以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左下方)には、特別図柄表示装置4と、特図保留表示器25Aとが設けられている。特別図柄表示装置4は、例えば7セグメントやドットマトリクスの発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等から構成され、各々を識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄(「特図」ともいう)を、変動可能に表示(可変表示)する。このような特別図柄の可変表示は、特図ゲームと称され、可変表示ゲームの一例となる。例えば、特別図柄表示装置4は、「00」〜「99」を示す数字や「−−」あるいは「..」を示す記号等の一部又は全部から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、特別図柄表示装置4にて表示される特別図柄は、「00」〜「99」を示す数字や「−−」あるいは「..」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。なお、特別図柄表示装置4は、例えば「0」〜「9」を示す数字(あるいは1桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
特図保留表示器25Aは、特図ゲームにおける可変表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示(特図保留記憶表示)する。ここで、特図ゲームにおける可変表示の保留記憶は、普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口に遊技球が進入(始動入賞)したときに発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることや、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留記憶が行われる。特図保留表示器25Aは、例えば特図保留記憶数の上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されていればよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20と、普図保留表示器25Bとが設けられている。普通図柄表示器20は、例えば「○」と「×」とを示す装飾ランプ又はLED等から構成され、特別図柄とは異なる各々を識別可能な複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。例えば、普図ゲームでは、「○」と「×」とを示す装飾ランプ又はLEDが交互に点灯させることにより、普通図柄が可変表示される。なお、普通図柄表示器20による普図ゲームは、「○」と「×」とを交互に点灯させるものに限定されず、例えば「左」、「中」、「右」といった複数の装飾ランプ又はLEDを所定順序で点灯させるものや、「0」〜「9」を示す数字及び「−」を示す記号等を可変表示するものであってもよい。
普図保留表示器25Bは、普図ゲームにおける可変表示の保留記憶数(普図保留記憶数)を特定可能に表示(普図保留記憶表示)する。ここで、普図ゲームにおける可変表示の保留記憶は、遊技領域に設けられたゲート41を遊技球が通過したときに発生する。すなわち、普図ゲームの可変表示を実行するための条件は成立したが、普図ゲームを開始するための条件が成立していないときに、普図ゲームの保留記憶が行われる。普図保留表示器25Bは、例えば普図保留記憶数の上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されていればよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えば液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して、複数(例えば3つ)に分割された可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である飾り図柄を可変表示する。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアが配置されている。そして、特図ゲームにおいて特別図柄表示装置4による特別図柄の変動が開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアは、画像表示装置5の表示領域内で移動可能とされ、飾り図柄を縮小あるいは拡大して表示することができるようにしてもよい。このように、画像表示装置5の表示領域では、特別図柄表示装置4による特別図柄を用いた特図ゲームと同期して、各々を識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。なお、表示結果を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。
画像表示装置5では、複数の飾り図柄表示エリアが接着して、あるいは、分離して、あるいは、接着及び分離が可能に、設けられてもよい。画像表示装置5における表示動作は、図2に示す演出制御基板12に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ120などにより制御される。演出制御用マイクロコンピュータ120では、特別図柄表示装置4で特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って画像表示装置5で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて可変表示される飾り図柄は、予め用意された複数種類(例えば8種類)の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字「一」〜「八」、英文字「A」〜「H」、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなど。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい。)で構成されればよい。また、こうした8種類の飾り図柄の他に、ブランク図柄(大当り組合せを構成しない図柄)が含まれていてもよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の変動中には、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、複数の飾り図柄表示エリアのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリアなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリアが配置されてもよい。始動入賞記憶表示エリアは、特図ゲームにおける可変表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する。一例として、始動入賞記憶表示エリアには、始動入賞の発生に基づき先に始動条件が成立した可変表示ゲームから順に左から右へと、表示色が変更される複数の表示部位が設けられている。そして、始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき特図ゲームの始動条件が成立したときには、通常非表示(透過色)となっている表示部位のうちの1つ(例えば非表示となっている表示部位のうち左端の表示部位)を所定色(例えば青色など)に変化させる。その後、特図ゲームの開始条件が成立したときには、例えば左端の表示部位における表示を除去するとともに、各表示部位における表示を1つずつ左方向に移動させる。なお、始動入賞記憶表示エリアでは、特図保留記憶数を示す数字を表示することなどにより、特図保留記憶数を遊技者等が認識できるようにしてもよい。
画像表示装置5の下方には、普通可変入賞球装置6が設けられている。普通可変入賞球装置6は、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6では、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直状態となることにより、遊技球が始動入賞口に進入しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6では、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動状態となる傾動制御により、遊技球が始動入賞口に進入しやすい拡大開放状態となる。
普通可変入賞球装置6に形成された始動入賞口へと進入した遊技球(始動入賞球)は、例えば図2に示す始動口スイッチ22によって検出される。始動口スイッチ22によって遊技球が検出されたことに基づいて、所定個数(例えば4個)の遊技球が賞球として払い出され、特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、特図ゲームや飾り図柄の可変表示を実行するための始動条件が成立する。
普通可変入賞球装置6の下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す特別電動役物用となるソレノイド82によって、大入賞口扉となる開閉板が開閉駆動され、その開閉板によって閉鎖状態と開放状態とに変化する大入賞口を形成する特別電動役物である。一例として、特別可変入賞球装置7では、特別電動役物用のソレノイド82がオフ状態であるときに開閉板が大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、特別電動役物用のソレノイド82がオン状態であるときに開閉板が大入賞口を開放状態にする。
特別可変入賞球装置7が形成する大入賞口に進入した遊技球(大入賞球)は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づいて、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口が1つ又は複数設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通可変入賞球装置6、特別可変入賞球装置7等)の周囲又は内部などには、装飾用のランプ又はLEDなどが配置されていてもよい。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿が設けられている。例えば上皿の上面における手前側の所定位置には、押下操作などにより遊技者が操作可能な操作ボタンが設置されていればよい。この操作ボタンは、押下可能であるとともに、回動可能なジョグダイアルになっていればよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、画像表示装置5の上部)には、パチンコ遊技機1の前方(前面側)における所定範囲(撮影範囲)を撮影するカメラ33が設けられている。カメラ33は、例えばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサといった固体撮像素子を用いて構成され、撮影対象物(単に「対象物」ともいう)からの入射光を電気信号に変換することなどにより、撮影画像データを生成する。なお、カメラ33は、撮影対象物にて反射した自然光が入射されるパッシブセンサ方式を用いたものであってもよいし、所定の発光部材(発信器)から出力される赤外線や紫外線あるいは可視光などを撮影対象物に照射し、その反射光が入射されるアクティブセンサ方式を用いたものであってもよい。また、カメラ33は、例えばエックス線を照射する場合のように、撮影対象物の一部又は全部を透過したものが入射されるものであってもよい。カメラ33は、単一の撮影装置として構成されたものであってもよいし、例えばパチンコ遊技機1の表面(前面)あるいは周辺における所定位置に配置された複数の撮影装置として構成されたものであってもよい。カメラ33に代えて、あるいは、カメラ33とともに、例えばUWB(Ultra-WideBand)パルスレーダといった、電磁波の送受信により対象物の表面形状等を観測できる装置を用いてもよい。さらに、赤外線や紫外線あるいは可視光などの電磁波を入射信号として検出するカメラ33に代えて、あるいは、こうしたカメラ33とともに、例えば超音波センサといった電磁波以外を入射信号として検出できる装置を用いてもよい。
普通図柄表示器20による普図ゲームは、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための条件が成立したことに基づいて、開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「○」を示すランプ又はLEDが点灯されることなどにより、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「×」を示すランプ又はLEDが点灯されることなどにより、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6を構成する電動チューリップの可動翼片が傾動状態となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
特別図柄表示装置4による特図ゲームは、普通可変入賞球装置6に形成された始動入賞口に進入した遊技球が図2に示す始動口スイッチ22によって検出されたことなどにより始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態又は小当り遊技状態が終了したことなどにより開始条件が成立したことに基づいて、特別図柄の可変表示が開始される。そして、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間となる所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる小当り図柄が停止表示されれば「小当り」となり、大当り図柄及び小当り図柄以外の特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「11」、「33」、「77」を示す数字を大当り図柄とし、「22」を示す数字を小当り図柄とし、「−−」を示す記号をハズレ図柄としている。
この実施の形態では、大当り図柄となる「11」、「33」、「77」を示す数字のうち、「33」及び「77」の数字を示す特別図柄を15ラウンド大当り図柄とし、「11」の数字を示す特別図柄を2ラウンド大当り図柄とする。特図ゲームにおける確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される多ラウンド遊技状態としての大当り遊技状態(15ラウンド大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の開閉板が、第1期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンド遊技が実行される。こうしてラウンド遊技の実行中に大入賞口を開放状態とした開閉板は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態に変化させて、1回のラウンド遊技を終了させる。15ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンド遊技の実行回数が、第1ラウンド数(例えば「15」)となる。ラウンド遊技の実行回数が「15」となる15ラウンド大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。このような15ラウンド大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞するたびに15個の賞球払出が得られる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として2ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される少ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(2ラウンド大当り状態)では、各ラウンド遊技で特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる期間(開閉板により大入賞口を開放状態とする期間)が、15ラウンド大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.5秒間)となる。また、2ラウンド大当り状態では、ラウンド遊技の実行回数が、15ラウンド大当り状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となる。なお、2ラウンド大当り状態では、ラウンド遊技の実行回数が第2ラウンド数となるように制御されればよく、それ以外の制御は15ラウンド大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。ラウンド遊技の実行回数が「2」となる2ラウンド大当り状態における遊技は、2回開放遊技とも称される。2ラウンド大当り状態では、各ラウンド遊技で特別可変入賞球装置7とは別個に設けられた所定の入賞球装置において、大入賞口となる所定の入賞口を閉鎖状態から開放状態とすることなどにより、遊技者にとって不利な第2状態から遊技者にとって有利な第1状態に変化させ、所定期間(第1期間又は第2期間)が経過した後に第2状態へと戻すようにしてもよい。
このような2ラウンド大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば15個の出玉が得られるが、大入賞口の開放期間が第2期間(0.5秒間)であって、非常に短い。そのため、2ラウンド大当り状態は実質的には賞球払出が得られない大当り遊技状態である。また、少ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、多ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、ラウンド遊技の実行回数が少ないものに限定されず、例えばラウンド遊技の実行回数は少ラウンド特定遊技状態と多ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、少ラウンド特定遊技状態では大入賞口を開放状態とする上限期間(例えば2秒間)が多ラウンド特定遊技状態での上限期間(例えば29秒間)に比べて短くなるものであってもよい。すなわち、少ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンド遊技で大入賞口を開放状態に変化させる期間が多ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンド遊技の実行回数が多ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
また、15ラウンド大当り図柄となる「33」、「77」の数字を示す特別図柄のうち、「33」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき15ラウンド大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)が短縮される時間短縮制御が行われる時短状態に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。こうした「33」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に時短状態に制御される15ラウンド大当り図柄は、非確変大当り図柄(「通常大当り図柄」ともいう)と称される。また、15ラウンド大当り図柄のうち非確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「15R非確変大当り」(「15R通常大当り」ともいう)と称される。
15ラウンド大当り図柄となる「33」、「77」の数字を示す特別図柄のうち、「77」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき15ラウンド大当り状態が終了した後や、2ラウンド大当り図柄となる「11」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき2ラウンド大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特図変動時間が短縮される時間短縮制御とともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率状態)に制御される。この確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続する。こうした「77」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される15ラウンド大当り図柄は、確変大当り図柄と称される。「11」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される2ラウンド大当り図柄は、突確大当り図柄と称される。また、15ラウンド大当り図柄のうち確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「15R確変大当り」と称される。突確大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「突確大当り」(「2R確変大当り」ともいう)と称される。なお、15ラウンド大当り図柄「33」及び「77」や、2ラウンド大当り図柄「11」は一例であり、各大当り図柄はこれらに限定されない。例えば、遊技者に大当り図柄であることや、大当り種別を認識されないようにするために、大当り図柄を数字とせずに予め定められた記号(例えば「コ」など)にしてもよい。また、2ラウンド大当り図柄となる「11」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき2ラウンド大当り状態が終了した後には、確変状態に制御するための設定を行う一方で、時短状態に制御するための設定としては、2ラウンド大当り状態となる以前の状態に継続して制御されるように設定してもよい。このような設定により、「突確大当り」となった場合と後述のように可変表示結果が「小当り」となった場合との区別が困難になり、小当り遊技状態の終了後でも確変状態となったことへの期待感を遊技者に抱かせることができる。
小当り図柄となる「22」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示された後には、小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、2ラウンド大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が、第2回数(第2ラウンド数に等しい実行回数)に達するまで繰り返し実行される。なお、小当り遊技状態では、2ラウンド大当り状態と同様に、特別可変入賞球装置7を第1状態とする期間が第2期間となることと、第1状態とする動作の実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されればよい。小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御されることになる。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。可変入賞動作により特別可変入賞球装置7を第1状態とする回数が「2」である小当り遊技状態における遊技は、2ラウンド大当り状態における遊技と同様に、2回開放遊技とも称される。なお、2ラウンド大当り状態における各ラウンド遊技で特別可変入賞球装置7とは別個に設けられた入賞球装置を第1状態に変化させる場合には、小当り遊技状態でも、2ラウンド大当り状態と同様の態様で、その入賞球装置を第1状態に変化させるようにすればよい。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6における可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、始動入賞口に遊技球が進入しやすくして特図ゲームの始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、確変状態や時短状態において始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、特別図柄表示装置4による特図ゲームを実行するための始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態と時短状態のいずれかに制御されている期間と同一であればよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアでは、特別図柄表示装置4による特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリアなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単に「リーチ演出」ともいう)と称する。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの電飾部材における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチA〜スーパーリーチDといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチA〜スーパーリーチDといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。例えば、「擬似連」や「滑り」といった可変表示演出が実行可能であり、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して、各々の演出動作を実行するか否かが決定される。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの開始条件が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大4回まで)行うことができる。一例として、「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにて、擬似連チャンス目として予め定められた複数種類のハズレ組合せのいずれかとなる飾り図柄が仮停止表示される。なお、仮停止表示では、飾り図柄が停留して表示される一方で、例えば揺れ変動表示を行うことや短時間の停留だけで直ちに飾り図柄を再変動させることなどによって、遊技者に停止表示された飾り図柄が確定しない旨を報知すればよい。あるいは、仮停止表示でも、停止表示された飾り図柄が確定したと遊技者が認識する程度に飾り図柄を停留させてから、飾り図柄を再変動させるようにしてもよい。
「擬似連」の可変表示演出では、擬似連変動(再変動)の回数が多くなるに従って、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなるように設定されていればよい。これにより、遊技者は、擬似連チャンス目が仮停止表示されることにより、「擬似連」の可変表示演出が行われることを認識でき、擬似連変動の回数が多くなるに従って、可変表示結果が「大当り」となる期待感が高められる。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜4回行われることにより、開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜5回続けて開始されたかのように見せることができる。
「擬似連」の可変表示演出が実行される際には、初回変動を含む複数回の変動表示(擬似連変動)に伴って、関連する表示演出などによる再変動演出が実行されるようにしてもよい。一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、遊技領域の内部又は外部に設けられた複数の装飾用LEDのうちで点灯されるものが1つずつ増えていくように制御されてもよい。また、各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、装飾用LEDの表示色が変化するように制御されてもよいし、複数の装飾用LEDのうちで点灯されるものが変化するように制御されてもよい。他の一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、遊技領域の内部又は外部に設けられた可動部材が動作するように制御されてもよい。さらに他の一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、画像表示装置5において特定のキャラクタ画像といった所定の演出画像を表示するように制御されてもよい。これらの再変動演出の一部又は全部に加えて、あるいは、これらの再変動演出の一部又は全部に代えて、装飾用LEDの点灯や点滅、可動部材の動作、演出画像の表示のうち、一部又は全部を組み合わせた再変動演出を実行するように制御されてもよい。このとき、1種類の演出態様のみで再変動演出が実行される場合よりも、複数種類の演出態様を組み合わせた再変動演出が実行される期間を含んでいる場合や、複数回の再変動演出における演出態様が変化する場合に、可変表示結果が「大当り」となる可能性や、「15R確変大当り」となる可能性が高まるようにしてもよい。
再変動演出として実行される演出動作は、例えばスピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9といった電飾部材の点灯動作といった、任意の演出動作を含んだものであってもよい。また、例えばスピーカ8L、8Rによる音声や効果音の出力の違い、演出対象物(例えば可動部材など)の動きの違い(動作速度の違い、動作する距離の違い、動作方向の違いなど)、画像表示装置5に表示されるキャラクタ画像の動きの違い(動作速度の違い、動作する距離の違い、動作方向の違いなど)によって再変動演出の演出態様を相違させたり、画像表示装置5においてキャラクタ画像ではなく文字表示を変化させたり背景画像の表示を変化させたりして、再変動演出における演出態様を相違させてもよい。さらに、飾り図柄の変動中に実行される再変動演出とは別に、擬似連チャンス目となる飾り図柄の仮停止時などに、例えばスピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9などの電飾部材の点灯動作といった、任意の演出動作によりチャンス目が仮停止表示されたことを遊技者が認識できるようにしてもよい。
