない。
なお、図6に示された構成では、電源監視用IC902の検出出力(電圧低下信号)は、バッファ回路918,919を介してそれぞれ電気部品基板(たとえば主基板31と払出制御基板37)に伝達されるが、たとえば、1つの検出出力を中継基板に伝達し、中継基板から各電気部品基板に同じ信号を分配する構成でもよい。また、電圧低下信号を必要とする基板数に応じたバッファ回路を設けてもよい。
なお、バックアップ電源として、+5V電源から充電可能な電池を用いてもよい。電池を用いる場合には、+5V電源から電力供給されない状態が所定時間継続すると容量がなくなるような充電池が用いられる。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。図7は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単にSという)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化等)を行なった後(S4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(S10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。電力供給停止時処理は、後述するS20の電源断検出処理において実行される。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行なわれたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行なう(S8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行なう。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S45の処理)を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ等)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分等である。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(S43)。
次に、電力供給停止前の遊技状態を示すバックアップデータとして、権利発生フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されているか否かを判定する(S44)。権利発生フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されているときには、電力供給停止前に権利発生状態であったことを報知する権利発生報知が実行され(S45)、S46に進む。権利発生報知は、たとえば第1特別図柄表示器8aで特定の番号を点滅表示する等、特定の報知態様で実行される。これにより、電力供給停止前に権利発生状態であったときには、パチンコ遊技機1の起動時において権利発生報知が行なわれるので、当該報知に基づいて、電力供給停止前に権利発生状態であったことを知ることができる。これにより、電源投入時に遊技状態が復旧されたときに、大入賞口の開放制御状態への移行に関連する制御状態に関して、その復旧された制御状態を正確に把握できるようにすることができる。
特に、後述するように、遊技において権利発生状態となったことの報知は、演出制御用マイクロコンピュータ100の制御に基づいて実行されるものであり、そのような権利発生状態となったことを報知するための制御データは、基本的に、演出制御用マイクロコンピュータ100においてバックアップ記憶されない。そして、遊技において権利発生状態となったことの報知が行なわれていることを示す制御データを遊技制御用マイクロコンピュータ560の側でバックアップ記憶することは、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を増大させるため、行なうことが困難である。したがって、本実施の形態のように、権利発生フラグがセットされた状態であることを示すデータがバックアップ記憶されているときに、権利発生報知が実行されるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担をあまり増大させることなく、大入賞口の開放制御状態への移行に関連する制御状態を正確に把握することができる。
なお、権利発生報知は、演出表示装置9で特定のメッセージを表示すること、スピーカ27L,27Rから特定の音声を出力すること、または、LED等の各種発光手段を特定の発光用で発光させることにより行なわれてもよい。一方、権利発生フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されていないときには、S44からS46に進む。なお、S44で権利発生フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されているときには、電力供給停止前に権利発生状態であったことを得する信号を、情報出力回路159からターミナル基板160を介して、前述のホール管理コンピュータに出力するようにしてもよい。このようにすれば、ホール管理コンピュータにおいて、遊技場に設置された各パチンコ遊技機について、電力供給停止前に権利発生状態であったか否かを管理することができる。
また、後述するように(第3実施形態参照)、権利発生状態において、「右打ち」を報知するというような、打込むべき領域を特定する打込領域報知を行なうときには、権利発生報知として、権利発生状態において行われる打込領域報知と同様の打込領域報知を実行するようにしてもよい。
また、電力供給停止前に権利発生状態であったときに、起動時において権利発生報知を行なう構成としたことにより、次のような課題も解決することができる。その課題は、従来では、電力供給停止前に権利発生状態であったときに、起動時において権利発生報知が行なわれなかったので、遊技場の閉店後、権利発生状態中において電源断状態にしておけば、翌日の遊技場の開店時に電源投入すると、外部から見た動作状態は、権利発生状態であると認識できない状態であるにも関わらず、内部制御状態は、特定ゲート33に遊技球が進入するだけで大入賞口の開放制御状態に移行するというように、簡単な操作により大量の賞球を得ることができる不正なサービスとしての所謂モーニングサービス状態を設定することが可能となっていた。
これに対し、電力供給停止前に権利発生状態であったときに、起動時において権利発生報知を行なう構成としたことにより、前述のような不正なサービスをしても、権利発生報知がなされることで、不正なサービスであることが容易に認識できるようにすることができる。
S46では、電力供給停止前の遊技状態を示すバックアップデータとして、確変フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されているか否かを判定する(S46)。確変フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されているときには、電力供給停止前に確変状態(高確高ベース状態)であったことを報知する高確率報知が実行され(S47)、S14に進む。具体的に、S47の高確率報知としては、確変報知LED53を点灯させる制御が行なわれる。確変報知LED53は、電源投入時において確変状態であるときに点灯される制御が行なわれ、電源投入時以外の状態では消灯される。これにより、電力供給停止前に確変状態(高確高ベース状態)であったときには、パチンコ遊技機1の起動時において高確率報知が行なわれるので、当該報知に基づいて、電力供給停止前に確変状態(高確高ベース状態)であったことを知ることができる。したがって、電源投入時に遊技状態が復旧されたときに、その復旧された制御状態をより一層正確に把握できるようにすることができる。なお、高確率報知は、たとえば第2特別図柄表示器8bで所定の番号を点滅表示する等、高確率報知専用の報知手段ではなく兼用の報知手段を用いる等、その他の報知態様で実行されるようにしてもよい。
なお、高確率報知は、演出表示装置9で所定のメッセージを表示すること、スピーカ27L,27Rから所定の音声を出力すること、または、LED等の各種発光手段を所定の発光態様で発光させることにより行なわれてもよい。一方、確変フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されていないときには、S46からS14に進む。なお、S46で確変フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されているときには、電力供給停止前に確変状態であったことを得する信号を、情報出力回路159からターミナル基板160を介して、前述のホール管理コンピュータに出力するようにしてもよい。このようにすれば、ホール管理コンピュータにおいて、遊技場に設置された各パチンコ遊技機について、電力供給停止前に確変状態であったか否かを管理することができる。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値または予め決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、たとえば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ等制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(S13)。たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行なう。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。CPU56は、たとえば、乱数回路設定プログラムにしたがって処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行なう。
そして、S15において、CPU56は、所定時間(たとえば2ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において変動表示される演出図柄(飾り図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図7に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。図7は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。
タイマ割込処理においては、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、たとえば電源基板910に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータを前述のようなバックアップデータとしてバックアップRAM領域に保存する電力供給停止時処理を実行する。バックアップRAM領域に保存するバックアップデータとしては、前述した権利発生フラグおよび確変フラグに関するデータが含まれている。さらに、電力供給停止時処理においては、バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かを示すバックアップフラグが、所定のアドレス領域に記憶(設定)される。さらに、バックアップデータのデータチェックを行なうためのデータ(チェックサムのデータ)が、バックアップデータに応じて作成されて特定のアドレス領域に記憶される。次いで、入力ドライバ回路58を介して、普図ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、前述のような試験信号コネクタ310をコネクタ搭載部311に搭載した試験用のパチンコ遊技機1については、前述の試験信号に加えて、前述の大当り情報、始動情報、確率変動情報等のホール管理コンピュータに供給されるデータに該当する信号を試験信号として出力するようにしてもよい。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および、入賞口スイッチ29,30のいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドとしての賞球個数コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。CPU56は、たとえば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過するごとに、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。CPU56は、たとえば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過するごとに、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2msごとに起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の変動表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果を、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに、演出図柄が揃って停止表示される。
ここから
図9は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。
(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。
(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。
(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。
(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。
(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、前述したように、特定遊技状態である大当りとして、通常大当りおよび確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターンを決定するときには、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定する。そして、決定した変動パターン種別に属する変動パターンから、1つの変動パターンを変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて決定する。
この実施の形態では、通常大当り、および、確変大当りである場合には、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別であるノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別とに種別分けされている。このような変動パターン種別は、予め定められた割合で選択される。
また、はずれである場合には、リーチを伴わない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別であるノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なる(時短状態では、時短状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高く設定されている)ように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。また、このような変動パターン種別は、第1特別図柄と第2特別図柄との合算記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されていることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される場合がある。このように変動表示時間を短縮する制御は、保留数短縮制御と呼ばれる。
図6に示されたタイマ割込処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、および、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算更新)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる例を示すが、大当り判定用乱数としては、ランダム1〜5のようなソフトウェアにより生成される乱数を用いてもよい。
図10は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図10(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図10(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図10(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(第1大当り判定値ともいう)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
この実施の形態の場合、通常時大当り判定テーブルでは、ランダムRの総数に対する大当り判定値の割合が1/100である。これにより、通常時(非確変時)において大当りに決定する判定がされる割合は1/100である。また、この実施の形態の場合、確変時大当り判定テーブルでは、ランダムRの総数に対する大当り判定値の割合が1/10である。これにより、確変時において大当りに決定する判定がされる割合は1/10である。
以下の説明において、通常時大当り判定テーブルおよび確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値のうち、通常時大当り判定テーブルに設定された通常時(非確変時)用の大当り判定値は、確変時大当り判定テーブルにおいても共通の大当り判定値として用いられるものであり、通常時大当り判定値(第1大当り判定値ともいう)という。また、確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値のうち、通常時大当り判定値以外の確変時固有の大当り判定値(第2大当り判定値ともいう)は、確変時において前述の通常時大当り判定値に加えて固有の大当り判定値として用いられるものであり、確変時大当り判定値という。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図10(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当り、または、通常大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図10(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致しないときは、はずれにすることに決定する。なお、図10(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図10(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。このうち、図10(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。
また、図10(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図10(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブル、および、図10(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照されるテーブルである。
図10(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「確変大当り」と「通常大当り」とのそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
図8(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「確変大当り」と「通常大当り」とのそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。この実施の形態では、第1特別図柄大当り種別判定テーブルと、第2特別図柄大当り種別判定テーブルとで、「確変大当り」に対応した判定値の数が同じとなるように設定され、「通常大当り」に対応した判定値の数も同じとなるように設定されている。したがって、第1特別図柄と第2特別図柄とで、確変大当りに決定される割合が同じとなり、通常大当りに決定される割合が同じとなるように設定されている。なお、第2特別図柄大当り種別判定テーブルにおいては、第1特別図柄大当り種別判定テーブルと比べて、「確変大当り」に対応した判定値が多くなるように設定する等、第1特別図柄大当り種別判定テーブルと、第2特別図柄大当り種別判定テーブルとで、「確変大当り」に対応した判定値の数が異なるように設定されてもよく、「通常大当り」に対応した判定値の数が異なるように設定されてもよい。また、ラウンド数が異なる複数種類の大当りの中から大当りの種類を選択可能とする場合には、第1特別図柄大当り種別判定テーブルと、第2特別図柄大当り種別判定テーブルとで、「確変大当り」となる割合が同じとなるように設定されるときでも、ラウンド数が多い大当り種別(ラウンド数が遊技者にとって有利な大当り種別)を選択する割合が異なるようにデータを設定してもよい。
また、図10(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。「通常大当り」に対応した判定値は、大当り図柄の第1特別図柄および第2特別図柄の「5」に対応した判定値としても設定されている。
