以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8a及び第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。なお、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。なお、この実施の形態では、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13及び第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられていてもよい。可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したりして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。例えば、後述するタイマ割込処理の表示制御処理(S22)において表示制御を行う処理が実行されることによって実現される。第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられている。この実施の形態では、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とに対応する保留表示が第1始動入賞口13及び第2始動入賞口14への入賞順に並べて表示される。なお、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示されるようにしてもよい(例えば、第1保留記憶は赤色で表示され、第2保留記憶は青色で表示されるようにしてもよい)。また、合算保留記憶表示部18cに代えて、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とを設けるように構成してもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、及び第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点及び終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、第1特別可変入賞球装置20aが設けられている。第1特別可変入賞球装置20aは開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21aによって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる第1大入賞口が開放状態になる。第1大入賞口に入賞した遊技球は第1カウントスイッチ23aで検出される。また、第1特別可変入賞球装置20aの下方には、第2特別可変入賞球装置20bが設けられている。第2特別可変入賞球装置20bは開閉板を備え、特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21bによって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる第2大入賞口が開放状態になる。第2大入賞口に入賞した遊技球は第2カウントスイッチ23bで検出される。この実施の形態では、特定遊技状態(大当り遊技状態)において、第1大入賞口と第2大入賞口とが交互に開放状態になるように制御される。例えば、特定遊技状態において大入賞口を15回(15ラウンド)開放するときには、第1ラウンドとして、第1大入賞口が開放状態に制御され、入賞数が所定個に達すると(または所定の開放時間(例えば29秒)が経過すると)第1大入賞口が閉状態に制御されるとともに、第2ラウンドとして、第2大入賞口が開放状態に制御される。以下、第1特別可変入賞球装置20aと第2特別可変入賞球装置20bとを特別可変入賞球装置と総称することがあり、第1大入賞口と第2大入賞口とを大入賞口と総称することがある。
例えば、大入賞口が1つだけ設けられ、特定遊技状態(大当り遊技状態)においてその大入賞口が所定回数開放状態に制御される構成であれば、大入賞口に向かう遊技球は、大入賞口に達したときにラウンドが終了して大入賞口が閉状態に制御されると、そのままアウト口26に取り込まれることになる。これに対して、2つの大入賞口が上下に位置するように設けられ、特定遊技状態(大当り遊技状態)において交互に開放状態に制御される構成であれば、第1大入賞口に向かう遊技球は、第1大入賞口に達したときに第1ラウンドが終了して第1大入賞口が閉状態に制御されても、直下に設けられた第2大入賞口が第2ラウンドとして開放状態に制御されるため、第2大入賞口に入賞する可能性がある。このように構成することで、特定遊技状態(大当り遊技状態)のラウンド間に大入賞口に入賞せずアウト口26に取り込まれる遊技球の数を少なくすることができる。なお、この実施の形態では、第2特別可変入賞球装置20bは、第1特別可変入賞球装置20aの直下に設けられているが、これに限らず、第1特別可変入賞球装置20aに向かう遊技球が、第1特別可変入賞球装置20aが閉状態になったときに入賞しやすい位置に設けられていればよく、例えば、第1特別可変入賞球装置20a周辺の釘配列によって遊技球が導かれやすい位置に設けられていてもよい。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」及び「×」)を可変表示する。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(例えば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示器を1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなる(つまり、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、この実施の形態では、時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)においても、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当りとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。また、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態及び特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態及び特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部及び外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28b及び右枠LED28cが設けられている。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28b及び右枠LED28c及び装飾用LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。また、右枠LED28cの近傍には、払出動作停止中に未払い出しの遊技球が所定数を超えたときに点灯する第1異常報知LED19aが設けられている。また、余剰球受皿4には、余剰球受皿4に所定量以上の遊技球が貯留された状態である満タン状態となったときに点灯する第2異常報知LED19bが設けられている。なお、図1では、図示を省略しているが、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、カードユニットという。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄及び演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄及び演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図2を参照して説明する。図2は、遊技機を裏面から見た背面図である。図2に示すように、パチンコ遊技機1裏面側では、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100が搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声出力基板70、ランプドライバ基板35及び球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。なお、遊技制御基板31は基板収納ケース200に収納されている。さらに、パチンコ遊技機1裏面側には、DC30V、DC21V、DC12V及びDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板910やタッチセンサ基板91が設けられている。電源基板910には、パチンコ遊技機1における遊技制御基板31及び各電気部品制御基板(演出制御基板80及び払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチ、遊技制御基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55をクリアするためのクリアスイッチが設けられている。さらに、電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。なお、この実施の形態では、主基板31は遊技盤側に設けられ、払出制御基板37は遊技枠側に設けられている。このような構成であっても、後述するように、主基板31と払出制御基板37との間の通信をシリアル通信で行うことによって、遊技盤を交換する際の配線の取り回しを容易にしている。
なお、各制御基板には、制御用マイクロコンピュータを含む制御手段が搭載されている。制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、演出表示装置9、ランプやLEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、制御基板に搭載される制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。なお、球払出装置97は、遊技球を誘導する通路とステッピングモータ等により駆動されるスプロケット等によって誘導された遊技球を上皿や下皿に払い出すための装置であって、払い出された賞球や貸し球をカウントする払出個数カウントスイッチ等もユニットの一部として構成されている。なお、払出検出手段は、払出個数カウントスイッチ301によって実現され、球払出装置97から実際に賞球や貸し球が払い出されたことを検出する機能を備える。この場合、払出個数カウントスイッチ301は、賞球や貸し球の払い出しを1球検出するごとに検出信号を出力する。
パチンコ遊技機1裏面において、上方には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、例えば、遊技枠が開放状態であることを示すドア開放信号を外部出力するためのドア開放信号用端子や、賞球の払出を10個検出するごとに出力される賞球情報を外部出力するための賞球情報用端子などが設けられている。貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レール(図示せず)を通り、カーブ樋を経て払出ケース40Aで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ187が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチ187は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レールにおける上流部分(貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
入賞に基づく景品としての遊技球や球貸し要求に基づく遊技球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球誘導通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示せず)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチを押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。この実施の形態では、満タンスイッチがオン状態となると、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するが、打球発射装置の駆動は停止されない(すなわち、遊技球の発射は可能である)。なお、満タンスイッチがオン状態となると(または後述する各種エラーのいずれかもしくは複数が発生すると)、球払出装置の動作を停止するとともに打球発射装置の駆動も停止するようにしてもよい。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成例を示すブロック図である。なお、図3には払出制御基板37及び演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56及びI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54及びRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらにハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能及び上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、及び数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄及び演出図柄の変動開始時にランダムRに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23a及び第2カウントスイッチ23bからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、第1大入賞口を形成する第1特別可変入賞球装置20aを開閉するソレノイド21a及び第2大入賞口を形成する第2特別可変入賞球装置20bを開閉するソレノイド21bを遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。また、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
図4は、払出制御基板37及び球払出装置97などの払出に関連する構成要素を示すブロック図である。図4に示すように、払出制御基板37には、払出制御用CPU371を含む払出制御用マイクロコンピュータ370が搭載されている。この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、1チップマイクロコンピュータであり、少なくともRAMが内蔵されている。払出制御用マイクロコンピュータ370、RAM(図示せず)、払出制御用プログラムを格納したROM(図示せず)及びI/Oポート等は、払出制御手段を構成する。すなわち、払出制御手段は、払出制御用CPU371、RAM及びROMを有する払出制御用マイクロコンピュータ370と、I/Oポートとで実現される。また、I/Oポートは、払出制御用マイクロコンピュータ370に内蔵されていてもよい。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560と異なり、払出制御用マイクロコンピュータ370が内蔵するRAMは、バックアップ電源による電源バックアップを受けていないため、遊技機に対する電力供給が停止してしまうと、払出制御用マイクロコンピュータ370が内蔵するRAMの記憶内容は失われることになるが、遊技制御用マイクロコンピュータ560と同様に電源バックアップを受け、記憶内容が失われないように構成されていてもよい。
払出制御用マイクロコンピュータ370は、所定の払出条件が成立したことに基づいて遊技球を払い出す制御を行う。なお、払出条件は、遊技領域に設けられた入賞領域(第1大入賞口、第2大入賞口、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14)に遊技球が入賞したことや、貸し球要求がなされたことによって成立する。また、例えば、パロット機やスロットマシンなどの遊技機に適用する場合には、払出条件は、遊技球やメダルの返却要求がなされたことや、図柄の停止図柄が所定の入賞図柄となったことによって成立する。
球切れスイッチ187、満タンスイッチ48及び払出個数カウントスイッチ301からの検出信号は、中継基板72を介して払出制御基板37のI/Oポート372fに入力される。なお、払出個数カウントスイッチ301からの検出信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370に入力されたあと、I/Oポート372a及び出力回路373Bを介して主基板31に出力される。また、払出モータ位置センサ295からの検出信号は、中継基板72を介して払出制御基板37のI/Oポート372eに入力される。払出モータ位置センサ295は、払出モータ289の回転位置を検出するための発光素子(LED)と受光素子とによるセンサであり、遊技球が詰まったこと、いわゆる球噛みを検出するために用いられる。払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370は、球切れスイッチ187からの検出信号が球切れ状態を示していたり、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していると、球払出処理を停止する。
払出制御用マイクロコンピュータ370には、遊技制御用マイクロコンピュータ560とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路380が内蔵されている。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370とは、シリアル通信回路505,380を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間でコマンドをやり取り(送受信)している。例えば入賞が発生した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払い出す賞球個数を示すデータを賞球個数コマンドの下位4ビットに設定し、設定した賞球個数コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ370に送信する。また、払出制御用マイクロコンピュータ370は、所定のエラー(満タン、未払出個数異常、球切れ、払出個数異常などのエラー)が発生した場合には、エラーの内容を示すデータを、払出エラーコマンドの下位4ビットを異ならせることにより設定し、設定した払出エラーコマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。
また、払出制御用マイクロコンピュータ370は、出力ポート372cを介して、7セグメントLEDによるエラー表示用LED374にエラー信号を出力する。なお、払出制御基板37の入力ポート372fには、エラー状態を解除するためのエラー解除スイッチ375からの検出信号が入力される。エラー解除スイッチ375は、ソフトウェアリセットによってエラー状態を解除するために用いられる。さらに、払出制御用マイクロコンピュータ370からの払出モータ289への駆動信号は、出力ポート372a及び中継基板72を介して球払出装置97の払出機構部分における払出モータ289に伝えられる。なお、出力ポート372aの外側に、ドライバ回路(モータ駆動回路)が設置されているが、図4では記載省略されている。
遊技機に隣接して設置されているカードユニット50には、カードユニット制御用マイクロコンピュータが搭載されている。また、カードユニット50には、使用可表示ランプ、連結台方向表示器、カード投入表示ランプ及びカード挿入口が設けられている。インタフェース基板(中継基板)66には、打球供給皿3の近傍に設けられている度数表示LED60、球貸し可LED61、球貸しスイッチ62及び返却スイッチ63が接続される。インタフェース基板66からカードユニット50には、遊技者の操作に応じて、球貸しスイッチ62が操作されたことを示す球貸しスイッチ信号及び返却スイッチ63が操作されたことを示す返却スイッチ信号が与えられる。また、カードユニット50からインタフェース基板66には、プリペイドカードの残高を示すカード残高表示信号及び球貸し可表示信号が与えられる。カードユニット50と払出制御基板37の間では、接続信号(VL信号)、ユニット操作信号(BRDY信号)、球貸し要求信号(BRQ信号)、球貸し完了信号(EXS信号)及びパチンコ機動作信号(PRDY信号)が入力ポート372f及び出力ポート372dを介して送受信される。カードユニット50と払出制御基板37の間には、インタフェース基板66が介在している。よって、接続信号(VL信号)等の信号は、図4に示すように、インタフェース基板66を介してカードユニット50と払出制御基板37の間で送受信されることになる。
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370は、カードユニット50にPRDY信号を出力する。また、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、電源が投入されると、VL信号を出力する。払出制御用マイクロコンピュータ370は、VL信号の入力状態によってカードユニット50の接続状態/未接続状態を判定する。カードユニット50においてカードが受け付けられ、球貸しスイッチが操作され球貸しスイッチ信号が入力されると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37にBRDY信号を出力する。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37にBRQ信号を出力する。そして、払出制御用マイクロコンピュータ370は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち上げ、カードユニット50からのBRQ信号の立ち下がりを検出すると、払出モータ289を駆動し、所定個の貸し球を遊技者に払い出す。そして、払出が完了したら、払出制御用マイクロコンピュータ370は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち下げる。その後、カードユニット50からのBRDY信号がオン状態でないことを条件に、遊技制御手段から払出指令信号を受けると賞球払出制御を実行する。
図5は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35及び音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図5に示す例では、ランプドライバ基板35及び音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35及び音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101及びRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102及び入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAMは、その一部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、演出制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAMの一部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンド及び演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図5には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンド及び演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図3に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c、第1異常報知LED19a、第2異常報知LED19bなどの枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図6は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、S1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、最初に初期設定を行う。初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)及びPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(S4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(S6)。オンの状態である場合には、CPU56は、通常の初期化処理(S10〜S15)を実行する。オンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(S8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41及びS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(S43)。そして、S13aに移行する。この実施の形態では、CPU56は、S43の処理において、バックアップRAMに保存されていた合算保留記憶数カウンタの値を設定した合算保留記憶数指定コマンドも演出制御基板80に対して送信する。なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(S10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。S11及びS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(S13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。そして、S15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)及び初期値用乱数更新処理(S18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理及び初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理及び初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置や球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図7に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23a及び第2カウントスイッチ23bの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b及び普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。次に、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:S23)。また、初期値用乱数及び表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
また、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b及び大入賞口(第1大入賞口及び第2大入賞口)を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。次いで、普通図柄プロセス処理を行う(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23a及び第2カウントスイッチ23bの検出信号に基づく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23a及び第2カウントスイッチ23bのいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。また、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられている。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(S32)。さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(S33)。次いで、CPU56は、遊技機のエラー状態などを表示させるために遊技機のエラー状態などを示す情報が設定された枠状態表示指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する枠状態出力処理を実行する(S33a)。その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33a(S29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8b及び演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8b及び演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(本例では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(本例では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのため、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかを認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図8は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図8に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様がリーチ状態を伴わない場合に対応した変動パターンとして、短縮非リーチはずれ及び非リーチはずれが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様がリーチ状態を伴う場合に対応した変動パターンとして、ノーマルはずれ、擬似連1ノーマルはずれ、スーパーはずれ、擬似連2スーパーはずれ及び擬似連3スーパーはずれが用意されている。また、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連1ノーマルはずれを用いる場合には、再変動が1回行われ、擬似連2スーパーはずれを用いる場合には、再変動が2回行われ、擬似連3スーパーはずれを用いる場合には、再変動が3回行われる。再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。なお、再変動を行う際には、演出図柄の配列にはない擬似連時にのみ出現する擬似連専用図柄を仮停止させるようにしてもよい。また、図8に示す変動パターンのうち、短縮非リーチはずれは、非リーチはずれに対応して設けられた、非リーチはずれよりも変動時間が短い短縮用の変動パターンである。また、図8に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が通常大当りまたは確変大当りになる場合に対応した変動パターンとして、ノーマル当り、擬似連1当り、スーパー当り、擬似連2スーパー当り及び擬似連3スーパー当りが用意されている。また、図8に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が突然確変大当りまたは小当りになる場合に対応した変動パターンとして、特殊当りが用意されている。
