JP5379585B2 - 動翼装着部洗浄機能を備えた蒸気タービン - Google Patents

動翼装着部洗浄機能を備えた蒸気タービン Download PDF

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Description

本発明は、蒸気タービン、特にその低圧段の動翼装着部の確実な洗浄を可能とする構造に関する。
蒸気タービンは低圧段の後段が湿り蒸気の乾湿交番域にあたり、特に動翼とロータを結合している嵌め合い部のすき間において、乾湿交番による不純物の濃縮が起こりやすいことが知られている。不純物の中には、給水中のNa、Cl、SO等が含まれているので、これらが濃縮されるとタービンを構成する金属材料にとって、厳しい腐食環境となり、孔食が発生し、応力腐食割れ、腐食疲労損傷へと発展する可能性があることが危惧される。
特許文献1は、給水ポンプ駆動用蒸気タービンの翼植込部に堆積した不純物を安全かつ容易に除去しうる技術として、ボイラ給水ポンプを駆動している蒸気タービンの運転を停止する場合に、洗浄液を霧化させた蒸気を用いて洗浄運転を行い、ロータ表面並びに翼植込み部内面の不純物成分を除去する方法を開示している。
特許文献2は、ある段の動翼と静翼の間において、ロータの周方向に洗浄用流体の流出用端部を設け、ロータ内部の配管から洗浄用流体を流して噴射させることにより、特に静翼の翼面の汚染を防ぐ方法を開示している。
特許文献3は、高中圧蒸気タービンに於ける中圧段動翼の翼溝冷却構造として、ロータの中心部に軸方向に延びる中心孔と、調速段出口の蒸気を中心孔に導く連通孔と、中心孔を通った蒸気を中圧段動翼の翼溝に導く連通孔を設けて、冷却空気を直接かつ適量に翼溝に供給する方法を開示している。
特開平1−130004号公報 特公昭59−44484号公報 特開平10−196302号公報
上記したような従来の技術では、蒸気による翼溝内の洗浄、洗浄用流体による翼面の洗浄、あるいは動翼装着部の冷却空気による冷却を主眼に置いているため、アキシャルエントリー方式(ロータの軸方向に動翼をディスクに嵌める方式)の動翼装着部特有のすき間部、特に軸方向幅の中央部を確実に洗浄する上で、構造上の難点があった。
本発明は、上記の従来の技術の問題点を踏まえて、応力腐食割れや腐食疲労の起点になるといわれる孔食の発生を防ぐために、不純物が濃縮しない環境をつくること、すなわち、動翼装着部の軸方向幅の中央部を含む動翼装着部のすき間部を確実に洗浄する手段を提供することを目的とする。
本発明の蒸気タービンは、アキシャルエントリー方式の動翼装着部を備えた蒸気タービンの低圧段の少なくとも1つの段において、円周上に配列された静翼列の少なくとも1枚の静翼に流体を流す通路を設け、前記静翼に対面する動翼装着部の動翼根元先端とロータ側翼溝底との間の翼溝底すき間部に前記通路から前記流体を供給する構造を有することを特徴とする。
本発明の蒸気タービンは、アキシャルエントリー方式の動翼装着部を備えた蒸気タービンの低圧段の少なくとも1つの段において、円周上に配列された静翼列の少なくとも1枚の静翼に流体を流す通路を設け、前記静翼に対面する前記動翼装着部の動翼根元先端付近の表面に開口部を設け、前記通路から前記流体を前記開口部に供給する構造、及び、前記流体を前記開口部から動翼翼溝に導く通路を前記動翼根元内部に設けた構造を有することを特徴とする。
また、本発明の蒸気タービン低圧段の動翼装着部洗浄方法は、上記の蒸気タービンにおいて、上記の流体として洗浄液を流すことにより動翼装着部の洗浄を行うことを特徴とする。
また、本発明の蒸気タービン低圧段の動翼装着部乾燥方法は、上記の蒸気タービンにおいて、上記流体として乾燥気体を流すことにより動翼装着部の乾燥を行うことを特徴とする。
