JP5380371B2 - タービン動翼 - Google Patents

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Description

本発明はプラットフォームにピン穴溝を設け、ダンパーピンを挿入したタービン動翼に関するものである。
タービン動翼の信頼性を向上するには、減衰比を高めて振動応力を低減することが重要である。減衰を高める施策として、例えば下記特許文献1に示されているように、隣接するガスタービン翼のプラットフォームにピン穴溝を設け、ダンパーピンを挿入する構造が知られている。この発明では、ダンパーピンのピン穴溝は半円形状に加工されている。
特開2006−144787号公報
上記技術を翼長の長い蒸気タービン長翼に適用する場合には、以下に述べる構造上の相違点のために、ガスタービン翼にはない新たな課題が生じる。
両者の構造上の相違点として、第1に、ダンパーピンを通すプラットフォームの半径方向厚みが異なる点が挙げられる。ガスタービン翼では、翼植え込み部の冷却を目的として半径方向厚みが厚いプラットフォームを採用している。一方、蒸気タービン長翼では、翼長が長く遠心力が強度上の問題となるため、プラットフォームの重量をできるだけ軽減するために厚みが薄いプラットフォームを採用する必要がある。このような厚みの薄いプラットフォームにピン穴溝を設けてダンパーピンを挿入すると、厚み方向の残断面積が小さくなり剛性が低下するために、ピン穴溝の応力集中係数が増加する課題がある。
第2は、プラットフォーム外周面の翼プロファイルのねじれ量と軸方向長である。蒸気タービン長翼では、翼プロファイルのねじれ量が大きいために、翼をロータ軸方向に対して大きな傾斜角度をつけて挿入する必要がある。翼をロータ軸に傾斜させて挿入する構造では、プラットフォーム側面の背側と腹側の厚みに差が生じ、幾何学上、出口腹側のプラットフォームの厚みが減少する。この位置は、ピン穴溝の最大振動応力が発生する位置に相当しており、本位置の厚み減少に伴って、ピン穴溝の応力集中係数が増加する問題がある。この厚みの減少量は、翼の挿入角とプラットフォーム軸長が増加するほど増加するため、特に翼長の長い蒸気タービン動翼では、ピン穴溝の応力集中係数を低減することが重要な課題となる。
しかし、このような蒸気タービン長翼の構造に対して、背側と腹側のピン穴溝の応力集中を低減するための施策について、従来技術では知られていない。
そこで、本発明では、上述した蒸気タービン長翼特有の課題であるダンパーピンのピン穴溝の疲労強度を向上させ、さらに翼植え込み部の振動応力の低減と構造減衰の向上を実現するタービン動翼を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のタービン動翼は、プラットフォーム側面の隣接翼との境界にダンパーピンを通すための溝加工を施し、プラットフォーム側面の背側と腹側の両方に設けられた前記溝の周方向深さを前記ダンパーピンのピン径の1/2よりも小さくし、蒸気出口側端面におけるプラットフォーム側面の腹側厚みが背側厚みよりも薄く形成され、蒸気出口側端面のプラットフォーム腹側の半径方向厚みをh 1 、蒸気出口側端面のプラットフォーム腹側側面のピン穴溝中心からプラットフォーム内周端までの半径方向距離をc 1 、前記ピン径をdとするとき、0.8×(−3.95×d/h 1 +3)≦c 1 /d≦1.2×(−3.95×d/h 1 +3)を満足することを特徴とする。
本発明によれば、蒸気タービン動翼において、ダンパーピンのピン穴溝の疲労強度を向上させ、さらに翼植え込み部の振動応力の低減と構造減衰の向上を実現できる。
本発明の第1実施例に係るタービン動翼を蒸気出口側からみた斜視図である。 図1のA部詳細図である。 本発明の第1実施例に係るタービン動翼を示した図であり、半径方向外周側から見た平面図である。 本発明の第1実施例に係るタービン動翼を示した図であり、蒸気出口側からみた斜視図である。 遠心力による変形を模式的に示した図である。 本発明の効果を確認するための解析結果を示した図であり、e/dと翼植え込み部、およびピン穴溝における発生応力の関係の一例を示した図である。 本発明の効果を確認するための解析結果を示した図であり、e/dと翼植え込み部、およびピン穴溝における発生応力の関係の他の一例を示した図である。 本発明の効果を確認するための解析結果を示した図であり、e/dと翼植え込み部、およびピン穴溝における発生応力の関係の他の一例を示した図である。 本発明の効果を確認するための解析結果を示した図であり、c1/d,c2/dとピン穴溝における応力の関係を示した図である。 解析により求めたd/h1とc1/dの最適解を示した図である。 d/h1とピン穴溝における発生応力の関係を示した図である。 本発明の第2実施例に係るタービン動翼を示した、蒸気出口側からみた斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態について、適宜図を参照して詳細に説明する。なお、各図面を通し、同等の構成要素には同一の符号を付してある。