このように、図10(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブル、および、図10(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれにおいては、1つの大当り図柄に複数の判定値が対応付けられている場合がある。しかし、これに限らず、すべての大当り図柄について、1つの大当り図柄に1つの判定値が対応付けられるようにしてもよい。たとえば、大当り図柄が「00」〜「99」までの100図柄ある場合に、たとえば、大当り図柄「00」に対して大当り種別判定値「00」が対応し、大当り図柄「99」に対して大当り種別判定値「99」が対応するというように、「00」〜「99」という100個の大当り種別判定値が、「00」〜「99」という100図柄の大当り図柄に1対1で対応するようにしてもよい。
このような大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図11は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図10に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および、大当り種別を示す演出制御コマンドである。コマンド8C01(H)は、はずれに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C02(H)は、確変大当りに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C03(H)は、通常大当りに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001,A002(H)は、大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、確変大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される確変大当り開始指定コマンド(コマンドA001)と、通常大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される通常開始指定コマンド(コマンドA002)とが含まれる。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、確変大当りの大当り遊技状態の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、通常大当りの大当り遊技状態の終了を指定する演出制御コマンド(通常大当り終了指定コマンド)である。大当り終了指定コマンドおよび通常大当り終了指定コマンドとは、当り終了指定コマンドとも呼ばれる。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確低ベース状態)であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。
このような演出制御コマンドにより、遊技状態が、通常状態、時短状態、および、確変状態のうちのどの状態またはどの状態の組合せになっているかを演出制御用マイクロコンピュータ100に知らせることができる。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、遊技状態が、通常状態、時短状態、および、確変状態のうちのどの状態またはどの状態の組合せになっているかを認識することができるので、通常状態、時短状態、および、確変状態のそれぞれの状態に応じた画像表示等の各種演出を行なうことが可能となる。
コマンドC001(H)は、第1始動入賞口13について第1特別図柄の変動表示が行なわれる始動入賞、すなわち、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC002(H)は、第2始動入賞口14について第2特別図柄の変動表示が行なわれる始動入賞、すなわち、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。コマンドC003(H)は、保留記憶数を減算させることを指定する演出制御コマンド(保留記憶減算指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図11に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の変動表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取込み処理を開始する。
図11に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示(変動)と、第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に伴って演出を行なう演出表示装置9等の演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
パチンコ遊技機1においては、後述する第3実施形態に示す(図41(A)参照)ように、大当り表示結果(たとえば、「777」)が変動表示結果として表示された後、権利発生状態となり、「右打ち!!」というような、打込むべき領域を特定する打込領域報知を行なう打込領域報知制御が実行されるようにしてもよい。このような打込領域報知制御が実行されることにより、遊技者が、無駄な遊技球の消費を抑制することができ、かつ、遊技を有利に進行させることが容易になるようにすることができる。このような打込領域報知は、権利発生状態となったときに行なわれる報知であるため、大当り遊技状態の発生を示唆する報知でもある。
このような打込領域報知制御は、具体的に、次のように実現される。後述する図38に示す演出制御プロセス処理のS803において、演出表示装置9で大当り表示結果を停止表示させた後、確変大当りまたは通常大当りの開始指定コマンドを受信するまでの間、「右打ち!!」という打込領域報知用の画像を表示させる制御を行なう。なお、打込領域報知制御は、図16の特別図柄停止処理において、S134により権利発生フラグがセットされて権利発生状態となったときに打込領域報知の開始を指定するコマンドを送信し、S135により特定ゲートスイッチがオン状態であることが判定されたときに打込領域報知の終了を指定するコマンドを送信することに基づいて、実行させるようにしてもよい。その場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100が、打込領域報知の開始を指定するコマンドを送信したときに、打込領域報知用の画像の表示を開始させ、打込領域報知の終了を指定するコマンドを送信したときに、打込領域報知用の画像の表示を終了させるようにすればよい。
次に、ROM54に記憶されている開放パターンデータテーブルについて説明する。開放パターンデータテーブルにおいては、各種別の大当りのそれぞれについて、開放回数(ラウンド上限数)、開放時間(各ラウンド中の開放時間)、および、インターバル時間(各ラウンド間時間)を含む特別可変入賞球装置20の開放パターンを示すテータが設定されている。
たとえば、確変大当りは、開放回数が15回、開放時間が29秒、インターバル時間が5秒というデータが開放パターンデータテーブルに設定されている。同様に、通常大当りは、確変大当りと同様に、開放回数が15回、開放時間が29秒、インターバル時間が5秒というデータが開放パターンデータテーブルに設定されている。
図12は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。
上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンして第1始動入賞口13への始動入賞(第1始動入賞)が発生していたとき、または、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンして第2始動入賞口14への始動入賞(第2始動入賞)が発生していたときには(S311)、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、始動口スイッチ通過処理を実行せずに、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、大当りフラグがセットされている場合には、権利発生状態となるように制御し、当該権利発生状態において特定ゲート33への遊技球の進入が検出されたときに開放制御状態に移行させるために、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄および飾り図柄が停止されるように制御する。また、大当り遊技状態となったときの状態が確変状態であり、確変フラグがセットされていたときには、確変フラグがリセットされる(当該大当りが確変となる大当りであるか否かに関わらずリセットされる)。また、大当り遊技状態となる場合において時短フラグがセットされていたとき、または、変動表示回数により時短状態の終了条件が成立したときには、時短フラグがリセットされる。ここで、確変フラグは、確変状態であるときにセットされ、非確変状態であるときにリセットされるフラグである。また、時短フラグは、時短状態であるときにセットされ、非時短状態であるときにリセットされるフラグである。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大当りの種別に応じて、前述のような開放パターンにしたがって、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンドごとに実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技状態を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグ(たとえば、確変フラグ、時短フラグ等)をセットする処理を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図13は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。図14は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、オンしたのが第1始動口スイッチ13aであるか否かを確認する(S211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S213)。また、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S214)。合算保留記憶数カウンタは、初期値が「0」であり、有効な第1始動入賞または第2始動入賞が発生したときに、「1」加算更新され、変動表示が開始されるときに、「1」減算更新される。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S215)。保留記憶特定情報記憶領域については、図14を用いて説明する。
保留記憶特定情報記憶領域においては、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
ここで、図13を参照して、図14(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図14(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図14(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図14(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保され、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
図14(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図14(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
次に、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S216)。具体的に、S216の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が保存(格納)される。以下の保留記憶に関する説明に関しては、このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S217)。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S29)において演出制御コマンドを送信する。
S211で第1始動口スイッチがオン状態でないと判定された場合、S212で第1保留記憶数が上限値に達していると判定された場合、または、S219が実行された後に、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(S221)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)をする(S222)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。なお、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、再度第1始動口スイッチ13aがオンしているか否かを確認する(S211参照)処理を行なうようにしてもよい。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S223)。また、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S224)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S225)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S226)。
次いで、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S227)。
なお、S213〜216の処理とS223〜226の処理とを、1つの共通ルーチンで実現してもよい。その場合、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態になったことを検出した場合に「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態になったことを検出した場合に「第2」を示すデータをセットし、共通ルーチンで、セットされているデータに応じて、保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)を選択したり始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)を選択する。
図15は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図14(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS52)。「第1」を示すデータであれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。「第1」を示すデータでなければ、すなわち「第2」を示すデータであれば、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。
この実施の形態では、S52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動表示とのうち、先に保留記憶されたデータに基づく変動表示から順番に実行される。このように、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示および第2特別図柄の変動表示は、保留記憶情報が入賞した順番にしたがって処理されることにより、入賞した順番にしたがって変動表示が実行されることとなる。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値を変動パターン決定用の合算保留記憶数データとしてRAM55の所定の領域に保存した後(S57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S58)。このようにS57で、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値を保存することにより、変動パターンの決定時に用いられる合算保留記憶数のデータは、特別図柄通常処理の実行に伴ってS58でカウントが1減算される前の合算保留記憶数、すなわち、変動表示の実行条件が成立したときの合算保留記憶数が用いられることとなる。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行することにより、大当り判定を行なう(S60)。ここでの大当り判定は、特別図柄の変動表示結果を大当り表示結果とするか否かを判定することであり、別の言い方をすれば、大当り遊技状態としての開放制御状態に制御可能とするか否かを判定するものであり、さらに、別の言い方をすれば、大当り遊技状態としての開放制御状態に制御可能とする権利発生状態に制御するか否かを判定することであり、S60で実行される大当り判定モジュールは、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS216またはS226で抽出し第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに予め格納したランダムRと、予め決められている大当り判定値(図9参照)とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定モジュールは、大当りを判定する処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りと判定される確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図10(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図10(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が非確変状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図10(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。S60で大当りとすることに決定した場合には、S71に移行する。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは通常大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S60のN)、後述するS75に進む。すなわち、はずれである場合には、そのままS75に移行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(S72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図10(B)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図10(C)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「確変大当り」、または、「通常大当り」)を大当りの種別に決定する(S73)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS216またはS226で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに格納した大当り種別判定用乱数(ランダム1)を読出し、選択した大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別の決定を行なう。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別を示すデータとして「01」が設定される。大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別を示すデータとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「5」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別を「通常大当り」に決定した場合には「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
なお、前述したような大当り判定を行なう処理は、変動表示の実行開始前に行なう場合に限らず、少なくとも、特別図柄の変動表示の表示結果が導出されるまでのタイミングであればよい。また、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行されるように制御してもよい。このような優先制御を行なうときには、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、ラウンド数の多い大当り種別の選択割合が高く設定されている場合に、遊技者にとって有利な大当りとなる割合が高い変動表示を行なう保留記憶データを効率的に消化することができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。そして、右打ち状態のまま大当りを効率的に消化できるので、大当りを消化する速度を早くすることができる。
図16は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。