「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、2つ以上の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」又は「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリアと「右」の飾り図柄表示エリアのいずれか一方又は双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「擬似連」や「滑り」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定のキャラクタ画像やメッセージ画像といった演出画像を表示することなどのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、遊技者に報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄が停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。具体的な一例として、「キャラクタ予告」や「操作時予告」といった、複数種類の予告演出が実行可能に設定されていればよい。予告演出となる演出動作は、それが実行されるか否かによっては特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)に変化が生じないものであればよい。
「キャラクタ予告」の予告演出では、飾り図柄の可変表示中に、例えば画像表示装置5の表示領域にて、所定位置に予め用意されたキャラクタ画像を表示させる演出表示が行われる。ここで、キャラクタ画像の表示としては、飾り図柄とは別個のキャラクタ画像を静止表示あるいは動作表示(アニメーション表示)させるものであってもよいし、飾り図柄と一体的に可変表示されるキャラクタ画像を、飾り図柄の可変表示とは異なる表示形態で動作表示(アニメーション表示)させるものであってもよい。
「操作時予告」の予告演出では、飾り図柄の可変表示中に、遊技者による操作行為となる所定動作が検出されたことに応じて、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示を変更することや、スピーカ8L、8Rから出力させる音声などを変更することにより、演出動作を変化させる。一例として、「操作時予告」の予告演出では、飾り図柄の可変表示中に、操作促進演出となる所定の演出動作が行われる。操作促進演出は、例えば画像表示装置5の表示領域における所定位置に、予め用意されたキャラクタ画像やメッセージ画像といった演出画像を表示させることなどにより、遊技者による所定動作を促す演出であればよい。遊技者による所定動作を促す演出動作としては、画像表示装置5に演出画像を表示させるものに限定されず、スピーカ8L、8Rから所定の音声を出力させるもの、遊技効果ランプ9や装飾用LEDを所定の点灯パターンで点灯あるいは点滅させるもの、遊技領域の内部又は外部に設けられた演出用役物が備える可動部材を所定の動作態様で動作させるもの、あるいは、これらのいずれかを組み合わせたものであってもよい。こうした操作促進演出が行われるときには、遊技者による操作ボタンの操作を有効に検出する操作有効期間、あるいは、カメラ33による撮影動作を有効化する撮影有効期間となる。操作有効期間とするか撮影有効期間とするかは、予告演出における演出動作内容を示す予告演出パターンなどによって規定されればよい。そして、操作有効期間内に遊技者による操作ボタンの操作が検出されたときや、撮影有効期間内に遊技者による所定動作がカメラ33による撮影結果から検知されたときには、操作促進演出の実行を停止するとともに、例えば予め用意された複数種類の演出画像のうちいずれかの演出画像を画像表示装置5に表示させることや、予め用意された複数種類の音声パターンのうちいずれかの音声パターンに対応する効果音をスピーカ8L、8Rから出力させることといった、各種の演出動作が実行される。
こうした飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作による予告演出としては、「キャラクタ予告」や「操作時予告」の他にも、例えば「ステップアップ動作」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「ステップアップ動作」の予告演出では、一例として、飾り図柄の可変表示中に画像表示装置5の表示領域にて、予め用意された複数種類の演出画像を所定の順番に従って切り替えて表示させる演出表示により、演出態様が複数段階に変化(ステップアップ)するような演出動作が行われることがある。なお、「ステップアップ動作」の予告演出では、予め用意された複数種類の演出画像のうちいずれか1つ(例えば所定の順番において最初に表示される演出画像など)が表示された後、演出画像が切り替えられることなく、予告演出における演出表示を終了させることがあるようにしてもよい。また、「ステップアップ動作」の予告演出となる他の一例として、飾り図柄の可変表示中に遊技領域の内部又は外部に設けられた演出用役物が備える可動部材を所定の順番に従って複数種類の動作態様で動作させる演出動作により、演出態様が複数段階に変化(ステップアップ)するような演出動作が行われることがある。なお、「ステップアップ動作」の予告演出では、可動部材が1種類の動作態様で演出動作を行った後、2段階目の演出動作に切り替えられることなく、予告演出における演出動作を終了させることがあるようにしてもよい。このように、「ステップアップ動作」の予告演出は、1回の始動入賞(始動入賞口に1個の遊技球が進入したこと)に対応して実行される特別図柄や飾り図柄の可変表示中に実行される予告演出の一種であり、特に予告の態様(表示、音、ランプ、可動物等)が複数段階に変化(ステップアップ)するステップアップ予告演出である。一般的には変化する回数(ステップ数)が多い程信頼度(可変表示結果が「大当り」となる可能性など)が高くなる。また、ステップアップ予告演出におけるステップ数、あるいは、各ステップにおける演出態様に応じて、「15R確変大当り」や「2R確変大当り」となること、特定のリーチ演出が実行されること、「15R非確変大当り」から「15R確変大当り」へと昇格することのうち、少なくともいずれか1つを予告するものであってもよい。さらに変化する回数(ステップ数)によって予告する対象も変化するものでもよい。例えば第2ステップまで行くと「リーチ確定」、第3ステップまで行くと「スーパーリーチ確定」、第4ステップまで行くと「大当り確定」となるようなものでもよい。予告の態様の変化(ステップアップ)としては、異なるキャラクタ画像が順番に表示されるものであってもよいし、1つのキャラクタにおける形状や色等が変化することでステップアップするようなものであってもよい。すなわち、遊技者からみて予告する手段(表示、音、ランプ、可動物等)の状態が段階的に変化したと認識可能なものであればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「リーチ無しハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチ組合せ(リーチハズレ組合せともいう)となる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。なお、非リーチ組合せとなる確定飾り図柄と、リーチ組合せとなる確定飾り図柄は、まとめてハズレ組合せ(非特定の組合せ)の確定飾り図柄ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち非確変大当り図柄である「33」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定の非確変大当り組合せ(「通常大当り組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が停止表示される。ここで、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄(「通常図柄」ともいう)と称される。そして、特図ゲームにおける確定特別図柄が非確変大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、非確変大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の可変表示態様(大当り種別ともいう)と称される。こうして「非確変」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、15ラウンド大当り遊技状態に制御され、その15ラウンド大当り状態が終了すると、時短状態又は通常状態に制御されることになる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち確変大当り図柄である「77」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、大当り種別が「非確変」である場合と同様のリーチ演出が実行された後などに、もしくは、大当り種別が「非確変」である場合とは異なるリーチ演出が実行された後などに、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。ここで、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。そして、特図ゲームにおける確定特別図柄が確変大当り図柄となることに対応して、リーチ演出が実行された後などに、確変大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の可変表示態様(大当り種別ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、飾り図柄の可変表示結果として、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。このように、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される場合でも、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示されるときは、「確変」の可変表示態様に含まれる。こうして「確変」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、15ラウンド大当り状態に制御され、その15ラウンド大当り状態が終了すると、確変状態に制御されることになる。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄や確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、まとめて大当り組合せ(特定の組合せ)の確定飾り図柄ともいう。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されてもよい。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアに非確変大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、非確変大当り組合せとなる飾り図柄(非確変図柄)のうちいずれかを、確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する変動中昇格失敗演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する変動中昇格成功演出が実行されることもあれば、変動中昇格失敗演出が実行されることもある。
非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンド遊技が終了してから次のラウンド遊技が開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンド遊技が終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定飾り図柄が非確変大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、画像表示装置5の表示領域にて飾り図柄を可変表示させて非確変図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、飾り図柄の可変表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、2ラウンド大当り図柄となる「11」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合や、小当り図柄となる「22」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、2回開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せのいずれかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、2ラウンド大当り図柄となる「11」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合や、小当り図柄となる「22」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることもある。特図ゲームにおける確定特別図柄が2ラウンド大当り図柄である「11」の数字を示す特別図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(大当り種別ともいう)と称される。こうして「突確」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、2ラウンド大当り状態に制御され、その2ラウンド大当り状態が終了すると、確変状態に制御されることになる。
可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合には、飾り図柄の可変表示中に突確モード開始演出が実行されてもよい。突確モード開始演出では、大当り種別が「突確」となることに対応して予め定められた演出動作が行われる。突確モード開始演出が行われた後には、突確モードと称される通常の演出モードとは異なる演出モードが開始されてもよい。また、突確モード開始演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作に限定されず、2ラウンド大当り状態となる期間の一部または全部においても、可変表示中から継続して実行される演出動作であってもよい。突確モード開始演出が開始されるときには、可変表示中の飾り図柄を消去して、突確モード開始演出が実行された後には、確定飾り図柄が導出表示されないようにしてもよい。突確モードでは、例えば可変表示結果が「大当り」となって確変状態が終了するまで、突確モード中演出が行われる。突確モード中演出では、画像表示装置5の表示領域における背景画像の表示態様を通常の演出モードにおける表示態様とは異なるものとすること、飾り図柄の可変表示に伴ってスピーカ8L、8Rから出力される音声を通常の演出モードにおける音声とは異なるものとすること、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯パターンを通常の演出モードにおける点灯パターンとは異なるものとすること、あるいは、これらの一部又は全部を組み合わせることにより、突確モードであることを遊技者が認識できるように報知すればよい。
確変状態では、例えば「確変中」といった確変状態であることを報知する演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させること、及び/又は、画像表示装置5の表示領域における背景画像や飾り図柄の表示態様を通常の演出モードにおける表示態様とは異なるものとすることなどにより、確変状態であることを遊技者が認識できる確変中の演出モードとなるようにしてもよい。
パチンコ遊技機1における遊技の進行中などには、予め設けられた所定条件が成立したときに、カメラ33の撮影により生成された撮影画像データに基づく特別演出が実行されることがある。ここで、特別演出が実行されるための所定条件としては、例えばスーパーリーチA〜スーパーリーチDといったスーパーリーチのリーチ演出が開始されたこと、大当り遊技状態において大当り中演出が開始されたこと、所定の予告演出が開始されたこと、大当り遊技状態の開始後に実行されたラウンド遊技の回数が所定回数に達したこと、電源投入後や大当り遊技状態の終了後に実行された特図ゲームの回数が所定回数に達したこと、再抽選演出や大当り中昇格演出もしくはエンディング昇格演出といった確変状態に制御するか否かの報知演出が開始されたこと、「擬似連」や「滑り」といった可変表示演出を実行する変動パターンに基づく飾り図柄の可変表示が開始されてからの経過時間が所定時間に達したこと、あるいは、これらの一部又は全部の場合など、パチンコ遊技機1における遊技の進行に関して予め設定可能なものであればよい。
特別演出が実行されるときには、撮影画像データを用いた画像データ処理などにより、例えば遊技者の手(例えば図30に示す遊技者PPの左手LHなど)の動きや可動式マーカ(例えば図35(B2)に示す可動式マーカ34Bなど)の動きといった、撮影対象物に含まれる検知対象物の動作態様が検知される。そして、検知対象物の動作態様を検知した検知結果だけでなく、例えば大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果や、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御するか否かの決定結果、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数の決定結果、時短状態において実行可能な特図ゲームの上限回数の決定結果、あるいは、これらの一部又は全部といった、パチンコ遊技機1において所定の遊技価値を付与するか否かの決定結果にも応じて、異なる演出画像が合成される。こうして合成された演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることにより、特別演出に含まれる表示演出などが実行される。
特別演出を実行するための演出画像が合成されるときには、予め用意された演出画像データに示されるキャラクタ画像やアニメーション画像といった、CG(Computer Graphics)技術を用いて作成された仮想画像と、カメラ33の撮影により生成された撮影画像データに示される実写画像の一部又は全部とが、合成されるようにしてもよい。これにより、例えば拡張現実感(AR:Augmented Reality)や拡張仮想感(AV:Augmented Virtuality)といった複合現実感(MR:Mixed Reality)を与える特別演出を実行することができる。あるいは、例えば変動パターンなどに対応して選択された演出画像データに示される仮想画像又は実写画像と、撮影画像データに基づいて検知された対象物の動作態様に対応して選択された演出画像データに示される仮想画像又は実写画像とが、合成されてもよい。これにより、例えば仮想現実感(VR:Virtual Reality)を与える特別演出を実行することができる。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11及び演出制御基板12といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板13なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、特別図柄表示装置4を構成する各LED(例えばセグメントLEDやドットLED)などの点灯/消灯制御を行って特別図柄表示装置4による特別図柄の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路101、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路102などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板13を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ22、カウントスイッチ23からの検出信号を受信するための配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ22、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。加えて、主基板11には、普通可変入賞球装置6における可動翼片の傾動制御を行うための指令信号をソレノイド81に伝送する配線や、特別可変入賞球装置7における開閉板の開閉制御を行うための指令信号をソレノイド82に伝送する配線が接続されている。さらに、主基板11には、特別図柄表示装置4や普通図柄表示器20の表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板13によって中継される。主基板11には、例えば中継基板13に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から中継基板13を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、中継基板13から主基板11への信号の入力を阻止する。したがって、演出制御基板12や中継基板13の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。
中継基板13には、例えば主基板11から演出制御基板12に対して制御信号を伝送するための配線毎に、伝送方向規制回路が設けられていればよい。各伝送方向規制回路は、主基板11対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板12対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板12から中継基板13への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。したがって、演出制御基板12の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。この実施の形態では、中継基板13において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路を設けるとともに、主基板11にて遊技制御用マイクロコンピュータ100と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路を設けることで、外部から主基板11への不正な信号の入力を防止することができる。
中継基板13を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。図3(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド80XXHは、特別図柄表示装置4による特図ゲームとして特別図柄の可変表示を開始するときに飾り図柄の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。なお、XXHは不特定の16進数であるであることを示し、演出制御コマンドによる指令内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、飾り図柄の変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。ここで、飾り図柄の可変表示において変動が開始されてから確定飾り図柄が導出表示されて可変表示が終了するまでの時間(可変表示時間)は、飾り図柄の変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン指定コマンドにより変動パターンが指定されることにより、飾り図柄の可変表示時間も指定されることになる。変動パターン指定コマンドのMODEデータは、特図保留記憶数などに基づいて決定される変動パターンに応じて、「80H」、「81H」、「82H」のいずれかが設定されるようにしてもよい。例えば、特図保留記憶数が「0」または「1」であるときには、MODEデータ「80H」が設定され、特図保留記憶数が「2」であるときには、MODEデータ「81H」が設定され、特図保留記憶数が「3」または「4」であるときには、MODEデータ「82H」が設定されてもよい。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」、「大当り」、「小当り」のいずれとなるかの事前決定結果、また、可変表示結果が「大当り」となる場合における飾り図柄の可変表示態様(大当り種別)が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれとなるかの大当り種別決定結果に対応して、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を示す第2可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を示す第3可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を示す第4可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C04Hは、可変表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を示す第5可変表示結果通知コマンドである。
この実施の形態では、変動パターン指定コマンドと可変表示結果通知コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、変動パターン指定コマンドに示される変動パターンと、可変表示結果通知コマンドに示される可変表示結果とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、変動パターンと可変表示結果(「ハズレ」、「大当り」及び「小当り」のいずれかと、「大当り」となる場合における大当り種別)との組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、変動パターンと可変表示結果を特定可能な情報が伝送されるようにしてもよい。あるいは、3つ以上の演出制御コマンドにより、変動パターンと可変表示結果とを特定できるようにしてもよい。ここで、変動パターンと可変表示結果とを1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成した場合には、1つの変動パターンに対して、複数種類の可変表示結果に応じた複数種類の演出制御コマンドを用意しなければならないことがある。これに対して、変動パターンを指定する演出制御コマンドと、可変表示結果を通知する演出制御コマンドとを別個に用意すれば、変動パターンの種類数に対応した個数の演出制御コマンドと、可変表示結果の種類数に対応した個数の演出制御コマンドとを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量などを、削減することができる。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアで飾り図柄の可変表示の停止を指定する飾り図柄停止コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態が通常状態、確変状態及び時短状態のいずれであるかに対応して、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを遊技状態が通常状態である場合に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを遊技状態が確変状態である場合に対応した第2遊技状態指定コマンドとし、コマンド9502Hを遊技状態が時短状態である場合に対応した第3遊技状態指定コマンドとすればよい。
この実施の形態では、飾り図柄の可変表示の停止を指定する演出制御コマンドとして、飾り図柄停止コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するようにしている。これに対して、飾り図柄停止コマンドの送信は行われないようにしてもよい。この場合、演出制御基板12の側では、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンに対応する可変表示時間などを特定し、変動パターン指定コマンドを受信してからの経過時間が特定された可変表示時間に達したときに、主基板11からの演出制御コマンドを受信しなくても、特図ゲームに対応して実行される演出を終了するための設定が行われるようにすればよい。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。当り開始指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定される。あるいは、当り開始指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。
コマンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば15ラウンド大当り状態におけるラウンド遊技の実行回数(例えば「1」〜「15」)や、2ラウンド大当り状態又は可変入賞動作における大入賞口の開放回数(例えば「1」又は「2」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。なお、大当り遊技状態や小当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となっている期間であるか、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であるかにかかわりなく、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時点まで、継続的な演出動作が実行されるようにしてもよい。あるいは、大当り遊技状態や小当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となっている期間であるか、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であるかに応じて、異なる演出動作が実行されるようにしてもよい。また、例えば大入賞口が開放された回数を示す演出画像の表示を行う場合ように、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数などに応じて異なる演出動作が実行されるようにしてもよい。
コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドや当り開始指定コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定される。あるいは、当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドや当り開始指定コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。なお、2ラウンド大当り状態及び/又は小当り遊技状態に制御されるときには、当り開始指定コマンドや大入賞口開放中指定コマンド、大入賞口開放後指定コマンド、当り終了指定コマンドの一部又は全部が伝送されず、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンにより、2ラウンド大当り状態中及び/又は小当り遊技状態中における演出動作が実行されるようにしてもよい。