本発明の実施例を図1〜図4を用いて以下に説明する。図1は、蒸気流入方向20に対して、蒸気出口側からみた斜視図である。図1に示すように、タービン翼は、翼プロファイル1,クリスマスツリー型翼植え込み部2,プラットフォーム3から形成されている。クリスマスツリー型構造では、翼植え込み部2とロータ5側の溝に複数のフックが形成され、それらを互いにかみ合わせることにより締結する。
翼プロファイル1と翼植え込み部2の間にはプラットフォーム3が形成されている。プラットフォーム外周面は、ロータ中心軸10からの半径r0の円弧上に形成されている。このような形状とすることにより、隣接翼とのプラットフォーム外周面に段差がなく、作動流体の損失を低減することができる。
半径方向外周側からみた翼1枚の平面図を図3に示す。ねじれ量の大きい翼プロファイル1を配置するために、翼挿入方向21がロータ軸方向22に対して、角度α傾斜している。傾斜の方向は、出口側からみて翼背側の方向である。蒸気タービン長翼では、プラットフォーム上面での翼のねじれ角が大きくなるために、10°以上の傾斜角が必要となる場合がある。
翼をロータ軸方向に対して傾斜させて挿入する構造では、図2のA部詳細図に示すように、出口側からみたプラットフォーム側面の半径方向厚みが背側と腹側で異なり、腹側のプラットフォームの出口腹側側面の半径方向厚みh1は、背側のプラットフォームの出口背側側面の半径方向厚みh2よりも薄く形成されている。後述するように、背側と腹側の厚みの差は、プラットフォームの軸長xが増加するほど、また傾斜角の角度αが増加するほど増加する傾向にある。例えば、軸長が300mm以上で、挿入角が10°以上の場合には、背側と腹側の厚み差を腹側の厚みで除した値((h2−h1)/h1)は、0.2以上になる場合がある。
蒸気タービン長翼では、遠心力を低減するために、できるだけプラットフォームの厚みを薄く形成する必要がある。ここで、図4に示すように、プラットフォーム内周面の背側と腹側の直線部を結んだ線と翼挿入方向線から形成される平面を翼植え込み部基準面EFGHと定義し、翼植え込み部基準面と翼植え込み部の半径方向内周端までの距離を翼植え込み部の半径方向長7と定義する。このとき、プラットフォームの出口腹側側面の半径方向厚みh1は、翼植え込み部の半径方向長7の40%以下であることが望ましい。
隣接翼との境界に位置するプラットフォーム側面の線分KE(NH)とLF(MG)は、ロータ中心に向かう直線上に加工されている。図2に示すように、隣接翼のプラットフォームの背側と腹側の側面の間には、隙間8が設けられている。プラットフォーム側面に円弧形状のピン穴溝9が加工されており、その溝に蒸気出口側からダンパーピン4を挿入している。ダンパーピン4の中心位置は、周期条件を満足する必要があるため、ロータ中心からの半径r1の同心円上に形成されている。
ダンパーピンの挿入により、ピンとピン穴溝の振動減衰が得られ、タービン翼の減衰を高める効果が得られる。また、ダンパーピンを介して振動荷重を隣接翼に伝達することにより、クリスマスツリー型翼植え込み部の振動応力を低減する効果が得られる。さらに、ダンパーピンで隣接翼のプラットフォーム間の隙間8を封止することにより、翼プロファイルから翼植え込み部の方へ流入する蒸気量を低減して、性能向上が期待できる。
図2の詳細図に示すように、円弧形状のピン穴溝9の周方向深さeが、前記ピン穴溝9とプラットフォーム側面との交点間の半径方向距離11の1/2よりも小さいことが本発明の特徴である。このとき、溝の円弧中心Oから円弧とプラットフォーム側面の2つの交点をそれぞれ結んだ直線OPとOQのなす角βが180°より小さくなる。ピン穴溝9の周方向深さeとピン径dの比が小さすぎると、ターニング運転時にピンが抜け落ちる恐れや、遠心力により外周側へピンが飛散する恐れがある。それらを避けるために、e/dを0.25以上とするのが望ましい。