なお、この実施の形態では、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々のテーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン判定テーブル)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合と時短状態である場合とで、変動時間が異なるように構成されているが(時短状態である場合には、変動時間が短い「短縮非リーチはずれ」が選択される割合が高い)、通常状態(または時短状態)であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間が異なるように構成してもよい。例えば、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。保留記憶数に応じて異なる変動パターン判定テーブルを用いるように構成するときには、例えば、表示結果がはずれであって、合算保留記憶数が3以上である場合に用いられる変動パターン判定テーブルは、合算保留記憶数が0〜2である場合に用いられる変動パターン判定テーブルと比較して、リーチとなる割合が少なくなったり、変動時間が短い「短縮非リーチはずれ」が選択される割合が高くなるように判定値が設定される。このことによって、合算保留記憶数が多くなるに従って平均的な変動時間を短くすることができる。
また、合算保留記憶数が3以上である場合に用いられる変動パターン判定テーブルと、合算保留記憶数が0〜2である場合に用いられる変動パターン判定テーブルとには、特定の演出(例えばスーパーリーチ)を伴う変動パターン(またはそのような変動パターンの集合)に対して、共通の判定値(例えば、950〜997など)が割り当てられる。そのため、合算保留記憶数にかかわらず(つまり用いる変動パターン判定テーブルが異なっても)、始動入賞時において、抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値さえ確認すれば、特定の演出(例えばスーパーリーチ)を伴うか否かをあらかじめ容易に判定することができる。従って、その始動入賞に対応した可変表示よりも以前に、特定の演出(例えばスーパーリーチ)を伴うことを報知することができ(例えば、その旨を示す演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、演出制御コマンドを受信した演出制御用マイクロコンピュータ100において先読み演出等の演出を実行することによって実現される)、遊技に対する興趣を向上させることができる。
図9は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)、(2)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)、(3)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)、(4)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
図7に示された遊技制御処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、及び(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図10(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図10(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図10(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図10(A)に記載されている数値が大当り判定値である。図10(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図10(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図10(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図10(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図10(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図10(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図10(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図10(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。なお、この実施の形態では、図10(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図10(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図10(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図10(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を通常大当り、確変大当り、突然確変大当りのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図10(D),(E)に示すように、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りと決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ突然確変大当りを振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには突然確変大当りの振り分けを行わないようにしてもよい。なお、テーブルに設定される判定値は、個数が異なるとともに重複して割り当てられないようになっている。
なお、この実施の形態では、図10(D),(E)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態として2ラウンドの突然確変大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態として15ラウンドの大当り(確変大当りまたは通常大当り)と決定する場合を説明するが、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1特定遊技状態とすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを設け、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1特定遊技状態の場合には15ラウンド全てを終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第1特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第2特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
この実施の形態では、図10(D),(E)に示すように、大当り種別として、通常大当り、確変大当り及び突然確変大当りがある。確変大当りとは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される。また、通常大当りとは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行されず、時短状態にのみ移行される大当りである。そして、時短状態に移行した後、特別図柄及び演出図柄の変動表示の実行を所定回数(例えば、100回)終了するまで時短状態が維持される。なお、この実施の形態では、時短状態に移行した後、所定回数の変動表示の実行を終了する前に大当りが発生した場合にも、時短状態が終了する。
また、突然確変大当りとは、確変大当りや通常大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち突然確変大当りとなった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。そして、2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される。なお、上述したように、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、突然確変大当りによる大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、小当りとなった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、小当りとなる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、突然確変大当りであるか小当りであるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、通常大当り、確変大当り及び突然確変大当りのそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図11は、変動パターン判定テーブルを示す説明図である。変動パターン判定テーブルは、大当り種別や遊技状態などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。CPU56は、抽出したランダム3の(1〜997)の値が変動パターンごとに割り当てられたデータ(判定値)と一致した場合に、一致した変動パターンの判定値に対応するパターンに決定する。なお、図11に示す例では、変動パターンごとに割り当てられる判定値の割合が示されている。例えば、通常遊技状態において可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされている場合(図11の「はずれ」)においては、ランダム3の値(1〜997)に対応する判定値のうちの50%が、変動パターン「非リーチはずれ」に設定されている。つまり図11に示す例では、変動パターン判定テーブルに設定された各値は、可変表示結果が「はずれ」、「はずれ(時短時)」、「通常大当り/確変大当り」または「突然確変大当り/小当り時」である場合に、対応付けられた変動パターンに決定される割合を示している。
図11に示す例では、通常遊技状態において可変表示結果をはずれにする旨の判定がなされている場合においては、「非リーチはずれ」と判定される割合が最も高く、「擬似連3スーパーはずれ」と判定される割合が最も低い。また、時短状態において可変表示結果をはずれにする旨の判定がなされている場合においては、「非リーチはずれ」と判定されることがなく、「短縮非リーチはずれ」と判定される割合が高くなるように判定値が割り当てられている。このように設定することによって、時短状態においては変動時間が短い変動パターンが選択されやすくなる。
また、可変表示結果を通常大当りまたは確変大当りにする旨の判定がなされている場合においては、擬似連演出を伴う変動パターンのうち、「擬似連3スーパー当り」と判定される割合が最も高く、「擬似連1ノーマル当り」と判定される割合が最も低くなるように判定値が割り当てられている。すなわち、「通常大当り/確変大当り」においては、擬似連演出を伴う変動パターンのうち擬似連回数が多い方の変動パターンが選択されやすい。従って、擬似連演出は、擬似連回数が多い方が、可変表示結果が大当りとなる期待度が高い。また、ノーマルリーチを伴う変動パターンは、スーパーリーチを伴う変動パターンよりも、可変表示結果が「はずれ」の場合に選択されやすい。逆に、スーパーリーチを伴う変動パターンは、ノーマルリーチを伴う変動パターンよりも、可変表示結果が通常大当りまたは確変大当りのときに選択されやすい。従って、ノーマルリーチを伴う変動パターンよりもスーパーリーチを伴う変動パターンの方が、大当りとなる期待度が高い。
図12は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図12に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図8に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、及び大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の可変表示を終了して表示結果を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示を終了して表示結果を導出表示する。コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド95XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図17参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時にいずれの変動パターンとなるかを判定する。そして、入賞時判定結果指定結果コマンドのEXTデータに判定結果としての変動パターンを指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。図13は、入賞時判定結果指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図13に示すように、始動入賞時にいずれの変動パターンになると判定したとかに応じて、EXTデータに値が設定され、入賞時判定結果指定コマンドが送信される。例えば、第1始動入賞口13への始動入賞時に変動パターンが「短縮非リーチはずれ」となると判定した場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した入賞時判定結果指定コマンドが送信される。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンド及び小当り/突然確変大当り開始指定コマンドがある。コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、通常大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(確変状態を含まない)であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第2保留記憶数を示す。
コマンドD00X(H)は、枠状態表示を指定する演出制御コマンド(枠状態表示指定コマンド)である。枠状態表示指定コマンドのEXTデータの内容は「0X(H)」すなわち「0000XXXX」とされており、遊技機のエラー状態などを表示させるために遊技機のエラー状態などを示す。ここで、枠状態表示指定コマンドの下位4ビット「XXXX」については、例えば、後述する未払出個数異常エラーが発生した場合には、1ビット目(ビット0)の「X」に「1」が設定される。また、満タンエラーが発生した場合には、2ビット目(ビット1)の「X」に「1」が設定される。また、球切れエラーが発生した場合には、3ビット目(ビット2)の「X」に「1」が設定される。また、後述する払出個数異常エラーが発生した場合には、4ビット目(ビット3)の「x」に「1」が設定される。また、エラー状態でないとき(エラー状態が解消されたとき)には、1ビット目(ビット0)から4ビット目(ビット3)のいずれにも「1」が設定されない。このように、枠状態表示指定コマンドは、下位4ビットの内容をエラー状態に応じて異ならせる(所定ビットを異ならせる)ことによって所定のエラーが発生したことを通知している。なお、この実施の形態では、枠状態表示指定コマンドによって上記の4種類のエラーの発生が示される場合について説明するが、例えば、払出ケースエラーなどの他の各種エラーに対応させるようにしてもよい。
図14は、特別図柄プロセス処理(S26)の一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8b及び大入賞口(第1大入賞口及び第2大入賞口)を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、または第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら始動口スイッチ通過処理を実行する(S311,S312)。そして、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。S300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。いずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21aまたはソレノイド21bを駆動して第1大入賞口または第2大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口(第1大入賞口または第2大入賞口)を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口(第1大入賞口または第2大入賞口)に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21aまたはソレノイド21bを駆動して第1大入賞口または第2大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(S309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(S310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図15は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認し(S1211)、オン状態でなければ、S1222に移行する。オン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認し(S1212)、上限値に達していれば、S1222に移行する。上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU56は、第1始動入賞口13及び第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。図16(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図16(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13及び第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域はRAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。なお、S1216の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1及び変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。図16(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域の構成例を示す説明図である。図16(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。なお、第1保留記憶バッファ及び第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターンを始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時演出処理を実行する(S1217)。また、第1保留記憶数カウンタの値に基づいて第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、その後、入賞時演出処理の判定結果に基づいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1218)。なお、CPU56がS1218の処理を実行することによって、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)に関わらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず第1保留記憶数指定コマンド及び入賞時判定結果指定コマンドの両方が演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行されるが、いずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。例えば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置15が設けられた第2始動入賞口14に入賞しやすく第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。この場合には、S1215の処理を省略可能であるとともに、図16(A)に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)が不要となる。また、この場合には、CPU56は、高ベース状態でなく(時短フラグがセットされていない場合)、大当り遊技中でないことを条件に、第1始動入賞口13に始動入賞したことに基づく入賞時演出処理(S1217)を行うようにしてもよい。すなわち、条件を満たさない場合には、入賞時演出処理(S1217)の実行を制限するようにし、後述する先読み演出を実行させないようにしてもよい。第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成において、第2始動入賞口14に始動入賞しやすい遊技状態では、第1始動入賞口13に始動入賞したことに基づく第1特別図柄の変動表示が後回しにされ続けることがあるため、先読み演出を実行しても、予告対象の変動表示がなかなか実行されない状態が生じてしまう可能性がある。しかし、入賞時演出処理(S1217)の実行を制限することで、第1始動入賞口13に始動入賞したことに基づく先読み演出を実行させないようにすることができ、そのような状態を回避することができる。また、高ベース状態や大当り遊技中に入賞時演出処理を制限することによって、大当りとなる保留記憶が記憶されていることが認識できる状態で遊技が行われることを防止することができる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560側では入賞時演出処理を常に行い、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、高ベース状態であるか否か、大当り遊技中であるか否かを判定し、先読み演出の実行を制限するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で、高ベース状態や大当り遊技中であるときに、第1始動入賞口13に始動入賞したことに基づく入賞時演出処理(すなわち先読み演出)の実行を制限する構成である場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、高ベース状態では第2始動入賞口14に始動入賞したことに基づく先読み演出のみを実行可能とし、低ベース状態では第1始動入賞口13に始動入賞したことに基づく先読み演出のみを実行可能とする(すなわち、低ベース状態では第2始動入賞口14に始動入賞したことに基づく入賞時判定結果指定コマンドを受信しても先読み演出を実行すると決定しない)ようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認し(S1222)、オン状態でなければ処理を終了する。オン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認し(S1223)、達していれば処理を終了する。上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットするとともに(S1226)、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する(S1227)。次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(S1228)。そして、第2保留記憶数カウンタの値に基づいて第2保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、その後、入賞時演出処理の判定結果に基づいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1229)。
図17は、入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と通常時の大当り判定値とを比較し、一致するか否かを確認する(S220)。この実施の形態では、特別図柄及び演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞に基づく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、あらかじめいずれの変動パターンとなるか否かを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動パターンを予測し、入賞時の判定結果に基づいて、大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(S221)。セットされていれば、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)と確変時の大当り判定値とを比較し、一致するか否かを確認する(S222)。なお、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性があるため、遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化する)場合がある。従って始動入賞時にS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS61参照)とは、必ず一致するとは限らない。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S222のN)、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)と小当り判定値とを比較し、一致するか否かを確認する(S223)。この場合、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合には、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合には、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当り判定値と一致するか否かを判定する。小当り判定値と一致した場合には、CPU56は、変動パターン判定テーブルの「突然確変大当り/小当り」フィールドを選択する(S226)。また、大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(S223のN)、CPU56は、現在の遊技状態を判定し(S224)、判定結果に応じて、変動パターン判定テーブルのフィールドを選択する(S225)。例えば、遊技状態が確変状態もしくは時短状態であると判定した場合には、変動パターン判定テーブルの「はずれ(時短時)」フィールドを選択する。
