JP5378122B2 - 太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法及び供給装置 - Google Patents
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Description
請求項1に記載の発明は、ベースガス供給流路から供給される不活性ガスと、原料ガス供給流路から供給される100%セレン化水素ガスと、を混合して、所定の濃度に調製したセレン化水素混合ガスを供給する太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法であって、
前記ベースガス供給流路に設けられたベースガス貯留槽から所定の重量の不活性ガスを供給するとともに、前記原料ガス供給流路に設けられた原料ガス貯留槽から所定の重量の100%セレン化水素ガスを供給することにより、所定の濃度のセレン化水素混合ガスを調整することを特徴とする太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法である。
請求項3に記載の発明は、前記混合ガス貯留槽中の前記セレン化水素混合ガスの充填量が設定した下限値となったときに、前記ベースガス貯留槽から当該混合ガス貯留槽に前記不活性ガスの供給を開始するとともに、前記原料ガス貯留槽から当該混合ガス貯留槽に前記100%セレン化水素ガスの供給を開始する第1ステップと、
前記ベースガス貯留槽から所定の重量分の前記不活性ガスを供給したときに当該不活性ガスの前記混合ガス貯留槽への供給を停止するとともに、前記原料ガス貯留槽から所定の重量分の前記100%セレン化水素ガスを供給したときに当該100%セレン化水素ガスの前記混合ガス貯留槽への供給を停止する第2ステップと、
前記不活性ガス及び前記100%セレン化水素ガスの前記混合ガス貯留槽への供給を停止した後に、前記ベースガス供給流路から前記ベースガス貯留槽に前記不活性ガスを補充するとともに、前記原料ガス供給流路から前記原料ガス貯留槽に前記100%セレン化水素ガスを補充する第3ステップと、を備え、
前記第1ステップから第3ステップを繰り返すことを特徴とする請求項2に記載の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法である。
請求項4に記載の発明は、前記第3ステップにおいて、
前記ベースガス供給流路から前記ベースガス貯留槽に前記不活性ガスを補充する際に、当該不活性ガスの流量を制御しながら補充するとともに、
前記原料ガス供給流路から前記原料ガス貯留槽に前記100%セレン化水素ガスを補充する際に、当該100%セレン化水素ガスの流量を制御しながら補充することを特徴とする請求項3に記載の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法である。
前記ベースガス供給流路に設けられたベースガス貯留槽と、前記ベースガス貯留槽の重量を測定する第1の重量計と、前記原料ガス供給流路に設けられた原料ガス貯留槽と、前記原料ガス貯留槽の重量を測定する第2の重量計と、を備えることを特徴とする太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給装置である。
請求項7に記載の発明は、前記ベースガス供給流路において前記ベースガス貯留槽の上流側に設けられた第1の流量制御手段と、前記原料ガス供給流路において前記原料ガス貯留槽の上流側に設けられた第2の流量制御手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項5又は6に記載の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給装置である。
このように、不活性ガス及び100%セレン化水素ガスをそれぞれ貯留槽に一時的に貯留し、それぞれの供給量を重量で管理することにより、100%セレン化水素ガスの連続的な通気により、原料ガス供給流路にセレン(Se)結晶が析出して、100%セレン化水素ガスの流量が変動した場合であっても、不活性ガスと100%セレン化水素ガスとの混合比を一定に保つことができる。このため、セレン化水素の濃度が安定したセレン化水素混合ガスを太陽電池製造装置に連続的に供給することができる。