このような形状を採用することにより、半円形状の溝と比較して、ピン穴溝の応力集中を低減して疲労強度を向上する効果が得られる。
ダンパーピンを出口側から挿入できるように、出口側の円弧溝は挿入方向に貫通している。タービン翼を出口側から挿入して組み立てることを考慮して、ダンパーピンも出口側から挿入可能としている。
背側と腹側で、プラットフォーム側面の厚みが異なる翼について、両方のピン穴溝の応力を低減する形状について以下に述べる。
遠心力による変形の模式図(図5)を用いて説明する。プラットフォーム側面の遠心力による半径方向変形量は腹側の方が、背側よりも大きくなるために、円弧穴(ピン穴溝9)とダンパーピンの接触は、以下に示す領域になる。すなわち、腹側では内周側の円弧RS、背側では外周側の円弧TUである。ピン穴溝9がダンパーピン4から受ける荷重23によるピン穴溝の応力を低減するために、プラットフォーム側面の腹側については、プラットフォーム腹側側面のピン穴溝中心位置からプラットフォーム内周端までの半径方向距離c1を大きく形成する必要がある。一方、プラットフォーム側面の背側については、プラットフォーム背側側面のピン穴溝中心位置からプラットフォーム外周端までの半径方向距離c2を大きく形成する必要がある。
このとき、c1/dとd/h1は次式の関係にあるのが、望ましい。この詳細については、解析結果を用いて後述する。
0.8×(−3.95×d/h1+3)≦c1/d≦1.2×(−3.95×d/h1+3)
(1)
ピン径(直径)dとプラットフォームの出口腹側側面の半径方向厚みh1との比は、ピン穴溝の応力集中係数を低減するために、0.25以上0.4以下であるのが望ましい。
ピン穴溝の直径は、ピン径dよりも大きく形成されており、ピン穴溝直径とピン径の差(ピンギャップ)は、0.1mm〜0.3mmであるのが望ましい。ピンギャップが小さすぎると、ピンの挿入と抜き取りが困難になる問題がある。一方、ピンギャップが大きすぎると、遠心力によるピンとピン穴溝の接触力(ピン穴溝9がダンパーピン4から受ける荷重23)のばらつきが大きくなり、それがタービン翼の固有振動数のばらつきを増加させる可能性があるためである。
ここで、翼の挿入方向21をロータ軸方向22に対して傾斜させた場合に、プラットフォーム側面の半径方向厚みが背側と腹側で異なる点について図4を用いて説明する。翼の挿入方向とロータ軸方向が傾斜した構造では、プラットフォーム外周面の線分KNと線分LMは平行とならない。一方、翼植え込み部2の加工を行うには、翼挿入方向21に直線的に加工具を送る必要があるため、翼植え込み部基準面EFGHは平面になる。このようにプラットフォーム外周面のコーナ点K,L,M,Nはロータ中心からの同心円上に配置されているのに対して、プラットフォーム内周面のコーナ点E,F,G,Hは、ロータ中心からの同心円上ではなく、同一平面内に位置しており、この違いによりプラットフォーム側面の半径方向厚みに背側と腹側で差が生じる。背側と腹側の厚み差h2−h1の概算値は、(2)式で表わされる。
2−h1≒r0×θ×cosα×tan(x×tanα/(2×r0)) (2)
ここで、θは翼1枚あたりの周方向角、xはプラットフォームの軸方向長である。(2)式より、プラットフォームの軸方向長が増加し、翼の挿入角(傾斜角の角度α)が増加するほど、背側と腹側の厚み差が増加する。
翼材とピン材に、耐食性と強度を兼ね備えたマルテンサイト系ステンレス鋼を採用する場合には、ピン材の引張強さを翼材の引張強さより小さいものを採用するのがよい。一般に耐摩耗強度は、引張強さと相関があるため、このような材料選択により、交換部品であるピンをプラットフォームよりも早く摩耗進行させることができる。定期点検で交換する際に、翼を交換するよりもピンを交換する方がはるかに経済的である。
また、翼材にチタン合金を採用する場合には、一般的に採用されているマルテンサイト系ステンレス鋼と比較してチタン合金の材料減衰が小さいために、本発明のダンパーピンによる減衰効果の重要度が増す。この場合、ピン材に翼材と同じチタン合金を採用しないのが望ましい。チタン同士の組み合わせでは、焼きつきが生じやすく、焼きつきが生じると十分な減衰効果が得られないだけでなく、焼きつきによる局所応力集中により、フレッティング疲労損傷する恐れがあるためである。ピン材として、CrMoV鋼やアルミ合金,銅合金などを採用するのが望ましい。