S220またはS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、S1216,S1227で抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)に基づいて大当りの種別を判定する(S227)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合には、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合には、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを用いて大当り種別がいずれになるかを判定する。そして、CPU56は、判定した大当り種別に応じて、変動パターン判定テーブルのフィールドを選択する。(S228)。
次いで、CPU56は、S225,S226,S228で設定した変動パターン判定テーブルのフィールドと、S1216,S1227で抽出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)とを用いて変動パターンを判定する(S229)。そして、CPU56は、判定した変動パターンを入賞時判定結果指定コマンドに設定する処理を行う(S230)。具体的には、CPU56は、いずれの変動パターンになると判定したかに応じて、図13に示すような「00(H)」〜「33(H)」のいずれかの値を入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに設定する処理を行う。なお、この実施の形態では、保留記憶数が異なっていても同じ変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが判定されるが、保留記憶数に応じて異なる変動パターン判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合には、保留記憶数にかかわらず、例えば、ノーマルリーチやスーパーリーチなどを伴う変動パターンになるか否かを変動パターン判定用乱数(または変動パターン種別判定用乱数)から判定し、判定結果に基づいて入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよいし、特定の変動パターン(例えば、特定のリーチ演出を行う変動パターンや、特定の擬似連回数の変動パターンなど)になると判定したときに、判定結果を示す入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよい。また、例えば、表示結果が通常大当りまたは確変大当りであるか否かを判定し、判定結果を示すコマンドを、入賞時判定結果指定コマンドとして、または入賞時判定結果指定コマンドとは別に送信するようにしてもよい。
図18及び図19は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認し(S51)、0であれば処理を終了する。合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち「第2」を示すデータである)場合、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域及び第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。なお、CPU56は、S56において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算すると、減算された保留記憶数カウンタのカウント値に基づいて第1特別図柄保留記憶表示器18aまたは第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示を変更する制御も行う。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存した後(S57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S58)。また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S59)。特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定の処理を行う(S61)。遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図10(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ、CPU56は、小当り判定テーブルを使用して小当り判定の処理を行う(S62)。CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。このとき、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(S63)、S75に移行する。ランダムRの値が小当り判定値にも一致しない場合(はずれである場合)には、そのままS75に移行する。
S71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を決定するために用いるテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(S72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別を大当りの種別に決定する(S73)。また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、「確変大当り」の場合には「02」が設定され、「突然確変大当り」の場合には「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的には、大当りフラグ及び小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」に決定する。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図20は、変動パターン設定処理を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。セットされている場合には、CPU56は、大当り種別が通常大当りまたは確変大当りである場合には(S92のY)、変動パターン判定テーブルの「通常大当り/確変大当り」を選択し(S93)、通常大当りまたは確変大当りでない場合には(S92のN)、「突然確変大当り/小当り」を選択する(S94)。そして、S101に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認し(S93)、セットされている場合には、変動パターン判定テーブルの「突然確変大当り/小当り」を選択する(S96)。そして、S101に移行する。小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(S97)。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(確変状態に移行するときを含む)にセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。時短フラグがセットされていれば、CPU56は、変動パターン判定テーブルの「はずれ(時短時)」を選択する(S98)。そして、S101に移行する。時短フラグがセットされていなければ、CPU56は、変動パターン判定テーブルの「はずれ」を選択する(S99)。そして、S101に移行する。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し(S101)、S93,S94,S96,S98またはS99で選択した変動パターン判定テーブルのフィールドを参照することによって、変動パターンを決定する(S102)。次いで、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S103)。また、CPU56は、特別図柄ポインタが示す図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い(S104)、特別図柄の変動を開始する(S105)。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択した変動パターンの変動時間に応じた値を設定する(S106)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S107)。
図21は、表示結果指定コマンド送信処理を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認し(S110)、セットされていなければS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が確変大当りであるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(S111,S112)。なお、大当り種別は、S74で大当り種別バッファに設定されたデータを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が突然確変大当りであるときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(S113,S114)。また、確変大当り及び突然確変大当りのいずれでもないとき(通常大当りであるとき)には、CPU56は、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(S115)。また、大当りフラグがセットされていないときには、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認し(S116)、セットされていれば、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(S117)。小当りフラグもセットされていないとき(はずれであるとき)は、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(S118)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(S303)に対応した値に更新する(S119)。
図22は、特別図柄変動中処理を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(S125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(S126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新する(S127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図23は、特別図柄停止処理を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(S131)。また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(S132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、S140に移行する(S133)。一方、大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変フラグ及び時短フラグをリセットし(S134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(S135)。また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に通常状態指定コマンドを送信する制御を行う(S136)。また、CPU56は、大当り表示時間タイマ(後述する大入賞口制御タイマに相当する)に大当り表示時間(大当りが発生したことを報知する時間)に相当する値を設定する(S137)。また、CPU56は、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、通常大当りまたは確変大当りの場合には15回。突然確変大当りの場合には2回。)をセットする(S138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する(S139)。
S140では、CPU56は、確変フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていなければ、時短フラグがセットされているか否か確認する(S141)。時短フラグがセットされている場合(すなわち、確変制御を伴わず時短制御のみ行われている場合)には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(S142)。次いで、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0であれば(S144)、時短フラグをリセットする(S145)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して通常状態指定コマンドを送信する制御を行う(S146)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認し(S147)、セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する(S148)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを報知する時間)に相当する値を設定する(S149)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(S150)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(S308)に対応した値に更新する(S151)。小当りフラグもセットされていなければ、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S152)。
図24は、大入賞口開放前処理を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(S402)、値が0になっていなければ処理を終了する。値が0になっている場合には、CPU56は、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S403)。そして、CPU56は、第1大入賞口が開放状態であることを示す第1大入賞口開放フラグまたは第2大入賞口が開放状態であることを示す第2大入賞口開放フラグがセットされているか否かを確認し(S404)、いずれもセットされていなければ、第1大入賞口開放フラグをセットする(S406a)。また、いずれかがセットされており、そのうちの第1大入賞口開放フラグがセットされていなければ(S405のN)、すなわち第2大入賞口開放フラグがセットされていれば、第2大入賞口開放フラグをリセットし、第1大入賞口開放フラグをセットする(S408)。そして、ソレノイド21aを駆動して第1大入賞口を開放する制御を行う(S407)。一方、S405で第1大入賞口開放フラグがセットされていれば、第1大入賞口開放フラグをリセットし、第2大入賞口開放フラグをセットする(S408)。そして、ソレノイド21bを駆動して第2大入賞口を開放する制御を行う(S409)。その後、CPU56は、開放回数カウンタの値を−1する(S410)。また、大入賞口制御タイマに、各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間に応じた値を設定する(S411)。そして、特別図柄プロセスフラグの値をステップ大入賞口開放中処理(S306)に応じた値に更新する(S412)。
図25、図26は、大入賞口開放中処理を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S420)。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になったか否か確認する(S421)。0になっていないときは、カウントスイッチ23がオンしたか否か確認し(S432)、オンしていなければ処理を終了する。カウントスイッチ23がオンした場合には、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントするための入賞個数カウンタの値を+1する(S433)。そして、CPU56は、入賞個数カウンタの値が所定数(例えば10)になっているか否か確認し(S434)、所定数になっていなければ処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているときには、CPU56は、第1大入賞口開放フラグがセットされているか否かを確認し(S435a)、セットされている場合には、ソレノイド21aを駆動して第1大入賞口を閉鎖する制御を行い(S435b)、セットされていない場合には、ソレノイド21bを駆動して第2大入賞口を閉鎖する制御を行う(S435c)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(S436)。次いで、CPU56は、開放回数カウンタの値を確認する(S438)。開放回数カウンタの値が0でない場合には、CPU56は、大入賞口開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S439)。そして、大入賞口制御タイマに、次のラウンドを開始するまでの時間(インターバル期間)に相当する値を設定し(S440)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に応じた値に更新する(S441)。また、開放回数カウンタの値が0である場合には、CPU56は、大入賞口制御タイマに大当り終了時間(大当り遊技終了を報知する時間)を設定し(S442)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理に応じた値に更新する(S443)。
図27は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(S160)、設定されている場合には、S164に移行する。設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(S161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(S162)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われる時間(大当り終了表示時間)に対応する値を設定し(S163)、処理を終了する。
S164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか(大当り終了表示時間が経過したか)否かを確認し(S165)、経過していなければ処理を終了する。大当り終了表示時間を経過していれば、CPU56は、大当りの種別が確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かを確認する(S166)。いずれでもなければ(すなわち、通常大当りであれば)、CPU56は、時短フラグをセットする(S167)。また、CPU56は、時短回数をカウントするための時短回数カウンタに所定値(例えば100)をセットする(S168)。また、CPU56は、時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S169)。そして、S173に移行する。大当りの種別が確変大当りまたは突然確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグ及び時短フラグをセットする(S170,S171)。また、確変状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S172)。その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値に更新する(S173)。
次に、メイン処理における賞球処理(S30)を説明する。まず、主基板31と払出制御基板37との間で送受信される払出制御信号(接続信号、賞球情報)及び払出制御コマンドについて説明する。この実施の形態では、払出制御等に関する各種の制御を行うために、主基板31と払出制御基板37との間で制御信号として接続信号及び賞球情報が送受信される。接続信号は、主基板31の立ち上がり時(遊技制御手段が遊技制御処理を開始したとき)に出力される。接続信号は、主基板31が立ち上がったこと、賞球払出が可能な状態であることを示す。なお、接続信号は、電源投入時に出力ポート0の接続信号に対応するビットに初期値が設定されることによって出力可能な状態となる(具体的にはS31の処理によって出力される)。また、賞球情報は、払出制御基板37側において賞球の払出を10個検出するごとに、主基板31に対して、10個の賞球払出を検出したことを通知するための情報である。また、払出制御コマンドは、8ビットのデータ(2進8桁のデータ)によって構成され、設定された8ビットのデータの内容によって所定の内容を示す制御コマンドとして出力される。
賞球個数コマンドは、払出要求を行う遊技球の個数(0〜15個)を通知するための制御コマンドであって、遊技制御用マイクロコンピュータ560が入賞の発生に基づいて送信する制御コマンドである。賞球個数コマンドのデータの内容は「5x(H)」すなわち「0101xxxx」とされている。この実施の形態では、始動口スイッチ13aまたは始動口スイッチ14aで遊技球が検出されると3個の賞球払出を行い、カウントスイッチ23aまたはカウントスイッチ23bで遊技球が検出されると15個の賞球払出を行う。よって、始動口スイッチ13aまたは始動口スイッチ14aで遊技球が検出された場合、賞球数3個を通知するための賞球個数コマンド「01010011」が送信され、カウントスイッチ23aまたはカウントスイッチ23bで遊技球が検出された場合、賞球数15個を通知するための賞球個数コマンド「01011111」が送信される。
払出エラーコマンドは、所定のエラーの発生や解消を通知する制御コマンドである。払出エラーコマンドのデータの内容は「4x(H)」すなわち「0100xxxx」とされている。ここで、払出エラーコマンドの2バイト目の「xxxx」については、後述する未払出個数異常エラーが発生した場合には、1ビット目(ビット0)の「x」に「1」が設定される。また、満タンエラーが発生した場合には、2ビット目(ビット1)の「x」に「1」が設定される。また、球切れエラーが発生した場合には、3ビット目(ビット2)の「x」に「1」が設定される。また、後述する払出個数異常エラーが発生した場合には、4ビット目(ビット3)の「x」に「1」が設定される。このようにして、払出制御用マイクロコンピュータ370から、エラーの発生や解消、内容を遊技制御用マイクロコンピュータ560に通知することができる。
次に、賞球処理(S30)の内容について説明する。図28は、S30の賞球処理の一例を示すフローチャートである。賞球処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(CPU56)は、賞球コマンド出力カウンタ加算処理(S501)及び賞球カウンタ減算処理(S503)を実行する。また、払出エラーコマンドを受信している場合には、CPU56は、払出エラーコマンドに設定されているエラー情報を枠状態表示バッファに格納する(S504,S505)。
賞球コマンド出力カウンタ加算処理では、ROM54に設定されている賞球個数テーブルが使用される。賞球個数テーブルの先頭アドレスには処理数(本例では4)が設定され、その後に、スイッチオンバッファの下位アドレスと、賞球コマンド出力カウンタと、賞球数を指定する賞球指定データとが、順次設定されている。賞球コマンド出力カウンタとは、入賞口への入賞数をカウントするカウンタであり、例えば、ROM54に設定される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球数(0〜15個)毎に、対応する賞球コマンド出力カウンタを備える。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球数「15」に対応する賞球コマンド出力カウンタ1,2(カウントスイッチ23a,カウントスイッチ23bに対応)と、賞球数「3」に対応する賞球コマンド出力カウンタ3,4(始動口スイッチ13a,始動口スイッチ14a)とを備える。なお、各賞球コマンド出力カウンタは、賞球コマンド出力カウンタ加算処理でカウントアップされる。CPU56は、賞球個数テーブルに設定されている賞球コマンド出力カウンタ1,2が0でなければ、賞球数(15個)を指定する賞球指定データに基づいて賞球個数(15個)を示すデータを賞球個数コマンドの下位4ビットに設定し、設定した賞球個数コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ370に送信する。また、CPU56は、賞球個数テーブルに設定されている賞球コマンド出力カウンタ1,2の値が0であり、賞球コマンド出力カウンタ3,4の値が0でなければ、賞球数(3個)を指定する賞球指定データに基づいて賞球個数(3個)を示すデータを賞球個数コマンドの下位4ビットに設定し、設定した賞球個数コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ370に送信する。
図29は、賞球コマンド出力カウンタ加算処理を示すフローチャートである。賞球コマンド出力カウンタ加算処理において、CPU56は、賞球個数テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(S5101)。そして、ポインタが指すアドレスのデータ(この場合には処理数)をロードする(S5102)。次いで、CPU56は、ポインタの値を1増やし(S5103)、ポインタが指すスイッチオンバッファの下位アドレスをポインタバッファの下位バイトにロードし(S5104)、ポインタバッファの指すスイッチオンバッファをレジスタにロードする(S5105)。次いで、CPU56は、ポインタの値を1増やし(S5106)、ポインタが指す賞球コマンド出力カウンタの下位アドレスをポインタバッファの下位バイトにロードする(S5107)。次いで、CPU56は、ポインタの値を1増やし(S5108)、レジスタにロードしたスイッチオンバッファの内容とポインタが指す賞球指定データとの論理積をとる(S5109)。
S5109における演算結果が0であれば、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態でなければ、CPU56は、処理数を1減らし(S5114)、処理数が0であれば処理を終了し、処理数が0でなければS5103に戻る(S5115)。S5109における演算結果が0でなければ、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態であれば、CPU56は、ポインタが指す賞球コマンド出力カウンタに対応する賞球個数を賞球個数コマンドにセットするとともに、賞球個数をセットした賞球個数コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ370に送信する制御を行う(S5111)。具体的には、シリアル通信回路505の送信データレジスタに、賞球個数をセットした賞球個数コマンドを出力する処理を行う。
次いで、CPU56は、S5110でセットした賞球個数の値を賞球個数カウンタに加算し(S5112)、加算後のカウント値が所定の賞球不足判定値(例えば501)以上であるか否かを確認する(S5113)。賞球個数カウンタは、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で未払い出しの賞球数を把握するために用いられるカウンタであり、賞球個数コマンドを送信する際に賞球個数コマンドで指定される賞球個数が加算され、賞球払出を10球検出するごとに払出制御用マイクロコンピュータ370から出力される賞球情報に基づいて10ずつ減算される。また、賞球個数カウンタには、メイン処理の初期設定処理において初期値として「250」がセットされている。そして、賞球個数カウンタのカウント値が所定の賞球不足判定値(例えば501)以上に達する場合には、未払い出しの賞球数が異常に多すぎるのであるから、賞球不足の事態が生じていると判定することができる。また、所定の賞球過剰判定値(例えば0)未満となった場合には、本来払い出されるべき数を超えて異常に多くの遊技球が払い出されているのであるから、賞球過剰の事態が生じていると判定することができる。
賞球個数カウンタのカウント値が所定の賞球不足判定値(例えば501)以上であった場合には、CPU56は、賞球不足や賞球過剰が発生していることを示す賞球エラーフラグが既にセットされているか否かを確認する(S5114)。セットされていれば、そのまま処理を終了する。セットされていなければ、CPU56は、賞球エラーフラグをセットする(S5115)とともに、賞球不足エラーコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S5116)。なお、賞球エラーフラグは、一度セットされると、遊技機への電力供給が停止された後、遊技機へ電源が再投入されるまで、クリアされずに維持される。また、この実施の形態では、賞球不足エラーコマンドや、後述する賞球過剰エラーコマンドを受信したことに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって賞球不足や賞球過剰のエラー報知が行われるのであるが、例えば、報知開始から所定期間を経過したときや、賞球個数カウンタの値が所定の賞球不足判定値(例えば501)や所定の賞球過剰判定値(例えば0)の範囲内に復帰したときに、賞球不足や賞球過剰のエラー報知から復旧するようにしてもよい。
賞球カウンタ減算処理では、賞球情報のビットがオン状態であるか否かを確認し、オン状態であれば、CPU56は、処理数として所定の賞球情報確認回数(例えば8)をセットする。そして、CPU56は、賞球情報を入力しているか否かを確認し、賞球情報の入力を確認できれば賞球情報オンカウンタの値を1加算する処理を、処理数(本例では8)を終了するまで繰り返し実行する。次いで、CPU56は、賞球情報オンカウンタの値が6以上であるか否かを確認し、6以上であれば、賞球個数カウンタの値を10減算する。以上の処理が実行されることによって、この実施の形態では、賞球情報の入力を8回の確認処理中6回以上確認したことを条件として賞球情報を入力したと判定し、10個の賞球払出が行われたものとして賞球個数カウンタの値を10減算している。