したがって、セレン化水素混合ガスの供給開始から長時間経過した場合であっても、セレン化水素混合ガス中のセレン化水素濃度の設定値と実測値との間の誤差を低減することができる。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
また、本明細書中で用いる単位については、濃度は体積濃度、圧力はゲージ圧力、
流量は体積流量を表している。さらに、本明細書中に示す体積は、基準状態(0℃、1atm(大気圧))での体積である。
図1に示すように、本実施形態の供給装置1は、太陽電池の製造装置における生産状況に応じて、所定の濃度に調製したセレン化水素混合ガスを供給する装置である。具体的には、供給装置1は、ベースガスを供給するためのベースガス供給流路L1と、ベースガス供給流路L1に設けられたベースガス用バッファータンク(ベースガス貯留槽)2と、ベースガス用バッファータンク2の重量を測定するための重量計(第1の重量計)3と、原料ガスを供給するための原料ガス供給流路L2と、原料ガス供給流路L2に設けられた原料ガス用バッファータンク(原料ガス貯留槽)4と、原料ガス用バッファータンク4の重量を測定する重量計(第2の重量計)5と、所定の濃度に調整されたセレン化水素混合ガスを貯留するための混合ガス用バッファータンク(混合ガス貯留槽)6と、を備えて概略構成されている。
ベースガスは、希釈用途の不活性ガスであれば特に限定されるものではない。上記ガスとしては、例えば、窒素(N2)ガス、アルゴン(Ar)ガス等が挙げられる。
なお、マスフローコントローラ9の直前の圧力は、太陽電池製造装置への供給圧力に応じて適宜選択することができる。ベースガス供給源の圧力としては、例えば、マスフローコントローラ9の直前の圧力としては、0.6〜0.7MPaの範囲とすることができる。
なお、本実施形態の供給装置1では、不活性ガスの流量を制御可能なものであれば、特に限定されるものではない。マスフローコントローラ9以外の流量制御手段としては、単純に流量を制限するオリフィスやニードル弁等を例示することができる。
また、ベースガス用バッファータンク2には、圧力計2aが接続されている。この圧力計2aにより、ベースガス用バッファータンク2に充填された不活性ガスの圧力を確認することができる。
原料ガスは、濃度100%のセレン化水素(H2Se)ガスである。なお、本明細書中では、単に100%セレン化水素ガスと記載する。
なお、本実施形態の供給装置1では、100%セレン化水素ガスの流量を制御可能なものであれば、特に限定されるものではない。マスフローコントローラ17以外の流量制御手段としては、単純に流量を制限するオリフィスやニードル弁等を例示することができる。
また、原料ガス用バッファータンク4には、圧力計4aが接続されている。この圧力計4aにより、原料ガス用バッファータンク4に充填された100%セレン化水素ガスの圧力を確認することができる。
また、原料ガス用バッファータンク4には、流路L4の一端が接続されており、この流路L4の他端が図示略の混合器に接続されている。また、流路L4には、開閉バルブ23が設けられている。
そして、流路L3及び流路L4が接続された図示略の混合器と混合ガス用バッファータンク6とは、流路L5により接続されている。この流路L5の上流側及び下流側には、開閉バルブ24,25がそれぞれ設けられている。
本実施形態の供給方法は、ベースガス供給流路L1から供給される不活性ガスと、原料ガス供給流路L2から供給される100%セレン化水素ガスと、を混合して、所定の濃度に調製したセレン化水素混合ガスを供給する太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法であり、ベースガス供給流路L1に設けられたベースガス用バッファータンク2から所定の重量の不活性ガスを供給し、原料ガス供給流路L2に設けられた原料ガス用バッファータンク4から所定の重量の100%セレン化水素ガスを供給して、不活性ガスと100%セレン化水素ガスとの供給比を一定に保ちながら所定の濃度のセレン化水素混合ガスを調整することを特徴とするものである。
次に、圧力計2aを確認しながらベースガス用バッファータンク2に不活性ガスを所定の圧力となるまで充填するとともに、圧力計4aを確認しながら原料ガス用バッファータンク4に100%セレン化水素ガスを所定の圧力となるまで充填する。
ここで、本実施形態の供給方法は、混合ガス用バッファータンク6に充填された所定の濃度のセレン化水素混合ガスの充填圧力に上限値及び下限値を設け、混合ガス用バッファータンク6内の圧力が設定した上限値又は下限値になったときに、不活性ガス及び100%セレン化水素ガスの供給を開始又は停止するバッジ方式である。