コマンドB0XXHは、普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口に進入(始動入賞)した遊技球が始動口スイッチ22により検出されたことや、特別図柄表示装置4による特図ゲームが開始されることなどに基づき、特図保留記憶数を通知する特図保留記憶数通知コマンドである。特図保留記憶数通知コマンドでは、例えば図12に示す特図保留記憶部151における保留データの記憶数(例えば「0」〜「4」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。これにより、演出制御基板12の側では、主基板11から伝送された特図保留記憶数通知コマンドを受信して特図保留記憶数を特定し、画像表示装置5の表示領域に設けられた始動入賞記憶表示エリアの表示を更新することなどができる。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであればよい。図4は、遊技制御用マイクロコンピュータ100の構成例を示している。図4に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)111と、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)112と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)113と、CPU111とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路114と、I/O(Input/Output port)となる入出力ポート115とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU111がROM102から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU111がROM112から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU111がRAM113に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU111がRAM113に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU111が入出力ポート115を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU111が入出力ポート115を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU111の他にRAM113が内蔵されていればよく、ROM112や乱数回路114は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、入出力ポート115は、外付けであってもよい。
このように、遊技制御用マイクロコンピュータ100ではCPU111がROM112に格納されている遊技制御用のプログラムを実行して遊技制御を行うので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100(又はCPU111)が実行する(又は処理を行う)ということは、具体的には、CPU111がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板11とは異なる他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
主基板11では、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵又は外付けされた乱数回路114などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。図5は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図5に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、リーチ決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4、普図表示結果決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。乱数回路114は、これらの乱数値MR1〜MR5の全部又は一部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU111は、例えば図12に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路114とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。一例として、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データは、乱数回路114によりCPU111とは独立して更新され、それ以外の乱数値MR2〜MR5を示す数値データは、CPU111がランダムカウンタを用いてソフトウェアにより更新されればよい。また、乱数回路114により更新された数値データの全部又は一部を用いて、スクランブル処理や演算処理といった所定の処理を実行することにより、乱数値MR1〜MR5の全部又は一部を示す数値データが更新されるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、乱数回路114が更新する数値データの初期値を設定する機能を有していてもよい。例えば、ROM112等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ100のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ100の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路114が更新する数値データの初期値として設定する。このような処理を行うことにより、乱数回路114が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かなどを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
リーチ決定用の乱数値MR3は、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「239」の範囲の値をとる。変動パターン決定用の乱数値MR4は、飾り図柄の変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「300」の範囲の値をとる。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図6は、この実施の形態における飾り図柄の変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合のうち、大当り種別が「非確変」又は「確変」である場合と「突確」である場合、さらには、可変表示結果が「小当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」や「小当り」である場合に対応した変動パターンは、当り変動パターンと称される。
図6に示すように、この実施の形態では、非リーチ変動パターンとして、変動パターンPA1−1〜変動パターンPA1−4が、予め用意されている。また、リーチ変動パターンとして、変動パターンPA2−1、変動パターンPA2−2、変動パターンPA3−1〜変動パターンPA3−4が、予め用意されている。可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」又は「確変」となる場合に対応した当り変動パターンとしては、変動パターンPA4−1、変動パターンPA4−2、変動パターンPA5−1〜変動パターンPA5−4が予め用意されている。可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合や、可変表示結果が「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンとしては、変動パターンPA6−1〜変動パターンPA6−3が、予め用意されている。さらに、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合にのみ対応した当り変動パターンとして、変動パターンPA6−4及び変動パターンPA6−5が、予め用意されている。各変動パターンに対応して、特図ゲームにおける特別図柄の変動時間となる特図変動時間が予め定められている。
図4に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM112には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM112には、CPU111が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM112には、CPU111が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図6に示すような飾り図柄の変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図7は、ROM112に記憶される特図表示結果決定テーブル200の構成例を示している。特図表示結果決定テーブル200は、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。特図表示結果決定テーブル200では、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態又は時短状態であるか確変状態であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
図8は、ROM112に記憶される大当り種別決定テーブル201の構成例を示している。大当り種別決定テーブル201は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御することが決定(事前決定)されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、可変表示態様を「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル201では、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「確変」、「突確」などの大当り種別に割り当てられている。
大当り種別決定テーブル201において、複数種類の大当り種別に割り当てられた決定値を示すテーブルデータは、15ラウンド大当り状態に制御するか2ラウンド大当り状態に制御するかの決定結果や、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御するか否かの決定結果に対応した決定用データとなっている。例えば、「非確変」又は「確変」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、15ラウンド大当り状態に制御するとの決定結果に対応する一方で、「突確」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、2ラウンド大当り状態に制御するとの決定結果に対応している。また、「非確変」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、確変状態に制御しないとの決定結果に対応する一方で、「確変」又は「突確」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、確変状態に制御するとの決定結果を示している。
図9は、ROM112に記憶されるリーチ決定テーブル202の構成例を示している。リーチ決定テーブル202は、可変表示結果を「ハズレ」とすることが決定(事前決定)されたときに、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを、リーチ決定用の乱数値MR3に基づいて決定するために参照されるテーブルである。リーチ決定テーブル202では、リーチ決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態としない「非リーチ」又はリーチ状態とする「リーチ」を示すリーチ決定結果に、割り当てられている。
図9に示すリーチ決定テーブル202の設定例では、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態であるか時短状態又は確変状態であるかに応じて、リーチ決定結果に対する決定値の割当てが異なっている。また、図9に示す設定例では、特図保留記憶数に応じて、リーチ決定結果に対する決定値の割当てが異なっている。例えば、遊技状態が通常状態であるときには、特図保留記憶数が「0」である場合に対応して、「1」〜「204」の範囲の値が「非リーチ」の決定結果に割り当てられ、「205」〜「239」の範囲の値が「リーチ」の決定結果に割り当てられている。特図保留記憶数が「1」である場合には、特図保留記憶数が「0」である場合よりも多い「1」〜「217」の範囲の値が「非リーチ」の決定結果に割り当てられている。特図保留記憶数が「2」である場合には、特図保留記憶数が「0」や「1」の場合よりも多い「1」〜「223」の範囲の値が「非リーチ」の決定結果に割り当てられている。特図保留記憶数が「3」又は「4」である場合には、「1」〜「230」の範囲の値が「非リーチ」の決定結果に割り当てられている。このような設定によって、特図ゲームの保留記憶数(特図保留記憶数)が所定数(例えば「3」)以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とする旨の決定がなされる割合が低くなる。そして、非リーチ変動パターンにおける平均的な特図変動時間がリーチ変動パターンにおける平均的な特図変動時間に比べて短くなるように設定されていれば、特図保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な特図変動時間を短縮することができる。
図10(A)及び(B)、図11(A)及び(B)は、ROM112に記憶される変動パターン決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、変動パターン決定テーブルとして、図10(A)に示す大当り変動パターン決定テーブル203Aと、図10(B)に示す小当り変動パターン決定テーブル203Bと、図11(A)に示す非リーチ変動パターン決定テーブル204Aと、図11(B)に示すリーチ変動パターン決定テーブル204Bとが、予め用意されている。各変動パターン決定テーブルは、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図10(A)に示す大当り変動パターン決定テーブル203Aは、可変表示結果を「大当り」とする決定(事前決定)がなされたときに、使用テーブルとして選択される。大当り変動パターン決定テーブル203Aでは、大当り種別の決定結果が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、変動パターンPA4−1及び変動パターンPA4−2、変動パターンPA5−1〜変動パターンPA5−4、変動パターンPA6−1〜変動パターンPA6−5などに割り当てられている。
図10(A)に示す大当り変動パターン決定テーブル203Aの設定例では、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各変動パターンに決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターンに割り当てられている。例えば、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに応じて、変動パターンPA4−1及び変動パターンPA4−2、変動パターンPA5−1〜変動パターンPA5−4に対する決定値の割当てが異なっている。また、大当り種別が「非確変」又は「確変」である場合には、変動パターンPA4−1及び変動パターンPA4−2、変動パターンPA5−1〜変動パターンPA5−4に対して決定値が割り当てられている一方で、変動パターンPA6−1〜変動パターンPA6−5に対しては決定値が割り当てられていない。他方、大当り種別が「突確」である場合には、変動パターンPA4−1及び変動パターンPA4−2、変動パターンPA5−1〜変動パターンPA5−4に対しては決定値が割り当てられていない一方で、変動パターンPA6−1〜変動パターンPA6−5に対して決定値が割り当てられている。
このように、大当り種別に応じて各変動パターンに対する決定値の割当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターンに対して決定値が割り当てられることがある。こうして、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターンに決定することができ、また、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。なお、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて各変動パターンに対する決定値の割当てが異なる変動パターン決定テーブルを参照してもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、異なる変動パターンに決定することができ、また、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。
図10(B)に示す小当り変動パターン決定テーブル203Bは、可変表示結果を「小当り」とする決定(事前決定)がなされたときに、使用テーブルとして選択される。小当り変動パターン決定テーブル203Bでは、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、変動パターンPA6−1〜変動パターンPA6−3に割り当てられている。変動パターンPA6−1〜変動パターンPA6−3には、図10(A)に示す大当り変動パターン決定テーブル203Aにおいて、大当り種別が「突確」である場合に応じて決定値の一部が割り当てられている。このように、変動パターンPA6−1〜変動パターンPA6−3は、大当り種別が「突確」となる場合と、可変表示結果が「小当り」となる場合とで、共通の変動パターンとなっている。すなわち、大当り変動パターン決定テーブル203Aにて大当り種別が「突確」に対応したテーブルデータと、小当り変動パターン決定テーブル203Bを構成するテーブルデータとには、共通の変動パターンが含まれるように設定されている。
図11(A)に示す非リーチ変動パターン決定テーブル204Aは、可変表示結果を「ハズレ」とする決定(事前決定)と、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態としない旨の決定とがなされたときに、使用テーブルとして選択される。非リーチ変動パターン決定テーブル204Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態や特図保留記憶数などに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、変動パターンPA1−1〜変動パターンPA1−4などに割り当てられている。
図11(B)に示すリーチ変動パターン決定テーブル204Bは、可変表示結果を「ハズレ」とする決定(事前決定)と、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とする旨の決定とがなされたときに、使用テーブルとして選択される。リーチ変動パターン決定テーブル204Bでは、パチンコ遊技機1における遊技状態や特図保留記憶数などに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、変動パターンPA2−1及び変動パターンPA2−2、変動パターンPA3−1〜変動パターンPA3−4などに割り当てられている。
このように、変動パターン決定テーブルでは、可変表示結果を「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれとするかの決定結果(事前決定結果)や、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かの決定結果に応じて、変動パターンに対する決定値の割当てが異なるように、テーブルデータが構成されている。したがって、演出制御基板12の側では、例えば変動パターン指定コマンドに示される変動パターンなどに基づき、演出動作の制御内容について決定や選択を行うことにより、例えば事前決定結果のようなパチンコ遊技機1における所定の遊技価値を付与するか否かの決定結果(価値付与決定結果)に応じた演出動作を演出用の電気部品(例えば、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどの電飾部材、演出用の可動部材など)に実行させることができる。なお、価値付与決定結果に応じた演出動作としては、価値付与決定結果に応じて異なる別個の演出動作が実行されてもよいし、価値付与決定結果に応じて複数種類の演出動作がそれぞれ実行される割合(演出決定割合)を異ならせるものであってもよい。
図4に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM113は、その一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM113の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM113には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図12に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図12に示す遊技制御用データ保持エリア150は、特図保留記憶部151と、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
特図保留記憶部151は、始動入賞口に遊技球が進入して特図ゲームを実行するための始動条件は成立したが開始するための開始条件は成立していない特図ゲームの保留データを記憶する。一例として、特図保留記憶部151は、始動入賞口への入賞順に保留番号と対応付けて、その入賞による始動条件の成立に基づいてCPU111により乱数回路114等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データや大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを保留データとし、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。一例として、遊技制御フラグ設定部152には、特図プロセスフラグ、普図プロセスフラグ、大当りフラグ、小当りフラグ、確変フラグ、時短フラグなどが設けられていればよい。
特図プロセスフラグは、特別図柄表示装置4による特別図柄を用いた特図ゲームの進行などを制御するために実行される図18のステップS15や図19に示す特別図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。普図プロセスフラグは、普通図柄表示器20による普通図柄を用いた普図ゲームの進行などを制御するために実行される図18のステップS16に示す普通図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。
大当りフラグは、特図ゲームが開始されるときに可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するとの決定結果に対応して、オン状態にセットされる。その一方で、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されたことなどに対応して、大当りフラグがクリアされてオフ状態となる。小当りフラグは、特図ゲームが開始されるときに可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するとの決定結果に対応して、オン状態にセットされる。その一方で、特図ゲームにおける確定特別図柄として小当り図柄が停止表示されたことなどに対応して、小当りフラグがクリアされてオフ状態となる。
確変フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態に制御されることに対応してオン状態にセットされる一方で、確変状態が終了することや、RAM113のクリアなどに対応して、クリアされてオフ状態となる。時短フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短状態に制御されることに対応してオン状態にセットされる一方で、時短状態が終了することや、RAM113のクリアなどに対応して、クリアされてオフ状態となる。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。一例として、遊技制御タイマ設定部153には、遊技制御プロセスタイマ、特図変動タイマ、普図変動タイマなどが設けられていればよい。
遊技制御プロセスタイマは、例えば大当り遊技状態の進行を制御するための時間などを、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態の進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、遊技制御プロセスタイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態の開始時点といった、所定時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
特図変動タイマは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間である特図変動時間といった、特図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、特図変動タイマは、特図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、特図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、特図変動タイマは、特図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
普図変動タイマは、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示時間である普図変動時間といった、普図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、普図変動タイマは、普図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、普図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、普図変動タイマは、普図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。一例として、遊技制御カウンタ設定部154には、ランダムカウンタ、特図保留記憶数カウンタ、時短カウンタ、ラウンド数カウンタなどが設けられていればよい。
遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタは、遊技用乱数となる乱数値を示す数値データの一部又は全部を、乱数回路114とは別個に、あるいは、乱数回路114から抽出された数値データを用いて、CPU111がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのものである。例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR2〜MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU111によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU111がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路114における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路114から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
特図保留記憶数カウンタは、特図保留記憶部151における保留データの記憶数である特図保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、特図保留記憶数カウンタには、特図保留記憶数に対応したカウント値を示すデータが、特図保留記憶数カウント値として記憶され、特図保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。時短カウンタは、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短状態であるときに、その時短状態が終了するまでに実行可能な特図ゲームの残り回数を特定可能にカウントするためのものである。一例として、時短カウンタには、大当り遊技状態が終了するときに時短状態へと制御されることに対応して、予め定められたカウント初期値(例えば「100」など)を示すデータが、時短カウント値として設定される。その後、可変表示結果が「大当り」となるまでは、特図ゲームが終了するごとに、時短カウント値が1減算されるなどして更新される。そして、時短カウント値が「0」に達したときには、時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、時短状態を終了して通常状態へと移行する制御が行われる。ラウンド数カウンタは、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数などをカウントするためのものである。例えば、ラウンド数カウンタには、大当り遊技状態の開始時にカウント初期値「1」を示すデータが、ラウンド数カウント値として設定される。そして、1回のラウンド遊技が終了して次回のラウンド遊技が開始されるときに、ラウンド数カウント値が1加算されて更新される。
遊技制御バッファ設定部155パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。一例として、遊技制御バッファ設定部155には、送信コマンドバッファ、大当り種別バッファなどが設けられていればよい。