本発明によれば、動翼の装着部のすき間部に直接流体を供給する通路を備えるため、不純物の濃縮が問題となる動翼装着部の軸方向幅の中央部を確実に洗浄することができるので、不純物の濃縮を防ぐことができ、それにより装着部を構成する材料にとって厳しい腐食環境を回避することができるという利点がある。
また、上記の流体として洗浄液を流すことにより動翼装着部の洗浄を行うことができるという利点がある。
さらに、上記流体として乾燥気体を流すことにより動翼装着部の乾燥を行うことができる。
本発明は、以上のように、顕著な作用効果を奏するものである。
実施例1の蒸気タービン低圧段の最終段付近を示す。 火力発電プラントの全体を概略的に示す。 動翼装着部の部分を拡大して示す。 静翼側開口部から噴出された流体が翼溝底すき間部内に供給される様子を示す。 動翼根元と翼溝が連結した状態でのすき間部の形状の一つの例を示す。 動翼根元と翼溝が連結した状態でのすき間部の形状の他の例を示す。 動翼根元表面の流体の流れを示す。 実施例2の動翼根元の内部及び表面の流れを示す。 実施例3の動翼根元を示す。 実施例3の動翼根元の内部通路の構造を模式的に示す。 実施例3の動翼開口部の一例(ドリルで加工した場合)を示す。 実施例3の動翼開口部の一例(エンドミルで加工した場合)を示す。 実施例3の動翼開口部の一例(ボールエンドミルで加工した場合)を示す。 実施例4の蒸気タービン低圧段の最終段付近を示す。 実施例4の放射状の流体供給通路を示す。 実施例5の動翼根元内部に形成された流体通路を示す。 実施例6の放射状の流体供給通路を示す。 実施例6の翼溝付近を一部拡大して示す。
本発明の実施形態では、静翼と動翼装着部に流体(例えば、洗浄液)を流す通路を設け、あるいはロータ内部から動翼装着部に流体(例えば、洗浄液)を流す通路を設けることにより、その他新たな部品を加えることなく、蒸気タービンの動翼装着部のタービン軸方向の中央部を含むすき間部を確実に洗浄するようにしている。また、流体に乾燥気体を用いることによって、前記中央部を含む動翼装着部とその周辺部の乾燥を行うようにしている。以下、本発明のいくつかの実施例を順次説明する。
[実施例1]
本発明の実施例1について、図1から図6を参照して説明する。なお、以下、方向の記述については、タービンの回転軸を基準として、軸方向、径方向、周方向で表す。
図2は、火力発電プラントの全体を概略的に示している。ボイラ8で発生した蒸気は、蒸気タービン高圧段9、蒸気タービン低圧段10を回し、その駆動力で発電機11を回して発電する。本発明は、この発電機11直前の蒸気タービン低圧段10の最終段付近数段に適用される。
図1は、実施例1の蒸気タービンの低圧段における最終段から3段目までを示す図である。蒸気タービンは、タービンケーシング2の中にタービンロータ3と共にタービン動翼4、静翼ダイヤフラム5が設置された構造を備える。タービンロータ3は、ロータシャフト31とロータディスク32で構成され、ロータディスク32には、動翼を連結するための翼溝33が周方向に動翼ブレード41の枚数分だけ配置されている。
本発明の対象となるタービンは、ロータの軸方向に動翼をディスクに嵌める動翼連結方法を採用したアキシャルエントリー方式の蒸気タービンを対象としている。そのロータディスク32に配置された翼溝33と動翼根元42を嵌め合わせることによりロータと動翼を連結している。この翼溝33と動翼根元42の連結部は、動翼装着部6を構成しており、その形状はクリスマスツリー状であるので、本発明は、特に、クリスマスツリー型のアキシャルエントリー方式の蒸気タービンを対象としているが、これに限定されるものではない。
タービン動翼4は、上流より蒸気が流れてくるのを受け、動翼ブレード41でその蒸気のエネルギーをタービンの回転エネルギーに変換する。シールリング44は、蒸気の漏れを防ぐための構造物である。静翼ダイヤフラム5は、軸方向には動翼と動翼の間に設置され、径方向にはタービンケーシング2とロータシャフト31の間に配置される。