第1ステップでは、混合ガス用バッファータンク6中のセレン化水素混合ガスの充填量が設定した下限値となったときに、ベースガス用バッファータンク2から混合ガス用バッファータンク6に不活性ガスの供給を開始するとともに、原料ガス用バッファータンク4から混合ガス用バッファータンク6に100%セレン化水素ガスの供給を開始する。
ここで、セレン化水素混合ガスの濃度は、特に限定されるものではなく、太陽電気製造装置の要求に応じて適宜選択することができる。具体的には、例えば、セレン化水素混合ガス中のセレン化水素の濃度を、5〜20vol%とすることができる。
なお、混合ガス用バッファータンク6へと供給されるセレン化水素混合ガス中のセレン化水素濃度は、ガス濃度分析計29によって測定することができる。
第2ステップでは、ベースガス用バッファータンク2から所定の重量分の不活性ガスを供給したときに混合ガス用バッファータンク6への不活性ガスの供給を停止するとともに、原料ガス用バッファータンク4から所定の重量分の100%セレン化水素ガスを供給したときに混合ガス用バッファータンク6への100%セレン化水素ガスの供給を停止する。
なお、混合ガス用バッファータンク6に、不活性ガス及び100%セレン化水素ガスがそれぞれ所定の重量分だけ供給されたときに、混合ガス用バッファータンク6内の圧力が設定した上限値となるように調整する。
第3ステップでは、不活性ガス及び100%セレン化水素ガスの混合ガス用バッファータンク6への供給を停止した後に、ベースガス供給流路L1からベースガス用バッファータンク2に不活性ガスを補充するとともに、原料ガス供給流路L2から原料ガス用バッファータンク4に100%セレン化水素ガスを補充する。
なお、本実施形態の供給方法において、上記第1ステップから第3ステップのサイクルを1バッジと称する。
したがって、セレン化水素混合ガスの供給開始から長時間経過した場合であっても、セレン化水素混合ガス中のセレン化水素濃度の設定値と実測値との間の誤差を低減することができる。
(例1)
図1に示す供給装置1を用いてセレン化水素混合ガスを調整した。
ベースガスには100%アルゴン(Ar)ガスを用い、原料ガスには100セレン化水素ガスを用いて、セレン化水素濃度が10(vol%)のセレン化水素混合ガスを調整した。
一方、原料ガス用バッファータンクの容積は223(L)であり、この原料ガス用バッファータンクから混合ガス用バッファータンクへの100%セレン化水素ガスの供給開始時の圧力は、0.489(MPaG)であり、重量は3.545(kg)であった。
また、100%セレン化水素ガスの供給停止時の圧力は0.420(MPaG)であり、重量は3.044(kg)であった。
一方、混合ガス用バッファータンクの圧力が上限値となり、重量は10.89(kg)であった。
結果を表1に示す。
図1に示す供給装置1を用いて、太陽電池製造装置にセレン化水素混合ガスを連続して供給した。
また、セレン化水素混合ガスの調整時の、供給装置1の条件としては、表2の条件を用いた。
表2の条件にて50回のバッチ処理を行った後、混合ガス用バッファータンク6に接続されたガス濃度分析計29を用いて混合ガスの濃度変化を記録した。結果を表3に示す。
図2に示す供給装置101を用いて、太陽電池製造装置にセレン化水素混合ガスを連続して供給した。太陽電池製造装置へのセレン化水素混合ガスの連続供給には、バッファータンク102を用いたバッチ方式を用い、供給装置101のセレン化水素混合ガスの供給条件としては、表2の条件を用いた。
表2の条件にて50回のバッチ処理を行った後、バッファータンク102に接続されたガス濃度分析計122を用いて混合ガスの濃度変化を記録した。結果を表3に示す。
以上より、セレン化水素混合ガスを連続供給した場合に、本発明を適用した例2は、従来技術である例3と比較して、連続供給前後のセレン化水素混合ガスの濃度変化を約1/13程度に抑えることができることを確認した。
2…ベースガス用バッファータンク(ベースガス貯留槽)
2a…圧力計
3…重量計(第1の重量計)
4…原料ガス用バッファータンク(原料ガス貯留槽)
4a…圧力計
5…重量計(第2の重量計)
6…混合ガス用バッファータンク(混合ガス貯留槽)
7,11,15,19,22,23,24,25,26,28,30,31…開閉バルブ
8,16…圧力調整器
9…マスフローコントローラ(第1の流量制御手段)
10,14,18…自動弁
12,13,20,21,27…圧力計