次いで、CPU56は、減算後のカウント値が所定の賞球過剰判定値(例えば0)未満であるか否かを確認する。所定の賞球過剰判定値未満であった場合には、CPU56は、賞球エラーフラグが既にセットされているか否かを確認し、セットされていればそのまま処理を終了する。セットされていなければ、賞球エラーフラグをセットするとともに、賞球過剰エラーコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。
図30は、S33aの枠状態出力処理の一例を示すフローチャートである。CPU56は、枠状態出力処理において、まず、枠状態表示バッファの内容をロードし(S391)、ロードした枠状態表示バッファの内容と前回枠状態表示バッファの内容とを比較する(S395)。なお、前回枠状態表示バッファには、前回のタイマ割込によって枠状態出力処理が実行されたときにロードした枠状態表示バッファの内容が格納されている。ロードした枠状態表示バッファの内容が前回枠状態表示バッファの内容と異なる場合には、CPU56は、前回枠状態表示バッファにS391でロードした枠状態表示バッファの内容を格納して前回枠状態表示バッファを更新する(S397)とともに、ロードした枠状態表示バッファの内容に基づいて枠状態表示指定コマンドを設定して、枠状態表示指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S398)。具体的には、枠状態表示バッファの内容が、未払出個数異常エラーを示している(1ビット目(ビット0)に「1」が設定されている)場合には、枠状態表示指定コマンドの下位4ビットの1ビット目(ビット0)の「X」に「1」を設定した枠状態表示指定コマンドを送信する。また、満タンエラーを示している(2ビット目(ビット1)に「1」が設定されている)場合には、枠状態表示指定コマンドの下位4ビットの2ビット目(ビット1)の「X」に「1」を設定した枠状態表示指定コマンドを送信する。また、球切れエラーを示している(3ビット目(ビット2)に「1」が設定されている)場合には、枠状態表示指定コマンドの下位4ビットの3ビット目(ビット2)の「X」に「1」を設定した枠状態表示指定コマンドを送信する。また、払出個数異常エラーを示している(4ビット目(ビット3)に「1」が設定されている)場合には、枠状態表示指定コマンドの下位4ビットの4ビット目(ビット3)の「x」に「1」を設定した枠状態表示指定コマンドを送信する。また、エラー状態でないこと(エラー状態が解消されたこと)を示している(1ビット〜4ビット目(ビット0〜ビット3)に「1」が設定されていない)場合には、1ビット目(ビット0)から4ビット目(ビット3)のいずれにも「1」が設定されない枠状態表示指定コマンドを送信する。以上の処理が行われることによって、払出制御用マイクロコンピュータ560から払出エラーコマンドで設定されたエラー情報の内容が枠状態表示指定コマンドに設定されて、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
次に、払出制御手段(払出制御用マイクロコンピュータ370)の動作を説明する。この実施の形態では、払出制御手段における出力ポート0からは、ステッピングモータによる払出モータ289に供給される各相の信号が出力される。また、出力ポート0からは、カードユニット50に対してPRDY信号やEXS信号や、遊技機がエラー状態(球切れエラー状態または満タンエラー状態)であることを示す遊技機エラー状態信号、賞球払出を検出したことを示す賞球信号1が出力される。また、出力ポート1からは、7セグメントLEDによるエラー表示用LED374の各セグメント出力信号や、賞球払出を10球検出したことを示す賞球情報が出力される。また、払出制御手段における入力ポート0のビット0〜2には、それぞれ、カードユニット50からのVL信号、BRDY信号及びBRQ信号が入力される。また、入力ポート0のビット4には、主基板31からの接続信号が入力される。また、入力ポート0のビット5〜7には、満タンスイッチ48の検出信号、球切れスイッチ187の検出信号、払出モータ位置センサ295の検出信号が入力される。また、入力ポート1のビット0,1には、エラー解除スイッチ375からの操作信号、払出個数カウントスイッチ301の検出信号が入力される。
次に、払出制御手段の動作について説明する。図31は、払出制御手段が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、払出制御用マイクロコンピュータ370の払出制御用CPU371は、まず、必要な初期設定を行う。すなわち、払出制御用CPU371は、まず、割込禁止に設定する(S701)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S702)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S703)。次いで、払出制御用CPU371は、内蔵デバイスレジスタの設定を行う(S704)。S704の内蔵デバイスレジスタの設定の処理では、CTCの設定を行う。また、この実施の形態では、内蔵CTCのうちの一つのチャネルがタイマモードで使用される。そのため、使用するチャネルをタイマモードに設定するためのレジスタ設定、割込発生を許可するためのレジスタ設定及び割込ベクタを設定するためのレジスタ設定を行う。そして、そのチャネルによる割込がタイマ割込として用いられる。タイマ割込を例えば1ms毎に発生させたい場合は、初期値として1msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
また、S704において、払出制御用CPU371は、シリアル通信回路380の割り込み要求に応じて実行する割込処理の優先順位を初期設定する。また、払出制御用CPU371は、シリアル通信回路380の設定を行う。この場合、払出制御用CPU371は、受信回路のボーレートの設定、受信モード(8ビットまたは9ビットのデータフォーマットのいずれにするか)の設定、パリティ設定(パリティの有無や、偶数パリティまたは奇数パリティの設定)を行う。また、受信回路の各制御レジスタを初期化するとともに、各ステータスレジスタを初期化する。また、払出制御用CPU371は、送信回路のボーレートの設定、送信モード(8ビットまたは9ビットのデータフォーマットのいずれにするか)の設定、パリティ設定(パリティの有無や、偶数パリティまたは奇数パリティの設定)を行う。また、送信回路の各制御レジスタを初期化する。
なお、タイマモードに設定されたチャネル(この実施の形態ではチャネル3)に設定される割込ベクタは、タイマ割込処理の先頭アドレスに相当するものである。具体的は、Iレジスタに設定された値と割込ベクタとでタイマ割込処理の先頭アドレスが特定される。タイマ割込処理では、払出手段を制御する払出制御処理(少なくとも主基板からの賞球払出に関する指令信号に応じて球払出装置97を駆動する処理を含み、球貸し要求に応じて球払出装置97を駆動する処理が含まれていてもよい。)が実行される。また、この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ370でも割込モード2が設定される。従って、内蔵CTCのカウントアップに基づく割込処理を使用することができる。また、CTCが送出した割込ベクタに応じた割込処理開始アドレスを設定することができる。CTCのチャネル3(CH3)のカウントアップに基づく割込は、CPUの内部クロック(システムクロック)をカウントダウンしてレジスタ値が「0」になったら発生する割込であり、タイマ割込として用いられる。
次いで、払出制御用CPU371は、RAMをアクセス可能状態に設定し(S705)、RAMクリア処理を行う(S706)。また、RAM領域のフラグやカウンタなどに初期値を設定する(S707)。なお、S707の処理には、未払出個数カウンタ初期値を未払出個数カウンタにセットする処理が含まれる。また、S707の処理には、払出個数異常エラーなどの検出状態を示すエラーフラグをクリアする処理も含まれる。なお、この実施の形態では、払出個数異常エラーと判定されてエラーフラグの払出個数異常エラー指定ビットがセットされた場合には、電源リセットがされるまで払出個数異常エラー指定ビットがクリアされず払出個数異常エラーから復旧しないのであるが、具体的には、電源投入時にS707の処理が実行されることによって、エラーフラグの払出個数異常エラー指定ビットがクリアされ、払出個数異常エラーから復旧する。
また、払出制御用CPU371は、シリアル通信回路380を初期設定するシリアル通信回路設定処理を実行する(S708)。この場合、払出制御用CPU371は、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が行うシリアル通信回路設定処理(S15a参照)と同様の処理に従って、シリアル通信回路380に遊技制御用マイクロコンピュータ560とシリアル通信させるための設定を行う。また、前述したように、シリアル通信回路380の初期設定の一部は、S704の内蔵デバイスレジスタの設定処理において実行される。なお、シリアル通信回路380の全ての設定処理をS708のシリアル通信回路設定処理で行うようにしてもよい。そして、初期設定処理のS701において割込禁止とされているので、初期化処理を終える前に割込が許可される(S709)。その後、タイマ割込の発生を監視するループ処理に入る。上記のように、この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ370の内蔵CTCが繰り返しタイマ割込を発生するように設定される。そして、タイマ割込が発生すると、払出制御用マイクロコンピュータ370の払出制御用CPU371は、タイマ割込処理を実行する。
図32は、払出制御手段が実行するタイマ割込処理の例を示すフローチャートである。タイマ割込処理にて、払出制御用CPU371は、まずスイッチチェック処理を行う(S751)。スイッチチェック処理では、払出制御用CPU371は、入力ポート1の入力に基づいて、払出個数カウントスイッチ301及びエラー解除スイッチ375のオン/オフ状態を確認する処理を行う。次いで、払出制御用CPU371は、入力判定処理を行う(S752)。入力判定処理は、入力ポート0のビット0〜7の状態を検出して検出結果をRAMの所定の1バイト(センサ入力状態フラグと呼ぶ。)に反映する処理である。なお、払出制御用CPU371は、入力ポート0のビット0〜7の状態に基づいて制御を行う場合には、直接入力ポートの状態をチェックするのではなく、センサ入力状態フラグの状態をチェックする。
次いで、払出制御用CPU371は、カードユニット50と通信を行うプリペイドカードユニット制御処理を実行する(S753)。次いで、払出制御用CPU371は、主基板31の遊技制御手段と通信を行う主制御通信処理を実行する(S754)。次いで、払出制御用CPU371は、カードユニット50からの球貸し要求に応じて貸し球を払い出す制御を行い、また、主基板31からの賞球個数コマンドが示す個数の賞球を払い出す制御を行う払出制御処理を実行する(S755)。次いで、払出モータ制御処理を実行する(S756)。払出モータ制御処理では、払出モータ289を駆動すべきときには、払出モータφ1〜φ4のパターンを出力ポート0に出力するための処理を行う。
次いで、払出制御用CPU371は、各種のエラーを検出するエラー処理を実行する(S757)。次いで、カードユニット50のエラー制御を行うプリペイドカードユニットエラー制御処理を実行する(S758)。次いで、主基板31に対して賞球情報を出力したり、遊技機エラー状態信号を外部出力するための情報出力処理を実行する(S759)。情報出力処理では、払出制御用CPU371は、例えば、払出個数カウントスイッチ301がオン状態(賞球による払い出しを検出した状態)であれば、賞球払出により払い出された遊技球の数をカウントするための賞球払出個数カウンタの値を1加算する。そして、加算後の賞球払出個数カウンタの値が所定の賞球情報出力判定値(本例では10)以上となっていれば、賞球払出個数カウンタをリセットするとともに、賞球情報を出力する条件が成立した回数をカウントするための賞球情報出力回数カウンタの値を1加算する。また、払出制御用CPU371は、賞球情報出力回数カウンタの値が0でなければ、賞球情報出力回数カウンタの値を1減算するとともに、賞球情報を遊技制御用マイクロコンピュータ560に出力する制御を行う。具体的には、出力ポート1の賞球情報出力ビットに出力データをセットする処理を行う。
次いで、払出制御用CPU371は、エラー処理の結果に応じてエラー表示用LED374に所定の表示を行う表示制御処理を実行する(S760)。この実施の形態では、後述するエラー処理において各種エラーが検出されると、検出されたエラーに対応するエラービットがセットされる。そして、S760の表示制御処理において、払出制御用CPU371は、エラービットに基づいてエラー表示用LED374に所定の表示を行う。
また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポート0バッファ、出力ポート1バッファ)が設けられているのであるが、払出制御用CPU371は、出力ポート0バッファ及び出力ポート1バッファの内容を出力ポートに出力する(S761:出力処理)。出力ポート0バッファ及び出力ポート1バッファは、払出モータ制御処理(S756)、プリペイドカード制御処理(S753)、主制御通信処理(S754)、情報出力処理(S759)及び表示制御処理(S760)で更新される。
図33は、S754の主制御通信処理を示すフローチャートである。主制御通信処理では、払出制御用マイクロコンピュータ370(払出制御用CPU371)は、主制御コマンド受信処理(S740)を実行する。そして、払出制御用CPU371は、エラーフラグをロードし、払出個数異常エラー指定ビットがセットされているか否かを確認する(S7410)。セットされていれば、変換バッファの主制御通信用払出個数異常エラー出力ビット(具体的にはビット3)をセットする(S7411)。
次いで、払出制御用CPU371は、球切れエラー指定ビットがセットされているか否かを確認し(S7412)、セットされていれば、変換バッファの主制御通信用球切れ出力ビット(具体的にはビット2)をセットする(S7413)。次いで、払出制御用CPU371は、満タンエラー指定ビットがセットされているか否かを確認し(S7414)、セットされていれば、変換バッファの主制御通信用満タン出力ビット(具体的にはビット1)をセットする(S7415)。次いで、払出制御用CPU371は、未払出個数異常エラー指定ビットがセットされているか否かを確認し(S7416)、セットされていれば、変換バッファの主制御通信用未払出個数異常エラー出力ビット(具体的にはビット0)をセットする(S7417)。そして、払出制御用CPU371は、払出エラーコマンドに変換バッファの内容をセットし、セットした払出エラーコマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する制御を行う(S7418)。具体的には、払出エラーコマンドの下位4ビットに制御状態(払出個数異常エラーや、球切れエラー、満タンエラー、未払出個数異常エラーなどのエラー状態)をセットする処理を行うとともに、シリアル通信回路380の送信レジスタに払出エラーコマンドを出力する処理を行う。
図34は、主制御通信処理における主制御コマンド受信処理を示すフローチャートである。払出制御用CPU371は、主制御コマンド受信処理において、まず、接続信号を入力しているか否かを確認する(S7401)。入力していなければ、払出制御用CPU101は、シリアル通信回路380の送信回路及び受信回路の初期化を行う(S7402)。接続信号を入力していれば、払出制御用CPU371は、シリアル通信回路380のステータスレジスタに受信エラーフラグがセットされているか否かを確認し(S7407)、セットされていれば、シリアル通信回路380の受信回路を初期化する(S7408)。そして、払出制御用CPU371は、エラーフラグの主制御通信エラー指定ビットをセットする(S7409)。受信エラーフラグもセットされていなければ、払出制御用CPU371は、受信バッファの内容をロードし(S7410)、賞球個数コマンドを受信しているか否かを確認する。この実施の形態では、賞球個数コマンドの内容は、少なくとも「51(H)」以上、「60(H)」未満の値となる筈である。従って、払出制御用CPU371は、ロードした受信バッファの内容が賞球個数コマンド最小値「51(H)」以上であり、かつ賞球個数コマンド最大判定値「60(H)」未満であれば(S7412,S7413)、賞球個数コマンドを受信していると判定し、S7414に移行する。
次いで、払出制御用CPU371は、賞球払出動作中または球貸し払出動作中であるか否かを確認する(S7414)。具体的には、払出制御用CPU371は、払出制御状態フラグに賞球払出動作中指定ビット(賞球払出動作中であることを示すビット)または球貸し払出動作中指定ビット(球貸し払出動作中であることを示すビット)がセットされているか否かを確認する。賞球払出動作中または球貸し払出動作中であれば、S7416に移行する。なお、この実施の形態では、賞球払出動作が終了したか否かに関わらず次の賞球個数コマンドが送信されるので、通信エラーなどの異常が発生していなくても、S7414において賞球払出動作中であると判定されることがある。賞球払出動作中でも球貸し払出動作中でもなければ、受信した賞球個数コマンドに基づく賞球払出動作を直ちに開始できる場合である。この場合、払出制御用CPU371は、主制御通信受信バッファの下位4ビット(すなわち、賞球個数コマンドにセットされた賞球個数)を未払出個数カウンタにセットする(S7415)。なお、未払出個数カウンタは、賞球や貸し球の未払出数をカウントするためのカウンタである。
また、賞球払出動作中または球貸し払出動作中であれば、受信した賞球個数コマンドに基づく賞球払出動作を直ちに開始できない場合である。そのため、払出制御用CPU371は、主制御通信受信バッファの下位4ビット(賞球個数コマンドにセットされた賞球個数)を上乗せカウンタにセットする(S7416)。この実施の形態では、賞球個数コマンドを受信したときに直ちに賞球払出動作を開始できない場合に、賞球個数コマンドで特定される賞球個数を直ちに未払出個数カウンタにセットするのではなく、上乗せカウンタに一旦退避する。従って、総未払出個数は、未払出個数カウンタの値と上乗せカウンタの値との和によって求められる。このように制御するのは、貸し球払出動作中に未払出個数カウンタに賞球個数が上乗せされて賞球個数を正確に管理できなくなる事態を防止するなど、払出制御に関する処理に不都合が生じないようにするためである。
図35は、払出制御処理を示すフローチャートである。払出制御処理において、払出制御用CPU371は、払出個数カウントスイッチ301の検出信号がオン状態であると(S7501)、未払出個数カウンタの値が0であるか否かを確認する(S7502)。0である場合には、払出制御用CPU371は、異常な払出の累積数をカウントするための払出個数異常カウンタの値を1加算する(S7503)。未払出個数カウンタの値が0であるということは、未払出個数カウンタに払い出すべき未払い出し数がセットされていないのであるから、遊技球の払い出しが行われない筈であるにもかかわらず、払出動作が行われ払出個数カウントスイッチ301で遊技球の払い出しが検出された場合である。そのため、何らかの不正行為により払出動作が行われた可能性があるので、払出制御用CPU101は、払出個数異常カウンタの値を累積的に1加算する。払出個数異常カウンタは、賞球や貸し球の払い出すべき数の未払出の遊技球を超えた払出過多数と払い出すべき数の未払出の遊技球に満たなかった払出不足数とを累積的にカウントするためのカウンタである。S7503の処理は、払出個数異常カウンタに払出過多数を累積的にカウントする処理に相当する。次いで、払出制御用CPU371は、加算後の払出個数異常カウンタの値が所定の払出個数異常エラー判定値(例えば2000)以上となったか否かを確認する(S7504)。所定の払出個数異常エラー判定値(例えば2000)以上となっていれば、払出制御用CPU371は、払出個数異常エラーが発生したと判断し、払出個数異常エラーが発生したことを示す払出個数異常エラーフラグをセットする(S7505)。
未払出個数カウンタの値が0でなければ、払出制御用CPU371は、未払出個数カウンタの値を1減算し、払出制御状態のフラグに払出球検知指定ビット(遊技球の払い出しを検出したことを示すビット)をセットする(S7506,S7507)。なお、払出球検知指定ビットは、払出個数カウントスイッチ301がオンしたときにセットされるビットであり、払出動作中に払出個数カウントスイッチ301が少なくとも1個の遊技球を検出したことを示すビットである。その後、払出制御用CPU371は、払出制御コードの値に応じてS7511〜S7513のいずれかの処理を実行する。
図36は、払出制御コードが0の場合に実行される払出開始待ち処理を示すフローチャートである。払出開始待ち処理において、払出制御用CPU371は、まず、エラーフラグの値が0であるか否かを確認する(S75101)。そして、エラービット(エラーフラグにおける全てのエラービットのうちの1つ以上)がセットされていたら、払出制御用CPU371は、以降の処理を実行しないように制御する。なお、この実施の形態では、S75101の処理が実行されることによって、満タンエラーと判定されてエラービットの満タンエラー指定ビットがセットされていることに基づいて、S75102以降の処理に移行しないように制御され、払出停止状態に制御される。
エラーフラグの値が0であれば、払出制御用CPU371は、BRDY信号を入力していれば(S75102のY)、払出制御状態フラグをロードし(S75103)、球貸し要求中であるか否かを確認する(S75104)。具体的には、払出制御状態フラグに球貸し要求中指定ビット(球貸し要求中であることを示すビット)がセットされているか否かを確認する。球貸し要求中であれば(すなわち、球貸し払出動作を開始する場合)、払出制御用CPU371は、払出制御状態フラグの球貸し要求中指定ビットをリセットする(S75105)とともに、払出制御状態フラグの球貸し払出動作中指定ビットをセットする(S75016)。次いで、未払出個数カウンタに所定の球貸し個数(本例では25)をセットし(S75107)、払出モータ回転回数バッファに所定の球貸し個数(本例では25)をセットする(S75108)。そして、S75113に移行する。払出モータ回転回数バッファは、払出モータ制御処理(S756)において参照される。すなわち、払出モータ制御処理では、払出モータ回転回数バッファにセットされた値に対応した回転数分だけ払出モータ289を回転させる制御が実行される。
BRDY信号を入力していなければ、払出制御用CPU371は、未払出個数カウンタの値が0であるか否かを確認し(S75109)、0でなければ(すなわち、賞球払出動作を開始する場合)、払出モータ回転回数バッファに未払出個数カウンタの値をセットする(S75110)。この場合、未払出個数カウンタには、受信した賞球個数コマンドで指定された賞球個数がセットされている筈であるから、賞球払出動作を開始するために、賞球個数を払出モータ回転回数バッファにセットする処理を行う。また、未払出個数カウンタの値が0であれば(S75109のY)、払出制御用CPU371は、上乗せカウンタの値が0であるか否かを確認し(S75109a)、0でなければ上乗せカウンタの値を未払出個数カウンタに加算するとともに(S75109b)、上乗せカウンタをリセットする(S75109c)。そして、S75110に移行する。
S75110で賞球個数を払出モータ回転回数バッファにセットすると、払出制御用CPU371は、払出制御状態フラグをロードし(S75111)、払出制御状態フラグに賞球払出動作中指定ビットをセットする(S75112)。そして、S75113に移行する。S75113では、払出制御用CPU371は、払出モータ制御処理で実行される処理を選択するための払出モータ制御コードに、払出モータ起動処理に応じて値をセットする。これにより、S756の払出モータ制御処理において、払出モータ289を起動する払出モータ起動処理が実行され、貸し球払出動作または賞球払出動作が開始される。そして、払出制御用CPU371は、払出制御コードに払出モータ停止待ち処理を示す値「1」をセットし(S75114)、処理を終了する。
払出モータ停止待ち処理(S7512)では、払出制御用CPU371は、まず、払出制御状態フラグをロードし、払出動作が終了していれば、払出制御状態フラグの払出動作終了指定ビットをリセットするとともに、後述する払出通過監視時間などをセットするために用いる払出モータ停止待ち処理設定テーブル2をセットする。次いで、払出制御状態フラグに払出球数検査済み指定ビットがセットされているか否かを確認する。払出球数検査済み指定ビットは、払出モータ289による払出動作終了時(正常動作の終了時)に払出個数カウントスイッチ301による検出の判定を行ったことを示すビットである。払出球数検査済み指定ビットがセットされていなければ、払出制御用CPU371は、払出モータ停止待ち処理設定テーブルをセットする。すなわち払出制御用CPU371は、セットしたテーブルを払出モータ停止待ち処理設定テーブルに差し替える。
次いで、払出制御用CPU371は、払出制御コードに払出通過待ち処理を示す値「2」をセットする。そして、払出制御用CPU371は、セットしたテーブルに基づいて、払出制御タイマに払出通過監視時間をセットする。払出通過監視時間は、最後の払出球が払出モータ289によって払い出されてから払出個数カウントスイッチ301を通過するまでの時間に、余裕を持たせた時間である。この実施の形態では、払出球数検査済みビットがセットされていた場合には、セットした払出モータ停止待ち処理設定テーブル2に基づいて、払出通過監視時間として1秒をセットする。また、払出球数検査済みビットがセットされていなかった場合には、差し替えた払出モータ停止待ち処理設定テーブルに基づいて、払出通過監視時間として0.6秒をセットする。
払出通過待ち処理(S7513)では、払出制御タイマがタイムアウトしていれば、払出制御用CPU371は、エラーフラグをロードし、払出個数異常エラー指定ビット、払出スイッチ異常検知エラー1指定ビット、または払出スイッチ異常検知エラー2指定ビットのいずれかがセットされていれば、払出動作をこれ以上継続できないと判断して、払出制御状態フラグの球貸し要求中指定ビット及び払出動作終了指定ビット以外のビットをリセットするとともに、払出制御コードに払出開始待ち処理を示す値「0」をセットし、処理を終了する。一方、いずれもセットされていなければ、払出制御用CPU371は、未払出個数カウンタの値が0となっているか否かを確認し、未払出個数カウンタの値が0となっていれば、正常に払出動作が終了したとして、払出制御状態フラグの球貸し要求中指定ビット及び払出動作終了指定ビット以外のビットをリセットするとともに、払出制御コードに払出開始待ち処理を示す値「0」をセットし、処理を終了する。
未払出個数カウンタの値が0となっていなければ、払出制御用CPU371は、エラーフラグをロードし、球切れエラー指定ビットまたは満タンエラー指定ビットがセットされていれば、そのまま処理を終了する。いずれもセットされていなければ、払出制御用CPU371は、エラーフラグに払出ケースエラー指定ビットがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、払出制御状態フラグをロードして払出球数検査済み指定ビットをセットするとともに、払出制御状態フラグの再払出動作中1指定ビット(1回目の再払出動作の実行を示すビット)と再払出動作中2指定ビット(2回目の再払出動作の実行を示すビット)をリセットし、処理を終了する。また、払出ケースエラー指定ビットがセットされていなければ、払出制御状態フラグの再払出動作中2指定ビット及び再払出動作中1指定ビットを確認する。
再払出動作中2指定ビット及び再払出動作中1指定ビットがセットされていない場合には、払出制御用CPU371は、初回の再払出動作を実行するために、払出制御状態フラグに再払出動作中1指定ビットをセットする。そして、払出制御状態フラグの払出球数検査済み指定ビットがセットされていれば、再払出処理に移行する。一方、払出球数検査済み指定ビットがセットされていなければ、払出制御用CPU371は、払出個数異常カウンタに未払個数カウンタの値を加算する。この処理は、払出個数異常カウンタに払出不足数を累積的にカウントする処理に相当する。次いで、払出制御用CPU371は、加算後の払出個数異常カウンタの値が所定の払出個数異常エラー判定値以上となっていれば、払出個数異常エラーフラグをセットする。その後、再払出処理に移行する。
また、再払出動作中1指定ビットがセットされている場合には、払出制御用CPU371は、払出球検知指定ビットがセットされていれば、再払出処理に移行する。セットされていなければ、2回目の再払出動作を実行するために、払出制御状態フラグに再払出動作中2指定ビットをセットするとともに、払出個数異常カウンタの値を1加算する。そして、再払出処理に移行する。また、再払出動作中2指定ビットがセットされている場合には、払出制御用CPU371は、払出球検知指定ビットがセットされていれば、再払出処理に移行する。セットされていなければ、払出制御用CPU371は、払出個数異常カウンタの値を1加算するとともに、エラーフラグに払出ケースエラー指定ビットをセットする。そして、再払出待ちタイマに所定時間(例えば2分)をセットし、処理を終了する。なお、セットされた再払出待ちタイマは、後述するエラー処理で計測され(S7710参照)、再払出タイマがタイムアウトしたことに基づいて、エラーフラグの払出ケースエラー指定ビットがリセットされる(S7711,S7712参照)。そのような処理が実行されることによって、この実施の形態では、払出ケースエラーが検出された後、2分経過したことに基づいてエラー状態が自動復旧される。
再払出処理では、払出制御用CPU371は、払出モータ回転回数バッファに再払出動作個数(本例では1)をセットする。次いで、払出球検知指定ビットをリセットする。また、払出モータ制御処理で実行される処理を選択するための払出モータ制御コードに、払出モータ起動処理に応じた値をセットする。その後、払出制御コードに払出モータ停止待ち処理を示す値をセットし、処理を終了する。