静翼ダイヤフラム5は、外周側でタービンケーシング2に固定されているリング51と、上流に位置する動翼を通過してきた蒸気の流れを整える静翼ブレード52と、内周側でロータシャフト31に近接するウェブ53とからなり、それぞれが溶接で接合されている。
上記静翼のすべて又はいくつかの静翼の中には、流体(例えば、洗浄液)を流すための静翼側通路71と、動翼根元42に流体を噴出するための静翼側開口部72が配置されている。流体供給装置301から供給され、静翼側通路71を流れてきた流体は、静翼側開口部72から噴出される。
図3に示されているように、動翼根元42のフックロータ側(フックを形成するR部のロータ側)は、翼溝33と動翼根元42が連結しているときに、構造上すき間61が存在する。また、図4に示されているように、動翼装着部6の翼溝底34と動翼根元先端部43の間には、翼溝底すき間部201が存在する。静翼側開口部72から噴出された流体は、対面する動翼装着部6の翼溝底すき間部201内に供給される。
静翼側開口部72から噴出された流体が対面する動翼装着部6の翼溝底すき間部201内に供給されるとき、翼溝底34と動翼根元先端部43との間には、軸方向に対して通常は一定距離の空間を形成しているが、静翼側開口部72から噴出された流体が翼溝底すき間部201の入口とは反対側に漏れるのを低減するように、他の例として、図5A、図5Bに示されているように、その距離が軸方向に漸減するような動翼根元形状を選択してもよい。
図5Aは、動翼根元先端部43が軸方向に対して入口から出口に向かって大きくなるように、つまり翼溝底34と動翼根元先端部43との間の距離が入口から出口に向かって小さくなるような形状を、図5Bは、図5Aに示された構造をベースとして、翼溝底すき間部201に入ってきた流体が逆流して入口から出て行くことを防ぐために流体溜め202を備えた形状を示している。
図5A、図5Bに示されたような動翼根元形状を選択することにより、噴出された流体が反対側若しくは入口側から漏れるのを最小限とし、供給された流体の大部分が動翼根元42の表面を流れるようにすることができる。
翼溝底すき間部201から動翼装着部6の内側に流れた流体は、図6に示されているように、すき間部61及び接触部62を軸方向の両側に広がりながら遠心力を受けて翼先端方向に向かって流れ、Na、Cl、SO等の金属の腐食に有害な不純物を洗い流していく。
蒸気タービンの低速回転中に上記の洗浄を行うことにより、動翼装着部6の動翼根元42と翼溝33との接触が通常運転に比べて緩い状態となり、遠心力により流体は接触領域を乗り越えて翼先端方向に向かって流れ、動翼装着部6すべてのすき間部61を洗浄することとなる。
また、蒸気タービンが停止中でも、静翼側通路71と静翼側開口部72を軸方向から見て下側の静翼を選んで配置することにより、翼溝底すき間部201内に供給された流体が重力により流れて、動翼装着部6のすき間部61を洗浄することが可能である。1枚の動翼装着部の洗浄が終わった後、ロータを回転させて次の動翼装着部の洗浄へと移る。以上の構造によりアキシャルエントリー方式の動翼装着部に存在するすき間内へと流体を供給することができるようになった。
[実施例2]
実施例2は、実施例1を変形した別の実施の形態であり、図7は、その変形部分を示している。図7に示されているように、翼溝底すき間部201内に供給された流体(例えば、洗浄液)を、動翼根元42の内部に効率よく導入するため、動翼根元先端開口部76を設け、さらに、動翼根元先端開口部76から導入された流体を流す動翼根元内部通路74と、動翼根元内部通路74からすき間部61に流体を排出するためのすき間部流体供給孔75を設けている。動翼装着部6のすき間部61に排出された流体は、図3に示されたように流れて、前述のように動翼装着部6を洗浄する。
図7に示した実施例2では、動翼根元先端開口部76、動翼根元内部通路74、すき間部流体供給孔75を、それぞれ軸方向幅に対して中央部を含む三箇所に配置しているが、各一箇所としてもよいし、三箇所以外の複数箇所としてもよい。