特別図柄停止処理において、CPU56は、停止フラグがセットされているか否かを判断する(S130)。停止フラグとは、権利発生状態となる変動表示が停止して表示結果が導出表示されたときにセットされるフラグをいう。
停止フラグがセットされているときには、後述するS135に進む。一方、停止フラグがセットされていないときは、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう(S132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には(S133N)、S143に移行する。
大当りフラグがセットされている場合には(S133Y)、CPU56は、停止フラグおよび権利発生フラグをセットし(S134)、S135に進む。権利発生フラグとは、大当り遊技状態としての大入賞口の開放制御状態に制御するための権利が発生していることを示すフラグである。この大当り遊技状態に制御するための権利は、大当り判定により大当りとすることが決定され、かつ、当該決定に基づく変動表示が終了したときに発生する。なお、大入賞口の開放制御状態に制御するための権利は、大当り判定により大当りとすることが決定されたときに発生するようにしてもよい。
S135に進んだときは、特定ゲートスイッチ33aがオン状態となったか否かを判断する。特定ゲートスイッチ33aがオン状態となっていないときには、大当り遊技状態に制御する条件が満たされていないので、処理を終了する。一方、特定ゲートスイッチ33aがオン状態となっているときには、大入賞口の開放制御状態に制御する条件が満たされているので、S136〜S142の処理を実行する。
S136では、停止フラグおよび権利発生フラグのそれぞれをリセットする。そして、確変フラグおよび時短フラグのそれぞれをリセットし(S137)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドまたは通常大当り開始指定コマンドを送信する制御を行なう(S138)。具体的には、大当りの種別が確変大当りである場合には確変大当り開始指定コマンドを送信する。大当りの種別が通常大当りである場合には通常大当り開始指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が、確変大当り、または、通常大当りのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
また、CPU56は、大当り発生時には制御状態を一旦通常状態に戻すために、演出制御用マイクロコンピュータ100に通常状態指定コマンドを送信する制御を行なう(S135A)。
また、大入賞口制御タイマに開放開始前時間T(たとえば、2秒)に相当する値を設定する(S136)。開放開始前時間Tは、大当り遊技状態(開放制御状態)において特別可変入賞球装置20を開放状態にするまでの待ち時間として設定される時間である。以降、大入賞口開放前処理において、大入賞口制御タイマが1減算されて、0になると大入賞口が開放されてラウンドが開始される。つまり、開放開始前時間Tが経過すると、特別可変入賞球装置20が開放状態に制御される。このような開放開始前時間中においては、演出制御用マイクロコンピュータ100により、権利発生状態となったことを演出表示装置9において報知(権利発生状態表示)すること、および、装飾LED25等の所定の発光手段を予め定められた態様で発光させる等、所定の大当り報知が実行される。開放開始前時間Tは、大当り種別に関わらず、同じ時間が設定される。したがって、確変大当りと通常大当りとで同じ時間で開放開始前時間Tが設定される。このように、大当りの種類によらず、権利発生状態において特定ゲート33に遊技球が進入してから一定時間経過後に大入賞口の開放(開放制御状態)が開始されるので、大入賞口の開放開始契機が明確になるため、遊技内容に関する知識に差がある遊技者間での公平性を担保することができる。なお、たとえば突確大当りのような開放時間およびラウンド数等が異なるその他の種別の大当りを実行可能とするときにも、大当り種別に関わらず、同じ時間で開放開始前時間Tが設定される。
このように、大当りの種類によらず、権利発生状態において特定ゲート33に遊技球が進入してから一定時間経過後に大入賞口の開放制御が開始されるようにした理由は、次のとおりである。一般的なパチンコ遊技機においては、大当りの種別が複数設けられた場合に、大当り発生時の演出等の都合により演出実行時間が大当り種別ごとに異なるように設定されている場合があり、そのような場合には、変動表示の停止時から大入賞口の開放制御(大当り遊技制御)の開始時までの期間が大当り種別により変化するので統一できていなかった。このため、大入賞口の開放制御(大当り遊技制御)の開始契機が明確でないという問題があり、このような大入賞口の開放制御(大当り遊技制御)の開始契機を明確化するために、大当りの種類によらず、権利発生状態において特定ゲート33に遊技球が進入してから一定時間経過後に大入賞口の開放(開放制御状態)が開始されるようにしたのである。
また、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、前述したROM54に記憶されている開放パターンデータを参照し、開放回数(この実施の形態では、確変大当りおよび通常大当りのそれぞれが15回。)、開放時間(この実施の形態では、確変大当りおよび通常大当りのそれぞれが29秒。)、ラウンド間のインターバル時間(この実施の形態では、確変大当りおよび通常大当りのそれぞれが0.5秒。)等の開放態様を示すデータを所定の記憶領域にセットする(S141)。このようなデータのうち、開放回数のデータは、開放回数を計数するための開放回数カウンタにセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する(S142)。
なお、本実施の形態のように、確変大当りと、通常大当りとで、ラウンド数等の開放態様を同じとする場合には、S141においてセットする開放態様のデータとして固定値を用いればよいので、大当り遊技状態の開放態様を設定するための処理を簡素化することができる。
S143に進んだ場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否か確認する(S143)。確変フラグがセットされているときには、後述するS149に進み、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS151)。これにより、確変状態であるときには、はずれとなる変動表示が終了したときに、確変状態および時短状態が維持される。
一方、S143で確変フラグがセットされていないときには、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(S144)。時短フラグがセットされていない場合には、S149に進む。これにより、確変状態でなく、かつ、時短状態でもない低確低ベース状態において、はずれとなる変動表示が終了したときには、低確低ベース状態が維持される。一方、時短フラグがセットされている場合には、通常大当りの終了後の時短状態(低確高ベース状態)における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(S145)。なお、減算後の時短回数カウンタの値に基づいて時短回数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行ない、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、時短回数の残数を演出表示装置9で表示するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、時短回数カウンタの値が0になったか否かを確認する(S145)、時短回数カウンタの値が0になっていないときには、後述するS149に進む。これにより、通常大当りの終了後の時短状態において、はずれとなる変動表示が所定回数(100回)終了するまでは、低確高ベース状態による時短状態が維持される。一方、時短回数カウンタの値が0になったときには時短フラグをリセットする(S147)。そして、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して通常状態指定コマンドを送信する制御を行ない(S148)、S149に進む。これにより、通常大当りの終了後の時短状態において、はずれとなる変動表示が所定回数(100回)終了したときには、低確高ベース状態による時短状態が終了し、低確低ベース状態に移行する。
図17は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(S305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(S402)、大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ、処理を終了する。これにより、大当り遊技状態(開放制御状態)の開始時においては、大入賞口制御タイマの値が0になるまで、前述したように設定された開放開始前時間となるので、大当りが発生したことを報知する制御が行なわれる。また、大当り遊技状態中のラウンド間においては、大入賞口制御タイマの値が0になるまで、後述するS440により設定されたインターバル時間となるので、インターバル時間について予め定められた演出をする制御が行なわれる。
大入賞口制御タイマの値が0になっている場合には、CPU56は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S403)。CPU56は、ラウンド数を、大当り遊技中のラウンド数をカウントするための開放回数カウンタの値を確認することにより認識する。そして、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(特別可変入賞球装置20)を開放する制御を行なうとともに(S404)、開放回数カウンタの値を−1する(S405)。このように、大当り遊技状態(開放制御状態)の開始時においては、確変大当りと通常大当りとの大当り種別に関わらず、同じ開放開始前時間が経過したときに、大入賞口が開放される。そして、その後のラウンドにおいては、各ラウンド終了時に設定されたインターバル時間が経過したときに、大入賞口が開放される。
また、大入賞口制御タイマに、各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間に応じた値として、大当りの種別に応じた開放パターンデータに基づく、当該ラウンドの開放時間に相当する値を設定する(S406)。ラウンドの開放時間としては、S141によりセットされた開放時間のデータが設定される。たとえば、確変大当りおよび通常大当りのそれぞれの場合において、開放時間が29秒に設定される。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(S306)に応じた値に更新する(S407)。
図18は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(S306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S420)。
そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になったか否か確認する(S421)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは、カウントスイッチ23がオンしたか否か確認し(S432)、カウントスイッチ23がオンしていなければ、処理を終了する。カウントスイッチ23がオンした場合には、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントするための入賞個数カウンタの値を+1する(S433)。そして、CPU56は、入賞個数カウンタの値が所定数(たとえば10)になっているか否か確認する(S434)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ、処理を終了する。なお、S421とS432との判定順は逆でもよい。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているときには、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を閉鎖する制御を行なう(S435)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(S436)。
次いで、CPU56は、開放回数カウンタの値を確認する(S438)。開放回数カウンタの値が0でない場合には、CPU56は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S439)。そして、大入賞口制御タイマに、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでのインターバル時間に相当する値を設定する(S440)。具体的に、インターバル時間としては、S141によりセットされたインターバル時間のデータが設定される。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に応じた値に更新する(S441)。
また、開放回数カウンタの値が0である場合に、CPU56は、大当り種別に応じた大当り終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御を行なう(S442)。具体的に、S442では、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて、大当り種別を確認する。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマに大当り終了時間(大当り遊技が終了したことをたとえば、演出表示装置9において報知する演出を行なう時間)に相当する値を設定し(S443)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(S307)に応じた値に更新し(S444)、処理を終了する。
図19は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了時間が設定された大入賞口制御タイマの値を1減算する(S154)。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になっているか否(大当り終了時間が経過したか否か)確認する(S155)。大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば、大当りフラグをリセットする(S156)。
次に、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、現在の大当り遊技状態(開放制御状態)の大当りの大当り種別が、確変大当りであるか否かを判断する(S157)。
確変大当りであるときには、確変フラグをセットし(S158)、時短フラグをセットする(S159)。これにより、大当り遊技状態(開放制御状態)の終了後に、遊技状態が確変状態および時短状態に制御される。これにより、確変大当りの大当り遊技状態の終了後には、次に大当りが発生するまでの期間継続して確変状態および時短状態に制御されることとなる。本実施の形態では、時短フラグがセットされて時短状態に制御されたときに、普通図柄プロセス処理において電チューサポート状態であると判断され、高ベース状態に制御されることとなる。
次に、CPU56は、確変状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を行ない(S160)、時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を行なう(S161)。これにより、確変状態指定コマンドおよび時短状態指定コマンドがそれぞれ演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。次いで、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S162)、処理を終了する。
一方、S157で確変大当りではないと判断されたとき、すなわち、通常大当りであるときには、時短フラグをセットする(S163)。これにより、大当り遊技状態の終了後に、遊技状態が時短状態に移行する。そして、時短回数カウンタに「100」をセットする(S164)。これにより、通常大当りの大当り遊技状態の終了後には、次回の大当りが発生しなければ変動表示が100回実行されるまでの期間継続して時短状態に制御されることとなる。前述したように、本実施の形態では、時短フラグがセットされて時短状態に制御されたときに、普通図柄プロセス処理において電チューサポート状態であると判断され、高ベース状態に制御されることとなる。
次に、CPU56は、時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を行なう(S165)。これにより、時短状態指定コマンドがそれぞれ演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。次いで、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S162)、処理を終了する。
次に、権利発生状態中において遊技球が特定ゲート33を通過してから大入賞口が開放されるときの制御状態をタイミングチャートを用いて説明する。図20は、権利発生状態中において遊技球が特定ゲート33を通過してから大入賞口が開放されるときの制御状態をタイミングチャートである。
権利発生状態となったときに、遊技球が特定ゲート33を通過したことが特定ゲートスイッチ33aに検出されると、所定時間経過後に、大入賞口の開放が開始され、大入賞口の開放制御状態に制御される。権利発生状態中において、遊技球が特定ゲート33を通過したことが特定ゲートスイッチ33aに検出されると、図16の特別図柄停止処理において、S135でYESの判断がされて、大当りの種類に関わらず、S140により大入賞口制御タイマが、同じ開放開始前時間Tに設定される。そして、図17の大入賞口開放前処理においてS402により大入賞口制御タイマが0になって開放開始前時間Tが経過したと判断されたときに、S404により大入賞口が開放される。
これにより、図20に示されるように、権利発生状態となったときに、遊技球が特定ゲート33に進入したときには、大当りの種類に関わらず、同じ時間Tが経過した後に、大入賞口の開放が開始されることととなる。したがって、大当りの種類によらず、特定領域に遊技媒体が進入してから一定時間経過後に大入賞口の開放が開始されるので、大入賞口の開放開始契機が明確になるため、遊技内容に関する知識に差がある遊技者間での公平性を担保することができる。たとえば、大入賞口が開放する前の期間に実行される大当り開始時演出等の期間の長さに起因して、大当り種別により大入賞口の開放開始契機が異なる場合には、そのような演出内容を知る遊技者と知らない遊技者との間で、当該期間中に無駄な遊技球を発射するか否かで遊技者が保持する持球数の多少に差異が生じる。これに対し、大当り種別によらず、特定ゲート33に遊技球が進入してから一定時間経過後に大入賞口の開放が開始するように制御されれば、特に遊技内容に関する知識がなくても、無駄な遊技球の発射を抑制できると思われるので、遊技者間での公平性を担保することができるのである。
次に、賞球処理(S32)について説明する。図21は、S32の賞球処理の一例を示すフローチャートである。賞球処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、賞球コマンド出力カウンタ加算処理(S501)、賞球制御処理(S502)および賞球カウンタ減算処理(S503)を実行する。
賞球コマンド出力カウンタ加算処理では、図22に示す賞球個数テーブルが使用される。賞球個数テーブルは、ROM54に設定されている。賞球個数テーブルの先頭アドレスには処理数(この例では「5」)が設定され、その後に、スイッチオンバッファの下位アドレスと、賞球コマンド出力カウンタの下位アドレスと、スイッチ入力ビット指定値と、賞球数を指定する賞球個数データとが、順次設定されている。賞球コマンド出力カウンタとは、入賞口への入賞数をカウントするカウンタであり、たとえば、ROM54に設定される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球数(0〜15個)毎に、対応する賞球コマンド出力カウンタを備える。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球数「15」に対応する賞球コマンド出力カウンタ1と、賞球数「10」に対応する賞球コマンド出力カウンタ2,3(2つの普通入賞口29,30に対応)と、賞球数「3」に対応する賞球コマンド出力カウンタ4,5とを備える。なお、各賞球コマンド出力カウンタは、後述するように、賞球コマンド出力カウンタ加算処理でカウントアップされる。
CPU56は、賞球個数テーブルに設定されている賞球コマンド出力カウンタ1が0でなければ、賞球数(15個)を指定する賞球個数データに基づいて賞球個数(15個)を示すデータを賞球個数コマンドの下位4ビットに設定し、当該設定された賞球個数コマンドを払出制御用マイクロコンピュータに送信する。また、CPU56は、賞球個数テーブルに設定されている賞球コマンド出力カウンタ1の値が0であり、賞球コマンド出力カウンタ2,3の値が0でなければ、賞球数(10個)を指定する賞球個数データに基づいて賞球個数(10個)を示すデータを賞球個数コマンドの下位4ビットに設定し、当該設定された賞球個数コマンドを払出制御用マイクロコンピュータに送信する。また、CPU56は、賞球個数テーブルに設定されている賞球コマンド出力カウンタ1および賞球コマンド出力カウンタ2,3の値が0であり、賞球コマンド出力カウンタ4,5の値が0でなければ、賞球数(3個)を指定する賞球個数データに基づいて賞球個数(3個)を示すデータを賞球個数コマンドの下位4ビットに設定し、当該設定された賞球個数コマンドを払出制御用マイクロコンピュータに送信する。また、図22において、スイッチオンバッファ1は入力ポート0に対応しており、スイッチオンバッファ2は入力ポート2に対応している。