送信コマンドバッファは、主基板11からサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信するための設定データを一時的に格納するために用いられる。例えば、送信コマンドバッファは、複数(例えば「12」)のバッファ領域を備えて構成され、送信する制御コマンドに対応したコマンドテーブルのROM112における記憶アドレスを示す設定データなどが、各バッファ領域に格納される。また、送信コマンドバッファにおいて設定データの書込や読出を行うバッファ領域は、送信コマンドポインタなどによって指定され、複数のバッファ領域をリングバッファとして使用することができるように構成されていればよい。
大当り種別バッファには、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別を複数種類のいずれかとする決定結果に対応したバッファ値が格納される。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値には「0」が設定され、大当り種別が「確変」であれば大当り種別バッファ値には「1」が設定され、大当り種別が「突確」であれば大当り種別バッファ値には「2」が設定されればよい。
図4に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える入出力ポート115は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
図2に示す演出制御基板12には、画像表示装置5に映像信号を伝送する配線や、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9に駆動信号を伝送する配線などが接続されている。また、演出制御基板12には、カメラ33からの映像信号(撮影画像データ)を伝送する配線も接続されている。さらに、演出制御基板12には、操作ボタンに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、操作検出スイッチから伝送するための配線が接続されていてもよい。演出制御基板12は、演出制御用マイクロコンピュータ120と、表示制御部121と、音制御部122と、ランプ制御部123とを備えている。図13は、演出制御基板12が備える演出制御用マイクロコンピュータ120や表示制御部121などの構成例を示している。図13に示す演出制御用マイクロコンピュータ120は、例えば1チップのマイクロコンピュータなどを用いて構成され、CPU131と、ROM132と、RAM133と、発振回路134と、リセット回路135と、入出力ポート136とを備えている。
演出制御用マイクロコンピュータ120では、CPU131がROM132から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、CPU131がROM132から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU131がRAM133に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU131がRAM133に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU131が入出力ポート136を介して演出制御用マイクロコンピュータ120の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU131が入出力ポート136を介して演出制御用マイクロコンピュータ120の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
この実施の形態において、CPU131は、入出力ポート136から表示制御部121の画像処理プロセッサ141に対して、表示制御用のコマンド(電気信号)となる表示制御指令を出力させて伝送させる。また、CPU131は、入出力ポート136から音制御部122に対して、音声データを出力させて伝送させる。さらに、CPU131は、入出力ポート136からランプ制御部123に対して、ランプデータを出力させて伝送させる。
演出制御基板12では、例えば演出制御用マイクロコンピュータに内蔵又は外付けされた乱数回路などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。例えば、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる最終停止図柄決定用の乱数値を示す数値データなどが、カウント可能に制御されればよい。なお、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、例えば図17に示す演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアにより各種の数値データを更新することで、演出用乱数となる数値データの全部又は一部をカウントするようにしてもよい。あるいは、乱数回路により更新された数値データの全部又は一部を用いて、スクランブル処理や演算処理といった所定の処理を実行することにより、演出用乱数の全部又は一部を示す数値データが更新されるようにしてもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるROM132には、演出制御用のプログラムの他にも、CPU131による演出動作の制御に用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM132には、CPU131が各種の判定や決定、制御を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、制御パターンテーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。制御パターンテーブルには、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった電飾部材、さらには、演出用役物が備える可動部材などが含まれる演出装置(演出用の電気部品)を用いた演出動作の制御を行うために、演出制御パターンを構成するパターンデータが予め複数種類格納されている。こうした演出制御パターンとしては、例えば図柄変動制御パターンや予告演出制御パターン、当り時演出制御パターンなどが含まれていればよい。
図柄変動制御パターンは、飾り図柄の可変表示が開始されてから最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されるまでの期間における、画像表示装置5の表示領域での飾り図柄の可変表示動作に関する制御内容を示すパターンデータなどから構成され、飾り図柄の変動パターンごとに予め複数用意されたものであればよい。また、パチンコ遊技機1における複数種類の演出モードに対応して、互いに異なる図柄変動制御パターンが用意されてもよい。こうした複数の図柄変動制御パターンはそれぞれ、最終停止図柄となる確定飾り図柄や可変表示中に仮停止表示される仮停止図柄などを用いて行われる飾り図柄の可変表示において、飾り図柄の表示位置や大きさ、飾り図柄の変動方向や変動速度などのタイムスケジュールを規定していればよい。ここで、最終停止図柄や仮停止図柄などは、主基板11から演出制御基板12へと伝送された変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンなどに基づいて、可変表示の開始時に決定されるものであればよい。
予告演出制御パターンは、予告演出における演出動作の制御内容を示すパターンデータなどから構成され、予告演出における演出動作の内容に応じた予告演出パターンごとに予め複数用意されたものであればよい。例えば、複数の予告演出制御パターンはそれぞれ、「キャラクタ予告」の予告演出を実行するために予め用意された複数の予告パターンや、「操作時予告」の予告演出を実行するために予め用意された複数の予告パターンのいずれかに対応して、演出画像の表示位置や大きさ、更新表示手順、操作ボタンに対する操作行為を有効に検出する操作有効期間の設定、カメラ33による撮影動作を有効化する撮影有効期間の設定、操作検出時や所定動作検知時における演出動作の切替設定などのタイムスケジュールを規定していればよい。
当り時演出制御パターンは、特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」や「小当り」となった後に、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御される期間などにおける演出動作の制御内容を示すパターンデータなどから構成され、特図表示結果が「大当り」であるか「小当り」であるかや、大当り種別が「非確変」又は「確変」であるか「突確」であるか、さらには、大当り中昇格演出の有無などに応じて予め複数用意されたものであればよい。
図14(A)は、こうした各種の演出制御パターンの構成例を示している。図14(A)に示す構成例において、演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、演出用可動部材制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データとなるプロセスデータから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。
演出制御プロセスタイマ判定値は、図17に示す演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの格納値である演出制御プロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、CPU131において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、電飾部材の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、電飾部材の点灯動作を指定するデータである。演出用可動部材制御データには、例えば遊技領域の内部又は外部に設けられた演出用の可動部材の動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、演出用可動部材制御データは、演出用の可動部材における動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御データ、ランプ制御データ、演出用可動部材制御データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば操作ボタンに対する操作を検出した場合の演出動作を指定する操作検出制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
図14(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を示している。演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9等の電飾部材を点滅させる制御を行い、演出用可動部材制御データにより指定される動作態様で演出用の可動部材を動作させる制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターンをセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM132から読み出してRAM133の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM132における記憶アドレスを、RAM133の所定領域に一時記憶させて、ROM132における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。
こうして、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9等の電飾部材、演出用の可動部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、演出用可動部材制御データ#1〜演出用可動部材制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。このようにセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用マイクロコンピュータ120から表示制御部121や音制御部122、ランプ制御部123などに対して出力される。
また、ROM132に記憶される制御パターンテーブルには、例えば演出制御パターンの一種などとして、特別演出となる演出動作を実行するための特別演出パターンを構成するパターンデータが予め複数種類格納されていればよい。ここで、特別演出パターンは、例えば図柄変動制御パターンや当り時演出制御パターンといった他の演出制御パターンの一部に含まれるように構成されてもよいし、これらの演出制御パターンとは別個に構成され、例えば図柄変動制御パターンや当り時演出動作制御パターンによる演出動作制御中に所定条件が成立して特別演出の開始タイミングとなったことに対応して、特別演出パターンによる演出動作制御を実行するための処理(例えば図27に示す特別演出制御処理など)が呼び出されるようにしてもよい。
加えて、ROM132には、特別演出を実行するために特別演出パターンを予め用意された複数パターンのうちから選択するための特別演出パターン選択テーブルが記憶されていればよい。一例として、スーパーリーチA〜スーパーリーチDといったスーパーリーチとなるリーチ演出が実行されるときに、所定条件が成立して実行が開始される特別演出における特別演出パターンを選択するためのリーチ演出用となる特別演出パターン選択テーブルとして、図15(A)に示すような特別演出パターン選択テーブル160が、ROM132の所定領域に記憶されていればよい。
図15(A)に示す特別演出パターン選択テーブル160では、スーパーリーチA〜スーパーリーチDといった複数種類のスーパーリーチとなるリーチ演出と、「ハズレ」及び「大当り」及び「小当り」のいずれかといった複数種類の特図表示結果と、予め用意された複数種類の特別演出パターンとが、対応付けられている。ここで、スーパーリーチA〜スーパーリーチDといった複数種類のスーパーリーチとなるリーチ演出は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドに示される変動パターンなどに対応して、いずれかを特定することができる。また、「ハズレ」及び「大当り」及び「小当り」のいずれかといった複数種類の特図表示結果は、主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドなどに対応して、いずれかを特定することができる。したがって、特別演出パターン選択テーブル160を参照することにより、リーチ演出の種類や特図表示結果に応じて異なる特別演出パターンを選択し、特別演出を実行するための使用パターンとして設定することができる。
図15(B)は、特別演出パターンの構成例を示している。図15(B)に示す構成例において、特別演出パターンは、特別演出の実行中に遷移可能な複数の演出動作状態A00、A01、…ごとに、複数種類の動作検知パターンと演出制御実行データとを対応付けるパターンデータを含むように構成されている。ここで、特別演出の実行中に遷移可能な複数の演出動作状態A00、A01は、例えば特別演出となる演出動作を所定時間ごとに区切った(細分化した)複数の区分演出動作にそれぞれ対応する動作状態などであればよい。また、特別演出パターンに含まれる動作検知パターンは、カメラ33での撮影により生成された撮影画像データなどに基づいて検知対象物の動作態様を検知するためのパターンデータを含むように構成されている。特別演出パターンに含まれる演出制御実行データは、例えば図14(A)に示した演出制御パターンに含まれる演出制御実行データ#1〜#nなどと同様の制御データであればよい。
検知対象物の動作態様を検知するためのパターンデータは、例えば撮影画像における検知対象物の動作態様との類似度(相関性)を算定して動作態様を検知するマッチングに使用可能なテンプレートとして、予め用意されていればよい。こうしたパターンデータとしては、例えば撮影画像を解析して特定される動きベクトルの方向などに対応して検知対象物の動作方向を検知するための動作方向検知パターンを示すデータ、撮影画像を解析して特定される動きベクトルの大きさなどに対応して検知対象物の動作速度(動作加速度でもよい)を検知するための動作速度検知パターンを示すデータ、撮影画像を解析して特定される所定色相や所定明度の輪郭(エッジ)などに対応して検知対象物の形状変化を検知するための形状変化検知パターンを示すデータ、あるいは、これらの一部又は全部を含むデータなどであればよい。マッチングにおいて類似度を算定する処理としては、例えばハミング距離を計算する処理、離散コサイン変換(DCT:Discrete Cosine Transform)やKL(Karhunen-Loeve)変換もしくは2次元離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)を適用してユークリッド距離を計算する処理、2次元ウェーブレット変換を適用して所定のパターン間距離を計算する処理、遺伝的アルゴリズム(GA:Generic Algorithm)を適用して最適解を探索する処理、あるいは、これらの一部又は全部を適宜選択して実行する処理といった、任意の処理が実行されればよい。
特別演出の実行中に予め定められた複数の演出動作状態A00、A01、…のいずれかとなったときには、特別演出パターンにおいて当該演出動作状態と対応付けられた複数の動作検知パターンを順次に選択して撮影画像における検知対象物の動作態様とのマッチングが行われ、類似度が最も高い動作検知パターンに対応した動作態様が検知されたものとすればよい。そして、類似度が最も高いとされた動作検知パターンと対応付けられた演出制御実行データに基づく演出動作制御を行って、新たな演出動作状態へと移行させることで、特別演出における演出動作を進行させればよい。
こうして、例えば図16に示すように、特別演出の実行中には、検知対象物の動作態様が検知された結果に応じて、複数の演出動作状態A00、A01、…の間を遷移することができればよい。図16に示す状態遷移例では、左側から右側へ向かって演出動作状態が遷移するものとしている。このときには、動作態様の検知結果によっては、例えば図16に示す演出動作状態A00と演出動作状態A11とを接続する鎖線のように、所定の演出動作状態(例えば演出動作状態A01)をジャンプ(跳躍)して次の演出動作状態に遷移することがあるようにしてもよい。また、動作態様の検知結果によっては、例えば図16に示す演出動作状態A02と演出動作状態A1Xとを接続する鎖線のように、互いに異なる演出動作状態(例えば演出動作状態A01と演出動作状態A02)から同一の演出動作状態(例えば演出動作状態A1X)に遷移できるようにしてもよい。また、例えば類似度が所定範囲内となる動作検知パターンがない場合などには、図16に示す演出動作状態A2Xに両端が接続された鎖線のように、演出動作状態が遷移しないことがあるようにしてもよい。さらに、動作態様の検知結果によっては、以前の演出動作状態に戻るように遷移することがあるようにしてもよい。
図13に示す演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるRAM133には、演出動作を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図17に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図17に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の表示画面における演出画像の表示状態といった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の表示画面における演出画像の表示動作といった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図13に示す演出制御用マイクロコンピュータ120が備える発振回路134は、CPU131に基準クロック信号を提供する。リセット回路135は、CPU131をリセットするためのリセット信号を出力する。入出力ポート136は、演出制御用マイクロコンピュータ120に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御用マイクロコンピュータ120の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。例えば、入出力ポート136の出力ポートからは、表示制御部121へと伝送される表示制御指令や、音制御部122へと伝送される音声データ、ランプ制御部123へと伝送されるランプデータなどが出力される。また、入出力ポート136の入力ポートには、中継基板13を介して主基板11から伝送された演出制御コマンドや、表示制御部122の画像処理プロセッサ141から伝送された各種情報などが入力される。
図13に示す表示制御部122には、画像処理プロセッサ141と、画像データメモリ142と、VRAM(Video RAM)143とが含まれている。画像処理プロセッサ141は、例えばVDP(Video Display Processor)やGPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称されるマイクロプロセッサを用いて構成され、画像表示装置5の表示領域に各種画像を表示させるための高速描画機能や動画像デコード機能といった画像データ処理機能を有し、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令に従った画像データ処理を実行する。また、この実施の形態では、カメラ33から伝送された撮影画像データに基づいて、遊技者や可動式マーカといった検知対象物の動作態様を検知する画像データ処理の一部又は全部が、画像処理プロセッサ141により実行される。なお、検知対象物の動作態様を検知する画像データ処理は、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131と表示制御部121の画像処理プロセッサ141とが協働して実行されるものであってもよい。画像処理プロセッサ141は、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131とは独立して表示制御部121に設けられて演出制御用マイクロコンピュータ120に外付けされるものであってもよいし、演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵されるものであってもよい。画像処理プロセッサ141が演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵される場合には、カメラ33からの撮影画像データを伝送する配線が、演出制御用マイクロコンピュータ120の入出力ポート136に接続されるようにすればよい。
画像データメモリ142は、例えばフラッシュメモリなどの半導体メモリや磁気メモリ、光学メモリといった不揮発性の記録媒体を用いて構成され、画像表示装置5の表示領域に各種画像を表示するために使用される画像データを予め複数種類記憶する。例えば、画像データメモリ142が記憶する画像データには、画像表示装置5において可変表示される複数種類の飾り図柄などといった、複数種類の演出画像に対応した複数種類の画像データが含まれている。VRAM143は、画像処理プロセッサ141により作成される画像の表示用データなどを一時記憶するフレームバッファメモリである。VRAM143に記憶される表示用データは、例えばポイント、ライン、ポリゴンなどのベクトルデータ(ベクタデータ)等に基づいて画像処理プロセッサ141が作成したピクセルデータ(ラスタデータ)などであればよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載された音制御部122は、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120から受けた音声データに対応する音声信号を生成し、スピーカ8L、8Rに供給することによって音声を出力させる。例えば、音制御部122は、入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどを備える。一例として、音制御部122では、演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送された音声データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音声データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音声データに対応する制御データが予め複数種類格納されており、音声合成用ICが音声データに示される音番号などに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
演出制御基板12に搭載されたランプ制御部123は、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120から受けたランプデータに対応するランプ駆動信号を生成し、遊技効果ランプ9や各種の装飾用ランプ、LED等の電飾部材に供給することによって点灯/消灯切換を行う。例えば、ランプ制御部123は、入出力ドライバやランプドライバなどを備える。一例として、ランプ制御部123では、演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送されたランプデータが入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、ランプデータに対応する電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9などの電飾部材に供給する。
音制御部122は、演出制御基板12の外部に設置された音声制御基板などに搭載されてもよい。また、ランプ制御部123は、演出制御基板12の外部に設置されたランプ制御基板などに搭載されてもよい。さらに、音制御部122とランプ制御基板123は、演出制御基板12の外部に設置された単一の制御基板に両者が搭載されてもよいし、演出制御基板12の外部に設置された複数の制御基板に別個に搭載されてもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU111によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU111は、割込禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えば、電源基板などに搭載されたクリアスイッチが押圧操作されたか否かの判定を行い、押圧操作された場合には、RAM113をクリアした後に所定の作業領域に初期値を設定するなどの初期設定処理が実行される。これに対して、クリアスイッチが押圧操作されていない場合には、RAM113のバックアップ領域における記憶内容などに基づき、チェックサムを算出した結果とチェックサムバッファの内容とが一致した場合などに、主基板11の内部状態をパチンコ遊技機1にて電源断が生じる前の状態に戻すための復旧処理が実行される。
また、遊技制御メイン処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、例えば2ms(ミリ秒)といった所定時間ごとにCTCから割込み要求信号がCPU111へ送出され、CPU111は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定処理や復旧処理が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU111は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図18のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図18に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU111は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路101を介してゲートスイッチ21、始動口スイッチ22、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU111は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU111は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6における可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU111は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、入出力ポート115に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図19は、特別図柄プロセス処理として、図18に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU111は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図20は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
図20に示す始動入賞判定処理において、CPU111は、まず、始動口スイッチ22がオンとなったか否かを判定する(ステップS201)。一例として、ステップS201では、所定の入力ポートレジスタに格納された入力ポートデータを読み出し、所定のビット番号におけるビット値が“1”であるか否かを判定することにより、始動口スイッチ22から伝送される検出信号となる始動入賞信号の入力状態(オン/オフ)を判定すればよい。このときには、ノイズ等による誤検出を防止するために、始動入賞信号が複数回(例えば2回)のタイマ割込みにわたって連続してオンであると判定されたときに、始動口スイッチ22がオンとなった旨の判定を行うようにしてもよい。入力ポートレジスタは、例えば入出力ポート115に含まれる所定の入力ポートにおける外部信号の入力状態を示すビット値などが格納されるレジスタであり、図18に示したステップS11のスイッチ処理の実行結果などに対応して、格納値が更新されるものであればよい。
ステップS201にて始動口スイッチ22がオフであるときには(ステップS201;No)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口スイッチ22がオンであるときには(ステップS201;Yes)、特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達しているか否かを判定する(ステップS202)。一例として、ステップS202の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた特図保留記憶数カウンタの格納値である特図保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値を上限値と比較することにより、上限値に達しているか否かが判定されればよい。このとき、特図保留記憶数が上限値に達していなければ、特図ゲームや飾り図柄の可変表示を実行するための始動条件が有効に成立することになる。
