JP5375308B2 - オーニング窓等の開閉機構及びこれを用いたオーニング窓 - Google Patents
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Description
また、左右の開閉リンクの位相差を少なくする為に従動側の開閉リンクを故意に進角させたものもある。
オーニング窓Wは、操作ハンドル6aを所定の方向へ回転(正回転)させると昇降リンク4が下降し、開閉リンク3が障子2を上側中心に外方へ回転させて開放状態とすることができ、また、操作ハンドル6aを開放動作と反対の方向へ回転(逆回転)させると昇降リンク4が上昇し、開閉リンク3が障子2を上側中心に内方へ回転させて閉鎖状態とすることができる。
上リンク8は、上端が昇降リンク4の支持部10に連結され、下端が障子2の左右両側に固定されている。下リンク9は、上端が上リンク8に連結され、下端が昇降リンク4に連結されている。
上リンク8は、昇降リンク4の支持部10に設けた長孔10aに係合するピン8aにより移動可能且つ回動可能に連結支持されている。開閉動作の際には、このピン8aを中心に障子2が回動する。また、ピン8aは、外枠1に設けた案内部11の案内孔11aに係合し、これにより昇降移動時の位置が規制される。
上リンク8の障子2固定部分には下リンク9が連結され、昇降リンク4により下リンク9の下端が上方へ押し上げられることで上リンク8がピン8aを中心に回転して、図3に示すように、障子2を開放する。
障子2閉鎖の際、昇降リンク4が昇降して係止ピン13aが係合溝14aに嵌入し、係合溝14aによりリンク側係止部13が回転して上方開放姿勢となることで障子2をロックする。これらにより、障子2閉鎖状態において、操作部6以外の操作により、障子2が開放することを防止できる。ここで、昇降リンク4の最上位置から少し下方までの限られた範囲の昇降動作によって、ロック機能の発揮又は解除が行われているため、左右の昇降リンク4、4にズレが生じるとこれらの機能も正常に発揮することができない。
また、従動側の下側クランク17には、位相差調整手段7として角度変更可能な可曲部を設けている。可曲部は、連結軸部材5に対して回動可能な下側クランク17と、連結軸部材5に対して回動不能な調整部18とより構成される。この下側クランク17と調整部18とは下側クランク17に設けた長孔17aと調整部18の螺子孔とを螺子18aにより固定することで相対回転不能となる。ここで、下側クランク17は、この長孔17aにより、下側クランク17の連結軸部材5に対する固定角度を変更することができ、結果、上側クランク16の上端に連結する上連結部16aの高さを調整して、主動側の昇降リンク4に対する従動側の昇降リンク4の上下方向のズレを解消することができる。
通常、図6(a)に示すように、下側クランク17と調整部18は、固定角度差θが無い状態(θ=ゼロ)で固定されており、この状態でオーニング窓Wが設置される。設置後又はメンテナンスにおいて必要があれば、この固定角度差θを調整して左右の開閉リンク3のズレを解消することができる。
オーニング窓Wを操作ハンドル6aにより開放する際に主動側の開閉リンク3に対して従動側の開閉リンク3が遅れて連動している場合には、従動側の昇降リンク4の高さを下げる必要がある。このとき、図6(b)に示すように、調整部18が下側クランク17よりも時計回りにおいて進角する方向(θ>0)に下側クランク17を回転させて固定することで、従動側の昇降リンク4を下げることできる。ここで、長孔17a周縁には、下側クランク17の長手方向にのびる複数の溝(図示せず)を形成し、下側クランク17と調整部18との固定を強固なものとしているため、固定角度差θを維持して左右の開閉リンク3の相対位置を適正な状態で長期間使用できるものとしている。また、固定角度差θは、長孔17a内に螺子18aが位置する範囲内であれば、左右の開閉リンクのズレに応じて無段階で適宜選択することができる。なお、長孔17a周縁の溝は摩擦力を高めるためのものであるため、溝を形成せず、他の加工、例えば、表面粗さの調整などにより摩擦力を高めるものを採用しても良い。
また、オーニング窓Wを操作ハンドル6aにより開放する際に主動側の開閉リンク3に対して従動側の開閉リンク3がすすんで動いている場合には、従動側の昇降リンク4の高さを上げる必要がある。このとき、図6(c)に示すように、下側クランク17が調整部18よりも時計回りにおいて進角する方向(θ<0)に下側クランク17を回転させて、固定することで、従動側の昇降リンク4を下げることできる。このときも、固定角度差θは一定範囲内で無段階に調整できるため、適宜、最適角度を選択することができる。