17…マスフローコントローラ(第2の流量制御手段)
29…ガス濃度分析計
L1…ベースガス供給流路
L2…原料ガス供給流路
L3〜L8…流路
Claims (7)
- ベースガス供給流路から供給される不活性ガスと、原料ガス供給流路から供給される100%セレン化水素ガスと、を混合して、所定の濃度に調製したセレン化水素混合ガスを供給する太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法であって、
前記ベースガス供給流路に設けられたベースガス貯留槽から所定の重量の不活性ガスを供給するとともに、前記原料ガス供給流路に設けられた原料ガス貯留槽から所定の重量の100%セレン化水素ガスを供給することにより、所定の濃度のセレン化水素混合ガスを調整することを特徴とする太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法。 - 所定の濃度に調整された前記セレン化水素混合ガスを、混合ガス貯留槽に供給することを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法。
- 前記混合ガス貯留槽中の前記セレン化水素混合ガスの充填量が設定した下限値となったときに、前記ベースガス貯留槽から当該混合ガス貯留槽に前記不活性ガスの供給を開始するとともに、前記原料ガス貯留槽から当該混合ガス貯留槽に前記100%セレン化水素ガスの供給を開始する第1ステップと、
前記ベースガス貯留槽から所定の重量分の前記不活性ガスを供給したときに当該不活性ガスの前記混合ガス貯留槽への供給を停止するとともに、前記原料ガス貯留槽から所定の重量分の前記100%セレン化水素ガスを供給したときに当該100%セレン化水素ガスの前記混合ガス貯留槽への供給を停止する第2ステップと、
前記不活性ガス及び前記100%セレン化水素ガスの前記混合ガス貯留槽への供給を停止した後に、前記ベースガス供給流路から前記ベースガス貯留槽に前記不活性ガスを補充するとともに、前記原料ガス供給流路から前記原料ガス貯留槽に前記100%セレン化水素ガスを補充する第3ステップと、を備え、
前記第1ステップから第3ステップを繰り返すことを特徴とする請求項2に記載の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法。 - 前記第3ステップにおいて、
前記ベースガス供給流路から前記ベースガス貯留槽に前記不活性ガスを補充する際に、当該不活性ガスの流量を制御しながら補充するとともに、
前記原料ガス供給流路から前記原料ガス貯留槽に前記100%セレン化水素ガスを補充する際に、当該100%セレン化水素ガスの流量を制御しながら補充することを特徴とする請求項3に記載の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法。 - ベースガス供給流路から供給される不活性ガスと、原料ガス供給流路から供給される100%セレン化水素ガスと、を混合して、所定の濃度に調製したセレン化水素混合ガスを供給する太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給装置であって、
前記ベースガス供給流路に設けられたベースガス貯留槽と、前記ベースガス貯留槽の重量を測定する第1の重量計と、前記原料ガス供給流路に設けられた原料ガス貯留槽と、前記原料ガス貯留槽の重量を測定する第2の重量計と、を備えることを特徴とする太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給装置。 - 前記ベースガス貯留槽及び前記原料ガス貯留槽の下流側に設けられた混合ガス貯留槽を、さらに備えることを特徴とする請求項5に記載の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給装置。
- 前記ベースガス供給流路において前記ベースガス貯留槽の上流側に設けられた第1の流量制御手段と、前記原料ガス供給流路において前記原料ガス貯留槽の上流側に設けられた第2の流量制御手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項5又は6に記載の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給装置。
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