図23および図24は、S501の賞球コマンド出力カウンタ加算処理を示すフローチャートである。賞球コマンド出力カウンタ加算処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、賞球個数テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(S5101)。そして、ポインタが指すアドレスのデータ(この場合には処理数)をロードする(S5102)。
次いで、CPU56は、ポインタの値を1増やし(S5103)、ポインタが指すスイッチオンバッファの下位アドレスをポインタバッファの下位バイトにロードし(S5104)、ポインタバッファの指すスイッチオンバッファをレジスタにロードする(S5105)。次いで、CPU56は、ポインタの値を1増やし(S5106)、ポインタが指す賞球コマンド出力カウンタの下位アドレスをポインタバッファの下位バイトにロードする(S5107)。次いで、CPU56は、ポインタの値を1増やし(S5108)、レジスタにロードしたスイッチオンバッファの内容と、ポインタが指すスイッチ入賞ビット指定値との論理積をとる(S5109)。そして、CPU56は、ポインタの値を1増やす(S5110)。なお、S5110でポインタの値が1加算されたことによって、ポインタの値は、賞球個数テーブル中の賞球個数データが格納されているアドレスを示している状態となる。
次いで、CPU56は、S5109における演算結果が0であれば(S5111のY)、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態でなければ、処理数を1減らし(S5128)、処理数が0であれば処理を終了し、処理数が0でなければS5103に戻る(S5129)。
S5109における演算結果が0でなければ(S5111のN)、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態であれば、CPU56は、ポインタバッファの値とポインタの値とを交換する処理を行なう(S5112)。この場合、ポインタの値はS5110の処理が実行されることによって賞球個数テーブル中の賞球個数データが格納されているアドレスを示している状態となっており、ポインタバッファの値はS5107の処理が実行されることによって賞球コマンド出力カウンタの下位アドレスがロードされた状態となっていた筈であるから、S5112の交換処理が実行されることによって、ポインタバッファの値は賞球個数テーブル中の賞球個数データが格納されているアドレスを示している状態となり、ポインタの値は賞球コマンド出力カウンタの下位アドレスを示している状態となることになる。
次いで、CPU56は、ポインタが指す賞球コマンド出力カウンタの値を1加算する(S5113)。ただし、CPU56は、加算の結果、賞球コマンド出力カウンタの値に桁上げが発生した場合には、賞球コマンド出力カウンタの値を1減算し元に戻す(S5114,S5115)。そして、S5116の処理に移行する。なお、S5113〜S5115において、CPU56は、まず、賞球コマンド出力カウンタの値をレジスタにロードして、レジスタの値を1加算し、加算後のレジスタの値に桁上げが発生していないことを確認してから、加算後の値を賞球コマンド出力カウンタにストアするようにしてもよい。そのようにすれば、賞球コマンド出力カウンタの値を加算した後に再び減算する無駄を防止することができる。
次いで、CPU56は、いずれかの入賞口(第1始動入賞口13,第2始動14、大入賞口、普通入賞口29,30)への入賞を検出したことに基づく賞球予定数の累積値をカウントするための入賞カウンタの下位アドレスをポインタの下位バイトにロードする(S5116)。次いで、CPU56は、ポインタバッファの指す賞球個数データをロードする(S5117)。次いで、CPU56は、ポインタの指す入賞カウンタの値を読み出し、読み出した値をS5117でロードした賞球個数データで示される賞球個数に加算する(S5118)。S5118の演算が実行されることによって、新たに発生した入賞分の賞球個数を加算した賞球予定数の累積値が求められることになる。そして、CPU56は、ポインタの値を1減算する(S5119)。
なお、この実施の形態では、ROM54において、入賞カウンタが設定されている領域の1つ前のアドレスの領域に入賞情報記憶カウンタが設定されている。入賞情報記憶カウンタとは、入賞信号(賞球予定数を示す信号)の出力可能数をカウントするためのカウンタである。たとえば、入賞情報記憶カウンタの値が1となっていれば後述する情報出力処理において入賞信号が1回出力され、入賞情報記憶カウンタの値が2となっていれば後述する情報出力処理において入賞信号が2回出力される制御が行われる。この実施の形態では、S5119でポインタの値が1減算されることによって、ポインタの値が賞球情報出力カウンタの下位アドレスを示している状態となる。
次いで、CPU56は、S5118で演算した賞球予定数の累積値が所定の入賞出力判定値(本例では、10)以上となっているか否かを確認する(S5120)。賞球予定数の累積値が所定の入賞出力判定値(本例では、10)以上となっていれば、CPU56は、S5118で演算した賞球予定数の累積値から所定の入賞出力判定値に相当する値(本例では、10)を減算する(S5121)。そして、CPU56は、ポインタの指す入賞情報記憶カウンタの値を1加算する(S5122)。ただし、CPU56は、加算の結果、入賞情報記憶カウンタの値に桁上げが発生した場合には、入賞情報記憶カウンタの値を1減算し元に戻す(S5123,S5124)。そして、S5120の処理に戻る。なお、S5122〜S5124において、CPU56は、まず、入賞情報記憶カウンタの値をレジスタにロードして、レジスタの値を1加算し、加算後のレジスタの値に桁上げが発生していないことを確認してから、加算後の値を入賞情報記憶カウンタにストアするようにしてもよい。そのようにすれば、入賞情報記憶カウンタの値を加算した後に再び減算する無駄を防止することができる。
一方、S5118で演算した賞球予定数の累積値が所定の入賞出力判定値(本例では、10)以上となっていなければ(すなわち、9未満であれば)、S5125に移行する。
S5120〜S5124の処理が実行されることによって、この実施の形態では、所定数分の払出条件が成立するごとに(賞球10個分の入賞が発生するごとに)、入賞情報記憶カウンタの値が1ずつ加算され、後述する情報出力処理によって入賞信号が外部出力されることになる。なお、入賞信号は、賞球10個分ごとに外部出力する例に限らず、賞球1個ごと、または、賞球5個ごと等、賞球の所定個数ごとに出力されるように制御されればよい。
なお、S5118で演算された賞球予定数の累積値が20以上となる場合もある。たとえば、入賞カウンタのカウント値が9となっていた場合に、大入賞口への入賞が発生して新たに15個の賞球が発生した場合には、S5118において賞球予定数の累積値として24と求められることになる。この場合、S5120でYと判定されてS5122で入賞情報記憶カウンタの値が1加算された後(この場合、S5121の処理で賞球予定数の累積値は10減算されて14となる)、もう一度S5120でYと判定されてS5122で入賞情報記憶カウンタの値が1加算され、1回の賞球コマンド出力カウンタ加算処理が実行される間に入賞情報記憶カウンタの値が2加算されることになる。
なお、この実施の形態では、賞球処理中の賞球コマンド出力カウンタ加算処理において、S5120〜S5124の処理が実行されることによって、賞球予定数の累積値が10以上となっているか否かを判定し、入賞情報記憶カウンタの加算処理を行って入賞信号を出力するように制御する場合を示しているが、入賞信号の出力処理の仕方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。たとえば、賞球コマンド出力カウンタ加算処理では、入賞カウンタの加算処理のみを行なうようにし、S31の情報出力処理において、入賞カウンタの値が10以上であるか否かを判定して、10以上であれば入賞信号を出力するように制御してもよい。この場合、上記と同様に、入賞カウンタの値が20以上であれば、情報出力処理において、入賞カウンタの値が10以上であるか否かの判定処理を繰り返し実行し、入賞情報記憶カウンタの値を2加算するようにして、入賞信号を2回出力可能に処理してもよい。
また、たとえば、この実施の形態では、入賞情報記憶カウンタの更新処理を行った後に、後述する情報出力処理で入賞情報記憶カウンタの値に基づいて入賞信号を外部出力する場合を示しているが、入賞情報記憶カウンタを用いずに、S5120で累積値が10以上であると判断した場合には直ちに賞球コマンド出力カウンタ加算処理内で入賞信号の外部出力処理を行なうように構成してもよい。この場合、この実施の形態では、S5118の演算の結果累積値が10以上20未満となり入賞信号を1回出力する必要が生じる場合と、S5118の演算の結果累積値が20以上となり(この実施の形態では、30以上となることはない)入賞信号を2回出力する必要が生じる場合との2つのケースがある。そのため、たとえば、入賞信号を出力するためのテーブルとして、入賞信号を1回出力するためのテーブル(1回分の入賞信号のオン時間およびオフ時間が設定されたテーブル)と、入賞信号を連続して2回出力するためのテーブル(2回分の入賞信号のオン時間およびオフ時間が設定されたテーブル)とを用意しておくようにしてもよい。そして、演算した累積値が10以上20未満であれば、入賞信号を1回出力するためのテーブルを用いて、賞球コマンド出力カウンタ加算処理内において入賞信号を1回外部出力する制御を行ない、演算した累積値が20以上であれば、入賞信号を2回出力するためのテーブルを用いて、賞球コマンド出力カウンタ加算処理内において入賞信号を連続して2回外部出力する制御を行なうようにしてもよい。
なお、S5118で演算した累積値が20を超えている場合には、上記のように、入賞信号を2回出力するためのテーブルを用いて賞球コマンド出力カウンタ加算処理内において入賞信号を連続して2回外部出力してもよし、賞球コマンド出力カウンタ加算処理において、計算結果が10未満となるまで繰り返しS5120の判定処理を行って入賞信号の外部出力を連続して2回行なうようにしてもよい。また、たとえば、1タイマ割込内で実行される賞球コマンド出力カウンタ加算処理では入賞信号を1回のみ出力するようにし、次のタイマ割込で賞球コマンド出力カウンタ加算処理を実行するときに累積値が10以上であることに基づいて次の入賞信号を外部出力するようにしてもよい。
次いで、S5125では、CPU56は、ポインタの値を1加算する(したがって、ポインタの値は入賞カウンタの下位アドレスを示している状態に戻る)。次いで、CPU56は、ポインタの指す入賞カウンタに、賞球予定数の累積値の演算結果をストアする(S5126)。この場合、S5120で1度もYと判定されることなくS5125以降の処理に移行した場合には、S5118で求められた賞球予定数の累積値がそのまま入賞カウンタにストアされることになる。また、S5120でYと判定されS5121以降の処理が実行されている場合には、S5121で減算後の賞球予定数の累積値が入賞カウンタにストアされることになる。なお、S5120の判定処理やS5121の減算処理が実行される結果、S5126では、必ず10未満の値が入賞カウンタにストアされることになる。
次いで、CPU56は、ポインタバッファの値とポインタの値とを交換する処理を行なう(S5127)。この場合、S5112の処理が実行されることによってポインタバッファには賞球個数テーブル中の賞球個数データが格納されているアドレスが退避されているので、S5127の処理が実行されることによって、ポインタの値は、再び賞球個数テーブル中の賞球個数データが格納されているアドレスを示している状態に戻されることになる。
そして、CPU56は、処理数を1減らし(S5128)、処理数が0であれば処理を終了し、処理数が0でなければS5103に戻る(S5129)。
図25は、S502の賞球制御処理を示すフローチャートである。賞球制御処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、賞球プロセスコードの値に応じて、賞球送信処理1(S521)、賞球接続確認処理(S522)、賞球送信処理2(S523)、賞球受領確認処理(S524)、および、賞球終了確認処理(S525)のいずれかの処理を実行する。
賞球送信処理1(S521)および賞球接続確認処理(S522)では、接続確認コマンドを払出制御用マイクロコンピュータに送信することにより、払出制御用マイクロコンピュータとの接続確認が行なわれる。処理等の処理を行なう。賞球送信処理2(S523)では、入賞に応じて、払出すべき賞球数を指令する賞球個数コマンドを払出制御用マイクロコンピュータに送信する処理を行なう。また、賞球受領確認処理(S524)では、送信した賞球個数コマンドに応じて払出制御用マイクロコンピュータから返信されてくる賞球個数受付コマンドを受信したことにより賞球受領確認を行なう。賞球終了確認処理(S525)では、賞球受領確認をしたことに基づいて、賞球の払出しに関する処理を終了するための処理を行なう。
図26は、賞球プロセスコードの値が2の場合に実行される賞球送信処理2(S523)を示すフローチャートである。CPU56は、賞球送信処理2において、賞球コマンド出力カウンタ1〜5の中にカウント値が0でないものがあるか否かを確認する(S52301)。カウント値が0でないものがなければ、S52313に移行する。
賞球コマンド出力カウンタ1〜5の中にカウント値が0でないものがある場合には(すなわち、カウント値が1以上のものがある場合には)、CPU56は、枠状態表示バッファの内容をロードし、枠状態表示バッファの内容が0であるか否かを確認する(S52302)。枠状態表示バッファの内容が0でなければ、そのまま処理を終了する。そのように制御することによって、エラー情報が設定された接続OKコマンドを受信し、払出制御用マイクロコンピュータ側で払出停止状態に制御されている場合には、S52303以降の処理に移行しないようにし、賞球個数コマンドの送信を保留するように制御する。
枠状態表示バッファの内容が0であれば(すなわち、払出に関するエラーが発生していなければ)、払出制御用マイクロコンピュータは、そのカウント値が0でない賞球コマンド出力カウンタに対応する賞球個数を個数バッファにセットする(S52303)。具体的には、S52301において、CPU56は、まず、賞球コマンド出力カウンタ1のカウント値が0であるか否かを確認する。そして、賞球コマンド出力カウンタ1のカウント値が1以上であった場合には、S52303において、CPU56は、個数バッファに賞球個数15個をセットする。また、S52301において、CPU56は、賞球コマンド出力カウンタ1のカウント値が0であった場合には、賞球コマンド出力カウンタ2,3のカウント値が0であるか否かを確認する。そして、賞球コマンド出力カウンタ2,3のカウント値が1以上であった場合には、S52303において、CPU56は、個数バッファに賞球個数10個をセットする。さらに、S52301において、CPU56は、賞球コマンド出力カウンタ2,3のカウント値も0であった場合には、賞球コマンド出力カウンタ4,5のカウント値が0であるか否かを確認する。そして、賞球コマンド出力カウンタ4,5のカウント値が1以上であった場合には、S52303において、CPU56は、個数バッファに賞球個数3個をセットする。
また、CPU56は、そのカウント値が0でない賞球コマンド出力カウンタに対応する賞球個数を賞球個数コマンドにセットする(S52304)とともに、賞球個数をセットした賞球個数コマンドを払出制御用マイクロコンピュータに送信する制御を行なう(S52305)。具体的には、CPU56は、シリアル通信回路505の送信データレジスタに、賞球個数をセットした賞球個数コマンドを出力する処理を行なう。
なお、S52301,S52305の処理が実行されることによって、この実施の形態では、接続確認コマンドの送信タイミングにかかわりなく、賞球コマンド出力カウンタの中にカウント値が0でないものがあれば(すなわち、賞球個数記憶があり、所定の払出条件が成立していれば)、賞球個数コマンドが払出制御用マイクロコンピュータに送信される。
そして、CPU56は、賞球プロセスコードに賞球受領確認処理を示す値「3」をセットし(S52306)、賞球プロセスタイマに接続確認時間2(たとえば10秒)をセットする(S52307)。なお、S52307でセットされた接続確認時間2に基づいて、賞球個数コマンドを送信した後、10秒以内に賞球個数受付コマンドや賞球準備中コマンドを受信したか否かが確認される。具体的に、S52307でセットされた賞球プロセスタイマにより、賞球個数受付コマンドや賞球準備中コマンドを受信することなく10秒が経過してタイムアウトしたときは、賞球送信処理1に戻り次の接続確認コマンドが送信される。
なお、S52306の処理が実行されることによってS52305で賞球個数コマンドが送信されると、接続確認コマンドの送信処理を含む賞球送信処理1に戻ることなく、賞球受領確認処理に移行される。したがって、この実施の形態では、賞球個数コマンドを送信するまでは所定時間(たとえば1秒)ごとに繰り返し接続確認コマンドを送信する処理が実行されているのであるが、賞球個数コマンドを送信したことに基づいて接続確認コマンドを送信する制御が停止される(より具体的には、賞球個数コマンドを送信した後、後述する賞球個数受付コマンドを受信したことにより賞球終了確認処理に移行する(S52403〜S52405参照)ことによって、または賞球準備中コマンドを受信したことにより賞球受領確認処理を繰返すことによって、賞球送信処理1に戻ることなく、接続確認コマンドを送信する制御が停止される。この場合、払出制御用マイクロコンピュータ側から何も払出制御コマンドが返信されないという異常状態が発生しない限り、賞球個数コマンドを送信した後、賞球払出動作を終了して賞球終了コマンドを受信するまで、遊技制御用マイクロコンピュータ560から接続確認コマンドが送信されることはない。
次いで、CPU56は、S52303でセットした個数バッファの値を賞球個数カウンタに加算し(S52308)、加算後のカウント値が所定の賞球不足判定値(たとえば501)以上であるか否かを確認する(S52309)。この実施の形態において、賞球個数カウンタは、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で未払出しの賞球数を把握するために用いられるカウンタであり、賞球個数コマンドを送信する際に賞球個数コマンドで指定される賞球個数が加算され、賞球払出を10球検出するごとに払出制御用マイクロコンピュータから出力される賞球情報に基づいて10ずつ減算される。また、前述したように、賞球個数カウンタには、メイン処理の初期設定処理において初期値として「250」がセットされている。そして、賞球個数カウンタのカウント値が所定の賞球不足判定値(たとえば501)以上に達する場合には、未払出しの賞球数が異常に多すぎるのであるから、賞球不足の事態が生じていると判定することができる。また、賞球個数カウンタのカウント値が所定の賞球過剰判定値(たとえば0)未満となった場合には、本来払出されるべき数を超えて異常に多くの遊技球が払出されているのであるから、賞球過剰の事態が生じていると判定することができる。
なお、この実施の形態では、賞球個数コマンドを送信(S52305参照)した直後に、賞球個数カウンタの加算処理(S52308参照)する場合を示しているが、賞球個数コマンドが送信されるタイミングで加算するものであれば、たとえば、まず賞球個数カウンタの加算処理を実行してから、その直後に賞球個数コマンドを送信するようにしてもよい。
また、賞球不足と判定される場合には、払出制御用マイクロコンピュータ側に何らかの障害が生じて払出動作を正常に行なえない場合の他、賞球情報を出力する信号線が断線している場合も考えられる。また、逆に、賞球過剰と判定される場合には、払出制御用マイクロコンピュータ側に何らかの障害が生じて払出動作が必要以上に行われている場合の他、賞球個数コマンドを送信するコマンド線に何らかの不正が施されて不正に賞球個数コマンドが払出制御用マイクロコンピュータに入力されている場合も考えられる。
賞球個数カウンタのカウント値が所定の賞球不足判定値(たとえば501)以上であった場合には、CPU56は、賞球不足や賞球過剰が発生していることを示す賞球エラーフラグが既にセットされているか否かを確認する(S52310)。既に賞球エラーフラグがセットされていれば、そのまま処理を終了する。賞球エラーフラグがセットされていなければ、CPU56は、賞球エラーフラグをセットする(S52311)とともに、賞球不足エラーコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S52312)。具体的には、CPU56は、賞球不足エラーコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする処理を行なう。そして、S52312で賞球不足エラーコマンド送信テーブルのアドレスがポインタにセットされたことに基づいて、その後、S30の演出図柄コマンド制御処理が実行されることによって、賞球不足エラーコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。なお、賞球エラーフラグは、一度セットされると、遊技機への電力供給が停止された後、遊技機へ電源が再投入されるまで、クリアされずに維持される。また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560と演出制御用マイクロコンピュータ100との間の通信に関しては、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対してコマンドが送信されるのみで、その逆はない。