通常、図8(a)に示すように、調整螺子孔19aが連結軸部材5との連結側から一番離れる位置(α=0)で嵌め込まれ、オーニング窓Wは設置される。 その後、適宜、螺子孔調整部19を回転させて調整螺子孔19aの位置を変更する。図8の(b)はα=90°、(c)はα=180°、(d)はα=270°で固定した状態を示す。
また、位相差調整手段7、7Aは、昇降リンク4と上側クランク16の連結部から下側クランク17と連結軸部材5との連結部までの高さLを調整することで、左右の開閉リンク3のズレを解消することを目的とするものであり、これらのように、昇降リンク4と上側クランク16の連結部から下側クランク17と連結軸部材5との連結部までの高さLを調整することができるものであれば、位相差調整手段を他の構成によりなるものとしてもよく、例えば、調整部18のように連結角度を変更することができるものを、上側クランク16を下側クランク17との連結部、又は、昇降リンク4を上側クランク16との連結部に設けて構成してもよいし、同じように、螺子孔調整部19のようなものを他の連結部に設けてもよい。
さらに、上記本発明の実施形態及び他の実施形態においては、位相差調整手段7、7Aを用いたオーニング窓Wの構成を説明したが、オーニング窓Wに限らず、他も左右若しくは上下を連結軸部材で連動させる構造をもつ他の窓に用いてもよく、例えば、ルーバー窓や平行移動窓等に適用できる。
また、位相差調整手段7、7Aは、操作部6の存在しない側にのみ設けて組立容易とするとともに位相差調整手段7、7Aによる調整作業をより容易に行えるものとしているが、これに限らず、例えば、両側又は操作部6側にのみ設けてもよい。
2 障子
3 開閉リンク
4 昇降リンク
5 連結軸部材
6 操作部
6a 操作ハンドル
7、7A 位相差調整手段
8 上リンク
8a ピン
9 下リンク
10 支持部
10a 長孔
11 案内部
11a 案内孔
12 ロック機構
13 リンク側係止部
13a 係止ピン
13b 枢止ピン
14 外枠側係止部
14a 係合溝
15 障子側係止部
15a 係止部
16 上側クランク(クランク部材)
16a 上連結部
17 下側クランク(クランク部材)
17a 長孔
18 調整部
18A 円柱突部
18a 螺子
19 螺子孔調整部
19a 調整螺子孔
19b 凸部
20 螺子
21 ワッシャー
22 嵌合孔
22a 凹部
A 左右方向
B 前方
G ガラス
W オーニング窓
α 調整角度
θ 固定角度差
Claims (3)
- 略矩形の障子と、
該障子の左右両側に位置し、前記障子を上下方向に単又は複数、回動自在に支持する開閉リンクと、
左右側各々において前記開閉リンクを駆動させる昇降リンクと、
左右側の何れか一方の前記昇降リンクを昇降させる操作部と、
前記昇降リンクに連結されるとともに、前記昇降リンクの昇降運動を回転運動に変換するクランク部材と、
左右両端部が左右の前記クランク部材に連結され、前記一方の昇降リンクに連動して回動することで前記他方の昇降リンクを前記一方の昇降リンクに連動させる連結軸部材と、
該連結軸部材と前記昇降リンクとの間に左右の開閉リンクの相対位置を調整する位相差調整手段とを備え、
前記位相差調整手段を、前記クランク部材に可曲部を設けて構成し、該可曲部の固定角度を調整して前記クランク部材の傾き角度を変更することにより、左右の開閉リンクの位相差を調整するものとしたオーニング窓等の開閉機構。 - 略矩形の障子と、
該障子の左右両側に位置し、前記障子を上下方向に単又は複数、回動自在に支持する開閉リンクと、
左右側各々において前記開閉リンクを駆動させる昇降リンクと、
左右側の何れか一方の前記昇降リンクを昇降させる操作部と、
前記昇降リンクに連結されるとともに、前記昇降リンクの昇降運動を回転運動に変換するクランク部材と、
左右両端部が左右の前記クランク部材に連結され、前記一方の昇降リンクに連動して回動することで前記他方の昇降リンクを前記一方の昇降リンクに連動させる連結軸部材と、
該連結軸部材と前記昇降リンクとの間に左右の開閉リンクの相対位置を調整する位相差調整手段とを備え、
前記位相差調整手段を、前記連結軸部材と前記開閉リンクとの間に位置する何れかの連結部分の一方に、正多角形状、又は円周上に均等に配置された凸部を有する形状であるとともに、中心以外の位置に調整螺子孔を有する螺子孔調整部を嵌合して構成し、前記螺子孔調整部を回転させて調整螺子孔の位置を変更することにより、左右の開閉リンクの位相差を調整するものとしたオーニング窓等の開閉機構。 - 請求項1又は2記載のオーニング窓等の開閉機構を用いたオーニング窓。
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