すき間部流体供給孔75は、動翼根元42の各フックロータ側に設けられている。動翼装着部の軸方向幅の中央部を確実に洗浄するという観点からは、すき間部流体供給孔75を動翼根元42の全てのフックロータ側に設けることが望ましいが、有限要素法解析などで応力集中部であることが確認され、十分な強度が確保できない場合には、動翼根元42の一部のフックロータ側のみに設けるようにして、必要な強度を確保する。このように、すき間部流体供給孔75は、応力集中部を避けて加工しなければならない。
実施例2では、実施例1と比較して、流体を動翼根元内部からも供給することができるので、接触の緩さの度合いにかかわらず、より確実に動翼装着部のすき間部を洗浄することができるという作用効果を奏する。
[実施例3]
実施例3は、実施例2を変形した別の実施の形態であり、図8Aは、その動翼根元42を示し、図8Bは、その動翼根元内部通路74の構造を模式的に示す。
実施例3では、動翼根元の内部に流体(例えば、洗浄液)を効率よく導入するために、動翼根元42の静翼側開口部72(図1参照)に対面する側に、図8Aに示されているように、流体を導入するための動翼側開口部73が設けられている。それゆえ、実施例3では、静翼側開口部72から、翼溝底すき間部201と動翼側開口部73が含まれるような領域に向かって、流体が噴射される。
動翼側開口部73の形状については、静翼側開口部72より噴出された流体が動翼根元42の内部に導入されやすくなるように、図9Aから図9Cにそれぞれ示されたように、種々の形状の開口を選択することができる。図9Aから図9Cの例では、一例として、動翼側開口部73表面の径がその後に続く動翼根元内部通路74の径の2倍となるように設定しているが、これに限定されるものものではない。
図9Aは動翼側開口部73をドリルで加工した場合を、図9Bはエンドミルで加工した場合を、図9Cはボールエンドミルで加工した場合を示している。
また、動翼側開口部73の配置場所に関しては、運転時に発生する応力の観点から、図8Aに示すように、動翼根元42の先端から数えて1番目のフック翼側と2番目のフックロータ側がつながるR部よりも動翼根元先端部に近い位置に配置するのが望ましい。応力集中部である各フック部に近い場所に設置することは、強度の観点から悪影響を及ぼす可能性があるので避けることが望ましい。
実施例3では、実施例2と比較して、多量の流体を動翼装着部に供給することができ、軸方向幅に対して中央部からも動翼根元内部からも流体を供給することができるので、動翼装着部のすき間部をより確実に洗浄することができるという作用効果を奏する。
[実施例4]
図10及び図11は、実施例4を示す。図10は、蒸気タービンの低圧段における最終段付近を示している。また、図11は、軸方向から見たときの流体供給通路を示している。
実施例4では、ロータの中心軸に沿って、流体(例えば、洗浄液)を流すロータ中心軸通路101が設けられている。ロータ中心軸通路101には、そこから各翼溝33の翼溝底34に向かって放射状に延びる放射状通路102が接続されている。放射状通路102の先端は、各翼溝の翼溝底34に設けられた翼溝側開口部104につながるように配置される。これらの放射状通路102及び翼溝側開口部104は、翼溝33の軸方向幅に対して、軸方向幅中央部を含む複数箇所(図示の例では、三箇所)に設けられている。
蒸気タービン低圧段10の端部に設置された流体供給装置301は、流体をロータ中心軸通路101内に流す。ロータ中心軸通路101は、流体供給装置301と反対側では止端となっていて、流体供給装置301より流体が供給され、蒸気タービン低圧段10の最終段から数段(図示の例では、三段)の中のいずれの段の供給通路にも供給されるように形成されている。流体は、流体供給装置301により加圧されて供給されるようにしてもよい。