本発明の効果を確認するために、有限要素法解析により翼植え込み部の振動応力の低減効果を検討した結果について以下に述べる。評価応力は、クリスマスツリー型翼植え込み部の最大応力、およびプラットフォーム側面の背側と腹側のピン穴溝における最大応力である。
まず、ピン穴溝9の周方向深さeとピン径dの比と翼植え込み部およびピン穴溝の最大振動応力の関係を図6に示す。縦軸の応力値は、ダンパーピンがない場合の翼植え込み部の最大応力(e/d=0に表記)で規格化している。計算に用いた寸法は、後述する解析により求めた適正寸法として、以下の3ケースである。d/h1=0.36,c1/d=1.6の場合を図6に、d/h1=0.49,c1/d=1.1の場合を図7に、d/h1=0.24,c1/d=2.1の場合を図8に示す図6乃至図8より、ダンパーピンがない場合と比較して、ピンを挿入することにより翼植え込み部の応力が低減する効果が確認できる。一方、ピン穴溝の応力はe/dを増加するほど増加する傾向がある。従来技術で知られている半円形状のピン穴溝(e/d=0.5)では、ピン穴溝の応力が翼植え込み部の応力よりも大きくなる問題がある。本発明であるe/dを0.5より小さくすることにより、翼植え込み部とピン穴溝の応力バランスの適正化が図れる。その適正範囲として、e/dが0.25以上,0.4以下であるのが望ましい。
次に、プラットフォーム厚みに対する最適なピン配置について述べる。図9(a)は、d/h1=0.49,e/d=0.4を固定条件として、図9(b)に示すようにc1/dが異なる3ケースについて、ピン穴溝の応力を評価した結果である。ここで、c1+c2=h1が成立するため、c1/dが定まれば、c2/dは一意的に定まる。図9(a)の横軸は、腹側ピン穴溝についてはc1/dを背側ピン穴溝についてはc2/dを記載している。図9(a)に示すように、ピン穴溝の応力は、腹側と背側ともにc1/d、およびc2/dを低下するほど増加する。特筆すべき点として、c1/dとc2/dが同じ値のときのピン穴溝の応力は、背側よりも腹側の方が高い点が挙げられる。これは、蒸気タービン長翼が3次元的に複雑にねじれているために、背側と腹側が非対称であることに起因している。
背側と腹側のピン穴溝の応力を最小化する最適解は、図9(a)のB点(腹側)とC点(背側)である。このときの相対応力値は0.78となる。
図9より、d/h1=0.49のとき、最適なc1/dは1.14であることが分かった。異なるd/h1の場合についても同様の評価を実施して、d/h1に対する最適なc1/dを整理した結果を図10に示す。このようにして求めた最適点は、(1)式で表わされる。タービン翼の仕様により最適値が変動することを考慮して±20%のばらつきを考慮したハッチング領域内に設計するのが理想的である。
さらに、ピン径と厚みの比d/h1の最適領域について述べる。図9でd/h1=0.49の場合について最適解を求め、そのときの相対応力値(0.78)を取得した。異なるd/h1についても最適解における応力を算出した結果を図11に示す。図11より理想的なd/h1は、0.25以上0.4以下である。
なお、ピン径dは、実質的にピン穴溝9とプラットフォーム側面の交点間の半径方向距離11に等しいとみなすことができる。上記解析でもピン径dは、ピン穴溝9とプラットフォーム側面の交点間の半径方向距離11に等しい条件で行っている。従って、円弧形状のピン穴溝9の周方向深さeは、ピン径dの代わりに前記ピン穴溝9とプラットフォーム側面との交点間の半径方向距離11の1/2よりも小さければ、翼植え込み部とピン穴溝の応力バランスの適正化が図れると言い換えても良いものである。
図12を用いて本発明の第2実施例を説明する。図12は、本発明の第2実施例に係るタービン動翼を示した、蒸気出口側からみた斜視図である。なお、第1の実施例と同等の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
本実施例が、第1の実施例と異なるのは、ダンパーピン4を出口側から挿入し、入口側まで貫通していない点である。低圧最終段翼では、蒸気出口側に比較的広いスペースがあるため、組立作業の容易性を考慮して、タービン翼およびダンパーピンを蒸気出口側から挿入するのが望ましい。ダンパーピンの長さ12は、ピン挿入方向のプラットフォームの挿入方向全長13の1/3以上で、1/2以下である。