ステップS202にて特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、上限値に達していないときには(ステップS202;No)、例えば特図保留記憶数カウント値を1加算することなどにより、特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS203)。続いて、CPU111は、乱数回路114やランダムカウンタによって更新される遊技用乱数を示す数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを抽出する(ステップS204)。
そして、ステップS204にて抽出した各乱数値を示す数値データが、保留データとして特図保留記憶部151における空きエントリの先頭にセットされることで、各乱数値が記憶される(ステップS205)。その後、特図保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行ってから(ステップS206)、始動入賞判定処理を終了する。ステップS206の処理では、例えばROM112における特図保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して特図保留記憶数通知コマンドを送信するための設定が行われればよい。こうして設定された特図保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図18に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。特図保留記憶数通知コマンド以外の演出制御コマンドを送信するときにも、同様の設定により主基板11から演出制御基板12への伝送が可能になればよい。
図19に示すステップS101にて以上のような始動入賞判定処理を実行した後、CPU111は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS110〜S120の各処理を実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、特図保留記憶部151に記憶されている保留データの有無などに基づいて、特別図柄表示装置4による特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、特別図柄表示装置4において特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、特別図柄表示装置4による特図ゲームを開始してからの経過時間が計測される。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、特別図柄表示装置4にて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグや小当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。また、小当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“8”に更新する。さらに、大当りフラグ及び小当りフラグがいずれもオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の大入賞口開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大入賞口開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」又は「確変」であることに対応して15ラウンド大当り状態に制御される場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンド遊技の実行回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定する。これに対して、大当り種別が「突確」であることに対応して2ラウンド大当り状態に制御される場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.5秒」に設定するとともに、ラウンド遊技の実行回数となる大入賞口の開放回数を「2回」に設定する。
ステップS115の大入賞口開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大入賞口開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、特別電動役物用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS116の大入賞口開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大入賞口開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出用の電気部品により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り種別に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことなどに基づき、小当り遊技状態において可変入賞動作の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば可変表示結果が「小当り」であることに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.5秒」に設定するとともに、可変入賞動作における大入賞口の開放回数を「2回」に設定すればよい。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、特別電動役物用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出用の電気部品により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。
図21は、図19のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す特別図柄通常処理において、CPU111は、まず、特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS221)。一例として、ステップS221の処理では、特図保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このとき、特図保留記憶数が「0」以外であれば、特図ゲームや飾り図柄の可変表示を開始するための開始条件が成立することになる。
ステップS221にて特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS221;No)、特図保留記憶部151から保留データを読み出す(ステップS222)。このときには、特図保留記憶部151にて保留番号「1」と対応付けて記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データとが、それぞれ読み出される。こうして読み出された乱数値MR1、MR2のそれぞれを示す数値データは、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた特図変動用乱数値バッファに格納するなどして、RAM113の所定領域に一時記憶されればよい。
ステップS222の処理に続いて、例えば特図保留記憶数カウント値を1減算することなどにより、特図保留記憶数を1減算するように更新するとともに、特図保留記憶部151にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された保留データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる(ステップS223)。そして、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、特図表示結果決定テーブル200を選択してセットする(ステップS224)。CPU111は、こうしてセットされた特図表示結果決定テーブル200を参照することにより、ステップS222にて読み出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが、「大当り」の特図表示結果に割り当てられた決定値と合致するか否かに応じて、特図表示結果を「大当り」とするか否かを決定する(ステップS225)。
ステップS225にて特図表示結果を「大当り」にすると決定されたときには(ステップS225;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS226)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル201を選択してセットする(ステップS227)。CPU111は、こうしてセットされた大当り種別決定テーブル201を参照することにより、ステップS222にて読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づき、「非確変」や「確変」、「突確」といった予め複数用意された大当り種別のいずれかに決定する(ステップS228)。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定する(ステップS229)。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とし、「突確」であれば「2」とすればよい。
ステップS225にて「大当り」にはしないと決定されたときには(ステップS225;No)、特図表示結果を「小当り」とするか否かを決定する(ステップS230)。そして、「小当り」にすると決定されたときには(ステップS230;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS231)。
ステップS230にて「小当り」にはしないと決定されたときや(ステップS230;No)、ステップS229、S231の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS232)。一例として、ステップS230にて特図表示結果を「小当り」にはしないと決定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS230にて「小当り」にすると決定された場合には、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「22」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS225にて「大当り」にすると決定された場合には、ステップS228における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「11」、「33」、「77」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて、非確変大当り図柄となる「33」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変」とする決定結果に応じて、確変大当り図柄となる「77」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「突確」とする決定結果に応じて、突確大当り図柄となる「11」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS232にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS233)、特別図柄通常処理を終了する。また、ステップS221にて特図保留記憶数が「0」である場合には(ステップS221;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS234)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS234におけるデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する客待ちデモ指定コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドの送信設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図22は、図19のステップS111にて実行される変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す変動パターン設定処理において、CPU111は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS241)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS241;Yes)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り変動パターン決定テーブル203Aを選択してセットする(ステップS242)。また、例えば遊技制御バッファ設定部155から大当り種別バッファ値を読み取ることなどにより、大当り種別が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれであるかを特定しておいてもよい。
ステップS241にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS241;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS243)。このとき、小当りフラグがオンであれば(ステップS243;Yes)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、小当り変動パターン決定テーブル203Bを選択してセットする(ステップS244)。
ステップS243にて小当りフラグがオフであるときには(ステップS243;No)、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定するための使用テーブルとして、リーチ決定テーブル202を選択してセットする(ステップS245)。また、例えば遊技制御カウンタ設定部154から特図保留記憶数カウント値を読み取ることなどにより、特図保留記憶数を特定する(ステップS246)。続いて、乱数回路114やランダムカウンタによって更新される遊技用乱数を示す数値データのうちから、リーチ決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(ステップS247)。そして、ステップS246にて特定された特図保留記憶数やステップS247にて抽出された乱数値MR3に基づき、ステップS245にてセットしたリーチ決定テーブル202を参照することにより、リーチ状態の有無を決定する(ステップS248)。
ステップS248の処理に続いて、ステップS248での決定結果がリーチ状態とする「リーチ」であるかリーチ状態とはしない「非リーチ」であるかを判定する(ステップS249)。このとき、「リーチ」の決定結果であれば(ステップS249;リーチ)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、リーチ変動パターン決定テーブル204Bを選択してセットする(ステップS250)。これに対して、「非リーチ」の決定結果であれば(ステップS249;非リーチ)、非リーチ変動パターン決定テーブル204Aを選択してセットする(ステップS251)。
ステップS242、S244、S250、S251の処理のいずれかを実行した後には、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データを抽出する(ステップS252)。そして、ステップS252にて抽出した乱数値MR4などに基づき、ステップS242、S244、S250、S251のいずれかにてセットした変動パターン決定テーブルを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS253)。
ここで、図10(A)に示す大当り変動パターン決定テーブル203Aでは、大当り種別が「非確変」又は「確変」である場合に、スーパーリーチA〜スーパーリーチBといったスーパーリーチのリーチ演出を実行するための当り変動パターンとなる変動パターンPA5−1〜変動パターンPA5−4に対して、決定値が割り当てられている。また、図11(B)に示すリーチ変動パターン決定テーブル204Aでは、スーパーリーチA〜スーパーリーチBといったスーパーリーチのリーチ演出を実行するためのリーチ変動パターンとなる変動パターンPA3−1〜変動パターンPA3−4に対して、決定値が割り当てられている。そして、大当り変動パターン決定テーブル203Aで変動パターンPA5−1〜変動パターンPA5−4に対して割り当てられる決定値の個数は、リーチ変動パターン決定テーブル204Bで変動パターンPA3−1〜変動パターンPA3−4に対して割り当てられる決定値の個数と比べて、多くなるように設定されている。このような設定により、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」又は「確変」に決定された場合には、特図表示結果が「ハズレ」でリーチ状態とする「リーチ」に決定された場合に比べて、スーパーリーチA〜スーパーリーチBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行される可能性が高くなる。また、スーパーリーチA〜スーパーリーチBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されたときには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されたときに比べて、特図表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高くなる。
ステップS253における変動パターンの決定に続いて、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS254)。そして、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける特別図柄の変動を開始させるための設定が行われる(ステップS255)。このときには、特別図柄表示装置4による特別図柄の表示を更新させる駆動信号が送信されるようにすればよい。
ステップS255の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS256)。一例として、CPU111は、主基板11から演出制御基板12に対して変動パターン指定コマンドや可変表示結果通知コマンドなどを順次に送信するために、予め用意された特図変動開始用コマンドテーブルのROM112における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納すればよい。続いて、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS257)、変動パターン設定処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用マイクロコンピュータ120が起動して、CPU131が図23のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図23に示す演出制御メイン処理を開始すると、CPU131は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS401)、RAM133のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。
また、ステップS401の初期化処理では、特別演出を実行するために使用されるカメラ33の撮影動作について初期設定が行われるようにしてもよい。一例として、カメラ33が撮影範囲を自動的に変更可能な機能(例えば首振り機能など)を有している場合には、パチンコ遊技機1の遊技機用枠3における所定位置(例えば上皿の中央手前側など)に設けられたマーカ表示部(例えば図30に示すマーカ表示部34Aなど)が撮影画像の中心といった所定位置となるように、撮影範囲を調整する設定処理が実行されればよい。この場合、例えば表示制御部122の画像データメモリ142などには、マーカ表示部の撮影画像に対応したパターンデータ(テンプレート)が予め記憶されていればよい。そして、画像処理プロセッサ141は、カメラ33の撮影により生成された撮影画像データに示される撮影画像とテンプレートとのマッチング処理を実行することなどにより、撮影画像中におけるマーカ表示部の所在位置を検知する。そして、マーカ表示部が撮影画像中で所定位置にくるように、カメラ33の撮影範囲を変更させる制御信号が、画像処理プロセッサ141などからカメラ33に対して伝送されればよい。なお、マッチング処理などの画像データ処理は画像処理プロセッサ141により実行される一方で、カメラ33の撮影範囲を変更させる制御処理は、画像処理プロセッサ141での処理結果に基づき演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131などにより実行されてもよい。
他の一例として、カメラ33による撮影画像を画像表示装置5の表示領域に表示させ、マーカ表示部が撮影画像中で所定位置にくるように、ホールの管理者などがカメラ33の撮影範囲を変更できるようにしてもよい。この場合には、例えばパチンコ遊技機1の筐体内部(遊技機用枠3の裏面など)における所定位置に設けられた設定スイッチをホールの管理者などが切り替えることにより、カメラ33の撮影範囲を変更するための設定モードとなるようにしてもよい。そして、例えば画像表示装置5に表示された撮影画像におけるマーカ表示部の位置が、操作ボタンに対する操作などによって指定されたことなどに基づいて、カメラ33の撮影範囲を変更させる制御処理が実行されるようにしてもよい。あるいは、ホールの管理者などが、画像表示装置5に表示された撮影画像を確認しながら、カメラ33を手動で操作して、撮影範囲を変更するようにしてもよい。
カメラ33の撮影動作に関する初期設定には、撮影範囲を調整するための処理だけでなく、撮影画像の明度やカメラ33の焦点を調整する処理などが含まれていてもよい。
ステップS401における初期化処理が実行された後には、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS402)、演出制御に用いる演出用乱数のうち、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタによってカウントされる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。続いて、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS403)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ms)が経過するごとにオン状態にセットされる。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、CPU131は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。CPU131は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、入出力ポート136に含まれる入力ポートのうちで、中継基板13を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、CPU131は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS403にてタイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS403;No)、ステップS402の処理に戻る。他方、ステップS403にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS403;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS404)、コマンド解析処理を実行する(ステップS405)。ステップS405にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS405にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行してから(ステップS406)、ステップS402の処理に戻る。ステップS406の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった電飾部材における点灯動作、演出用の可動部材における駆動動作といった、演出用の電気部品を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
図24は、図23のステップS406にて実行される演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す演出制御プロセス処理において、CPU131は、例えば演出制御フラグ設定部191に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS160〜S166の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS160の飾り図柄変動開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この飾り図柄変動開始待ち処理には、主基板11から伝送される変動開始コマンドとして、変動パターン指定コマンドや可変表示結果通知コマンドを受信したか否かに応じて、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおける飾り図柄の可変表示を、開始するか否かの判定を行う処理などが含まれている。このとき、可変表示を開始する旨の判定がなされたことに対応して、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS161の飾り図柄変動設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この飾り図柄変動設定処理には、特別図柄表示装置4による特図ゲームの開始に対応して、飾り図柄の可変表示を含めた各種の演出動作を行うために、変動パターンや可変表示結果などに応じて、最終停止図柄となる確定飾り図柄や、仮停止図柄、予告パターン等を決定する処理などが含まれている。そして、飾り図柄変動設定処理では、これらの決定結果に基づいて、例えば図柄変動制御パターンや予告演出制御パターンといった、各種の演出制御パターンが設定される。こうした決定や設定などが行われた後には、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS162の飾り図柄変動中処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この飾り図柄変動中処理には、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)に対応して、図柄変動制御パターンや予告演出制御パターンなどから各種の制御データを読み出して、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。こうした演出制御を行った後、例えば図柄変動制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される飾り図柄停止コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。図柄変動制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS163の飾り図柄変動終了時処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この飾り図柄変動終了時処理には、主基板11から伝送される当り開始指定コマンドを受信したか否かを判定する処理が含まれている。このとき、当り開始指定コマンドを受信した旨の判定がなされれば、その当り開始指定コマンドから特定される特図表示結果が「大当り」であるときに、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、特図表示結果が「小当り」であるときには、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。また、当り開始指定コマンドを受信せずに所定時間が経過したときには、特図表示結果が「ハズレ」であることに対応して、演出プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS164の大当り制御中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り制御中演出処理には、例えば可変表示結果が「大当り」となったことなどに対応した当り時演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音制御部122に対する指令(音声データ)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御部123に対する指令(ランプデータ)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出動作を制御する処理が含まれている。そして、例えば主基板11から伝送される当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS165の小当り制御中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り制御中演出処理には、例えば可変表示結果が「小当り」となったことなどに対応した当り時演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音制御部122に対する指令(音声データ)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御部123に対する指令(ランプデータ)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出動作を制御する処理が含まれている。そして、例えば主基板11から伝送される当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS166のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理には、大当り遊技状態や小当り遊技状態が終了することなどに対応した当り時演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音制御部122に対する指令(音声データ)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御部123に対する指令(ランプデータ)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了に対応した各種の演出動作を制御する処理が含まれている。そして、こうした演出動作が終了したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図25は、図24のステップS161にて実行される飾り図柄変動設定処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す飾り図柄変動設定処理において、CPU131は、まず、飾り図柄の可変表示にて停止表示される停止図柄を決定する(ステップS501)。一例として、ステップS501の処理では、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドに示される変動パターンなどに基づいて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)を決定する。また、例えば「擬似連」や「滑り」といった可変表示演出が実行される場合には、これらの可変表示演出にて仮停止表示される仮停止図柄を決定する。