流体の流路は、ロータ中心軸通路101から、各段の動翼へと放射状に枝分かれした放射状通路102を通過した後、各翼溝33の翼溝底34に設置された翼溝側開口部104に達するように形成されているので、流体は、この流路を通過して、翼溝表面、すなわち動翼装着部6の内側に流入する。
その後は、実施例1と同様に洗浄が行われる。このとき、動翼根元先端部の断面形状を図5A又は図5Bに示された形状に選択することも可能で、流体の保持性を上げることができる。
実施例4では、ロータ内部から動翼装着部6までを直接通路で連通しているので、実施例1から3では流体の送り込みがタービンの回転の有無や回転数に影響を受けるところ、これらの影響を受けることなく、流体を動翼装着部に安定的に送り込むことができるという作用効果を奏する。
[実施例5]
実施例5は、実施例4に加えて動翼根元にも図7、図12に示された通路を設けた別の実施の形態である。実施例5では、図10及び図11に示されたロータ側の内部通路に加えて、翼溝33の翼溝底34に設けられた翼溝側開口部104に対面する動翼根元先端部43の位置に、動翼根元先端開口部76と、それに続くように動翼根元内部通路74を設け、すき間部61(図3参照)に流体(例えば、洗浄液)を供給するためのすき間部流体供給孔75を設けている。
実施例5は、以上のように構成されているので、流体は、翼溝側開口部104から翼溝底すき間部201に噴出されると、さらに動翼根元先端開口部76から、動翼根元内部へと流入し、動翼根元内部通路74を流れて、すき間部流体供給孔75より、図3に示すところの動翼装着部6のすき間部61に排出され、その後は前述のとおりに動翼装着部6を洗浄する。
動翼根元先端開口部76、動翼根元内部通路74、すき間部流体供給孔75は、軸方向幅に対して中央部に各一箇所配置してもよいし、複数箇所(図7に示された例では中央部を含む三箇所)に配置してもよい。
すき間部流体供給孔75は、動翼根元42の各フックロータ側に設けられている。洗浄の観点からは、すき間部流体供給孔75を動翼根元42の全てのフックロータ側に設けることが望ましいが、強度上問題が発生する場合は、応力集中部を避けて、一部のフックロータ側に加工すればよいことは、前記のとおりである。
実施例5では、実施例4と比較して、軸方向幅に対して中央部から流体を動翼根元内部からも供給することができるので動翼装着部のすき間部をより確実に洗浄することができるという作用効果を奏する。
[実施例6]
実施例6は、実施例4における放射状通路102(図11参照)に加えて、翼溝33に通じるように分岐通路を有する放射状通路102を設けたものである。
図13は、実施例6の流体供給通路を軸方向から見た一部破断図である。図14は、翼溝33に開口するように配置された流体供給通路の配置を示す部分図である。
実施例6では、ロータの中心軸に沿って流体(例えば、洗浄液)を流すロータ中心軸通路101を設け、そのロータ中心軸通路101から各翼溝33の翼溝底34に向かって放射状に伸び、翼溝底34に設けられた翼溝側開口部104につながる放射状通路102と、フック通路103を通じて各翼溝の各フック翼側に設けられた翼溝側開口部104につながる放射状通路102が設けられている。
これらの放射状通路102、フック通路103及び翼溝側開口部104は、翼溝33の軸方向幅内において軸方向幅の中央部を含む複数箇所に設けられている。翼溝側開口部104の配置については、有限要素法解析などで明らかになる応力集中部を避けながら配置しなければならない。動翼装着部の洗浄の観点からは、各フック翼側にすべてに配置することが望ましいが、強度上問題がある場合には、その一部でよいことは前記したとおりである。また、孔加工時の工具と翼溝との干渉を避けなければならない場合も、その一部でよい。