S52313では、CPU56は、賞球プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認する。賞球プロセスタイマがタイムアウトしていれば(すなわち、接続OKコマンドを受信した後、1秒を経過するまでに、賞球個数の記憶もなく、新たな入賞も発生しなかった場合)、CPU56は、賞球プロセスコードに賞球送信処理1を示す値「0」をセットし(S52314)、処理を終了する。賞球プロセスタイマがタイムアウトしていなければ、CPU56は、賞球プロセスタイマの値を1減算する(S52315)。
図27は、払出制御用マイクロコンピュータが実行するタイマ割込処理の例を示すフローチャートである。タイマ割込処理にて、払出制御用マイクロコンピュータの払出制御用マイクロコンピュータは、以下の処理を実行する。まず、払出制御用マイクロコンピュータは、スイッチチェック処理を行なう(S751)。スイッチチェック処理では、払出制御用マイクロコンピュータは、入力ポート1の入力に基づいて、払出個数された個数を計数する払出個数カウントスイッチ、および、エラー状態を開示するためのエラー解除スイッチのオン/オフ状態を確認する処理を行なう。次いで、払出制御用マイクロコンピュータは、入力判定処理を行なう(S752)。入力判定処理は、入力信号の状態を検出して検出結果をRAMの所定の1バイト(センサ入力状態フラグと呼ぶ。)に反映する処理である。なお、払出制御用マイクロコンピュータは、入力ポート0のビット0〜7の状態に基づいて制御を行なう場合には、直接入力ポートの状態をチェックするのではなく、センサ入力状態フラグの状態をチェックする。
次いで、払出制御用マイクロコンピュータは、カードユニットと通信を行なうプリペイドカードユニット制御処理を実行する(S753)。次いで、払出制御用マイクロコンピュータは、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560と通信を行なう主制御通信処理を実行する(S754)。遊技制御用マイクロコンピュータ560から前述のように出力される賞球個数コマンドを受信するための処理が、このような主制御通信処理において行なわれる。
次いで、払出制御用マイクロコンピュータは、カードユニット50からの球貸し要求に応じて貸し球を払出す制御を行ない、また、主基板31からの賞球個数コマンドが示す個数の賞球を払出す制御を行なう払出制御処理を実行する(S755)。払出制御処理では、主制御通信処理において受信された賞球個数コマンドが示す賞球個数を払出すために、賞球の払出個数(未払出個数)が設定される。なお、この実施の形態では、大当り遊技状態となり、大当り遊技中の大入賞口への入賞に基づく賞球払出を行なう場合には、少なくとも、大当り遊技を終了してから所定時間(本例では、大当り遊技の最終ラウンドを終了してから30秒。エンディング演出を終了してからは20秒。)以内に賞球払出が完了するものとする。
次に、払出制御用マイクロコンピュータは、球払出装置97を駆動する払出モータ制御処理を実行する(S756)。払出モータ制御処理では、払出制御処理で設定された賞球個数を払出すために、球払出装置97における払出モータの回転回数(動作量)が設定され、当該設定に基づいて払出モータが駆動されて賞球の払出し動作が行なわれる。次いで、払出制御用マイクロコンピュータは、各種のエラーを検出するエラー処理を実行する(S757)。また、払出制御用マイクロコンピュータは、カードユニットのエラー制御を行なうプリペイドカードユニットエラー制御処理を実行する(S758)。次いで、払出制御用マイクロコンピュータは、主基板31に対して賞球情報を出力したり、賞球信号1や遊技機エラー状態信号を外部出力するための情報出力処理を実行する(S759)。また、エラー処理の結果に応じてエラー表示LEDに所定の表示を行なう表示制御処理を実行する(S760)。
本実施の形態では、所定のエラー処理において払出制御に関する各種エラー(たとえば、払出個数異常エラーや、満タンエラー、球切れエラー、プリペイドカードユニット未接続エラー)が検出されると、検出されたエラーに対応するエラービットがセットされる。そして、S760の表示制御処理において、エラービットがセットされていることに基づいて、払出制御用マイクロコンピュータは、エラー表示LED374に所定の表示を行なう。
また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポート0バッファ、出力ポート1バッファ)が設けられているのであるが、払出制御用マイクロコンピュータは、出力ポート0バッファおよび出力ポート1バッファの内容を出力ポートに出力する(S761:出力処理)。出力ポート0バッファおよび出力ポート1バッファは、払出モータ制御処理(S756)、プリペイドカード制御処理(S753)、主制御通信処理(S754)、情報出力処理(S759)および表示制御処理(S760)で更新される。
図28は、図8のタイマ割込処理におけるS31の情報出力処理を示すフローチャートである。情報出力処理においては、まず、第1始動口スイッチ13a,第2始動口スイッチ14aから出力されるような始動口信号を出力するための始動口信号出力処理が実行される(S251)。そして、カウントスイッチ23等の入賞検出スイッチから出力される入賞信号を出力するための入賞信号処理が実行される(S252)。また、図柄確定回数信号を出力するための図柄確定回数信号出力処理が実行される(S253)。また、大当り遊技状態において出力される大当り信号、および、時短状態において出力される時短信号を出力するための大当り信号、時短信号出力処理が実行される(S254)。また、高確率状態において出力される高確中信号を出力するための高確中信号出力処理が実行される(S255)である。
そして、S251〜S255のそれぞれの処理に基づいて外部出力する情報に基づいて、情報を外部出力するためのバッファとして設けられた情報バッファをS251〜S255の処理に基づく出力値にセットする(S256)。そして、セットされた出力値を出力ポートに出力することによって(S257)、S251〜S255のそれぞれの処理に基づいて外部出力する情報を出力ポートから出力させる(オン状態となる)。このようにオン状態にされた出力情報の信号は、S251〜S255のそれぞれの処理に基づいて設定されて計数されるタイマがタイムアウトすればオフ状態となる。
次に、図28のS252により実行される入賞信号出力処理を説明する。図29は、入賞信号出力処理を示すフローチャートである。
入賞信号出力処理において、CPU56は、入賞信号を情報出力バッファにおける対応する入賞出力ビット位置をセットする(S261)。そして、CPU56は、入賞信号信号のオン時間およびオフ時間を計測するためのタイマである入賞情報記憶タイマのアドレスをポインタにセットし(S262)、入賞タイマセット処理を実行する(S263)。
図30は、入賞信号出力処理のS262で実行される入賞タイマセット処理を示すフローチャートである。入賞タイマセット処理において、CPU56は、まず、ポインタの指す情報記憶タイマをロードし(S2001)、ロードした情報記憶タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(S2002)、信号が出力中であるか否かを判定する(S2003)。この場合、入賞情報記憶タイマをロードしてその状態をフラグレジスタに反映し、入賞信号が出力中であるか否かを判定することになる。
入賞情報記憶タイマは、入賞信号のオン時間およびオフ時間(たとえば、オン時間100msとオフ時間100ms)を計測するためのタイマである。入賞情報記憶タイマの値が0でなければ入賞信号が出力中であると判定され、入賞情報記憶タイマの値が0であれば入賞信号が出力中でないと判定される。
入賞信号が出力中であれば(S2003のY)、S2012の処理に移行する。入賞信号が出力中でなければ(S2003のN)、CPU56は、ポインタの値を1加算する(S2004)。なお、この実施の形態では、ROM54において、入賞情報記憶タイマが設定されている領域の次の領域に入賞情報記憶カウンタがセットされている。したがって、S2004の処理が実行されることによって、ポインタの値は、入賞情報記憶カウンタのアドレスを示している状態となる。
次いで、CPU56は、ポインタの指す情報記憶カウンタ(入賞情報記憶カウンタ)をロードし(S2005)、ロードした情報記憶カウンタ(入賞情報記憶カウンタ)の状態をフラグレジスタに反映させて(S2006)、入賞信号の出力回数の残数があるかどうかを判定する(S2007)。
なお、いずれかの入賞口(第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口、普通入賞口29,30)への入賞が発生した場合には、賞球予定数が10個累積するごとに入賞情報記憶カウンタが加算される(図24のS5122参照)ので、入賞信号の出力回数の残数があると判定されることになる。
入賞信号の出力回数の残数がなければ(S2007のY)、入賞タイマセット処理を終了する。入賞信号の出力回数の残数があれば(S2007のN)、CPU56は、ポインタの指す情報記憶カウンタ入賞情報記憶カウンタを1減算し(S2008)、演算結果(1減算した結果)を情報記憶カウンタ(入賞情報記憶カウンタ)にストアする(S2009)。そして、入賞情報動作時間(50)をレジスタにセットする(S2010)。なお、入賞情報動作時間(50)は、4msのタイマ割込みが50回実行される時間、すなわち、0.200秒(200ms)の時間となっている。
次いで、CPU56は、ポインタの値を1減算する(S2011)。S2011の処理が実行されることによって、ポインタの値は、入賞情報記憶タイマのアドレスを示している状態に戻ることになる。そして、S2012に移行する。
次に、CPU56は、S2010で入賞情報動作時間がセットされていなければポインタの指す情報記憶タイマ(入賞情報記憶タイマ)を1減算し、S2010で入賞情報動作時間がセットされていれば入賞情報動作時間を1減算する(S2012)。そして、演算結果(1減算した結果)をポインタの指す情報記憶タイマ(入賞情報記憶タイマ)にストアする(S2013)。
CPU56は、演算結果と入賞情報オン時間(25)を比較し(S2014)、演算結果が入賞情報オン時間よりも短い時間であるかどうかを判定する(S2015)。なお、入賞情報オン時間(25)は、4msのタイマ割込みが25回実行される時間、すなわち、0.100秒(100ms)の時間となっている。
演算結果が入賞情報オン時間よりも短い時間でない場合、つまり、演算結果(入賞情報記憶タイマの残り時間)が入賞情報オン時間(100ms)よりも長い時間である場合は(S2015のN)、CPU56は、情報バッファをロードし(S2016)、ロードした情報バッファの値と情報出力バッファの値との論理和を求める(S2017)。そして、CPU56は、S2017の演算結果を情報バッファにストアする(S2018)。
なお、S2016〜S2018の処理が実行されることによって、ロードした情報バッファの値と、入賞出力ビットがセットされた情報出力バッファの値との論理和が求められることによって、情報バッファの入賞出力ビット位置がセットされる。そして、情報バッファの入賞出力ビット位置がセットされると、その後の情報出力処理のS256で情報バッファを出力値にセットし、S257で出力値を出力ポートに出力することによって、入賞信号が出力ポートから出力されることになる。
このように、いずれかの入賞口(第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口、普通入賞口29,30)への入賞が発生し、賞球予定数が10個累積するごとに、入賞信号が出力される。すなわち、入賞信号が100ms間オン状態となった後、100ms間オフ状態になる。この入賞信号がホールコンピュータに入力されることによって、賞球予定数を認識させることができる。
入賞信号は、100ms間オン状態となった後、100ms間オフ状態になるので、短時間に連続して始動入賞が発生した場合であっても、100ms間のオフ状態の後に次の入賞信号が出力される。すなわち、入賞信号は少なくとも100msの間隔をあけて出力される。
このように、入賞信号は少なくとも100msの間隔をあけて出力されるので、ホールコンピュータは、賞球予定数の総数を確実に把握することができる。
なお、この実施の形態では、入賞信号を外部出力する場合に、まずS2012の処理を実行して入賞情報記憶タイマの値を減算してから、S2018,S256,S257を実行して入賞信号を外部出力する場合を示したが、入賞情報記憶タイマの減算処理と入賞信号の外部出力処理との処理順は、この実施の形態で示したものにかぎられない。たとえば、まず、S2018,S256,S257と同様の処理を実行して入賞信号の外部出力処理を実行してから、S2012と同様の処理を行ない入賞情報記憶タイマの値を減算するようにしてもよい。
以上に示した図21〜図30においては、たとえば、次のような制御内容が示されている。各種入賞口への入賞があったときには、遊技制御用マイクロコンピュータ560から賞球個数コマンドが送信され、その賞球個数コマンドを受信した払出制御用マイクロコンピュータが、賞球個数コマンドにより指定される個数の賞球を払出す球払出制御が実行される。より具体的には、S5101〜S5112により各種入賞検出スイッチの信号の状態を確認して、入賞検出がされていたときには、図23のS5113において、賞球個数別に設けられた賞球コマンド出力カウンタを加算更新することで、賞球個数別に出力する賞球個数コマンドの出力回数が設定される。それと並行して、図23のS5119において、賞球個数コマンドとして出力される賞球個数の合計値を加算していく。そして、図24のS5119において、加算される賞球個数の合計値が10個を超えるごとに、入賞情報記憶カウンタを加算更新することで、10個払出予定ごとにパルス出力される入賞信号の出力回数が設定される。
そして、図26のS52301において、前述のように加算更新される賞球コマンド出力カウンタの値が「0」でないときに、S52303〜S52305により、値が「0」でない賞球コマンド出力カウンタの種別に対応する賞球個数を指定した賞球個数コマンドが、遊技制御用マイクロコンピュータ560から払出制御用マイクロコンピュータに送信されることとなる。そして、払出制御用マイクロコンピュータでは、図27のS754〜S756により、払出モータを制御して、受信した賞球個数コマンドにより指定された個数の賞球を払出す制御が行なわれる。
また、前述のように賞球コマンド出力カウンタの加算更新に伴って入賞情報記憶カウンタの加算更新がされたときにおいて、図30のS2002〜S2018、および、図28のS256,S257により、賞球の10個払出予定ごとに入賞信号をパチンコ遊技機1の外部に出力する制御が行なわれる。
このように、賞球個数コマンドを出力する条件が成立したというような賞球の払出条件が成立したときに、所定数分(10個)の賞球を払出すための払出条件が成立したことを示す入賞信号がパチンコ遊技機1の外部に出力される制御が行なわれる。これにより、パチンコ遊技機1の外部において、賞球が実際に払出される時期まで待たずに、払出条件が成立した時期に入賞信号を受けることが可能となるため、大当りとなって大入賞口の開放制御状態となったときには前述のように大入賞口への入賞が生じやすい右領域7bへ遊技球の打込みが集中して短期間で多数の入賞が生じるが、どのような遊技状態で賞球の払出しが行なわれたかをパチンコ遊技機1の外部で正確に認識することができる。なお、特別可変入賞球装置20を右領域7bに設ける構造では、たとえば、前述のようなセンター飾りを遊技領域7の中心部よりも右側に偏って配置する構成も考えられるが、そのような構成の場合には、センター飾りの右側の領域がより狭くなることにより、特別可変入賞球装置20の辺りに遊技球が集中して流れやすいので、このような効果はより顕著なものとなる。
図31は、タイマ割込処理のS30Aで実行される試験端子処理を示すフローチャートである。図31においては、各種試験信号を出力するための処理のうち、「左打ち」および「右打ち」のような遊技球を打込むべき領域を特定する試験信号の出力に関連する処理が示されている。
図31は、試験端子処理において、CUP56は、前述した権利発生フラグがセットされているか否かを確認することに基づいて、現在が権利発生状態であるか否かを判断する(S271)。権利発生状態であると判断したときは、特定ゲートへの遊技球の進入を狙って右打ちをすべき遊技状態であるので、右打ち信号を出力するための処理を行ない(S275)、後述するS276に進む。ここで、右打ち信号は、右打ちをすべき遊技状態であることを示す試験信号である。これにより、権利発生状態であるときには、右打ち信号が試験信号として出力されることとなる。
一方、S271で権利発生状態ではないと判断したときは、前述した特別図柄プロセスフラグの値を確認することに基づいて、現在が大入賞口の開放制御状態であるか否かを判断する(S272)。
S272で開放制御状態であると判断したときは、右領域7bに設けられた特別可変入賞球装置20への入賞を狙って右打ちをすべき遊技状態であるので、右打ち信号を出力するための処理を行ない(S275)、後述するS276に進む。これにより、開放制御状態であるときには、右打ち信号が試験信号として出力されることとなる。一方、S272で開放制御状態ではないと判断したときは、時短フラグがセットされているか否かを確認することに基づいて、現在が高ベース状態(本実施の形態の場合は時短状態は高ベース状態が付随する)か否かを判断する(S273)。高ベース状態であると判断したときは、右領域7bに設けられた普図ゲート32および第2始動入賞口14への入賞を狙って右打ちをすべき遊技状態であるので、右打ち信号を出力するための処理を行ない(S275)、後述するS276に進む。一方、高ベース状態でないと判断したときは、右領域7bから入賞しやすい第1始動入賞口1への入賞を狙って左打ちをすべき遊技状態であるので、左打ち信号を出力するための処理を行ない(S275)、後述するS276に進む。ここで、左打ち信号は、左打ちをすべき遊技状態であることを示す試験信号である。これにより、高ベース状態ではない低ベース状態であるときには、左打ち信号が試験信号として出力されることとなる。
S276では、右打ち信号および左打ち信号以外の試験信号を出力するための処理が行なわれる。
試験端子処理においては、権利発生状態であるとき、開放制御状態であるとき、および、高ベース状態であるときには、試験信号として右打ち信号が出力され、低ベース状態であるときには、試験信号として左打ち信号が出力されるので、変遷する遊技状態に応じて打込むべき領域を特定する信号を試験信号として出力することができる。
なお、このような試験信号として、右打ち信号および左打ち信号を出力するときには、試験装置において、遊技機から外部出力された右打ち信号および左打ち信号に基づいて、試験対象の遊技機の打球操作ハンドルをアーム等で操作するこにより、右打ち信号および左打ち信号に応じて、自動的に打球操作ハンドルを操作することで、遊技状態に応じた打球発射試験を行なうようにしてもよい。このような試験信号に該当する信号を、情報出力回路159からターミナル基板160を介して、前述のホール管理コンピュータに出力する場合には、図31と同様の処理をタイマ割込処理において実行すればよい。
図32は、遊技状態と左打ち信号および右打ち信号との関係を示すタイミングチャートである。図32においては、(A)権利発生状態、(B)開放制御状態、および、(C)ベース状態のような遊技状態と、(D)左打ち信号、および、(E)右打ち信号との関係が時間経過にしたがって示されている。
図32を参照して、低ベース状態においては、S273でYと判断されることにより、S274により左打ち信号が出力される。その後、特別図柄および演出図柄の変動表示により大当り表示結果が停止表示されたことに基づいて権利発生状態となると、S271でYと判断されることにより、S275により右打ち信号が出力される。そして、権利発生状態中に特定ゲート33への遊技球の進入が検出されたことに基づいて権利発生状態が終了して開放制御状態(大当り遊技状態)が開始すると、S272でYと判断されることにより、S275により右打ち信号の出力が継続される。その後、最終ラウンドが終了したことに基づいて開放制御状態(大当り遊技状態)が終了すると、高確高ベース状態または低確高ベース状態になるので、S273Yと判断されることにより、S275により右打ち信号の出力が継続される。
このような制御が行なわれることにより、図3に示したようなコネクタ搭載部311に試験信号コネクタ310が搭載されたときに、パチンコ遊技機1外部の試験装置またはホール管理コンピュータ等の外部装置へ向けて試験信号を出力することが可能となる構成において、特定ゲート33に遊技球が進入したことに基づいて大入賞口の開放制御状態に制御されることの条件となる権利発生状態が成立したことに応じて、特定ゲート33に遊技球が進入する前のタイミングから、特別可変入賞装置20が設けられた右領域7bに遊技球を打込むことを特定する右打ち信号が作成されるので、遊技の進行させ方を、簡素なものとすることができ、遊技の進行状況に対応するとともに、遊技の進行させ方を容易にすることができる。さらに、試験時における遊技の進行させ方を、簡素なものとすることができ、遊技の進行状況に対応するとともに、遊技の進行させ方を容易にする信号を試験信号として出力することができる。
また、このような制御が行なわれることにより、図3に示したようなコネクタ搭載部311に試験信号コネクタ310が搭載されたときに、パチンコ遊技機1外部の試験装置またはホール管理コンピュータ等の外部装置へ向けて試験信号を出力することが可能となる構成において、大当り遊技状態(開放制御状態)の終了後に、高ベース状態に制御されているときに、特別可変入賞装置20が設けられた右領域7bに遊技球を打込むことを特定する右打ち信号が作成されるので、高ベース状態に制御されているかどうかの遊技の進行状況に対応するとともに、遊技を迅速に進行させることができる。
次に、普通図柄の表示結果を決定するために用いる普通図柄表示結果決定テーブルについて説明する。図33は、普通図柄表示結果決定テーブルを示す説明図である。普通図柄表示結果決定テーブルは、ROM54に記憶されている。