次に、エラー処理について説明する。この実施の形態では、エラーが発生していない状態である場合には、エラー表示用LED374には「−」が表示される。また、払出個数異常エラーを検出した場合には、払出制御用CPU371は、払出個数異常エラーとして、エラー表示用LED374に「A」を表示する制御を行う。なお、払出個数異常エラーとなった場合には、遊技機の電源がリセットされるまで、エラー状態が継続される。
また、払出動作停止中に未払出個数カウンタの値が500より大きくなり、未払出個数異常エラーを検出した場合には、払出制御用CPU371は、未払出個数異常エラーとして、エラー表示用LED374に「0」を表示する制御を行う。また、主基板31からの接続信号がオフ状態になった場合には、払出制御用CPU371は、主基板未接続エラーとして、エラー表示用LED374に「1」を表示する制御を行う。また、払出個数カウントスイッチ301の断線または払出個数カウントスイッチ301の部分において球詰まりが発生した場合には、払出スイッチ異常検知エラー1として、エラー表示用LED374に「2」を表示する制御を行う。なお、払出個数カウントスイッチ301の断線または払出個数カウントスイッチ301の部分において球詰まりが発生したことは、払出個数カウントスイッチ301の検出信号がオフ状態にならなかったことによって判定される。また、遊技球の払出動作中でないにも関わらず払出個数カウントスイッチ301の検出信号がオン状態になった場合には、払出スイッチ異常検知エラー2として、エラー表示用LED374に「3」を表示する制御を行う。
また、払出モータ289の回転異常または遊技球が払い出されたにも関わらず払出個数カウントスイッチ301の検出信号がオン状態にならない場合には、払出ケースエラーとして、エラー表示用LED374に「4」を表示する制御を行う。払出個数カウントスイッチ301の検出信号がオン状態にならないことの具体的な検出方法は既に説明したとおりである。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間のシリアル通信エラーが検出された場合には、主制御通信エラーとして、エラー表示用LED374に「5」を表示する制御を行う。また、下皿満タン状態すなわち満タンスイッチ48がオン状態になった場合には、満タンエラーとして、エラー表示用LED374に「6」を表示する制御を行う。補給球の不足状態すなわち球切れスイッチ187がオン状態になった場合には、球切れエラーとして、エラー表示用LED374に「7」を表示する制御を行う。また、カードユニット50からのVL信号がオフ状態になった場合には、プリペイドカードユニット未接続エラーとして、エラー表示用LED374に「8」を表示する制御を行う。不正なタイミングでカードユニット50と通信がなされた場合には、プリペイドカードユニット通信エラーとして、エラー表示用LED374に「9」を表示する制御を行う。なお、プリペイドカードユニット通信エラーは、プリペイドカードユニット制御処理(S758)において検出される。
以上のエラーのうち、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラー、または主制御通信エラーが発生した後、エラー解除スイッチ375が操作されエラー解除スイッチ375から操作信号が出力されたら(オン状態になったら)、払出制御手段は、エラーが発生する前の状態に復帰する。既に述べたように、払出制御用CPU371は、タイマ割込処理の表示制御処理(S760参照)において、エラー表示用LED374にエラー表示を行う。例えば、払出制御用CPU371は、満タンエラー指定ビットをセットしたことに基づいて(S7714参照)、表示制御処理において、満タンエラーが発生している旨を示すエラー表示「6」をエラー表示用LED374に表示する制御を行う。なお、この実施の形態では、エラー表示用LED374は、エラーの種別ごとに異なる表示を行うものであるが、例えば、いずれの種別であってもエラーが発生した場合には同一のエラー表示を行うものであってもよいし、エラーのカテゴリ(例えば、通信エラー関連やプリペイドカードユニット関連など)ごとに異なる表示を行うものであってもよい。
図37及び図38は、S757のエラー処理を示すフローチャートである。エラー処理において、払出制御用CPU371は、まず、エラーフラグをロードし、エラーフラグの払出スイッチ異常検知エラー2指定ビット、払出ケースエラー指定ビット、主制御通信エラー指定ビット及び払出個数異常エラー指定ビット以外のエラービットをリセットする(S7701)。次いで、払出制御用CPU371は、エラーフラグの値が0となっているか否かを確認し(S7702)、0となっていれば、S7710に移行する。エラーフラグの値が0でなければ(すなわち、払出スイッチ異常検知エラー2指定ビット、払出ケースエラー指定ビット、主制御通信エラー指定ビット、または払出個数異常エラー指定ビットがセットされていれば)、払出制御用CPU371は、エラー解除スイッチ375から操作信号がオン状態になったか否か確認する(S7703)。操作信号がオン状態になったら、エラー復帰時間をエラー復帰前タイマにセットする(S7709)。エラー復帰時間は、エラー解除スイッチ375が操作されてから、実際にエラー状態から通常状態に復帰するまでの時間である。
エラー解除スイッチ375から操作信号がオン状態でない場合には、エラー復帰前タイマの値を確認する(S7704)。エラー復帰前タイマの値が0であれば、すなわち、エラー復帰前タイマがセットされていなければ、S7710に移行する。エラー復帰前タイマがセットされていれば、エラー復帰前タイマの値を−1し(S7705)、エラー復帰前タイマの値が0になったら(S7706)、エラーフラグのうちの、払出スイッチ異常検知エラー2指定ビット、払出ケースエラー指定ビット及び主制御通信エラー指定ビットをリセットする(S7707)とともに、セットされていれば再払出待ちタイマをリセットする(S7708)。そして、S7710に移行する。また、エラー復帰前タイマがタイムアウトしていなければ、S7713に移行する。なお、S7707の処理が実行されるときに、払出スイッチ異常検知エラー2指定ビット、払出ケースエラー指定ビット及び主制御通信エラー指定ビットのうちには、セット状態ではないエラービットがある場合もあるが、セット状態にないエラービットをリセットしても何ら問題はない。以上のように、この実施の形態では、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラー及び主制御通信エラーのビットをセットする原因になったエラーが発生した場合には、エラー解除スイッチ375が押下されることによってエラー解除される。
S7710では、払出制御用CPU371は、セットされていれば、再払出待ちタイマの値を1減算し、減算後の再払出待ちタイマがタイムアウトしているか否かを確認する(S7711)。タイムアウトしていれば、払出制御用CPU371は、エラーフラグの払出ケースエラー指定ビットをリセットする(S7712)。そして、S7713に移行する。この実施の形態では、S7707,S7712の処理が実行されることによって、払出ケースエラーが検出されて払出検出エラー指定ビットがセットされた場合には、エラー解除スイッチ375が押下されたこと(正確には、さらにエラー復帰前時間を経過したこと)を条件にエラー解除される場合と、払出ケースエラーの検出後に所定時間(本例では2分)を経過したことを条件にエラーが自動解除される場合とがある。なお、払出個数異常エラーに関しては、一度検出されると、遊技機への電源供給をリセットしないかぎり解除されない。S7707,S7712の処理が実行されて払出ケースエラー指定ビットがリセットされた場合には、払出制御コードが「2」(払出通過待ち処理の実行に対応)であるときには、遊技球払出のリトライ動作が開始される。つまり、次にS755の払出制御処理が実行されるときにS7513の払出通過待ち処理が実行されると、再び、再払出処理が行われる。
以上のように、払出制御手段は、球払出装置97が遊技球の払い出しを行ったにもかかわらず払出個数カウントスイッチ301が1個も遊技球を検出しなかったときには遊技球を払い出すためのリトライ動作をあらかじめ決められた所定回(例えば2回)を限度として球払出装置97に実行させる補正払出制御を行った後、払出個数カウントスイッチ301が1個も遊技球を検出しなかったことが検出されたときには、払い出しに関わる制御状態をエラー状態に移行させ、エラー状態においてエラー解除スイッチ375からエラー解除信号が出力されたこと、または払出ケースエラーを検出してから所定時間(本例では2分)を経過したことを条件に再度補正払出制御を行わせる補正払出制御再起動処理を実行する。さらに、エラー状態における再払出処理の実行中(具体的には払出ケースエラーをセットする前の再払出処理中及びエラー解除スイッチ375押下後の再払出処理中)でも、図35に示すS7501,S7502,S7506処理は実行されている。すなわち、払い出しに関わるエラーが生じているときでも、遊技球が払出個数カウントスイッチ301を通過すれば、未払出個数カウンタの値が減算される。従って、エラー状態から復帰したときの未払出個数カウンタの値は、実際に払い出された遊技球数を反映した値になっている。すなわち、払い出しに関わるエラーが発生しても、実際に払い出した遊技球数を正確に管理することができる。
S7713では、払出制御用CPU371は、満タンスイッチ48の検出信号を確認する。満タンスイッチ48の検出信号が出力されていれば(オン状態であれば)、エラーフラグのうちの満タンエラー指定ビットをセットする(S7714)。また、払出制御用CPU371は、払出動作が停止中であるか否かを確認する(S7714a)。例えば、払出開始待ち処理のS75101においてエラーフラグが0でなければ以降の処理が行われないため、エラーフラグが0であるか否かによって払出動作が停止中であるか否かを確認することができる。払出動作が停止中である場合には、払出制御用CPU371は、上乗せカウンタの値と未払出個数カウンタの値との和が所定値(本例では500)より大きいか否かを確認し(S7714b)、所定値より大きければ、エラーフラグのうちの未払出個数異常指定ビットをセットする(S7714c)。また、払出制御用CPU371は、球切れスイッチ187の検出信号を確認する(S7715)。球切れスイッチ187の検出信号が出力されていれば(オン状態であれば)、エラーフラグのうちの球切れエラー指定ビットをセットする(S7716)。さらに、払出制御用CPU371は、主基板31からの接続信号の状態を確認し(S7717)、接続信号が出力されていなければ(オフ状態であれば)、主基板未接続エラー指定ビットをセットする(S7718)。
また、払出制御用CPU371は、各スイッチの検出信号の状態が設定される各スイッチタイマのうち払出個数カウントスイッチ301に対応したスイッチタイマの値を確認し、その値がスイッチオン最大時間(例えば「250」)を越えていたら(S7719)、エラーフラグのうち払出スイッチ異常検知エラー1のビットをセットする(S7720)。なお、各スイッチタイマの値は、S752の入力判定処理において、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がスイッチオン状態であれば+1され、オフ状態であれば0クリアされる。従って、払出個数カウントスイッチ301に対応したスイッチタイマの値がスイッチオン最大時間を越えていたということは、スイッチオン最大時間を越えて払出個数カウントスイッチ301がオン状態になっていることを意味し、払出個数カウントスイッチ301の断線または払出個数カウントスイッチ301の部分で遊技球が詰まっていると判断される。
また、払出制御用CPU371は、払出個数カウントスイッチ301に対応したスイッチタイマの値がスイッチオン判定値(例えば「4」)になった場合には(S7721)、払出制御状態フラグをロードし、賞球払出動作中または球貸し払出動作中であるか否かを確認する(S7722,S7723)。賞球払出動作中または球貸し払出動作中でなければ、払出制御用CPU371は、不正に払出個数カウントスイッチ301を遊技球が通過したとして、エラーフラグのうち払出スイッチ異常検知エラー2のビットをセットする(S7724)。また、払出制御用CPU371は、払出個数異常カウンタの値が所定の払出個数異常エラー判定値以上となっていれば、払出個数異常エラーフラグをセットする(S7725,S7726)。次いで、払出制御用CPU371は、プリペイドカードユニット50のエラー状態を設定するためのプリペイドカードユニット用エラーフラグをリセットする(S7727)。また、払出制御用CPU371は、カードユニット50からのVL信号の入力状態を確認し(S7728)、VL信号が入力されていなければ(オフ状態であれば)、プリペイドカードユニット用エラーフラグのうちプリペイドカードユニット未接続エラー指定ビットをセットする(S7729)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図39は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S601)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S602)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S603)、演出制御処理を実行する。演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S604)。次いで、演出制御プロセス処理を行う(S605)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S606)。その後、S702に移行する。
図40は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号に基づく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図12参照)であるのか解析する。
図41〜図42は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(S612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S621)、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S622)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S623)。また、表示結果指定コマンドであれば(S625)、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(S626)。
また、図柄確定指定コマンドであれば(S627)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(S628)。また、第1保留記憶数指定コマンドであれば(S651)、その第1保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を第1保留記憶数として第1保留記憶数保存領域に格納する(S652)。また、第2保留記憶数指定コマンドであれば(S654)、その第2保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を第2保留記憶数として第2保留記憶数保存領域に格納する(S655)。また、賞球不足エラーコマンドであれば(S655a)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示画面に所定の賞球不足エラー報知情報(例えば、「賞球不足エラーが発生しました」等の文字列)を重畳表示する制御を行う(S655b)。また、賞球過剰エラーコマンドであれば(S655c)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示画面に所定の賞球過剰エラー報知情報(例えば、「賞球過剰エラーが発生しました」等の文字列)を重畳表示する制御を行う(S655d)。
また、枠状態表示指定コマンドであれば(S656)、演出制御用CPU101は、枠状態表示指定コマンドが未払出個数異常エラーを示しているか否かを確認し(S657)、未払出個数異常エラーを示していれば、第1異常報知LED19aを点灯する制御を行い(S658)、未払出個数異常エラーを示していなければ、第1異常報知LED19aを消灯する制御を行う(S661)。次いで、演出制御用CPU101は、枠状態表示指定コマンドが満タンエラーを示しているか否かを確認し(S659)、満タンエラーを示していれば、第2異常報知LED19bを点灯する制御を行い(S660)、満タンエラーを示していなければ、第2異常報知LED19bを消灯する制御を行う(S661)。
S656〜S662の処理が実行されることによって、満タン状態になったことが検出されたときには、第2異常報知LED19bが点灯され、満タンエラー等が生じたことで払出動作が停止された後に未払出個数異常エラーが生じたことが検出されたときには、第1異常報知LED19aが点灯される。そのため、この実施の形態では、状態に応じた制御が行われることによって、遊技者や遊技機の管理者に対して、遊技機の状態を詳細に報知することができる。なお、この実施の形態では、枠状態表示指定コマンドによって示されるエラーのうち、満タンエラーと未払出個数異常とに対応してそれぞれ制御を行う場合について説明しているが、球切れエラーや払出個数異常エラーを示す枠状態表示指定コマンドを受信したときにも、対応する制御(例えば、各エラーに対応付けて設けられたLED等の発光体を発光させる等)を行うようにしてもよい。また、枠状態表示指定コマンドによって払出ケースエラーなどの他の各種エラーの発生が示されている場合にも、それぞれ対応する制御を行うようにしてもよい。また、各エラーに対応付けられた発光体をそれぞれ設けるのではなく、例えば、エラー報知用の発光体を1つ設け、エラー種別に応じて異なる態様で発光させるようにしてもよい。
また、受信した演出制御コマンドがいずれかの入賞時判定結果指定コマンドであれば(S664)、演出制御用CPU101は、受信した入賞時判定結果指定コマンドに応じた入賞時判定結果を入賞時判定結果記憶バッファにおいて合算保留記憶数に対応付けられた領域に保存し(S665)、先読み演出決定処理を行う(S671)。また、その他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットし(S683)、S611に移行する。なお、始動入賞時に大当りの有無や変動パターンを判定し、判定結果をそれぞれ別のコマンドで送信するように構成されている場合には、S664において全てのコマンドを受信しているか否かを確認することによって、コマンドの送受信処理が正常に行われているか否かを判断することができる。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100において、合算保留記憶数は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数と、第2保留記憶数保存領域に格納されている第2保留記憶数とを合算することで求められる。第1保留記憶数は、第1保留記憶数指定コマンドを受信した後に、S652において更新され、第2保留記憶数は、第2保留記憶数指定コマンドを受信した後に、S655において更新されるため、合算保留記憶数も同じタイミングで更新される。また、入賞時判定結果指定コマンドは、始動口スイッチ通過処理のS1218においては、第1保留記憶数指定コマンドを送信した後に送信され、S1228においては、第2保留記憶数指定コマンドを送信した後に送信される。そのため、演出制御用マイクロコンピュータ100は、合算保留記憶数を更新した後に、入賞時判定結果指定コマンドを受信する。なお、演出制御用CPU101は、S665の処理で、例えば、入賞時判定結果指定コマンドの2バイト目のデータを入賞時判定結果バッファにおいて合算保留記憶数に対応付けられた保存領域にセットする。入賞時判定結果指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)で、入賞時判定結果が特定されるからである(図13参照)。また、入賞時判定結果記憶バッファにセットされたデータは、後述する演出図柄変動開始処理(S1800の処理が実行されるタイミングなど)において、先にセットされたものから順に削除される。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560で第1保留記憶数、第2保留記憶数及び合算保留記憶数を管理し、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された第1保留記憶数または第2保留記憶数を指定するコマンドに基づいて、第1保留記憶数、第2保留記憶数及び合算保留記憶数が認識され、認識されたそれらの保留記憶数の値が演出制御用マイクロコンピュータ100で実行される処理に用いられている。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100で用いられる合算保留記憶数とは、遊技制御用マイクロコンピュータ560で管理されている合算保留記憶数と同じ名称であるが、遊技制御用マイクロコンピュータ560で管理されている合算保留記憶数がそのまま利用されているわけではなく、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されたコマンドに基づいて認識されたものである。
図43は、入賞時判定結果を保存する領域(入賞時判定結果記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図43に示すように、入賞時判定結果記憶バッファにおいて合算保留記憶数に対応付けられた8個の保存領域が確保されている。また、この実施の形態では、入賞時判定結果に基づいて、入賞時判定結果によって特定される変動表示が大当りとなる可能性があることを、特定される変動表示に対応する保留表示を通常態様以外の表示態様に変化させて表示することによって予告する先読み演出が実行される。そのため、図43に示す例では、入賞時判定結果(すなわち、入賞時判定結果によって特定される変動表示及び特定される変動表示に対応する保留表示)に対応付け可能な先読み演出に関連するデータとして、現在の保留表示の表示態様を示す保留表示態様と、先読み演出によって最終的にどの表示態様に変化させて表示するかを示す最終表示態様と、実行される先読み演出のパターンを示す先読み演出パターンと、先読み演出が実行される場合の保留表示が変化するタイミング(本例では保留表示が何回シフトしたタイミングで変化するか)を示すシフト回数カウンタと、保留表示の表示態様が変化する可能性を示唆する示唆演出の態様を示す示唆演出態様(図43の例では保留表示が変化するタイミングで実行される示唆演出態様)とが示されている。
入賞時判定結果記憶バッファにセットされたデータは、演出図柄変動開始処理において、先にセットされたものから順に削除され、対応する保留表示も同時にシフトして表示される。例えば、図43(A)に示す状態で、演出図柄変動開始処理が1回行われると、入賞時判定結果記憶バッファにセットされたデータは、図43(B)に示す状態に移行する。さらに演出図柄変動開始処理が2回行われると、入賞時判定結果記憶バッファにセットされたデータは、図43(C)に示す状態に移行する。なお、図43に示す例では、入賞時判定結果が第1始動入賞と第2始動入賞とのいずれに基づくものであるかが特定されているため、後述するS67111の処理において、第1始動入賞に基づく保留表示と第2始動入賞に基づく保留表示とを異なる表示態様で表示する(例えば、第1始動入賞に基づく保留表示を赤色で表示し、第2始動入賞に基づく保留表示を青色で表示する)ようにしてもよい。なお、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、いずれの入賞時判定結果であるかを区別するために、第1始動入賞口13への始動入賞時の入賞時判定結果を保存する第1入賞時判定結果記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞時の入賞時判定結果を保存する第2入賞時判定結果記憶バッファとを用意するようにしてもよい。
次に、先読み演出について説明する。先読み演出とは、演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行され、演出の対象となる変動表示が大当りとなることや特定の変動(例えば、リーチ演出を含むなど)となることを予告する予告演出のことである。この実施の形態では、先読み演出として、合算保留記憶表示部18cにおいて、予告対象となる変動表示(保留記憶)に対応する保留表示が、通常の表示態様(以下、通常態様)とは異なる表示態様(後述する特殊態様または第1特別態様もしくは第2特別態様)に変化して表示される演出が行われる。
図44は、先読み演出決定処理を示すフローチャートである。先読み演出決定処理において、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数が1より大きいか否かを確認し(S67101)、大きくなければ、合算保留記憶表示部18cにおいて、最新の保留記憶に対応する新たな保留表示を通常態様で表示する(S67111)。例えば、合算保留記憶表示部18cの1つ目〜5つ目の保留表示が表示されていた場合には、演出制御用CPU101は、6つ目の保留表示を通常態様で表示するように制御する。なお、この実施の形態では、先読み演出として保留表示の表示態様を変化させるタイミングが保留表示をシフトさせるタイミングに限られているため、シフトする機会がない合算保留記憶数が1の場合には先読み演出が実行されないが、先読み演出として始動入賞時にも表示態様を変化させる(または最初から通常態様以外の表示態様で表示させる)ことを許容する場合には、合算保留記憶数が1の場合にも先読み演出が実行され得るため、S67101の処理が省略される。また、合算保留記憶数が1のときにも先読み演出の実行を許容する場合であっても、後述する第2先読み演出パターン(保留表示の表示態様が2回変化する)に基づいて先読み演出が実行されることは制限するようにしてもよい。
合算保留記憶数が1より大きければ、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファが記憶する最新の入賞時判定結果(今回受信した入賞時判定結果指定コマンドに示される入賞時判定結果)を抽出し(S67102)、抽出した入賞時判定結果に基づいて、先読み演出を実行するか否かを決定する(S67104)。演出制御用CPU101は、保留表示が通常態様以外の表示態様に変化中であること(すなわち合算保留記憶表示部18cにおいて通常態様以外の表示態様で保留表示が表示されていること)を示す保留表示変化中フラグの状態に応じて、図45に示す先読み演出実行決定テーブルを用いて、先読み演出を実行するか否かを決定する。
図45は、先読み演出実行決定テーブルを示す説明図である。先読み演出実行決定テーブルには、入賞時判定結果ごとに決定事項(「先読み演出を実行する」または「先読み演出を実行しない」)に対応する判定値が割り当てられているが、図45に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、先読み演出を実行するか否かを決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項(「先読み演出を実行する」または「先読み演出を実行しない」)に決定する。従って、図45に示す例では、各入賞時判定結果における「先読み演出を実行する」と「先読み演出を実行しない」とに対応する数値は、決定事項として「先読み演出を実行する」または「先読み演出を実行しない」が選択される割合(%)を示している。なお、この実施の形態では、図45に示す先読み演出実行決定テーブルの他に、図46(A)に示す最終表示態様決定テーブル、図46(B),(C)に示す先読み演出パターン決定テーブル、図47〜図50に示す先読み演出変化タイミング決定テーブル及び図51に示す示唆演出態様決定テーブルについても、実際には判定値が割り当てられているが、説明を簡略化するために割り当てられた判定値の割合が示されている。また、それらのテーブルが用いられる後述するS67106、S67107、S67108、S67110においても、S67104と同様に乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている事項に決定する。
S67104では、演出制御用CPU101は、保留表示変化中フラグの状態に応じて、図45(A)に示す先読み演出実行決定テーブル(保留表示変化中フラグ非セット時)または図45(B)に示す先読み演出実行決定テーブル(保留表示変化中フラグセット時)を選択する。そして、演出制御用CPU101は、抽出した最新の入賞時判定結果に基づいて、選択した先読み演出実行決定テーブルにおいて入賞時判定結果ごとに定められた割合で、先読み演出を実行するか否かを決定する。例えば、入賞時判定結果で「擬似連3スーパー当り」であることが示されており、保留表示変化中フラグがセットされていないときには、99%の割合で先読み演出を実行すると決定し、保留表示変化中フラグがセットされているときには、50%の割合で先読み演出を実行すると決定する。
図45に示す先読み演出実行決定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果が「はずれ」である場合に比べて、「通常大当り」または「確変大当り」である場合の方が、また、同じ表示結果であっても、期待度が高いリーチ演出が行われる方が、先読み演出が実行される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、先読み演出が実行されたときには、先読み演出が実行されないときに比べて、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることや、大当りとなる期待度が高いリーチ演出が行われる割合を高くすることができる。従って、先読み演出が実行されることに対して遊技者に期待感を持たせることができる。