ステップS501にて停止図柄を決定した後には、飾り図柄の可変表示中における演出動作の設定を行う(ステップS502)。一例として、ステップS502の処理では、予告演出を実行するか否かの決定や、実行する場合に「キャラクタ予告」や「操作時予告」といった複数種類のうちいずれの予告演出を実行するか否かの決定などが行われる。
ステップS502の処理に続いて、図柄変動制御パターンや予告演出制御パターンといった各種の演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS503)。このとき、CPU131は、例えば変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに対応して、複数用意された図柄変動制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、ステップS502にて決定された予告演出などに対応して、複数用意された予告演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
ステップS503の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドに示された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS504)。そして、画像表示装置5における飾り図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS505)。このときには、例えばステップS503にて使用パターンとして決定された図柄変動制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部121の画像処理プロセッサ141等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS506)、飾り図柄変動設定処理を終了する。
図26は、図24のステップS162にて実行される飾り図柄変動中処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す飾り図柄変動中処理において、CPU131は、まず、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)してから(ステップS521)、更新後の演出制御プロセスタイマ値を演出制御パターンにて示される演出制御プロセスタイマ判定値と比較して、いずれかのタイマ判定値と合致したか否かの判定を行う(ステップS522)。そして、いずれのタイマ判定値とも合致しなければ(ステップS522;No)、飾り図柄変動中処理を終了する。
ステップS522にてタイマ判定値と合致した場合には(ステップS522;Yes)、そのタイマ判定値と対応付けて演出制御パターンに格納された演出制御実行データ(例えば、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、演出用可動部材制御データの一部又は全部)又は終了コードを読み出す(ステップS523)。ここで、ステップS522の処理で演出制御パターンにて示される複数のタイマ判定値が演出制御プロセスタイマ値と合致した場合には、合致した各々のタイマ判定値と対応付けて格納されている複数の演出制御実行データを、ステップS523の処理にて読み出すようにすればよい。そして、ステップS523にて終了コードが読み出されたか否かの判定を行う(ステップS524)。このとき、終了コードではないと判定されれば(ステップS524;No)、ステップS523にて読み出された演出制御実行データに従った演出動作制御を実行してから(ステップS525)、飾り図柄変動中処理を終了する。
例えば、ステップS525の処理による演出動作制御では、表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部121の画像処理プロセッサ141等に対して伝送させること、音声制御データが指定する音声データを音制御部122に対して伝送させること、ランプ制御データが指定するランプデータをランプ制御部123に対して行うことのうち、一部又は全部が順次に又は並行して(1つの動作のみであれば単独で)行われればよい。
ステップS524にて終了コードであると判定された場合には(ステップS524;Yes)、例えば所定のタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定することなどにより、当り開始指定コマンド受信待ち時間の設定を行う(ステップS526)。そして、演出プロセスフラグの値を飾り図柄変動終了時処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS527)、飾り図柄変動中処理を終了する。
また、演出制御基板12の側では、予め設定された所定条件が成立したときに、特別演出となる演出動作を実行するために、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131と表示制御部121の画像処理プロセッサ141とが協働することなどにより、図27のフローチャートに示すような特別演出制御処理が実行される。一例として、特別演出制御処理の一部又は全部は、図26に示すステップS525の処理による演出動作制御の一部として実行されてもよい。加えて、図24に示すステップS164の大当り制御中演出処理やステップS165の小当り制御中演出処理、ステップS166のエンディング演出処理において、使用パターンに選択された当り時演出制御パターンなどに基づいて図26に示すステップS525と同様の演出動作制御が行われることがある。そこで、他の一例として、特別演出制御処理の一部又は全部は、こうした大当り制御中演出処理などにおける演出動作制御の一部として実行されてもよい。
図27に示す特別演出制御処理においては、まず、特別演出を実行するための設定を行うか否かが判定される(ステップS601)。ここで、特別演出を実行するための設定を行うか否かは、例えば変動パターンに対応して使用パターンにセットされた図柄変動制御パターンに含まれる演出制御実行データや、大当り中演出などに対応して使用パターンにセットされた当り時演出制御パターンにおける演出制御実行データにより、予め指定されていればよい。あるいは、演出制御パターンに含まれる演出制御実行データの指定によることなく、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が変動パターン指定コマンドに示される変動パターンや演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、特別演出を実行するための設定を行うか否かを判定してもよい。
ステップS601にて設定を行うと判定された場合には(ステップS601;Yes)、主基板11から伝送されて受信した演出制御コマンドの内容を特定する(ステップS602)。一例として、ステップS602の処理では、変動パターン指定コマンドに示される変動パターンに対応して、スーパーリーチA〜スーパーリーチDといった複数種類のスーパーリーチとなるリーチ演出のうち、いずれを実行するかが特定されればよい。他の一例として、ステップS602の処理では、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果が「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれであるかが特定されてもよい。さらに他の一例として、ステップS602の処理では、当り開始指定コマンドに示された遊技状態が大当り遊技状態であるか小当り遊技状態であるかや、大当り遊技状態である場合に大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかなどが特定されてもよい。
こうしたステップS602における特定結果に基づいて、特別演出パターンが選択される(ステップS603)。一例として、ステップS602にてスーパーリーチA〜スーパーリーチDといった複数種類のスーパーリーチとなるリーチ演出のいずれかが実行されると特定されたときには、リーチ演出用の特別演出パターン選択テーブル160を参照することにより、リーチ演出の種類(スーパーリーチA〜スーパーリーチDのいずれか)や特図表示結果(「ハズレ」、「大当り」、「小当り」のいずれか)に応じた特別演出パターンを選択し、使用パターンとしてセットする。
その後、ステップS603にて選択された特別演出パターンに応じた特別演出の初期設定が行われる(ステップS604)。このときには、特別演出パターンによる最初の演出動作状態に対応した演出動作を実行するために、例えば画像処理プロセッサ141が画像データメモリ142から、特別演出パターンに含まれる初期設定用の演出制御実行データに示される演出画像データを読み出し、その演出画像データを用いて生成した演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させる処理などが実行されればよい。こうした特別演出パターンに含まれる初期設定用の演出制御実行データに基づく演出動作制御により、特別演出となる演出動作が開始され、例えば図16に示す演出動作状態A00といった、特別演出における最初の演出動作状態に制御することができる。また、ステップS604における初期設定により、カメラ33の撮影動作を開始させ、撮影画像データの生成が開始されるようにしてもよい。そして、特別演出が開始されるまではカメラ33の撮影動作を停止させておくことで、カメラ33の撮影動作による消費電力の増大や、撮影画像データの生成による処理負担の増大を、防止することができる。
ステップS601にて設定を行わないと判定された場合には(ステップS601;No)、特別演出の実行を開始してから終了するまでの期間内となる特別演出中であるか否かが判定される(ステップS605)。このとき、特別演出中ではないと判定されれば(ステップS605;No)、特別演出制御処理を終了する。これに対して、特別演出中であると判定されたときには(ステップS605;Yes)、現在の演出動作状態を特定する(ステップS606)。そして、特定演出パターンに含まれる複数の動作検知パターンのうちから、ステップS606にて特定された演出動作状態に対応付けられた動作検知パターンを選択する(ステップS607)。
ステップS607の処理に続いて、カメラ33の撮影により生成された1フレーム分の撮影画像データを取得する(ステップS608)。ここで、撮影画像データは、カメラ33において生成されて画像処理プロセッサ141へと伝送されてもよいし、カメラ33から伝送された映像信号を画像処理プロセッサ141がサンプリングすることなどにより生成されてもよい。その後、ステップS608にて取得した撮影画像データの解析を行う(ステップS609)。
一例として、ステップS609の処理では、撮影画像データに示される撮影画像において、所定の色相領域(例えば肌色領域)を抽出し、その領域の動きベクトルを特定するために、前回のフレームにおける撮影画像とのブロックマッチング処理などが実行されればよい。なお、ブロックマッチング処理の他に、例えば勾配法、位相相関法、ペルリカーシブ法といった、動きベクトルを特定するための任意の手法が用いられてもよい。他の一例として、ステップS609の処理では、撮影画像データに示される撮影画像において、対象物の形状変化を特定するために、所定の色相領域(例えば肌色領域)について輪郭(エッジ)を検出し、前回のフレームにおける撮影画像との比較処理などが実行されればよい。輪郭(エッジ)を検出する際には、例えばプリューウィットフィルタやソーベルフィルタ、あるいは、ラプラシアンフィルタといった、微分フィルタを用いたフィルタリング処理などが実行されればよい。さらに、輪郭(エッジ)を検出した後には、例えばハフ変換を実行することなどにより、輪郭(エッジ)の直線成分や曲線成分あるいは円の位置などを認識するようにしてもよい。
また、ステップS609の処理により撮影画像データの解析を行う際には、撮影画像データに示されるマーカ表示部の撮影結果に基づいて、対象物の動作態様を特定するための画像データ処理が実行されるようにしてもよい。一例として、撮影画像のうちでマーカ表示部の部分における明度を特定し、これを基準明度として設定する。そして、撮影画像における対象物の部分における明度と基準明度とを比較することにより、カメラ33と対象物との距離が特定されるようにしてもよい。そして、複数のフレームからなる撮影画像ごとに特定されたカメラ33と対象物との間における距離の変化量などを用いて、対象物がカメラ33に対して近付いたり遠ざかったりする動作であっても、適切に特定することができる。他の一例として、複数のフレームからなる撮影画像ごとに、マーカ表示部の所在位置を特定し、これを基準位置として設定する。そして、各フレームの撮影画像における対象物の部分と基準位置との相対距離を用いて、複数フレーム間における動きベクトルなどが特定されるようにしてもよい。これにより、例えば撮影動作中に振動等によりカメラ33の撮影範囲が変更されてしまった場合などでも、現実空間における対象物の動作方向や動作速度に合致した動きベクトルなどを特定することができる。このように、検知対象物の動作態様を検知するときには、撮影画像データに示されるマーカ表示部を基準とすればよい。
こうした撮影画像データを解析するための画像データ処理は、画像処理プロセッサ141において実行され、その解析結果(例えば動きベクトルの算出結果や形状変化量の算出結果など)が、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131に通知されるようにすればよい。なお、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が画像処理プロセッサ141の機能の一部又は全部を含んでいる場合には、CPU131においてこれらの画像データ処理が実行されてもよい。
ステップS609における解析結果に基づいて、対象物の動作態様が検知される(ステップS610)。図28は、ステップS610にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図28に示す処理は、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131に画像処理プロセッサ141からの解析結果が通知されたときに、実行が開始されればよい。あるいは、ステップS609の処理が実行されるよりも前に動作検知パターンに対応する検知処理を選択して、選択された検知処理に応じた画像データ処理が、ステップS609にて実行されるようにしてもよい。
図28に示す処理では、まず、ステップS607にて選択された動作検知パターンに応じた検知処理が選択される(ステップS651)。例えば、動作検知パターンが動作方向検知パターンであれば、対象物の動作方向を検知する処理(ステップS652)が選択される。ステップS652の処理では、例えば画像処理プロセッサ141から通知された解析結果のうちから、動きベクトルの方向などを示す通知内容を読み出し、その読出結果により対象物の動作方向が検知される。また、動作検知パターンが動作速度検知パターンであれば、対象物の動作速度を検知する処理(ステップS653)が選択される。ステップS653の処理では、例えば画像処理プロセッサ141から通知された解析結果のうちから、動きベクトルの大きさなどを示す通知内容を読み出し、その読出結果により対象物の動作速度(動作加速度でもよい)が検知される。動作検知パターンが形状変化検知パターンであれば、対象物の形状変化を検知する処理(ステップS654)が選択される。ステップS654の処理では、例えば画像処理プロセッサ141から通知された解析結果のうちから、形状変化量などを示す通知内容を読み出し、その読出結果により対象物の形状変化が検知される。ステップS652〜S654の処理は、動作検知パターンに応じて、択一的に選択されてもよいし、複数の処理が選択されてもよい。こうしたステップS652〜S654の処理による検知結果は、後続する図27に示すステップS611の処理に引き渡される(ステップS655)。
以上のような処理が図27に示すステップS610にて実行された後には、ステップS607にて選択した動作検知パターンと、ステップS610における検知結果との照合が行われる(ステップS611)。例えば、ステップS611の処理では、動作検知パターンに含まれるテンプレートと、ステップS610における検知結果とのマッチング処理などにより、類似度(相関性)が最も高い動作検知パターンを特定できればよい。そして、ステップS611における照合結果に対応して、演出制御実行データが選択される(ステップS612)。すなわち、ステップS612の処理では、特別演出パターンに含まれる複数の演出動作実行データのうちから、ステップS611の処理により類似度が最も高いとされた動作検知パターンと対応付けられた演出動作実行データが選択される。その後、ステップS612の処理により選択された演出動作実行データに従った演出動作制御が実行される(ステップS613)。これにより、特別演出における演出動作を進行させ、新たな演出動作状態に遷移させることができる。なお、例えばステップS611での照合処理にて、動作検知パターンと対象物の動作態様との類似度が所定範囲内となることがなかった場合には、現在の演出動作状態を維持して新たな演出動作状態には遷移させず、同一の演出動作が繰り返し実行されるようにしてもよい。
ステップS613において演出動作制御を実行するための処理として、例えば図29(A)のフローチャートに示す第1演出画像合成処理や、図29(B)のフローチャートに示す第2演出画像合成処理などが、実行されればよい。図29(A)に示す第1演出画像合成処理は、演出画像データに示される仮想画像と、撮影画像データに示される対象物などの実写画像とを合成して、演出画像を生成するための処理である。図29(B)に示す第2演出画像合成処理は、演出動作状態に対応する演出画像データに示される仮想画像と、撮影画像データに基づく対象物の検知結果に対応する演出画像データに示される仮想画像とを合成して、演出画像を生成するための処理である。
図29(A)に示す第1演出画像合成処理では、まず、例えば画像処理プロセッサ141が、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131から伝送された表示制御指令などに従って、演出動作状態に対応する演出画像データを画像データメモリ142から読み出す(ステップS671)。また、撮影画像データの解析結果などに基づいて、例えば遊技者の手や可動式マーカを示す画像部分といった対象物の実写画像を、撮影画像データに示される撮影画像から切り出す(ステップS672)。そして、ステップS672にて切り出された対象物画像を、ステップS671にて読み出された演出画像データに示される仮想画像と合成する(ステップS673)。一例として、ステップS673の処理では、ステップS671にて読み出された演出画像データをVRAM143の所定領域に展開記憶させることにより、仮想画像を描画する。続いて、ステップS672にて切り出された対象物画像を、VRAM143にて描画された仮想画像に重畳させることにより、対象物画像を仮想画像と合成すればよい。このときには、対象物画像の大きさが予め設定された所定範囲内であるか否かを判定し、所定範囲内でなければ、対象物画像の拡大又は縮小を行うことなどにより、対象物画像の大きさを適切に調整できるようにしてもよい。
ステップS672の処理により対象物の実写画像を切り出したときや、ステップS673の処理により対象物の実写画像を仮想画像と合成するときには、例えば対象物画像に所定の平行移動処理や回転処理といった座標変換処理もしくは変形処理を施すことなどにより、対象物画像の表示位置や向き、形状などを、演出画像の表示に適合した形態となるように変換してもよい。また、例えば複数のカメラ33による撮影で生成された対象物画像の補完処理などを実行して対象物の3次元形状を特定した後に、所定の2次元平面への投影処理を実行することなどにより、対象物の3次元形状に適合した演出画像が生成されるようにしてもよい。
こうして生成された合成画像を、画像表示装置5の表示領域に表示させる(ステップS674)。一例として、ステップS674の処理では、VRAM143にて合成された演出画像の表示用データ(ピクセルデータ)を、画像処理プロセッサ141に内蔵又は外付けされたLCD駆動回路に供給することなどにより、画像表示装置5の表示領域に合成された演出画像を表示させることができればよい。なお、ステップS671の処理により読み出される演出画像データは、仮想画像を示すものではなく、予め撮影などにより作成された実写画像を示す画像データであってもよい。この場合には、撮影画像データから切り出された対象物の実写画像を、画像データメモリ142から読み出された演出画像データに示される実写画像と合成して、演出画像を生成することができる。
図29(B)に示す第2演出画像合成処理では、まず、ステップS671の処理と同様にして、演出動作状態に対応する演出画像データを画像データメモリ142から読み出す(ステップS681)。また、撮影画像データを用いて対象物の動作態様を検知した結果に基づき、その動作態様に対応する演出画像データを画像データメモリ142から読み出す(ステップS682)。そして、ステップS671とステップS672にて読み出された演出画像データに示される仮想画像どうしを合成する(ステップS683)。こうして生成された合成画像は、ステップS674の処理と同様にして、画像表示装置5の表示領域に表示される(ステップS675)。なお、ステップS681やステップS682にて読み出される演出画像データの一方又は双方は、予め撮影などにより作成された実写画像を示す画像データであってもよい。この場合には、撮影画像データに示される対象物の実写画像は演出画像の合成に使用されないが、画像データメモリ142から読み出された演出画像データに対応して、仮想画像と実写画像、あるいは、実写画像どうしを合成して、演出画像を生成することができる。
ステップS613にて図29(A)に示す第1演出画像合成処理を実行するか図29(B)に示す第2演出画像合成処理を実行するかは、ステップS612にて選択された演出制御実行データにより指定されるようにすればよい。あるいは、ステップS609における撮影画像データの解析結果や、ステップS610における対象物の動作態様の検知結果に基づいて、第1演出画像合成処理と第2演出画像合成処理のいずれを実行するかが決定されてもよい。一例として、ステップS609における撮影画像データの解析結果から、検知対象物の撮影画像が演出画像として使用できる程度の品質(例えば鮮明度など)を有しているか否かを判定し、高品質であれば第1演出画像合成処理を実行して、撮影画像を使用した演出画像の合成を行う。これに対して、低品質の撮影画像であれば第2演出画像合成処理を実行して、撮影画像を使用せず画像データメモリ142から読み出した演出画像データに示される仮想画像又は実写画像を使用した演出画像の合成を行うようにすればよい。
ステップS613における演出動作制御が実行された後には、例えば演出制御プロセスタイマ値や特定演出パターンにおける演出動作状態の設定などに基づいて、特別演出を終了するタイミングとなったか否かが判定される(ステップS614)。このとき、特別演出を終了するタイミングであると判定されれば(ステップS614;Yes)、例えば画像表示装置5の表示領域において特別演出に対応した演出画像の表示を消去するための設定といった、特別演出を終了する設定が行われる(ステップS615)。また、ステップS615における終了設定により、カメラ33の撮影動作を停止させ、撮影画像データの生成が停止されるようにしてもよい。
次に、特別演出となる演出動作を実行するための具体的な制御の一例について説明する。パチンコ遊技機1では、例えばスーパーリーチA〜スーパーリーチDといったスーパーリーチのリーチ演出が開始されたことや、大当り遊技状態において大当り中演出が開始されたことなどにより、所定条件が成立したときに、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が図27に示すステップS604の処理を実行することなどにより、特別演出となる演出動作が開始される。このときには、カメラ33による撮影が開始され、例えば図30にて鎖線で示されるような所定の撮影範囲に含まれる撮影対象物が撮影される。この撮影対象物には、例えばパチンコ遊技機1における遊技機用枠3の上皿に予め形成(塗装など)されたマーカ表示部34Aが含まれ、撮影画像におけるマーカ表示部34Aの所在位置に基づいて、他の撮影対象物における動作態様が検知されればよい。この制御例では、図30に示すような遊技者PPの左手LHが動作態様の検知対象物とされる。
特別演出が開始されるときには、例えば図27に示すステップS604での初期設定に基づき、画像表示装置5の表示領域に特別演出の開始に対応した演出画像が表示されることや、スピーカ8L、8Rから特別演出の開始に対応した音声や効果音が出力されることなどにより、特別演出が開始されることや、特別演出において遊技者PPが達成すべき動作などが報知されればよい。こうした報知内容に基づいて遊技者PPが左手LHを動作させると、その動作態様の検知結果に対応して、特別演出となる演出動作が進行してゆくことになる。
図31は、こうした特別演出となる演出動作の一例として、スーパーリーチAのリーチ演出における演出画像の表示動作などを示している。スーパーリーチAのリーチ演出が開始されると、例えば図31(A)に示すような演出画像が画像表示装置5の表示領域に表示される。図31(A)に示す演出画像には、例えば「図柄を壊せ!」といった遊技者PPが達成すべき動作を報知するメッセージが含まれており、この報知内容に基づいて遊技者PPが左手LHを動作させることになる。また、図31(A)に示す演出画像には、スーパーリーチAの演出内容に対応して、所定のキャラクタ画像CH1が含まれてもよい。ここで、キャラクタ画像CH1の表示態様(例えば服や髪の毛や靴の色、ハンマーの大きさや種類や色、キャラクタの種類など)は、可変表示結果が「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれであるかに応じて異なるようにしてもよいし、可変表示結果に応じて異なる決定割合で複数種類のいずれかに決定されるようにしてもよい。また、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに応じて、キャラクタ画像CH1の表示態様を異ならせてもよいし、その表示態様が異なる決定割合で複数種類のいずれかに決定されるようにしてもよい。その他にも、パチンコ遊技機1にて任意の遊技価値(例えば大当り遊技状態にて実行可能なラウンド遊技の上限回数や、時短状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数、確変状態における大当り確率、通常遊技状態に制御されることなく大当り遊技状態に制御される回数である連チャン回数が所定回数に達することなど)を付与するか否かの決定結果に応じて、キャラクタ画像CH1の表示態様を異ならせてもよいし、その表示態様が異なる決定割合で複数種類のいずれかに決定されるようにしてもよい。
その後、遊技者PPが図柄を壊すために左手LHを動作させたときには、例えば図31(B2)に示すような左手LHの動作方向や動作速度、形状変化などに対応して、図31(B1)に示すような左手を示す演出画像VG1を表示させる。この演出画像VG1を表示させるときには、図27に示すステップS613の演出動作制御において、例えば図29(A)に示すような第1演出画像合成処理が実行されることにより、撮影画像データから切り出された左手LHの対象物画像を用いた実写画像が合成されてもよい。あるいは、例えば図29(B)に示すような第2演出画像合成処理が実行されることにより、左手LHを検知対象物とする動作態様の検知結果に対応して、画像データメモリ142から読み出された演出画像データに示される仮想画像又は実写画像が合成されてもよい。
図27に示すステップS610の処理により、検知対象物となる左手LHの動作態様が検知される。このときには、例えば図28に示すステップS652〜S654の処理が全て選択されて、左手LHの動作方向と動作速度、形状変化が検知されればよい。そして、これらの検知結果に基づき、図27のステップS611における照合結果やステップS612において選択された演出制御実行データに応じて、例えば図31(B1)に示すような飾り図柄が壊れる様子を示す演出画像の表示を異ならせるようにすればよい。一例として、左手LHの動作方向を検知した結果に応じて、飾り図柄が壊れる位置や亀裂が入る方向などを異ならせる。また、左手LHの動作速度を検知した結果に応じて、飾り図柄が壊れる程度や壊れた破片の飛び散り方などを異ならせる。さらに、左手LHの形状変化を検知した結果に応じて、動作方向や動作速度が同一であっても、飾り図柄が壊れる範囲や程度などを異ならせる。例えば、動作方向や動作速度の検知結果が同一であっても、左手LHの指を全て閉じ手拳に変化させて動作させたときには、左手LHの指を全て開き開掌に変化させて動作させたときに比べて、飾り図柄が壊れる範囲は狭いものの壊れる程度(亀裂が入る深さなど)は大きくなるようにすればよい。
そして、例えば図31(C2)に示すように遊技者PPがさらに所定態様で左手LHを動作させたときには、例えば図31(C1)に示すように飾り図柄が完全に壊れる様子を示す演出画像が表示される演出動作状態となればよい。ここで、左手LHの動作態様を検知した結果に応じて、飾り図柄を壊す難易度を異ならせるようにしてもよい。一例として、左手LHの動作方向を検知した結果が、既に亀裂の入っている方向に適合する場合には飾り図柄が壊れやすい一方、適合しない場合には飾り図柄が壊れにくくなればよい。他の一例として、左手LHの動作速度を検知した結果が、既に入っている亀裂の程度からして十分に早い場合には飾り図柄が完全に壊れる一方、不十分な速度しかない場合には飾り図柄が完全には壊れないようにすればよい。また、例えば特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果などといった、所定の遊技価値を付与するか否かの決定結果に応じて、飾り図柄を壊す難易度を異ならせるようにしてもよい。一例として、左手LHの動作態様を検知した結果が同一の場合であっても、可変表示結果が「ハズレ」であるときには、可変表示結果が「大当り」であるときに比べて、飾り図柄が壊れにくくなればよい。また、可変表示結果が「ハズレ」であるときには、どのような動作態様が検知された場合であっても、飾り図柄が完全には壊れることがないようにしてもよい。