普通図柄表示結果決定テーブルにおいては、普通図柄当り判定用のランダム4(1〜201)の値(決定値)と、普通図柄の表示結果と、普通図柄の変動時間と、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間および開放回数との関係が、通常遊技状態(電チューサポート制御がされていない遊技状態)と、電チューサポート制御状態とに分けて示されている。
通常遊技状態のときにおいて、決定値が1〜20のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果を当りとし、変動時間が10秒間に設定されるとともに、開放時間が0.3秒間で1回開放することに設定される。一方、通常遊技状態のときにおいて、決定値が21〜201のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果をはずれとし、変動時間が10秒間に設定される。
また、電チューサポート制御状態のときにおいて、決定値が1〜180のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果を当りとし、変動時間が1秒間に設定されるとともに、開放時間が1.5秒間で3回開放することに設定される。一方、電チューサポート制御状態のときにおいて、決定値が181〜201のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果をはずれとし、変動時間が1秒間に設定される。本実施の形態では、時短フラグがセットされているときに電チューサポート状態であると判断される。
このように、普通図柄の制御に関し、電チューサポート制御状態のときには、通常遊技状態と比べて、決定値が当りとなる割合が高くなるように設定され、変動時間が短くなるように設定され、さらに、開放時間および開放回数が増加するように設定される。
図34は、図8のS27において実行される普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、普図ゲート32に設けられた普図ゲートスイッチ32aからの検出信号がオン状態であるか否かをチェックすることにより、普図ゲート32を通過した遊技球が検出されたか否かの判定を行なう(S501)。S501では、遊技球が普図ゲート32を通過して普図ゲートスイッチ32aからの検出信号が所定期間オン状態となった場合に、遊技球の普図ゲート通過(通過球)の検出があったものと判断して、ゲート通過時処理を実行する(S502)。
S502において実行されるゲート通過時処理の一例として、以下のような処理が実行される。まず、RAM55の所定領域に設けられた普図保留記憶部に記憶されている普図保留記憶データの個数である普図保留記憶数が、所定の上限値(たとえば「4」)となっているか否かを判定する。普図保留記憶部は、普図ゲートスイッチ32aにより遊技球のゲート通過が検出されたときに抽出した普通図柄の表示結果決定用のランダム4の数値データを普図保留記憶データとして、最大限4つ保留記憶するデータ記憶領域を有する。この普図保留記憶部は、前述した第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファと同様に、普図保留記憶データを格納された順番を特定可能な状態で保存していき、順番にしたがって変動表示に使用された普図保留記憶データを消去し、残りの普図保留記憶データについてデータ記憶領域を1つずつシフトしていく構成となっている。
S502において、普図保留記憶数が上限値未満であるときには、CPU56が、ランダム4を示す数値データを抽出する。そして、抽出したランダム4の数値データを普図保留記憶データとして、普図保留記憶部でデータが記憶されずに空いているデータ記憶領域のうち先頭順番の領域にセットする。一方、普図保留記憶部において、普図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の遊技球の検出は無効として、ランダム4の数値データの新たな抽出および記憶は行なわない。
ゲート通過時処理を実行した後、および、S501で普図ゲートスイッチ32aからの検出信号がオフ状態であると判定された後には、普通図柄プロセスフラグの値に応じて、以下のようなS510〜S514の各処理を実行する。
S510の普通図柄通常処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部に格納された普図保留記憶データの有無等に基づいて、普通図柄表示器10による普通図柄の変動表示を開始するか否かの判定が行なわれる。このとき、たとえば普図保留記憶部に格納された普図保留記憶データがある場合には、普通図柄プロセスフラグの値を「1」に更新する。
S511の普通図柄判定処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「1」のときに実行される。この普通図柄判定処理では、時短フラグがセットされているか否かに基づいて、電チューサポート制御状態であるか否かを認識し、普図保留記憶部の先頭順番に格納された普図保留記憶データ(普通図柄の表示結果決定用のランダム4を示す数値データ)に基づき、図28に示す普通図柄表示結果決定テーブルを参照して、普通図柄の変動表示における表示結果を、「当り」とするか「はずれ」とするかの決定等が行なわれる。
前述したように、普通図柄表示結果決定テーブルでは、時短状態に対応した電チューサポート制御状態である場合に、非電チューサポート制御状態である通常遊技状態である場合よりも普通図柄の表示結果を「当り」とする決定がなされる割合が高くなるように、ランダム4と比較される決定値が割振られている。これにより、電チューサポート制御状態では、S511の普通図柄判定処理において、通常遊技状態と比べて普通図柄の表示結果が「当り」と判定されやすくなることで、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14が開放状態となりやすく、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。
また、普通図柄判定処理では、普通図柄表示結果決定テーブルを用いて、普通図柄の変動時間も決定される。前述したように、普通図柄表示結果決定テーブルでは、時短状態に対応した電チューサポート制御状態である場合に、非電チューサポート制御状態である通常遊技状態である場合よりも普通図柄の変動時間が短くなるように設定されている。これにより、電チューサポート制御状態では、S511の普通図柄判定処理において、時短フラグがセットされているときに電チューサポート制御状態であると認識し、通常遊技状態と比べて普通図柄の変動時間が短くなるように変動時間が決定される。電チューサポート制御状態では、普通図柄の変動表示結果が導出表示される間隔が短くなることで、「当り」の変動表示結果が導出表示される間隔も短くなり、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14が開放状態となりやすく、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。
さらに、普通図柄判定処理では、普通図柄表示結果決定テーブルを用いて、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間および開放回数も決定される。前述したように、普通図柄表示結果決定テーブルでは、時短フラグがセットされているときに電チューサポート制御状態であると認識し、電チューサポート制御状態である場合に、非電チューサポート制御状態である通常遊技状態である場合よりも、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が多くなるように設定されている。したがって、電チューサポート制御状態である場合に、非電チューサポート制御状態である通常遊技状態である場合よりも、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が多くなるような制御が行なわれる。これにより、電チューサポート制御状態では、開放時間が長くなり、かつ、開放回数が多くなることで、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)が開放状態となる時間および回数が増加し、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。
普通図柄判定処理では、このような各種判定がされた後、普通図柄プロセスフラグの値を「2」に更新する。
S512の普通図柄変動処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示器10による普通図柄の変動表示において普通図柄を変動させるための設定が行なわれる。こうした設定に基づいて変動表示する普通図柄は、S513の普通図柄停止処理が実行されることにより、その変動表示が停止して普通図柄の表示結果となる普通図柄の表示結果が表示される。普通図柄変動処理では、普通図柄が変動表示を開始してからの経過時間が計測される。このときには、計測された経過時間が、普通図柄判定処理で決定された変動時間に達したか否かの判定が行なわれる。そして、決定された変動時間に達したときには、普通図柄プロセスフラグの値を「3」に更新する。
S513の普通図柄停止処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示を停止して表示結果を導出表示させるための設定が行なわれる。なお、普通図柄の表示結果を導出表示させるための設定は、S512の普通図柄変動処理において、計測された経過時間が決定された変動時間に達したときに、普通図柄プロセスフラグの値を「3」に更新する以前に行なわれるようにしてもよい。また、普通図柄停止処理では、普通図柄判定処理で決定された普通図柄の表示結果が「当り」である場合に、普通図柄判定処理で決定された開放時間および開放回数で可変入賞球装置15を開閉するようにソレノイド16を駆動する作動パターンの設定を行なってから、普通図柄プロセスフラグの値が「4」に更新される。一方、普通図柄判定処理で決定された普通図柄の表示結果が「はずれ」である場合には、普通図柄プロセスフラグをクリアして、その値を「0」に更新する。
S514の普通電動役物作動処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普通図柄の変動表示における表示結果が「当り」となったことに対応して、可変入賞球装置15において可動片を開放状態に動作させることにより、第2始動入賞口14を閉状態から開状態に変化させる制御が行なわれる。たとえば、普通電動役物作動処理では、S513の普通図柄停止処理においてセットされた作動パターンの設定に応じて、ソレノイド16を駆動するための駆動制御信号を生成することにより、可変入賞球装置15を、普通図柄判定処理で決定された開放時間および開放回数で開状態とする制御を行なう。これにより、図34に示すような遊技状態および表示結果に応じた動作パターンで可変入賞球装置15が開閉動作させられることとなる。そして、作動パターンの設定に応じたソレノイド16の駆動が終了すると、普通図柄プロセスフラグをクリアして、その値を「0」に更新する。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100で実行される制御を説明する。図35は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。
図35には、一例として、演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、および、演出決定用のSR2が示されている。
SR1−1,SR1−2,SR1−3は、演出図柄の左,中,右の停止図柄(仮停止図柄を除く最終的な停止図柄)をランダムに決定するために用いられる。SR2は、保留記憶演出を行なうときの演出期間を決定するために用いられる。SR3は、保留記憶演出を行なうときの演出態様を決定するために用いられる。
このような乱数SR1−1〜SR3のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、図36において対応付けられた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
図36は、演出表示装置9における演出図柄(飾り図柄)の停止図柄の一例を示す説明図である。
図36に示す例では、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンドが、確変大当りを示している場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)には、停止図柄として左,中,右の3図柄が1つの奇数図柄に揃った演出図柄の組合せ(確変大当り図柄の組合せ)を決定する。
演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンドが、通常大当りを示している場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)には、停止図柄として左,中,右の3図柄が1つの偶数図柄に揃った演出図柄の組合せ(通常大当り図柄の組合せ)を決定する。そして、はずれの場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)には、上記以外の演出図柄の組合せ(左右不一致、左右のみ一致等のはずれ図柄の組合せ)を決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左,右の2図柄が揃った演出図柄の組合せを決定する。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図37は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、図30に示すようなSR1−1,SR1−2,SR1−3,SR2を含む各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。また、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図38は、図37に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御する。また、演出図柄の停止図柄(表示結果)をSR1−1〜SR1−3等に基づいて決定する。変動表示の開始時に、受信した変動パターンコマンドに対応して実行する変動表示の変動時間を計時する変動表示時間タイマの計時をスタートさせる。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミング等を制御するとともに、変動表示時間タイマにより計時される変動時間が終了したか否かを監視する。そして、変動時間が終了したか、または、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、変動表示を終了させるために、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための大当り表示等の演出としてのファンファーレ演出を行なう制御等の表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
演出制御用CPU101は、たとえば、次のように演出図柄の停止図柄を決定する。たとえば、演出図柄変動開始処理において、演出図柄の停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3を抽出し、これらと、演出図柄を示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルとを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。そして、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示を停止するときに、このように決定された停止図柄で演出図柄を停止させる。演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
具体的に、演出図柄の停止図柄は、たとえば、次のように決定する。非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合においては、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されたはずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合においては、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が最終停止図柄の停止図柄として決定される。
大当りの図柄の組合せを決定する場合においては、大当りの種別に応じて大当り図柄の組合せを決定する。
確変大当りにすることに決定されているときには、確変大当り図柄決定用テーブルを用いて、たとえば、左,中,右が「7,7,7」というようないずれかの奇数図柄が揃った組合せを選択決定する。確変大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の奇数図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。確変大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、確変大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、確変大当り図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。このように決定された確変大当り図柄の組合せが変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、通常大当りにすることに決定されているときには、通常大当り図柄決定用テーブルを用いて、たとえば、左,中,右が「2,2,2」というようないずれかの偶数図柄が揃った組合せを選択決定する。通常大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の偶数図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。通常大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、通常大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、通常大当り図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。このように決定された通常大当り図柄の組合せが変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
次に、第1実施形態の変形例として、確変大当りの大当り遊技状態の終了後と、通常大当りの大当り遊技状態の終了後とにおいて共通に実行される潜伏演出制御について説明する。確変大当りと通常大当りとは、大当り遊技状態の終了後に、高確率状態となるか否かの制御状態が異なるが、ともに、時短状態に制御され、電チューサポート制御が行なわれるので、確変大当りと通常大当りとで演出図柄の大当り表示結果を同じ表示結果とし、これら大当り遊技状態の終了後において高確率状態であるか否かを報知しなければ、通常大当り後の所定回数(100回)の変動表示実行により時短状態(電チューサポート状態含む)が終了するまでは、動作状態の見た目だけでは、遊技状態が高確率状態であるか否かを遊技者が区別しにくい。
これにより、このような制御状態は、確変状態であるか否かが認識できず、確変状態が潜伏しているような印象を与える状態であるので潜伏演出状態と呼ばれる。第1実施形態のパチンコ遊技機1において、潜伏演出制御を行なう場合には、図36に示す確変大当り図柄と通常大当り図柄とを異ならせずに同じ大当り図柄の組合せとするとともに、確変大当りおよび通常大当りの遊技状態の終了後に、たとえば図39に示すような共通の演出を実行することで確変状態と非確変状態とのどちらであるかを特定不可能とする潜伏演出制御を行なえばよい。
図39は、確変大当りの大当り遊技状態の終了後と、通常大当りの大当り遊技状態の終了後とにおいて共通に実行される潜伏演出の一例を示す演出表示装置9の表示画面図である。潜伏演出制御を行なう場合には、確変大当りにより生じる時短状態(電チューサポート状態含む)を通常大当りの場合と同じ所定回数(100回)で終了するように制御し、確変大当りと通常大当りとで、時短状態(電チューサポート状態含む)の継続期間が同じ期間となるように制御すればよい。図39においては、確変大当りの大当り遊技状態の終了後と、通常大当りの大当り遊技状態の終了後とにおいて、共通の演出として表示される共通の背景画像が示されている。たとえば、このような共通の背景画像は、所定回数(100回)の変動表示が実行されるまで表示され、その後、大当り確率およびベースの状態に応じて、低確低ベース状態用の背景画像、または、低確低ベース状態用の背景画像に背景画像が切換え表示される。潜伏演出制御が行なわれていないときには、たとえば、低確状態時には、低確率状態用に予め定められた背景画像が表示され、高確率状態時に高確率状態用に予め定められた背景画像が表示される。これにより、潜伏演出制御状態以外の状態では、大当り確率に応じた背景画像が表示される。
このような共通の背景画像は、図38の演出制御プロセス処理の大当り終了演出処理の実行終了時において、共通の背景画像を表示するための処理を実行することにより表示を開始し、その後、演出図柄変動停止処理において、所定の変動表示回数カウンタを用いて大当り状態終了後の変動回数を計数し、その計数した回数が所定回数(100回)に達したとき、または、変動表示回数カウンタの計数回数が所定回数(100回)に達するまでに大当りが発生したときに表示を終了する。確変大当りと通常大当りとにおいて、このような共通の演出を実行することにより、実際の遊技状態が確変状態であるか否かを煽れるため、遊技の興趣をより一層向上させることができる。なお、このような背景画像としては、後述する第4実施形態のように、複数種類のうちから、確変状態であるか否かに応じて異なる選択割合で選択される複数種類の背景画像を用いるようにしてもよい。また、このような共通の演出としては、同じキャラクタ画像を表示する等、背景画像を表示すること以外の報知を選択するようにしてもよい。