また、図45に示す先読み演出実行決定テーブルにおいて特徴的なことは、保留表示変化中フラグがセットされているとき(すなわち、合算保留記憶表示部18cにおいて、いずれかの保留表示が通常態様以外の表示態様で表示されているとき)には、保留表示変化中フラグがセットされていないとき(すなわち、合算保留記憶表示部18cにおいて、いずれの保留表示も通常態様以外の表示態様で表示されていないとき)に比べて、先読み演出が実行される割合が低くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、既に合算保留記憶表示部18cにおいて、いずれかの保留表示が通常態様以外の表示態様で表示されているときには、新たに先読み演出が実行されることが少なくなるため、例えば保留表示の表示態様が変化する可能性を示唆する示唆演出が実行されたときに、通常態様で表示されている保留表示よりも、通常態様以外の表示態様で表示されている保留表示の表示態様がさらに変化する割合を高くすることができる(つまり、先に開始されている第2先読み演出パターン(後述する)に基づく先読み演出によって特殊態様から特別態様に変化して表示される割合を高くすることができる)。また、詳細については後述するが、この実施の形態では、保留表示の表示態様に応じて大当りとなる期待度が異なるように構成されている(厳密には、この実施の形態では、最終表示態様が特殊態様であれば大当りとなる期待度は0であるが、特殊態様の保留表示は第1特別態様または第2特別態様に変化する可能性があるため、保留表示が特殊態様で表示されることにも大当りとなる期待度があるといえる)。そのため、遊技者にとっては、より大当りとなる期待度が高い表示態様に変化することが望ましい。よって、既に合算保留記憶表示部18cにおいて、いずれかの保留表示が通常態様以外の表示態様で表示されているときには、その保留表示がさらに大当りとなる期待度が高い表示態様に変化しやすいため、先読み演出(示唆演出)が実行される際の保留表示の表示態様にも関心を持たせることができ、先読み演出の興趣を高めることができる。
なお、図45に示す例では、入賞時判定結果で「非リーチはずれ」である場合にも1%の割合で先読み演出を実行すると決定されるが、「非リーチ」の場合には、先読み演出を実行すると決定されないようにしてもよい。また、入賞時判定結果で示される変動パターンごとに先読み演出を実行するか否かを決定するための判定値(割合)が設定されているが、例えば、表示結果ごとに先読み演出を実行するか否かを決定するための判定値(割合)が設定されていてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み演出を実行すると決定した場合には、S67106に移行する。一方、先読み演出を実行しないと決定した場合には、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて、最新の保留記憶に対応する新たな保留表示を通常態様で表示する(S67111)。次いで、演出制御用CPU101は、先読み演出において、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示を、最終的にどの表示態様で表示するかを決定する(S67106)。この実施の形態では、保留表示の表示態様として、通常態様(本例では「○」で表示される(図57参照))の他に、特殊態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)、第1特別態様(本例では「○」内に「△」が含まれる)及び第2特別態様(本例では「○」内に「○」が含まれる)が設けられている。ただし、後述するように、特殊態様で表示された保留表示は、その保留表示に対応する保留情報に基づく変動表示が開始されるまでに、特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示されることがある。
図46(A)は、最終表示態様決定テーブルを示す説明図である。S67106において、演出制御用CPU101は、最終表示態様決定テーブルを用いて、最終的にどの表示態様で表示するか(以下、最終表示態様ともいう)を決定する。具体的には、抽出した最新の入賞時判定結果に基づいて、最終表示態様決定テーブルにおいて入賞時判定結果(変動表示の表示結果)ごとに定められた割合で、最終表示態様を決定する。例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「はずれ」であることが示されている場合には、演出制御用CPU101は、最終表示態様を60%の割合で特殊態様に決定し、30%の割合で第1特別態様に決定し、10%の割合で第2特別態様に決定する。
図46(A)に示す最終表示態様決定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果が「はずれ」である場合に比べて、「通常大当り」または「確変大当り」である場合の方が、第2特別態様に決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、保留表示が第2特別態様で表示されたときには、第1特別態様で表示されたときに比べて、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることができる。従って、第1特別態様よりも第2特別態様で表示された方が大当りとなる期待度を高くすることができ、先読み演出が実行されたときに、保留表示がどの表示態様で表示されるかについて着目させることができる。また、最終表示態様が特殊態様であるときには、必ず変動表示の表示結果が「はずれ」であるため、特殊態様で表示された保留表示は、特別態様に変化しやすいが(後述する第2先読み演出パターンに基づく先読み演出による)、変化しなければ対応する変動表示の表示結果が必ず「はずれ」となる。従って、保留表示が特殊態様で表示されたときに、その保留表示の表示態様が変化するか否かに関心を持たせることができ、遊技興趣を高めることができる。
なお、図46(A)に示す例では、入賞時判定結果で示される表示結果ごとに最終表示態様を決定するための判定値(割合)が設定されているが、「通常大当り」と「確変大当り」とで異なる判定値(割合)が設定されていてもよいし、表示結果が「通常大当り」もしくは「確変大当り」または「突然確変大当り」もしくは「小当り」であっても、少ない割合であれば、最終表示態様が特殊態様に決定されるように判定値(割合)が設定されていてもよい。また、例えば、図45の先読み演出実行決定テーブルと同様に、入賞時判定結果で示される変動パターンごとに最終表示態様を決定するための判定値(割合)が設定されていてもよい。そのようにすることで、保留表示が第2特別態様で表示されたときに、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることの他に、期待度が高いリーチ演出が行われる割合も高くすることができる。また、入賞時判定結果で示される変動パターンごとに最終表示態様を決定する場合に、最終表示態様が特殊態様と決定されるのは、入賞時判定結果で示される変動パターンが入賞時判定結果2(22)「非リーチはずれ」の場合のみとしてもよい。そのようにすることで、特殊態様で表示された保留表示は、特別態様に変化しやすいが(後述する第2先読み演出パターンに基づく先読み演出による)、変化しなければ、対応する変動表示がリーチ状態にもならずにはずれとなる。そのため、特殊態様で表示された保留表示の表示態様が変化するか否かによって、変動表示の内容や表示結果に大きな差をつけることができ、遊技興趣を高めることができる。また、この実施の形態では、最終表示態様として第1特別態様と第2特別態様との2種類の表示態様が設けられているが、これに限らず、3種類以上の表示態様を設け、それぞれ期待度が異なる(表示結果に応じて選択される割合が異なる)ようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み演出の演出パターン(以下、先読み演出パターンともいう)を決定する(S67107)。この実施の形態では、先読み演出パターンとして、第1先読み演出パターン、第2先読み演出パターン及び第3先読み演出パターンが設けられている。第1先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングで通常態様で表示され、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングで、通常態様から特殊態様に変化して表示される。また、第2先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングで通常態様で表示され、任意の第1シフトタイミングで通常態様から特殊態様に変化して表示され、第1シフトタイミング後の予告対象の変動表示が開始されるまでの任意の第2シフトタイミングで特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。また、第3先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングで通常態様で表示され、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングで通常態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。保留表示のシフトタイミングとは、新たな変動表示が開始されるタイミングであって、後述する演出図柄変動開始処理において、合算保留記憶表示部18cにおける1つ目の保留表示を消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、合算保留記憶表示部18cにおける合算保留記憶数表示を更新するタイミング(具体的には、S1800が実行されるタイミング)である。例えば、合算保留記憶表示部18cの1つ目〜3つ目の保留表示が表示されていた場合に、シフトタイミング(すなわち新たな変動表示が開始されるタイミング)で1つ目の保留表示が消去されるとともに、2つ目に表示されていた保留表示が1つ目の表示領域にシフトされ、3つ目に表示されていた保留表示が2つ目の表示領域にシフトされる。
図46(B),(C)は、先読み演出パターン決定テーブルを示す説明図である。S67107において、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数に基づいて、先読み演出パターン決定テーブルを選択し、選択した先読み演出パターン決定テーブルを用いて、先読み演出パターンを決定する。具体的には、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数が2の場合には、図46(B)に示す先読み演出パターン決定テーブル(合算保留記憶数=2)を選択し、合算保留記憶数が2より大きいの場合には、図46(C)に示す先読み演出パターン決定テーブル(合算保留記憶数>2)を選択する。この実施の形態では、第2先読み演出パターンは、表示態様が2段階(通常態様から特殊態様、特殊態様から特別態様)変化するため、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示に少なくとも2回以上のシフトタイミングがなければ、全ての変化が終わる前に保留表示が消去されてしまい、実行することができない。従って、合算保留記憶数が2の場合(すなわち最新の入賞時判定結果に対応する保留表示に2回以上のシフトタイミングがない場合)には、第2先読み演出パターンに決定されないように判定値が設定された図46(B)に示す先読み演出パターン決定テーブル(合算保留記憶数=2)が用いられる。演出制御用CPU101は、選択した先読み演出パターン決定テーブルを用いて、S67106で決定した最終表示態様ごとに定められた割合で、先読み演出パターンを決定する。例えば、最終表示態様が第1特別態様であり、合算保留記憶数が2より大きい場合には、先読み演出パターンを、80%の割合で第2先読み演出パターンに決定し、20%の割合で第3先読み演出パターンに決定する。
なお、この実施の形態では、保留表示の表示態様が変化するタイミングは、シフトタイミングのみであるが、例えば、変動中のリーチ発生前や、1つ目の演出図柄が停止する前、2つ目の演出図柄が停止する前、リーチ中、変動停止時などの任意のタイミングでも変化可能としてもよい。この場合、何回目のシフトタイミングで変化させるかを決定するだけでなく、どのタイミングで変化させるかを決定するようにすればよい。また、任意のタイミングで保留表示の表示態様を変化可能とする場合には、合算保留記憶数が2つの場合であっても、第2先読み演出パターン(すなわち保留表示の表示態様が2回変化する)に基づいて先読み演出を実行させることを許容するようにしてもよい。
図46(B),(C)に示す先読み演出パターン決定テーブルにおいて特徴的なことは、最終表示態様が第1特別態様である場合に比べて、第2特別態様である場合の方が、第3先読み演出パターンに決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、第3先読み演出パターンで先読み演出が行われたとき(すなわち始動入賞時に保留表示が通常態様で表示され、その後、特別態様に変化して表示されるとき)には、第2先読み演出パターンで先読み演出が行われたとき(すなわち保留表示が通常態様から特殊態様に変化して表示され、さらに特殊態様から特別態様に変化して表示されるとき)に比べて、大当りとなる期待度が第1特別態様よりも高い第2特別態様に最終的に変化して表示される割合が高くなる。従って、先読み演出パターンごとに大当りとなる期待度を異ならせることができ、先読み演出がどの先読み演出パターンで実行されるかについて着目させることができる。なお、この実施の形態で示した例に限らず、第2先読み演出パターンで先読み演出が行われたときには、第3先読み演出パターンで先読み演出が行われたときに比べて、大当りとなる期待度が高い第2特別態様に最終的に変化して表示される割合が高くなるようにしてもよい。
また、図46(C)に示す先読み演出パターン決定テーブルにおいて特徴的なことは、通常態様の保留表示が特別態様に変化する第3先読み演出パターンよりも、特殊態様の保留表示が特別態様に変化する第2先読み演出パターン方が決定される割合が高いことである。このように設定されることによって、通常態様の保留表示よりも特殊態様の保留表示の方が、特別態様に変化して表示される割合が高くなる。従って、特殊態様の保留表示を通常態様の保留表示よりも特別態様に変化させやすくすることができ、保留表示が特殊態様で表示されたときの期待感を高めることができる。
なお、この実施の形態では、説明を簡略化するために、第1先読み演出パターンにおいて、保留表示が通常態様から特殊態様に変化して表示されるタイミングと、第2先読み演出パターンにおいて、保留表示が通常態様から特殊態様に変化して表示される第1タイミング及び特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される第2タイミングと、第3先読み演出パターンにおいて、保留表示が通常態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示されるタイミングとを、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングとしているが、これに限らず、他のタイミングであってもよい。例えば、予告対象の変動表示が開始されるまでに実行される変動表示中(1つの変動表示または複数の変動表示にまたがった期間)の任意のタイミングで表示態様を変化させるようにしてもよい。この場合には、例えば、合算保留記憶数が1の場合にも、先読み演出を実行可能とし、さらに合算保留記憶数にかかわらず第2先読み演出パターンを決定可能とし、始動入賞時に保留表示を通常態様で表示し、その保留表示(保留情報)に対応する変動表示が開始されるまでに通常態様から特殊態様に変化して表示させ、特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示させるようにしてもよい。また、この実施の形態では、第1先読み演出パターン〜第3先読み演出パターンの3つのパターンについて説明するが、これに限らず、例えば、通常態様から第1特別態様に変化し、さらに第2特別態様に変化するパターンや、通常態様から特殊態様、特殊態様から第1特別態様に変化し、さらに第2特別態様に変化するパターンを用いてもよい。つまり、大当りとなる期待度が異なる複数段階の保留表示の表示態様が設けられ、保留表示の表示態様が段階的に変化して表示される先読み演出には、変化の回数に上限が設けられていない。
先読み演出パターンを決定すると、演出制御用CPU101は、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示の表示態様を変化させる変化タイミング(本例では、保留表示のシフト回数)を決定し、変化タイミング(シフト回数)を特定するためのシフト回数カウンタにセットする(S67108)。この実施の形態では、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示の表示態様が変化するタイミングは、任意の保留表示のシフトタイミングである。従って、変化タイミング(シフト回数)を決定することによって、予告対象の変動表示に対応する保留表示に対して何回目のシフトが行われるタイミングで表示態様を変化させるかが決定される。例えば、変化タイミング(シフト回数)を2と決定すると、予告対象の変動表示に対応する保留表示に対して2回目のシフトが行われるタイミングで、その保留表示の表示態様を変化させる。
図47〜図50は、変化タイミング決定テーブルを示す説明図である。S67108において、演出制御用CPU101は、S67106で決定した最終表示態様と、S67107で決定した先読み演出パターンと、保留表示変化中フラグの状態とに基づいて変化タイミング決定テーブルを選択し、選択した変化タイミング決定テーブルと合算保留記憶数とに基づいて、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を決定する。具体的には、演出制御用CPU101は、最終表示態様が特殊態様で、先読み演出パターンが第1先読み演出パターンであって、保留表示変化中フラグがセットされていないときには、図47(A)に示す第1先読み演出パターン変化タイミング決定テーブル(保留表示変化中フラグ非セット時)を選択する。そして、演出制御用CPU101は、選択した第1先読み演出パターン変化タイミング決定テーブルにおいて合算保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を1〜7のいずれかに決定する。
また、演出制御用CPU101は、先読み演出パターンが第2先読み演出パターンであって、保留表示変化中フラグがセットされておらず、最終表示態様が第1特別態様であるときには、図48(A)に示す第2先読み演出パターン変化タイミング決定テーブル(保留表示変化中フラグ非セット時)(通常態様から特殊態様への第1変化タイミング及び特殊態様から第1特別態様への第2変化タイミング)を選択し、最終表示態様が第2特別態様であるときには、図48(B)に示す第2先読み演出パターン変化タイミング決定テーブル(保留表示変化中フラグ非セット時)(通常態様から特殊態様への第1変化タイミング及び特殊態様から第2特別態様への第2変化タイミング)を選択する。また、演出制御用CPU101は、先読み演出パターンが第2先読み演出パターンであって、保留表示変化中フラグがセットされている場合には、最終表示態様にかかわらず、図49(A)に示す第2先読み演出パターン変化タイミング決定テーブル(保留表示変化中フラグセット時)(通常態様から特殊態様への第1変化タイミング及び特殊態様から第1特別態様または第2特別態様への第2変化タイミング)を選択する。そして、演出制御用CPU101は、選択した第2先読み演出パターン変化タイミング決定テーブルにおいて合算保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の第1変化タイミング(シフト回数)を1〜6のいずれかに決定するとともに、第2変化タイミング(シフト回数)を2〜7のいずれかに決定する。
なお、上述したように、図48〜図49に示す第2先読み演出パターン変化タイミング決定テーブルには、乱数に対応する判定値の割合が示されており、実際には、例えば、1〜1000の乱数を用いる場合には、乱数に対応する1〜1000の判定値が割り当てられている。従って、例えば、判定値の割合が0.5であれば(図48(A)の第1シフトタイミング:6、第1シフトタイミング:7)、判定値1〜5が割り当てられている。また、この実施の形態では、図48〜図49に示す第2先読み演出パターン変化タイミング決定テーブルを用いて、第1変化タイミングと第2変化タイミングとが同時に決定されているが、それぞれ別に決定するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、先読み演出パターンが第3先読み演出パターンであって、保留表示変化中フラグがセットされておらず、最終表示態様が第1特別態様であるときには、図50(A)に示す第3先読み演出パターン変化タイミング決定テーブル(保留表示変化中フラグ非セット時)(通常態様から第1特別態様への変化タイミング)を選択し、最終表示態様が第2特別態様であるときには、図50(B)に示す第3先読み演出パターン変化タイミング決定テーブル(保留表示変化中フラグ非セット時)(通常態様から第2特別態様への変化タイミング)を選択する。また、演出制御用CPU101は、先読み演出パターンが第3先読み演出パターンであって、保留表示変化中フラグがセットされている場合には、最終表示態様にかかわらず、図50(C)に示す第3先読み演出パターン変化タイミング決定テーブル(保留表示変化中フラグセット時)(通常態様から第1特別態様または第2特別態様への第2変化タイミング)を選択する。そして、演出制御用CPU101は、選択した第3先読み演出パターン変化タイミング決定テーブルにおいて合算保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を1〜7のいずれかに決定する。
図47〜図50に示す先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて特徴的なことは、保留表示変化中フラグがセットされているとき(すなわち、合算保留記憶表示部18cにおいて、いずれかの保留表示が通常態様以外の表示態様で表示されているとき)には、保留表示変化中フラグがセットされていないとき(すなわち、合算保留記憶表示部18cにおいて、いずれかの保留表示が通常態様以外の表示態様で表示されていないとき)に比べて、変化タイミングが遅くなる(変化タイミングに達するまでのシフト回数が多くなる)割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、合算保留記憶表示部18cにおいて、いずれかの保留表示が通常態様以外の表示態様で表示されているときには、新たに実行される先読み演出は、変化タイミングが遅めに決定されやすく(変化タイミングに達するまでのシフト回数が多くなりやすく)、既に通常態様以外の表示態様で表示されている保留表示が消去された後に変化する割合が高くなる。つまり、合算保留記憶表示部18cにおいて、いずれかの保留表示が通常態様以外の表示態様(例えば特殊表示)で表示されているときには、通常態様で表示されている保留表示よりも、通常態様以外の表示態様(例えば特殊表示)で表示されている保留表示の表示態様がさらに変化する割合を高くすることができる。そのため、合算保留記憶表示部18cにおいて、いずれかの保留表示が通常態様以外の表示態様で表示されているときには、その保留表示がさらに大当りとなる期待度が高い表示態様に変化しやすいため、先読み演出(示唆演出)が実行されるときの保留表示の表示態様にも関心を持たせることができ、先読み演出の興趣を高めることができる。
また、図47〜図50に示す先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて特徴的なことは、最終表示態様が第1特別態様であるときには、第2特別態様であるときよりも、変化タイミングが遅くなる(変化タイミングに達するまでのシフト回数が多くなる)割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、保留表示の表示態様が早いタイミングで(少ないシフト回数)で変化した方が、大当りとなる期待度が高い第2特別態様に変化する割合を高くすることができる。従って、保留表示が変化するタイミング(すなわち何番目の保留表示が変化するか)に関心を持たせることができる。なお、図47〜図50に示す例に限らず、最終表示態様が第1特別態様であるときには、第2特別態様であるときよりも、変化タイミングが早くなる(変化タイミングに達するまでのシフト回数が少なくなる)割合が高くなるように判定値が設定されていてもよい。この場合には、保留表示の表示態様が遅いタイミングで(多くのシフト回数)で変化した方が、大当りとなる期待度が高い第2特別態様に変化しやすくすることができる。また、この実施の形態では、保留表示変化中フラグがセットされていれば、最終表示態様にかかわらず、同じ先読み演出変化タイミング決定テーブル(図49(A)の第2先読み演出パターン変化タイミング決定テーブル(保留表示変化中フラグセット時)または図50(C)の第3先読み演出変化タイミング決定テーブル(保留表示変化中フラグセット時))が用いられるが、保留表示変化中フラグがセットされているときにも、最終表示態様に応じて、それぞれ異なる変化タイミングに決定されるように判定値が割り当てられた先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、説明を簡略化するために、保留表示の表示態様を変化させるタイミングを、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングとしているが、始動入賞時点から予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のタイミングで表示態様を変化可能とする場合には、例えば、変化させるタイミング(始動入賞時や特定のシフトタイミング、特定の変動表示中など)を特定可能な複数種類の変化タイミングパターンを設け、入賞時判定結果に応じていずれかを選択するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに入賞しても、入賞順に変動表示が行われ、高ベース(すなわち第2始動入賞口14に入賞しやすい)状態であっても、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれかに入賞したことに基づいて先読み演出が実行され得るように構成されている。そのため、先読み演出決定処理の先読み演出パターンを決定する処理(S67107)や、変化タイミングを決定する処理(S67108)では、図46〜図50に示すように、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが合算された合算保留記憶数に基づいて、先読み演出パターンと変化タイミングとが決定されている。しかし、上述のように、遊技状態に応じて、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれかの始動入賞に基づく先読み演出の実行が制限されるように構成されている場合には、先読み演出パターンを決定する処理(S67107)や、変化タイミングを決定する処理(S67108)において、合算保留記憶数ではなく、先読み演出の実行対象となる保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)に基づいて、先読み演出パターンと変化タイミングとを決定するようにしてもよい。
変化タイミング(シフト回数)を決定すると、演出制御用CPU101は、保留表示の変化タイミングで行う示唆演出の演出態様を決定する(S67110)。この実施の形態では、保留表示の表示態様が変化する可能性があることを示唆する示唆演出がシフトタイミングで実行可能である。また、示唆演出は、第1演出態様(本例では楕円内に「チャンス!」と表示される)または第2演出態様(本例では長方形内に「チャンス!」と表示される)で実行される。S67110では、保留表示の変化タイミングで実行される示唆演出の演出態様が、第1演出態様または第2演出態様のいずれかに決定される。
この実施の形態では、示唆演出の演出態様に応じて、異なる割合で保留表示が特殊態様、第1特別態様または第2特別態様に変化する。具体的には、示唆演出が第2演出態様で実行される場合には、示唆演出が第1演出態様で実行される場合に比べて、保留表示の表示態様が変化する割合が高い。なお、詳細については後述するが、示唆演出は、保留表示の変化タイミング以外のシフトタイミングでも実行される。そのため、これらを区別するために、保留表示の変化タイミングで実行される示唆演出を示唆演出(成功パターン)ともいい、保留表示の変化タイミング以外のシフトタイミングで実行される示唆演出を示唆演出(失敗パターン)ともいう。示唆演出(成功パターン)と示唆演出(失敗パターン)とのいずれについても、第1演出態様または第2演出態様で実行される。
図51は、示唆演出態様決定テーブルを示す説明図である。S67110において、演出制御用CPU101は、図51(A)に示す示唆演出態様決定テーブルを用いて、保留表示の変化タイミングで行う示唆演出の演出態様を決定する。
図51に示す示唆演出態様決定テーブルにおいて特徴的なことは、変化タイミングにおいては、第1演出態様よりも第2演出態様に決定される割合が高く、非変化タイミングにおいては、第2演出態様よりも第1演出態様に決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、示唆演出の演出態様に応じて、保留表示の表示態様が変化する可能性を異なる割合で示唆することができる。従って、示唆演出に多様性を持たせることができるとともに、いずれの演出態様の示唆演出が実行されるかに着目させることができる。なお、図51に示す例に限らず、入賞時判定結果記憶バッファに記憶されているいずれかのシフト回数カウンタの値が0以上である(すなわち保留表示の表示態様が変化する予定がある)場合に用いられる示唆演出態様決定テーブルを設け、非変化タイミングに示唆演出(失敗パターン)を実行する割合が高くなるように判定値を設定するようにしてもよい。このようにすることで、示唆演出(失敗パターン)であっても、実行される頻度によって期待を持たせることができる。