例えば図31(C2)に示すように飾り図柄が完全に壊れた後、可変表示結果を「大当り」とする決定(事前決定)がなされている場合には、図31(D)に示すように「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアで同一となる「7」の数字を示す飾り図柄が停止表示されることにより、大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示される。これに対して、可変表示結果を「ハズレ」とする決定がなされている場合には、飾り図柄が完全に壊れても、例えば「7」の数字を示す飾り図柄以外の演出画像が表示されることなどにより、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアと「中」の飾り図柄表示エリアとで異なる確定飾り図柄が導出表示されてリーチ組合せ(ハズレ)となることが報知されればよい。
図31に示す表示動作例において、可変表示結果が「大当り」に決定(事前決定)されたときには、左手LHの動作態様を検知した結果にかかわらず、特別演出が終了するタイミングまでには飾り図柄が完全に壊れて大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示されるようにしてもよい。これに対して、可変表示結果が「大当り」に決定されたときでも、左手LHの動作態様を検知した結果によっては、飾り図柄が完全には壊れることがない場合を設けてもよい。この場合、例えば一旦はリーチ組合せ(ハズレ)の確定飾り図柄を停止表示した後、可変表示結果が「大当り」となることを報知する復活演出などが実行されるようにしてもよい。
図32は、特別演出となる演出動作の他の一例として、スーパーリーチBのリーチ演出における演出画像の表示動作などを示している。スーパーリーチBのリーチ演出が開始されると、例えば図32(A)に示すような演出画像が画像表示装置5の表示領域に表示される。図32(A)に示す演出画像には、例えば「じゃんけんバトル!」といった遊技者PPが達成すべき動作(じゃんけんに勝つこと)を報知するメッセージが含まれており、この報知内容に基づいて遊技者PPが左手LHを動作させることになる。図32(A)に示す演出画像には、スーパーリーチBの演出内容に対応して、じゃんけんを行う相手となる所定のキャラクタ画像CH2が含まれていればよい。ここで、図31(A)などに示したキャラクタ画像CH1の表示態様と同様に、所定の遊技価値を付与するか否かの決定結果に応じて、キャラクタ画像CH2の表示態様を異ならせてもよいし、その表示態様が異なる決定割合で複数種類のいずれかに決定されるようにしてもよい。
その後、例えば図32(B1)に示すように画像表示装置5の表示領域に「じゃん・けん・!」といったメッセージを示す演出画像が表示されるとともに、キャラクタ画像CH2がじゃんけん動作を開始し、さらに、スピーカ8L、8Rから演出画像の変化に伴った音声が出力されることなどにより、じゃんけん動作の開始を報知する。この報知内容に基づいて、遊技者PPがじゃんけん動作のために左手LHを動作させたときには、例えば図32(B2)に示すような左手LHの形状などに対応して、図32(B1)に示すような左手を示す演出画像VG2を表示させる。この演出画像VG2を表示させるときには、図27に示すステップS613の演出動作制御において、例えば図29(B)に示すような第2演出画像合成処理が実行されることにより、左手LHを検知対象物とする動作態様の検知結果に対応して、画像データメモリ142から読み出された演出画像データに示される仮想画像又は実写画像が合成されてもよい。あるいは、例えば図29(A)に示すような第1演出画像合成処理が実行されることにより、撮影画像データから切り出された左手LHの対象物画像を用いた実写画像が合成されてもよい。
続いて、例えば図32(C1)に示すように画像表示装置5の表示領域に「ぽん!」といったメッセージを示す演出画像が表示されるとともに、キャラクタ画像CH2がじゃんけん動作を行い、さらに、スピーカ8L、8Rから演出画像の変化に伴った音声が出力されることなどにより、じゃんけん動作の実行タイミングを報知する。この報知内容に基づいて、遊技者PPがじゃんけん動作を行ったときには、例えば図32(C2)に示すような左手LHの形状変化などに対応して、図32(C1)に示すように左手を示す演出画像VG2の形状を変化させる。図32(C2)に示す例では、遊技者PPが左手LHの人差し指と中指を広げ、他の指を閉じることで、現在では一般的な「チョキ」の形状に変化させている。このような左手LHの形状変化に対応して、演出画像VG2の形状を図32(C1)に示すような「チョキ」の形状に変化させることで、じゃんけん動作の実行に応じた演出画像の表示が行われる。このときには、例えば遊技者PPが左手LHの親指と人差し指を広げ、他の指を閉じることで「チョキ」の形状に変化させた場合に対応して、演出画像VG2の形状も親指と人差し指を広げ、他の指を閉じた形状に変化させてもよい。そして、例えば動作検知パターンにおける設定などにより、左手LHの親指と人差し指を広げた場合でも、人差し指と中指を広げた場合と同様に、「チョキ」の形状に変化したことを検知すればよい。
このようなじゃんけん動作においては、所定の遊技価値を付与するか否かの決定結果に応じて、遊技者PPがじゃんけんに勝てる難易度を異ならせるようにしてもよい。一例として、キャラクタ画像CH2において、じゃんけん動作に対応して手の形状を変化させるタイミングを、遊技者PPの左手LHにおける形状変化が検知されるタイミングよりも後になるように、予め設定しておく。そして、可変表示結果が「ハズレ」であるときには、可変表示結果が「大当り」であるときに比べて、遊技者PPがじゃんけん動作で勝てる確率が低くなるように、キャラクタ画像CH2が出す手を所定の決定割合で複数種類(例えば「グー」及び「チョキ」及び「パー」のいずれか)に決定すればよい。また、可変表示結果が「ハズレ」であるときには、遊技者PPがじゃんけん動作で勝てることがないように、キャラクタ画像CH2が出す手を決定してもよい。
じゃんけん動作を実行する所定タイミングにて遊技者PPの左手LHにおける形状変化を適切に検知することができず、その形状が「グー」及び「チョキ」及び「パー」のいずれにも特定できなかった場合には、遊技者PPがじゃんけん動作に勝てなかったものとして、演出動作状態を遷移させるようにすればよい。また、所定タイミングよりも後に遊技者PPの左手LHにおける形状変化が検知された場合には、例えば「後出しだよ!」といったメッセージを報知するとともに、遊技者PPがじゃんけん動作に勝てなかったものとして、演出動作状態を遷移させるようにしてもよい。可変表示結果が「大当り」である場合には、遊技者PPが勝てるまで、じゃんけん動作を繰り返し実行するようにしてもよい。この場合、遊技者PPが勝てずに所定時間が経過して特別演出の終了タイミングとなったときには、じゃんけん動作を終了させてもよい。
例えば図32(C1)に示すように遊技者PPがじゃんけん動作で勝ったような演出画像が表示された後、可変表示結果を「大当り」とする決定(事前決定)がなされている場合には、図32(D)に示すように「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアで同一となる「7」の数字を示す飾り図柄が停止表示されることなどにより、大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示される。これに対して、可変表示結果を「ハズレ」とする決定がなされている場合には、遊技者PPがじゃんけん動作に勝っても、例えば「7」の数字を示す飾り図柄以外の演出画像が表示されることにより、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアと「中」の飾り図柄表示エリアとで異なる確定飾り図柄が導出表示されてリーチ組合せ(ハズレ)となることが報知されればよい。
図32に示す表示動作例において、可変表示結果が「大当り」に決定(事前決定)されたときには、左手LHの形状変化を検知した結果にかかわらず、特別演出が終了するタイミングまでには遊技者PPがじゃんけん動作に勝って大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示されるようにしてもよい。これに対して、可変表示結果が「大当り」に決定されたときでも、左手LHの形状変化を検知した結果によっては、遊技者PPがじゃんけん動作に勝てない場合を設けてもよい。この場合、例えば一旦はリーチ組合せ(ハズレ)の確定飾り図柄を停止表示した後、可変表示結果が「大当り」となることを報知する復活演出などが実行されるようにしてもよい。
図33は、特別演出となる演出動作の他の一例として、スーパーリーチCのリーチ演出における演出画像の表示動作などを示している。スーパーリーチCのリーチ演出が開始されると、例えば図33(A)に示すような演出画像が画像表示装置5の表示領域に表示される。図33(A)に示す演出画像には、例えば「コインをつかんで削れ!」といった遊技者PPが達成すべき動作(被覆部分を削り出すこと)を報知するメッセージが含まれており、この報知内容に基づいて遊技者PPが左手LHを動作させることになる。図33(A)に示す演出画像には、スーパーリーチCの演出内容に応じて、コインの形状を示す所定のキャラクタ画像CH3が含まれていればよい。ここで、図31(A)などに示したキャラクタ画像CH1や図32(A)などに示したキャラクタ画像CH2の表示態様と同様に、所定の遊技価値を付与するか否かの決定結果に応じて、キャラクタ画像CH3の表示態様(例えばコインの色や大きさ、コインの種類など)を異ならせてもよいし、その表示態様が異なる決定割合で複数種類のいずれかに決定されるようにしてもよい。
その後、遊技者PPがコインをつかむために左手LHを動作させたときには、例えば図33(B2)に示すような左手LHの動作方向や形状変化などに対応して、図33(B1)に示すような左手を示す演出画像VG3を表示させる。この演出画像VG3を表示させるときには、図27に示すステップS613の演出動作制御において、例えば図29(A)に示すような第1演出画像合成処理が実行されることにより、撮影画像データから切り出された左手LHの対象物画像を用いた実写画像が合成されてもよい。あるいは、例えば図29(B)に示すような第2演出画像合成処理が実行されることにより、左手LHを検知対象物とする動作態様の検知結果に対応して、画像データメモリ142から読み出された演出画像データに示される仮想画像又は実写画像が合成されてもよい。そして、撮影画像データに示される左手LHの位置が演出画像におけるコインの位置と合致して、コインをつかむような形状変化が検知された場合には、演出画像におけるコインを示すキャラクタ画像CH3が移動を開始して、被覆部分を削る動作が開始されればよい。
図27に示すステップS610の処理により、例えば図33(C2)に示すような検知対象物となる左手LHの動作態様が検知される。このときには、例えば図28に示すステップS652〜S654の処理が全て選択されて、左手LHの動作方向と動作速度、形状変化が検知されればよい。そして、これらの検知結果に基づき、図27のステップS611における照合結果やステップS612において選択された演出制御実行データに応じて、例えば図33(C1)に示すような飾り図柄の被覆部分が削れる様子を示す演出画像の表示を異ならせるようにすればよい。一例として、左手LHの動作方向や動作速度を検知した結果に基づく左手LHの運動軌跡に応じて、被覆部分が削れる位置や削れる方向などを異ならせる。また、例えば左手LHが途中で開かれたような形状変化が検知された場合には、つかんでいたコインが離されるような演出画像を表示して、被覆部分を削る動作が停止されるようにしてもよい。
そして、例えば図33(D2)に示すように遊技者PPがさらに所定態様で左手LHを動作させたときには、例えば図33(D1)に示すように飾り図柄の被覆部分が次第に削れる様子を示す演出画像が表示される演出動作状態となればよい。ここで、左手LHの動作態様を検知した結果に応じて、飾り図柄の被覆部分を削る難易度を異ならせるようにしてもよい。一例として、左手LHの運動軌跡が予め設定された所定軌跡と所定範囲内で類似する場合には、被覆部分の削れる幅が大きくなって容易に被覆部分が削られる一方、所定軌跡との類似度が所定範囲内でない場合には、被覆部分の削れる幅が狭くなって被覆部分が削りにくくなるようにしてもよい。また、所定の遊技価値を付与するか否かの決定結果に応じて、飾り図柄の被覆部分を削る難易度を異ならせるようにしてもよい。一例として、左手LHの動作態様を検知した結果が同一の場合であっても、可変表示結果が「ハズレ」であるときには、可変表示結果が「大当り」であるときに比べて、飾り図柄の被覆部分が削りにくくなればよい。また、可変表示結果が「ハズレ」であるときには、どのような動作態様が検知された場合であっても、被覆部分の一部又は全部が削れないことがあるようにしてもよい。
例えば図33(D1)に示すように大当り組合せを構成する「7」の数字を示す飾り図柄が削り出された後、可変表示結果を「大当り」とする決定(事前決定)がなされている場合には、図33(E)に示すように「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアで同一となる「7」の数字を示す飾り図柄が停止表示されることにより、大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示される。これに対して、可変表示結果を「ハズレ」とする決定がなされている場合には、飾り図柄の被覆部分が完全に削り出されても、例えば「7」の数字を示す飾り図柄以外の演出画像が表示されることなどにより、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアと「中」の飾り図柄表示エリアとで異なる確定飾り図柄が導出表示されてリーチ組合せ(ハズレ)となることが報知されればよい。飾り図柄の被覆部分が完全に削り出されたタイミングにおいて、特別演出となる演出動作を終了して、確定飾り図柄となる飾り図柄を導出表示してもよい。あるいは、被覆部分が完全に削り出されても、予め設定された特別演出の終了タイミングまでの残り時間が所定時間以上である場合には、例えばリーチ状態となっている「中」の飾り図柄表示エリアにて再び飾り図柄が被覆され、さらにコインで削る動作を促すようにしてもよい。
図33に示す表示動作例において、可変表示結果が「大当り」に決定(事前決定)されたときには、左手LHの動作態様を検知した結果にかかわらず、特別演出が終了するタイミングまでには飾り図柄の被覆部分が完全に削り出されて大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示されるようにしてもよい。これに対して、可変表示結果が「大当り」に決定されたときでも、左手LHの動作態様を検知した結果によっては、飾り図柄の被覆部分が完全には削り出されることがない場合を設けてもよい。この場合、例えば被覆部分の削り出しを一旦は停止して「残念!」などのメッセージを報知した後、可変表示結果が「大当り」となることを報知する復活演出などが実行されるようにしてもよい。
図34及び図35は、特別演出となる演出動作の他の一例として、スーパーリーチDのリーチ演出における演出画像の表示動作などを示している。ここで、図34に示す動作例では、遊技者PPの左手LHを検知対象物としている。これに対して、図35に示す動作例では、パチンコ遊技機1に予め付属して用意された可動式マーカ34Bを検知対象物としている。
図34に示す動作例では、スーパーリーチDのリーチ演出が開始されると、例えば図34(A)に示すような演出画像が画像表示装置5の表示領域に表示される。図34(A)に示す演出画像には、例えば「ハンマーをつかんでアタリを狙え!」といった遊技者PPが達成すべき動作(ハンマーを所定の強さで振り下ろすこと)を報知するメッセージが含まれており、この報知内容に基づいて遊技者PPが左手LHを動作させることになる。図34(A)に示す演出画像には、スーパーリーチDの演出内容に応じて、ハンマーの形状を示す所定のキャラクタ画像CH4が含まれていればよい。ここで、図31(A)に示したキャラクタ画像CH1などの表示態様と同様に、所定の遊技価値を付与するか否かの決定結果に応じて、キャラクタ画像CH4の表示態様(例えばハンマーの色や大きさ、ハンマーの種類など)を異ならせてもよいし、その表示態様が異なる決定割合で複数種類のいずれかに決定されるようにしてもよい。
その後、遊技者PPがハンマーをつかむために左手LHを動作させたときには、例えば図34(B2)に示すような左手LHの動作方向や形状変化などに対応して、図34(B1)に示すような左手を示す演出画像VG4を表示させる。この演出画像VG4を表示させるときには、図27に示すステップS613の演出動作制御において、例えば図29(A)に示すような第1演出画像合成処理が実行されることにより、撮影画像データから切り出された左手LHの対象物画像を用いた実写画像が合成されてもよい。あるいは、例えば図29(B)に示すような第2演出画像合成処理が実行されることにより、左手LHを検知対象物とする動作態様の検知結果に対応して、画像データメモリ142から読み出された演出画像データに示される仮想画像又は実写画像が合成されてもよい。そして、撮影画像データに示される左手LHの位置が演出画像におけるハンマーの位置と合致して、ハンマーをつかむような形状変化が検知された場合には、演出画像におけるハンマーを示すキャラクタ画像CH4が移動を開始する演出動作状態に遷移する。
続いて、例えば図34(C1)に示すように画像表示装置5の表示領域に所定のハンマーゲームを実行するための演出画像EG1が表示されることなどにより、ハンマーゲームの開始を報知する。この報知内容に基づいて、遊技者PPがハンマーゲームのために左手LHを動作させたときには、例えば図34(C2)に示すような左手LHの動作態様に対応して、図34(C1)に示すような左手を示す演出画像VG4とハンマーのキャラクタ画像CH4の表示を一体的に変化させる。このときには、図27に示すステップS610の処理により、例えば図34(D2)に示すような検知対象物となる左手LHの動作態様が検知される。このときには、例えば図28に示すステップS652、S653の処理が選択されて、左手LHの動作方向と動作速度が検知されればよい。そして、これらの検知結果に基づき、図27のステップS611における照合結果やステップS612において選択された演出制御実行データに応じて、例えば図34(D1)に示すようなハンマーゲームが実行される様子を示す演出画像の表示を異ならせるようにすればよい。一例として、左手LHの動作方向や動作速度を検知した結果に応じて、ハンマーがボタンを叩く位置や叩く強さなどを異ならせ、その叩き具合によって図34(C1)や(D1)に矢印で示す指標が上昇する速度や位置を変化させればよい。また、図28に示すステップS654の処理が選択されて、左手LHの形状変化が検知されてもよい。そして、例えば左手LHが途中で開かれたような形状変化が検知された場合には、つかんでいたハンマーが離されるような演出画像を表示して、ハンマーゲームを実行する動作が停止されるようにしてもよい。
ここで、左手LHの動作態様を検知した結果に応じて、ハンマーゲームで「アタリ」の部分に指標を停止させる難易度を異ならせるようにしてもよい。一例として、左手LHの動作速度が予め設定された所定速度に近い場合には、「アタリ」の部分に指標が停止される一方、所定速度との差異が所定範囲を超える場合には、「アタリ」の部分に指標が停止せず「ハズレ」の部分で停止するようにしてもよい。また、所定の遊技価値を付与するか否かの決定結果に応じて、ハンマーゲームで「アタリ」の部分に指標を停止させる難易度を異ならせるようにしてもよい。一例として、可変表示結果が「ハズレ」であるときには、可変表示結果が「大当り」であるときに比べて、演出画像EG1における「アタリ」の部分が狭くなるようにしてもよい。また、可変表示結果が「ハズレ」であるときには、どのような動作態様が検知された場合であっても、指標が「アタリ」の部分には停止せず「ハズレ」の部分で停止するようにしてもよい。
ハンマーゲームを実行する所定タイミングにて遊技者PPの左手LHにおける動作方向や動作速度を適切に検知することができず、ハンマーでボタンを叩く動作を特定できなかった場合には、遊技者PPがハンマーゲームに失敗したものとして、演出動作状態を遷移させるようにすればよい。可変表示結果が「大当り」である場合には、遊技者PPが成功するまで、ハンマーゲームを繰り返し実行するようにしてもよい。この場合、遊技者PPが成功せずに所定時間が経過して特別演出の終了タイミングとなったときには、ハンマーゲームを終了させてもよい。
例えば図34(D1)に示すように指標が「アタリ」の部分で停止して遊技者PPがハンマーゲームに成功したような演出画像が表示された後、可変表示結果を「大当り」とする決定(事前決定)がなされている場合には、図34(E)に示すように「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアで同一となる「7」の数字を示す飾り図柄が停止表示されることなどにより、大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示される。これに対して、可変表示結果を「ハズレ」とする決定がなされている場合には、遊技者PPがハンマーゲームに成功しても、例えば「7」の数字を示す飾り図柄以外の演出画像が表示されることにより、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアと「中」の飾り図柄表示エリアとで異なる確定飾り図柄が導出表示されてリーチ組合せ(ハズレ)となることが報知されればよい。
図34に示す表示動作例において、可変表示結果が「大当り」に決定(事前決定)されたときには、左手LHの動作態様を検知した結果にかかわらず、特別演出が終了するタイミングまでには遊技者PPがハンマーゲームに成功して大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示されるようにしてもよい。これに対して、可変表示結果が「大当り」に決定されたときでも、左手LHの動作態様を検知した結果によっては、遊技者PPがハンマーゲームに成功しない場合を設けてもよい。この場合、例えば一旦はリーチ組合せ(ハズレ)の確定飾り図柄を停止表示した後、可変表示結果が「大当り」となることを報知する復活演出などが実行されるようにしてもよい。あるいは、演出画像EG1において指標が停止した「ハズレ」の部分における表示が「アタリ」に変化することなどにより、可変表示結果が「大当り」となることが報知されてもよい。
図35に示す動作例では、スーパーリーチDのリーチ演出が開始されると、例えば図35(A)に示すような演出画像が画像表示装置5の表示領域に表示される。図35(A)に示す演出画像には、例えば「ハンマースティックをつかんでアタリを狙え!」といった遊技者PPが達成すべき動作(ハンマーを所定の強さで振り下ろすこと)を報知するメッセージが含まれており、この報知内容に基づいて遊技者PPが左手LHを動作させ、可動式マーカ34Bをつかんで振り下ろすことになる。この場合には、遊技者PPの左手LHに代えて、可動式マーカ34Bを検知対象物とし、撮影画像データに示される可動式マーカ34Bの撮影結果から動作態様の検知などが行われるようにすればよい。そして、例えば撮影画像データに示される可動式マーカ34Bの画像部分にハンマーを示すキャラクタ画像CH4を重畳させることなどにより、可動式マーカ34Bの動作態様を検知した結果に応じてハンマーを動作させる演出画像の表示が行われるようにすればよい。ここで、可動式マーカ34Bの表面には予め定められた固定的なマーカパターンが記載されており、このマーカパターンを認識することで、動作態様を検知できる。これにより、遊技者PPの左手LHといった個体差(肌の色や形状、サイズの相違など)の大きい検知対象物の動作態様を検知する場合に比べて、検知対象物の動作態様を容易に検知することができる。
可動式マーカ34Bは、動作態様を検知するために設けられた専用のマーカに限定されず、例えば会員カードやプリペイドカード、遊技球、コインやメダルといった、パチンコ遊技機1における遊技などで使用する任意の物品を用いるようにしてもよい。
図36は、特別演出となる演出動作の他の一例として、大当り中演出における演出画像の表示動作などを示している。この大当り中演出が開始されると、例えば図36(A)に示すような演出画像が画像表示装置5の表示領域に表示される。図36(A)に示す演出画像には、例えば「時間内にシルエットと同じポーズをとれ!」といった遊技者PPが達成すべき動作を報知するメッセージが含まれており、この報知内容に基づいて遊技者PPが左手LHを動作させることになる。また、図36(A)に示す演出画像には、残り時間を報知する演出画像EG2も含まれている。ここで、例えば大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数の決定結果、確変状態に制御されることを報知するか否かの決定結果、あるいは、時短状態において実行可能な特図ゲームの上限回数の決定結果といった、所定の遊技価値を付与するか否かの決定結果に応じて、遊技者PPが左手LHでとるべきポーズの形状や、残り時間の初期値などを、異ならせてもよいし、これらが異なる決定割合で複数種類のいずれかに決定されるようにしてもよい。
その後、遊技者PPが報知内容に応じたポーズをとるために左手LHを動作させたときには、例えば図36(B2)に示すような左手LHの動作方向や形状変化などに対応して、図36(B1)に示すような左手を示す演出画像VG5を表示させる。この演出画像VG3を表示させるときには、図27に示すステップS613の演出動作制御において、例えば図29(A)に示すような第1演出画像合成処理が実行されることにより、撮影画像データから切り出された左手LHの対象物画像を用いた実写画像が合成されてもよい。あるいは、例えば図29(B)に示すような第2演出画像合成処理が実行されることにより、左手LHを検知対象物とする動作態様の検知結果に対応して、画像データメモリ142から読み出された演出画像データに示される仮想画像又は実写画像が合成されてもよい。
こうして遊技者PPが報知内容に応じたポーズをとるために左手LHを動作させたときには、図27に示すステップS610の処理により、検知対象物となる左手LHの動作態様が検知される。このときには、例えば図28に示すステップS652、S654の処理が選択されて、左手LHの動作方向と形状変化が検知されればよい。そして、これらの検知結果に基づき、図27のステップS611における照合結果やステップS612において選択された演出制御実行データに応じて、左手を示す演出画像VG5の表示を異ならせるようにすればよい。一例として、左手LHの動作方向や形状変化を検知した結果に応じて、演出画像VG5が動く方向や形状などを変化させて、その変化具合によって報知内容と同一のポーズとなったか否かが判定されればよい。
ここで、左手LHの動作態様を検知した結果に応じて、報知内容に応じたポーズをとる難易度を異ならせるようにしてもよい。一例として、左手LHの動作方向が予め設定された所定方向から遠ざかるごとに、報知内容のポーズとの類似性を判定する基準が厳しくなり、同一のポーズと判定される動作範囲(形状変化の合致判定範囲など)が狭くなるようにしてもよい。また、所定の遊技価値を付与するか否かの決定結果に応じて、報知内容に応じたポーズをとる難易度を異ならせるようにしてもよい。一例として、大当り遊技状態にて実行可能なラウンド遊技の回数が少ないとき(例えば2ラウンド大当り状態など)には、実行可能なラウンド遊技の回数が多いとき(例えば15ラウンド大当り状態など)に比べて、報知内容のポーズとの類似性を判定する基準が厳しくなり、同一のポーズと判定される動作範囲(形状変化の合致判定範囲など)が狭くなるようにしてもよい。また、大当り中昇格失敗演出が実行される場合などには、どのような動作態様が検知されても、同一のポーズと判定されることがないようにしてもよい。
残り時間が「0秒」となるまでに遊技者PPの左手LHにおける動作方向や形状変化などを適切に検知することができず、左手LHの動作を特定できなかった場合には、同一のポーズをとるのに失敗したものとして、演出動作状態を遷移させるようにすればよい。大当り中昇格成功が実行される場合などには、同一のポーズであると判定されるまで、報知内容(指定のポーズ)を様々に変化させて、同一のポーズをとらせる動作を繰り返し実行するようにしてもよい。この場合、遊技者PPが同一のポーズをとらずに所定時間が経過して特別演出の終了タイミングとなったときには、同一のポーズをとらせる動作を終了させてもよい。
例えば図36(C2)に示すような左手LHの動作態様を検知した結果として、報知内容と同一のポーズがとられたと判定されたときには、例えば図36(C1)に示すように遊技者PPが同一のポーズをとったことを報知する演出画像が表示された後、図36(D)に示すような2次元バーコードを表示して特典画像を取得可能にするといった、所定の演出動作状態に遷移する。なお、大当り中演出として特別演出が実行される場合には、例えば同一のポーズをとったと判定されたことに対応して、大当り遊技状態にて実行可能なラウンド遊技の回数が増加することを報知するような演出動作が行われたり、大当り中昇格成功演出に対応して確変状態に制御することを報知するような演出動作が行われたりしてもよい。これに対して、所定の遊技価値を付与するか否かの決定結果によっては、同一のポーズをとったと判定された場合でも、例えばラウンド遊技の回数が増加しないことを報知するような演出動作が行われたり、大当り中昇格失敗演出に対応して確変状態に制御することを報知しないような演出動作が行われたりしてもよい。
図36に示す表示動作例において、例えばラウンド遊技の実行回数が比較的に多い回数(例えば「15」など)に決定されたときや、大当り中昇格成功演出が実行されるときのように、所定の遊技価値を付与する決定がなされたときには、同一のポーズがとられたか否かの判定結果にかかわらず、特別演出が終了するタイミングまでには演出画像VG5が報知内容に応じたポーズをとって特典画像の提供などに対応した演出動作状態に遷移できるようにしてもよい。これに対して、所定の遊技価値を付与する決定がなされたときでも、左手LHの動作態様を検知した結果によっては、特典画像の提供などに対応した演出動作状態に遷移しないことがあるようにしてもよい。
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、例えば遊技者PPの左手LHや可動式マーカ34Bといった、検知対象物をカメラ33により撮影して生成された撮影画像データに基づいて、図27に示すステップS610の処理などにより、検知対象物の動作態様が検知される。そして、例えば図25に示すステップS225における特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定結果といった、所定の遊技価値を付与するか否かの決定結果と、動作態様の検知結果とに応じて、異なる演出画像が合成されて画像表示装置5の表示領域に表示させることにより、特別演出が実行される。これにより、例えば遊技者PPの左手LHによる操作といった、検知対象物の動作との関連性を直感的に理解できる演出内容を多様化して、遊技の興趣を向上させることができる。