このような潜伏演出制御を行なう場合には、電源投入時に前述した高確率報知が行なわれることに基づいて、電源投入時に遊技状態が復旧されたときに次のような効果を得ることができる。電源投入時に遊技状態が復旧されたときには、電力供給停止前に潜伏演出制御状態であったときに、遊技状態が復旧されても、動作状態の見た目だけでは、高確率状態であるか否かを区別しにくい。これに対し、本実施の形態では、電力供給停止前に確変状態であったときには、パチンコ遊技機1の電源投入時において、電源投入時以外の状態では行なわれない確変報知LED53による高確率報知が行なわれることにより、当該報知に基づいて、電力供給停止前に確変状態であったことを知ることができる。したがって、不正なサービスを行なうために、遊技場の閉店後、高確率状態で潜伏演出制御が行なわれていた状態中において電源断状態にして翌日の電源投入時に遊技状態が復旧されたときであっても、電源投入時における高確率報知によってそのような不正なサービスが行なわれたことを認識できるので、そのような不正なサービスの提供を防ぐことができる。さらに、不正の意図なく高確率状態で潜伏演出制御状態中において電源断状態にされた場合において電源投入時に遊技状態を復旧せずに初期化しようとしたが初期化できていなったときであっても、電源投入時における高確率報知によって予期しない制御状態から営業を開始してしまう状況が発生するのを防ぐことができる。
この実施の形態では、パチンコ遊技機1の制御状態を示す試験信号を、試験信号コネクタ310を介して試験装置に出力する例、および、当該試験信号に対応する信号を情報出力回路159からターミナル基板160を介して、前述のホール管理コンピュータに出力する例等、試験信号に関する出力制御について説明したが、このような試験信号は、たとえば前述のような潜伏演出の実行により高確率状態であるか否かが示されない等の演出上の制限とは関係なく、実際の制御状態(内部制御状態)に関する信号が出力される。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態では、権利発生状態において所定期間にわたり特定ゲート33に遊技球が進入しないときに、省電力制御状態に移行させる処理を行なう例を説明する。
図40は、第2実施形態による省電力制御状態の一例を示す演出表示装置9の周辺の拡大図である。図40を参照して、省電力制御状態を省電力モードとし、省電力制御状態ではない状態を通常モードとしたときに、権利発生状態において所定期間にわたり特定ゲート33に遊技球が進入しないときには、図40(A)に示すような通常モードから図40(B)に示すような省電力モードに制御される。
図40(B)に示す省電力モードでは、図40(A)に示す通常モードと比べて、演出表示装置9のような画像表示装置の画像の明るさを減少させる処理が行なわれる。たとえば、演出表示装置9のような液晶表示式の表示装置であれば、液晶のバックライトの明るさを減少させるか、または、液晶のバックライトを消す処理が行なわれる。また、図40(B)に示す省電力モードでは、図40(A)に示す通常モードと比べて、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのような発光装置の明るさを減少させる処理が行なわれる。たとえば、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのような7セグメントLEDの場合は、LEDの発光を停止する処理が行なわれる。
このような省電力モードへの移行制御は、次のように行なえばよい。たとえば、図16のS134において権利発生フラグがセットされたときに、無検出期間計測カウンタに、所定期間(たとえば、5分間)に相当するカウント値をセットする処理を行なう。そして、その後、S136で特定ゲートスイッチ33aが検出状態でないと判断されるごとに、無検出期間計測カウンタのカウント値を−1ずつ減算する処理を行ない、無検出期間計測カウンタのカウント値が「0」になったか否かを判断する処理を行なう。そして、無検出期間計測カウンタのカウント値が「0」になったときに、前述したような省電力モードを実行する処理を行なう。
省電力モードを実行する処理においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560が制御する第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8b等の各種発光手段の消費電力を制限した前述のような制御を遊技制御用マイクロコンピュータ560が直接的に実行する。そして、演算制御用マイクロコンピュータ100が制御する演算表示装置9、および、装飾LED25等の発光手段の消費電力を制限した前述のような制御を実行させることを指令するコマンドを、遊技制御用マイクロコンピュータ560が演算制御用マイクロコンピュータ100に送信する。このようなコマンドを受信したことに応じて、演算制御用マイクロコンピュータ100が、演算表示装置9、および、装飾LED25等の発光手段の消費電力を制限した前述のような制御を実行させる。
また、省電力モードに移行した後の通常モードへの復帰(省電力モードの解除)は、省電力モードにおいて、特定ゲートスイッチ33aにより特定ゲート33への遊技球の進入が検出されたときに実行すればよい。なお、打球発射装置のタッチセンサ回路からの信号を制御基板において監視するようにし、省電力モードにおいて、遊技者が打球操作ハンドル5に触れていることがタッチセンサにより検出されたときに、通常モードへ復帰させる制御を行なうようにしてもよい。
なお、省電力モードにおいて消費電力を制限する制御としては、ランプ等の全発光体の消灯、ランプ等の全発光体のうちの一部発光体の消灯、表示装置の消灯、表示装置の表示の明るさ調整(明るさの段階的減少)、表示装置の輝度調整(輝度の段階的減少)、液晶表示装置における文字のみ表示、液晶表示装置のバックライト消灯、および、液晶表示装置のバックライトの明るさ調節(明るさの段階的減少)等、無駄な消費電力を低減できる制御態様であれば、これのいずれか1つまたはいずれか複数の組合せにより行なうようにすればよい。また、パチンコ遊技機1が、モータ、および、ソレノイド等の駆動手段を備える場合には、該当駆動手段の動作の停止、動作量の減少、または、動作頻度の減少等により無駄な消費電力を低減するようにしてもよい。
このような第2実施形態によれば、権利発生状態において、特定ゲート33に遊技球が進入しない期間が所定期間以上となったときに、消費電力を制限した省電力モードに移行させる制御が行なわれるので、無駄な電力の消費を低減することができる。特に、大当り表示結果が表示されて権利発生状態となっているときには、遊技球を発射しなければ権利が消滅し得ないので、休憩等のために遊技者が離席する状況も生じると考えられる。そして、大当り表示結果が表示されて権利発生状態となっているときには、表示装置および発光手段を用いた派手な演出が行なわれるが、遊技者が離席等により遊技を実行しない場合には、消費電力を制限した省電力モードに移行させる制御が行なわれることにより、より有効的に消費電力を低減することができる。なお、客待ちデモンストレーションの演出が行なわれている状態において、客待ちデモンストレーションの演出の実行期間が所定期間を超えたときに、省電力モードに移行させる制御が行なわれるようにしてもよい。また、通常モードから省電力モードへの移行、および、省電力モードから通常モードへの移行のそれぞれは、スイッチ、キーボード等の所定の操作手段を操作することにより、遊技者または遊技場側が自由に行なえるようにしてもよい。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態を説明する。第3実施形態では、変動表示の表示結果に基づいて権利発生状態となったときに打込むべき領域を特定する打込領域報知を行なう打込領域報知制御の一例を説明する。さらに、第3実施形態では、権利発生状態において新たな変動表示を実行可能とし、大当りとすることが決定された変動表示が行なわれるときに、大当り表示結果を表示せず、権利発生状態となったときの打込領域報知を実行しない制御を行なう例を合わせて説明する。
図41は、第3実施形態による打込領域報知制御の一例を示す演出表示装置9の表示画面図である。
第3実施形態の場合、図41(A)に示されるように、大当り表示結果(たとえば、「777」)が変動表示結果として表示された後、権利発生状態となり、「右打ち!!」というような、打込むべき領域を特定する打込領域報知を行なう打込領域報知制御が実行される。このような打込領域報知制御が実行されることにより、遊技者が、無駄な遊技球の消費を抑制することができ、かつ、遊技を有利に進行させることが容易になるようにすることができる。このような打込領域報知は、権利発生状態となったときに行なわれる報知であるため、大当り遊技状態の発生を示唆する報知でもある。
このような打込領域報知制御は、具体的に、次のように実現される。図38に示す演出制御プロセス処理のS803において、演出表示装置9で大当り表示結果を停止表示させた後、確変大当りまたは通常大当りの開始指定コマンドを受信するまでの間、「右打ち!!」という打込領域報知用の画像を表示させる制御を行なう。
また、このような打込領域報知を行なう場合において、S60,S71により大当りとする決定がされても、変動表示結果として大当り表示結果を表示せず(はずれ表示結果を表示する)に権利発生状態とし、当該権利発生状態において新たな変動表示を実行可能とするようにしてもよい。前述した第1実施形態では、図16に示されるように、S135で特定ゲートスイッチ33aがオンするまでは特別図柄プロセス処理において、特別図柄停止処理が繰返し実行されるので、権利発生状態において新たな変動表示が実行されない。この第3実施形態では、S135において、特定ゲートスイッチ33aがオンしていないと判断されたときに、現状の制御データを所定の記憶領域に記憶しておき、新たな変動表示を開始可能とするために、特別図柄プロセスを特別図柄通常処理(S300)に移行させる制御を行なう。そして、次の保留記憶データがあれば、当該保留記憶データに基づく変動表示を実行するための前述のような処理を実行する。これにより、権利発生状態において新たな変動表示を実行可能とすることができる。ただし、このように新たな変動表示を実行するときであっても、特別図柄プロセス処理における各プロセスにおいて、特定ゲートスイッチ33aがオンするか否かを監視し、特定ゲートスイッチ33aがオンしたときには、大当り遊技状態に移行させる制御が行なわれる。
そして、このような状況において変動表示を実行可能とするときには、演出制御用マイクロコンピュータ100において、遊技制御用マイクロコンピュータ560側での大当り判定において大当りとすることが決定されて大当りの表示結果を特定する表示結果2指定コマンドまたは表示結果3指定コマンドを受信したときであっても、図38のS801〜S803の処理において、はずれの表示結果を決定し、変動表示の表示結果としてはずれの表示結果を導出表示する制御が行なわれる。このようにすれば、権利発生状態において新たな変動表示を実行可能とするときに、大当り判定において大当りとすることが決定されたときであっても、図41(B)に示すように、演出表示装置9において、はずれ表示結果が導出表示されることで、大当り表示結果を導出表示することが制限される。なお、このような大当り表示結果の導出表示を制限するときには、演出図柄に限らず、第1特別図柄および第2特別図柄についても、大当り判定において大当りとすることが決定されたときであっても、はずれ表示結果が導出表示されるように制御してもよい。
そして、権利発生状態において新たな変動表示を実行可能とするときには、当該新たな変動表示については、大当り判定において大当りとすることが決定されたときであっても、図38に示す演出制御プロセス処理のS803において、前述の打込領域報知が実行されないようにする等、打込領域報知の実行を制限する処理を行なう。このような打込領域報知の実行を制限する処理としては、新たな変動表示を終了するときに、図16の特別図柄停止処理において、打込領域報知の実行を制限することを指令するコマンドを送信することで、このようなコマンドを受信した演出制御用マイクロコンピュータ100が、演出制御プロセス処理のS803において打込領域報知を実行しないように制御する。このようにすれば、権利発生状態において新たな変動表示を実行可能とするときに、大当り判定において大当りとすることが決定されたときであっても、図41(B)に示すように、演出表示装置9において、表示結果の導出表示後、打込領域報知が実行されない。
このような制御が行なわれる第3実施形態では、権利発生状態となった後、特定ゲート33に遊技球が進入するまでの特定期間中においても、演出表示装置9等における新たな変動表示を実行可能であり、新たな変動表示について大当りとする事前決定がされても、表示結果として大当り表示結果を表示せず、かつ、打込領域報知のような大当りの発生を示唆する報知が制限されるので、遊技者が発生を認識することができない大当りが貯まる状態が生じ得るため、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、権利発生状態となった後、特定ゲート33に遊技球が進入するまでの特定期間中において新たな変動表示を実行可能とするときにおいて、新たに大当りとする事前決定がされても、大当り表示結果が表示されず、かつ、大当りの発生を示唆する報知が行なわれない場合には、当該大当りについては、その後、所謂ストック抽選のように、報知されずに貯まった大当りを所定の抽選により放出する(存在していることを報知する)ような演出を演出表示装置9において実行するようにしてもよい。そのような演出をすれば、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
また、権利発生状態となった後、特定ゲート33に遊技球が進入するまでの特定期間中において新たな変動表示を実行するときには、前述したような打込領域報知の実行を制限する他に、次のような構成を採用してもよい。たとえば、特定ゲート33に関して、常時一定の割合で動作し続ける部材を特定ゲート33の入口に設けて遊技球の進入を30分間に1回だけ予め定められた期間許容する状態にする構成を採用するか、または、特定ゲート33の入口に遊技球の進入を制限する可動片を設けて、所定の抽選演出に当選したときにのみ、可動片を遊技球の進入を許容する状態に制御する構成を採用することで、遊技者が遊技状態の確認のために、特定ゲート33に遊技球を容易に通過させることができないようにしてもよい。このようにすれば、権利発生状態の変動表示により報知されずに貯まった大当りがあるか否かを遊技者が容易に確認できないようにすることができる。
なお、前述のように抽選に当選したときに、報知せずに貯まった大当りを放出する例としては、抽選に当選したときに、貯まった大当りのすべてを常に放出させる制御を行なうようにしてもよく、貯まった大当りの一部を放出させる制御を行なうようにしてもよい。また、これら第1段階の抽選演出を実行することにより、放出する大当りの数を放出する抽選を行なった後に、抽選により決められた数の大当りを放出するか否かの第2段階の抽選演出を行なうような2段階抽選演出を行なうようにしてもよい。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態を説明する。第4実施形態では、突確大当りと小当りとを設け、これらの大当り遊技状態において、複数種類設けられた共通の演出から選択した演出を実行する例を説明する。
突確大当りは、2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(高確低ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。突確大当りにおいては、確変状態が、次回の大当りが発生するまでという条件が成立するまでの期間継続する。
突確大当りは、前述の確変大当りおよび通常大当りよりもラウンド数が少なく(2回)、大入賞口の開放時間が極めて短い態様(0.5秒間開放)で大入賞口が開放されることにより、大当り遊技状態の終了後に確変状態となったことを報知する場合には、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せることが可能なものであり、「突然確変大当り」と呼ばれる。「突然確変大当り」は、「突確大当り」または「突確」という略称で呼ばれる場合もある。この実施形態では、2ラウンドの確変大当りを、「突確大当り」と呼ぶ。このような突確大当りは、大当り遊技状態において、0.5秒間の開放が2回しか行なわれないため、実質的に賞球が得られない当りである。なお、突確大当りとしては、確変大当りおよび通常大当りと同じラウンド数(15回)で、大入賞口の開放時間が極めて短い態様(0.5秒間開放)で大入賞口が開放されることにより大入賞口が開放されるものであってもよい。
小当りは、小当りとなったときの遊技状態(小当り遊技状態)において、突確大当りと同様の開放回数および開放時間で特別可変入賞球装置20を開放する当り(有利状態)である。小当りとなったときには、小当り遊技状態終了後に、大当り確率とベース状態とがともに、小当り遊技状態の開始前に対して変更されない。このように、小当りは、小当り遊技状態終了後に、小当り遊技状態の開始前における大当り確率およびベース状態のような遊技状態が維持される当りである。なお、この実施の形態において、小当りは、小当り遊技状態において、突確大当りと同一の開放回数および同一の開放時間で特別可変入賞球装置20を開放する当りである例を示すが、これに限らず、小当りとしては、特別可変入賞球装置20を開放態様が、突確大当りのときの開放態様と完全に一致するものでないが、突確大当りのときの開放態様と区別しにくいように見えるものであってもよい。つまり、小当りとしては、特別可変入賞球装置20を開放態様が、突確大当りと略同一の開放回数および略同一の開放時間で特別可変入賞球装置20を開放する当りであればよい。
突確大当りまたは小当りとすることが事前決定されたときには、演出表示装置9での変動表示結果として、チャンス目と呼ばれる共通の表示結果が導出表示される。チャンス目は、たとえば、「123」、「456」、または、「789」等のように、確変大当りおよび通常大当りのような15ラウンドの大当りの表示結果として用いられるゾロ目の表示結果とは異なる予め定められた表示結果である。
このように突確大当りまたは小当りとすることが事前決定されたときには、変動表示結果としてチャンス目が導出表示されたときに、権利発生状態となり、当該権利発生状態において、特定ゲート33に遊技球が進入したことが検出された後に、前述のような大入賞口の開放制御状態に移行する。
低確低ベース状態において突確大当りとすることが決定されると、当該突確大当りの大当り遊技状態の終了後においては、高確低ベース状態となるので、ベース状態が、低確低ベース状態において小当りとすることが決定されたときの小当り遊技状態終了後の状態と同じ低ベース状態となる。これにより、低確低ベース状態において、大入賞口が2回開放される当りが生じたときに、突確大当りであるのか、小当りであるのかを遊技者が識別しにくいようにすることが可能となり、遊技の面白味が向上する。
このように、突確大当りと、小当りとは、変動表示結果が共通であり、特別可変入賞球装置20開放回数および開放時間が同じであるので、突確大当りであるか小当りであるかを遊技者が認識しにくい。さらに、突確大当りは、大当り遊技状態の終了後に、時短状態に制御されず、電チューサポート制御が行なわれないので、小当り遊技状態の終了後に大当り確率とベースが変化しない小当りと比べると、低確低ベース状態において、突確大当りの大当り遊技状態の終了後と、小当り遊技状態の終了後とで遊技者が動作状況を区別しにくい。
これにより、突確大当りおよび小当りのそれぞれにおける権利発生状態において、確変状態となっていることを報知しない共通の演出が行なわれると、突確大当りと小当りとのどちらになるのかを遊技者が認識しにくい。したがって、遊技者の期待感を高めるために、第4実施形態では、突確大当りおよび小当りのそれぞれにおける権利発生状態において、確変状態となっていることを報知しない共通の演出が行なわれる例を説明する。
また、このような権利発生状態から大入賞口の開放制御状態に移行した後に、開放制御状態が終了するまでの期間において、確変状態となっていることを報知しない共通の演出が行なわれると、突確大当りと小当りとのどちらになるのかを遊技者が認識しにくい。したがって、遊技者の期待感を高めるために、第4実施形態では、突確大当りおよび小当りのそれぞれにおける権利発生状態から大入賞口の開放制御状態に移行した後に、開放制御状態が終了するまでの期間において、確変状態となっていることを報知しない共通の演出が行なわれる例を説明する。
さらに、突確大当りおよび小当りのそれぞれにおける大入賞口の開放制御状態の終了後において、確変状態となっていることを報知しない共通の演出が行なわれるときには、確変状態となっているか否かを遊技者が認識しにくい。したがって、遊技者の期待感を高めるために、第4実施形態では、突確大当りおよび小当りのそれぞれにおける権利発生状態から大入賞口の開放制御状態に移行した後に、開放制御状態が終了するまでの期間において、確変状態となっていることを報知しない共通の演出が行なわれる例を説明する。
突確大当りおよび小当りのそれぞれについて実行される前述のような共通演出は、確変状態が潜伏しているような状態であるので潜伏演出と呼ばれ、このような潜伏演出状態にする制御が潜伏演出制御と呼ばれる。
前述したような共通演出は、権利発生状態中と、大入賞口の開放制御状態中と、大入賞口の開放制御状態後とのすべての状態において実行するようにしてもよく、いずれか1つの状態において実行するようにしてもよく、いずれか2つの状態において実行するようにしてもよい。また、このような共通演出は、権利発生状態中、大入賞口の開放制御状態中、および、大入賞口の開放制御状態後の他の遊技状態を含むすべての遊技状態において実行するようにしてもよい。