なお、この実施の形態では、示唆演出の演出態様に応じて、保留表示の表示態様が変化する可能性を異なる割合で示唆するが、例えば、保留表示の表示態様がいずれの表示態様に変化するかを異なる割合で示唆するようにしてもよい。例えば、示唆演出が第1演出態様A(例えば、楕円内の「チャンス!」の文字が赤色で表示される)で実行される場合には、第1演出態様B(例えば、楕円内の「チャンス!」の文字が白色で表示される)で実行される場合に比べて、大当り期待度が高い第2特別態様に変化する割合が高くなるようにしてもよい。また、示唆演出において、表示されている保留表示のいずれかを特定し、特定した保留表示の表示態様が変化する可能性があることを示唆する演出を行うようにしてもよい。この場合には、いずれの保留表示を特定するか(特定された保留表示の状態)に応じて、異なる判定値(割合)が設定された示唆演出態様決定テーブルを用いて、演出態様を決定するようにしてもよい。また、この実施の形態では、保留表示の表示態様が変化するシフトタイミングで、示唆演出が必ず実行されるように構成されているが、示唆演出が実行されないことがあってもよい。この場合には、示唆演出によって示唆されることなく、保留表示の表示態様を突然変化させることができるため、意外感を高めることができる。また、この実施の形態では、2種類の示唆演出の演出態様が設けられているが、3種類以上の演出態様を設け、それぞれ表示態様が変化する期待度が異なる(変化タイミングであるか否かに応じて選択される割合が異なる)ようにしてもよい。
示唆演出の演出態様を決定すると、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数表示部18cにおいて、新たな保留表示を通常態様で表示させるように制御する(S67111)。なお、S67111では、演出制御用CPU101は、新たな保留表示を通常態様で表示させるように制御するとともに、保留表示態様(本例では通常態様)を示すデータ、最終表示態様を示すデータ、先読み演出パターンを示すデータ、シフト回数カウンタ及び示唆演出の演出態様を示すデータと、入賞時判定結果と対応付けて入賞時判定結果記憶バッファ(図43)に格納する。これらのデータを記憶させておくことで、後述する演出図柄変動開始処理において、先読み演出決定処理で決定された最終表示態様や、先読み演出パターン、変化タイミング、示唆演出態様を特定することができる。
以上のように、この実施の形態では、入賞時判定結果指定コマンドを受信すると、先読み演出決定処理において、先読み演出を実行するか否かと実行する場合の内容とが決定され、新たな保留表示を通常態様で表示させるように制御する処理が行われる。なお、この実施の形態では、先読み演出における保留表示の変化タイミングが始動入賞時に決定されることはないが、始動入賞時に決定されることを許容する場合には、S67111において、新たな保留表示を通常態様以外の表示態様で表示させるように制御する。また、この実施の形態では、いずれかの保留表示が特殊態様(または特別態様)で表示されている場合や、先行して先読み演出が実行されることが決定されている場合にも、新たに先読み演出を実行することが許容されているが、これに限らず、先読み演出を重ねて実行することを一定の割合で制限する(例えば、いずれかの保留表示が特殊態様で表示されている場合には重ねて実行することを制限したり、3つ以上の先読み演出を重ねて実行することを制限したりする)ようにしてもよい。このような制限をすることで、どの保留表示に注目すればよいか遊技者にとって分かりやすくすることができる。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか入賞順に変動表示が実行されるが、いずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、(1)第1特別図柄の変動表示のみを対象として先読み演出を行うように構成することと、(2)第2特別図柄の変動表示のみを対象として先読み演出を行うように構成することと、(3)第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示を対象として先読み演出を行うように構成することとの3種類の構成が考えられる。
第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(1)の構成を加えた場合には、第1保留記憶数の上限値(本例では4)に応じて、シフト回数カウンタには最大4がセットされる。ただし、上記(1)の構成で、第1特別図柄の変動表示に対応する保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行しても、第2始動入賞口14への入賞が発生すると、第2特別図柄の変動表示が割り込んで(入賞順ではなく優先して)実行されるため、例えば、第2特別図柄の変動表示が行われる場合には、シフトタイミングであっても、後述する演出図柄変動開始処理のS1802でシフト回数カウンタの値を減算しないように構成することが望ましい。また、上記(3)の構成で、第1特別図柄の変動表示に対応する保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行した場合も同様に、第2特別図柄の変動表示が行われる場合には、後述する演出図柄変動開始処理のS1802でシフト回数カウンタの値を減算しないように構成することが望ましい。
また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(2)の構成を加えた場合には、第2保留記憶数の上限値(本例では4)に応じて、シフト回数カウンタには最大4がセットされる。この場合には、上記(1)の構成とは異なり、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれの変動表示が行われるときでも、シフトタイミングになればシフト回数カウンタの値を減算する。また、上記(3)の構成で、第2特別図柄の変動表示に対応する保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行した場合も同様に、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれの変動表示が行われるときでも、シフトタイミングになればシフト回数カウンタの値を減算する。
なお、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、高ベース中には、第1特別図柄の変動表示を対象として先読み演出を行わないように構成してもよい。また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、大当り遊技中の第1始動入賞口13への入賞に基づく先読み演出を行わないように構成してもよい。このような構成は、例えば、高ベース中や大当り遊技中には、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、第1始動入賞口13への入賞が発生しても、S1217の入賞時演出処理を実行しないようにしたり、演出制御用マイクロコンピュータ560において受信した入賞時判定結果指定コマンドを破棄したり、先読み演出を実行することに決定されても、実行しないように制御することで実現することができる。また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に上記(3)の構成を加える場合に、高ベース中または大当り遊技中には、第1始動入賞口13への入賞に基づく先読み演出を行わないが、第2始動入賞口14への入賞に基づく先読み演出は行うようにしてもよい。このような構成は、例えば、高ベース中や大当り遊技中には、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、第1始動入賞口13への入賞が発生しても、S1217の入賞時演出処理を実行しないようにしたり、演出制御用マイクロコンピュータ560において受信した第1始動入賞口13への入賞に基づく入賞時判定結果指定コマンドを破棄したり、先読み演出を実行することに決定されても、実行しないように制御することで実現することができる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で、高ベース状態や大当り遊技中であるときに、第1始動入賞口13に始動入賞したことに基づく入賞時演出処理(すなわち先読み演出)の実行を制限する構成である場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、高ベース状態では第2始動入賞口14に始動入賞したことに基づく先読み演出のみを実行可能とし、低ベース状態では第1始動入賞口13に始動入賞したことに基づく先読み演出のみを実行可能とする(すなわち、低ベース状態では第2始動入賞口14に始動入賞したことに基づく入賞時判定結果指定コマンドを受信しても先読み演出を実行すると決定しない)ようにしてもよい。
なお、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(1)の構成を加える場合には、第2始動入賞口14への入賞に基づく保留記憶が存在している状態で、第1始動入賞口13への入賞が発生したときには、その第1始動入賞口13への入賞に基づく保留記憶を対象とした先読み演出を実行しないようにしてもよい。また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(1)の構成を加える場合には、第1始動入賞口13への入賞に基づく保留記憶を対象とした先読み演出の実行を決定している状態で、第2始動入賞口14への入賞が発生したときには、すでに決定していた先読み演出の実行をキャンセルするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか入賞順に変動表示が実行されるが、第1特別図柄の変動表示のみを対象として先読み演出を行う構成(上記(1))、または第2特別図柄の変動表示のみを対象として先読み演出を行う構成(上記(2))を加えるようにしてもよい。また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか入賞順に変動表示が実行されるが、例えば、高ベース中または大当り遊技中には、第1始動入賞口13への入賞に基づく先読み演出を行わないようにしてもよい。また、この実施の形態では、入賞時判定結果指定コマンドを受信したことに基づいて先読み演出を行うか否かを含む決定処理を、先読み演出決定処理において実行しているが、それらの処理を後述する演出図柄変動中処理において実行するようにしてもよい。例えば、演出図柄変動中処理において、入賞時判定結果記憶バッファを監視する処理を含めることで先読み演出を行うか否かを含む決定処理を実行するこができる。
図52は、図39に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、演出図柄の変動を停止し停止図柄を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S805):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S806)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S806):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図53は、演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認し(S811)、セットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(S812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に更新する(S813)。
図54は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、入賞時判定結果記憶バッファが記憶する1つ目の入賞時判定結果(最も古い判定結果)と対応付けられた各種データとを削除し、入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトするとともに、合算保留記憶表示部18cにおける1つ目の保留表示を消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、合算保留記憶表示部18cにおける合算保留記憶数表示を更新する(S1800)。例えば、合算保留記憶表示部18cの1つ目〜3つ目の保留表示が表示されていた場合に、シフトタイミングで1つ目の保留表示が消去されるとともに、2つ目に表示されていた保留表示が1つ目の表示領域にシフトされ、3つ目に表示されていた保留表示が2つ目の表示領域にシフトされる。なお、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、演出制御用CPU101は、第1特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行するとき(具体的には、第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合)には、第1入賞時判定結果記憶バッファが記憶する1つ目の入賞時判定結果を削除し、第1入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトする。
次いで、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファ(図43参照)において、いずれかの入賞時判定結果に対応付けられた変化タイミング(シフト回数)を特定するためのシフト回数カウンタの値が0より大きいか否かを確認する(S1801)。シフト回数カウンタの値が0より大きいということは、合算保留記憶表示部18cに表示されている保留表示のうちのいずれかについて、表示態様を変化させる先読み演出を実行することが決定されていることを示している。従って、S1801では、先読み演出を実行すること(保留表示の表示態様を変化させること)が決定されているか否かが確認されている。いずれのシフト回数カウンタの値も0より大きくない場合(S1801のN)、すなわち、シフト回数カウンタの値が0または設定されておらず、先読み演出を実行すること(保留表示の表示態様を変化させること)が決定されていない場合には、演出制御用CPU101は、処理をS1803aに移行する。
一方、シフト回数カウンタの値が0より大きい場合(S1801のY)、すなわち、先読み演出を実行すること(保留表示の表示態様を変化させること)が決定されている場合には、演出制御用CPU101は、全てのシフト回数カウンタの値を1減算し(S1802)、減算後のシフト回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(S1803)。S1802でシフト回数カウンタの値を1減算した結果、シフト回数カウンタの値が0になったということは、合算保留記憶表示部18cに表示されている保留表示のうちのいずれかの表示態様を変化させる先読み演出を実行するタイミングであることを示している。従って、S1803では、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングであるか否かが確認されている。
S1803において、シフト回数カウンタの値が0ではない場合、すなわち保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングではない場合には、演出制御用CPU101は、処理をS1803aに移行する。一方、シフト回数カウンタの値が0である場合、すなわち保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングである場合には、処理をS1808に移行する。なお、S1808では、値が0になったシフト回数カウンタは、何も設定されていない状態(例えばNull)にセットされる。このような処理がされることによって、既に変化タイミングに至ったもの(シフト回数カウンタの値が0まで減算されたもの)を再度S1803で変化対象とすることを回避できる。
なお、始動入賞時に保留表示の表示態様を変化させることを許容する場合には、例えば以下のように処理が行われることで、変化タイミングでの保留表示の表示態様の変化が実現される。先読み演出パターンを第2先読み演出パターンとし、第1変化タイミングを始動入賞時、第2変化タイミングを1回目のシフトタイミングとするときには、演出制御用CPU101は、先読み演出決定処理のS67108で、第1シフト回数カウンタの値を0と設定し、第2シフト回数カウンタの値を1と設定する。そして、演出制御用CPU101は、先読み演出決定処理のS67111で、第1シフト回数カウンタの値が0であることに基づいて、新たな保留表示を特殊態様で表示する制御を行うとともに、第1シフト回数カウンタを何も設定されていない状態(例えばNull)にセットする。このように処理が行われることによって、その後に行われる演出図柄変動開始処理では、演出制御用CPU101は、S1801、S1802で第2シフト回数カウンタの値のみを1減算して0とし、S1803で、第2シフト回数カウンタの値が0となったことに基づいて、特殊態様から特別態様に変化させる第2変化タイミングであると判定することができる。
S1803aでは、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cに表示されている保留表示の中に特殊態様または特別態様で表示されている保留表示があるか否かを確認する(S1803a)。例えば、入賞時判定結果記憶バッファの保留表示態様を参照することによって確認することができる。なお、入賞時判定結果記憶バッファに記憶される保留表示態様を示すデータは、例えば、先読み演出決定処理において登録され、後述するS1808で更新される。S1803aで特殊態様または特別態様で表示されている保留表示がないと判定した場合には、演出制御用CPU101は、保留表示変化中フラグがセットされていれば、リセットする(S1803b)。このように、いずれかの保留表示が特殊態様または特別態様で表示されているか否かに応じて、保留表示変化中フラグの状態を更新することによって、既にいずれかの保留表示が通常態様以外の表示態様で表示されているときには、その通常態様以外の表示態様で表示された保留表示を、他の通常態様で表示された保留表示に比べて変化しやすくすることができる(先読み演出決定処理、図45、図47〜図50参照)。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出し(S1804)、読み出した変動パターンコマンドと、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(表示結果指定コマンド)とに応じて、演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S1805)。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
図55は、演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図55に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが通常大当りを示している場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せ(通常大当り図柄)を決定する。また、確変大当りを示している場合には、図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せ(確変大当り図柄)を決定する。そして、はずれの場合には、上記以外の演出図柄の組み合わせ(はずれ図柄)を決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。なお、受信した表示結果指定コマンドが突然確変大当りや小当りを示している場合には、「135」などの演出図柄の組合せを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することで停止図柄を決定する。
次いで、演出制御用CPU101は、示唆演出の演出態様を決定する(S1806)。S1806の処理は、先読み演出によって保留表示の表示態様が変化するタイミングで実行されるものではない。従って、保留表示の表示態様が変化することを示唆するものの、結果的には表示態様が変化しないときに実行される示唆演出(失敗パターン)の演出態様を決定する。演出制御用CPU101は、保留表示変化中フラグがセットされていない(いずれの保留表示も特殊態様または特別態様で表示されていないとき)ときには、図51(B)に示す非変化タイミング時示唆演出態様決定テーブル(保留表示変化中フラグ非セット時)の割合で、示唆演出(失敗パターン)を実行しない、または第1演出態様もしくは第2演出態様で実行すると決定する。保留表示変化中フラグがセットされている(いずれかの保留表示が特殊態様または特別態様で表示されている)ときには、図51(C)に示す非変化タイミング時示唆演出態様決定テーブル(保留表示変化中フラグセット時)の割合で、示唆演出(失敗パターン)を実行しない、または第1演出態様もしくは第2演出態様で実行すると決定する。
図51(B),(C)に示すように、保留表示変化中フラグがセットされている(いずれかの保留表示が特殊態様または特別態様で表示されている)場合には、そうでない場合に比べて高い割合で示唆演出が実行される。従って、保留表示が特殊態様で表示されているときの期待感を高めることができる。なお、この実施の形態では、保留表示が特殊態様で表示されているときには、常に示唆演出が実行されるように構成されているが、保留表示が特殊態様で表示されているときであっても、示唆演出が実行されないことがあってもよい。ただし、この場合にも、保留表示が特殊態様で表示されていないときに比べて高い割合で示唆演出が実行されることが望ましい。また、保留表示変化中フラグがセットされている(いずれかの保留表示が特殊態様または特別態様で表示されている)場合には、その保留表示の最終表示態様が第1特別態様または第2特別態様のいずれであるかに応じて、異なる割合で示唆演出の演出態様を第1演出態様Aまたは第1演出態様Bに決定するようにしてもよい。例えば、最終表示態様が第1特別態様よりも期待度が高い第2特別態様に決定されている場合には、示唆演出の演出態様が第1演出態様Bよりも第1演出態様Aに決定される割合を高くするようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、決定した示唆演出(失敗パターン)の演出態様と変動パターンとに応じたプロセステーブルを選択する(S1807)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S1812)。図56は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を行う際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データ及び音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間中の変動態様を構成する各変動の態様や、先読み演出の態様を示すデータ、示唆演出の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータ(例えば、先読み演出が実行されないときに用いられるプロセステーブルの表示制御実行データに記載された先読み演出の態様を示すデータ)には、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
プロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連等における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9や各種ランプ、スピーカ27R,27L)の制御を実行する(S1813)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカからの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。なお、この実施の形態では、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S1814)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理に対応した値にする(S1815)。
S1803でいずれかのシフト回数カウンタの値が0であると判断した場合、すなわち、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングである場合には、演出制御用CPU101は、保留表示変化中フラグがセットされていれば、セットする(S1808)。また、S1808では、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファにおいて、値が0になったシフト回数カウンタを何も設定されていない状態(例えばNull)にセットするとともに、対応する保留表示態様を示すデータを更新する。例えば、第1シフト回数カウンタの値が0になった場合には、第2シフト回数カウンタの値が0であれば(すなわち第2先読み演出パターンでなければ)、対応する保留表示態様を通常態様から最終表示態様に示された表示態様に更新し、第2シフト回数カウンタの値が0でなければ(すなわち第2先読み演出パターンであれば)、対応する保留表示態様を通常態様から特殊態様に更新する。また、第2シフト回数カウンタの値が0になった場合には(すなわち第2先読み演出パターンの第2変化タイミングであれば)、対応する保留表示態様を特殊態様から最終表示態様に示された表示態様に更新する。このような処理を行うことによって、先読み演出決定処理では、現在表示されている保留表示の表示態様に基づいて先読み演出の実行の有無や内容を決定することができる。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドを読み出し(S1809)、変動パターンコマンドと表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(受信した表示結果指定コマンド)とに応じて、演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S1810)。次いで、演出制御用CPU101は、先読み演出パターン、最終表示態様及び示唆演出態様と、変動パターンとに応じた表示態様変化時用のプロセステーブルを選択し(S1811)、S1812に移行する。
表示態様変化時用のプロセステーブルとは、演出図柄の変動表示とともに、演出図柄の変動開始時に、示唆演出(成功パターン)を実行し、特定の保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行する制御を行うためのプロセスデータが設定されたテーブルである。この実施の形態では、実行する示唆演出(成功パターン)や先読み演出の態様に応じて複数種類の表示態様変化時用のプロセステーブルが設けられている。また、この実施の形態では、先読み演出決定処理において決定され、入賞時判定結果記憶バッファ記憶されている示唆演出(成功パターン)の演出態様(本例では、第1演出態様または第2演出態様)と、先読み演出パターン(本例では、第1先読み演出パターン〜第3先読み演出パターンのいずれか)と、最終表示態様(本例では、第1表示態様または第2表示態様)とに基づいて、どのような態様で示唆演出(成功パターン)を実行し、どの保留表示をどのような表示態様に変化させる先読み演出を実行するかを特定することができる。従って、演出制御用CPU101は、示唆演出(成功パターン)の演出態様、先読み演出パターン及び最終表示態様と、変動パターンとに応じて、いずれかの表示態様変化時用のプロセステーブルを選択し、選択した表示態様変化時用のプロセステーブルのプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行することによって、先読み演出決定処理で決定された演出態様で示唆演出(成功パターン)を実行し、予告対象の変動表示に対応する保留表示を決定された表示態様に変化させる先読み演出を実行することができる。
図57は、先読み演出の具体例を示す説明図である。図57(A)に示されるように、演出表示装置9において、合算保留記憶表示部18cに3つの保留表示が通常態様(本例では「○」)で表示されているときに、はずれ図柄の導出表示が行われると、新たな変動表示が開始される。次に、保留表示のシフトが行われるタイミングが変化タイミングであれば、あらかじめ決定されていた第2演出態様(本例では長方形の枠内に「チャンス!」の文字が表示される)の示唆演出が実行される(図57(B))。そして、あらかじめ決定されていた先読み演出パターンが第3先読み演出パターンであって、最終表示態様が第1特別態様であるときには、2つ目の保留表示が第1特別態様(本例では「○」内に「△」が含まれる)に変化して表示され(図57(C1))、最終表示態様が第2特別態様であるときには、2つ目の保留表示が第2特別態様(本例では「○」内に「○」が含まれる)に変化して表示される(図57(C2))。
また、あらかじめ決定されていた先読み演出パターンが第1先読み演出パターンまたは第2先読み演出パターンである場合には、2つ目の保留表示が特殊態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)に変化して表示される(図57(C3))。次に、はずれ図柄の導出表示が行われると(図57(D))、新たな変動表示が開始される。そして、保留表示のシフトが行われるタイミングが変化タイミングであって、あらかじめ決定されていた示唆演出(成功パターン)の演出態様が第2演出態様であれば、第2演出態様(本例では長方形の枠内に「チャンス!」の文字が表示される)の示唆演出が実行される(図57(E1))。そして、あらかじめ決定されていた先読み演出パターンが第2先読み演出パターンであって、最終表示態様が第1特別態様であるときには、1つ目の保留表示が第1特別態様(本例では「○」内に「△」が含まれる)に変化して表示され(図57(F1))、最終表示態様が第2特別態様であるときには、1つ目の保留表示が第2特別態様(本例では「○」内に「○」が含まれる)に変化して表示される(図57(F2))。また、新たな変動表示が開始され、保留表示のシフトが行われるタイミングが非変化タイミングであって、決定された示唆演出(失敗パターン)の演出態様が第1演出態様であれば、第1演出態様(本例では楕円の枠内に「チャンス!」の文字が表示される)の示唆演出が実行されるが(図57(E2))、保留表示の表示態様は変化しない(図57(F3))。