検知対象物の動作を検知する際には、例えば図30に示すマーカ表示部34Aといった、パチンコ遊技機1の遊技機用枠3における所定位置などに設けられたマーカ表示部を撮影し、生成された撮影画像データに示されるマーカ表示部を基準とする。これにより、検知対象物の動作態様を正確に検知して、遊技者PPの左手LHによる操作といった、検知対象物の動作と演出内容との関連性が損なわれることを防止できる。
検知対象物の動作態様の一例として、遊技者PPの左手LHといった、遊技者の手の動きが検知される。これにより、遊技者の多様な動作に応じて演出内容を多様化することができる。
検知対象物の動作態様の他の一例として、可動式マーカ34Bといった、可動式マーカ部の動きが検知される。これにより、遊技者の手の動きを検知する場合に比べて個体差が少ないことから、検知動作の正確性を保持しつつ遊技者の多様な操作に応じて演出内容を多様化することができる。
図27に示すステップS610の処理において、例えば図28に示すステップS652の処理が選択されたことに基づいて、検知対象物の動作方向が検知される。そして、図27に示すステップS612、S613の処理が実行されることにより、検知対象物の動作方向を検知した結果に応じて異なる演出画像が合成される。これにより、多様な動作に対応する様々な演出表示が可能になり、遊技の興趣を向上させることができる。
図27に示すステップS610の処理において、例えば図28に示すステップS653の処理が選択されたことに基づいて、検知対象物の動作速度が検知される。そして、図27に示すステップS612、S613の処理が実行されることにより、検知対象物の動作速度を検知した結果に応じて異なる演出画像が合成される。これにより、多様な動作に対応する様々な演出表示が可能になり、遊技の興趣を向上させることができる。
図27に示すステップS610の処理において、例えば図28に示すステップS654の処理が選択されたことに基づいて、検知対象物の形状変化が検知される。そして、図27に示すステップS612、S613の処理が実行されることにより、検知対象物の形状変化を検知した結果に応じて異なる演出画像が合成される。これにより、多様な動作に対応する様々な演出表示が可能になり、遊技の興趣を向上させることができる。
図27に示すステップS613の処理による演出動作制御として、図29(A)に示すような第1演出画像合成処理が実行されたときには、画像データメモリ142から読み出した演出画像データに示される仮想画像又は実写画像と、撮影画像データから切り出された対象物画像などの実写画像とを用いて、演出画像が合成される。これにより、例えば遊技者PPの左手LHといった、検知対象物の動作との関連性を直感的に理解できる演出内容を多様化して、遊技の興趣を向上させることができる。
図27に示すステップS613の処理による演出動作制御として、図29(B)に示すような第2演出画像合成処理が実行されたときには、演出動作状態に対応して画像データメモリ142から読み出した演出画像データに示される仮想画像又は実写画像と、撮影画像データに基づく対象物の検知結果に対応して画像データメモリ142から読み出した演出画像データに示される仮想画像又は実写画像とを用いて、演出画像が合成される。これにより、例えば遊技者PPの左手LHといった、検知対象物の動作との関連性を直感的に理解できる演出内容を多様化して、遊技の興趣を向上させることができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、上記実施の形態では、検知対象物の動作方向、動作速度、形状変化といった、検知対象物の動作態様の全部を、カメラ33の撮影により生成された撮影画像データの解析に基づいて検知するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、検知対象物の動作態様の一部を、パチンコ遊技機1に設けられた所定の操作検出装置に対する操作行為の検出結果に基づいて検知してもよい。一例として、パチンコ遊技機1の遊技機用枠3における所定位置に、例えば拳銃などの形状を模式化した操作検出部を設け、拳銃の引き金を引く動作などの所定動作となる検知対象物の形状変化は、操作検出部が備える検出スイッチ等によって検知できるようにしてもよい。ただし、このような所定の操作検出装置に対する機械的操作の検出結果に基づいて検知対象物の動作態様を検知する場合には、例えば操作検出装置の故障などにより、検知対象物の動作態様を検知できなくなることがある。これに対して、上記実施の形態で説明したように、撮影画像データの解析に基づいて、機械的操作の検出結果によることなく検知対象物の動作態様を検知することにより、例えば操作検出装置の故障などに基づく検知不能な状態を回避できる。
特別演出となる演出動作としては、図31〜図35に示したようなスーパーリーチA〜スーパーリーチDのリーチ演出における演出動作、及び、図36に示したような大当り中演出となる演出動作の全部が実行されるものに限定されず、これらの演出動作の一部が実行できるものであってもよい。
上記実施の形態では、1つの特別図柄表示装置4を備えたパチンコ遊技機1について説明したが、複数の特別図柄表示装置が設けられたパチンコ遊技機1にも本発明を適用することができる。
上記実施の形態では、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が、図23に示すステップS406にて図24のフローチャートに示すような演出制御プロセス処理を実行することなどにより、各種演出動作の制御内容を決定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば演出動作を制御するために設けられた複数の制御基板にそれぞれ搭載された複数のCPUなどにより、各種演出動作の制御内容を分担して決定するようにしてもよい。
一例として、演出制御基板12と画像表示装置5との間に、表示制御基板を設ける。表示制御基板には、表示制御用CPUと、ROMと、RAMと、乱数回路と、入出力ポートとが搭載されていればよい。この場合、表示制御基板に搭載された表示制御用CPUが画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行することから、上記実施の形態で演出制御基板12に搭載された表示制御部121は、表示制御基板に搭載されればよい。表示制御基板では、例えば表示制御用CPUがROMから読み出したプログラムを実行することにより、画像表示装置5における演出画像の表示による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、表示制御用CPUがROMから固定データを読み出す固定データ読出動作や、表示制御用CPUがRAMに各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、表示制御用CPUがRAMに一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、表示制御用CPUが入出力ポートを介して表示制御基板の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、表示制御用CPUが入出力ポートを介して表示制御基板の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
この場合、表示制御用CPUは、例えば演出制御基板12からの表示制御指令や演出制御基板12を介して主基板11から伝送された演出制御コマンドなどに基づき、図24に示すステップS160〜S166の処理のいずれかを実行してもよい。なお、表示制御用CPUは、上記実施の形態にて演出制御用CPU120が実行した処理のうち、任意の一部を実行するものであればよい。また、上記実施の形態において演出制御基板12に搭載された音制御部122を音声制御基板に搭載させ、及び/又は、上記実施の形態において演出制御基板12に搭載されたランプ制御基板123をランプ制御基板に搭載させてもよい。この場合、音声制御基板やランプ制御基板は、演出制御基板12からの制御指令を伝送する配線により、演出制御基板12と接続されてもよい。そして、演出制御基板12では、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131により、演出動作を統括的に制御するための処理が実行されればよい。こうした構成において、音声制御基板に搭載されたマイクロコンピュータやランプ制御基板に搭載されたマイクロコンピュータにより、上記実施の形態にて演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が実行した処理のうち、任意の一部が実行されるようにしてもよい。このように、演出動作を制御するために複数の制御基板が設けられた場合には、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理、スピーカ8L、8Rにおける音声出力動作の制御内容を決定するための処理、遊技効果ランプ9といった電飾部材における点灯動作の制御内容を決定するための処理といった、各種の演出動作の制御内容を決定するための処理がそれぞれ、いずれの制御基板で実行されるかの組合せは、任意の組合せであればよい。
上記実施の形態では、可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて小当り遊技状態に制御され、小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行われない。その一方で、可変表示結果が「大当り」となる場合に大当り種別が「突確」となったことに基づいて2ラウンド大当り状態に制御され、2ラウンド大当り状態が終了した後には、確変状態に制御されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、大当り種別が「突確」となる場合や可変表示結果が「小当り」となる場合に代えて、あるいは、これらの場合に加えて、「突然時短」や「突然通常」となる場合を設けるようにしてもよい。一例として、「突然時短」と「突然通常」は、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別に含まれるものとする。この場合、大当り種別決定テーブル201は、変動特図指定バッファ値に応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)を、「突然時短」や「突然通常」の大当り種別に割り当てるテーブルデータが含まれるように構成されればよい。そして、可変表示結果が「大当り」となる場合に大当り種別が「突然時短」となるときには、大当り種別が「突確」の場合と同様にして2ラウンド大当り状態に制御され、2ラウンド大当り状態が終了した後には、大当り種別が「突確」の場合とは異なり時短状態に制御される。他方、可変表示結果が「大当り」となる場合に大当り種別が「突然通常」となるときには、大当り種別が「突確」の場合と同様にして2ラウンド大当り状態に制御され、2ラウンド大当り状態が終了した後には、大当り種別が「突確」の場合とは異なり通常状態に制御される。これにより、2ラウンド大当り状態の終了後に制御される遊技状態に対する遊技者の期待感を高め、遊技興趣を向上させることができる。
このような「突然時短」や「突然通常」を設ける場合には、「突然時短」及び「突然通常」以外である場合とは異なる変動パターン種別や変動パターンに決定するようにしてもよい。これにより、大当り種別が「突然時短」や「突然通常」であることにより2ラウンド大当り状態に制御されるにもかかわらず、15ラウンド大当り状態に制御される場合と同様の演出動作が行われて遊技者に不信感を与えてしまうことを防止できる。また、大当り種別が「突然時短」や「突然通常」となる場合には、可変表示結果が「小当り」となる場合、あるいは、大当り種別が「突確」となる場合と、共通の変動パターン種別に決定可能としてもよい。これにより、変動パターンを決定する際には、大当り種別が「突然時短」や「突然通常」となる場合であるか、可変表示結果が「小当り」となる場合あるいは大当り種別が「突確」となる場合であるかにかかわらず、共通の変動パターン決定テーブルを用いることができ、データ容量の削減を図ることができる。
上記実施の形態では、遊技機の例として、特別図柄や飾り図柄を可変表示する機能や各種の演出画像を表示する機能を有するパチンコ遊技機1を用いて説明した。しかしながら、この発明は、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1に限定されず、スロットマシンなどの他の遊技機にも適用することができる。以下、この発明を他の遊技機の一例であるスロットマシンに適用した場合について説明する。
図37は、この発明を適用したスロットマシンの一例となるスロットマシン500の正面図であり、主要部材のレイアウトを示す。スロットマシン500は、大別して、前面が開口する筐体と、この筐体の側端に回動自在に枢支された前面扉とから構成されている。
スロットマシン500の筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリールRL、RC、RRを水平方向に並設した可変表示装置501が設置されている。リールRL、RC、RRの外周部には、例えば「赤7」、「白7」、「BAR」、「JAC」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」といった、互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。リールRL、RC、RRの外周部に描かれた図柄は、各々上中下三段に表示されている。各リールRL、RC、RRは、各々対応して設けられたリールモータ651L、651C、651R(図38)によって回転させることで、各リールRL、RC、RRの図柄が連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リールRL、RC、RRの回転を停止させることで、3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
また、スロットマシン500の前面扉には、表示機能を有する画像表示装置510が設けられている。そして、スロットマシン500の前面扉における可変表示装置501の下部などには、遊技者が各種の操作を行うための各種入力スイッチ等が配される操作テーブル520が設けられている。操作テーブル520の奥側には、スロットマシン500において遊技媒体となるメダルを投入可能なメダル投入口502、メダルを1枚分の賭数を設定(BET)するためのBETスイッチ503、1ゲームで賭けることのできる最高枚数分(本例では3枚分)の賭数を設定するためのMAXBETスイッチ504、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)として記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算するための精算スイッチ508が設けられている。メダル投入口502に投入されたメダルは、所定の投入メダルセンサによって検知される。さらに、こうした操作テーブル520の前面中央部といった所定位置には、マーカ表示部534が設けられている。
操作テーブル520の手前側には、スロットマシン500にてゲームを開始する際に操作されるスタートレバー505、リールRL、RC、RRの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ506L、506C、506Rが設けられている。操作テーブル520の下部には、メダルが払い出されるメダル払出口507が設けられている。
スロットマシン500の前面扉における可変表示装置501の下部といった所定位置には、スロットマシン500での遊技に関する各種の情報を表示するための遊技情報表示部が設けられている。例えば、遊技情報表示部は、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器や、ビッグボーナス中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される補助表示器、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器などを備えていればよい。スロットマシン500の上部左右には、効果音を発する2つのスピーカ511L、511Rが設けられている。その他、画像表示装置510の上部には、遊技効果ランプ512やカメラ533が設けられており、画像表示装置510や可変表示装置501の左右には、遊技効果ランプ513、514が設けられている。
スロットマシン500においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入口502から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはBETスイッチ503またはMAXBETスイッチ504を操作する。こうして賭数が設定されると、賭数に応じた複数の入賞ラインのいずれかが有効となり、スタートレバー505の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが実行可能な状態となって、可変表示の実行条件が成立する。なお、前回のゲームにてリプレイなどの再遊技役の入賞が発生した場合にも、続けて次のゲームが実行可能となり、可変表示の実行条件が成立する。
こうしてゲームが実行可能な状態でスタートレバー505が操作されると、その操作がスタートレバースイッチ505A(図38)により検知されたことに基づき、可変表示の開始条件が成立したことに対応して、各リールRL、RC、RRが回転し、各リールRL、RC、RRの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ506L、506C、506Rが操作されると、対応するリールRL、RC、RRの回転が停止し、表示結果が視認可能に導出表示される。
そして、全てのリールRL、RC、RRの回転が停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ライン上に予め定められた役と呼ばれる図柄の組合せが各リールRL、RC、RRの表示結果として停止した場合には入賞が発生する。入賞となる役の種類には、大別して、メダルの付与を伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役とがあり、遊技状態に応じて入賞となる役が定められている。スロットマシン500では、スタートレバー505が操作されたタイミングで抽出した乱数値に基づき、遊技状態に応じて定められた各役の入賞の発生を許容するか否かを決定する内部抽選を行う。この内部抽選に当選して入賞の発生が許容されていることを、「内部当選している」ともいう。各役の当選のうち、小役及び再遊技役の当選は、その当選が決定されたゲームにおいてのみ有効とされるが、特別役の当選は、その内部抽選により発生が許容された役が揃うまで有効とされる。すなわち特別役となる入賞の発生が一度許容されると、例え、各ゲームにて特別役となる入賞を発生させることができなかった場合でも、その当選は次のゲームへ持ち越されることになる。
スロットマシン500における遊技状態には、例えばレギュラーボーナス、ビッグボーナス、通常遊技状態がある。レギュラーボーナスの遊技状態では、例えばJAC、チェリー、スイカ及びベルなどの小役が、入賞となる役として定められており、内部抽選での抽選対象とされる。ビッグボーナスでは、所定の小役ゲームにおいて、例えばチェリー、スイカ及びベルなどの小役や、レギュラーボーナス(あるいはJACIN)などの特別役が、入賞となる役として定められており、各小役ゲームにおける内部抽選での抽選対象とされる。通常遊技状態では、例えばチェリー、スイカ及びベルなどの小役や、リプレイなどの再遊技役、ビッグボーナス、レギュラーボーナスなどの特別役が、入賞となる役として予め定められており、各ゲームにおける内部抽選での抽選対象とされる。
通常遊技状態においてビッグボーナスとなる特別役の入賞が発生すると、遊技状態がビッグボーナスに移行する。ビッグボーナスでは、小役ゲームと称される所定のゲームを行うことができる。ビッグボーナスは、当該ビッグボーナス中において遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数(例えば466枚)以上となった場合に終了する。通常遊技状態やビッグボーナス中の小役ゲームにおいてレギュラーボーナスとなる特別役の入賞が発生すると、遊技状態がレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、12ゲーム消化した場合と、8ゲーム入賞(役の種類はいずれでもよい)した場合のいずれか早いほうで終了する。通常遊技状態時のレギュラーボーナスでは、遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数以上となったときに、レギュラーボーナスを終了させるようにしてもよい。ビッグボーナス中のレギュラーボーナスで当該ビッグボーナス中において遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数以上となった場合は、ビッグボーナスとともに当該レギュラーボーナスも終了する。
スロットマシン500では、遊技状態がレギュラーボーナスやビッグボーナスなどの特別遊技状態に移行している場合に、通常遊技状態よりも多くのメダルを遊技者が獲得でき、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、特別遊技状態はレギュラーボーナスやビッグボーナスなどに限らず、通常遊技状態に比べて遊技者が多くのメダルを獲得することが期待でき、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態であればよい。このような通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態としては、例えば、リールの導出条件(例えば停止順や停止タイミング)が満たされることを条件に発生する報知対象入賞の導出条件を満たす操作手順が報知される遊技状態(いわゆるアシストタイム)や、少なくともいずれか1つのリールの引込範囲を制限することで、ストップスイッチ506L、506C、506Rが操作された際に表示されている図柄が停止しやすいように制御し、遊技者が目押しを行うことで入賞図柄の組合せを導出させることが可能となるチャレンジタイム(CT)、特定の入賞(例えばリプレイ入賞やシングルボーナス入賞等)の発生が許容される確率が高まる遊技状態(いわゆるリプレイタイムや集中状態)等、さらには、これらを組み合わせた遊技状態などであればよい。
スロットマシン500には、例えば図38に示すような主基板600、演出制御基板620、リールユニット650などが搭載されている。その他にも、スロットマシン500には、主基板600に接続された電源基板や中継基板等の他の基板も搭載されている。主基板600には、遊技制御用マイクロコンピュータ610が設けられている。遊技制御用マイクロコンピュータ610は、上記実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ100と同様に、プログラムに従った制御を行うCPU、ユーザプログラムやデータを記憶するROM、ワークエリアとしてCPUにより使用されるRAMなどを備えて構成されている。
リールユニット650は、リールモータ651L、651C、651R、リールランプ652、リールセンサ653などを備えて構成される。リールモータ651L、651C、651Rは、各リールRL、RC、RRを回転させるためのモータである。リールランプ652は、各リールRL、RC、RRの内部に設けられ、各リールRL、RC、RRに描かれた図柄のうち、可変表示装置501にて視認可能となる図柄をリールの内側から照射するためのランプである。リールセンサ653は、各リールRL、RC、RRの回転状態や回転数などを検知するためのセンサである。
演出制御基板620には、カメラ533からの映像信号や撮影画像データなどを伝送する配線が接続されており、演出制御用マイクロコンピュータ630や、表示制御部631、音制御部632、ランプ制御部633などが搭載されている。演出制御用マイクロコンピュータ630は、上記実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ120と同様に、プログラムに従った制御を行うCPU、ユーザプログラムやデータを記憶するROM、ワークエリアとしてCPUにより使用されるRAM、リセット/割込みコントローラなどを備えて構成されている。表示制御部631は、画像表示装置510における表示動作の制御を行うものであり、上記実施の形態における表示制御部121と同様に、演出制御用マイクロコンピュータ630からの表示制御指令に従った画像データの処理を実行する画像処理プロセッサや、画像表示装置510の画面上に画像を表示させるために使用される各種の画像データを記憶する画像データメモリを備えて構成されている。
演出制御用マイクロコンピュータ630では、主基板600から受信した演出制御コマンドに基づく演出制御パターンに従って画像表示装置510やスピーカ511L、511R、遊技効果ランプ512〜514などによる演出動作を制御するための指令や処理が、CPUによって実行される。表示制御部631では、演出制御用マイクロコンピュータ630からの表示制御指令に従った画像データの処理が、画像処理プロセッサによって実行される。
画像表示装置510の画面上には、例えば上記実施の形態における画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアと同様にして、「左」、「中」、「右」の可変表示部が設けられ、例えば演出制御用マイクロコンピュータ630のCPUが上記実施の形態における図26のフローチャートに示す飾り図柄変動中処理と同様の処理を実行することにより、可変表示装置501における図柄の可変表示に対応して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄が可変表示されてもよい。あるいは、画像表示装置510の表示領域では飾り図柄の可変表示が実行されず、可変表示装置501における図柄の可変表示などに対応した演出画像の表示が行われるようにしてもよい。そして、画像表示装置510に演出画像を表示させるときに、カメラ533により検知対象物を撮影して生成された撮影画像データに基づいて、検知対象物の動作態様が検知される。
例えば、ストップスイッチ506Lが操作されたことによりリールRLの回転を停止させ、続いて、ストップスイッチ506Cが操作されることによりリールRCの回転を停止させる。このとき、可変表示装置501では、リールRLの停止により導出表示された図柄と、リールRCの停止により導出表示された図柄とが、いずれかの入賞ライン上でビッグボーナスとなる特別役の入賞を発生可能な組合せを構成するものとする。その後、例えば演出制御用マイクロコンピュータ630のCPUや表示制御部631の画像処理プロセッサが上記実施の形態における図27のフローチャートに示すような特別演出制御処理と同様の処理を実行することなどにより、例えば内部抽選の結果といった所定の遊技価値を付与するか否かの決定結果や、検知対象物の動作態様を検知した結果に応じて、異なる演出画像を合成して画像表示装置510の表示領域に表示させることにより、特別演出となる演出動作を実行させる。これにより、例えば遊技者の手や可動式マーカの操作といった、検知対象物の動作との関連性を直感的に理解できる演出内容を多様化して、遊技の興趣を向上させることができる。
こうした検知対象物の動作を検知する際には、例えば図37に示すマーカ表示部534といった、スロットマシン500の前面扉における所定位置などに設けられたマーカ表示部を撮影し、生成された撮影画像データに示されるマーカ表示部を基準とする。これにより、検知対象物の動作態様を正確に検知して、検知対象物の動作と演出内容との関連性が損なわれることを防止できる。検知対象物の動作態様としては、遊技者の手の動きが検知されてもよいし、予めスロットマシン500に付属して用意された可動式マーカ部の動きが検知されてもよい。これにより、遊技者の多様な動作に応じて演出内容を多様化することができる。また、可動式マーカ部を用いた場合には、遊技者の手の動きを検知する場合に比べて個体差が少ないことから、検知動作の正確性を保持することができる。
検知対象物の動作態様としては、検知対象物の動作方向、検知対象物の動作速度、検知対象物の形状変化、あるいは、これらの一部又は全部が検知されればよい。そして、こうした検知対象物の動作態様を検知した結果に応じて異なる演出画像が合成されることにより、多様な動作に対応する様々な演出表示が可能になり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、スロットマシン500においても、図27に示したステップS613の処理による演出動作制御と同様に、図29(A)に示すような第1演出画像合成処理が実行されてもよい。このときには、表示制御部631の画像データメモリから読み出した演出画像データに示される仮想画像又は実写画像と、撮影画像データから切り出された対象物画像などの実写画像とを用いて、演出画像が合成される。これにより、例えば遊技者の手の動きや可動式マーカの動きといった、検知対象物の動作との関連性を直感的に理解できる演出内容を多様化して、遊技の興趣を向上させることができる。
あるいは、スロットマシン500において、図27に示したステップS613の処理による演出動作制御と同様に、図29(B)に示すような第2演出画像合成処理が実行されてもよい。このときには、演出動作状態に対応して表示制御部631の画像データメモリから読み出した演出画像データに示される仮想画像又は実写画像と、撮影画像データに基づく対象物の検知結果に対応して表示制御部631の画像データメモリから読み出した演出画像データに示される仮想画像又は実写画像とを用いて、演出画像が合成される。これにより、例えば遊技者の手の動きや可動式マーカの動きといった、検知対象物の動作との関連性を直感的に理解できる演出内容を多様化して、遊技の興趣を向上させることができる。
加えて、本発明の遊技機は、パチンコ遊技機等の弾球遊技機において画像表示装置を有するものであれば、例えば、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。また、本発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
さらに、本発明の遊技機は、メダル並びにクレジットを使用してゲームを実施可能なスロットマシンに限らず、例えばパチンコ球を用いてゲームを行うスロットマシンや、メダルが外部に排出されることなくクレジットを使用して遊技可能な完全クレジット式のスロットマシン、可変表示装置が画像にて表示される画像式のスロットマシンなどにも適用することができる。
パチンコ遊技機1やスロットマシン500の動作をシミュレーションするゲーム機などにも本発明を適用することができる。本発明を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。