また、前述したような共通演出は、権利発生状態中と、大入賞口の開放制御状態中と、大入賞口の開放制御状態終了後(突確大当りまたは小当りの終了後)とのそれぞれにおいて、異なる演出態様で実行するようにしてもよく、同じ演出態様で実行するようにしてもよい。また、権利発生状態中と、大入賞口の開放制御状態中と、大入賞口の開放制御状態後とのそれぞれにおいて、物語性が進行するような関連性がある演出を実行するようにしてもよい。
権利発生状態中に共通の演出を実行する場合には、このような共通の演出により、これから特定ゲート33への遊技球が進入すると、確変状態と非確変状態とのどちらの当りとなるかが特定不可能な潜伏演出制御が行なわれるので、権利発生状態中における遊技者の期待感を煽れるため、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
大入賞口の開放制御状態中に共通の演出を実行する場合には、このような共通の演出により、大入賞口の開放動作が確変状態となる突確大当りと、非確変状態となる小当りとのどちらの当りであるが特定不可能な潜伏演出制御が行なわれるので、大入賞口の開放制御状態中における遊技者の期待感を煽れるため、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
突確大当りまたは小当りの終了後に、共通の演出を実行する場合には、このような共通の演出により、確変状態と非確変状態とのどちらであるかが特定不可能な潜伏演出制御が行なわれるので、これから変動表示が行なわれていく遊技状態が確変状態であるか否かを煽れるため、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
第4実施形態によるパチンコ遊技機1においては、図12の特別図柄プロセス処理において小当りを実行するためのプロセス処理を設けておく。また、図15の特別図柄通常処理において、S72,S73により選択される大当り種別として、突確大当りを含めておき、突確大当りを選択可能とする。また、S60において大当り判定値とならないと判定されたときに、小当りとするか否かを判定する処理を行ない、小当りとすることが決定されれば、小当りとする決定がされたことを示すデータを記憶しておく。
そして、突確大当りとすることが決定された場合には、図16の特別図柄停止処理のS141において、突確大当り用の開放態様をセットすることで、前述のような開放態様で、特別可変入賞球装置20を開放させる制御が行なわれる。これにより、突確大当りの場合も、その他の大当り種別と同様に、権利発生状態において、特定ゲートに遊技球が進入したことに基づいて、大入賞口の開放制御が開始されることとなる。
また、小当りとすることが決定された場合には、図16の特別図柄停止処理のS149の処理の前に、小当りとする決定がされたことを示すデータが記憶されているか否かを判定し、小当りとする決定がされていたときには、S149に進まずに、特定ゲートスイッチ33aが遊技球を検出するまで待つ処理を行ない、特定ゲートスイッチ33aが遊技球を検出したときに、小当りを実行するためのプロセス処理に移行させる。これにより、小当りの場合も、その他の突確大当りと同様に、権利発生状態において、特定ゲートに遊技球が進入したことに基づいて、大入賞口の開放制御が開始されることとなる。
権利発生状態中に共通の演出を実行する場合には、大入賞口の開放制御状態中に共通の演出を実行する場合は、変動表示終了後突確大当りによる権利発生状態時に遊技制御用マイクロコンピュータ560から出力される突確大当り開始指定コマンド、または、変動表示終了後小当りによる権利発生状態時に遊技制御用マイクロコンピュータ560から出力される小当り開始指定コマンドを受信したときに、図38の大当り表示処理(S804)により共通の演出をする処理を実行すればよい。
大入賞口の開放制御状態中に共通の演出を実行する場合は、演出制御用マイクロコンピュータ100が、前述した確変大当り開始指定コマンドまたは小当り開始指定コマンドを受信し、かつ、その後に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から出力される大入賞口開放中指定コマンドを受信したときに、図38のラウンド中処理(S805)により共通の演出をする処理を実行すればよい。
突確大当りまたは小当りの終了後に、共通の演出を実行する場合は、演出制御用マイクロコンピュータ100が、突確大当りの終了時に遊技制御用マイクロコンピュータ560から出力される突確大当り終了指定コマンド、または、小当りの終了時に遊技制御用マイクロコンピュータ560から出力される小当り終了指定コマンドを受信したときに、図38の変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)により共通の演出をする処理を実行すればよい。
前述したように、第4実施形態によるパチンコ遊技機1においては、演出制御用マイクロコンピュータ100において、遊技動作では識別し難い突確大当りと小当りとのそれぞれについて、確変状態となっていることを報知しない共通の演出を行なう潜伏演出制御が行なわれる。このような潜伏演出制御が行なわれることにより、遊技者に対して確変状態であるか否かについての期待感を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、前述した第1実施形態は、確変大当りと通常大当りとで、特定ゲート33への遊技球の進入が検出されてから大入賞口が開放開始されるまでの時間を同じとするものであるが、これに限らず、突確大当りと小当りとで、このような時間をわずかに異ならせるようにしてもよい。このようにすれば、突確大当りと小当りとで大入賞口が開放開始されるまでの時間が微妙に異なることにより、当該時間の相違に基づいて、遊技の興趣を向上させることができる。
図42は、第4実施形態による潜伏演出が行なわれるときの演出表示装置9の表示画像の一例を示す表示画面図である。図42においては、演出図柄の表示が省略されている。
この実施の形態において、潜伏演出の演出モードには、低率潜伏演出と、高率潜伏演出との複数種類の演出モードが含まれている。低率潜伏演出は、潜伏演出の中で確変状態の確率が低い演出モードである。高率潜伏演出は、潜伏演出の中で確変状態の確率が高い演出モードである。潜伏演出が行なわれる場合において、実際の遊技状態が確変状態であるときには、高率潜伏演出>低率潜伏演出というような割合で、潜伏演出が選択される。一方、潜伏演出が行なわれる場合において、実際の遊技状態が非確変状態であるときには、低率潜伏演出>高率潜伏演出というような割合で、潜伏演出が選択される。これにより、低率潜伏演出実行時よりも高率潜伏演出実行時の方が確変状態の確率が高くなる。
高率潜伏演出の演出モードのときには、図42(A)に示すように、演出図柄の背景画像として、山を示す背景画像である高率潜伏演出(第1潜伏演出)の背景画像が表示される。低率潜伏演出の演出モードのときには、図42(B)に示すように、演出図柄の背景画像として、都市を示す背景画像である低率潜伏演出(第2潜伏演出)の背景画像が表示される。
このように潜伏演出の演出モードごとに背景画像が異なることにより、遊技者は、背景画像に基づいて、演出モードの種類を認識することができる。したがって、潜伏演出が行なわれるときには、遊技者が表示に基づいて演出モードを識別することにより、確変状態が潜伏する割合が高いか低いかを遊技者が認識することができる。これにより、前述したように。潜伏演出が実行される時期に応じて、遊技の興趣を向上させることができる。なお、このような潜伏演出が実行されるときには、所定のタイミングで、確変状態への期待度を示す演出(たとえば、期待度に応じて異なる種類のキャラクタを表示する演出等)を実行するようにしてもよい。このような演出を実行するタイミングとしては、演出図柄の変動表示の停止時から特定ゲート通過時までの間、大入賞口の開放中、および、大入賞口の開放後のいずれか1つタイミングであってもよく、また、これらのうちいずれかの組合せによる複数のタイミングであってもよい。
なお、前述した実施形態においては、変動表示中において、ステップアップ予告を、第1のタイミングと、その後の第2のタイミングとのそれぞれにおいて、複数段階で実行してもよい。ここで、ステップアップ予告とは、1の始動入賞に対して実行される図柄の変動表示中に実行される予告の1種であり、特に予告の態様(表示、音、ランプ、可動物等)が複数段階に変化(ステップアップ)するような予告を指す。
ステップアップ予告においては、変化する回数(ステップ数)が多い程、信頼度が高くなる。予告の対象となるのは、大当りまたはリーチとなる旨を予告するものが多いが、確変大当り、特定のリーチ、確変への昇格を予告する対象も変化するものであってもよい。たとえば、ステップ3までいくと「リーチ確定」、ステップ4までいくと「スーパーリーチ確定」、ステップ5まで行くと「大当り確定」となるようなものでもよい。予告の態様の変化(ステップアップ)とは、異なるキャラクタが順番に登場するようなものでもよく、1のキャラクタの形状または色等が変化することで、ステップアップするようなものでもよい。つまり、遊技者から見て予告する手段(表示、音、ランプ、可動物等)の状態が段階的に変化したと認識可能なものであれば、上記例に限らずステップアップ予告であるといえる。
前述のように第1のタイミングと、その後の第2のタイミングとのそれぞれにおいて、ステップアップ予告をする場合には、第2のタイミングにおいて、第1のタイミングで実行されたステップアップ予告の信頼度を基準として、第1のタイミングで実行されたステップアップ予告の信頼度よりも低い信頼度の予告が実行されないように、ステップアップ予告の予告内容を複数種類設けられたステップアップ予告種類のうちから選択決定して実行する。
なお、変動表示中において、ステップアップ予告を、第1のタイミングと、その後の第2のタイミングとのそれぞれにおいて、複数段階で実行する代わりに、ステップアップ予告、ボタン予告、および、群予告のような実行するタイミングが異なる予告演出を複数のタイミング(たとえば、ボタン予告を実行した後にステップアップ予告を実行する等の複数のタイミング)で実行するようにしてもよい。ここで、群予告とは、所定のキャラクタ画像の群を表示することにより予告をする予告演出をいう。群予告としては、たとえば、大当りとなる信頼度に応じて複数種類の群キャラクタ(群を構成するキャラクタ)を設けることにより、複数の予告パターンが設けられている。ボタン予告とは、所定の操作手段が操作されたことに応じて、大当りとなる信頼度に応じて異なる複数種類の予告画像を表示する演出をいう。このように、実行するタイミングが異なる予告演出を複数のタイミングで実行するときには、実行するタイミングが後の予告のものが、実行するタイミングが先の予告のものよりも信頼度が低い予告を実行しないように予告演出を制限する制御を行なえばよい。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図7のS6〜S8,S44,S45に示されるように、電源断状態となる前にバックアップ記憶された制御データに基づいて、電源断状態となる前に権利発生状態であったときには、パチンコ遊技機1の起動時において権利発生報知が行なわれるので、当該報知に基づいて、電源断状態前に権利発生状態であったことを知ることができる。これにより、電源投入時に遊技状態が復旧されたときに、開放制御状態への移行に関連する制御状態に関して、その復旧された制御状態を正確に把握できるようにすることができる。
(2) 図7のS46,S47に示すように、電源断状態となる前に確変状態(高確高ベース状態)であったときには、パチンコ遊技機1の起動時において高確率報知が行なわれるので、当該報知に基づいて、電源断状態となる前に確変状態(高確高ベース状態)であったことを知ることができる。したがって、電源投入時に遊技状態が復旧されたときに、その復旧された制御状態をより一層正確に把握できるようにすることができる。
(3) 図23のS5111,S5113,S5118、図26のS52301,S52304、図8のS29、図24のS5120〜S5122、図28のS252、図29のS261〜S263、図30のS2007,S2008,S2012〜S2018、図28のS256,S257に示すように、賞球個数コマンドを出力する条件が成立したというような賞球の払出条件が成立したときに、所定数分(10個)の賞球を払出すための払出条件が成立したことを示す入賞信号がパチンコ遊技機1の外部に出力される制御が行なわれる。これにより、パチンコ遊技機1の外部において、賞球が実際に払出される時期まで待たずに、払出条件が成立した時期に入賞信号を受けることが可能となるため、どのような遊技状態で賞球の払出しが行なわれたかをパチンコ遊技機1の外部で正確に認識することができる。
(4) 図20に示されるように、権利発生状態となったときに、遊技球が特定ゲート33に進入したときには、大当りの種類に関わらず、同じ時間Tが経過した後に、大入賞口の開放が開始されることととなる。したがって、大当りの種類によらず、特定領域に遊技媒体が進入してから一定時間経過後に大入賞口の開放が開始されるので、大入賞口の開放開始契機が明確になるため、遊技内容に関する知識に差がある遊技者間での公平性を担保することができる。
(5) 図1に示すように、遊技領域7における複数の領域(左領域7a、右領域7b)のうちの特別可変入賞装置20が設けられた領域に、特定ゲート33が設けられている。そして、打球操作ハンドル5の操作量に応じて打球発射装置の発射強度を変更することで、右打ちまたは左打ちする等、遊技者の選択により遊技球を打込む領域が変更できるので、遊技者が大入賞口の開放制御状態を開始させる意思を持ったときに開放制御状態を開始させることができるようになり、遊技者の意に反した時期に開放制御状態が開始されてしまうことを防ぐことができる。
(6) 第2実施形態に示したように、権利発生状態において、特定ゲート33に遊技球が進入しない期間が所定期間以上となったときに、消費電力を制限した省電力モードに移行させる制御が行なわれるので、無駄な電力の消費を低減することができる。
(7) 第3実施形態に示したように、権利発生状態となった後、特定ゲート33に遊技球が進入するまでの特定期間中においても、演出表示装置9等における新たな変動表示を実行可能であり、新たな変動表示について大当りとする事前決定がされても、表示結果として大当り表示結果を表示せず、かつ、打込領域報知のような大当りの発生を示唆する報知が制限されるので、遊技者が発生を認識することができない大当りが貯まる状態が生じ得るため、遊技の興趣を向上させることができる。
(8) 第4実施形態に示したように、権利発生状態中に共通の演出を実行する場合には、このような共通の演出により、これから特定ゲート33への遊技球が進入すると、確変状態と非確変状態とのどちらの当りとなるかが特定不可能な潜伏演出制御が行なわれるので、権利発生状態中における遊技者の期待感を煽れるため、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
(9) 大当り表示結果が導出表示されて図16のS134で権利発生状態となったときから、図31のS271,S275により、右打ち信号が出力される。このような制御が行なわれることにより、図3に示したようなコネクタ搭載部311に試験信号コネクタ310が搭載されたときに、パチンコ遊技機1外部の試験装置またはホール管理コンピュータ等の外部装置へ向けて試験信号を出力することが可能となる構成において、特定ゲート33に遊技球が進入したことに基づいて大入賞口の開放制御状態に制御されることの条件となる権利発生状態が成立したことに基づいて、特定ゲート33に遊技球が進入する前のタイミングから、特別可変入賞装置20が設けられた右領域7bに遊技球を打込むことを特定する右打ち信号が作成されるので、遊技の進行させ方を、簡素なものとすることができ、遊技の進行状況に対応するとともに、遊技の進行させ方を容易にすることができる。さらに、試験時における遊技の進行させ方を、簡素なものとすることができ、遊技の進行状況に対応するとともに、遊技の進行させ方を容易にする信号を試験信号として出力することができる。
(10) 高確高ベース状態であるときは、図31のS273,S275により、右打ち信号が出力される。このような制御が行なわれることにより、図3に示したようなコネクタ搭載部311に試験信号コネクタ310が搭載されたときに、パチンコ遊技機1外部の試験装置またはホール管理コンピュータ等の外部装置へ向けて試験信号を出力することが可能となる構成において、大当り遊技状態の終了後に、高ベース状態に制御されているときに、特別可変入賞装置20が設けられた右領域7bに遊技球を打込むことを特定する右打ち信号が作成されるので、高ベース状態に制御されているかどうかの遊技の進行状況に対応するとともに、遊技を迅速に進行させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、2つの特別図柄表示器である第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bを設け、2つの特別図柄を変動表示する例を示した。しかし、これに限らず、2つの特別図柄表示器の代わりに、1つの特別図柄表示器を設け、1つの特別図柄を変動表示させる構成を採用してもよい。このような構成を採用する場合には、特別図柄表示器における特別図柄の変動表示が、第1始動入賞口13の入賞、および、第2始動入賞口14への入賞のそれぞれに応じて実行されるようにすればよい。つまり、第1始動入賞口13の入賞に基づいて第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄を実行させるための各種制御と、第2始動入賞口14の入賞に基づいて第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄を実行させるための各種制御とをそれぞれ、1つの特別図柄表示器における特別図柄の変動表示について適用すればよい。
(2) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(3) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
(4) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点等を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(5) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
前述した実施の形態では、複数種類の大当り種別のすべてについて、権利発生状態において特定ゲート33に遊技球が進入したことに基づいて、大入賞口の開放制御状態に制御される例を示した。しかし、複数種類の大当り種別の一部について、特定ゲート33に遊技球が進入しないでも、大入賞口の開放制御状態に制御されるようにしてもよい。つまり、変動表示において大当り表示結果が表示されたときに、そのまま大入賞口の開放制御状態に制御されるようにしてもよい。たとえば、前述した通常大当りおよび確変大当りに加えて、突確大当りの種別を加えた場合において、突確大当りについては、変動表示において大当り表示結果が表示されたときに、そのまま大入賞口の開放制御状態に制御されるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、大当りとなったときの開放制御状態として、複数回のラウンドにおいて大入賞口を開放する制御を行なう例を示した。しかし、これに限らず、大当りとなったときの開放制御状態としては、たとえば、1回だけ大入賞口を開放して、大入賞口に入賞した遊技球を計数し、所定個数(たとえば、2000発)の遊技球が大入賞口に入賞したときに、大入賞口開放状態を終了させる制御を行なうようにしてもよい。
(6) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
7 遊技領域、33 特定ゲート、1 パチンコ遊技機、560 遊技制御用マイクロコンピュータ、55 RAM。

Claims (1)

  1. 所定条件が成立した後、遊技媒体が打込まれる遊技領域に設けられた特定領域に遊技媒体が進入したことに基づいて、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって、
    前記遊技領域は、遊技者の選択により遊技媒体を打込む領域が変更可能となる複数の領域を含み、
    前記遊技領域における前記複数の領域のうちのいずれかに設けられ、遊技媒体が入賞可能な第1の状態と該第1の状態よりも遊技媒体が入賞しにくいまたは入賞しない第2の状態とに変化可能であり、前記特定遊技状態に制御されたときに当該第1の状態に複数回、制御される可変入賞装置を備え、
    前記特定領域は、前記遊技領域における前記複数の領域のうちの前記可変入賞装置が設けられた領域に設けられ、
    遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
    前記遊技機の電源断時に、前記遊技制御手段による制御状態を特定する制御データをバックアップ記憶するバックアップ記憶手段と、
    前記遊技機の電源投入時に、前記バックアップ記憶手段に記憶された制御データに基づいて、前記遊技制御手段の制御状態を復旧する制御状態復旧手段と、
    該制御状態復旧手段により前記遊技制御手段の制御状態が復旧されたときに、前記所定条件が成立している制御状態であるときは、前記所定条件が成立している旨を報知する条件成立報知手段と
    前記遊技領域における前記複数の領域のいずれに遊技媒体を打込むべきかを特定する打込領域特定信号を作成する信号作成手段とを備え
    前記信号作成手段は、前記所定条件が成立したことに基づいて、前記特定領域に遊技媒体が進入する前のタイミングから、前記可変入賞装置が設けられた領域に遊技媒体を打込むことを特定する前記打込領域特定信号を作成する、遊技機。
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