図58は、演出図柄変動開始処理の変形例を示すフローチャートである。また、図59は、示唆演出態様決定テーブルの変形例を示す説明図である。図58,図59に示す変形例では、演出図柄変動開始処理のS1806で非変化タイミング時の示唆演出(失敗パターン)の演出態様を決定すると、演出制御用CPU101は、決定した演出態様が第2演出態様であって、かつ保留変化中フラグがセットされている場合には(S1806aのY)、示唆演出の実行を制限する示唆演出制限フラグをセットする(S1806b)。また、S1806では、演出制御用CPU101は、保留表示変化中フラグがセットされている場合には、示唆演出制限フラグの状態に応じて、図59(C1)に示す非変化タイミング時示唆演出態様決定テーブル(保留表示変化中フラグセット時)(示唆演出制限フラグ非セット時)、または図59(C2)に示す非変化タイミング時示唆演出態様決定テーブル(保留表示変化中フラグセット時)(示唆演出制限フラグセット時)を用いて、示唆演出(失敗パターン)の演出態様を決定する。
図59(C1),(C2)に示されているように、示唆演出制限フラグセット時には、第2演出態様よりも期待度が低い第1演出態様の示唆演出が実行されることが制限されていている。そのため、保留表示が特殊態様または特別態様で表示されているときに、期待度が高い第2演出態様の示唆演出(失敗パターン)が実行された後に、期待度が劣る第1演出態様の示唆演出(失敗パターン)が実行されることを制限することができ、遊技者が期待感を持てなくなることを防止することができる。なお、示唆演出制限フラグセットは、保留表示変化中フラグをリセットするタイミングで同時にリセットされるため(S1803c)、表示中の特殊態様または特別態様の保留表示が消去され、新たに保留表示が特殊態様または特別態様で表示されたときには、第1演出態様の示唆演出(失敗パターン)を実行できるようになる。なお、図59に示す例では、変化タイミングでは示唆演出制限フラグの状態にかかわらず、同じ割合で判定値が設定された示唆演出態様決定テーブルを用いるが、変化タイミングであっても、示唆演出制限フラグの状態に応じて、異なる割合で判定値が設定された示唆演出態様決定テーブル(例えば、示唆演出制限フラグが設定されている場合に用いられる示唆演出態様決定テーブルは、第1演出態様に決定されず、演出なしまたは第2演出態様と決定されるように判定値が設定される)を用いてもよい。
なお、この実施の形態では、保留表示が特殊態様に変化しても、その後特殊態様から特別態様に変化しない場合があるが、特殊態様で表示された保留表示は、その保留表示(保留情報)に対応する変動表示が開始されるまでに、必ず第1特別態様または第2特別態様に変化するようにしてもよい。例えば、先読み演出決定処理のS67106において、図60(A)に示す最終表示態様決定テーブルを用いて、最終表示態様を決定する。そして、S67107において、図60(B)に示す先読み演出パターン決定テーブルを用いて、先読み演出パターンを決定することによって実現される。図60(A)に示す最終表示態様決定テーブルを用いれば、最終表示態様は、特殊態様以外の第1特別態様または第2特別態様に決定される。また、図60(B)に示す先読み演出パターン決定テーブルを用いれば、特殊態様で表示された保留表示は、必ず第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。このようにすることで、特殊態様に変化したときの期待度を高めることができるとともに、特殊態様で表示されてから特別態様に変化するまで、期待感を持続させることができる。なお、この場合、保留表示変化中フラグがセットされているか否かに関わらず、S67104において同じ割合で先読み演出を実行するか否かを決定するようにしてもよいし、S67108において同じ割合で変化タイミングを決定するようにしてもよいし、S67109において同じ割合で示唆演出態様を決定するようにしてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態では、遊技媒体を貯留可能な貯留部(本例では余剰球受皿4)が満タン状態であると検出されたこと(本例では満タンスイッチ48の検出信号が出力されていること(オン状態であること))に基づいて、第1制御を行う第1制御手段と、満タン状態であると検出されたことに基づいて、遊技媒体の払い出しを停止させる払出停止手段(本例では払出開始待ち処理においてエラーフラグが0でなければ(満タンエラーなどが生じていない場合でなければ)以降の処理を実行しない構成によって実現される)と、払出停止手段によって遊技媒体の払い出しが停止されているときに遊技媒体の未払い出し数が所定数に達したこと(本例では未払出個数異常エラーが発生したこと)に基づいて、第2制御を行う第2制御手段とを備えている。そのように構成されることによって、遊技機の状態の変化や違いに応じた制御を行うことができる。
また、この実施の形態では、発射手段(本例では打球発射装置)は、満タン状態であると検出されたときにも遊技媒体を発射可能であり、副制御手段(本例では払出制御用マイクロコンピュータ370や演出制御用マイクロコンピュータ100)は、第1制御手段を含み、第1制御手段は、第1制御として、所定の報知(本例では払出制御用マイクロコンピュータ370によってエラー表示「6」がエラー表示用LED374に表示されるとともに、演出制御用マイクロコンピュータ100によって第2異常報知LED19bが点灯状態に制御される)を行うようにも構成されている。そのように構成されることによって、遊技機の状態の変化や違いに応じた制御を行うことができる。
また、この実施の形態では、満タン状態であると検出されたことに基づいて、遊技媒体の貸し出しを停止させる貸出停止手段(本例では払出開始待ち処理においてエラーフラグが0でなければ以降の処理を実行しない構成によって実現される)を備えるように構成されている。そのように構成されることによって、満タン状態であるときにさらに貸し出し動作を行うことによって遊技媒体の詰まりが発生することを抑制することができる。
また、この実施の形態では、第1制御手段及び第2制御手段は、第1制御と第2制御とで、エラー状態となったことをそれぞれ報知し、第1制御として行われる報知と第2制御として行われる報知とは、少なくとも共通の報知手段を用いて行われる(本例では、満タンエラーが発生すると、第1制御として、エラー表示「6」をエラー表示用LED374に表示するとともに、第2異常報知LED19bを点灯状態に制御する。また、未払出個数異常エラーが発生すると、第2制御として、エラー表示「0」をエラー表示用LED374に表示するとともに、第1異常報知LED19aを点灯状態に制御する)ように構成されている。すなわち、エラー表示用LED374が共通して用いられる。そのように構成されることで、報知手段を兼用することで製造コストの削減を図ることができる。なお、この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ370によって制御されるエラー表示用LED374が共通の報知手段として用いられているが、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される発光体等を共通の報知手段として用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、満タン状態であると検出されたことに基づいて行われる第1制御として、払出制御用マイクロコンピュータ370によってエラー表示「6」がエラー表示用LED374に表示されるとともに、演出制御用マイクロコンピュータ100によって第2異常報知LED19bが点灯状態に制御される場合について説明しているが、これに代えてまたは加えて、第1制御として、例えば、満タン状態であることを示す信号を外部出力したり、所定の効果音やランプなどを用いた報知を行うようにしてもよい。また、同様に、第2制御として、払出制御用マイクロコンピュータ370によってエラー表示「0」がエラー表示用LED374に表示されるとともに、演出制御用マイクロコンピュータ100によって第1異常報知LED19aが点灯状態に制御される場合について説明しているが、これに代えてまたは加えて、未払出個数異常エラーが発生したことを示す信号を外部出力したり、所定の効果音やランプなどを用いた報知(ただし第1制御とは異なる)を行うようにしてもよい。また、例えば、第1異常報知LED19aや第2異常報知LED19bを設けず、第1制御と第2制御とで、異なるエラー表示がエラー表示用LED374に表示されるものであってもよい。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信したコマンドに基づいて、第1制御または第2制御を実行する(第1異常報知LED19aまたは第2異常報知LED19bを点灯状態に制御する)ように構成されているが、演出制御用マイクロコンピュータ100が所定の事象を検出したことに基づいて、制御を行う構成であってもよい。例えば、満タンスイッチ48の検出信号が演出制御用マイクロコンピュータ100に出力されるように構成し、演出制御用マイクロコンピュータ100は、満タンスイッチ48の検出信号が出力されたことに基づいて、第1制御を実行するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第2制御は、未払出個数異常エラーが発生したときに開始され、未払出個数異常エラーが解消されたときに終了するように構成されているが、終了するタイミングはこれに限られない。例えば、未払出個数が0になったときや未払出個数が所定数未満になったとき、満タン状態が解消されたとき、払出動作が再開されたときなどのタイミングで第2制御を終了するように構成されていてもよい。
また、この実施の形態では、第1制御及び第2制御は、副制御手段(本例では払出制御用マイクロコンピュータ370や演出制御用マイクロコンピュータ100)によって実行されるが、主制御手段(本例では遊技制御用マイクロコンピュータ560)によって実行されるように構成されていてもよい。例えば、主制御手段が、満タン状態であると検出されたことに基づいて、第1制御(例えば、報知や外部出力)を実行し、遊技媒体の払い出しが停止されているときに未払い出し数が所定数に達したことに基づいて、第2制御(例えば、第1制御とは異なる報知や外部出力)を実行するものであってもよい。
また、この実施の形態では、払出動作が停止されているときの未払出個数異常エラーを払出制御用マイクロコンピュータ370で検出するように構成されていたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560で未払出個数異常エラーを検出し、第2制御(例えば、報知や外部出力)を実行するようにしてもよい。この場合、例えば、出制御用マイクロコンピュータ370から遊技制御用マイクロコンピュータ560に対して、払出動作が停止中であることを示す情報を出力するようにしてもよい。また、この実施の形態では、賞球が10個払い出されるごとに払出制御用マイクロコンピュータ370から遊技制御用マイクロコンピュータ560に賞球情報が出力されるため、遊技制御用マイクロコンピュータ560では正確な未払出個数を把握することができない。そこで、払出制御用マイクロコンピュータ370で未払出個数異常エラーを検出する場合よりも、未払出個数のエラー判定値を多くする(例えば500個より多い600個とする)ようにしてもよい。また、賞球が1個払い出されるごとに払出制御用マイクロコンピュータ370から遊技制御用マイクロコンピュータ560に賞球情報が出力されるように構成したり、払出個数カウントスイッチ301の検出信号が遊技制御用マイクロコンピュータ560にも入力されるように構成することで、遊技制御用マイクロコンピュータ560で正確な未払出個数が把握できるようにしてもよい。また、払出制御用マイクロコンピュータ370と遊技制御用マイクロコンピュータ560とで、それぞれ未払出個数異常エラーを検出するようしてもよい。このとき、未払出個数異常エラーを検出するための未払出個数のエラー判定値は同じであっても異なっていてもよい。
また、この実施の形態では、未払出個数異常エラーは、払い出しが停止されているときに未払い出し数が所定数に達した状態を示すものであるが、例えば、払い出しが停止されてから増加した未払い出し数が所定数に達した状態を示すものであってもよい。この場合には、払い出しが停止される前から未払出個数が多く、払い出しが停止された後に未払出個数が少し増加したことによって所定数に達した状態と、払い出しが停止された後に未払出個数が大きく増加したことによって所定数に達した状態とを区別することができる。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞時演出処理等を実行することによって実現される、始動入賞時に変動表示の表示結果及び変動パターンを判定する特定判定手段を備えている。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み演出決定処理や演出図柄変動開始処理等を実行することによって実現される、特定判定手段による判定結果に基づいて保留記憶に対応する保留表示(合算保留記憶表示部18cにおける保留表示)を通常態様以外の表示態様(本例では特殊態様、第1特別態様または第2特別態様)に変化させて表示することで、保留記憶に基づく変動表示が大当りとなる可能性があることを予告する先読み演出を実行する予告演出実行手段と、保留表示の表示態様が変化すること(変化する可能性があること)を示唆する示唆演出を実行する示唆演出実行手段とを備えている。そして、予告演出実行手段は、表示されている保留表示のうちに通常態様とは異なる表示態様で表示されている保留表示があるか否かに応じて、異なる割合で表示されている保留表示のうちのいずれかを通常態様とは異なる表示態様に変化させて表示する。例えば通常態様とは異なる表示態様で表示されている保留表示がある場合には、その保留表示は、他の保留表示に比べて表示態様が変化しやすい。これは、表示されている保留表示のいずれかが特殊態様または特別態様で表示されていることを示す保留変化中フラグがセットされているか否かに応じて、新たな先読み演出を実行するか否かを異なる割合で決定すること(セットされているときには新たに実行する割合を低下させる)、新たに実行する先読み演出の変化タイミングを異なる割合で決定すること(セットされているときには変化タイミングを遅らせる(特殊態様または特別態様で表示されている保留表示が消去された後に変化する割合を高める))ことによって実現される。そのように構成されることによって、先読み演出が実行されるときの保留表示の表示態様にも関心を持たせることができ、先読み演出の興趣を高めることができる。
なお、この実施の形態では、始動入賞時に実行される先読み演出決定処理において、保留変化中フラグがセットされている(いずれかの保留表示が通常態様とは異なる表示態様で表示されている)場合には、新たな先読み演出を実行する割合を異ならせることや、新たに実行する先読み演出の変化タイミングを遅らせることで、通常態様とは異なる表示態様で表示されている保留表示がある場合に、その保留表示が他の保留表示に比べて表示態様が変化しやすくなることが実現されているが、実現方法はこれに限られない。例えば、始動入賞時に実行される先読み演出決定処理において、最新の入賞時判定結果に対して、先読み演出を実行可能とするか否かと実行する場合の最終表示態様(例えば変化の上限とし、変化させなくてもよい)と先読み演出パターンとを決定し、新たな変動表示が開始される演出図柄変動開始処理において、いずれかの保留表示の表示態様を変化させるか(及びいずれの表示態様に変化させるか)を決定し、決定結果に基づいて、表示態様を変化させる構成とする。つまり、変化タイミングは先読み演出決定処理において入賞時判定結果ごとに定められない構成とする。そして、この構成(以下、第2構成ともいう)において、演出図柄変動開始処理で、特殊態様の保留表示があるか否かを確認し、特殊態様の保留表示がある場合には、高い割合で通常態様の保留表示よりも特殊態様の保留表示を、表示態様を変化させる対象として決定する。このようにすることで、通常態様とは異なる表示態様で表示されている保留表示がある場合に、その保留表示が他の保留表示に比べて表示態様が変化しやすくなるようにすることができる。また、例えば、先読み演出決定処理を省略し、新たな変動表示が開始される演出図柄変動開始処理において、全ての入賞時判定結果に基づいて、対応するいずれの保留表示の表示態様を変化させるかを決定する(例えば、各入賞時判定結果に基づいて先読み演出を実行するか否かと変化後に表示態様とを決定する)ように構成してもよい。そして、この構成(以下、第3構成ともいう)において、演出図柄変動開始処理で、特殊態様の保留表示があるか否かを確認し、特殊態様の保留表示がある場合には、高い割合で通常態様の保留表示よりも特殊態様の保留表示を、表示態様を変化させる対象として決定することで、通常態様とは異なる表示態様で表示されている保留表示がある場合に、その保留表示が他の保留表示に比べて表示態様が変化しやすくなるようにすることができる。
また、この実施の形態では、予告演出実行手段は、保留記憶に対応する保留表示を通常態様とは異なる表示態様である複数種類の特別態様(例えば、第1特別態様または第2特別態様。なお、特殊態様を含めるようにしてもよい(詳細は後述する))のいずれかに変化させて表示することにより、該保留記憶に基づく可変表示の表示結果が特定表示結果となる可能性があることを異なる期待度で予告する予告演出を実行可能であり(例えば、第2特別態様に変化して表示される場合には、第1特別態様に変化して表示される場合に比べて、大当りとなる割合が高いため期待度が高くなる)。また、予告演出実行手段は、通常態様で表示されている保留表示を特別態様に変化させて表示するときと(第3先読み演出パターンに基づいて先読み演出を実行するとき)、通常態様とは異なる表示態様(例えば、特殊態様。なお、第1特別態様を含めるようにしてもよい(詳細は後述する))で表示されている保留表示を特別態様に変化させて表示するとき(第2先読み演出パターンに基づいて先読み演出を実行するとき)とで、異なる割合で複数種類の特別態様のいずれかに変化させて表示する(第3先読み演出パターンに基づいて先読み演出が実行されるときの方が、第2先読み演出パターンに基づいて先読み演出が実行されるときに比べて、期待度が高い第2特別態様に変化して表示される割合が高い)。そのように構成されることによって、変動表示の表示結果が特定表示結果(大当り)となる可能性を異なる期待度で予告することができるため、先読み演出の興趣を高めることができる。
なお、上述の第2構成とした場合にも、入賞時判定結果に基づいて最終表示態様と先読み演出パターンとを決定することで、異なる期待度で予告演出を実行することができるとともに、通常態様から変化するときと特殊態様から変化するときとで異なる割合で第1特別態様または第2特別態様に変化させることができる。また、第3構成とした場合にも、入賞時判定結果に基づいて変化後の表示態様を決定することによって、異なる期待度で予告演出を実行することができる。また、入賞時判定結果と保留表示の表示態様とに基づいて変化後の表示態様を決定することで、通常態様から変化するときと特殊態様から変化するときとで異なる割合で第1特別態様または第2特別態様に変化させることができる。
なお、この実施の形態で用いられた複数種類の保留表示の表示態様のうち、特殊態様は、特別態様に変化する可能性があるため、特別態様とは別のカテゴリであるように説明したが、最も大当り期待度が低い特別態様と位置付けて、特別態様と同じカテゴリとしてもよい。つまり、この実施の形態では、特殊態様と特別態様とを分けて説明し、特殊態様から特別態様(第1特別態様または第2特別態様)に変化して表示される先読み演出パターンを第2先読み演出パターンとしたが、先読み演出では、大当り期待度が低い表示態様から大当り期待度が高い表示態様に変化して表示されればよく、特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化してもよいし、第1特別態様からより大当り期待度が高い第2特別態様に変化してもよい。
また、この実施の形態では、予告演出実行手段は、表示されている保留表示のうちのいずれの保留表示の表示態様を変化させて表示するかによって可変表示の表示結果が特定表示結果となる可能性があることを異なる期待度で予告する先読み演出を実行可能である。例えば、変化タイミングが早い場合には大当り期待度が高い第2特別態様に変化する割合が高く、変化タイミングが遅い場合には大当り期待度が低い第1特別態様に変化する割合が高くなるように変化タイミングを決定することによって実現される。また、この実施の形態では、保留表示の表示態様の変化は最大2回までしか行われていないが、表示態様の種類を増やすことによって、段階的に変化可能な回数も増やすようにしてもよい。この場合には、変化タイミングが早い場合には、その後さらに期待度が高い表示態様に変化する機会(例えば、シフトタイミングの回数)が多くなるため、期待度を高めることができる。そのように構成されることによって、表示結果が特定表示結果となる可能性を異なる期待度で予告することができるため、先読み演出の興趣を高めることができる。なお、上述の第2構成または第3構成とした場合にも、例えば、大当りとなることが示されている入賞時判定結果に対応する保留表示については、早い段階(シフト回数が少ない段階)で変化させる割合を高くすることによって、いずれの保留表示の表示態様が変化するかによって異なる期待度で予告する先読み演出を実行可能である。
また、この実施の形態では、保留表示の表示態様は、通常態様と該通常態様とは異なる複数段階の表示態様(特殊態様、第1特別態様及び第2特別態様)とを含み、予告演出実行手段は、表示されている保留表示のうちに通常態様とは異なる表示態様(特殊態様や第1特別態様)で表示されている保留表示がある場合には、高い割合で通常態様とは異なる表示態様で表示されている保留表示を現段階よりも高い段階の表示態様(第1特別態様や第2特別態様)に変化させて表示する。これは、保留表示のいずれかが特殊態様または特別態様で表示されていることを示す保留変化中フラグがセットされているか否かに応じて、新たな先読み演出を実行するか否かを異なる割合で決定すること(セットされているときには新たに実行する割合を低下させる)、新たに実行する先読み演出の変化タイミングを異なる割合で決定すること(セットされているときには変化タイミングを遅らせる(特殊態様または特別態様で表示されている保留表示が消去された後に変化する割合を高める))ことの他に、特殊態様から特別態様に変化して表示される第2先読み演出パターンの方が、通常態様から特別態様に変化して表示される第3先読み演出パターンよりも決定される割合が高いことによって実現される。そのようにすることによって、通常態様とは異なる表示態様で表示されている保留表示がある場合には、その保留表示が現段階よりも高い段階の表示態様に変化する割合が高いため、先読み演出の興趣を高めることができる。
なお、上述の第2構成とした場合にも、演出図柄変動開始処理で、特殊態様の保留表示がある場合には、高い割合で通常態様の保留表示よりも特殊態様の保留表示を、表示態様を変化させる対象として決定すること、先読み演出決定処理で、第2先読み演出パターンが第3先読み演出パターンよりも決定される割合が高くなるようにすることで、通常態様とは異なる表示態様で表示されている保留表示がある場合には、その保留表示が現段階よりも高い段階の表示態様に変化する割合が高くなるようにすることができる。また、第3構成とした場合にも、演出図柄変動開始処理で、特殊態様の保留表示がある場合には、高い割合で通常態様の保留表示よりも特殊態様の保留表示を、表示態様を変化させる対象として決定することでで、通常態様とは異なる表示態様で表示されている保留表示が高い段階の表示態様に変化する割合が高くなるようにすることができる。
また、この実施の形態では、予告演出実行手段は、保留表示を通常態様とは異なる複数種類の特別態様のいずれかに変化させて表示する予告演出を実行可能である。また、保留表示の表示態様は、通常態様に比べて特別態様に変化しやすい特殊態様を含む。そして、予告演出実行手段は、保留表示を通常態様から特別態様に変化させて表示するときと、特殊態様から特別態様に変化させて表示するときとで、異なる割合でいずれかの特別態様に変化させて表示する。例えば、通常態様から特別態様に変化させて表示するときには、特殊態様から特別態様に変化させて表示するときときよりも、大当り期待度が高い第2特別態様に変化する割合が高い。そのようにすることで、表示結果が特定表示結果となる可能性を異なる期待度で予告することができ、予告演出の興趣を高めることができる。
なお、上述の第2構成とした場合にも、入賞時判定結果に基づいて最終表示態様と先読み演出パターンとを決定することによって、通常態様から特別態様に変化させるときと、特殊態様から特別態様に変化させるときとで、異なる割合で第1特別態様または第2特別態様に変化させることができる。また、第3構成とした場合にも、入賞時判定結果と保留表示の表示態様とに基づいて変化後の表示態様を決定することによって、通常態様から特別態様に変化させるときと、特殊態様から特別態様に変化させるときとで、異なる割合で第1特別態様または第2特別態様に変化させることができる。
また、この実施の形態では、示唆演出実行手段は、保留表示の表示態様が変化する可能性を異なる期待度で示唆する複数種類の示唆演出(第1演出態様または第2演出態様の示唆演出)を実行可能であり、示唆演出実行手段によって所定の期待度の示唆演出(例えば、第2演出態様の示唆演出)が実行されたが、保留表示の表示態様が変化しなかったときに所定の期待度よりも低い期待度の示唆演出(例えば、第1演出態様の示唆演出)が実行されることを制限する示唆演出制限手段を備える。例えば、第2演出態様の示唆演出が実行されたが、保留表示の表示態様が変化しなかったときに示唆演出制限フラグをセットし、示唆演出制限フラグがセットされている間は期待度が低い第1演出態様の示唆演出を実行することが制限される。また、示唆演出制限フラグは、通常態様以外の表示態様で表示された保留表示が消去されると、リセットされる。そのように構成されることによって、期待感を持たせられなくなることを防止することができる。
なお、上述の第2構成とした場合にも、いずれかの保留表示の表示態様を変化させるか(及びいずれの表示態様に変化させるか)を決定するとともに、示唆演出の演出態様を決定することによって保留表示の表示態様が変化する可能性を異なる期待度で示唆する複数種類の示唆演出を実行することができる。また、第3構成とした場合にも、対応するいずれの保留表示の表示態様を変化させるかを決定するとともに、示唆演出の演出態様を決定することによって保留表示の表示態様が変化する可能性を異なる期待度で示唆する複数種類の示唆演出を実行することができる。
また、この実施の形態では、先読み演出が重ねて実行されることを許容しており、複数の保留表示の表示態様が同時に変化することも許容されているが、同時に変化することを制限するようにしてもよい。例えば、新たな先読み演出の変化タイミングを決定したときに、先に決定された先読み演出の変化タイミングを示すデータを、入賞時判定結果記憶バッファを参照し、変化タイミングが同じであれば、新たな先読み演出の変化タイミングを再決定するようにしてもよい。このようにすることで、複数の保留表示の表示態様が同時に変化することで、1つ1つの演出に着目させることができる。また、示唆演出として、演出表示装置9において所定の表示制御が行われているが、これとともに(またはこれに代えて)、音声の出力やランプの点灯等の演出を行うようにしてもよい。
また、この実施の形態では、複数のタイミング(始動入賞のタイミングやシフトタイミングなど)で保留表示を第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示することが可能であり、保留表示が特殊態様で表示されたときは、保留表示に対応する保留記憶に基づく可変表示が開始されるまでに、その保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するように制御するようにも構成することができる。そのように構成されることによって、表示態様を変化させるタイミングに多様性を持たせることができるとともに、保留表示が特殊態様で表示されたときには、特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するため、遊技興趣を向上させることができる。
なお、上記の実施の形態で示した構成は、いわゆる携帯連動型システムと呼ばれる遊技用システムにも適用できる。携帯連動型システムと呼ばれる遊技用システムは、一般に、所定条件の成立に基づいて所定情報を出力する遊技機と、遊技機によって出力された所定情報に基づいて、遊技者に対して所定の特典を付与する処理を行う特典付与装置とを備える。具体的には、上記のような遊技用システムでは、遊技機は、変動回数や大当り回数などの所定条件の成立を遊技履歴として蓄積し、遊技終了時などに所定情報として2次元コードなどを表示する。また、遊技者は、カメラ機能付き携帯端末を用いて、2次元コードを撮影し、インターネット上のWebサーバ(特典付与装置)に送信する。Webサーバは、受信した情報に基づいて遊技者の遊技履歴を管理し、その遊技履歴に応じて所定の特典を付与する処理を行う。上記の実施の形態で示した構成を、携帯連動型システムに適用する場合、例えば、保留表示が特別態様で表示されて大当りとなったことを所定条件の成立とし、その回数をWebサーバで遊技履歴として管理するようにすればよい。そして、所定条件が成立した回数に応じて、所定の特典としてデジタルコンテンツを送信したり、遊技機の表示画面をカスタマイズできるようにしたりすればよい。
なお、上記の実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70及びランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図5に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
また、上記の実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことに基づいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことに基づいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の実施の形態で示した構成を適用することもできる。