蒸気タービン翼のように軸長が長い翼では、径が細いピンを軸方向に貫通させて挿入すると、溝穴とピンの摩擦力による抵抗が大きくなるため、ピンを挿入する組立が困難になる場合がある。本実施例のように、ダンパーピンを挿入方向に貫通させないことにより、実施例1の効果に加えて、組立を容易にする効果がある。
また、翼植え込み部の最大振動応力は、出口側から挿入方向に沿って軸長の10〜20%付近で発生するため、本実施例のようにピン長さをプラットフォーム全長の1/3以上,1/2以下としても、十分な応力低減効果が得られる。
本発明は、蒸気タービン動翼のプラットフォームダンパーに関するものであり、こうした蒸気タービン動翼を用いた蒸気タービン、または蒸気タービンプラントに適用できる。
1 翼プロファイル
2 翼植え込み部
3 プラットフォーム
4 ダンパーピン
5 ロータ
7 翼植え込み部の半径方向長
8 隙間
9 ピン穴溝
9a,23a 腹側
9b,23b 背側
10 ロータ中心軸
11 ピン穴溝とプラットフォーム側面の交点間の半径方向距離
12 ダンパーピンの長さ
13 プラットフォームの挿入方向全長
20 蒸気流入方向
21 翼挿入方向
22 ロータ軸方向
23 ピン穴溝がダンパーピンから受ける荷重
1 プラットフォーム腹側側面のピン穴溝中心位置からプラットフォーム内周端までの半径方向距離
2 プラットフォーム背側側面のピン穴溝中心位置からプラットフォーム外周端までの半径方向距離
d ピン径
e ピン穴溝の周方向深さ
1 プラットフォームの出口腹側側面の半径方向厚み
2 プラットフォームの出口背側側面の半径方向厚み
x プラットフォームの軸方向長
α 翼の挿入方向とロータ軸方向のなす角
θ 翼1枚あたりの周方向角

Claims (8)

  1. クリスマスツリー型翼植え込み部を有し、翼プロファイルと前記翼植え込み部の間にプ
    ラットフォームが形成され、蒸気出口側からみた前記プラットフォーム腹側側面の半径方
    向厚みが前記翼植え込み部の半径方向長の40%以下であり、ロータ軸方向に対して傾斜
    させてタービンロータに挿入するタービン動翼において、
    前記プラットフォーム側面の隣接翼との境界にダンパーピンを通すための溝加工が施さ
    れており、前記プラットフォーム側面の背側と腹側の両方に設けられた前記溝の周方向深
    さが前記ダンパーピンのピン径の1/2よりも小さく、
    蒸気出口側端面におけるプラットフォーム側面の腹側厚みが背側厚みよりも薄く形成さ
    れ、蒸気出口側端面のプラットフォーム腹側の半径方向厚みをh 1 、蒸気出口側端面のプ
    ラットフォーム腹側側面のピン穴溝中心からプラットフォーム内周端までの半径方向距離
    をc 1 、前記ピン径をdとするとき、次式を満足することを特徴とするタービン動翼。
    0.8×(−3.95×d/h 1 +3)≦c 1 /d≦1.2×(−3.95×d/h 1 +3)
  2. 前記溝が円弧形状であり、円弧中心から円弧と前記プラットフォーム側面の2つの交点
    をそれぞれ結んだ直線のなす角が180°より小さいことを特徴とする請求項1記載のタービン動翼。
  3. 隣接する翼のプラットフォーム側面の背側と腹側の間に隙間を設けたことを特徴とする
    請求項1記載のタービン動翼。
  4. 前記ダンパーピンは、蒸気出口側から前記溝に挿入され、前記ダンパーピンの長さは、
    ピン挿入方向の前記プラットフォーム全長の1/3以上,1/2以下であることを特徴と
    する請求項1記載のタービン動翼。
  5. 前記溝に挿入されるダンパーピンのピン径が前記プラットフォームの蒸気出口端の腹側
    側面の厚みの25%以上,40%以下であることを特徴とする請求項1記載のタービン動
    翼。
  6. 前記溝の軸方向長が300mm以上であり、翼の挿入方向とロータ軸方向のなす角が10
    °以上であることを特徴とする請求項1記載のタービン動翼。
  7. 前記タービン動翼と前記溝に挿入されるダンパーピンは、マルテンサイト系ステンレス
    合金であり、ダンパーピン材料の引張強さがタービン翼材の引張強さより低いことを特徴
    とする請求項1記載のタービン動翼。
  8. 前記タービン動翼はチタン合金であり、前記溝に挿入されるダンパーピンがチタン合金
    と異なる材料により構成されていることを特徴とする請求項1記載のタービン動翼。
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