蒸気タービン低圧段10の端部に設置された流体供給装置301は、流体をロータ中心軸通路101に流す。ロータ中心軸通路101の流体供給装置301の反対側は止端となっているので、流体供給装置301から供給された流体は、蒸気タービン低圧段10の最終段から数段中のいずれの段に至る通路にも供給される。また、流体供給装置301に、流体を加圧する機能を備え、加圧した流体を流すようにしてもよい。
流体は、以上のとおり、ロータ中心軸通路から各段に向かう放射状通路に枝分かれした後、翼溝底とフック部に設けられた翼溝側開口部104から翼溝表面に流出して、動翼装着部6に供給される。その後の流体の流れは、他の実施例と同様である。
実施例6では、ロータ内部から動翼装着部6の軸方向の幅内において中央部を含む複数箇所から流体が供給されるので、動翼装着部6の軸方向の全域にわたり確実に洗浄するという作用効果を奏する。また、実施例4と同様に、ロータ内部から動翼装着部6までを直接通路で連通しているので、タービンの回転の有無や回転数に影響を受けることなく、流体を動翼装着部に安定的に送り込むことができるという作用効果も奏する。
[実施例7]
実施例7は、上述した実施例1から6のいずれかの実施例に、以下の機能を付け加えて実施するものである。
例えば、蒸気タービン低圧段を一定期間保管する際に、蒸気タービンを構成する金属材料にとって水分が残っていると厳しい腐食環境となるので、水分がない乾燥状態で保管されることが望ましい。そこで、例えば図1、図10に示された流体供給装置301から、流体による動翼装着部の洗浄作業の後に、乾燥気体を流すことにより動翼装着部を含む蒸気タービンの主要部を完全に乾燥させる。乾燥気体は、不活性な気体が望ましく、経済性、取り扱いの容易性等の観点から、乾燥窒素ガスが好ましい。
実施例7では、腐食要因となる水分を完全に除去することにより、腐食の懸念なく、蒸気タービンを長期間保管することができるという作用効果を奏する。
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
2:タービンケーシング、
3:タービンロータ、
4:タービン動翼、
5:静翼ダイヤフラム、
6:動翼装着部、
31:ロータシャフト、
33:翼溝、
34:翼溝底、
41:動翼ブレード、
42:動翼根元、
43:動翼根元先端部、
52:静翼ブレード、
61:すき間部、
72:静翼側開口部、
73:動翼側開口部、
74:動翼根元内部通路、
75:すき間部流体供給孔、
76:動翼根元先端開口部、
101:ロータ中心軸通路、
102:放射状通路、
103:フック通路、
104:翼溝側開口部、
201:翼溝底すき間部、
301:流体供給装置

Claims (3)

  1. アキシャルエントリー方式の動翼装着部を備えた蒸気タービンの低圧段の少なくとも1つの段において、
    円周上に配列された静翼列の少なくとも1枚の静翼に流体を流す通路を設け、前記静翼に対面する動翼装着部の動翼根元先端とロータ側翼溝底との間の翼溝底すき間部に前記通路から前記流体を供給する構造を有し、
    前記翼溝底すき間部の間隔が、タービンの回転軸方向において前記流体を供給する入口側よりも、その反対側が狭まるような構造を有し、
    前記翼溝底すき間部に供給された流体を前記動翼根元先端から動翼翼溝に導く通路を、前記動翼根元内部に設けた構造を有することを特徴とする蒸気タービン。
  2. 請求項1に記載された蒸気タービンにおいて、
    前記翼溝底すき間部において、前記入口側から前記反対側までの間に、流体溜めを備えたことを特徴とする蒸気タービン。
  3. 請求項1又は2に記載された蒸気タービンにおいて、
    前記流体を前記動翼根元先端から前記動翼翼溝に導く前記通路が、前記動翼装着部の幅内においてタービン軸方向に複数個設けられていることを特徴とする蒸気タービン。
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